セージの謎を解い、カコナンは...!? コナンは鋭い推理で追いつめた。そして、阿笠博士と天体観測にでかけたコナン達は、白骨化した死体...を発見さらにその後、宿泊先のベンションの客が変犯。ダイイングメット ★前巻までのあらすじ★ 事業に基仮の法律事務所、少年起きた変化し、... もしもし、救急車お願いできますか!? あ、はい、急に子供がお腹が痛いと... もしかしたら盲腸かもしれません!! 電話のモジュラーケーブルなくなったんじゃ... こ、こちらの住所は... 早く救急車呼ばないと哀ちゃんが... 今の腹痛は演技なんだから... モジュラーケーブルを隠し、車のタイヤの空気を抜いて、私達をここへ閉じ込めた:: 誰かさんをあぶり出すためのね... じゃあまさか麻雄の名前で招待状を出して私達をここへ集めたのは... つ、つまり二川さんの携帯電話に遺書を遺して... 自殺にみせかけて崖から突き落とした犯人は... このペンションのオーナーである天土陵司さん... あんただったんじゃな!! 確かにみんなをここへ招いて足止めさせたのは天士さんだろうけど、彼は殺人犯じゃない... 犯人が二川さんの携帯に入れた遺書に書いてあったよね?みんなをここへ招いたのは自分だって... もしも天士さんが二川さんを殺した犯人で、そんな遺書を遺したんなら、みんなをここに足止めさせたのも二川さんの仕業だと思わせるはずだろ?妙な謎を残すと後で疑われがねないし... だったら、そのモジュラーケーブルも二川さんの服に忍ばせるか、二川さんの部屋に隠すはすさ! 今も肌身離さず持っているわけないよ! 天士さんがみんなをここへ呼んだのは、一年前にここからいなくなった河埜さんの骨を見つけたから... その骨のそばの石の下に、彼の指輪とタイイングメッセージが隠してあるのに気づいたがらなんじゃない? あ、ああ...あれを見つけたから招待状を出したんだ河埜君が姿を消した日にここに泊まった人達へ... 骨とメッセージが見つかった事を犯人が知れば、自白してくれるんじゃないかと思ってねでも二川さんがあんな遺書を遺して死んだと知って、自分が招待状の送り主だと言い出せなかったんだ... こんな事になるなら、骨を見つけた時に警察に言えばよかったよ.. じゃがそうすると二川さんを殺した犯人は一体...? あの野之宮って姉ちゃんじゃねーか? 恋人を殺した犯人に復讐するのも動機には十分ね... いや...二川さんが森で殺された時、野之宮さんは森の中でオレ達とすれ違ったって言ってたぜ? 森の中でやり過ごしたオレ達より先に崖の上で二川さんと会って突き落とすなんてまず無理だ!! 二川さんの上司である御上平八編集長!! 犯人はあなたしか残らないよね? ハハハ...子供にしては大変よくできましたって推理だとは思うか... あれはまさしくあなたの名前の平八を示すメッセージじゃないんですか? それに何でワシが二川君を殺さなきゃいけないんだね? 他の二人じゃないから犯人はワシだと決め付けるのはいかがなものかと思うがねぇ...森に潜んでいた誰かに殺されたという場合もあるし... 一年前に二川君が殺したのがその河埜って男ならなおさらだ! 一度しか会っていないその男のために復讐する義理なんて... 確かにそんな義理はないと思うけど... でもそれは一年前に河埜さんを殺したのか... 本当に二川さんだったらの話でしょ? ボク、この宿帳を見て気づいちゃったんだ! 御上さんの名前が河埜さんの後に書いてあるって事は... 河埜さんはこの宿帳を見る機会がなくて、御上さんの事をミカミって音でしか知らなかったんじゃないかってね... ホラ、御上さんの「御」の字って、御手洗いの「御」って書くだろ? 変わってると思わねえか? そうね...普通なら... 御上平八の名前を暗示したダイイングメッセージだったってわけさ! そ、そういえば二川さん...いなくなる前にその宿帳を見て笑ってたよ...! 二川さんがタバコの本数を増やしたのはわかりやすくするため..同じタバコにしたのは犯人が同一人物だからじゃない? そして二川さんはこっそり御上さんを森へ呼び出して、それを確かめようとして返り討ちにあったって所かな? バ、バカバカしい... 一体どこにそんな証拠が!? 