しかし、

そして、

PAPT3球磨川事件編3

原作・西尾線新・漫画・明月あきら

個人的には原因が

カラー版

シバコードを

球歴川東皆様、ご

3234767911l135155175200

illa:1517.

...

「絶対に勝って

「戦わない理由にはならない」

黒神くじらという姉は

敵うはずかねえだろう

「私は見せてほしいんだ」

「ちょうどいいソハンデでしょ

一帰ってきてくれるから

「僕の恋は本物だったんだ

「あんたの息子だぜ

おまけラフカット

おまけ、安心院さんのこれで安心マイナス対策

箱箱箱希箱箱箱.箱

45678901.

フファファ778.8.

第第第二第一第第1第2第第1

3.

...

★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには

いっきい関係孫ありません。著者かラー原画に加え、それを者の原画家

もとに集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。

球磨川先輩

差し出がましいことを

言うようですがー

名瀬さんを

あのまま帰してしまって

よかったのですか?

私から見ても

彼女は脅威です

あの場で

四人がかりで

潰しておくべき

だったのでは?

老ハー13式ノーパ参ノーは

第74箱「絶対に勝って

彼女は

どうやら書記戦に

参加するようです

志布志さんの挑発に

乗られてしまった形ですが、

これでは

不戦勝を目論んだ

私達の計画は

瓦解したことになりますよ。

私達マイナス十三組は

限りなく貧弱な

集団です

ゆえにチャンスは

絶対に逃すべきでは

ないと思いますがー

そうだねー

うん

蛾々丸ちゃんは

過負荷の中じゃ

例外的に理性的な

キャラだから

誤解のないよう

その辺ちゃんと

説明しとこうか

『蛾々丸ちゃん

テトリスって

知ってる?

は?

テトリスって...

ゲームのですか?

『うん

『上から落ちてくる

ブロックを積み重ねて

『横一列が揃えば

消えるってゲーム

僕はあれを

四列同時に消すのが

好きでねえ

というより

四列同時以外には

消したくない

一列ずつ手間をかけて

着々と消すという計画性に

僕は耐えられない

ごちゃついている断片が

一気に消える瞬間にこそ」

僕は

心を奪われる

長い棒は常に

横じゃなく縦に

使いたいのさ

名瀬さんを

引き抜けなかった時点で

僕はバーを

置きそこなったんだよ

名瀬さんを潰せば

確かに多少優位に

立てただろうけど

そんなちまちました

プレイは性に合わない

だからああいう時は

電源を切って

リセットして

最初から

やり直すのが

僕流なんだよ

心配いらないよ

蛾々丸ちゃん

少々おつむが足りない

感はあるけれど

飛沫ちゃんは

間違いなく

僕達の長い棒に

なってくれるさ

ぜったい

「絶対に勝って」

..

だめ...

第74箱

はこ

八月一日

生徒会戦挙

二日目ー

皆様

一週間のご無沙汰で

ございました

それではこれより

生徒会戦挙書記戦を

始めさせていただきたく

存じます

前回と同じく

まずは試合形式を決める

運びですが

それに先立ちまして

黒神さま球磨川さま

少々前に出てきて

いただいて

よろしいでしょうか

...

『?』

!!

...ちょっと

待て

これは一体

なんの冗談だ?

いえあなた方は

しあいこ

試合後に見境もなく暴れるなど

戦挙遂行に支障を来しかねない

危険行為が目立ちますので、

互いに互いを

拘束していただくための

措置でございます

手錠は風紀委員会から

新型のものを

貸していただきました。

...一向に

構わんわ

...やめてあげようよ

長者原くん

僕なんかと繋がれたら

めだかちゃんが

可哀相だよ

貴様の愚行及び愚考を

見張るには丁度よい

立ち位置だ

さすがね長者原くん

『公平』の異常性を

有しているだけはあるわ

この三人のことを

ちゃんとわかっている

みんなを幸せにしたい

めだかちゃんと

みんなを不幸にしたい

球磨川くん

このふたりは

実のところ

似た者同士だということをを

だからこそ

封じるにはあんな風に

一まとめにしておくのが

いいのよね

これでそれこそ

プラスマイナス

ゼロだもん

そして

もうひとつ

名瀬さま

あなたさまは今回

阿久根さまの代理で

書記戦にエントリー

されておりますがー

代理はあくまで

代理でございます

現生徒会が戦挙戦で

勝利を収めても

書記職に就くのは

あくまで阿久根さまと

いうことになりますので

その旨ご了承ください

...いーよ

別に

俺は元々

生徒会なんて

柄じゃねーし

すさまじく

字ィ

汚ねーしなー

俺は

そこの時代遅れな

スケバン刑事を

ぶちのめせれば

他にはなーんも

文句はねーんだよ

うるせえ

二代目

では時間も

押してまいりましたー

書記戦の試合形式を

決めたいと思います

挑戦者である

新生徒会の

志布志さま

いえいえ

まさか

十三枚のカードから

お好きな一枚を

お選びください

『巳』のカードが

あるけれど

その裏側は

庶務戦の時と同じく

「毒蛇の巣窟」なのかい?

庶務戦と書記戦では

性格が違いますので

&翌良一未

日」のカードのみならず

十三枚のカードの裏側を

我々は総とっかえして

おります

つまり一戦ごとに

わざわざ十三個

ルールと試合場を

用意してるんだ...

うち十二個は無駄になるのに!

この生徒会戦挙って

短期的に見れば

フラスコ計画よりよっぽど

手間がかけられてるよね

じゃーあー

考えんの

めんどくせーし

あたしも

球磨川さんと同じ

『巳』でいーや

『巳』のカードで

ございますね

わかりました

毒蛇の巣窟』を

知りながら

このカードを引くとは、

志布志さまの度胸には

このわたくしめ

ただただ感服する

ばかりでございます

書記戦の形式は

「冬眠と脱皮」に

決定いたしました

これもまたやはり!

今回我々が用意した

十三の決闘法の中で

もっとも残虐なルールで

行われる戦争でございます

冬眠と脱皮って...

また蛇を

利用するのか?

そんなこと

繰り返してたら

いずれ沖縄から

ハブがいなくなるぞ!!

いえ今回は

実際の蛇は

用いません

蛇はあくまで

モチーフで

ございますね

書記戦の勝利条件は

単純明快でございます

相手の身包みを

すべて剥いだ方の

勝ちとなりまして

ございます

身包みを

剥ぐ...?

なにそれ

全裸に剥くって

こと...?

庶務戦では

腕章を取り合って

いただきましたが、

今回は

...おいおい

いい加減にしなよ

長者原くん

『苦言を呈さずには

いられないよ

そんな

芸者遊びみたいな

ふしだらなルール

「神聖なる学び舎で行って

いいわけないだろう

いえ球磨川さまー

妄想たくましくされているところ

申し訳ありませんが、

そんな色っぽい

試合には

ならないと

思いますよ

え?

学食係の皆様が

使用している

巨大冷凍眉

零下48度ー

南極さながらの

極寒空間

この倉庫全体が

書記戦の舞台と

なりましてございます

嘘だろ...

庶務戦のルールが

可愛く思えるぜ

こんな中で

身包み剥がされたら、

あっという間に

凍死するぞ...

