原作山田風太郎

海画せがわまさき

平等でご注目は１０００円

愛する者よ、死に保え、

Ｄｅｓｉｇｎ．ＶＥＲＳＯ

田智萩法帆

帥志懸賢甲

甲賀と伊賀：：

そこに

千年の敵として

互いに

憎み合う

忍者二つの

族があった

言葉をする

甲賀忍法帖

●原作山田風太郎

講談社文庫・甲徹夜法間」より

運せがわまさき

原作山田風大郎海。せがわまささ

１９６５年１０月１９日、

第一殺

「十対十」

第二殺

「九対九」

第三殺

「九対九（その二）」

第四殺

「九対九條の三」

第五殺

「七対九」

第六殺十

「七対九條の二」

「十分十」「九村先」「丸井君」「好きなの」「もしながら」「お姉ちゃん」に対応する」

慶長十九年四月

駿府城

大御所

徳川家康

剣術指南役

柳生宗矩

徳川忍組組頭

服部半蔵

甲賀卍谷衆

風待将監

甲賀卍谷衆頭領

甲賀弾正

伊賀鍔隠れ衆

夜叉丸

伊賀鍔隠れ衆頭領

伊賀のお幻

こいつは

女の黒髪を

よりあわせて．．．

秘伝の獣油を

塗り込んだ

もんだ

むうっ

切れ味は

最高だぜえ

甲賀のおっさん

よお

くっ

くぅくっくっ

これぞ

伊賀の夜叉丸が

忍法

いかがで

ござりましょうね

柳生さま

むう

ほう

甲賀者め

身を伏せて

よけたがえ

なんとも

無様な姿よのう

弾正殿

．．．．．．

勝ち誇るは

ちと早いわえ

お幻婆

！

くぅくっくっ

風待将監の

吐く族は二カワの

ごとし！

粘りはさらに

数百倍よ

うっ

くっ

うっ

かつかっかっ

いいざまだのう

夜叉丸

手を封じられては

技も使えまい

んん？

．．．

おめえは．．．殺す

将臣

かっかっ

気が合うのう

夜叉丸

甲賀卍谷衆買

頭領甲賀弾正

伊賀鍔隠れ衆

頭領お幻

なんと禍々しい

者共よ．．．

先代半蔵が

こやつらを闇に封じ

「不戦の約定」を

定めた理由が

のみ込めたわ．．．

それにしても

解せぬ

家康様はなぜ．．．

このような者共を

ご覧になりたい

などと

数日前

忍者？

さよう

徳川の

三代将軍を

決するに．．．

和尚は

忍者を使えと

申すか

．．今や江戸の

城内は

長子竹千代派と

次子国千代派に別れ

徳川幕府後見人

南光坊天海

重臣守役までが

骨肉の争いを

いたしておる始末

この争いを

捨て置かば

たとえ豊臣を

滅ぼしたとて

徳川もまた

破滅の道を

辿りまするぞ

わかっておる

なればこそ．．．

こうして御坊に

相談しておるのじゃ

天海殿

しかるに．．．事の

事態を理で納めるには

もはや手遅れ

情を尽くした

思案も．．ことごとく

いきづまり

．．さればこそ

考えに考え

申した

ならば

いっそ武門の家に

ふさわしく

剣の十番勝負にて

事を決するのも

一つの道ではないかと

思いいたり．．．

さりとて

かような事で

徳川の侍をむざむざ

死なせたくも無く．．．

ゆえに

忍者か

さよう．．．

忍者ならば

たとえ殺し合い

血の海に死に絶えた

ところで．．．

さして痛くも

痒くも無し

いかがですかな

家康どの

もうよい

やめさせよ

それ

まで！

まで！

まさか．．．

柳生の隣国に

このような者共が

ひそんでいよう

とは．．．

この宗矩

不覚でござった

それがし．．．

先代半蔵より

話には聞いて

おりましたが

こやつらの忍法

．．．

常の技を超えて

おり申す

うむ

うむ

たいそう

良いものを

見せてもろうた

甲賀弾正

伊賀のお幻

双方まことに

大儀であったぞ

ははっ

へへー

ときに

お主たち

徳川の世継ぎを

決するために．．．

命がけの

忍法勝負を

してはくれ

まいかの？

我らは．．．本来

四百年の怨敵同士

徳川家の

おんためとは

申さず

先代服部半蔵様と

交わした「不戦の約定」

さえ解いていただければ

いま．．．

すぐにでも

．．．．．

御意のままに

うむ

よくぞ申した

半蔵

さればこの巻物

二巻に

各々十人の

忍者の名を記せ

これをもって

次子国千代派は

甲賀に

そして双方

闘い殺し

合った末に

この秘巻を持って

生き残った者を

