ＣＬＡＭＰ

ちょびっ

Ｓｈｏｂｉｔｅ

Ｃｈｏｂｉｔｓ

＜ＣＬＡＭＰ

ＳＡＴＳＵＫＩＩＣＡＲＡＳＨＩ

ＮＡＮＡＳＥＯＨＫＡＭＡ

ＭＣＫＮＥＫＯＩ

ＭＯＫＯＮＡＡＰＡＲ

『Ｂｏｏｋｄｅｓｉｇｎ』

ＣＬＡＭＰ

しあわせって．．．

そんな定義が

曖昧な事象．．．

曖昧だからこそ

多様であり得る

あり得ないことも

起こるかもしれねぇ

魂

生命

あり得ない

ことって？

それ等を伴わないものが

幸せになる

そんな

おとぎ話さ

こちらでは

Ｃｈｏｂｉｔｓ

«ｃｈａｐｔｅｒ．ｊｓ»

．．．稔様

．．．良かった

あのまま

目を開けないか．．．と思った．．．

姉さんみたいに．．．

柚姫にシステムエラーが

起こったって知らせが

柚姫がこの部屋に

ディスプレイに

倒れてるのを

表示されて．．．

見た時．．．

システムエラーと

いうことは．．．

人格テータも．．．

．．．一部

壊れてる．．．

心臓が止まるかと

思った．．．

申し訳ありません

大切なお姉様の

データを．．．

．．．．．．

アクセスログを

見たよ

国のデータバンクに

侵入しようとしたね

．．．はい

．．．ぼくのために

やったんだね

ぼくが困ってたから

ぼくを喜ばせようとして

申し訳ありません

稔様の許可もなく

勝手に．．．

柚姫の

せいじゃない

ぼくが

そうプログラム

したんだから

や

でも

いや

なんだよ

ぼくのために

柚姫が傷つくのは

いやなんだ

そうですね

私のチータが破損すれば、

お姉様の情報にも損傷が．．．

ちがう！

姉さんがじゃない！

柚姫が傷つくのが

いやなんだ！

．．．稔様．．．

．．．ぼくと

姉さんの話は

したよね

楓姉さんは

本当にぼくを

可愛がってくれた

はい

父さんと母さんが

離婚して名字が

ずっと

別になったあとも

ぼくが一番好きなのは

楓姉さんだった

でも

姉さんは

あんなに優しかった

姉さんが逝ってしまうのに

『ご自信がありませんが、

．．．病気で

逝ってしまった

ぼくは何も

出来なかった

手を握ってることしか

出来なかった

姉さんが目を閉じて

もう二度と

目を開けないのを．．．

ただ黙って

見ているしか

出来なかった

姉さんが死んで．．．

でもぼくはそれを

受け入れられなくて．．．

でも．．．

姉さんを忘れられなくて

ぼくが覚えてる姉さんに

出来るだけ似せて

いや

忘れたくなくて

．．．柚姫をつくった

柚姫は姉さんじゃない

．．．申し訳

ありません

私が至らないから．．．

そうじゃない

柚姫は柚姫だから

確かに柚姫は楓姉さんに

似せてつくった

でもそれは

ぼくが考える

姉さんで

姉さんそのもの

じゃない

どれだけ柚姫が

姉さんに似てても

柚姫と姉さんは違う存在なんだ

最初は確かに

そうだったよ

私は．．．稼様のお役に立てて

いなかったんですね

お姉様の代わりにと

つくってくださったのに．．．

でも誰も

他の誰かの代わりになる事は、

できないって

柚姫といて分かった

そう

誰も

姉さんの代わりに

なれない

だから

柚姫の代わりも

いないんだよ

そうだよ

楓姉さんが亡くなって

ぼくは笑えなくなってた

．．．私の代わりがいない．．．！？

楽しいことなんて

もうぼくには起こらない

と思ってた

でも

柚姫がいてくれた

柚娘がそばにいてくれたから

大事なものを見つけられた

また笑えるように

なったんだよ

．．．私は

パソコンで．．．

うん

柚姫は

パソコンだ

だから

プログラムとデータが

柚姫の行動を決定してる

でもやっぱり

他のパソコンを

ぼくは柚姫と

同じには思えない

本須和さんにも

露骨に

態度が違うって

言われたしね

柚姫は柚姫だから

たとえブログラムされたものでも

それが柚姫の個性だから

パソコンでも

ぼくは柚姫を

なくしたくないから

だからね

もう姉さんのデータを

柚姫に入れるのは

やめようと思う

でもそれでは

お姉様のように

行動することが

．．．！

姉さんと

いっしょにいた時間は

いいんだよ

これからもずっと

ぼくの中で大事なものだと

思う

だから柚姫とも

つくりたいんだよ

姉さんの代わりじゃなく

柚姫との大事な時間を

少しずつ

でもたくさん

お姉様の代わりが

出来なくても

稔様の

おそばにいて

良いんですか

ぼくは柚姫に

そばにいて欲しいんだ

他の誰でもない

柚姫に

．．．稔様

