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Instructions:
めだか
ボツク
PART6.不知火不知編3.
原作:西尾総新・漫画・明月あきら
自分が自由になって
カラー版
PART6
不知火不知編3
へん
1777817918018118!182183184185
17:1718
第第第条第第二第第1第11おおお
...
177新「この人は1975年「私は月79日第180150通「登録」「会話第1512名」「心権第13名前「心と第19組」「そして184条第16条第「でも相手は、そしたといます。ことおまけれがあまけ」
「この人は今まで
しかし、これまでのお客様においては、お客さまにお願いしますのですが、お話をしています。これは、このようになっていただきました。
私は人間が大好きです」黒神ファイナル
私は人間が大好きです。理解ファイナル」「私達は負けたんだよ」
葉は届く」
「そしてめだかちゃんは
いちたすいちは
エビローグラフカット
不知火半線のどうして俺が婚約者講座
不知火半綱のどうして俺が鶴喰家満座
おまけ、不知火半継の俺しかできない反転院講座
こんなくしゅこうして
...なにですけどねえはなはなには
★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには
いっきい関係ありません。著者かラー原画に加え、著者の原画を
もとに集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
...
...そうだ
息子だ息子!
そんなの昔
作ったんだよなー
うわ懐かしー!
ひ!!と
ッ、ーー...
どれもっと近くに
来てよく顔を
見せなさい!
......
おやおや
随分無愛想な
奴だな
いったい誰に
似たんだかー
って
俺かあ!
あははは!
そして生煮
任務ご苦労だったな
よくやった
俺の指示通り
無事にめだかちゃんを
この病院に連れてきて
くれたようじゃないか
指示通り
連れてきたって...
贄波
お前まさか...!!
だよねえ!!
はつはっは
冗談だよ
冗談
こんな冗談が
通じないような
育て方をした
覚えはないぞ
なーんて
育てた覚えが
ないんだけどなー!
ふーじゃあ
ま遠目だけど
見たは見たし
もう帰っていいぞ
我が息子
なるほど
私の父親だ
クズだね
ていうか
なんでまだいるの?
なんなら駅まで
送ろうか?
いやパパ
はッはっは!
だからこそ
痛快だと
思わないかい?
そんなクズの
開発した
新技術
「スタイル」で
あの英雄
獅子目言彦を
打倒できるのは
もっと痛快な
展開があるよ
黒幕ぶってる
あんたが!!
ほっと出の私にぶちのめされるって
んかいい
展開さん、
悪目立ちを嫌う
本人の性格ゆえ
スポットがあたることは
少なかったが
回転のスキル
『独楽図解』
試したことは
ないが
引力のスキル
『引っ張り足
二重の
意味で
黒神めだかの従兄弟
ダークヒーロー
鶴喰鴎の戦闘力は
当然ながら高い
そして
挑発使い
封印状態とはいえ
安心院なじみから
地球の自転や公転さえ
操れるアブノーマル
他人の足を
引っ張るマイナス
さえ
冷静さを奪った
独学のスタイル
冷静さを奪った独学のスタイル
これらを組み合わせた
鴎システム』を
使う彼は
箱庭学園でも
屈指の実力者
である!
おいおい
いきなり襲いかかって
くるなよ
びっくりするなあ
何を怒ってるんだ?
まったく
親の顔が見たいよ
...!
ひょっとして
それも俺がな
あっはっはぁ!!
........
それにしても
気をつけろよ?
我が息子
お前の命は鴻毛より
軽いが俺の命は
地球より重いんだぞ
いや
アジでマジで
そんな...
陽システムが通じない
相手がいるなんて...
もう何を
信じたらいいのか
わからない!!
いやお前
「鴎システム」も
知らないだろ!?
お前はまず
自分を信じない
ところから始めろ!!
おいおい
何を言ってるんだ
生煮
これはお前に教えた
スタイルだろうが
逆態接続の
スタイル
逆接(説)使い
だからこその
ひと言に特化した
スタイル
相手が強い
だからこそ
勝てる
強固で巨大な物体
だからこそ
斬れる
不可能を可能にする。
というよりは「逆説的」に
確率が低いマッチほど
実現させるスタイルかな
逆接(說)使い:
そういえば、生徒会に囲まれたとき
「あえて」強い奴(名瀬さん)から
挑んだって言ってたっけこいつ...
それは戦略というより
そのほうが勝率が上がったから...?
そのスタイルを
使いこなせば優勝は
お前だったろうに
どうしてお前は
漆黒宴で『逆説』を
いい加減にしか
使わなかったんだ?
?いやだって
そんなスタイルに
頼ってたら人として
駄目になっちゃうし:
なんでそこだけ
まともなんだよ!
ははは
いいね
あとお前自分のことを
駄目じゃないって
思ってんの!?
そういうお前
だからこそ
俺はお前に
もっとも本命な
スタイルを
教えたわけだが
まあ色々迷ったが
獅子目言彦に
使うならやっぱり
このスタイルかな
五千歳じゃあ
幼児化させるのは
時間がかかるし
カード化しても
奴じゃあいずれ
復活しそうだしなあ
いいプラクティスに
なったよ我が息子
いやはや
失敗作もたまには
こうして役に立つから
侮れないよね
失敗作...?
......
何を言ってんだ
あんた...?
ん?なんだ
ママから聞いて
いないのかい?
仕方ないなあ
いやほら俺が
めだかちゃんを作ったのは
優しい鳩姉』を
作るためだったん
だけれど
慎重な俺は
ミスったときのために
保険をかけておく
ことにしたんだ
保険がきみだよ
鶴喰鴎
遺伝子的には
鳩姉に近いはずの
俺の子供なら
育て方次第じゃあ
ひょっとしたら
『優しい鳩姉』に
なるかもって思ってね
まあ結局息子が
生まれちゃったんで
保険にならなかった
がね
だからすぐに
育児と計画は
放棄したんだか
けどまあ
よかったよ
俺と一緒にいたら
お前もママも
俺と一緒に三年前
殺されていたぞ
だからお前俺に
お礼を言っておいた
ほうがいいぞ
愛するーいや別に
愛してないけど
我が息子よ
...!!
......
梟博士!
あなた...
あなた一体
なんなんですか!
本当の姉である
...鶴喰鳩を愛していると
言いながら
本人ではなくその娘に
愛情を注いだり
保険に子供を
作ってみたり
挙句に
『それっぽきゃいい』
だなんて言って
半袖さまを
我が物に
せんとす...
わけがわからない!
あなたのやっていることは
あなたのやりたいことと
全然違う!!
あなたのお姉さんの
代わりなんて
いないんですよ!
代理ばかりを
求めている!
代理も保険も
ない!
どうしてそんなことがわからないんですか!?
どうしてそんなことが
わからないんですか!?
おいおい
声が大きいなあ
きみは
それがもしか
影武者のきみの
言うことかね
それにそれを
言うなら
世間に言えよ
考えてもみろ
今の世の中、
それっぽいもの
ばかりじゃあないか
『すごいこと』より
『すごい空気』が
幅を利かせ
天才よりも
て
天才のフリがうまい奴が
評価される世の中だ
『楽しい』より
『楽しそう』が
ぶいぶい言わせる
時代が求めて
いるんだよ
合成着色料
を。
何より
いいじゃないか
俺は好きだぜ
偽物安物矩悪品
気軽に扱えるし
壊れても惜しくないし
無くしても平気だし
飽きたら
捨てられるところが
イカしてるぜ
そうかい
そうかい
なるほど
なるほど
まあ俺も
最近の若者
だからよ
あんたのいうことは
わからねーでも
ねーぜ
だけど
だったら尚更
不知火は渡せねーな
こいつは
俺の
本物の
友達だから。
誰!?怖い!!
いい台詞を言いながら
知らない人が現れた!!
ひぃぃ
いやさっきまで
一緒にいただろ?
人吉くんだよ!
お前の首筋に噛みついた奴!
人吉...うん
ふぅん
じゃあきみが
人吉先生の
息子か
大きく
なったねー
その様子だと
袖ちゃんはきみに
ほだされたみたいだな
やっぱり檻から外へ
出すべきじゃあ
なかったなあー
優しいところが
俺の悪いところだ
結局粗悪品は
粗悪品なのかなあ
から。
まそこが
いいんだけどね
安心したまえ
袖ちゃん
きみが俺を
愛する必要は
ない
俺は俺を愛さない
きみでも我慢する
しかしきみも
思知らずだねえ
人吉善吉くん
俺の恋路を
こんな風に
邪魔するなんて
いやそれも保険
だったんだがね?
この病院における
きみとめだかちゃんとの
出会いだって
実のところ当時
院長だった俺が
演出したんだよ
そう
あれは確か
14年前のこと
だった
俺がみっ
介
新しい...
新しい儂の敵はどこであああら
どこだあああぁ
あああぁああ!!
む!着地の際
何かゴミを
踏んだようだな
気持ち悪い...
あとでよく洗わんと
いかんぞ..
し..
獅子目言彦...!
馬鹿な早過ぎる...
不知火の里から
ここまで
何百キロあると
思ってんだ...
言葉使いの元締め
梟博士がこんなに
あっさり...
それより儂の
敵はどこだ!!
だからこそ
勝てる
......
だから
言ったじゃん
言彦には
いや違うよ
不知火さん
『逆接〈説〉使い』は
どうしたのですか...?
スタイルが
通じなかったのは
スタイルだって
通用しないって...
言彦だった
からじゃあない
逆上した人間には
通じないんだよ
言葉は。
え...?
いやいやバーミー
確かにめだかちゃんの
乱神モードには
スタイルは通用しない
にしても..
梟博士は
スタイルの開発者
なんだろ?
だったら
そんな弱点は
誰よりわかっている
はずで..
その程度のことが...
わかってなかったん
だよ
女の子に結婚を
強要すれば
嫌がられることとか
当然その程度のこと
対策していて、
しかるべきだろう
思い通りに
ならないことが
あったら
それと向き合わず
すぐに代わりの
何かを――
偽物を安物を
粗悪品を求め
不知火さんを
さらったら言彦が
ブチ切れることとか
捨てた息子が
いつか自分を
刺しにくる
こととか
その程度のことが
わかってなかった
んだ
それっぽいもので
妥協し続けてきた
この人は今まで
度も
怒ったことが
なかったんだ
だから
本気で怒る
人間の気持ちが
本気で
わからなかったん
だよ
怒る人間の
気持ちが...
わからない...
確かに..
リミッターを外す前の
理性ある状態だったから
通じたってことなのでしょうが
梟博士は青筋を立てて
怒っていた」蜃気郎相手にも
なんら臆することなく
スタイルを使っていた...
それに半袖さまを
檻に閉じ込めながら
平気でめだかさまを
歓迎しようとしたのも
それでめだかさまが
激怒することを
全く想像できなかったからか。
思えば皮肉な
ものだよね
個人のスキルに匹敵
するための技能
コミュニケーションの
技能であるスタイル
共鳴し
井明し共振しなんだな...
共感するスタイル
ということは
私は自分を捨てた
父親に対して
その開発者である
鶴喰梟博士が誰よりも
人の気持ちに通じて
なかっただなんて...
どうやらただの
飄々としている
だけの奴だった
みたいだ...
いやそれは
私も同じか...
さっき私に
『逆接〈説〉』が通じた
私は飄々としながらも
心のうちに父への恨みを
秘めている奴のつもり
だったけど
所詮はその程度にしか
怒ってなかったって
ことだもんな...
