★この作品はフィクシヨンです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。デジタル配信用に再編集を行っています。 みらいはぉれらのてのなか ザ・チョイスイズ・ロアーズ だってあいつらがオレをからかうから... 「動物としゃべるとか普通じゃない」 「気持ち悪い」って.. おやおやそれは困ったねぇ でもね弐郎普通じゃないってのは素敵なことなんだよ? だってそれは弐郎にしかできないことがあるってことでしょう? いつかわかるよきっと... みらいはおれらのてのなか一人一人で【未来は俺等の ...おいコラてめー誰に喧嘩売ってっか分かってんのか? 俺らの先輩はこの辺シメてる「泥紋」の頭やってんだぞコラ 虎の威借って粋がってんじゃねーよ ねぇぞゴラァァアア!! てめーはそこで頭でも冷やしてろ 何なら二人いっぺんでもいいんだぜ? 群れねぇと何にもできねーヘタレ共がよ なめんじゃねぇぞゴラァア!! へっしょうもねぇ奴らだ... 最近あいつらが溜まるようになってなぁ 挙句ロケット花火でワシらを狙ってほとほとくるわで もう夜まで騒ぐわゴミは捨てるわ... しかし...大丈夫か弐郎? 気にすんなそーいうの慣れてっから これでしばらくは安心できそうだ 目つき悪すぎてしょっちゅう絡まれてるしな弐郎は これじゃお前が奴らに恨まれるんじゃ... うるせーよ焼き鳥にすんぞクソカラス お前らもあんまゴミとか荒らすんじゃねーぞ また喧嘩してきおったな!! 何度言ったら分かるんじゃ馬鹿たれが! お前に忍の体術を仕込んだのはそんなことの為ではないぞ!! 見よ弐郎!これこそが我が我妻家に伝わる忍刀よ! 江戸時代にご先祖様が将軍より賜った由緒正しき家宝 お前も我妻の名に恥じぬ行動をせんか愚か者め!! ハッどうせ鈍らのパチモンだろ 身をもって知るがいい!! うわあああやめろぉおおお!! 滅茶苦茶しやがってクソじじいめ... 帰るのは夜中になるからの 夕飯は適当に済ませとくんじゃぞ それと「戸締り」もしっかりな ...ったく何が戸締りだよ いつまでもガキ扱いしやがって... おーいじろーい弐郎ー! さっきのカラスじゃねーか どうした?食いモンでもせびりに来たのか? いいからちょっとついて来い! おいどこまで行くんだよ! 通りすがりにたまたま見つけたんだよ 一応まだ生きてるみたいだか 呼びかけても反応しねぇんだよ... クソ...そうとう相当弱ってるな 日輪を喰らう黒き凶星よ 永ぎ眠りから醒め我々に力を貸せ かって...勝手に叩き起こしやがって 己は誰にも力なんぞ貸さねぇよ 従わないと言うのならば仕方がない いやー傷だらけでどうなるかと思ったけど ちょうど水持ってきたから飲めよ お前なかなかタフな野郎だな 言ったってわかるわけねェだろ 野良でも名前くらいあんだろ? 誰が馬鹿だぶっとばすぞコラ そりゃ会話できる人間なんてはじめてで 驚くのも無理ねぇけどよー 別にとって喰ったりしねぇから出て来いよ 妖気は感じねェから人間なのは間違いねェ... 己は梃子でも動かねぇぞ 据え膳食わぬは男の恥って言うだろうが 猫が一端に男を語ってんじゃねーよ 妖怪・怪異あやかし悪霊... 呼び方は色々あるがとにかく ちょっとカマかけてみるか そういう化物がいんのさ 普段は人間や動物の姿をして 何食わぬ面で街ん中で生きてる まァ中にゃあ森や山奥で隠居してる連中もいるがな で?その物ノ怪サマがなんでまたあんなことになってたんだよ こいつ本当に何も知らんのか.. すっ惚けてるようにゃぁ見えねェ... 詳しいことは己にもよく判らねェ 何だそりゃ?仲間割れか? それをいきなり叩き起こされたと思ったら なんせ永いこと眠らされてたんでな 見知らぬ物ノ怪共が己を囲んでやがってな ...でそいつらが仲間になれだの抜かしやがるから 己ァんなもん興味ねェって蹴ってやったら でもなんで断ったんだ?同じ物ノ怪同士たろ? あーなるほどそれでフクロにされたってわけか 群れて粋がってる奴らがな ...