This is a temporary fork of mokuro
The main aim of this fork is to try and improve the mobile viewing experience
This file should only be be viewed on a mobile device since it relies on the browsers default handling for panning & zooming
To navigate, you can use the buttons in the top menu; the new buttons at the bottom of the screen or swipe to navigate.
Recommended to be used with jidoujisho
地球の運動についてー
...作・画像・ハウハウス
Aboutthemorcmentofthecarth
3rdissue
......
第18話
...
第19話
P119
第13話第
?
第14話第
第20話第
Pr35
第21話第
P161
P22
P43
第15話第
第16話第
P63
第17話第
P81
1、惑星の中心は
太陽である。
2、軌道は
真円である。
3、惑星は一定の
速度で運行する。
第13話
ーまとめると、
それがこの書類の
主張であり
真理
ですか?
独創的な
発想であり
いや、
限界だ。
え?
まず、
この著者は相当
優秀な人物だ。
計算は抜け目
ないし、
宇宙の数学的記述は
今より平易にできてる。
最早、先述の三つの発想でやれる
ことは達成してると言っていい。
それなら
だが
それでも、
率直に言って、
とても発表できる
完成度には
達してない。
きっと何かを
見落としてるんだ。
このままでは反論の余地は
かなりある。例えば、
地球軌道がかなり複雑とか
「使用してる記録が作為的」
とか...
それに全体的に
言葉選びの綿密な
思慮深さに比べて
根底に何か...
幼稚な程の
純粋さを感じる。
...不思議な著者だ。
この仕事を
引き継げるのは、
慎重な知性と
時に大胆な度胸を
持ち合わせた
まさに完璧な英傑
だけだろう...
そ、
そんな人...
どこにも...
いる。
.....
いう訳で、
正式に
引き受けよう。
私だ。
引き受ける?
君はソレを
頼みに来たんじゃ
なかったか?
...そ、
そうでしたっけ。
...そうかも
...まァいい。
では、
今後の
ことで、
......
三つ、
決まりを
交わしたい。
一つ目。
後進は作らない。
死ぬまでに私が
証明できなかったら、
私の関わった
書類すべてを
燃やす。
二つ目。
あくまで重要なのは、
私がこれを完成ノ発表
することだ。
他の誰かの
踏み台に
されるのは
ごめんだからな。
わ、
わかり
ました。
で、
君は観測手として
この研究に参加
してくれ
その代わり
食事と寝床はウチの
教会から提供しよう。
え!
本当ですか!
あ、
ありがとう
ございます!
三つ目。
すべてが首尾よく運んで
利益が生じた場合、
分け前は9.1だ。
勿論、私が9。
わかりま
あ
それは
ダメです。
俺達が受け取れる
のは、
全体の9割まで
です。
何?
いや、
ええと
確か..
ん?
「利益が生じた
場合...」
「ポトツキに
1割渡すこと」
共同研究者か?
こっ、
この手紙に、
利益の1割を
誰かに渡すって
書いてあったと。
...まっ確かに
書いてあるな。
なので我々は
9割を分け...
あ。
ボクッ
これでもう
書いてない。
...
ではそろそろ
村へ戻るぞ。
あ、
は、
はい。
あの...
託してる。
や、
やっぱり
守りませんか?
あの
言いつけ。
...は?
何故?
でも、
もうこの世から
消えたぞ
俺がまだ
覚えちゃってる
というか..
な...なんというか
多分、
あの手紙を残した人は、
は、箱を開けて読む人の
ことを信じてあぁ書いた
気がするんです。
何かって
なんだ。
今ここにいない人の
想いを無視したら、
何かが決定的に
失われる気がして。
れ、
歴史と
いうか。
は?
聖書以外の
歴史など
私は気にしない。
金を
払いたいんなら
君の1割を
譲れ。
勝手に損するのを
止めやしない。
仕事の
指示は
明日する。
は、
はい。
しばらく
ここで寝ろ。
では、
神の
ご加護を。
わかり
ました。
あの、
最後に
...
聖職者
として、
アレに触れた
今の我々は、
地獄の入り口に
立ったと
思いますか?
...あぁ、
入り口には
立ってる。
だが、
天界のだ。
翌日
もう少しで
目的地だ。
ください。
やり
む。
ください。
ください。
ください。
ください。
おい!
何してる。
早く行くぞ。
あ、
はっ、
はい。
施しなど
無意味だ。
え?
貧民に施しを
与えれば天国に
行けるなんて
私は信じない。
平気で
罪を犯す
奴らだ。
そ、そんな!
聖職者様がそんなこと
言うなんて...
罪を犯してしまうのは、
か、環境のせいも
あるのでは...?
フン。
神が彼らに
与えた運命が
アレなんだよ。
ブラトンも確か、
「人には生まれながら。時間と資源は
にふさわしい場所が
ある」
と考えてたかな。
貧民とは真逆の、
貧民とは
真逆の、
限りがあるんだ。
有益に使え。
ーー第一、
都市へ来た
目的は、
あの箱の中の記録
だけでは
あの箱の中の結論を
超えられない。
もっと多くの
記録を持つ者に
会わなければ。
いや、
ない。
持てる者との
接触だ。
だから
あっちから
出向いて
もらう。
ど、
どうやって?
ここに
ツテが?
コレだ。
コレは...
一体...
問題だよ。
降ろせ
暇な上級市民の、
暇な
上級市民の、
娯楽、
知的遊戯の。
出題者になったり
解答者になったり
して
腕を競ってる。
彼らは掲示板に
難問を求めてる。
だから
作った。
天体の記録と
優れた知性がないと
解けないものだ。
コレをめぼしい
掲示板に
張って回る。
あとは、
解答者が出るまで
ひたすら地道にー
待つ!
解答者に
「あの箱」の話を
するのは危険じゃ
そこは運だ。
そこは運だ。
理解ある安全な人物に
出会えるまで待つ
しかない。
とにかく君は、
西周りで張ってって
くれ。
私は
東だ。
夕方にここで
落ち合おう。
終わり
ました
あぁ。
そういえば
君、
目は
どれくらい
利くんだ?
結構いいと
言われます。
動きを捉えるのも
遠くを見るのも。
観測の際に
重要な情報
だ。
ほう。
では、
前の記録は
上々だった
が...
ここから、
張り出した問題文
が読めるか?
3.333
ミヨえ!!
...
はい。
てもちょっと
人が邪魔で。
立ち去るまで
待て。
か、
いや多分
アレ、
は?
解答中の
人です。
も、もう?
