2日目

ちょっと

2018年11月23日、夏の

997900514

C9979Y514E

ISBN4-7962-9721-9

雑誌53761-23

定価540円_本体514円

...

第29条、500条目景。

スコラSC12000

...HolAP

sc

く目泉

●ひっじ

あうは

冬日最

高城工体は、幼い頃に母を亡くし、女の友人、江戸

田夫妻のもとで暮らしている。父と姉・千砂の消

息はわからない。ある日、美術部員・八重樫の絵

このモデルをしている時に、真っ赤な絵の具を見て

倒れた一砂は、かつてその我が家に向かう。そこで

千秒と再会した一砂は、高城家の秘密を聞く。高

城の家の者は、ある奇病に侵されて、発病すると

まるで〝吸血鬼〟のように他人の血が欲しくて堪

らなくなるというのだ。再び倒れた一秒は、千砂を訪ねる。発病した人々は

貧血のような目まいの後、血が欲しくなり、やがて最期は発狂して死んでい

くのだ...そう語る千砂もまた幼い頃に発病したという。自らの身体の変化

を手他に告げる一体に、千砂は発作を抑ええる薬を与える。その薬は、父の古

くからの友人だという水無瀬が千秒に処方したものだった。いつも通りの

日々に遠和感を覚える一秒を発作が暴う。もらった薬を飲もうとせず苦しむ

一砂に、千砂は自らの腕に傷をつけ、血に滴る腕を差し出すが...。

Scholarsc

キッチを

CONIENTS

第7話第8話第9話第10話第711話第2話

話話話語話話

..

株価品収入のコンで実在の人の日頃までは無関係です。

さあ...

どうせ

あたしたちは

逃げられない

のよ

いいじゃない

普通の人間じゃ

なくたって

あがくよりも

受け入れて

しまった方が

きっとラクに

なれるわ

一砂.....

怖がら

ないで

人間なんて

どうせ

くだらない生き物よ

あたしが

居るわ...

どお

気分は?

......?

嘘みたいに

落ち着いた

発作が...

起きる少し前

とかに

俺たちの住んでた

あの古い家の

廊下に

ある映像が

頭に浮かぶ時が

あるんだ

白い着物の

女の子が

立っていて

目は虚ろで

血を流して

いた...

手に死んだ

猫を持って

るんだ

それが

子供の頃の

一番古い記憶で

同時に

血に対する

トラウマだった

あれは

あんた

だったん

だろ

...そうかもね

その頃の

記憶は

殆ど無いの

あたしが

発病したのは

三つの時だった

あるのは

死ぬ程の

苦しみが

何度も襲って

きた事だけ

あたしが

最初に飲んだ

人間の血は

父さんの

だったわ

自ら腕に傷を

つけて:飲ませて

くれたの...

さっきの

あたしみたいに...

それから...

度々そうやって

飲ませてくれた

だから...

父さんの腕は

傷でいっぱい

だった

父さんがいたから

あたしは生きて

これたの

父さんが

あたしを必要

としてくれてた

から.....

こんなくだらない

人生でもここまで

生きてこれた

でも...

本当に父さんが

必要としていた

のはあたしじゃ

ない...

母さんよ...

父さんは母さんを

とても愛して

いたから...

母さんが死んで

からというもの

子供のあたしの

目にも判るくらい

落胆していたわ

父さんは..

母さんに似ている

あたしを溺愛

することで

立ち直ったのよ

あたしは..

身代わりって..

なんか...

おかしいな...

父さんにとって

母さんの身代わり

だったのよ...

...そうね.....

子供を

愛するのは

当たり前の

事だろ

そんなの

関係ない

でも...

父さんは

あたしが必要で

あたしは

父さんが

必要だった

それだけよ

そろそろ

帰るわ

あなた

は?

......?

もう少し

ここに居る

そう...

じゃ...

千砂

また...

家に行って

いいかな...??

なに

言ってるの

あなたの

家じゃない

今度は...

薬飲みな

さい

俺は...

やっぱり

吸血鬼に

なってしまった

のか...

さっきまでの

頭痛や

喉の渇きが

まるで無く

なった...

千砂は...