ってこんな話したところでどうせ人間の手前ェにゃあ信じられねェだろうかな ...まぁ正直何が何だか全然分かんねぇけどよ でも別に信じられねぇってわけじゃねぇぜ 動物と喋る人間がいんだぜ? 物ノ怪がいても不思議じゃねーだろ ...鬼子母神から本部 濃度的にもついさっきまでここにいたみたい もしかしたらまだ近くにいるかも よしすぐに捜索部隊を再純成する 残留妖気は一種類でここで途切れてる このくらいあたし一人でもできるのに.. マジでもう傷ふさがってるじゃねーか お前ホントにただの猫じゃねぇんだな 手前ェ...やっぱり信じてなかったのかよ 拗らせた痛い猫のたわ言かと思ってたわ あーでもこうやってっとなんか那智を思い出すなぁ 昔ウチにいた犬のことだよ 白くてデカくてまるで婆ちゃんみたいに優しい奴でよ 色んな意味でお前とは正反対だったな 当時のオレは学校でよくいじめられてよ そんな時那智はよく風呂に入れてくれって言うんだよ しょっちゅう傷だらけ泥まみれになっててさ 「私の汚れと一緒に嫌な気持ちも洗い流しちゃいな」 「おかげで好きな時に洗ってもらえるからね」 「でもせっかくだから」 「私以外にも手を貸してあげてね」 「弐郎にしかできないことだから」 ほぼぶばばばばばばッ! ッ...何でもねェよ! 礼ぐらいしてェとこだが 力が戻ったわけじゃあねェか... だが今は泣き言も言ってられねェ 早いとここっから離れねェと.. おいおいフラフラじゃねぇかよ てッ手前ェ何時の間に...! うるせぇな大声出すなよ夜中だぞ 下らねェことしやがって... そんな状態でどこ行くつもりだよ 手前ェにゃあ関係ねェよ お前を助けてやったのはオレだろが ハッ助けてやっただと? 助けてくれなんて頼んだ覚えはねェよ 手前ェで勝手に助けといて恩人面してんじゃねェよ あのまま死んだって構わなかったんだよ... それも手前ェにゃあ関係ねェ話だ... ...いい加減にしろよ どういう事情か知らねぇけどな 死んでもよかったなんて言ってんじゃ... どちゃごちゃ五月蝿ェな その喉笛その明谷喰い千切るぞ小僧 忘れてたわけじゃあねェだろう 己は物ノ怪人を喰う化物だ 葵が...もう追ってきやかったのか... 勝手に人ん家入ってきて何言ってんだ オレぁ今イライラしてんだよ もっと急がんと追いついちまうぞ? 逃げ切れなくていい... このまま何とか出来るだけ遠くに... どうやらあれで本当に全速力らしいな 弱ってるとは聞いてたがまさかここまでとは つまんねぇ鬼ごっこだったぜ こんなのが伝説とまで謳われた物ノ怪 黒き凶星羅睺とは... ...なぁ悪いことは言わねぇから一緒に来い 俺達もお前の封印解くのに結構苦労したんだぜ? 俺も出来れば同族殺しなんてしたくねぇよ 手前ェらは己の力が欲しいだけだろうが ...そんなに欲しいなら 覚悟があるならなァ!! バカはてめぇだバカ野郎 てめぇが死んだらオレは助け損になっちまうだろがタコ! そんな下らねェ理由で来てんじゃねェよど阿呆! 状況ってもんが分かんねェのか!餓鬼の喧嘩じゃねェんだぞ!! あーもうごちゃごちやうるせぇ奴だな!! 下るも下らねぇもねぇだろ お前を助けたのはオレなんだ それを中途半端で放り出せっかよ あいつは二人とも殺る気だぜ よく分かってるじゃねぇか人間... ...しかし妙な餓鬼だな この姿を見ても大して動揺してねぇ それにその刀とさっきの身のこなし.. そんなに嬉しかったか? もがいてもただ苦しいだけだぞ あそこから斬り返すとは人間のくせに根性あるな 流石忍の血筋だ変めてやるよ 随分と喰ってないんだろ? 腹が膨れて力が戻ればきっと考えも変わ: 己が何の為に黙って出ようとしたかも考えねェで 挙句関わるなって忠告すらも無視しやがって それで手前ェが死んじまったら 助けるも糞もねぇだろうが馬鹿野郎... 確かに手前ェを喰えば己の力は回復するだろう あんな三下に従うなんて痢だからな... 手前ェにゃあ借りがある !?待て羅睺!