そうですが、そしてその ★この作品はフィクシヨンです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。デジタル配信用に再編集を行っています。 司場涼介しばらいうすけ 物ノ怪の監視と排除を行う回目のひふっ秘密組織〈公俺隠悉ん]特務にゃぁぁぁ...課課長。「黒の大丈夫」を設定... 司場の同僚。人員・権力共に...最大の課・特務課を率いるいいです冷徹な女性課長 物ノ怪の少女だが、人間関係に友好的なタイプ。司場の訓練に協力している すんじょっ斬術に特化した隠密の名家...桐原家の後継ぎ物ノ怪により、兄と父を失う。 公儀園舎局に所属するわ能な司場の部下。隠密の名家・児子母神家の一人娘。 ...忍者の未満として、祖父に育てられる。疑問とは合し、公開隠香局一へ入職。助物と話す能力を持つ また、この世界ではないということですが、自分の身体が 大な黒花は物が、立ちはだから...。 マジでなんなんだよこいつは!? うおなんだよ喋れんのかよ! なんじゃこれは...!? 陣の制御がきかん...! はっきりとは分からんが 十中八九羅睺じゃろう... 狂蓮陣は記憶を利用し対象を破壊する術じゃワシが 加減も解除もできん以上 奴らが自力で破らなければ どうなってんだこりゃ...? まさかあの怪物の腹の中ってこたねぇよな... お...おい弐郎ありゃあ... お...おいこれって... 己が入ってた殺生石だ... 何とか無事に年貢も納められました!! それにおっ母の体調も随分良くなってきたし せっかく気持ちよく寝てたってのに 毎日毎日手前ェもよく飽きねェな 久々にお姿を見られるとは、ありがてぇ ...大体なァ己は何もしてねェからな 翌作は偶々気候が良かっただけだし 手前ェのおっ母だって元々大した病じゃあ... いやいやそんなこたねぇ!! 他所の村や町の方じゃ鬼だかあっ!!物ノ怪だかが 人を襲ったり家や畑を荒らしたりしてるって話だ うちの村にそういうのが来ねぇのは 羅睺さまが見守ってくれてるお陰だろ? 己は何となくここが気に入ってて ...ケッ別に見守ってるわけじゃねェよ 他の物ノ怪は己にびびって寄って来ねェ それだけで村の人間は助かってんだ ここの土地神様が羅腋さまで良かったよ! 俺ぁそろそろ畑仕事に戻りますわ それじゃまた明日も来っから! これ置いてくから食ってくんろ! これは殺生石に入る前の ハ代将軍徳川吉宗の時代 鬼や妖怪などの化物として 或いは山神や土地神として 人間に畏怖され尊崇されていた... 奴の名は「天鬼」己と対等に話せる数少ない物ノ怪だ 羅瞼にもダチいたのかよ 相変わらず妙な所に棲んでいるな 物ノ怪にとってこれは天敵だろう? ...?どうした羅睺さっきから黙りこくって これがありゃ馬鹿が寄ってこねェ あいつの声...どっかで... 思い出した間違いねェ... 己が石から出されたあの時 光る板の中にいやがったのがあいつだ...! 霊山の!!山神ともあろう手前ェが わざわざこんなとこに何の用だ? 人間共による物ノ怪狩りが増えている 調子に乗った雑魚が返り討ちに遭うなんて別段珍しくもねェだろ 最近は人間側が能動的かつ組織的に物ノ怪狩りを行っている 世事に疎いお前は知らないだろうが 幕府はちゃんまえ数年前から各地の野武士や乱波素波を集め 対物ノ怪集団を秘密裏に組織していたらしい... 連中は治世という大義名分を掲げ 馴染みや知り合いも既に何人かやられた 手当たり次第に集団で物ノ怪を狩っている 中にはりんとは人間共に懐柔された者もいるという 嘆かわしい話だ物ノ怪の風上にも置けん それで己に警告でもしに来たってか? 御庭番衆と戦ってほしい 我ら物ノ怪は時に人を喰らい 故に人間は我らを畏れ敬ってきた その構図が崩れようとしている だから私はこうして各所を周り同志を集めている 私にはそれが耐えられない ここにお前の力が加われば... 己の力をあてにすんじゃねェよ お前らが何をしようが勝手だが 言様ッ...状況が分からんのか!? 事は既に物ノ怪全体の問題なんだぞ! 御庭番だか何だか知らねぇが自分のことくらい自分で何とかする ...