......ふん
どうやらここに
僕の敵は
おらんようだな
では半袖
帰るぞ
言彦...
不知火の
里へ。
あたしは...
げ
げげ
儂を知りながら
儂の前に
立ちはだがるとは
新しいな
新しいな
なるほど..
貴様達が
儂の敵かー
いいや
貴様の敵は
こっちだよ
獅子目言彦
!!
車より
走るほうが速いと
言っていたっけな
じゃあここまで
走ってきたのか?
ならば
バトル前の
準備運動は
必要なかろう
私も64万人との
スパーリングを
終えて
ようやく
あったまってきた
ところだし!
まぁ...巻きちゃんか
わからなくもないとか
言い出したら、
『この場に博士のハラニとか
わからない奴がいなく
なるんだけどね...!?
めだかちゃん
黒神
めだがちゃん
めだか様
めだかちゃん
めだ姉
黒神
「約束はできない」
めだか
うむ
如何にも
私は
くろかみ
黒神めだかだ。
ぎく
やくそく
約束は
8箱
めだ...
父は!
父は私を庇って
言彦に殺されたんだ!!
そ...その
えっと
めだ姉の
言うとおり
人格者で...
だから...
その...
漆黒宴のこととか
色々誤解で..
やむにやまれぬ
事情があって...
めだ姉に
愛してるって
伝えてくれって...
そうそう
その通り
私のパパは
立派な人だった!
本当のことしか
言わないもんなー
鶴喰くんは!
最後までめだ姉に
会いたがってた!
そうだよね
みんな!!
お前が同意することに
よって私の情報の
信頼度が下がった!
賛波さん
五分でいいから
黙ってて!!
よいのだ
弟くん
博士がどういう
人間だったかは
私に近付いてきた
目的も
私の母を求めての
ことだと
本当は
なんとなく
わかっていた
私が一番
わかっていた
だけど
少なくとも
この人は
私の前では
?
私の前では
優しい人だったのだ
だからそれは
演技だったって
ことでしょ?
お前はいいように
騙されてたって
だけで...
贅波さん
一分でいいから
黙ってて、
ああ
演技だった
演技をしてまで
この人は
あの頃
善人であろうと
してくれた
思えば梟博士にとって
あのときは
最後の
まともな人間になる
チャンスだったのかも
しれん
そのチャンスを
ふいにしたのが
他ならぬ私だ
私は博士に清廉潔白な
私は博士に
清廉潔白な
博士にとってそれは
殺されるも同然ー
否
殺されるより
辛いことだった
だろうな
理想的な人格者で
あることを強要した。
一体どれくらいの
人間を殺してきたん
だろうな
だから博士は
月氷会に殺される道を
選んだのだろう
博士に限らん
私は今まで
そんな風に
げ
げっげっけ
この儂を前にして
雑談に花を咲かせる
とは新しいな
今回もまた――
私は間に合わな
かった...
貴様は
花咲か爺さんか?
来ぬのなら
こちらからゆくぞ
黒神めだかー
う..うおっ...
めだかちゃんが
言彦の機先を制し
懐に潜り込んでの
ボディブロー!!
いや...
単純なパンチ
じゃない!
基礎中の基礎
ではあるか...
今のはスタイルだ!
スタイルってのは
共感の技術だからね...
相手の気持ちを
理解するところから
始まる!
だからこそ!
機先を制す
完璧なタイミングで
カウンターを取ることが
できるんだ!
まあ『嘘八百使い』の
紅さんとバトったってことは
大量のスタイル使いと
戦ったってことだからね...
言彦戦を前に
スタイルの基本くらいは
身につけられたって
わけか:
...確かに
逆上していなければ
言彦にもスタイルは
通じるらしい
これなら
通じないほうが
まだマシだった
そういうことこそ、
喋って解説してくれ
贅波さん!!
だけど
これなら...
げげげ
なるほど
腕を上げたな
黒神めだが、
今のパンチは
攻撃として
認識できたぞ
だからこそ
気合を入れて
『防御』せざるを
得んかったわい
その砕けた零ー
誇りに思うがよいわ
......
おいおい..
俺のキックや
『十三人』のアタックは
言彦にとって
攻撃でさえなかった
っていうのかよ..
うん...
まあ蚊とか
マッサージとか
言われてたしね
言彦が世界に
もたらした破壊は
二度と回復しない
よ、
その真の恐ろしさは
攻撃よりもむしろ
防御にあるんだ
めだかちゃんは
半端に言彦に近付き
腕を上げることで
皮肉にも
これで両腕を
失ってしまった::
ぶつける攻撃が
強力であればあるほど
その攻撃自体が壊されて
二度と元には戻らない
......
いいひこ
言彦
私と約束を
しないか?
...?
が
やはり
私は
まして殺し合いの
泥仕合など
したくはない
正直今のパンチは
恨みで放った
だから
一撃勝負だ
その動機では
強くなれんらしい
安心院さんが
復讐を望んでいるとも
思えんし別に私は
貴様と戦いたいわけ
でもない
約束してくれ
もしも
私がこれから放つ
一撃が
貴様に通じたなら
通じなければ
貴様が半袖を
諦めるのだな?
不知火の肉体は
諦めると。
げっげっけ...
なるほどつまり
その一撃とやらが
いや。
そんな約束は
できない。
げっげっけっ
げっばっげっ!
かつて世界を賭けて
決闘した猛者共を
思い出すぞ!
この言彦相手に
抜かしおるわ!
新しい面白い
よかろうよ
儂に渾身の一撃を跳ね返されたとき
儂に渾身の一撃を
跳ね返されたとき、
......
貴様はどうせ
生きておらぬ。
つまり言彦と
めだかちゃんとの
間には
だけどなんで
一撃勝負なんだ?
『僕がめだかちゃんと
戦ったときと
同じ状況を作った:
言彦とのバトルで
戦いの中成長する
っていうのは
無理なんだよ
めだかちゃんと
僕くらいの力量差が
あるってことか...
短期決戦に
持ち込んだのは
だから正解だ
折角スタイルを
身につけかけているのなら、
長期戦に持ち込み
戦いの中でコツを
つかんでいったほうが...
戦って消耗した体力も
ダメージになって!
永遠に回復しないん
だから
しかし
両腕が使えない状態で
一体何をー
裸足になったーー
じゃあ黒神ファントム!?
だけどあれは
不知火の里で使って
既に通じなかった
はず...
違う!あのときは
靴下だったし
改神モードだった!
ならばあのとき
使おうとしていたのは
スピードをセーブした
ちゃんとした版!
今回は
安心院さんの
自殺を止めた
通常版.....
いやあのときでさえ
靴を脱いでは
いなかった!
つまり今回は
完全版
黒神ファントム!
音とジャンプが
ズレ始めたー
いやひょっとしたら
...
これは案外
いけるかも...
めだ姉がスタイルの
リズムをつかんだと
いうのなら...
言彦だって
永遠に力んでは
いられないはず
息継ぎのタイミング
女のか何なのか
――必然的に
生じるであろう
わずかな隙を
スタイルで見抜き
黒神ファントムを
決めれば
あれ?
音が
遅れて
違う黒神!
スタイルの使いかたは
そうじゃない!!
聞こえるー
よ/
みんな
どこかで
信じていた
たとえ
どんな苦境
だろうと
めだかちゃんは
勝つべきときには
必ず勝つと
だけどそれは
めだかちゃんが
敵がどれだけ
強大だろうと
鶴喰梟博士に
理想的であることを
強要したのに似ていて、
だったら俺達の
妄信的な期待
こそが
めだかちゃんを
ここまで追い込んだ
ようなもので
無駄だ
その少女の
心臓は
『それ』は既に
ただの死体だ
渾身の一撃は
かんぜん
完全に跳ね返した。
そういえば、
二度とリズムを
刻まない。
ば...
馬鹿言うなよ
めだかちゃんが
死ぬわけ
ねえだろ
すぐに
立ち上がるんだよ
こんなもん
そんな風に
威張ってられるのも
今のうちだぜ
ほ...
ほら
心臓だって...
ちゃんと動いて...
そ...んな
だ...
めだかちゃ...
黒神
めだか
所詮
現代っ子
だったな。
違う黒神!
スタイルの使いかたは
そうじゃない!!
どっちを...!?
時間での判断が
要求されると言う。
ギャグか!?
シリアスか!?
嘘だっ...
めだかちゃんが
死ぬわけねえ!
めだかちゃんが
負けるわけ
ねえんだ!
めだかちゃん!
めだかちゃん!
めだかちゃん
めだかちゃん
めだかちゃん
めだかちゃんー
めだかちゃんが負けるわけねえんだ!
よさんか
こわっぱ
それ以上
死者に鞭打つな
私は人間が大好きです」
........
敗者を
甚振るような
真似をするな
........
黒神めだか
未熟とはいえ
獅子目言彦に
立ち向かった
勇敢な戦士だ
伊辱することは
似が許さん
安らかに
眠れ
そして
誇れ
貴様は見事に戦ったー
貴様は見事に
戦ったー
第179箱
一切だしーーにーんげん
「私は人間が大好きです
こーだ。いーす
「あれ」
「ここは
どこだ?」
「中学生のときの
教室?」
「言彦にやられた
怪我も治っているぞ」
「服もだ
まさかーー」
「今までの戦いは全て
夢だったのか...?」
「違う!」
「なのにどうして
こんなところにー
「私は確かに
戦っていた!」
「ここは
どこだ!?」
ここは
安心院なじみが
お前の中に作った
空間だよ
彼女が死んだ
今となっては
だから私が..
間借りした
ただの空き教室
なんだけどね
無許可でね
まああの人も
別に怒りは
しないだろう
...お
お母さま
...?
お疲れさん
大変な人生
だったな
だけどお前は
そんな中とても
よくやったー
おめでとう
お前は
もう
戦わなくて
いいんだよ
......
受け取れ
ません
私はまだ
戦わなくては
なりません
善吉が不知火が
球磨川が
弟くんが
みんなが私を
待っています
......
懐かしいな
そして
悲しいな
私も
生きているときは
そんな風に
そうやって
お前みたいに
戦い続けて
きたものだよ
いつだって
向かい風の中を
先陣を切って
走ってきた
私が先頭を
走っていれば
そのあとに
みんなが続いて
くれると信じて
だけど
そんなことは
なかった
むしろみんな
私とは逆方向に
走っていった
世の中なんて
そんなものだ
世のため人のだめ
嫌われ役を
演じてたつもり
だったけれど
実際の私は
嫌われ役じゃなくって
嫌われ者だった
私の掲げる
理想なんて
誰も求めちゃあ
いなかった
......
