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Instructions:
ボックス
めだか
PMP3.球磨川事件編4-
原作・西尾線新・漫画・明月あきら
個人の原因が原因とか、
カラー版
PART8
球磨川事件編
20
「仲間思いな男なんですよ」
「わかりあうことができたのかなあ」
「私はずっと楽しみにしていました」
「不慮の事故ですから」
景四春明来日4雨「快通日2017年10月29日第19回目31009年9月15日第30日(第31名)第48条第12条第98条「東京エリーラス・およげさんの
...8.8.9.9
えいえん、
ラフカット
「初めまして」
「当たり前の人望です」
「そしてルールはただひとつ」
「今も昔もそんな君が」
「違いがあるとすれば」
「永遠に揃わないいと言われていた」
ョえら47G7§787qoフH27147167187108209
おまけ、現婚用事件補還
安心院さんのこれで安心マイナス対策
★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには
いっきい関係ありません。著者かラー原画に加え、著者の原画を
もとに集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
210
時限爆弾内蔵式
ブレスレット
いばら姫
だい、だから
第83回「仲間悪いお男なんですよ」
なかまれおも
この腕輪の内部に
仕込まれている火薬自体は
ごく少量で
書記戦で使用された
手錠と同じく
風紀委員会からの
提供品である
手榴弾などと同じく
爆風ではなく
飛び散るそれ自体の
破片によって対象の殺傷を
目論む作りとなっている
しかし
それはつまり
裏を返せば
破片を飛び散らせさえ
しなければ
この爆弾の威力は知れている。
ということでもある
そう
たとえば
爆発する
直前に
ブレスレットを全身で
包み込むように
すれば!
...
『う』
「怒江ちゃん!?
『うわあああぁぁああ
あああぁぁああっ!!」
『な
なんだ!?
『さっぱり
わからない...!
球磨川くん
........
信じられないことが
起こったのよ
一体なにが
起こったんだ!?
あなたみたいな子には
特に信じられない
ことがね
黒神
今の江迎の
動き
見えたか?
...ええ
かろうじて
しかし
信じられません
爆弾攻撃なら
私も雲仙二年生から
喰らい対処したことが
ありますが
その私でもあそこまで
思い切った行動は
取れないでしょう
タイマーが
ゼロになる瞬間に
意識をとり戻したのか
あるいは
無意識の内
だったのか
彼女は
善吉と球磨川の
ブレスレットに
手を伸ばしました
全体を腐らせると
暴発の危険があるため
次に彼女はブレスレットの
施錠部分のみを腐らせ
最後に
その爆弾を抱き込み
地面と自分で
サンドイッチに
することで
むろん
腹部へのダメージは
まぬがれませんが
ふたりから爆弾を
奪い取ったのです
破片を一片たりとも
周囲に飛ばしませんでした
あれなら
あの状況でも
誰も死なずに済む。
恐れ
入りました
かのじょ
彼女の
勇気に
私は心からの
称賛を送ります!
......
しかし
解せねえぜ
江迎の過負荷は
球磨川になかったことに
されたんじゃ
なかったのか...?
「荒廃した腐花」は
私が昔から付き合ってきた
過負荷です
嬉しい時もとき
悲しい時も
ずっと一緒だった
授かりものです
『........
いくらくまかっ
球磨川さんでも
喋っちゃ駄目だよ
江迎ちゃん
なかったことには
できません!
...いや
やっぱりそのまま
喋り続けて
意識を
しっかり持って!
・えへ
なんだか
人吉くんの
言う通り
だったなあ
私の過負荷は
こんな風にも
使えるし
私は
こんな風にも
生きられるんだ
人吉くんや
球磨川さんをー
助けることが
できたんだ
よかったあ
私
誰かの役に
立っても
いいんだあ
おかしなことを
言わないでよ」
『怒江ちゃんは僕の邪魔を
したんじゃないか」
『大体僕は
死んでも
生き返るんだぞ!』
「なにも僕まで
助けることは
なかった!!
『善舌ちゃんだけを
助けていれば
きみはそこまでの傷を
負わずに済んだ
1
...やだなあ
球磨川さんだって
言ってたじゃ
ないですかあ
週刊少年ジャンプを
読んでるんじゃ
あるまいし
命をそんな風には
考えられませんよ
どうせ死んでも
生き返るとか
これからの私は
生きることと
今までありがとう
ございました
球磨川さん
どういう意図が
あったとしても
あなたが私に
優しくしてくれた
ことは忘れません
『........
生かすことに
腐心します
......
...そりゃ
人吉と心中したいって
いう謎の思惑が外れて
ショックなのは
わかるけどよ
だとしても
取り乱しすぎじゃ
ねーかあいつ?
球磨川の旦那
らしくもねえ
........
あれで結構
仲間思いな男
なんですよ
球磨川は
仲間思い...?
なんだよ
それ
それこそ球磨川の旦那に
一番似合わない
キャラ設定だろうよ
似合いますよ
球磨川が
人を人とも思わぬ
人でなしであったなら
私だってあやつと
ここまで根深く
反目していません
実際中学時代
私とあやつが
対立する契機に
なったのも
当時球磨川の
右腕だった
阿久根書記を
私が改心させた
ことですからね
好きな相手と
一緒に駄目になる
愛する人と
一緒に堕落する
気に入った者と
一緒に破滅を選ぶ
それが球磨川禊の
強固過ぎる
仲間意識です
ですから江迎同級生の
離反は思惑を外した
こと以上に
我々の想像以上に
球磨川にとっては
ショックなのですよ
まして
大嘘憑き』さえ
通じないーー
過負荷を維持したままでの
改心なのですから
...もっとも
しかし
それを知っている
私の目にも
あの取り乱しようは
やや異様に映ります
阿久根書記が
あやつの下を
離れた時も
あそこまで
狼狽しては
いなかった
気付かぬ内に
我々は
球磨川の中の
踏んではいけない
地雷を踏み
球磨川の中の
触れてはならない
闇に触れてしまったの
かもしれませんー
『どいてください
人吉先生
『怒江ちゃんの
そのダメージを
遠慮させてください
球磨川さん
このダメージは
私の誇りです
『...違う』
『それはただの
怪我だ』
『ただの火傷と
裂傷だ』
『僕がなかったことに
しますから」
なかったことには
しないでください
『そしてきみの言うことは
ただの奇麗ことだよ」
いいじゃねえか
奇麗ごと
それとも
お前は
汚いのが
好きなのかよ
『!』
『普士
ちゃん...』
違うよな
お前は俺の知る
誰より
めだかちゃんより
奇麗好きな
『........
:長者原くん
『今すぐ
保健委員会に
連絡を入れてほしい
「そして
見ての通り
試合終了だ
潔癖症だよ
...ふむ
球磨川さまが
そう言われるので
あれば
さっさとこの会計戦を締めておくれよ!
『さっさとこの会計戦を
締めておくれよ
ブレスレットから
鍵穴をなかったことにした
球磨川さまの行為は
特にルールに抵触しないため
反則とはなりません
鍵を使わずにブレスレットを
外した江迎さまの行為は
――まあ判断の分かれる
ところではありましょうが
あくまで
人吉さまと球磨川さまの
ダメージを肩代わりした
のみと見放し
本人が大怪我を
したことと差し引いて
不問と致しましょう。
つまり本会計戦は
規定により
これにて引き分け!
よって現虫徒会と新生徒会による生徒全戦挙は
よって現生徒会と
新生徒会による
生徒会戦拳は
ただいま
一勝一敗一分と
相成りまして
ございます!!
ただいま一勝一敗一分と相成りましてございます!!
........
人吉先生
デートの約束は
破ってくれていいです
その代わり怒江ちゃんに
最高の医者と
最高の治療を
約束してください
言われるまでも
ないわ
私の質問の答は
次の機会に聞かせて
もらうわね
ありがとう
ございます
そして
善吉ちゃん
怒江ちゃんを
よろしく頼むよ
もしも怒江ちゃんが
僕のところへ
帰ってくるような
ことがあれば
きみを
僕の
ディナーに招く。
...それは
言われるまでも
あったぜ
まあ
まあ
...相変わらず
いいも悪いも
ごちゃ混ぜにした
台無しな台詞
ではあるけれど
そもそも以前までの
球磨川くんだったら
怒江ちゃんの傷だって
問答無用で戻して
いたはずよね
頼まれてやるよ
か
触れてはならない闇
そんなことは
ありえねえと思っていたが、
この戦挙戦を通じて
球磨川の旦那も
何か変わりつつ
あるのかもな...
........
つーか
長者原くん!
一勝一敗一分っつて
よー
残りの
副会長戰と会長戦が
互角に終わった場合は
どうするんだ!?
ほら最終的に
二勝二敗一分とか
一勝一敗三分とかに
なった場合はよー
ええ
丁度今からそれについて
説明しようと思っていた
ところです
結論から申しますと
名瀬さまー
ご心配には
及びません
生徒会戦挙は
如何なるケースにおいても
延長戦が行われることは
ございません
何故なら
生徒会戦拳が
互角の戦績で
終わった場合
やっぱ
延長戦か?
挑戦者サイドである
新生徒会の勝利と
判断されるからに
ございます
これは前にも
申し上げましたが
君臨すべき生徒会には
圧勝の義務が
課されております
ゆえに現生徒会は
新生徒会と互角の戦いをした
時点で資格なしと
判断されるのでございます
なんだよそれ...
だったらこの会計戦!
引き分けっつっても
実際は負けたみてーな
もんじゃねーか...!!
三勝二敗一分――もしくは
二勝一敗二分じゃねえと
勝ち抜けることができねえ...
つまり俺達にはもう
負けが許されない!!
ヤベーぞ
黒神!
こっちはまだ
副会長戦に誰が出るかも
決め切れて
ねえのに...
って
いねえし!
ふむ
とは言え
球磨川の『大嘘憑き』が
まるで効果がなかった
わけではないらしいな
こうして触っても平気な
ところを見ると
強弱のみならず
入切がつけられるように
なったみたいではないか
...黒神
さん
こうして話すのは
初めてだな
江迎同級生
しかし私は既に
貴様を十年来の
友人のように
感じているぞ
その怪我が治ったら
すぐに生徒会室を
訪ねてくれ
在学中に
箱庭学園一面に
花を咲かせるのが
私の夢なのだ
万難を排して
協力して欲しい
私達には
貴様の力が
必要だ
...どうかな
私の怪我が
治る頃
限る。
貴様の勇気は
私の歩む道に
希望を与えてくれた
貴様のような
生徒がいるならー
貴様のような
生徒がいるから
あなたが生徒会長を
やっているとは
限らないと思うけど...
生徒会長は
やめられん!
......
そうだぜ
江迎
それに
考えてみればお前の
荒廃した腐花』って
植物を操る以外にも
使い道はいっぱいあるだろ
ほら!
たとえば醗酵だって
「腐敗のバリエーション
だろ?
だとすればお前
味噌とか作るの
すげー得意なんじゃねえ?
なんだったら俺は
お前の作る
味噌汁を
毎朝飲みたい
くらいだね!
......
あっ、はっはっ
は!
是非とも毎朝
作ってもらえ!
幸せな家庭を
築くがよい!
それはいいな
善古!
?
いや
わかったけど...
...あれ?
なんでウケてんのよ
黒神の奴
人吉が馬鹿なこと
口走ったってのに
てゆーか私
人吉と黒神って
できてるんだと
思ってたけど
違うの?
家庭?
なにせ
二歳の時から
一緒にいるからね
ここは怒るとこ
でしょ?
お互いを好き過ぎて
恋愛関係なんて
とっくに
通り過ぎちゃってる
ところがあるわ
球磨川くんに言わせれば
それが『恋を知らない』
ってことなのかな
私はそれが
いけないとは
思わないけど
今後ふたりが
球磨川くんを
相手取るにあたっては
きっとその辺が
ネックになって
くるんでしょうね...
......
球磨川先輩
大丈夫ですか!
そうだぜ
しっかり
してくれよ!
ハァ
........
蛾々丸ちゃん
すまないけど
しばらくの間
あんたはあたし達のー
マイナス十三組の
リーダーなんだぜ!?
そんな恐れ多い...
私には荷が
重過ぎますよ!
それにその間
球磨川先輩は
何を...?
...いやほら
「大嘘憑き」で
虚構に
ハァ
できない現実も
あるって
わかったからさ
『マイナス十三組の
指揮権を
任されてほしい
だから
「大嘘憑き」に連なる
第二の過負荷ー
ー
『否』
僕の
はじまりの過負荷を
取ってくるよ
取ってくるって..
さっき行き損った
夢の中だよ
彼女に預けて
あるんだ
ただまあ今の彼女は
意地悪でさ
そうそう素直には
返してくれないと
思う
どこにですか?
『折角だから
ついでに
若干崩れた
僕のキャラを
わかりました
マイナス十三組の
リーダー代理
『だから時間が
かかるんだ
話はよく聞こえねーが...
あの様子だと
球磨川は一旦
リタイアって感じかな
だとしたらついてるぜ
作り直して
くるよ...
