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La.RoserdeVersalles
池田理代子
ベルサは口のばら
...
地面連休を
第9巻神にゃさ
...。一神にめされて
イユのばら
...
いやいや...
そんなことは
それでも、
うわあっ!!
やった
やった
ばんざあい
ばんざあい
さあっ
つづけて
射撃用意
!!
いっきに
せめおとす
ぞ!!
市民しょくん
ワラをつんだ
荷車に
火をかけろ
煙を
タテにして
はね橋を
襲うのだ
はね橋を
おろせ
はね橋を
おろして中へ
侵入するぞ
射撃を
中断するな
砲手を
ねらえ!!
市民が
中にはいったら
いっせいに
掩護射撃しろ
ド・ローネー侯
こ...このまま
抵抗をつづけて
いては
もしかしたら
われわれは
全滅です
お...おねがいです
白族をかかげ
降伏を...
ええいッ!!
なにを
いうか!!
いいぞ
このすきに
大砲を前進
させ城門を
ふっとばせ
ひるむな
!!
し...指揮官を
ねらえ
あの
指揮官を
殺せばどうせ
ザコのあつまりだ
すぐに
くすれるぞ
ああ
...
...いや、
...
隊長!?
う...撃て
撃てーっ
なにして
いる
隊長
...
ズギォ...
隊長
隊長
〜〜ッ!!
アラン
腕が...
!!
つ...づけ...て..
射撃を...
中断する...な...
...つ..っ..
けて...
あ...あと
ひといきで...
バ..スティーユは
陥ち:る...
つ...づけ
て...!!
は...
はいっ
アンドレ..
わたしの
アンドレ...
苦しくは
なかったか
...?
あ...あ...
おまえは
苦しくは
なかった
か...!?
おまえが
たえた苦しみ
なら...
わたしも
たえてみせよう
たえて
みせるとも
長くは
なかったか...?
死は
やすらかに
やってきたか...?
おお!!
だきしめて
くれ!!
手を
かしてくれ
アンドレ
アンドレ!!
わたしが
おくびょうものに
ならぬよう...
オスカル
さまあッ!!
オスカルさま
しっかりして
ロザリーです
オスカルさま
あ...あっちで
ケガ人の
手あて
を...
お.....
おろして
く...れ
おねがいだ
おろして...
く...れ
も...う...
にあえ!!
がんばってください
もうすぐです
オスカルさま!!
早く
こっちへ
早く!!
隊長!!
ア......
アンドレ
が.....
まって...
.....
いるのだ
よ......
お...ろ
オスカルさま
オスカルさま
ロ...ザ...
うごかないで
くださいね
いま傷ぐちを
しばります
から
しゃべらないで
ください!
ああ
体に力を
いれないで!!
おねがい
だから!!
ど...うか
わたしをアンドレと
おなじ場所に...
わたしたち
はね...
夫婦に
なったの
だ...から...
あ...
アンドレ
アンドレ
きいて
ちょうだい
おねがいよ!!
オスカルさまを...
オスカルさまを
つれていかないで
つれていかないで
おねがい!!
お...ね
が...い..
泣かないで
ロザリー...
わたしはいま
こんなにも
やすらかだ...
神の愛に
むくいる術も
もたないほど
小さな存在では
あるけれど...
自己の
真実のみに
したがい
瞬たりとも
悔いなく
あたえられた生を
いきた
楽し...
憎み...
泣き!!
人間として
それ以上の
よろこびが
あるだろうが
ああ
人間が長いあいだ
くりかえしてきた
生の営みを
わ...たし...も..
た...だいちょう
隊長!
バスティーユの
上に
し...白旗が...!!
ついに...
陥ちた
か...!
おお...
果敢にして
偉大なる
フランス
人民よ...
自由...平等...友愛..
自由...そうか
平等...
友愛...
この
崇高なる
理想の
...
...
永遠に
人類の
かたき残
たらんことを...
フ...ラン
ス.....
ばんざ...い...
い...
い...や...
...
いや...
いやッ
!!
いや
いや
いやッ!!
ついに陥落した
バスティーユ牢獄
司令官
ド・ローネー僕らの
首をヤリ先に
つきさし
勝利を
よろこびあう
民衆の声は
いつまでも
いつまでも
バリ中に
こだました
新しい歴史の
1ページが
ひらかれた
まばゆいばかりの
瞬間であった...
な...なにを
なされます
リアンクール
公!?
国王陛下は
もうおやすみに
なられましたぞ
ご無礼な!!
どきたまえ
それどころ
ではない!
国王陛下
!!
バスティーユ牢獄が
市民にうばわれ
ました!!
司令官
ド・ローネー侯と
パリ市長
フレッセル氏の首が
おとされ町中の
さらしものにされて
おります!!
ななんだって
そんなことを
わざわざ...
け...けっきょく
ただの暴動
ではないか
いいえ!!
いいえ
陛下!!
革命で
ございまする
...!!
バリヘ
だが...
バリへ!?
しらないん
ですかい!?
どちらへ
いきなさる
のかね
たんな?
とんでもない
殺されにいく
ようなもんだ
やめなされ!!
なにか
あったのか
?
フランス衛兵が
ねがえったんで
パスティーユが
おとされて...
バリはいま
革命さわぎの
まっさいちゅう
ですぜ!!
革命!?
スティーユ牢獄...
い...
いそげ!!
パリへ
ああ...
フランス衛兵...!?
えーっ!?
よ...よしま
しょうよ
伯爵!
みすみす
命をすてに..
わ...わたしゃ
いやです
では
どけ!
あっ
あっ
まに
あってくれ!!
オスカル
オスカル!!
アントワネット
さま!!
ま...あ!
画家の先生
では...
こんにちは
え...えーっと
あの...
きょうは
その.....は...
ばあやさん
に...
まっか...
ばあやさん
に?
まあ!
そうですの
どうぞ中へ
あ...あの.....
なにかご不幸
でも...?
いえ...
いいえ
なんでも...
あ...
そちらの
つきあたりの
お部屋ですから
ムッシュウ
どうぞ...
ばあやさんを
なぐさめて
カづけてあげて
くださいましね
......?
こ...こ...
こんにちは
マロン・
グラッセさん
あ...あ...あの
ですね
ぼくは
まえから...
ほ...
ほんとの
こというと
ですね
...マロン..
グラッセさん
...?
おやすみ
なんですか?
7月14日につづく
新しい...い
革命の日々が
はじまった
まずしゃ
新バリ市長に
国民議会議長
シャン・シルヴァン・バイイが
任命され...
ついで
武装して戦った
市民たちを
正規の軍隊として
緩成し
しかし
これはまだ
ここに
全国的組織をもつ
国民衛兵隊
「ガルド・ナシオナール」
が誕生!
一定の財産を
もったものしか
入隊できないという
重大な欠陥を
もったものであった
最高司令官には
ラ・ファイエット将軍が
任命され
パリ市の微章である
赤と青の2色に
フランス王家をあらわす
白を配色した
3色の微章が
革命のしるしと
さだめられた
NDIVISIBILIT
DFI
REPURLIOUE
LIBERTE
EGALITE
FRATERNICE
OULAMORT
これが現在の
フランス国族
である
共和国の単一不可分
自由一等交換ししからずんは死
革命はとどまるところをしらず歩みをすすめる
同年
8月4日夜
ベルサイユで
ひらかれた
国民議会に
おいて
僧侶・貴族代表は
封建時代の
さまざまな特権を
すてることを
決議して
歓呼と喝宋を
うけた
ただし
これは実行されず
やがて貧しい民衆の
憎しみを
ますだけの
結果となったが...
