月日日の開催日青山剛昌 ...いいいけどそれはそういえば、 それはそういえばいいけど、それはそうですね。それではないのですが 犯人は、窓から窓へ飛び移ったんですよ... みなさんが被害者の悲鳴を聞いて駆けつける前にね... そして、あの時間に誰にも怪しまれずに家中を動きまわれた人物はただ一人... は、早くいいたまえ!!いったい誰だね!?わたしの家内を殺した犯人は!? この家の特殊な構造を知らなければ、思いつきませんがね.. これで、窓の外に足跡がなかったわけがおわかりでしょう.. 御主人、ちょっとあなたです!! じょ、冗談はよしたまえ...だいいち、ワシの足はまだ... ヘタな芝居は、やめてくださいよ... もう、ネタはバレてんだ!! あんたの足は三か月前にもう治ってんだよ!! そうですよね?目暮警部... 観念しろ!!おまえの主治医が、すべて吐いたぞ... さあ、さっさと歩け!! いやー、また君の力を借りてしまったな、工藤君!! いっもいつもすまんのー... この名探偵、工藤新一にご依頼を!! それはそれですか恋奈がお前は ねえねえ、聞いたー?あの高校生探偵、また、お手柄なんだってー!! 日本警察の救世主といえましょー!! バッカみたい...ヘラヘラしちゃって... なに怒ってんだよ、蘭? 新一が活躍してるせいでわたしのお父さんの仕事が減ってるからって... 怒ってなんかいませんよー!! あれー?蘭の父さん、まだ探偵やってたのか? でも仕事が来ないのは、オレのせいじゃなくて、あの人の腕のせい.. さささすが空手部女王将... だから、怒ってないっていってるでしょー!! 新一だって、サッカー部やめてなかったら、今頃は国立のヒーローだったのに... サッカーは探偵に必要な運動神経をつけるためにやってただけだよ... ほら...ホームズだって剣術やってたし... あれは、小説でしょー... でも、みんなが知ってる名探偵だ!! 彼はすごい!!いつも、冷静沈着!! あふれる知性、教養!!観察力と推理力は推理力は天下一品おまけに、!!バイオリン腕はプロ並バイオリンの腕はプロ並だ!! 小説家、コナン・ドイルの生み出したシャーロック・ホームズは、 世界最高の名探偵だよ!! コナン・ドイルだけじゃない..オレん家には、世界中の推理小説がそろってるぜ!! どーた?蘭も読んでみるか? いいわよ、新一の推理オタクがうつっちゃうから... でも、見ろよ、このファンレター... みんな、この推理オタクが好きだってよ! 女の子にデレデレするのはいいけど... ちゃんと本命一本に絞りなさいよ!! なによー、人の顔ジロジロ見ちゃってー... え?い、いや別に... でも、なんで探偵なのよ? そんなに推理小説が好きなら、小説家になれはいいのに... オレは探偵を書きたいんじゃない...なりたいんだ!! いい気になって事件に首つっこんでると、いつか危ない目にあうわよ!! 難事件であればあるほど、わくわくするんだよ!! 策をろうした犯人を、追いつめる時のあのスリル!!あの快感!! 平成のシャーロック・ホームズにな!! 一度やったらやめられねーぜ... ねえ、ちょっとー... 明日の約束、忘れてないでしょーねー... いったじゃマないの!?わたしが都大会で優勝したら、遊園地に連れてってくれるって!! 別に新一なんかと行きたくなかったし!! ファンレターの女の子とでも遊んでればー... ジョーダンだよ、ジョーダン!! ちゃんと覚えてるよ!! 忘れるわけねーだろ!! 全部新一のおごりっていうのも、忘れないでね.. 助手のワトソンに初めて会った時、 握手しただけで、彼が軍医でアフガンに行ってた事を見抜いてしまったんだ... ホームズのすごい所っていうのはな... あなた、体操部に入ってますね? ど、どうしてそれを...? なに、この子知り合い? 彼女の手のマメさ!女の人で、指にあれだけマメのできるのは、鉄棒やってる人ぐらいだよ!! でも、テニスやっててもマメぐらい... どんな時でも観察を怠らないのが探偵の基本だぜ... なーんて、本当は、さっきあの人のスカートが風でめくれた時に見ちゃったのさ!段違い平行棒経験者の足の付け根にできる、独特のアザをな... えらそーに...握手する前からわかってたなんて、インチキよ!! オイコラ!オレのダチにちょっかい出してんじゃねーぞ!! なんなら、列かわってあげましょーか? い、いいわよ別に... あの二人のじゃましちゃ悪いしね♡ お、お友達だったんですか... 蘭...実はぇぇオレ、前からおまえの事... 新一、わたしもよ... わかるか?コナン・ドイルはきっと、こういいたかったんだ.. ホームズって奴はな... もー、ホームズだのコナン・ドイルだの、いいかげんにしてよ!!! わたしは、新一と来るの、ずーっと楽しみにしてたのにさ!! どうして、わたしの気持ちに気づいてくれないの? あ、あ、あのさ...じ、実はオレも... バーカ、何あせってんのよ!! ウソに決まってるでしょー!! こんな手にひっかかってるよーじゃ、探偵はつとまんないわよ♡ 楽しみにしてたのは、ホントだよ!! きゃー!!何よ、このあったかいの!? 暗くて、何も見えなーい!! なんだ!?どうした!? ど、どうして岸田君が... フン...運の悪い奴め... これは事故じゃない!!! 被害者とコースターにいっしょに乗った... ケッ...つきあってらんねーぜ!! どけどけ!!警察だ!! おお!!あれが有名な高校生探偵、工藤新一か!! おー、工藤君じゃないか!! 迷宮入りの難事件を次々と解決してるっていう... あ、目標警報警部... ちょっと来て来て!!工藤君よ、工藤君♡ お手並、拝見させてもらおうぜ!! では、こういう事かね工藤君... ジェットコースターそのものには、事故や故障の痕跡はまったくないし... 状況からみて、自殺の線もうすい... そうです、警部!これはあきらかに殺人です.. 被害者と同じ三列目に乗っていた、被害者の友人であり、恋人でもあるし... 君と蘭君はとりあえず除外して考えると、容疑者は五人!! でも、そうなると全員セーフティーガードをして身動きがとれなかったのだから、 殺害できたのは、被害者のとなりに座っていたあの女性だけとなるか... おい、早くしてくれ!! オレ達や、探偵ゴッコにつきあってるヒマなんかないんだぜ... なんだ、こいつの凍りつくような目は!! こ、こいつはいったい!? 警部!!心この女性のバッグからこんな物が!! 平気で何人も殺してきたような目だ!! わたし、知らないわよ!! なんでそんな事しちゃったのよ.. 