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ミルキ
LaRosedeVersailles
池田理代子
ユのばら[
ベルサイエのばら
そういう
...
じゃあ...
粕田理代行
第5巻
オスカルの苦しみ
イユのばら
とまれ
黒い騎士
!!
撃たれたく
なかったら
いうとおりに
しろ!
あ...
うっ......!
くっ...
そういうわけ
だったのか!
うかつだった
......!
あの、
アンドレ
!!
アレル!!
なにをして
いるっ!!
オスカル
お...おれに
かまうな
!!
オスカル
追えっ
!!
オスカル
!!
あ...あとから
ゆっくり
ついてこい
アンドレ!
う...
あ!
ばかめか!!
こっちの
思いどおりに
わたしの家へ
はいってくれた
のがすものか!
はーっ
おや
ロザリー
あんたも
ねむれない
の?
ばあやさん...
いま馬のひずめの
音がきこえた
ような気がして...
かぜをひくよ
あたしの部屋へ
いらっしゃい
気持ちが
おちつく
まで
話でも
していくと
いい
ありがとう
はあやさん
はっ
アンドレ!
?
ち...ちがう
わ!
くろ...
うんっ
しずかに
しろ!
お...お...お...
おまち!
く...く...黒い
騎士
デブはして
足手まといに
なるだけだ
ひ...人質に
するんなら
あたしのほうに
おしっ!
このぬすっと
ムッ!
わらひを
ぶじょく
したね!
近よるな!!
これが見え
ないか!!
ロザリー
!!
ロザリー
!!
ロザリーッ!!
目が...
指示するまで
ほうたいは
とらんように
永久に
左目を失明する
かもしれません
からな
やけつく
ようだ...
おれの目...
アンドレ
わたしだ
わかるか.....!?
ゆるしてくれ...
わたしのために...
これが...
おまえの目で
なくて...
よかった...
片目くらい
いつでも
おまえのために
くれてやるさ
オスカル
オスカル
さま!?
アンドレ
アンドレ
ロザリーが
黒い騎士に
さらわれたというのは
ほんとうですか?
オスカル
不覚で
ございました
かならず
たすけだして
やります
王后陛下
国王陛下の
おいとこの
オルレアン公が
王太子殿下の
お見舞いにと
オルレアン公...
じぶんが
王位をつぐ
可能性を
ふやすために
王太子殿下の死を
いちばん
ねがっているかたが
お見舞いとは
笑わせる......
ジャルジェ准将
近衛隊の訓練は
ぬかりなくやって
あるかね?
さいきんは
ぶっそうになって
いるからね
このたびの
大蔵大臣
ブリエンヌ氏の
節倹政策により
300名ほど
定員をへらしは
いたしましたが
いずれも
よりすぐりの
兵士ばかりで
ございます
バレ・ロワイヤルの
まわりも
なぜか
えら~
ぶっそうに
なりまして
ございますな
........
ねえ
オスカル・
フランソワ
ぼくは
きっと
悪い子なん
だね...
ママン・レースや
おとうさまを
悲しませて...
でも...
待さまは
きっとゆるして
くださるね...
だってぼく......
ぼく...
こんなに苦しいのを
しんほうしているん
だもの...
王太子殿下...
オスカル
こんど
ぼくに
ピストルと
銃をください
うん.....
柄にユリの花の
もようを細工した
2連続がいいな
おいさましゅう
ございますな
銃はどれを
おもちいたし
ましょう?
でも
その銃を
肩にになえるほど
大きくなるまで
生きては
いられない
だろうけど...
アントワネット
さま!!
フェルゼン
フェルゼン...
フュルゼンフェルぜン...
わたしを
たすけて!
わたしの愛
わたしのよろこび
わたしの命
あ...あ!!?
この腕から
幼い
あの子は
すりぬけて
いってしまう...
...!
フェルゼン
たすけて...!!
オスカルさま
ただいま
もどりました
おお~
ご苦労だった
ね!
で.....
オルレアン公の
へんじは?
はい
オルレアン公は
オスカルさまの
正式な
バレ・ロワイヤル
ご訪問を
歓迎する...と
歓迎すると
もうされたか
たいした
度胸だ!
あの夜.....
黒い騎士は
たしかに
バレ・ロワイヤルに
消えていった...
わたしのカンが
まちがって
いなければ...
いちかばちか...
のりこんで
みてからだ
...ん?
おばあちゃん
いまでていった
馬車...
オスカルじゃ
ないか?
おや
目をさました
のかい
おいそがしい
ことだねぇきょうは
なんでも
国王陛下の
おいとこの
オルレアン公を
バレ・ロワイヤルに
正式訪問なさる
とかって......
バレ・
ロワイヤル!?
し...しまった
オスカルの
やつ!
アンドレ
!?
はなして
くれよ
おばあちゃん!
おまえ!
そんな片目で
足もとも
ふらついてる
じゃないの
オスカルが
あぶないん
だ!
オスカル・
フランソワ・ド・
ジャルジェ准将だ
オルレアン公に
おとりつぎを...
この前の
黒い騎士の
衣装を
だしてくれ
あ......
どうぞ
おとおり
ください
なるほど...
さすがは
自由主義を
もってきこえる
オルレアン公
これは
ようこそ
ジャルジェ准将
第3身分の
男たちがこうも
でいりしているとは!?
はは...
おどろかれたかな?
わたしのところは
身分をとわず
若い法律家や
新聞記者たちの
サロンになって
おるのでね
身分を
とわず......!?
なんて自由な
若々しい熱気に
みちた空気だ
ロザリーや
黒い騎士の
ことさえ
なかったら
わたしも
仲間にはいって
議論にくわわりたく
なってしまいそうだ
政治や
経済や
演劇学
音楽...
いやあ
じつに
たのしかったよ
オスカルくん
またいつか
話のつづきが
したいな
ジャルジェ准将
近衛連隊長の
地位にあるきみが
わたしの城を
たずねてくれるとは
思いもよらなかった
からね
きみの
ラテン語は
たいへんな
ものだ
古典もいいが
よかったら
ジャン・ジャック・
ルソーを
読んでみたまえ
ルソー?
・人間不平等
起源論”を
知らないかい?
........
世界が
貴族のためだけに
あるんじゃない
ってことが
よくわかるよ
きっと
はいっ
けっきょく
なにも
さぐれなかった...
黒い騎士らしい男も見あたらなかったし...
黒い騎士らしい
男も見あたら
なかったし...
ロザリーの
影さえも...
...っ!?
なんだ
あれは...
こ...これは...
ロザリーのきていた
服のきれはし...!?
そうだ.....
ロザリーの
ものだ.....!
エナがやか
不注意な...
もしかしたら
おとりかも
しれない...
しかし...
手を
あげろ
!
おとなしく
するんだな
しまった...
やはり
ワナだったのか...
ビストルと
剣をこっちへ
いただこう
さあ
気のどくだが
しばらくここに
はいっていて
もらおう
ロザリー
!!
オスカル
さま!!
ああ
オスカルさま
オスカルさま
ごめんなさい
あたし......いつも
オスカルさまの
じゃまになって
ばかりいて
あたしなんか
あたしなんか
殺されてしまえば
よかったんだわ
あたし
なんか...
ああ
ああ
わかった
わかった
たぶん...
だが
ほんとうに...
ほんとうに
生きてここから
でられるのだろうか...
だいじょうぶ
わたしたちを
救すような
ことはしないよ
たぶん
もう
泣くのは
おやめ
どんな
権力といえど
かってには
ふみこむことが
ゆるされない
この
バレ・ロワイ
ヤル.....