一方で私は
見せつけられて
きた
利己的な悪意が
結果として
多くの人を救い
人間を進化させて
いく様子を
極論
戦争が起これば
大量の人間が
死ぬよな
だけど戦争ほど
経済を回転させ
雇用を産み
科学や医学を
進歩させる行為が
ないのは
誰にも
否定できない
事実だよ
善意が人を傷つけ
悪意が人を救う
という現実
心が折れるよね
まったくもう
木当に本当に
何もこれは
歴史の話をして
いるわけじゃなく
むしろ極めて個人的な
話なんだよ
たとえば私の弟は
クズみたいな変態
だったけれど
患者から悪魔と
呼ばれたこの私が
少しでも人間らしく
なれたとすれば
それはあの
愚弟のお陰
なんだ
その変態のお陰で
私は愛を知れた
世の中なんて
そんなものだ
理想を掲げても
結局何も変わらない
助けた奴は将来
人殺しになるかも
しれないし
殺された奴も将来
人殺しになって
いたかもしれない
お前は
曲がることを
憶えろ。
でないといつか
私みたいに
折れて
ぐねって
お前の友人は
英雄を継ぐのを
嫌がっているけれど
四年もすれば
意見が変わって
バックアップとしての
使命に目覚め
迷える魂に
なってしまうよ
今日はお前に
感謝しても
それは家業を継ぐのを
嫌がっている子供
みたいなものだ
むしろ嬉々として
英雄を継ぎたがる
かもしれない
いつかお前を
恨むかも
しれない
世の中なんて
そんなものだ
世の中なんて
そんなものだ
羨ましいです
そうやって
世の中を
語れるほど
世の中と
戦い続けた
あなたが
私はまだ
そんなものだと
語っていいほど
世の中を
知りませんし
がんばって
ません!
かつて私は
己のことを
その志は
破綻しました
見知らぬ他人の
役に立つために
生まれてきたと
謳いました
私には生まれてきた
理由なんて
なかったのです
信念もなくし
志も
24時間365日
誰からの相談でも
受けつけると
大言壮語を述べた末に
だけどそれでも
変わらなかった
気持ちが
ひとつある
人を見
人を知るたび
私は人間に
憧れてきた
私は人間に憧れてきた
私は人間が
大好きです!
その気持ちが
変わらない限り
私は
世の中は
そんなものだと
語るより
世の中は
どんなものだと
問い続けます!
......
死に直しに
行くような
ものだ
次は本当に
死ぬんだよ
死ぬことは
そりゃあ
怖いですけどね
私が
怖いのは
化物として
死ぬことです
きっと今は
無残な死に顔を
してると思うん
ですよ
白目を剥いて
みっともなく
口を開けてね
どうせ
死ぬのなら
私は
そんな顔を
仲間に晒すの
だけはごめんだ
私は化物と
してじゃなく
人間として
死にたい
欲を言えば
可愛く笑顔で
死にたいですね
......
パタンッ
女の子
ですし☆
...懐かしい
ってのは
取り消そう
悲しいって
のもね
私には
死んでまで
なお
だけどそう言えば
私にもあったよ
ひとつだけ
戦い続けよう
という気概は
なかった
迷いのない
後悔のない
いまだに
変わらない
気持ちって奴が
めだかちゃん
お前を
産んで
幸せ
だった
めっ...
めだか
ちゃん!!
!?馬鹿な!?
こんな新しい
ことが...:
貴様の心臓は
確実に破壊ったはず...!!
めだかちゃ...
おい!
待て!
急に動いちゃ...
な...払われた
わけでも
ないのに
弾かれた...?
皮膚が痙攣してー
いや今の『振動』は!!
スタイル...
ですよ
筋肉を『言葉』で
振動させ
その振動をポンプに
めだか様は
心臓が止まっても
それならば
血液を全身に
巡らせることが
できる
血管を動かして
いるんです
かつて月氷会に
心臓を貫かれた
梟博士も
そうやって
死にながらにして
三年間
活動を続けて
きたんです
心臓を停めた
ままー
動き続けて
きたんです
......
血色のいい...
死人......!!
...だけどもちろん
言うまでもなく
苦肉の策です
一度限りの
その場しのぎ
みたいなもの...
受けたダメージが
消えるわけじゃ
ないし
めだか様も
立ち上がるだけで
やっとのはず...
......
ふう...
すまんな
言彦
ちょっと
うとうと
してしまった
さあ続きだ
...
げっけっげ
しかし
練習した技は
もう新しくないぞ?
れんしゅう
さっきのは
練習!
ああ
だから
黒神ファントムは
使わない
新しい...
新しい技を
使わせてもらう
技?
...も
もう...
もうやめて
めだかちゃん!
あたしのために
これ以上
戦わないで!
もういいよ!!
あたしが我慢すれば
済む話なんだから!!
誤解するな
不知火
この戦いは貴様の
ためじゃない
私のための
戦いなのだ
私が我慢
できないんだよ
不知火
私は貴様と友達に
なりたいのだ!
めだかちゃん
...
極端な前傾姿勢:
私に使った
黒神オープンブロー?
いやあれは...
あれはなんだ!?
受け取るが
よい
血も肉も
心も闇も
私のすべてを
ぶつけるぞ
終神
モード!!
ナースルックで
花束を渡すと...
『退院おめでとう』
って感じだよね...
行くぞ言彦
これで終わりだ
終神
モード!!
......
......
どーした
お前ら
声出して
けよ
......
がんばってる奴
応援するのが
箱庭学園の
校風だろうが。
だから贄波
お前が語る...
......
がんばれ!!!
がんばる!!!
くろかみ
誤神ファイナル」
第180箱
瞬きをすれば
見逃す特攻
たとえせずとも
見失う突貫
しかし
箱庭病院跡
院長室
その場にいた者は
一人残らず
目にも止まらぬ
その
黒神めだかの
特攻突貫を
「目撃」した
むろん中でも
はっきり見たのは
獅子目言彦だが
しかしそれゆえに
旧き英雄の心は
冷え込んだ
「なんだ」
「この
程度か」
「確かに先刻よりは
速いようだ」
「ダメージが抜けて
いないことを
考慮すると」
「それなりに
見事ではある
しかしかのじょ
彼女は
高く評価しつつも
低く看破している
「その新しいスピードのトリックは」
「その新しい
スピードの
トリックは
心臓停止」
「心臓停止」
黒神ファントムの
威力・破壊力を
跳ね返され
心臓が停止した
黒神めだか
全身の筋肉を振動させ
血液を循環させることで
まさかの復活を遂げた
そしてその効能は
ただの蘇生には
とどまらない
つまるところ
それは彼女の
全身がポンプ
全身が心臓に
なったことを
意味するからだ
巨大な心臓
そのものと化した
彼女の脈拍は
いまや常人の数十倍から
数百倍に達し
その値はそのまま
身体能力に
直結する
「が」
「その程度か」
「大して
新しくもない」
多数の心臓を持つ難敵とも
戦ってきた言彦にとって
たかが全身が心臓の少女など
まるで恐るるに
足らなかった
「結局この少女も散るのみか」
一結局この少女も
散るのみが」
「三千年前の
優しき策略家の
ように」
「二千年前の
老獪な魔女の
ように」
「四千年前の
勇気ある
少年のように
「千年前の
二刀流の義賊の
ように」
「そして」
「安心院なじみの
ように」
「散」
ぬううう
なっ.....
おあああ!?
言彦に激突した
めだかちゃんが...
消えた!?
めだかちゃんの
後ろから
めだかちゃん...!?
まさか
今のは
運足による
分身の術う!?
『増える』
分身の術と
『消える』
黒神ファントムの
合わせ技...!
嘘でしょ!?
そんなこと
できるの!?
つまり
一人時間差攻撃!!
いわば
見えない
フェイント...!
インパクトの瞬間を
ズラすことで
言彦の肉体と精神の
弛緩を狙い澄ます:
だ:だけど
それじゃ結局
さっきと同じだ!
言彦はあたし達が
言うところの
弛緩なんて
しないんだ!
次元が違う!!
いや違う!
隙をつこうと
タイミングをずらそうと
戦闘態勢にある限り
格下の攻撃なんか
十分に跳ね返す!!
『あれ』は一人時間差
どころじゃない
スリップ..
ストリームだ!!
壁。
地球上で速度を追求するとき
地球上で
速度を追求
するとき
人間にも化物にも例外なく立ちはだかる壁がある
人間にも化物にも
例外なく立ちはだかる
壁がある
比喩ではなく
本物の
物理的な壁
物体が音速を
超えるときに衝突する
その『見えない壁』の
正体は
言うまでもなく
圧縮された
空気の壁である
日常生活を送る分には
まったく意識される
こともない『空気』
しかし
スピードを出せば
出すほどに
幾何級数的に
その「空気」は
行く手に
立ちはだかる
最悪の場合
空気の壁への
正面衝突で
高速物体は
崩壊することさえ
あるのだ
その『壁』をとっぱ
強引に突破するのが
「黒神ファントム」であり、
その『壁』と
折り合いをつけたのが
改神モードを用いた
『黒神ファントム
ちゃんとした版』である
しかしどちらにしても
ここが地球である
以上
空気抵抗による
減速という
原則からは
逃れられない
速度を追求するほどに
スピードを追い求める
ほどに
スピードに乗って
対象を破壊する以前に
逆に減速を
スピードダウンを
避けられなくなる
明白なる矛盾
だが
逆に考えれば?
「空気」を突破するために、
スピードとパワーを
殺さねばならない
明白なる矛盾
「空気の壁」ではなく
『矛盾の壁』こそを
突破することさえ
できれば?
それが
『スリップ
ストリーム
黒神めだかは
分身を先行させる
ことで
分身と言っても
それは移動の残像で
あるー
先陣を切れば当然
空気抵抗を引き受け
先陣を切って
走ってきた
言彦までの分厚い壁を排除したのだ
言彦までの
分厚い壁を
排除したのだ
後続のための道を切り開く
先駆けとなる
そのあとに
みんなが続い
くれると信じて
むろん彼女自身の
スピードとパワーに
変わりはないが
しかし
遮蔽物なき今
スタイルで増幅された
運動エネルギーを全て!
完全に対象に
ぶつけることが
できっ...
外した!?
いや...言彦が!
獅子目言彦が
避けたぁ!?
やっ...
約束が違うぞ!!
言彦てめえ!!!
めだかちゃんの攻撃を
すべて受けて立つんじゃ
なかったのかよ!!
...そんな約束
信じるほうが
どうかしてるだろ
「遊んでんじゃ
ないんだし
『言彦は
めだかちゃんじゃ
ないんだぜ
むしろここは
ああも速度に
乗った
黒神ファントムを
避けた言彦を
褒めるべきだ...
限界だ...
いや
めだか様は
げ
終わった..
いくらめだか様でも
これ以上の黒神ファントムは
ありえない...
私と戦った時点で
限界なんてとっくに
超えていた...
げげげけ
悪しからずだ
この勝負
儂の勝ちだ
黒神ー
な、
くっ
黒神
ファントムを:
曲げたー
!つ!?
自身の背後から
相手の背後から
忍び寄る
光速を追求しながら、
間に潜むーー
視覚ならぬ
死角の移動術
これぞ黒神ファントム
最終版
くろ
黒神ファイナル!
......
げげ
なるほど
ファイナルか
一周
回って
新しい
少女だ...
...曲がることを
憶えただけだよ
急がば曲がれとでも
いうのかな
もしも初撃を
避けられて
いなければ
倒れていたのは
私だった
貴様も無傷では
なかっただろうが
いや
どちらに
せよ
私は
倒れるのか
この勝負
引き分けー
......
不知火
ちぇ...
先越されち
まったな
まあ仕方
ないでしょ
今日ばっかりは
不知火ちゃんに
譲ろうぜ
引き分けじゃ
ないよ
めだかちゃん
この勝負
文句なく
儂の
勝ちだ。
げ
げげ
げっ
げっげ
うむ。やはり
新しい肉体は
新し
良い。
最後を踏まないように
気をつけなきゃ。
げっげっぽっぴっぱっぽつ
げっげっばっげつげっぱ!!!
あ!!!
新しい
新し
わたしたち、
「私達は負けた
第181箱二
良いいいわいいしいい!!!