け、今朝張った
ものだぞ。
一体
何者だ。
ええと、
しよ、
少女です。
イノ
真理ガメ勢張画皇行森第2条出版
その意志は、記憶となり、そして藤史をおみ、
そうだな。
家の運動に
ある二人の「知」の物語
この歳かな建物内に潜む
いや今日も
気が重い
ですな。
また
怒鳴ら
れるよ。
今回ちょっと調査
甘かったからなァ。
アレはバレるよ...
ん?
おい、
君は
参加できない
ぞ。
ヨレンタ君。
は、はい。
勿論わかって
ます!
せめて、
直前までは
と..
ふん。
そうか。
......?
神様!
バレません
ように!
バレません
ように!!
なんでこんな事
始めちゃったん
だ!
今からでも絶対
やめたほうが
いいのに!
手袋は
汚れない
ように。
なんか今日は
ツイてない
気がする
今日こそ
バレる気が
する。
ツイてない
ツイてない...
もう直感
でわかる。
そろそろ神様も
見放す...!
!
あ!
ピャスト様
お早う
ございます!
まっ、
!
間に
合った...
挨拶など
いい!
ピャスト様...
今日も
手厳しいな
さ、さて
ピャスト伯も
来られたので
本題に..
ゴホ、ゴホ
貴様のつまらん
論文のせいて
私の寿命を
無駄にした!
すっ、
すいま
せん。
え!?古代ギリシア天文学の
現代異教的解釈!?
絶対他じゃ聞けない
ヤツだ!
かっ、
神様。
私、
ふう...
今日も
苛烈
だったね
ツイて
ます
お疲れ様
です。
お。
ヨレンタ君
か。
ふっ。
全く羨ましい
よ。
君は
この時間
休憩だもん
な。
ッ。
ーーで、
では、
いつもお願い
してる通り、
いや、
それは
ダメだ。
私も研究会に
参加させて
ください!
まだ君がこの仕事に
向いてるか
判断しかねるからね。
何とは
言わんが
君は、
我々とは
明らかに
違う。
そ...
それは。
おお、
ヨレンタ君
ここにいたか。
あっ。
ヤァ。
コっ、
コルベさん。
どっ、どうも。
お疲れ様
です。
あぁ、
どうも
コルベさん。
しかし
お宅も
大変ですね。
ええ。
まさかヨレンタ君
が助手につく
とは。
全く
です。
!
助手が優秀すぎるのも
扱いに困りますね。
......
え?
え?
では、私もヨレンタ君に
用があるので。
ちょっといいかな
ヨレンク君。
あ、
は、
はい!
.....
私は何度でも
言うよ。
これから先の人生
君の本質と無関係な所で
君の全てを否定する輩と
出会うかもしれない。
だけど、
そしてその度、
心が折れそうになるかも
しれない
君は自分の
やってる事を信じて
進むんだ。
いざって時、
退いたら終わりだ。
...は、
はい...!
という訳で、
執筆中の論文は
どうだい?
い、一応
完成しました。
私も可能な限り
支援するよ。
コレてす。
!
どれ。
い...?
今ある
全てを
出した
つもりで
面白い。
よく
出来てるよ
コレ!
まだ若いのに
スゴいな!
え。
ほ...本当
ですか...!
ああ、
コレなら
もしや
よし
決めた!
コレは私のほう
からピャスト伯へ
提出するよ。
!!
そ...そこまで
ですか?
ああ。
その為に、今日から
ちょっと査読を
するよ。
その間、
君は休暇だ。
そうだな、
この機に実家に
でも顔を出すと
いい。
じ、実家?
何故ですか?
ああ、
何せー
コレが評価されたら
図書館から移って、
天文台の
仕事になる。
そしたら
忙しくなるぞ。
今のうちに
帰省したほう
がいい。
は、
はい!!
翌日
ーただいま!
まぁ!
おかえり
ヨレンタ!
おお、
娘よ!!
母さんはもう
寝るって。
そう
ですか。
久々の家族団欒は
良いものだな。
私も
心安らぎ
ました。
お父様も
出張て忙しい
てすもんね。
ああ。
少ししたら、
しかし、
また職場に
戻ってしまうん
だろ?
勿論
です!
ーーこっちに帰ってくる
気はないのか?
母さんも
心配してるぞ。
私も出張を
減らしてもらうから
...また家族で
暮らさないか?
いえ...
仕事が
あるので。
何か悩みが
あるんじゃないか?
その仕事
だが...
顔を
見れば
わかるよ。
......
正直、
周りとの
差は感じます。
付いて
行けないか?
...いえ。
それ以前
です。
せっかく
宇宙論の大家の
施設にいるのに、
図書館の雑用だけで...
私も天文部署で
働きたいのに。
しかし、
今の仕事
でも
十分じゃ?
働けてるだけ
たいしたもの
だよ。
そもそも
研究に参加させて
くれません。
て、でも!
しょうがない事さ。
お前はまだ
14歳だ。
2階_天文研究所
1階図書館(一般開放
ーそれに
あそこで働く
ただ一人の、
なのに...
私も他の方と同じ試験を
合格してる!
他の方とは
扱いが違う
のは..
女だ。
...でも、
それは本来
学術研究とは
無関係な筈
です。
だが現実は違う。
ーしかもお前は
優秀ときた。
コレがどれ程
周囲の不安を
煽るか
わかるか?
学者とは恐ろしい生き物だ。
足の引っ張り合いなど
日常茶飯事...
お前がいる場所は、
お前が思うより危険
なんだ。
万が一お前が
異端の魔女
扱いてもされたら
...考えたくもない。
そうならない
為に、
お前が職場で
すべき事は
一つだ。
「何もするな」。
目立つな。
栄光を
目指すな。
...
その通りです。
日々を粛々と
慎ましやかに
暮らせば、
でもお父様から、
冬場でも
勉強できるようにと
この手袋を頂いた
時から、
いつか
家族皆で
天国へ行ける。
私の心は
学者です。
だから
私は、
お父様の
言う通りにすれば
安全だと思います。
才能も
発展も
人生も、
神と真理の為なら
退きたくない。
いざって時に
退いたら
終わりだ。
.....
お前ももう立派に
自立してるもんな
...心配でつい
出過ぎた真似を
したよ。
すまなかった。
わかった。
おっ、
お父様!
応援
するよ。
ありがとう
ございます
後日
ふう。
論文が評価されたら、
天文台。
論文が評価されたら
天文台。
おお、
戻ってたかい。
!
コルべさん!
ヤァ。
あっ
あの、
...
論文って
今どう...
なんと、
ピャスト伯が
誉めてくださったよ!
新鮮で
興味深いと!