国王陛下の
いとこ
オルレアン公の
居城.....
ここか...
バレ・ロワイ
ヤル...
証拠もないのに
ふみこんでは
侮辱罪で...
速捕されるのが
オチだ
危険だが...
黒い騎士
ならば
もしかして
はいれるかも
しれない...
50バーセントに
かけるしか
ないな...
指示するまで
ほうたいは
とらんように
でないと
左目を
失明するかも
しれない
しかたない!
オスカルの
ためだ
背中から
おお
黒い騎士
早かったじゃ
ないか!
ちょうどよかった
例の近衛連隊長を
あの娘とおなじ部屋に
とらえてあるんだ
案の定
服のきれはしに
うまくひっかかって
きたよ
武器は
ぜんぶ
とりあげて
ある
よし!
すぐべつの
場所へ
ふたりを
うつす
ええっ!?
そ...そりゃ
まずかないか
人目についたり
したら...
つべこべ
いうな!
あ!
黒い
騎士!?
だ...
だいじょうぶだ
すべっただけ
だ
遠近感が...
ぜんぜんわから
ない!
こ...ここではれたら
なにもかもさいごだ...
気をつけねば...
しばらく
ねむってろ
うっ!
アンドレ!!
はっ
はっ
あっ!?
オスカル
..
声を
たてるな!
うっ!
く...くそ!
どうやって...
しゃべる
な!
さあ!
こんどこそ
いうとおりに
してもらおう
黒い騎士
へんな
まねをしたら
すぐに...
引き金を
ひく!
ぐっ...
いいか
本気だぞ!
すぐに殺して
やる!
き...気を
つけていけ
オスカル
あとから
すぐ追いつく
きさまは
アンドレの片目を
つぶした
わかった
気をつけろ
アンドレ
いいな
打ちあわせ
どおりだ
外にでたら
馬にのって
わたしのよこに
ならべ
...???!?...??
ふたりを
べつの場所へ
うつすといって
門をとおるのだ
黒い騎士
!
なんだ
そのふたりを
どうする
つもりだ?
へー
も......
門をあけろ
こん夜の
うちに
このふたりを
よそへうつす
なんでえ
またえらく
きゅうだな
さあっ
走れ!!
いーーーさい
な...なんだ
!?
わーっ
く...黒い騎士が
もうひとり
いるぞ!!
ひえっ
なぜ門を
あけた!?
わからんのか
いまのはニセモノ
なんだぞ!!
ニ...ニセモノ
...!?
あーっ!!
ちきしょうっ
この
役たたず
めら!
ほんものと
ニセモノの
くべつも
つかんのか
!?
どれだけ
苦労して
あいつを
つかまえたと
思うんだ!?
す.....
すぐ
追いかけ
ひとりで
じゅうぶんだ
おまえらが
ついてきたって
かえって
じゃまになる!!
オルレアン公への
いいわけでも
考えておけ!!
神よ...!!
感謝
します!
カ
このまま
ベルサイユへ
つれていく
気か...
くそう......!
なんとかしなければ
なにもかも
むだになってしまう...
なんとか...
ジャルジェ
准将
わたしの顔が
見たくはないのか?
なぜ仮面を
とらない
その手には
のらん
わたしの家へ
ついてから
ゆっくり
拝見させて
いただこう
早馬車
!
!!
うわっ
黒い騎士!
だいじょうぶか
?
たしかに
王家の
馬車だった...
もしや...
王太子殿下に
なにか.....!?
!?
あ!
はかった
な!!
あうっ!!
ボカッ
こ...!!
これが...
げ...黎テツで
で......
こ...これが
引き金...
オ...オスカル
さま...
お...
おまえ...
が......!?
おまえが...
黎つ...なん...
...て.....
黒い騎士
!!
のぞみどおり
その仮面を
はいでやる!!
おまえが
......
お...おまえが
わたしの
アンドレに
したと
おなじように
してな!
オスカル
さまっ!!
は...はなせ
アンドレ!
アンドレ
!
よせっ
!
はなせっ!!
こいつが
おまえにしたと
おなじことを
してやる!!
そうして
どうなる!?
いろのない
ことだ!
お...おまえの
片目を...
おまえの
片目を
永久に
うばったんだ
アンドレ
世紀中の
...
おちつけ
オスカル!!
個人的な
うらみは
わすれろ
武官は
どんなときでも
感情で行動する
ものじゃない!!
武官は...
どんなとき
でも...
感情で行動する
ものじゃ...な...!?
ゆうべは
どうなさい
ました!?
オスカルさま
まあっ!!
王太子殿下が
きゅうにおわるく
なられて...
小藤をえたら
転地療養を
させるとかで...
急使がまいり
ましたのに
アンドレ!!
まったく
そそっかしいなあ
これは黒い騎士
だよ
あーん
あーん
アンドレ
アンドレ
ひ...ひ...
ひ...
はは...
マ......
ママン
!
お...
おまえ...
あ...
しゃべっては
いけません
弾は
ぬけているから
心配はないけど...
ごめんなさい
黒い騎士が
あなただった
なんて...
かあさんが
死んだとき
あんなにご恩を
うけておきながら...
ゆるしてください...
気が
ついたか
ベルナール・
シャトレ
とかいったな
いつか
酒場であった
わたしのことを
王妃の犬と
ほざいたな
ロベスビエールも
おまえたち
ぬすっとの仲間
だったのか?
うっ!
なにも知らない
くせに
ロベスビエールを
侮辱するな!!
おれが
ぬすっとなら
おまえたち貴族は
なんだ!?
じぶんでは
なにも生みださず
なにもつくらず
それで
ぬすっとより
ましだとでも
いうのか!?
人のつくった
ものを食べ
ひとのつくった
服を着て
貧しい民衆に
タニのように
寄生して
くらして
.ーーいい
はあ
ベルナール
!
はあ
っ...
ついでだから
おしえてやる
王妃の犬!
いいか
よくきけ
ビエールは
ロ...ロベス
ロベスビエールはな...
わずか6歳のとき
母に死にわかれ
そして
すぐに
3人の妹や弟とともに
父親にさえ
すてられて
しまったんだ
いいか
6歳だぞ!
わずか
6歳で
ロベスビエールは
親におきざりに
され...
お...幼い妹や
弟といっしょに
世の中にほうり
だされたんだ
あたたかい
いたわりも
愛も......
すべてを
もぎとられ
てな!
すりきれた
ぼろぼろの服を
滄て......
頭がよかったため
奨学金をうけて
ルイ・ル・グラン学院に
入学した彼は
いつも
ひとりぼっちで...
ほかの子どものように
両親のやさしい
心づかいさえも
うけられず
いつもひとりぼっちで...ほかの子どものように両親のやさしい心づかいさえもうけられず
お金もなく
外出もせずに...
よろこびといえば
勉強だけだった
はてしないほどの
さびしさを
胸に満ちる涙を
マクシミリアン・
マリー・イジドル・ド・
ロベスビエールの血は
とりつかれたように
学問へ知識へ
むけるしかなかった
おまえたちに
わかるか!?
どんなに彼が孤独だったか
どんなに彼が
孤独だったか
どんなに
みすぼらしい
ぼろ服が
子ども心に
はずかしかったか
親にさえ
すてられた
11歳の少年の
すりきれた
ぼろ服につつまれた
胸の中に
どんな思いが
たぎっていたか
おまえら
貴族に
わかるか!?
ベルナール
ベルナール
安静にして!
ああ
そんなに
しゃべっちゃ
いけないわ!
......
貴族とは
はずかしい
ものだ...な...
オスカル
さま
宮廷からの
およびだし
で
王太子殿下を
ムードンの城へ
おうつしする
ので
先導を...と
王太子
か.....