黒箱塾時代は

氷室でバトルを

執り行ったそうです

ちなみに今回は

ギブアップは

認められません

凍えようが凍ろうが

とちらかがどちらがを

全裸に剥くまで

戦いは継続されます

言うまでもなく

身包みの剥ぎ合いは

脱皮の見立てであり

極寒ステージは冬眠の

見立てでございます

つまり今回は

立候補者こそが

蛇であり

この決闘は

蛇同士の食い合い

なのだと

ご理解ください

~~~...~~っ!!

おいしゃ

長者原くん

試合中に

剥いだ相手の服を

着るってのは

アリなのか?

もちろんで

ございますー

と言うより

それはこの書記戦の

肝のひとつで

ございますね

ふーん

誰もがバトルステージに

絶句じて思考停止してる中

既にTルールの方に

頭が行ってる

苦悩や葛藤と無縁な

この切り替えの速さは

驚嘆に値するわ

バトル向きじゃない

名瀬さんが書記戦に出るのは

どうかど思ったけれど

このステージに限っては

案外ベストな布陣

だっだかもね

そう!

名瀬さんなら

氷点下にも

過負荷にも

震えることなく

対応できるー

どうしたの

めだかちゃん

黙りこくっ

ちゃって

脱衣という

自分の専門分野を

取り逃して残念なの?

...黙りたくも

なるわ

私達は貴様達に

勝とうと命懸けで

躍起になっておるのに

貴様達は

勝ち負けを度外視して

嫌がらせみたいな戦法ばかり

取って来るのだからな

「あーそりゃそうだね」

でも勝ち負けを

度外視してるって決めつけ

そられるのは心外だな

『こっちは

こっちで

真剣なんだから

『よし!

『じゃあ

こうしよう

もしもこの試合で

飛沫ちゃんが

名瀬さんに負けたら

僕はその時点で

なこにわがく

箱庭学園から

手を引くよ

飛沫ちゃんが負けたら

累計二敗で

僕達は王手をかけられたも

同然

テトリスで言えば

ブロックを半分以上

積んでしまった状態だ

そこからこまめに

一列ずつ消していくなんて

テンション上がんないしねー

また嘘...?

すがりつきたくなるような嘘?

いや...

これは球磨川くん

本気だ...

なんてミラクル!

球磨川くんの気まぐれが

いいように作用した!!

球磨川先輩...

よろしいんですか?

選挙管理委員会の前で

そんな約束をしてしまえば

もう取り消せませんよ?

いーんだよ

この約束ばかりは

なかったことにはしないと

ここに誓う

そんなわけだから

飛沫ちゃん

がんばってね

本来過負荷に

言うような激励じゃ

ないんだけど

絶対に

勝って

......

ひひひ

無茶言うなあ

球磨川さん

あたしの弱さを

知ってる癖に!

勝つとか!

99%無理に

決まってんだろ

そんなことー

だけど!

1%でも可能性が

可能性がある限り

あたしは諦めない!!

うわっ...

平気で零下48度の中に

入っていった..

しかもあんな薄着のまま!

ちゃんとルール聞いてたの

あの子!?

ハ!

なーんか

代理の身には

荷が重い試合に

なっちまったなー

まあでも

今年の夏は

暑いからな

こんな涼しげな

バトルも

悪かねえー

!?

!?

きゃっ...

きゃあああっ!

名瀬ちゃん

っっっ!!

ぼんやりしてんじゃ

ねーぞ

名瀬先輩

試合場に入った瞬間から

既にバトルは

始まってるんだぜ!

ハン

その言葉...

そっくりそのまま

お返しするぜ

志布志後輩

早速一枚!

剥がして

もらったぞ

キャラに似合わず

可愛らしいパンツ

はいてんじゃねーか!

なっ..

いつの間に!?

はっ!

あー悪い悪い

間違えた

これは俺の

パンツだったわ

不意討ちみてーな当たり前のことを

人吉とか黒神とか

真面目な奴相手にやってるよ

俺は

名瀬夭歌

箱庭学園一

不真面目な

生徒だぜ

箱庭学園一不真面目な生徒だぜ

...騙すとは

なんて悪い奴なんだ

許せねー

てめえは

こんなに人を

憎いと思ったのは

初めてだぜ

茂まで

剥ぐ!!

これもまた

やはり!

今回我々が用意した

十三9決闘法の中で、

ああ、とも残虐なんかして

行われる戦隊で

ございます

ひょっとしてあいつ

毎回同じこと

言うんじゃねって

お姉さま!

阿久根書記の代理で

生徒会戦拳に

エントリーしたというのは

本当ですか!?

なんてことを...

今すぐ取り消して

来てください!

危険過ぎて

とても看過できませんが、

戦わない理由はならない

うっせーな

お前こそ何も考えずに

古賀ちゃん

助けてくれやがって

ぐっ...

ありがとうって

言ったくせに...

しかし

それを言うなら

お姉さまだって...

ハハ!

確かにな

俺は

戦うタイプじゃ

ねーよ

日之影先輩から

不合格扱いされたこと

忘れてたのかよ

人吉や瞳さんがいなきゃ

そっちこそどうなってたか

わかんねーぜ

確かに合格と

言われこそしたが、

しかし

黒神

戦えないことは

戦えないことは

戦わない理由には

ならない

...

いいだろ

また、

しかし、

ただの

はっはっ

何度もない理由にはさらない

らっ

ほどいた覆面を

血で凍らせて

鈍器にした!

まるでハンマー

みてーに!!

北極圏じゃあ

バナナで釘が打てるっ

つーけど...

さすが名瀬先輩!

早くも氷点下の世界に

適応してやがる!!

しかも自分の

出血さえ利用してから

ちっ...

痛くない!

痛くないけど

許さねえ!!

小癪な真似を

してくれやがって!!

お返しに

切り刻んで

やるぜ!

予告通りに!

抱きしめるように

皮まで剥ぐ!!

なっ..

カミソリの刃が

通らねえだと...?

分厚いゴムみてーに!

手ごたえも

歯ごたえもなく

受け止められただと!?

切り刻むのは

諦めた方がいーぜー

宗像先輩にさんざ

協力してもらって作った

防刃タイツだからよー

どーしてもってんなら

石川五ェ門でも

連れてくるんだな

......

ところで

お嬢ちゃん

注射は

お嫌いかな?

出ったあーー!

ゲージ溜め必殺!

『静脈注射の

乱れ打ち』!!

まさか

嫌いなわけねーよなー

もう女子高生

なんだから!

注射くらい

笑顔で受けねーとなー

おい!

......

おかしいですねー

志布志さまに比べて

名瀬さまの動きが

軽快過ぎます

あれは

氷点下の世界における

駆動ではございません

名瀬さまー

選挙管理委員会として

説明を要求します。

あなたは

何をなさって

おいでですか?

漠然とした

ものの聞き方だねえ

長者原くん

なあ~に

このアンダーウェアが

防ぐのは刃だけじゃあ

ねえって話さ

低温にも高湿にも

低湿度にも高温度に...

北極であろうと南極でおううと、

砂漠であろうと高山であろうと!

名付けて

『黒鬼』!!

ありとあらゆる

環境に耐えうる

全方位型実験服

白衣ならぬ黒衣/

さすがに

強度においては

雲仙くんの『白虎』に

劣るがね...

まさか

今日は偶然そのタイツを

着ていたというわけ

ではないですよね

ったりめー

だろ

前回の庶務戦で

戦争のルールは

黒箱塾時代の規則を

下敷きにしていることが

わかったからな

あらかじめその頃の

文献を読み漁って!

予習して予想して

対策を練って!

普段からこんな

大層な服着てる

馬鹿がいるかよ

...しかしそれでは

話がおかしい!

この書記戦のルール

『冬眠と脱皮』は

さっきくじで

決まったばかりでは

ありませんか!

俺はこの書記戦に

臨んでいるのさ

しかも

くじを引いたのは

志布志さんだ!!

アホかお前

そんなもん

まあ実際は念のために

四十種近くのルールに

対策を練ってきたがね

..っ!!

くじ引きの対象になるであろう

...このルールすべてに

対策を練っとけば

それで済むだけの話だろーがよー

まさか反則とは

言わねーだろーな

長者原くん

俺に言わせりゃ

何の準備もなく

バトルに臨む神経の方が

理解に苦しむぜ

...まあ

黒神さまでも

ありませんし

服を着ていることを

反則とは言えませんね

さすが名瀬先輩

重ねて言いたいところ

だけど

ーと

らしくねえっちゃ

らしくねえな

あそこまで

勝ち負けに執着する

ヒトじゃねーと

思ってたけど...

......

勘違いすんなよ

黒神

高貴くんや喜界島の

敵討ちってのもあるけど、

それがメインって

わけでもねー

...では

なんのためだと

いうのです

十三組の十三人

時代には

自らは一度として

戦わなかった

あなたなのにー

別に古賀ちゃんを

助けてもらった恩だけで

俺は前線に打って出ようって

わけじゃねーぜー

俺はクズみてーな

人間だ

良識やら

モラルやらとは

まるっきり無縁で

ついさっき

お前達を裏切りかけた

ばっかの

自分の研究さえ

できればいいと思っている

社会不適合者だ

だがそんな俺でも

あんな過負荷と

一緒にされることは

我慢ならねえのさ

俺は

お前達と

絡がいい

......

...おいくまがわ

球磨川

約束を

忘れるなよ

このまま

志布志一年生が

くじ姉に敗れれば

貴様は

箱庭学園から

手を引くのだぞ

......

約束?

そんなことを

気にしている場合じゃ

ないだろう!?

『きみ達は

こんな血生臭い戦いを見て

何とも思わないのかい!?

きみ達は!

「きみ達は!」

こんなのは

選挙でも何でもない

ただの殺し合いだよ!

女の子同士が

傷つけあうのを

雁首揃えて

眺めているだなんて

どうかしている!!!

もういい!

僕達の負けで

いいから!

早く彼女達を

こんな馬鹿げた

争いから

解放してやって

くれえーっ!!

......

ーと

『泣いてみても

そろそろ誰も

信じてくれなくなったと

思うので

『普通に

コメントしてあげるね

めだかちゃん

成り行きで

書記戦に出てもらうことに

なったけれど

そもそも僕は

飛沫ちゃんには

会長戦でめだかちゃんと

戦ってもらう

つもりだったんだ

ムラはあるけど

マイナス十三組の中じゃ

彼女は唯一

つまり

心配しなくとも

約束は守るよ

というより僕が

約束を破る場面が

訪れない

『飛沫ちゃんは

あんな卑怯者なんかに

絶対に負けないんだから!!

勝ちを計算できる

過負荷だからね

...ひひひ

そうやって

得意そうにしているが

ーー名瀬先輩

あんたは内心

すげー不安がってる

はずだぜ?

書記戦

開始直後に喰らった

あたしの攻撃!

あの正体が

あんたにはまるっきり

掴めてねーはず

なんだからよー

そうだろー

いろいろ対策を練ってきた

みたいだけれど

喰らったってことは

あたしの過負荷には

無策だったって

ことたろ?

そうだ...

名瀬先輩は俺と違って

過負荷のキャラクターに

心が折れることは

ないけれど

過負荷にはその

キャラクターに連動した

荒唐無稽な異能がある!

阿久根先輩も

喜界島も

真黒さんも...

そう

「知られざる英雄

日之影先輩さえも/

この女の

わけのわからない

異能の前に屈したんだ

その後の機転や

出血を利用して

したたかに武器を

作り上げたことで

うまく凌いだように

逆手にとったようにさえ

見えたけど

しかし不意討ちとはいえ

名瀬さんがその攻撃を

かわせなかったことは

揺るぎない事実...

ハ!まーむ

確かになー

一週間いろいろと

考えてみたが

お前にやられた

高貴くん達の

応急処置をしたのは

俺なんだがよー

全身をズタズタに

切り裂かれているってだけで

取り立てて

変わった怪我じゃあ

ねーんだよなー

お前の

過負荷の正体は

ついにわかんなかったぜ

しかし高貴くんが

まともに戦って

てめー程度の奴に

負けるはずもねーしよー

唯一気になる

点と言えば

全身がズタズタに

なっているにも

かかわらず

それは

今の俺も同じだな

その下は

無残なほどに

傷だらけだぜ

ひひひ

そーだろ

そーだろ

着ていた服には

ほとんど傷が

ついてなかったと

いうことー

だからあんたは

そうやって距離を取って

近付いて来ないんだ

......

このタイツには

傷一つついてないにも

かかわらず

そーんな頑丈なウェア

着てるからこそ

尚更不安だよな?

いや全然

不安じゃねーな

だってお前の

正体不明な

スキルとやらは

既にこの

ノーマライズ・

リキッドで

封じたもん。

『!!』

ノーマライズリキッドって...

たしか真黒さんが考案して

名瀬先輩が開発した

天才を凡人に変える劇薬!!

異常封じの異常殺し/

地下でめだかちゃんに

使われたっていう

それがさっき放った

注射器の中に

含まれてたってのか!!

あれから

改良を重ねて作った

不本意な無痛タイフだぜ

むろん

その分効果は

弱くなるんだが

あれだけ打ち込みゃ

一時間は効き続けるだろ

........

正体不明なら

正体不明で

戦いようは

あるんだよ

試しに

いっぺんくらい喰らう

覚悟はしてたけどな。

近付かなかったのは

薬の効きを