勝者といたし．．．

長子竹千代派は

伊賀に

三代将軍の

命運を託す

一族千年の

栄禄を

約束せん！

賀組十～

平均弾正

中賀猿之命

地虫十兵衛

風特特監

伊賀組十人銀

おお

朧

夜叉丸

小豆球各

薬師寺天護「未弱

翡殿大戦

最新の

やはた番に

室内部屋

あなた

おまえ

あ夜時まで

カキリコン

それでも

キャッ

慶長さん．．．

「質問

眼郭革敵ぁ約革宙口争国の芸術は解かりましたが、

を甲賀す〈紫伊賀十丘祭おかげにあい聞いて殺すべし

のこれさものこの秘密をやすくえあはは駿府城へまかり

出すべきことその教えてお持ちをし勝たば様子まで

子禄あらん

いい家康で

甲賀伊賀国境

土岐峠

甲賀卍谷衆

甲賀弦之介

弦之介さま．．．

朧どの

あっ

．．．駿府へ呼ばれた

お婆さまたちのことを

考えると．．ワケもなく胸騒ぎ

がして収まらす．．．

．．．申しわけ

ございません

弦之介さま

どうなされた？

朧どの

安心なされよ

朧どの

半蔵殿の書状には

大御所様への

忍法御上覧．．．と

記してあったでは

ござらぬカ

我ら両一族が

互いに

憎み合うたのは

もはや昔の話

先代の

服部半蔵殿と

交わした

「甲賀伊賀不戦の約定」

があるかぎり

再び争いが

起こることは

あり申さぬ

此度のことも

おそらくは．．．

我らの祝言が

間近いとの噂を

耳にされた

半蔵殿が

両家そろって

世に出る

良い機会として

おとりはからい

くだされたのでは

ないかと．．．

お爺もそう

うなずかれて

駿府へと

旅立たれた

．．．申しわけ

ございません

弦之介さま

ついつい．．．

うろたえて

しまい

．．忍者の家に

生まれながら

忍法はおろか

剣術体術

何一つ．．．

身につけては

おらぬ

ふつつかもの

にて．．．

よいでは

ござらぬか

わしは

まったく気に

しておらぬ

そうで

なければ

あのお幻婆が

朧どのを

わしに

くれるような

弱気は

起こさなんだ

ろうからなあ

早うじじじ

お爺とお幻婆に

祝言の日取りを

決めて

もらわねばな

はい

待ち遠しゅう

ございます

駿府城外

安倍川のほとり

甲賀卍谷へ

伊賀の

鍔隠れに

妙な話に

なりおったのう

お幻婆

おぬしの孫

弦之介と

我が孫娘朧の恋に

ほだされて．．．

和睦しようと

したやさきに．．．

いまごろ

どこぞで二人

逢うておるやも

しれぬのお

ふびんや．．．

しょせん星が

違うたわえ

わしらが

そうであった

なあ．．．

若いころ

わしは

伊賀のお幻を

恋うたぞい

それを

言いやるな

運命よのう

しょせんは

絶ちがたき

両家四百年の

宿怨じゃ

おそろしき

天意よ．．．

．．．ところで

お幻婆

お主

甲賀卍谷の十人衆を

よくは知るまい？

ほっほっ弾正どの

おまえさまこそ

伊賀の鍔隠れ

十人衆をよくは

知るまいが

十人？

九人であろう

お幻

あっ．．．

毒針じゃ

油断したのう

お婆

ぐあっ．．

見よ夜叉丸の

たわけめが！

ふところより

これを抜かれたのも

気づかず「走り」

去りおったわい

お盆を

そうか

あなたも

お前のお前は

これは．．．これからは、

そんなことなんですよ

．．．おいナギリで

きゃああ

だ．．．

これまでじゃ

お幻

．．．

ぎ

忍法争いとは

こういうもので

あろうが．．お幻

ぬっ！

おっ

お．．．

．．．幻

ぐっ

くくっ．．

．．．

くっ．．

．．．弾正

．．．お幻

口第一殺、終わり

朧どの．．．

雨があがり申した

いそげば

夜明け前には

伊賀へ

戻れましょう

はい

弦之介さま

第二殺「九対九」

ぎゃっ

ほっ

何かと思うたら

あの鷹め

巻物なんぞ

運んで

おったわい

甲賀卍谷衆

鵜殿丈助

どれどれ

だれじゃ！

うおっ！

それを

こちらへ

もらおうかい

鵜殿丈助

ねっ

伊賀鍔隠れ衆

小豆螂斉

ほお～

これはこれば

伊賀の螂斉老では

ござらぬか

あの鷹は

お知様のお願い

甲智君ごときが

触れてよいものでは

ないのじゃ

だまれ丈助

ほう．．

するとこりゃあ