証拠はあんたの部屋にあったこのバッグじゃ! この中から二川さんを崖から突き落とす前に殴り倒した凶器が出てくれば決定的な証拠だよ... 彼の服から携帯を抜き取って、遺書を遺すために気絶させた鉄バイプのような物が見つかれはな! お、おいおいそのバッグはさっきあんたとそのボウズが調べてたじゃないか!? ああ...鉄パイプは見あたらなかったけど、ある物もなかったよ... 望遠鏡のオモリだよ... それがこのバッグに入ってなかった事を思い出してピンときたんだ... 実はこの鏡筒の中に何かを入れていて、その分重くなった事がバレないようにオモリを抜いたんじゃないかってね! これは編集部で買った望遠鏡...二川さんも重さは知ってるだろーし、 編集長の荷物を二川さんが持つ事もあるだろーから、いつもより重いと気づかれたらヤバイしね... さあ、鏡筒を開けて中身を見せてくれる?いくら拭き取っても反応は出るはずだよ... 二川さんを殴った時についた血液反応はね... フン...拭き取っただと? まだベッタリついてるよ... あの恩知らずの男の血ならな... ああ...せっかく目をかけてデスクにしてやったのに... ワシは河埜っていう恩知らずを懲らしめただけなのになぁ... ちょ、ちょっと、どういう事よ!? じゃあ、あなたの名前がついたあの彗星は... そうだ...あの男が見つけて、ワシがそれをあの崖の上で確認した星だよ... まさか星の名前を独り占めするために麻雄を... バカな...ワシはワシの名前も入れてくれと頼んだだけさ... 一年前のあの日、あの河埜って男、ワシが天文雑誌の編集長だと話したら頼んで来たんだ...自分が発見したのは本当に未発見の彗星かどうか確かめてくれとな.. すみませんけどそれは勘弁してください.. 星の名前はアマツチ・ノノミヤ・コウノ彗星って決めてあるんで.. そういえばあの日、河埜君が言ってたな...やっと巡り会えたから今夜紹介するよって... そんな...私てっきり他に好きな人ができたって.. フン!ワシだって子供の頃から待ちこがれていたさ! そして河埜さんが死んだのを確認し、後日再びここへ来た時に、石灰を死体にかけて白骨化を早めたんだね? なのにあの男は頑として聞き入れてくれなかった... ああ...一緒に来た二川に気づかれないように: しかし驚いたよ...招待状の主が天士さんだったとは...てっきり脅してきた二川だと思ったんだが.. ならば先に申請するまでとペンションに戻ろうとしたらワシにあの男がしがみついて来て、それを振り払った時だったよ...あの男が崖から落ちたのはな... おい、早く出せよ鉄パイプ! せかすな...鉄パイプは鉄パイプでも... ただの鉄パイプじゃないんだからなァ!! 怖くないよお嬢ちゃん.. あっという間にお空のお星様にしてあげるからねぇ... 見てわかんない?靴履いてんだよ! バカめ、逃げられるとでも思っているのか!? いや...おじさんと一緒だよ! あんたの名は永遠に刻み込まれるぜ: 犯人の名前としてな... その三時間後、警察が到着し... けど驚いたぜ灰原には... 急にお腹痛いっていうんだもん... まさか作戦だったなんて... オレ達は事情聴取のために群馬県警に向かう事になった... ま、本当は私より演技力抜群の誰かさんがやった方がよかったんでしょうけど? あれで天士さんがモジュラーケーブルを出さなかったら、別な手を使って出させなきゃいけねーだろ?さっきまで腹を押さえていた奴がケロッとして何かやろうとしても誰も本気にしてくれねーから灰原に頼んだんだよ... あの時の容疑者二人の表情もチェックしたかったしな! しかし何で河埜さんは星に名前を付ける時三人の名前にこだわったんじゃろう? 恋人の野之宮さんは仕方ないとしても、天士さんの代わりに御上さんの名前を入れてあげてたらあんな事には... 仕方ないですよ...その三人、大学時代の先輩と後輩ですし: きっとすごく仲よしだったんじゃない? どーしても外せなかったんだよ... 天土、野之宮、河埜から一文字ずつ取って並べたら.. 天之河になるからな... 静かにしてくれないか? 僕はこんな夜中に呼び出しくらってねむねむさんなんだよ? さすがコナン君ですね!! や、山村刑事・刑事.. あーあ...せっかく休暇取って田舎のバアちゃんトコに行く予定だったのに... 当分先に伸ばさなきゃ... 