いや、
それがね。
これは
快挙だよ!
新たな
才能の
誕生だ。
あ、
あのっ。
本当に、
ありがとう
ございます...!
いやいや、
礼には
及ばないよ。
名義は私で
出してるし、
けどあれは君の
実力!
で、でも
いつも
助け..
ん?
名義?
だから
名義は
私の名前に
替えたけど
これは君の
論文なんだから、
誇ってよ。
は?
ん?
第14話/完
わ...
私の論文、
コルベさんの名前で
出したんですか?
うん。
ん?
そりゃ
当然。
と、
当然って
...
な、
なん...
?
いや、
そりゃ
だって、
女性の論文なんて
誰が読むの?
そ...
そんな...
え?
まさか
自分の名前が
通ると思ったの?
あちゃ~
参ったな。
それは意識が
欠けてるよ。
そもそも女性名で
発表なんて
危険すぎる。
内容に不適切な
箇所でもあったら
一大事だ。
でも、
安心して。
すぐ魔女扱いされて、
最悪異端として殺されるよ?
君には才能が
ある。
だから、
君が書いて
私が発表する。
そんな事、
私は絶対
起こさせない。
君の論文で私が評価
されれば、助手の君を
安全に天文台へ
引き抜けるかも
しれない。
私と協力すれば、
君を正しいほうへ導ける。
私が、
この世界の中での
上手い動き方を
教えると約束する。
その世界に
でも。
わ、
私の名前は...
ないよ。
もう諦めて。
この世は
そういう
もんだから。
でも、
名前が残ら
なくても、
書いたのは
君だ。
自分の
書いた物を
発表出来る
だけ
マシだろ?
とにかく
君がそんなに
純粋じゃ、危ない
目に遭わないか
心配だよ
変に目立って
目をつけられたら
多分、
君の人生って
軽く終わるよ?
じゃ、
また書けたら
持ってきてね。
私は
差別なく
読むからさ。
それでは!
いや、
待て。
あっ、
ほ、
ピャスト様!
ピャッ、
え。
本日は
お日柄も
よく...
おい君。
よく
聞こえなかったが、
今、
この前の論文を
君が書いたと言ったか?
あっ、そ、
それは
ですね...
口を
挟むな!
自分で
答えろ。
ギナッ
.....
ゴホッ
そ...
それは
どうなんだ?
あ...
あの
女性名で
発表なんて
危険すぎる。
でも...
いざって時
退いたら...
何もするな。
目立つな
退いたら、
君の人生は
軽く終わる。
退いたら、
女性の論文なんて、
誰が読むの。
...わ、
私のモノでは
ないです。
......
賢いよ。
...そうか
ゴォゴホッ
私は、
私は
嵌められ
たんだ。
退いちゃ
タメだ。
天文台で仕事だ。
君は才能がある。
あの言葉は
全部ウソ
だったんだ。
コルベさんは
悪い人
だったんだ。
...
...もし
もしそうで
あってくれたら、
どれだけ
良かったか。
彼は
善人だ。
けど事実は
違う。
本当に...
私を
庇ったんだ。
きっと...
ここが
私が見られる
最上の
景色なんだ。
これが私の
現実だ。
真理の
為なら、
退きたく
ない。
...
いや、
冷静に
考えるんだ。
真理の為なら
コレでいい。
研究が安全に
続けられるし
そもそも
名前なんて
本質じゃない。
考えが幼稚すぎた。
世界がこうなら
上手い〝動き方〟が
重要だ。
早速
次だ!
次は何を書こう。
次は:
なっ、
なんで
泣く!
泣いたら
まるで
敗者じゃ
ないか。
泣いたらまるで
大問題がある
みたいじゃない
か!
そんな
必要
ない!
とにかく
次だ。
今、
私に出来る事は
それしかない
何か..
新しい
題材を
探さないと...
ん?
「回答者へ。
宇宙論について
用件あり。」
「連絡されたし。
って、
なんだろう
コレ。
う~ん?
なるほど。
.....
掲示板の問題に
してはズイブン
本格的な...
...というか、
コレ、惑星の記録が
ないと解けないん
じゃ?
コルベさん。
...は、
留守...か。
い...今なら
記録を
漁れる!!
ん、コレか。
おお...
こっちは木星
...なんか私
平然と
今、
いいなァ...
皆はこんな自由に
大量の記録が
閲覧出来るなんて。
あんま
あんまよくない事してない?
いや、
してるから!
普通に考えて、
勝手に部屋入って
資料見るとか
ダメすぎるから!
い、いやでも
コレで新しい
論文書ける
かもで、
それがコルベさんの
評価につながる
かもだし
いや、でもそれ以前に
こんなところ見られたら
それこそ終わるというか!
コルベさんからすら
見放されるというか!!
う...うん。
やっぱり
悪い事だ!
これは良くない!
やめよう!戻そう!!
ふぅ。
...
でも悪いとか
どうでもいいから、
コレの答えが
気になる。
いいや。
解いてから
考えよう。
ふぅ...
.....
か、回答しちゃった。
大丈夫だよね流石に。
男性名にしたし、
いやでもここの姿。
誰かに見られた?
なんていい訳!
というか顔に
出てないかな。
いやこんな不安に
なる位なら、
なんでもっと考えて
行動しなかったんだろう。
こんな事繰り返してたら
いつかセッタイバレる。
だっ、誰かに
見られる前に
さっさと
退散しよう。
あの。
えっ。
「絶望」を抱えたまま、
自らの意志で動いた
ヨレンタ。
その先には...
第15話ノ完
すいません、
ソレ...
我々が
掲示した
問題なん
ですが、
た、
たった
半日で
貴方が
解いたん
ですか?
いえいえ、
私は回答者じゃ
ありませんっ!
ほらここ!
回答者名、
男性名!
男性名!
私はただの
図書館の雑用係
というか..
職場の主人様に
張り出してくれと
頼まれただけで!
あぁ、
なるほど。
これは
失礼。
え、あのちょっと今
会えないというか
当分留守に
してて!
では、回答者の
方に用があるので
会わせていただけ
ますか?
当分って
どの位?
当分です。
.....
......
...
わかりました。
では、
伝言をお伝え
したいのですが
外では少し...
え、えぇ、
てはあの...
下宿先の
応接室まで...
失礼ですが、
そちらへ伺わせて
頂けないでしょうか。
あ、
そういえば、
自己紹介
まだでした
自分、
オクジーって
言います。
どうも。
俺はえーと...
こちらのバデーニさんの
きょうどうけんきゅ
私は
バデーニ。
M修道院から、
今は村の副助祭を
しています。
私はヨレンタと
申します
!!