駿府からの

知らせか．．．

そりゃちょいと

気になるのう

じょうすけえ！

おっと螂斉老

我らはたしかに

宿敵同士だが

今では服部家との

約定に縛られ

近くは

弦之介様と朧様の

縁組みで．．．

いっさいがっさぃ

水に流そうとしておる．．．

だからというて

．．見逃しは

せぬぞ丈助

わかっておるわい

じゃが

弦之介様の手前

殺し合うわけにも

いかん．．．

つまりこれは

遊びじゃ

甲賀と伊賀．．．

どちらが上かの

忍法遊びじゃ！

ぬっ！

ひょっ

おおお

うおっ！

ぉおおお

遊びで

命を落とすことも

あると知れい

丈助

甲賀と伊賀の

和睦なんぞ虫酸が

はしろわい！

うおっ

おおっ

きゅぷ

ぬうううきゃつめ

空気袋か！？

だ．．

骨無しの

バケモノが！

ぶはっ！

ええい

ぐにゃくにゃ

ジジイめ！

この骨無しの

バケモノがあ！

おおおぉお

おおぉおおお

朧さま

伊賀鍔隠れ衆

朱絹

まあ！

みんな

伊賀鍔隠れ衆

簑念鬼

朧様の

お帰りが遅う

ござりますので

伊賀鍔隠れ衆

蛍火

お迎えに

まいりまして

ございます

弦之介さまと

ご一緒なれば

心配無用と

申したのに

いや

伊賀鍔隠れ衆

雨夜陣五郎

お幻様が駿府より

戻られるまでは

朧様がわれらの頭領

いま少し御身を

つつしんで

いただきとう

ござりまする

．．．．．．

わしのせいじゃ

すまなかった

ゆるせ

？

ぬっ！

！

！？

丈助！

おぼ

ろ！？

あっ

あ

あ

ぐへっ！

あたたただた

ただたたた

ただたたた

．．．何をしておる

丈助？

げ弦之介様

朧様に

わしを見ぬように

目を

そらすように

言うて

くだされえええ

わっ

わたし

何も．．．

．．わかっておる

朧どのの瞳は

生まれついての

破幻の瞳じゃ

技でも無く

術でも無く．．．

魔物のごとき

忍者の術を

苦もなく破る

不思議の瞳じゃ

！

朱潁！

丈助の懐にある

奉物を取り返せ！

それは

お幻様からの

巻物じゃ

どういうことだ

丈助？

いやいやその

蝋斉殿と

巻物賭けて

忍法勝負．．．

いやいや

忍法遊びを．．．

その．．．

たわけ！

ただたたた

さあ朧どの

中を見られよ

も申しわけ

ございませぬ～

待ったあ！

その巻物

弦之介様の前で

開いては

なりませぬ

な何を言うの

陣五郎

その巻物は

お幻様よりの

秘巻

それを

甲賀衆の目に

さらしたと

あっては

留守をあずかる

我らの立つ瀬が

あり申さぬ

．．．．．

道理じゃ

わしは

場をはずそう

あ

弦之介さま

もう！じゃあ

陣五郎の

バカ！

両家四百年の

悪縁じゃ

気にしてはおらぬ

．．．．．

くっくくく

くそくくく

陣五郎

陣五郎！

お婆さまは

何と？

ご、ご安心くださりませえー

朧様

駿府にて

甲賀と伊賀の

和解まったく

成就いたし！

お婆様と弾正様

二人そろって春の

江戸見物などして

帰られると．．．

まあ！

やっぱり

良い

知らせね！

ほう

ほう

．．．

さきほどの

ご無礼

お許し下され

弦之介様

これも

忍者の悲しき

性にて．．．

もうよい

気にしては

おらぬ

いいかがで

ござろう

弦之介様

いっそこのまま

伊賀まで

足をのばされ

ては．．．

まあ念鬼

それは良い思いつき！！

ぜひ

おいでくださいませ

弦之介さま

ね

．．．わかった

伊賀へまいろう

わ

ちょっ

ちょっとお待ちを

弦之介様！

それはあまりに

軽はずみと申すもの：

さあ親殿様も

ご一緒に

わ

いや．．うむ

そうだな

うむ

わしらは

山菜など摘んで

からまいるで．．

あとは

たのむぞ

朱絹

万事

こころえて

おりまする

陣Ｈ郎殿

．．．念鬼

急ぎ天膳様を

お呼びいたせ

心得た

中河樹十人殺

平気華美。私は大和

平気怒る！！お月を毎日

地球十兵衛室第約馬

風持稲藍．．．

それがお翔あ

伊賀組十人無

お父．．．

雨夜碑五那

夜叉え

気まいいか

小五筑弥

衰念鬼

薬師寺天雄

当人

未新