待ってただけさ

さて!

それじゃあ

てめーを裸に

ひん剥くとするかなー

いやらしく

よお!

スゥー

にっ!!

わかってねーな

名瀬先輩

異常と過負荷を

一緒くたに考えてんじゃ

ねーよ

あたしの

過負荷は

封じも殺しも

されやしねえ

ここは

普通に麻酔とかを

打っておけば

よかったのに

名瀬さんの

研究者魂が

裏目に出たね

迂闊だった...!

マイナス十三組が持つ異常性を

過負荷と呼ぶんだと

勝手に思い込んでいたぜ...

しかしこりゃ本当に

どういう攻撃なんだ?

服を貫通ーー否

服を透過するカマイタチでも

発してんのか?

いや待てよ!

この右手に走る痛みは

ひょっとして!

やっぱりだ

この傷は

二週間前

二年十三組で

球磨川の携帯電話を

握り潰した時のー

痕も残らず奇麗に

治したはずなのに

あの時と

寸分狂わぬ位置から

出血していやがる!!

つまり

こいつの能力は、

おっと

気付いたみたい

だな

さすがだね!

その通りだよ

他人の

古傷を開く

それが

あたしの過負荷ー

「致死武器」だ

古傷を開く...?

何それ

どういうこと?

...平たく言えば

周囲の人体において

完治済みの

怪我や疾患を

彼女のそばに

近寄るとー

または彼女がそばに

近寄ると

強制的に

再発させるスキルと

いうことですよ

閉じて癒着したはずの

傷口がぱっくりと開く!!

んっ

古傷が生傷へと変性する!

何年前の傷であろうと

何十年前の傷であろうと

関係ありません

言わば

治癒能力の真逆

という感じですかねえ

言わば治癒能力の真逆という感じですかねえ

雨の日に

古傷が疼くってことが

あるでしょう?

それの凄まじく

ハードなバージョンと

考えていただければ

結構です

...そうか

ようやく

得心いったよ

だからこそ彼女は

日之影前会長を

打破しえたのか

知られざる英雄」として

箱庭学園を守り続けた

日之影前会長は

それだけ多くの傷を

受けてきたであろうからな

それら名誉の負傷を

一気に開かれたとしたら、

ひとたまりもあるまい

それを言ったら

高貴くんと喜界島も

そうだよ

アスリートってのは

自分の身体を痛めつけるのが

仕事みたいなもんなんだから

十年以上かけて

身体にかけてきた負荷を

一気に喰らわされたら、

耐えられるはずがない!!

確かに!

ちょっと待てよ!

じゃあ真黒さんは

どうなんだ!?

あの人は

バトル要員でも

アスリートでも

ねーぞ!

開かれて困る古傷なんて!

その身に持ってる

はずがねえ!!

フラスコ計画で受けた手術跡は、

球磨川くんが、なかったことに

したはずだしーー

甘いよ

「善吉ちゃん

怪我や故障と

無縁の人間なんて

いるものがよ

虫歯だって

筋肉痛だって

「古傷」なんだぜ。

どんな小さな傷でも

積み重なれば

致命傷さ

人間である限り

彼女の過負荷からは

逃れられない」

『見ろよ』

『真黒ちゃんよりも

更にインドア派の

名瀬さんでさえ

あのザマだ

この僕でさえ

彼女の過負荷を

喰らったら

無事では済まないよ」

へえ...まだ

動けんのか

すげーな

だけど

無駄だぜ

今の話を聞いたら、

あたしには

絶対に勝てないことは

わかっただろ?

勝てない

ことも

戦わない

理由には

ならない

1%の可能性さえ

なくっても

俺は絶対に

諦めない!!

たとえ勝率がマイナスだろうと!

たとえ勝率が

マイナスだろうと!

...まずくないですか

蝶ヶ崎先輩

マイナス48度の世界が

マイナスに働いてますよ

出血してもすぐに凍って

止血されてしまいますしー

痛みも寒さで

麻痺しちゃいますし

なにより

あの人の心は

マイナスを

凌駕するほどに

強過ぎます!

......

心配いりませんよ

江迎さん

心の強さなど

彼女の前では

無意味です

何故なら

志布志さんの

致死武器」は

心の傷も

開けるのですから。

そういえばあんた

記憶喪失気味って

言ってたっけ?

じゃあ

よかったな

色んな不幸を

思い出せて

まあでも

めだかちゃんに

日常的にボコボコに

されてるから

考えたら

古傷からけた。たな

あの人...

彼女は

かさぶたを剥がすのが

好きな子供だった

治りかけの傷口を見るのが

治りかけの

傷口を見るのが

う姉は

治りかけの傷口から

噴き出す血を見るのが

好きだった

だから時には

かさぶたを作るために

わざと転んだりした

両親はそんな彼女を

気持ち悪いと言って

殴った

上手なかさぶたの

作りかたを

三歳で極めた

もちろん親が言うのだから

その通りなのだろうと

わだかまりなく納得した

もっとも

殴られたら痛い上に

かさぶたもできないので

幼くしてちゃんと恨んだ

暴力を振るう

両親のことは

二十歳を過ぎたら

この人達を殺そうと

彼女は健全に決意した

そんな家庭環境でも

彼女は発育よく成長し

幼稚園入園と同時に

少年野球団に参加した

滑り込みやらクロスプレーやらで

かさぶたを作りやすそうだから

というのが

入団動機だったのだけれど

しかし

ほどなく

彼女は自分の

周囲で起こる

不思議な現象に

気付くことになる

『自分の所属する

チームには

妙に怪我人が多い

明らかに

偶然では片付かない

偏りを持って

『いや

スポーツをしている

のだから怪我をするのは

かさぶたでなくとも

当たり前なのだけれど

その怪我の治りが

異様に遅いのだ

どころか

どころか

そんな気付きは

実際に正しくて

むしろ日を追って怪我が

悪化しているような

彼女のチーム内では

なんでもない怪我が

選手生命に関わるレベルにまで

発展することがままあった

とはいえ

彼女以外は

その事実には

思い至らない

当たり前だ

当たり前だ

いるだけで

他人の怪我を悪化させる

『他人の古傷を開く』

ことのできる幼女の存在を

どこの誰が

想像できると

いうのだろう

病院にも通ってみたが

意味はなかった

事実その現象は

病気ではないのだー

彼女自身には何ら

被害はないのだから、

あくまで

開かれるのは

他人の傷なのである

『そうか

「あたしが

生きていると」

まわりのみんなに

迷惑がかかって

まわりのみんなが

不幸になるのか

だったらあたしは

精一杯努力して

「他人の不幸を喜べる

人間にならなきゃな

彼女はその決意通り

小学校卒業までの八年間!

膨大な怪我人を量産しながら、

誰に恥じることなく

堂々と少年野球をやりきったと

心の傷を

開く/

思えばこれほど

名瀬先輩に効果的な

攻撃は他にない!!

なんでもないですね

コンビニ

くじらという状態、

あね、

素晴らしいものは

地獄からしか生まれない

という主義に基づき

自ら不幸を求めて

生きてきた名瀬先輩は!

単純に想像するだけでも

常人の十倍以上に

なるであろう心的外傷を

抱えているはず!

それらが一気に

開かれたとなればー

ひひひ

あたしのそばにいると

みんな嫌な思い出を

思い出しやすいらしいぜ。

爵になって

ガッコ辞めてった奴も

沢山いたっけなー

ま手間いらずの

精神攻撃って感じかね!!

ひっ...

ひぃっ...

ひいいいぃい

いいいっ!!

ふん!

情けねーなー

はいつくばって

みっともなく!

さっきまでの

先輩面は

どうしたよてめえ!!

まったく!

その様子を

見る限り

あと一回でも

精神攻撃を撃ち込めば

色々壊れちゃいそうな

心の折れ具合だぜ、

だが

しかぁし!!

多少は

嬲らせて

もらうぜー

あんたにゃ

何の恨みもねーが

何発かイイのを

もらってる分ちゃんと

返さなきゃなー

はぁー!

はぁー!

はぁ~!はぁー!!

はぁ¡!はぁー!!

ハ!

あれは

ブレーカー...?

まさか!

この冷凍庫の!?

!?

停電:いや

ブレーカーを

落としたのか!?

......

確かにまだ心が

折れてなかったのは

びっくりだけれど

そっか...

逃げ惑う振りをして

ブレーガーを探して

いたんだ!

はいー

大丈夫だ!

まだ名瀬先輩の心は

折れてねえ!!!

『しかし無駄な足掻きだね

だろ?長者原くん

もちろん

名瀬さまの行為は

反則に値するものでは

ございませんが

しかし競技の性格上

電源を落とされては

倉庫の冷凍機能が

停まってしまいますので

選挙管理委員会と

しましてはすぐに復旧

させざるをえません

まずいわね...

あそこまでの

取り乱しようは

とりあえず

演技だったとしても

相当のダメージを

受けたことは

嘘じゃないでしょう

しかも志布志さんの

過負荷『致死武器』は

回避不可能!

近付くだけで発動するー

対人対年物に限れば誰も敵わない

最強のスキルなんだから!

予備電源

入ります

停電の間に

身を隠した...か

しかし..

服を脱いだのは

止血のためだろうな...

傷口を直接

外気に晒すことで

完全に凍らせたんだな

さすがに着直す時間は

なかったみたいだが...

こりゃあ

着れねーな...

まあいい

北風と太陽とは

まるで逆だが

あたしは勝利って奴に

少しずつ近付いて

いるぜー

はあっ!

はぁッはぁっはぁぁっ

はぁッはぁっはぁぁっ

とっさに隠れてみたものの

思考が全然まとまらねえ!!

はぁっ

はぁぁっ!!

畜生...

頭の中に手ェ突っ込まれて

脳味噌をしっちゃかめっちやかに

かき回された気分だ

こうしている今も

不幸がフラッシュバックし続けてー

戦いに全然集中できねえ!!

何よりまずいのは

あの一年生は「致死武器」とやらを

かなり精密にコントロールしていると

いうことだ

球磨川や江迎と違って

あいつはいい感じに

自分の欠点と折り合いをつけてやがる

あんな過負荷もいるのかよ!!

そして

絶体経命だぜ...

出血こそ完全に

止まったものの!

この寒さ!

極寒地獄!

一分も持たねーぞ

俺の命!!

ふん

まあ

すぐに見つけてやるさー

隠れられる場所なんか

限られている

そして

約束通り

教えてやるぜ

不幸と

不幸ごっこの

違いをなあ

なにせあたしは

他人を不幸にする

プロフェッショナルだ

お前を世界一

不幸に

してやるよ!!

球磨川さんじゃ

ねーけど

......

球磨川

『?』

少し頭を

借りるぞ

『え?』

うわっ...!

倉庫内の冷気が

一気に

こっち側に...!!

......

聞こえますか

お姉さま

理不尽な

敵の能力に

追い詰められ

事前の準備は

全て水泡に帰し

打つ手はもう

残されていなくも

見える

しかしめだかは

あなたを心配も

激励もしません

何故なら

あなたは!

逆境でこそ

輝く人だから!!

いう姉は!

黒神くじらと

ですから

心配も激励も

しません!

めだかはただただ

馬鹿みたいに

あなたを信じ!

ここからの送転劇を

ひたすら楽しみに

しております!!

........

いやいや勘弁してくださいよ

黒神さんー

窓ガラス割ってまで!!

伝えたかったことがそれか?

未だ俺を信じてるとか...

馬鹿みたいっつーか

本当に馬鹿だろう

人吉の苦労が忍ばれるぜ...

無茶振りもいいところだ!

過大評価も甚だしい!

昔から

そういう妹だったよ

そういえば

心の傷を

開かれた所為で

ちょっとだけ昔のことを

思い出したけど

兄貴に負けず劣らず

俺に、まとわりついてきてー

過度な期待を俺にしてよお

偉そうにあんなこと言って

俺が負けて

ボロボロになったら

どうせ人吉の時みたいに

大泣きするに決まってんだ

......

それは

やだなあ:

ハン

本当は

もう逃げ出そうと

思ってたけど

仕方ねえ

もうひとがんばり

すっか

あの

お馬鹿な妹に

姉の格好いいとこ

見せてやんねーと

いけねーからなー

とは言ったものの

どうしたもんか

消えかけてた戦意を

取り戻したところで

絶体絶命には

違いねーぜ

兄貴は能力よりも

性格の方が問題だとか

言ってたけど

こうして向き合ってみたら

能力だけで十分厄介だ

根本的に

物理法則が通じない相手と

生身で戦えるわけねーだろ

せめて

俺も

あんな

理不尽な

過負荷を

使えれば...

その手が

あったか。

ひひひ

よーく見れば

凍る前の血が

道標となって

残ってるぜー

名瀬先輩

見ィーつけたぁ!

短いかくれんぼ

だったなあ

おい!

ヘンゼルと

グレーテルか

あんたは!

さーてそれでは!

いよいよ心の傷も

身体の傷も!

等しくご開帳

してやるぜーっ!!

なっ..

腕が...

凍り...

氷っ!?

いくら

俺の異常性が

改造だからって

さすがに自分自身を

改造すのは

6年振りだぜ

しかもこんな

過酷な状況下でよー

しかし

それが功を奏した

みてーだな

どうやら

お前たちの言う

過負荷って奴は

異常性と違って

生まれつきじゃなく

環境や状況によって

性質が決まるスキルらしい

〜〜っ!!

てめえ...

まさか!自分で自分を

改造して...