たしか
せきついカリエス
とかいう病気
だったな
けっ!
ごたいそうな
こった
貴族のガキは
たしかに
だが
子を思うこと
親の心に
貴族も平民も
ない!!
近衛隊士
め!!
王宮の
飾り人形
!!
やっ
...
クリスマスの
王宮の...
飾り人形...
すこしは
おとなしく
してろ!
傷口が
ふさがらんぞ
さわるなっ!!
どうせ死刑だ
ほっといてくれ
オスカル
オスカル
にいさまを
どこへつれて
いくの!?
ルイ・シャル殿下
兄上さまは
ムードンの城へ
ご病気をなおしに
いらっしゃるのです
王太子殿下
お約束の銃をもって
うかがいますとも
ルイ・ジョゼフ
オスカル
あ...あ...
ときどきは
ムードンへも
きてくださいね
ママン・レーヌ!
ママン・レース!
ゆるしてください
ああ!!
あなたのいない
ベルサイユは
永久に
花の咲かない
充野のようですよ
わたしの
ぼうや!!
王宮の
飾り人形!!
はっ
ジェローデル
大尉...
きみは...
隊長
近術隊に
入隊するには
あるていど
ととのった容姿が
必要とされます
じぶんの
容姿にどん
自信がある
か?
だから...
入隊をゆるされたと
いうことは
すこしは
自信をもってもいい
ということなのじゃ
ないかと
思っていますが...
ふむ...
...
やっぱり
飾り人形
力.....
え?
隊長!
あそこで
馬車が...
ん?
ソフィアどの
いかがなされ
た?
あれは......
まあ!
あなたは......
ごらんの
とおりですわ
これから
イタリアへ
むかうとちゅう
なんですけど
馬車の車輪を
みぞにとられ
て.....
兄のところへ
使いをやろう
にも
馬がこうでは
ジェローデル大尉
マティニョン通りの
フォン・フェルゼン伯の
邸までいって
かわりの馬車を
だしてくださるよう
もうしあげてくれ
はいっ
かしこまり
ました
おまえは
そのまま
帰ってもいい
ありがとう
ございます
オスカルさま
たすかりました
わ
かわりの
馬車がくるまで
お茶でもいかが
ですか?
この先に
有名なカフェ・
フラスカティが
あります
オスカルさま
兄はもう
スウェーデンには
帰らないつもり
なのでしょう
かしら?
ごぞんじでしょうけれど
父は
スウェーデン陸軍では
国王につぐ
高い地位である
元帥をつとめて
おりますし
兄も...
国王陛下に
たいへん
気にいられて
おります
父が
それはそれほ
心配しており
ますの
国へ帰れば
どんな地位も
名誉ものぞみの
ままですのに...
ソフィア
どの...
女性がそうで
あるように
男性にとっても
地位や出世より
もっとたいせつな
ものがあるの
ですよ
兄とマリー・
アントワネット
さまのうわさは
やっぱり
ほんとう
ですのね
こ...?
だれよりも
フェルゼン伯の
心は
よく知っている
つもりです
マリー・
アントワネットさま
あるかぎり
兄上はけっして
このフランスを
はなれは
なさいますまい
オスカルさま
恋をなさった
ことが
おありですの
?
あ...
ごめんなさい
とつせん
ふふ...
あたくしね
もしあなたが
女性だってこと
知らなかったら
いまごろきっと...
オスカルさま
あなたに
恋こがれて
こがれ死にして
いたかも
しれませんわ...
ええ
ほんとですわ
それは
それはうん
光栄です
な!
やや...
女性に
生まれた
おかげで
こんな美しい
魅力的な
貴婦人を
妻にしそこなって
しまった!
ソフィアどの
お信じにならないかも
しれないが...
わたしは小さいころ
ずっと
じぶんを男だと
思っていたのですよ
ほんとうに
なんの疑いもなく...
女性だと
わかっていても
あなたに
そんな目で
じっと
見つめられて
しまうと
胸が.....
ほら
こんなに
ドキドキして
...
あなたのような
すばらしいかたの
ハートを射とめる
のは
いったい
どんな男性
なのでしょう
ね.....
ソフィア
!
あ!
おにいさま
じゃあ
こんどこそ
ほんとに
さようなら
おにいさま
オスカル・フランソワ・
ド・ジャルジェさま
あなたのことは
わすれませんわ
オスカル!
ごきげんよう
ソフィアどの
全国
アントワネット
さまは
くるわんばかりに
なげき悲しんで
おられた...
王太子殿下を
きょう
ムードンの城へ
おうつし
もうしあげた
ん?
ああ.....
オスカル
あ!
はなせっ
!!
やっぱり
...
やっぱり
おまえだった
のか.....
わ...わたしは...
わたしはなんという
うかつな...
そうだった
のか.....
なぜ
気づかなかったの
だろう
その瞳に...
そのことはの
ひょつひとつに...
なんでもないです
お...おまえの
胸の奥深くに
ゆれる心を...
女性としての
おまえの......あ:あ:
ながいあいだ
おまえが
どんな気持ちで
わたしのそばに
いたか.....
なぜ...
わたしは気づいて
やれなかったのか
...!!
オスカル
!
もう...
もう永久に...
あうことは
できない...な...
わたしを
ゆるしてほしい
もしも
はじめてあったとき
おまえが女性だと
わかっていたら...
あるいは
ふたりのあいだは
もっとちがったものに
なっていたかもしれない
しかし...
もうすでに
わたしの一生は
アントワネットさまの上に
さだめられてしまっている
だ...からこそ...
そんな
フェルゼンだから
こ...そ..
でなければ
愛しなぞ
しなかった..
オスカル...
なにも気づいて
やらずに...
それが
わかった以上
もはや
もはや...
いままでどおりに
あうなどと
いうことは
できない...
どんなに
おまえにあまえ
おまえを
苦しめて
きたか...
それは
とうてい
できない!
だが
信じてほしい
オスカル
このフランスでえた
わたしの最高の
友人!
尊敬もし
ともに語り
ともに苦しんだ...
うしないたくない
ただひとりの
すばらしき
親友!
きみに
あえたことを
しあわせに
思っている!
オスカル!!
これが...
これが
わたしたちの
10なん年もの
まじわりの
結末だとは...
いつかくるはずの日だった...
いつか
くるはずの
日だった...
さけようのない
このとき
だったんだ...
ああ!!
神よ!!
なぜ
わたしの青春の
ひとときに
彼をおき
たもうた!?
なにゆえに
遠き異国に
生をうけし
われら3人を
このフランスの地に
むすびあわせ
たもうたのか!?
さらば.....!!
さらば
フェルゼン
わが青春の夢
緊張として胸にみちた
あわき思い
お...お...いま!!
さらばきらば
わが遠き日々
.....
オルレアン
公か...
たしかに
オルレアン公も
おれたちの
やってることには
目をつぶって
くれている
だがあいつは
心底から
おれたちの味方
というわけじゃ
ない
いまの園王を
おとしいれて
じぶんが王座に
つきたいために
ほほう
おだやかでは
ないな
オルレアン公の
真意なんぞ
どうでもいい
ことだ
ほんとうの
ところは
そのために
われわれ
第3身分を
味方につけて
おきたいに
すぎないんだ
われわれも
利用できる
だけは
バレ・ロワイ
ヤルを利用させ
てもらう
で.....
おまえたちの
目的は
いったい
なんだ?
おれが
しゃべるとでも
思うか!?
むだなことだぞ
さっさと宮廷に
ひきわたしたはうが
手間がはぶけると
いうものだ!!