岸田君とはうまくいってたと思ってたのに... おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!! なーんだ...思ったより、簡単に犯人が見つかったわね... オレもあの女がクサイと思ってたぜ.. 早くオレ達を帰してくれ刑事さんよ!! 恋人同士のケンカか原因かー...女は怖いねー... よーしその女性を容疑者として連れて行け!! まってください、警部... 犯人は、その人じゃありません... 何いってるのよ、愛子のバッグから刃物が出てきたのを見たでしょ!? あんな物で、人間の首は切断できませんよ... それに、もし彼女が犯人なら、凶器を捨てるチャンスは、いくらでもあったはずだ!! 特に、じゃい女性の力ではね... わざわざ布にくるんで、バッグの中に隠す必要はないですよ... だいいち、あなたが今いったじゃない!女の力じゃできないって.. あれは、あなたがあらかじめあの人のバッグに入れた物じゃないんですか? バ、バカな事いわないで!! わたしの乗ってた席は、どーやって死んだ岸田君の首が斬れるって前の前よ!!いうの? 確かに女性の力だけでは無理だ... だが!!コースターのスピードとピアノ線か綱鉄の輪を利用すれば、 警察の方達、ちょっと手伝ってください... いいですかみなさん... ボクが犯人で、警部が被害者ですよ... まず、セーフティーガードをおろす前にバッグのような物を背中にはさみ、 すると、ほら!スキ間ができて、 簡単にぬけられる... 次に、あらかじめ用意しておいた、 輪にフックのような器具を取り付けた物をとり出し、 そして、ガードに足をかけ、体を後ろに伸ばし、 被害者の首にかける... もちろん真っ暗なトンネルの中でね... 仕上げに輪の先に付いてるフックをレールにひっかけ、 あとはコースターのスピードとパワーが、 首をふっとばしてくれるってわけですよ.. で、でたらめよ!!何を証拠に!? では、お聞きしますか... いったいどこへいったんですか!? おそらく、あなたはネックレスのヒモをピアノ線に変え、 それに取り付けたフックは、バッグの中に隠していた!! 乗る前にあなたがつけてた真珠のネックレス... さらに、あなたは体操をやっている!! ほかの女性ならともかくバランス感覚の鍛えられたあなたなら、コースターの上でもこれくらいの事はできる!! ちょっと、いいかげんにしてよ!! じゃあ、あの二人はどーなのよ? 同じ手口なら、後ろにいたあの人達の方が、簡単にできるんじゃない? あの二人はいかにも怪しいが、シロだ!! 何者かは知らないが.. 警察が来たとたんに、あんなにオロオロするのは変だ!! もし犯人なら、こうなる事はわかっていたはずですからね!! そう..犯人はしゃ被害者が死ぬのを知っていたんですよ... だから、殺す前に涙を流した じゃあ、あんたひとみがコースターの上で泣いてるのを見たっていうの? ジェットコースターにでも乗っていないかぎり... つまり、コースターに乗っているうちに大粒の涙を流せるのは犯人以外にない 彼女の涙の跡が動かぬ証拠だ 涙は、横には流れないんですよ... みんな、あの人が悪いのよー!! ひ、ひとみ...あなた、岸田君とつき合っていたの...? そうよ!!大学であなた達に会うずーっと前から、私達は愛し合っていたわよ!! こんな女に乗り換えるから... あの人がわたしを捨てるから!! あの人と最初にテートしたこの場所で.. あの人にもらったネックレスで.. 愛子に罪をかぶせて... 殺してっやりたかったのよー その後、彼女のバッグから大量の睡眠薬が出てきた... どうやら、この後ここで死ぬつもりだったらしい: 犯行に使われたネックレスも発見された... ヒモは、やはりピアノ線で、真珠はほとんど飛び散り、 残ったものは、夕日を浴びてあわい光をはなっていた... まるで、大粒の涙のように あんたは、よく平気でいられるわね... オ、オレは現場で見慣れているからバラバラ死体とか... は、早く忘れた方がいいよ! おいおい、もう泣くなよ... よくある事だから... ゴメン、蘭!!先に帰っててくれ!! すぐ追いつくからよー! あれはコースターに乗ってた その時、わたしはなぜか、そんな予感がした... 新一とこれっきりもう会えないような.. や、約束どおり一人で来た!! 一人で来たのは知ってるさ...コースターの上から、確かめさせてもらったからな... は、早く例の物を... これで、文句あるまい!! す、すげー一億円はあるぞ... よし、取り引き成立だ!! さあ、早くフィルムを... ほらよ!おまえの会社の拳銃密輸の証拠のフィルムだ... おいおい、マジかよ... う、うるさい、おまえらの組織がやってる事に比べれば、ワシらなんて... だまれ!!このハイエナどもめ!! 悪い事はするもんじゃねーせ!! それ以上いわない方が、身のためですぜ... こんなガキにつけられやがって... こいつ、殺しやすかい!? いや、まぁ、拳銃はまずい!! さっきの騒ぎで、サツが、まだうろついてる!! 組織が新開発したこの毒薬をな... フフフ...なにしろ死体から毒が検出されない... 完全犯罪が可能なシロモノだ!! まだ人間には試した事がない、試作品らしいがな... 溶けてるみてーだ... やっぱ、オレ死んじまったのか! いや、まだ息はある!! い、生きてる...?そーか、あの薬人間には、効かなかったんだ... ひでー、頭から血が出てるぞ.. おい、しっかりしろ!! ラッキーでやんの... あいつらの悪事を、みんなパラしてやる!! 何いってんだこいつら...オレは、高校二年生だぜ... どうしたんだ、その頭のケガ? ケガ...?そうか、オレあの時、黒ずくめの男に後ろからなぐられて... でも、オジさん達が来たから.. もう安心だよボウヤ... こ、こいつオレの体を軽々と... おー、かえ帰ったか蘭... もぉー!!お父さん、またこんなにちらかしてー!! 毛利小五郎さん毛利小五郎蘭の父・探偵 こんなんだから、仕事の依頼も来なくて、母さんに逃げられちゃうのよ!! オレは、仕事を選んでんだよ!! そういやー、あの探偵きどりのボウズはどうした? わるい蘭!!先に帰っててくれ!! 今日は、いっしょだったんじゃねーのか? 遊園地から帰るまではいっしょだったわよ..でもとか?途中で.. どうしたのかしら新一.. すぐ追いつくからよー!! ははーん...さては、ケンカしたなー? ほっとけ、ほっ、とけ!どーせ探偵なんて、ろくな奴がいねーんだからよー!! お父さんも探偵でしょ? だから、さっきからいってるでしょ!? オレ、見ちゃったんですよ!!拳銃密輸してる奴と、それをネタにゆすってる奴を!! でも、もう一人の仲間に見つかって... 