人類史上不朽の
記念碑ともいうべき
“人権宣言。全!7条が
採択される
高らかに
人間の自由と平等を
うたいあげて
お
はなはだ
不十分では
あったにせよ
そしていって
8月26日
PECTAR...
DESDROITSDBL:HOMME
PTDUCITOYEN
.......
PREAMBULE
それでも、それはそれだけではありませんが、
それがあるのはわかりませんでしたが、またその男の男性を見ていないのですが...
それはそうなのですが、それではなかったんですよね。
...ああ...
それを知るのはもちろんでしょうがいいのですがそんなことなんですか?
ARTCLEPREMER
......!!そういうことですか
...!!!
マジョジェルを呼べましたが、
へへへーーーっ!!!?
それは...
あんまりませんですから、内容制限があるのですが、ははは、ああ、そういうことだね。あなたのことです。それはそのままではないですが、
今回紹介してみたいですが、初めての時期を見ていることができるのです。そうです。それはそれだけでもいいですからですが、その時は自分ではなくなってしまいました。
ああはあああぁあぁぁぁっぁぁ...ああっ、あぁっ、はぁぁこれですが、そんなことを言っていただけではないのですか
それをそれにしていませんでしょうかあの時から、そんなことをしていたのですが、そのままに
それでもなんでしょうかもしれませませんが...
Windowshingenstionでも...
それでも、それは大丈夫でしょうがないのですが、まだ明るくなっています。これからではないですよね。
このようになったのですが、今年は今年の経験者が生まれませんが、その時期が遅くなっているのでありますが
BX
それはそうですか
第条第条委員長にはご契約者をご
いつまでもキスをしている人がいるのですが、...
そんなことはありませんでしょうか!!
...そうですか..
はぁぁぁあああぁぁっ!!
確かにあるかもしれないということもありませんが、無理ですが、それでも
X!!
...そういうことですね。えええ...俺はそうですけどそれじゃなかったのですから、
それであるかもしれませんでしょうがないのですが、この時期になりますからではないです。
メール
2018年10月20日に開催されていますので、
これからのお客さんは、このようになっていますのですが、これまではないでしょうかということです。
ここでは、ちょっと思っていました。または自分が自信になりますのですが、
今回は、大阪府中央区であるのですが、まずはこのままではないでしょうか。
xv
やっちゃん、そういう意味ではないかもしれませ
x〃
メロ
はああははあんまり
.........
はぁはぁぁあぁっ、んぁぁぁ...
もしかしたら、ここからもそもその場所にはならなかなか知らないのですが
...
陛下
もはや一刻の
ゆうよも
なりませぬ
国境近くの
メッスまで
にげましょう
あそこなら
まだ革命の
波もおよんで
おりません
われわれも
みんな
おともつかまつり
まする
だ...だけど
メッスなんかに
にげたら
そのあいだに
民衆が
オルレアン公を
国王にして
しまうかも
しれない
そんなのは
いやだ!
ああ
だけど
!!
このままだと
どうなるか
わからないし
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
じょーだん
ではない!
そうだっそうか
われわれ
だけでも
外国へにげる
ことだ!
こんなたよりない
王さまのそばに
くっついて
たんじゃ
こっちの首が
あぷない!
まだいまなら
じゅうぶん
にげられる
イギリスへ
わたろう
あそこなら...
ボリニャック夫人と
その一族を
先頭として...
王弟アルトア伯一家
ド・コンデ公
ド・ブルボン公
ランベスク公
カロンヌ_ブルトイユ:
そして
おおくの廷臣たち:
いってしまう..
たのしかった時代に
あれほどわたしを
とりまいていた
人々が...
ベルサイユを
すて...こくちゃい
国王陛下を
すて...
わたしは
ひとり...
すべての人が
嵐のまえに
わたしをひとり
おきさりに
していった
お.....
おわすれで
ございますか
王后陛下
ハンス・
アクセル・
フォン・フェルゼン
たったいま
ベルサイユに到着
いたしました
あ...
あ:..あなたは...
......
ばかです...!
ばかです!!
みんなが
ベルサイユをすて
わたしをすてて
いくときに...
こ...んなときに...!
おっしゃる
ことは
それだけで
ございます
か?
ともに
死ぬために
もどってまいり
ました..
あなたの
忠実な騎士に
どうぞ
お手を...
お...お!!
フェルゼン...!!
あなたの盾となり、
あなたをささえ
あなたを
愛するのは
このわたくし
なのだと...
ハンス・アクセル・
フォン・フェルゼン
なのだと
フランス国民の
まえに
名のりでましょう!
それは...
アンシャン・レジーム
〈古い体制〉は
くずれさったかに
見えたものの
まず
第1に...
あたらしい
フランスは
なおいくつかの
難問をかかえた
ままであった
革命は
おこったものの
バリではあいかわらず
深刻な食糧不足が
つづいていた
そのうえ
ベルサイユでは
車命に対抗
するために
あらたに軍隊が
よびよせられ
10月1日
バリ市民の
飢えをよそに
はなやかな
歓迎の実が
もよおされた
この宮廷の
心ない
ふるまいは
台所をあずかる
まずしい
女性たちを
ふみにじり
その怒りを
爆発させるに
じゅうぶん
であった
1789年
10月5日
こっ...
国王陛下
狩りどころでは
ございませんぞ
大至急
宮殿に
おもどりを!!
王后陛下
たいへんで
ございます
パリの女たちが
武器を手に
大集団と
なって...
6千人をこす
女たちの大集団が
ずぶぬれになり
泥まみれになり
飢えと
はげしい怒りに
ふるえながら
ベルサイユへの
壮絶な行進を
開始した
見ておいで
この鎌で
王妃の首を
ちょんぎって
やる!!
あの
めす狼め
まっているが
いい!
オーストリア
女め!!
見つけたら
庵丁であの
あばずれ女の
腹をひきさいて
内臓をひっぱり
だしてやるんだ
!!
パンを!!
パンを!!
国王と王妃を
パリへ
ひっぱって
こよう!!
王后陛下
!!
王太子
殿下!!
一刻のゆうよも
なりません!!
王后陛下
王子さま王女さまと
ともにランブイエに
おにげください
そのあいだに
国王陛下は
近術兵を指揮
なさって
市民たちを
むかえうつの
です!!
だ...だめです!
王妃であるわたしが
国王陛下のおそばを
はなれることは
できませんわ!
たいへんです!!
女たちばかり
ではありません
うしろから
ラ・ファイエット将軍
ひきいる3万の
国民術兵と
男たちが...
ええっ!!
荷づくり
を!!
ランブイエへ
出発だ
いそいで!!
馬車の
用意を!!
にげる気だぞ!!
馬車をださせ
るな!!
な...なにを
するか
この下衆ども!!
馬車を
ださせるな!!
王妃を
にがすな!!
女官たちに
......?
荷づくりを
中止する
ようにと...
もはや
おそすぎた
ようです
アントワネット
さま!!
パリから
わたしの首を
要求しに
きたのは
知っています
けれど
わたしは母から
女王たる者は
死をおそれては
ならないのだと
おそわりました
フランス女王
らしく..
きぜんとして
死をまつことに
いたしましょう
ラ・ファイエット将軍の
説得によって
その腕は民衆は
ベルサイユ宮を
とりまいたまま
おとなしく一夜を
あかすことになった
あけて
10月6日
うん...
であえ
であえ
っ
民衆が
宮殿にせめ
いってきたぞ
王后を...