«ｃｈａｐｔｅｒ．７３＞ｅｎｄ

«ｃｈａｐｔｅｒ．７４＞

．．．って言ったのか

柚姫さんに

うん

悩まなかったわけじゃないよ

でもね

ぼくのために

無茶して倒れてる

柚姫を見つけた時に

いやだって思ったんだ

周りのこととか

自分の気持ち以外のことを

色々気にして

本当にしたいことが

出来なかったら

きっと後悔する

まして柚姫が

いなくなったら

もう何も出来ないんだ

柚姫とは

いくらあの時こうしてれば

良かったとか

こうしたかったとか思っても

それだけは

いやだって

すごく

思ったんだよ

そう思うのは

今はぼくにとっては

柚姫だけだ

はっきり

自覚出来たのは

本須和さんと話したから

なんだけどね

オ・オレ！？

まえ本須和さん

ぼくにいっただろ

それは

本当に

それだけなのかなって

自分に聞いてみて

「柚姫に対する時だけ

露骨に態度が違う」って

相姫は姉さんに似せた

パソコンだからだって

思ったんだけど

それだけじゃ

ないなって

その後に

ほら

小島さんが来た時

本須和さん

怒ったよね

「ちぃにはちぃって名前がある

いっしょくたにするな」って

柚姫が特別で

大切なんだなって

ああぼくも

そうだなって

柚姫は柚姫で

誰も柚姫には

なれないんだなって

それだけで

いいかなって

本須和さんにとって

ちぃさんも

そう？

．．．分かん

ねぇんだよ

まだ

ちぃはちぃだ

もう家電だとか

パソコンとか

そんなふうには

割り切れない

でもやっぱり．．．

オレのちぃに対する気持ちって

なんなのか分かんねぇんだよ

自分でも

ちぃのこと大事だよ

たとえば

新保とか、稔君とか

でも

それって

清水先生とか

裕美ちゃんとか

植田店長とか

大事だと思う気持ちと

同じなのか

どう違うのか

分かんねぇんだよ

なおさなくて

いいの？

柚姫

しゃべり万ちがう

はい

人格データの

一部が壊れたので

以前と同じ話し方では

なくなっています

はい

稔様は

私のプログラムは

私の値性だと言って

くださいました

お姉様の代わりに

なれなくても

それでもいいと

プログラム

．．．．．．

個性．．．

だから機様が望んでくださるなら、

ずっといっしょに．．．

ちぃさんは

ずっといっしょに

いたい方が

いらっしゃいますか？

ずっといっしょに．．．いたい

ちぃの

いっしょに

いたいひと．．．

いられると

いいですね。

その方の

お側に

お側にいたいと思います

お茶を

お待ちしました

どうぞ

そういうことで、

ちぃは、誰と

いっしょにいたい？

じゃあ

．．．秀樹

秀樹といると嬉しい

秀樹といると笑顔になる

ちぃは誰と

「サヨナラ」するのは

いや？

．．．秀樹．．．．．

ちぃ

秀樹がいない時

ここが痛くなる

秀樹と「サヨナラ」

しなきゃいけないって

考えたら

ここが痛くなる

それが

「好き」って

ことよ

．．．すき？

そう

ちぃは

秀樹が

好きなのね

ちぃの一番は秀樹？

秀樹がちぃの特別？

はい

確かに

『誰もいない町』の続き読むの

『誰もいない町』の

続き読むの

担当者の僕も

楽しみなんですよ

珍しいですね

今手描きで

絵を描く人って

殆どの作家さん

ＣＧだから

あの子達のための

お話ですから

あの子達に

手伝ってもらわずに

描きたかったんです

いいえ

え？

あの子達？

あの子達？

でも

なんでも

不思議なお話

ですよね

絵本といっても

子供向けって

感じじゃないし

．．．これは

おとぎ話なんです

アタシの中にある

このキモチ

でもくるしい

このキモチ

大事な子供達が

幸せになればいいなと

思って描いた

おとぎ話

とても

やわらかい

あのヒトを考えると

いっぱいになるキモチ

それは

誰にでも？

チガウ

あのヒトのことを

考えた時だけ

あのヒトといっしょにいるとどうなるの？

あのヒトと

いっしょにいると

どうなるの？

あたたかくなる

ここが

光ってる

みたいに

タイ

もし

いっしょに

いられなく

なったら？

ここが

イタくて

イタくて

死んでしまいそう？

アタシたちは

死なない

そう

死なない

命がないから

アレは

死なない

でも

死んだと

同じことは

起こる

アタシたちは

アレだから

今度はシアワセに

なれるといい

ｃｈａｐｔｅｒ．７４♭ｅ

「アタシだけのヒト」と

«ｃｈａｐｔｅｒ．７５»