後ろから頭をガーンと... コラ、ボウヤ...刑事ドラマの見すぎだぞ!! オレはボウヤじゃない!!高校二年生だ!! おい!もしかしたら、家出かもしれんぞ!! それにしてもこいつらでけーなー... 捜索願いが出ていないか確認してみろ!! くそぉ...あのヤロオ、おもいっきりなぐりやがって... とりあえず本部に連絡して、警察の託児所に預けるか... おじちゃん達がいい所に連れてって... 窓だ!!窓から逃げた!!捜せ!!まだ遠くには行ってないはずだ!! ジョーダンじゃない!! そんな所に預けられてたまるかよ!! ハイ、工藤新一です... ただいま外出しております... なにいってんのよ!!新一の両親は三年前からアメリカに住んでて、今は、新一一人暮しなのよ!! まだかえ帰ってないのかなぁ... あの後、何かあったのよ.. どーせ、あのえれー小説家の親と晩メシでも食いに出かけてんだろ? わたし、ちょっと新一の家に行ってくる!! あれー、そうだったっけ...? お、おいオレのメシは... たったこれだけ走っただけで... こんなに息があがっちまうなんて... どうしちまったんだオレは!? まだ人間には試した事のない試作品らしいがな... まてよ...確か、あの時...奴らがオレをなぐった後で.. まさかあの薬を飲んだせいで... フフフ...組織が新開発したこの毒薬を使おう... 道の真ん中をうろうろしやがって!! 気をつけろ、このクソガキ・がぁ!! ハハハ...ガキか... オレは自分の家にも入れねーのかよ.. これじゃー何もできねーじゃねーかよ ん?なんじゃ、おまえは...? オレだよ、オレ!新一だよ!! なんじゃ、新一の親戚の子か...そういえば、こう小さい頃の新一に、よく似とる... ちがうオレが新一なんだよ!!ほら、帝丹高校二年の工藤新一... おーい、新一お客さんだぞー... だ〜〜っ、信じてくれよいなんなら、博士の事をいってやろーか!? おまけに、おしりのホクロから毛が一本出てる!! まさか新一の奴...ワシの秘密をいいふらしておるんじゃ... それは、新一しか知らないはず.. 聞いたんじゃなくて、オレが新だって!!アへんな薬飲まされて小さくされちまったんだよ!! そんな薬があればワシが、お目にかかりたいわ!! 来い、あやしい小僧め!!えへへ警察につき出してやる!! じゃー、これならどーだ!? 博士!!あなたは、さっきレストラン「コロンボ」から帰ってきましたね!!! それも、かなり急いで!!ど、 前の方はぬれた跡があるけど後ろは、それがない!! 雨の中、走って帰ってきた証拠ですよ... それに、ズボンにドロがはねてる... この近辺でドロがはねる道路は、工事中の「コロンボ」の前だけだ!! おまけに「コロンボ」特製のミートソースがヒゲについてるしね... チッキッチッ...初歩的な事だよ... まさか、本当に新一君か!? だーから、さっきからいってんだろ?薬で小さくされたって... まだ信じられんが、とりあえず... 話は、君の家の中でゆっくり聞こう!! ああ...それをネタにゆすってる奴らを見ちまったんだよ.. それで、君の口をふさぐために毒薬を... ダッセー、ガキの頃の服がピッタリだぜ... そうか...未完成だったその薬の不思議な作用で、体が小さくなってしまったというわけか... なあ、たのむよ博士!!天才だろ?オレの体を元に戻す薬を作ってくれよ!! ムチャいうないその薬の成分がわからん事には... じゃあ、奴らの居場所をつきとめて、あの薬を手に入れればいいんだな!! ああ...その薬があれば、何とかなるかもしれんが... 新一君!!小さくなった事はワシ以外にはいってはならんぞ!! 君が工藤新一だとわかったら、また奴らに命を狙われるじゃろう!! それに君のまわりの人間にも危害が及ぶ!! いいか!!君の正体が工藤新一である事は、ワシと君だけの秘密じゃ!! 決して誰にもいってはもちろん、ならん!!あの蘭君にもじゃぞ!! もー、かぇ帰ってるんなら電話ぐらい出なさいよー!! カギ開けっばなしよー!! いかん、早く隠れろ!! か、隠れろって?どこに? あら、あがさ阿笠博士... い、いやー、ひさしぶりじゃのー蘭君!! うわー!!あいかわらずすごい本の数ねー!! それも、推理小説ばっかり... こんな本に囲まれて育ったから、新一が推理バカになっちゃうのよ.. あ、ああ...新一君の父親は、世界的推理小説家じゃからのー... 誰?そこにいるの... い、いや..この子はその... コラ!こっち向きなさい!! «ワシの遠い親戚の子じゃ... じゅうろ..じゃなくて... え、えーっと...えーっと コナンドアル像をコナンドイル家庭江戸川乱歩金葉 コナン...?変な名前ねー... ボ、ボクの父さんがコナン・ドイルのファンだったから、こんな名前を... なにがコナンだ!!外国人じゃあるまいし ほかに思いつかなかったんだから.. さ、さっきまでいたんなんか用がじゃが...あるって外に... おお、そうじゃ、蘭君!!すまんが少しの間、この子を君の家で預かってくれんか? いやー、この子の親が事故で入院したんで、ワシが世話を頼まれとったんじゃが、ワシも一人暮しでなにかと大変なんじゃ... いいけどお父さんに相談してみないと.. おー、そーかそーか!引き受けてくれるか!! バカヤロ!!そんな事したら、蘭にオレの正体が... まあ聞け!!君の死体が見つからなかった事は、いずれ黒ずくめの男達にもわかる...その時は、この家に出入りしている者を真っ先に疑うじゃろう... バカ!元の体に戻るには、まず奴らの居場所をつきとめにゃならんといったじゃろ!! 蘭君の家は探偵事務所じゃぞ!! じゃー、博士の家でもいいじゃねーかよ? そうか!探偵事務所なら.. ボク、ねーちゃん家がいーー♡ オジちゃん、バイバーイ!! 後は、うまくやるんじゃぞ新... なーに?蘭ねーちゃん!! ほら!気になる子とかいるでしょ?学校に... くっいないよそんな子... おいおい..いきなり、何いい出すんだよこのアマは: すっごく気になる奴... それ、ひょっとして... さっき探してた、新一って兄ちゃんの事じゃないの? ちっちゃい頃からいじわるで.. いつも自信たっぷりで... いざという時に頼りになって... 推理オタクだけど... 勇気があって...かっこよくて... でも、これ新一にはないしょだよ! ここよわたしの家... そして今日からコナン君の家... なーんか、カワイイ弟ができちゃったみたいね... コナン君には何でもいえちゃう.. お父さんに紹介するわ... なによ、お父さん、びっくりするじゃない!! こんな夜中にどこに行く気?