歌田ぽち

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姉ならも

..

Contents

第七条

...

第二次

...

第九条

...

第九・五夜

047

第十夜

059

第十一夜

...

第十二夜

...

第十三夜

113

カバー・本文デザイン●図、夢見(magerk)

担当編集●求野議太郞

編集補助●加藤裕介

策七夜

台所は、

あまり好きな

場所ではなかった。

まだお茶碗が

用意できてないの

お客さん用で

いいわよね

はい

ひとり増えると

料理の手間が

全然違うのよねぇ

すみません..

アタシの分の

唐揚げ減っちゃう

ごめんなさい

手伝わなくていいわ

座ってなさい

どこの家でも、

受け容れられていない

ことを実感する

場所だったからだ。

はい

すみません

タく〜ん

きて〜

素麺のお鍋

吹かないように

見てて〜

はーい

お姉ちゃん

指が...

あらやだ

切っちゃったみたい

えっと...

キズバン

キズバン!

平気よ

すぐに塞げるもの

でも痕とか

残ったりしたら

よくないですし..

昔は

「唾つけとけば治る」

って言ったみたい

ですけど...

ふぅん.....

じゃあ

タくんが

つけて?

そしたらきっと

すぐに綺麗に

治っちゃうから

え...?

あ.....

にこ

...っ

んっ.....

ゆ......

夕くん...っ

いとき

はぁっ..

じゃあ!?

ご.....

ご飯にしましょうか

ううん...

タくんのおかげで

傷も治ったし

いただきまーす

んーおいしい♡

さっぱりしてるから

いくらでも

食べられちゃうわね

ふる

いいね

いだ...ッ!

やだ

タくん大丈夫?

見せてみて

血が出ちゃってる

結構思いきり

噛んじゃったのね

早く塞がないと

こーないえん?

になっちゃうわ

はい

タくん

あー

ふがっ

お姉ちゃんの指先が

口の中を侵して

あッ...

傷口に沁みて

じくじくした痛みで

頭の中が痺れるー

...

おぇ...

大丈夫よ

目を閉じて

ゆっくり息を吐いて

お姉ちゃんと

夕くんはいま

傷に触れているところで

一つなのよ

だから

目を開ければ

ほら

傷ついた処も

いつもの形象を

思い出すわ

すぅ...

痛くない...

ふふっ

お姉ちゃんの魔法

よく効くでしょ?

仕上げに

もうひとつ

タくんが

教えてくれた

魔法♡

んッ

「唾つけとけば治る」

はぁっ...

んッ....!?

はッ...

ね?

はぁぁ♡

夕くんの皿って...

ひっ...

こんな.....

こんな味なのね♡

ふふっ♡

ごちそうさま

でした♡

お姉ちゃんの

言うことは

今度はちゃんと

ヒトが食べられる動物の

ハムを使いましょうね

どこまでが冗談で

どこからが本気なのか

わからない

素麺が続いたし

明日のお昼は

冷やし中華にリベンジ

しようかしら

卵を薄く焼く

練習もしたいし

そうですね

あれ?その指...

さっき治って

ましたよね?

ああ

...

これはねー

ふふっ

記念よ

今になって思う。

無邪気なようでいて、

からかうようでもある

彼女の言葉は

そのすべてが冗談で、

それでいて本心だったの

ではないかと。

ええと...

タオルに

替えのパジャマ

箱ティッシュと...

入れましたー

じゃあ

病院でおじさんの

洗濯物を回収して

それから図書館に

寄ってきます

暑いから

気をつけてね

いって

らっしゃい

ジワジワ

肌着は持った?

シワジ

いってきまぁす

私も

がんばらなくちゃ!

さてと

策八夜

午前中の雲が

嘘みたいに

いいお天気!

いまのうちに

いーっぱい

干しておかなきゃ

ふふっ

洗剤のにおいって

気分がシャッキリ

するわね

本当に

いいお天気

お洗濯だけじゃ

もったいないわ

せっかくだから

客用布団も

ぜんぶ干しちゃい

ましょう

廊下の端まで

お布団で

埋まっちゃうわね

そうだわ

布ものをどかしたから

高いところの埃も

落とせるわね

フシフンフーン♪

今日は

ミョウガと夏野菜の

浅漬けをご紹介します

切って混ぜるだけで

簡単ですよー

...

