...西尾維新

『大喜維人

SHONENNAGAZINE

CAZINECOMICS

瘢西尾維新

☆大暮維人

キャラクター原案:VOPAN

...

はい

戻ってきてしまった彼女を助けるためにし

ブラック羽川と名付けた怪異隊り猫・ドル

に解決したはずの問題が、再び形となってし

まったのだった。それは羽川翼が私め過えて

いた深い暗い想いその事荷を解き放ち、羽川

を救おうと奔走したCWの日々を度は回避す

る、再び、いや男に大きく硬い想いを背負い

6月13日阿良夕木原の別に太和現れたのは、17:11月31日に12月12日(土)日)

吸血鬼もどき・の少年。羽川に命の顔を感じ、羽川の

今年。わたしの恩を感じ、羽川の

ために死にたいと

すら思っている。

HanekowaTeubecの

TsubakuTsUbasd

OshinoMerme

忍野メメo!?

暦のクラスメイト

で、超がつくほどの

優等生。壮絶な生

い立ちと複雑な家

庭環境の下育つ

ブラック羽川中は...

怪異"障り猫"か羽川に顕現した姿。

それはそれだ。

自称・怪異の専門

自然怪失の寺門家"。一時的に直江っちゃぁん

津町を拠点に活動

4012.20代に信動しており、暦の相談

によく乗っている。

かつて"怪異の王

かつて「怪異の王・と呼ばれた誠血売のなれの果て、新

と呼ばれた吸血鬼のなれの果て。新たな名によって存

あなれの未し。新たな名によって存在を得られている

んなわにのっては在を縛られている。

待ち合わせの場所は、

別に

どこでもいい。

するべきことは

既にし終えていた。

だから後は

―待つだけだ。

阿良々木くん。

―――猫と戦う前に

30分前。

ーっ、

面白いエピソードを

耳にしたんで

伝えておくよ

委員長ちゃんの

ご両親なんだけどさ

実はもう

退院してるんだ。

!!

そうか

余程酷いと思ってたけど。

まぁ...

お二人に少しだけ

お話を伺ったりしたんだよ。

その時の

ー話を、さ。

彼女、

殴られた父親にー

なんて言ったと

思う?

ダメだよ、お父さん。

女の子の顔を映ったりしたら、

......はっ

羽川は...

―そうだ。

今ならー

気持ち悪いよね。

それが――~羽川”なのだ。

正しいんだよ。

僕だって殴るよ

そんな娘。

怪異より怖い。

それは

己の醜さ

己の未熟さを

間近の間近で、常に絶対的な正しさを

一つ屋根の下で見せつけられ続ける。

もはや恐怖と言っていい

延々と見せられ続ける

地獄だ。

謂れもなく

化物を育てさせられた

ようなものさ。

十何年もよく耐えたと

誉めてあげても

いいくらいだ。

結局、どっちが

本当の被害者

なんだろうね?

ご両親は心底

彼女を恐れていた――からこそ、

彼女に触れようとしなかったのさ。

......?

なんだよ忍野...

お前はあいつらの味方か?

中立だよ。

阿良々木くんは

そんな彼女が、

本当に正しいと

言えるのかい?

両親には両親の

言い分っつーか

忍野が何故

このタイミングで

こんな話をするか

そりゃ...

まぁあんだろ...

いろいろと

僕には

わかっていた。

忍野は僕をなんとか止めようとしている。

人は一人で

勝手に助かる

だけ

これは忍野の

哲学だ。

だから僕に

「やめろ」とは

言わない。

言えない。

障り猫ってのはさ

本来、招き猫の対極の概念として

考え出された怪異なんだよ。

いわば言葉遊びから生まれた

低級怪異だね。

僕の術は撥ね返すわ

通行人から吸い取ったエナジーで

最上級の術を駆使するわ:

ところがどうだ、

委員長ちゃんの触り猫ときたら。

全てが

イレギュラーだ。

僕ですら

そんな怪異は他に知らない。

ーーっまり、えと。

新種だ。

いいかい阿良々木くん?

触り猫は

彼女の中にしかいない怪異

ーなんだよ

触る者に祟りを。

触る者に不幸と

厄災を。

彼女は

どぞういう存在

責められるべきは彼女一人だ。

君だって春休みーー

忍野

もういい。やめてく

やめてくれ

殺したくなってくる。

へえ。そりゃあ僕をかい?

僕をかい?

それとも

委員長ちゃんを

かな?

だとしたら、まひと

君は人として

まだまともだよー

彼女はもともと

という存在ー

僕は僕の

僕にしか

できないやり方で

やる。

羽川がきょぜ

僕を拒絶して

僕に助けを

求めてくれない

のなら。

僕が羽川に

助けを求めるまでだ。

阿良々木くんッ

大丈夫ッ!?

幸いなことに。

よう

という人間の

懸念材料はいくら

しまう。助けてくれ。

しまう。

喫血鬼に殺されてしまう

心配し放題の僕である。

郷血鬼に殺されてしまう

しまう。

助けてくれ。

はっ

羽川に

対しては

このメール

1本でしょうがん

十分なのだ。

なるほど...

...最低だよ阿良々木くん。

嘘をついてどんばい

人を心配させてー

いけないんだ

カッ

カカカッ

何よ

カカカかカカ

カカカガカカ

人が怒ってるのに

何がおかしいのよ

どーしたよ?

言葉遣いが

乱れてるぜ

優等生。

語尾に

にゃーにゃ!

引っつけんのが

触り猫のキャラ設定

だったんじゃ

ねーの.....

かよッ

なぁんだ

いつからバレてたの?

いや

「にゃあんだ」かな?

どっちでもいいや

あははは

最初から...

なんとなく

わかっちゃいたさ

友達だからな

「そうだ。

羽川がはか

羽川でないことなど

ーずっとなかった。

忍野の言う通りさ

......怪異なんて

初めからどこにも

いなかった

羽川...

お前の中以外には

どこにもーーな

車に轢かれたあの猫の墓...