過負荷を

作っー

何を驚く

ことがある

俺を同類と

呼んだのは

お前達だろう

ならば同じことが

できないと

なぜ思った?

氷点下の脅威から

生き残るために制作した

この過負荷を

俺は

『凍る火柱』と

命名する

過負荷の恐怖から

生き残るために成立した

この過負荷を

てゆーか

てゆーか

これ球磨川を

優しちゃったんじゃ

ねーの?

素晴らしいものは

地獄からしか

生まれない

それが

この俺名瀬天歌の

主義主張だったん

だけどよー

こりゃあ

ちょっとばかし修正が

必要かもしれねーなー

なにせこおんな

おぞましい過負荷が

今地獄で

生まれちゃったんだ

もんなあああ!!

...

これ相はん相

うん

かな

それは、

ぐっ...この逆境で

いきなり過負荷が

発現するとか:

ありえねえ!

そうだ!

こんなのトリックに

決まってる!

その辺の冷凍機器を

利用して

お得意の仕掛けを

即興で作ったんだ!!

おいおい

傷つくこと

言うなよ

お前に対抗する

ためだけに俺は俺を

改造したんだぜー

!!

名瀬先輩が

過負荷を

発現させた...

いや作った?

自身を改造して?

そんなことが

可能なのか??

六年前でさえ

肉体にメスを入れたことは

なかったってのによー

......

「怯えてんじゃ

ねーよ志布志!」

聞けばそいつの「凍る火柱」は

ついさっき身につけたばかりの

過負荷らしいじゃねーか!!

『つまり使い慣れてねーって

ことだ!

『ビビるこたあねえんだよ!!

...だっけ?

「名瀬さん

:野郎

意趣返しの

つもりかよ

意外と根に持つ

奴だなあいつ...

球磨川さん...

そうだ...

こいつが

どんな過負荷を

身につけようが:

トリックだろうが

なんだろうが

関係ねーじゃねーか:

にゃ

氷を操る?それがどうした!

他人の古傷を開くという

あたしの過負荷はもとより絶対零度だ!!

『致死武器』!!

おまえ

!!

しゅっ...

出血

してない!?

不発...?

いや確かに

傷口は開いた!

なのになぜ!?

なのに

なぜ!?

........

古傷を開く』っつー

お前のスキルは

防ぎようがねーからよー

せめて開いた傷口の方を

塞がせてもらうことに

したのさー

こうやって、

°ピキピキ

凍らせてよおー

流れる血じゃなく

皮膚や血管を

凍らせたってのか!?

そんな高度医療

みてーな真似を...

名瀬さんらしい

解決策ね

普通は

ダメージそのものを

回避したがる

ものなんだけど

傷つくことは前提で

その上で

どう戦い続けるかを

目論むなんて...

そういう子

なんだよ

名瀬ちゃんは

名瀬ちゃんの心は

いつだって

痛みと

共にある

無傷で何かを

得ようなんて

絶対に考えない

何を呆けているのです

志布志さん!

肉体への攻撃が

通じないと

いうのなら!

先ほどのように

『心の傷』を開いてやれば、

よいでしょう!!

...それなら

もう既に

やってるぜ

しかし

そう

しかし通じねー

何故なら

頭を冷やした

から。

一応言っとくと

凍る火柱は

氷を操る能力じゃねえ

たいお~

体温を操る

能力なんだよ!

だから

心の傷にも

好きなだけ

クールになれる

そうか...

自分の体温を下げて

空気中の水蒸気を凍らせる

ことで氷を作ってるのか...

それで

氷を操ってるように

見えるんだ

まあそもそも

名瀬さまが

志布志さまに

対抗するために

考案したのですから

当然と言えば

当然ですが

志布志さまにとって〜

天敵のような過負荷と

なっておりますね。

これはさすがに

この勝負は

見えましたか

『......

がっかりだよ

名瀬さん

こうして敵対した

今でも僕は

きみを仲間だと

信じていたのに

そんなバトル漫画の

主人公みたいな

格好いい能力を

身につけるなんて。

僕は

頭がいいだけの

きみが好きだったよ。

頭がいいだけで

不幸なきみがね

「追いつめられたら

奇跡的に都合よく

新たなるパワーに

目覚めるとか

はぁ〜〜

『そーゆーのは

週刊少年ジャンプの

中だけにして

ほしいよね

......

球磨川

僕に言わせれば

きみのそれは

過負荷じゃないよ。

ただの

幸せだ

漫画読み過ぎ

漫画脳なお前に

ひとつだけ

常識を教えてやる

努力が

実を結ぶことを

現実じゃあ

奇跡とも

都合がいいとも

言わねえんだよ

この程度で

追いつめられた

つもりもねーよ

俺は今まで

もっと酷い環境に

自分を追い込んで

きたぜ

這い上がるための

努力を積んできた

だからやっぱり

これは過負荷なのさ

大体お前達も

不用心だぜ?

人体改造の専門家である

この俺に

球磨川禊

江迎怒江

志布志飛沫と

三つも過負荷を

見せちまうなんてよー

俺に過負荷を

身につけてくれと

お願いしてるような

もんじゃねーか

人の頭越しに

言いたいこと

言いやがって...

だが確かに!

こいつの『凍る火柱』の前には

あたしの「致死武器」は

何の意味もなさないー

すべて凍らされてしまう!

だけどあたしがここで

負けるわけにはいかねえ!

あたしの敗北は

マイナス十三組の敗北を

意味する!

「絶対に勝って」って

球磨川さんに

頼まれたんだ!!

這い上がることは

できなくともー

あたしは

這いつくばってでも

勝つ!!

飛沫

ちゃーん

『いーやもう...

負けちゃって』

負けを認めて

マイナス十三組みんなで

この学園を出ていこう

だから

せめて

ど派手に

学校なんて

他にいくらでも

あるんだからさ

めいっぱい

華々しく

負けようよ

OK/

負けていいなら

過負荷の

み、せーは

修羅場だ!!

!?

なっ...

致死武器」の

効果が...?

ここまで

届っ...!?

私達にまで

見境なく...!?

いや!

どころかこれは

倉庫の壁や床!

天井や機材にまで

見境なく亀裂が走る!

駆け巡る!!

『致死武器』は

生物にしか作用

しないはずなのに!?

そうか!

十年ぶりの

あのスキルですね!

何分古い倉庫です...

あちこちに修繕箇所は

あるでしょう!

まさかそれを

『古傷』と

見なしたとか?

否!さては

組み立てや「施工」さえも

「傷の補修」扱いにー

志布志さんが自分を

制御できるようになった今

もう見ることはないと

思っていましたが:

予想通り!

球磨川くんったら

最後の最後で、

勝敗を度外視してきた!

しかもマイナス十三組で唯一

コントローラブルな過負荷を持つ

志布志さんの夕方を外す形で

ルールも戦拳も

勝敗も命も

関係ねえ!

てめえにあたしの

過負荷が通じないって

いうんなら!

この倉庫ごと!

てめえをぺしゃんこに

してやるぜ!!

喰らいな

あたしの

『憎武器』...

パズーカー・デッド」!!

なーなー

雲仙くん

折角また

病院抜け出て

来たっちゅーのに

ケツ

それに出場してんのも

阿久根じゃなくて

名瀬だったしな

んー

ま阿久根くんには

過負荷の相手は

キツイやろ

戦挙見学に

行かんでええん?

あの子の残っとった牙

柔道部でウチが全部

抜いてもうたし

見学も何も

室内で行われてんじゃ

覗きようがねえだろ

で名頼ちゃんゆーんは

人吉くんを鍛えた

覆面ナイフの

あの子やんな

十三組の生徒のことは

よー知らんねんけど

なにあの子

強いん?

弱えよ

だけど

心配はいらねえ

あいつは伊達に

十三組の十三人』を

仕切ってたわけじゃ

ねえんだよ

モンスターチャイルドと

呼ばれた

このオレでさえ

名瀬の前では

子供扱いだったぜ

子供やん..

まあ頼れる人なんは

確かやろうけど

やからって安心は

できへんやろ

ほらあいつら

いざとなったら

勝ちをあきらめて

きよるやん?

あきらめる奴が

あきらめない奴に

勝てるかよ

ケケケ!

それこそ心配

いらねーさ!

...俺も

あんま人のこと

言えねーけどよー

勝ち負けは

ともかく

ちっとは

後先ってもんを

考えろよ

お前はよー

俺が

倉庫全体を

凍らせてなきゃ

お前も今頃

ぺっしゃんこだぜ

足掻くなよ

一年子ちゃん

飛沫が吹雪に

敵うはずが

ねえだろう!

信じられない...

体どれだけスケールの

大きな過負荷なのよ...

すごい..

私達の傷まで

塞がれてる...

〜〜〜っ!!

倉庫だけじゃないわ..

私達の傷も一つ一つ

精密に凍ってる:

さてと

お前の過負荷は

完膚なきまでに

破ったし

これであとは

お前の身包みを

完膚なきまでに

剥げば俺の勝利か

...これはこれで

見境のなさー

というわけなの

ですかね

とはいえやっぱり

うら若き女子の

服を剥ぐというのは

した

気乗りしないぜ、

ま...

待て!

負けを

認めるっつってもよー

この書記戦は

ギブアップなしの

ルールじゃねーか

いや待ってください

名瀬先輩!

勘弁してください

わかりました

もう負けを認めます!!

ごめんなさい

もう二度としません

許してください!

てめーを裸にしなきゃ

試合が終わらねーんだよ

あなたと

戦ったこと自体が

間違いだったんです!!

だ...だったら

自分で脱ぎます!

それでいいでしょう?

無理矢理

服を脱がされるなんて

みじめ過ぎます...

ですからちょっとだけ

向こうを向いてて

くれませんか?

いくら

女の子同士とはいえ

近くでまじまじと

着替えを見られるのは

恥ずかしいですし...

......

おいおい

まさか名瀬師匠

あんな奴の言うこと

信じねえだろうな...

ふっ

善吉よ

それは杞憂と

いうものだ

あの人を

誰だと思っている

私の姉だぞ

......

だから不安なんじゃ

ねーか!!

いいだろう

二十秒だけ

視線を

外してやる

ただし

お前が可哀想

だからじゃねえ

これは一度は

過負荷に

なりかけた俺から

お前にくれてやれる

最後のチャンスだ

ひひひ!

だったら

そのチャンス!

ありがたく

頂戴するぜ

名瀬先輩!!

やっぱりとしか

言いようが

ねえーーっ!!

あの子!

氷柱をナイフ

代わりに...

まずい!

どんな低温でも

氷を凍らせることは

できない!!

目には目!

歯には歯!

氷には

氷だあ!!

違うね

氷には

炎だ

だーかーら

体温操作だって

言っただろうが

低温にできるってことは

高温にもできるってこと

なんだよ

ゆえに

どっちつかずの

『凍る火柱』!

氷柱ごと

志布志の制服を

焼き払った::

すげえ

氷だけじゃなく

炎まで完全に

コントロールしてやがる

しかもちゃっかり

氷で手鏡まで

作ってるし

どこまで

ぬかりないのよ

あの子...

やれやれ

最後のチャンスを

逃したな

お前がまともな

人間になれる

最後の

チャンスをよ

名瀬ちゃんの

んは

いっだって

当日は、

のろけた!?

いたみと

共にある!!

生徒会戦挙

書記戦は!

現生徒会!

「私は、見せでは、いいのだ

第8箱

名瀬天歌さまの

勝利で

ございます!

各瀬ちゃーん!

超かっこよかったよ

名瀬ちゃーん!

......

ああ!

さすが名瀬先輩!

俺の師匠を

名乗るだけのことは

あるぜ!

お姉さま

私からも

称賛の言葉を

言わせてもらって

よろしいでしょうか

おいおい

ふざけんなよ

黒神

なんで俺が

てめーとここで

握手なんかしなくちゃ

いけねーんだ

こっちだろ

こーゆー時は

ふつーはよ

だいぶ

第78条

...

私は見せてほしいんだ」

やれやれ...

名瀬さんが

マイナス十三組寄りだってのは

わかってたことだけど

まさか過負荷まで

使えるようになるとは、

嬉しい誤算だったわね

氷と炎を同様に操る

体温操作ー

『凍る火柱』!

冷徹と情熱を合わせ持つ

名瀬さんらしいスキルとは

言えるわ

:もっとも

懸念は残ったわね

名瀬さんが

どういう工程を踏んで

自身を改造したかは

後で聞くとして

これは

過負荷の大量生産という

フラスコ計画の新たなる可能性を

示唆している

しかもその性質を方向付けした上で!

いや...

とりあえずはもう

そんなことを考える必要は!!

ないんだっけー

そうだ!

そういえば

球磨川くんはー

...いい試合だったよ

飛沫ちゃん

それ以上に

得るものは

大きかったね

『負けは

したけれど

...ちぇ

俺があーんなに

がんばってやっつけた

志布志が

あっという間に元通り

だもんなー

やっぱ

球磨川の旦那は

格が違うぜ

球磨川

いい台詞の最中に

恐縮だがー

よもや約束を忘れては

おらんだろうな

くじ姉が

志布志同級生に

勝ったら

どうする

つもりだ

約束を

守るのか

......

箱庭学園から

手を引くと!

貴様はそう誓った

はずだよな

不安かい

めだかちゃん?

それとも

破るのか

さあて

どうしよっかなく

僕はぜんっぜん