本当に

切って混ぜる

だけだわ...

これなら

私でもできそう

きゃ

キュウリとナスは

いっぱいあるし

ミョウガもまだ

あったはず...

生姜は

ひとかけ...

よぉし!!

レシピは暗記したし、

あとは切って

混ぜるだけ!

切って...

混ぜるだけ...

軽〜い力で...

まな板を

切らない

ように...

でも素早く!

できた!

い.....

今のは練習!

次が本番だから

だいじょうぶ!

もう一回!

次こそ...!

あっ...

し...

塩揉みにすれば

嵩も減るし!

明日も食べられるし!

もうバスタオルまで

カラッカラ!

助かるわー

あら?昨日の服

こんなところに...

洗い損ねちゃったわ

タくんの...

.......

ぱわ~...

ふふっ

太陽と石けんと

タくんの

匂いがする♡

:不思議ねぇ

洗濯物や

干したお布団

それに

誰かの匂いを

こんなふうに

愛おしく

思えるなんて

.....これも

あなたの言っていた

弟」の不思議な力

なのかしらね●▲勝

夕くん...

ただいまです

お姉ちゃん?

...!

お...

お姉ちゃんが

眠ってるー

すーー...

「明日も

晴れるといいなぁ

はっ

もう19時!?

洗濯物

こんでないし

ご飯も炊いて

ないわ!

山のような

浅潰けしか!

今日も

素麺に

しましょうか

«洗濯物をこむ・洗濯切を取り>込むの意。茨城・栃木の方言・

たくもの

第九夜

えっと

お姉ちゃんは

これと...

これと

これ

これは三巻が

貸出中で

とりあえず

二巻まで

あとは...

あっ

この本!

これが

見たかったのよー♡

みぢかな

いきものずか

すごーい!

小さなモノも

こんなに種類があって

ちゃんと名前も

つけてるのね

形も模様も

いっぱい

...お前は

それは...

千夜姉は

本を読むのが

好きなひとだった。

絵本から学術書まで、

家中の本を読破する

勢いだったので

注文を聞いては

図書館に本を借りに

行くようになった。

それは神の視座から

ヒトの珍奇な解釈を

面白がっていただけ

なのかもしれないが

読書が好きな僕は

共通の趣味が

できたようで

嬉しかった。

あら!

これ!

昨日お勝手から

入ってきた...

トンボ!

赤いのもいるの!?

夕焼けみたいね

きれーい!

なんで今まで

見えてなかったの

かしら

こんなに多様で

おもしろいモノに

囲まれていたのに

アキアカネですね

夕方になると

飛んでますよ

家の庭だけでも

ここに載ってる生き物

結構いると

思いますよ

まあ!

よおし!

い〜っぱい

見つけちゃうわよ!

あっい

さっそく

ミーッケ!

つぶれちゃうから...

そーっと...

そうだったわ

しめった場所の

いきもの

お姉ちゃんも

わかってきたわ

あのへん!

『ニホントカゲ』!

ん~~~?

青いしっぽ!

やだぁもう!

この辺に

いるのかなあ?

見たことないけど

わぷっ!?

お姉ちゃん?

ベタベタが

くっついてくる〜

«

やだ〜

取れない〜

こんな大きな

蜘蛛の巣

いつの間に

女郎蜘蛛

かな

もう

そんなの

いいから〜

夕くんとって〜

おねがい〜

ほらこのページに...

うぅ〜

なんだかゾゾッって

いやな気持ちになるわ

っどき

きもちわる〜い

タくんここも〜

ここにも

ついてるの〜

大丈夫ですよ

ちゃんと

取れますから

はい

これで全部です

やだもぉ〜

ヒトの躰って

なんでこう

触覚が敏感なの〜

まだなんか

ついてるような

気がする!