あるさ．．．ここまで言えなくても早初めてんだろうなんだね

またそんまっ

これまで

結り永来の

．．．

伊賀鍔隠れ衆

薬師寺天膳

お幻様は．．．

死なれたな

伊賀鍔隠れ衆

筑摩小四郎

そして

おそらくは．．．

中賀弾正も

死んだな

甲賀と伊賀の

「不戦の約定」が

ついに

解かれおったわい

不吉じゃあ

不吉の星が．．．

動いたわい

七第二殺、終わ

甲賀弦之介と

鵜殿丈助は

伊賀へ

おびきよせた！

もはや

袋のネズミよ！

くっくく

甲賀の

ネズミ共め

服部家との

約定が解けたとは

うれしゅうて

ならぬわい！

目にもの

見せてくれる！

「九対九條の二」

．．．天膳さま

夜叉丸どのは

どうなされた

のでしょう

うむ夜叉丸が

お幻さまの臓とともに

生きて駿府を出た

とすれば

今夜半か

明日の朝には

戻るはずじゃが．．．

夜叉丸同様

気にかかるはだろ

弾正に供をしたなぁとり！！

風待将監じゃ

．．．．．．

うむ．．．

おそらくは弾正も

これと同じ巻物を

将監に託した

はずじゃ

ならばまず！

将監をうち倒し

そうじゃ！

将監討つべし！

オレも

ゆくぞ！

雨夜

巻物を

奪い取るが

上策！

おぬしは伊賀へ

戻ってくれ

なぜじゃ？

．．．朧さまじゃ

朧さまが

このことに気づけば．．．

必ず一悶着おこされる

たとえこの巻物を

見せたところで

で駄々をこねて

弦之介に気取られるが

おちじゃ

そうならぬよう

おぬしがうまく

はからってくれい

あやつの瞳．．．

．．．恐さか

討てれば

討ち取ってもよいか？

．．．あの男を

そう簡単に

討てるとは思わぬが

よいぞ陣五郎

万が一しくじって

騒がれては

すべてがぶちこわし

じゃ

わしらが

将監を討ち取り

戻るまで、決して

無理はするな

よいな

あの不可思議なる瞳術は

．．．．．．

わかった

敵ながらおそろし

まずは

風待将監

血祭りにあげて

くれようぞ

同日夕刻

えっほ

えっほ

えっほ

えっほ

どうした？

．．．前を行く駕籠

まちがいない

あれはたしかに

甲賀の地虫十兵衛の

持ち駕籠

なに！

まことか？

しかし

やつがなぜ

このような

ところに．．．

そんなことは

どうでもよい！

地虫と言えば

紫物に名のあった

甲賀者の一人！

見逃す手は

ない！

殺る！

！

小四郎

駕籠かき

だけにしろ

地虫には

問いただすことが

ある！

承知！

えほっ？

地虫十兵衛

伊賀のお幻一族じゃ

聞きたい

ことがある出よ

ほーお

お幻の手の者かい

．．．いやじゃ

と言うたら

どうなるかの？

しゃあっ

甲賀卍谷衆

地虫十兵衛

おれの大事な

駕籠をバラバラに

しおって

どうして

くれるのだ

おぬしら

こっこやつが

．．．地虫十兵衛

何のための

旅駕籠じゃ？

十兵衛

おぬしらこそ

なんじゃあ

雁首そろえて

どこへ行く？

駿府へ行かれた

お婆様の身が

案じられてのお

居てもたっても

おられなんだ．．．

とまあ

こういうわけよ

ほっ！

そちらもかい

おれの星占いにも

弾正様が凶と

出てのう

ほう

なるほど

それが

うぬの忍法か？

蛾斉

おぬしたちは

先を急いで

将監を迎え討て

決して逃すな

ここはわし一人で

十分じゃ

こやつには

いま少し聞きたい

ことがある

ここは

大丈夫か？

わかった！

この足止めが元で

将雲に逃げられては

一大事じゃからのう

さて十兵衛

わしは甲賀の一族を

おおよそのところ

知ってはいるつもり

じゃが．．．

まだよく解らぬ者も

おる

おぬしもその一人．．．

言え！

甲賀卍谷の十人衆

どのような忍法を

使う？

なんじの星が！

くっ

かかわかわわわか

言わねば

その首

斬り落とす

何が

おかしい？

＂凶〟と

出たからよ！

ごぼっ

この隠しわざが

敵に知られておれば

おれも百年目じゃが．．．

知ったときには

あいてか百年目じゃ

しかし．．．

伊賀者どもが

かような動きに

出るとは

．．．理由がわからぬ

これは

ますますもって．．．

弾正様と将監が

気にかかるわい

〇第三殺、終わり

！

ひゅるるる