及ばずながら
務めさせて
いただきます!
球磨川の指揮効果は
まさしく脅威だったからな
あいつがいないなら
残り二戦を二勝するのも
そう難しくはねえだろ
どうやら二年生の
蝶ヶ崎が代理らしいが
球磨川に比べりゃ数段落ちるぜ
なんか大人しいし
影も薄いしな
いやー
会計戦は
引き分けかー
ケッ
どこがだよ
オレを始めとする
風紀委員会の精鋭なら
ここで三勝目を決めて
戦挙を終わりにしてる
トコだぜーーって
ん?
まあ見ごたえのある
バトルではあったかな?
引き分けとか!
だらしな過ぎんだろ
あいつら
黒神真黒...?
なんでお前
こんなところに::
!
猫美ちゃんに
雲仙くんか...
丁度いい...
僕を戦挙会場に
連れて行ってくれ
病院のベッドで
目が覚めてすぐに
学園に来たのは
いいんだが
僕達があの日
どんな風に
倒されたのかを
早くめだかちゃん達に
教えてあげなくちゃ
いけないって
いうのに...
どこで会計戦を
やっているのか
わからなくてね
あー?テメー
そんなことのために
病院抜け出して
きたのかよ
お節介な奴だなー
アホじゃねーの?
......!
それに
心配いらへんて
黒神くん
自分らをいてもうた
志布志ちゃんなら
先週の書記戦でもう
名瀬ちゃんがやっつけて
もとるからなー
いやはや
無駄足やったな♪
志布志さん...?
一体何を
言っているんだ
きみ達は...?
確かに彼女も
協力はしていたが
勝負所は彼女が
持っていってはいたが
あのとき本当に
恐るべきだったのは
志布志さんじゃない!!
驃ヶ崎蛾々丸!
極めて狂暴な
あの過負荷こそが
主犯格...
僕はあの子が
怖い!!
球磨川くんより
......
...
ひょっとしてあいつが
真の部なんじゃねーの?
やっちゃおっか
名渡ちゃん
はこ
だい
第84箱
『わかりあうことができたのかなら」
それでは
お兄様
6人でイメージについては、月日土曜日、10月12日に
生徒会戦挙も
いよいよ後半戦に
入りましたので
...
...
...
...
ここで
復習と予習をかねて
現在把握されている
状況を説明させて
いただきます
庶務戦は
決着後にいろいろ
あったとは言え
くじ姉が出馬した
書記戦でも
勝利を収めたものの
会計戦は
善吉と人吉先生の
親子タッグで
勝利に限りなく
肉薄しましたが
基本善吉の辛勝
だったと言って
よいでしょう
球磨川の思わぬ策略を
回避するために
あえて負けを選ぶことに
なりました
最後の最後で
球磨川に引き分けに
持ち込まれました
よって現在の戦績は
一勝一敗一分の五分
こくちょう
しかしルール上
引き分けの際は
新生徒会が当選する
システムになっており、
ますので
会計当
副会長戦
会長戦
現生徒会にはもう
一敗も許されません
ーつまり
我々は崖っぷちまで
追いつめられた
形です
...それで
めだかちゃん
ここまでを
総括すると
どんな感じだい?
はい
お兄様もしてやられた
球磨川の「大嘘憑き」は
確かに脅威ではありますが、
しかしどうやら
対策が皆無という
わけではなさそうです
なんというか球磨川の
おおらかでおおまかな
性格に起因する
ものでしょう
現実を虚構にする
と言っても
ムラはあるしアラもある
くじ姉はそれを
アンコントローラブルと
表現しましたが
何より過負荷を虚構には
できないという不具合は
使用者の球磨川も知らない
特性だったようです
そもそも球磨川自身が
あの過負荷を適当にしか
使う気がないというのも
あるのだと思います
いやめだかちゃん
僕が聞いているのは
そういうことじゃ
ないよ
現実に過負荷と
向き合ってみてー
どんな感じだいと
聞いているんだ
...はい
彼らはあらゆる意味で
常軌を逸しており、
またどうしようもない
苦戦の連続であり、
正直私はこの戦挙を
楽しい戦いだとは
思いません
が
ん
ここまでの戦いを
経て私は
我々は過負荷と
わかり合えるとの
結論に達しました
...もちろん
彼らのやったことや
やろうとしている
ことは
しかし
耐えがたきを耐え
忍びがたきを忍び
許しがたきを許すのが
私のやり方であり、
また
生徒会執行部の
ありかたです
...ちなみに俺も
黒神と同じ意見だぜ
とても
許せることでは
ないでしょう
他人や敵も大切にする
黒神めだかは
天敵さえも大切にします!!
お兄ちゃん
俺はそもそも
バトル向きのキャラじゃ
ねーけどよー
そんな俺でも
志布志とどつき合って
みたら感じるものも
思うところもあったぜ
押しつけがましい
勝手な想像だがー
志布志の方もきっと
そうなんじゃねーかな
向き合うのも
嫌になるような
過負荷のキャラクター
しかし
向き合ってみないと
わからないことって
あるよな
むしろ誰も
向き合ってこなかった
からこそ
あいつらは
あそこまで酷いことに
なっちゃったんじゃ
ねーのかな
だったら
向き合ってー
分かり合って
やろーじゃねーか
それが
あいつらに対する
何よりの
嫌がらせだろ
...ふふっ
めだかちゃんも
くじらちゃんも
僕が入院している間に
随分成長した
みたいじゃないか
見事な結論だよ
ふたりとも
さすがは僕の
可愛い妹達だ
改神モードと
『凍る火柱』の
コラボレーション!?
死んだんじゃ
ねーか
あの人!?
...あはは
いずれにしても
マイナス十三組相手に
健闘しているみたい
じゃないか
こんな大変な時に
そばにいられず
本当に悪かったね
気にしなくても
いいですよ
真黒さんも大変
だったんでしょう?
ああ
そうそう
兄貴がいなくて
本当に助かったぜ
お願いですから
今からでも病院に
帰ってくれませんか?
それに真黒くんがいた
ところでどうにかなる
状況じゃなかったし
きぃ
むしろ真黒さんが
いなかったからこそ
ここまでやれてるような
もんですよ
あれあれ!?関係が
近しくなるほど
コメントが辛辣に
なっているぞ!?
しかし..
冗談はともかく
冗談なんか
言ってねーぞ
困難な道を
選んだねえ
きみ達は
過負荷と
理解し合うと
言うけれど
許しがたきを
許すと
言うけれど
しかしそれは
容易なことじゃあ
まったくないよ
何せ彼らは
生きがたきを生き
負けがたきを
負けてきた
連中なのだからー
はあ
それじゃ
準備も
整ったし
『いや
そろそろ
始めようか
蛾々丸ちゃん
しかし
球磨川先輩
これから何をする
つもりなのか
私にはまだ
つかめていないの
ですが...
ほらこないだ夢の中に
もうひとつの過負荷を
取りに行くって
言ったじゃない?』
蛾々丸ちゃんには
その手伝いをして
欲しいんだ
『具体的には
僕をきみの手で』
『ぶっ殺して
欲しい』
ぶっ殺すって...
嫌ですよ
殺人なんて!
腕を折るくらいなら、
まだしも!
どうして私が球磨川先輩を
手にかけなくては
ならないのです!
夢の中とやらに行くのに
死ぬ必要があるなら
飛び降りるなり何なり
ご自身で自殺でもなされば
いいじゃないですか!!
嫌だよ
自殺なんて
「超怖いじゃん
とにかく丁重に
お断りします
まったく何を
言い出すのかと
思えば...
おふざけも程々に
してください
ただでさえ
リーダー代理の重圧で
私の細身は押し潰され
そうだというのに...
.....
...んーがんばる
蛾々丸ちゃんは
本当に理性的
だなあ
普通の過負荷なら
迷わず僕をぶっ殺して
くれるんだけどね
それはきみの
美点でも
あるけれど
副会長戦を
戦う上では
欠点かなあ
『よし』
ここはひとつ
僕が悪役になって』
『蛾々丸ちゃんを
挑発してみようが」
挑発?
そんなの無駄ですよ!
たとえ何を言われた
ところで私は
『お前
なんだか
トランプとか
武器にして
戦いそうな
顔だよな〈笑〉
なんっ...で
そこまで!
的確に人を傷つける
台詞が言えるんだよ
お前はあおあああっ!!
トランプを武器に
する奴なんて
現実にいるわけ
ねーだろ!
俺が二次元と三次元の
区別もつかねー
馬鹿だってのか!?
こんな侮辱を
受けたのは
初めてだ!
確実に
許さねえ!
お前は!
俺が!
ぶっ殺す!!
いいね
その被害妄想
まさに
理解不能だ
言うに事欠いて
まさかの
トランプだと!?
とは言え
突っ立ってる相手を
殺すってのは
気が咎めるだろうし
『こっちから
仕掛けてあげるね
蛾々丸ちゃんー
ー
!!
うわ...
『えっと』
『なんて
言うんだっけ
これ...
~~~......
『不慮の事故』
感動したぜ
これが理性のない
世界か
『そうだよ
蛾々丸ちゃん
これで次の
副会長戦
きみの勝利は
揺るがない
クククッ!
礼を言うぜ
球磨川先輩
俺のためにまさか
ここまでしてくれる
とはな
「なあに
僕のためでも
あるのさ
今回は一週間後くらいに
生き返ると思うから
死体は掃除用具と一緒に
ロッカーにでも入れといて
『んじゃ
がんばれ
がんばる
それで問題の
副会長戦は
誰が出る?
真黒さんは
病院を抜け出して
きたってことでした
けれど
彼らももう
目を覚まして
いるよ
阿久根先輩や
喜界島は
今どんな具合
なんですか?
さすがアスリートは
鍛え方が違うよね
今回はそれが裏目に
出たわけだけど
ただし凶化合宿を
終えていない彼らじゃ
副会長戦は無理だろう
――病み上がりだしね
だから
彼らには
僕の独断で
とある任務を担当
してもらっている
とある任務...
ですか?
ああ
彼らにしか
出来ない
極秘任務だ
仮にこの戦争が
会長戦まで
もつれこんだなら
その時こそ
彼らのがんばりが
生きてくる
...お兄様
阿久根書記と
喜界島会計のことは
分かりましたが
では
日之影前会長は
どうしたのです?
あの人も
別行動ですか?
......
そうだね
それを言うのを
忘れていたよ
彼は
リタイヤだ
日之影空洞は
もう戦うことが
できないー
あひゃひゃ
なーに
黄昏れてんですか
日之影先輩!
なんですか
そのたくわえた
おひげは!
どこで筋肉
脱いできたん
です?
日之影っつーか
見る影もない
ですねー
不知火か
あひゃひゃ!
そういうお前は
相変わらず
みてーだな
敵の懐に
もぐりこんで
引っ掻き回す
とか
四月の選挙の時も
似たようなこと
してたよなあお前は
もっとも
あの時と同じで
お前が最終的に
どっちの
つーか誰の味方を
するつもりなのかは
わかんねーけどな
マジらしくない
ですよ日之影先輩
退院したなら
こんなところで
ぼーっとしてないで
マイナス十三組に
乗り込むなり
すればいいのに
......
言われなくても
そのつもりだったん
だがな
不知火
俺は会計戦を
見たんだよ
あいつらが過負荷と
手を取りあっている
ところを
過負荷と
わかりあっている
ところを
俺は
見てしまった
俺は生徒会長
だった頃
毎日のように
戦いに明け暮れ
色んな敵を
ぶちのめして
色んな敵を
追い出してきた
俺にとってあいつらは
終始何を考えてるか
わかんねー文字通りの
敵だったし
あいつらにとっての
俺も終始
似たり寄ったり
だったんだろう
...でも
ひょっとしたら
あいつらと俺も
あんな風に
わかりあうことが
できたのかなあ:
あいつらは
きっともう
俺のことなんか
思い出すことも
ないんだろうなあ:
不知火
俺は恥ずかしいよ
通り一遍の知識で
合格だの不合格での
黒神達を採点した
自分が
先輩気取りで
あれこれ手出し
口出ししたけど
結局
黒神達は自力で
困難を成し遂げた
肝心の俺はと
きたら早々に
死にたいくらいに
恥ずかしい
......
...別に
過負荷と向き合う
ことを投げ出したって
のになあ...:
今からでも
遅くないんじゃ
ないですかあ?
生徒会執行部には
副会長戦に
出られる奴がいません
このままだと不戦敗で
戦挙戦の負けが
確定してしまいます
助けてあげて
ください
........
俺に副会長戦に
出ろってのか?
はい
名実ともに
英雄になれる
チャンスですよ
日之影先輩
...無理だよ
不知火
お前が何を
企んでいるのか
知らないけれど
俺はもう
戦えない
俺は既に
敗北している
俺の異常性じゃあ
マイナス十三組には
敵わなかった
黒神の力になってやりたいが
黒神の力に
なってやりたいが
俺は
あまりにも
無力だ...