Ｃｈｏｂｉｔｓ

もし

シアワセに

なれなかったら

でも

「アタシだけのヒト」が

アタシがテキルごとと

デキナイことを知って

決めなきゃいけない

決めなきゃ

いけない

アタシと

アタシと

アタシを

選んで

くれなかったら

そうしたら

アタシたちのことを

イタイ

イタイの？

もしアタシだけのヒトが

アタシを選んで

くれなかったら

きっと

ここがイタくて

止まってしまう

かもしれない

それはとても

ツライ痛み

悲しくて

コワレてしまうほどの

痛み

この町には

誰もいない

．．．

でも

はいはい

．．．

はぁぁ

ええ．．．

．．．

いつか

いいえいい

はぁぁ．．．

窓の中では

みんな楽しそうに

笑っている

このヒトたちは

シアワセなの？

アタシは

誰もいない町にいる

出来

ｍｅｃｍ

ふふふ！？

ふわふわ！

はい

それではなんですか？

Ｅｃｍ

誰もいない町を

歩いている

そして

アタシは今

とても

あのヒトに

会いたい

とても

とても

会いたい

．．．

そして

アレは

シアワセなの？

アレはシアワセなの？

あのヒトのことを

考えると

いちばんタノシイ

あのヒトのことを

考えると

いちばんウレシイ

あのヒトのことを

考えると

いちばんカナシイ

あのヒトのことを

考えると

いちばんクルシイ

ぜんぶ

あのヒトが

いちばん

これが

「すき」というコト

なのなかしれない

それなら

アタシの

「すきなヒト」は

アタシのプタシだけのヒトは．．．

ごめん

なんか変なこと

言っちまったな

いや

そんなこと

ないよ

他にも

用があるって

言ってたよな

柚姫が国の

データバンクに

侵入した時

以前ぼく宛に

送り主不明の

画像メールが

送られて来たよね

分かったことが

２つだけあるんだ

あのちぃに

そっくりなのとか

地図とかだよな

あのメールは

そのデータバンクを

管理してる

コンピュータから

送られたもの

みたいなんだ

は！？

省くよ

詳しい説明は

ＰＨＯＸでとめ、通信履歴とか

色々あるんだけど

説明してももと混乱する

と思うから

で

そこに

これがあった

稔君とこに

来たのと

おんなじだ．．．

あと

もう一枚

こ．．．これ．．．！？

あれ

管理人さんが

ちぃにくれた服だ

それに

ちぃが

二人いた

あの画像は

国のデータバンクとか

いうのにあった

ちぃは本当に

『Ｃｈｏｂｉｔｓ』なのか？

もしそうならオレはどうすりゃいいんだ

もしそうなら

オレはどうすりゃ

いいんだ

いや

出来ることあるのか？

オレに

パソコンについてはド素人で

なんも分かんねぇ

そんなオレが

何が出来るっていうんだ

それに、オレはちぃのこと

本当はどう思ってんのか

自分でも分かってない

いや

本当に

分かってないのか？

考えてねぇだけ

なんじゃないのか？

．．．秀樹！？

あ．．．いや

あ

えっと

ほら

あれ！

もう咲いてんだなぁ

と思って

なぁに？

花だよ

あれ

オレん家の近くにも

いっぱい咲いてたんだ

．．．好き？

え？

これ好き？

うん

好きだ

．．．な

ち．．．ちぃ？

ど！

どうしたんだ？

はい

雨に濡れてだいじょうぶなのか！？

あー、手も汚れて！！

秀樹

これ好き

え．．．

はい

ありがとう

でもな

オレ

ちぃにもしものことが

あったとしても

直してやれないかも

しれないんだ

だから

無茶しないでくれ

むちゃ？

そうだ

ちぃはバソコンだから

プログラムどおりに

動いてるだけなんだ

むちゃって

なに？

けど

周りのこととか

自分の気持ち以外のことを

色々気にして

そうだ

本当にしたいことが

出来なかったら

きっと後悔する

ちぃがもし本当に

『Ｃｈｏｂｉｔｓ』だったら、

いやそうじゃなくても

ずっと一緒にいられるかは

分からないんだ

まして柚姫が

いなくなったら

もう何も出来ないんだ

柚姫とは

いつか

いなくなるかも

しれない

ちぃが

本須和さん？

日比谷さん！？

ｉｔｅｒ．７５＞ｅｎｄ

Ｃｈｏｂｉｔｓ

«ｃｈａｐｔｅｒ．７６＞

日比谷

どうぞ

ちぃちゃんは．．．

ど．．．どうも

オレの

部屋です

一人で？

そう

でも

ちぃちゃん

寂しいわね

あいえ

一緒にすももと

もう一人．．．

あ、すもな。夜子の都度の

パソコンで、あと知り合いの

パソコンも一緒する