食いたかったなあ... と、鳥取の八頭にいるバアちゃんの所だけど... それがどうかしたのか? ホラ、前に話しただろ? 沖縄の事件の事情聴取の時に本山さんがかけた電話が引っ掛かっているって... ああ...でもあれは本山さんの友人にかけたんだろうって事で解決したんじゃあ...? 確かその友人の家、鳥取の倉吉だったよな? ん、そうじゃったかのォ... そしてこの前の事件の帰りに山村刑事がかけたのは祖母がいるっていう鳥取の八頭って所...倉吉と八頭に共通しているのは... 市外局番鳥取市鳥美郡岩美郡気高郡岩美高郡気高郡ハッハ頭郡西伯郡中東伯郡生まで東西境港市メ子市 だ、だからそれが一体何じゃと...? 同じ感じがするんだよ...あの女が押した携帯電話のプッシュ音と... そう...車内に睡眠ガスを充満させ自分の足を撃ち抜いて逃げた、あのベルモットが: 車の中で仲間に打ったメールアドレスとな!! しかもただの...仲間じゃねーぜ... 博士も盗聴機で聞いてただろ?あの女がそのメールを受信して返信する時に呟いた言葉を... じゃ、じゃあこの番号はまさか... 奴らを束ねる総大将の... 名前や居場所の道しるべとなるメールアドレスかもしれねぇってわけさ!!! お、おいおい新一君!? あの女が受信したメールを消して、わざわざ相手のアドレスを打ってたのは、相手の痕跡を即座に消すように訓練されてたからだろうけど...こっちにとっちゃ好都合だったぜ... 全部で何桁あったんじゃ? 前後でつながってた感じがするんだよな... もしかしたらアルファベットじゃないか?メールアドレスなら数字だけじゃなかろう!!ホレ、普段君が携帯のメールでよく使う何かの言葉を打つ音と同じだったのかもしれんぞ!! 他に記憶に残ってるっていえば...メールを打つあの女の横顔が... どこか淋しいような... そんな感じがしたって事ぐらいだな... いつも助けが来るとは限らねーし、こればっかりはヘタに動いたらヤバそうだしな... あらコナン君メール打ってるの? ただ適当に押して遊んでるだけだよ..さっきからうるさくてしょーがねぇ... ねぇ蘭姉ちゃん音楽得意だよね? これって何だかわかる? あ、うん学校でこういうクイズがはやってて...もしかしたら何かの曲かなぁって思ってさ... 今の「ファミレミ」よねぇ...そんな曲あったかなあ... え?「シラソラ」っぽくない?ちょっとズレてるけど... あ、ソファミファかな...? シラソラだよ近いのは! 随分自信満々じゃない? じゃあドレミの音声で出して御覧なさい! そらみなさい!まだちゃんと音階を発声できないボウヤが生意気な事言わないで! でも絶対そうだと... 明日聞いて来てやるから静かにしろ!! 昨日、仕事の依頼の手紙が届いたんだが...その依頼人の家が音楽一家らしくてなぁ... もォー意地っ張りなトコまで新一そっくりなんだから!! その中にいるんだとよ... 絶対音感を持ってる作曲家って奴がな... 旦那様はそのような方とお会いになる予定はございませんが... あ、いえその設楽調一朗って旦那のお孫さんの設楽連希って方の依頼で来たんですが... ああ...蓮希お嬢様なら只今、別館で... バイオリンのお稽古を... ホラ聴こえますでしょ? じゃあさっきから聴こえてたこの曲、生演奏だったんスか? 何のお約束かは存じませんが、あまり稽古の邪魔をなさいませんように...お嬢様は今夜大切な演奏を控えておられますので... え?何かあるんですか今日...? お嬢様に聞いてませんの? 毛利さんという方がこちらにいらして... ええ?本当に来てくださったんですか!? 当然ですよ!あなたのような美しいお嬢様のためなら... 電話をくださればお迎えしましたのに: あ、いや家族の事とかは手紙に書いてあったんですが電話番号がどこにも... ご、ごめんなさい..私、おっちょこちょいで.. ねぇ絶対音感があるのってお姉さんの事? ああ...それは私じゃなくて.. おいおいいいのかい?蓮希ちゃん...練習サボってて... 今夜は君が、君のお父さんの代わりに調一朗兄さんの前で演るんだろ?アレを使って.. とちったりすると兄さんに大目玉くらうぞー... 弦三朗様!帰って来られるのなら連絡ぐらいしていただかないと困ります! ひどいなぁ...