今更のこのこ
顔を出したところで俺は
実神の友を邪魔する
ことしかできねーよ...
そんな弱気じゃあ困るんですよ日之影先輩
そんな弱気じゃあ
困るんですよ
日之影先輩
そーゆー感傷とか
どーでもいいんで
じちゃごちゃ言わずに
戦ってください
あなたの異常性じゃ
敵わないって
言うんなら
あたしの過負荷を
貸してあげます
から
ただし取り扱いには
注意してくださいね
あたしの
正喰者」は
酷く使い勝手が
悪いですからー
八月十五日
副会長戦
当日
それでは
皆様
お盆の真っ只中
というこの時節に
お集まりいただき
ありがとうございます
時間になりましたので
これより生徒会戦争
副会長戦を
執り行いたく存じます
出馬されるのは
新生徒会からは
蝶ヶ崎さま
そして
現生徒会からは
黒神さまということで
よろしいですね?
...ああ
今日は私が
戦わせてもらう
本当に
いいのかよ
めだかちゃん
ここでお前が
出ちまったら
会長戦は...
いいも何も
他に手はあるまい
結局候補は
見つからなかったし
副会長戦を
放棄しては
負けが確定して
しまうのだから
会長戦の
ことは
まずは
ここを勝ってから
考えようー
おいおい
それじゃあ
問題を先送り
しただけじゃ
ねえかよ黒神
それにお前は
生徒会長
なんだろう?
だったら
会長戦以外には
出ちゃあ
駄目だぜ
だからここは
引退したジジイに
任せとけ
俺が
戦ってやる
わかりあいに
来たぜ
......
誰?
いよう久し振り
蝶ヶ崎くん
球磨川税の
正体不明にイラッとする
台詞シリーズの
『おと同じ『欧天王で言えば、
三番目に登場しそうな
風花があるよな姿を
人を殴る時のコツは
人を殴る時の
コツは
相手を人だと思わないことだ
相手を人だと
思わないことだ
もちろん
人を蹴る時には
道路を歩くように踏みしめろ
道路を歩くように
踏みしめろ
...ケッ
わかったよ
デメーの勝ちだ
日之影
さっさととどめを
刺しやがれ
だが覚えておけ!
いや俺の方こそ
この屈辱を忘れねえ!
てめーに復讐
するために!
無理だよ
どうせお前も
すぐに俺のことなんか
忘れちまう
絶対にいつかこの学園に
帰ってきてやるからな!!
あの頃の俺は
生徒会長として
毎日のように
戦っていた
学園の平和を
守るために学園の敵と
戦っていた
たの
「私はずっと楽しみにしていました」
はこ
第85箱
もちろんそんな役目を
他の生徒に任せられる
はずもないから
当然のように来期も
自分が生徒会長を
務めるつもりだった
やめろ。
それ以上の
暴力は
私が許さん
そんな
四月である
俺が
黒神めだかに
出会ったのは
もっと楽しみにしていました」
なの
だって
だいたい...
さらに、
「私はず」
日之影先輩...?
あれ?でもなんか
雰囲気違くねーか?
酷く静かで
落ち着いて
いるのに
あのあっとう
圧倒的な
存在感..
つーか
あの雰囲気
なんかどっかで
見覚えがある
ような気もー
......
見覚えがあるとするなら、
めだかちゃんの
改神モードだろうね
いやあれは
改神モードの
更に先と
言うべきかな
しかし
解せない
そもそも
日之影くんには
あの状態になること自体が
できないはずだけどーー
そういうわけで
副会長戦には
俺が出るぜ
長者原くん
先代の生徒会長には
出場資格がない
なんてことは
ないはずだよな?
はあ
まあ確かに
問題はないと
思いますがー
おおっと!
ちょお~~~〜〜っと
待ってくださいよお
選挙管理委員会
副委員長の
長者原くん!!
そういうことは
ちゃあああおああんと
上のかたに確認したほうが
いいんじゃないですかあ?
:そうですね
ではやはり確認を
取りましょう
その間に蝶ヶ崎さまは
選ぶカードを
決めておいてください
野郎...嫌がらせ
みてーないちゃもん
つけやがって..
万が一にも
出場資格がない
なんてことになったら
オオゴトですからねえ...
つーか
ぁいっはあいつで
キャラ激変して
ねーか?
構わねーよ!
そんなことより
黒神
お前に先に
聞くべきだったな
副会長戦...
俺が出ても
構わないか?
構うも
構わないも
ありません
私がこの瞬間を
どれほど心待ちに
していたことでしょう。
こうして
あなたと一緒に
戦える日を
私はずっと
楽しみに
していました
人知れず
ひとりで戦う
あなたではなく
我々の裏方に徹する
あなたでもない
表舞台で
手を取りあえる
あなたにこそ!
私は助けを
求めたのです
そーいや昔から
そんなこと
言ってたっけな
お前は
思い出すぜ
黒神
お前と
初めて会った
あの日のことをー
最初に出会った日から
三日三晩連続で
俺と黒神は殴り合った
そしてその件だけでは
終わらなかった
次の日も
その次の日も
ことあることに
俺と黒神は
顔を合わせるたびに
殴り合ったのだった
もちろん
俺の方から
絡んだことは
ない
俺が『学園の敵』に
とどめをさそう
という段階になると
決まって黒神が
割り込んできて
ハァ
俺の邪魔を
するのである
...黒神
なんでお前
あいつらを
守ろうとするんだ
お前はあいつらとは
違うだろう
なのにどうして
あいつらの
味方をする
...悪い奴を
差別する人間は
次に弱い奴を
差別する
続いて愚かな奴を
差別して
更には強い奴を
差別する
そして
最後に
自分自身を
特別な存在だと
差別する
善意の中にある
悪意
そういうのが
嫌いなんだよ
......
わかんねえよ
たとえば
あの日お前が
守ろうとした生徒は
更生の余地なんて
微塵もねえ札付きだ
あいつに暴力を
振るわれた生徒は
数知れないし
私は
まるで他人に迷惑を
かけるために
生まれてきたような
男だぜ
学校設備も
随分壊されてる
そんな奴を救うことに
何の意味があるんだ?
......
たとえばあの日
貴様が追い出そうとした
生徒には
病弱な妹がいてー
彼女のために
強くなければと
思っている
両親から虐待を
受けたせいで
人との距離感が
わからないだけで
国民から理想も受けたらいで人とのお客様がわからないだけで心の中では人に優しくしなければと
心の中では
人に優しく
しなければと
人に優しくしたいと
思っている
そんな話は
初めて聞くが
本当か?
いや知らん
そうかもしれんと
言うだけだ
まあ
ふざけんな!
なんだそりゃ!?
さてはお前
俺に逆らいたい
だけじゃねーのか!?
俺が被害者の味方を
するから
自分は加害者の味方を
するっつーかよね!!!
少し違うが
ある意味そうだな
あ!?
だって
貴様が
被害者を守り
私が
加害者を守れば、
我々は
全てを守れるの
だから
そこまで
無防備に
そこまで
まっすぐに
人間を信頼した
言葉を
俺は黒神を
人とは思わず
殴っていたのに
生まれて初めて
俺は聞いた
それを理解した
瞬間
黒神は
毎日のように俺と
殴り合いながら
俺を敵ではなく
同志だと信じていた
黒神は俺を
人と思いながら
殴っていたのだ
『知られざる英雄
である俺を黒神が
見つけられた理由
......
黒神
俺は引退を
決意した
お前
生徒会長に
ならないか?
あの時の
お前の言葉が
いよいよ実現
するってわけか
俺にお前みたいなことが
できるかどうかは
わかんねーけどな
あなたが私のようである
必要はありません
あなたは
あなたのようで
あれはいい
大刀洗委員長に
確認が取れました
日之影さまには
問題なく戦挙に
参加して
いただけます
ですので
早速
皆様を
副会長戦の会場へと
ご案内したいと
思います
蝶ヶ崎さまが
選ばれた
『成』の試合形式
『狂犬落とし』で
ございます
ご覧の通り
建設中の校舎が
今回の舞台と
なります
ルールは単純明快!
相手を地面に
突き落とした方の
勝ちでございます
もちろん参加者の
安全を第一に考え
セーフティネットを
張ってはおりますが
そのセーフティネットは
当然地面の一部と
見なされますので
ご注意ください
へっ
ルールなんて
なんであろうと
関係ないぜ
日之影先輩が
出るって時点で
俺達の勝ちは
確定してんだからよ!
...よくそんな
楽観的で
いられるな
お前
あたしと蛾々丸は
五歳からの付き合い
なんだけどよー
なんであたしが別に
気の合うわけでもねー
あいつと
物別れになることなく
十年間もつるんでるのか
教えてやろうか?
死にたく
ねえからだよ
あ!
まずいぞ
人苦!
鉄骨の上っつー
このステージは
とてもまずい!!
つーか
江迎の時と
違って!
これはたぶん
偶然じゃねえ...
そうですよおお
名瀬さん!
ですから
日之影先輩が
相手と知り
あなたを見習って
私もあらかじめ
予習してきたんです
よおおおぉお!
自分に有利なステージを
選ばせていただきましたが、
ぐっ...
どういうこと
なんですか
名瀬師匠!
突き落とせば
勝ちなんてルール
むしろ日之影先輩には
向いてるくらいじゃ
ないですか...!!!
...足場が
まとも...
だったらな...!
学園最強ともいえる
日之影先輩の強度は
あの身体の大きさに
基づいている
しかし身体が大きいって
ことは体重はより
重いってことで
つまり
バランスが悪いって
ことなんだ
あんな細い
鉄骨の上なんて
たぶん
立ってるのが
やっとだぜ..
たぶん立ってるのがやっとだぜ...
より重い...?
しかも
体重が重いと
落下したときの
タメージもでかい
バランスが悪いって
どういう意味です?
身長が倍になれば
体重は倍じゃ
きかねーんだよ!
算数の時間
何やってたんだ
お前は!
蝶ヶ崎くん
日之影先輩の強度を
封じるために
あるようなルールだぜ
これは...
は?
そういうことです。
―悪く思わないで
くださいよお
日之影先輩!
貧弱な私が
あなたに勝つには
こうする他ないんです
からねえ~~~
鉄の塊である
飛行機が
どうして空を飛べるか
知ってるかい?
!!
がっ:・
はっ...!?
矛盾することを
言うようだが
飛行機は
飛んでいるから
飛べるんだよ
蝶ヶ崎くん
大きさも
重さも
関係ない
高速で動く
物体は
決してこっか
落下しないんだ
見えなかった..!
気がついたら
殴られていた!
ぐっ...
いや確かに日之影先輩の
『知られざる英雄』は
認識できないという
異常性だと言いますがー
しかし今のは!
今のって..
まさか
めだかちゃんの
黒神ファントム...?
いや
黒神ファントムは
言ってしまえば
自爆技だ
使えば自分だって
ただじゃ済まねえ
しかしどうやら
日之影先輩に
ダメージはないー
そうだね
だからあれは
『ちゃんとした
黒神ファントム
黒神ー
俺の戦いを
よく見ておけ
会長戦で
お前がお前らしく
戦うための
参考になる
はずだぜ
......
くっ...
正に失笑ですね!
よく見ておけも
何もー
結局あなたは
見えないんじゃ
ないですか!!
その通り
誰にも見えない
日の光と化し
プレッ
影も残さず
静かに翔ける
それがこの
日之影空洞の
新たなる異常性
光化静翔だ
謳ってろ
それがあなたの
鎮魂歌です
ところで
委員長は今
何をされてましたか?
起こすなって
怒られたよ
日之影空洞の
新たなる異常性ー
光化静翔
『大きく』て「重く」て
堅いものが
高速ーー否
光速で
駆動する
その脅威を
理解しない者は
この場には一人も
いなかった
「不慮の事故ですから
86箱
学園最強の名に
恥じない
この先代の生徒会長に
仮に弱点があるとすれば
それは
その巨躯に由来する
動作性の鈍さだろうと
誰もが思っていたのだから
その弱点がまるで
鬼に喰われたかのごとく
雲散霧消した今
文字通り
目にも止まらぬ彼を
文字通り
止めることなど
誰にもできない
だから
勝負を見守る
全員が
公平で中立な
立ち位置にあるはずの
選挙管理委員会まで
含めた全員が
この時点で既に
日之影空洞の勝ちを
確信したのだった
...
そう
ただひとり
志布志飛沫を
除いては
こじゃ
「不慮の事故ですから」
...
第86箱
『大きく』て「重く」て
『堅く』て
そのうえ『速い』?
『すごいっすね〈笑〉
『いやいやマジで』
だけどどーして
学習しねーのかなあ
駄目なんだって
そーゆーのじゃ
『そーゆー
長所みたいなのは
過負荷には
通じないんだって」
「特に」
一戦々丸くんには絶対に
通じないんだってば」
『まったく
「この世に絶対はない」とか
したり顔でほざいている奴には
教えてやりたいぜ」
『蝶ヶ崎蛾々丸っつー
「絶対」の存在をよーー」
志布志飛沫が
初めて蝶ヶ崎蛾々丸に
出会ったのは
五歳の頃である
それは自身に発現した
致死武器」という
過負荷を検査するために
通っていた
もっとも
この時彼女には
「出会った」などという
積極的な認識はない
あくまで『彼』とは
病院の待合室で
たまたま隣り合わせた
だけなのだから
おい
病院の待合室での
出会いだった
ピコピコ
うるせーぞお前
ピコ
はあ
ピコ
わかりました
すみません
ピピーッ
音切れよ
音!