王后を
たすけまいら
せよ!!
は...はやく
王妃さま
!!
ドレスを
!!
王妃の部屋は
こっちだ!!
殺れ
殺れ!!
やっちまえ
王妃は
どこだ
あのほか
死女のやつ
!!
死刑にしろ
なぐり殺して
やる!!
ああ!!
ドアが
あかない!!
はやく!!
国王陛下の
お部屋へ
だれか!!
王妃を
つかまえて
やつざきにしろ。
あけて
あけて!!
あの
あばずれは
どこだっ
あけて
あけてえ!!
だれか!!
ああ!!
マリー・テレーズ
ルイ・シャルル
ああ~ん
かあさま
ママン・レーヌ
王妃を
バルコニーへ
!!
王妃を
だせ!!
王妃を
バルコニーへ
だせ!!
わたしを...
王妃を
バルコニー
へ!!
このわたしを
民衆のまえに
ひきずりだして
さらしものに
しようという
の!?
王妃を
バルコニーへ
!!
いけません
陛下
姿をだしては
うたれて
しまいます!!
王后陛下
民衆を
しずめねば
なりません...
いけません
陛下!!
でましょう
王妃だ
王妃だぞ
!!
王妃が
でてきたぞ
殺せーっ!!
撃て
撃てー
お...
おじぎを
した...
なんという
なんという
大胆不敵な
こ...この
女は.....
生まれながらの
ほんものの......
女王なんだ...
王妃
ばんざい
王妃
ばんざい!!
王妃
ばんざい
お...王妃
ばんざい!
王后陛下
!
抗いがたい
民衆の要求のまえに
ついに国王一家は
ベルサイユを
永久にあとにし
バリへうつされる
ことになった
マリー・テレーズ
ルイ・シャルル
......!
おかあさま
おかあさま...
同時に
国民議会も
ベルサイユから
バリへうつされ
以後
名実ともに
バリが政治の中心と
なることになる
見ておくれ
国王と王妃と
ガキどもを
いけどりに
したよ
さようなら
ベルサイユ...
永久に
しあわせな日々
かぐわしい
花々にうもれた
甘美な夢のとき...
17歳のむかし
はじめて
夫とともに
バリを訪問した日の
市民の
とどろくばかりの
歓呼と熱狂を
嵐のような
愛情を
あの日の
しあわせを
長い7時間の
行進のあいだ
マリー・アントワネットは
思ってでもいたので、
あろうか.....
妃殿下は
ただいま、ここで
妃殿下に恋している
20万の人々を
ごらんになっているので
ございます
国王一家が
うつされることになった
テュイルリー宮は
ルイは世いらい
150年のあいだ
王室に
みすてられ
使われずにいた
あれほうだいの
宮殿であった
があさま.....
ここはなんて
きたないんで
しょう
...
みんな
てきとうに
やすむがいい
わしゃあ
これで
満足だ
こんなところで
これからずっと
くらすの?
男に
ならね...は.
これからは
国王陛下のかわりに
わたしが男に
ならねば...
わたしは
革命なんか
みとめない
ぜったいに!!
君主として
国民を支配
する権力を
わたしは
神からさずかった
のだから...
歴史の歯車を
逆に回転させようと
するものは
かならずほろびる
のだという真理を
アントワネットは
ついに理解する
ことができなかっ
たのである!!
1790年
1月
バリの
サン・トノレ街に
あった
ジャコバン修道院を
本部とし
およそ200名の
議員をあつめて
“革命友の会”
〈ジャコパン・クラブ】
が発足した
この
シャコバン・クラブに
おいて
しだいに指導権を
強めつつあったのが
アルトア州出身の
マクシミリアン・ド・
ロベスピエール議員
であった
革命の1年は
おだやかに
たゆみなく
すぎていった
1790年
その年の夏を
王室は美しい
サン・クルーの薬官で
すごす許可を
あたえられた
ご不自由が
あれば
どうかなんなりと
もうしつけて
ください
できるだけの
ものは
とりよせるよう
はからいます
ありがとう
フェルゼン...
でももう
なれましたわ
すっかり...
不幸になってみて
はじめて
人間はじぶんが
なに者であるか
わかるものなの
ですね...
わたしはいままで
ただ無意味に
踊り歌い......
人生とたわむれて
いただけのような
気がします...
ぼくには
なんの力もない...
いいえ
いいえフェルゼン...
こんなにも
愛している女性を
じゅうぶんなだけ
しあわせにしてあげる。
ことすらできない...
なにもかも
うしなったかわりに
フェルゼン...
わたしは真の愛を
えました
あなたがそばに
いてくれなければ
わたしはきっとこの重荷を
背おいきることは
できなかったでしょう..
あなたに
めぐり
あえて...
よかった
だが
車命の中休みは
長くは
つづかなかった
1790年8月
ナンシーにおいて
兵士たちが
反乱をおこしたさい
王党派のブイエ将軍は
抵抗した兵士たちに
絞首刑という
苛酷な処分をもって
のぞんだため
ふたたび民衆の怒りが
爆発することになった
ナンシー事件
である
しかも
よく年の
4月には
これ以上フランスに
とどまるのは
みすみす死を
まつような
ものです陛下
ミラボー伯との
密とりひきが
革命委員会に
ばれたら
それこそどんな
危険が...
革命を
うらぎって
ひそかに王室に
ついていた
ミラボー伯が
死去
王后陛下の
故郷である
オーストリアに
一刻もはやく
おにげください
オーストリア
...
わたしの
故郷...
国境まで
にげさえすれば
兄のレオボルドが
軍隊をひきいて
たすけにきて
くれるでしょう
し...しかし
どうやってこの
テュイルリー宮を
脱出して
国境まで...
わたくしが
やりま
しょう!
フェルゼン伯!!
にせの旅券と
馬車の
用意をして
国王一家を
バリから
おつれ
いたします
シャロンに
つけば
そこから国境
までは
ブイエ将軍の
管轄ですから
将軍がご一家を
おまもりする
でしょう
おお
そうだ!
ブイエ将軍
が.....
ブイエ将軍
なら...
フェルゼン伯
では...?
はいっ
命に
かえまし
ても!
たすけて
くださるか?
逃亡の日は
1791年
6月19日夜と
きめられた
コルフ夫人の名で
旅券をとり
国王はコルフ夫人の従業
王妃は子どもたちの
家庭教師という
ことにしてフランスを
脱出するてはずであった
フェルゼンの
想像を絶する
不眠不休の
はたらきが
開始された
いいね
じい
婦人1名
子ども2名
従者2名
家庭教師1名
計6人分だ
コルフ夫人に
たのんで
夫人の名で
旅券をとって
もらってくれ
それからじゃ。
馬車屋に
大型の
ベルリン馬車の
注文を!
バルタザール
おまえは
めだたない
辻馬車1台
買ってくれ
は...はい
それと
御者の服を
ひとそろいだ
いそげ!
はいっ
パリから
シャロンまでさえ
無事にこれれば
ここから先は
サント・ムヌーに
40名
クレルモンに
40名
ソム・ヴェスル橋に
40名の騎兵を
配置し
そして
ヴァレンヌには
60名の軽騎兵
さいごに
ストネーで
ロワイヤル...
アルマン連隊が
国王ご一家を
おむかえして
国境まで...
しかし
プイエ将軍
こんな地点から
兵士を配置しては
付近の民衆が
あやしむでしょう
むしろ
ヴァレンヌより以後
がらのほうが...
フェルゼン伯
軍隊のことは
わたしにまかせて
いただこう!