え？

でも

ちぃ一人じゃ．．．

一人じゃなくても

本当に側にいて欲しい人が

いなければ

やっぱり寂しいもの

日比谷

さん．．．

お話があるん

でしたよね

私に

．．．はい

これが．．．

オレの

知り合いのところに

送られて来たんです

あの．．．これ．．．

日比谷さんじゃ．．．

ないですよね

私です

え！？

昔の．．．私です

ちぃさんの服です！

たたまねば！

さ！

琴子しゃん！

力を

合わせて！！

何故私が

さぁ！

いっしょにー！！

さー

そでを

おりますー！！

だねら何故私が．．．

ちぃと

日比谷さんて．．．

ってことは．．．

「ちぃちゃん」と会ったのは

ここでが初めてです

本須和さんがちぃちゃんを

連れてらした時が

でも

この写真．．．

その時「ちぃちゃん」は

ちぃちゃんじゃなかったから

『エルダ』っていう

名前だったの

貴方に

出会う前

すべてを忘れて

しまう前は

あの人のことを

お話しします

ちぃちゃんと

そしてもう一人の子と

どうしたの？

秀樹いない

秀樹が

いないから？

それは

秀樹だけ？

胸が

痛い

寂しいのね

他の人がいなくても

さびしい？

今ここ

すももも琴子もいる

でも．．．

男様がいない

．．．秀樹．．．

こっち

です

えっ

でも

ここ．．．

うわっ！

この奥です

私も寂しかった

あの人がいないと

寂しくて

苦しかった

でも．．．

あの人が

アタシだけのヒトじゃないと

分かった時が．．．もっと．．．

痛かった．．．

こ．．．

これって．．．

夫が作ったものです

このアパートも

地下の施設も

そして

人型パソコンも

人型パソコンも

人型パソコンの

システムを作ったのは

私の夫です

．．．胸が痛くて．．．．

止まってしまうかと思った

いいえ

止まってしまいたいと

思った

そしたら．．．

『エルダ』．．．

『エルダ』．．．

«ｃｈａｐｔｅｒ．７６Ａｅｎｄ

アナタの声が

聞こえた．．．

«ｃｈａｐｔｅｒ．７？

日比谷さんの

旦那さんって．．．

亡くなりました

パソコンシステムを

最初に作った人なら

答えられたかもね

私も以前は

夫と同じところに

いました

もう

亡くなったけど

人型バソコンシステムを

作る研究所に

じゃ．．．じゃあ

あのちぃに

そっくりなのと

一緒に写ってた

のは．．．

これですね

でもなんで

この画像を

日比谷さんが．．．

もともとこれは

私達がいた研究所で

撮影されたものです

それ．．．！

私です

昔の

それに．．．

本須和さんのところに

転送されてきた画像メールを

こちらでも受信できるように

しておいたので．．．

え．．．！？ええっ！？

とて．．．そんなこと

出来るんですか？！

ごめんなさい

勝手なことしてしまって

でも．．．エルダ

いえちぃちゃんが

ここにいることは

きっとあの子達に

知られてしまうだろうから

本須和さんに何かあったら、

と．．．

い．．．いや

あの．．．

見られて困るもんは

なんだからいいんすけど

でも何か

あったらって．．．

ちぃちゃんは

あの子達．．．

いえ

今の世界にとって、

とても危険な存在だから

さ

いっしょに！

ばんざーい！

ばんざーい！！

やったですー！

すももと

琴子しゃんは

お洋服をたたみ

終わったですー

どうした

ですか？

琴子しゃん

どうしたの！？

また

侵入者！？

いや．．．

だったら

どうしたの！？

動けないの！？

．．．データ量が

ちょっと

デカ過ぎて．．．

おいディタ

ちょっと

待て

身動き出来ない状態で

何言ってんだよ！

ジーマのデータが

壊れちゃったら

どうするの！

データが壊れたって

直しゃ済むだろ

俺達は

パソコンなんだから

そう．．．だけど

でもジーマが壊れるのは

イヤなんだよ

おまえそれ．．．

どのパソコンに

でもか

なんで他の

パソコンのこと

気にかけなきゃ

いけないんだよ

そういうの

なんて言うか

知ってるか？

なんだよ！

そういうのはな．．．

す．．．

ジーマ！！

・あの子だ！

これ

あーあ

これ

この近くだ！

あの子、近くに

いるんだね！？

あー

まー

ん

うー

早く

行かなきゃ！

絶対に止める！

あの

プログラムは！！

バレちまったか

幸せに

俺は

お嬢ちゃんに

なって欲しいん

だけどなぁ

あの．．．

あの子達って

誰ですか？