不安じゃないぜ」

僕が約束を

守るか破るか

わからなくて

むしろ

最高に楽しいよ

約束を

守る』

約束を

破る」

僕は今どちらでも

好きな方を

選べるんだから」

考えられない

自由度だ

『約束は破るために

あるとか言ってる

連中には

おいおい

なんだよ

このムード

勝ったのは

こっちのはず

なのに

なんでこんな

追い詰められてるみたいな

空気になってんだよ

...よおし

決ーめた

僕は決意したよ

めだかちゃん

「今日の僕は

約束を守ろう

約束通り

僕達マイナス十三組は

箱庭学園から撤退するよ」

『ほら

『行くよ

みんな

はあ~い

ですね

まあここは

負けておきますか

...それぞれ思うことは

ありそうだけれど

江迎ちゃんも蝶ヶ崎くんも

球磨川くんに従ってくれる

みたいね

このあたりの

無意味なカリスマは

さすがにさすかだわ

なんにせよ

これでニ安心ね

いくら球磨川くんでも

ごこからはひっくり返さない

でしょう

よかった

よかった

ああ

まあ

よかった

よかった

よかったの?

やな奴

追い出して

めでたし?

あごめん

混ぜっ返すようなこと

言って

忘れて

...いや

続けてくれ

古賀二年生

貴様の意見が

聞きたい

...まあ別に

意見なんて

大層なもんじゃ

ないけどさ

お前

箱庭学園を

守ることに

必死になって

確かにここで

あいつらを追い出せば

私達は助かるけど

だけどあいつら

反省も後悔も

してないよ?

転入してきた時と

同じテンションで

転校していくつもりだよ?

きっとあいつらは

すぐに私達のことなんか

忘れて

大切なことを

忘れてない?

だから結局

いつまでも

負の連鎖が

続き続ける

でも古賀先輩

それは

これからも同じように

生きていくよ

ひょっとしたら

またいつか

パワーアップして

私達の前に

現れるかもね

なにより

ここでお前が

見放したら

敵も味方も

大切にしたいって

言ってたじゃん

みんなを

幸せにするって

言ってたじゃん

過負荷はみんなには

入らないの?

球磨川禊という

呪われた魂は

永遠に救われない

球磨川だけは

例外なの?

おい古賀先輩

いい加減にしてくれ!

めだかちゃんを

混乱させるようなことを

言わないでくれ!

球磨川を幸せにとか...

そんなことできるわけ

ねーだろ!

そんなこと

世界中の誰にも

できねーよ!

うん

もちろん私も

できないと思う

だけど

黒神はずっと

そのできないことを

やってきたし

これからも

していくつもり

なんだろう?

やな奴

追い出して

一件落着って

そんなの

生徒会長じゃなくても

できるじゃん

どうしようもない

負の連鎖を

断ち切るために

生徒会長は

いるんじゃ

ないか!

待て

球磨川

約束を守ることは

許さん

生徒会戦挙を

続けるぞ

今度こそ

貴様を

改心させ

この戦いを通じて

私は

今度こそ

貴様を

幸せにしてやる!

......

惜っしぃくい

もうちょっとで

めだかちゃんを

一般生徒にすることが

できたのに

人を嫌い

敵を潰す

『一般生徒に

はやけにあっさり

約束を守ってくれるとは

思ったけれど

なるほど

そんなことを

目論んでいたわけね!?

庶務戦じゃあ

俺の心を折りに来た

球磨川だが...

今回はめだかちゃんの志を

壊しに来てたのか:

危ねえ!!

危うく中学時代の

焼き直しになるところ

だったぜ!

なるほど

そういうことでしたか

球磨川先輩

確かに多くの幸せを

生み出すであろう

黒神の志を折ることは

あはは

そーんな

深い考えなんか

なかったよ

長い目で見れば

百万人のエリートを

殺すことより

ずっと有意義ですからね

単に

嫌いな奴が

夢を諦めるところを

見たかっただけさ

失敗したけどね

礼を言うぞ

古賀二年生

球磨川憎しのあまり

どうやら私は私を

見失っていたようだ

やめてよ

黒神

かくゆう私だって

球磨川を追い出す方が

正しいと

やっぱり思ってんだから

だけど私は

見せてほしいんだ

正し過ぎる

お前を!

フラスコ計画を

潰した時みたく

「しかし

無理だと思うぜー

めだかちゃん

まずは

生徒会戦挙に

勝って

更に

箱庭学園を

守りつつ

しかも僕を

改心させて?

その上僕を

幸せにしよーだ

なんてさあ

...確かにそれができたら

理想的だ

だけど果たしてどうすれば

球磨川を改心

まじで幸せにすることなんか

できるのか...

まさしく想像を絶する

難題じゃねえか!

無理を通すさ

私はもう

中学時代の失敗を

二度と繰り返さない

...

生徒会長の

癖に」

まるでいつかの

副会長みたいな

ことを言うんだね

「きみは

......

副会長?

いやいや

その意気込みは

立派だけれど

僕がそれに

付き合う理由は

何もないよね

幸せになんか

させられたら

たまったもんじゃ

ないしー

きみの志を

壊せなかったのは

残念だけれど

僕はあくまで

約束を守らせて

もらうよー

だったら

今の書記戦

俺の負けでいいわ

それなら

約束を守るも破るも

へったくれもねーだろ

『!!

お姉さま...

いえ名瀬さまー

少々お待ちください

負けを勝ちとすることが

できないのと同様

勝ちを負けとすることは

できません

特に今回は

ギブアップなしのルールで

ございますし

別に無根拠で

言ってるわけじゃ

ねーよ長者原くん

えーっと

ほら俺自分で自分を

改造手術した時にさー

実は一度服を全部

脱いでるんだよなー

――だから本当は

その時点で負けてるんだよ

...なるほど

わたくしめの誤審を

主張するわけですか

真偽はともかく

そう言われてしまうと

言葉もありませんね

...いいんですか

お姉さま

せっかくの勝利を

捨てるような真似を

いいに

決まってんだろ

まあ勝つために

過負荷を使った

俺が

自分の勝ちに

固執するってのも

おかしな話だしな

気にすんな

お前のしたいように

しろ

俺はかわい

可愛い妹と

いいじゃないですか

球磨川さん

『........

むこうが続けたいって

言ってるんだから

付き合ってあげましょうよ

ハイタッチできた時点で

もう報われてんだからさ

なーんか必死で

可哀相ですし!

それに

この戦拳を続ければ、

私達はむしろ!

もっとも〜っと

駄目になれる気が

するんです☆

触ってないのに

周囲が腐っていく...。

馬鹿な!

江迎の『荒廃した腐花』は

直接手で触らないと

発動しないはずじゃ...!!

俺と志布志との戦いを見て

何かをつかんだ、でわけだ...

これが過負荷の

マイナス成長って

奴か

やべえぞこの女!

のびしろが途轍もなく半端ねえ!

...オッケー

じゃあ次の会計戦

私とやろっか

江迎ちゃん

あら

てっきりあなたは

最後まで傍観

し続けるんだと

思ってましたけど

前線に

出しゃばることに

したんですか?

うん

めだかちゃんのお陰で

久しぶりに心療外科魂に

火がついたわ

年甲斐もなく

私も挑んでみたく

なっちゃった

過負荷を幸せに

するという大手術に!

しかし

古賀ちゃん...

フラスコン計画

潰されたこと

まだ根に持ってたんだな...

だいだな

は、

だなっ

第79箱「ちょう

「ちょうどい

でしょ」

箱庭学園が誇る

一大植物園

『木漏れ日』

四季折々の草花のみならず

地球上の植物の半分以上を

展示する

国宝級と言っても過言ではない施設でありそして

国宝級と言っても

過言ではない施設であり、

そして

生徒会戦挙

第三試合会計戦

『火付兎』の

舞台である

八月八日

会計戦当日

木漏れ日

南口前

それでは皆々様

会場に到着致しました

ところで

江迎さまが選ばれた

卯』の試合形式

火付兎』のルールを

説明させていただきたく

存じます

さすがに

三連続「巳」を選んでくる

ようなことはなかったか...

つーか球磨川や

志布志と違って

江迎はどっかその辺

まっとうな空気も

あるんだよな

それが逆に

不気味っつーかよ

いや不気味っつーなら

やっぱり球磨川の方なのか?

前回と違ってこの一週間は

何も仕掛けてこなかった

こともそうだしー

ぼん

今回は見るからに

やる気がねえ!

さて

今回は候補者の他に

各陣営より

それぞれ一名ずつ

サブプレイヤーとして

競技に参加して

いただくことになります

サブプレイヤー?

なにそれ

誰でも構わないの?

ええ

既に試合を終えた

候補者の方でも

構いません

んー

「じゃー

まー僕でしょ

形式としては

タッグ戦ということに

なるのでしょうか

...誰でもいいって

言われてもな...

こっちからは

俺が出るしか

ねーだろうが...

一応リーダーだし

仕方ないや

待て善吉!

球磨川が出てくるなら

ここは私が!

いや会長戦を控えてる

めだかちゃんはここで

手の内を晒すべきじゃ

ねーだろ

名瀬師匠は

まだ書記戦の傷が

癒えてねーしな

今日のところは

俺に任せとけよ

目標が決まった以上

お前はそれだけを

考えてろ

別にいーじゃん

どっちでもー

なんなら三対二でも

構わないからさー

『さっさとやって

さっさと終わらそうよ

二人とも

球磨川お前

さっさとって...

ちょっとは

やる気出せよ

だるそうに!

俺が言うのも

すげー変だが

「はー?

『そんなの僕の

勝手でしょく?

僕は書記戦での失敗が

本気でショックだったんだよ」

『だから

本当はもう帰りたいのに

『きみ達の道楽にこうやって

付き合ってあげてるだけ

感謝してくれないかなー』

......~~~.

本当にどうしようもねーな

こいつの性格は...

めだかちゃんはこんな状態の球磨川と

決着をつけるためにマイナス十三組を

引き止めたわけじゃねーぞ..

この戦挙戦を通じて

改心させるってのは

現実的には不可能にしても

せめて!もう二度と!

どこの学校でも

こんな真似をしようと

思えないほどの敗北感を

球磨川に植えつけないと

いけないのに:

江迎!

お前からも何か

言ってやれよ!

こいつなんか

みにゃふにゃだぞ!

話しかけないで

くれるかなあ

人吉くん

球磨川さんが

気分屋なのは

いつものことだし

それにほら

私達は敵同士な

わけだし^

やめなさいよ

善吉くん

江迎ちゃんは

もう球磨川くんの

支配下だわ

あんただって

あんな告白を

本気にしてたわけじゃ

ないでしょう?

お母さん...

!!

いや

そりゃ

そうだけどよ..

......

それに

めだかちゃん!

言うまでもないと

思うけど

あんなだからって

油断しちゃ駄目だよ

球磨川くんの

やる気のなさが

ブラフだって可能性は

かなり高いんだから

わかっております

人吉先生の方こそ

お気をつけて

参加なさる

サブプレイヤーは

人吉さまと球磨川さまで

よろしいですね

それではお二方には

このブレスレットを

装着していただきます

えらく趣味の悪い

腕輪だが...

長者原先輩

なんだよこれ?

はいー

端的に申し上げまして

爆弾でございます

爆弾って...

冗談でしょ?

ええ

時限爆弾内蔵式の

ブレスレット...

作動させてから

ちょうど一時間後に

爆発する仕組みに

なっております

そんなの

腕がふっとぶくらいじゃ

済まないよ!?

ですから急いで

外してきしあげないと

いけませんね

それがこの会計戦の

テーマでございます

江迎さまには

人吉さまの腕輪の鍵

どのような手段を

用いても構いませんー

相手の持つ鍵を奪い

パートナーの腕輪を

外してください

人吉〈母〉さまには

球磨川さまの腕輪の鍵を

お渡しします

人吉「母」さまには球磨川さまの腕輪の鍵をお渡しします

先にパートナーを

救った方の..

勝利となりまして...

ございます

持つ鍵または

奪った鍵は

肌身離さず

よく見えるように

お持ちください

捨てたり

隠したりするのは

ルール違反と

致します

もちろん

鍵の破壊も

反則となりますので

特に江迎さまは

その点

お気をつけください

即ちこの会計戦に

おいて留意すべき点は

以下の4つ

1.制限時間内に

2.鍵を守りながら

3.鍵を奪い

4.パートナーを助ける

ただそれだけの

実にシンプルな

競技でございます

ふうん...

会計戦では自分の命じゃなく

仲間の命を賭けて戦うって

わけだ

パートナーというが

実際は人質みてーな

もんだな

言葉で聞く以上に

夕チ悪いぜこのルール

待たんか

長者原二年生

いい加減にしろ!

それではどちらかのパートナーが絶対に爆死するではないか?

それでは

どちらかのパートナーが

絶対に爆死するではないか!!

勝ち負け以前の問題だ!!

確実に死人が出るような

ゲームに参加できるはずが

なかろう!!

ご安心ください

黒神さま

片方の爆弾が

解除された時点で

会計戦は終了

もう片方の爆弾の