、、゙また、お酒、麻雀?それとも さっき電話があったんだよ!! 娘が黒ずくめの男に誘拐されたと、親から依頼が来た!! オレの力を借りたいってな!! 蘭ねえちゃん、ボク達も行こう!! 弥生町の「谷」っていう、でっかい屋敷だ!! 事件がオレを呼んでいる.. この名探偵・毛利小五郎をなあ!! “名”じゃなく〝迷〟探偵でしょ... なんで、おまえが乗ってんだ!? わたしじゃないわよ!この子が勝手に... 阿笠博士の親戚の子よ!! おりろー!!オレの仕事のジャマをする気カーー!! バカねー!!ここは高速道路よ!おりられるわけないでしょ!! まってろよ黒ずくめの男... おまえらの居場所をつきとめて、あの薬を手に入れて.. おまえらの悪事を、すべて暴いてやるからな!! これまでの話を整理すると... 誘拐されたのは、この家の一人娘谷晶子さん、 誘拐した犯人は、全身黒ずくめの大男だったと... そうなんだね、麻生君!? ハハハイだんな様... ほかに犯人を見た人は、いないんですか? はい...わたしの執事が目撃者です.. お嬢様の悲鳴を聞いて皆がかけつけた時には、もう犯人は外に.. では、その時の様子をもっと詳しく... だ、誰ですかこの子...? 知り合いの子でして... ダメよ、コナン君...わたしのお父さんの仕事の邪魔しちゃ... やべ...つい、いつものクセで.. その黒ずくめの男の顔は見てないんですか? あたりが暗くて、顔までは.. オレの体をこんな小っちゃくしやがった黒ずくめの男.. なんとか奴らを探し出して、元の体に戻らなきゃ... では、誘拐された時の状況を詳しく話してください... あれは、学校から帰られたお嬢様が庭で遊んでおられた時でした.. 突然、庭の隅から黒ずくめの男が現れて.. この家の主人に伝えろ!!娘を返してほしければ、一か月間、会社を閉鎖しろとな!! もちろん、警察には絶対知らせるなよ!! そういい残すと、犯人はあそこの木を登って外に... で?その男の、声の特徴は? た、高かったような低かったような.. うーん...あまり、はっきりしませんねー... お嬢様がさらわれた!! お嬢様がさらわれた!! わたしは犯人のあとを追う!!おまえ達はだんな様に連絡を!! 君達は、何も聞いてないんですか?犯人の声とか変な音とか... くそー犯人を見たのも声を聞いたのもあのジイさんだけか... と、叫んでいる以外は何も..静かなものでした: 犯人の要求からみて、おそらく、これはあなたのライバル会社の仕業でしょう.. くそぉ...娘をさらった上に、金まで要求するとは:: 犯人は、会社を閉鎖しろといっただけで、別にお金なんか... ついさっき、犯人から電話があったんだよ!! そ、そんなバカな... その電話の声に聞き覚えは? 声を変えていたようで、はっきりとは... だ、だんな様それは何かのまちがいでは...? うるさい!!おまえは黙ってろ!! あなたの会社を閉鎖して、得をする会社の心あたりは? 角紅商事か、四井物産あるいは.. 犯人は、この木を登ったっていってたな... わわわ..また犬だー!! こりゃー、一つ一つあらっていくしかありませんな... ねえねえおじちゃん、あそこの犬がね... ガキはすっこんでろ!!! 蘭!!そのガキから目を離すな!! オレが高校生探偵工藤新一だった時は、みんなオレの推理に感心してくれたのに!! ちっちゃくなった途端、誰もオレのいう事聞いてくれやしねえ: コナン君、サッカーうまいのね!!まるで新一みたい... 新一も考え事してる時よく、それをやってたよ... これやってると、頭がさえるんだ.. 犯人はなぜ家の中で誘拐したんだ?通学途中を狙えば、もっと簡単なのに..それに姿まで見られるなんて、不用意すぎる... でも、電話の声を変えたり使用済の札を要求したり、妙に冷静なところもある... 女の子を隠してる所...? でも、あのへボ探偵にこの事を気付かせるには... 木のそばに転がったボールを取りに行ったら、いきなり、この犬か〜〜〜くん なに!?木のそばに犬...? 当り前かこんなでかい家なら犬の一匹や二匹... この犬、よその人なら誰でも吠えるみたいだね... ああ...うちの番犬は優秀だからな... まてよ...犯人は、この木を登ったはず...だが、てっお手伝いさん達がかけつけた時には... 麻生さんが叫んでる以外は、何も音は... どこに行くんですか、麻生さん? 何か変ですなー、あなたのいってる事は.. 犯人が、あの木を登って逃げたのなら、番犬は吠えまくってるはずだ!! おそらく犯人が逃走した後も!! だが後でかけつけたお手伝いさん達は、あなたの叫び声以外何も聞いていない... それに、犯人を見たはずのあなたの証言は、あやふやな点が多すぎる... 黒ずくめの男なんて、最初からいなかったんじゃないんですか? いったい、何のためにこんな事を!? 申し訳ございません、だんな様~!!! 誰かに頼まれたのか!? い、いいえこれはわたし一人でやった事で.. で?お嬢さんは今どこに!? ち、近くのホテルに... よーし事件解決だー!! お嬢さんを迎えに行くぞー!!! ち、ちがう..まだだ!! ほら!そのホテルに案内しろ!! だ、だんな様、お電話が!! 何をいってる、さっき電話しただろ? バ、バカな、だって犯人はもう... きさま、やっぱり仲間がいたのか... し、信じてください!! あんたの娘を誘拐した男だよ... この人のいってる事は本当だ... いいえ、お嬢様を誘拐したのは、本当に私一人で.. すぐウソがバレるような単純な誘拐事件に、仲間がいるとは考えにくい!! 女の子は、おそらく第一の誘拐にあった後.. その監禁場所から、また別の誰かに誘拐されたんだ... もっと凶悪な誰かに!! パパァ、助けて〜〜っ!!! タックック...オレは気がみじけーんだ... か、金はなんとかする...だから晶子の命だけは... ご主人、もっと話を延ばして犯人の居場所を聞きだして... 誰だ!?そこにいるのは!? まさか、サツじゃねーだろーな!? ヘタなマネしやがると... パパー、わたしがいるのは学校の倉庫よ!! 窓から大きな煙突の見えるどこかの学:・ チッ、また後で電話する!! 早く金を用意するんだぞ!! このガキ殺されてーか!! 窓から大きな煙突の見える、学校の倉庫? ハ、ハイ...娘は確かにそういっておりました.. しかし、それだけではどこの学校か特定できん...遠くに逃げている可能性もあるし... まずい..犯人は、場所を知られて早く助けないと焦ってる...女の子が.. でも、しらみつぶしに捜すには時間がないし... いえ!!晶子はどこだ!?さっきの奴は、おまえの仲間なんだろ!? あんなガキほっとけ!! 