くすっ

あっ

夕くん笑ってる

ひどーい!

へへへ...

お姉ちゃんも

苦手なもの

あるんですね

あら

タくんにも

虫がついてるじゃない

お腹が真っ赤に

膨らんだ虫ね

何かしら...?

ホトンホッ

あー蚊ですね

食われちゃったかぁ

うう

気づいたら

痒くなってきた...

家のな

カ?

56Pの『イエカ』?

ヒトや動物から

血を吸う....」

夕くんの...血を...?

...ねえ...タくん

お姉ちゃん

不思議なんだけど

そんな身の程を知らない

痴愚の虫蝶が

果たして

この世界に

必要なのかしら?

カナカナ...

タくんが

嘘をついているとは

思わないけど...

本当に

こんな呪いで

蚊が寄りつかなく

なるの?

この渦巻の形象は

何かの印なのかしら

ええと

原料に使っている

花の成分を

蚊が嫌がる...

とかだったと

思います

なるほど

護符の印みたいな

効果なのね

そそうなん

ですかね...

でももし

この結界を越えて

くるようなことが

あったら

お...おおげさ

ですよぉ

その時は...ね.....?

策九・五夜

...!!~~!!

~~~!!

ファイースリエイ

ヒトならざる異形の

「姉」は、驚くほど自然に

僕の生活の一部になった。

はぁ〜あサッパリ!

さっきの不快感が

嘘のようだわ〜

よかった

です

しかし、

時折見せる無防備で

豊熟的なその姿には、

ど...

どうぞ

ありがと〜

「歳上の女性と一つ屋根の下

暮らしている」ことを

意識してしまうのだった。

夕くんが作ると

最後まで甘くて

おいしいのよね〜

ふしぎだわ

そう...

ですかね

お姉ちゃん

ちょっとずつ

飲むから

底のほうが

濃くなるように

してるだけだけど

...それ

やっぱり

気になるの?

温まったら

また痒くなって

きちゃって...

首以外も

喰われてた

みたいです

ムヒ座ろう...

卑劣な吸血生物に

失血死させられ

なかっただけ

よかったけれど

痒みが

止まらないんじゃ

困っちゃうわねえ

ははは

僕はどれだけ

か弱い生き物と

思われているん

だろう...

「蚊に刺された

痒みはー

「注入された蚊の

よだれが原因」

なるほど?

ねえ夕くん

はい?

じっとしててね

わひゃあ

いい子だから

辛抱して

タくん

いま

悪い成分を

吸い出して

あげるから..

お姉ちゃん...ッ

ちょ...ッ

ひゃッ...

タくん

いいにおい♡

お姉ちゃんとおんなじ

シャンプーのにおいと

ちょっとだけ

タくんの汗の

においがする

おいしそう♡

ひゃう...ッ

ふふっ

じっと

してってば

ちゅっ

う〜ん...

もう腫れてるとこ

以外も沁みこんでる

みたい

悪い成分を

見つけて

吸い出さないと...

っっ...!とあっ....

身体の中まで

細い触手で弄られて

いるような感覚

夕くんの体内を

あったかい血が

巡っているのが

伝わってくる..

心臓が脈打つ感触も

手に持っているように

わかるわ

なんでだろう

すごく...すごい、..

おおねえ...

夕くんのなか...

タくんのこと

ぜぇんぶ見えちゃう♡

ビク

ちゃ...

恥ずかしい...

ああっ!

かわいそうなタくん!!

穢された箇所...

いますぐ綺麗にして

あげるから!!

ここも..

ここも...

ここも...

ここも刺されて

いるじゃない

悪い毒は

ぜーんぶ...

ぜぇぇぇんぶ

お姉ちゃんが

ちゅうぅ〜...って

吸い出してあげる♡

はぅ...

ひッ...

あ.....ッ

おねえ..ちゃ...ん..

そこは...

...ダメ....

うあ...゙

そこは...

さっき

いやあああ

ムヒ...を...

夕くん!?

タくん

しっかりしてー!!

思い返せばこの日。

僕は蚊の成分と一緒に、

ヒトとして大事な何かを

姉に吸い尽くされて

いたのかもしれない。

ごめんなさい

ダくん...

やっぱり私

お姉ちゃん」に

なることは

できないみたい...

お姉ちゃん.....

大丈夫です

本当に

ははは...

気にして

ませんから

ごめんねごめえね

知らなかったの...

卵はレンジに

かけちゃ

いけないのね

お部屋も

こんなに汚して...

これじゃ

お姉ちゃん失格だわ

二人で片付ければ

すぐ綺麗になりますよ

やっぱり私に

粉から作るお菓子は

まだ早かったんだわ

簡単レシピなんて

言葉に釣られたのが

いけなかったの

あれは

「お料理が上手な

人には簡単」って

意味だったのね

でもこれでひとつ

勉強になりましたし

次はきっと

うまくいきますよ

今日はあるもので

お茶にしましょう

ありがとう

タくんは

優しいわね

えっと!

こんなに散らかして

おやつ抜きに

なっちゃったのに..

お姉ちゃんの好きな

チーズおかき

買ってありますから

わぁい♡

わっ!

ねこ!?

じゃない...

ねずみ...

でもない?

まさかアレが

ぷくんが...

私のために

用意してくれた...

チーズおかき...

第十夜

もしかして

巣を作られ

ちゃったかなぁ

他にもいっぱい

いたらどうしよう

