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ミルキ

LaRosedeVersailles

池田理代子

ユのばらは

ベルダイエットに

池田理代子

第4巻

黒い騎士をとらえろ

ルサイ・

イユのばら

ば...ばあや

どうでもいいけど

もうすこし

やさしく

できないか

やさしくして。

ほしい人が

こんなケガして

きますか!

うわーっち!

アンドレは

どうしてる?

あいつのほうが

ひどくやられた

はずだ

ちゃあんと

手当てして

ついでにヤキも

いれといて

やりましたよ

おちっ

いてて

あの

ろくでなしが!

だいじな

お嬢さまを...

ナゼカ

キズが小とている

くそーっ

ばばあのくせに

なんて力だ!

ロベスビエール

め...!

近衛士官だと!?

王妃の犬か!?

バリ

高等法院の

弁護士だと?

あいつがバリに

きていたとは...

あの男...

名はなんと

いったか..

王妃の犬と

ほざきやがった...!!

ごらん

なさいまし

あの子は

ゆうべひと晩

一睡もせずに

オスカルさまを

まっていたん

ですからね!

こっちへ...

...

おいで

ロザリー

オスカル

さま?

ひと晩中

おきていたの

か......?

すまなかった

心配かけて

いえ...

オスカルさまが

こぶじでもどって

いらっしゃった

だけであたし...

い...え...

もう...

そんな...

もしわたしが

ほんとうの男性

だったら...

まちがいなく

おまえを衰に

するよ...

ほんとだ

いっそ

ほんとうの

男性

だったら...

オスカル

さま!

どれほど

楽だった

か......!

オスカル

さ...ま...!?

しかし

せっかく

こうやって

なん日も

かかって

やってきた

のですから...

王妃さまは

もう認見は

なさいません

し...

なんど

おっしゃっても

だめなものは

だめです

くそうッ

なんてこった!

我をかるくして

もらえるように

村の代表として

陳情書をもって

きたのに...

小トリアノンへは

招待された人しか

出入りできない

のですからね

ぶっふ!

おきのどくに...

そこへいくと

わたしなんか

まったく!

王妃が富廷に

いないなんて

ばかなことが...

夜王妃さまと

あいびきも

したし...

王妃さまの

保証人にも

なったもんね

ローアンにしてる

大司教さま

どこへいかれ

ます

これから先は

王妃さまの

許可なしでは

はいれません

いいのぃいのわたしは

わたしは

特別なん

だから

王妃さまが

あの首飾りを

おつけになった姿を

見にいくだけだし

首飾り

...?

むふふ...

きっと

すばらしくきれいだ

ろうなあ...

ぼくの

アントワネットちゃん...

このごろ...?

社交界では

王妃さまの

着ていらっしゃる

ペザント・ルックが

大流行ですのよ

まあ!

ぶっ

王妃さまは

なにをおめしに

なってもいつも

ファッションの

女王でいらっ

しゃいますわ

だ...だれです

この男をこっちへ

いれたのは!

すぐつまみ

だしなさい

感じの悪い!

大司教だろうと

宮中司祭長

だろうと

カまうことは

ありません

ジャンヌどの

ジャンヌどの

...

はあ

はあ

はあ

そ...

それは...

それはですね...

王妃さまは

代金の支払いを

終えないうちは

王妃さまは

あの首飾りを

ぜんぜんつけて

いらっしゃいません

どーゆーわけです

!?

首飾りは

身につけないと

そうおっしゃって

おいでですの

やはり一国の

女王ともなると

ちがいますわねえ

わー

なんてごりっぱ

保証人に

なって

あげて

よかった

これで王妃さまの

ご覧受はますます

ふかまるだろうし...

ちょっとさっきの態度は

気にかかるけど...

でもまあ......

うまくすればふたりは

やがてあまい関係に...

むふふっ...

ニコラス・ド...

ラ・モット大尉

!!

ニコラス・ド・ラ・

モット大尉は

きていないか

!?

ざわ

最近彼の姿を

見かけた者は

いないか!?

さわ

ちっくしょう

あいつめ!

まえまえから

いいかげんな男だ

とは思っていたが

ローアン大司教の

すいせんだったから

しかたなく入隊

させたのに

もうどんっ?

半月だぞ

半月!

本来なら

クビになる

ところだぞ!

のこのこでてきて

みろ!

少尉へ降等処分に

してやる!

ジェローデル大尉!

かわりに

近術騎兵隊

先頭指揮官を

つとめよ!

はいっ

軽騎兵隊

以外は

戦闘隊形を

とってこれって

整列ーっ

ふりそそく

金色の光の

中.....

戦闘隊形を

とってさって

整列ーっ

もえるような

紅に映える...

近衛殿

ブロンドの髪

ひるがえし

馬上ゆたかに

指揮をとる

あ......あ!

育いてる!!

その姿は...

さながら

天に跳ゆる

ベガサスの

心ふるわす

翼にもにて...

ブロンドの製

ひるがえし

ひるかえし...

王后陛下

宝石商の

ベメールが

陛下に

この手紙を

おわたしする

ようにと...

なん

...

いいこんな

州世謎にも

うけたまわりました

例の契約に

つきまして...

なにとぞ

おわすれなきょう

第1回目のお支払い

たまわりますよう

おねがいもうしあげる

したいでございます

...

朗読係の

カンバン夫人を

よびなさい

ははっ

なんでこざい

ましょう

これは...?

例の契約

だとか

第1回目の

支払いとか...

あなたにも

わかりませんか?

宝石商のベメールが

わたくしあてに

よこしたのですけど

きっと

あの男...

あのダイヤの

首飾りが

売れずじまい

だったもので

かわいそうに

頭がおかしく

なってしまった

のよ!

ほほ...

きっとさようで

ございますわね

きのどくに!

こんなもの

わざわざとって

おくことも

ないでしょう

この

あまりにも不注意に

燃やされてしまった

手紙のために

やがて

おそろしい結果が

うまれようなどと

アントワネットには

しろよしもない

ことだった...

燃える炎

とびかう矢弾

いとしい身を

軍服につつんで

がの人は...

たたかいに

ただかいに...

わが愛する人は

はるか異国の地

泥土にまみれ...

あなたは..

かえってこなかった...

わたしの胸に

その愛だけを

おきざりにして...

ひとりで...

ひとりで

この愛の

熱い重みに

たえろというの...!?

フェル

ゼ...ン...!?

ま...さか...

まさか...

フェル...

ゼ...ン...

王后陛下

バンス・アクセル・

フォン・フェルゼン

ただいまもどって

まいりました

フェルゼン...

フェルゼン

フェルゼン

!!

帰国まぎわに

なって

熟病を

わずらって

しまったので...

ひとり

アメリカに

のこって

おりました

ほんとに...

夢ではないの

ですね.....!?

あ...あ!!

その瞳も

くちびるも

美しい髪も...

フェルゼン!

あなたなの

ですね...!

お...おお.:

あ.....

相見ることさえ

ゆるされながった

恋人たちの

長い...

長すぎる年月を

アントワネット

さま

いま時は

沈黙して

ふたりにかえすかの

ようだった...

もう...

もうフェルゼンは

にどとアントワネット

さまのおそばを

はなれません!

フェルゼン

...!?

アントワネットさま

あるかぎり

フランスに

とどまり

この命も心も

すべて

燃えつくすまで

アントワネットさまに

おささげいたします

わたくしの

この愛が

そう命じるの

です

もはや

けっして...

けっしておそばを

はなれますまい

神よりも

捻よりも...

ともに地獄に

おちようとも

おともつかまつり

ます!

愛する人の

生きた姿をこそ

この魂は

もとめてやまない

のだから.....!!

フェル

ゼン!!

フェルゼン

......

お...お...

オスカル...

心配かけて

すまなかった

やっと

もどってきたよ

よく...

かえってきた!

すこし

やつれたな

ああ...

むこうで熱病に

かかってしまって...

では

またあとで

あおう!

ゆっくり

休養を

してくれ

オスカル

あ!

オスカル

さっき

フェルゼンが

小トリアノン

へ...

わかっている

オスカル

おいっ

どこへ

いくんだ

オスカル

オスカル

ーッ

フェルゼンが...

フェルゼンが

かえってきた...!!

生きて

かえってきて

くれた...!

生きて...

元気で...

帰ってきて

くれ..た...!!

アメリカ遠征から

もとってまもなく

フェルゼンは

王妃マリー・

アントワネットの

力によって

陸軍連隊長に

任命される

正式には...

ロワイヤル・ドウー・

ボン連隊つき

員数外大佐

トリアノンの

丘の上にそびえる

小さな愛の神殿

さんざめく

腰をつけて

白亜にかがやく

音楽室

さらさらと

のどかに流れる

美しい小川の

ほとりに

ちらばる

本物そっくりの

農家

ほんとうの最民

や最初が

乳しぼりし

木かげでの

かくれんぼ

ぶらんこ

水車小屋で

粉をひき

花のじゅうたんの

上で踊る

ガポットや

メヌエット

この

すばらしい

田園風の

心なこませる

歴園のために

つかわれた

気の遠くなる

ような巨額の

税金のことを

アントワネットは

知っていただ

ろうか......