雑用係です。
M修道院!?
あの!?
すっ、凄いな...
初めて会いました
...
し、失礼ですが、
あの...ふ、
普遍論争では
どちらの
立場を?
唯名論です。
アベラールを
支持します。
ええあの
!
私!.....の
主人様も
唯名論です。
オッカムを
支持して
ます。
で...でも、
真理の探求にはある種の
大胆さは不可欠かと。
.....
オッカムは
少々過激
では?
勇敢ですね。
大変素晴ら
しい。
いやそんな
あの掲示板の
問題もそういう
姿勢で?
って!
いやまァあの、
ご主人様がそう
仰ってました!
ええ。
確かに...
こんな賢そうな
メイドさんを雇ってる
なんて、回答者さんは
相当な...
はい。
ツイてるぞ。
幸運な人物に
巡り合った
は?
どう見ても
彼女が
回答者だろ。
そ、
そうなん
ですか?
...
しかし、
優れた
人材だ。
え?
あの問題を半日で
解いたんだ。
計算能力や発想
好奇心は申し分ない。
それになにより
いいのは
地動説を
しても安全
そうだ。
密告される
可能性は
低い。
え!?
なっ、
何故ですか?
女性だからだ。
え?
わからないか?
密告したら自分自身も
魔女扱いされる
可能性が非常に高い。
だから女性は
好都合だ。
!
そ、そんな
酷な!
それが
現実だ。
ただあくまでも、
男性と比べたら
都合がいいだけだ。
本当に
話すかは、
顔色を見て
見極めよう。
それで、
で...伝言って、
それにしても
ご主人様には
感服します。
えっ、ほ、
本当ですか。
いやー
そんなご主人の元
働くなんて...
あんな短時間で
ご回答なさるとは、
天文に精通して
いらっしゃる
ヨレンタさんも
天文に興味が?
ええもちろん
勿論。
え...ええ
まァ、
少々。
おお!
それは
素晴ら
しい!
いやはや
天文は面白い。
中でも古代の
宇宙論の数々、
なんというかく、ぶっ飛ん
アレは...
でる。
え、ええ...
昔の人々は
突拍子のないことを
考えたものです。
...良くいえば、
じ、自由というか。
私も最近
とある機会に
知ったのですが
.....は、
はい。
おお!
では、
フィロラオスは?
異教徒の
ヘラクレイデスは
こ存じて?
!すごいな。
博識でいらっしゃ
る。
え...ええ。
...はい。
あの馬鹿げた仮説の
てすよね?
彼のその
馬鹿げた
仮説は、
.....
確かー
宇宙の中心には
中心火なる謎の火があり、
人類はその「火」が見えない
片側だけに住んでいて
一更にその火の周りを
地球
中心火
地球も太陽も
動いているーーとか。
あ...あの、
こんな話してて
いいんですか...?
対地球
その...
信仰的に。
私は教会の者
ですよ。
...
安心して
下さい。
ですよね!
フフフ...確かに
フィロラオスの説は
今から見ると
少し笑ってしまい
ますよね。
いや、救世主誕生
以前の大昔の
ことなので
仕方ないですが...
宇宙の形を変えて、
なら、
一安心です!
大地を動かそうなんて
あまりに無謀
ですよね。
全くです。
ええ、
地球が宇宙の中心に
はりつけになってるのは
神様が意区的にしたことを
てすしね。
原罪を背負った
我々の宿命と
いうか...
この世が不幸な根拠
というか..
フィロラオスの考えは、
主観的な思想を元に
仮説を立ててるから
根拠としても少し弱い。
―それに、
それに
ええ、
では、
アリスタルコスは
ご存じで?
?
いえ。
そうですか。
その馬鹿げた
仮説に似た考えを
唱えた者です。
だけど、
彼のは少し
違った。
観測的事実を元に
仮説を立てた。
だから、
彼の根拠は少し
...強い。
...
こ、この話は
一体?
おや、
地球儀とは
珍しい。
触っても?
ま、
その
アリスタルコスも
結局矛盾が多く、
忘れられた。
?
え、ええどうぞ。
...
あ、あの、
よくわからなく
なってきたので、
そろそろ本題
に...
もう
してます。
え。
もし、
もし仮に、
彼らの言ってる
馬鹿げた仮説が
広まってしまったら
どうなるでしょうね。
は、はい?
どうって...
そりゃ
大混乱
でしょう。
その考えはC教公認
の物に反してる。
流布したら権威も
諸前提も壊れます。
世界は今のままで
いられなくなる。
今のままで
いたいですか?
は?
もし
仮に、
我々は生まれながらに
罪だけじゃなく、
自由も
持ってるとしたら
どうします?
もし仮に、
今
従ってること、
信じてるもの、
見ている現実、
は.....?
そんなの
ありえない。
常識的に
考えて...
その多くが
ウソだったら
どうします?
ええ、
常識の中では
ありえない
では、..
馬鹿げた仮説の
中なら?
...
この世界は、
本当に
動いてるとしたら
どうだ?
...は、
は?
そこじゃ神は宇宙に
階級など作っていない。
強いられた不幸を
耐える根拠など
ない。
やっ、
やめてくださいっ!
コレは
不適切
です!
ええ、
我々は正しい
方向になど
導かない。
その通り
不適切です。
我々が
目指す先に
あるのは
ただ一つ。
真理だ。
おっ、
お、
お引きとり
下さい...!
.....
ええ。
...ほ、
本当に
大丈夫なん
てしょうか?
言っちゃい
ましたけど、
あの箱の
こと...
では回答者さんに
お伝えを。
「昼時にあの掲示板前で
待ってる」
ーン
ああ、
大丈夫だ。
あの顔を
見れば
わかる。
女性だから?
いや、
研究者
だからだ。
...
第16話/完
地球が
動いてる
......
それが...
真理...?
お...恐ろしい。
そんなこと
本気で研究する
なんて...!
わ...私も
異教徒の考えに
興味は持ったけど
最
俺一人は
実践するのは
罪の重みが違う
コレは
危険だ!
コルベさんに
報告
しなきゃ!!
コルッ...
も...もしかしたら
報告したら私まで
異端と関わった
魔女扱いされる
かも...
...
...でも!
それでも
言わなきゃ!
神様は
こんなこと
お許しに
ならない!
...あ
今、研究会の
時間か...
――仕方ない。
戻って来るまで
ここでおとなしく
してよう。
おとなしく
ここで..
コルベさん、
お話が!
研究会
.....
.....
...ま、まァ...
ただ
おとなしく
待ってても
時間のムダ
だし...