ここは...

ねタくん

お姉ちゃんもう

気にしてないから

無理に探さなくて

いいんじゃないかしら

ねずみはすぐ増えるし

住み着かれたら

大変なんですよ

あれだけ大きいと

なんでも齧られ

ちゃうし

でも...

キッ

うーん...いないなぁ

きっと見間違い

だったのよ

地下室かも...

夕くんには

暗いし危ないわ

お姉ちゃんが行って

見てくるから

......ね?

懐中電灯がありますし

僕も行けるとこまで

見てきます

ここに入るのは

お姉ちゃんと

会ったとき以来ですね

あの日も

さっきと同じ

ねずみを

見たような

地下室で

地下室で

お姉ちゃんが

いて

お話しして

それで

どうしたんだっけ...

お姉ちゃん?

ねえ夕くん

お願いが

あるの

...この先の

部屋を見たらね

タくん

きっとびっくり

すると思うの

でもー

それでもね

お姉ちゃんのこと

嫌いにならないで

ほしいの

ーそうか

あのとき

お姉ちゃんは

お願い...

僕を守って

くれたんだ

僕がお姉ちゃんを

嫌いになるわけ

ないじゃないですか

本当に?

本当です

...本当よ?

・?

散らかってる

...だけ...?

「散らかしたら

片付けなきゃ

いけない」って

ことを知らな

かったのよー!

ごめんねタくん...

お姉ちゃん

後でちゃんと

片付けるから

ふふっ

おじさんが

帰ってくる前に

いっしょに

片付けましょう

タくん...!

じゃあ僕は

裏庭のほうを

見てきます

気をつけてね

もうちょっと

ここを確認したら

私も行くわ

!スキ!

うるくれー...

...タくんは

本当に優しいわ

お料理が苦手で

お部屋を散らかして

片付けも満足に

できない私でも

お姉ちゃんって

呼んでくれて

嫌いにならないで

いてくれるもの

...ふふ♡

もっと

お姉ちゃんらしく

なれるように

がんばらなくちゃ

だから

割れ物も

溢れた飲み物も

左道使いの

醜穢な違い魔も

ぜぇんぶ綺麗に

お片付け

しなくちゃ

ね♡

ねずみ

見つかりません

でしたね...

どこかよそに

行っちゃったのかも

しれないわねぇ

別の家か

田んほのほうが...

山のほうに行ってたら

いいなあ

あらどうして?

えっと...

山ならいろいろ

エサがありそう

だから...

こうやって

人に追い出されたり、

駆除されないで

すむのかなって

そっか

そんな方法も

あったのね

なんでもないわ

タくんは

優しいなぁって

思っただけ

さあおやつに...

あ...

お片付けの

途中だったわ:・

二人でやれば

すぐですから

一枚だけ

おじさんの家の

裏庭には

小さな畑があり、

ふふ♡

この列のトマトも

真っ赤になってきたわ

明日には

食べられそうですね

その日食べる分だけ

収穫するのが

僕と千夜姉の日課に

なっていた。

彼女の本来の姿には

夜そのものを

覗くような

畏怖を感じたが、

初夏の陽射しと

土の香を纏う彼女は

眩しいくらい健康的で、

はちきれそうに

たわわで...

いてて...

だいじょうぶ?

肘とか擦ってない?

たわわ

な......

あら?

ごごごめんなさい

みてません!

みてません!

タくん

みてみて

スイカ...

これ知ってるわ!

果物じゃなくて

野菜なのよね

赤くて...

あまいのよね!

食べられるかしら?

食べてもいいかしら!?

とりあえず

割って

みましょうか

スイカが

みっつ...

じゃあ

さっそく儀式を

始めましょう♪

え?

そうですね

ぎしき...

ひゃっ!?

水着?

テレビで

観たから

知ってるわ

水着を纏って

視覚を遮断し

棒きれで

叩き割る

それがスイカを食べる

儀式なのよね!

間違っては

ないんですけど

それは一種の

ゲームで..

ふつうに

切って食べても

問題ないので...

せめてもうで

あら?

また何か勘違い

してたかしら

で・も・

折角だから♡

ほらほら

僕から

ですか?

だいじょうぶよ

お姉ちゃんの

言うとおりにすれば

上手にできるわ

視力を奪われているからか

他の感覚が

敏感になっていく

そこで止まって

そうよ

えらいわ

ここ...ですか?

えいっ

お姉ちゃんに

言われるがままに

身体を動かすと

はい

ぎゅーって

握って?

そのまま

まっすぐ

奥に...

感覚のすべてが

お姉ちゃんに

塗りつぶされていく

うんうん

じょうず

蕩けるように甘く

やさしい言葉が

耳元で囁かれて

もっと

強くしていいのよ?

媚薬のように

思考を麻痺させていく

よしよし

そらいえらい♡

何も考えず

導かれるままに

お姉ちゃんの言葉に

溺れたい

.....って

あれ?

ダくん

いい子ね♡

そうよ

このまま..

もしかして

僕は今

思いっきり

打ち付けて♡

は...

はいッ...

すっごく

いけない遊びを

しているのでは...

あれっ

このままじゃ

人としてダメに

なってしまうーー!

...

あらっ♡

人として

よしよし

甘えんぼさん

ふがっ...

ふふ♥

こっちはスイカじゃ

ありませんよ〜♡

ダメにー