けんそう

時限装置も連動して

同時に停止されます。

爆弾が爆発するのは

あくまで一時間後

タイムアップの

場合のみで

ございます

...つまりそれって

勝ちを捨てれば

パートナーの命を

ことだよな

助けることはできるって

争わずに相手に鍵を

差し出しちまえば

もっと言えば手持ちの鍵で

相手側のバードナーを自ら

解放しちまってもいい

参ったな...

俺が書記戦で変に予習

しちまったばかりに

黒箱塾時代からかなりルールを

捻ってきてやがるぜ

同じことだ!

いやむしろ

死人が二人になる分

悪質とも言える!!

球磨川!

さすがの貴様だって

このようなルールを

受け入れられるわけが

わがまま言って

長者原くんを

困らせちゃ駄目だよ

めだかちゃん

「きみは本当に

自分勝手だねえ

気持ちはわかるけど

そこは人として!」

決められたルールは

守らないとさあー

急にやる気になった...?

......

なんだこいつ?

今の話のどこで

テンションが

上がったんだ?

死人が出そうだからか?

いや球磨川はそんな

わかりやすい奴じゃねえー

大嘘憑き」を持つ前から

生きるも死ぬも同じようにしか

考えねー奴だったぜ

だとしたらどうして...?

『怒江ちゃん』

ごめんだけど

この勝負

勝つことは

諦めてちょうだい

......

球磨川さん?

『タイムアップを

引き分けって...

『かと言って

負けてほしいって

わけでもない

『つまり

引き分けを狙って

ほしいんだ

そんなことしたら

人吉くんはもちろん、

球磨川さんも

爆死しちゃいますよ?

うん

瞬間の爆死じゃあ

「大嘘憑き」の発動は

間に合わないだろうからね。

『少なくとも一度僕は

死ぬことになるだろう。

その後自動発動の

「大嘘憑き」で

生き返れるけど

生き返れるから

死んでも平気って

わけじゃない

死ぬのは嫌だ

死ぬのだけは

本当に嫌だ

僕は死んでも

死にたくない

死んだら

「嫌な奴に会わなくちゃ

いけないから

だけど

今回ばかりは

仕方がない

『善吉ちゃんが

本当に彼女と

会ったのかどうか

...でも

引き分けるって

ある意味勝つより

難しいですよ?

「確認する

絶好のチャンス

なんだもん

...なあ~に

大丈夫だよ

怒江ちゃん

そこは僕が

パートナーとして

ちゃんとサポート

するからさ

...やれやれ

なんか燃えてきた

みてーじゃねーか

球磨川の旦那も

まあ正直

そっちの方が

戦いやすいけどな

球磨川が燃えようが

どうしようが

私の意見は変わりません!

長者原二年生!

現生徒会長として

私は正式に抗議

...まあ待ちなよ

めだかちゃん

ここは私に

話させてちょうだい

戦うのは

あくまで

私なんだからさ

...!

人吉先生

しかし...

ねえ

球磨川くん

あなた書記戦の時に

志布志さんが負けたら

箱庭学園から手を引くって

約束してたよね?

しましたね

結局飛沫ちゃんの

圧勝だったから

その約束は無効に

なりましたけど

...じゃあ

バトルを盛り上げる

ためにさ

この会計戦で

私ともしようよ

そういう

約束

もしも私が

この会計戦で

江迎ちゃんに勝ったら

球磨川くん

ひとつだけ!

私からの質問に

正直に答えて

質問ですか...

怖いなあ

『果たして何を

聞かれることやら

『衣装は

そうだな

でもいいや

わかりました

その代わり

もしも怒江ちゃんが

負けなかったら

喪服が

いいな

調子出てきたじゃ

ねーか

球磨川先輩

明日僕と

デートしてくださいね

プレッシャーの

かけ方が

いちいち

うま過ぎるぜ

そうでなくとも

実の息子に爆弾が

仕掛けられた状態で

母親がまともに

戦えるわけねーだろ

どんな質問を

するつもりか

しらねーけど

黒神じゃねーが

ここは

なんとか因縁つけて

ルールを変更した方が

オッケー

じゃあ

約束成立ね

反故にしちゃ

やーよ?

そういうことで

いいよね

善吉くん

大丈夫!

お母さんが守って

あげるから

...ああ

頼りにしてるぜ

お母さん

めだかちゃんも

腹をくくりなさい

......

過負荷を改心

させようってんだから

ある程度のリスクは

覚悟しなきゃ

言ってることは

正しいけどよ...

実の息子の命が

『ある程度のリスク』だって?

そういやあの人庶務戦で

人吉が死にかかった時も

妙に冷静だったし...

この人本当に息子可愛さに

転校してきたのか...?

黒神の主義に乗っかるような

ことを言ってたが

さっきの約束の件といい

ひょっとして何か他にも

思惑があるんじゃあ

それでは

人吉(母)さまと

人吉さまには

西口から

江迎さまと球磨川さまには

東口から館内に入って

いただきます

会計戦

『火付兎

スタート!

でございます!!

ありがとうございます

...しかしお母さん

勝算はあるのかい?

江迎の過負荷は

こないだより著しく

成長してるようだぜ

成長したって

わかってるなら

大丈夫よ

むこうはまだ

思い出してないみたいだけど、

私はあの子の主治医

だったんだから

だから気をつけるべきは

やっぱり球磨川くんよ

あの子があんた達の中学校を

恐怖のどん底に突き落としたのは

大嘘憑きを持つ前だと

いうことを忘れないで

球磨川くんが江迎ちゃんに

どんなアドバイスをするのか

この勝負の行く末は、

きっとそこに

かかっているー

いったーっ!

なによもう!

ちゃんと整備

してるの

この園内!?

雑草くらい

ちゃんと

抜いときなよ!!

はは

球磨川に

気をつける前にまず

「足元に気をつけねーとな

お母さん...

...て

え?

!?

なにこれ!?

植物が...

園内の植物が!

異常な速度で

成長している...!?

くっ

!!

ぐっ...

なんだよこれ...

どういうことだ!?

植物が...

まるで意志を持っているかの

ごとく俺達を襲ってくる...!?

違う!

これは植物を

操っているのよ

だけど

そんな馬鹿な!

『物体を腐らせる

江迎ちゃんの過負荷で

どうすればこんなことが

できるの.....!?

土を

腐らせれば。

つまり

腐葉士を作るって

ことだよ

土って奴は要するに

腐った命の成れの果て

だからね

わかるかい?

怒江ちゃん

きみの過負荷は

こうやって使うんだよ

土を操ることは

植物を操ることと

イコールなのさ

名付けて

「荒廃した腐花」

狂い咲きバージョン!!

やばいぞ

お母さん!

どんな手段を

使っているにせよ

敵が植物を操れると

いうのなら!

植物園という

この舞台自体が

敵みてーなもんだ!!

なにがやばいって

このステージが

やばい!

落ち着きなさい

善吉くん

こういうのは

やばいって

言うんじゃなくて

裁ちばさみ...

いや!

わくわくするって

言うのよ

剪定ばさみ!?

植物を

いじくり回すのは

何も過負荷の

専売特許って

わけじゃないわ!!

お母さんのたしなみ

ガールデータ

庭系リの守護神/

......

切ったり縫ったリ

するのが得意なのは

知ってたけどよ

切ったり揃えたり

するのも得意だとは

知らなかったぜ

裁縫も園芸も

料理も掃除も

得意分野よ

お母さんを

誰だと思ってるの

お母さんだよ?

しっかし

物体を腐らせる

過負荷で植物を

奴隷化するとは

ステージ全てが

敵か

高校生相手にゃ

ちょうどいい

ハンデでしょ

さすが

球磨川くんは

発想が違うわ

........

球磨川さーん

どうも

逃げられたっ

ぽいでーす

「逃がさないよ

『今日ばかりは

小細工抜きだ

正々堂々

フェアプレー精神に

のっとり

全力で引き分ける!!

DIGITAL

SHUESMAJUNPCOMC

『荒廃した腐花』

狂い咲き

バージョン::

植物を操る

過負荷だって...!?

冗談じゃねえ!

植物園において

植物を操るとかー

そうだったら

ってきてくれるから」

はあ

しかしくじ引きで

決まったステージで

ございますので

長者原くん!

反則にはなんねーのか

あれは!!

そして

繰り返しになりますが

形式上現生徒会側が

ある程度不利なのは

当然のことかと...

チッ...

おい黒神

お前からも何か

言ってやれよ

このままじゃ

瞳先生が

ピンチだぜ

...確かに不公平なステージで

しかも危険なルールなので

善吉のことは

心配ではありますけど

しかし

お姉さま

人吉先生がピンチと

いう風には

私には見えませんが:

シンガーディア

「...

そういえば...

探偵

さくれるから

...

庭師っていうか...

もはや

マタギだ!!

善吉くん!ちゃんと

ついてきてる!?

そして本当にこっちで

あってるんでしょーね!?

ああー

名瀬先輩に散々

議教されたからな

どれほど植物で

目隠しをされようが

過負荷の位置なら

肌で感じるぜ

特に球磨川の

気持ち悪さは

強烈だからな!

なるほどつまり

遠恋してる恋人を

感じ取るように!

そのつまりは

言わなくて

いい!!

とにかく

オッケ!

球磨川くんは

この先に

いるわけね!

善吉くんには

球磨川くんが

感じ取れるってことだ!!

おいお母さん

球磨川を

警戒すべきなのは

わかるけどー

あくまで会計戦の

対戦相手は江迎なんだぜ

そこはちゃんと

わかってるよな?

......

わかってるわよ

そんなことー

十三年前

箱庭総合病院

心療外科医という

仕事が好きだったし

それ以上に誇りも

持っていた

もちろん

フラスコ計画の暗部は

知っていたけれど

それでも

私が計画を主導する

「彼ら」に協力し続けたのは

異常と呼ばれる子供達を

少しでも社会に馴染ませて

あげたかったからだ

人吉先生ー

あうん

お待たせ

もう準備

できてるから

いつでも

私自身異常と呼ばれながら、

育った子供だったから

おこがましいけれど

それが自分の使命なんだと

思っていた

そろそろ午後の診察を

始めていただいて、

よろしいでしょうか?

...えっと

球磨川禊くん...

でいいんだよね?

「はい

...大丈夫!

緊張しないで

別に怖くない

からさ

あ私は

きみの担当医になる

人吉瞳!

よろしくね!

......

よろしく

お願いします

ところで

人吉先生

最初にひとつ

お願いがあるん

ですけれど

ん?

なにかな?

なんでも

言ってよ

球磨川くん

僕の症状は異常なしって

診断してもらえません?』

お父さんと

お母さんに

心配かけたく

ないんですよ

お母さん!

いたぞ

球磨川と江迎だ!!

ちゅうちょ

躊躇はしない

そういうのは、あなたの

喋る暇も与えない

一瞬で決める!!

なっ:

植物で作った

ダミー...!?

くまっ...

がわっっ....!!

作戦成功

そして今だよ

怒江ちゃん

思いっきり

やっちゃって

了解です☆

ダメージショール

完了したんです

おいおいさんージョン...

植物の壁を作って

私と善吉くんを

分断するとか...

二人きりに

なりたいなら

そう言ってくれれば

いいのに

照れ屋さん☆

私だっていちおー

一年生よ

つまりあなたが

私から直接この鍵を

奪うつもり?

『あはは

まあ怒江ちゃんには

人吉先生の相手は

しんどいでしょうからね

『一年生には

一年生同士で

遊んでもらおうという

計らいです

42歳だけど

サブプレイヤーの権限を

逸脱したルール違反

すれすれの作戦ね

いえいえ

今回はフェアプレーに

徹します』

「僕の役割は

あくまで引き分けまで

『人吉先生と

怒江ちゃんとの接触を

断つことだけですよ

引き分け

まで...?

なにそれ...

マイナス十三組が勝敗を

度外視するのは恒例だけど...?

タイムアップになれば

善吉くんと球磨川くんの

腕輪が爆発する

庶務戦の時と同じで

善吉くんを傷つけたいだけ?

いやあの時にも

ちゃんと目的はあったー

...そういえば

さっきはどうして

善吉くんの後ろを取る

ことができたの?

『ああ』

それは簡単な

ことです

僕の気持ち悪さを

肌で感じるーなんて

酷い修辞的表現を彼は

しますけれど

善吉くんはあなたのことを

肌で感じることが

できるはずなのに

要するにそれって

気配を感じているって

だけのことでしょう?

『だから

僕の気配を

なかったことに

しました。

........

...それがどういうことか

わかってるの?

......

『?

そんなの別に

構いませんよ

『気配なんてなくても

死ぬわけじゃない

でしょう?

『大嘘憑き』で

なかったことにしたものは

もう戻せないんでしょう?

つまりこれから先

あなたは一生

誰にも気付かれない人間に

なってしまったってことなんだよ?

:どうして

そんなことが

言えるのよ

その強さゆえに

誰からも

忘れられてしまった

日之影くんの苦しみを

あなたはちゃんと

知ってるはずなのに