あんな

苦しみを

三つの頃から

体験してたのか

俺...

怖がら

ないで

あたしが

居るわ...

これから

どうしたら

いいんだろう...

どんなに

あがいても

この血は

どうにも

なりは

しない...

それは

千砂が一番

よく知っている

自分が他人と

違うということを

幼い頃から

感じてるっていうのは

どういうものだろう

俺には

想像でき

ないけど...

あの...

千砂のどこか

人を莫迦にした

ような態度

全てがどうでも

いいといったような

投げやりな感じは

そこから来るのか...

でも...

さっきは...

とても

やさしい眼を

していた...

いつかの

夢みたい

に...

え..

コーヒー

でも飲む?

うん...

ふう...

今日のシチュー

なんか失敗

だったね...

赤ワイン

入れすぎた

かな...

このところ

おばさんは

帰りが早い

うまかったよ

料理は

あまり

得意じゃ

ないらしいが

それはきっと...

ほぼ毎日

夕飯を作って

くれる

俺のおばさんたちに

対する態度の

変化に何となく

気付き...

こうして

一緒の時間を

設けることで

溝を埋めようと

してるんだろう...

おばさんは

俺に気を

違って.....

思えば

子供の頃から

そうだった

常にそれは

感じていた

俺もおばさんに

気を遣っている

本当の親じゃ

ないという

後ろめたさが

おじさんと

おばさんを

やさしくさせる

また

本当の子供じゃ

ないという

後ろめたさが

俺を

”いい子”に

させる

血のつながり

なんて言うと

人情ドラマ

みたいで

イヤだけど

こういう時

あったら幾分

楽だろうな

人は結局

絶対に破られない

約束事が

欲しいのかも

しれないな...

ごちそう

さま

もう

寝よっかな

明日のお弁当

何がいい?

愛され

てるのは

判ってる

そうね

真っ赤な

ウインナー

だから...

病気の事は

言えない...

きゅって

俺は...

この家に

居ていいのか?

.....

その腕

え......?

どうしたの?

ああ...

これ......?

一砂にあげた

のよ...

あげたって

薬は......?

あのこ...

意気地が

無いのよ

誰かが

背中を押さないと

前に進めない

と思ったの

もっとも...

進んだところで

何もありは

しないんだけど

一ヵ所に

止まってウジウジ

してても結果は

同じよ

認めたくない

現実は受け入れ

ようとしない...

そういうとこ

父さんに

そっくりだわ

誰だって

そうじゃ

ないかな...

そう

だよ

.......

受け入れない方が

幸せな場合も

あるしね

そうかしら

あたしは

嫌だわ

例え傷つく

結果になっても

本当の事が

知りたい

ただの

自虐よ...

強いんだね

......

一砂くんに

関しては君は

深入り

する気は

無いと

言った筈だよ

...

わかってるわ

だから...

おそらく

君は一砂くんが

発病したと

判った時から

感じてた

違うな

君は...

第二の...

父親を

見つけたんだ

君こそ

君は...

父親が

死んだという

現実を受け入れ

られずにいるんだ

父親と

同じ事を

しょうと

している...

違う

かな...?

そうよ...

そうよ

あたしは

もう一人の父親を

見つけたのよ

......

君はどうする

つもりだ?

べつに...

でも...

あのこは

またここへ

きっと来る...

どうも

しないわ

そうしたのは

君だ

そうよ

君はまた

繰り返す

のか?

あの...

父親と暮らした

十二年間は...

君にとって

忌まわしい過去

でしかないと

僕は思って

いるんだ

水無瀬さんの

言いたい事は

判るの...

でも...

あたしには

父さんしか

いなかったのよ

そして

父さんも...

だけど...

君は人形に

すぎなかった

......

知ってたわ...

そんなこと...

おじさんが

そうしたように

君も一砂くんを

同じようにする

つもりなのか?

そんな

つもりは

無いわ...

黙って

見ていられ

ないのよ

ただ...

本当はあたしに

助けを求めて

欲しいのかも

さっき言った

ように歯がゆい

とかじゃなくて...

本当は...

それは

一砂くんが

父親に似て

いるから?

......

さっき君が

言った自虐の

意味を理解

したよ

結局...