~~~!?

~~!!

割れなかったけど

ヒビが入ったわね

上手にできました

えらいぇらい♡

あっ

あとは

お姉ちゃんに

まかせて!

...と思ったけど

やっぱり

ダメね

みしり...

目隠ししても

視えちゃうって

いうか...

どこにあるか

判ってしまうの

これじゃゲームに

ならないわ

あー...

そうなんですか

なるほど

なんというか...

うまく気を

逸らせば...

認識の遮断ね

やってみるわ

スイカを意識から

排除しつつ

スイカを打つ:

スイカの場所を

忘れて...

ああダメ...

忘れようとすれば

するほど逆に

でもスイカを

たたく...

ミンミン

ジワジワ...

でもスイカを

意識したら

視えちゃう...

頭の中がスイカで

いっぱいにー

スイカ...

スイカ...

すいか..

しまし

しましま...

スイカ...

そんなに

真剣に

ならなくても..

........

あの...

お姉ちゃん?

ちょっと...

お姉ちゃん!!

おねえちゃん!!

あい

...あら?

おいしい~!

これでしばらく

おやつに困らない

わねぇ♡

.......

...これ...

食べて大丈夫

だったのかな...

日蓮沼涼榛

きれいな

ひまわりですね

誰が持ってきて

くれたのかな...

......

おじさん...

:それじゃあ

また来ますね

おじさん.....?

第十二夜

...み...がみ?