きみはただ
無事に陛下たちを
バリから
おつれすれば
よいのだ
だいじょうぶ
だろうか...
輪がひとつ
やぶれても
すべて
おしまいだ
神よ...!
オーストリア皇帝
からの
暗号の手紙は
とどきましたか
それは
だいじょうぶだが
軍隊を
うごかすための
お金が...
わたくしの
財産を
抵当に
借金を
しましょう
ハンス・アクセル
さま
ご注文の
ベルリン馬車が
できあがって
きましたが
ようし!
これから
試運転だ
護衛の
近衛兵の選択
あらゆる
連絡や
うちあわせ
それから
食料と
変装用の
衣装を
倉庫へ!
ばく大な
お金の用意
ハンス・アクセル
さま..
おお
じいか...
ええい
わかった!!
ではこの屋敷も
担保にして
くれ!!
たいへんで
ございますぞ
出発が1日
延期になり
ました
女官がひとり
革命家と関係
していて..
1日!!
なんという
ことだ!!
1時間の
くるいが
命とりに
なるときに
なにもかも
水のあわだ
またはじめから
連絡をとりなおさ
ねばならん!!
あ...
ハンス
さま!?
だ...だい
じょうぶ
なんでもない
むちゃです
ここ2か月間
というもの..
命より
だいじな女性の
危機に...
すこしは
お休みになら
ないと体が...
きみなら
休んで
いられるか...?
いいな
バルタザール
まちがえるな
◆
シャロン街道の
入口までは
わたしが御者に
変装して
辻馬車でいく
わかったか?
神よ
神よ...!
いますこしの
力をあたえ
たまえ
わたしの命と
ひきかえでも
いい!!
あのかたを...
あの方の夫を
あの方の
(子どもたちを...
当時
テュイルリー宮において
国王はまい夜
ー791年
6月20日
たずねてくる
市の役人や
革命委員会の
委員や議員を
認見することに
なっていた
国境にいたる
村々に
アイエ将軍魔下の
騎兵大隊が
とどこおりなく
配置され
オーストリア政府は
ー軍団を
フランスとの国境周辺に
集中させて
フランス国王と
その家族をむかえる
準備をととのえた
その夜
マリー・テレーズ王女と
少女に変装した
ルイ・シャルル王子
だけを先に
いよいよ
こん夜です
打ちあわせ
どおり準備は
よろしゅう
ございますね
フェルゼンが
宮殿から
つれだす
手はずに
なっていた
あ...
だめ...だめ...
です
こわい...!
失敗したら...
もし失敗したら
子どもたちはきっと
殺されるわ...
王后陛下!
殺されるわ!
あの子たちをたすけて!!
マリー・テレーズ
ルイ・シャルル!
陛下
!!
あ...
おちついてください!
しっかりなさって
ください!
とりみだしてすこしでも
見張りの街兵や
召使いたちに
あやしまれたら
すべておわりです
あなたの肩に
未来のルイリ世の命が
かかっているのです!!
おそろしいで
しょうが...
不安で
しょうが...
おち
ください
ついて
命をかけて
おまもり
いたします
未来の
ルイ!?世...
フェルゼン
伯.....
これから後たとえ
わたしの身に
なにがおころうとも
あなたが
わたしのために
してくれたことは
すべて...
けっしてわすれは
いたしませんぞ!
もったいのう
ございます
陛下
では
こん夜
10時に..
ご無事で
フェルゼン伯
ふあ~~
やれやれ
たいくつだな
おや
そろそろ
交替の時間だ
もうひとまわり
してくるべ
え!?
王后陛下
なにか
こん夜は
ご予定でも?
い...いえ
なんでもあり
ませんわ
どうぞ
報告の
つづきを...
♠キヌッ
10時!いった
衛兵交替だ
10時!
ふたりの子どもたちを
フェルゼンが
つれだしたあと
アントワネットは
ふたたび部屋にもどり
国王の謁見が
すべておわってから
宮殿を脱出する
という手はずであった
はあ
マリー・
テレーズ
ルイ・シャルル
かあさま
!!
さあ
したくはいいですか
でかけますよ
かあさまあ
どうしてほく
女の子の服なんか
着せられてるの?
どこへいくの?
王子さま
仮面舞踏会へ
いくの
ですよ
おまもり
ください...!
わたしたちを
見すてないで
ください...!
榊よ...!!
!!時半
ようやくすべての
謁見が終わってから
愛する子どもたちと
御者に変装した
フェルゼンのまつ
エシェル通りへ
むかった
マリー・アントワネットと
国王は別々に
テュイルリー宮を
脱出
フェルゼン!
アントワネット
さま!
よくご無事で
!!
おお!
愛しい
子どもたち
わたしの
命...
ありがとう
フェルゼン...
馬車に
おのりになったら
もうすぐに
おやすみに
なりましたよ
ほんとに...
ありがとう...
さあ!出発で
ございますぞ
!
シャロン街道の入口に
大型健装馬車を
またせてあります
しばらくきゅうくっで
ございましょうが
ごしんぼうください
国王・王妃
それにふたりの
子どもたち
そして王子の
教育係女官
トゥルゼル夫人
国王の妹
エリザベス内親王
6人のもうちじゃ
逃亡者をのせ
フェルゼンみずから
手綱をとる
辻馬車は
真夜中のバリを
疾風のように
ぬけていく
とちゅうフェルゼンが、
なれないバリの道に
まよったため
シャロン街道の入口に
ついたときは
約束の12時を
2時間以上も
超過してしまっていた
ん...!?
どうしました
フェルゼン伯
後装馬車が
約束の場所に
いないのです
ええっ
!?
そ...そんな
遅刻したので
計画が失敗
したと思って
帰ってしまった
のでは...
しばらく
おまちください
見てまいります
もしや...
見つかって
しまったの
では...
陛下
だいじょうぶです
見つかりました
さあッ
いえがねば!
おくれを
とりもどさねば!
このすこし先に
まっていました
夜は短い
さあ
もっと全速で
やれ!!
逃亡者たちを
まもるやさしい
闇はじきに
うすれてゆき
東雲は近い
ボンディにつけば
6頭のかえ馬が
まっているぞ
全速でやれ!!
い
おー
こっちだ
こっちだ
どう
どう
ポンディに到着
でございます
陛下
ここで
げんきな馬と
とりかえます
しばらく...
うむ...
フェルゼン伯
ご苦労でした
ここから先は
もうわれわれだけで
だいじょうぶだ
このまま
お帰りになって
いただきたい
し...しかし
陛下...
フェルゼン伯
ここでお別れ
したい
われわれといっしょ
では万一のとき
あなたにまで
危険がおよぶだろう
わ...
わかりました
陛下...
ではわたくしは
このまま
ベルギーへ亡命
いたします
おそらく朝になって
逃亡がばれれば
わたくしの家も
捜索される
でしょう
うむ...
お気を
つけられよ
フェルゼン伯
は...
フェルゼン...
出発!
さようなら
さようなら!!
ああ...!!
神よ
神よ
まもらせたまえ!!
異郷をさし
おちていく
高貴の人々を
あの馬車の
中には...
あの馬車の中には
わが命をささげ
この身を
ささげつくした
ただひとりの
女性がのっているのです!!
どうしても
愛さずにいられなかった
ただひとりの女性
まもらせたまえ
神よ.....!
運命の力で
むすびつけられた
ただひとりの女性
彼女に
仕えるためにのみ
わたしは生きた
ああ
夜があけて
きましたわ
さあ
もうだいじょうぶだ
これで昼すぎに
ソム・ヴェスル橋に
つけば
そこに最初の
兵隊がまっている
わあっ!!