あの

目ざわりな

オスカルも

このごろめったに

ベルサイュへは

こなくなったし

フェルゼン伯爵でさえ

どういうわけか

王妃さまのまえに

あらわれない...

なにもかも

わたしの

思いどおりに

なった...

あとは

ロザリー...

そのためにも

オスカルを

早くなんとか

かたづけて

しまわなくては

あの子を

なんとかして

ボリニャック家に

ひきとりたい

わたしの

愛する娘...

ねっ?

ポリニャック

伯夫人

はっ

あ...

な...なにか..

まあ!

きいていな

かったのね

こんど

つくった

小劇場で

わたくしが

主演する

お芝居の

おはなし!

まあーっ

王妃さまが

出演なさるん

ですって!?

ほかにも

王弟殿下や

大臣や

公爵夫人たちが

みんな出演する

予定です

わたくしは

“セビリアの

理髪師”の

主役ロジーナを

やりますの

すばらしい

ですわ!

ぜひ

わたくしたちも

参加させて

いただきたい

わ!

王妃さま

当日は

フェルゼン伯も

見にいらっしゃると

よろしいですわね

あ...

フェルゼンは

きません

きっと...

ええきっと

こないでしょう

王妃さま...?

約束したん

ですもの..

わたしたちの

愛をまもる

ために...

もう

人前では

あわないように

しましょう

うしないたくない

ただひとつの

愛だから...

この愛を

まもるために...

王妃さまはじめ

小トリアノンの

連中は

気がふれてしまった

としか思えない!!

あろうことか

“セビリアの

理髪師”

だと!?

じぶんたちで

上演する

芝居の脳本

が.....

“セビリアの

理髪師”!

当の貴族が

うれしそうに

上演しようと

いうんだぞ!

貴族をこてんぱんに

皮肉って

こきおろしている

あの。セビリアの

理解師”を

おちつけ

!?

あの

脚本をよんで

国民たちが

われわれ貴族を

どう思っているか

お...お...

おちつけ

オスカル

わたしは

おちついて

いる!

ああ

冷静この上

ないよ!

考える人間は

王后陛下の

まわりには

ひとりも

いないのか!

王妃さまに...

王妃さまに直接

あわせてください

はあ

宝石商の

ベメールで

ございます

王妃さまはいま

トリアノンで

お芝居の

おけいこ中です

あなたも

くどい方ですね

ベメールさん

もう

だまっている

わけには

まいりません

とにかく

王妃さまは

いつになっても

あの首飾りの

代金をお支払い

くださらないでは

ないですか!

あんまりで

ございます

首飾り

ですって...!?

王后陛下

すぐ

ベルサイユ宮へ

おもどりを!

ー785年

8月15日!!

ローアン

大司教どの

ベルサイュ宮への

出頭命令で

ございます!

わかーわな

わわたくし

が..

このわたくしが

ジャンヌ・

バロアとか

いう婦人に

たのんで...

ローアンを

保証人に

たてて

あの首飾りを

買った...

ですって...?

そその上

あろうことか

ローアン大司教

あなたと夜

ビーナスの茂みで

あいびきを...

などと...

ローアンだし?

大司教!!

10年近くも

あなたにひとことも

声をかけたことすらない

このわたくしが

どうして

そんなことをするなどと

信じられたのです!?

し...しかし...

ジャンヌ・バロア・

ド・ラ・

モット夫人が...

お...王妃さまからの

ラブレターや

署名入りの

契約書を...

ド・ラ・モット

...!?

ローアンだいじゃあ

大司教

このサインは

王妃の筆跡と

ぜんぜんちがって

いるし...

だいいち王妃は

マリー・アントワ

ネット・ド・フランス

などというサインは

しないということは

高廷のだれもが

知っているはずだよ

あ...

わたくしは

ジャンヌ・バロア・

ド・ラ・モット

などという女性には

いちども話見を

ゆるしたことが

ありませんし

名まえも

きいたことが

ありません

陛下

ジャンヌの夫

ニコラス・ド・ラ・たい

モット大尉は

わたくしの

部下でございます

王后陛下

国王陛下

おねがいで

ございます

首飾りの代金は

このローアンが

なんとしても

お払いいたし

ますから

どうか...どっか

こんどのことは

ご内密に...!!

そうだね...

ローアン大司数も

どうやら

だまされていた

だけのようだし...

いいえっ!!

きっとこの男が

なにもかも

しくんだにちがい

ありません!

わたくしが

こんな男とこっそり

あいびきしたり

ラブレターを

おくったりすると

信じるなんて

それだけでも

わたくしへの

侮辱罪です!!

裁判にかけて

なにもかも世間に

公表します!!

オスカル・

フランソワ・ド・

ジャルジェ大佐!

部下の監督

不ゆきとどきは

あなたの責任

ですよ!

なにをしていた

のです!?

ふふ...

なんてこと...

チャンスがむこうから

ころがりこんできたわ

ふっふっ♪...

近術隊長!

ローアン大司数を

逸捕したまえ!

はいっ

それから

この事件に

関係したもの

すべての

遠捕を!

おきのど~

です...

ローアンどの

ガキがチワー

ニコラス・ド・ラ・

モット...

そういうわけ

だったのか!

さあオリバ

このまえ約束した

1万5千リーブル

ですよ

こんなに

すごいお金を

もらえるなんて

...!

ま...あ

すばらしいわ!

たったあれだけの

ことで

ニコル・ド・オリバ...

この娘も

そろそろ

かたづけて

おかなくちゃ...

王妃の身がわりに

したことが

いつばれるとも

かぎらない...

ニコラス・ド・ラ・

モットならびに

ジャンヌ夫人!

文書後造・窃盗

および詐欺の罪で

速捕する!!

お...王妃

さま!?

いや...

まさかそんな

はずは...

ちっきしょう

だ...だいじょうぶ

あきらめる

ものか!

証拠の首飾りは

ニコラスがもって

イギリスへ

にげたし...

フランス犯罪史上

あまりにも名高い

首飾り事件

である!

いや

ちがうよ!

だましたのは

ジャンヌとかいう

女だそうだ

なんだって!?

ローアン大司教

さまが

詐欺を!?

なにものだね

その女は!?

王妃さまの

名をかたって

160万リーブルの

ダイヤが

まんまと

ぬすまれたとさ

逃亡した

ニコラスをのぞき

関係者全員が

裁判まで

パスティーユ牢獄に

ほうりこまれた

160万リーブル

!?

まちがいです

なにかの

まちがいです

オスカルさま

まちがい

です!!

わたしの..

わたしのねえさんが

そんなことをする

なんて!!

オスカル

さまあ...!!

バリ高等法院

首飾りを

ぬすんだのは

ローアンさま

ですわ!!

みんな

ローアンさまの

命令したこと

です!

ジャンヌ

どの!!

ジャンヌ・

バロア・

ド・ラ・モット

夫人!

そのような

見えすいたうそは

時間のムダですぞ

うそですって

!?

じゃあどこに

わたくしが犯人

だという証拠が

ありますの!?

ぬすまれた

ということが

首飾りは

どこにも

ないじゃ

ありませんか

だいいち

わたしがほんとうに

犯人ならば

いまごろはとっくに

にげているはず

ですわよ!

そうだよ

な...

それも

そうだ

ひょっと

したら...

ひょっとしたら

その首飾りは

ほんとは王妃の

手もとにあるん

じゃないか?

ありうることだ

王妃のぜいたくは

有名だし

けっこう王妃が

お人よしの

ローアン大司教と

宝石商を

だまして...

静粛に

!!

ではいくらん

証人として

ニコル・ド・オリバ

証人席へ!

王妃だ...

王妃そっくり

だ...!

なんて

ことだ

いったい

なにものだ

あの女は

ばか!

よく

見ろ

さあ

ド・ラ・モット

夫人!

この女性の

ことはどう

説明をつける

気ですかな!?

おちつけ...

おちつくのよ

ジャンヌ!

じつは

こんどの事件は

わたくしが...

決定的な

証拠は

まだなにも

ないんだから...

わ...わかり

ました...わ...

なにもかも

お話し

します...

さる高貴な方に

たのまれて

しくんだこと

なのです

その方という

いうのは...

王妃さま

です!!

おおー

静粛に

静粛に

!!

それは

ですね...

つまり

レスボス風に

ほほう!

ド・ラ・モット夫人

それであなたと

王妃さまとは

いったいどういう

関係だったのです

か?

それで

わたくしを

愛して

くださって...

じつは

王妃さまは

同性愛の趣味が

おありなのです

王妃さまと

わたくしとは

レズの関係

だったのです

わ!

王妃さまが

レズ...!?

レズビアン

だというの

ですか!?