こっちはオーケストラの打ち合わせを途中で切り上げて駆けつけたっていうのに... とりあえず部屋で仮眠をとるから、いつものように誕生会が始まったら起こしてくれ.. いえ、始まる前に起こしに参ります! あ、俺の部屋いじってないだろうね? ええ...散らかったままに...亡くなられた貴方の奥様のように勝手に片付けて怒鳴られたくはありませんから... ねぇもしかして今のおじさんが絶対音感の... 弦三朗大叔父様は有名な指揮者だけど、絶対音感はないとおっしゃってたわ: あ、悪い...今近くを救急車が... おっシがフラットしちまった... もしかしてあの人が.. じゃあよろしく頼むわ... ねぇコレ何だかわかる? あ、ホラ、いつも電話してるから あ、ありがとうございます!! ああ例の曲ね...あれ譜割をもう少し細かくしたいんだけど大丈夫? どこにいるんだい降人... バイオリンの音が聴こえたよ〜〜... 隠れてないで出ておいで〜〜... おばあ様!お父様は去年の今日死んだの! ち、違う降人は...降人はまだ... ええい見苦しいぞ絢音!! いつまでも死人の影をつけ回しおって!! 我が息子、降人は土に還ったのがまだわからぬか!! とにかくおじい様とおばあ様を落ち着かせますから、本館の方で待ってくださいますか? あまり外に出ちゃダメだってお医者様に言われたでしょ!? お見せしたい物もありますから... 随分年季の入ったバイオリンですなぁ... そりゃ大層な骨董品だ.. 作ったのはイタリア人のアントニオ・ストラディバリ... ストラディバリってまさかコレ... ストラディバリウス!? た、確か数億円するっていうで、で、伝説の銘器... は、はな離してとうお父さん!!早く!! は、誰な離せなひ... この伝説の銘器がどうかされたんですか? ええ...これはさっきの羽賀響輔叔父様の父の弾二朗様が、実の兄である調一朗おじい様の誕生日にフレセントされた物で.. え?実の兄弟の息子なのに何で彼の名字は羽賀なんですか? あ、はい...弾二朗様がこれを渡しにここへ来られた時に運悪く強盗に入られたらしくて 調一朗おじい様達は大人しく縛られて助かったそうですが... 弾二朗様は強盗に抵抗して、その時に殴られたケガが元で数日後に帰らぬ人に... そして響輔叔父様は母方の羽賀家に引き取られて羽賀の姓を名乗るようにしたと... しかしよく盗られませんでしたなぁ...恐らくその強盗はストラディバリウスが目当てだったんでしょうに; 間違えて持って行ったそうです... 設楽家は代々音楽一家で、バイオリンは沢山ありましたから... いえ...解いて欲しいのは、この二年間に起こった身の毛もよだった二つの事件です.. 一つは一昨年、弦ミ朗大叔父様の妻のスポーツ万能だった詠美様が、あろう事が階段を踏み外し打ち所が悪くて亡くなった奇妙な事件... もう一つは去年、あの用心深い私の父、降人が何かに魅入られたように腐ったベランダの手スリに寄りかかって鉄棚ごと転落死した不可解な事件...この背筋が凍るような二つの事件を毛利探偵に... そ、それって事故なんじゃあ... だって二人共おじい様の誕生会の日に亡くなったんですよ!! そして今年は私が弾く番..きっと私にも災いか... じゃあ弾かなきゃいいじゃない... でもこうやって自由に持ち出せるんならいつだって弾けるんじゃ... 自由じゃありませんよ.. これは演奏の前に慣れておきたいからとお願いして特別におじい様にお借りしたんです... だからホラ執事の津曲さんが何度もここ通ってるでしょ?きっとあれ見張ってるんです! じゃあさっき私がちょっと弾いちゃったのは.. もちろん内緒です!私だって触るの今日が初めてですから: それに...もしもおじい様が亡くなってこれが弦三朗大叔父様の元に渡ってしまったら... もう二度とこれに触れる事さえできないかもしれませんもの...パイオリニストならやっぱり弾きたいです!! んで?私にどうしろと? 私が弾く前にこのストラディバリウスの呪いを解いて欲しいんです! 呪いってねぇ...探偵の私にそんな物が解けるわけが.. あれ?探偵さんって何でも解いてくれるんじゃないんですか? それを頼むならお坊さんか霊媒師に... 花火とか上げるんですか? いえ...そんな予定は... 戻びとる。