良いいいぃいっっっッ!!
いいぃい!!!
そ...そんな
不知火が
不知火が...
獅子目言彦に...
なっちまった...!!
........!
げげげ
とは言え予定より
四年も早い緊急避難だ
不具合が生じて
おらんかどうか
確認せんとな
どれどれ
生粋の不知火は
どんなもの
かのうー
第181箱
わたしたちも...
平和達は負けた後だ
お問い合わせ
げ
げげげ
どうやら
問題はないな
前の器との
ギャップには
戸惑うが...
まあ
百年以上酷使した
前の肉体と
十代の肉体
ギャップはあって
当たり前か
儂のことだ
すぐに慣れるで
あろう
むしろしばらくは
力の制御に
気を使わねばの...
もっとも
四年先んじた分
サイズだけは
どうにもならんな
やむをえん
このたびは少女の肉体に
甘んじるとしようー
ん。
そう言えば
儂をこの身体に
追い込んでくれた
功労者はどうなったの
かのうー
はぁ...
はぁ...
不知火...
言彦...
げげげ...
あの破壊の中
仲間をかき集めて
庇ったのか
......
.....
一緒にするな!
どてっ腹に風穴を
空けられながら
どこまでも
新しいなあ
貴様は
いや
新しくも
ないのか
昔の儂を
思い出す
わい..
約束を破り!
少女の身体を
乗っ取った貴様と!
英雄失格の
貴様と一緒に
されたくはない!
不知火を返せ!!
私の...
そういえば、
私の友達を
返せ!!
めだかちゃん...!?
終神モードを
黒神ファイナルを
もう一度...!?
無茶だ...
めだ姉
心臓も停まり!
風穴も空いて!
二回もできる
技じゃない...!
乗っ取ったとは
人聞きが悪いな
それに
返したくとも
返せんよ
これはもう儂―
獅子目言彦でしか
ないのだから
やかましい!
それは
それは
不知火半袖だ!!
........
先刻晒した醜態から
すれば致し方ない
こととは言え
獅子目言彦も
軽んじられた
ものだの
同じ技を二度も
使用されるなど...
......
げげげちょっ
絶望したか?
絶望したようだな
げげけげ
今やその
黒神ファイナル
とやらは
儂にとっては
攻撃ですら
ない..
だから
跳ね返すまでも
なかった
だから優しく
受け止めて
やった
貴様は今や
儂の敵では
ないのだ
まあ
そうは言っても
黒神めだが
その傷で
生き延びることが
できれば
いい勝負
だった。
今儂にあるのは
そんな爽やかな
感慨だけだー
貴様ほど
獅子目言彦相手に
善戦したやつはおらん
またいずれ
相手になって
やろう
!?
待て!
聞こえのいいことを
言って逃げるな!
ちゃんと私と
最後まで戦え!!
「.....
「なんだ」
「なんなんだ
こいつは」
「諦めるに足る
絶望はくれて
やっただろう」
「メンツは顔は
立ててやったはずだ
体裁は世間体は
繕ってやったはずだ」
「その上で
実力も認めて
やっただろう」
「なのになぜ
この期に及んで
戦おうとする?」
なのになぜこの期に及んで戦おうとする?」
「ここは潔く
負けを認めるのが
理想的な英雄像
だろうが」
「なのに
どうしてこんな
すがりつくような」
「みっともない
真似をする?」
「大方壊れた両腕を
スタイルとやらで
振動させて
動かしているのだろう」
この際いっそのこと
五体を砕いてしまうか
......
「いや」
「無駄だな」
「心臓が停まっても
戦い続けるような
少女だ」
「五体を砕いても
関係あるまい」
「砕くべきは
ならば」
肉体ではなく
心」
「砕くべきは
ならば」
「あれらか」
!!
やめろ!
ひこ
貴様言彦
はー
何を考えている!!
げっげっけっ...
黒神めだか
責様は
そんな真似は
私が許さん!!
空気の壁」に
ぶつかる』の
ぶつからない』だの
えらく忙しかった
ようだが
僕ならその『空気』を
ぶつけることが
できるのだぞ?
こんな
風力に!
「...そうだ」
「それでいい」
「颯爽と儂を
帰らせろ」
「仲間も友も
恋人も」
「それでも
戦い続ける
ことなど」
「英雄は守るものが
あってこそ英雄」
「それができたら
もう人間じゃあ
ない」
土地も世界も愛も信頼も失って」
「土地も世界も
愛も信頼も
失って」
「全知全能」
「安心院なじみ
同様の」
「やれやれムキに
なってしまったな」
「だがまあ
よかろう」
「この儂にさえ
できなかった」
「人外でしか
なくなるだろう」
「もとより今の儂は
生きるだけが
目的の」
英雄にあらざる
者なのだから「
...返せ
不知火を
不知火を
返せ...
........?
いい加減に
しろ!!
おうじょう
往生際が悪いぞ
だらだらと
化物め化物の
化物め札物め!
貴様の負けだ!
負けなんだよ!
戦いを汚すな
この化物め!!
その手を離せ
鬱陶しい!
生きてます?
寿ちゃん
...まー
なんとか
あんたのお陰でね
紅ちゃん
お陰と言われると
心苦しいですね...
「嘘八百」で
咄嗟に『人の壁』を
作ってみたものの
ありふれたものを
武器にする
獅子目言彦の
真骨頂とは言え
......
あの辺の
連中は?
799人の壁なんて
半紙ほどの気休めにも
なりませんでしたし...
いえ...そこまでは
『私』が回りません
でした
恐らくは全員
なすすべもなく
即死でしょう...
まさか地球上で最も
ありふれた『空気』を
武器に使ってくる
とはね...
そう...残念ね
愉快な奴ら
だったのに
あんたの壁で
守りきれた?
まあこの状況で
即死ならむしろ
幸運か...
じゃああとは
黒神があのまま
嬲り殺しにされて
終わりだね
そうですね
...
結局梟博士も黒神も
言彦相手にいいとこなしの
完全敗北ってわけだ:
ふん
まあ
いいか
そうですか?
私は
私達はこのまま
死んだ振りで
やり過ごしますか...
つまらなかった
ですとても
いいとこなしは
私達も同じ
だったけどね
特にこの終わり方は
はなはだ不快ですね
そこそこ
面白かったわよ
私は
めだか様の行動は
最早
徹頭徹尾
そてもとても
第一めだか様が
もっと早い段階で
言彦がああやって
怒るのも
無理ありません
常軌を逸して人知を越えているとしか言えないでしょう
常軌を逸して
人知を越えているとしか
言えないでしょう
不知火さんを
諦めていれば
ここまでのことには
ならなかった
そりゃあ友達は
大切でしょう
だけど
その友達を
守るために
すべてを失うなんて
何がなんだか
わからない
全体と部分の
区別がつかない
本末転倒です...
それこそ
友達なんて
空気みたいに
ありふれてるのに
いーじゃないですか
沢山いるんだから
一人くらい...
まるで末期の
ギャンブラー
負けを
取り戻そうとして
結果何もかもを
なくしてしまった:
破滅的というか
壊滅的というか
私には理解不能な
生き方です
拳を交わそうと
言葉を交わそうと
最後まで
欲が深過ぎるん
ですよ
要するに...
私には
めだか様のことが
わかりませんでした
わかんない
かなあ。
それが
わかんない
から
私達は
負けたん
だよ。
はあ...はあ...
はあ...はあ...
はっ
ふぅー
ふぅー
ようやく手を
離したか...
手間取らせおって
この..
このっ...
このっ...
化物!!!
「くそっ...なんだ
この後味の悪さは!」
一勝った気がまったく
しない!」
「颯爽どころか
本当に逃げ帰る
ような気分だ...」
「これ以上こいつと
関わりたくないと思う
儂が確実にいる!!」
「!」
今度は誰だ
貴様達は...
貴様達は
何度!
.!!
大体何なのだ
貴様は!
里では見なかった
顔だが...
何度僕を振り向かせれば気が済むのだ!!
何度儂を
振り向かせれば、
気が済むのだ!!
貴様も黒神めだかの
仲間なのか!?
いやあそれが
仲間でも友達でも
ないんだなあ
私は
あんたと同じ
守るもののない
なんとなく
生きてるだけの
奴だよ
...その
生きてるだけの奴が
なぜ僕の邪魔をする!
貴様!
貴様一体
何が狙いだ!?
受け狙い。
ただ
村ちゃんのお陰で、
死なずに済んだって
言っても...
私をこんな修羅場に
遅んできたのか
打ちゃんなんだけどね...
そりゃ心苦しい
わけだ...
ああ
死んだ
今度こそ
はに
とっと
こことは
第182箱
言葉は痛く
今度の
今度こそ
死んだなあ
真っ暗だ
真っ黒だ
なにも見えねえ
カッ!
なるほど
これが死ぬって
ことかよ
四方八方
完全なる闇だ
天国でも地獄でも
あの世でもない
ただの闇
何も見えねえ
おいおい何を
言っているんだよ
人吉くん
もちろん
中学校の教室
でもない
さみしいなあ
さびしいなあ
何も聞こえねえ
まさか俺達の声も
聞こえないと
いうのかい?
誰だ?
頑張ってよ人吉!
ここで倒れたら
お前じゃないだろ!
しゃんとしな
善吉くんーー僕に
もう一度鍛え直して
欲しいのかな?
ケケケ!
所詮そんなもんかよ
テメーの正しさは?
バケモン女の下働きで
終わってんじゃねーぞ
がっかりさせんなや
不幸にする気かよ
何死んでんだ善ちゃん
―俺をこれ以上
誰の声だ
わからねえ
うるさい
なあ
どないしてんな
ジブンまだ
凡才の持ち味
出してへんやろ
情けない!
それでも私の
上司ですか
人吉会長!
ここで死ぬような
きみじゃあ
とっくに僕に
殺されているさ...
静かにして
くれよ..
大丈夫!
命がなくても
夢と希望が
あるじゃない!
学園の外で
勝手に死ぬなんて
不愉快です!!
大丈夫!
私が好きになった
人吉くんだもん!
俺はもう
眠いんだ.....
やれやれ
ざまあねーなあ
人吉くん
めだかちゃんに勝つ』と
僕に啖呵を切ったときの
あの威勢のよさは
どこへ行ったのさ?
え?あれ?
なんだ
どういう状況だ?
俺は言彦に殺されたんじゃなかったのか?
俺は言彦に
殺されたんじゃ
なかったのか?
今度こそ
死んだと
思ってたのに!
どころか
不知火の里で
言彦にやられた
怪我までが治って...
まさか今までのことは
思春期特有の妄想!?
んなわけ
ないでちゅ
ばーか
はぁ
あたちのスタイル
『童話使い』で
きみの死体を2日ほど
若返らせただけでちゅ
よーん
寿常套...
ああ
そうか
お前のスタイル
か
確かに『童謡』なら
言彦の破壊も
直せるけれど
だけどお前のスタイルって
死体にまで通じるの
かよ...
そうみたいね...
あたちもやったのは
初めてだけど
っていうか
俺の生死なんか
どうでもいい!
めだかちゃんは!
不知火は?言彦は
どうなったんだ!?
そういや
眼鏡まで
戻ってるな...
あーもう
騒がちいなあ
生き返らせるんじゃ
なかったよ
きみなんか
なっ..!
贄波が!
贄波が言彦と
互角に戦って
いるだとぉーーっ!?