おとうさま
おかあさま
見て見て!!
ほんとに
ひやひや
させられ
ました
きれいーっ
!!
すばらしい森
ちっちゃな村
すっごい谷
あーっ
すてきだ!!
フランス
ぼくのフランス!!
国王陛下
1時で
ございます
...??
国王陛下
......?
た...たいへんだ
国王陛下が
.....!
どうしましょう
お...王妃さまも
いらっしゃい
ません!!
なんだって!?
王太子殿下と
王女さまの
部屋は!?
からっぽです
王子さまの
部屋も!!
逃亡だ!!
たいへんだあ
国王一家が
逃亡した
ぞーっ
国王が
パリから
にげたぞ!!
大至急
議会を
召集しろ
パリ中の
市門をとざせ
!!
非常信号
を!!
国王が
にげた
ぞーっ!!
国王一家と
フェルゼン伯の
逮捕を!!
フェルゼンの首に
普金を
かけるんだな
ああ
もちろんだ
いちばん高い
賞金首
だぞ!
国王の馬車を
追跡して...?
国境への
街道という街道に
国民衛兵が
さしむけられた
ソム・ヴェルス橋
ですわ
もうすぐ最初の
軽騎兵が
わたしたちを
むかえて
くれるのですね
ああ
ヤれやれやっと
この変装をといて
国王にもどれる
のだな
ぼくも
この女の子の服
ぬいでいいのね?
だ
ど...どう
したのでしょう!!?
軽騎兵の姿が
ひとりも...
ブイエ将軍の
命令はまちがいなく
とどいているはず
なのに...
フェルゼンの
不安は的中
した
どうしましょう
もう日が
くれかかって
きたのに...
ものものしい
騎兵たちの姿は
村人に不審の念を
ひきおこし
兵士たちは持ち場を
ひきあげざるを
えなかったのである
し...しかたない
先へすすもう
つぎのサン・ムヌー
には電騎兵が
まってるはずだ
いまさら
もどることも
できないだろう
しかし
不幸なことに
つぎのサン・ムヌーで
まちくたびれた
竜野兵たちが
酔っぱらって
さわぎをおこしたうえ
国王はもう
こないものと思いこんで
村からひきあげて
しまっていた
あなた!
村の人たち
が...
なんとまあ
すっげえ
でっかい馬車
だで!
いったいなんだべ
きょうは...
兵隊が大勢で
さわいでたと
思ったら
こりゃあ
きっと名門の
亡命貴族
だな
わー
金ビカの
お仕着せたね
さわらせとくれ
こんどは
すげえ豪華な
後装馬車だ
ねえ
あんたたち
どっから
きたのかわ
国王陛下
どうしましょう
しっしっ
よるな
この!
し...しかたない
つぎのヴァレンヌ
まですすもう
あそこなら...
フイエ将軍
直接指揮の
兵士がいっぱい
いるはずだから
わあーん
なんだもう
いっちまう
のけ?
ねーっ
パリの話
きかせて
よ
サン・ムヌー宿駅長
ジャン・ドルーエ
28歳
きれいな
ドレスもっと
見せておくれ
よくん
シャコバン・クラブ員で
熱烈な革命家である
おれのカンに
くるいが
なければ...
なんだって
国王がこんな
ところにいるのが
知らないが...
ともかくヴァレンスへ。
先まわりだ
あれは
国王一家だ
ヴァレンヌ
夜11時
とまれ
ーっ
旅券を
見せてもら
おう
いきさきは?
フ...フランク
フルト...
早くして
くださいませね
わたしたちは
いそいでるのです
ドルーエさん
旅券はべつに
不審な点は
ないようだし...
なにいってるんだ
市長さん!
これは
まちがいなく
国王一家だ
馬車から
おりて
いただこう!
な...なぜですの!?
わたしたちは...
おりろ!!
そこにいる
従僕に変装した
男が国王じゃ
ないとでもいうのか
顔を見れば
わかる!!
ちがい
ます!!
ば...馬車を
だして
早く!!
いかせるな
とめるんだ
!!
ドルーエ
さん!
それは...
ですから今まであれば、
どうだい
フランス国王
ルイ16世...
うるわしき
奥方さま
ヘっへっへ...
そして..
王太子
ルイ・シャルル
!
無礼者
!!
まちがいない
国王一家だ
国王だ
国王だ
カレ
警鐘を!じゃったん
町中の人間を
おこすんだ
国王だ
ぞーっ
すべて...
終わった...!
ヴァレンヌ市長
ソースの家
顔をだせ
!!
国王が
なんだ
ってこんな
とこにいるんだ
なんだ
なんだ
市民
ドルーエ!
たったいま
パリから
国民議会の
使者がつき
ました
なに!!
思った
とおりだな
!
国王一家が
テュイルリー宮を脱走して
国境へむかったので
見つけしだいつかまえて
おくりかえすように
との命令書だ!
さあ
おきろ
ガキども
パリへ
帰るんだ!!
わああーっ
いやーん
こんな紙きれで
わたくしの
子どもたちを
けがされたくは
ありません...!
パリへ
バリへ
!!
パリへ
帰れ!!
さもないと
国王を撃ち
殺すぞ!!
こうなったら
どうか
1分でも長く
時間をかせいで
くださいまし
きっと
ブイエ将軍が
軍隊をひきいて
たすけにきて
くれるはずです
にがさない
ぞ!!こくん?
国王
でてこい
わわかった
しょくん
バリへかえろう
だが
そ...そのまえに
2・3時間ほど
休ませては
もらえまいが
ごもっともで
ございます
ではとて
お食事の
用意など..
いやだめだ
すぐに出発
していただく!?
で...でも
わたしたちは
とても
つかれているの
です!
すぐに
出発だ!!
だまされ
ないぞ!!
ブイエ将軍が
ちかづいて
いるんだ
ぐずぐず
するな!!
パリへ
帰れ!!
パリへ
パリへ!!
国王
でてこい!!
国王のくせに
祖国を見すてて
にげだすなんて
ひきょう者め!!
おれたちを
うらぎった国王
なんかもう
いらねえぞ!!
国王と王妃を
死刑にしろ
!!
でてこい
国王!!
お...おききの
とおりでございます
どうかすぐ
ご出発ください
では...
さもないと
もうお命の
安全を保証
いたしかねます
どうか...!
馬車を...
戸口へ...
フェルゼン...!!
フェルゼン
すべて終わりました
どうか
あなただけは
ぶしににけて
わたしのぶんまで
生きてください...!!
国王と
王妃だ!!
でて
きたぞ!!
でて
きたぞ!!
撃ち殺せ!!
でぶ豚と
あまっちょめ!!
殺せ
殺せ!!
この
めす狼め
!!
なにを
するの
です!!
こんなドレス
着こみやがって
淫売婦が!!
こうして
やる!!
さあ
ひけひけ
だいじょうぶだ
にがさないよう
ちゃんと
バリまでつれて
帰るぞ
どうだい
アントワネット
やい!
つらを見せろい
!!
思い知ったか
乞食女め
!
この
乞食女
!!
オーストリア
女!!
泣いて
みろ!!
シャルル
さあ...
かあさまの手に
つかまって
馬車に
のるのよ
ママン・レーヌ
ママン・レーヌ
こわい..
こわいよう
こわいよう!!
なにがあたし
王太子だ
私生児め
どうせ...
国王の子
なんかじゃ
なくて
フェルゼンの子
なんだろう
あ!!