そのスカした態度が
気に入らないという
理由で彼女は
野球少女ゆえに
たまたま持ち歩いていた
釘バットで蝶ヶ崎少年の
頭部を殴打した
あー悪い悪い
手が
すべらなかったわ
ごめんなさい
もう二度としません
許してください
.......
いえ
どうか
お気になさらず
こんなのは
ただの
不慮の事故
ですから
あれ...?
思い切り
打ち込んでやったのに
ノーダメージだって...?
蝶ケ崎くん
お待たせー
おっと
検査の結果が
出たよー
わかりました
すぐに参ります
ではまた
いずれ
可愛らしい
お嬢さん
......
変な奴っ
..?
なんだこりゃ
この椅子
こんな風に
壊れてたっけ...?
それじゃあ
いってみようか
次のナンバー!
葵でるぜ!!!
光化静翔
フルコーラス!!
...どうだよ
黒神
日之影先輩の
光化静翔
てめーの
黒神ファントムと
較べてみて
黒神ファントムで
あんな複雑な動きを
したら死にますね
日之影前会長は
参考にしろと
仰いましたが
レベルが違いすぎて
あれは参考にしようが
ありません
そうだね
そして
僕としては
日之影くんが
一体どんな代償を
払って..
あの異常性を
獲得したのかの方が
気になるかなー
悪いな
ちょっと殴り過ぎ
ちまったか?
この新テク
まだ全然
使い慣れてねーから
まるで加減が効かねーんだ
...いえ
どうかお気に
なさらず
こんなのは
ただの
...へっ!
あの野郎
強がってやがるぜ
不慮の事故
ですから
......
こちらこそ
わかりませんよ
わっかんねーな
まるで的外れだぜ!
今や日之影先輩は
学園最強を通り越して
宇宙最強だってのによ!!
宇宙最強ごときが
どうして
?
この『不慮の事故』を
屈服させうると思うのかね
どうしてポケットに
手を入れた?
何か武器でも
隠しているのか?
別に
負ける時は
潔く負けて
勝つ時は
態度悪く勝つのが
私の主義なのですよ
ね
...ふん
俺は過負荷と
わかり合いにきたんだ
ま
過負荷がゆえに
勝ったことなんてほとんど
ありませんけれど
しかし俺は別に
お前を屈服させよう
なんて気はねえよー
最初に言ったろ?
だからわかんねーとか
簡単に言うなよ
わかり合いに
きた
他人事ながら
正気の沙汰とは
思えませんね
もしも江迎さんを
改心させたことで
調子づいているので
あれば
ねえ?
あれは
たまたまのことだと
思い直した方が
いいですよ
大体改心は
あなたがたの
手柄じゃない
物体を腐らせる能力」を
植物を育てる能力』に
進化させたのは
球磨川先輩ですし
最終的に、荒廃した腐花を
コントローラフルにしたのは
大嘘憑きじゃないですか
...それでも
江迎の心を
変えたのは
黒神達だし
はは!
苦しい解釈ですね
変わったのは
江迎自身だろう
まあ確かに
江迎さんの過負荷は
究極的には両腕を
切り落とせば無効化できる
代物ですから
手柄のすべてが
球磨川先輩にあると
するのもおかしな話
かも知れません
しかし
志布志さんの一致死武器工
あるいは
球磨川先輩の『大嘘憑き』
のように
その内心に密接に
絡みついた過負荷は
どう処理します?
それ系の過負荷は外科手術はおろか薬物治療でも治らな
薬物治療でも治らないのは
書記戦のやり取りで
おわかりでしょう
過負荷が絡みついた
心で改心なんか
したら
その先に
待っているのは
身の丈に合わない
地獄の苦しみですよ
それとも
あなたがたは私達に
苦しめとー
そう言って
いるのですか?
......
その通りだよ
蝶ヶ崎くん
俺達は
苦しめと
言っている。
苦しんで
悲しんで
悩んで
悔やんで
失って
償って
やり直せと
言ってるんだ!!
...わっかり
合えね〜〜〜
だから!
やり直すとか
無理なんだって!
やり直せるさ
人生に
リセットボタンは
あるんだぜ!
......
ゲームと現実の
区別くらいつけろ
...なあ
...いえ
パワーはむしろ
上がります
......
ボケ
だよな
だったらどうして、
蝶ヶ崎は
黒神ファントムは
スピード重視の分
いつもよりパワーが
落ちたりするもんなのか?
日之影先輩の
光速打撃を
しこたま喰らって
基本スピードとバワーは
掛け算のように
比例するものですから
あんなにも!
ノーダメージで
いられるんだ?
そういやお前の
過負荷はどうなんだ?
言うまでも
ありませんよ
絡み付いて
もつれて
手応えのなさは...?
いや手応えは
確かにあるんだ
内心とかいう
得体の知れないものに
絡み付いてやがるのか?
どこから手を
つけていいのか
謎めいています
なんなんだこいつの
しかし蝶ヶ崎自身が
まるで堪えていない。
......
おい人吉
お前の目は
他人の視界を
覗けるんだよな?
だったらその目で
蝶ヶ崎の狙いを
探ってみてくれよ
...球磨川曰く
俺の『じゃねー
らしいですよ
だからあんまり
使いたくねーん
ですけど...
覗き見してるみたいな
嫌な気分に
なっちまいますし:
いいからやれよ
ざちゃごちゃ言ってると
改造すぞ
お兄ちゃんの話を
聞く限り
あの野郎に何かあるのは
間違いねーんだからよー
ははあ
じゃあまあ
師匠の命令であれば:
ぐっ...
相変わらず
過負荷の視界は
気持ち悪いぜ...
...何を見てるんだ
こいつ?
日之影先輩じゃねえ...
飲み物」
鉄骨...?全体の
支柱となる最下層あたりの...
!?
大きくて
重くて
堅いものは
たとえばこの
作りかけの校舎も
根元の鉄骨が
数本折れるだけで
バランスを失い
あっけなくも
あっさりと
全体が崩壊する!
反面
崩れやすくも
壊れやすくもある
もっとも
その鉄骨数本を
折るために
あなたのパンチ
二十五発分のダメージが
必要でしたけどね。
二十五発分の
ダメージ...?
お前一体
何を言ってるんだーー
何も
していませんよ
私はあくまで
何もしていません
お前!
一体何をしたんだ!!
こんなのは
ただの
不慮の事故
ですから
...
...
セーフティネットも
何もあったもんじゃ
ねえ..
日之影先輩を
校舎ごと地面に
突き落としやがった!
そこまでの破壊力を
持った過負荷だったのか
あいつ...!!
ちげーよ
名瀬先輩
蛾々丸くんの過負荷は
パワーとも
スピードとも無縁だぜ
受けたダメージを
他の場所に
押しつける
それが
蝶ヶ崎蛾々丸の
過負荷
『不慮の事故』だ
この場合は
日之影先輩に殴られた
タメージを鉄骨に
送り続けてたんだろ
拳骨で鉄骨を
へし折るだけの
ダメージを与えたのは
大したもんだが
そのダメージは
蛾々丸くんの身体を
素通りしていたのさ
武道の達人が
殴られた衝撃を
地面に逃したり
するだろ?
蛾々丸くんはそれを
ワイヤレスで
できるんだと
理解しとけ
これでわかっただろ?
あいつがマイナス十三組で
唯一理性的な人間であった
理由って奴が
あいつは
心的外傷や精神抑圧
みたいな負傷までずっと
他人に押し付け続けて
きたんだから
だからあたしとか
怒江ちゃんみてーに
性格が歪むことは
なかったんだよ
...もっとも
押し付けられた奴が
その後どんな人間に
なったのかは
知らんがね
......
アホか
そんなもん...
ダメージを!
痛みを!傷を/何もかもを!
すべてを周囲に押し付けることが
できるなんてーずっと
そうやって生きてきたなんて!
そんなもん性格が歪む
どころじゃ済まねーだろうが!
...おいおい
絶望的はねえだろう
長者原くん
何をしているお前達!!
決着だ!
日之影さまの
生死確認を急げ!
恐らくは
絶望的だろうが
ひょっとすると
まだ息があるかも
しれん!!
それは俺に
何よりも似合わない
言葉だぜ
それに
決着でも
ねーよ
ここはまだ
鉄骨の上で
地面じゃ
ねえし。
しつこいですね
日之影先輩
アンコールをした
覚えは
ありませんよ
まあそう言わずに
聴いてけや
俺の切り札
『光化静翔』
まさかのアコースティック
バージョン!!
もちろん様々な
え布売と
つるんでいる理由
何だあいつ...
いきなり
バットって...!!
いたたくないから
冥利くん!
急がなもう
副会長戦始まって
もとるで!
ちゅーか!
ようよう
退院したゆーのになんで
遅刻すんねん!!
ケツ!
しょーがねーだろ
今日は姉ちゃんと
墓参りだったん
だから
...いやみうちし
身内死に過ぎやろ
自分
あの...
すみません
鍋島先輩
生徒会戦挙
副会長戦の会場は
引きこもりの姉ちゃんが
家を出る唯一の
イベントをサポれるか!
それに雲仙家は
じーちゃんとばーちやんと
両親と弟ふたりが
死んでるからこの季節は
毎年大変なのさ!
どんな人生
やねん
こっちで
いいんでしょうか
?
『光化静翔』...
アコースティック
バージョン!!
第37年
じんじゃ、
2人間で
当たり前の
分身の術...!?
まさかあれも
めだかちゃんの...!?
いや違う!
めだかちゃんの
分身の術は
あくまで
目の錯覚だけど
日之影くんの
非増幅はー
すべてが
実体!!
最光速度による
全方位同時一撃!
これなら
不慮の事故の
起こりようも
あるまい
衝撃を飛ばす
隙間なんて
一ミリだってないぜ!
......
だから
だからなんで
あなた達はそういう風に
過負荷を
理屈で考えちゃうん
ですかねえー
二年マイナス十三組
不慮の事故
蝶ヶ崎蛾々丸には
回想すべき
過去がない
不幸な出来事も
嫌な思い出も
胸の痛みも心の傷も
すべて周囲に
押しつけてきた彼には
いつの間にか
一人で生きていた
ところを見ると
家族も『ダメージ』として
誰かに押しつけて
きたのかもしれない
過去もなければ回想もない
過去もなければ
回想もない
もちろん
そういう自分の人生に
疑問を感じたことも
だから彼は
むしろ前向きだった
犠牲にした他人に
罪悪感を覚えたことも
あったけれど
そんな気持ちも
どこかに押しつけてー
すぐに忘れてしまった
このスキルを
治療するなんて
とんでもないことだと
思っていた
だから
押しつけて
不幸なことを
押しつけて
押しつけて
こうやって嫌なことを
避け続ければ
痛い思いをすることなく、
生き続ければ
自分はきっと
誰よりも幸せになれるに
決まっている
人生から嫌なことを
取り除けば
最後には
幸せだけが残るはずだ
押しつけて押しづけて
押しつけて押しづけて
押しづけて押しつけて
押しつけて押しづけて
押しつけて
気付けば
彼には
何も
なくなっていた
...つまり
理屈じゃ
ないんですって
隙間があろうと
なかろうと
じゃあ
お前...
私は受けたダメージを
どこにだって
押しつけられるー
このダメージは
どこに押しつけ
あっちかなあ
こっちかなあ
さあ
どこでしょう
たぶんそう遠くない
場所だと
思うんですけど!
なっ...!?
めだがちゃん!!
!!
黒神っ...!?
あー
そこでしたかあ
そう!
そのザマじゃあ
仮に日之影先輩が
私に勝っても会長戦は
棄権ですかねえ
そう言えば確か
そういう状態を表す
いい諺がありましたよねえ
一何でしたっけ?
骨折り損の
くたびれ儲けだ!
ときに
日之影先輩
間接的にとはいえ
自分の攻撃が
仲間を傷つけるって
どんな気持ちなんですか?
私にも経験が
ありますけれどー
やっぱり嫌なもの
なんですか?
骨折り損...?
くだらん
言葉遊びだな
鉄骨を
折ったところで
全身の骨を
折ったくらいで
この黒神めだかを
止められると思うのが、
私は
生徒会長だぞ!
気骨以外の
全てを折られる
覚悟くらい
日之影空洞の跡を継いだ
生徒会長だ!
着任した瞬間に
決めておる!!
...嘘でしょう?
全身の骨が
折れているのに
どうして
立てるんですか...?
ハァ
おやおや
あちらを立てれば
こちらが立たずー
随分お疲れの
ようですね
日之影先輩
だけどこんなところで
踊っちゃあ
危ないですよ?