......

みんなが大切に

しているものを

平気で踏みにじり

そうかと思えば

みんなが恐れ怯えることを

平気で受け入れる

球磨川くん

そんな自分に

あなたは本当に

何の疑問も

感じないの?

自分が

何のために

生まれてきたのか

考えたことは

本当に一度もないの?

それが勝負の後に

聞きたいことって

やつですか?

あはは

変わらないですねえ

人吉先生

あなたは初めて会った

あの時のまんまだ

........

...駄目よ

カルテに嘘は

書けないの

そして検査を

するまでもないわ

あなたは

明らかに異常

ううん

それ以上の

それ以下の

何かよ

......

おお!!

あなたは異常者の

研究ができれば

いいんでしょう?

じゃあ

取引しましょうよ

人吉先生

まだこの病院で

検査を受けていない

異常者ニ千人分の

データです

ガンガン!!

これを

差し上げますから

僕のことは

見逃してください

あなた!

そんなもの

どうやって集め

一方法なんてどうでも

いいでしょう?

重要なのは

このデータを

運用すれば

あなたの研究は

飛躍的に進歩すると、

いうことです

...もっと駄目よ!

そんな賄賂じみた

取引には

応じられない

ご両親には

ありのままを

報告させてもらうわ

...あなたは多分

入院することに

なると思う

私には

心療外科医としての

誇りがあるし

あなたのような

子供を

幸せにしてあげる

使命があるもの!

......

「託児室にいる

あの子って

「人吉先生の

お子さん

ですかあ?

『二歳くらい

ですかね

あはは

『今が可愛い盛り

ですねえ

僕って

寂しがり屋だし

見知らぬ病院で

一人きりなんて

不安で怖いから

もしも入院したら

彼に友達になって

もらおうがなあー

なによそれ

...脅迫?

賄賂と同時に

脅迫って...

一丁前に

アメとムチの

つもり?

いえいえ

両方ムチです

「僕を見逃せば

あなたは賄賂を受け取った

誇りなき医者になり

「まあ

どちらにしても

僕を見逃さなければ

あなたは実の息子を見捨てた

使命なき医者になる

『あなたの生き方は

ここを境に

折れ曲がりますから

「あの時は

見逃していただいて

ありがとうございました

「お陰で僕は

幸せになることなく

今日まで楽しく生きて

こられましたよ

ところでその後

風の噂に

人吉先生が医者を辞めたと

聞いたんですけど

『なにか嫌なことでも

あったんですが?

......

そういえば

この状況も

あの時に

似てますね

善吉ちゃんのことが

心配でしょう?

......

百円くれたら

彼を傷つけないよう

怒江ちゃんに

電話してあげても

いいですよ

全然違うわよ

球磨川くん

あの時と今とじゃ

全然違う

善吉くんは

もう子供じゃない

一人の

一人前の

男よ

この間の

庶務戦を見て

確信したわ

あの子にはもう

母親の過保護は

必要ない

引き分けを狙う

あなたの思惑は

またも外れるのよ

そうやって

私を足止めしても

無駄なの

だってあの子が

すぐに江迎ちゃんを連れて

お母さんのところに

帰ってきてくれるからー

知らない仲じゃねーから

まずは忠告してやるぜ

江迎ー

降参するなら

早めにしとけ

今日の俺は

なんだか

目の色が

違うんだ

目...?

いいから今回は

もう帰りなさい

人吉くん

球磨川くんに

なかったことにされた

視力については

僕がサービスしておいて

あげるからさ

生徒会戦挙編が

終わった頃に

またおいで

もうめだかちゃんを

泣かせちゃあ

駄目だよ

ほんもの

第81話「僕の恋は本物だったんだ」

なあに

大丈夫さ

僕が貸してあげる

その目があれば

「欲視力」があれば

戦挙を生き残る

くらいは楽勝だー

...

それは、

私のニ丁包丁が

かすりもしない!

紙一重で!

最小限の動きで

かわしているー

...庶務戦で

球磨川に殺されかけて

以来

自分の意味が

あの「大嘘憑き」で

視力をなかったことに

されて以来

まるで臨死体験を

した時にでも

誰かに会って、

代わりの目ん玉を

ふたつばかし

もらったかのように、

なーんか逆に

目がよく見えるように

なったんだよーー俺!

さっさとあの柵を

引っ込めな

球磨川の相手を

お母さんひとりに

任せとくわけには

いかねーんでな

なによ...

必死になっちゃって

馬鹿みたい

あんまりお母さんお母ちん

言ってると女子から

マザコンだって思われちゃうよ

人吉くん

マザコン?

なんとでも

思えばいいさ

俺は

お母さんが

大好きだ!

息子が母親を

愛するのは

当然のことだ

待っててくれ

お母さん!

すぐに俺が

助けにいくからな

それを

恥ずかしいとは

思わない!!

いいですよ

コポ

.....

人吉先生

あの

それは一体

何の真似ですか?

んー?

だって球磨川くん

引き分け狙い

なんでしょ?

だったら私達は

別にバトる必要

ないじゃん

だからお茶でも

しようと思ってさ

なんだったら

球磨川くんも

一緒にどう?

こっち来て

残り時間いっぱい

お喋りしない?

恋バナしようよ

恋バナー

...わかってるん

ですか人吉先生?

引き分けると

いうことは

あなたの可愛い

善吉ちゃんが

爆死するということ

ですよ?

まー死んだら

死んだで

仕方ないんじゃない?

さっきも言ったけど

彼ももう子供じゃ

ないんだしいー

なんてね!

戸惑ってる

戸惑ってるー

困っていると

言ってもいいわ!!

やっぱり

球磨川くんみたいな

劇場型はこんな風に

相手にされないことが

二番こたえるみたいね!

こんなこと今までは

球磨川くんに試そうとも

思わなかった

だけど一庶務戦の時

球磨川くんにも

感情があることがわかった

十分の二でもいいから

引き出せれば――

感情があるのなら

心療外科医は

それを揺さぶれる!!

善吉くんが合流するまでに!

せめてあの時の感情の

あの時の表情の

さすがです

人吉先生

僕の感情を

ここまで揺さぶれるのは

彼女を除けば

あなただけでしょう

彼女?

はい

えーっと

恋バナをするん

でしたっけ?

そうですね

あなたが初恋の人

なら

彼女は

最後の恋の相手です

今のところですけどね

...初恋とか

嫌がらせで言ってるとしか

思ってなかったけど...

何この子

恋愛感情まであったの?

彼女は僕が生徒会長を

やっていた頃の

副会長でしてね

支持率0パーセントの

僕がまがりなりにも

生徒会長を

務められたのは

彼女のお陰と

言う他ないでしょう

とにかく

魅力的な人でした

魅力的な人格と

魅力的な心の

持ち主でした

僕みたいな

過負荷でも

彼女といれば

まともな人間に

なれるんじゃないかと

思うほどに

「ただ

ひとつだけ問題が

ありましてね

「それは彼女が

可愛過ぎた

ことです

『はい』

彼女の外見は

僕を悩ませました

僕は彼女の

人格とか心とかが

好きだと言いつつ

可愛過ぎた...?

それは顔がって

意味?

嬉しそうに...いっそ誇らしそっに語る..

嬉しそうに..

いっそ誇らしそうに語る...

少なくとも嘘をついている風には見えないー

少なくとも嘘をついている

風には見えない。

結局見た目が

好きなだけじゃ

ないのかって

アイドル好きの

同級生と

同じなんじゃ

ないかって

だからちょっと

試してみたくなって

僕は

彼女の顔面を

剥がしました

『結果僕の彼女への

思いは少しも

変わらなかった」

『剥がした皮も

残った肉も

同じに見えた』

『僕の恋は

本物だったんだ!』

...もっとも

一直後にめだかちゃんが

マジギレして

僕は学校から追い出された

その後彼女とは

「夢の中」でしか

会っていませんけどね。

『まったく

めだかちゃんは

当時から

空気を読まない

てすよねー

他人の恋路を

邪魔する奴は

「馬に蹴られて

地獄行きですよ』

『きっと

めだかちゃんは

恋を知らないんだ」

『あの子は人間が

好きなだけで』

『人が好きなわけじゃ

ないんですよ』

古賀二年生

お姉さま

それに

蝶ヶ崎二年生

志布志同級生

正直な意見を

聞かせてくれ

本当に

私は

あの男を

救わねば

ならんのか?

私は間違って

いたのではないか?

せかいじゅう

世界中の全人類を

幸せにできたとしても

球磨川だけは

救いようがないのでは

ないか?

なにより

球磨川を救おうという

気持ち自体が既に

罪深いものではないのか?

...俺達に訊くのは

卑怯だろ

俺の妹はいつから

そんな腑抜けに

なったんだ

まして今!

お前の

馬鹿な意見に従って

馬鹿みてーに戦ってる

馬鹿が一名いるんだぜ

あいつが

戦ってるうちは

お前の意志を

俺達の意見で翻そうと

してんじゃねーよ

お前は間違っても

間違いを認めちゃ

駄目なんだ!!

...確かに

大した視力だね

でも!

見えたところで

どうしようもない

ことってあるよ?

たとえば!さっき

球磨川さんのダミーを

作ったのをヒントに

思いついたんだけど、

『土を腐らせて!

植物を育てて!!

「人間を

進化る!!!

「このプレスに関して

おい咲きパージョン

母なる大地

から生まれる

人間植物!

タイプマンドラゴラベル

落葉のように舞い

枯枝のように

刺すわ!

結構イケてる

デザインでしょー

まあ

普通の人は

こういうのを

気持ち悪いって

言うんだろうけど

...いや

そうでもねーよ

江迎

俺はこの通り

普通の人だが

こいつらは

意外と格好良く

見えるぜ

なにそれ

お世辞のつもり?

そんなこと

言われたって

私はもう

あなたにデレたり

しないんだから!

結局

過負荷の気持ちは

過負荷にしか

わからないんだ!!

気遣いのつもり?

やめてよね

...そうかな

それも

そんな風に

腐るなよ江迎

そうでもねーと

思うけどな

俺の目に

狂いがなければ

案外俺達は

分かり合える気が

してきたぜ

!!

うるさい!

とにかくこれで

決着よ!

たとえどんなに

視力が上がっても!

四方八方からの攻撃

すべてに対応できる

はずがないわ!

:別に俺は

視力が上がったとは

言ってねえぜ

ただ

よく見えるように

なったと

言ったんだ

どんなでたらめに

二丁の包丁を

振り回そうが

大量の植物で

四方八方から

攻めようが

それを動かす

お前の『視点』は

ひとつだろう

いくら枝葉が

育とうと

根っこはひとつ

つまりお前の

視点ひとつを

抑えれば

どんな攻撃も

避けることは

たやすい

...?

何を言ってるの?

人苦君!

だから

あなたには一体

何が見えてるって

いうのよ!

......

俺に

見えているもの

それは

お前の視界

だよ

そういえば彼女は

摩訶不思議なスキルを

たくさん持ってましてね

「実は僕の「大嘘憑き」も

彼女からもらったスキルを

原材料に

生まれたんですよ

彼女のスキルの中でも

特に面白かったのは

視力に関するもので

それは他人の視界を

乗っ取るという

荒唐無稽な神業でした

彼女には他人の

見ている視界が

他人の見ている世界が

見えたんです

つまり他人が何を

どんな風にどう考えて

見ているかを

彼女は

あますところなく

知ることができた

どんな気分なのか

想像すると

面白いですよね

つまりは

彼女の顔を剥がす

僕の心を

彼女はその時

見ていたはず

なんですから

どうだろう

僕の気持ちは

ちゃんと彼女に

『伝わったの

かなあ...

彼女の顔を剥がす

僕の視界を

...彼女彼女と

言うけれど

教えてもらっても

いいのかしらん

もちろん

隠し立てする理由は

何もありません

その子の

名前って

彼女の名前は

安心院なじみ

学校中の誰もが

親しみを込めて

安心院さんと

呼んでいました

ぐっ...

しまった..

私が作った柵を

私の過負荷で

腐らせちゃったーー杏!!

カッ!

相手の視界が

見えるんなら

!!

その動きを

誘導することも

容易だよなあ

お前の過負荷で

この分厚い壁を

打ち破ることもよー

これこそ

まさにっ...

デビルアイ!

違うよ

善吉ちゃん

彼女はその目を

「欲視力」と

呼んでいた

え?

球磨川っ...

彼女?

やれやれ

「やっぱり

その目は

彼女からの

レンタル

だったんだね

彼女と

善吉ちゃん

「そして僕

きみと彼女の接触が

明白になった以上

引き分けを狙う意味は

なくなった

『と言いたいところだけど

やっぱり

引き分けようか

計画的にうまく死れば

久し振りに三人で

話せるかもしれないし!

ミイナス...

どんな技名を叫ほうとミ

常に土下座の姿勢なのが

引き分け狙い?

なんだそりゃ

相変わらず

わけわかんねーな

お前は

お願いだから

一個くらい

なんかわかることを