ぐっ！？

ぬおっ！

むぐっ

．．．

伊賀．．カ？

忍法争い人別帖！

第三殺、終わり

もらいうける！

そういえば、

それでも、

．．．

第四殺『九州九條の』』

．．．伊賀か？

伊賀甲賀

忍法争い人別帖！

もらいうける！

そういえば、

ほっ？

なぜ

そのことを

知っておる？

くっ

伊賀のお約一族を

あなどってもろうては

困るのう．．．

よかろう

ならばまずは．．．

うぬらの名前一人別帖より

ほざけ将監！

消してくれるわ！

むっ

ぬおっ！

ふん

ふん

ふん

うおお！

あぁ

かっかかかが

まずは

網にかかった

伊賀虫三匹．．．

ひねりつぶして

くれようかい

ねうう

さてと

とりあえず

ぐうっ

歳の順で

いこうかい

ぬおおお

ぉおおお

．．．おお

そうじゃ

くくっ

おのれの

死にざま

おのれで

選ばせてやろう

かい

まずは目玉を

くりぬくか．．．

それとも

先にのどぶえ

かき切るか．．．

さあ．．．

遥べ蝋斉

むっ？

．．蝶

うおっ！

おおお

おおおぉ

ぬああっ！

！

蛍火！

小四郎の

鎌をくれい！

！

おろ？

くっ

我が体もすなわち

我が手足のごとし！

なめるでないぞ

甲賀者めが！

！

むっ！

悪あがきを

しおって！

バナリ

おっ？

むっ！

あっ

あれは！？

地虫！

十兵衛！

くそっ！

ふざけた

真似を！

．．．

．．．夜叉丸どのは

ご無事か？

うう．．．

答えよ将監

！

ふふっ

ぐあっ

くそっ！

なぜじゃ

追いつけぬ！

ばかめらが

その程度の足腰で

おれの蛇腹に

追いつけるかよ

むっ！？

そっ

でなければ

喉に仕込んだ

槍の穂が

そんな．．

まさか．．

うおあああ

口にくわえた

巻物は

はなしたほうが

いい．．．

吐けぬではないか

十兵衛

そうだろう？

ああぁあああ

二度．．．

同じ手はくわぬ

にやっ

天膳様！

おお

地虫は？

十兵衛は

どうした？

いま仕留めた

ところじゃ

．．．手をかけ

おったわい

おお蛍火

将監は

どうした？

甲賀のものは

燃やしてしまえ

小四郎

同じ巻物

二つは無用じゃ

そういうことですか

お兄ちゃんがじゃれました

シャーネットで

小星蝋奇

お友久さん小夏親子

綾城

あと

あ夜陣五郎

筑摩小田郎

薬を鬼

何故組十

あと七人．．．

人影

懐椚鄰

宝賀豹馬

陽炎

お胡夷

甲賀銀十人祭

平賀我之介

結殿大助

お目を寄付

．．．うむ

じゃが．．．

．．．あなどれぬぞ

．．．いれて

おきました

とどかな．．．

はいはいけないでしょうか

やっちゃって．．．わかりませんが

わかってるわけじゃないかもしれない

幸かお客様

ネットで

桜

なかな

ちな

おや

だ

なんですか

まるで沖縄

まぁ．．．いやかな

おかげな声で

お話を

大きな

できなかったのですか

これは．．．これまではないので、

きゃああ

そきゃ

やあああ

いやあああ

ホテヤ音だぜ

同じものだ

うむ

俺

今時講和機嫌なんだ

隊長市長生町村に

だけど

ありがとう

それが大くなった

それが何でか言ってみると思っていたのですが、

モヤキあ！！

平野郎

ぎゃー

ネッチの準備が終わったのは

桜宇子

それはそれだけ

お姉ちゃん

今やまり日に

平成年末年月日時から

具体的には、本文化によって

毎年海外へのお

嫌がれば、

ふっ．．．

それでも

最後に生き残るのは

我ら

伊賀のお幻一族じゃ

○第四殺、終わり

伊賀鍔隠れ谷

五殺『七対九』

鍔隠れ衆

お幻屋敷

いやいや

朱絹どの

わしは

このとおりの

太っちょゆえ．．．

嫁にするなら

そなたのような細腰の

美しいおなごをと

つねづねそう

思うておってな

．．．．．．

．．．

．．．

．．．．．．

．．．

どうじゃろう

朱絹どの

我ら二人も

弦之介様と朧様を

見習うて

互いに手をとり

ぎゅ

長年

憎み合うた

伊賀と甲賀の

あいだを繋ぐ．．．

清さかすがいと

なろうではないか

な

やめぬか丈助

悪い酒じゃ

ははい

ただいま．．．