ジャンヌ!!

なんてことを...

ロ...ロザリー

....!!

あ......!

となりに

いるのは...!

なんてことを

いうの!?

ほほう!

そのような話は

はじめて耳に

しますか...

王妃さまが

同性愛だという

なにかはっきりした

根拠でも?

ド・ラ・モット夫人

え...え!

王妃さまの

お気にいりの

ポリニャック伯

夫人のことはもう

有名ですわね

あそこにいる

近衛連隊長

!!

彼女も

ほんとうは

レズのおあいて

なのです

それに...

あの人が

なによりの

証拠ですわ!!

わたくしの夫

ニコラスの

上官ですが...

あの人は

男装を

してはいても

れっきとした

女性!

これこそが

なによりの

証拠では

ありませんか!!

王妃さまは

あのように

愛している女性に

男装をさせて

レズのおあいてを

させるために

おそばにおいて

いらっしゃいます

あ...あ

あのォ!!

オスカル

さま!!

このわたしが

レズだってェ!?

ぶ...ぶった斬って

やる!!

罪をのがれ

たいばかりに

よくも

そのような

でたらめを...

でたらめでは

ございま

せんわ

げんに

わたくしも

王妃さまの

恋人のひとり

だったんですもの

いいか!?

わ...わたしは

このオスカル・

フランソワは

王后陛下が

オーストリアから

嫁いでこられる

ずっと前から...

近衛

連隊長

!!

かってにしろ!

ふざけやがって

傍聴人の

かってな発言は

然じます

さもないと

法廷侮辱罪で

速捕しますぞ!!

このオスカルさまが

レズだと!?

じんましんが

でてくるわ!

さて

ジャンヌ・バロア・

ド・ラ・モット夫人

王妃さまは

あなたのことも

首飾りのことも

ぜんぜん知らないと

おっしゃって

おられるのですぞ

だって

きくところによれば

宝石商の

ベメールが

さしあげた

請求の手紙を...

王妃さまは

わたくしひとりに

罪をかぶせようと

なさってるん

です!

王妃さまは

燃やして

しまわれたと

いうじゃ

ありませんか

それは

証拠を消して

しまうために

ちがいあり

ませんわ!!

やっぱり

首飾り事件の

ほんとうの

犯人は

王妃だ!

ばかいえ!

あのローアン

大司教が

ジャンヌって女に

やらせたに

ちがいない!

それを

王妃のせいに

して...

なにを!?

おまえ王妃の

味方なんか

する気か!?

真犯人は

ぜったい

王妃だ!

ちがう

ローアンこそ

犯人だ!

王妃だ

ローアンだ

王妃だ

なんという

なんという

おそろしい

女だ.....!

ずるがしこくて

だいたんで...

そして...

すばらしく

たくましい...!!

ああまりにも

ばかげています

あまつさえ

わたくしが

あの女に命令して

首飾りを

盗ませたなどと

.....

あのジャンヌと

いう女は...

すうすうしくも

わたくしとレズの

関係ですって!?

しかも

民衆までが

そんなことを

真にうけて...

これで

はっきり

しましたわ

その上

この

わたくしを

侮辱して...

やっぱり

ローアンが

わたくしを

おとしいれるため

あの女を

つかったに

ちがいありません!!

見ているが

いいわ!

この裁判で

なにもかも

はっきりする

のだから

ローアン!!

1786年にゃ

5月31日木曜日

首飾り事件の

判決!

ニコラス・ド・ラ・

モット大尉は

欠席裁判で

終身潰役刑

あたずねる

見つかりしたい

ただちに

速捕のこと!

レトー・ド・

ビレットは

国外遺放

わあ、

ニコル・ド・

オリバは

無罪

ジャンヌ・バロア・

ド・ラ・モット夫人

いいの焼きこては

泥棒を意味する

volecseの

頭文字である

ムチうちの刑の後

両肩に“V”の

焼きごてを

おして

終身禁固の

刑に処す!

焼きごて

ですって!?

わ...わたしは

無罪よ!!

無罪だわ!!

終身刑に

なんかされて

たまるもの

ですか!!

そして

ルイ・ド・ローアン

大司教!

首飾り事件に

ついても

王妃侮辱の

件についても

ローアン大司教は

無罪とする

ローアンさまが

無罪!

いまごろ王妃は

まっつあおに

なってふるえて

いるぞー

高等法院

ばんざい

無罪だぞ

ーっ!

王妃が

負けたぞ

わーっ

高等法院

ばんざい

あはは...

オーストリア女の

泣きっ面が

見たいもんさ

ねーっ

ローアンさま

ばんざい

ばんざい!

ばんざあい

王妃が

負けた

ばんざあい

じつに

けっこうな

すばらしい

事件であった

若き法学生

サン・ジュスト

王室へ

こってりと泥を

ぬりたくって

くれたぞ!

わ...わたくしの

敗北を...

のちに

ロベスピエールの

ふところ刀となる

戦烈にして

氷のごとき

美しきゃんと

青年革命家

である

国民たちが

よろこんで

いる...

わたくしが

あの人たちに

なにをしたと

いうの?

やってね...

いったいなにを

したというの

でしょう...

お...お...!

王妃さま

高等法院は

反逆者どもの

あつまりだわ

バリへいって

真実を国民に

話さなくては

陛下!

バリへ

おでかけに

なることは

おやめ

ください

オスカル

な...なぜ

です!?

危険で

ございます

女王だからこそ

危険なので

ございます

近衛隊は

王后陛下の

お身の安全に

ついて責任を

もちかねます!

わたくしは

フランスの

女王ですよ!

そ......

それは

国民が...

わたくしに暴行

するかもしれないと

いうことですか?

ざんねんながら

...

そのとおりで

ございます

あ...

知らなかった

国民たちは...

国民たちは

もう

それほどまで

このわたくしを

にくんでいる

なんて.....

いつのま

に...

王妃さま

あやしいと

お思いに

なりません?

あの

オスカル・

フランソワ...

こんどの事件の犯人

ジャンヌの夫は

オスカルの部下だと

いうではござい

ませんか

いったい

なぜ...?

それなのに

じぶんの部下が

あんな犯罪を

犯して

ポリニャック

伯夫人......!?

イギリスへ

にげていたのに

気つかなかった

なんて...

考えられませんわ

6月30日

早朝

公衆の見物する中で

ジャンヌの

刑は執行された

んーん

...

はなせーっ

あたしは

無罪だーっ

ちきしょーっ

ばかやろーっ

あたうこ

あた

あた

あたしは

無罪だ

みんな王妃の

険謀だよ

やーっ

はなせーっ

くそ!

あの

オーストリア女が

あたしひとりに

罪をかぶせて

すずしい顔して

いるんだ!

わーっ

手におえま

せん!

さっさと

焼き印を

おしてしまえ

わーっ

にげたぞ

ーっ

こんちき

しょーっ

悪魔ーっ

地獄へいけ

ーっ

オーストリア

女め!!

もういちどた

肩の上だぞ

あの売女!

死んじまえ

オーストリア

女!!

わあーっ

ふあ...

おっそろしい

女だ

いてて

血がでるほど

かみつき

やがった

すぐ

サルベトリエール

牢獄へはここべ

なんと

まあ

すさま

じい...

かわいそう

に...な...

あれだけ

いうんだもの

やっぱりあの女は

無罪に

ちがいないよ

そのたくみな

うそのおかげで

国中の同情が

ジャンヌに

あつまった

おすな

おすな

じゃあ

やはり

首飾りは

王妃が.....

てめーと...

横から

わりこみ

やがって

えー

いらっしゃい

むぎゅ

ジャンヌを

ひと目見ようと

差入れを持って

牢獄をたずねる

人の列は

あとをたたなかった

ほとである

なんという

...!!!

平民ばかりか

貴族までが

ジャンヌに

あいにいっている

というでは

ありませんか!

さよう!

王后陛下の

小トリアノン宮へ

出入りを

ゆるされずに

まるで

わたくしに

あてつける

ように...

高廷をさった

貴族たち

ばかりで

ございます

...

コツ

お...お

...

事件は

それだけでは

終わらなかった

あ...!!

だ...だ...

だれか...!!

だれか

きてくれーっ

あ...あの女が

あのジャンスが

牢獄から脱走

したとよ!

わあっ

ほんとかい!?

ゆかいじゃ

ないか!!

にがしたのは

きっと王妃に

ちがいないよ

ジャンヌが

脱走した

ぞーっ

そうだ!

ジャンヌが

王妃の罪を

ひとりでせおって

くれたものだから

ジャンヌが

にげた!?

さーすかー!!

さすがの王妃も

良心がとがめたん

だろうよ

ぎまーみろ!

ジャンヌが

にげた!

あの桜麗

きわまりない

サルベトリエール

牢獄から

だれかが

にがしたのです!!

これは

そうとうな身分と

軍隊での権力の

ある者でなければ

できないことですわ

え?

そうじゃありませんが?