それに

世界にとって

危険って．．．

そんな大変

なんですか

ちぃって．．．

パソコンに

とっては

いえ

パソコンと一緒にいる

人達にとっては

かしら

これが

ちぃちゃんという

名前になる前

まだ『エルダ』だった頃の

あの子です

もう一人は

『フレイヤ』という

名前だったの

これ

ちぃじゃ

ないんですか？

ちぃちゃんは

この子です

腕のところに「ＯＯ」って

あるでしょう

そういえば

ちぃに見せて

聞いたのは

そういえばちぃに見せて聞いたのは

こっちのほうだった

こっちのほう

だった

ちがう

これ

ちぃじゃない

でも黒い服のほう

見せた時は．．．

これ．．．

ちぃじゃ

ないんだよな

ｋｃｈａｐｔｅｒ：７ｐｅｎｄ

ちい

答えてなかったんだ

Ｃｈｏｂｉｔｓ

«ｃｈａｐｔｅｒ．７８＞

ずっと一緒だった．．．

それは．．．

アナタの声が

聞こえたの．．．

ちぃ．．．

覚えてない

それは．．．

アタシのせいよ

どうして教えて

くれなかったん

ですか

ちぃ

いや

前は

なんだっけ？

エ．．．『エルダ』？

ええ

エルダを

知ってるって

約束だったの

あの人との

夫は

おもちゃ会社を

経営してたの

経営だけじゃなく

ゲームやおもちゃの

開発もしていて

約束？

社長だったけど

いつも白衣で研究室に

こもりきりの人だったわ

で．．．でも

おもちゃ会社で

なんでパソコンを．．．

今コンピュータが組み込まれて

いない電化製品は

ほとんどないでしょう。

おもちゃもそう

夫は前に

人の思考を読みとって動く

人形をつくったの

知ってます

発売されたの

ずいぶん前だけど

最近まで

人気あった．．．

ええ

その開発

私も手伝って

いたんだけど

ある日私が

テストに使っていた

人形が壊れて

しまって．．．

言ったの

夫に

「人形だって

分かってるのに

悲しい」

「怪我をさせて

しまったみたいで

辛いわ」って

「おもちゃだって

分かってるのに

生きてないって

分かってるのに

どうしてこんなに

可愛いと思って

しまうのかしら」

「どうしてこんなに

心配だったり

嬉しかったり

するのかしら」

そしたらね

あの人が

「そりゃそうや

相手は生きてへんでも

千歳は生きてる」

「千歳が生きてて

心があるから

可愛いんやろ」って

すもも

さん！？

また．．．声が．．．

この声は．．．

あの人も愛してました

おもちゃや人形や

人でないものたちを

ずっと

優しかった．．．

亡くなる時まで．．．

私のことを

子供達のことを

心配してた

生きてるものにも優しいけど

生きてないものにも優しい人でした。

子供．．．？

『エルダ』と

『フレイヤ』は

夫が私のために

つくってくれた子達なの

動く人形のあとに

その技術をもっと

発展させて

つくってくれた

子供の産めない

私のためにつくってくれた

可愛い子供達

最初に

『フレイヤ』が

作られました

私女の子が欲しかったって

いってたから

呼ばれて

あの人の

研究室に

行ったら

あの子がいて

私に内緒であの子を

作ってくれて

１２月３１日

雪が降ってて

寒い日でした

目を覚まして

笑ってくれたの

名前をつけて

あげるように

あの人に

いわれて

フレイヤは笑って

『フレイヤ』って

名付けたの

『ママ』って

呼んでくれて

嬉しかった

それから

私達夫婦と

フレイヤで

一緒に暮らして

毎日．．．本当に

楽しかった

目を覚ましたばかりの

フレイヤは本当に子供で

何も知らなかったけれど、

少しずつ色んなことを覚えて

色んなことを知って

どんどん

あっともっと

可愛くなっていった

本須和さんに会えた

ちぃちゃんみたいに

おいおい

ビデオやで

再生や？

写真と違うんやから

もっと動かんと

なんだか照れちゃうわ

照れちゃだめよ

ママ

笑って

パパあとでその映像

アタシに記録して

アタシ

ママの笑顔が一番好き

記録して

どうするの？

だから後で

何回も見るの

これからは、

この顔．．．．．．．

あの．．．

これ

撮影したの

って．．．

どきます

気づきましたか？

夫です

え．．．

あの．．．

なんか．．．

え？

え？

本須和さんは

こんなせつない目で

見られたことが

あるんですね

あ．．．

それでも．．．

ａｐｔｅｒ

．．．

Ｃｈｏｂｉｔｓ

«ｃｈａｐｔｅｒ．７９»