犯人は、たぶん、まだこの辺りにいる!! 誘拐されてからあまり時間がたってないし、女の子を連れてそう遠くには行けないはずだ!! 煙突といえば工場が銭湯... この近辺で、煙突の見える学校は五か所!! おしゃべりなガキだぜ... くそぉ、全部ハズレだ.. どこだ!?いったいどこに... 煙突の見える学校は、もう残ってない.. やっぱり、この辺りにはいないのか...? このビルを横から見て、煙突に見まちがえたんだ!! この近辺で、このビルがこの角度から見える学校は.. わかったな?金は、百神井公園のベンチにおけ!! いっとくが、サツの気配がしたらガキは、その場で殺す!! あ、晶子は無事か~!? ああ...金が入れば返してやる.. た、頼むもう一度...晶子の声を... これでおまえの商談成立...役目も終わりだ... 悪いが、死んでもらうぜ... おまえには、顔を見られちまったからなー... なめんなよクソガキ... 体が小さくなったせいで、力が全然出ねえ... ケックック...どこのガキだか知らねーが.. おまえもいっしょに始末してやる... ちくしょう..キックカまでなくなっちまってる... 犯人を追いつめても... 捕まえられねーじゃねーかよ!!! そろそろとどめをさしてやるか... 一人殺すも二人殺すも同じだからな... ジャ、ジャンボ...? こんな時にどこ行っちゃったのよ... 小さくなったこの体じゃあ... 蘭!!どうお嬢さんは無事か!? うん!なんとか間に合ったみたい.. こ、このくらいへっちゃらだよ... それより、よくここがわかったね... あの犬が教えてくれたのよ! さっき、あの犬が傷だらけで帰って来てね... あら?どーしたのそのケガ... よーしこの犬の後を追うんだ!! きっとその先には、お嬢さんがいるはずだ!! よしよし、もう大丈夫だ... フン...何をいってる麻生さん... あんたの仲間は、このとおり捕まった!あんたも観念するんだな!! オレは、ホテルにいたあのガキをたまたまさらっただけだ... 仲間なんていわーせ... なんだと?じゃあ、おまえはお嬢さんが監禁されていた場所から、また誘拐を!? あのね、パパ...本当は... 監禁!?笑わせんな!!あのガキ、ホテルのレストランで一人でのんびりメシ食ってたぜ... 何だ、きさま、まだいたのか?とっととワシの前から... どういう事だ?じゃあ、最初の誘拐事件はいったい...? やっぱり、そうか!あの子は、誘拐されたんじゃない... いっいけません、お嬢様ぃ やめてパパ!!麻生さんは悪くないよ!! だってこの誘拐事件を考えたのは、 三年前にママが死んでからも、パパは仕事ばっかり 全然晶子にかまってくれない... いつも一人でさみしかったよ... パパの会社が休みになったら、パパといっしょにいられると思って、麻生さんに手伝ってもらってこの誘拐事件をおこしたの... この計画、麻生さんは反対してたのに、ムリヤリ晶子がお願いしたの!!だから悪いのはきこと晶子一人よ!! 怒るんなら晶子を怒って!! 「娘を返してほしければ会社を一か月間閉鎖しろ」ってね... 最初の誘拐は狂言だったというわけか... いくら娘に頼まれたとはいえ、おまえのやった事は許し難い... ただちに明日から一週間の旅行を手配しろ!! 場所は、晶子の行きたがっていたオーストラリア!! 晶子とワシの二人分だ!! いやまてよ、今週は重役会議か... ちぇっ...犬を連れてったのはオレなのに... なにはともあれ、一件落着ですなー!! それに、犬を使ったのは捜索時間を無統するためだけで、 女の子を見つけたのは、この工藤新なんだよ.. いやー、犬を放して、娘の居場所を捜させるとはさすが名探偵!!このジャンボは、晶子に一番懐いておりましたからなー... でも、このおっちゃんの性格からしてきっと... いやー、すべてわたしの経験のタマモノですよ!! ―っていうに決まってんだ... では、このお礼はまた後日... ハイハイ、待ってますよーー♡ い、いや、ボクじゃなくて... おじさんの事だよ、きっと... 今日は、最高の一日だった!!なー ちぇっ...よくいうよ... こっちは変な薬を飲まされて体を小さくされるわ... 誘拐犯人にボコボコに殴られるわ... 最低の一日だったぜ... この子の事だけど... 阿笠博士が、ウチで預かってくれないかって... おう!!いいぞいいぞ!! こいつがいると、なぜか事件がスムーズに解決する!! なんか知らんが、ラッキー... これで、おっちゃんの探偵事務所で黒ずくめの男の事が探れるぜ... 何日でも預かってやるぞ!! でも、このままじゃダメだ... 結局、その後何もできなかった... ましてや、女の子に助けられるなんて... これじゃー立場があべこべだぜ... なんとかしなきゃ... オレの体が小さくなってから、もう二日目... 未だに入って来ない... ーったくそれが目的で探偵事務所に潜り込んだのに... 当の探偵があれじゃー... ワッハッハッハッハッ!! 奴らの情報どころか一件の依頼も来ねーぜ... おっ、ヨーコちゃんだ!! 相変わらずかわいいよーー♡ いい歳こいて、あのヒゲオヤジ... ボ、ボクちょっと外に遊びに行って来るね... ダメな大人の見本だな... そんなにダメかね、毛利探偵は!! ああ...あのおっちゃん、全然役にたたねーぜ!! まあ、そういうな...あれでも昔は敏腕刑事だったんじゃから.. くっそー、こっちは、早く黒ずくめの男を探し出して、 オレの体を小さくした薬を、手に入れなきゃいけねーっていうのによー!! まーまー、あせ焦るな新一君... 奴らは、君を殺そうとしてその薬を使ったのじゃ...君の死体がないとわかれば、必ず動き出す!! それより、この事はワシ以外にはいっとらんじゃろうな... もし、君の正体が工藤新一だとハレたら... それまでの辛抱じゃ!!焦ってこっちから動く事はない オレだけじゃなく、オレのまわりの人達も危ないっていうんだろ? 心配すんな!ちゃんと蘭にもおっちゃんにも、江戸川コナンでとおしてるよ!! おお...蘭君といえば昨日もウチに来たぞ... あれは、タ方だったかのう... 新一、今日も学校に来てないのよ!! 家にもずっと帰ってないみたいだし、 わたしと遊園地に行った日から、行方不明なのよ!! わ、わたしどうしたら... わたし、やっぱり警察に知らせて来る!! そういえば、あの日、新一妙に黒ずくめの人達の事を気にしてたから.. もしかしたら、あの後あの人達に... ま、まて、はやまるな!! なーに、あいつの事じゃ...また変な事件に首をつっこんでおるんじゃろう... 心配無用じゃ!!