ゴホッ
ゴホッ
ピャスト様
大丈夫ですか?
安静にしておいた
ほうが...
かまわん。
...今日は
本題に
入る前に
話すこと
がある。
私は
もう直
死ぬ。
ん。
ん。
皆も
承知してると
思うが、
だが私は
天国へ行く前に
なんとしてでも、
我々の宇宙論〟を
完成させねばならん。
諸君も
それに同意し、
協力する為に
ここにいる筈だ。
だが、大衆が納得しようと
我々だけは真理の探求を
諦めてはならん。
アレは真理とは
思えない。
知っての通り、
今我々人類は
プトレマイオスの宇宙を
受け入れている。
.....
実際、それでも
日常的には大した
問題はない。
彼の誤りは、
太陽に挑んだ
傲慢さではない。
蝋が溶けることを
想定しなかった
無知にある。
異教徒の神話に
イカロスという者がいる。
蝋の翼で
太陽を目指し
墜落した者だ。
我々は蝋でダメなら
鋼の翼を作り、
太陽へ挑み続ける。
今、
あと一歩足りてないのは
その無謀さだ。
真の宇宙を
完成させる為、
イカロスに
ならねば。
さて、
そこで近頃
最もその気概を
感じさせた者が
いる。
コルべだ。
光栄です。
オオー。
.....
彼の論文は、
危うい話題に怯まず
果敢に緻密な
考察をしていた。
ふう。
...コルベ
さん。
.....
そこで何
してる。
あ!!
あ、いや、
こっ、この姿は
ですね!
ボーゴカ
ピャッ、
ピャスト様!
...君はたしか
研究職志望
だったろ。
!は、はい。
お、覚えて
いただけてたとは
光栄です。
研究会で
見ないが
何故参加
してない。
成果がないというなら、
解雇するぞ。
え...その
主任や他の方々にも
参加を許可して
もらえずに...
侮るな。
私が金を払い
雇ってるのだ。
女だから
か?
ふん。
差別されてるな。
!
いや、
或いは、
妥当性のある
判断かもしれん。
悪魔が取り憑く
のは女性が多いと
いう論文を
読んだことがある。
信用されないのは
そのせいかも
しれん。
えっ。
ゴホ
それに、聖書には
女は黙って学ぶべき
て教えるべきではない。
と、取れる箇所も
ある。
それは
本当に...
だとしたら、
女性は元来
議論や研究発表は
向いてないとも
言える。
真理なの
てしょうか?
それは
えっ、いや、
勿論それは
その通りです!
だが、
聖書は
真理だ。
今の我々に
正しい読み方が
出来ているかは、
わからない。
―今後、
見せたい論文があったら、
持って来い。
......
退屈だったら
許さん。
!
...
失礼します。
ん?
コンコン
ヨレンタ君。
コルベさんに...
二つお話したい
ことが。
何か?
一つは謝罪です
なんだい
改まって。
私は先日:・
コルベさんの部屋に
無断で入って
資料を閲覧
しました。
ハハハ。何かと思えば、
その位
言ってくれれば次の論文の
よかったのに。ためだろ?
で、
二つ目は?
それが
...
お昼にも
報告しようと
思ったんですが、
?
言わなきゃ...
言わなきゃ
平穏が。
言わなきゃ
現状が
言わなきゃ、
信仰が。
イカロスに
...コルベさんの
善意は
大変感謝して
います。
この世の中の
上手い動き方を
提示して下さった。
でも、
どちらかと
言うと
私は、
こっ、
この世の中で
上手く
動くより、
この世自体を、
動かしたいん
ですが、
それは
無謀過ぎる
でしょうか?
?
まァよく
わからないけど
応援するよ!
いつか
その論文も
発表させてね。
た、
多分ソレは
止めたほうが
いいですよ。
え。
ほ...本当に
来ますかね?
来るさ。
ほら。
......
ご主人は
なんと?
何も。
実は、
主人は
いません。
では、
...
......
この
回答は?
私のものです。
はい。
ヨレンタ
さん。
我々に協力して
頂けますか?
その前に..
ーっ。
ありがとう
ございます。
は?
では早速
ですが
資料を
すいま
せん。
申し訳ないのですが、
私は天体の資料を自由に
閲覧出来る立場じゃない。
あの問題は勝手に書類を
閲覧して解きました。
ただ、
ほう。
そういう
事でしたか。
天文の研究所に
箱はあるので、
その中から
協力者を
紹介できるかも
しれません。
ーては、
誰を紹介して
頂けるんです?
ピャスト伯です。
ピャスト伯?
まさか。
貴方が
働いてるのって、
はい。
あの。
?
施設ですか?
あのピャスト伯の
オクジー君、
帰るぞ。
えっ!?
ヨレンタさん、
この件は全て
無かったことに
して下さい。
えっ??
え?
あの方なら
あらゆる資料
が閲覧
出来る。
味方につけたら
これ以上なく
強い。
何を
言ってるんだ!
働いてるなら
わかってる
でしょう!!
い、一体
どういうこと
です!?
ピャスト伯
って?
彼が我々に
協力する訳ない!
...天文で
ピャストと言えば
一人しかいない。
今の宇宙論を
超す、
完璧な天動説の
証明に、
人生を捧げてる
貴族だ...!
第17話ノ完
ピャスト伯は
50年に渡る
詳細なデータを
持ってる。
この機を逃したら
地動説から大きく
遠ざかる。
バカいうな!
ビャスト伯に頼むなど
無謀すぎる!
大地を動かす
無謀さに比べたら
些細なことでは?
なっ。
...確かにピャスト伯は
誰よりも。天動説”を
重んじてる
でも、
きっと
それよりも
真理を重んじ
てる。
チ
第18話
作画魚と
.....
ーわかった
やるだけ
やろう。
え!?
では、
案内
します!
大丈夫だ。
もし捕まっても、
魔女に騙された
と密告する。
ちょっと!
そのビャスト伯って人
流石に危ないんじゃ。
えっ。
私の知識を総動員すれば、
大方の罪をなすりつけられる
だろう。
寧ろ好都合な提案かも
しれん。
では、
行くぞ。
失礼
します。
ゴホッ
ちっ、
血が!
いつもの
ことだ。
君らか
宇宙論について
話があると
言うのは。
えぇ、
その前にまず
ピャスト伯にお目に
かかれたこと
大変光栄に
くだらん
前置きは
いい。
...
我々は
少し前から、
本題だけを
手短に話せ。
アリスタルコスを
引き継ぐものです。
ある研究を
しています。
ですので、
その研究を完成
させるため、
観測記録をお貸し
頂きたい
...
