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地虫十兵衛の

星占いが

凶と出たこと...

伊賀へ

行かれた弦之介様の

おん身のこと...

やはり気になる

のう

甲賀:室賀豹馬

おれが伊賀まで

様子を見に行っても

よいが...

甲賀・霞刑都

冬この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等は実在のものといっさい関係ありません。

午賀:40月左衛門

...

伊賀の娘と

祝言など...

弦之介様

正気の沙汰とは

思われぬ

賀・陽茉

とりあえず

今しがた

おれの妹を

伊賀へ物見に

やってみたが...

ほう

女なら

むこうも少しは

気を許すだろう

お胡夷を

伊賀へやったか

それに

たとえ弦之介様に

見つかっても

さほど叱られも

すまいと思うてな

なるほど

お胡夷なら

適任じゃ

では

とりあえず

お胡夷の

帰りを待つと

するか

しっ!

どうした?

豹馬

何者かが

この卍谷に

...入ってくる

第七殺「六対九」

忍者の足だ

北から来る

北から来る

北?

...街道からか

では

弾正様か将監が

帰って来たのでは

ないのか?

いや!

甲賀者の足では

ない

よし

近づいて来るのは

五人..足取りに

凶気がある!

まずはおれが

物見をしてやろう

左衛門お

おぬしは村の者に

このことを

ふれてまわれ

ただし

おれが合図するまで

道には出るなと

そう申し添えておけ

...心得た

ここに立つのも

子供の頃以来

ここに立つのも子供の頃以来

久しぶりじゃな

伊賀・挙師寺天勝

そうざっと

育七..八十年

この樹がまだ

わしと同じ背丈で

あったことを

おぼえておる

甲賀卍谷

北の辻

よし

まだ誰も

気づいてはおらぬ

ようじゃな

さあて

今のうちに

巻物に名のある者を

討ち倒して国ると

しょうかい

不意打ちというて

油断はするな

伊賀・簑念鬼

風待将監

一人でさえ

おぬしたちを

あれほど

手こずらせた

のだ.....

伊賀・小豆蝋斉

!?

伊賀・筑摩小四郎

どうした

小四郎

...いま

人の気配がした

うおっ!

伊賀・蛍火

!!

げィッ

ぬぐうう

なんの真似じゃ

蝋斉?

こなくそ

がっ!

うわたっ!

ぬうっ

しゃあっ!

どっ土婦がわしを

弱交い締めにして

しゃべりおった!

「卍谷の塀には

耳があるぞ」と

ぬかしおった!

何じゃ?

どうした螂斉

..か・?

出会えい!

卍谷にくせ者が

入ったぞ!

塀が

しゃべった

ちっ

我々は使者じゃ!

弦之介様の

お申しつけにより

その手には

のらぬわ!

伊賀の使者が

なぜ北から

来たか?

待て!

思い違いをするな

伊賀より

参った!

また

きさまらの

密語に

不審の条が

ある!

こやつらを

ひっとらえよ!

おお!

ちっ

これまでじゃ

これまでじゃ

おおっ!

斬り破れ!

ひゅるるるみ

!?

ゐるるる

すっ

吸い込まれ...

すっ吸い込まれ...

吸息の

旋風鎌いたち...

とくと味わえ

甲賀者

うおう

うおう

りゃああ!

きえええ

えええ

ぬあああ

ぬおおお

るるるゐる

風待将監!?

いや違う

血族か!

あまい!

るるる

同じ手は

喰わぬ!

ええいひるむな!

甲賀忍者の

名にかけて

きゃつらを逃す

法やある!

かかれ!

かかれ!

かかれえ!

かかれえ!

ぬおおぉお

...蛍火

蝶を飛ばせ

おお!

追え!

逃がすな!

...ひどいな

目の見えぬわしにも

この惨状はわかる

伊賀者め

何を血迷うたか...

いやはや

伊賀からの使者を

迎える挨拶が

これとはのお

きゃつらめ...

このまま鍔隠れに

打ち込んでくれようか

甲賀の

やりかたは

ようわかった

このうえ

うぬらが血迷うて

伊賀の鍔隠れ谷に

当方に

とどめある

甲賀郡之介に

推参するような

ことがあれば...

その礼を

返すことになると

知れい!

こゃっ

よせ

刑部!

追うぞ、豹馬

ならぬ!