羅喉まえお前の言い分は分かった だがわれわれ我々も本気だ 人間に付くにしろ狩られるにしろ お前程の物ノ怪を捨て置くわけにはいかない そこで結論を出そう... この時の己はよく分かっていなかった 御庭番のこともそうだが何より.. 天鬼がどれだけ本気だったかを... 約束通り結論を出しに来た ...しかしここは良い郷だな 土地は肥え水も空気も澄んでいる 今後の為に少しでも力を高めておきたくてな 同志集めと平行して必ず集落では食事をしているんだが お前の分はもうこれしか残ってない ...流石だな黒き凶星よ... よもやここまで圧倒的とは... やはり放っておかなくて...正解だったな...ククク... 辛うじて残ったのは私達と 妖気を抑える殺生石のみ 村人は全て私と同志が喰らい尽くし その同志達も今ので村ごと消し飛んだ これで全てはお前の仕業ということになる ...まぁ実際お前が殺したようなものだがな 最早に最早人間との共生は不可能だ そんなに難しい二択じゃないだろう? これだけの惨状だすぐに御庭番衆はお前を追う それだけで村の火間は助かってんだ どの道戦いは避けられない 仲間がいた方が良いだろう? ほんとここの土地神様が 羅睺さまで良かったよ!! 好き勝手言いやがって... 馬鹿な真似はよせ疑問! 自分のことは自分で何とかするってな... ...こうして己は殺生石に憑依し 誰にも付かねェという選択だ これが...己の... い...いたのか弐郎... 要は格好つけて逃げただけじゃねーか あ...あぁ悪い... ...ったくテンパってんじゃねーよアホ 当たり前だろ!寝ぼけてんのか!? お前はもう一人じゃねぇ 昔のお前がどうかは知らねーかな それを選んだのが...今のお前だ 死にかけたオレを助けたお前は 人間だの物ノ怪だの味方だの敵だの そんな小難しいこと考えて助けたのかよ? 動物とはる...助けとはと人間がいんだぜ?ノ怪がいても不思議じゃねーだろ お前ネントにただの探しやねぇんだな 「私以外にも手を貸してあげてね」 誰かを...助ける理由に下るも下らねぇもねぇだろ なんか一気に色んなことが馬鹿馬鹿しくなってきたぜ... あぁ!?なんだよそれ! 誰にも付かねェなんて意地張ってたはずが結局 ヘッ...だってそうだろ? 手前ェなんかに憑いちまったんだからな こいつを何とかしねぇといけねーんだった! 己八ひとり一人だ... 誰ノ味方でもネエ... 言っとくけどオレはてめーと心中する気はねぇからな 己ハマタ眠り二ツケルンダ すげーこと言い出したぞお前 己じゃねェよ馬鹿野郎! ぐぬぬぬゐぬぬねぬ... 駄目じゃ...うんともすんとも言わん...! 自分の術なのになんたる屈辱...! あ...こりゃまずいな あー...し死ぬかと思った オレらが一番最後かよクソ あいつしぶとすぎるだろ... ひとまず...訓練の方は無事成功だな 後はこれがただの成功で終わるか あいつらか何を見たのか次第だが... はたまた大成功に化けるかは 文句なしに大成功だこりゃ 天鬼という物ノ怪か... どうやらそいつが敵の首魁のようたな それじゃ急いで報告書まとめて上に... せっかく掴んだ重要情報なんだ おいしい使い方しないと うわぁあああぁあぁあああ!!! 本日早朝住宅街で発見された複数の遺体ですが いずれも頭部以外は発見されておらず 遺体の損壊に刃物等が使用された痕跡も認められないとのことです 現場は...昨夜末明から季節外れの濃い霧が立ち込めていたこともあり 目撃情報もなく捜査は難航している桜様です 今月に入り原因不明の変死事件が相次いでおり はっきり言ってこんなもの人間のやることじゃないですよ! 警察はどういったん同一犯による連続殺人も視野に捜査を進めています 正に鬼畜の所業ですね! やはりあのけ物ノ怪の仕業ですか... 待て待て何普通にくつろいでんだお前 仕事終わったんならさっさと帰れよ ワシがどこにいようとワシの勝手じゃろ こっちゃてめーのせいで訓練中死ぬ思いしたんだぞ! ええい金玉の小さい奴じゃのう! あれはワシのせいじゃないと言うたじゃろが! つーか勝手にオレのえびみりん喰ってんじゃねぇよ!! やかましい!!