さっさと
馬車にのれ
乞食女!!
しぶといあまだよ
涙ひとつ
見せやしない
こんちきしょう
顔を見せろ
アントワネット
!!
いいさまだよ
べっぴんさん!!
これからよそでも
さぞかしたんと
にたようなめに
あわせてもらえる
こったろうよ!!
ゆるさない
民衆のだれひとり
にも...!!
ゆるさない
...
せいぜい
命に気を
つけるんだね
っ
フランス王妃
マリー・
アントワネットの
涙を見ることは!!
さあ!!
パリへいく
ぞー
ーっ
国王を
つかまえ
たぞ!!
出発
!!
地獄のようなハハハ
バリ帰還が
はじまった
群衆や国民衛兵に
とりまかれ!!
緊声をあびながらの
それはさながら
フランス王政の
終焉
ルイは大きな女だった
太陽王を
頂点とする
ブルボン王朝の
葬列で
あった...
ああっ
ブイエ将軍
どの
しまった
う...!!
おそかった
か.....
しかたない
まごまご
していては
こっちが
あぶない
く
すぐに...
国境をこえて
にげよう
退却ラッパ
を!!
ベルギー国境都市
アルロンにおいて
フェルゼンは
プイエ将軍から
すべてをきかされた
破滅だ
すべて
終わった...
おお!!
ぼくを......
運命はかくも
われらを
あざわらうのか!
あわれんで
ください...
とちゅうの町々での
民衆からの
たえがたい侮辱と
おとかしに
身も心もズタズタに
なり
国王一家が
ようやくバリへ
かえりついたのは
3日後の
6月24日であった
うらぎり者
!!
国王が祖国を
見すてて
にげだす
のか!?
王政を
廃止して
共和制を
!!
*共和制と君主制(王政)
夫和制は...
国民主権・自由・
平同・民主主義を
原理として
国民のえらんだ
代表が政治を
もう
国王なんか
いらないぞ
王政廃止
しろ!!
国王と
王妃を
死刑に!
するしくみで
これと反対に
ひとりの君主(国王)
が国をおさめる
しくみを君主制と
いう
すばらしい
ご旅行を
なさったもの
ですな
国王陛下
人権宣言を
みとめると
おっしゃりながら
あなたは
革命をうらぎり
フランス国民を
うらぎられたのだ
.....そろそろ
本気で
共和制を考える
ときがきたようだ
な...
あすの議会は
あれるぞ
王政派の連中に
ひとあわ
ふかせて
やらねば
ならんだろう
ロベスビエール...
当時フランスでは
すでに平民の中にも
財産をもった
裕福な平民と
まずしい民衆との
差がはっきりと
あらわれていた
工場主や
商店主や銀行家で
財産のある平民は
ブルジョワ階級と
よばれ
彼らはまだ
穏健な
立憲王政によって
革命をすすめて
いくことしか
考えてはいなかった
のである
革命によって
力をえてきた
まずしい民衆の中に
しだいに王政廃止
共和制を望む声が高まり
この
第四身分ともいうべき
まずしい民衆と
ブルジョワ階級との
対立は
すでに
議会内における
議員どうしの
深刻な対立となって
あらわれていた
すなわち...
ジャコバン派と
フゥイヤン派との
対立てある
そんな中で
共和主義をおしすすめ
終生かわらず
まずしい民衆の
味方であったのが
ジャコバン党の
若き指導者
ロベスピエールで
あった
あなたは
専制と険昧の
とうとうたる流れに対して
ゆれうごく祖国を
ささえておられます
わたしは
神のような非凡な
あなたの乗線によって、
あなたを知るに
すぎません...〈騎〉
あなたは一地方の
隊員であるばかりでなく
人類および国家の
繊異であられるのです
当時
エーヌ県プレランクールの
国民衛兵連隊長
であった23歳の
サン・シュストが
はじめてロベスピエールに
あてた手紙である
ああ
国王陛下
ごぶしで...
みなのもの
心配をかけた
わしはぶしに
もどってきた
国王陛下
王后陛下
!
お...王妃
さま...!?
お髪...
あ...!!
あ...あ・
わたしの
髪...
しかし、
5日間の
逃避行の恐怖は
マリー・
アントワネットの
美しかったブロンドを
老婆のような白髪に
かえてしまっていた
安心してください
わたしはまだ
生きております
お返事は
書かないでください
けっしてこちらへ
おいでに
ならないでください
つかまれば
殺されます
あなたを
愛しています
どうか暗号で
お返事をください
あなたからも
おなじことばを
おきさしたいのです
わたしはあなたに
手紙をかかずには
もはや生きていることが
できません!
ヴァレンヌ逃亡事件を
きっかけとして
車命は急速に
新しい方向へ
かじをとることに
なる
共和制!
あ...あ...
愛して
いま...す...!!
それは...
国王と
アントワネットに
とって
ただひたすら
断頭台への
まっすぐな
道であった
いまや
ブルジョワ階級と
その代表は
革命によって
力をましてきた
貧しい労働者たち
〈プロレタリア階級〉が
じぶんたちの財産を
おびやかすのでは
ないかと
おそれていた
そこで
じぶんたちがはじめた
革命をこれ以上
進行させないために
こんどはなんとか
王政をまもろうと
いう気持ちに
なっていた
王政廃止と
共和政を要求して
バリの
シャン・ド・マルスで
デモ行進をおこなった
ジャコバン党員と
貧しい労働者に
たいし
1791年
7月17日
ブルジョワ階級の
側であった
ラ・ファイエット将軍は
国民衛兵をつかって
容赦ない唐殺をおこない
50人もの
死者をだした
シャン・ド・
マルスの
虐殺である
この事件によって
ラ・ファイエット将軍は
辞職し
以後議員
どうしの
あらそいは
ますます
はげしいものと
なっていく
そんな中で
9月14日
ばんざあいの
!!
ばんざあい
ばんざあい
!!
フランス
ばんざあい
!!
ついに
フランス国憲法が
完成され
国王はこれに
裁可をあたえた
ばんざあい
!!
国王にのこされた
唯一の権限は
議会のつくった法律が
気にいらないときに
それを拒否できるという
拒否権(ヴェト!)
のみであった
われらが
憲法
ばんざあい!!
愛するフェルゼンの
ゆくえを知る
こともできず
とち
ゆうえとっ
紛失されたため
フェルゼンからの
手紙を見る
こともできず
――やがて半年が
すぎようと
していた
知っていますか
お義姉さま
フェルゼン伯は
いま
オーストリアに
いらっしゃる
そうですわ
オーストリア!!
わたしたちを
すくいだすために
力をつくすよう
オーストリア皇帝を
脱得なさっている
そうですのよ
ああ...
はたして兄が
うごいてくれる
でしょうか
もはや
たすけだしたところで
一文の得にもならない
わたしたちのために:
オーストリア
ウィーン
フェルゼン...
わたしはあなたが
どこにいるのか
知りません
なんの使りもなく
変する人が
どこにいるのかすら
知らないというのは
おそるべき苦しみです
同封
いたしました指輪は
特別にあなたの小麦ころっきて
す法にあわせて
つくらせたものです
わたしはこれを
2日間
じぶんの指に
はめ
この
脈うつ愛の心を
わたしの血の温かさを
しみこませました
フェルゼン・フュルギン・
あなたを愛します!!
すべての人間のうちで、
わたしをもっとも変する人
またわたしに
もっとも愛されている人
あなたに
心からの抱擁を
おくります!!