それと、
このオクジーは
とてもいい
目をもってる。
かつてピャスト伯も
その説眼で名を
馳せた。
.....
もし今、
以前より観測で満足いって
なければいつでも
オクジーをお使いください。
完璧な精度の
観測を
えっ。
私が、
帰れ。
誰だか
わかっているの
か?
......
その話は
異端的だ。
それに、
私の人生を懸けた
研究が、
間違いだと証明する
ものだぞ。
えぇ。
ですが、
真理です。
それを求めて
人生を捧げたので
しょう?
.....
帰れ。
ーでは、
本日は失礼
致します。
ピャスト家に産まれながら
下等な天文など学ぶ気か!!
おい。
父上..
もう帰って
来なくていいぞ。
夜空を見て
何になる。
.....
お前は一族の心ご。
恥だ。
ーどうぞ、
こちらです。
ガチャ
すっ、
凄い!!
こちらが
教授室です。
き、金属の
アストロラーベ
...!?
こんな
物が..
フフフ。
異教徒の
知恵を借り、
秘密裏に
職人に作らせた
一点物だ。
西欧世界で
コレを持ってるのは
私ぐらいのものだろう。
!
はっ、初めまして!
今日からお世話に
なります。
教授!
今
戻りました!
やりました!
例の修道院て
デモクリトスの断片
エラトステネスが
手に入りました!
待て。
なに!?
写本
です。
.....
...君、
家族は?
は、
はい!
今の部屋では
手狭いだろう。
新しい
家をやる。
あ、ありがとう
ございます!
よい働き
だったぞ。
先日第二子を
授かりまし
た。
ご、
豪快です
ね...!
家だ
なんて...
家ごときで
人類の進歩が
買えるなら
安いものだ。
私のことは
教授と呼べ。
君もピャスト
一族の
一人だろ?
血縁でいうと
私はー
い、従兄弟違いに
あたります。
天文をやりたいと
言ったら紹介して
頂けて...
一族のはぐれ者を
訪ねて来るに
ふさわしい理由だ。
ーさて
ふん、
随分遠いな。
ここで働き
たいなら、
ーっ
聞かせ
たまえ。
君は学術発展
にあたって、
何が
重要だと
思う?
む、
無謀さです。
慎重さを要する
研究という分野に
おいてこそ、
ほう、
いいだろう
気に入った。
しかし
天文とはな。
その一歩目は
大胆に踏み出す
べきです。
神学か
法学をやれと
大反対された
だろう。
え、
ええ...
奴らの利かぬ
鼻など
摘ませておけ。
所詮、ただの
金持ちだ。
真の貴族では
ない。
その投資で、
この巨大な
施設で、
我々は違うぞ、
金の適切な
使い方を
わかってる。
人倫社会の駄法螺は
無視して、
神の創りしこの世界への
理解にこそ投資して
いる。
一体何の
研究を?
宇宙の、
完成だよ。
う...宇宙の、
完成?
それって...
どういう。
文字通りだよ。
だから、
修正して正しく
完成させる。
私が一人でだ。
......
プトレマイオスモデルは
誤差がある。
――神が創った
宇宙にだそ?
大衆が
納得しようが
私には
許せんことだ。
直私は真理へ
辿り着く。
完成したら君にも
見せてやろう。
はっ、はい!
私は目が
冴えます
そのために、私は
あらゆる記録や
書物を独占してる
という訳だ
ここにある
膨大な記録は
私だけ関覧できる。
ほう、
時に、
君の優れた
能力はなんだ?
私にどう
貢献する?
それに
観測器具製作に
関する心得も
あります!
では君のとった
記録を見せてみろ。
はい!
.....
コレは...
...あの
...
よし。
この金属、
アストロラーベを
やろう。
えっ。
そっ、
そんな...
コレーつしかない
特注品じゃー
優れた道具は
優れた能力の人間に
使われるべきだ。
だからだよ。
早速明日から
観測を始めろ。
思う存分
天文をやれ
いいか?
神が君に与えた
才能を出し惜しむな。
そして、
君を否定した
節穴共に
わからせてやれ。
君が夜空を
見れば、
歴史が
変わると。
君こそが、
一族の
誇りであると。
教授!!
どうぞ
お座り
ください。
それと、
この前の論文
なかなかだったぞ。
光栄です!
教授に
追いつけるよう
気を抜きませんよ。
また、
賛辞の手紙と
感状が届いて
いたぞ。
目覚ましい
活躍ぶりだな。
......
君がここへ
来て、
もう
20年か。
君に、
人生は
短い。
そろそろ
言っても
いいだろう。
私の宇宙を
譲ろう。
真理を目指すピヤストの原点を
教授が示す
「宇宙」...とは!?
宇宙を、
ああ、
譲る?
それが
このカギだ。
?
ついて
来たまえ。
...
コレ
は...
資料室だ。
私しか
入れん。
な...
なんて大量だ。
コレを
見てみろ。
ッ!!
私が考案し、
二重の
周転門?
す、凄い!
こんな形見たこと
ない...!
精度も申し分ないし
等速円運動も
達成してる!
ああ、
修正してきた
宇宙だ。
現状の宇宙は
良くてきてるが
完璧には
程遠い
この精度まで
辿り着いてる
のは、
人類の歴史上、
恐らく私だけだ。
コレが、
...
宇宙の正しい
形だ。
.....
――しかし
コレでもまだ、
完成というには
誤差が多いかな。
私は...あらゆる
可能性、選択肢、未来を
捨ててこの修正宇宙に
一生を懸けてきた。
まさにコレは「かけがえのない」
私の血肉、
協力者は
いらない
...宝だ。
きっと、
真理に辿り
着けるのは
選ばれし
ただ一人だけ。
完成まで
誰にも明かすまいと
誓っていた。
では
何故、
今私に?
その一人とは、
私ではなく
君かもしれん
からだ。
長年
研究していると
いろいろ
見えてくる。
能力の
優劣などは
特にだ。
今や、
観測だけに
留まらず、
君が勝ってる。
真理への
道は、
理論、計算
発想に至る
まで、
あまりに
狭い。
だが、
君ならそこへ
辿り着けるかも
しれん。
そ、
そんな...
宇宙の
完成なんて
...
わ...
私には
とても。
すぐに着手しろ
とは言わん。
研究に興味があれば
いつでも言え。
資料を渡そう。
ゴホ
ゴホ
周転円
が...
二つ...
アレが
宇宙の...
正しい
形...
そんな大仕事
私に...
できるのか?
引き継げる
のかー
...い、いや
何を恐れてる!