掘り返してみたんだ

フツーにやっぱり

ただの猫だったし

よく見たら

三毛だった

要するに

これがお前だよ

掛け値なし

正真のお前自身

友達からヘルプを求める

メールが来りゃ

どんな状況だろうと

猫が毛玉を転がすように

本能的に駆けつけずには

いられないー

そんな

どうしようもなくいい奴。

それがお前だ

それがお前だ

お前が襲った

通行人300人だってー

体力吸われて

ちょっと意識を失う程度の

イタスラ程度のもんだったレッ

僕を標識で

ブン殴ったのだってー

僕なら大丈夫と

知ってたからだろうがッ!!

お前さッいま

実は今

ちょっとホッと

してるだろッ

僕が吸血鬼に

殺されてなくてー

心の底から

安心してるだろッ

すっげぇ強すぎて

すっげぇ優しすぎて

生きんのしんどいのも

わかる!!

怪異つくって

怪異のせいにして

そのご自慢の絶景ボディを

ここぞと見せびらかしたくなる

気持ちだってわかるけどさぁッ

そんなこと

言いながら

阿良々木くん。ときまだ

私の下着姿に

興奮してたんでしょう?

恥じらいのない乳は

ただの景色ッッ!!!

えッ!!!

mono

gutari

いや、そういえばいいんだよはいはい、いいんだよ。はいはい、いいんだけど...

ーこれが

私。

あれも

私?

何を

...言ってるの?

阿良々木く...

......

無茶言わないでよ

私だって

辛いんだよ

私だって

できることと

できないことがあるんだよ

やリたいこともやりたくないこそもたくさん―...

やりたいことも

やりたくないことも

たくさん―...

私だって

人間なんだよ?

人間じゃ

ねぇだろ

がッ!!!

お前は怪異に

その身を委ねた

人間の頭に

そんな耳

生えてるか?

あ?

引き戻るが、

うるさい

......

酷いこと

言うなぁ...

私がどうして

こんなことに

なっちゃったのか

知ってるくせに

こんな私にー

...どうしてそんなこと

言えるの?

酷いよ

酷すぎるよ

阿良々木くんは

私に同情してくれないの?

しねーーよッッ

本当の父親は

誰だかわかんねーし

産みの親は

自殺しちまうしッ!!

あっちこっちの家

たらい回しにされた

挙げ句によッ

血の繋がらない両親と

冷めきった関係で

あんだけ

でけぇ家なのに

部屋も与えられず

廊下で寝起きして

それでも強い

普通でイイコで

あろうとして

あろうことか

それがっ

そんなことが

達成できちゃって!!

本ッ当

お前ついて

ないよなぁッ!!!

言っちゃあなんだが

不幸すぎ!!!

だけどさぁ、

いーじゃねぇか。

それで

いいじゃねぇか。

お前って奴ぁ

とことん嫌なことがあっても

笑って元気で

何事もなかったよーな顔で

家に帰って

退院したお父さんや

お母さんと和解もできず

何も変わらずないから

同じ生活を

送ることになるんだ!!

羽川ッ...。

だけどさッ。

だけど羽川ッ

それが

それが、

お前なんだよ。

引っき摺るぜぇッ

万が一

将来幸せになっても

無駄だぞッ

なかったことになんて

ならねぇッ!!

永遠に心に積み重なる!!

忘れた頃に思い出す!!

一生夢に見る!!

機械みてーな

仮面かぶろーが。

猫をかぶろうが

怪異になろうが。

お前は

お前のまま

なんだ。

それがー

僕たちだ。

羽川。

それはもう

決まっちゃってること

なんだから

目を逸らすなよ。

背負えよ。

......

ことですか

にゃ!?

それでもストレスを

発散したいってんなら

僕が全部ー

引き受けるよ

お前の胸を

いつだって

揉みまくって

やるし

下着姿の

どこだってなぁ

舐め回して...

いや

舐めるように

見てやる

それでまん

我慢しとけ

それ言い直した意味別にないんじゃ

別にないんじゃないかなッ!?

ほんっと

阿良々木くんって

最低

こんな私を

認めろ

――だなんて。

阿良々木くんは

私のヒーローには

なってくれないの?

僕がなれるのは

吸血鬼だけだ

そ。

こんな私を

認める

ーなんて。

えっ

いえ、

ええ、えぇ、死んだ死死なんだん

いや...

...

え、れんじゃ、死んだ

んんん...

んひゃんじゃじゃ

こ、こ、

...

これで、

ダイし、

死んじゃえ

やええ

そうですか...

死んじゃぁ...

...

これじゃ、

むんじゃなく、やって

ヒヒ、

死んじゃえ

...

んじゃえ

ヒッヒー

いえ、それでも

えええ...と死死なん

そんなわけじゃないでしょうね

なんだか、どうしたんですか...

...

...

...

...

タノ

〈死んじゃえ、死んだゃぇ、

いやえ、死んじゃえ

れんじゃっ

そ、知らじゃえ、死んじゃぇ

こ、どんじゃ

...

やえ、死んじゃ

にゃはぁ

阿良々木くんが

私のストレス

全部引き受けてくれる

にゃんて

素敵だね

じゃあ殺しても

いいのかにゃ?

いいよ

本望だ。

僕は

そのために

ここに来たんだから。

僕は

僕は

お前に殺されて

死にたいー

阿良々木くんは、

さ。

何もー

知らないんだよ。

私がどれだけ

あなたに...

どれだけ

期待していたかー

家まで送ろうか?

ううん、

なん

にゃはは

いい。

阿良々木くんなら

私を止めてくれるって。

―それなのに。

あの時。

して私は

素直に「うん」って

言えなかったのかな。

――なんて。

どうして

阿良々木くんは

―あの時。

戻ってきてくれなかった

のかな

ーーなんて。

死んじゃえ。

私なんて死んじゃえ。

少し

遅れて。

冗談のような痛みが

全身に走る。

痛ッ

...ッ

痛ッ...