その
金の指輪には
王家の紋章である
百合の花と一緒に
ひとつのことばがり
きざみこまれていた
「おくびょう者よ
彼女を見すてる
者は......
おくびょう者よ
彼女を
見すてる者は
プロシアも
ロシアも...
オーストリア
さえ...
ヨーロッパの王の
だれひとりとして
力をかしてくれる
者はいなかった...
なんですけど...
じい!
じい
旅の用意だ
パリへいく!!
それぞれの
ハンスさま
お気が
ふれられたか
!?
パリへ!!
犬死にで
ございます
バリ中に
あなたの
逮捕状が
あふれていると
いうのに
だいじょうぶだよ
カツラをつけて
変装していく
こうなったら
ひとりでも
国王ご一家を
おすくいせねば
ならん
いやで
ございます
!!
おどき
じい!
いえ
どきませぬ
どけ!!
なぜ
ズウェーデン人である
ハンスさまが
フランス王家のために
そうまでなさる
必要がありますのか!?
どきませぬ
!!
おまえに...
命をかけた
愛というものを
見せてやろう...
もとより
生きてパリから
帰れるとは
考えていない
愛の狂気に
とらわれた者の
死にざまを
見るがいい
遠くはなれて
あれば
あるほど
愛する女の
かぐわしいほほえみが
狂おしいまなさしが
風にのってぼくを
とらえに
おくびょう者よ...
いくぞ!!
おくびょう者よ!!
彼女を
見すてる
者は...
1792年
2月13日...
フェルゼン伯
!!
なんという
命知らずな.....!
フェルゼン伯
フランス中があなたを
さがしているの
ですぞ!
あなたの
首にどんな
高い賞金が
かかって
いるか...
わかっています
ジャルジェ将軍
ぜひ
あなたのお力を
おかりしたい
のです
ジャルジェ将軍
亡命もなさらず
フランスにとどまって
国王陛下への忠誠を
おちかいになった
あなたです
力をかして
ください
わたしはこん夜
テュイルリー宮へ
しのびこみ
新しい逃亡計画を
国王陛下にお話
するつもりです
テュイルリー宮へ
!!
殺されに
いくような
ものだ!
わたしが
殺されたら
あなたがあとを
ついでください
わたしは
むかし
このフランスに
生涯最高の
友をひとり
もっていました
オスカル・
フランソワ...
ふしぎな
ものです
彼女は
事命に生き...
わたしは
こうして
さいごの貴族
王党派として
生きている...
フェルゼン伯
できることが
あれば
どんなことでも
やりましょう
陛下のお役に
たっために
フランスに
のこったのです
ジャルジェ
将軍.....
ん!?
しめた!
合カギが
まだつかえる
いま
この一夜に
かける..!!
愛しい人よ
永遠を誓い
命ささげた人よ
あい見初めてより
19年
その歳月を
おお
つめてえ!
なんちゅう
家さだ
こん夜は
ん?
どうした!!
相棒
いま
そこの隅で
なにか
音が...
まったく
逃亡事件以来
見張りも
らくじゃねえ
ぃいよいいよ!
いこうせ
なんにもないよ
いや...
ちょっと
見てくる
ちっ
かってに
しろ!
おれは
いくぞ
マリー・
アントワネット
わが女王...!!
フェルゼン.....!!
フェルゼン
なんという
ことを...
なんという
ことを...
あ...
あなたは...
わからな
かったの
ですか!?
どうして?
だれがきて
ほしいと
いいました?
ああ
わたしのしあわせより
わたしの命より
ずっとずつと
あなたの命のほうを
愛しているのだと
いうことが
わからなかったの
ですか!?
...ぁんっ、っ。
じゃあ...
それは...
...
いっさいが..
わたしを..
ーー...こいっさいが
わたしを
御身がもとへ
みちびく...
いっさいが
わたしを
御身がもとへ
みちびく...!
...フェルゼン家の
紋章がほって
ございます
未来永却
わたくしの妻は
あなたひとりです
わかって
いました...
どんなに遠く
はなれ
国をへだてて
いても
あなたのために
アントワネットは
生まれて
きました
この髪も
この胸も
血のさいごの
ひとしずくまで
すべて
すべてただ
あなただけの
ものです
なにものもけっして
わたしとあなたの心を
ひきはなすことは
できませんでした
フェルセンが
命を賭して
かちとったその夜
ふたりははじめて
むすばれた
瞳と瞳を
あい交わし
若い魂をうちふるわせた
はじめての出会いの日から
19年...
ふたりを裁く者は
ただ神のみ...!!
せっかくだが
わたしには
この逃亡計画を
実行することは
できない
フェルゼン伯
お話はよく
わかりました
しかし...
国王陛下!?
いきなり
命の危険を
おかしてまで
わたしたちを
見すてずに
きてくださったのに
すまないか...
わたしは
フランス国民と
国民議会にたいし
もうバリから
にげださないことを
約束したのだ
国民との約束を
やぶるわけには
いかない...
それが...
国王として
さいごのつとめ
だろうと思う...
国王陛下
わたしは
知っている
いまや
わたしは
世界中から
見すてられて
しまった..
亡命した
貴族たちが
わたしのことを
決断力のない
腰ぬけだと
せめているのを
安全な場所から
人を非難するのは
たやすいことだ
いままでだれもい
わたしとおなじ立場に
ただされた者はいなかった...
危険から
のがれるよりも
危険のなかに
あってこそ
より美しく
女王らしく
ありたいと
わがっています
もはや
「わたくしたちは
たすかろうとは
思って
いません...
陛下...
お...お...
陛下!
さあ
フェルゼン伯
夜が明けない
うちに
バリをたたれよ
国王陛下
国王陛下
いまは
わしらのために
ひとつの命でも
一滴の血でも
うしなって
ほしくはないのだ
さあ
フェルゼン...
戸口まで
おおくりします
フェルゼン
伯
ありがとう...!
さいごまで...
さあ
だいじょうぶです
いまのうちに...
フェルゼン...
ほんとうに
ありがとう
あなたが
きてくれたおかげで
勇気をもつことが
できました
母マリア・テレジアの
名をはずかしめぬ
りっぱな女王として
死をまちます...
恋する女と
してより..
王妃として...
なぜだ...
なぜだ...!?
女王として
生きる道を
おえらびに
なるのか...
あなたは...
愛しあうよう
さだめられて
いたのに...
19年間も
心から愛しあって
きたの...に...
なぜ...
こ...んな...
...それは
絶望的な
予感であった
もう
にどとふたたび
生きては
あい見ることは
ないであろう
なつかしい姿を
やさしい声を
もはや
にどと見ることも
にどと聞くことも
この世では
ゆるされないであろうと...
ひ...人が
きます
フェルゼン
はやく!
はやく!
いって!
いって!!
フェルゼンも
アントワネット
さま!!
ごきげんよう!
おしあわせに
...!
アントワネット
さま!!
アデュウ
アデュウ
永遠に.....
さようなら!!
だれよりも
だれよりも
あなたを
愛します!!
...それが...
王妃
マリー・アントワネットと
スウェーデン貴族
ハンス・アクセル・
フォン・フェルゼンとの
この世での
最後のであいで
あった...
1792年
4月20日
フランスは
オーストリア・プロシア
連合軍との
載争に突入した!!
革命の思想が
じぶんの国に
ひろまることを
おそれていた
ヨーロッバ諸国王に
たいして
!?