目覚めてから．．．

フレイヤは

本当に色んなことを

覚えました

夫はすべての技術を費やして

いえ技術だけではありません

愛情を注いで

フレイヤをつくりました。

フレイヤが愛される

存在であるように

そして

誰かを愛するように

大切な

たった一人の人

そんな存在に

子供が

出会えるように

あの人も

私も

一番大事なのは

「何かを

愛しむ気持ち」

だと思って

いたから．．．

フレイヤは

夫と私の

願いどおりに

育ちました

私達に愛され

そして

愛する人を見つけた

そう

フレイヤにとって

それは夫だったんです

アタシはあの人を

好きになってしまった

あの人が

アタシのために

つくってくれた

ブログラムで

あの人を

特別な人だと

アタシだけのヒトだと

決めてしまった

でも

気づいて

あげられなくて．．．

大切な子供が

悩んでいたのに

それでも日に日に元気がなくなっていくフレイヤが心配で

それでも

日に日に元気が

なくなっていく

フレイヤが心配で

私が夫にお願い

したんです

あの子に

フレイヤに妹を

つくってあげて欲しいって

それが．．．

エルダ

ちぃちゃんです

ちぃちゃんです

アナタに会えた時

嬉しかった

ママがつけた

名前．．．

エルダって

呼ぶと

いつも

笑ってくれた

私達は

いつも

一緒

だった

二人一緒に

パパとママに

愛されて

毎日本当に

シアワセ

だった

でも．．．

アタシはパパを

アタシは

パパを

ババとしてだけじゃなく

好きになってしまった

パパには

ママがいるのに

分かってるのに

妹が出来て

フレイヤは楽しそう

でも

だったけれど

・止められなかった

一人でいると

時折とても．．．

思い詰めたような

せつない表情を

する時があって．．．

気づいたんです

そんな時の

フレイヤの視線が

夫に向いている事に

アタシはパパを

アタシだけのヒトだと

決めてしまったけれど

でもアタシは

ママも大好きで

本当に

本当に

大好きで

パパもママも困らせたくなかった

パパもママも

困らせたく

なかった

誰にも言わずに

この気持ちは

封印してしまおうと

思ってた

でも

出来なかったの

あの人を

愛して

でも

やめなければと

胸を痛めて．．．

フレイヤは

その痛みで．．．

アタシは

パパへの．．．

『アタシだけの

ヒトへの想いと

それを

とめようと

する思いの

狭間で．．．

フレイヤの揺れを

受け止めるには

ＣＰＵへの負担が

あまりに

大きすぎて．．．

あの子は．．．

アタシは．．．

壊れてしまった．．．

ある日

フレイヤが倒れて．．．

でも

良くならなくて．．．

胸が痛くて．．．

夫と私とで

必死でフレイヤを

治そうとしたんですが．．．

その痛みでアタシは

動けなくなって．．．

ババもママも一生懸命

アタシをなおそうと

したけど．．．

アナタもアタシを

心配してくれて．．．

ずっと側にいてくれたけど．．．

でも．．．アタシは．．．

止まってしまいたかったの

苦しくて苦レくて

こんなに苦しいなら

もう．．．

止まってしまいたかった．．．

そのうち

フレイヤは．．．

体だけではなく

記憶にも支障が

出始めて．．．

このままでは．．．

本当に．．．フレイヤが

死んでしまうと．．．

死んでしまうと．．．

思ったんです

アタシとアナタは

生きていないものなのに

パパとママは

まるで本当の

娘のように

愛してくれた

いいえ

本当の娘だった

ラマはアタシのベットの側で

ずっと泣いてて

．．．あの日

自分でも

もうダメかもしれない

って思ったの

パパも

辛そうだった

自分の体が良分のものじゃ

ないみたいで．．．

目を開けてられなくて．．．

あの日．．．

フレイヤがもう自分では

指も動かせず

視線を逸らすことも

出来なくなった時に．．．

分かったんです

フレイヤの瞳が

誰を見ているのか

それがどんなに

せつない瞳なのか．．．

アタシは止まる．．．

もうママにもババにも

会えなくなるんだって

思って．．．

ママがいない時に

完全に止まってしまうと

分かって．．．

アタシ．．．

言ってしまったの

パパに．．．

「パパが好き

パパが

「アタシだけのヒト」よ」

って

パパは．．．

「ごめんな」

って

パパには

パパだけのヒトが

もういて

それがママだって

それがママだって

アタシとエルダのことを愛してるけど

アタシとエルダのことを

愛してるけど

やっぱりママが

特別だって

アタシね

嬉しかったの．．．

パパがごまかさずに

ちゃんと答えてくれて．．．

アタシとエルダの

大切なママを特別だって

言ってくれて嬉しかったの

でも

嬉しいのと同じくらい

悲しかった．．．

．．．

．．．

アタシは

その感情を

受け止め