まだ僕は

君に受け入れ

られないんだな

........

ええ.....

いや...

最初から

君たち父娘の

間には

そんな事は

最初から判って

いたんだ...

僕が入り込む

スキなんて

無かった

先生が

亡くなった

今でもね

だけど...

僕は先生を

尊敬していたし

こうやって

君の側に

居られる

だけで満足

だった

君たち父娘の

在り方については

理解する

気もないが

そして...

それは君が

望んだ事でも

あるから僕には

何も言う権利は

無い...

その資格も

無い

僕がいくら

君を必要として

いると言っても

君には届かない

高城の〝血〟に

翻弄される事

無く

君と同じ苦しみを

味わうことの無い

人間だからだ...

だけど...僕は...

おじさんと同じ

苦しみを味わう

ことはできる

つもりだ

それは......

僕が高城の人間

じゃないからだ

それでも僕は...

父親の身代わりに

なる資格も無い

のかな...

あなたを

巻き込みたく

ないのよ...

この高城の

くだらない血の

犠牲になるのは

私たち姉弟

だけでいいの

僕のことは

考える必要は

無いよ

こうして

あなたの

お世話になって

るのも本当は

心苦しいのよ

......と何回

言っても無駄

なんだろうな...

わかってるよ...

君は小さい頃から

自分の弱みを

絶対人に見せない子

だった

たとえ

父親にもね

だから

僕は...

こうして

穿鑿する

いやな癖がついて

しまった

そろそろ

帰るよ...

君はまだ

寝ていた方が

いいよ

「砂くんに

何かあったら

相談に乗るよ

......

...

実は僕は

少し安心

してるんだ

「砂くんの

存在が

君の生きる

理由になるんじゃ

ないかって

ね.....

もう僕は家中の

刃物を隠す

なんて事は

したくないからね

どうして私は

父さんにこんなに

こだわるん

だろう?

もう死んだ

人間なのに

あの

過去は...

あの子は

まともな人生なんて

送れませんよ

忘れたいものの筈

じゃなかったの?

施設に預けたら

どうなの?

私はねえ

最初から反対

だったんですよ

百子さんが

あんなふうに

死んでしまっても

母さん...

志砂

あなたはまだ

若いのよ

まだこの

高城の家に

縛られてる

つもりなの?

これ以上

私を悲しませ

ないで頂戴

これから

いくらでも

やり直せる

じゃない

子供に

愛着が

あるのは解り

ますよ

でもね.....

あの子は...

千砂はもう

どうにも

ならないのよ

私だって

母親です

からね

それは

あなただって

承知でしょう

このまま

手元に置いて

おいても

いつか恐ろしい

事件を起こす

か...

母親のように

何も判らなく

なってしまうかよ

こう言っては

なんだけど...

子供は、あの子

一人じゃない

んですよ

聞けば

高城の病気は

殆どが女の方に

出るって言う

じゃありませんか

男が発病

するとしたら

二歳以内だとも...

一砂は

大丈夫なの

でしょう?

千砂の事は

忘れてしまい

なさい

あの子は

生まれて

きてはいけな

かったのよ

駅まで

送ろうか?

今日は

一砂はどこへ

行ってるの?

いいのよ

わかるから

ああ...

江田のところへ

遊びに行ってる

あなたと同じ

高校だった

あの江田さん?

そう...

それじゃ.....

また来るわ

うん

最近結婚してね

子供好きらしいん

だけど奥さん

仕事してるから...

母さん

もうここには

来ないで

志砂...

僕の事は

忘れて欲しい

んだ...

僕の気持ちは

さっき言った通り、

だから

父さんだって

最期まで

僕を許さな

かった...

僕はもう

あの家の人間

じゃない

...

また来ます

よ...

兄さんと

義姉さんに

よろしく...

だから...

千砂.....

起きたのか

桜の樹の下

には...

何を振って

るんだ?

死んだ人が

埋まってるの?

誰が

そんなこと

言ったんだ?

お母さん

だから

こんなきれいな

花が咲くん

だって...

この下には

お母さんが

埋まってるん

でしょう?

ちがうよ

千砂...