すごいね
さすがは僕達私達の
贅波さん!
結局みんな最後は
貴波さんにおんふにだっこ
だもんなぁー!
!!
え!?何賀波
お前双子だったの!?
ほら
よく見なよ
お前に仕掛けてる...
わけじゃないから
目を凝らせば
見えるはずだよ
嘘だろ
お前みたいな奴が
この世に二人も
いるのかよ!!
あーちが
違う違う
私は双子じゃないし
あれは私じゃないし
枉!
むかけがえ!!!
あれぞ紅家代表
紅かけがえの
もうひとつの
スタイル
換喩使い。
ある言葉を概念の
近しき他の言葉に
置き換えることを
「換喩』という
たとえば...
箱庭学園においいて『十三組』と
言うとき、それは
『十三組に属するアブノーマル」を
意味する。
言葉使いと言えば
全分家代表と互換可能
転じて紅さんは
己という概念を
同属性の別の概念に
置き換えーー
言い換えることが
できるんだ
言い換えるって...
なんだよそりゃ
滅茶苦茶な...
いや...
そう言えば箱庭学園にも
それに近いことが
できる人がいたな...
行橋未造/時計塔地下で
行橋先輩がめだかちゃんに
化けていたことがあった..
普通の特技とは言ってたけれど
あれは共感能力の高い
あの人だからこそできる
「普通」だったのか...?
だ...だけど
なんで柾の奴
そんなことしてんだ?
贅波になるくらいなら
死んだほうがマシというのが
人類の共通認識だろ?
人苦
お前にはあとで
話がある
なに
簡単だ
今言彦相手に
時間稼ぎができるのは
『逆説使い』の私だけ
だからね
だから紅さんは
私になるしか
なかったのさ
逆説使い
...
なんだよ
説明はいらない
だろ?
お前は漆黒宴で
軽く体験
しているわけだし
いや
そうじゃなくって
逆説使いなら
お前がいるのに
どうしてわざわざ
紅が...
そもそも
時間稼ぎって...?
私がお前に『逆説』を
伝授するまでの
時間稼ぎだよ
人吉
そしてお前が
言彦を倒すんだ
そのまま
動くな
スタイルってのは
パターンだ
振動としてー
伝えることができるんだ
共振作用
いやなんで
俺なんだよ
それこそ別に
俺が使わなくても:
無理だよ
だって
お前以外は
全員死んでる
もん。
ごめんね
あたちも
死にかけでさ
喉が枯れちゃって
声量不足で
なけなちの
声を振り絞って
なんとかきみ一人を
生き返らせたんだ
じゃあより一層
なんで
俺なんだよ
一人しか枠が
なかったって
いうんなら
きみちか若返らせ
――生き返らせられ
なかった
そ...それに貴波!
第一俺に伝授しなくても
――伝導させなくても!
本家本元であるお前が
使えばいいだろうが!!
因果や優劣!
上下や強弱を
逆態接続する
俺じゃなくて
めだかちゃんや球磨川を
蘇生させたほうが
絶対によかったじゃ:
事実杜は
お前に「互換」したことで
ああやって戦えて
いるじゃねえか!
だったら
ここは
お前が...
だからこそ」の
逆説とやらを!!
私には
無理だ
私はなんとなく
生きてるだけの奴だ
こうして梟博士から
反則級のスタイルを
伝導されて
いるけれど
私は生煮
煮え切らない子
今はたまたま
お前達に協力的な
気持ちになってるけど
主義も志も夢も
希望も思想も
大切なものも
守りたいものもない
いや
5秒後には
気持ちが変わってる
かもしれない
歪んではいても
強い愛情があった
梟博士ならまだしも
そんな私じゃあ
言彦には勝てない
勝っちゃあ
いけないんだよ
私みたいな奴が
世界を救っちゃあ
駄目なんだよ
世界は
お前みたいな
意志のある奴が
救うべきなのさ
黒神や球磨川じゃなく
お前を蘇生させたのは
お前が一番「逆説」を使える
可能性が高いからだ
言彦が乗っ取った
あの肉体の
持ち主
不知火半袖の
気持ちを知る
お前が
ご存知の通り
相手の気持ちが
わからないと
届かないからね
言葉は
......
荷が重い
そんなの
俺にだって
無理だよ
いくら
スタイルとやらを
伝導させられ
ようと
世界なんて
俺にだって
救えねえよ
俺なんて本来
この場の誰とも
口が利けないような
......な
情けないこと
言わないで
欲しいでちゅー
めだかちゃんが
勝てなかった奴を
俺なんかが...
荷が重かろうが
軽かろうがどうせ
きみはこのあと
死ぬんだから
死ぬ気でやれば
いいじゃん
普通の奴
なんだよ..
え?
当然でちゅー
あたちのスタイルに
永続性はないんだから
効果が切れたら
きみは死ぬよ
元通り
...荷が重いと
いうのなら
人吉くん
今はまだ世界なんて
救わなくてもいい
その代わり
友達一人くらいは
救ってやれ
不知火ちゃん
だけはまだ
ああして生きて
いるんだから
...贅波
お前一体
本当に
何者なんだ...?
僕が
!?まさか!
お前ーー
あんた!!
きみが思い出せないなら
誰でもないよ人きくん
だけどそろそろ
思い出して
欲しいものだぜ
果たして何者で
誰なのか
安心院さー
え?ごめん
安心院さんって
誰だっけ?
ですよ
ねえ!
だったら本当に
誰なんだよお前は!!
言ったでしょ
だから
私は
なんとなく
生きてるだけの
奴だって
ほら行けよ
スタイルの伝授は
終わった
口も利けないとか
ほざいてないで
一時的にだが
これでお前も
言葉使いだ
大切な友達に
大切な言葉を
届けてこい
......
言葉を...
おや
どうした
人吉くん
そんな臆病で
どうやって
今まで
めだかさんの隣に
いたんだい?
!!
阿久根先輩...
そうだ
これは...
阿久根先輩の
声だ...
そうだよ
今のお前なら
きっと世界だって
救えるよ!
全財産
賭けたって
いいもん!
喜界島...
おいおい
やめてくれや
よーし
ここから
根性見せろや
善ちゃん
うん
それでこそ
うんそれでこそ
全財産は
張り込み過ぎだろ
ケケケ!
立ち上がる以上は
戦えよ
テメーの正義を
貫きな
倒れたときこそ
立ち上がる
チャンスだろ
せやな
卑怯な手でも
なんでも使て
めだかちゃんを
任せるに足る
男だよ
はい..
そうですね
名瀬師匠
真黒さん
雲仙先輩
鍋島先輩
英雄が相手でも
なんでも
勝ったったら
ええねん
いつも叱咤激励
ありがとう
ございます
人吉くんなら
絶対に
勝てるよ!
早くみんなと
帰ってきて!
絶対に勝てるって..
お前は無茶ばっか
言うなあ江迎...
大丈夫!!あなたなら
また生き返れますよ
人吉会長!!
ほら見ろ
お前は最初から
黒神なんて
越えてんだよ
そうだ
僕に殺せないきみが
他の誰かに殺される
わけがない
また生き返れるとか
言うなよ
虎居庶務
鹿屋先輩
だからあんたは
俺を買いかぶり過ぎ
なんですよ..
お前は本当に
楽観的で真っ直ぐな
奴だぜ
ええ
もちろんです
宗像先輩
さあ!
風紀を乱す悪者を
やっつけてください
人吉くん!!
よく立ったね!
さあ!
今こそ変身の
ときだ!
当然だ
風紀は守らなきゃな
鬼瀬
カッ...今回ばかりは
それもいいかもな
与次郎
みんなの声が
聞こえる
みんなの言葉が
聞こえる
ああもちろん
幻聴だ
今までみんなから
聞いた言葉が
都合よく編集されて
リフレイン
されているだけだ
だけど
それでいいんだ
みんなの言葉が
俺の中にある
確かにある
それだけで
俺は
戦える!!
言葉は
届く/
安心したぜ
だったら
僕の言葉も
きっと
きみの中に
あるだろう
からね
人吉くん
ならば次に
すべきことは
わかるはずだよね
行って
らっしゃい
言って
らっしゃい
ぐっ...
駄目だ...限界だ
私じゃあ結局
『逆説』が使える
『だからこそ
獅子目言彦には勝てない。
私じゃあ言彦の...
「そしてこの子の
気持ちがまったく
わからない
お届け
ものだぜ
そして
言彦
不知火!!
この構図:
まるで私が
ヒロインのよう
こここだけ!!
人吉善吉は
父親を知らない
自分を育てるために家事に仕事に懸命な
自分を育てるために
家事に仕事に懸命な
「どうしてもそれよりメイン
母親の背中だけを見て育ってきた
母親の背中だけを
見て育ってきた
聞けば
凡庸な男だった
という
その凡庸さゆえに
非凡な母に
恋をして
そしてその
凡庸さゆえに
非凡な母から
逃げ出したそうだ
既に黒神めだかを
知っていた人吉少年は
それを聞かされても
父親を恨む気には
なれなかった
なんだったら
大好きな母親と
二人きりに
してくれた父の
現在のご多幸を
お祈り申し上げる
くらいだった
だけど
そんな凡庸な
父を思うとき
凡庸な我が身を
省みていつも
彼はこう誓う
俺は俺の
凡庸を」
「誰かの非凡の
せいにはしない」
非凡な
奴らから」
第18号
ところ、とも
ということによりそれより、
俺は決して
逃げないぞ」
「凡庸な
俺から」
...なんとかお前の
言った通りの形まで
持ってこれたけど
どうなの
賛波
これで
勝てるの?
......
わかんにゃい。
......
ああいや
これは
ギャグとかじゃ
なくて本当に
わかんにゃいの
...どうでしょう
協力させては
もらいましたけど
私としては
どうしても
自分で使ってみて
実感しましたけど
逆説使いってのは
あれでしょう?
あなたとか
梟博士とかの
ひねくれ者向きの
スタイルでしょう?
生煮ちゃんが
戦うべきだったと
思いますけどね
それはあなたの
言う通りだよ
紅さん
だけど今の
言彦相手なら
素直で純朴そうな
人吉くんに
使いこなせるとは
とても思えませんが:
やっぱり
人吉善吉が
適任なのさ
そういえば、
ぬ
ぬうう...
お...おおお
避けてる...
ちゃんと避けてる
あの言彦の
攻撃を...
肉体が刷新
されてる
言彦と
刷新されてる
からこそだよ
常套さん
あいつちゃんと
戦いになってる
じゃない..
今の言彦の肉体は
不知火半袖のもの
なんだもの
だから人吉には
言彦の動きが
言彦の気持ちが
読めるのさ
.....
ただし
わかる『だけじゃ
さっきの黒神と
同じだ
あなたが
噛みつかれたとかいう
全吉モデルとやらを
使ってみればよいのでは?
それは反対に
相手の肉体が
不知火だからね
スタイルの使い方
としてはまだ半分
なんだけどね...
...いや
なんだか
正喰者』で作られた
全吉モデルは
使い道がないんだよ
いいことばかり
じゃないですね
となると厳しい
避けてるだけじゃ
私と同じで
ジリ貧ですわ...