どーせ、そのうちひょっこり帰って来るよ!! と、とりあえずゴマかしたがどこまで隠しとおせるか... あいつ...家じゃ、そんな素振り見せなかったのに... まあ、とにかく早く元の体に戻らにゃならんのー... このままじゃ、何もできないし... 蘭をこれ以上心配させないためにも.. 君の捜査の役にたつと思って、作った物を... 蝶ネクタイ型変声機じゃ!! 裏に付いてるダイヤルをまわせば、色々な声が出せるのじゃ!! 老人の声も、子供の声も、男も女も、それ一つでバッチリじゃ!! なあ博士!これもいいけど、もっとすげー物作ってくれないか? 犯人を一発で捕まえられるよーな、 すっげーメカをよー!! わかるだろ?オレ、小さくなって体力も落ちてんだ...だから犯人見つけても捕まえられねーんだよ... よしわかった、ワシに任せろ!考えておこう!! けど、せっかく作ってもらってる。あの依頼の来ない探偵事務所じゃ、使い道がなかったりして... それは新一君、君次第じゃ!! 君が陰でがんばって、事件を次々と解決して、あの毛利君を名探偵に仕立てあげるのじゃ!! そうすれば彼の名も上がり、依頼もバンバン来るようになる!! あのおっちゃんを... あら、おかえりコナン君: 無理だな、このおっちゃんに名探偵なんて... おなか空いたでしょ?今、作るからね! ん?誰だ、この忙しい時に... ハイ、毛利探偵事務所ですが... ちょ、ちょっとご相談したい事が... あーダメダメ、今日は閉店だ!! 仕事の依頼なら、また明日... あ...あ...あなた.. だ、だって、今テレビに... だから、しと仕事のいやい依頼に... ア、アイドルがどうしてウチに...? 何か、お困りのようですな、お嬢さん... 誰かに監視されてる!? 週刊誌の記者か、なんかじゃないんですか? わたしも最初は、そう思いました.. でも、行動がちょっと不気味で.. それに、それだけじゃないんです.. 家に帰ると、家具の位置がかわってたり... わたしを隠し撮りした写真が送られて来たり.. 昨日なんか、いきなり夜道で誰かに追っかけられて.. わたし悔くて怖くて、このままじゃ夜もろくに寝られません!! 無言電話なんて、しょっちゅう... あのー、この件はできれば内密に調査していただきたいのですが... 警察さたになりますと、彼女のイメージが... も、申し遅れました.. お、おのれ、ヨーコさんになんて事を... 彼女のマネージャーの山岸です.. フーン、マネージャーねー... 承知しました!極秘に調査するとしましょう!! あ、ありがとうございます!! では、ここに住所と電話番号をお書きください!! そして、これにサインを.. 「小五郎さんへ」も忘れないで.. なーに、この名探偵・毛利小五郎に任せれば大丈夫!! とりあえず、ヨーコさんの部屋を調べてみましょうか.. ねえ、お父さん!!わたしも行ってもいい? ヨーコさんに、指一本触れさせませんよ!! だって、アイドルの部屋って、どんな所か見てみたいもん!!ねー、コナン君もそうでしょ? 来てもいいが、絶対に仕事の邪魔をするなよ... こいつ...ホントにオレの事心配してたのか? うおー!すごいマンションですなー!!! さすが、沖野ヨーコさんのお住まいだ!! ダ、ダメですよそんな大声出しちゃん 彼女が、ここに住んでいる事は、秘密なんですから!! さあ、どうぞ中に... ハイ...眺めがとってもいいんですよ。 ヨ、ヨーコ、どーした? ど、どうかしましたか!? け、けいさ警察だ...警察を呼べ!! ま、まってください、探偵さんい この事がマスコミに知れたら、彼女のスキャンダルに... ど、どうしてわたしの部屋でこんな... なんとか内密に捜査を... そ、そうですな...この事は内緒に... なんて、バカな事ができるかー!? これは殺人事件だぞ!!! 蘭!!警察に連絡だ!! 殺人事件らしいわよ... まあ恐ろしい...!? では、あなたがこの部屋に帰って来た時には、もうこの男は殺されていたと... そして、その時いっしょに居合わせた探偵が... この毛利小五郎であります、目暮警部殿!! よりによってこいつとは... いやー、懐かしいですなー!!警部殿と追った事件の数々!! ああ...おまえが部下だったおかげで、ほとんど迷宮入りになったがな... 刑事を辞めて、探偵になったと聞いてたが... まだやっとったとは... しかし、この部屋暑いですなー... いつもこんなにヒーターを強く...? いえ...こんなに強くは... それに、出かける時はちゃんと電源を切ったはずなんですか... そりゃー妙ですな... 妙なのは、それだけじゃないですよ、目春警部... わずかですが、死体のまわりにぬれた跡があります... そして、したい死体のそばのこのイス: こんなに荒らされた部屋の中で、なぜかこのイスだけ立ってる... さらに、暑すぎるこの部屋: 死亡推定時刻をくるわせるためなのか... いや、まてよ...それなら死体を水につけた方が... 知り合いから預かってる子ですよ... 仕事の邪魔するなっていったろっ!? どうだ?死因はわかったかね? やはり、背中にささった包丁によるものです.. おそらく即死だったでしょう.. あの包丁は、あなたの物ですか? では、あなたの指紋がついていても当然というわけですな... ま、まさか、ヨーコを疑っているんじゃ... ヨ、ヨーコのマネージャーの山岸です.. で?お二人は被害者に見覚えは? 怖くて、まだよく見てないもので... じゃあ、しっかり見てもらいましょうか... 見覚えがあるんですか? い、いえ、もっと近くで見ないと.. ダメですよ、死体に触れちゃ... あのマネージャー、今、確かに.. 何かをと抜き取った!! で?見覚えはあるんですか? やっぱり知らない人です...なあヨーコ? まあいい..被害者の身元がわかれば、はっきりするさ... あの死体の指に髪の毛が!? なぜ、あのマネージャーがそれを隠すんだ!? まさかこの事件の犯人は... となると、入口はあの玄関のドアただ一つ... そして、凶器からは、ヨーコさん以外の指紋は発見されなかった.. 外部からの侵入は不可能に近い: この部屋の主のあなたしか考えられない: そ、そんな、わたし、人殺しなんか!! そうですよ、警部殿!! ヨーコさんはわざわざわたしに依頼を... フン...依頼主が犯人というのは、よくある事だ.. 普通、合い鍵とかあんじゃねーの? あ、合い鍵ならマネージャーの山岸さんが.. マネージャーの山岸!!おまえだ!!! おまえは、きっとヨーコさんにふられたんだ!!その腹いせにこんな事を... おいおい!