お母さんは

そこじゃ

ないよ

もう

よしなさい

いくら掘ったって

何も無いよ

千砂.....

よしな

さい

おまえも

見ただろ

う?

お母さんが

白く小さく

なって

お墓の中に

入っていくのを

お父さんと

一緒に見た

だろう?

千砂も...

お母さん

みたく

なっちゃうの?

千砂は...

生まれて来ちゃ

いけなかったの?

父さんは

泣いていた

声を殺して

震えていた

私は...

自分のことを

忘れ

父さんが

かわいそうで

泣いた...

おそらく...

それが

始まりだった

父さんは

母さんに似て

いる私を

必要とし

そして...

私には“必要と

されているんという

充足感が

必要だった

君は

人形にすぎ

なかった

それでも

いいと思った

私を一番

理解してくれる

人間は父しか

いなかったのだし

例えそれが

禁じられた

ものだとしても

私は何の

疑問も持たずに

父を愛した

私には

関係無かった

だけど...

私は

父さんを

憎んだ

父さんは

私を連れて

行っては

くれなかった

まだ

終わらない

父さんを

忘れたくて

だけど...

二人で住んだ

横浜の家を

出て

ここへ帰って

きた

この町には

一砂がいた

まだ.....

父さんは

死んでない...

私はまだ

父さんの影から

逃げられ

ない...

おまえが...

あなたの

家じゃない

30

高城

え.....

あ.....

べっつに

深刻に

考える

こたねーん

じゃね?

うん...

なんそれ

まだ出して

ないの?

意識調査

みたいな

モンだろ

まだ...

そーいや

オマエ前に

進学しねーって

言ってたよな

...ん....

ああ...

...

やっぱそんな

こと言える

立場じゃねえ

から...

おまえ

さあ...

なんか

最近

変わった

よな...

なんつーの

こう...

浮世離れ

してきたっ

つーか.....

なんだよ

それ

それ

そうと

オマエ

もうヤエガシ

サンの絵の

モデルやって

ないの?

あ...

ああ.....

きのう

美術室の前

通ったら

彼女一人で

ボーっとしてたぜ

なんだか

知らねーケド

ナカヨクして

よね

オレってば

彼女のファン

だったり

したからさ

......?

んじゃオレ

ブカツ行くから

待ちなさい

エミちゃん

何やって

んのよ

あんたは

え.....

か...髪....

切ろうと

思って...

切るなら

トコヤにでも

行きなさい

自分で

切るんじゃないの

自分で

なんか...

髪でも

切ったらすっきり

するかなー

と思って...

......!

高城くんと

何か

あったの?

やっぱね

どーも

最近おかしいと

思ってたんだ

.......

絵は完成して

ないのに美術室には

いつもあんた

一人だしさ...

やっぱり...

なんか

モヤモヤして

そうなの

かな.....?

頭のどこかに

いつまでも

ハッキリしない

部分があって

この...

ヘンな感じの

原因は...

やっぱ

あんた

変わって

るわ.....

で...

高城くんと

何が

あったの?

......

ま.....

言いたくなけ

ればべつに

いーけどさ...

今日は

部活出ないで

帰る

そう

言いに

来たの

エミちゃん

じゃーね

...

...

久しぶりだね

そう

だね...

今日は

一人で

帰るの?

......

葉なら

まだ美術室に

いるよ

会いたければ

行ってみたら

あのこ

ちょっと情緒

不安定っぽい

から

気をつけて

取り扱った

ほうがいいよ

俺...!

笑わない女は

嫌いなんだ...

高城くんは

いくら嫌いな

人にでも

あんなこと

言う人じゃ

ない...

なんだか

追い詰め

られたような

目をしてた

どうして?

あたしの

せい?

違うんだ

あの髪の長い人は

俺の姉

なんだ

あれは...

本当なの

かな...

ウソかも

しれない...

でも...

何故.....?

わから

ない...

でも......

一つだけ

わかるのは...

どうして...?

彼は...

以前の

高城くんじゃ

ない

そう..

表面的に

変わった

わけじゃ

ないけど...

何があったの?

あの...貧血と

関係が

あるのかな...

それとも...

それとも...