伝えなければ...

...手紙.....

...手紙を.....

...手紙かぁ

持っていけば

いいのかな?

たしか

前見たときは

このへんに...

外国からの

手紙ばっかりだ

どれがようなのか

わからないし

とりあえず全部

持っていって...

深よう:要る必要の意茨城の方、

!!

保険証だ!

あら

さがしてた

カード?

よかった

今月中に見つかって

自己負担?になったら

どうしようかと

まだなにか

入ってるわね

写真.....?

場所はこの家の

庭っぽいけど...

これ...

もしかして

おじさんかなあ

どことなく

夕くんに似てる

感じの子ね

おじさんは

父の弟なんです

血が繋がってるので

僕と似てても

おかしくないかも

夕くんと

たいして歳が

変わらなそうに

見えるけど

これはだいぶ昔に

撮られた写真

みたいですから

もし

この子が本当に

おじさんだとしたら

顔が破れている

二人は...誰だろう

......

そっか!

写真!

夕くんの小さい頃も

写真に残って

いるのかしら?

見たいわー♡

......

それなら

これしか

ないんですけど

わあ!タくん

かわい〜い♡

ちいさ〜い♡

まだ四歳ですから

この両脇のヒトは?

両親です

...ああ

母親と父親ね

タくんは

母親似なの

かしら?

目もとが

そっくりね

そうですね

ママにそっくりだね

ってよく言われて

ました

両親は

どんな方なの?

五歳までしか一緒に

暮らせなかったですし

記憶もおぼろげですけど

もきゃ

もきゃ

おタマネギ苦手なのに

がんばって食べたなー

たいしたもんだ!!

もきゃ

もきゃ

もきゅ...

もきゅ...

はい!

父は

明るくて面白い

元気な人で

夕ちゃんは

がんばり屋さんで

えらいね

でも

もし本当に

嫌なことがあったら

そのときはちゃんと

嫌って言って

いいんだからね?

はい!

母は

寝込んでいることも

多かったですけど

のんびりした優しい人で

二人ともいつも

僕のことを思ってくれる

いい両親だったと

思います

そう

素敵な......

素敵な家族だったのね

タくんの:本当の家族...

おやすみなさい

おやすみなさいー

暑くて

寝つけないや...

...?

お姉ちゃん?

ゆ〜うくん♡

ああの...

お姉ちゃん...?

お姉ちゃんね

なんだか眠れないの

わわっ!?

僕も...です

じゃあ

こういうときって

普段どうやって眠って

いるのかわからなく

なりますよね

じゃあ

お姉ちゃんの

とっておきの魔法で

眠らせてあげる

これはね

眠ったことがない

なんて信じられない!

ママから教わった

とっておきを

教えてあげるね

神でも

悪魔でもない

ヒトの魔法よ

これは:

子守唄...?

低く穏やかな声で

彼女が歌うそれは

初めて

聞くはずなのに

どこか懐かしい!

聞いたことのない

異国の唄だった

...ゆーうくん♡

寝ちゃったの?

ふふ...♡

かわいい♡

..

おとうさん...

おかあさん

...!!

お姉ちゃんね

がんばるから

...タくん

その日、

彼女の中に

芽生えた不安に

タくんの【家族】に

なれるように

僕は気付くことが

出来なかった。

......

よし!

第十三夜

ねえ夕くん

お姉ちゃん

なにか変じゃない?

よそのヒトに

見られても

大丈夫かしら?

そうですね

角とか尻尾を

出さないように

あとは髪が触手に

ならないように

気をつけておけば...

髪の毛はねたり

してない?

リボンはこの角度で

大丈夫?

サンダル古臭く

ないかしら?

そっちの心配

なんですね

お姉ちゃん

気が気じゃないの

タくんの

お姉ちゃんとして

お買い物するんだもの

みっともない恰好だと

思われないように

しないと

大丈夫ですよ

プスでーす!!

言われちゃうかしら

お姉ちゃんは

いつでも...

その...

綺麗です

あら♡

ありがと♡

お砂糖と...