いぎっ

いっ

あッ

前、すっすっ行った、す、で

そういうことで、

・インターネットワーク

しかし、このような

...

痛ッ

痛い

ぎひっっ

いっ

いぎゃあ

あああ

きっ...

傷がっ

.....ないっ

体に傷は...ッ

どこにも

――ないのにッ

あ...阿良々木くんッ

...私の体にッ

何をしたのよッ

私にッ

はは...

お前らしくねぇなぁ

羽川

...くくッッ

この僕が

お前の神ボディに

傷一つつけるわけない

ことぐらい

わかるだろうに

僕が斬ったのは

お前。

お前じゃない。

まずは

カカッ

僕自身。

あらかじめ

呑み込んどいた!!

紳士の僕にとっちゃ

おっぱい揉んでやるとか

お尻舐めさせろとか

心にもないこと言って挑発すんのは

体の芯に刀を通すよりも

よほど生き地獄だったがー

ぎまぁみろッ

お前こそ

僕に触れるべきじゃ

なかったのさッ

僕なんかと

友達になるから

こういう目に遭うんだよっ

羽川ッ

寄るな触るな

障り猫ー

...ッてよォッ

羽川ッ

ーいやッ

猫ッ!!

妖刀

妖刀・心渡...

別名ーーーかいいころ

〝怪異殺し〟

怪異だけを。

怪異のみを殺すための凶器。

怪異を前にすれば

類まれなるこの名刀は、

怪異以外は何もー

コンニャク一つ

斬ることはできない。

つまり、

羽川自身には

なんら傷を負わせることなく、

猫だけを

ーー斬った

!?

そんなチート

チートな...

言って

ないもんなッ

知らなかった

だろッ!?

安心したぜ

羽川

お前だって

なんでも

知ってるわけじゃ

ないんだな

........

だったら

なんでも知ったようなツラで

私なんて死んじゃえとか

言ってんじゃねェよッ!!

たかだか十数年で

人生知ったかぶって

見切りつけるこかざっけんなッ!!

おぼっお前ッ

おばぇばッ

ごぼぼッ

僕は死ぬ。

ーったくよぉ。

なんて幸せなんだ。

触り猫の攻撃は

僕の体力と

吸血鬼の回復能力を

奪っていった。

実際、

再生する気配は

僕の胴体から下が

全くない

まぁ、そうだ。

僕は死ぬ。

羽川のために

死ねる。

っん

わかってる。

こんなこと

...なんの意味もない。

こんなこと...なんの意味もない。

それで

二つ目だけど

......

あの時、忍野はきっと

「こんなの」

「ただの無駄死にだぜ」

ーって言いたかったんだろう。

怪異を一旦

セットしたところで

羽川自身の問題は

何も解決しないのだ。

だからさ、羽川。

僕はお前を

助けようなんて

これっぽっちも

思っちゃいないんだ。

お前みたいな..

境遇の奴なんて

...結構いんだろうよ

...でもみんな...

怪異のせいにせずに

怪異に頼らずに

――生きていると

思うぜ

甘えてんじゃ

.......ねーよ

バーカ

だから...

こんなヒドいことばっか言う

僕のことなんてわす

すぐに忘れて、

ただ、僕はあの時に

決めただけなんだよ。

お前のために死ぬって。

お前は

ーがんばれ

がんばれ。

がんばれ。

お前は自分で

がんばって

―幸せになれ。

はぁ

はぁ

阿良々木くんはさ。

......

はっ

やっぱり

くすっ

最高の

私のヒーロー。

友達だね。

あの春休み。

ごめん。私。

あの刀のこと

ー知ってた。

ハートアンダー

ブレードさんが

話してくれた

じゃ

あの時―確かに刀の能力についてまでは何も言ってなかったから

あの時―確かに

刀の能力についてまでは

何も言ってなかったから

阿良々木くんは

私が知らないと

思ったんだろうけど。

最強の吸血鬼と最強この退魔師が

一瞬で呑まれるような怪異

そんなものから

ハートアンダーブレードさんを

護るために作られた刀であるならば、

大体のー

能力の予測はつくよ。

ーだから。

だから

ありがとう。あららぎ

阿良々木くん。

私を

殺してくれて。

だって

私は知ってる。

手遅れだって。

私はもう完全にいったいか

怪異と一体化してる。

私が産んだ怪異が

斬られたのだから

―私が死ぬんだよ。

えへへ

阿良々木くんに

出逢えて

ーよかった。

生まれた時は

不幸だったかも

しれないけれど。

今はこんなにも

幸せに、

羽...川?

羽川ッッ!??

死ねるよ。

えッ...

おっ

おっ

ひっ

ぎゃ

化物語

そんに、俺たちはやってくれてるの

...

は?

腐っても弱ってした

死にかけても。

にゃあぁあ

あぁあぁ

あぁ

怪異はやはり

怪異。

妖刀によって傷つけられた。猫が

苦し紛れに羽川から分離をっ...!?

ひっ

あぁっ

だめっ

ひっぱっ

ちゃ......っ

だっ...

あっあっっ

あっ

ひっ

あぁ

くっ

........

くっそっ...!

そうじゃない

だろ

猫!!

おちおち

おちおち

死んでも

ーいられない。

お前は僕に

いぎっ

羽川をなす

ー助けるんじゃ

なかったのか。

ぎゃひっ

こんな苦しませて

どうする

羽川はっ...

羽川の望みは

普通の

女の子に

なりたい

―それが、

ご主人の願いにゃ。

よろしく頼む

俺が一緒に

中にいると

ご主人まで

死ぬにゃ

お前はコイツと

幸せににゃれ

まっ.....!!

アホか

この従僕は。

儂の刀を

無茶な使い方

しおって。

...ッ!!

例によって

いつもの如く

目の前のことしか

見えておらんな

わっ...

傷の回復力が

戻っ....!!

よいかいいか

怪異殺しとは

こうやるんじゃ

刀などいらぬ

手本を示して

やるから

よう見とれ

見蕩れとれ。

私はずっと

ーずっと、

普通の女の子に

なりたかった。

普通の家に

生まれて。

普通の両親がいて。

普通の性格で

......