貴様何を...! どうも厄介なことになったらしい 総員直ちに現場に向かえ よりにもよって忍の人間に力を与えるなど 貴様は物ノ怪を捨て... 自分が何をしたか分かってるのか!! 人間に与するというのかッ!! 何がどうなってんだ畜生... 呆けてる場合じゃねェぞ小僧 おい!いったいなに一体何が... 一つになったところでッ!! お...おい一つになったって何だよ!? 今は奴を倒す方が先だろうが! あんなのどうしろっつーんだよ! 己が...手ェ貸してやる 手ぇ貸すってお前... 後ろから胸ブチ抜かれたと思ったら いきなり身体から変な黒い煙みてーなの出てるし... おい...ちゃんと説明しろよ... 何だ...?おをお...女? こいつはまた厄介なことになったな... 流石にこの展開は想定外だ ...クソッてめぇもさっきの奴の仲間かよ... れっきとしたただの公務員だよ 詳しくはまた後ほど説明してやる 状況から察してるとは思うが いきなり出てきて勝手な 柄尻で昏倒させただけよまごついて暴れられた方が危険でしょ いつもながら職務に忠実だねお前は ...でどうすんのよこいつ とりあえずは傘下の病院で治療と検査だ 万一にも死なれちゃ困る 何せこいつは要だからな 隠密にとっても物ノ怪にとっても 確かなんかだ妙な猫にあって...んでまた お前なんか煙出てユラユラしてんぞ 手前ェなんて穴空いてんじゃねぇか っ痛てててあぁくそ... 丸一日半もよく寝られるわね 意識ははっきりしてるみたい そんなの何でもいいからさっさと戻ってよ! じゃあきのことたけのこ両方買うからな もしもしっ聞いてるか一華? 一方的に上司の電話を切るとは... てんめぇ勝手に消えたと思ったら なーにが「寝てた」だくそったれ!!! オレはてめぇの寝床じゃねぇぞゴラァ!! 起き抜けにギャーギャ!喚くな翼餓鬼が!! ちょっと!病室で大声出さないでよ!! うるせー!つか誰だよお前は!! まずは無事で何よりと言っとこうか 丈夫な身体で良かったな我妻弐郎君 礼儀のなって無ェ若造が 気安く話し掛けてんじゃねェよ 不信感はあるものの害意まではない...か 思ったより状況は悪くないな 最初にどこじゃ自己紹介が必要だったな 約束通りしてくれんだろうな 詳しい説明ってやつをよぉ 『公儀隠密局...だったか? ...どうやら記憶もしっかりしてるみたいだな なんでこっち見ながら言うのよ! 「御庭番衆」を知ってるか? 御庭番...ってあれだろ? 江戸時代に幕府が抱えてた忍の組織だかなんだか... その御庭番衆が明治維新に伴い幕府から新政府に鞍替えしたもの 表向きには存在しない影の公的組織 国内外に対する諜報活動や情報操作 ...と言っても物ノ怪達が事件を起こすことは稀で 近年は専ら人間相手の任務ばかり おかげで物ノ怪を専門にしてる俺の課は立派な閑職...だったんだが 具体的には要人警護やら危険団体の捜査やらまぁそんな感じだ つい先日隠密局のとある施設が物ノ怪の集団に製影された 何を隠そうその施設内で封印されていたのが... 君の中にいる羅睺ってわけだ ...そういや言ってたな 「水いこと眠らされてた」って... 今度はこっちが聞かせてもらおうか そんなことになってるかをさ 事情もよく分からずに首突っ込んで 挙句物ノ怪を助けるなんて あんたおかしいんじゃないの!? その場にいなかった奴が文句言うなくそったれ!! 報告書になんて書いたもんか... ふざけてるとらじわれそうだ そういう問題じゃないでしょ!! ...君も何となく察しているかもしれないが まぁ経緯はともかくとして 羅睺と同化しているのは事実だ 君らは死ぬまでそのままだ とは言え正直な話俺達も 同化を解く方法は知らない んな話いきなり言われてもよ... 「解く方法を探す手段」は持っている 加えてじこう物ノ怪側の動向も分からん以上 やはり君の身柄は隠密局で保護させてもらう 悪いが君に拒否権はない 失踪者として処理される手筈になっている 生憎俺達は正義の味方じゃないんてお 個人の権利を守る義務はない 君ももう小さな子供じゃないんだ やったことの責任くらい跳ね返ってくるさ 君には明朝別施役に移ってもらう それまではここでゆっくりしててくれ 表に護衛を立たせておくから安心して休むといい タオルとか着替えは戸樹にあるからお好きに あ...