姉とは...ずっと

会ってなくて

その...

ても...

どちらに

しろ...

そう...

理由は

どうであれ

高城くんは

はっきり

あたしを

拒絶した

それを彼に

問いただす権利は

あたしには

無いんだ

それは

事実

なんだ...

帰ろ...

明日も

来て

くれる?

自惚れて

いたのかも...

ばかみたい...

この日常

全てを

失ったと...

俺以外は

いつもと変わらない

日常の中に

居ることで

俺が...

発病した

日から...

わかっていた

つもりだった

のに...

どこかでそれを

ごまかしていた

守りたかったから

遠ざけた

その責任を

俺はとって

いなかった

それでも、

そういえば、

俺は...

俺は...

ここにいるべきじゃ

なかったんだ

こっちへ

来て

一秒......

どうせ

あたしたちは

逃げられ

ないのよ

まっ赤だ

どうしたら

もとに戻る?

もう

戻ら

ないよ

今度は

薬飲み

なさい

うっ

早く...

早く

効いてくれ

あ...

高城くんの

出しっ

放しだ...

はい

早く...

効いて

くれ...

血の臭いが

頭から

離れない...

こんな薬で

抑えたって...

千砂は...

いったい

いつまで続ければ

いいんだ

いつまで

続けるつもり

なんだ.....

あたしが

生きてきた

のは...

父さんが

いたからよ

俺は...!

誰の為に

生きてるん

だろう...

高城くん?

高.....

ど..

八重......

どうしたの

高城くん

来るな!

た...

たいした事

ないから...

いいんだ

な...

何言ってんの

顔真っ青だよ

じきに

治るから...

......

ただ...ちょっと

目眩がした

だけなんだ...

高城くん....

高城くん.....

何が

あったの?

その.....

病気と関係が

あるの?

それとも...

関係なくて...

変わったのは...

あたしにだけ

なのかな...

...あ...

また...

あの眼だ

ごめん...

ごめん

でも.....

う...

こんなこと訊く

権利あたしには無いって

わかってるよ...

でも...

あたし...

どうしていいか

わからな...

高城くん

来るな!

たのむ

近寄らないで

くれ

オレ.....

あんただけは

傷つけたく

ないんだ

そうだよ

俺は変わった

んだ

俺は自分が

怖くて

しょうがない

今だって

何をするか

わからない

俺は...

危険な

人間なんだ

だから...

近寄ら

ないでくれ

ここから

出ていって

くれ

俺の

理性が

あるうちに...

な...

んで.....?

何それ...

危険な

人間だとか

何のことか

わかんないよ

な...

だめだよ

こんな状態の人

放って行ける

わけないじゃん

寄るなっ

八重樫

とにかく

保健室

行こう

高城くん?

きゃっ!

高城くん!

!.....

......?

...

見ただろ...

.......

俺は...

こういう病気

なんだ.....

...言っても

信じてもらえ

ないかもしれない

けど...

血が

欲しくなるんだ

俺の本当の

母親の家に

代々伝わる

奇病らしい...

最近なんだ

症状が現れ

たのが...

それまで

本当の父親が

死んだ事すら

知らなかった

まるで

吸血鬼

みたいに...

度々起こる

貧血もそのせい

だったんだ...

発作のように

この渇きは

やってくる

その発作を

抑える薬も...

いつか...理性が

無くなって他人を

傷つけるんじゃ

ないかと自分自身に

怯えている

どうやら

俺には効かない

みたいだ...

......?

信じなくても

いい...

だけど今すぐ

この場から

立ち去ってくれ

また発作が

起きる前に...

頼むよ

薬が効かない

そうなんだ...

...違うんだ...

.....また...

やって来る...

この血じゃないんだ

きみはまた

繰り返すのか

一砂くんも

君と同じに

するつもりなのか

そんな

つもりは

無かった...

ただ...

かつて父さんが

私にしてくれた

ように

父さんに

似てる一砂に

私も

一砂にそうして

あげたかった

あたしは...

千...

......?

一砂.....

立てる?

中に入って

あなたが

またここへ来ると

わかっていたわ

お...俺.....

あたしの

血を求めて

何も

言わなくて

いい..