やめて...

普通の恋もして。

儂を無理矢理

生かしておいて

勝手に死ねると思うなよ。

.....やめ

いや...

苦しんで苦しみぬいてー

この世にこれ以上の苦しみなど

あるわけないと思うても、

それを易々と超える不幸が、

一人の身で知りうる限りの、

最高の不幸が

うぬの人生を支配するじゃろう。

それがー僕を生かした

うぬの代償じゃ。

人ならぬ

力を持って

生まれた者の

運命じゃ。

地獄なら

とうに知っておると

思いあがっておるのなら

大間違いじゃぞ。

「わかってる。

わかっています。

今さら普通の女の子に

なれるわけなんて

ないってこと。

だって人は

普通じゃないことを

目指すのが

普通なのだから。

やめてよぉっ..

だからここで

あぁ

ああ

死ぬの。

阿良々木

あぁ

見にたいの!!

くんに殺さ

れて死ぬの!!

ああっ

なのに...

ーなんで!!

なんで!!

なんで!!

...なんで!!!

なんてなんで!!

...なんで!!!

...なんで!!!?

うぬはいずれ、

世界の形そのものを

変えてしまうじゃろう。

儂が400年ぶりに

この国に来て!

そのうぬが...ここに居た

それが偶然だと

儂は思わぬ。

「いいよなッ

羽川!!

これで

これで

いいよな!!

僕たちみんな

ロクでもない

けどっ

僕たちは

ずっと同じだ!!いっしょ

ずっと一緒だ!!

す~~~っと

僕なんかとお前は

友達だあッ!!!

どんだけお前が

すっげー不幸で

めちゃくちゃ報われなくて

取り返しなんて

全然つかなくても

どこにも逃げられないぞ

はっは

......

だからいいだろッ

それで!!

じゃあ

今度ちゃんと

おっぱい揉んで

!!?

しかし

ともあれ。

クソッ抜けしない

僕たちはこのようにして

悪夢のように血みどろに、

正夢の如く死にもの狂いで、

問題を先送りしたのだった。

......

フン

まぁ今回は

これで

よしと...:

ーーしようぞ

おはよう

阿良々木くん。

おはよう

羽川。

次の日

僕は己の全智をかけて

自然にふるまった。

ヒューヒュ―

今日もおっぱいが

大っきいな

朝っぱらからどうどう

そんな堂々とセクハラが許されるのは

阿良々木くんが人類最後に

なると思う

えっ...

あ.....そう?

えへへっそうなの!!

やるからには

えへへっそうなの!!実は私けっこうはりぎっちゃってるんだ!!やるからには

他のクラスに負けない

すっごいの

作らなきゃね!!

そ...それより

文化祭だな!!

...お前が張り切ると

周りが死ぬから

やめてくれないか..

羽川もまた――

いつも通りだった。

忍野が

猫に関する記憶を

全て消し去っていた

からだ。

まずは副委員長たる

阿良々木くんには

しっかり働いてもらわないとね

GW以前と全く同じ

ーというわけでは

なかった。

.....はい

......

そのスカート

...ちょっと

短すぎや

しませんかね

羽川さん...

ん?

朝起きたら

なんだか今日は

すっごくスッキリしててす

こんなの

超久しぶりっ!

ていうか!!

むしろ

生まれて初めてかも

しれない

もしかして

こないだ阿良々木くんが

殴らせてくれたから

なのかなー

ーって

3cm短くしたんだよ

...

お礼で

どういう

お礼!?

.....ごめん

やっぱりコレ...

セキュリティは

めちゃくちゃ低下するね

ま...まあ

これもその

お礼みたいなものと

思って...

あら、はぁか

羽川さん。

パンツ

穿き忘れてる

わよ。

えっ!?

穿いてる...

無断欠席した

優等生キャラは

やめちゃっかしら?

そっちの貴女の方が

戦場ヶ原さんっ

初めて話しかけて

くれたね!

ね、

もっとお話

しない?

人間っていうのは、

問題が次から次に起きるのが

ある意味当たり前の生き物で、

敵わっ今だってそこに

申しな空き

五年三組八九寺真脅池!!

「話しかけないでください。

素敵!!

ついつい解決しちゃいたく

なるもんだけど、

けっこう周囲はその問題込みで

受け入れてくれていたりする。

お義願の...

民倉荘弘

全身凶器

一帰りましたっ

東一週間毎朝練エラロ

総五月の十四日日曜日警察部の

猿の手

逆に解決したことで

別の問題が深刻化したり

自分から新しい問題に

首を突っ込んでいったり。

グラ

そうして問題をずっと先送りし続ける。

そうして問題を

ずっと先送りし続ける

然秘権の行使ー

仕事が終わりました。仕事の暑さには出来ないかもしれないですね。

クール水着工事研究開始時間が開始していましたが、

1003学結婚相談会です

クントボールのエース

「言い直そう。

私は百人物のど

問題”こそが

人生

なのかもしれない。

そう考えれば。

僕らはかな

夢を叶えるために

努力をしている

そのでは、なく。

努力をする

ために

夢を見る努力を

しているのかも

しれない

羽川は

―どんな夢を

見ているのだろうか。

GWの猫黒・騒動の

あらましである。

回想、終わり。

ここにいたのかい

阿良々木くん。

僕の近くであ

うろちょろしないでくれよ

3歩歩けば

問題を持ってくる

男だからね

君は

...何か...

わかったのか?

忍野

やっぱり

委員長ちゃんは

GWのことは

何も憶えちゃいないよ

プラック羽川としての記憶は

――委員長ちゃん自身はし

何も知らない

でも...

おかしくないか?

忍野

“ブラック羽川”。

17年間溜め込んだ

家族に対するストレス:

それが全部

発散されてー...

キレイさっぱり消えたのに

ただの1か月程度で

同じレベルのストレスが

溜まるもんなのか?