これだけは
忠告しといて
やる!
いまに
おまえらの
くさった
貴族社会は
民衆の手で
ほろぼされる
かならず
だ!!
くさった
貴族社会...か...
そこにも
人間の愛や
にくしみ葛藤が
うずまいて...
人間はやっぱり
生きていて......
オスカル
?
あ......
なんでもない
すこし
つかれた...
さあ
ベルナール
シーツを
とりかえ
ましょうね
だって
ずいぶんあせを
かいていたし
湿気は傷に
よくないのよ
そ...そんなこと
しなくたって
いい!
いいといったら
いいんだ!
あ...あっちへ
いけ!!
いけません!
おとなしく
いうとおりに
して!
はいはい
は...はか!
なにをする!?
オスカルが
黒い騎士を
とらえたそう
だな!?
まあ
だんなさま
お帰りなさい
ませ!
ずいぶん
とつぜんで
ございました
わね
おお
オスカル
!!
よくやった!
すばらしい
てがらだ
これで少将への
昇進は
まちがいなしだ
いよいよ
将軍として
わたしのあとを
つがせられるぞ!
父上
ぬかよろこぴを
させて
もうしわけ
ございませんが
あれは
人ちがいで
ございました
なーっ!?
オスカル
...!?
どうしたと
いうのだ!?
なにを考えて
いる!?
なぜ
いまになって
ごまかそうと
するのだ!
黒い騎士を
かばおうと
いうのか!?
人ちがいで
ございまし
たっ!!
どけっ!!
ほんものの
黒い騎士か
どうか
見れば
わかる!!
証拠が
ございません
ぞ.....
うっ...
オスカル
いったい...
人ちがいで
ございました
黒い騎士では
ありません
父に
さからうと
いうか.....!?
傷が
いえるまで
手あつく
かいほうして
やりたいと
思って
おります
あ...あいつは
......
どうしている
?
オスカルさま
ですか?
きっと
ごじぶんの
お部屋に...
あいつ...
男まさりの
ようでも
やっぱり女だ
やることが
あまいな
このまま
もういちどおまえを
人質にして、逃げる
かもしれないのに
ベルナール
あ...あなた
には
わたしを......
わたしを
殺すことは
できない...って...
だからわたしを
人質にすることも
不可能だと...
オスカルさまが
おっしゃいました
...
オスカル・
フランソワ...
さすが
女だ.....
おそろしい...
オスカル?
どうした
あかりも
つけないで
いま
ろうそくを
とってきて
やる
そのままに
しておいて
くれ!
オスカル
!?
そ...その
ままに
して...
そばへ
きてくれ...
アンドレ
おぼえて
いるか.....?
わたしたちが
はじめて
あったころの
こと...
どうした?
きゅうに...
ああ
おぼえているとも
おれのおふくろが
死んで......
たしか8つの
ときだったな...
たったひとりの...
身寄りだった
おばあちゃんに
ひきとられる
ことになって
このジャルジェ家に
きたのは...
さあいいね
アンドレ
お行儀よく
するんだよ
おまえより
ひとつ年下の
お嬢さまの
遊びあいて来
護衛として
だんなさまか
このお屋敷に
ひきとってくだ
さったのだから
もう
それはそれほ
おきれいな
お嬢さまなの
だからして
おけがをさせたり
しないように
しっかりおまもり
しなくちゃ
いけないんだよ
ひとつ年下の...
きれいな
お嬢さまか
ムフフ...
ここで
まっておいで
きみ.....
名まえ
は?
ア...
アンドレ
アンドレ・
グランディエ
ああ
きみか!
こんどぼくの
遊びあいてに
ひきとられて
きたって子は...
あ...
あ...
あじょ...
あいようさま
といいたい
おじょ
...
はじめに
いっとく
ぼくが
ほしいのは
遊びあいてじゃ
なくて
剣のあいてだ
さあ
庭にでるよ
早く!
う...うそだ!!
悪夢だ
なにかの
まちがいた!!
アンドレ
は...はな
せえ~っ!!
わー
おばあちゃん
死む~~っ
!!
う...うそつき
うそつき!!
お嬢さまだ
なんていって!!
見苦しい
!
いちばんすえの
お嬢さまの
オスカルさまだよ
おあいておし!
はかな
かった
オレの
人生...
おきれいな
お顔に..
傷をつけるん
じゃないよ!
オスカル
!?
なぜ年月は
こんなに早く
たってしまうのだ
ろう...
なぜ子どもは
おとなになり...
苦しみの中に
われとわが身を
おき.....
フェルゼンに
あったのか
?
アンドレ
そうだな
!?
なにかあった
のか!?
オスカル
なにかあったん
だな!?
は...
はなせ
いやだ
はなせっ
アンドレ!!
あ...
いやだ!!
殺されたって
かまわない!
おれが
こわいか?
さあ
オスカル
わめくがいい
さけぶがいい!
おまえを
愛している!!
オスカル
!!
オスカル...
いつのころから
だろう...
このけむるような
ブロンドの髪が
鼻さきをかすめて
ゆれるたびに...
その
夜の色をした
絹糸のような
まつ毛に
ふちどられた
冬のオリオンを
うかべるひとみに
であうたびに
凍として
とざされた唇から...
おまえの生きた
かぐわしい吐息の
もれるたびに...
おれの体の
ずっとおくのほうから
なにか熱っぽいものが
こみあげてきて
おれの
気持ちを
おちつかせて
くれなくなった
のは...
オスカル
うごくな!
うごかないで
きけ
10なん年間も
おまえだけを見
おまえだけを
思ってきた
ほかの女になぞ
いちども目を
むけたことは
なかった
もちろん
おまえを
じぶんのものに
できるなどとも
結婚できるなどとも
考えてはいない
ああ
だけど......!
だけどおまえを
ほかの男の手に
わたすくらいなら
たのむ...
オスカル
おまえのためなら、
どんなことでも
してやろう
ほしいと
いうなら
この命もくれてやる
このまま
この場で
だんなさまにでも
射殺されてしまった
ほうがました!
だから
...
だから...
オスカル
は...はなせ
人をよぶぞ
はなせ!
愛して
いる!
愛している
愛している
!
い...
...
愛して
いる!
ニュー
だ...だれか...
...
だれか...!
あ...あ...!
フェルゼ...ン..
それで...
どうしようと
いうのだ
アンドレ...
...ですま
なかった...
もう
にどと
こんなことは
しない
特にかけて
ちかう
だけど...
ああ...
愛している
死んでしまい
そうだよ
アンドレ...
おばあちゃん
に...
あ...あかりを
もってくるよう
いっておいて
やる
うっ!
アンドレ
!?
アンドレ
どうかした
のか!?
あ...
なんでもない
ちょっと
目が...
いや...
まぶし
かった
だけだ
目が...
あ...
いっしゅん
まっ暗だった
気のせいだった
のか.....
本右の目は
なんともない
はずなのに...
目的は
なんだ!?
なにも
ききだす
ことなんか
できないぞ!!
いったい
いつまでおれを
こんなところに
おいとく気だ!?
どうせ
死刑にされるのは
わかっているんだ
さっさと宮廷に
ひきわたせ!
あい!!
きいて
いるのか
王妃の犬!!
!!
スペードの
エース
前途多難だ
そう
わめくな
ちょっと
おまえさんとは
だいじな商談が
のこっているのでね
商談
だとォ!?
い...いつ
おれが...
わすれて
もらっては
こまる
近衛隊が
注文した
銃200挺を横どり
したろうが
品物だけ
うけとって
代金をはらわない
とは
フェアな
取引きでは
ないな
ちゃんと
代金を
支はらって
いただこう
1000
リーブルに
まけておく
ふ...ふ...