はっ

あなたが

ここへ来るのは

わかっていたわ

あたしの...

血が

欲しいんでしょ?

そうかも

しれない...

だけど...

もう.....

そんなこと

したくない...

でも...

薬が効かなくて

どうしていいか...

俺.....

薬を.....

飲んだのね

...だけど...

駄目だった...

だから...

自分の血を

飲んだ...

それもあまり

効果がなかった...

何故なんだ

同じじゃないわ

同じ血じゃないか

なのに...

あなたが欲しい

血は...自分の

じゃない

以前あたしが

血そのものが欲しく

なるって言ったのは

他人の血の

こと...

その.....

他人の血を

人の血の味を

あなたは

知ってしまった

あなたが

薬を飲んだ

としても...

あたしの所へ

いずれ来る

だろうと

思っていた

何故なら.....

あっ

あなたは

人の血の味をきっと

忘れられないから

あ...

人の血の味を

教えたのはあたし

あなたは...

あたしの血に

頼るしか

ないのよ...

でもあの薬が

効かなかったのなら

...どの道結果は

同じだったのよ...

う...

一砂......

.....あなたを

癒すことが

できるのは

それでも、

それでも、

あたししか

いないのよ

あ...

オレ...

よほど疲れてた

みたいね

ゴ......

ゴメン...

オレは...

また...

三十分くらい

眠ってたけど

あ.....

そうか...

ゴメン...

気分は

どお?

謝ること

ないわ

...うん...

まだ...

悪いの?

そうじゃ

ないけど...

いっそ...

......

死んじまい

てーな.....

だって

そうだろ

こんなふうに

しか生きられ

ないんなら...

そうね...

でも結局......

こうして生きて

いる.....

それは

父さんの為?

あたしも

そのことは

飽きる程

考えたわ...

死んでしまうには

悔しい気もしたの

そうよ

それに...

だって...そうでしょ

あたしは何も悪く

ないんですもの

この...

高城の家に

生まれた...

たしかに...

理不尽な

気はするよ

でも...

それ以上に...

俺は...

ただそれ

だけなのに...

......

こんな

自分に...

耐えられない

......

こんなのって...

何か

みじめだ

......

あたしも...

同じコト

したわ...

小さい頃

そうよ

みじめよ

みじめで

バカらしい

あたしを必要

としてくれる人が

いなくなって

その時は...

あたしも

死のうと思った

生まれてきた

ことを呪ったわ

.....俺に

とってはどうでも

いいことだから...

ずっと訊かないで

いたけど...

父さんは

何故死んだの?

自殺よ

眠ったまま

目を覚まさ

なかったの...

手には

薬の瓶が

握られて

いたわ

遺書は

水無瀬さん宛に

一通.....

〝娘をよろしく”

とだけ...

ただ

それだけ...

周囲の人は

皆何故

父さんが自殺

なんかしたのか

不思議がって

いたわ

でも...

あたしには

わかる...

......?

結局...

父さんは...

自分に嘘を

つき続ける

ことに

疲れたのよ

あたしは

母さんの代わり

にはなれなかった

のよ

父さんに

置き去りに

されたあたしは...

そして

この町で

死にそびれた

まま情性で

生きてきたわ

あなたと

再会した

あたしでは

だめ?

一砂

あたしは

あなたの

生きる理由に

ならない?

だから...

生きて

いて

あたしは

あなたが

必要だわ...

そろそろ

帰らないと

家の人が

心配するん

じゃない?

一砂

ん...

うん

家の人には

話して

ないんでしょ?

迷惑

かけたく

ないんだ

それに...

知られ

たくない...

知られたく

ないけど...

家で発作が

起きるかも

しれないし...

学校ならあと

一週間程で

夏休みに

入るわ.....

家に居たく

ないのなら

うちに居れば

いいのよ

え.....

こんな状態じゃ

学校も行って

られない

でも.....

一緒に

暮らさない?

あたしたち

姉弟なん

だし...

その方が

自然だと

思うの

きっと

......?

このまま

一緒にいても

江田夫妻も

納得して

くれるわ

それがいい

かもしれない

おじさん達を

不安がらせる

ばかりだ...