でもほら見て
二人とも
苛立ってるみたいよ
言彦の奴
「なぜだ」
「なぜだ」
「なぜだ」「なせだ」
黒神めだかと
いうのならば
まだわかる」
「この獅子目言彦には
遠く及ばないにしても」
「先刻の
紅かけがえでも
まあいいだろう」
「奴らはそれなりに
非凡なー
選ばれし者だった」
「だがなぜ!」
「どうして!」
こんな顔も名前も
憶えられんような」
特に見るべきところのない
凡庸極まる男に」
「儂が苦戦せねば
ならんのだ!?」
群れをなした
軍隊でもない
たった一人の
凡人にー
__
「いや」
「この男本当に
一人なのか?」
「先刻来から
この男」
「まるで
見渡す限りの
「心と共に
あるようなー
やむ、ほんほうが
........
これが咎なのか
「安心院なじみ
これが」
「責様が命を捨ててまで
守ろうとした
ものなのか」
人吉くんの
蹴りを避けた
黒神ファイナルさえ
今や避けない言彦が...
わかるんでしょ
直感的に
逆説的に
通じる攻撃...
自分に通じる
攻撃って奴は
も
やっぱり
当たらなければ
意味がない...
腐っても
英雄だ
次元を越える
スタイルにすら
言彦は早くも
対応しつつある...
これは..
駄目かな
人苦に託した
逆説のリズムは
文字通りの
付け焼刃だ
私の振動で
あいつの身体を
共振させただけだから
時間が経てば当然
振動は弱まる
そうなったら
もう逆説も
逆接もない
......
カッ!
順当に予定調和な
敗北を喫するだけだ...
互いに
当たれば終わりの
決定的な一撃を
持っているのならば、
確かにこのままでは
人吉善吉の敗北は
必至だった
タイムリミットのある
彼のほうが
圧倒的に不利なのだから
しかし
それでも
彼は
逃げない!
!?
なにやってんだ
あいつ...今のは
避けれただろ!?
まさか気持ちが
切れたのか!?
プレッシャーに耐え切れず、
早く楽になりたくて...
いえ違います
今のは...
今のはわざと
喰らったんです!!
獅子目言彦が
世界に与えたダメージは
その後決して回復しない
受けたダメージは
二度と元には戻らない
それを知れば
誰だって
言彦の攻撃を
避けようとする
避けられないまでも
避けようとはする
少なくとも回復不能な攻撃を
少なくとも
回復不能な攻撃を
あえて喰らうなんて
選択はありえない
たとえ
そうすることで
言彦の
虚をつけると
わかっていても。
だからこそ、
喰らってやったぜ
獅子目言彦!
逆!
説!!
的にな!!!
げげげ
そうだろう
そうだろう
貴様には
蹴れんだろうよ
親友は
...
やられた...
言彦の奴
ほんの一瞬だけ
肉体の支配権を
終わった...
........
不知火に
戻したんだ...
千載一遇の好機を
ものにできなかった
人苦の負けだ
げけげげげけけげ
げゲげげげけげゲ!!
儂の攻撃を避けんとは新しかったぞ!!
儂の攻撃を避けんとは
新しかったぞ!!!
折角だ!!!
その新しさをもっと
味わうが良いわーーっ!!!
........?
な...
なんだ
...?
身体が...
動かな..
一瞬だけ
固まって...
まさか?
肉体の
支配権を
不知火に
返した...
だって?
ばーか
その一瞬を
狙い澄ますのが
俺の親友
不知火半袖だぜ
半袖の意識が
僕の拳を止めたと
いうのか...!?
わかり
合ったのさ。
まさか貴様...
わかっていたのか
こうなることが!!
わかっていた
んじゃねえよ
俺が今まで
不知火と
どれだけ言葉を
交わしてきたと
思ってんだ
それが言葉の
真髄だろ。
なっ..
よせ!
やめろ!
何をするつもりだ
半袖!!
お前が破壊
したものは
二度と修復
されないんだって?
不可逆の
デストロイヤーさん
そんな
てめーが
てめーを破壊れば
どうなるんだ?
...!!
ぬ...
ぐ...ぬ...
ふざけ...
ふざけるなよ
半袖!
儂がどれだけ
貴重で!希少で!
珍しく,頬を見ない!
保存すべき唯一なのか!
こんなことをすれば
貴様も無事では
済まんのだぞ!!
......
何を黙って
おるのだ
善吉よ
貴様も不知火なら
わからんはずが
なかろうが!!
勝者の義務だぞ
名乗りをあげて
引導を渡してやれ
ほら
なんだっけ
めだかちゃん...
儂は!
ああそれから
折角だから
言っておけよ
私の幼馴染は
どんな風に
格好いいんだっけ?
歴史上
ただひとりの!
たったひとりの!
儂は
獅子目言彦!!
五千年生き続けた
伝説の英雄だぞ
おおおぉおお!!
そうかい
俺は人吉喜吉ー
一人ぼっちじゃ
一秒だって
生きていけない
デビルかっけえ
高校生だよ。
えっ
終わった...
人昔の負けを
これは
ギャケかな...?
わかりません...
ギャケに見せかけた
シリアスに見せかけた
ギャグかも...
...
ああ
生きてる
弱っちいくせに
よくよく
生き汚いというか:
しぶといよな
あたしも
祭江84箱
「そしてめだかちゃんは」
だけど
その代わり
残ったんだ
あたし
みんなが
あたしだけ
生きてても
うっ
だけど
みんなが
死んじゃった
そんなの
そんなの
なんの意味も
ないよお
うわあぁあああ
ああぁああ
ううっ
人苦い...
めだかちゃん...
みんなぁあああ
ああぁああ...
呼んだか?
用事なら
ちょっと
待ってくれ
今髪を
結ってる最中
なのだ
え...!?
みんな...
どうして!?
ふふっ
言っておくけど
幽霊じゃないよ
ほら!
ちゃんとこうして
足があるだろう?
お前よく
恥ずかしげもなく
そんな子夫のない
こと言えるよな...
別に私達
「みんな」の枠に
入ってませんしね:
どうして
生きてるの...?
言彦の破壊は
不可逆のはず
なのに...
私にも詳しくは
わからんのだが..
どうやら言彦が
消滅したことで
その不可逆が
可逆になったようだ
そんな...
倒したら効果が
消えるだなんて...
ゆえに二五本の病爪』による
蘇生がぎりぎり
間に合ったわけさ
それじゃあ
まるで...
スタイル...!!
そうだね...まあ
全く一緒じゃなくとも
似たようなものでは
あったのかもね
次元を越えて
伝わる言葉...
次元を越えて
繋がる言葉...
だとすれば
それも随分
皮肉な話だけれど
誰よりも強い
孤高の英雄
ただ一人の存在
獅子目言彦こそが
誰よりも強く
コミュニケーションを
望んでいたなんて..
...とにかく
ありがとう
みんなのお陰で
あたしは..
カッ!
おいおい不知火
ありがとうはねえだろ
筋合いねーよ
それともお前は
家に帰ったとき
ありがとうって
言うのかよ?
......
そうだね
ただいー
「あ」
ごめん
また僕だ
構わず
続けといてー
ピルルルハ!
...帯さまから
かな?
かもしれませんね
恐らく
!!
うんわかったよ
武器子さん
めだかちゃんに
代われば
いいんだね?
武器子さんって月水会の
兎洞武器子さん!?
見境ねえ!!
球磨川お前
月水会ともアドレス
交換してんの!?
言彦が倒された
ことに気付いたの
でしょう..
ほうほうの女子と
アドレス交換しまくって
一体お前の何が
マイナスなんだよ!!
ご無沙汰だな
武器子さん
ん?
武器子さん!?
なんだか
通話が遠いな
どこからかけて
おるのだ?
海外か?
ご名答
海外です
相変わらず
鋭いですね
めだか様
正確には
赤道直下黒幕島!
黒神宇宙開発センター
ですよ
そんなに
前の話じゃ
ありませんし
もちろん
ご記憶
ですよね?
ああ憶えておるとも
漆黒宴決勝の
舞台であろう?
あのときは
貴様の顔に
泥を塗ってしまって
申し訳なかったな
ああいえ!
そのことは
もういいんです
ただここが
決勝の舞台に
なったのは
あくまで偶発的な
展開だったの
ですが...
?
ああそうだったな
元々決勝...というか
漆黒宴の三次会は
はい
その通りです
で...
なんと言いますか
荒唐無稽にも
月で行われる
予定だったとかー
結局は使用されなかった
その三次会会場の
お月様なのですがー
現在地球を目掛けて
超高速で
この
落下中です。
!?
言うまでもないとは
思いますが
月の大きさは
地球の約四分の一で
もしもそんな巨大な
天体がこのまま
地表に直撃すれば...
聞いた通りだ
黒神ー
そちらの状況は
およそ読めておる
鶴喰博士が
死んだのであろう?
これはそれゆえの
出来事だー
と言えば
汝にはこちらの
状況がおよそ
読めるであろうな
桃園喪々...
........
代われ
汝にはこちらの状況がおよそ読めるであろうな
そうそれぞ
己の死後に発動する
未期の言葉
鶴喰家元当主
鶴喰梟
最期の切り札
『遺言使い』!!
博士は再び目的半ばで
死ぬときは
金人類と心中する
つもりだったのだ
思い通りにならない
世界はいらないという
あの変態らしい
発想だが
事実上地球を人質に
取っていたようなもの
である
それにしても
気をつけろよ?
我が息子
お前の命は過毛より
軽いが俺の命は
地球より重いんだぞ
言いにくい
話ではあるが..
聞けば汝は
黒神家の家長を
継いだそうだの
ゆえに吾輩は
奴の思惑に乗って
おったのだが
...もちろん
わかるとも
......
わかっておる
黒神家の家長は
私の現在地は
箱庭病院跡だ
今すぐ迎えを
寄越してくれ
それから一人乗りの
ロケットの準備だー
できるだけ早く
できるだけ軽くだ
・
ならば吾輩が今
なぜこんな話を
しておるかも
わかるであろうな:
ああうん
当然帰りの燃料は
積まなくてよい
死ぬのも大切な
仕事のうちだ
ちょ...
めだかちゃん!?
何をする気だ!?
何を考えてる!?
!?
お別れだ
貴様達
どうやら
戻れそうに
ない
ちょっと月を
壊しにいく
孝行したい時に
親はなしーー
というが
まさか梟博士を
全人類を殺した
極悪人にはできん
畳の上では
死ねんと
思っていたが
学園のみんなには
よろしく言って
おいてくれ
しかし
月か
ふ...ふざけんなよ
命を粗末に
するなって
死んで花実が
咲くものかって...
娘としてできる
最初で最後の
親孝行だ
まあ...比較的
悪くはない
死に場所だよ
そうだよ!
ここまで来たら
死ぬときは
一緒だよ!!!
大体俺達が
お前一人を死なせる
わけねえぞ!!
言ってただろうが
めだかちゃん!!!
それにめだ姉!
博士の子供だって
いうのなら
私だってー
......
これで
いいんだよね
「めだか
ちゃん
......
ああ球磨川
貴様は
悪くない
すまんな
奇麗ごとばかり
言って
私はいつも貴様に
汚れ役を押しつけて
きた
別に...
嫌われるのには
慣れてるし
それにお別れとか
言いながらどうせ
めだかちゃんは
まーた生き残るに
決まってるしねー
見え見えなんだよ
なんなら賭けたって
いいぜ
めだかちゃんは
当たり前みたいに
箱庭学園に
帰ってきて
...くくく
貴様の第二ボタンが
そりゃあ欲しい
卒業式で愛しの
僕から第二ボタンを
受け取るのさ
本当に
欲しいなあ
これはもう
是非とも生きて
帰らんとな
球磨川...