忘れるな

...鍔隠れには

弦之介様が

おられるのだぞ

弦之介さま...

甲賀伊賀

国境ー

甲賀卍谷衆

お胡夷

○第七殺、終わり

(如月左衛門の妹!

第八殺「六対九(その二」

ええい!

これでこちらの動きが

中衛力に知れてしもうた

わい!

こうなれば

一刻も早く弦之介めを

討ち果たさねば!

!?

す...

どうした

天港?

...だれか

近づいて来おる

なにっ!

甲賀方の追っ手か!!

隠れろ

あれは...

甲賀のお胡夷

という娘

...よし

あれを鍔隠れへ

さらってゆこう

人別店に

名を記す

甲賀十人衆の

ことりじゃな

!!

卍谷の...

お胡夷殿

ですな?

何もそう

構えることは

ない

察しのごとく

我らは

伊賀者だが

もはや

甲賀と伊賀が

敵ではないことは

そなたも

知っておろう?

げんに

甲賀弦之介様も

伊賀は

鍔隠れの屋敷に

お泊まりじゃ

それは知ってる

実は今しがた...

その弦之介様の

お申しつけで出合へ

参ったところ

何を勘違いしたか

村の衆から

えらい剣幕で追い立てを

喰ろうてのう

いやはや

ほうほうの体で

逃げ出して来た

ところじゃ

はん

どうであろうか

お胡夷殿

我らこのままでは

弦之介様や

朧様に合わせる

顔がない

甲賀を甘くみる

からじゃ

せめて

そなただけでも

鍔隠れ

一緒に来ては

もらえぬか?

弦之介様は

ご無事か?

「ご無事か」

とは

なにを

馬鹿なことを...

よしんば...

仮に我らが害意を

持ったとしても

あの弦之介様を

どうすることも

なるものか

それは

そうじゃ

では...

一緒に伊賀へ

参ってくれるな?

...卍谷の衆に

聞いてくる!

おう!?

しゃあっ!

まかせろ!

おろりゃあ!

..

!!

!!

むあああ

てええい!

ひいいいぃい

ぐはっ!

..

やたっ!

ぐっ

ひゅっ

いやあ

おしかった

おしかったのお

お胡夷

殺すなよ

念鬼

その娘には

聞きたいことが

ある

...ふん

何を

いまさら

弦之介を

討つときの国にも

なろう

ここでは

お胡夷の名を

人別的から消すのは...

そのあとじゃ

甲賀弾正屋敷

伊賀へ

討ち入る!

それは

ならぬぞ刑部

ばかな!

このまま

捨ておくつもりか

豹馬!

忘れるな

...我らはともかく

村の衆がなっとく

すまいな

鍔隠れには

弦之介様がおられる

のだ

むっ...

それに...

奴等を

見逃した以上

今鍔隠れの谷を

襲ったとしても...

せいぜい

返り討ちにあうのが

おちだ

それを恐れて

弦之介様を

見殺しにすると

言うか、約馬!!

...まさかな

わしは弦之介様を信じておるのだ

わしは弦之介様を

信じておるのだ

あのお方がやすやすと...

あのお方が

やすやすと...

伊賀者ごときに討たれるはずがないと

伊賀者ごときに

討たれる

はずがないと

それにまあ

一応は...

丈助も

ついておる

ことだしな

いや

しかしなあ...

あわてるな

刑部

もとより弦之介様を

捨て殺しになど

してなるものか

行く!

鍔隠れには

必ず安否を

うかがいに参る

......か

...その前に

確かめねばならぬ

ことがある

...申賀と伊賀

和睦がせまった

この時期に

なにゆえ

伊賀者共が

卍谷を襲って

きたか...

いかにも

さすがは左衛門

まさにそこじゃ

...和睦を嫌う者共の

われらの方にも

あの服部家との

不戦の約定さえ

なければ...

仕業かもしれぬ

伊賀を

襲いたがっておる者は

...たんといる

...それよ

その服部家との

約定が...

まさに...

解けたのでは

あるまいか

なっ

なにい!

まっ

まさか...

刑部

おぬし塀の中で

薬師寺天膳の

不審な言葉を聞いたと

申したな

おお...

確かこうだ

・「不意打ちというて

油断はするな」

風待将監

一人でさえ

おぬしたちを

あれほど

手こずらせた

のだ.....

...伊賀者は

北から来た

東海道から...