重要なのは
無謀さでは
ないか!
そうだ!
!?
勇気を
持って挑むんだ!
教授の
宇宙を、
完成させ...
なんだ...
アレは...
...こんな
見間違いする
なんて、
私も
疲れてるな
......
大丈夫だ、
満ちてない。
後日
教授
お時間よろしい
でしょうか。
...宇宙の
完成についてですが、
おお、
考えて
くれたか。
はい..
素晴らしい
ひらめきだと、歴史を
思います。
いや、
変える
ものだ。
やはり私には
不相応です。
宇宙の完成など
扱いきれない
しかし、
...
そうか。
.....
しかし気が
変わったら
いつでも
言ってこい。
ただ、
私が完成させる
直前に言っても
遅いぞ。
5年後
ポッ
...
教授、きっと
大丈夫です。
神はまだ
自分のことは
わかる、
いや、
!
わかって
いたぞ...
?
もう
逝くのだ。
しかし...
ついに今の今まで
聞く勇気を
持てなかった。
私は..
5年前
あの話を
断ったのは、
私の研究を
疑っていた
からだろう。
そっ、
そんな!
アレは
素晴らしい!!
その通りだ。
アレは
美しい。
あんなに
正確な宇宙
見たことない!
精密で理想的で、
聖書にも
アリストテレスにも
則ってる。
それを疑ったことは
一度もない。
...
...だが、
だが、
だが、
完成しない
のだ。
いくら
やっても。
私の能力
では、
...いや、
結局
私は...
それなら
まだ
良いんだ。
常に
看過できない
誤差が
出てしまう。
一生かかっても
辿り着け
なかった..
.....
本当に、
...本当に
恐ろしいのは
そもそも
この仮説が、
前提から
全て間違い
だった場合だ。
だとしたら...
私は..
私はなんて、
無駄な
人生を...
違う。
そんなの
ありえない。
宇宙が
完成しなかったのは
教授の能力が単に
足りなかっただけだ。
だから、
あの研究は
間違いじゃない!
捧げた
教授の人生も
間違ってない!!
いつか...
いつか
天国で私に
聞かせてくれ
真理を。
キョ、教授の
お身体は..
逝ったよ。
!?
あとは頼んだ。
私は研究室へ
行く。
え、
え!?
こんな時に
何を!?
宇宙を
完成させる。
...
完成..
させねば...
第19話ノ完
ネート!!!?!!
視「マンガ大賞2021」ノミ
地球の運動はついて
私の人生を懸けた
研究が間違いだと
証明するものだぞ。
ですが真理です。
それを求めて人生を
捧げたのでしょう。
私の宇宙を
譲ろう。
私も疲れてるな。
こんな見間違い
するなんて...
満ちて
ない。
!
おお!
ピャスト伯直々に
観測とは
珍しいですね!
やはり
もう...
鋭眼と名高い
ピャスト伯には
我々凡なる者とは
違い、
えっ。
だが
死ぬ前に、
さぞ鮮明な宇宙が
見えることでしょう。
いや、
もうずっと前から
ボケて何も
見えん。
?
見なければ
ならん物がある。
貴様らのあの
与太話を...
私は寛大な
心で検討して
やった。
記録を
見せてやっても
いい。
!
ほ、
本当
ですか?
結果、
では、
ただし、
条件が
ある。
責様らの間違いを
観測することだ。
??
昔...私は
あるものを見た。
いや、
見間違えた。
当然そんな勘違い、今はもう
気にもかけてない
しかしあの一度の見間違いが
私の人生に疑念を生じさせた
ことがあった...
それは...
どういう。
だから、
この期にはっきりと
アレは見誤りだったと
確証を得たい。
一体...
なんの話を。
何を、
見たと
言うのです。
満ちた、
金星だ。
は?
!!?
そ...
そんな
...!
み...満ちた
金星?
それが
何か?
ありえない...
て...天動説では
地球が中心だから
当然、金星も
地球の周りを
回ってます。
人間にそんな
視力は...
ということは、
照らされる方向も
ある程度決まってて、
しかし、
“金星が満ちている。
場合、
金星は
太陽の後ろへ
回り込んで
照らされて
なければならない。
その結果
金星は常に
欠けて見えるん
てす。
つまり
惑星は
太陽を中心に
動いていると
考えるのが
自然だ。
これで、
〝地球中心〟という
考えは、
退けられる。
そうだ
そしてそれは
逆も然り。
満ちた金星が
観測できんなら、
地動説など
退けられ、
本当に
貴様らの仮説が
正しいなら、
金星が小さく
遠い今日は
まさに満ちて
見える筈。
私は胸を張って
天国へ行ける。
そのためにまず、
今夜、
全てのケリを
つけようでは
ないか。
視力
検査だ。
ここから
板が見えるだろ?
はい。
あの板には
瞳程の大きさの
図形が描かれて
いる。
これが
てきれば
それが
四角か真円か
答えろ。
当時の私と
同程度の
視力だと言える。
こ、
この距離から
瞳の大きさの
モノをなんて...
さぁ、
無謀
だ。
どちらか
描かれてるか
見えたか?
いえ、
どちらでも
ありません。
描かれてるのは
右かかけた
半円です。
ふん。
いいだろう。
私は部屋へ
戻る。
......
金星が
出たら
呼べ。
コレ、
ざっと
ですけど、
金星が
出る時間と
位置の予想を
出したので
参考までに。
あ、
ありがとう
ございます。
あの、
...もし、
もし今日、
満ちた金星が
見えなかったら、
地球は、
宇宙の中心にあって
...つまり底辺に
はりつけられてる
ってことですよね?
...心配なんです。
なんと言うか
俺は...!
やっぱり
そっちのほうが
事実な気がして。
それは
ご自身の
経験から、
...はい。
この世は
苦しみが多いと
思うからですか?
...それは同感です。
私も、
ここに救いがあると
思ったことは
あまりない。
それに我々の使命は
この汚れた地下を抜け出し
天国へ行くためだと
教えられてきました。
でも、
ずっと疑問
だったんです。
この世は、
最低と言うには
魅力的すぎる。
荒れ狂う自然や
理性のない獣
罪深い人間、
そういった
悲惨である筈の
物達ですら
何故か全て
美しさを備えてる。
コレには何か
理由があっていい。
それが、
地球の
運動なのかも
しれない。
大地と宇宙が
一個なら、
どんなに汚しても
この世から
輝きは簡単に
消えない。
二人共
ここに
いたか。
そろそろ
だぞ。
金星が見えるのは
3時間程度。
質問なん
てすけど...