喰われたくなきゃ表に名前でも書いておけ! はーい皆さーんお昼ごはんできましたよぉ ...ふと思ったんだけどよ なんで物ノ怪は人間喰うんだ? こいつとか普通の飯喰ってんじゃんあとオレのえびみりん ...別にものは物ノ怪は人間しか喰わんわけではない ただたげん人間の生命力は妖力を底上げする唯一の要素なんじゃ あーそういや羅睺の記憶の中で天鬼もそんなこと言ってたっけか すまない最新お茶の女はもうこれしか残ってない ...ということはつまり たった今入った情報によりますと.. 力を蓄えようとしているってことですか... えーえー番組の途中ですが臨時ニュースです 比良坂町周辺の道路が全面封鎖された模様で... よもやこんな下らない報告書を見せるために わざわざ私を呼び出したわけじゃないだろうな 下らないって訓練やれって言ったのは君の方じゃ... 特一は連日の怪死事件に追われてるんだ これでもし本題も下らない用事だったら 私の権限で貴様を更返するからな 羅睺の過去に天鬼という物ノ怪か... これでこないだの神社の件はチャラってことで さっき言ってた事件の捜査 ウチの連中にも噛ませてよ 順序が逆にはなっちまったけど あいつらは既に訓練も実践もこなして こうして成果も出してる それに忘れてるわけじゃないだろ? 物ノ怪関連の事件は本来特二の専門だ あいつらの若さを懸念しているなら それは過保護ってもんだよ久澄 もし戦えなかったその時は俺を更迭でもクビでも好きにすればいいさ ...分かった私もすぐに戻る とりあえず警察を通して現場の封鎖と報道管制を徹底 情報処理課「劇作家」にカバーストーリーの作成を 同課「天体観測」には情報の規制と改竄を急かせろ ...ずいぶん慌ただしかったけど何かあった? えー現場と中継が繋がったようです 手お貸ししましょうか? 橋の向こうは濃い霧のようなものに覆われ 町の様子は一切見えない状態です! こちらが現場の比良坂町です! 警察は化学物質によるテロの可能性もあるとして 周辺には非常線が張られ全ての道路が封鎖されています! 町内には病院や学校をはじめ多数の住民が取り残されていると見られており... ...これってやっぱり 比良坂っつったら目と鼻の先じゃねーか こういう時のためのオレらだろ 今行かねぇでどうすんだよ あんなおっさんどうだっていいだろ! まずは課長に連絡を... 指示なしで動くわけにはいかないだろ馬鹿 あーもうめんどくせーな! ひどいこと言うなよ泣いちゃうぞ? 必要なら機材の情報消去と乗員の記憶洗浄も行え すげぇな...あれ全部隠密かよ ...なんつーかほんとに隠密局ってあったんだな ガスによる健康被害はないとだけ発表させる そら普段表に出ないのがうちの仕事だからな スーツ着てインカム着けてる奴は大体な まぁそれも無理からぬ話だ あいつらの仕事は全て人間相手 物ノ怪による大きな事件なんてこの数十年滅多に起きなかったからな おかげで隠密局の体質も御庭番時代から大きく変わった 物ノ怪相手から人間相手のスパイや情報操作ばかり こんな状況を収束できる人材はほとんど残ってない 「黒の灯火」の出番ってわけだ それじゃ状況の確認をしとくぞ 川の三角州に位置しており既に全ての道路は封鎖済み 結界内部の詳細は不明だが 元凶の物ノ怪と多数の市民がいることは間違いない 恐らくこの濃度の結界なら 隠密服の妖気中和機能で突破できるはずだ 「人員教命」「結界の解除」 そして「敵勢力の無力化及び捕縛」だ 恐らくこの件も第七封鎖廟同様天鬼がついてるはずだ そこに繋がる可能性は撮んでおきたい 俺はここで全体指揮を執る なお結界内とは有線無線問わず通信は不可能だ だからネットにも情報漏れないわけだか だからネットにも情報漏れないわけだが それじゃどうやって課長と連絡を...? なんだてめーまだいたのかよ んで一体どうするんだよ? その花弁が子機となってこっちの蓮で中継できるんじゃ ワシの妖気による通信じゃから声を出す必要もないぞ さっさとせんか無礼者共!! ちょっと勇気いるわね... 