ヨーコさんが犯人じゃない根拠は? こーんなにかれんなヨーコさんが、犯人なわけないでしょ? た、確かにボクは合い鍵を持ってましたが、なくしちゃったんですよ... てめー、ウソいってんじゃねーぞ!? ちっ...ヨーコさんがそういうのなら... それに、それからなんです...わたしの留守中に部屋に誰かが入ったような気配を感じ出したのは.. ウーム...それが本当なら... ヨーコさんが人に恨みをかうような心あたりは? いえ...ヨーコにかぎってそんな... この事件の全貌をつかむには... まだ何か足りないような気がする... 警部!!あそこのソファーの下にね... まったく..子供なんぞ連れてきおって... くそー、やっぱりダメだ... 目幕警部まで、オレが子供になったとたん相手にしてくれねー...でも、大人にはなれないし... そうだ!!この蝶ネクタイ!! これは蝶ネクタイ型変声機じゃ!! これを使えば、大人から子供までありとあらゆる声を出せるぞ!! よーし、このダイヤルを大人の声に合わせて... 警部!!ソファーの下に、あんな物が!! そ、それはゆう子さんの... わたしと同期デビューの池沢ゆう子さんです.. でも、どうしてゆう子さんのイヤリンクかわたしの部屋に... よく仕事でいっしょになるんで、何度も見た事があるんです 池沢ゆう子は、ドラマの主役をヨーコにとられて、 ゆ、ゆう子さんがわたしを.. フッフップ...今度こそわかったぞ.. 恨んでいると聞いた事があります... 犯人は池沢ゆう子だ!!! あ、ああ...署まで参考人として... そういう事だ!!急げ!!! いや...直接ここに来てもらおう!! いや...現場の状況から見て、当然、犯人は沖野ヨーコ!! マネージャーのあの行動... そして、部屋に残された奇妙な痕跡はいったい... そいつにまちがいない!! あとはどう組み立てるか... 私は、ヨーコにドラマの主役をとられて、恨んでいたわよ!! でも、これは、ヨーコの部屋で起こった殺人事件でしょ!? なんでわたしがわざわざここに、 呼び出されなきゃいけないわけ!? 疑うんなら、家主のヨーコを疑うのが筋じゃなくて? 確かにおっしゃるとおりです、池沢ゆう子さん... 死体の背中には、部屋にあった包丁が刺さっており、 フフフ...そういう事なら、わたしは関係ないわね! だって、わたしはここに来たの初めてなんだもの! じゃあ、何でこれがここにあるんだ!? あんたのだろ?このイヤリング!! どこかでなくしたのかと思ってたけど、見つけてくれたのね! イヤリングだけじゃない!下の管理人も証言してるんだ!!あんたに似た人を見たってな!! 似た人は似た人よ!わたしじゃないわ!! バカバカしい、ちょっとトイレ借りるわよ!! ま、まて!!まだ話が... わたしのイヤリングが落ちてたぐらいで犯人にされちゃたまんないわよ!! でも、この事がマスコミに知れたら、あなたのイメージは急降下... 早く帰らせてよ!!わたしだって忙しいんだから!! そしたら、あなたも暇になるかもね!! 後ろ姿がそっくりだ!! それに、あの人どうして.. あ、あのねおじちゃん達... まだ何か用か、小僧... ダメよコナン君、邪魔しちゃ!! でも、さっき来たねーちゃんがね... へーコナン君なりに考えてんだ!!えらい!えらい!! だけど、コナン君、小学一年生でしょ?探偵ゴッコは、まだ早いよ! ホントは、高二だけどな... 今、お父さんと目暮警部が一生懸命考えてるから大丈夫... あの二人じゃ大丈夫じゃねーから、オレが考えてんじゃねーか... 新一なら、きっと、こんな事件もっと簡単に解いちゃうのにね... どこいっちゃったんだろーね?あの推理オタク... きっとすぐ戻って来るよ!! た、たぶんだけど... もう何度いったらわかるのよ!? わたしは、ここに来た事ないっていってるでしょ!? そんなにいうなら証拠を見せなさいよ!! だからあんたのイヤリングが... もしかしたら、ヨーコに盗まれたのカもね... あれはなくした物よ!! そ、そんなゆう子さん!! フン、どうだかね... とにかく帰らせてもらうわ.. へーっ、これ、ライターなんだ!! 置物かと思ったら、ライターだなんて、かわってるー!! おねーちゃん、ここに来た事ないんでしょ? それなのによくライターだってわかったね! その子のいうとおりだ...どうして、わかったのかね? し、知り合いの家に、たまたまそれと同じ物... どこの家だね?部下に行かせて調べさせよう... そういえば、さっき、あんた確かトイレの場所を知ってましたね ここに一度も来た事ないのになぜなんでしょうねー? なぜだかいってやろうか? それは池沢ゆう子、おまえが犯人だからだ!!! おまえはヨーコさんにスキャンダルを起こすためにこの部屋で、この男を殺したんだ!! ち、ちがう...わたしは殺してない... その男が急に襲ってきたから、抵抗しただけよ!! 殺してなんかいない!! じゃあ、あんたやっぱりこの部屋に... そうよ、入った事があるわよ!! 楽屋で盗んだこの部屋の合い鍵でね!! 最初は、わたしの仕事をとったヨーコへの、ただのイヤがらせだったのよ!! 無言電話をかけたり、ヨーコを隠し撮りした写真を送ったり... だから、わたし頭にきて、ヨーコの留守中に部屋に忍び込んで探してたのよ: でも、今日の昼間入ったら、いきなりその男も入ってきて.. でも、ヨーコは平気な様子で仕事してたわ!! 何か、スキャンダルのネタはないかってね... わたし、必死で抵抗して... なんとか、その場から逃げたのよ... なるほど..その時ですな...あなたのイヤリングがとれたのは... フン...勢い余って、殺しちまったんじゃねーのか? 殺してないっていってるでしょ!? 警部!!被害者の身元がわれました!! 現在はその会社を辞めて... 港南高校といえば確かヨーコさんが通ってた高校も! その人知ってます!!! し、知ってるどころか... 高校時代つき合っていた、 ご、ごめんなさい、山岸さんい ま、まさか君は、昔の男関係を精算するために殺した... そ、そんな事してません!! でも、わたしには隠しとおせません!! それに、おはよう彼の方なんです...高校時代、わたしをふったのは... なのに、わたしがアイドルで有名になったら、ヨリを戻そうって...しつこくいい寄ってきて... 死体の顔を見た時、はっきり彼だとわかりましたが... 彼の事は、マネージャーの山岸さんに口止めされていたので、つい... だから、彼から逃げるためにこのマンションに引っ越したんです.. でも、なぜ彼がここで殺されていたかはわたしには 教えてください!!彼を殺したのはいったい、誰なんですか!? だ、誰っていわれても.. いや...