オスカル・フランソワ・ド・

ジャルジェ伯野大佐!!

ほっほう

それはまた

どういう意味

ですかな?

ポリニャック伯夫人

とぼけたって

だめですよ!

部下のニコラス・

ド・ラ・モットが

首飾りをぬすんで

外国へにげて

いたのに...

隊長である

あなたが長いあいだ

気づかなかったのは

なぜか...

それは...

あなたが

彼らの仲間

だからです!!

オスカル・

フランソワ!

ジャンヌに注意を

ひきつけて

世間の目を

くらませておき

ほとぼりが

さめたら

にがしてやる

という手はず

だったのでしょう

!?

なにを

血まよって

おられる

...

国王陛下と

王后陛下に

あなたが犯人だと

うったえてやるわ

!!

はやくも

更年期障害で

ござるか!

ほっはっは...

更年期...

いくぞ

アンドレ

ロザリー

わたしが

その気になれば

どんなことだって

できるんだから

ポリニャック

伯夫人は

本気だわ...

いけない...

おい

ロザリー

あれ?

あの女の

権力だったら

オスカルさまを

犯人に仕立て

あげるくらい

なんでもない

ポリニャック

伯夫人!

マダム・ド・

ポリニャック!

マダム・ド・

ポリニャック

ですって!?

ロザリー

どうして

ママンと

いわないの

です!?

オスカルさまは

こんどの事件とは

なんの関係も

ありません

だから..

だから国王陛下に

そんなことを

いわないで!!

おねがい

です!!

あなたが

いったら

王妃さまは

きっと本気に

なさるわ

オスカルさまを

おとしいれる

のはやめて!!

では

ロザリー

ボリニャック

伯爵家へ

きますか!?

このわたしを

母と

よびますか!?

どうなの

ロザリー!?

あなたの心

ひとつです

ロザリー

ようく考えて

おきなさい!

このわたくしの力は

知っているはずよ

そうすれば

このことは

表ざたに

しないと

約束しま

しょう

それ以外は

だめです

お...お...!!

オスカルを

助けたかったら

ポリニャック家に

きますか!?

このわたくしを

母と

よびますか!?

オスカルさまが...

首飾り事件の

犯人にされて

しまう...

この

わたくしを

母とよび

ますか!?

母とよび

ますか!?

ひれつな

ことを......!

こんな手を

つかって

あたしを

ひきとろうなんて

ひきょう者!!

ロザリー

こんな所に

いたの

あなたに

手紙がきて

るんだけど

だだれにも

中を見られ

なかった

かしら

ジャンヌ

!!

あ...あ

ジャンヌ!

うれしいわ

どんな人でも

いっしょに

そだった

なつかしい

ねえさんだもの

サベルヌ...

まあ

こんな遠い

所に...

ぷじににけて

くれたのね...

いまはもうきっと

じぶんの犯した罪に

おののき後悔して

いるにちがいない

わたしの

ジャンヌ...

どうかこのまま

罪を悔いながら

平和に暮して

ほしい...

ねえねえ

きいたかい!?

あのジャンヌが

本を出版したん

だってさ!!

えーっ!?

ジャンヌって...

首飾り事件の

ジャンヌかい!?

牢獄から

脱走してたのに

行方がわかった

の!?

それが

わからないから

またおもしろいん

だよ!

まあ

読んでみな

第1巻は

首飾り事件の

真相だよ

わーっ

どれどれ

!?

王妃が

どんなふうにして

ジャンヌに

首飾りを

盗ませたか...って

ほら!

マリー・

アントワネット

醜闘伝!

わたしの

名まえが

でているぞ!!

ジャンヌ・バロア

回想録

第2巻!

王妃の...

恋人たちの

目録だ

男の恋人たち

だけでは満足

できなくなった

王妃が

じっつに

ばかげて

いるっ!!

お気にいりの

女たちをベッドへ

ひきいれたって

わけだ!

なんたる

ハレンチ

!!

わっ!

デマと

でっちあげの

総括!!

おーい

ジャンヌの

本の第3巻が

でたぞー

わーっ

買いにいくべ

あの美男子の

近術連隊長

女だったんだって

ねー

王妃の命令で

男装してるんだって

ジャンヌの本に

書いてあったよ

このまえのは

どこの本屋を

さがしても

みんな売り切れ

てたもんね!

まったく

あたいたちが

こんなひどい

生活してるのに

じぶんは

なん10人もの

男や女を

恋人に

してさーっ

小トリアノンで

たのしんでるんだよ

あの淫売の

オーストリア女!

よ...よ...

よくもこれだけ

はなばなしい

でたらめを!!

見るも

おぞましい

きたならしい

エロ本!!

しかもこれが

いまや

フランスの

ベストセラーで

民衆は

書いてあることを

そっくり信じていると

いうのだから...

お...

おそろしい

ことです

!!

ざまあ

ごらんあそばせ

マリー・アントワキペベ

ネット競関伝

第4巻5巻

6巻!

えーえ!

いくらでも

書いてやるわ!

いまや国民は

みんなあたしの

味方よ!

民衆が

大よろこびする

どぎつーい

場面だって

レズの実態だって

しかも

本が売れれば

売れるだけ

思うまま

でっちあげて

やる!!

ガバガバ

もうかるん

ですもの!!

あっはっははは

ジャンヌ

ジャンヌ!!

あなたは

もう悪魔だわ!!

じぶんのしたことを

少しも悔いて

いないのね

あ...あ!!

国王陛下

王后陛下

うむ...

ニコラスと

ジャンヌの居所を

つきとめて

軍隊を派遣

せねば...

もはやこれ以上

ほっておくわけ

にはまいり

ません!

その役目

なにとぞこの

オスカル・フラン

ソワに!

ニコラスは

かつては

わたくしの部下で

ございました

ほかの

者の

手に

かけて

とらえる

よりは

せめて...

せめて

この

わたしが...

おねがいで

ございます

陛下!

ほっほ.....

なかなかたいした

演技ですこと

オスカル・フラン

ソワさま

わかった

オスカル・

フランソワ・ド・

ジャルジェ

伯爵大佐

ニコラスと

ジャンヌの

件については

そなたに

全権をあたえよう

ははーっ

オスカル・

フランソワ

命にかえても

ふたりを

とらえて

まいり

ます!

おじょうさま

ニコラスと

ジャンヌを

とらえる約束を

なすったん

ですって!?

ばあや

いそがしく

なるぞ!!

家にかえる暇も

なくなるだろう

アンドレを

かりる!

わたしに

なにかあったときは

あいつに後を

たのまねは

ならんからな

アンドレ

アンドレは

どこだ!?

アンドレ

あ...

オスカル

ロザリー

が.....!!

なに!?

ロ...ロザリー

!!

本気でいって

いるのか!?

ポリニャック家へ

いくなどと...

ロザリー

ポリニャック

伯夫人に

なにをいわれ

た!?

い...いえ

そんなこと

...

え!?

されたな

なにか貧迫

!?

いえ!!き?

なぜ急に

ボリニャック家に

いく気になぞ

なった!?

なんでも

ありません

!!

おかあさまが

恋しくなった

だけです

あ...あんな

女でも...

それに

ポリニャック

家のほうが

財産も権力も

あるわ!!

......!???

わ...わたしの

目を

ごまかせると

思うな!

おまえは

そんな娘では

ない...

いかせて

...くだ

さい...

だが

とめは

しない...

ボリニャック

伯夫人は

おまえの

生みの母上だ

あ...あ...!!

オスカルさま

オスカルさま...

ロザリーさん

ポリニャック伯爵家

からの

お迎えの馬車が

きましたよ

...

...

オスカルさま..

あなたが

女性であっても...

愛しています

オスカルさまが

死ぬほど好き...

だからこそ

おわかれ

するのです

いつまでも

わすれないわ...

ロザリー・ド・

ボリニャックと

よばれるように

なっても...

わすれることなんか

できない...

ジャルジェ家で

すごした

わたしの生涯の

1番しあわせな日々...

はじめての

愛.....!!

これを...

ロザリー嬢

あなたへの

はなむけと

して...

オスカル

さま!?

あ...

くっ...!

さようなら!!

さようなら

わたしの青春

わたしの

しあわせ

あ...あ!!

さようなら

なつかしい

ジャルジェ家の

人たち.....!!

オスカル

...

まるで...

春風のような

娘だった...

バラ色の

ほほをして

パラ色のほほをして

いじらしい

ほどに

わたしを

したってくれた

家具も壁も

まわりのもの

すべてを

花の香りで

つつみ......

どうして

やることも

できなかった

のだ

女の身

では...

オスカル

ロザリーが

馬車に

のるとき

これを

おまえに...

ん?

これは......

ジャンヌの

手紙!

サベルヌ...

ここに

ジャンヌがいる

のか!

アンドレ!

出発のしたくだ

連隊から数名。

部下をえらんで

くれ!

ロザリー

どれほど悩んだ

ことだろう

罪人とはいえ

このつながった

姉だ

馬車を

だせい!