僕はそれを、

なかなか的を射た名付けだと

思っていた。

あの、

黒くて寒くて黒くして黒い!

暗黒のような存在の

羽川もまた。

羽川翼であることに

間違いないのだ。

結局――羽川のアレは...

猫・とか関係なくて

二重人格とか

ういうものって

ことなのか?

いやそうじゃない

猫は猫”だよ

阿良々木くん。

君と一緒の時だったか

どうかはわからないが

委員長ちゃんが

どこかで”障り猫”に

触っていたのは確かだ

......ん..

羽川の中の

―何十もの

何百もの

いろんな“顔”の

―羽川。

全部

羽川じゃなくて

でも、

全部が!

その中に。

無数の羽川の中に

放り込まれた猫

ーも、また。

被害者だったのかも

しれない。

怪異に憑かれたのは果だして

どっちだったのか。

委員長ちゃんが

猫を手放す機会は

いつでもあっただろうさ

>KEEPOUT

しかし全てを

“猫”のせいにした

その方が...

彼女にとって

都合がよかったからだよ

だってぇ、

むしゃくしゃ

してたんだもーん。

そして...それをいいことに

引きも切らない悪行三昧ーか

...まったく

世話のやける...

世話のやけない

女の子なんていないぜ

阿良々木くん。

...そういや忍野

あん時のお礼を

まだ言ってなかったな

ん?

あったかな

そんなこと

お前がさブラック羽川に00回ぐらい負けて

100回ぐらい負けて

ボロボロになったろ

お前がわざと負けて

サンドバッグの役を

引きつけてくれなかったらー

もっと被害は拡大していたと思う

もしかしたら

死人が出てたかも

しれん

ありがとな。

そんなことより

羽川だ

どうすりゃ

いいのかなぁ...

結婚しちゃえば

いいじゃん。

......

は!!?

何言ってんだ

いきなりッ

阿良々木くんが

委員長ちゃんと

結婚しちゃえば

全部丸く収まると

思うんだよね。

彼女は

ずっと憧れていた

家族”がいい

手に入って...

――猫”も

いなくなるだろう。

いや、だから

解決策さ。

いやいやっ...

悪い冗談だぞ忍野ッ

軽く言いやがって!!!

いやっ

てかっ

第一僕には

戦場ヶ原という彼女がー

え。

え。

別れりゃ

いいじゃん。

僕はてっきり

阿良々木くんは

委員長ちゃんに

恋しちゃってるん

じゃないかと

思ってたんだけど

いいじゃないでしょうか

君たち

一手や一部チャーチ

僕はてっきり

阿良々木くんは委員長ちゃんに

恋しちゃってるんじゃないかと

思ってたんだけど

いやっ...あっ

あのなぁっ

馬鹿言ってんじゃ

ねぇよ

そもそもだ

羽川の気持ちってもんが

あるだろ...

―...羽川は僕に

助けなんて

求めちゃいないし

今回だって結局

羽川が頼ったのは

お前なんだよ

忍野

だいたい僕はとき

GWの時のことだって

余計なことを

...差し出がましいことを

したんじゃないかって

思ってるんだ

...

頼まれもしないのに?

そうだよっ

頼まれもしないのにしゃいで

しゃしゃりでて。

羽川の邪魔を

してしまったんじゃ

ないかって。

...阿良々木くん。

こんな話が

あるんだがー

聞いてくれるかい?

ん?

ある家族の

話だよ。

どこにでもいる。

ごく普通の。

その家族は

家を買った。

広さの割には格安の中古だ。

彼らはとても喜んだ。

で、引っ越してからしばらくして

梅雨に入ってね、

毎日毎日うっとうしい雨が続いていたんだ。

毎日毎日うっとうしい雨が

続いていたんだ

ある朝

父親が書斎の扉を

開けようとして...

ーー開かなかった。

扉に鍵は

かかっていなかったのにも

かかわらず

誰かが外から

侵入した形跡もなかった。

!?

?!!?

この部屋で

そこで彼らは

思い至った。

前の住人の誰かが

この物件が

格安で売られていたのは

これが理由だったのだと。

あかずの間の怪

ーってやつき

そこで家族は

たまたまその町に立ち寄った

うさんくさい陰陽師に

解決を頼むことにしたわけだ。

なんの話だよ

お前僕の話

聞いてたのか?

はっはー

まぁ、

それで、だ。

陰陽師が調べると

原因はすぐに判った。

長く続いた雨で

扉と周りの木材が

湿度で膨張してね。

扉と枠のスキマを

ぴったり埋めてしまって

固定していただけだったんだ。

怪異とはなんの関係もない

ーーただの物理現象だ。

怪異とはなんの関係もない――ただの物理現象だ。

陰陽師は調査と称して

ロハで快適な寝床を

手に入れたって寸法さ

......?

梅雨が終われば放湿して

扉は勝手に開く!

と、思っていたところ..

呼んじゃったー

...というのかな

その家族が

あまりにも

怖がるもんだからさ。

その念、というか

想いみたいなもんでー

そもそもありもしない怪異を

彼らが創ってしまってね。

陰陽師はしぶしぶ

料金分の仕事を

するハメになった

ーってオチさ。

いやだからさ忍野

その話と羽川が

なんの

原因があるから

怪異が生まれたわけじゃない。

そこに怪異があると

考えたから

怪異が生まれたんだ。

委員長ちゃんの

猫”も同じなんだよ。

阿良々木くん。

もし、最初の朝に

父親が冷静で

合理的な判断を

していれば

なんの騒動も

起きなかったし

陰陽師にぽったくられる

こともなかった。

...羽川の

怪異の原因は―

生まれた環境や

家族にあるんじゃなくて

オンボロがっ

羽川自身の

気の持ちようって

...ことか?

怪異はー

どこにでもいるんだよ。

......だけど

見つけなければ

初めからいなかったのと同じ、

羽川が過去や原因に

囚われず

別の何かに

その想いを変えていけば

羽川自身が

変わっていくのだー

ーと

そうすれば

いずれ

怪異とは無縁の生活を

送ることだって可能さ

忍野は言った。

だからさ。

君は委員長ちゃんの

一生涯の親友になって

あげなよ。

結婚とか恋とか

ーそういうのは

抜きにして。

親友。

君が何をしてやる

ってことでもないさ。

側にいてあげる

だけでいい

......