あーあ...
よりによって今
時間切れかよ:
取り扱いには注意しろって
言ってたっけなそういやあ...
最初に時間を
稼いだ甲斐が意外と
ありましたかね
どうやら
『光化静翔』とやらは
もう使えないようですね
しかも
その異常性を
身につけるために
あなたは
「知られざる英雄」を
犠牲にしたらしい
つまり
あなたには
もう
私に対抗しうる
手段は
残されていない!!
日之影先輩...
畜生!
一体...
どうすれば...
日之影
空洞のー
勝利を
願ってー
「っ!
「っ!!
ふれーっ!nl
ふれーっ!
え影先輩
日・之・影!!
がんばれ
がんばれ
日之影!
ファイトー
オォオオ
すオオオッ
おおっ!!
何をしている!
戦挙中一般生徒は
立ち入り禁止の
はずだろう!!
すみません!
しかしあまりの
大人数で...
あと関西弁の
猫みたいな先輩が
すげー邪魔しました!!
お前ら...
なんで...
なんでって...
なあ?
はい
日之影さんが
戦ってるのに
応援に来ないわけ
ないじゃないねえ?
そーそー
あんたが今まで何回
俺達を守ってくれたと
思ってんだよ
応援するくらいしか
お返しができねーのは
腑甲斐ないけどな
どういうことだ?
何が起こってる?
日之影先輩は
誰にも認識できない
はずなのに...?
そうか...
『知られざる英雄』が
なくなったから...
みんな
日之影くんのことを
思い出したんだ...
ねたましいねえ
大方ツイッターとやらで
日之影先輩の参戦を
知ったんだろうが
俺達が戦ってる時にゃ
みーんな球磨川の旦那に
ビビっちまって
一人も応援なんて
来てくれなかったってのによ
それは
仕方ないでしょう
お姉さま
それにみんなが
ここに来たのは
今日は球磨川が
いないからというだけの
ことではありませんよ
これが二年間育産
箱庭学園を
はこに
守り続けた
生徒会長の
支持率などでは
計れない
当たり前の
人望です
........
ククッ...
不知火の奴...
最初から、
これが狙いかよ
『光化静翔』を俺に与えること
じゃなく
知られざる英雄」を
俺から奪うことが!
いいだろう!
踊ってやるよ
不知火!
こんな応援
されちゃあ
がんばるしかない
もんなあ~~~!!!
不知火...?
クッ!
この『不慮の事故』に
勝つというのです!?
だからなんだと
言うのです!
確認するまでもなく,
はっ...
いらねーよ!
「知られざる英雄」が
ないということは!
以前ほどの強さもないと
いうことでしょう!!
強さも速さもなしで
どうやってこの私に!
知られざる英雄」も
光化静翔』も!
何故なら俺は
いつだって!
強さでも
速さでもなく!
そんな異常は
いつだって
いらなかったぜ!!
気骨一つで
戦ってきたんだ!!
なっ...
鉄技を...
折り...いや
砕き.....!?
押しつける
ばかりで
お前の過負荷で
押しつけられるのは
自分が受けた
ダメージだけだろ?
たとえば
鉄柱のダメージを
肩代わりしてやることとかは
できないんだろ?
たとえ即死しようと
その『死』という
ダメージを他の場所に
押しつけることができる
そんなお前の過負荷は
黒神よりも完全で
球磨川よりも最低だ
だけどこれは
スキルを競う戦闘じゃなく
「志を競う戦挙だぜ
お前は
他人のダメージに
無頓着過ぎる
ほら覚えてるか?
この『狂犬落とし』の
ルールー
相手を地面に
突き落とした方の
勝ちー
てめえ!
まさか自爆覚悟の
引き分け狙いか!!
引き分け?
ははっー
過負荷じゃないんだ
狙うかよそんなもん
お前達もいい加減
俺達って奴が
わかってねーなあ
まその辺も
おいおい
わかりあって
いこうや
くっ...
くそ!
落下のダメージは
地面に押しつけた
ものの...
そうですね
タメージの有無は
勝敗には無関係
でございます
一方、日之影さまは、
蝶ヶ崎さまの身体の上に
乗っており、
地面とは接点を
持っていません
よって副会長戦は
日之影空洞の勝利/
生徒会戦挙は
このまま会長戦へと
もつれ込みます!!
おぉおおおぉ
おおおっ!
すっげえー
ーっ!!
いつも通り!
日之影先輩の
勝ちだああっ!
文字通りてめーが
足元をすくわれた
って感じかな...
大丈夫ですか
日之影前会長::
ありがとう
日之影さーんっ!!
二度の落下は
如何にあなたと
言えど...
...ハン
蝶ヶ崎くんが
日之影先輩の強さを
恐れて選んだルールに
黒神..
俺は..
生徒会長としてよ
誰にも気付かれず
誰にも理解されず
人知れず学園を
守っていたことを
誇りに思っていた
それでも戦い続ける
自分のことが
好きだった
だけどやっぱ
いいもんだな
みんなに
応援されて
みんなに
感謝されるって
...はい!
勉強させて
いただきました!
つーかここで
褒めるべきは
むしろ
マイナス十三組でしょ
あひゃひゃ!
まるでもう
戦挙が終わった
みたいな騒ぎだねえ
まだ肝心の会長戦が
残ってるって
いつのにさ!
実質一勝もしないまま
会長戦にまで持ち込む
なんて大したもんだ
さあていよいよ
あたしの出番か!
ここまでおーむね
注文通り!
あとは
球圏川先輩が
帰ってきて
くれれは
『...』
安心院副会長
意地悪しないで
そろそろ返して
くれないかなあ
僕の
はじまりの
過負荷
嫌だね
それから
僕のことは
親しみを込めて
安心院さんと
呼びなさい
建設中の板舎か
クレーンごと
なくなる。いましたけど
被害の規模が
どんどん大きく...
十六世紀に
貴族の間で行われていた
面白いゲームがあってね
第88箱「初めまして」
骨を砕かれる奴隷は
助けてくれ』と
涙ながらに頼むんだけど
奴隷の骨を身体の端から
一本ずつ順番に!
ハンマーで砕いていくんだ
最後には『殺してくれ』と
言い出すーー果たして
何本目の骨でそう言うかを
みんなで仲良く賭けるのさ
ところできみは今まさに
そういう状況だと
思うんだけど
どうかな?
僕の過負荷を
返して欲しい
じゃなくて
『僕の過負荷なんて
いらないと
頼む気には
ならないかな?
......
あは!まだ諦めは
つかないって顔だねー
よろしいならばもう一度
かかってきなさい
僕が貸してあげた
手のひら孵し』を
下敷きにした
きみの『大嘘憑き』は
確かに恐ろしいスキルだ
だから
7932兆1354億
4152万31000円の
異常性と
それからこういうことが...これまではないところだろうなことだと思うなんだけどねーよねーなあ!!!
4925兆9165億
2611万0643個の
マイ
過負荷
合わせて1京2800g兆
O519億6763万
3005個のスキルを持つ
僕にだってひょっとしたら
勝てるかもしれないぜ
「初めましょ
だい
どうのったら
とはいえ、
おっと!
きみと人吉くんに
ひとつずつスキルを
貸し出してるから
今はたったの1京2858兆
0519億6763万
3863個かな?
やったね!
これは大チャンスだよ
球磨川くん!
...やれやれ
ものには限度ってものが
あるだろ安心院さん」
少年ジャンプのバトル漫画も
真っ青なインフレだよ
うん?
ああそう言えば
球磨川くんは昔から
少年漫画が好きだったね
僕はそーゆーのは
小学校より先に
卒業したけれども
はは
そうなんだ
やっぱり女の子には
少年漫画は
幼稚に映るかな?
いやいや
とんでもない
むしろ少年漫画は
僕みたいな甘ちゃんには
高尚過ぎてね
なぜなら少年漫画が
読者に教えてくれるのは
友情努力、勝利じゃなく
最後に勝つのは
能力のある奴だと
いう
極めて残酷な
現実だからだ
能力があるから
友達ができて
能力があるから
努力ができて
そんな救いのない
現実を
能力のある僕としては
見ていて
忍びないんだよ
ま
球磨川くんは
いーんじゃない?
能力があるから
勝利できる
一生少年漫画を
読んでいれば
......
ばっはっは!
そうだね
その通りだ
いやー
安心院さんには
いつも教えられる
なあ!
『なにを
どうしたところで
僕達がめだかちゃん達に
勝てるはずがないよねえ!!
あーあ
馬鹿馬鹿しい
らしくもなく
がんばっちゃったな
恥ずかしー!
『諦めた諦めだ!
「さーて家に帰って
大好きな少年漫画を
読もうっと!
待てよ。
僕なんかに
言いたいことを
言わせるなよ
大好きな
少年漫画が
侮辱されたんだぜ
怒って言い返せよ
腰抜け野郎
......
言い返すこと
なんてないよ
「一能力者が無能力考に
勝つ」
きみの言う通り
それが世界の現実だ
そうやって
結論を投げ捨てるのは
感心しないな
...
追い詰められたら
格好つけたがるのは
悪い癖だぜ?
どうせここは
夢の中で心の中だ
―きみの本音なんか
誰も聞いちゃいないさ
だから
格好つけずに
括弧つけずに
言ってごらん?
あいつらに
勝ちたい
格好よく
なくても
強くなくても
正しくなくても
美しくなくても
可愛げがなくても
奇麗じゃなくても
格好よくて
強くて正しくて
美しくて可愛くて
奇麗な連中に勝ちたい
才能に
恵まれなくっても
頭が悪くても
性格が悪くても
おちこぼれでも
はぐれものでも
出来損ないでも
才能あふれる
頭と性格のいい
上り調子でつるんでる
できた連中に勝ちたい
友達ができないままで
友達ができる奴に
勝ちたい
努力できないままで
努力できる連中に
勝ちたい
勝利できないままで
勝利できる奴に
勝ちたい
不幸なままで
幸せな奴に
勝ちたい!
主役を張れるって
...
証明したい!!
嫌われ者でも!
憎まれっ子でも!
やられ役でも!
やれやれ
まったく
何を言うかと
思ったらー
はーあ
滅茶苦茶だし
支離滅裂だし
自分勝手だし
荒唐無稽だし
球磨川くん!
きみの言うことは
括弧が取れても
わけがわからないよ
だけど
惚れたぜ♡
!?
うふっ!
よりによって
球磨川くん
なんかに
ぼくの大切な
ファーストキス
あーげちゃった☆
なーんてね
きみの
今の「口写し」で
確かに返したよ
球磨川くん
はじまりの
過負荷ー
引き換えに
大嘘憑きは
手のひら孵しとして
返してもらったけど
今のきみには
あれはもう
必要あるまい?
その無能力だけでも
あだかちゃん達には十分
対抗できるだろう
...対抗できちゃって
いいのかよ
きみはめだかちゃんや
善吉ちゃんの方に
肩入れしてると
思っていたけれど
僕は平等なだけの
人間だよ
人吉くんに
視力を貸して
あけたのと
きみに過負荷を
返したので
イーブンだ
それに
対抗しようが
抵抗しようが
僕は結局
きみの負けは
避けられない運命だと
思っているしね
........
とにかく
返してくれて
ありがとう
これで
僕は
僕になれる
お礼に
見せてあげるよ
不幸が幸福を
凌駕する
歴史に残る
衝撃映像を
括弧つけないまま
行っちゃったか
ふふっー
まったく
球磨川くんも
人吉くんも
めだかちゃんも
昔っから
手がかかるったら
ないよね
まったく
どーでもいいことで
いつまでモメてる
つもりなんだか
僕から見れば
全員平等に
ただの
くだらねー
カスだってのに
光も闇も
毒も薬も
強さも弱さも
成功も失敗も
幸福も不幸もー
本当は全部
同じものだって
正義も悪も
勝ちも負けも
黒も白も
どうしてみんな
気付かないのか
なあ.....
人吉先生
如何ですか
日之影前会長の
怪我の具合は
怪我なんて
生易しいものじゃ
ないわよこれは
なんで意識が
あるのか...っていうか
なんで生きてるのかが
不思議だわ
は...がんじょう
頑丈さだけが
取り得でしてね
『知られざる英雄』を
喰われてなきゃ
そう!それだよ
日之影先輩!
あんた
一体どうやって
異常性を交換
できたんだ?
骨折さえ
してない自信が
ありますよ
あー...
確かに説明
しなきゃなー
それ
だけど口止め
されてるんだよ
なー...
はっはッは!
いいじゃないですか
名瀬さん
そんな細かいこと
気にしなくっても
それより今は
日之影先輩の勝利を
称えましょう!
いやー
見事でした
完敗でした!
この蝶ヶ崎蛾々丸!
一片の悔いなく
敗北を認めます!
でー
それが
どうしました?
あなたは演死なのに
私はピンピンしていて
あなたは
ルールを利用して
こすく勝った
だけでしょう
そんなザマで
どうやって不幸を
幸せにすると
いうのですか?