一応こっちで応援も手配するが とりあえずお前らの思うようにやってみろ わざわざ徒党を組むまでもなかったかのう 人間の方は集まったか!? やっぱ生きたまんま操って集めるのは 結構時間かかるっすねー っていうか頭だけ残す癖なんとかして下さいよ鉄輪さん 死んで時間が経つと生命力摂れんからのう 頭骨は硬くて嫌いなんじゃ! ふぇえぇええええええぇえ!!! なんじゃありゃあ... おいない呂蓮!催眠が効いとらんのがおるぞ! うああぁあああああぁああ!!! あー...?脳ミソ未発達なガキには若干効き悪いんすよ 食後の仕様甘味にしてやるわ 全力で暴れられる時が...! ボスからの指示忘れてないっすよね? 生け捕りにすればええんじゃろ「可能な限り」な! 羅睺はどっちから来とるんじゃ!? こんだけの結界一人で張ってるんすから ぐぬめぬぬ...どいつもこいつも使えん奴じゃ! つまみ食いしかしないヒトに言われたくないっすね もし羅喉が鳴子の方に行ったらどうするんじゃ!! こういう事態に備えてあいつのとこには護衛置いてますし そういう心配をしとるんじゃない! 呂蓮!お前はここで引き続き人間を集めとれ! こっちから出向いて羅睺の命獲ったるんじゃ!! だから殺っちゃダメっすってば すんなり潜入できたのはいいか... 思ったよりまずい状況みたいね... 何人か道端で死んだみてーにぶっ倒れてる奴見つけたけど うんともすんとも言わなかったもんな 恐らく何らかの術に支配されているんだろう しかしだとすれば急がないと危険だ 長時間妖気に咳され続ければ精神が壊されかねない だったらさっさと術使ってる奴探そうぜ 探すって言っても...町丸々一つが範囲なのよ? やはりきんぼう三方に散って風潰ししかないですかね... ...なんだこりゃあ? 妖気が混ざってひでェ臭いだな... あんたちょっと妖怪レーダーになりなさいよ! ようやくお出ましか化け猫 いや...天気よ妖気は四つだな... それぞれの場所は分かるか? 結界と術のせいでしょ場所までは分からねェ もうやめてよ面倒くさい! 人間に術をかけてる奴と 向こうの頭数が分かったのは大きいですが 結局はバラけて探すしかなさそうですね... なんか知らねーけど人間達寝ちゃったな いやーラッキーラッキー 今のうちに食えるだけ食っとこうぜ! 実際目の当たりにするとなんて言うか.. えらくほっかて牧歌的な絵面ね... 本当に会話成立してるんですかね? いやーありがとな坊主! 缶詰の魚なんてはじめて食ったぜ! なぁにありがてぇのはお互い様だ 北の交差点に人間の群れを動かしてる二人と 町の中心にある公園に二人だそうだ つーわけで急ぐなら交差点と公園 僕と一華さんが交差点でお前達は公園の方だな ぜってーそう言うと思ったわ 二手に分かれた方が効率いいとは思うが... こっちが片付いたらすぐそっちの応援に向かうわ おっけーんじゃとりあえずその方向で.. お前らは二手に分かれて 今なら全員で戦った方が... こいつの狙いはオレらだ それに急がねぇと町の奴らがやべぇんだろ? タイマンを選ぶとは少々意外じゃったな 人間は群れて戦うもんじゃと思っとったわい 喧嘩に即毛よ御託はいらねぇ さっさとかかってこいや どうやら当たりを引いたみたいね そこのあんた今すぐ術を解除しなさい 上の子には戦意...というか意識すらないようだな 大人しくするならば捕縛してやる 可笑しなことを言う餓鬼じゃ... それは強い音が弱い者に言う台詞じゃろうが だったら確かめてみろよ 威力は半端ないし喰らったらやべぇけど... 攻撃は大振りで直線的...! デカブツとやり合うのは慣れちまってんだ 一撃で決めるぜ...! 吹っ飛べえええええぇ!!! ぬぅううおおおおねお!! 受け切りやがった...!! わざわざ撃たせ所を作ってやったというのに 思った程でもなかったのう 所詮は人間でも物ノ怪でもない 半端者じゃったということか ワシはきち不器用な物ノ怪でな 妖気を圧しつけるくらいしかできんか... この数百年ワシらはそうやって生きてきたんじゃ 圧さえつけられるのは屈辱か? 