貴様とは仲が
良かったとは
言いがたいが
けれど
言いたくは
ないが
貴様との宣嘩が
一番楽しかった
なんていうのかな
もしも私に
お兄ちゃんがいたら
こんな感じ
なのかなって
貴様と会えて
よかったよ
ずっと
思ってた
『いやもしもって
「いるでしょ
めだかちゃんには
お兄ちゃん
あははは
ははは...
ふうっ!
突った笑った。
涙出ちゃった
んじゃー
未永く
お幸せにな!
禊!
ばいばい、
人間。
さすがは
梟博士
...天が崩れ地が溺れる
そのではと気に病むことを
「杞憂』というのだったな
いや...
私だけなら
生き残れるかも
しれないけれど
なるほど
言彦に対して諺とは!
言葉使いらしい
切り札だよ
確かに地球ごと
破壊してしまえば
言彦だろうと私だろぅと
生き残れない
一人は
遺言の効力は
まさしく
絶対的だな...
ははは
私一人生き残っても
仕方ないものなあ
嫌だものなあ
お母様と
また会えるのかなあ
はは..
......
え...なんだ
この振動...
身体が...
震えて...
止まらない...
スタイルなんて
使ってないのにー
落ち着け
黒神
その震えは
スタイルではない
深呼吸をして
心を静めろ
言彦...
恐れ入ったぞ
あれだけの
戦闘を経て
未だ健在とは...
一体何をすれば
終わるんだよ
言彦編は...
いやー
貴様達が言うところの
獅子自言彦は
完全に消滅した
こちらに
残った儂は
ただの残響だ
...震えを
止めてくれただけでも
十分だ
悪いが
なんの力にも
なれん
すまんな
みっともない
ところを
見せてしまった
だけど私なんて
こんなものだー
かつて世界を救った
英雄獅子目言彦とは
違う
私はいつだって
こわごわと
おっかなびっくり
虚勢を張って
きただけだ
ならば
その英雄から
アドバイスだーー
怖くなったときは
空を見て考える
空を見て己の人生を
思い返すのだ
貴様の幼馴染は
そうやって僕を
打倒したーー僕も
かつてはそうやって
震える我が身を
奮い立たせてきた
笑って死ぬなんて
このざまじゃあ
とても無理だよ:
お前の人生は
何かが足りない
不完全なものだったか?
黒神めだか
........
お前は自分の人生に
どうにもならない
不満があるか?
ないなっ!
満月のように
満ち足りた
完全な人生
だったよ。
その日
俺達の空から
月が消えた
そして
めだかちゃんは
帰って
来なかった
箱庭学園卒業式
箱陸学園卒業式
すごい
きょーだい
だよね
妹
ケア
箱庭学園入学式
はぁ、
な
第185箱
「いらたすいちは」
在校生
送辞
駒溜瑳学園卒業主
生徒会執行部
会長
一年一組
人吉善吉
三年生の
みなさん
まずは
ご卒業
おめでとう
ございます
さすがに
壮観というか...
圧巻ですね
こんな風に
三年生が
集結すると...
ははっ
そうだな
すげーな
ぶるっちまうな
なにせ十三組も
マイナス十三組も
勢揃いだもんなー
まーけれど
そんな卒業式を
仕切ってる
我らが会長様
善ちゃんだって
負けねーくらい
雰囲気あるぜ
ここのところ...
というか
あの日以来
空から月が
なくなって以来...
ですよね
...
え
まあ色々と
言いたいことは
あるんですが
ここのところ
一皮剥けたよなー
あいつ
けれどまあ
お世話になった
皆さんを
送り出すにあたって
俺が言いたいことを
ただ言うっていうのも
違うかなと思いまして
だから俺が
言いたいことじゃなくって
皆さんが聞きたいことを
話そうと思います。
即ち
黒神めだか
めだかちゃんの
ことを
話そうと。
...ちなみに
皆さんが今胸に
つけている花
なんで生徒会が
花を育てるんだと
当時俺は
首を傾げて
いましたが
それに
この卒業式の会場を
彩る花の数々は
彼女が
せいとかい
生徒会長だった頃に
育てていたものです
どうやらあいつ
こんなことを
企んでいたみたいで...
万難を排して駆けつけるべき
先輩がたの門出を
欠席するとは
とんでもない奴ですが、
まあその
可愛らしい
花に免じて
どうか皆さんの
寛大な心で
許していただければ...
ただ出席欠席って
話だと
俺は昔めだかちゃんに
聞いたことが
あるんですよ
中学三年生の頃...
一年前の丁度
今頃でしたかね
「めだかちゃん
お前どうして
進学するんだ?」
「お前くらいの
学力があれば
もう学歴なんて
いらないだろうが」
今から思えば
俺も馬鹿なことを
訊いたものですが
めだかちゃんは
こう答えましたー
「知れたことだ
善吉よ」
...ははは
わかんない
ですよね
俺も
わかりませんでした
ーそのときは
1十1なんて
とっくの昔に
習っただろうがって
思いました
「私は学校に
1十1の答を
学びに行くのだ」
けれど
そういうことじゃ
なくって
まためだかちゃんが
わけわかんねーこと
言い出したと思いました。
めだかちゃんはきっと
こう言いたかったんだと
思います
「1+1
=2」
びとりとひとりが
ふたりになる場所
それが学校
なんだって。
ナンバーワンより
オンリーワン
とか。優しい人は
優しいことを
言ってくれるけど
だけど
そんなことを
言える人はたぶん
たった一人で
あることの
一人きりであることの
寂しさを知らない
だから
めだかちゃんは
箱庭学園に来た
人と出会いに
来た
人を愛しに
来た
誰かと
ふたりに
なるために。
人と競いに
来た
人を学びに
来た
1+1が
2になり
3になり
4になり
5になり
10になり
やがて
みんなになる
そんな風に
人は繋がっていく
めだかちゃんは
皆さんに出会うために
箱庭学園に来た
とも言える
『1+1』の
ーーそれぞれの
答を訊くために
めだかちゃんに
出会ってくれたのが
あいつに
答を教えて
くれたのが
あなた達で
本当によかった
もちろんそれは
めだかちゃんに
限った話じゃ
なくて
俺もー俺達も!
皆さんに出会えて
本当によかった
俺達はあまり
いい後輩では
なかったかも
しれないけれど
皆さんから
教えていただいた
1+1の答は
この場所で皆さんに
会えたことは
俺達在校生にとって
本当に幸せな出来事でした
必ず次の世代に
繋いでいきたいと
思います
ありがとう
ございました!
皆さんのことが
大好きです!
以上!在校生代表
人音善者!
パチパイパイ
ご子息は立派に
育ったようだな
瞳先生
貴殿が来賓席に
いるわけだ
確かに
容辞を喰いかねない
いい送辞をしちゃあ
駄目でしょ
あの貴様なら
過保護の必要も
なかろうよ
...くく
心配めされるな
我輩の読みでは
答辞の担当者は
ご存知の
煮ても焼いても
喰えぬ奴だ
...ええ
だけど
まだまだ
続きまして
卒業生
答辞
その辺の気遣いが
甘いうちは
ぜんっぜん三流よ
三年マイナス十三組
球磨川禊
え!!?え!?
各辞って空洞さんじゃ
ないんですか!?
ははは!
柄じゃねーよ
俺は
.....ぜんきち
善吉ちゃ...
人吉会長
!?
感動的な
メッセージを
ありがとう
僕もきみが
大好きだよ
とか言って
あははは
まあ僕は
感動的とか
無理だから
適当にひと笑い
取ってこの場を
流させてもらうよ
いや適当にひと笑い
取るのは自分の仕事だ
みたいに列乱してんじゃ
ねえよ!
あと胸の花!お前三年生だったのかよ!!
あと胸の花!
お前三年生
だったのかよ!!
大体卒業とか
言ってもさー
ほら僕大学
全部落ちたしい
『いや僕マジで
明日からどうなるん
だろ...
うわー本業
したくねー...
「きみ達こんな奴を
本当に世へと
送り出すつもり
かい...?
球磨川さん
元気出してー
就職も別に
決まってないしぃ
まあそういう
意味では
「在学中だって僕は
どうにもならなかった
ことだらけなんだ
けどね
「エリートに挑んでは
返り討ちにあったし
めだかちゃんには
振られたし
安心院さんには
いじめられたし
裸エプロン同盟は
解散に追い込まれ
たし」
本っ当
やな事だらけ
やり残したこと
だらけの
学園生活だった
........
けどまあ
それでも
手ブラジーンズで
ジャンプの表紙は
飾れないし
概ね楽しい
学園生活だったと
言っておこうかな
「無謀な挑戦を
したり
『馬鹿やって
笑われたり
思い通りに
ならなかったり
「悔しかったり
することが
これが案外
楽しかった
好きだった
今まで色んな学校を
転々としてきた僕に
初めて後にしたくない
学校ができた
卒業
『したくないよ
...ちぇ
結局なんか
感動させようと
しちゃってるな
前に壇上に
立ったときとは
えらい違いだ
球磨川禊も
ほとほと
丸くなったもんだ
けどまあ
「丸くなった僕も
悪くない
正直言って
安心院さんと
めだかちゃんが
いなくなったとき
不安になったよ
あのふたりが
いなければ僕は
昔みたいに
戻っちゃうんじゃ
ないかって
『だけど
そうはならな
かった
「あのふたりが
いなくなっても
改心も変化も
なかったことに
なるんじゃないかって
僕は果たして
僕のままだった
『どうやら
人と人との
出会いは
『なかったことには
ならないらしい。』
......
『きみ達とはこれで
お別れだけど
実際ご愁傷様だぜ
『僕みたいな奴に
出会ってしまった
きみ達の災難も
『「1十1」を
ゼロにしかねない
マイナスに出会う
とは
きみ達も
よくよく
ついてない
この先決して
なかったことには
ならないとはね
だからそんな出会いを
有効活用する方法を
教示することで僕は
最初で最後の先輩風を
吹かせるとしよう
きみ達もいずれは
この学園を卒業し
社会へ出るだろう
そして挫折や
理不尽を味わい
敗北を経験し
自分の人生を
最低だと思う日が
きっと来る
そんな日は誰にだって
必ず来る
だからそんな日は
お前らなんか
及びもつかない
不幸な僕が
世界のどこかで
逆境の中
へらへら笑って』
面白おかしく
生きてることを
思い出せ
大丈夫
「僕がこの世に
いる限り
きみ達の人生は
最低なんかじゃ
ないから
「大丈夫
きみ達がこれから
経験する不幸など
僕が十代で経験した
不幸の一割にも
満たないから
大丈夫
『不幸な奴でも
幸せになれるって
「僕が証明し続けて
あげるから
『それでも自分が
不幸のどん底だと
思う奴は仕方ねえ」
『いつでも僕に
会いに来な」
『不幸に底なんて
ないってことを」
『骨の髄まで
教えてやるぜ。』
以上!
卒業生代表
球磨川禊でしたー!
...ふふふっ
まあ
ああでなきゃ
あ!