感謝する

感謝するぞ

ロザリー!

まあまあ

こんどは

オスカルさま

が.....

なんて

あわただしい

こと!

ジャンヌ

たいへんだ!

兵隊が大勢

この家へむかって

やってくるぞ

なんで

すって!?

ロ...ロザリー

が.....

ロザリーカ

裏切ったん

だわ!

ほら!

こんなことも

あろうかと

あれを用意して

あったじゃない

あ...あわて

ないで

ニコラス

それっ!

いいか

あ...あ

そうか!

よしいそげ

ジャンヌ!

これまで

...

ニコラス!

ジャンヌ!

もう

にげられ

ないぞ!

しんみょうに

しろ!

へっへ...

隊長さんよ

ひさしぶりだ

あいかわらず

いせいがいいぜ

だが...

これが

なんだか

わかるか

ね?

うっ

そ...その

においは...

さっすがあ

隊長だ!

よくごぞんじ

だぜ!

本年度新発明

最高の

破壊力をほこる

ベルトレー火薬

ベルトレー

火薬!

この導火線に

火をつければ

いつでも

建物ぐるみ

ドカーンさ

ふっとばされたく

なかったら

部下をみんな

建物の外へ

だせ!

オスカル

....!

わかった

く........

みんな...

いわれたとおり

変にでろ

オスカル

きゃーっと、

ないか!?

でろと

いっている

んだ!

へへ...

女にしちゃあ

じつに

ものわかりが

いいぜ

ジャンヌ

表の戸を

しめてきな

ちっきしょう

このあま!

ニコラス

女だと思って

なめるなよ

これでも

きさまの上官

だったんだ

からな!

さあ

たて!

ふたりとも

手をうしろに

まわして

表にでて

もらおうか

ロザリー

だね?

あの子が

おまえに

あたしたちの

いどころを

教えたんだね?

そうしなければ

ならなかった

ロザリーの

苦しみが

わかるか...?

あ...

むかしは

よかった...

があさんとあたしと

ロザリーと...

びんぼうのどん感

だったけど...

愛があって

笑い声があって...

ロザリー...

いつでもだまって

人のかげにいる

ような子だったよ

そのことば

しかとロザリーに

つたえてやろう

いなくなって

みて

はじめて、その

あたたかさが

わかるような...

さあ!

表へ!

......

うっ!

しまった

くそっ!

はなせ

ひきょう者

けっ

なにいって

やがる!

あ!?

女のくせに

でしゃばった

まねをしやが

って!

来手で

はー

男に勝てる

とでも

思ってるのか

ヘっへっへ

ううっ

くそっ!

はなせ!

ジャンヌ!

おれがおさえて

いるあいだに

剣でのどもとを

刺しちまえ!

早く

しろい

はっほっは

やっぱり女だねえ

センチメンタルに

なんぞ

なってるから

ドジをふむのさ

く...くそっ

なにもたもた

やってるん

でえ

早く!

ア...

アンドレ!

アソバーッ

...ん?

オスカルが

よんでいる!

え!?

そら耳だろ

なんにも

きこえ

ないぜ

ちがう!

たしかに

よんだ!

ははは

あっ!

ば...ばか

かってに動いたら

ぶっとばされる

ぞ!

はあはあ

はあ

さあ

こんどこそ

かくごおし

だかだか

オスカル

あっ

..

あ...あんた

ニコラス!!

は...早く

外へ!!

火薬が爆発

する!!

ニコラス

ニコラス!!

ニコラス

ーッ

!!

おいっ!

外へでるんだ

!!

よ...よら

ないで!!

ははは...

だまされるもんか

あたしのお金を

とりにきたんだ

ろう

だれにも

わたさないわ!

あたしの

お金よ!!

気が

ふれたか!

早くっ

こっちへ

くるんだ!!

あっ

おまえたちの

しかけた火薬が

爆発するんだぞ!!

よらないで!!

あっちへ

いって!!

オスカル

早く!!

隊長

ごぶじで!!

みんな

建物から

はなれろ!!

爆発

するぞ!!

こうして..

国民のあいだに

王妃と王室への

強い疑惑と反感

だけをのこして

ジャンヌを

牢獄から

にがしたのは

はたしてだれ

だったのか...?

首筋り事件は

落着した

王妃と国王を

おとしいれ

ひそかに王位を

うはおうとねらっていた

王の弟ブロバンス伯

だとも

ごあるいはいとこ

...オルレアン公だとも

いわれているが...

真相は

現在にいたるまで

解明されていない

アントワネット

さま!

フェルゼン

...!

おあいした

かった!

わたくしは...

わたくしは..

アントワネット

さま!

教えてください!

わたくしは

どうすれば

いいの!?

第3身分の

平民ばかりでは

ありません

第2身分である

貴族の中にすら

わたくしをにくんで

いる者がいるなんて...

こんどの

首飾り事件で

やっと国民が

わたくしをどう

思っているか

わかりました

なぜなの

なぜ...?

どうすれば

いいのか教えて

フェルゼン...

わたくしは。

ひとりぼっち

です..

アントワネット

さま..

ボリニャック

伯夫人や

そのなかまたちと

どうぞ手を

切ってください

思いだして

くたさい

メルシー伯や

オスカル...

あなたのことを

ほんとうに

心から

心配している

者たちを...

あなたがまた

王太子妃殿下

だった時代から...

じぶんの

地位や出世よりも

ひたすら

アントワネットさまを思い

どうぞ

ポリニャック

伯夫人をはなれ

オスカルや

メルシー伯の

ところへおもどり

ください

口うるさいと

思われようとも

いつも忠実な意見を

のべてきた者たちを...

あ...あ...

わたくしは...

あの人たちの

たいせつな忠告を

いままでなんと

うかつに

ききながし

無視してきて

しまったか...

それから

ベルサイユ宮へ

おもどりになって

宮廷をひらき

貴族たちを

よびもどすのです

もういちど

むかしのように

メルシー伯にも

オスカルにも..

わたくしのそばへ

きていただきます...

それから

いまはせめて

貴族だけでも

味方につけておかねば

なりません

それから

ごじぶんひとりで

かってに大臣を

おきめになっては

なりません

もう

ぜいたくは

しません

高いドレスも

つくらないし

お金のかかる

遊びは

おやめになる

こと

そしてしょ

お芝居も

おやめください

ええ

それから?

それから?

タイヤも

買わないわ

フェルゼン!

それから!?

お...お!

アントワネット

さま!

おそばに

つきっきりで

守ってさしあげる

ことが

できるなら...!

アントワネットさま

アントワネットさま

フェルゼンは

つろうござい

ます!

フェルゼン...

こわいのです

このように

アントワネットさまを

ひとりお苦しめ

して...

もう

なにもかも...

おそすぎるのでは

ないでしょうか...

フェルゼン

わたくしを

けっして

見すてないで...

こわ...い..

こんどの

ポリニャック家の

舞踏会に

王妃さまは

出席をとりやめ

られた.....

ですって?

へんだ...

たしかにへんだわ

このごろの

王妃さまは...

なんで

すって?

だれか!

ま...

まさか...

きゅうに

トリアノン宮から

ベルサイユ宮へ

おもどりになったり

ロザリーを

よびなさい

わたくしの

部屋にです

まーあ

おじょうさま

よくごぶじで

もう

たいへんな

評判で

ございますよ

このたびの

おてがら

ただいま

ばあや

オスカル

ご苦労だった

こんど

大佐から准将への

昇進が内定した

よくやったぞ

准将か...

アンドレ

昇進ならば

おまえのほうこそ

ふさわしいのに

オスカル

なんだ

ばあや

こん夜は

ばかに厳重に

戸じまりを

するんだな

あ...

ですね

オスカルさま

ごぞんじ

なかったの

最近は

いつもこうなので

ございますよ

じつは最近

貴族の感敷ばかり

専門にねらう

盗談があらわれ

ましてね...

黒い仮面をつけ

黒装束に

身をつつみ

まだ

顔を見た者は

ありませんが

もう宮廷でも

だいぶ評判

らしいですよ

それはそれほ

おそろしく

身の軽い

敗で...

黒い騎士と

名のって

います

黒い騎士

!?

ボリニャック駅

わわたしが

ド・ギーシュ公爵と

結婚.....!?

なにを

おどろいて

いるのです

シャルロットが

死んでいらい

公爵さまは

それはそれほ

おまちかねだったん

ですからね!

式はできるだけ

はやいほうが

いいわ

こんどのあなたの

おひろめ

パーティーのとき

公開さまが

お見えになります

わたしは...

わたしは

死んだシャルロットの

代用品...

公爵家と

血縁をむすぶ

ために

ひきとられた

代用品

だったんだ......

あっ!

これ!

ロザリー

知ってる?

こんど王妃さまが

ベルサイユ宮へ

もどられてね

それで

うちのおくさまや

おくさまのお仲間とは

もうあんまり

おつきあいして

くださらなく

なったのよ

まあっ!