貴様ら隠密のせいでな... かつてアンは山林を治める鬼神として 人間どもに畏怖され崇められる存在じゃった 集落の村人どもは祭りを催し贄を寄越しトワシに祈った あの頃は良かったのう... その見返りにワシはその地を戦や災害から守護してやった 村人どもは祈るのをやめたどころか あろうことか隠密と共謀して ワシを闇討ちしようとしおった... 隠密も村人も男も女も年寄りも餓鬼も赤子に至るまで 全て殺して喰らってやった 戦争を仕掛けたのは貴様ら人間の方じゃ 昨日まで笑顔で手を合わせ祈っておったのが 今日には寄ってたかって刃を向けて殺しに来よる ...それからワシらは 人間どもが物ノ怪の存在を忘れ 隠密がその有り様を変える時代を... 物ノ怪らしく生きられる時代をな 本来羅睺は反撃の狼煙兼切り札となる予定じゃったが この程度ならば最早必要もあるまい ほんと人間はいつもそうっすよねぇ 自分達が全てを支配しているような言動ばっかり... 正直臭すぎて反吐が出そうっすよ つかなんでそんな偉そうにできるんすか? 俺にこれをやめてほしいならきちんと「お願い」したらどうすか? この状況どう見ても俺が「上」でアンタが「下」でしょ 昔の人間みたく両手をついて頭を深々と下げてね まぁ聞いてあげる気は更々ないっすけど どうせ一人じゃ何もできないんだし試しにやってみたら... こういうのはどうっすか!? ついでに言っとくと落ちたらほんとに死ぬっすよ なんせこれは視覚じゃなく精神に千渉してるんすからね 俺は今までに色んな人間に色んな幻を見せてきた 甘美で破滅的な幻から地獄のような恐ろしい幻まで... 誰も彼も笑ったり泣いたり怯えたりして最期には壊れて真っ白になる その過程を見るのが何より面白いんすよねぇ... ...冗談じゃないわよ あんたの玩具じゃない! 自分らもいいけど犬猫を愛玩道具にしてるくせに よくそんなことが言えるっすね アンタには直接遊んでもらうっす もっともつと踊るっすよ!! ほらほらあっという間に後がないっすよ! それとも奈落に真っ逆さまっすかぁ!? あんたが落ちなさい!! 野何だ驚いてるんすか? 俺が落ちるわけないでしょ 降りてきて正々堂々戦いなさい!! じゃなきゃあたしにも翼よこしなさいよ! ハハッほんとに命令ばっかする人っすねぇ ...じゃあアンタには いいすねぇよく似合ってるっすよ 玩具遊びの定番っしょ? ...落ち着くのよあたし 冷静さを欠けばそれこそ相手のおい... よろ隠密服も短刀もちゃんとある あいつは完全にこっちをナメて遊んでる さーて次はどんな格好がいいすかねぇ メイドか...それともナースとか... ...何を偉そうに... これ以上下らない遊びに 付き合ってられないって言ってんのよ ほんとに状況が分からない人っすね アンタには死ぬまで遊んで... アンタに選択権なんかないんすよ 俺のッ角がぁぁああぁあ!! 術も保っていられなくなる ...角は妖気の制御器官 あんたは遊びのつもりでもね こっちは真剣にやってんのよ 御庭番どもが使っとった隠密の業か まさかまだそんな妖力を隠しとったとは 出し惜しみはせんとか抜かしておいて 随分と味な真似をするではないか小童... い...いやこれは... おいッコい羅睺...!どうなってんだよコレ...!? あの服が脱げた瞬間締め付けがなくなったような感じがして... それで急に妖気が溢れてうまく抑えらんねェんだ いそういやけっか結界を抜ける前に司場が 恐らくこの濃度の結界なら あぁ?溢れてるってどういう... もしその機能が外側に対してだけじゃなく 風呂や寝る時以外ずっと着てたから気付かなかったけど 悶密服の...妖気中和機能で突破できるはず~おん?隠密服は妖気を中和するとかなんとか言ってたような... 羅皎にも効いてたとしたら...? もしかして減ってる最中に急に脱いだことで 羅睺...まいったお前一体どんだけの力で... 己はただとにかく攻撃を防ごうと... どう見てもそんな威力じゃねぇだろ... ...何故だ?何故こんな急に妖気が増した... やはり...あの服に何か細工が...? だとしてもそれだけじゃ説明つかねェ あれはあくまで「きっかけ 急に猫が緩んだような感覚がして... 