ふ...
ふざけるな!
おれは
盗賊だぞ
だ...だれが..
黒い騎士が
金をはらうと
でも思うか!!
黒い騎士
?
さあ.....
そんな男の
ことは
知らん
1000
リーブルに
まけて
おいてやる
ベルナール・シャトレ
きみはあの銃を
われわれから買った
近衛隊寮の
兵器廠へ
支はらってくれ
たまえ
ダイヤの
エース
商談
成立だ!
あ...あいつ
.....
どういう
つもりだ...
前途多難
...力.....
それでも
やらねばならない
こともある...
さあ
ベルナール
ガーゼを
とりかえますよ
よこになって
よかったわ
このぶんだと
もうじきに
なおりそう
わたしって
射撃の
名手なのね
ロザリー
おまえは
...
わたしのママンに
にている...
お...かあ
さ...ま...?
もう
小さいころに
亡くなった...
セーヌ川へ
身を投げて...
ベルナー!!
!
わたしの体には
はんぶん貴族の血が
流れているのだよ...
母は平民の
貧しい商家の
娘だったが...
ある貴族に
おもいを
かけられて...
来も子もある
男だったが...
権力ずくで
母をじぶんの
ものにした
それでも
母は母なりに
しあわせ
だったの
だろうか...
母はパリに
ぜいたくな屋敷を
あてがわれ
そして
わたしが生まれて...
それは
わから
ない
わたしの
おぼえている
かぎりでは
母はいつも
かげろうの
羽のように
はかない声で
歌をくちずさんで
いた...
あれは...
わたしが
たしか
5つのとき
だった
ドアを荒々しく
あけて
数人の男たちが
はいってきて
水晶のシャンデリアや
黒曜石のテーブルの
あった、その家を
わたしたちから
とりあげてしまった
わたしの父...
つまり
母をかこっていた
その貴族の男に
新しい愛人が
できたので
わたしたちは
追いだされて
しまったの
だった...
母は泣いた...
わたしを抱いて
路頭にほうり
だされたまま...
泣いて...
泣いて...
幼かった
わたしを
抱きかかえたまま
そのまま
セーヌ川
身をおどらせて
あ...
う...
つめたい!
つめたい
つめたい!!
ベルナール
川の水は
手足を
体から
もぎとる
ように
つめたかっ
た...
母を
貴族の馬車に
ひき殺され...
あのときの
おまえが
10なん年たった
いまでも
わすれられない
...
わたしの腕の中で
貴族は
みんな殺してやる
殺してやると
泣き叫んだ
やせっぽちの
幼い少女...
すきに...
......
なっても
いいか.....?
サリー・
ええッ!?
なんですって!?
オスカル
い...いま
なんて...
はい...こんなにいい
近衛隊をやめさせて
いただきたく
なにとぞ、アントワネット
さまから辞令を...
そ...
そんな...
オスカル
...
理由は...
...!?
黒い騎士を
とり逃がし
まして
ございます!
なにとぞ
降等処分に!!
アントワネット
さま!!
い:いけません
オスカル!
近衛隊を
やめるなんて...
黒い騎士に
ついては
あなたに
責任はないの
ですよ
あなたを
降等処分になど
......そんな
ことができると
思いますか!?
王后陛下!
わ...わたくしは
陛下が
王太子妃として
オーストリアより
嫁いでこられて
以来
ずっと
陛下づきの
近衛士官として
およばすながら
おつとめもうしあげて
まいりました
そのあいだ
いちどとして
じぶんから官位を
ねがいでたことも
ございません
そのあいだいちどとしてしぶんから自世をねがいでたこともございません
おねがいで
ございます!
オスカル・フランソワ
さいしょにして
さいごのわがままで
ございます
おききとどけ
くださいますよう!
アントワネットさま!
オスカル
誤解しないで
ちょうだい
あなたがのぞむなら、
すぐにでも
将軍の地位を
あげましょう
さもなくは
退役を
ねがいで...
だけど
じぶんから
官位をさげてくれと
ねがいでる
なんて人は
はじめてですよ
では
せめて
近衛隊除隊の
件だけでも...
さもなく
ば......
にどと
武官としては
王宮に何候
いたしません!
オスカル...
.....?
い...いま
あいているのは
たしか...
フランス衛兵隊の
ベルサイユ常駐
部隊長の地位
くらいです
オスカル・
フランソワ
けっこうでございます
近衛隊以外なら
どこでも!
近衛隊ならば
みんな家柄も
容姿も人柄も
えらびぬかれた
兵士ばかりなのに
ラランス街兵隊へガルド・フランセーズ
王宮守備のため
宮殿内の治安維持を担当した
バリのショセ・ダンタンに、留守番祭の
兵舎があった
あの1563年に創設され
フランス衛兵隊
となると
そうは
いきませんよ
れっきとした
貴族ばかりと
いうわけにも
いかないし...
けっこうで
ございます
それに......しれいらちゃん
司令長官の
ブイエ将軍は
あなたの父上とは
あまり仲が
よくなかった
はずです
けっこうで
ございます
!
あ...
オスカル
とつぜんに
いったい
どうしたと
いうの...!?
なにを考えて
いるの.....?
オスカル
だんなさま
はあ
はあ
父にことわりも
なくかってな
まねを.....
オスカル
!!
なんのつもり
だ!?
い...いつから
こんなものを
読んでいる?
むほん人か
平民の読む
本だ!
!!
ジャン・ジャック・
ルソー!
ヴォルテール!
ハッハッ
すぐれた警物は
身分・階級を
こえて
人々をひきつけて
はなさぬもの...
人間であればこそ
すぐれた書物を
読みたいとねがうのは
とうぜんでございます
オスカル
!
蕎斎に
いるあいだは
ひとりにして
いただき
たい
オスカル!
近衛隊は...
そのあと
ただちに
フランス衛兵隊
での動務に
つく予定で
ございます
明後日
さいごの
関兵を
おこないます
オスカル
いいか!
ち...父がなぜ
おまえを
近衛隊に...
わたくしは
人形では
ありません
!!
あ...あの
ばか者が!!
じぶんの力も
みきわめられん
くせに
いくら
強くても
女の身で
近衛隊なら
ともかく
ほかの隊が
つとまるか!
アンドレ
アンドレは
おるか!?
アンドレを
だんなさま
よべ!
なにか?
まったく!
温室そだちの
花にかぎって
世間を見たい
などと
欲をだす!
だんな
さま!?
ええい
うるさい!!
血圧が...
あのばかが
自信過剰の
鼻っぱしらを
へしおられて
にげだすまで
ともかく
護衛しろ
アンドレ
フランス衛兵隊へ
特別入隊しろ
いいか
オスカルの
そばを
はなれるな
はいっ!
だんなさま
きこえ
なかった
のか?
あすの夜
馬車を用意
させるから
バリへ帰れと
いったのだ
お...お...
おれを...
おれを
にがす気か!?
ま...まさか.....
ジャルジェ
准将...
条件がある
もうぬすみは
やめろ
おれに
さしずする気か!?
よけいな
おせわだ
貴族が
おれたちから
ぬすんだものを
とりかえして
いるだけだ!
いいふんは
わかる
おまえたちが
どんな目的を
持っているのかは
知らんが
ほかの方法を
考えろ
が.....
おまえが
ぬすみを
つづけるかぎり
わたしは
おまえを
おわねば
ならない
だろう
それに...
盗賊のところへ
だいじなロサリーを
嫁にやるわけには
いかん
マザー・コンプレックスの
ベルナール・シャトレは
ぜひおまえのやさしい
家が必要なのだそうだよ
オ...