それでおくさまは

あんなにあせって

ロザリーさまと

ド・ギーシュ公爵とか

結婚させようと...

そういう

わけ!

なんとか

いまのうちに

公爵家と

親せきになって

おかないとね

お.....お!!

いったいどうした

というのかしら?

このごろ、王妃さまは

しょっちゅうおなじ

ドレスを着て

いらっしゃるわね

そうよ

それにデザイナーの

ローズ・ベルタンは

クビになるし

それより

みなさま

気づいていらっ

しゃる?

ポリニャック

伯夫人の一味が

このごろ

さえないのよ

バリへも

遊びに

いらっしゃらなく

なったわね

ベルサイユに

おもどりになって

いらいどうかい

舞踏会も

カルタの会も

めったに

ひらかれない

そうそう!

まえはいつも

王妃さまの

まわりを

とりかこんで

いたのにわ

ねえ

もしかしたら

王宝はいま

お金に

こまってるんじゃ

なくて?

そうねー

いままで

王妃さまが

さんさん

むだづかい

していらっ

しゃったから...

じぶんがいままで

なにをしてきたか

じぶんに

ほんとうに

忠実につかえて

きたのは

だれだったのか

マリー・アントワネットは

ようやく

めざめはじめた

いままで

おしげもなく

浪費してきた

お金が

いったい

どこからはいって

きていたのか...

よかった..

いまやっと

アントワネット

さまはヒェル?

女王に

なられた...

真の

フランス女王として

めざめられた

のだ.....!

おそすぎなけ

ればよいな

...

もうちょっ

王室の財政は

かなり苦しく

なっているって

話だぞ

うむ...

大蔵大臣の

カロンヌ氏は

こんど

第1身分の僧侶や

第2身分の

貴族からも

秋金をとろうと

いう考えている

えーっ!?

貴族に税金を

かけるってェ!?

なにを

おどろく

ことがある

いままでが

おかしかった

のだ

貧しい平民たち

だけから

我をとり

財産のある

貴族や僧侶は

無我などとは!

うちは

どのくらい

秋金をとられる

かな

ほっはっは...

貴族から

しゃんじゃん

とりたてて

やればいい

反対反対!

貴族に

税金かけるの

ぜったい反対

大蔵大臣

カロンヌは

クビたーっ

貴族に我を

かけるなんて

歴史はじまって

いらいたぞ!

キョン!

貴族議会の

満場一致を

もって

大蔵大臣

カロンヌは

クビーっ

こんちき

しょーっ

いばりくさって

欲深で能なしの

貴族どもめ!

見ろ!

クビになりついでに

宮廷の赤字を

国民にばくろして

やる!!

きけしょくん

諸君!

ぜいたくと

むだづかいの

せいで...

宮廷がこしらえた

赤字と借金の

都を!

なんと

12億5千万

リーブル!

約15兆300億円)

う...う...うそだ

おれたちゃ

1リーフル

かせぐために

なんか月も

はたらくん

だぞ!

いったい

なんだってまた

そんな

とはうもない

赤字が

できたんだ?

きまってらあ

王妃がさんざ

ぜいたくして

きたからよ

そうだ...どうだ

国王陛下は

賀衆なかただ

もんねーっ

みんな

王妃が

ひとりで

つかったんだ

王妃さま

ひどいことに

なりました

わね

あんな男

はやくクビに

しとくべきだった

んですわ

あの

赤字夫人

めーっ

で...

王妃さま

つぎの

大蔵大臣は

もうおきまり

ですの?

ポリニャック

伯夫人!

わたくしもう

大臣をかってに

きめたり

しないことに

しましたの!

じつは

わたくしの親せきに

ぜひ大蔵大臣に

なりたいという者が

おりまして...

そういうことは

国王陛下に

おっしゃって

くださいな

ポリニャック

伯夫人の権力は

目ましにおとろえて

きている

へへへ...

さーわやかー

じつにさわやか!

ロザリーは

どうしているだろう...

かわいそうに

こんなことなら

なんとしても

ひきとめるんだった...

レニエ・ド・

ジャルジェ将軍

どの!!

オスカル

さま!!

ポリニャック

家の者で

ございます

ロザリーさまが

...

ロザリーさまが

こちらへお見えに

ならなかったで

しょうか!?

ロザリーが

どうかした

のか!?

あ...

オスカルさま

ロザリーさまが

書きおきを

のこして...

家をでられ

たのです!!

ジャルジェ家へ

もどれば...

きっとまた

オスカルさまに

めいわくがかかって

しまう...

もう

なんねんもまえ...

この道を

バリからはだしで

歩いてきたっけ...

かあさんの

かたきをとりたい

一心で

命をかけて...

あっ

いたっ!

オスカルさま

ロザリーは

バリへ...

生まれた

町へ

かえります

そして

オスカルさまに

あって......

どうか

いつまでも

おしあわせに

ロザリー

が!?

そ...うか...

いいや

わたしの

ところへは

きていない

フェルゼン

もしロザリーが

おまえのところに

よったら

ジャルジェ家へ

かえってくる

ようにと

つたえてくれ

わかった!

かならず

つたえる

オスカル

遠いサベルヌから

よくぶして

かえってきてくれた

おまえが

ニコラスとジャンヌを

討ちとりにいくと

きいたとき

どれほど

いっしょにいって

やりたいと思ったか

しれない

わたしはいま

アントワネット

さまのために

おもてだった行動は

とれない

だから

おまえひとりを

危険な目に

あわせてしまう...

すまない、オスカル

これが...

わたしの

任務だ

それより

フェルゼン

黒い騎士のことを

知っていたら

おしえてくれ

あ...あ

あの盗賊か

貴族の

展敷ばかりを

あらしまわって

いるそうだな

貴族ばかりを

ねらうのでは

たぶんそいつ

第3身分

だろうな

わからん.....

どうやらバリが

根拠地らしい

ということだ

まるで車のように

すばやくかるく

逃げていく

ねらうのは

おもに宝石類と

銃砲ばかりだ

黒い騎士

!?

宝石か...

...

売りさばくのに

つごうがいいな

だが

銃砲とは...

いったい

どういう

ことだろう?

オスカル...

つかまえる気

か?

ふ.....

このまま

ほうっては

おけまい

オスカル

フェルゼン

たのむ...

わたしのぶんも

アントワネット

さまをまもって

さしあげて

くれ!

ハンス・アクセル

さま!

ソフィアさま

ご到着に

ございますぞ

お...お

きたか!

紹介しよう

わたしの妹

ソフィアだ

スウェーデンから

旅行のとちゅうだ

こちらは

オスカル・フランソワ・

ド・ジャルジェ准将

近衛隊の

隊長だ

Seimir

...

Fraulein-

はうこそおじょうさん

あ...

けっこう

ですのよ

わたくし

フランス語も

わかりますの

ムッシュウ

父が

大の

フランス

ひいきで...

ではわたしは

これで失礼する

ソフィアどの

ゆっくりフランスを

ご見物あれ

あ...

フェルゼン

来週の

コンティ太公妃の

舞踏会には

出席するのか?

なんだ

オスカル!?

もうかえる

のか

ああ

でようと

思っている

ソフィアに

ベルサイユの

舞踏会を

見せてやり

たいし

おにいさま

すてきなかた

ねえ!

やっぱり

フランスの

殿方は

ちがうわ!

気品があって

美しくて

菜やかで

...うん!

女性!?

ま...あ!

どうしましょう

わたしムッシュウ

なんていって

しまったわ

おいおい!

オスカルは

ああ見えても

れっきとした

女性だぞ

でも

おにいさま

ああいう

タイプのかたは

長生きは

なさらないわ

きっと...

ばか!

へんなことを

いうんじゃ

ない!

フェルゼン...

おまえの心の中には

ほんのわずかさえも

わたしのはいれる

すきまはないのか...

それほどまで

アントワネットさまへの

みのることのない

愛に心を満たし

破滅へとむかって

ひた走りに

走っていく

のか...

苦しい...

人間とは

みな

このように

たったひとりで

わきあがる

思春にたえ

恋をしのぶ

ものなのか...

おしえてくれ

アンドレ...

ロザリー...

いつかは

わすれられる

ときがくるのか...!?

あきらめられる

ときがくるのか!?

あきらめられる

ときがくるのか!?

もうあたしゃ

うれしくて

うれしくて

しつこく

ドレスをつくって

まったかいあって

オスカルさまが

やっとドレスを着て

舞踏会へ

いくとおっしゃる

のだから

あー

いそかしい

いそがしい!

コルセットは

どこだった?

バニエの

用意は?

オスカルが

ドレスだと?

恐夢だ!

おれのオスカルが

おれのオスカルが

ちゃらちゃん

ドレスなんぞ着て

男どもと踊るって

いうのか......!?

あっ

あーっ

そ...そんなに

きつくしめては

苦しいでは

ないか!