封印中殺生石に削られ失った いつの間にか以前にも増して戻っていたのか? いつの間にか以前にも増して戻っていたのか? たった数週間で二体どうやって 「随分と喰ってねぇんだろ?」 「腹が膨れて力が戻れば...」 「人間のせいかい?生命力は」 「妖力を底上げする唯一の要素なんじゃ ...なんつーかすっきりしねぇ最後だな... いまいち後味も良くねーし... まぁ...とりあえず司場に報告しとくか 一つの身体に人間と物ノ怪二つの存在 他の二人がどうなってるかも気になるしな それと指摘しなくても、そうなるのは 今ので具合でも悪くなったのか? ...己は喰っていた、いや、喰い続けている 自分でも気付かない間ずっと 武器を捨て従わなければ投降しろ ...もう一度だけ言うこれは警告だ 武器を捨て大人しく投降しろ 呪布の柄巻にこの禍々しい気配... 忘れるわけがない... 見間違えるはずがない... ...これほんとに聞こえてんのか? やーいじょーい司場のハゲー おう聞こえてるぞ小学生かー あー...なんまぁ何とかな... どうした?歯切れ悪いな ちょっと勢い余って相手ぶっ倒しちまってよ そうか...まぁあまり気にするな 幸い一華の方は捕縛に成功したようだしたようだ うわー...ぜってー後で嫌味言われるわ... ...ったくしゃあねぇな んじゃオレはこのままあいつん所行ってみるわ 今応援も向かってるやばかったらすぐに退けよ あぁ頼むだが無理はするな なんで今まで気付かなかったんだ... このまま弐郎の中にいたら... このまま弐郎の中にいたら... まじて戦闘の皮にちゃれっか 妖気を使い続ければ... うるせェな!!何すんだ馬鹿野郎!! てめーがぼーっとしてっからだクソ野郎!! 気ぃ抜くのはクソ眼鏡に文句言ってからだ 昔から紙一重でかわすのが上手かったけど 更に腕上げたみたいだな零司 嘘を突き一気になるより零距離まで間合いを詰め 死角となる下方から斬り上げる... かわし方は身体が覚えてるさ 幾度となく受けたお前の得意技だったからな 僕がかつて兄と呼んだ人間は もう...「兄さん」とは呼んでくれないんだな あの日儀式に失敗し妖刀に呑まれ これは幻術なんかじゃない 俺は問魔風に呑まれたわけでも まして死んだわけでもない 信用できないってんなら 「俺は俺のまま」だって...? 何故お前は物ノ怪側にいるんだ...! 別にただ都合が良かっただけさ まぁお前は覚えていないだろうさ なんせ物心つくかどうかって時期だったしな... 全てはあの頃から始まってた! ぼくの勝ちだねにいさん! 新しい型もきちんと物にできているようだな はいちょっと父上... これで何度目の敗北だ?真司 兄として悔しくないのか? 早とちりするなよ?零司 勿論お前に勝てないのは悔しかったし 父上に叱責されるのは怖かったし悲しかった.. 本当に俺が辛かったのはな零司... わざと俺に負けるようになったことだ ...何を馬鹿な... そりゃお前は無意識だっただろうさ じゃなきゃ父上に見抜かれちまうからな 剣を交え続けた俺にだけは分かった.. 俺の負け越しだった戦績は徐々に互角になり 次第に俺が勝ち越すようになり... 逃におれ俺が負けることはほとんどなくなった... いつしかお前は負けて笑うようになった はじめはそれが零司なりの気遣いだと思った だから死ぬ気で努力したよ きちんと本当の実力で上回れるように... 何リットルも血と汗を流し 何万回も剣を振り続けた...だが 俺のちょうど一歩だけ後ろにいた 振り返ると決まってお前は笑いながらこう言うんだ それは縮まることも広がることもない一歩... 「やっぱり兄さんには敵わないな」 「俺が一歩先を行っていた」わけじゃない 「お前に一歩先を譲られてた」だけだ 双子の兄である俺以上に 桐原の剣を強く受け継いだお前にな その事実に気付かざるをえなかった 分からないだろうなぁ... 俺は強くなりたかったんだぁ... どんなことをしてでも.. そんなことのために... お前の本気を俺にくれ...! まだ足りないなぁ... もっともつともっともつと もっともっこもつともーともっともつともっともっこもつともっともつともづと 僕が知ってるあの兄さんは だからもし俺だけじゃないからその時はアイツ!