ずっと一緒に

側に、いる。

誰かが側にいてくれる。

くれる。

それだけでどひとり

人は一人で

勝手に助かる

もんなのさ

羽川が悲しい時。

羽川が困っている時。

それが僕にできる

唯一のことなのかもしれない。

必ず僕がその側に

いる

羽川!!

僕たちは

ずっと同じだ!!

ずっと一緒だ!!

忍野は

何も言わない

ーが

こいつが

気づいてない

僕は確かに

ーーそう言った。

す〜〜っと寒く

僕なんかとお前は

友達だあッ!!!

あの時。

言ったけれども

ー思うのだ。

本当にそれは

正しいことなのか、と。

春休み。

羽川は、

僕の血を...。

いや。

正確に言えば、

僕の体を介して

怪異の王の血を、

キスショット・

アセロラオリオン

ートアンダーブレード

の血を

その体の奥に受けとめた。

羽川にもともと

なんらかの素養があったのは

事実だろう。

かし、それまでは

ーただの人間だった。

羽川はあの時に、

明確に怪異を宿したのだ。

僕の、せいだ。

あれさえなければGWの

“猫”の騒動は

起こらなかったのだろう。

このまま

エスカレートしていけばいずれ、

羽川は誰かの命を

奪ってしまうことも

十分にありえる。

そして誰かに

たぶんじゅ

忍野に――...

退治されて

殺される

羽川は

怪異から

離れられない。

羽川にも、

忍野にも、

そんなことさせるなんて

まっぴらだ

僕自身が怪異なのだから。

僕が

側にいたら、

羽川は

ますます不幸に

なっていくだけなんじゃ

ないのか。

はっはー

煮えきらない

っていうか

本当にイライラする男だねぇ

だねぇ

現実だって

怪異と何も変わらないんだぜ

阿良々木くん?

ちょっ

え?

えっ?

今まで見えてなかったものが

表に出てくるっていうのはね。

......

限界が来てるってことさ。

阿良々木くん。

ごめん

――忍野

お前が

イラッとくるのはー

理解できる

原因はわからないが...

羽川が限界なのは

確かなんだよじゃなきゃ

“猫は出てこない

......

ーーだけど...

僕がさ

ずるん

「ずっと

羽川の側にいてやれ」

って言われても

僕は結局

―何もできない

結婚の話は

お前の冗談だとしてもだ

何か僕がアイツの力に

なれるんならともかく

羽川にとっちゃ

僕なんて

むしろ迷惑で

足手まといにしか

ならないんじゃない?

ないかって

うぬならば

こうすると思った

せねばせぬで

ひと思いに

こやつを咬み殺すだけ

じゃったがの

結界を

解いたのならば

早々にこの町から

立ち去るべきで

あったのう

まぁ僕も

そのつもり

だったんだけど

ねぇ

うぬは役立つ男ゆえ

放っておいたが

先日この者にやらせた

アレ”はーー

余計であったなぁ

はっはー

思った通りー

効いたみたいだね

...

ムカ

お前の言葉はいちいち

効くよ...

ん?あ...あぁ

そうだね

君は君でいろいろ

考えた方がいいと

思うけど

阿良々木くんー

憶えているかい?

僕がこの町に来た

理由ー

...

この町には

よくないものが

集まっているって

――言ったよね?

あ......あぁ

えっと...

そのよくないものを

集めてるのが

僕と

君と。

もう一人の

〝怪異の主〟だ。

でもさー

僕は“もう一人”が

忍ちゃんだなんて

一言も言ってないぜ?

.......?

はぁ?

忍ちゃんはもうただの

吸血鬼の搾りカスさ

―そんなものより

もっと王に

ふさわしいのが

この町にはいるだろう?

人類最高の

頭脳と。

怪異の人たちの

身体能力と

攻撃力と。

怪異の専門家も

顔負けの

呪式知識と。

触るだけで

人間を無力化する

エナジードレイン

い..いやちょっ...

ちょっと待て

忍野ッ

は......

羽川がー

正確に言うなら、

なりかけさ。

本人もまだ

その自覚はないだろう。

だが、この町の

よくないものが

新たな怪異の王”を

必要としている。

そんなの

それこそ裸の王様だ。

王様ってのは

自称して勝手になれる

もんじゃないぜ?

求めるものがいるから

生まれるのさ。

助けてって...

本人に言われなきゃ

助けを求められたことに、

ならない...

―なんてことは

ないだろ?

助けてって本人に言われなきゃ聞けを求められたことにならない...!なんでことはないだろ?

猫に鈴ーーって

わけじゃないけどね

彼女は誰かが側で

見てあげておいた方がいい

ーっていうのは

そういうことさ

軽はずみには言えない

言葉っていうのは

誰にでもあるよね

阿良々木くん。

ゲホ

なんだコレ

忍野っお前タバコ

吸いすぎじゃねぇか

――将来のことは

ともかくさ...

今は目の前の猫を

解決しないと

忍を連れてこいよ

結局アイツに頼むしか

他に方法はないんじゃないか?

...まぁ...

その通り..

なんだけど...

いやそりゃ

忍だって簡単には

動いてくれないだろうけど

また被害が出る前に

なんとかしないと

んーそうかもねぇ...

しかし悪い時には悪いことが重なる

っていうこともあるしねェ

―不幸は不幸を

連れてくるっていうか

...お前

ひょっとして

何か誤魔化そうと

してないか?

思えば今日

コイツは

ずっと様子が

変だ...

ーーった...。

昨日、ここで

吸血鬼の女の子を

見ました

......

忍野.....

訊きたいことが

あるんだが

奇遇だねぇ

僕も

阿良々木くんから

訊かれたいことが

あったんだよ

いいじゃないでしょうかな...