わーっ

よしてくれ!

そんな

よろいみたいな

コルセット!

じっと

してて

ください

まし!

ローブは

どちらの

ほうがいい

でしょうねえ

ア・ラ・フラン

セーズに

なさいますか

それとも

こちらの

オダリスク風

へっ

オスカルに

ドレスなんぞ

蒼せてみろ

どっちでも

いい!

のっぽの

かかしに

布切れかぶせた

みたいになるぞ

はっ

おや

アンドレ

そこに

いたの

見ておいで

お嬢さまの

ドレス姿!

目がくらみ

そうだよ

けっ!

だれが

そんなもの!

見てこいっ

ちゅうん

じゃ!

わっ

うっ!

きゅうくっ

だな...

キッ

歩きにくい

し.....

だ...だけど

す...すばらしく

きれいだ...

そ...うか

一生にいちどくらい

こんなかっこうも

悪くはない

だろう

だけどちらん

父上には

ないしょだぞ

え...ええ

わかって

おります

とも.....!

オスカルさま

ことばづかいに

お気をつけ

あそばせ

あっ...

そうか

そうだな

わっ

わっ

オスカルさま

ドレスは

はじをつまんで

そっとおあるき

くださいまし

くそっ!

ほんとに

一生にいちどで

たくさんだ!

こんなかっこう

アンドレ

こん夜は

おとも

できないよ

名まえを

かくして

いらっしゃるん

だからね

ああ...

オスカル...

オスカル...!

なんという

美しさだ!

まるで

アフロディテさながらに

見る人の心を

酔わせてしまう

フェルゼンのためか

その姿は......?

おれの...

オスカル...!!

ごぞんじ?

ゆうべとうとう

ランバール公夫人の

お屋敷にも

黒い騎士が

はいったん

ですって!

まあ!

おそろしい

無路会のとき

ランバール公夫人の

ダイヤがごっそり

ぬすまれてしまったん

ですって

ランバール公夫人の

お屋敷まで

おそうなんて

大胆不敵な!

ああ

うちも

気をつけ

なくちゃ

やーですわ

首飾り夢件の

あとにまた

こんな事件で...

おくさま!

ほらごらん

なさいまし

ま...あ!!

あのかた...

いったい

どちらの

ご導人

ですの?

見たことの

ないかた

ですわね

なんて

お美しい...

目がくらみそう

ですわ!

はあ

なんでも

外国の

伯爵夫人

とか.....

まあいこく

外国の

ま...あ

あんな美しいかたも

この世には

いらっしゃったの

ねえ...!

おにいさま

ほら!

まるで

彫刻のように

美しいかた!

ごらんになって

外国から

いらした

伯爵夫人

なんですって

あ...?マダム1曲おあいて

おあいてを

フェルゼンの

手.....

フェルゼンの脚...

うそではない...

女性としてのわたしを

抱いているのは

夢にまで見たフェルゼン

の腕.....!

わー

ひけめ感じて

しまう!

あのかた

なんて

すらっとして

いらっしゃるん

でしょうね!

ごらんあそばせ

あの体つきの

しなやかな

こと!

あんな

スキのない

身のこなし

いままでに

見たことが

ありまして!?

オダリスク〈トルコ後宮〉

風のドレスが

びったりおにあいで...

あ...

ほら!

あら

ポリニャック

伯夫人

だ...だれか

...

わたくしに

席をおあけ

なさい!

ふん!

伯爵夫人

お国は

どちらで

いらっしゃる?

あ......しっn!

失礼!

マダム

あなたに

たいへん

よくにた人を

知っている

のです

美しい人で...

あなたのような

みごとな

フロンドの髪を

して...

心やさしく

教養も高い

そう.....

じぶんの思想の

ためには

命もかける

ような.....

そんな人で...

美しい人

なのです

だが...

オスカル

.....

金モールの軍服に

かおる肌をつつみ

さなから

氷の花の

ようにだんせい

男性の

まなざしを

こばむ...

オスカル

か......?

あ...

あ!

美しい人で...

あなたのような

みごとなブロンドの

髪をして...

心やさしく

教養も高く

はあ

はあ

はあ

じぶんの

思想のためには

命もかける

ような...

キャッ!!

フェルゼンの腕が

わたしを抱いた...

フェルゼンの瞳が

わたしをつつみ

あきらめ...

られ......る...

フェルゼンの唇が...

わたしを語った

...よかった

これで

あきらめ

られ...る...!!

えっ...

くせもの

!!

わっ

な...なんだ

!?

まてい!!

黒い騎士

か!?

!?

な...なんだ

あの女は!?

こっちの

ほうです

わ!うんと

物音が

して...

ええ!

黒いかげが

...

なにーっ!?

ぜんぶの貴族の

舞踏会の相手の

日程表を

つくれって!?

ま...ま

まさかじゃあ

これから

まい日

ドレスで......

ばか!

あんなもの

着て

うごけるか!

これからは

そうだ!

無路会という

舞踏会には

かならず

顔をだす!

黒い騎士の

あらわれるのを

まつんだ

やつは舞踏会を

ねらっている

黒い騎士!

かならず

わたしが

この手で

つかまえてやる...

黒い騎士!かならずわたしがこの手でつかまえてやる...

見てろ!

けっこうですなあ

さいきんは

どこの舞踏会でも

きゅうに若い娘が

ふえましたなあ

いやはや

天国天国

ああ...

ひさしぶりに

血がさわぎますなあ

かーちゃんに見つから

ないように、こっそり

アパンチュールなぞ...

オスカル

さまあ

むぎゅ

も...もっとも

彼女らの本命は

オスカル・フランソワ

ド・ジャルジュ准将

らしいですがね

オスカル

さまー

そ...その

よーーで

どうですか?

そのご

黒い騎士は

あらわれましたが

オスカル?

ぎんねんながら

...

いつも

うらをかかれて

いっこうに

つかまえることが

できません

ほほ...

でもみんなが

よろこんで

いましたよ

あなたが

かならず

舞踏会に

顔をだすので

若いお嬢さん

かたのきさ

出席がおおく

なったって......

は.....

おはずかしゅう

ございます

ママン・レース

〈おかあさま上妃〉

ママン・レース

ルイ・ジョゼフは

いけないのよ

シャルルちゃんを

また泣かせる

の!

はいはい

わかりました

ママンがいって

あげますよ

ちがいますよ

ママン・レース

シャルルは

かってに

泣きだしたん

だもの!

ジョゼフ

ジャルジェ准将に

ごあいさつなさい

あなたは

王太子殿下

でしょう

ごきげんよう

オスカル・フランソワ

こんどまた

近衛隊のお馬に

のっけてね

ああん

まってー

マリー・テレーズ

おねえさま

第1王女

マリー・テレーズ

第1王子

ルイ・ジョゼフ

ふたつになる

第2王子の

ルイ・シャルル...

わたくしの

宝物たちです...

むかし

まい日のように

微夜で

仮装舞踏会や

賭博にふけって

いたのが

夢のよう...

そうぞうしい

らんちきさわぎ

よりも

こどもたちと

いるほうが

どれだけ

たのしいか...

あの子たちを

なくしたら

わたくし

きっと死んで

しまうわ...

さすがに

バテるなあ

こう連日連夜

舞踏会では

黒い騎士は

おれたちのこと

気づいたんじゃ

ないか?

きゃーっ

なんざんしょ

あかりが......

アンドレ

だ...だれ!?

わたしの首に

さわるの!

はっ

あっちだ!

うん!

だいじょうぶ

キャーッ...

首飾りが

...!!

きゃあっ

わたしの腕輪も

ないわ!!

黒い騎士

だー

黒い騎士

だー

ーっ

早く

あかりを

!!

黒い騎士

だ!!

まてーっ

黒い騎士!!

む...!

バリへむかって

いるな...

はっ

のがすものか

黒い騎士

きょうこそきさまの

仮面をはいでやる

く.....

くそっ!

まてーっ

はあ

はぁ

はあ

はあ

はあ

はぁ

あ...

い...いない

...?

ん...!?

ここは...

お...お!!

パレ・ロワイヤル

オルレアン公の

居城!!

わからない...

国王のいとこ

オルレアン公の

居城になぜ

黒い騎士が.....!?

バレ・ロワイヤルに

反国王派が

あつまるとは

きいていたか...

うっ!

いいか

殺すな!

近術速隊長だ

武器庫の

場所を

はかせるん

だ!

ばかっ!

ぼんやりしてる

からだ

わっ!

近衛連隊長...

武器庫.....?

どっちへ

いった!?

あ...あ...

武器庫の

場所が...

どうかした

って...?

こっちだ

こっちだ

あ!

あ...

なんだ...

ここは..

ここは..

あ...

あれは...

なぜ...わたしが

う...

ロ...ザリー

!?

こ...ここは

...!?

ゆうべは

おどろいたよ

物音がしたんで

のぞいてみたら

まあ!

この子のもってる

肖像画の人じゃ

ないか

ロザリー

...