きれなくて．．．

本当に止まって

しまおうとしていた

その時

その時

エルダ

アナタの声が

聞こえたの

声．．．？

「こっちへ来て」って

フレイヤが

消える前に

フレイヤのココロを

アタシの中へ

アタシが守ってあげる

フレイヤのココロを

守ってあげる

だから

アタシの中に来て、

＞ｈａｐｔｅｒ．７９

«ｃｈａｐｔｅｒ．８０〉

パパやママ

寝てないのに

フレイヤが

なおるように

一生懸命なのに

フレイヤは

良くならない

アタシはフレイヤを

無くしたくない

それに

フレイヤは

アナタの

『アタシだけのヒト』のことを

大切な人の記憶を

無くしてしまっていいの？

これは

パパがフレイヤに

してくれたこと

フレイヤが

パパといた時間

大切な

思い出

フレイヤが止まったら

全部消えてしまう

それでもいいの？

いや．．．

アタシもいやよ

大切なフレイヤの

大切な思い出とココロを

無くすのはいや

．．．でも

そんなことしたら

エルダ．．．

アナタのココロが

．．．壊れてしまう

パパが

つくってくれた

アタシたちは

．．．とても

複雑だから

一人に

二人分のココロは

入らない．．．

だから．．．

アタシのココロ．．．

記憶がアナタの中に

もし入ったら．．．

アナタのココロが．．．

記憶が消えてしまう．．．

いいの

アタシはまだ

『アタシだけのヒト』を

見つけてないから

パパやママや

フレイヤは

大好きだけど

『アタシだけのヒト』

じゃない

たった一人の

特別の人じゃない

アタシにはまだ

止まるほど

辛い記憶はない

それにアナタが

覚えていてくれる

アタシのこと

アタシの記憶

アタシが忘れたことも全部

だから．．．いいの

エルダ．．．

アタシはアナタ

アナタはアタシ

大好きなパパとママの

娘なんだもの

たった二人の

姉妹なんだもの

エルダ．．．

今度

目覚めたら．．．

アナタはすべてを

忘れてしまっている

だろうけど．．．

アタシが

覚えてるから

アタシのこと

そして．．．

アナタのこと

アタシの

『アタシだけのヒト』は．．．

アタシだけを好きには

なってくれなかったけど

アナタは見つけて

『アタシだけのヒト』を．．．

アタシはアナタの中で．．．

アナタを見守ってるから．．．

アナタがシアワセになれるように

それで

ちぃは全部．．．

そう．．．

全部忘れてしまったの

じゃあ

ちぃは前の持ち主に

初期化されたんじゃなくて

自分で無くしたんですか

記憶を．．．

でも．．．

なんでちぃは

あんな格好で

ゴミ捨て場に

捨てられてたん

ですか？

それは．．．

アナタが

望んだの

エルダ

アナタがアタシの

記憶を受け止めて

すべてを忘れて

しまう前に

アタシとアナタの

異常に気付いて

駆けつけた

パパとママに．．．

アタシはこのまま

眠ってしまうけど．．．

目が覚めたら

全部忘れて

しまってるけど．．．

アタシも

アタシの中の

フレイヤも

パパとママの

娘であることに

変わりはないから．．．

あのね．．．

パパ

アタシが目を閉じたら、

外に出して．．．

アタシが誰なのか

分からないように．．．

パパとママの娘だって、

分からないようにして．．．

．．．どこかに置いてきて

今度目が覚めて

またバパに会ったら．．．

パパとママと

離れるのは

寂しいけど

でも

．．．大丈夫だから

アタシの中にいる

フレイヤと一緒に．．．

捜すから．．．

アタシもパパを

『アタシだけのヒト』に

選んでしまうかもしれない

パパとママ

みたいに

側にいるだけで

シアワセに

なれるような．．．

アタシが

．．．その人だから、

好きになれる

アタシはテタシだけの

特別なヒトを見つけたいから．．．

パパとママの娘でなくても．．．

何も出来なくても．．．

アダシがアタシだから、

好きでいてくれる

そんなヒトを．．．

『アタシだけのヒト』を．．．

アタシが

アタシだから

好きで

いてくれる

そのヒトが

そのヒトで

あるから

好きに

なれる

『アタシだけの

ヒトを．．．

あの．．．

ひょっとして．．．

あの子達のことを．．．

エルダが

忘れてしまったことを

残しておきたくて．．．

あの絵本．．．

『だれもいない町』って

絵本の作者って．．．

私です

あの子達に

幸せになって

欲しくて．．．

描いたの

ちぃちゃんと．．．

それで．．．なんか

ちぃのことみたい

だったんですね

本須和さんのことです

オレ．．．

ですか

エルダ．．．

いえ

今は

ちぃね

ちぃ

夫は．．．

見付かった？

見付かった？

エルダの望みどおり

あの子を外に出すことを決めました。

ちぃだけに

出来ること？

私も夫も辛くて

仕方なかったけれど

それがあの子の

望みだから．．．

でもその前に

夫はエルダに