ちょおい... 何が護衛だ見張りの間違いだろ おまけに「失踪者として処理される」だぁ? ふざけたこと抜かしやがって... こんなもんただの監禁じゃねーか てめーもオレに説教か? 別にそんなんじゃねェよ あの若造は保護するとか抜かしてたが考えてもみろ 後悔してももう遅ェっつってんだ そんな連中がまともな人間扱いすると思うか? 己を封印してやがった張本人達だぞ それに己等を襲ってきた物ノ怪連中にしてもだ わざわざ隠密共に喧嘩売ってまで己を叩き起こしやがったんだ 物ノ怪と同化したお前を そう簡単に見逃すわけもねェだろう どっち向いても味方はいねェ こっち向いてんのは敵意か利己心か或いは... どいつもこいづもごちゃごちや勝手なこと言いやがって! 出るってお前..何処に逃げるってんだよ こーなりゃオレも好きにやってやる! 別に逃げるわけじゃねぇ 手前ェが何考えてんのか知らねェが その後でどうなろうか知ったことか 己の力をあてにすんじゃねェぞ 元はと言えばオレが首突っ込んだ結果だからな おい気を抜くな任務中だぞ でもここ局が管理してる病院なんでしょ? そうそう何か起きたり... クソッ!何だこいつら!? ったく無茶苦茶しやがって... ノリのいい鴉達で良かったぜ まずは上に連絡を... んじゃこれ約束の食い物な 俺らも面白い体験できたしな ...でこっからどうする気だ? どうせすぐ追っ手がかかるぞ そんなに時間はいらねぇんだ どうしてもやっとかなきゃいけねぇことがあんだよ... やっぱ勝手に行方不明にされたんじゃたまんねぇだろ だがお前どうやって説明するつもりだ? 本当のこと言ったってどうせ信じやしねぇだろうよ つっても流石に話の順序はあっからな お前はオレが呼ぶまで出てくんなよな 無断で家を空けておいて第一声がそれか? 一言では言えない事情があるっつーか それを説明しに戻ったっつーか 一体どこまで行くんだよ? 悪ぃけどオレあんまり時間がねぇんだ 説明しなきゃいけないことも色々あるし つかなんでこんなとこに 決まっとるじゃろう... 痛っ...いきなり何すん... 自分が何をしたか分かっとるのかッ!! そりゃ勝手に家空けたのは悪いと思ってるけど そんなことを言っとるのではない! 事情は全て...司場から聞いておる お前が物ノ怪に憑かれたことも それを追って隠密局が動いとることもな... どういうことだよ... 察しの悪い奴じゃな... 元隠密局の人間だからじゃよ どうりで妙だと思ったぜ 自分の身内に殺気向けるなんてな この目で確かめるまでとは思っておったが 疑いようもなくなってしまったか... こうなっては最早致し方なし 孫の不始末はわしの責任... 隠密局や物ノ怪共に利用させるくらいならば お前もろとも羅腋を滅し その後わしも自決する!! おうおう面白くなってきやがった 何言ってんだじじい!? ...おいおい容赦ねェなあの爺 あれがオレの育ての親だよ つってもあそこまでプチ切れてんのは オレも初めて見るけどな... ...我が我妻家が代々弱めてきた体術は ...もっともそれも全て 人も物ノ怪も等しく屠る必殺の武 お前に仕込んだのはあくまで基礎、護身の為なら それでも十分じゃからな わしが自ら無に帰すことになろうとはな... せめてこれ以上苦しまぬよう 何やってんだ馬鹿野郎! 死にてェのか手前ェは!! あの爺本気でお前を殺すつもりだぞ 己が手ェ貸してやっから 余計なことすんじゃねぇよ... 呼ぶまで出てくんなっつっただろ てめぇは...手ぇ出すな ッ...あぁそうかよ!だったら もう勝手にしやがれくそったれ!! なんじゃ那智騒がしいのう 暢気に新聞読んでる場合じゃありませんよ! そーっと...そーっと...のぼったとおりにもどれ... 