俺が、
「金星が満ちてる」って
言っても
ピャスト伯は
信じないって
可能性はありませんか?
ある。
だが
その場合でも
バデーニ
さん、
.....
少なくとも
私は
真理を知れる。
不安か?
え、ええ
勿論ですよ。
今から
俺が見るものは
結果がどちらにせよ、
宇宙の
何かを
確定させて
しまうん
ですよね?
気が重いに
決まって
ます。
と、というか
そもそも
俺は巻き込まれた
形で...
:それに、
あなた達が普段
話してることも
やってることも、
正直、俺は
よくわからない
世界を変えようなんて
信念はない。
ただ
天国へ行きたいだけ
だったのに...
これが信仰的に
どうなのかはもっと
わからない。
なんで今ここにいて、
どうして
こんなことしてるのか
全然わからない
俺の人生で
最大に謎な
期間です。
一番よく
わからないのは
ここ数日間は、
だけどその中で、
俺は今、
満ちた金星が
見たいってことです。
ては我々が
君にできることは
もうないな。
はい。
...あ、
いや、
どっちでも
いいですけど、
もし
よければ、
期待して
ください。
フーッ
...
見えろ。
満ちてる。
見えろ。
満ちてろ。
見えろ。
..
...
...
...
...
満ちてる。
...ふっ
不思議だ。
ずっと前と同じ
空を見てるのに、
少し前から
まるで違く見える。
だろうな。
え?
きっと、
それが何かを
知るという
ことだ。
第20話/完
いう訳で、
ピャスト伯、
金星は、
満ち
!!
だっ、
大丈夫
ですか!?
う、
うう...
...み、
認めんぞ、
こんなこと
コレは貴様らの
策略だ。
私を騙しているな
.....
そっ
そんな。
よく考えれば
万に一つ...もし本当に
金星が本当に満ちている
としても
いや、
それは金星が太陽を
回っている証拠であって、
地球が動いている
証明には
ならない!!
だから、
地球など動かん!
依然、私の説のほうが
正しいのだ!
......
確かに、
!
そう考えることも
可能でしょう。
ええ。
でも、
そうやって
成立した
宇宙は、
神が創った
自然か、
人間の作った
こじつけか、
貴方は
その何方に
見えますか?
ッ。
きっ...貴様らのような
若造共には...
わからん
のだ...ッ!
私の歴史も
...!
人類の歴史も
...!!
積み上げられた
研究は、
こんな一瞬で
否定して
良い物では
ないッ!
では、
...積み重ねた
研究を一瞬で
否定する力が
あって、
個人の都合や
信念を
軽く越えて、
究極に
無慈悲で
それ故に
平等な、
もし、
そんなものが
あるとしたら、
なんと言うと
思いますか?
そっ、
そんな
もの..
私の人生を
懸けた研究が
間違いだと
証明する
ものだぞ。
ええ
ですが、
そんなもの...
いつか...
天国で、
私に...
そんなの...
聞かせて
くれ...
それは...
真理だ。
...
資料室の
カギだ。
!!
全ては
ココにある。
ありがとう
ございます。
では
頂きまー
あの...
ウッ...ウグッ。
ッ。
ーこの先に、
このカギの先に
何年分の人生が
あると思う?
50年ですか?
200年だ。
もし...
過去の積み重ね
の先に
答えがないなら、
しかしたとえ..
誤ちでも
何かを書き留めた
ことは、
と、
真理にとって
我々は
無駄だった
かもしれん
歴史にとって
無意味では
ない。
願ってる。
.....
私は
休む。
...ど、
どうでした
驚異的だ。
コレで当面は
研究に
専念できる。
早速だが
オクジー君は
資料を村まで
運んでくれ
屋敷の
研究者でも
ないのに、
ここで
作業する訳には
いかない
えっ、
あ、はい。
そして
ヨレンタさんだが、
選択は君に
任せるが..
私としては、
できればここで
外れてほしい。
研究は一人で
行いたい。
...わ、
わかりました。
...というか
今の私はこれ以上
協力できない
てしょうし。
とは言え
今回の件は非常に
助かった。
私が
こんなこと
言うのも
非常に稀だが、入れよう。
何か一つ
頼みを聞き
地動説を
完成させてください。
...
...では、
無いのかよね
君は本当に
談を研究ん
してはいない
それが
君の為にも、
では、
私は戻る。
ああ、
約束しよう。
―それと、もし後日
我々が捕まったとしても
君は説とは
無関係だと貫け。
我々のことは切り捨てろ。
オクジー君
資料頼んだ
ぞ。
あ、
はい。
じゃあ、
地動説の
為にもなる。
私もコレて...
ありがとう
ございました。
ど、
どうも、
とは。
あの、
...
一つ...
聞いて
いいですか?
はい?
文字が
読めるって、
...も、
どんな感じ
なんですか?
いっ、いや、
ちょっと気になって
...
皆平然と
読んでるけど...
ちょっと前までは
俺の人生で
文字読める人なんて...
組合の先輩の一人ぐらい
しかいなかったので。
誰にも
言いませんか?
は?
私が今から
言うことを
誰にも
言いませんか?
.....?
は、
はい。
...C教徒として
こんな表現を気軽に
使っちゃいけないことは
わかってます。
...でも、
その表現以外で
表せないから、
言います
けど...
文字は、
まるで
奇跡ですよ。
なっ!?
もっ、勿論
救世主様が起こす
奇跡とは
全く別種のもの
ですよっ!
...でも、
本当に
文字は
スゴいんです。
アレが
使えると、
時間と場所を
超越できる。
200年前の情報に
涙が流れることも、
100年前の噂話で
笑うこともある。
そんなの
信じられますか?
私達の人生は
どうしようもなく
この時代に閉じ込め
られてる。
だけど、
文字を読む時だけは
かつていた偉人達が
私に向かって口を
開いてくれる。
その一瞬
この世界から
抜け出せる。
文字になった
思考は
この世に残って、
ずっと未来の
誰かを動かすこと
だってある。
そんなの...
まるで、
奇跡じゃ
ないですか。
そ...
そんなに。
はい、
そんなに。
.....
...あの、
相談したい
ことが...
ゴホン
ゴホッ
デ゙
フゥ...
.....
万が
...
シャッ
シャッ
.....
カチ!
コホッ
ゴホッ
わーっ!!
う...
うぅ...
グフッ。
や...やっと、
お話...
でき
し...
ま.....
真...
ーピャスト様
?
ピャスト様!
ピャスト様!!
おい!
誰か!
巨
自分で買い物を買取すると、天国への人間に関してはいけません。
そして第21話(完
そこで、真理を携え、天国へ。