高校は卒業しても
ジャンプは卒業
しないから
よろしくねー(笑)
めだかちゃん
にも
最後の最後で
あの人は
そっか...あんな
悪態ももう
見納めなんだ
球磨川さんじゃ
ないよなあ
見せてあげた
かったなー
...あはは
実にいい答辞だったな。
名調子だ
本当
ぎりぎり
だったけれど
なんとか
間に合って
よかったよ
善吉の送辞も
よかったぞ
私の話をするとか
言うから
悪口を言われたら、
どうしようと
はらはらしたがな
おっと!不知火
ちゃんと学園に
戻れたんだな
ー善裁善裁
確かに
人と人との出会いは
なかったことには
ならないようだ
いや私としても
その日のうちに
帰ってきたかった
のだがな?
月を破壊した後も
遭難中の宇宙生物を
助けたり
異世界の悪魔大王
ワルゴールドと戦ったり、
光と闇の概念戦争に
巻き込まれたりの
冒険活劇だったのだよ
ただし遅刻した
とはいえ
禊お兄ちゃん
これで賭けは
私の負けだな
めだかちゃんは
まーた生き残るに
決まってるしねー
なんなら
賭けたっていいぜ
は:はは
ほおら
どうだい
しかしすぐに
リベンジするから
調子に乗るでないぞ
面白いだろう
僕の人生はーー
勝てた。
それにしても意外でしたよ
半纏さまーあなたが月まで
めだか様を助けに行くなんて
ふん
なじみの意志を
継いだだけだ
あなたはそこに
いるだけの人外では
なかったのですか?
だがこれからは
その必要もあるまい
俺は引退だ
これからは
なじみの意志は
げげ...
そうだな
それに儂の
破壊が可逆と
なった以上
あいつらが継いでいって
くれるだろう
あの女のことだ
そのうち
ひょっこり
帰ってくるさ..
不知火の里も
これで
廃業かな
五千年間保存してきた
希少種が
めだか様相手なら
ともかく
凡庸な一般人相手に
負けたんじゃあ
あがったりだよ
げっげっけ...
それについては
汗顔の至りだが
もとより人間には
スペアなど
必要なかったのだ
わざわざ保存など
しなくとも
人と人が
出会い
話せば
言葉は
伝わって
気持ちは
繋がっていく
よーし
では撮るぞ
皆の衆
いちたす
いちはー?
笑顔/
おれ、こんやくしゃこうさ
しらぬいはんてん
不知火半纏のどうして俺が婚約者講座と
ナンバーゼロと濃くだけあって、こいつはかなりの逸材だ。分家の中でも紅家はもとより
特殊な立ち位置だったようだが〈異質さにおいいては、さすがに謝喰家に一歩譲るだろう
が)、こいつはその生粋と言えよう。それは唯一・スタイルを二個、身につけて〈舌につげ
で)いることからもわかるだろうーーその上「換喩使い」を使用すれば、実質的に無限のス
タイルを使えると言っても過言ではないわけだ。もっとも、『換喩使いにしても『嘘人
使い上にしても、彼女個人の資質をよく表している
いという、呪いのような資質を。誰とでも双塵をなせるし、どんな存在とでも並び立てる
が、それを越えることとはできない、群を抜くことはできない奴なのだ。もしもこいつがその
気になれば黒神めだかどころか、獅子目言彦に「なる」こともできただろうが、しかし獅子
目言彦を凌駕することとはできなかったはずだ。本人を相手にすれはぼ引き分けることさえで
きなかっただろう
もーー偽物好きの親喰暴博士が、最後までこいつをそぱに置いた理由は
つるばみにりはか
・ーーーつまり、1唯一の者」にはなれな
そのあたりかな?
紅かけがえ
いずれはけったい
紅家代表
AB型
うそはっぴゃくつか
嘘八百使しl&換喩使い
しらぬいはんてん
不知火半纏のどうして俺が鶴喰家講座O
おれぱみけこうさ
アブノーマルとマイナスとスタイル、この三つを使いこなすことができるキャラクター
は、百花繚乱の箱庭学園においても、この鶴喰鴎だけだった。そして意外なことに、こ
の三つを同時に使った者は、こいつが唯一なのだ。「調ンステムしだったか?まあ対
極にあるアブノーマルとマイナスを同時に使うところまででは黒神も「混神モード」で似
たようなことをやっていたし、なじみにも似たようなことはできるだろうが、そこにス
キルの代替として考案されたスタイルー一言葉を合わせるとは、とんだセッションだ。
黒神は寿常套戦と相かけがえ戦においてスタイルを学んだが、だが現時点では、『めだ
かシステム」というのは無理だろう。この男はそういう言葉を喜ばないだろうが、え
あ、違うことを同時に三つできるというのは、才能みたいいなものだ。「前を見ながら
ろを向いて目を閉じる」みたいなことだからな。とこ、ろでこいつの母親は?黒神の
険として『作られた』子供であることを思うと、黒神家の関係者であることは間違いな
いだろうが、あまりり深入りしても、いい1エピソードは紹介でき
そうにないな。
ま...後.保
つるばみかも
鶴喰鴎
っるばみけざん
鶴喰家残党
AB型
そう
ちょうはつつか
挑発使い
しらぬいはんてん
不知火半纏のどうして俺が鶴喰家講座と
おれぱみけこうさ
いうか敵でき
というか、元祖フラス・計画の目的。どんな凡人であろうと、真の天才、最初のでしまっているところがあるというないみならば主人公と呼んだ選択に応援できる。
個人的にはこの男を変態の一言で片付けという、個性による予能をお願するそのお無理があるように思う。あるお願い、スキタイルを制作したのは大丈夫的だ。一夫では
個人的にはこの男を攻略の一言で片付けるのかという、個性による才能を変動するスタイルスクに天守的であるとしょうのは、体験を愛する休憩時間があるように思う。ある意味、スキリを発明したのは天才的だ一天才ではなるこの男らしくもあるけれど、言うなら
それでも、
ルという、個性による才能を獲得することがありますが、一人で、新たな内容が一般的な事になる言語が開発したのにも小麦を押したのは天才的だ一天才ではなするこの男らしくもあるけれど、言うなら戦闘だろう。しかもスタイルというのは、
このまま大丈夫であるというのは、複雑な変わらず、一人で、新たなる看護を開発したのによっとしようか、元部プラス計画の目的をお勧めします。の男らしくもあるけれど、言うならろう。しかもスタイルというのは、しまっているところがあるといけか
これからは、これまではありませんでしょうがないと思うのですが...これではないのかと思いますが、この時間がかかっていました。
お性を世に
るえ通言語だ。唯一の者」、たったことような天才であろうと主人公であっためには、言語を聞いて表現しなければ、わの存在に結所しうる、万人の言葉、己を表現するためには、己の天才能を知らないのだから、もしも勝手に
それでも、そうだったらどういうことになってしまうところでしょうかもしれませんが、これからではないのですからこれまであればいいのだろうなんですね。これです。
いや...いやってくれたのか??そういうことはないのですからね。それでもありがとうございませんしたらしいでしょうかもしれないんだろうからなんですよねえええですけどこと思いますかないましょこのでしたんかっ
でも、他にもいいけど一般的に一般の人が選択できていれば、またまで気になっていましたが、このようなものだと思いますが、
日曜日からからのアイテムがあっていていることですが、新しく知りますので、この人という意味ではないのはありませんかもしれない。
2016年についてひとつだけ付け加えておくと、切り札に直接使いは、その取り札を切り乱してはない
どせーこせー
仕方ないもの
つるばみょくち
鶴喰梟
鶴崎家元当主
鶴喰家元三
AB型
...
ゆいこんつか
遺言使い
おれっつるばみけこうさ
しらぬいはんてん
不知火半纏のどうして俺が鶴喰家講座3
黒神めだかの母親だ。分家の母親連合というか一黒神秘館の七人の夫人について言うと、
早朝からから出現し、夕飯の見解会というから、小さくやっていたように一度ありますが、夏の休み時としては、大したのだと最新情報のブランスが大人について言ったと、結構成されたわけではないかに気づいたほうがしたら、相談はありませんでした。
いや、そんなことはないのですが...これからもうちょっと思っていましたが、それはそういうことでしょうか。
ともかく、愛の体現者としては、大したものだろう。桃園家出身の母親である旧姓桃園亡に対して
また、家庭教えてくださったのですが、今回は自分が自分の知識に対している人ということを知ったことがありました。
「今日はあなたがお母様の日でしたか」と言っていたことからもわかるように、ご
それでも、
院したというところらしいが、それが舵樹の親友である弟・歯喰梟の仕掛けだったことは
もない。もっと、も鶴喰鳩も黒神舵榔も聡い人間だったので、彼の仕掛けといいうか、仕組みに、
そういえば、
かなかったわけではないだろうがーまあ、黒神
いつかったのだろうーーーっかりだったんだよ。それが...ところではいけなくなっているのかもしれませんから、ここでしょうか。そしまったという因果もなきにしもあがあったようだ。箱盤病院もないのがたまあ、なじみとしては、母親組合のためでなければ、適切なことができない。
みならず、人吉瞳やらの「前世代」にも興味があったようだ。なのでなじみは、箱舟中学に拠点を
置く前は、箱庭病院院で遊んでいたと思ってもらっていい。
こにもぴょういん
花樹と鶴喰稟は、あれはあれで気が合ったよ
...
はは!?
こにもアメリカル
日週から
鉈`言
はこぶねちゃんがく
つるばみはと
鶴喰鳩
観喰鳩錫喰家出身AB型衣
まみ
家
喰
...
自衣の悪魔
しらぬいはんてんおれ
不知火半纏の俺しかできない反転院講座○
はんてんいんこうさ
というわけでいよいよ俺の話だが、俺に語るべき自己などあるわけがないのも事実だ。悪平
これからは、このようになってしまったのですが、これまではないので、
こういった状況で「相談しましたが、まだまだこれからない」ということはありませんでした。これまではないのでしょうかと思っていますが、
ってもらえば、概ね的を外ししかし、ではいない。まあ俺のパックアップか前身である現代の獅子目
それではないのですが、
が、俺が保存すべき安心院なじみを殺したといいうのだから、結構自己矛盾を抱えてはいるー
これからのスーパーフォームは、このようになってしまうのですが、
からなじみの死について、黒神ばかりを責めるのもあまり理には適っていないかもしれない。
そしてこの時期はそんな時間ですから、こりってことが出来ないですね
生きかたち相当予備がではあったが、しかし、最後には落ち着くべきところに落ちた。
言
混吉
鍛えようとしたなじみの意図には適った結果だ。ったかもしれない。俺という、彼女をこう
グするだけの存在を、ただそこにいるだけの人外を、お役御免にしてくれたのだから。黒
結果から言えば無用の心配だった。さて、ちなみに月まで黒神を助けに行った俺だが、
その後地球への帰還ままであいつと付き合い、多少は話をした。コミュニケーシヨンって奴だ。ま
あ、あいつも俺も、それについてはまだまだ、覚えたてと
とは思えば、
言ったところだがな。
不知火半纏
AB型
そこにいるだけの悪平等
はんてんいん
反転院さん
DIGITAL
SHUESBAJUMPCONCS
めだかボックスカラー版
PART6不知火不知編3巻
西尾維新
○西尾維新2013.2006
発行所・集英社
暁月あきら
◎暁月あきら2018.2006
初版発行
デジタル版発行-2016年
2013年
http://www.shueisha.co.jp
この作品は、著者カラー原画に加え、著者の原画をもとに
集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
本作品の内容あるいはデー夕を、全部・一部にかかわらず
無断で複製、改竄、公衆送信(インターネット上への掲載
を含む)することは、法律で禁禁じられています。また、個人
的な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなど
の著作権保護技術を解除して行うことはできません。