将臣は

駿府から卍谷へ

何かの飛報をたずさえて

もどる途中

東海道で

きゃつらに

討たれたのでは

ないか?

伊賀者襲撃の

秘密は

そこにあるのでは

ないのか?

よし!

わしが

東海道へ

行ってみよう

きゅっ

刑部

俺も行こう

東海道

関宿のはずれ

くそっ!

伊賀!!夜叉丸

見つからぬ!

巻物も!

お幻様も!

弾正さえも

どう

言い訳すれば

いいんだ

くそっ!

蛍火...

将監より

丸一日は遅れた

甲賀者はもう

巻物を手に

したのか!?

無事でいてくれ

蛍火

...お...い・

おお...お..い

夜叉..丸うう..う

!?

だれだ!

〇第八殺、終わり

わしじゃ

夜叉丸

薬師寺じゃ

そっその声は

まさしく天膳殿!

どこじゃ

どこにおられる?

天膳殿!

第九殺「太対九條の三」

わけあって

しばらく姿は

見せられぬが...

それより夜叉丸

何用あって

駿府から戻って

来たか?

いっ

一大事でござる

天膳殿!

一大事?

一大事とは何じゃ

夜叉丸

いっ

いやその...

そっ

それより天膳殿

姿を見せられぬとは

もしやあなた様は..

殺されたのでは

ありませぬか?

アァァァ

殺された?

その相手は...

!?

もしや甲賀の

風待将監では

ございませぬか?

いかにも

相手は

風待将監...

もっ

申し訳ござらぬ...

甲賀弾正に

たばかられ

人別帖を

奪われた

ばかりに...

この

俺ともあろう

ものが

人別帖?

しかし不幸中の

さいわい...

殺されたのが

あなた様でようござった

...他の者は

まだ無事で...

夜叉丸...

人別帖とは

何だ?

よろこびくだされ

天膳殿!

このたび

駿府の大御所

家康様の命により

服部様の

おん前にて

解かれ申した!!

なっ

伊賀と甲賀の

不戦の約定...

なにっ!

!!

違う!

くそっ

しくじった!

!!

そこか!

カルト

キリ

キリ

くっ

何やつだ!

ぐっ

名を言え!

言わねば

バラす!

きっ

如月...

左衛門

しめた!

しめた!

甲賀十人衆の

一人か!

こやつの首を

手みやげにすれば

少しは俺の

顔も立つ!

如月

左衛門!

わが黒縄の

地獄に落ちろ!!

...

いよーい

!!

すまんな

刑部

助かった

殺さずに

口を割らせよう

とも思うたが

やむを

得なんだわ

そう簡単に

白状するような相手

でもあるまい

こうしてうまく

付き合わせ

仕留めただけでも

長しとせねばな

それにしても

こやつ・大変なことを

口走ったな

大御所の命により

服部家との約定が

解かれたとは...

まさに

豹馬の読み

どおりか

しかし...

人別帖とは

何のことだ

もうひとつ

こやつ

天膳の声を使う

このわしに

「殺されたのか?」

と聞きおったが...

それほどの目に

遭うたのか

と問いたかった

のだろうよ

それより左衛門

これは容易ならぬ

事態ぞ!

うむ

かかる事実が

明らかとなった

からには

一刻も早く

鍔隠れへ参り

是が非にも

弦之介様の安否を

確かめねばならぬ

伊賀鍔隠れ谷

お約昼敷

!?

ご苦労

甲賀の娘

とりあえず

ひん剥いて

塩倉に繋いで

おいたぞ

弦之介の

様子はどうじゃ

朱絹

はい

朧様のおかげを

もちまして

つつがなく...

鵜殿丈助の不在を

弦之介に問われた

おりも

丈助が

私にしかけた

けしからぬ

ふるまいを

朧様のロより

伝えていただいた

ところ...

あやつなら

やりかねぬな

それで

間が悪うなって

卍谷へ逃げ帰った

のであろう

すまぬことを

したな

朱絹どの

...などと

かえってこちらに

わびをいれる始末

くっくぅくっ

あの瀧様に無心の

瞳を向けられて

それを

うたがう男なぞ

この世におろう

はずもないわい

ふん

恋におぼれた

朧様の瞳が

かえって相手を

死地に追い込むか

天膳

これまでのこと

そろそろ朧様に

申し上げる

頃合いではないかの?