江田さんは

事情を知ってる

のかしら

それじゃ

いずれ

あたしから

話すわ

......かも

しれない

いい.....?

...うん

安堵と不安

その先には

何があるかは

とりあえず

今は

考えたくない...

一砂

遅れる

わよ

今行く

おばさん

もう行った

のか...

一緒に

暮らさ

ない?

一緒に暮らし

たのはたった

三年間だし

確かに...

あたしたち

姉弟

なんだし...

ほとんど

他人よ

姉弟と

いう実感は

無い

俺はちな

千砂のことを

よく知らない

千砂は

感情を

あまり表に

出さないし

一緒に

暮らすと

いうことが

俺達にとって

本当に

いい事

なんだろう

か.....

あなたは

私の血に

頼るしか

ないのよ

高城

休み前は

欠席が多い

な.....

高城は

休みか?

危険な

人間なんだ

近寄るな

あんただけは

傷つけたく

ないんだ

高城?

ヤエガシサン

あ...

え.....

ちが.....

木ノ下君...

知ってるの?

ヤツなら

今日休み

だよ

なに

あいつ

病気なの?

......?

高城くんの...

病気.....

木ノ下くん

にも話して

ないんだ...

え.....?

そーいや

最近顔色

よくなかった

ケド...

どこに

行ったのかな

誰も

居ない...

じゃあ...

家は出たの

かな...

なんだか

もう高城くん

学校に来ない

気がする...

彼の言った事が

本当なら

本当に

彼の身に

そんな事が

起こっている

なら

俺~~~!

笑わない女は

嫌いなんだ...

きっと

他人から

遠ざかろうと

する

一砂......

りんご

食べない?

昨日水無瀬さんに

もらったの

りんごって

一年中

あるのね

そう

だっけ?

......?

......!

あたしもよ

あなた

今日学校

行ってない

でしょ?

うん...

でも

千砂はいつも

マジメに

学校行って

るんだろ?

家に居ても

退屈だからよ

学校も

退屈だけど

せっかく

学費払って

るんだし

それに

ここは一コ建て

だから

普通にしてないと

すぐ近所の

噂になるのよ

そんなもん

かな.....

一砂

あなた

体の具合は

どう?

え?

普段

眩暈とか

吐き気とか

そういった

症状は?

発作が

起きた時は

頭痛とかある

けど...

普段は

特に...

...そう...

あ...

そうか...

これ

食べちゃって

いいわよ

一度

水無瀬さんに

診てもらいなさい

千砂は普段

点滴受けて

るんだっけ...

千砂一つしか

食べてない

じゃん

一つでもう

たくさんよ

あたし食欲って

あまり無いの

食べる事に

興味が無いのよ

ふーん

確かに...

でもね

千砂の腕は

白くて

折れそうな

くらい細い

あたし

人が食べてるのを

見るのは

好きなの

あたしだって

多少の料理

できるのよ

だから

大丈夫よ

一緒に暮らし

ても...

なんだろう

千砂は

何だか

楽しそうだ

...

......

このまま

休みに入るまで

学校行かない

明日は

どうするの?

単位

平気なの?

そうだろ

学校行って

何になるんだよ

関係

ないよ

俺達まともな

将来なんか

ないじゃん

いつ犯罪者に

なるかも

わかんない人間

なんてどこも

受け入れて

くんないし

それどころか

きっと隔離

される

前に千砂が

言ってた通り

だから...

人目を避けて

生きるしか

ないじゃん

それでも

限界が

あると思う

けど...

自分の身は

自分で

守らなきゃ

千砂はまだ

いいよ薬が効くん

だから...

そのかわり...

いつ死ぬかわからない

体よ...

もともと

虚弱に

できてる

みたいだし...

人を傷つけるかも

しれないって

怯えてるより

でも俺は...

そっちの方が

いいな...

自分が死ぬかも

しれないって方が

ずっとマシだ

......

傷つけたく

ない人が

いっぱいいる

のね...

いい子ね...

一砂

な...

茶化す

なよ

.......

コントロール

できないの?

茶化してなんか

ないわよ

え?

あ...

いつ起きるかは

わからない

けど...