いちはやく安全な
外国へのがれていた
国王の弟たち
アルトア伯と
プロヴァンス伯が
この機会に
兄を亡きものにし
王座をじぶんたちの
手にいれようと
さかんに
フランスとの戦争を
すすめていったからで
あった
おねえさま
おねえさま
わたしたちは
どうなるの
でしょう!?
フランスが勝っても
オーストリアが
勝ってもどのみち
殺されるに
ちがいないわ!!
おちついて!
とりみだしては
いけません
エリザベス
わたしの義妹
アルトア伯に
プロヴァンス伯
!!
ああ!!
血のつながった
兄弟で
ありながら
わたしたちが
民衆に殺されるのを
ねがっているなんて!!
地獄へおちるが
いい!!
まちましょう
まちましょう
きぜんと!
人間は
さいごまで
態度を
うしなっては
なりません
王家の
人間である
誇りを
わすれないで!
あ...
お義姉さまあ
ああ...あ...
あなたが
この国へ
嫁いできたのは
このような
不幸を
あじわうために
だったとは...
国王陛下...
たて祖国の
祖国の
栄光の
日はきた
暴虐の
血にまみれた
平成が
やってくる
やつらは
おれたちの
数や子どもを
殺しに
せめてくる
〝祖国は
危機にあり!!
の宣言にこたえ
続々と義勇軍が
パリへ
あつまってきた
武器をとれ
市民たち
そして隊伍を
くめ
さあ
進軍だ!
フランス
各地から
ひときわ高らかに
〝ライン軍のうた〟を
うたいながら
バリへはいってきた
マルセイュ義勇軍
名もない一兵士が
一夜で作詩作曲した
このときの
プライン軍のうたこそが
〝ラ・マルセイエーズ』と
よばれこんにちの
フランス国歌となっている
はてしない
戦争
ジャコバン派と
あらたに勢力を
ましてきていた
ジロンド派の
議員どうしの対立
たびかさなる
民衆の
テュイルリー宮殿
襲撃
そんななかで
8月だっ
国王一家は
いっさいの橋利を
うばわれ
テュイルリー宮から
タンプルの塔へ
うつされることに
なった
どうしに
また国王のまわりに
忠誠をちかって
のこっていた
最後の廷臣たちも
べつべつの牢獄へ
うつされることになり、
やがて彼らは
裁判もうけられず
民衆の手で
虐殺されて
いったのである
〈9月度殺損症者約20名
顔を見せろ
オーストリア
女!!
おききなさい
ルイ・シャルル
これからはもう
じぶんのことはぜんぶ
じぶんでするように
しなければ
なりません
わすれては
なりません
ヨーロッパで
いちばん美しい
このフランスは
あなたのもの
フランスが戦争に
負ければいいと
思ってるんだろう
やがてあなたは
この国に
国王ルイ17世として
君臨するのです
強くおなりなさい
どんなことがあっても
それから
マリー・
テレーズ
あなたは
姉としての
立場を
わすれずに
いつまでも仲よく
シャルルと
たすけあって
いくのですよ
はい!
おかあさま
ああ
負ければいい!
フランス軍なんか!
オーストリア・プロシア
!連合軍がはやく
バリへ優入してきて
事命なんか
こなごなに
つぶれて
しまえばいい!
9月21日
これまでの議会は
解散し
8月中旬に
オーストリア・ブロシア
連合軍は国境を
こえ、フランスに
侵入してきていたが、
このときプロシア軍の
練習に文裏ゲーテが
従軍していた
あたらしい
憲法制定の
目的をもって
国民公会(コンヴァン
シオン。ナシオナルン
の幕がひらかれた
この国民公会に
第1位でえらばれたのが
シャコバン派の指導者
ロベスピエールであった
そして
ロベスピエールの
かたわらに
以後
影のように
よりそうことに
なるであろう
あやしいまでに
冷たい美しさを
たたえた
最年少の議員
レオン・フロレル・ド・
サン・ジュストの姿が
この日
国王ルイ16世にたいし
王政の廃止と
退位を通告した
9月21日
フランスは
正式に言われて
共和国と
なることを
宣言!
やがて
国民公会では
ルイ16世の処刑に
ついての激烈な討議が
開始された
国王の処刑
だって!?
とんでもない
たとえ...
共和制になっても
国王の神聖と
不可優性には
かわりがないぞ
そんな
おそろしいことが
許せるか
そうだそうか。
では
つぎーっ
なにを
ひっこめ
ジロンド野郎
反逆者め
議会には
国王を処刑する
権利はない!!
へ?
こうくっ
サン・ジュスト
議員ーーっ
国民公会
初代課長
がんばれ
きみのデビュー
だ
はい
ロベスピエール
あ...
あはは...
どうした
声がでない
ぞ!
女みたいな
顔をした
ジャコバンの
ぼうや
ルイは
かつては国王で
あったけれど
共和制が確立
されたいま
国王の不可優性は
すでに消滅している
国王はただちに
裁判にかけられ
国民の敵として
すみやかに処刑
されなければ
ならない!
国民のものである
主権を
ひとりじめにし
国王として
君臨すること
そのものが
罪なのだ
祖国が
さかえるために
ルイは
死なねばならない
!!
歴史に
のこる
名演説で
あった
36票対360票
ただー票の差で
ルイー6世の
処刑は決定
した!!
1793年
1月20日
裁判のあいだ中
家族から
ひきはなされ
ていた国王は
死刑の日の前日ようやく
死刑の日の
前日ようやく
愛する家族との
最後の別れを
ゆるされること
になった
あなた..
あなた!!
お...お...お
ひどい...!!
おにいさま
ただ国王だったと
いうだけで
なんの罪もないのに
とうさま
うわああ
...!!
とうさま
死んじゃいや!!
ぼくはこんなに
とうさまを
愛しています
おねがい!!
おねがいだよ
死なないで!!
とうさまが好き
とうさまが好き
!!
わたしの妻
わたしの妹
わたしの
子どもたち..
なんとわたしは
おまえたちを
愛していた
ことだろう!!
力弱きおまえたちを
残していかねば
ならぬとは...
なんという
苦しみだ!!
ぼうや
よくおきき
とうさまは
神のご意志で
断頭台へ
のぼる
だから
とうさまが死んでもイ
けっして復しゅうを
しようなどとは
考えないと
約束しておくれ
わかりまし
たね
それが
とうさまの
最後の
おねがいだ
さあ...
とうさまの
最後のおねがいを
守ってくれると
手をあげて
誓いなさい
ち...
ちかい...ます
とうさま!!
とうさま!!
とうさまあ
~~~っ!!
時間です
おわかれは
これまでです
処刑は
明日の朝
10時から
おこなわれます
あなた
あなたあ
...あ...
おねがいです!!
ぼくを
公安委員会の
方たちのところへ
つれてって!!
とうさまが
死ななくても
すむように
い...委員の方たちに
おゆるしを
ねがいに
いかせて!!
おねがい
です!!
ね~!!
おねがいです
お...ねが
い...
シャルル...
さあ...
さようなら
わたしの人生を
愛で
つつんでくれた
優しい者たち
この身は
ほろぷとも
魂は水遠に
おまえたちの
そばちかく
めぐりつづけよう
愛しい者たち!!
さようなら...
さようなら!!
愛のない
政略結婚では
あった
わたしは
あの人を愛して
いたのだと
これもまた
愛であった
のだと...
しかし
妻とよぴ夫とよび
20数年間を
ともに生きた男性の
深い愛情と
誠実なやさしさは
真実のものであった
はげしい
恋愛感情では
なかったにせよ
体にしみわたる
長い夜を
アントワネットは
思いつづけていた...
第9巻
ベルサイユのばら
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