朱絹どのの

困り顔がわからぬか

ちょっ

朱絹

弦之介さまに

香の物をお持ちして

おくれ

つれない

のう．．．

あ

＿Ｄ－

お許しくだされ

朧どの

あれは

わしも手を焼く

甲賀一のお調子者

にて．．．

ほんに．．．

面白い

お方ですこと

リスト

どうぞ

！！？

ほうこれは旨い

よう潰かっておる

甲賀のものとは

またひと味違う

きっと

お塩の

違いですわ

伊賀のお塩は

赤穂のものを

とりよせて

おりますゆえ．．

裏手の塩倉に

たんと

貯めてございますわ

ほほう

まさに

備えあれば憂いなし！

さすが

天正伊賀の乱を

闘い抜いた伊賀の精鋭

お幻一族の屋敷！

兵糧に塩は

かかせぬからのう

丈助

口をつつしめ

う．．．

いいえ

よいのです

この屋敷も鍔隠れの谷も

もうじき主は

弦之介さま

何も隠し立て

することは

ないのですから

そうでしょう

朱絹

．．．はい、朧様

おっしゃるとおりで

ございます

．．．

．．．我ら

甲賀卍谷一族

そなたたち

伊賀の鍔隠れ一族．．．

そして

この

恐ろしいほどの

忍法秘術を身につけた

二つの一族が

永年の宿怨と称し

ただわけも無く

憎しみ合い縛り合う．．．

まこと

おろかの様み

．．．と

わしは思う

．．．

朧どの

そなたとわしで

手をたずさえて

我ら両の一族を

がんじがらめに

締め付ける

鉄の鎖を断ち落とし

まっとうな

広い天地と風の音を

二つの谷に

かよわせるのじゃ

はい

弦之介さま

くう～～

殺気の大渦じゃ．．．

弦之介様わしには

口をつつしめと

言いながら．．．

．．．話を

そらそう

あ

朱絹どの

土岐峠で会った

連中が見えぬか

どうなされた？

え？

まあほんに

そう言えば

天膳たちは．．．

お稲葉

夜も更けて

きましたゆえ

愛もそろそろ

おひらきに

しては．．．

おお！

わしもいささか

酒が回って

眠とうござるゆえ

そうして

もらえれば

ありがたいので

ござるが．．．

わばばははは、は、

陣五郎殿丈助は

例の座敷に通して

おきました

うむ

朱絹よ

あの巻物のこと

他の伊賀者共には

ふせておけ

朧様に気づかれては

まずいでな

．．．今頃

天膳たちは

将監を討ち取っておる

頃じゃろうかな．．．

はい心得て

おります

のう朱絹

われらもひとつ

しかけてはみぬか？

されど．．天膳様が

無理はするなと

さればよ．．．

なおさらにな

．．．では

鶏殿丈助は

わたしが．．．

お約昼数、離れ間、

んご〜

んご〜〜

やっ

．．．

ふん

鉄板に紙を

張ったものじゃ

ちょっ

案の定

鉄格子じゃ

よりによって

このわしに

座敷牢とは

笑止千万

朱絹に．．．

ここまで

嫌われるとは

悲しいのお

それとも．．．

他意あっての

ことか？

とりあえず

ぐクッ

弦之介様の

ご無事を

確かめねばな

朧も一緒か．．．

まあ弦之介さま

ったら．．．

．．クスクス．．．

聞いちゃおれんわ

アホくさい．．．

〜、

あれは．．．

朱絹？

コトッ

いない？

まさか．．．

そんなはずは

！？

あっ！

だっ

だれじゃ！

ばあ！

丈助！

やれうれしや

朱絹どの！

どどうやって

ここを

．．．どの

抜け出した？

そこはほれ

恋の一念よ

うっ

そなたを慕って

夜這いへと

浮かれ出したる

このわしじゃが

さあさ

朱絹どの！

うれしや

思いはそなたも

同じ！

今宵だけでも

わしの嫁御に．．．

おっ！

でっ

ととっ

お～～～

こればこれは

眼福眼福！

・忍法勝負を

いたしましょう

丈助どの

わたしが負けたら

お望みどおり

丈助どのの

一夜の妻に．．．

いかが？

ほっ

忍法勝負か

面白そうじゃが．．．

たとえ

遊びとはいえ

手加減はせぬぞ

朱絹どの

．．．それは

こちらも同じコト

？

うっ

げっ

えええぇ．．．

おお

うおおっ！

それでは

おやすみなさいませ

弦之介さま

おお

○第五殺、終わり

．．．．．．

．．．陣五郎

降りて来や！

うっ

ううっ

陣五郎！

第六殺「七丸丸Ｋｅの三」