『あの子だけに出来ること』を

つくりました

ちぃの

アタシだけのヒト」は

見付かった．．．？

だぁれ？

ちぃの．．．

『アタシだけのヒト』は．．．

＜ｃｈａｐｔｅｒ．８Ｄｙｅｎｄ

«ｃｈａｐｔｅｒ．８１〉

あの後

フレイヤの記憶は

消えていて．．．

あの人と二人で

手を尽くしたけれど．．．

エルダは

目を覚ましません

でした

エルダの

言葉どおり

エルダは

全てを

忘れて

いました

眠ったままのあの子に

夫は

エルダ．．．いえ

エルダとフレイヤ

『二人だけに出来ること』を

つくりました

二人だけに

出来ること？

他の子達には

出来ないことです。

ひょっとして．．．

その

出来ることのせいで

ちぃが世界にとって

危険なんですか？

．．．そうです

その

『出来ること』を

エルダにいれる前に

テストをして．．．

それはエルダが

その時は

今出来ることに

比べれば

止めて．．．

とても小さな

規模だったけれど．．．

政府のコンピュータが

せ

政府！？

政府が

関係あるようなこと

なんですか！？

ええ

その前に

本須和さん

それって

ど．．．どういうこと．．．

は．．．

はい！

本須和さんは

エルダ．．．いえ

ちぃちゃんのこと

どう思ってますか？

ど．．．どう

っていうのは．．．

ちぃちゃんのこと

大切に思って

らっしゃるのは

見ていても分かります

その大切は

どんな大切ですか？

それは．．．

なんだ！？

すみません！

ちぃんとこ

行ってきます！！

ちい！！

本須和さん

ちぃちゃんが

心配ですか？

はい！

ちぃちゃんが

生きていない

ものでも？

．．．心配です

そうだ

ちぃは

パソコンで．．．

どんなに

人間そっくりでも

やっぱ違うって

分かってるんです

ちぃは

どんなに可愛くても

人間じゃないし

だからもし

何かあっても

痛いとか、辛いとが

感じないかもしれない

でも

ちいの笑顔も行動も

全部プログラムされた

もんだって分かってる

忘れるかも

しれないけど．．．

でも

オレは

心配です

ちぃには．．．出来たら

悲しい思いは

させたくないし

笑ってて欲しいし．．．

オレはちぃを離したくないし、

ちぃといたい

何かあったら

心配だし

出来ることは

したい

他の人にも

そうだけど

．．．

ちぃは．．．

ちぃは他の人とは違う

オレは

ちぃに．．．

ちぃに．．．幸せになって欲しい

これ

って．．．

間違ってる

のかも

しれないん

ですけど

ちぃは．．．

パソコンで

どうして

間違ってると

思うんですか？

２

機械で

生きてなくて．．．

それに．．．

．．．愛し合ったとしても

子供が残せる訳ではない

例えば、植田店長みたいに、

結婚したとしても．．．

あの人が言ってくれたの

．．．私も

子供が産めません

でも

夫を愛して

あの人に愛されて

子供をつくることが

幸せの終着点ではないし、

誰かを愛する条件でもない

幸せはそれぞれ違う。

色んな幸せがあるんだって

これからもうちょっと

外から見たら

不幸でも

幸せだった

中は幸せだと

いうこともある

幸せの形は

ひとつじゃないって

だから私は

夫とフレイヤと

エルダがいて

幸せだった

いえ

今も幸せよ

あの人が

亡くなって

フレイヤとは

直接会えなく

なって

エルダが私を

忘れてしまった

ことは

悲しいけれど．．．

でも．．．

何も出来ないけれど、

娘が幸せになれるように、

側で見ていられるから

行ってあげて！

ちぃちゃんのところへ！！

．．．はい！！

．．．有り難う

本須和さん

私の娘を

大切に思ってくれて

あなた

．．．私、あなたとの約束。

破ってしまったことに

なるのかしら

本須和さんに

私達のこと

話してしまって．．．

でも．．．

あなたが亡くなって

エルダの願いどおり

あの子を外に出してから

私

ずっと見ていることしか

出来なかったんですもの

起動できないエルダは

誰にも

かえりみられなくて．．．

拾われても

すぐ捨てられて．．．

何も出来ないまま

ずっと見ていたんですもの．．．

本須和さんと会えるまで

眠り続けていたのを

少しくらい、許してくれるわよね

あの子達が来たわ

ちぃの．．．

『アタシだけのヒト』は．．．

ヒデキ

．．．ｅｒ．ｄｉｒｅ

ちょひ

Ｏｎｅｘｔ

☆収録されている表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。

ちょびっツ〈了〉

著

発行者

２０１４年６月１日発行（Ｏ）

ＣＬＡＭＰ

しＬＡＭＰ©ＣＬＡＮＰ２０１４連出！！

清水保羅株式会社

株式会社・講談社

〒１１２－８００１

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