誰かな... それええそんな彼女に帰ろうと思うのか? ...気をつけて兄さん 全て偽りだったのか... 危うく斬り殺しちまうとこだった 動揺したお前を斬っても意味ないからな 話すべきことは全部話せた 今日は久々に会えて楽しかったよ だりぃなちくしょう!! あんの牛野郎...もぐら叩きみてーにポコスコ地面に叩きつけやがって.. 恐らく身体への損傷だけじゃね!! ...いやあんなむしろ原因は~あの... ちょっといいか...? お前に一つ話しとかなきゃいけねェことがあるんだが... あぁ!?ふざけんな!まだ話し始めた... こうして直接顔を合わせるのは... 既に私を知っているとは 何らかの方法で羅睺の過去を共有したか... 随分と心を開いたものだな ど...どういうことだ...? そこは...共有していなかったのか? まぁ少し考えれば分かるだろう? どれだけ互いを気遣おうと所詮は相容れぬ存在 人間と物ノ怪が共生するなど不可能だ 一つの器に二つの存在...それがどれだけ歪な状態か ましてそんな状態で強引に妖力を使えば あっという間に燃え尽きる... 君の命の灯火などすぐに喰らい尽くされ さっき牛野郎を倒したアレ お前..今の話聞いてなかったのか!? 聞いてたよだから何だ? だ...だから...! お前が妖力を消費うほど 己はお前の生命力を... わーってるよんなこたぁ だからってビビッて何もしないで なんか解決すんのかよ? てめーに喰われて死ぬのはごめんだが 黙ってあいつに殺られんのはもっとごめんだ ...それに向こうは憑依を解く手段を持ってるし 何よりあいつは首謀者だ 命削ってでも戦うしかねぇだろ 短絡的なのか合理的なのか よく分からん奴だな君は... どういう意味だコラァ!! そいつは大事な依り代まだこん殺しはしない 憑依を解除するまで大人しく... これ以上こいつに何かしてみろ.. 今度は左腕だけじゃ済まさねェぞ 正直人の器に縛られた今のお前では だがそんな無茶な妖力の使い方をして 大した脅威にはならない 私と共に行き私の言いなりになると... そうすればその少年だけは助けてやろう 殺性客を繰り込んだワイヤー そんなに強く引っぱらないでほしいっす! なんで俺が人間なんかに.. これじゃまるで大みたいじゃないか 文句言わずに黙って歩きなさい! あん案外わる悪くない・ しかも相手はこんな偉そうな女で 呂蓮は新境地に目覚めた んんっ...あぁぁっ...わかったわけじゃない...し〜し、ちゃんみんなの私がインスタート・ この作品は、デジタル配信用に再編集を行うったものです 小物、本、服、靴... という事実には気付かない振りをするのです。 背表紙・カバ一折り返し隊表記はコミックス発売当時のものになります なんで口絵にワシがおらんのじゃ!! だいたいお前特二のメンバーではないだろ 紫表記はコミックス発売当時のものになります。 さて、今回のあとがきは 実際はメッセージ性の強いものから 「各話のサブタイトル」についての小ネタです。 お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、実はサブタイトルは全て僕が好きな楽曲のタイトルが引用しております。 そしてその大半は所謂「日本語ラップ」という ジャンルのものです。えぇ、大好きなんですラップが。 「ヤンキーっぽい」「駄酒落」「黒人の真似」等々... いまだに先入観や偏見がある日本語ラップですが、 ラップに限らず、どんなものも 下らなさ過ぎて笑えるもの果ては映画や小説のようにーつの物語になっているものまでとにかく多様で、とても面白い音楽なのです。決して悪さ自慢や、親に感謝ばかりではありません。 最初に色眼鏡で見ず、素直に受け止めるのがきっと大事なんだと思います。 結局、何でも楽しめた方がお得ってことですね。 ...とまぁ、何の話か分からなくなってきたのでこの辺りでお暇しようと思います。 それではまた次巻でお会いできることを願って。 激表記はコミックス発売当時のものになります。