ううっ．．．

あはは

敵．．．．．様．．．

み．．．

見んで．．．

．．．陣五郎

おまえの

忍法は．．．

塩にとろけて

忘我のうちに

相手の背後に

忍びより

くだされ

．．．そえええ

うう

敵を殺める

暗殺の技じゃ．．．

ううう

．．．まさか

おまえ

弦之介様を

討とうと

したのかえ？

答えや

陣五郎！

情けなや．．．

技の最中に術やぶれ

我にかえった

その苦しみ．．．

それが

おまえへの罰じゃところ

陣五郎

たとえ可愛い

伊賀者であっても

うう．．．

み．．みす．．．

弦之介様に

雪意を持つならば．．．

このわたしが

捨ておかぬ

うぉおおお

おおお

！？

うう．．．

みず．．．

みす．．．な

みす．．．

みすををを．．．

く、いええぇええ．．．

みす．．．うううぅう．．．

消えた？

くそっ

血の霧に

煙って目が

利かぬ．．．

そう

どこじゃ気持ち

朱絹？

がくっ

討ち取ったり

甲賀十人衆

鵜殿丈助

あっ

まさか

しくじったか！？

おいおいひどいのう

朱絹どの

これは遊びじゃろ？

死んだらどうする

つもりじゃ

あぷないあぶない

間一髪

人肉自刃取りじゃ！

．．．．．．

どうやら

わしの勝ち

じゃなああ

朱絹どの

．．．朱絹？

お朧様

朱絹

まさか

おまえまで．．．

丈助殿を．．．

いやいや朧殿

実は拙者

またまた懲りもせず

朱絹どのの袖を

引いてしまい．．その

逆鱗にふれて

しまいまして．．．

できれば

弦之介様にはないかっ

ご内密に

願えればと．．．

えええ

それはもちろん．．．

いや

それにしてもあ

朱絹どのは

つれなさすぎる

そうは

思いませぬか

朧どの

ささあ．．．

それは．．．

まいりましょう

朧様

えええ

そそれでは

丈助殿．．．

．．．

さあて

井戸でも探して

血のにおいを

落とすかの

しかし．．．

さきほどの

朱絹の殺気

あれは

本物じゃったなあ

おんなゆえの

必死かのう

やれやれ．．．

とことん嫌われた

らしいのう

世枝桜

お幻屋敷内

夏手の滝

いや、そんな．．．

みず．．．

ボラうううぅ

みずうう

なんじゃ

こりゃあ

さすがは

お幻屋敷じゃ

庭の内やら

外やら．．．それを

迷い館じゃな

げ

こりゃあ

例の塩倉の

ようじゃのう

なにかが

這い出たあとか？

あれは！

わからぬ何が

這ったあとじゃ

これは

弦之介様が

泊まられておる

座敷がある

棟じゃ！

う～む

み．．水．．．

みずうう．．．

みずうぅ

みすぅううう．．．

．．．

水をおおお

くれええ．．え

雨夜陣五郎．．．

うぬのであったか．．．

バケモノめが

うぬの這い跡

塩倉を出て

弦之介様の座敷へ

向かっておったが．．．

もしやその姿で

弦之介様を

討とうとしたのでは

あるまいなあ

雨夜

あああぁああ．．．

みすを

ほう

それほど

水がほしいのか

それじゃ、

あああぁぁぁああ

みずうう．．．

さあ

申せ

みずうううぅぅうう

甲賀と伊賀の和睦

まさに成らんとする

この時に

なぜ弦之介様を

狙う？

わけを申せば

ほれ

タップリ水を

くれてやるぞ？

雨夜

ああぁああ

服部家との

おお．．．

不戦の約定が

ああ．．．

浮かれたの

じゃあああの

ああおああ．．．

やれ

ななんと

服部家との約定が！

そそれで！

すすなわちい

甲荷とお．．．

伊賀のおお

あああ．．．

おお

甲賀と伊賀の？

やれやれ

忍法争いじゃ！

おっ！

ええい

ぬかった！

滝のしぶきで

生気を得たか！

ばかめ

水は得意じゃ！

わしは

沈まぬからのお！

おおぉぉ、

バラャ

ひゅっ

ぐっ

むふう．．．

はぁあああ

あぁああ

甲智十人衆が一人

鵜殿丈助

討ち取ったり

甲賀卍谷

甲賀弾正星数

．．．．．．

どうも

気に掛かる

甲賀卍谷衆

室賀豹馬

地虫十兵衛の

星占いに弾正様と

将監の星が凶と

でたことか？

たしかに

あれの星占いは

よく当たるが．．．

甲賀卍谷衆

霞刑部

まさか．．駿府にて

何か不吉が