皮肉なものよ

甲賀弦之介を

破りえる者は

ただ離様

あるのみじゃ!

わかっておるわ

...まあ

このわしに

まかせておけ

グッ

うむ

良い泥じゃ

甲賀にもどる

間も惜しい

このまま

伊賀へ乗り込むぞ

刑部

心得た

どのみち甲賀一党

人多しといえど

鍔隠れの谷から

弦之介様を

お救いできるのは

おぬしと俺を

おいて

他にはおらぬ

ずっ...

しかしまあ...

いつ見ても

見事なものよ

にっ

夜叉丸どの...

ガァアアア

ンぶン...

ヒタ

おい

抱える

○第九桜、終わり

お胡夷よ

いまから

わしがする問いに

心して答えよ

その返答いかんに

よっては......

生きてここを

出られぬと

覚悟せい

第十殺「六対八」

夜叉よ

小星蹴斎

伊賀祖よ

寅利郡

身体的には

何ですか、

陽茉。

じゃん

素人事よ

やはり

紫太郎

んあおれほえの気をいいか見るだ

お胡夷

地内部の

ちゃんねー

甲賀十人衆

まずは室賀釣馬...

こやつを者にして

目が見えぬと

聞くが

その忍法や

いかなるものか?

陽炎と申す女

その技とは?

さらには

如月左瘴朋という

あ...いかなるものの

使い手か?

...そして

おまえが使う

赤が

知りたい

おうりゃ!

まずは...

耳を削こうか

ごまくっ

こき

さらに

右腕...左腕...

さあ

といった

無惨な目には

おまえも

あいたく

あるまいが

そして乳房を

断ち割るかっん?

素直に返答

するがよい...

!!

ぬあっ!?

て..手が

はなれぬ!

こやつ!

あぁあ

きっ

きさま!

ふむら

血を...

かああっ

うおっ!

ぐああ...

うおっ

ぬ...

うう...

わたしの術...

お望みどおり

見せてやろう

ぐおっ

いえっ

いいのかったよ...お

...冥土の

みやげに

なったかえ?

じいさま

ジャッ

シャーハッ、

ふっ

やはり伊賀が

おかしい...

こうなれば

是が非にも

弦之介様の安否を

確かめて

生きて必ず

甲賀へ帰らねば...

ちらっ

お幻屋敷表

お胡夷が

物見に来ておる

はずだが...

...無事でおれよ

お胡夷

!!

...夜・叉丸どの?

み..見れば

わかろう

この娘

たしか:蛍火

まさか...

見破られたか!?

...よかった

ご無事で...

痛っ!?

...あ

当たり前だ

俺を誰だと

思ってる

なるほど..

そういう仲か

!!

!?

ばかっ!

バーっ

こやつ・まさか

わじをためして

おるのか?

ならばこの場で...

殺すか!

...すすまぬ

...

気のまわし

すぎか...

..少々変わった

娘だの...

しかし先程の

手荒な出迎えには

驚いたぞ

ヘビなら

ともかく...

お前までが

俺を見誤るとはな

も申しわけ

ございませぬ

先程はその...

夜叉丸様の

髪のかたちが駿府へ

向かう前とは...

まったく違って

おりましたので

きっと

甲賀弾正か...

そっ..

...そうかな...

しっかしくじりは

ないはずだが...

風待将監の

仕業でござい

ましょう?

ううむ...

まあ..そんな

ところだ

お喜び

くださいませ

おそらく甲賀弾正は

死にました

なに?

:地虫の星占い:

やはり...当たって

おったか...

そして風待将監は

わたしがこの手で

とどめをいれました

何度も

何度も

そうか...

でかした

蛍火

......

!?

ギァァアー

リシャーシャ

蝉斉

おるか?

おい娘

ここに蟻斉が

参ったであろう

白髪ヒゲの

爺さまじゃ

...殺せ...

ふん

どうやらすべて

白状したようじゃ

のう

まああの

爺さまにかかっては

お前のような

小娘なぞ

..甲賀の女が...

ひとたまりも

あるまいがな

伊賀者に...

手籠めにされて

生きては

おられぬ...

...なに...

蟻斉め...

色気なんぞ

とうに

潤れきった...

まだまだ

汁気たっぷりの

たっしゃな

爺さんじゃ!

千物ジジイと

思うておったが

いやいや

どうして

さて..お胡夷

わしのほうが...