...!!!

忍はどうした?

うん。

それそれ

忍ちゃん

自分探しの旅に出ちゃった。

悪い時には悪いことが重なる。

不幸は友達を連れてくる。

〜〜〜~ッ

クッソッ!!!

どいつも

こいつもッ

そんなこと

アイツが一番よく

わかっているだろッ。

そんなことーアイツが一番よくわかっているだろッ。

忍はーーはな

僕から離れられない。

僕の血を飲まなきゃあいつは1週間かそこらで餓死するんだ。

僕の血を飲まなきゃ

あいつは1週間かそこらで

餓死するんだ。

それなのに

あえて出ていったーと

すれば......ッ。

.......

だから言っただろう

阿良々木くん。

世話のやけない

女の子なんていないってさ

あんたも

それで苦労したクチだろう

先パイ

はっはー

それにしても先輩

ほら

僕は『ねこ...ねこ・幻想曲』を

思い出しちゃったよ

あの

猫部ねこ先生の

...って

無粋だねぇ...

――!!

猫部ねこ先生は

『きんぎょ注意報!』にゃ

猫っていうだけで

混同するにゃ

はっはー

そうそう

僕が欲しかったのは

そういうツッコミ

だったんだよ

そのアロハは

まだ利用価値があるにゃ

...

殺すのは

いつでもできるー

にゃっ

阿良々木くん。

こりゃあ

驚いた

アレを一言で

引き下がらせるような君に

――僕なんかが

なんの価値があるんだい?

阿良々木くんは

察するところ

知らないでしょう?

その顔

仕事の

依頼かい?

私が

恋してたなんて。

人じゃないものに。

人じゃない世界に。

人じゃない力に。

それだけが私を

このつまらない世界から

解き放ってくれるって

信じた。

私は

吸血鬼に魅入られた。

阿良々木くんは

知らないでしょう?

ずっと、

“ストレス”は

私そのものだった。

でも、GWの時、

私は、無くなった。

だって私の中には

それしかなかったんだもん。

私は、亡くなった。

だから今

私の中には何も無い。

この気持ちしか

私を支えるものは

何も

ないの

忍ゥゥ

......

忍が...

応じるはずもない。

うるせえ!!

ッッ!!!

すいませんっ

6月13日。

そもそも

まだ

この町にいるのか...?

いいんハハ...ちんんん...

僕の地獄が終わる

記念すべき日

予定だったわけだが、

なんだ

全然出ねぇな...

風呂か?

まだ諦めるわけには

いかない

デートに遅れたら

全裸で女子更衣室に

叩き込むわ。

第一声がそれか...。

いえ、別に?

電話に出るのが面倒臭かったから

発信者も確認せずにボケットに入れたまま、

放っておいたのだけれど、あんまりじつこいから

じゃあやっぱり出なくていいかと

諦めて発信者を確認した岡良く木くんだったから、

電源ボタンを押して呼び出し音を切ろうとしたら、

間違って通話ボタンを押しちゃったので

仕方なく出たのよ。

ところでだよぅ

何か用かしら?

そんな奴に

用なんかあるか!!

コイツはじゃこ

電話越しでも

全く衰えを

見せないな...

戦場ヶ原

僕の話を

聞いてくれ

土下座されたんじゃ

しょうがないわね

してねぇよっ

何?

忍?あぁ。

あの、

金髪の子ね

うん...へぇ。

そうなの。

お願いします!!

私は捜すの

手伝わないわよ。

もしかして

また学校にいるのか!?

羽川さんが早退したから

こっちは目茶苦茶よ。

何一つ

うまく機能してないわ。

あの人、こんな無茶な

処理をしてたなんて

正気を疑うわね。

正直、こうしてる時間すら

切るわよ。

そのっ...

ちょ...

ちょっと待て

ちょ...ちょっと待て

阿良々木くんは

えっと...

.....戦場ヶ原

てっきり

委員長ちゃんに

恋しちゃって

るんじゃないかと

思ってたけど。

お前の蟹の一件が

片づいた後に話したこと

...!憶えているか?

...阿良々木くん

訳のわからないことを

言うのもほどほどに

してくれないかしら

そんなの

一語一句

忘れるわけ

ないでしょう。

僕は

はっきりさせて

おかねばならない。

僕のために。

僕だっ

あの時の戦場ヶ原の言葉を

1秒だって

忘れたことは

ないのだから

ねぇ

阿良々木くんは

吸血鬼を

治してもらわないの?

忍野さんに。

いや

これは僕がじゃん

自分で選んだんだ。

ずっと

このままさ

...そう。

私、ね。

ずっとえが

考えていたのよ。

どうして私の体重は

5kgだけ――残ったのか。

それは

私の価値が

そのくらい。

せいぜい5kg程度の

存在でしかなかったからだと

思っていたのよ。

でも、違った。

そうじゃなかった。

逆だったのね。

カニは私のー

“心の重さ”を

全部支えて

くれていた。

つまり、

残った5kg以外の

私のほとんどは

ーー心だったのよ。

私という存在の

ほとんどは

心だった。

残ったものなんて

大したものじゃ

なかった。

だけ。

阿良々木くんにとって

吸血鬼であるということも、

本当は大したことじゃないのかも

しれないわね。

少なくとも

私にとっては

そう。

ええっ

......