起こったか？

そういえば

弦之介様も

伊賀の朧にお会いに

なると出たきり

戻られぬが．．．

甲賀卍谷衆

如月左衛門

夕べ伊賀より？

使いが来た

丈助とともに

数日むこうへ

お泊まりになると

いうことだ

講談社「ヤングマガジシアッパーズ」編集部

アッパーズＫＣ係

東京都文京区音羽２ー１２－２

〈郵便番号１１２－８００１

編集部では、こここの作品に対する読者

のみなさまのご意見・ご感想をお待ち

しております。左記あてに、どしどして

お寄せください。

「パジリスク〜申算忍法階〜」のは、

ヤングマガジンアッパーズ２００３年

第４号から第９号に掲載された作品を

収録したものです。

製本所，誠和製本株式会社

◎山田風太郎”せがわまさき，２００３年

本当の無断線ならコピールは著作権法全ての例外を除き、禁じられています。

子本・乱丁本は購入書店名を明記のうえ、小社雑誌業務部にお送りくだ

なお部あてにお願い

印刷所

電話

編集部（０３）５３９３１３４６７

販売部（０３）５３９５１ｇ６０８

共豊同国印印刷制株株式式会会社社

著者

発行者

発行所

東京都文京区音羽２ー１２－１２月

郵便番号（１１２］８００１

せがわまさき

五十嵐隆夫

株式会社講談社

山田風太郎

３年５月２日、第１刷発行

定価はカバーに表示してあります。

アッパーズＫＣ－１９

シリスク〜中賀忍法冊〜

ヤングマガジンアッパーズ編集

１５ＢＮ４－０６－３４６１９７－

講談社

Ｐｒｉｎｔｅｄｉｎ，Ｊａｐａｎ

弦之介様は

それほど．．．

甲賀卍谷衆

陽炎

．．．朧とやらのところへ

ゆきたいのか

第二巻につづく

せがわまさき

１９９７年千魔物語りが週刊モーニングに掲載されデビューの

１９９８年より初の長期連載、東新リ十蔵」をアッパーズにてスタート

２０００年の完結までに買い評価を得る。

本作は２本目の長編連載で原作とのコラボレイトは初めて。

酒妤き、猫好き、西瓜好き。船橋市在住

．．．

１９２２年、兵庫県に生まれる。

東京医科大在学中に作家デビュー、「眼中の悪魔」などの推理小説から、

後に二大ブームをまきおこす『忍法帖』シリーズや

『魔界転生』などの時代小説、さらに『あと千回の晩飯』

一人間臨終図巻』などのエッセイを幅広く執筆、国民的作家となる。

２００１年７月２８日にに惜しまれつつ逝去

語ることなかれ！！

『バジリスク

〜田賀冬浜市〜』を

陰陽の街が相変し

人生の中身が

連命と対峙する

ホ大なる

超セン時代周辺の

これを読まずして

鬼斬り十蔵

全４巻ソせがわまさき

ほら、絶賛機売中！！

衰え知らずの勢いで

定価／Ｃのみ本体７５０円（３５）で２０１、いずれも税別）・発行・講談社

一無双の個性、

ここにありが

甲賀尾の法は、

山岡風太郎忍法帖◯

定価＊本体価格６８０円（税別）

議談社文庫

野さらし忍法帖〈溺集〉《．．．》

忍法関ケ原編集．．．福島

．．．

いや山田風太郎

忍法思臣蔵．．．．．．．．

伊賀忍法帖．．．．．．！！信号！！

忍法八犬伝．．．．．．！！！

くノ一忍法帖．．．．．．孺

魔界転生の．．．．．．！！

魔界転生の．．．．．．！！！

江戸忍法帖．．．．．．！！

柳生忍法帖〇．．．．．．！！

柳生忍法帖０．．．！！

風来忍法帖．．．．．．！！

うっ

〈全７４巻〉価格はいずれも税別

９７８４０６３年１０月１１月２１日第４０１６年６月

１９７１年１１月１１日、９７８：０６３４６１９ア８

１９８２年９９９７９０９年９月７９日０５３３で

雑誌４１４５１－９７

ＩＳＢＮ４－０６－３４６１９７－１

Ｃ９９７９－４５３３Ｅ－（０）

定価：本体５３３円（税別）

ちょっと

ク弓講談社

Ｓａｓｉｌｉｇｈ１

「スの記念すべき第１作めが、早越し

た技章の持ち主、せがわまさきによ

って漫画化された興奮の第１巻！！

！

江戸の世、天下人・徳川家康は中賀と

伊賀という忍法の一大宗家を相手

わせ、十人対十人の忍法被裁令戦の

結果どちらが生き残るかによって、

三代将軍の世継ぎ問題を解決させ

ることにした。だが憎み合う両家に

あってそれぞれの跡取り、中賀弦之

介と伊賀の朧は深く愛し合っていた。

そして

山田風太郎の大人気『恋法応』シリー

１９７

がわまさき

風太郎

講談社