爺さんよりも

ずんとましじゃと

思わぬか?

ん?

んお?

おっ?

おおっ!?

んがっ

痛いだろう?

ぐふっ

蛭が千匹...

体中に

吸い付いている

みたいだろう?

お前の血...

一滴残らず

吸い尽くしてやる

うおおおむおお

おまえはよいよ

●第十数、終の

アイアア

...それで

なんなのですか

天膳?

大事な話

とは...

伊賀・朧

心して

お聞きくだされ

朧様

服部家との間で

交わされた

伊賀と甲賀の

不戦の約定

こたび駿府の

大御所家康様の

命により...

第十一殺「六対七」

解かれ申した

!?

ぷんっ...

わっ!

ううう...

...うう

...

あああぁ...

ううう...

ガシッ

蟷斉は

おるか?

天膳が

人別帖をよこせと

言うておるぞ...

なんじゃあああぁ

ちっ

こやつっ!!

なに?

甲賀の女を

一人捕らえてある?

イア

はい

お胡夷というて

あの人別帖に名のある

娘...

人別帖?

夜叉丸どの...

人別帖をご存じ

ないのですか?

いや

人別帖に

名のある者の

ことで

ここ

聞きたい事が

あってな...

...いいや

ももちろん知って

おる.....

うむ..その娘

少し見ておきたいのう

案内してくれぬか

蛍火

くっ!

うっ..

おしかったのう

娘...じゃが

これまでじゃ

うおっ!

こっ

こやつ!

もっと!

もっと

肌を合わせ

ねば!

ぎっ!?

妙な真似を

しおって...

みくびるで

ないぞ小娘!

あっ...

うっ

う...

ヤ1ッ

ぎゃっ

殺すなと...

言われておった

うっ..う...

そうもいかぬ

成りゆきと

なったわい

所詮......

人別帖に

名のある女じゃ

どのみち生きては

もどれぬ体よ

おお

夜叉丸か!

いつもどった?

ね念鬼殿...

おい夜叉丸

ああ...

......

...今しかた

もどった

ほんの...

...今しかただ

どうした

夜叉丸

ストッ

蛍火の蛇に...

蛍火おぬし

夜叉丸を毒牙に

かけたのか?

なんと

おそろしや...

よそに女でも

つくったか

夜叉丸?

噛まれたときの毒が

少々残っておるらしい

...少しふらつくが

大丈夫だ

なんじゃ蛍火

冗談じゃ

そうにらむな

きゅっ...

きゃっ

お馴染...お胡夷..

...

ぎゅっ

ぎゅう

・すまぬ..お胡夷...

・あ...に・

・さ...ま..

...ひとあじ..おくれた...

あなたに...さんま...

いくつ

:あ:に:さ:ま::

とり

じじいを

倒し...ました..

・そうか...えらいぞ..

...よく..やったな

.....

..お胡夷...

..た...

...たわ..ら・の..

・すきま..に・

あ:やしげ:な:

...まきものだが...

..そうか...

よし..こころえ・た・

ぐゅうぅ

...あ..

・に..さま..

「...

おお

そうじゃ夜叉丸

駿府でのこと

何があった?

お婆様は

どうなされたのだ?

それは

なんだおぬし

えやっ

朧様に会うた後

でなければ申せぬな

まだ

お目通りして

おらぬのか?

朧様はなにやら

天膳殿と密談中で

ございましたゆえ

まだ...

はっ

あれは天膳が

朧様をまるめ込むのに

四苦八苦しておるのよ

伊賀と甲賀の

忍法争いの火ぶたは

とうに切られて

おるというに!

...朧様は

弦之介にのぼせ

あがっておられる

からのお

...弦之介は

まだ生かしてある

らしいの

そこよ!

天膳は弦之介を

怖がりすぎる

だいたい

わしは弦之介の

〝瞳術〟とやらを

少々疑っておる

が...

よしんばそれが

どれほど恐ろしい

ものじゃとて...

大丈夫?

..ああ

大丈夫だ

ふん!

すでに人別帖にある

風待地虫鵜殿は倒し!!

お胡夷はさきほど

わしが始末をつけた!!

天膳め

何をいまさら

尻込みするか!

おっとしまった

人別帖じゃ

蝋斉を

探さねば...

ね..んき

念鬼~~~

み..みす...

みずきくれ

ええ...