思い上がった
自己満足は
ひとりでして
くださいよ
もちろん何一つ
改心していない!
けっ!
けっ!
結局あなたのしたことは
その辺のいい奴と
何ら変わらないんです
......
英雄さん
お前らこそ
思い上がってんじゃ
ねーよ!
盗人猛々しいとは
このことだぜ!
改心しようが
しまいが
関係ない!
次の会長戦で
負けて!
お前達は箱庭学園から
出ていくんだよ!!
そうよ!
あんた達なんて
もう怖くないわ!!
おやおやー
嫌われたもの
ですねえ
そっかあ?
大体
こんなもんだろ?
んー...
ちょっとまずいかもな
この空気
マイナス十三組が
みんなから
忌み嫌われるのは
自業自得だとしても
こうもあからさまに
相手が罵られるのを見たら
会長戦に向けた
めだかちゃんの
モチベーションが
下がっちまうかも
のいて
ん
ありがと
初めまして
めだかちゃん
僕だよ
...ああ
そうだな
貴様の言葉にー
貴様の心に
ようやく
会えた
気がするよ
DIGITAL
SHUESMAJUNPCOMC
七月十七日
リコール発動及び
生徒会戦挙開催決定
七月二十五日
八月一日
庶務戦
八月八日
書記戦
八月十五日
会計戦
副会長戦
そして
八月二十二日
会長戦
当日!
さしてカレールはただ奴とっ」
はに
第89箱
それではお時間に
なりましたので
生徒会戦挙会長戦を
執り行います
生徒会側から
出馬されるは
黒神めだか様
新生徒会側から
出馬されるは
不知火半袖様で
ございます
どちら様も
悔いの残らぬよう
ベストを尽くして
くださいませ
はぁ~い
...なあ
善ちゃん
まぁぽぽ
喰いの
残らぬよう
...
戦えませんよ
ね
あの不知火って奴
お前の友達
なんだろ?
今更だが
教えとけよー
あいつって
戦える奴なのか?
どんなときでも
裏方に徹して
暗躍を好み
たぶん
かぶと虫より
弱いです
つーかそもそもあいつが
この場に来たこと自体に
俺は驚いてますね
表舞台には
ほとんど立たない
奴なのに...
ただし
今はあの通り、
マイナス十三組に
属してはいますが
俺は
不知火半袖という
親友が
弱くても
負けない...
負けるところを
見たことが
ありません
ふむ
つまり
鍋島先輩と
同じタイプか
そうですね
しかし
鍋島先輩と
不知火は
決定的に
明らかな
違いがある
...まあ
どうあれ
球磨川の旦那を
相手にするよりは
遥かにマシなんだろう
けどな...
それでは恒例の
くじ引きでございます
[不知火さま
会長戦のルールを
決めていただき
ますので
用意された十三枚から
お好きなカードを
お選び下さい
......
いえ
選びません
あたしは
戦うつもりは
ありませんから
そして
あたしの代理で
会長戦を戦う
生徒として
黒神めだかと戦う
過負荷として
マイナス十三組のリーダー
マイナス十三組の
リーダー
球磨川禊先輩を推薦します
球磨川禊先輩を
推薦します
ざ:ざけんな!
そんなの認められる
わけねーだろ!!
そうだよ!
球磨川は
最初の庶務戦で
もう戦ってるじゃん!!
確かにこっちも
何人か代理を
出しちゃいるけど:
一度出馬した生徒が
もう一度出馬するなんて
あり得ないよ!!
...じゃあ
古賀先輩
あなた達は
納得できるん
ですか?
黒神めだかと戦えば
あたしは多分
負けますけれど
その時あなた達は
マイナス十三組に
勝った』って心から
思えますか?
それにあたしが
負けたせいで
生徒会戦拳に
負けたからって
マイナス十三組が
引き下がると
思いますか?
逆に言えば
万が一あたしが勝って
マイナス十三組が
生徒会執行部に
成り代わったとしても
それで負けを認めて
黙って引き下がる
あなた達でもないでしょう。
どーせ
生徒会戦拳なんて
建前であり口実でしょ
だからあなた達が
マイナス十三組から
学園を守るための
この戦いは
突き詰めたところ
生徒会役員のポストに
本気で固執してる奴なんて
ひとりもいない
黒神めだかと
球磨川禊が
決着をつけない限り
終わらないんですよ
...それが今回の
お前の企みかよ
めだかちゃんと
球磨川を戦わせる
ためだけに
お前は色々裏で
動いていたってわけだ
しかし
それにしたって
ここに来て
随分勝手なことを
言ってくれるじゃ
ねえかよ
まーねー
結局人間が
わがままを通すのに
これ以上の手段はないよ
ちゃんと
話して
伝える
正喰に
ね☆
...お待ちください
不知火さま
貴重なご意見は
承りましたが
しかし
選挙管理委員会
としてはあくまで
そんな横紙破りを
認めるわけには
いきません
でしょうねー
いやだや
冗談抜きで
あたしはあなたが
一番の難関だと
思ってましたよ
選挙管理委員会
副委員長
長者原融通先輩!
だから当然
手は打ってます
なっ...
それは
変任状!?
あなが
生徒会議等の執行に限り
私の業務をー年マイナスキ三組
不知火半袖に幸せします。
選挙管理委員会、委員長
大刀光。昨日
遷拳管理委員長
大刀洗斬子からの...!?
そうです
彼女は彼女で堅物ですから
口説き落とすのに
一か月以上かかりました
けれど
幸任状
そんなことはしていないでしょう
えーっ、んっ...ファンリーで
わかったーーーっ!!
ん...何事していたのかわかったんでしょうか
生徒会戦挙の
執行に関してのみ
この通り
この不知火に
全権を委任して
いただきました!
長者原先輩
期間限定とはいえ
上司の立場から
お訊ねしますが
球磨川先輩の
会長戦における
代理立候補
認めて
いただけますね?
...それが
委員会の
決定であれば
副委員長の私は
従うだけです...
一か月以上って...
あいつ俺達が過負荷と
戦ってる間ずっと
選挙管理委員長を
相手取ってたのかよ
暗躍どころじゃねえ
ーそんなの
立派に一つの
戦いじゃねーかよ
そうですね
そして
あれが
鍋島先輩と
不知火との
違いです
鍋島先輩は
ルールの裏を
かくけれど
不知火は
ルールを
変えちまう!!
あたしからは
以上でーす
とは言え
当人の意思は
確認しないとね
どうですか
お嬢様
私の提案に
乗っていただけ
ますか?
...貴様の提案と
いうのは気に入らんが
しかし確かに
貴様と戦っても
始まらん
そそのかされて
やるよ
好きにしろ
ただし
もちろん
もうひとりの
当人である
球磨川が同意
するならの話だ
だ
そうですが
どうします
球磨川先輩?
戦いますか?
戦いませんか?
戦うよ
僕は
めだかちゃんと
戦う
もとより僕は
そのためだけに
箱庭学園に
転校して
きたんだ...
......
さいですか☆
んじゃこれで
決定ってことで!
―――また
ぱた
長者原
副委員長ーー
あたし細かいこと
わかんないから
あとの仕切りは
よろしくねー☆
あたしの出番は
これで終わり
ごちそう
さまでした!
...じゃあ
長者原くん
時間も
押しているし
早速始めようか
僕は一人の
カードを選ぶよ
めだかちゃんと
僕との決着に
それ以上
相応しい一文字は
ないだろう
......
『人』のカードで
ございますね
では
......
白紙...?
ええ白紙
つまり
『人』のカードは
ジョーカー
生徒会戦挙は性格上
常に挑戦者に有利な
レギュレーションで
行なわれてきましたが、
会長戦の人』の
カードに限り
現生徒会長ー
この場合は黒神さまに
いわゆる
ワイルドカードで
ございます
自由に選挙のルールを
決めていただくことに
なるのでございます
そんなカードが
あったのか...
黒箱塾の歴史を
紐解いても
会長戦まで
もうれ込んだことなんて
二度もなかったからな
その辺の記録は
残ってなかったが...
...敵側の出す条件に
無条件に従って戦う
羽目になるわけだ
うん
やれやれ
最後の最後で
僕らしいカードを
引いちゃったなあ
よかった
不利じゃ
なきゃ
過負荷が
勝ったことには
ならない
...異存は
ないようだな
ならば
会長戦のルール
好きに決めさせて
もらうぞ
...どうする
つもりだ?
もちろん
めだかちゃんが
自分に有利なルールを
設定するとは
思わないけど
マイナスキミ組と
完全に決着を
つけるためのルール
なるとーー
名付けて
「人間比べ」
ステージは
箱庭学園全域・
スタートはたった今
この場所から
ファールはなし!
武器を使おうと
何をしようと
構わない
タイムアップもなしし
決着がつくまで
永遠に戦い続ける
そして
ルールは
ただひとつ
負けたと
思った方の
負けだ
裏をかくも
変えるもない
これ以上に
禍根の残らんルールは
他にあるまい
......
あひゃひゃ!
やっぱ
敵わないなあ
それでこそだよ
お嬢様!
...では
ギブアップのみを
決着条件とする
ということで
よろしいですが
球磨川さま?
オーケー!
わかりやすくて
素敵だ
恨み骨髄だろう
僕に対して
フェアなルールの
提示をありがとう
長きにわたる
きみとの因縁も
これで決着だ
ああ
そうだなー
せめて
いい試合をしようね
めだかちゃん
フェアなルールの
提示をありがとう
僕はきみの
そういうところが
一番嫌いだ!
めだかちゃん!!
球磨川の
野郎...
不意討ち!
闇討ち!
騙し討ち!
あいつやっぱ
なんも変わっちゃ
いねえ!!
当たり前
だよーー
僕が僕のままで
過負荷のままで
勝たなきゃ
意味がない
罵声を浴びつつ
汚名を背負って
自己嫌悪に
浸りながら
僕はめだかちゃんに
勝つんだ
...そうか
それはとても
嬉しいな
貴様の
本気が
貴様の
本音が
私は
嬉しい
...奇襲されたのに
なんで笑ってるのさ
変な子だね
ああー
私も不謹慎だと思い
さっきからずっと
堪えていたのだが
しかしもう
駄目だ
破顔
せずには
いられない
中学一年の
夏休みから
足掛け三年
つまり
体感時間で
三億年!
球磨川!
三億年
待ったぞ!!
私は貴様と
戦える日を
恨みも怒りも
今はない
私こそこの戦いを
実現させてくれた
すべてに感謝する
善吉にも
阿久根書記にも
喜界島会計にも
くじ姉にも
兄貴にも
古賀二年生にも
人吉先生にも
日之影前会長にも
不知火にも
志布志同級生にも
蝶ヶ崎二年生にも
江迎同級生にも
長者原二年生にも
大刀洗二年生にも
理事長にも
そしてもちろん
貴様にも
感謝しか
ない!!
だから遠慮なく
使わせてもらうぜ
本当に
変な子だ
もちろん
僕は
きみの
そういうところも
嫌いだよ
僕の
禁断の過負荷
『却本作り』!!
個人が代理を
出しちゃいろけど
四戦中三戦までが
代理だろうか
おめーこら
まぁ三分のこは
あたしのせいだから
言わないけど、
そんな...
どうしてですか
鍋島さん!
雲仙さん!
お願いします!
私達も戦挙戦の応援に
連れて行ってください!!
ああ!
球磨川のことは
確かに怖ェが
今も昔もそんな君が
んー
その気概は
買うけどなー
最後くらいちゃんと
生徒会のみんなを
応援したいんです!!
だけどせめて!
出来る限り
そばにいてやりてえ!!
や
ちゃうちやう
けどまあ
無理なもんは
無理ゆーか
今日は戦っとるんが
黒神ちゃんやからなー
!?黒神さんだから
でしょう!?
今駆けつけずに
いつ駆けつけるん
ですか!!
応援は任せておけと
いうつもりかも
しれませんけど、
そういうことや
のうてー
やっ
んあ
その
第9
むかし
自分も音もそれな君が」
...わかるやろ?
選管はともかく
黒神ちゃんの本気には
ウチらもこれ以上
近付けんのよ
すげえ...
戦いながら時計台を
駆けあがっていくぜ
めだかちゃんは
ともかく
球磨川まで...
黒神は相手の力を
引き上げちまう
とこがあるからな
相手が球磨川でも
それは例外じゃ
ねーってことか...
きみ達何を
しているんだい
早く追うよ
急がないと決着が
ついてしまうぞ
決着がついて
しまうって...
真黒さん
あなたはどっちが
勝つと思って
いるんですか?
決まってるじゃ
ないか
そんなこと
こんなまともな
戦いで
弱者が強者に
球磨川くんが
めだかちゃんに
勝てるわけが
ないだろうー
本気で
殴るぞ
耐えろ
うん...うん
やって
ちょうだい
ああ
ちくしょう
やっぱり強いなあ
めだかちゃんは
とことん強くて
とにかく凄くて
とりわけ気高く
とびきり格好いい
圧倒的に絶対的な
女の子だ
せっかく取ってきた
僕のはじまりの
過負荷_
『却本作り』を
使う隙なんで、
まるでないで
やんの
ははっ!