発作がいつ

起きるか

予想は

つかないの?

何故起きる

のかは...

なんとなく

わかる...

血をイメージ

するものを

見た時...

単純に赤い

ものとか...

ある程度

原因がわかるなら

そういった

ものから

逃げるより...

八重樫は...

どうして

だろう...

.......

千砂は

できるの

イメージを

何か別のものに

置き換えるように

努力して

みたら...

多少...

はね...

ああ...

そうか.....

千砂は

父さんと

ずっと一緒

だったんだ

でも...

あたしには

あまり必要

なかった

から...

千砂は...

父さんと

同じ事を

しょうと

している

千砂に

とっては

それが当たり前の

生活だったんだ

あなたが

必要だわ...

千砂にとって

俺は父さんの

代わりなんだな...

別にそれでも

かまわない

だけど...

やっぱり

俺は...

できる事なら

今まで通りの

生活を続け

たい...

八重樫.....

......

あ...

あたし...

あ...

......?

ここで

ずっと待って

たのか...

涼しい

所で

話そう

ありがと...

暑かったろ

.......

......?

......?

わかってる

よ.....

あ...

あたし...

あの時は

こわくなって

逃げちゃった

から.....

この前の

事...

誰にも

言ってないよ

だから

今日は...

もう話す事は

ないよ

あの時言った通りだ

......

信じるよ

信じるから...

でも...

無理に信じ

なくてもいい

んだよ

ゴメン...

おどかして...

詳しく

聞かせてよ

何を聞いても

平気だよ

だって...

あたし好きだもん

高城くん.....

だから...

だめだよ

高城くん.....

俺.....

前にも言った

よな.....

笑わない女は

嫌いなんだ

もう

そんな事

言っても

ムダだよ

だってあたしは

高城くんを

信じたんだもん

そしたら...

キミのウソが

見えてきた

ここまで

言わなきゃ

キミは...本音を

言ってくれない

もん.....

病気の事...

詳しく聞かせて

たのむよ...

オレ...

あんただけは

巻き込みたく

ないんだ.....

言っただろ

俺は吸血鬼

みたいなもん

なんだ

発作が起きると

人の血を

吸いたくなる

ふざけた病気

なんだよ

俺の話を

信じるんなら

こうして側に

居られない筈だ

普通の人達の中に

こんな危ねえ人間が

紛れ込んで

今こうしてる

間にもあんたを

襲うかもしれない

のうのうと

町を歩いてたり

すんのかと思うと

俺だってぞっとするよ

俺はこれから

いろいろ身の振り方を

考えなきゃ

ならない

学校にも

もう行かない

だから忘れて

くれ

やだ

こうして側に

いられるのは

高城くん

だからだよ

言ったでしょ

何を聞いても

平気だって

寄るな!

しなきゃ...

高城く...

コントロール...

しなきゃ...

イメージを

何か別な物に

置き換える

のよ...

高城くん.....

てきるか.....?

俺に...

羊のうた

ScholarSCI22

な、なのを目覚えるところで、

允行人●松岡博治

花び町●株式会社スコラには区南青山2・3・17ホーラ青山ビル6478707

次、Web海蔵士あうんクリエイティブ

印刷『鼻島国印刷株式会社_大日本印刷林式交社

製木jj●株式会社光洋製本所

電話03-3478-7-

●平成10年3月20日、第三刷発行

2chu●平成9年12月13日、第一刷発行

Printoin、JAPAは

定価はカバーは表示しております。おおまえの元気が生まれて運動におかれます。送料が登録日にてお取り扱いたはず。

ISBN4-7962--9721-9

なんですか?

今回はその中で、

発行=(株)スコラ

大好評既刊

個性派を目標の元ビュー作を含む初期作品集。

お兄ちゃん...

Km-xioclsに

...

実行された殺戮のブログラム

引きられた空間で

...

彼らを持つのは死んでみた

いや...

発行・(株)スコー

96コミック界最大の

びとの剣

原作作画

新連載!

[加倉井ミサイル菊地秀行

部数も増えて

新定価

350円

それは個人的に

誌面大刷新!

1月8日より登場!!

大好評連載中!!

・景「羊のうた」

泉に