...何を

しておる

陣五郎?

それ!

たっぷりと

水を吸えい

ああ...

ああ...

あ...あ

まあ!

蟷斉殿!

どうした

蛍火

なんと!!

これは..

お待ちなされ

朧様!

!?

いいえ

許しませぬ!

卍谷の娘を

塩倉に捕らえて

おくなど

ななんだ?

わたしは

許しませぬ!

ええい

聞き分けられよ

朧様!

いまさら

後もどりなど

でき申さぬ!

あ..

う...

ぐうっ!

!!

夜叉丸!?

ぐうっ...う...

やっ

夜叉丸どの..?

なんじゃ

どうした!

きゃあぁ

ああぁぁあ

ちっ!

○第十一殺、終わり

第十二殺「五対七」

ささま!

甲賀者

がああ!

しっ塩...

ぐわっ!

きゃあっ!

!!

あいたた

ただたた

きゃっ!

ドナッ

あっ!?

!!

くっ

きゃっ

姫様!

あっ

ぐうっ...

しまった!

小四郎!

老牧を!!

そっ

...

...

人別帖!

あっ!

フヤ

陣五郎殿

巻物を!

よし!

まかせろ!

何?

おおお

あっ!

なっ

なんじゃ?

ぎゃっ!

ぐはっ!

くっ

ぐはあっあ

おお...

霞..刑部

ぐうっ...

甲賀の男は...

夜叉丸どのに

化けた男は!?

にゃっ

4シャ

ぬうっ!

逃がすな

追えい!!

待てい!

ぬうっ!

小四郎...配下を集めよ

小四郎...

配下を集めよ

きゃつらの

向かう先は

おそらく

弦之介のおる

部屋じゃ

...心しておけ

命懸けとなるぞ

!!

桜なみ

なーなボナくや

これまで来てくれました

貴様郎!!とネットなの

おかげで放射コが不況の

きゃ

悩んだ

今戦後ね

それはそれなの

中野は

ぎゃ

客代数料税

妖精ちゃん

秋々!!

新しく

...刑部

左衛門

卍谷へ...

帰ろう

HIM

ちっ

天膳の弱気の虫が

うつったわ...

くそっ!

ええい...

かかれえい!

まっ待て

念鬼!

早まる

なっ!

馬鹿な!

何をいまさら!

...

う..

うう...

カッ

...

ぐうう...

っあ

どさっ

...こっ..これが...

中賀弦之介の...

瞳がか...

ジリッ

...

ジーッジ!

いかん

このまま

行かせては...

...伊賀一党

待てい!

しかし

弦之介!!

今この場で

弦之介を討てる

見込みのある

ものは

ただひとり...

○第十二殺、終わり

小癪な...

天膳の

腰巾着めが

第十三殺「五対七」その二」

朧様!

朧様!

行ってくだされ

え?

え?

そして

あなた様の

その目で

必ず!

必ず弦之介の目を

見るのです!

あなたも

鍔隠れ衆

頭領の

駅なら!

小四郎と

弦之介の間に

割って

入るのです!

この一戦の持つ

意味がわかるはず

じゃ!

よいですな!

弦之介の

瞳術

あれは..

きゃつに向かって

害意を抱き

術を仕掛ける者にのみ

自滅を強いる

幻意の技...と

伊賀一党

この場にて...

かろうじて

きゃつを討てる

見込みのある者は

筑摩小四郎

ただ一人

イキ

ふん...

鎌手裏剣なら

打ち落とすことも

できようが...

ひゅるっ...

ふるるる

あるるる

あれが作る

かまいたちは..

振り払うことも

ニャッ

打ち落とすことも

かなわぬ技よ!

やめて!

やめておくれ

小四郎!

姫様!

救乙介の日を

見なされ朧様!

きゃつの瞳術を

破るのは

あなたの目より

他にない!

とっ

おっおどき

くだされ朧様!

ひゅるるる

ふるるる

やめて!

やめて!

小四郎

小四郎

いかぬ

姫様の瞳!

目を

目をそらせ

目を

そらせ...

そらせ..

そらせ..

そらせ...

そら...

せ...

...

ひゅ...

がっ

ぐうっ...

あ..

ああ

小四郎...

なっ

なんたる

ことを...

恋之介さまあ...

ああ...

ああ...

...行っておしまい

なされた...

弦之介さまが...