オスカル
さま...?!!
ロザリー
あのね
ん?
どうする
ついていって
やるか?
マ...マザー
コンプ...
だっ...だれが!?
ふざけやがって
この....!!
オスカル
さま......
お...
わ...わたし.....
わたし...
出発は
あすの夜だ
ベルナール
!!
こっちだ
したくは
できてるか
しいーーっ
しずかに!
いっしょに
きてくれる
か......?
新聞記者
ベルナール・シャトレの
委として...
ああ
ベルナール
ベルナール
さあ
ロザリー
早くのって
しあわせに...
なれ...る...
おまえ
の.....
花嫁姿が
見られないのが
さんねんだよ...
オスカル
さ...ま...
お...お!!
オスカルさま!!
まったく
ジャルジェ准将
きみが男だったら
まちがいなく
決闘をもうしこむ
ところだ
ベルナール・
シャトレ
わたしの
たいせつな妹だ
どうか
能うかぎりの
愛をそそいで
しあわせに
してやってくれ
約束
する
貴族の中に
おまえのような
人間もいると
いうことを
知った
フランスは
まだすくわれる
オスカル
わすれないで
くれ...
フランス
2000万
国民の
96バーセントを
しめる
貧しい民衆の
ことを.....!
しあわせに
おなり
オスカルさま
オスカルさま...!!?
こんどこそ
きっと.....
シャトレ夫人...
いって
しまった...
ああ...
いって
しまった...
光にみちた
新しい
しあわせの
中へ...
わたしの
春風......!
アンドレ!
あしたから
いえがしくなるぞ
2時に
フランス衛兵隊寮の
練兵場へ
全員集合するよう
指令してくれ
よし
わかった
アンドレ...
いつも
わがままをいって
おまえに
めいわくばかり
がけてきた...
いるのだよ
わかって
わたしひとりでは...
なにも
できない...
おまえがいつも
影のように
ついていてくれる
からこそ
わたしは
思うままに
うごくことが
できる...
オスカル......
連隊本部
隊長!全員東天陽に
練兵場に
そろい
ました!
さあこい!
フランス衛兵隊の
あらくれ兵士ども
オスカル
!!
なんだ
アンドレ
?
...
我が家でも
副官!
こ...これは
いったい...
さ...さっきまで
ちゃんと
整列して
こいっ!!
アンドレ
きまって
いる
兵営だ!!
食堂・娯楽室
ど......
どこへ...?
うっ!!
これは...
なんの
まねだ...!?
隊長さんよ...
身のほど知らずも
ごあいきょうだが
あんたの指揮で
はたらかねばならん
おれたちにも
メンツって
ものがあらあね
早い話が
つまり...
おれたちが
女の命令なんざ
きけるかって
ことよ!!
おなじ王宮警備でも
飾りものの
近衛隊とは
わけがちがうんだ!!
この兵営は
女人禁制
だぜーっ
何ですか...
もっとも
そのくらいの
美人なら
いつしのびこんでも
歓迎するけど
さー
ーっ
うわっ
そういう
ことばはな
あっ!!
な...なにを
わたしと対等に
わたりあえてから
口にしてもらおう。
!
さあっ
表にでろ!!
おまえも
おまえもだ
真昼間から
なんだ
このザマは!!
グズグズ
するな!
命令にそむいた
からには
相当のかくごは
できてるん
だろうな!?
フランス衛兵隊は
酔っぱらいと
ごろつきの
あつまりか!?
なにを
ッ!!
処分なんか
こわがるとでも
思うか!?
うらなり貴族の
将校がこわくて
なにができる
かってんだ!!
将校・土官とは
少尉以上の武官を
さす
なお貴族は
土官学校をでると
すぐ少尉の官位を
あたえられた
あらら
...
はいっ
分隊長
点呼を
!
メルキオール
シャロン!
ジュール・
ロセロワ
!
フランソワ・
アルマン
!
ミシェル・
ヴェール
!
アラン・ド・
ソワソン!
はいっ
アラン・ド・
ソワソン
貴族か...
おぼえて
おくぞ
こん夜の
新任祝賀
パーティーは
とりやめにして
明日より
ただちに
訓練にはいる
以上!
解散っ!!
な...なんだ!?
あのあま
パ...
バ...バーティー
と...とりやめだと
さ...さ...酒が
飲めなく
な...なるな
おいアラン
な...に
すぐにおいだして
やるさ
まあ
見てろ
訓練だとお!?入教しにての
入隊したての
新兵じゃある
まいし!
おれたち
来年いっぱいは
任期が終了
しないんだぜ
オスカル
あいつらを
処分しない
のか!?
上官への
反逆罪だぞ
処分!?
全員をか!?
それでは
なんの解決にも
ならない!!
ママン・レーヌ
〈おかあさま王妃〉
こんどムードンへ
にいさまの
お見舞いに
いくときは
ぼくもつれてって
ね!
あ!
ママン・レーヌ
おじさまたち
が......
まあ
ほんとうだ
アルトア伯
プロヴァンス伯
さあ...
シャルルは
マリー・テレーズの
ように
おとなしくして
いられるかしら
はは...
王太子殿下は
まだ
お亡くなりに
ならないので
しょうか
アルトアさま
なに
ながくても
来年いっぱいは
もたないさ
せきついカリエス
じゃあ.....
どうせ
たすからないって
わかってるのに
じらせられます
ことねえ!
いよいよ
王座がどうして
王弟殿下に
近づいて
くるってわけ
ですわね
あらあ!
まだ
ルイ・シャルル
王子さまが...
ルイ・シャルル
!?
...いいやい
...
はん!
あのガキ
ほんとうに
兄上の子か
どうか
わかったもん
じゃない!
おおかた
あの
フェルゼンとかいう
男の子どもに
ちがいないさ
まったく
兄上も
お人好しだ
から.....
ルイ・シャルルに
王座など
つがせて
たまるものか!
マリー・テレーズ!
ルイ・シャルル!
第3身分の
平民たち
だけじゃ
なかった...
アルトア伯が...
ブロヴァンス伯が...
いきますよ
早く!
こ...国王陛下の
弟ともあろう
方々が
あんな
きたならしい
中傷を......!
し...
知らなかった...
知らなかった!
国家のための
愛情のない
政略結婚だった
のに...
わたくしの敵は
平民だけじゃ
なかった...
お...お!
それでも
王妃であるがゆえに
フェルゼンとの
はじめての恋をすら
胸のひきさかれる
思いで
しのんできたのに
この世では
永遠に
むすばれることは
ないと...
生きて地上で
むすばれることは
ないのだと
あきらめて...!!
あきらめて...
それなのに
ひどい...
あんなきたならしい
中傷を...
どのように
愛し
したいあっても...
な...せ..
なぜ
わたしには
たったひとつの
恋さえも
ゆるされない...の.
...
ママン・
レーヌ?
い...え!
泣いてなんか
いられない...
泣いてなんか
いられない!
ルイ・シャルル
かあさまが
あなたを
まもってあげます
あなたは
正統な
国王陛下の
御子!
かあさまが
きっときつと
まもってあげます
王座を
のっとろうと
たくらむ
すべての人から...
ご気分は
いかがで
ございます
王太子殿下
お約束の
銃をもって
まいりました
ぞ
オスカル
ほう!
お勉強で
ございましたか
なにをお読み
に!?
フランス
国史
英雄が
いっぱいでてきて
おもしろいんだ
はじめから
とはさずにです
オスカル
ごりっぱで
ございますな
で......
はじめから
とはさすに
読んでおられる
のですか?