あの沖野ヨーコにも動機がありそうだ... やはり、池沢ゆう子が抵抗した際に、勢い余って殺してしまったのか? くそー、まだ推理するには何か足りねー... じゃあ、マネージャーが死体の指から髪の毛を抜き取ったのは何のためなんだ? まてよ...確か部屋は荒れてるのに 死体の足元のあのイスだけは立っていた! それに暑すぎるこの部屋の温度と、 そしてしたい死体の指には髪の毛が.. 死体のまわりの床に残った水の跡... でも早くあのへボ探偵に教えないと... フッフップ...今度こそ.. おまえは、この男がヨーコさんに付きまとうのが邪魔だった... なんたって、ヨーコさんのマスコミに高校時代の知れたらスキャンダルに恋人だ!なる... そんな折、この部屋に潜んでいた被害者とバッタリ会って、口論となり、そのあげく... 殺してしまったんだ!!! その推理はまちがってる!! 犯人は、その人じゃない!! 犯人はあんたしかいないん... それに、男の背中に包丁を刺すなんて女の力では難しい... よーし、あとは、この蝶ネクタイ型変声機を、おっちゃんの声に合わせて... と、いいたいところだが... 実は、そうじゃない.. 山岸さん...あなたは、この部屋の合い鍵を持っていましたね... 当然、容疑はあなたにもかかる... もし、あなたが犯人で、わたしに死体を発見させるためにわざわざ依頼に来たとしたら、 そして、沖野ヨーコさん... 自分の無実を証明する証拠や、アリバイを用意しているはずだ... 真っ先に疑われるのは、家主のあなたですからね... だが、そんな物は残されていない.. あなたにも同じ事がいえます... いや...それもちがう.. ゆう子さん...あなたは、この部屋に入った事を隠していた だが、こっ殺された男に襲われた事は、自分から話しましたね... もし、あなたが犯人なら、たとえ、はすみで殺したとしても、男と出会った事はいわないはずだ... なぜなら、あなたが部屋に入った事は証明できても、男と接触したかどうかは、あなた以外にはわかりませんからな... し、しかし、君のいってる事は... そう...あくまでも心理的な推測です その三人が犯人じゃない証拠にはなりません... しかし、その推測を裏付ける証拠ならあります... 山岸さん、あなたが隠した髪の毛だ!! わたしは、見ていたんですよ... 足が滑ったふりをして、あなたが死体の指から髪の毛を抜き取るのを... やっぱり、こいつが犯人か!! 後ろから刺されて即死の人間が、なぜか刺した人間の髪の毛をつかんでいた... 不思議だと思いませんか? 犯人は、他殺に見せたかったんですよ..それも、ヨーコさんに殺されたようにね... ちがいますよ..わたしが問題にしているのはなぜ山岸さんがそんな事をしたかではなくて、どうして、死体の指に髪の毛があったかだ... そうです、犯人は... 死んでいた藤江さん本人です!! バ、バカな...自分の背中に包丁が刺せるわけが... それが彼の狙い目ですよ...背中に刃物が刺さっていれば、自殺には見えませんからね... 思い出してください... 高温に設定された部屋の温度と床に残った水の跡: だが、氷を使った簡単なトリックで... そして、荒らされた部屋の中で、死体の足元のイスだけ立っていた事を.. おそらく藤江さんは氷に穴を空け包丁を立て、 イスの上から、それにめがけて背中から飛びおりた... 部屋の温度が上げてあったのは、この時飛び散った氷を溶かすためだったんですよ... その証拠に、死体のそばの床に、その時できたへコミが残っています... でも、藤江さんは、ヨーコさんを犯人に仕立て上げるために、策を弄しすぎた... そう...彼女の髪の毛をにぎって飛びおりたんです.. たぶん、あの包丁の柄の形と一致するでしょう.. それを最初に発見した山岸さんは、昔の男をヨーコさんが殺してしまったと思い込み、とっさに隠した.. す、すまんヨーコ...オレは、てっきり... まあ、ヨーコさんの髪の毛を取ったクシか何かから、藤江さんの指紋が出れば... わたしの推理は証明できるでしょう.. でも、どーして藤江君がそんな事... あなたを愛していたからですよ... 気付かれませんか?あなた達二人の後ろ姿が、そっくりなのを... だから彼は、部屋に入ったゆう子さんを、ヨーコさんとまちがえて襲った... 見知らぬ男の出現に驚いたゆう子さんは、大声を出して抵抗し、逃げた..でも、それをヨーコさんだと思っている彼は、彼女のそんな態度を見て愕然とした... いや、話をしようとしたんだ... 追い詰められた愛情が、絶望と憎しみにかわり、 でも、彼はわたしをふったんですよ!!なのに、どーして? 実は、オレが彼にたのんで別れてもらったんだよ... ち、ちがうんだヨーコ... 警部!!被害者の家からこんな日記が!! 発見された日記は、彼の苦しみであふれていた... わかったわけじゃないんですねお兄ちゃんはいや、でも 別れた後も、彼女を忘れられずに会いに行った事... いえいじゃねていたなんやだなぁ。 アイドル生命を絶ってでも、彼女を取り戻したいと思いつめていた事... そして...せめて、彼女の誤解だけは解きたい...このままでは、生きていけないという言葉で終わっていた.. 結局...嘘と誤解と偶然が、重なり合って起きた悲劇だったというわけか... 見直したぞ、名探偵!! ふ〜っ、疲れた~~~!! 毛利君!!君の推理どおりだよ!! へー...指紋出てきたんだ... そうよ!お父さんの推理とおり、クシからバッチリ!! わたし、お父さんの事見直しちゃったーー♡ 結局、ヨーコさん、ゆう子さんの事訴えなかったみたいよ.. これからもライバルでがんばろって! 強いね彼女...あんな事があったのに、もう立ち直ってる! ちがうよ蘭...彼女は、悲しみを隠して一生懸命演じてるんだ... 偶像ってやつをね... でも、わたしはダメね... 彼女みたいに強くなれない.. 新一がいなくなったぐらいで、 夜もなぜ眠れないんだもん... あの新一が、一週間も行方不明なんて... でも、新一にかぎってそんな事... やっぱり、何かあったんだ... ハイ...毛利探偵事務... 蘭のことだから、またオレの夢心配して、泣いてんじゃねーかと思ってよ!! バ、バカ...どーして、わたしが泣かなきゃいけないのよ!? 今どこにいるのよ新一? ちょっと厄介な事件を頼まれちまったんだ... しばらく帰れそうにねーな... 解決したら、すぐ戻るからよ!! 今は、変声機ごしでしか話せないけど... オレの体が元に戻って、子供の声じゃなくなれば... ここまでは「会社株式会社の和ブライ