楽しいなあ
球磨川!
貴様と戦うのは
楽しいなあー
さあ!
むっともっと戦うぞ!!
やれやれ
こっちの気も知らずに
嬉しそうに...
本当に
弱い奴の気持ちが
がんばれない奴や
できない奴の気持ちが
わからない子だぜ
僕は今も昔も
そんなきみが
そんな大嫌いで
今も昔もそしよき
そんなきみが
大好きだったよ
憧れた
瞳先生より
服うた
安心院さんより
お父さんより
お母さんより
大好きだ
思えば
初めて会った
あの時から
僕はきみの気を
引くことに
精一杯だったね
どうした
球磨川?
まさかもう
負けを認めるのでは
あるまいな?
いやいやー
ちょっと気付いたことが
あっただけさ
わかんないもんだね
自分の気持ちなんて
その気持ちって奴を
たとえ
気持ち悪がられたと
しても、
...だけど、まあ
気付いたからには
ちゃんと伝えなきゃね
...不知火ちゃん
これは結局きみのほうが
マイナスとして役者が
上だったってことかな
どうやら最初から最後まで
僕はきみの言うとおりに
動くだけの男だったようだ
感謝しか
ないけどさ!
めだかちゃん
僕からの
相談を
受け付けて
欲しい
!!
......
このまま
戦い続けても
おそらく決着は
つかないだろう
どれだけ
叩き伏せられようと
僕は絶対に
負けを認めないし
だけどそれは
めだかちゃんだって
同じことだと思う
そんなことは
ない
少なくとも私は
貴様に勝つために
最後まで
全力でがんばる
つもりだぞ
光栄な限り
だけれどー
まあ聞けよ
そこで
相談だ
僕が
「大嘘憑き」を
捨ててまで
取ってきた過負荷
僕の
始まりの過負荷
却本作り」を
避けずに受けて
くれないか?
なんだ
あれ...?!?
螺子が...
伸び.....!?
大嘘憑き」を
現実を虚構にする
過負荷だとするなら
具体的には
却本作りは
強さを弱さにする
過負荷だ
この過負荷の被害を
受けた者はみぃーんな!
不完全と完全に同じになる
あの安心院さんが
封じざるを得なかった
曰くつきの
過負荷だぜ
肉体も精神も
技術も頭脳も才能も!
ぜーんぶ僕と同じ
弱さに落ちて
それでもきみの心が
折れないのなら
そのときこそ
僕は
負けを認めるよ
...!
なによそれ...そんなの
それはつまり
めだかちゃんが過負荷に
なわちゃうってことで!
それは
真黒くんや日之影くんが
二番警戒してた
パターンじゃない!!
引っ張り上げるめだかちゃんに
対して
引き下げる球磨川ってことか...
まさに過負荷の象徴みてーな
過負荷だが、
しかし!
めだかちゃん!
そんな提案
聞くことねーよ!
どうせ何か
企んでるに
決まってる!
黙れよ
善吉ちゃん
二歳からの
幼馴染か何か
知らないけど
今までこいつが
してきたことを
忘れるな!!!
さみこそ
忘れるな
めだかちゃんに
先に会ったのは
僕だ
さあ
決めてくれ
めだかちゃん
きみは僕の
過負荷を
受け止めて
くれるかい?
聞くまでも
ねーだろ
そんなこと
そうだね
聞くまでも
ない
聞くまでも
ないでしょ
うん
言うまでも
ない
私は誰からの
相談でも
受け付けるし
24時間
365日
どのような
気持ちでも
受け止める!!
愛してるぜ
めだかちゃん
そうか
もちろん
私も
愛しておるぞ
ありがとう
だけど
だけど
『僕を』
じゃなくて
『人を』
だろ?
......
却本作りは
あくまでも
めだかちゃん!!
騒がないで
見た目は
ショッキングだけど
肉体へのダメージは、
ほとんどゼロだよ
心を折る過負荷
なんだから
...あー
『なんかもう
どーでも
いいやあ
私の
負けだ』
『許して
くれ』
とでも
言うと
思ったか?
プラスを
マイナスにする
過負荷か
なるほど
恐ろしい
だけど
それは
球磨川
基準となる責様が
本当に
弱かったらの話だ
「大嘘憑きより
よっぽど怖いな
過負荷のために
戦い
過負荷を胸に
戦い
過負荷の立場に
立って戦う
そんな貴様が
そんな心が
弱いはずが
ないだろう
私は今も昔も
そんな貴様が
大嫌いで
今も昔も
そんな責様が
大好きだったぞ
そんな...僕の立場
まで下がってきて!
どうしてきみは
そんなことが
言えるんだー
わからない!!
わかってください
球磨川先輩
私は
あなたを
敵視こそすれ
下に見たことなど
ないのですよ
とでも、言うと、
思ったかった
しかし若干
影響が出ているな
際どい賭けでは
あったわけだ...
そんな
馬鹿な...
わかってください
球磨川先輩
『却本作り』が
通じないだなんて...
僕と同じになって
なお!
心が折れないだなんて!
あなたはもう
自分が思ってる
ほど
弱くもなければ
過負荷でも
ありませんよ
しかし解せねえぜー
どうして球磨川の旦那は
「大嘘憑き」を
捨てちまったんだ?
確かにあの
『却本作り』は
身の毛もよだつような
スキルだが
遅いっ
とて、
第91箱
単純にバトルに
勝ちたいなら
『大嘘憑き』の方が
向いてただろうに
おい球磨川!
見ての通り
めだかちゃんには
お前の禁断の過負荷は
通じなかったぜー
さあ!
約束通り
負けを認めて
もらおうか!!
嫌だ
僕は
負けてなんか
いない。
認めない
てゆうか
そんな約束をした
覚えがないし
なに
言ってんだが
わかんないし!
さあ戦いを
続けようよ
めだかちゃん
僕ときみの!
三億年待ち焦がれた
決着だ!
...ふざけんじゃねえ!
いい加減にしろよ
球磨川ぁ!
潔く負けを
認めやがれ!
悪あがきにも
ほどがあるぞ
見苦しい!!
善吉
負けたくないと
思う気持ちの
どこが
見苦しい
......
めだかちゃん...
球磨川
貴様は正しい
それでいい
約束なんて
守らなくていい
そうやって
心を守る貴様こそが
やっぱり十分に
強いのだから
勝つ者が
強いのではない
負けて
這い上がる者が
強いのだ!
だから
負けて
ないって。
だったな。
......
ははっ
これはは、はは
ははは、ははー
「ははは、は
はははほほほは!!
わかんねーよ...
今度ばかりは
めだかちゃんが本当に
わかんねえ!
今ので勝ちで
いいじゃねえか!
何やってんだよ!
勝ちたくねーのかよ
めだかちゃんは...
一体あいつは
なんのために
戦っているんだよ!!
......
そうかね
俺は逆に
わかった気分だよ
球磨川の旦那が
大嘘憑きを
捨てた理由が
黒神のおかげで
わかったぜ
あいつらは
ちゃんと戦って
ちゃんと
勝ちたいんだ
あるいは
ちゃんと戦って
ちゃんと
負けたいのさ
禍根どころか
骨も残さず
すっきりと
勝ちたいんだ
ルールや約束に
縛られず
運や偶然に
支配されず
この上なく
すっきりと
負けたいのさ
...だけど
これって
決着なんて
つかないんじゃ
ないの?
心は折れなくとも
「却本作り』そのものは
効いてるんでしょう?
つまり
今のめだかちゃんは
球磨川くんと
あらゆる面において
互角ってことなんだよね
じゃあ...
だったら決着なんて
永遠に
つくはずがない
たとえ後先で
多少の差異が
生まれたところで
すぐにそんな誤差は
均されちゃうん
だから...
このまま
引き分け?
引き分け...
だったら通算成績は
二勝一敗二分になるから
俺達の勝ちだ
だけどそれこそ
すっきりしねえ
後味の悪い
決着だぜ
それに
誰が何と言おうと
どんな形でもいいから
俺はめだかちゃんには
勝って欲しい
肉体も精神も
技術も頭脳も才能も
まったく同じになって
それでもなお
めだかちゃんと球磨川に
違いがあるとすれば
おー
やってる
やってる
あらら...
黒神さんたら
なんだかボロボロじゃ
ありません?
どーせいつもの
露出癖でしょう
どれだけ脱ぐのが
好きなんですか
あの女は
しかし相変わらず
身体張ってるなあ
あいつは
ひゃは
バケモン女は
手ェ抜くってことを
知らないのかねえ
そういえば
聞いたか?
この戦いは
私達を守るための
戦いでも
あるらしいぞ
そうなの?
それはとっても
感動的ですねー
〈棒読み
でも確かに
苦戦は苦戦
みたいだな
このままだと
引き分けー
ていうか
一あのセリフ?」
おいおい
それは困るぞー
一人だけ特別扱いは
ズルいぜ
よし!
ここはどうだ
皆の衆
全員で声をそろえて
黒神に一あのセリフ」を
言ってやるというのは
黒神のことだから
今のこいつになら
負けてもいい」とか
思ってんじゃねーの?
ああ!
一度は言ってみたい
「あのセリフ」だな
よかろう!
黒神のことは呼び捨て!
一人称は「俺」
二人称は「お前」で
統一だぞ
せーの
そんな奴に
負けてんじゃねえぞ
黒神-
Iつ/
お前を
倒すのは
この俺だああ
ぁあああっ!!
...?どれ
誰だあいつら...
箱庭学園の生徒
みたいだけど...
見たことない奴が
いっぱいいるぞ...?
おやおやー
見たことない奴
とは冷たいね
球磨川くん
その『見たことない奴』こそ、
きみが抹殺しようとした
エリート集団
きみがクーデターを
起こしてまで
招集しようとした
登校免除維
異常選抜
特別特待生ー
箱庭学園十三組の
面々だというのに
けっ...
それがどうしたってんだよ
日之影先輩の応援には
もっといっぱい生徒が
集まってたし!
邪魔にならないように
控えてるだけで!
球磨川先輩のためなら
マイナス十三組だって
一人残らず集まるぜ!!
...違うんだよ
志布志
あいつらは
そういうのとは
違うんだ
あいつらは
全員
めだかちゃんの
敵なんだよ
都城先輩行橋先輩
高千穂先輩
宗像先輩ーーそれに
『裏の六人』を含む
『十三人』や
対馬兄弟は
言うまでもなく
雲仙姉を始めとして
十三組生の連中は
全員めだかちゃんの
命を狙っていた
学園警察風紀委員会
とは今でも対立
しっぱなしだし
競泳部との
トラブルは
今や伝説だ
対立候補だった
鹿屋先輩も
誰も彼も
木金コンビに
至るまで
剣道部の日向も
ふんなみんな
めだかちゃんの
敵なんだ
日之影先輩が
守ってきた生徒達が
あの人を応援するのは
当たり前だ
球磨川のために
動く過負荷も
たくさんいるだろう
ピンチのときに
助けてくれる友達なら
俺にだっていない
わけじゃない
だけど
ピンチのときに
敵が駆けつけてきて
くれるのは
この世で
めだかちゃん
だけだ
いつっても
俺が偉そうに
いえた立場じゃ
ねーけどな
目先の勝利に
がっついちまって
恥ずかしい限りだぜ
なんのためだなんて
馬鹿なことを
聞いちまったもんだ
めだかちゃんはいつだって
敵も味方も大切にするために
戦ってきたってのにー
...これもお前の
仕込みかよ
不知火ちゃん
まさか
あたしの予定じゃ
後味が悪かろうと
引き分けが
落としどころでしたし、
大体十三組生全員に
接触するなんて真似
あたしにはできませんよ
ふっ
どうやら連中
間に合ってくれた
ようだね
高貴くん...
喜界島......!?
ってことは
まさか!
お前たちが
あいつらを
集めたのか!?
その通りだ!
いや
とてもそうとは
言えないかな
真黒さんに
特命を受けて
あっちこっち
かけずり回ったものの
結局は
全員ににべもなく
断られちゃった
もんね
だからあの人達を
ああして集めたのは
あんなに
集めたのは
そう
たとえすべてが
同じになっても
他の誰でもない
黒神さんなんだよ
めだかちゃんと球磨川くんは
同じじゃない
めだかちゃんと
球磨川くんじゃあ
背負ってる
人数が違う!!
勝たせてもらうぞ
球磨川
私は味方
のみならず
敵の思いも
背負っている
僕もいつか
あんな風に
きみのピンチに
駆けつけてきても
いいかな
めだかちゃん
.......
もちろんだ
這い上がれ
球磨川禊
貴様に
助けられる
その日を
私は楽しみに
待っている!!
善ちゃんって
戦ってるときは、
あんなに格好いいのに
おい我をハハハ・
うん...
どうして、観る
こうも難易度が
高まるんだろうね、こっち
客になると
ついにっ!
黒神がっ!