どんなに

心配したか

気がついた

ようだね

すみません

わたし...ねたし

むりやり

結婚させられそうに

なって...

気丈な人だねえ

家にはいるなり

気絶してさ...

ここは

わたしが前に

すんでた家の

となりの...

あ...

わ...わたし

いま野菜市場で

はたらいてます

はたらく

ことは

なれてるし

.....

それにゃ?

野菜ののこりも

もらえて

たすかるんです

あ...

いま食事を

おもちします

えっ〜〜〜っ!!

ロザリー

!?

オスカル

さま!!

オスカルさま

オスカルさま

ロザリー

ばかだね!

なぜすぐに

わたしのところに

もどってこなかった

オスカルさま

~っ!!

もうなにも

心配することは

ないんだよ

ポリニャック

伯夫人は

もうすっかり

宮廷での権力を

なくしてしまった

のだから...

ああの

食事の前に

なにかないか?

カフェ・オ・レか

ショコラか...

あ.....

すみません

いま...たべもの

それだけしか...

これだけ...

これだけって...

これは

スープではないのか!?

野菜のきれはしが

ほんのすこし

ういてるだけの...

これが食事だと

いうのか......!?

うそだ......

わたしがいつも

家でする

食事といえば

とりどりの

オードブルに

なん種類かの

スープ

そして

いく凪ものアントレや

アントルメがでて

焼き肉にゼリーに

ぶどう酒に......

オスカル

さま...

すみません

お口にあわな

かったんですね

...

ごめんなさい...

でももうバンも

なにもないんです

ごめんなさい...

ロザリー

なぜ

おまえが

あやまるのだ

わたしは

いま...

じぶんが

どうしようも

なく

はずかしいの

だよ...

だれにたいして

でもない...

じぶん自身に

たいして...

たまらなく

はずかしいのだ

なにもかも

知っている

つもりで

いた...

あたえられた

まい日の生活を

とうぜんのもの

として

うけとめて

きた...

じぶんと

おなじ人間が

このような

たべもので

生きているなどと

考えてみたことも

なく...

考えてみたこと

もなく.....!

オスカル

さ...ま...

ロザリー

おまえが

小さな手を

あがぎれたらけに

しながら

手にいれてくれた

たべものだ

えんりょなく

ごちそうに

なろう

なんだ

...

...

...

...

...

母上も

ばあやも

きっと

おどろくぞ!

おまえががえって

くるとは

なんだ

なんだ!?

あっちの通りの

パン屋が

おそわれたんだ

とよーっ

主人が

殺されたん

だ!

パン屋が

!?

おおぜいで

おそったらしい

なにもかも

すっからかんだ

ざまーみろ!

売りおしみ

しやがって!

ハリは......

ぶっそうに

なったな......

そして

こっちがパリ

そっちが

ベルサイユ

この円内にある

貴族の家を

外がわからはじめて

のこらず

リストアップ

してくれ

いいか

アンドレ

ここが

ジャルジェ家だ

く...黒い騎士を

ジャルジェ家まで

おびきよせる

つもりか!?

どうやって!?

黒い騎士の

ニセモノを

したてあげて

貴族の家を

じゃんじゅんに

おそわせる

ニ...ニセモノ

だ...だ...だ

だれがいったい

そんな......!?

よっ

そうだ

おまえだ

アンドレ

お...おれは

ごめんだ!!

そんなぬすっとの

ニセモノなんか

ニセモノが

あらわれたと

なっては

やつもだまっては

いまい

黒い騎士が

あらわれたら

うまくこの家に

おびきよせるんだ

さあ!

アンドレ

長を.....

よ...よして

くれーーっ

おれの髪は

そんな

おまえみたいな

ほったらかしの

すきかってなほう

むいてる髪とは

わけがちがうんだ!

ぎゃあ!

わるかったな!!

これでも

まい朝苦労して

セットしてるんだ!!

うん

いいぞ!

なかなか

サマに

なってる

バヤイ

ぶつくさ

おいいで

ないよ!

こんなとき

くらいしか

夜にたたないん

だから

なんだってまた

きゅうに

ジャルジェ家に

おびきよせる気に

なんかなった?

オスカル

宮廷に

知られないように

こっそりつかまえ

たいのだ

なぜか...

やっと

話して

みたい...

ただの...

盗賊ではない

なにを考え

なにをたくらん

でいるのか...

あって

話してみたい

あ!こくん?

国王陛下

ほほう

一面すっかり

こおってしま

ったようだな

ちょうどよかった

パリからしてっ

失業している

男たちをあつめて

氷かきをやらせて

やるといい

賃金を

たっぷり

はずんで

やってな

ははーっ

みんな

よろこび

ますで

しょう

国王陛下!

王后陛下が

御殿のほうへ

おもどりを...と

おお!

まったく

かわった王さま

だよ

めかけの

ひとりも

もたないで

王后陛下が

豪華な毛皮を

身にまとって

おられるときも

ごじぶんは

冥茶なコート

1枚で...

ん?ちたい

王太子が

どうかしたの

かね?

趣味といえば

狩りと読書と

錠前づくり

おまけに大きいに

民衆が大好きで

.....

あ...あ!そうへいん

国王陛下

ルイ・ジョゼフが

...

王太子が...

ママン・レーヌ

〈おかあさま王妃〉

...?

ママン・レーヌ

はあ

この高熱と

背骨の

ごようすから

将断いたします

と.....

陛下

王太子殿下は

せきつい

カリエスの

うたがいが...

せきつい

カリエス!?

......!?

あ...あ...!

ショゼフ...ジョゼブ

ママンですよ

ここにいますよ

せきついカリエス

だと.....!?

な...なんとか

たすけては

やれないのか

...!?

この子は...

つぎの

フランス国王に

なる王子だと

いうのに...

現在の医学では

どうすることも

できないと

いうの!?

お...お!!

むごいことを

...

神さま

この子はまだ

7つにしかなら

ないというのに

アントワネット

さま!

お子さまがたの

前でございます

あ...あ

オスカル......

さあ

マリー・テレーズ

内親王殿下

ルイ・シャルル

殿下

あちらで

オスカルが

おあいて

つかまつり

ますぞ

ま...あ!

なんて

でしゃばったまねを

オスカル!

王女さまと

王子さまの

教育係は

このわたくしだった

ということを

わすれたのですか!?

くやしい

う...!!

くやしい

くやしいっ!!

権力というものが

こんなにも

もろいもの

だったなんて...

人間の心なんかより

ずっとたしかなものだと

思っていたのに...!!!

きのうまではわたしに

へつらっていた人間が

きょうは「舌をだして

みせる...

こ...こんなことって.....あ?..あ..-!!

こ...こんな

ことって...

あ...あ...!!

まったく

ひどいもんじゃ

このところの

黒い騎士の

ぬすみぶりと

きたら...

2晩つづけて

ですぞ!!

2晩つづけて

宝石を

ごっそり!!

お...お!!

わしのところも

じゃ!!

いったい

バリの警視総監は

なにをしとるのか!?

このままでは

みんな破産して

しまう!!

こうひんばんに

あらっぽく

ぬすまれたのでは

われわれ貴族の

メンツにもかかわる

ことだ!

すみます

アンドレ!

じつにケッサクだ

おまえにぬすっとの

才能があるとは

思わなかったぞ

しかし

あらっほい

ぬすみかただと

いうひょうばんだ

これはいかんな

あはは.....

笑いごとか!

こっちは

命がけなんだ

ところで

このぬすんだ宝石

...どうする?

そうだ...な..

黒い騎士が

つかまったら

もとに

もどして

おくか

騎士

らしく

礼儀

正しく

チェッ...

そうやって

笑ってろ!

オスカル...

おまえのためでも

なきゃだれが

こんなばかなまね

するもんが

オスカルさま

だんなさまから

およびだしで

王急

近衛隊寮の

兵器版まで

おでましをと

なに!?

兵器廠!?

なにごとで

ございます

父上

おお

オスカル

銃......!?

この前注文した

銃200経が

とどいていないぞ

運搬のとちゅうで

どこかへ消えて

しまったのだ

は......ん

あいつめ!

なに!?

心あたりが

あるのか

いえ...

だけどじきに

とりもどせます

おそらく......

あーれーっ

たすけてーっ

黒い騎士!!

黒い騎士め

こん夜こそ

あらわれてくれないと

あすはジャルジェ家に

ぬすみにはいらねば

ならんのだよ、クソ!

はっ

黒い騎士!!

ついにきたか!

わたしの名を

かたり

私利私欲を

むさぼる

ニセモノ!!

ゆるさん!!

ゆ...

ゆるさんっ

たって...

こっちは

なにも...

すきで

やってるのでは

ないのだからして

まて~っ

!!

ごじょうだん

を!

!?

あ!!

サイコのほら第4巻完

eBOOKで

快適読書生活

電子書籍版

ベルサイユのばら

池田理代子

日理代子ブロダクション

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