その時の気持ちは

ーもしかしたら。

僕以外

誰にもわからないのかも

しれない

“僕の価値のほとんどは

僕の心がつくっている!。

そんなこと

今まで

僕は

考えもしなかったこと

だったから。

僕は

自分が吸血鬼で

あることを

僕がしでかしたことの音だけっか

責任の結果だと。

僕が生き続ける

理由のほとんどー

僕の存在価値”は

僕が吸血鬼であることと

イコールだと思っていたから。

けれども

戦場ヶ原ひたぎは

僕が僕として

あり続けることの方が

遥かに大きいのだと

そう

言ってのけたのだ。

僕が吸血鬼であることなど

どうでもいいのだと。

そう

言ってくれたのだ。

BAKEWOYOF

GA7A

ばけものがたり

17

阿良々木くんにとって

吸血鬼であるということも、

本当は大したことじゃないのかも

しれないわね

本当は

大したことじゃ

ない。

なんていうか

ありがとう

戦場ヶ原

戦場ヶ原は

ただ思ったことを

口にしただけで。

僕が僕でなければ。

わかってないわね

阿良々木くん。

春休みの地獄を経た後の

僕でないのならば。

なんのことはない言葉

だっただろう。

お礼を

言うくらいなら

この私が

飛び跳ねて喜ぶくらいの

言葉で返しなさい。

だからこそ

思うのだ。

まるで。

あの時のだとうがはっ

戦場ヶ原の言葉は

どこまでマゾなのかしら。

それは

デートの時のために

とっておくよ

そこまで自分で

ハードル上げるなんて。

まるで、

190%

僕のためだけに

用意されていた

運命のように。

これからは、これまでもいいでしょうか。

それにしても

どうしたの岡良々木くん。

急にそんな話を始めたことと

川さんが早退したことが

何か関係しているのかしら?

あ...

いや...

いいのよ

答えなくても。

とにかく私は

阿良々木くんの手伝いは

できないわ。

羽川さんに

任されたのよ。

強い言葉だった。

投げ出せるわけが

ないじゃない。

羽川さんが

窮地であればあるほど

私はこの役目を

果たさなさゃいけない。

だった

羽川がどれだけ

身を粉にして

文化祭のために

自分を犠牲にしてきたか。

そしてそれを

まるでクラスのみんなに

悟らせなかったか。

わずか数時間とはいえー

羽川と同じ作業をした

戦場ヶ原だけが

わかることなのだろう。

阿良々木くんはと

いつも通り

そのやり方を

貫けばいいわ。

わかった

私はいつも通り

私のやり方を

貫く。

そうだな

じゃあ副委員長として

学校は任せた

良い文化祭にしようぜ

そうねー

そうしたいわ。

じゃあまた連絡する

待って。

阿良々木くん。

一つだけいいかしら。

ツンデレサービス。

勘違いしないでよね。

別に岡良々木くんのことが

心配なわけじゃないんだから。

でも、

帰ってこなかったら

許さないんだからね。

戦場ヶ原ひたぎ

通話が終了しました

.......

あぁ。

本当

ツンデレっていうより

ツンドラって感じだけど

いちいちあいつは

!本当に

一言

話す度に

好きになる

降りつもる雪のように

降りつもる

雪のように

どんどん”好き”が

どこまでも

積み重なっていく。

安心して

ー帰れるよ

こうして

待ってくれて

いるのなら。

お願いします

......

...

どうか

ーどうか

無事に

どうか

阿良々木くんを

ちゃんと、

私のところに

戻してください。

どうか

...?

セミハミ

屋邨&长

!!?

八九寺

ッ!!?

会えて

よかった!!

捜してたんです

可良々木さんッ!!

....僕も

お前に会えて

嬉しいが

ついに

ただの誤植に

なってしまったか

失礼、

噛みました。

で?

なんだ?

そんなに慌てて。

さっき大事なことを言い忘れまして

言い忘れまして

信じられないかも

しれませんがー

私幽霊を見たのです!!

そうか...

僕も見たことが

あるぜ

今も

目の前にいる。

その

“幽霊”は

たぶん普通の人には

見えないのでしょう

真っ昼間から

普通にいましたから

私も

怪異歴は

そこそこ

長いですが

あんな

恐怖体験は

初めてです

幽霊って

本当にいるん

ですね...!

ここまで振られて

ツッコまないのは

阿良々木暦の

名折れだーーが、

その幽霊が

どうしたんだ?

僕と何か

関係があるのか?

で?

今は

そんな楽しそうな会話に

興じている場合ではない...

阿良々木さんと

関係があるのかどうかは

わかりませんが..

その幽霊は

陽の光に

当たって燃え。

再生しー

また燃えながら

じっと忍を見ていた

「という。

忍さんにも

見えてないのかー

気にかける様子もなく

幽霊さんも

すぐに消えたので

......関係が

あるのかどうかは

わかりませんが

どこか――

寂しそうに見えました

まるではいこ

迷子みたいに。

......

それで

阿良々木さんは何をそんなに

急いでいたのですか

そう

わかりました!!

私もできる限り

忍さんを捜してみます!!

あるんだがー

前に頼みたいことが

迷子のお子さんを

捜すには

細心の注意と

人手が必要です!!

全部一人で

なんとかしようとすれば

ミイラ取りがビラミッド

ということも

ありますからね!!

ピラミッド!?

スケールでかっ

阿良々木さんも

気をたしかに。

え.....

一国一城を

争う事態ですが

冷静さは大切です

その通りだが

正しくは

一刻一秒だな!!

見かけたらうしろえね

公衆電話から

連絡を入れます

お前、公衆電話

使えるの?

何言ってるんですか

私メカには強いんです!!

いや、そういう意味ではなく。幽霊がどうやって...

2011年から

地上デジタル放送が始まることだって

ちゃんと知ってます!!

そんなところで

頭の進化

止まっちゃってるんだ!!

ワンセグって

犬の何かですよね?

馬鹿だ

!!

――っていうのが

00年代に書かれた本来の

オチなんだけれどもっ!!

今となっちゃ僕も

ワンセグって

なんだったっけ!?

ゲシュタルト崩壊してるよ!!

第18巻へ続ク

2022年8月

全ての決着の時

始まるー

v捜索を

皆の協力を得

絵本奈央

祝♣重ヨ版4

新本格魔法少女

西尾維新

初期の新新社団総大会の

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...西尾維新

原作

大暮維人

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発行者一森田浩章

発行所

株式会社・講談社

〒112-8001

東京都文京区音羽2-12-2

40DANSHA

一切関係ありません。

☆この物語はフィクションです。実在の入物・団体・出来事などとは、

水収録されている表現は、作品の執筆年代、執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。