おおぉおお
おおおっ!
球磨川を
たお
倒したあああぁあっ!!
...
残念
...
...
2016年
「大丈夫に命よっないいと言われていた」
胸元の螺子が
崩れていく
球磨川の
「知本作り」の効果が
切れたんだ...
プラスとがマイナスとか、
そういうことじゃねえんだな
球磨川に同じにされたところで
黒神めだかは
黒神めだかってわけだ
黒神ー
やっぱ強いな
ーっ!
お前は
畜生ーーっ!!
ボロボロの
今のお前になら
勝てそうな気が
するけど!
めでたい日だから
特別に見逃して
やるぜ!!
球磨川――っ!
お前もすごかった
ぞーーっ!
そんな
バケモン女相手に
よく戦った!
今度は俺達と
連合組んで
黒神にリベンジ
しようぜ!!!
......
球磨川さま
お疲れのところ
申し訳ありませんが
少しよろしい
でしょうか?
......
長者原くん...?
会長戦にあたって
黒神さまが提案された
『人間比べ』のルールは
『負けたと思った方が負け』
という規定でございます
ですので現状でも
球磨川さまが
負けを認めて
おられないのであれば、
決着がついたとは
見做されません
さていかが
如何でしょう
球磨川さまは
黒神さまに
負けたと
思いましたか?
おいおい
相変わらず空気
読まないな
選挙管理委員会は...
だけど確かに
そういうルールだったぜ
まさかとは思うが
球磨川の奴
ここに来てまだ
ごねるつもりじゃ...
僕の
負けだよ
ああ
ちくしょう
悔しいなあ
幸せ
だなあ!
それでは会長戦は
黒神さまの勝利と
正式に認定致します!
つまり
通算成績は!
現生徒会側の
三勝一敗一分!
よって
ほんせい...ところか、
本生徒会戦挙は
げんせいというか、
現生徒会側の勝利!
箱庭学園の
生徒会長は!
引き続き
黒神めだかさまに
務めていただくことに
相成りましてございます!!
......
人吉先生...
よかったね
球磨川くん
やっと
ちゃんと
負けられたんだね
どうせなら
ちゃんと
勝ちたかった
ですけどね
大丈夫だよ
その気持ちを
忘れなければ
いつかきっと
勝てる日が来る
みんなそうやって
負けたり勝ったり
しながら
強くなって
いくんだから
球磨川さん...
ああ...
蛾々丸ちゃん
飛沫ちゃん
ごめんね
負けちゃった
でも大丈夫
心配しないで
これからどうなるか
わからないけれど
きみ達のことは
マイナス十三組の
みんなは僕が
身を挺してでも
守る...?
ケッ!
身を挺してでも
守るから
今更ふざけたこと
言ってんじゃねーぞ
あんたは
球磨川さんは
そんなことずっと
やってきたじゃ
ねえか
だから今度は
あたし達が
あんたを
守る番だ
ったくかべん
勘弁してくれ
よな
誰よりも最低だと
思ってたあんたが
そんな風にいい奴に
なっちゃってよ
全くです
困ったものですよ
あなたでも
改心できるってことが
判明した以上
私達がしないわけには
いかないじゃないですか
待ってよ
ま
いきなり変わるとか
無理だけどさ
あたし達も
負けたり勝ったり
しながら
ちょっとずつ
変わっていこうぜ
あなた達
どこに
行くつもり?
...どこってわけじゃ
ないですけど
戦挙戦で
負けちゃいました
からね
とりあえずは
箱庭学園から
出て行かないと..
それは書記戦の
時の約束でー
しかも無効に
なったはずでしょ
戦挙戦そのものは
生徒会長を決める
勝負でしか
なかったはずよ
そりゃそうです
けど...
でもだからって
僕達がこのまま
居座るわけには
いかないでしょう?
教室もいつまでも
間借りしている
わけには
いきませんしね
そりゃ殊勝だね
だけど
うちのリーダーは
そう考えてない
みたいだよ
まあ折角だから
聞いていきなさいよ
驚くから!
長者原
二年生
新たなる九十九代目の
生徒会長として
さっそく選挙管理委員会に
報告がある
報告?
はあ
なんで
ございましょうか?
戦挙が終わった
ばかりのタイミングに
恐縮だが
生徒会執行部
かいち
副会長に
ま、がわみそぎ...に
球磨川禊を任命する
受理と手続きを
よろしく頼む
えええぇえ
えええぇえ
えええぇえ
えええっ!?
くっ...
黒神さま
正気で
ございますか...?
?
何を驚く?
副会長と言えば
私の対抗勢力だぞ
ならば球磨川以上の
適任は
他におるまい
もとより
副会長の不在から
今回の選挙は、
始まったのだ
要するに
私の不始末だな
なんであれ
そこは大いに
反省しなければ
ならないだろう
ならば私は
副会長の任命を
もって
この一連の騒動に
ピリオドを打ちたい
球磨川
貴様が
必要だ
助けてくれ
今が
その時だぞ?
...馬鹿言っちゃ
いけないよ
めだかちゃん
どうした?
さっきピンチの時には
駆けつけてくれると
言っただろう
敵も味方も
大切にする
とは言え
いくらなんでも
僕を副会長にするのは
やり過ぎだ
少しは
善吉ちゃんの気持ちを
考えてあげなよ
貴様はさっき
私に会ったのは
善吉よりも
自分の方が
先だとも言ったな
しかし貴様は
私ではなく先に
善吉に会っておく
べきだったのだ
あの病院に
善吉がいたことを
知っていたなら
そうするべきだった
そうすれば善吉は
貴様に生きる意味を
教えてくれていた
だろう
そしてそれは
今からでも
遅くない
善吉ー
貴様だって
そうしたい
はずだよな
貴様の気持ちは
私が一番わかって
おるぞ!
...だから
いつの話を
してんだよ
なにもわかってねーな
相変わらずーったく!
微塵も断られると
思ってねーのが
腹立たしいぜ
いいよ
わかった!
球磨川!
球磨川!
考えてみりゃ
そんな奴を
野放しにするよか
よっぽどマシだ
お前なんか
俺達の仲間に
なっちまえ!!
ありがとう
僕はあくまで
過負荷だから
だけど
油断しないでね
めだかちゃん
だから
いつかきみの
寝首をかくかも
しれないぜ
それでいい
それがいい
私の寝首を
かくのが
ん...?
え...?
つまり
これって...
ちばんたいせつ
貴様の一番大切な
仕事だ
ひょっとすると
ひょっとして:
そうだよーーあの!
永遠に揃わないと
言われていた...
会長:副会長・
会計・書記・
よかった
庶務/
くっろいかみ
黒神めだか
えー、
...そんなことはない
礬
副会長
いしっこ、
生徒会執行部が
全員!
会議、喜界島もがな
書記阿久根高貴
庶務
今日までの
揃ったあああぁ
ぁあああっ!!
あだかちゃんのわがままに
付き合ってくれて
ありがとう
球磨川くん
お礼と言っちゃあ
なんだけど
マイナス十三組の教室は
僕が責任を持って
用意するよ
元々軍艦塔は
空き教室ばっかり
なんだから
普通に頼んでくれたら
いくらでも提供して
あげたんだけどね
......
敵わないな
真黒ちゃんは
いやいや
格好悪いさ
僕は
本当に
格好いいよね
めだかちゃんが
何と言おうと!
誰が何と言おうと
元より僕は
球磨川くんには
学園に残ってもらう
つもりだったんだから
だって
『遅れてくる
ふたり』と
戦うためには
きみの力が
不可欠なんだ
もの
........
くじらちゃん
がね
僕にだけは
教えてくれたんだ
きみがあの子に
見せた
リストの内容をね
真黒ちゃん...
じゃあ
きみは
ひょっとして...
そうだねー
僕は憶えているよ
めだかちゃんや
善吉くんはどうしてか
忘れているみたいだけど
彼女のことを
僕は憶えている。
...どうやら
戦挙戦の決着は
ついたようですな
そして首尾よく
マイナス十三組の設立も
完了したようです
そして
フラスコ計画的に
言えば
戦挙戦では
めだかちゃんのデータが
いっぱいとれて万々歳って
感じかな?
わたしは
理事長室
した
一時はどうなることかと
思いましたがー
全ては落ち着くところに
落ち着きましたかな
一時はどうなることかと思いましたが全ては洛ち着くところに落ち着きしたかな
不知火くん
ま万々歳なのは
僕達も同じだけどさ
めだかちゃんが
球磨川くんの心を
救ってくれたおかげで、
却本作りによる
僕の封印も多少は
弱まったんだから
今までは
色んな奴の夢の中を
ぢょろちょろする
だけだったけど
ようやくこうして
転校して
来れたぜ
いやいや
では
おふたりはこのまま
マイナス十三組に
入っていただくということで
よろしいですな?
んーどうだろう
それは遠慮して
おこうかな?
正直
今更マイナス十三組?
って感じだし
そもそも僕達は
別にマイナスじゃ
ないんだしね
劣等感なんて
くだらないー
優越感でも全然
あがれない
だったらそんな
差別は無意味極まる
要するに
プラスもマイナスも
僕達の前では
おしなべて
普通に
平等なんだよ
チ
ネガメン
なんといむ
所属:現在無所属
血液型:AB型
備考:転校生郷
僕達は
悪平等だぜ。
安心院なじみ
...
所属:現在無所属
血液型:AB型
備考:転校生
え
お待ちください
黒神さま
転校生である球磨いさまが
正式に教行部へ
初入するためには、
いられる条件をクリアして
いただく少し悪文が
...
最後まで空気を読まない
選挙官理委員会
すで
DIGITAL
SHUESMA,JUMPCOMKS
あんしんいん
安心院さんのこれで安心マイナス対策の
あんしん
たいさく
球磨川くんの「大嘘憑き」は、元を正せば僕が貸してあげた「手のひら孵し」を下敷きにしているんだ。
まあ更に正せば、「貸してあげた!というより『課してあげた』って感じなんだけどね。どちらにせよあま
わに不用意なレンタルだと、僕を責めたくなる気持ちはわかるけれど、しかしその非難はお門違いと
いうものだ。僕の手のひら解しは、「事象の9卵細胞化、つまり「因果を逆流させる」だけの、極めて平和
的なスキルなのだから。球磨川くんはそのスキルを改造して『因果をなかったことにする「スキルにし
ちゃったんだ、なんてことを。「鶏が先か、卵が洗かいとはいう例の議論を『ごめん』両方食べちゃった」のひ
と言で終わらせたみたいなものなんだよ。まあもっとも、彼にスキルを渡してしまえぱそれがどんなス
キルであれロクな結果にならないことはわかっていた。それでも僕がそうしたのは、・彼の固有スキル
却本作り」を取り上げるためなのさ。あのスキルは唯一、史上唯一、悪平等だる僕に有効なスキルだから
らね。あれを球磨川くんから取り上げるためなら、僕は彼になんだってあげたさ。しかしめだかちゃん
の活躍で、その『却本作り」も効果を大半
の説明でその時の中のリールススキスした言えば、大級感もと「助本的」この二大スキル対応されていれば、朝の夜でここでこのクリックしているようになったから言ってほしくんが人気無意だろう。
校生になったかと言えば、そういうわけじゃないい。気をつけろよ、マイナスにとって、スキルなんて余計
な添え物みたいいなものなんだから。
半失った。封印されていた僕が復活できたのがいいN証拠さ。とは
おい
フィクシ
球磨川禊二喝馮キ
『大嘘憑き
「却本作り
球磨川禊が
仲間になった
そんなわけで
彼は性格こそ最低だが
人懐っこい男ではあるので
案外あっさりと
生徒会執行部に
馴染むのだった
あだかちゃん
『この書類って
こっちでいいの?
「善吉ちゃん
く、まっがわ。じけんほい
豚磨川事件神道
『高貴ちゃん
例の案件
どうなってるかな
........
『先に休憩
してきていいよー
「喜界島さん
予算のことで
相談が
あるんだけど
ふむーーまあ
ひとりだけ距離を
感じるのは
仕方ないだろう
敵対していた
とはいえ
しかし
喜界島会計
私達は
球磨川と同中で
付き合いは長いしな
余所余所しさが
気になると
言うのなら
貴様のほうから
距離を詰めてやれば
よいではないか!
禊ちゃん
一緒に
帰ろっ♡
善吉ちゃん
善吉ちゃん
喜界島さんって
彼氏いるのかな
ジャンプNDXT/
H23年SPRINGAR
?
「球磨川事件補遺|(完
球磨川禊は過負荷なので
球磨川禊は
過負荷なので
案外簡単に人を好きになる
案外簡単に
人を好きになる
DIGITAL
SHUESBAJUMPCONCS
めだかボックスカラー版
PART3.球磨川事件編4巻
西尾維新
○西尾維新201.2006
発行所・集英社
暁月あきら
◎暁月あきら2011.2006
初版発行
デジタル版発行-2016年
2011年
http://www.shueisha.co.jp
この作品は、著者カラー原画に加え、著者の原画をもとに
集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
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