一人で下りられん木には上るなと何度も言ったじゃろうが!! いっぺん大怪我せんと分からんのか愚か者! ...確かに誰かを助けるのは良いことじゃ それには「力」と「覚悟」が要る 力なきは無謀かくご覚悟なきは無資任 周りの者の手を借りれば良い 今のお前はどちらも足りん半人前じゃ ...じゃあもしまわりにだれもいなかったら? 屁理屈言いおって... その時は..仕方が無い 身も心も強く大きくなれ 高い木でも上れるじゃろう じゃからそれまでは無茶をするな はやくきょうのけいこやろーぜ! ここからは稽古でも子供の喧嘩でもない 目的の為に命を奪い合う修羅の道 誰のものかも判らぬ血で わじの生きてきた世界... ...わしはそんな世界に ...悪かったとは思ってるよ やったことに後悔はねぇ 確かにくっ首突っ込んだのはオレだ... 自分のケツは自分で拭く それがオレの「覚悟」だ もう少しだけオレに付き合ってくれや 何考えてんだ手前ェ... ...其奴の言う通りじゃ弐郎 「カ」と「覚悟」を示したつもりか? 「半人前は周りの奴の手を借りろ」って.. やっぱまだ足んねぇってか... 幸か不幸かオレはもう一人じゃねぇ オレは羅脈の手を借りる 「は?」じゃねーよ!! 分かんだろ!?合わせろよそこは!! 周りの者の手を借りれば 何度言われようが大怪我をしようか きっとお前は変わらんのじゃろうな... 「覚悟」が足りなかったのはわしの方らしいわい!! お前はお前の好きにせい あぁぁ...傷染みるけどやっぱ風呂は良いなぁ... つか風呂で出てくんなよクソ猫 爺臭ェこと言ってんじゃねェよ糞餓鬼が わがままに付き合わせちまって ふんそれで痛い目見てりゃ世話ねェぜ 物事には限度ってもんがある 死に急ぐ様な真似はすんじゃねェ もしまた手前ェが死んだら それこそ己は助け損だろうが いざって時ァ己が力貸してやっから 言いてェ事はそれだけだ ...だからまぁ...そのなんだ... こっからどうなるかなんて分かんねーけど どの道オレらは一蓮托生ってわけだ せいぜい仲良くやってこうぜ 護送車を今そっちに向かわせてます もう間もなく着くと思うんで準備の方お願いします 夜明けまで回収を待つとは随分寛容じゃな司場よ そこは勿論我妻さんを信頼してのことですよ しかし病院を抜けて家に戻ったと聞いた時は ...それはどういう意味でじゃ? これから隠密局で預かるんです そのくらいの根性と行動力がなくては...ね じゃ私は諸々の準備があるのでこれで; 別にないと困るもんもねーし パンツと着替えがありゃ何とかなんだろ 連中が己らをどうするつもりか下手すりゃ分からねェんだ ここにゃあ二度と戻れねェかも知れねェんだぞ 何だよ心配してくれてんのか? 別にそんなんじゃねェよ! ...まビビッても仕方ねぇだろ 「危ぶむなかれ」「行けばわかるさ」って猪木も言ってたしな ...で猪木って誰だ? ...なんでお前がいんだよ 誰かさんがまた抜け出さないようにね 表で護送用の偽装トラックが待ってる あんたはあたしと一緒に荷台に乗ってもらうから 分かったらさっさと行くわよ 時間を無駄にしたくないの ...つーわけでまぁ...いってくるわ 勝手に死んだら承知せんぞ オレがいない間にくたばんなよ ったく...よりによってなんであたしが護衛なんて... うるさいわね実際似たようなもんでしょ これじゃまるで囚人じゃねーか! 大人しく付けちゃったオレもオレだけどよ! ...どういう意味だよ あんたはもう人間じゃない 物ノ怪と同化した化物なのよ 物ノ怪は隠密局にとって取り締まりの対象 つまり今のあんたも例外じゃないってことよ 上や課長が何考えてるかは分からないけど あたしは隠密としての任務に誇りと責任を持ってる 任されたのが護衛ならたとえ対象が何であれ全うするだけよ 女だと思って黙って聞いてりゃ 偉そうに人のことを化物呼ばわりしやがっ... 今なんか後ろから音しなかったか? そうか?気のせいだろ? あたしが嫌いな二つのものを教えてあげる 『女だからってなめてる男』よ 何が言いたいか分かる? あんたの存在を認めないってことよ 分かったら黙って大人しく... 