してくれよ!

善吉ちゃんには

一生僕のことは

わからないよ

あんたの息子だぜ」

恋を知らない

お子様だからね

きみもまた

めだかちゃん同様

ただまあ

そんなお子様が

彼女の目を

我が物顔で

使っているって

いうのは

「さすがにちょっと

不愉快かな~

な!

すみません

球磨川さん...

私のミスです

私は本当に

失敗ばかりで

残念で...

本当に恥ずかしい

です

......

大丈夫だよ

怒江ちゃん

安心して

「きみの失敗も

残念も

恥も

『あんたの息子だぜ」

僕がぜーんぶ

なかったことに

してあげるから!

なあに

心配いらないよ

確かに

あの「欲視力」は

脅威だけど

僕はかつて

その使い手から

顔面を剥がした

ことがある!

顔面を

剥がした...?

何物騒なこと

言ってんだ

あいつ?

........

善吉くんは

気にしなくて

いいわよ

まだね

それより善吉くん

どうだった?

江迎ちゃんと

サシで戦ってみて

詳しい説明は

省くけど

お母さん

俺はあいつの

視界で..

世界を見た

あいつの見る

世界は

ありとあらゆる

何もかもが

腐っていたよ

過負荷で

腐らせる

までもない

人も

地面も

建物も

........

空気も

ぐじー

まべてというすべてが、

あらかじめぐぢゃぐちゃに

腐敗していた

俺は許せないぜ

お母さん

今までのうのうと

生きてきた自分が

許せない!!

この世界を

あんな目で見ている奴が

いることも知らず、

......

なるほど

『怒江ちゃん』

はい..

でも全然

敵いませんでしたー

文字通りに

一蹴されました

それじゃあきみは

人型の植物を操って

善吉ちゃんと

戦ったんだね?

人吉くんの

「欲視力」の

前に...

「人吉くんの」

じゃないよ

間違えないでね

それにそこまで

東下することはないよ

きみはいい線

いってたよ

人型を操る

というのは

ナイスアイディアだ

ところで

怒江ちゃん

前生徒会長の

日之影空洞くんのことを

覚えてるかい?

彼はまあ

学園最強だーー

マイナス十三組でも

彼に勝てるのは

飛沫ちゃんと

あとは例外的に

蛾々丸ちゃんくらい

だろうね

さてここで

問題だ

『どうして彼は

そんなに強いんだと

思う?

「知られざる英雄」

という

誰にも認識できない

異常を所有して

いるからですか?

『違うよ

異常は

あくまで

彼のただならぬ

強さの結果に

過ぎない

もちろん

学園の平和を

守るためとかいう

『そんな

エモーショナルな

理由でもない

日之影くんの

強さの理由は

もっと単純なんだ

『体が

大きい。」

それ以上は

ないよ』

『強さの理由に

な;なんだよ

あれ...

どこの

特撮映画だよ!

でけえなんて

もんじゃねえぞ!!

荒廃した魔花、狂い吹きバージョ

タイプ「千年杉

俺の『凍る火柱』でも

凍らし切れねーし

燃やし尽くせねーだろう

圧倒的な巨大さ!

あんなもん

視力がどうたらで

どうにかなる

相手じゃねえぞ!

釜さっ...

人吉先生...

...

これまでは、

じょっ...

冗談じゃないわよ...

完全に

想定外だわ

まさか江迎ちゃんが

ここまでのマイナス成長を

遂げるなんて...!

お母さん

ニ十秒でいい

あの巨大植物を

食い止めといて

くれねーか

......

善吉くん?

見ろよ

さすがの江迎も

あの規模で過負荷を

発揮するのは

楽じゃねえみたいだ

余力は微塵も

残ってねえって

感じだぜ

そして引き分け狙いの

球磨川は

この先手を出さない

つもりらしい

大方これ以上

自分が噛むことで

戦局が崩れることを

嫌ってるんだろうな

つまり今は

江辺と対話できる

たぶん

最初で最後の

チャンスなんだ

対話って..

なにそれ

めだかちゃんの

真似事?

...いや

残念ながら俺は

めだかちゃんとは違う

目に映る

すべての人間を

幸せにしようだなんて

思えねーし思わねー

幸せになろうと

しない奴を

幸せにすること

なんか

できねえよ

...でもあいつは

言ったんだ

マイナス十三組の

中で

不気味な言葉

だったけど

不器用な言葉

だったけど

必ず幸せに

なるって

江迎だけは

確かに

言ったんだ

幸せになりたいって

言ったんだ!

幸せになりたい奴が

いるなら

誰であろうと

幸せにしてやる

それが

俺の考える

生徒会執行部の

ありかただ!

......

できるの?

そんなこと

カッ

愚問だな

お母さん

俺を誰だと

思っている

あんたの

息子だぜ

オーライ!

【Tindaww

いいでしょう!

この際ニ十秒なんて

みみっちいことは

言わず!

十分は

持たせてあげるよ

善吉くん!

あとは

若い人同士と

いうことでええ?

年寄りは!

盆栽でもして

くたびれるわ!

はっ...

矢でも鉄砲でも

チェーンソーでも

持ってきなさいよ!

私は!

球磨川さんの

ために!

全身全霊で

引き分ける!

荒廃した

腐花』!!

『庭弄りの

守護神』!!

ぐっ...

はあっ...

大丈夫っ

まだ

いける...

...なによ

人吉くん

あっち行ってて

くれない?

あなたと

話すことなんて

何もないんだけど~

俺ん家の庭に

一本の古い

桜の木があるんだ

俺はちっちゃな頃

春が来る度に

その木の下で行われる

花見を楽しみにしていた

お母さんでも

どうしようも

なかったのかなー

今じゃすっかり

立ち枯れちまったよ

しかしその木も

いつからか花をつけなく

なってさ

だけど

お前なら

もう一度

あの桜を

咲かせることが

できるかもしれない

わかるか?

江迎

幹だけになった

その桜を見るたびに

俺は悲しい

気持ちになる

お前が過負荷と

呼ぶその才能は

そうやって

使うことも

できるんだぜ

お前が

そんな風に

自分の才能を

使ってくれると

俺は

とても嬉しい

そんな

お前となら

俺は

友達に

なりたいと

思う

...やめてよ

そんなことをしても

無駄なんだよ..

球磨川さんは

手を差し伸べてくれた

だけじゃない!

私の手を取って

くれたんだ!

私がどんな

酷いことをしても!

私に手を

差し伸べたり

しないでよ

なかったことに

してくれるって

言ったんだ!

俺は!

俺は!

お前がどんな

酷いことをしても!

それを

なかったことに

なんかしない!

お前がどんな酷いことをしても!

俺は今ここにいる

お前を!

だから

お前も!

いないみたいには

扱わない!

自分を

駄目みたいに

言わないでくれ!!

......

死んじゃうの

私が触ると

可愛いわんちゃんを

撫でても

可愛い猫ちゃんを

抱いても

私も

死んだ方が

いいのかなあ

みんな腐って

死んじゃうの

いいわけ

ないでしょ

十三年前にも

そう言ったはずだよ

怒江ちゃん

...先生

当たり前よ

瞳先生...

私...

幸せになっても

いいんですか...?

俺達は生徒会を

やっているんだ

あなたみたいな子を

幸せにするために

私は心療外科医を

やっていたんだから

そして

お前みたいな奴を

幸せにするために

悩みごとが

あるのなら

目安箱に

投書しろ!

二十四時間

三百六十五日!

俺達は

誰からの相談でも

受けつける!!

ありがとう

人吉くん

ありがとう

瞳先生

私ー

球磨川くん!?

いきなり

何を...!?

『........

「善吉ちゃんの

両手の腐敗

『と』

怒江ちゃんの

過負荷を

なかったことにしました。

怒江ちゃんはもう

普通の女の子です

どうか一組あたりで

引き取ってあげて

ください

......

どういうつもり?

あなた引き分け狙いじゃ

なかったの?

...やだなあ

人吉先生

あらら

人を助ける

理由なんて

「気に入らないから」

で十分でしょう

週負荷を過負荷で

なくすなんて

こんな簡単なことだって

僕は善吉ちゃんに

教えてあげたかった

だけですよ

何かと思えば

負け惜しみ?

なんだかなー!

球磨川くんから

そーゆー台詞は

聞きたくなかったなー!!

まあそれでも

お礼は言っておくわ

タイムリミット

ぎりぎりに

なっちゃったけど

これで善吉くんから

爆弾を外せる

会計戦は

私達の勝利ね!!

さて

どうでしょう

僕は別に

引き分け狙いを

諦めたわけでは

ありませんが...

何を言って」

!?

なにこれ...

鍵穴が

ないっ...!?

さっきまでここに

あったはずなのに...!?

鍵の破壊は

反則負けに

なるそうなので

鍵穴の方をなかったことにしました

鍵穴の方を

なかったことに

しました

もちろん

僕の手錠からも

既に鍵穴は

消しています

ですから時間内に

爆弾を止める手立ては

もうありません

『これでこの会計戦!

引き分け以外の決着は

なくなりました」

『あ』

『それではみなさん

ご唱和くださいー

『It'0』

AllFiction!!

コーンソーで金が

すで

DIGITAL

SHUESMA,JUMPCOMKS

箱舟中学第六十六代

生徒会素材行き

副会長

書記

メ会計欠届

あんしん

あんしんいん

安心院さんのご離れで安心マイナス対策の

間違っている程度は変えるようなものだが、できますのですが、そうです。できるのが必要だと思います。実際にここでは

できるのは何か自然になるのでしょうかもしれませんが、まだまだしていただいていると思いますが、それは一人ではないということは思っていました。これからないのです。それですからことできままでもあります。ですが

これからもういうことはないのですが、このようになってしまったのでしょうか...こんなことがありません。これでしたが、それでもいいのかもしれないことです。それだけどうなんですかなんだけではなんないけどこと思いまですね。

くと言うのは何とも皮肉な話だけれども、逆に愛されない1自分を肯定するため

に、この子は能力に歯止めをかけていいないところがある。愛されない理由を

り。愛してやるか、逆に能力の方を肯定してやるかだ。まあどちらも半端な覚

手にするときだって同じなんだぜ。

え、ちかえもむかえ

江迎怒江

ラフレ

荒廃した腐花

あんしんいん

安心院さんのこれで安心マイナス対策の

あんしん

この子はやばい。きみの命に予備がないなら、絶対にかかわっちゃいけない。死

角がないにもほどがある、あまりに危険なマイナスだ。だからと言って、逃げた

ら逃げたで、極めで好戦的なこの子は喜びが勇んで追って来るので、見かけたら

これからは、

そうっとすれ違うのが正解だ。もしも機嫌が『悪ければ』見逃してもらえるはず

そこで俺の選手にはお願いしますが、見えてもらえるのであれば無理であった。私は、私の家を守っていることができますので、できないことはないのですね。ですから、それです。それが、ことないままます。

められ慣れてないいんだろうな。まあ失敗した場合の責任は取れんがね。

志布志飛沫スカーアット

「致死武器」

あんぜん

あんしんいん

安心院さんのこれで安心マイナス対策。

あんしん

たいさく

対策も何も、放っておけばいいい。こちらから仕掛けない限り、実に無害で安全な

のうりとく

能力だ。使い手に攻撃性がないいわけではないが、この子の前で偉ぶらなければ

記フェに向いテースターネットなのではあるいは明日に早くなければ「問題に生きてこの子の前で偉いらなければじない。逆に言うと、間違っても

あるいは明日に早くない人はいただいた。上から何かを言っちゃあ駄目だ。誤解なんてもしないんだに言って、間違ってももってのほか。精神面が全く鍛え

られていないので、常識の枠を超えた切れ方をされる。ちなみにダメージを「跳

ね返して!いるわけではないので、「致死武器川に類する能力は有効だ。まあすぐ

にどこかに押しつけちゃうだろうけどね。ただ、能力的制約ではなく主義とし

て、なぜか受けたダメージを、ダメ・一ジの原因である相手に直接返すことはあ

んまりしないらしいい。付け入る隙にはなりそうもないが、それは『無傷』に対す

るこの子なりのスタンスなのかもしれないね。

蝶ケ崎蛾々丸

不慮の事故

DIGITAL

SHUESBAJUMPCONCS

めだかボックスカラー版

PART3.球磨川事件編3巻

西尾維新

○西尾維新201.2006

発行所・集英社

暁月あきら

◎暁月あきら2011.2006

初版発行

デジタル版発行-2016年

2011年

http://www.shueisha.co.jp

この作品は、著者カラー原画に加え、著者の原画をもとに

集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。

本作品の内容あるいはデー夕を、全部・一部にかかわらず

無断で複製、改竄、公衆送信(インターネット上への掲載

を含む)することは、法律で禁禁じられています。また、個人

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