それとも
おもしろいところ
だけをえらんで?
ぼくは
えらんで読める
ほど歴史を
まだくわしく
知らないし...
あっともっと
勉強しなくちゃ
もっともつと
勉強して...
いろんなことを
知って...
あ...あ
できるなら...
オスカル・フランソワ
さあルイ・ジョビ
ジョゼフ
もうお食事の
時間だから..
ママン・
レーヌ
どうか
おねがい!
ぼくの部屋で
お食事を
なさって
ください
ねえ
いいでしょう!?
テーブルを
はこばせて
え.....
そうですね
それは
いい考えね
オスカル
あなたも
いっしょに
いかが?
ありがたき
しあわせに
ございます
なつかしい
おかあさま
大好きな
オスカル...
じっと...
じっと...
ようく
見ておくんだ
1分でも
1秒でも
ながく...
永遠に
おわかれしても...
天国へいってもお顔を
わすれたりしないように
ジョゼフ
...
そんなに
見つめては
いつでも
かあさま
涙が...
涙が.....
こ..ぼれ...て
...
アントワネット
さま!
...
ああ...
オスカル
ぼくの
かわりに...
おかあさまを
おまもりして
さしあげて...
いつまでも...
いつまでも...
よーし
とまれ!!
そこから
分列行進!
まてい!
第1班
アラン・ド・
ソワソン!
それから
その右どなり!
い...いや...
おまえたち
だけではない
ようだな...
剣は...
な...
なくして
しまった
ので...
剣をどうした!?
なぜちゃんと
腰にさげて
いないのだ!?
なっ...
なくし...
...
アッケラカ
いいか!
こ...ここは
幼年学校では
ないんだぞ!!
制服に制編
剣に銃
兵士ならば
なによりもいちばんに
気をくばるものだ
それも
ひとりやふたりなら
いざ知らず...
なくしたって
いってるものは
どなったって
しかたない
だろうか!!
そ...うカ..
フランス衛兵隊には
剣をなくす
兵士がいるのだな
おぼえて
おこう
剣をもって
いない者は
あとで兵器魔へ
名のりでよ
新しい剣を
支給する
分列行進!
になえ銃!
お......
おいこらっ
おまえたち!
になえ銃だ
きこえない
のか!?
はっ!!
わ...
ク...ク...
クーテターだ
は...反乱だ...
美緒里の
まてい!!
ダグー大佐
隊長!?
まて
さわぐな!
いいか
さわぐんじゃ
ない
分隊長
門をとざし
外部の者を
1歩もいれるな
は...はいっ
おまえたちの
要求をさこう
班の代表は
ひきょう者でなければ
話しあいに
おうじろ!
おれたちは
隊長の罷免を
要求する!
隊長が
やめさえすれば
いいんだ
あんたの下では
はたらけない!!
そうだ
そうだ
おれたちを
なめるな!
あそびじゃ
ないんだぞ
女なんかに
命令されて
たまるか!!
女の指揮で
うごくなんざ
まっぴらだ!
女は
軍隊から
でていけ!!
軍紀が
みだれる
もとだ!
そう
女女と
いうな
わたしを
しょっぱなから
女性あつかいして
くれたのは
このフランス術兵隊
だけだ
だいたい
准将なら
准将らしく
将軍の
副官として
うれしく
なってしまう
ではないか
ふんぞり
かえっている
くらいなら
なにも
いちいち
こんな訓練にまで
顔をだすことは
ない!
司令官室で
ふんぞり
かえってりゃあ
いいんだ!!
さっきからえな
女女と
さわいで
いるが
この中に
ひとりでも
実力で
わたしに
かなう者が
いるか!?
わざわざ
近衛隊を
やめたりは
せん!
ほざいたな
このあま!!
アランさまが
にどと
そんな口を
きけんように
してやる!
え!?
腰ぬけどもめ
空いばりだけが
男の能か!?
ほう!
あいてになると
いうか
この隊に
きたことを
後悔するぞ
やれーっ
やれーっ
アラン
かっこいいぞ
班長
思い知らせて
やれーっ
士官学校
じこみの腕を
見せてやれ
気のどくに
フランス術兵隊
!1番のつかい手を
知らないな!
アンドレ!
アラン・ド・
ソワソンに
剣を!
ダグー大佐
オスカル...!
しかと
きけい!
いいか
たとえどちらに
なにがあっても
いいな
もしわたしが
たおれても...
いっさい
処分は
なしだ
兵士たちを
処分する
ことは
ならん...
うごくな
!!
さあっ!!
それ以上
1歩でもまえへ
でてみろ
容赦なく
うつぞ!!
従卒
でしゃばる
な!
ひっこめ
片目野郎!
はん!
片目でも
おまえらよりは
よっぽど
よく見えるのだ!
なんとだか?
短気な
男だな
そらっ
カードが
あまいぞ!
うわッ
うっぐ...
カッ
そう
あ!!
っ...
つかえる...!!
見ろよあの女源色が
顔色が
かわったぞ!
オスカル!
ほっはっは...
あとの祭りさ!
はあ
はあ
アランの腕を
あまく
見たからだ
はは...
はあ
ばか!
笑ってるばあいか
アランを見ろ
やつも
まっ青だぜ!
つかえる...!
はじめてだ
これだけの腕を
もった男.....!
くっ!
わ...
わたしは...
はあっ
はあっ
負けるかも
しれない...?!!
...
ひ!
はあ...
はあ
はあ
うごくな!
もっとも
それでは
どうしたって
うごけまいが
いま...
わたしの胸は
感激でいっぱいだ
アラン...
はじめて
おまえほどの
つかい手に
であった......
衛生班
!
止血はした
すぐアランを
衛生室へ!
オスカル!
両手使いだ...
身の軽さの
ぶんだけ
わたしに
分があった...
アンドレ
心配かけたな...
衛生室
傷は...
いたむか
...?
隊長づら
するな!!
いつか
きさまを
刺し殺して
やるぞ!!
おまえになら
刺し殺されても
はじにはならん
ところで......
アラン・ド・
ソワソン
貴族で
しかも
士官学校を
でている
おまえが
女の
知ったことか
!
いったいまた
なにをやらかして
少尉から
ただの兵卒へ
おとされた?
そ...
それでよく
銃殺刑を
まぬがれたな
前の隊長の
顔に1発
くらわせてやって
あごをくだいて
やったのさ
面会にきた
おれの妹に
手をだそうと
しやがったん
だよ!!
はっ!
あっちに弱味が
あったからだ
司令官室へ
むりやり
ひっぱり
こんでな!!
そ...う
か.....
おまえのほうこそ
いったいなにを
やらかしたんだ
近術隊の
連隊長から
わざわざこんな
ところの隊長へ...
さあ...
おまえのような
男にあいたかった
からかも
しれない...
あ...
太鼓の
すり打ちの
音が...
術兵交賛の
時間だわ...
こんどは...
いつ
あえますか
フェルゼン
来週の
きょう...
できましたら
おうかかい
いたします
なぜ
オーストリアの
皇女になど
生まれたの
でしょう...
なぜ
ただの昔族の
娘として
あなたのまえに
存在できなかった
のでしょう...ね...
な...ぜ....
どうかもう
おっしゃい
ますな
陛下!
フランス王妃である
女性を愛して
しまった...
フェルゼンの運命で
ございました
たとえ
どんな形で
であっていたにせよ
わたくしの
愛の真実に
すこしの
がわりもない
それだけで
わたくしには
じゅうぶんで
ございます
あ...あ
フェルゼン.....!
もしこんど
生まれてきたら
そのときこそ
きっと
あなたの妻にして
くださいね
フェルゼン...