碌に昼寝もできやしねェ... これだから餓鬼は嫌いなんだ てめーさっきから静かだと思ったら まーた一人で寝てやがったな 手前ェらが騒ぐせいで目ェ覚めちまったがな 護衛がこんなケツの青い小娘一人たぁ 隠密局ってのは随分人手が足りねェらしいな ふん...成勢が良いのは結構だがよ 今はもっと気にすべきことがあるんじゃあねェか? なんか霧が濃くなってきたな... この辺りは若干山手だからな 念のためライト点けとくか... なんか道路にでかい影が... 本当に騒々しい連中だぜ... クソ...何だってんだよ...ったく... 局の職員が事故を起こすなんて ...っておいおい何だよ あんま喰い甲斐なさそうだなおい 護送車襲えって言われた時は久々にバイフスアガったのに 蚕開けてみりゃ運転手共は前菜にもならねぇカスだし しっかしとんだ肩透かしだなおい 護衛が出たと思ったらこんなメスガキだしよ 隠密局とかカッコつけといてショボすぎねーかおい? ...どいつもこいつも... 二言目には女だのメスだの.. かっけーじゃねーかおい! 少しは遊べそうじゃん! いつまで手齧ってんだデブ こっちも戦闘モードだ.. デザートの時間だぜ...! タイプの違う相手が三体... 大きい方は動きも思考も級愷だけど 固すぎて,半端な攻撃じゃ通らない... まずは先に小さい方を... ぼーっとしてんじゃねぇよ どうなってんだ外は... 当たり前だ己を誰だと思ってやがる 手前ェらがぎゃーきゃーと乳繰り合ってる時から 乳繰り合ってねーよ!殺すぞクソ猫! 既に結界の匂いがしてやがったからな 包まれた場所は一時的に隠世」になって 外界から隔絶されちまう 手前ェらがいる現世から半歩ずれた世界 あーよくわかんねーけどやべぇってことだろ? ならさっさと手枷外すの手伝えよ! そいつぁただの手枷じゃあねェ 物ノ怪共の領域のこった 妖気を封じる細工がされてやがる 今の己の力じゃあ外せねェよ がぁあぁあああぁああ! 外出てあいつに直接外させる! そんな手枷掛けられてる時点で分かんだろ 結局隠密局も物ノ怪共も大差ねぇ ただ己等を自分達の物にしたいだけ 文字通り己等を「物」だと思ってやがる そんな連中に態々己等が付き合うこたねぇ 勝手に殺し合わせときゃあ良いだろ 今はそんな話じゃねーだろ オレらのために戦ってる奴がいんだ 黙ってられんのかって話だろうが これじゃあ締まらねェな 羅睺が憑依したっつーガキは できれば生かして攫えって話だからな めんどくせーが一応選ばせてやるよ でもなんでこいつらに移送の情報か... 俺らも手ぇ貸すからさっさとこいつ外せ! 己は別に手ェ貸すなんて言ってねぇけどな こっちから願い下げよ! んなこと言ってる場合じゃ... シンキングタイム終了ー お前いい加減にしろよ! 変な意地張ってたらマジで喰われちまうぞ!! おい!聞いてんのかよ! ...お務め中の事故ですって 一葉お嬢様もついこの間五つになったばかりなのに 旦那様は御家をどうなさるおつもりかしら あの奥様が物ノ怪にやられるなんてねぇ... お世継ぎもお生まれになっていないっていうのに... これからたくさんお勉強して たくさんたくさん修業もして お父さまとお母さまのような りっぱな隠密になります...! そしていつか..いつかかならず一華も... 「任務に誇りと責任を持ってる」 「任された仕事は全うする」って.. だったら手段なんか選んでんじゃねーよ ケッきっちり一発で決めろよ なッ?ば...馬鹿な...!! ぼーっとしてんじゃないわよ 痛ててて...あークソ 着地のことまで考えらんなかったんだよ... 今日だけで何回目だよこういうの 「ありがとう」なんて言わないから つくづく可愛げのねぇ小娘だな だから言ったろ放っとけって ...別にんな言葉いらねぇし お前はおれ俺らを守るために 俺らはお前を助けるために戦ったんだ だからお互い様で貸し借りなし ...