塚田商店

あとこれ

バニラを二本

ください

いつも

どうも

あれ今日は

一人じゃないのけ

はいはい

三百円ね

あ...

そちらの美人さんは?

そちらの

美人さんは?

えっと

姉です

ちょうどです

はいどうも

......!

姉弟で

おつかいけぇ

仲良くて

いいことしたなぁ

えへへ...

ありがとう

ございます

がんばってー

ここに神様が

住んでいるのね

ふふ...

雨宿りしても

怒られないかしら

あの...お姉ちゃんに

聞くのもなんですけど

神様って本当に

いるんですか?

わからないわ

??

ヒトから見たら

理不尽なほど強大で

それこそ神と呼ぶほか

ないようなものは

私に知覚できない

ものも含めてたぶん

無数にいるんだわ

でも

そういうものにも

できることと

できないことがあるし、

ヒトの視座で

どこからが

神に見えるのか

それが

お姉ちゃんには

わからないわね

うーん...

難しいですね

分かるような

分からないような...

お姉ちゃんの

できないことって

たとえば何ですか?

そうねぇ

死んだヒトを

生き返らせる

とかかしら

死んだ

ヒトを!

あら

雨が

あがったわね

神様に

挨拶して

帰りましょ

参拝の作

.....。

......。

ふふ...

雨宿りさせてもらって

お願いまでするなんて

ちょっと

厚かましかったかしら

夕くんは何を

お願いしたの?

私は

「夕くんと明日も楽しく

暮らせますように」

にしたわ

僕は...

秘密:です

ずるーい!

嘘をついた。

夕日がきれーい

明日も晴れそうね

シーツを洗って

廊下を磨いたら

ひんやりした床で

寝転がって本でも

読みましょうか

お夕飯は...

何にしようかしら

楽しみだわ

さおうちに

帰りましょ

帰るーー

帰るー

家にー

お姉ちゃんと

一緒にー

僕が一番

望んでたこと

僕の人生に

足りなかったもの

本当に

欲しかったもの

僕は、

手を合わせている間、

何も願いを

思いつかなかった。

正確に言うなら

僕に願いはなかった。

どうしたの?

なんで

泣いているの?

どこか痛いの?

.....いえ

違うんです

思い出したん

です

あのときー

お姉ちゃんに願いを

聞かれたときから

僕の願いはもう

この景色を知って

いたんです

僕はきっと

すべて叶えられて

いたのだからー

...そう

じゃあ

夕日が沈むまで

少し遠回りして

帰りましょうか

言葉を交わさず、

ただゆっくりと

二人家路を歩いた。

僕の深いところに

澱んでいた不安に、

それで第8巻にあれく...

彼女はただ静かに

寄り添ってくれた。

2巻のお買い上げありがとうございます。

13話も続いていることに多分自分が一番びっくりしてます

現実では一年以上の時間が過ぎていますが、

作中ではずっと夏なので、

自分もずっと夏休みの気分です。

もうしばらく、夏休みでいたいので、

どうぞ引き続き『姉なるものをよろしくお願いします

飯/田ぽち

Theysister

fthe

**odswitha

2016.0d.jicung

僕のお姉ちゃんは、

悪魔だ。

蔵の地下で出逢った冒涜的な存在と

姉弟の契約を交わしたタ。

真夏の旧家で二人が興じるは、

他愛ない、けれどあたたかい、家族の生活

庭游び西瓜割り添い、寝といった

しかし確実に深まっていいるはずだが

二人の絆は少しずつ

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電撃コミックス

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姉なるもの2

著者

2017年8月26日発行

発行者

発行者発行

飯田ぽち。

塚田正晃

株式会社KADOKAWA

〒1024の7.東京都千代田区富士見という

Q8-323-8745(営業)

http://www.kadkawarco.jp/

アスキー・メディアワークス

〒102684東京都千代田区富士見19-0

Q3-5216-8856(編集)

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プロデュース

©IIDAPOSHL.2017

X-この電子書籍は2017年8月26日発行の電撃コミックスWEXT「姉なるもの2」初版に基づき制作

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