おちかい
いたします
かならず...!
はっ
早く!
衛兵が
きます
早く
アントワ
ネット
さま!
あ...あフェル
ゼン気を
つけて
まてっ
あやしい
やつ!
速捕する
!
デオチャポー
うっ!!
名を名のれ
あやしい者
ではない
通せ!
ふざけるな!!
名をいえないと
いうのなら
詰所まで
きてもらおう
通せと
いって
いるのだ
衛兵!!
オスカル
!
ん!?
フェ...ル..
あっ
あやしいやつ
なので
速捕しました
名まえを
名のりません
お通ししろ...
わたしが身もとを
保証する
しかしたらも
隊長!
そうです
こんな時刻に
こんなところで...
陸軍
連隊長で
あらせられる
ぞ!!
アンドレ
フェルゼンに
追いついて
つたえてくれ
感謝
するぞ
オスカル...
じょうだんじゃ
ねえぞ!
あの女
西の門は
衛兵が少ない
見つからずに
帰れる
とな
夜勤にまで
顔だして
きやがって
あれでも
隊長か!
わかった
おい
アラン
おまえ
マークされ
てんだぞ
きっと
うっかり
さぼって
酒ものめや
しねえ
おい
耳を貸せ
え!?
そ...
そんな...
うん...
うん...
フェルゼンか...
では
アントワネット
さまも...
おそらく...
おいたわしい...
王妃ともあろう
お方が
安きしのび
人目をしのんで
この時やみな...
皇室になど
生まれた
ばかりに
初恋も
知らぬうちに
愛のない結婚を
させられて...
国家への
義務のため
お世越ぎを生んで
わたしなら
がまん
できない...!
うう
ぐうっ...
...
オスカル
いってきた
ぞ!
オスカル!
オスカル!
オスカル
どこだ
オスカル!?
オ...?
へんじをしろ
オスカル!!
はっ!!
ま...さか.....?
オスカルを
ひきずって...
あ...あいつら....
あいつ
ら!!
オスカル!
オスカル!
ちきしょうめ
ああっ!!
そばをはなれる
のでは
なかった!
オスカル
もしもおまえに
なにかあったら
お...
おれは
死ぬぞ..
...!!
おれは...
死ぬぞ!!
ご苦労な
ことだな
たいした
夜勤だぞ
どうする
つもりだ...?
へへ...
なあに...
命を
いただこうなんて
ぶっそうなことを
考えては
いないさ
ただ
ちょっと
おまえさんに
じぶんが
女だということを
体で思い知らせて
やって
早々に
衛兵隊を
ご退散ねー
ねがおうって
寸法でさ...
年下の
男なんぞ
わたしの趣味では
ない!
いってみんな
きいたか!?
たいした
よゆうだぜ
おい!
年下だの
年上だの
いってるばあい
かねーっ
美しい......
ドレスを着せて
化粧させたら
さぞや美しい
貴婦人に
なるだろう
軍服なんぞ
着せておくのは
じつにもったいないと
われわれは思うのだよ
ジャルジェ准将
あ!
ああ
下司で
けっこうだ
下司め!
どうせ
おれたちは
下司さ!
おまえら大貴族
から見ると虫ケラ
みたいなもんだろうぜ
だがな
おぼえて
おけ!
虫ケラでも
生きているぞ
!
ちゃんと
人生が
あるんだ!!
衛兵隊から
でていけ!
さもないと
これだけじゃ
すまんぞ
あ...う...っ
なにせ
みんな
女には飢えた
野郎ばっかり
でね
はあ
はあ
てめえら
しまいに
お殺すぞ!!
こ...この
くそったれ
よくも...
なにを
っ
おもしれえ
あや殺してんっ!
みろ!!
この片目野郎
なんだなんた
銃声が
したぞ!
こん夜の夜勤は
いったいなにを
しておる
衛兵詰所にも
中庭にも
ひ...ひとりも
兵士が.....
食堂の
ほうだ
!
あ
うるせえなあ
おれ
あすの朝
当番なんだぞ
と...当番なんぞ
どうでもよろし!
じつにけしからん
ダグー大佐
みんな..
なんでもない
なんでもないのだ
部屋へ帰って
やすんでくれ
たまえ
こん夜の
夜勤は...
なんでもない
だとお!?
おれたちを
処分したら
どうだ!?
将軍の娘なら
そんなこと
わけもなかろう
そして
さとるが
いい!
しょせん
おまえに
できるのは
権力をもって
おれたちを
おさえつけること
ぐらいだってな!!
処分は
せんっ!!
部署に
つけ...
しょくん...
オスカル...
オスカル
!
母上...
は...!
ははう...え..
母上...
面会だ
名をよばれた
者は
面会室へ
ジュール・
ロセロワ
ビエール・
モーロワ
ルイ・マロー
アラン・ド・
ソワソン
わーっ
アランの妹だ
ディアンヌだ
ぞーーっ
なにーー!?
ディアンヌが
きてるって!?
あわせろ
あわせろ
おれにも
あわせろ
ディアンヌ
ちゃーーん
ばっかもーん!
てめえらを
だいじなディアンヌの
そばへよせつけて
たまるか
はっはっほっは......
面会日は
さすがに兵営が
さわがしい
あいつらも
人の子だな
ダグー大佐
人の子だろうが
馬の子だろうが
«
こんどあんな
まねしやがったら
かならずブッ殺して
やる!
兄ににず
やさしい
おとなしい
娘で...
アランの妹の
ディアンス・ド・
ソワソンがきた日は
とくにさわがしゅう
ございます
ほほ...
うわさをすれば
ほら.....!
ディアンヌが
帰りまする
ほ...う!
だがなんて
そまつな身なりだ...
しかも
貴族の娘が
供のひとりもつけず...
あの大きな荷物は
いったいなんだ...?
とうさま
とうさま
早く!
ぼくが
見つけたんだよ
トリアノンのお池に
かもがきたの!
しつれい
いたしまする
国王陛下
ぼ...ぼうや
まっておくれ
わしゃあ...
この手紙を
さるお方から
おあずかりしたんで...
なにとぞおひとりで
お読みくださる
ようにと...
そんなに
走ると...
息切れが
して...
あ...
それでは
わたくしは
先に子どもたちを
小トリアノンへ
つれていって
もどってまいり
ますわ
あ...
ああ
みなのものも
しばらく
余をひとりにして
おいてくれぬか
すまないが
はいどい
国王陛下
どうれ
国王陛下
あなたはいったい
いつになれば
目をお開きに
なるのですか?
どっこい
しょ...っと
あなたの妻である
王后陛下と
スウェーデン人
ハンス・アクセル・フォン
フェルゼン伯爵との
不倫の恋を
お気づきにならない
のでしょうか!?
王妃と
フェルゼン伯
とは
もうすでに
10数年にわたり
国王陛下の
目をあざむき
恋愛関係を
むすひ...
だいたんにも
ベルサイユで
ひそかに
あいひきを
かさわ.....
あ:あいびきを
かさね......
ふかい関係を
つづけ...
そ...そのうえ...
あろうことか...
フェルゼンの子どもである
ルイ・シャルルを
国王陛下の王子と
いつわってゆくゆくは
王位を継承させん
ものと...
フェルゼンの
子どもである......
ルイ・シャルルを...
おまたせ
いたしました
あなた
シャルルったら
もう大はしゃぎで
マリー・テレーズの
ドレスをひっぱって...
...!?
陛下...?
いったいなんの
手紙だった
のです!?
どう
なさいました
陛下!?
レサイユ
はら
eBOOKで
快適読書生活
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