行っておしまい

なされた...

うう...

うぐっ

うう...う・

......

だから...

......

それで

小四郎のキズは

どのような

具合じゃ?

はい

そうか...

しばらく

小四郎の面倒を

たのむぞ朱絹

かろうじて

命はとりとめた

ものの..目が

いけませぬ

さて...嵐様

さきほどの

あなた様の

所行...

まさに

言語道断!

承知

いたしました

あなた様がお婆様のお皿筋でなければ...

あなた様が

お婆様のお血筋で

なければ...

あれはまさしく

裏切り者の

所行でござるぞ!

...ゆるしておくれ

...天膳

...わが方

十名のうち

蝋斉は死に

小四郎は

傷つき

そして

おそらくは

お婆様や...

さらには夜叉丸も

討たれたに相違ない

あまつさえ

あの人別帖まで

奪われ申した

あれは

命にかえても

とり返さねば

なり申さぬ

ふん!

思えば

我ら一族!

この日のために

生きてきたような

ものよ!

甲賀者どもめ!

むろん

言うまでもない

ことじゃ

必ずや

血の池地獄に

たたき落として

くれるわい!

朧様に立って

いただかねば

ならぬ!

ただし!

そのためには

この修羅なる争いの

まっ先に

さあ!

お誓いなされ

朧様!

必ずや

あなた様の手で

甲賀弦之介を

討つヒ!

...少しだけ

時を...

おくれ

お朧様...

おい...天膳

ちっ

決心の程を

お聞かせ

くだされ、朧様

なんでござるか

その壺は?

......

いつの目でしたか...

お婆様が...

こう申されました

...朧よ

おまえは

伊賀鍔隠れ衆

頭領の娘で

ありながら...

ついに

なんの忍法も

身につけなんだ

ふつつかな子じゃ

伊賀・お幻

ただ..

そなたの目

のみ

生まれついての

不思議な力を

持っておる

..じゃが

それは忍法ではない...

ばば

婆が教えた

ものではない...

朧よ

婆はその目が

...おそろしい

おまえのその目が

この鍔隠れの忍法を

内から崩し...

我ら鍔隠れの

一族を破滅の道へと

追い込むような

気がしてならぬ

...もし

そのような日の

来たときは

おまえの目こそ

禍のもと

朧よ

その時にこそ

この

七夜盲の秘薬を

目蓋につけよ...

そ..

それで...

どうなるので

ござるか?

...この

七夜盲の秘薬を

目蓋につけよ...

まさか...

さすれば...

おまえの目は

七日七夜

閉じて開かぬ..と

なっ..

こっ

ご無礼

いたす!

あっ

なっ

なんたる

事を...

第3巻につづく。

「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」のは、

ヤングマガジンアッパーズ2003年

第10号から第16号に掲載された作品を

収録したものです。

「編集部では、この作品に対する読者

のみなさまのご意見・ご感想をお待ち

しております。左記あてに、どしどし

お寄せください。

講談社「ヤングマガジシアッパーズ」編集部

東京都文京区音羽2ー12-2

【郵便番号112-18001】

アッパーズKC係

なお、本作品中には「盲」という身体障害に関する

える、今日では差別表現として好ましくない用語が

使用されています。しかし江戸時代を背景にした

作品であることを考えた上での表現であり、作者

に差別助長の意図はありません

読者の皆様のご賢祭をお願いします。

アッパーズKC-212

ジリスク〜中賀忍法階〜

003年9月16日、第1刷発行

定価はカバーに表示してあります。

山田風太郎

せがわまさき

著者

発行者五十嵐隆夫

発行所株式会社講談社

印刷所

東京都文京区音羽2ー12-2

郵便番号112[8001

いや

豊国印刷株式会社

共同印刷株式会社

N.D.C.726

製本所木村製本株式会社

◎山田風太郎ノせがわまさき2003年

本書の無断視なコピーは資作権法士でその例外を除き、禁じられています。

落丁本・乱丁本は購入書店名を明記のうえ、小社雑誌業務部にお送りくだ

さい。送料小社負担にてお取り様々します。電話の「SSSF-800」。

なお、この本についてのお問い合わせは、ヤングマガジンアッパース観光

部あてにお願いいたします

PrintedinJapar

講談社

講談社

編集部(03)5395|3467

販売部(03)53951geng

15日N4-06-346212-5

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剣劇、山風の波漫、

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...

徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着を

つけるため、十人対十人で恋法被裁

会報をして生き残りを懸けることに

なった甲賀、そして伊賀。両家の跡取

りで共に愛し合う中賀芸文外と伊賀

の朧が、互いに殺し合う運命となっ

たことを知らずにいる間に、戦いは

伊賀方に有利に進んだ。だが中賀も

逆襲への牙を研ぎつつある。

山田風太郎の大人気『恋活地』シリー

ズの記念すべき第1作めが、最悪し

た技量の持ち主、せがわま

さきによって漫画化さ

れた待望の第2巻!!

少し早く経済時、

それは思えば、

そして、Windowsと

原作は日常生活ですが、

漫画「せっかあ...

甲賀郡法開工SBLA

1997年『千魔物語り』が週刊モーニングに掲載されデビュー。

1998年より初の長期連載で鬼斬り十蔵」をアッパーズにてスタート、

2000年の完結までに高い評価を得る。

本作は2本目の長編連載で「原作とのコラボレイトは初めて。

猫好きで西瓜好き。船橋市在住

せがわまさき

1922年、兵庫県に生まれる。

東京医科大在学中に作家デビュー、「眼中の悪魔」などの推理小説から

後に一大ブームをまきおうこす「忍法帖」シリーズや

「魔界転生」などの時代小説、さらに『あと千回の晩飯』

一人間臨終図巻/などのエッセイを幅広く執筆、国民的作家となる。

2001年7月24日に惜しまれつつ逝去。

山田風太郎

「僕がリスク

甲賀忍法帖

原作

漫画

...

もがわまさき

J甲貨忍法帖

原作山田原大郎

漫画せがわまざき

甲賀忍法帖

原作山田風太郎

講談社文庫・甲賀忍法帖_より

恥ずかしさがわまさき

...

甲賀

甲賀郡法帖JJSOHIBK

甲賀組十

平均弾正

込虫キ冬策

...

風村将殿

裏利部

鵜殿丈勅

お目を前に

宝賀約馬

あなた

お朝ぁ

平賀熊之命

夜子よ

小豆球商

薬師寺天膳

南夜陣五郎

筑摩小田郎

楽を見

あ...

朱貊

...

伊賀組十!

あらすじ

天下人・徳川家康の秘命により、

徳川三代将軍の座をかけて殺し

合う運命となった甲賀・伊賀の

精鋭忍者各十人。血で血を洗う

壮絶なる忍法死争は、両家の頭

領である甲賀弾正と伊賀のお幻

の相討ちで幕を開ける。

両家頭領の死により届かぬ家

康の秘命。それを記した人別帖

を甲賀に先んじて手に入れた伊

賀勢は、中賀の地虫十兵衛、風待

将監、鵜殿丈助らを次々に葬り

去ってゆく。画門を分かっ血風の

聞いを、いまだ知らぬは甲賀弦之

介と残る甲賀菜、そして伊賀の朧

伊賀勢の有利に進む忍法花争

に甲賀勢の反撃はあるのか!?

そして想いを寄せ合う弦之介

と朧の愛の行方はいかに!?

死者

紹介

甲賀弾正

甲賀卍谷衆・頭領

伊智のお幻に自らの

毒針を突き返されて死亡

むした忍者

その名を染めるは

黄泉への血化粧な

鵜殿丈助

刃を三切通さない肉の

鞄のことき身体を持つ。

お幻屋敷を探索中に

伊賀の雨夜陣五郎と遭遇

体内に潜り込まれて殺された。

もしもしばらく

地虫十丘

四肢なき忍者。

体内に隠し持った暗器に

伊賀勢と闘うか

一度は倒したはずであった

伊賀の薬師寺天膳に

三刀両断されて死亡した。

かざ・まちしようげん

風待将監

敵の動きを主じるタンを使う。

駿府より甲賀卍谷に戻る道中に

遭遇した伊賀勢をタンにて捕獲するが

営火と簑念鬼(ご討たれる

伊賀鍔隠れ衆・頭領。

甲賀弾正の含み毒針に

のど笛を貫かれて死亡。

それは...

bagilusk

第七殺

「六対九」

第八殺

「六村九條の二」

...

「六寸九(その三)

第十条

「六対八」

第十一殺

「六対七」

第十二殺

「五対七」

第一二条

「五対七(その二)」