「お前」って言うな 「おい」とか「お前」とか偉そうに んじゃ一個訊いていいか一華 そんくらい持っとけよ... それらを含めて私の方から上申したいことがあります 羅睺に関する一連の騒動は複数の物ノ怪による組織的犯行と思われますが 現段階ではまだ詳しい規模や目的までは判明しておらず... 我妻弐郎を隠密として運用する 私司場涼介は特務二課課長権限をもって 新部隊の設立案をここに申請します 物ノ怪と同化した者を隠客にするなど... 今のところ羅族に反抗の様子は見られません 少なくとも我妻弐郎に対しては協力的です いずれにせよ敵の狙いは羅睺です ...だが釣り餌は「針」が付いてこそ意味がある 依代の少年は忍の空純と聞いているが使えるのか? 幽閉し腐らせるくらいならいっそ鼻先にぷら下げるのも手かと... 人間相手ばかりで鈍りきった昨今の隠密達よりは有望です 現場で磨けばすぐに刃の切れ味も増すでしょう... 部隊の指揮は責任をもって私が直接執ります まずは少数での試験部隊という想定の下 新人をひともう一人加えた 対物ノ怪特別機動隠密部隊 なかなか面白そうでしょう? えぇ!俺すか!?ここは二人で一緒に運びましょうよ! いやだってこいつ物ノ怪に憑依されてるんでしょ? とか何とか言って本当は佐藤先輩もビビってんじゃないすか? 何でだよ!このくらい一人で担いでいけるだろ! 襲いかかっていきなりきたらどうするんすか!? 馬鹿野郎!!お前それでも隠密か!下らない心配してないでさっさとやれ! なッ...だい何言ってんだそんなわけ.. このまま改送車まで行きました 石鹸なくなってんだけどー! えーいです喧しいのう...新しいの出してやるからちょっと待っとれー! 隠密って変身して戦うんだな 別に変身してるわけじゃないわよ 簡単に言えば錯覚を利用して見た目を変えてるだけよ 流石にいつもあの格好じゃ街中とか歩けないでしょ、目立つ!?レベルじゃ 今のオレらもだいぶ目立ってんじゃわーか? ...物事ってのは時にままならないものなのよ ヒスにしたこっちは良いけよ 完全にコスプレだもんな 胆晋編集脳林...土平 この作品は、デジタル配信用に再編集を行うったものです え...何のあのおねえ 昔から黒色が好きです。何色にも染まらないのに、そんに意外と何色とも合う。 初めてのデータストレス... この漫画もこんなこの漫画もそんな作品になったらいいなぁと思っておりますが、 果たしてどうなっていくか楽しんでお付き合い頂ければ幸いです。 背表紙・カバ一折り返し隊表記はコミックス発売当時のものになります 家表記はコミッククス発売当時のものになります はじめまして、タカキです。こんなところまでご覧頂き、ありがとうございます。 そもそも一番最初に「現代舞台でバトルアクションがやりたい!」というところからはじまりまして。そうなった時に何かしらモチーフがあった方がいいだろう、と。 そうしてあれこれ考えた結果、行きついわたのが「忍者」でした。 忍者は、今や日本のみならず海外でも認知されるほど有名な存在です。 それはひとえに偉大な先達が、様々な媒体で忍者をテーマにした名作を生み出して下さったお陰だと思います。 漫画、小説、ゲーム、実写...。 あらゆる形でアレンジされ、リライトされてきた忍者。 つまり、割と無茶な解釈しても許容してくれる...はず。 なので本作の忍者〈隠密〉は公務員であい、特殊部隊のようでもあり、人間は勿論、物ノ怪とも人知れず戦う、忙しい人たち。 まぁ、このくらいの設定であれば忍者先輩の大きな器は余裕で許容してくれるかなぁ、と。 とはいえ、これからお話が進めば更に色々な要素が追加されていくと思います。 サイボーグとかロボとか、禁断の術をか呪われたアイテムとか...。 やりたいことは尽きますせんが、そういったものが出てきた際に「忍者なら仕方ねーか」と思うって頂けたら幸いです。 それも含めて、今後とも楽しんでもらえれば超幸いです。 では、また次でお会いできることを願っております。 楽表記はコミックス発売当時のものになります。