セックスシステムは、... 蘭!すぐに消防に連絡だ!! 確か、誕生会まで部屋で寝てるって言ってたよね? やっぱり会の最初の曲は... あら、どうかされましたか? カーテン開けてみろ!! 大叔父さんの部屋は!? に、二階の一番手前です! 叔父さん聞こえるか?おい!? 仕方ない!ブチ破ろう!! あれじゃあもう助からねぇ!! あ、絢音がまだ中に... ええ!?おばあ様が!? 興奮したおじい様とおばあ様をなだめるために、この別館のオーディオルームに連れて行ったんです亡くなった降人お父様の演奏を録音したテープを聴かせたら落ち着くかと思って... でも、聴き終わったら本館に戻るように言ったでしょ? あ、絢音が寝入ってしまったから... そのオーディオルームってどこにあるの? さ、三階の...一番奥の... 防火服でもないと... こういう性分なんでね... まてよ..何でオレがあのボウズの言いなりに... あのボウズがここに停めろって... おい、おはい伯母さんしっかりしろ!! 車の高さで落下距離を縮め、車の屋根をクッションにしたってわけか... ガキの考えそうなこった... よかったね!丁度いいのがなくて、ワゴン借りといて... ああ...修理代をたんまり取られるだろうがな... その後間もなく消防車が到着したが.. 設楽家の別館を包んだ炎はしばらく燃え続けた.. まるで設楽弦三朗という指揮者の最終楽章を惜しむかのように... ケガをされた方はいらっしゃいますか? 奥様が少々火傷を... でしたら病院で治療しますので、 乗りたくない!いやぁ!! しかしすぐに手当てしませんと... すまんがそれは勘弁してくれ 恐らく乗りたくないのじゃろう... 一年前、ベランダから落ちた息子の降人を運んで行ったっきり返してくれなかったその車に... 見た所...骨は折れておらんようだし:今日の所は屋敷の中で火傷の手当てをするだけで止めてくれんかな? ああ...響輔君とボウヤ...すまなかったな... それより、坊ちゃまはよしてくれないか... 執事の津曲さんは、元々、響輔叔父様の家に仕えていたんです... 響輔叔父様が母方の羽賀家の跡をお継ぎになられたので、高齢だった我が家の執事に代わってここへ... え?強盗事件で亡くなったのは、響輔さんの父親だけじゃなかったんですか? ええ...千波様は元々病弱でいらしたのに、強盗に殴られて意識が戻らない弾二朗様を毎晩寝すの看病をされたのが祟ったらしくて... 結局、千波様の方が過労が元で弾二朗様より先に.. それで弦三朗大叔父様の妻の詠美大叔母様が弾こうとおっしゃったんです... そういえば蓮希さんのお母さんは? あ、あの銘器を封印してたんですか? な、なるほど...そりゃー封印したくもなりますなぁ... その一年後、降人お父様がペランダから... や、やっぱり呪われてるんじゃ... この騒ぎに乗じてストラディバリウスを!? ねえ...そのバイオリン大丈夫? 本館の机の上に置きっ放しじゃない? あの後、すぐに保管室にしまいましたから... おいおい...これが誰かの放火だとすると... それに火事の原因は放火じゃなく寝タバコだな... それとも、あの銘器を見知らぬ者が徘徊する館内に長時間放置する様な無能な執事に見えまして? あの遺体があった部屋の灰皿の辺りが出火元みたいだし... あの部屋のドアがロックのかかったまま外れてたって事は、あんたらがぶち破って中に入ったんだろ? だとすると部屋は密室!放火はありえないよ... ま、くれぐれもタバコの始末には注意してくださいよ! 吸わないに越した事はありませんかね... しかし、偶然っていうのは恐ろしいですなァ... さっそく吸ってるよこのオヤジ... 表を書いて整理すると... 最初に亡くなったのは、今言った響輔さんの父で調一朗さんの弟である弾二朗さん...二年前は調一朗さんの末の弟弦三朗さんの妻の詠美さん... こりゃーもう来年からは調一朗さんの誕生会は止めにした方がいいですなぁ... 一年前が調一朗さんの息子で蓮希さんの父である降人さん... まぁ、どの道そうなるとは思うよ.. 調一朗伯父さんは肺を患っててあと半年の命らしいからな... そして今回の弦三朗さん... ええ...せめて今日ぐらいはお祝いしてあげたかったのに.. んじゃ、事件でもなさそうですし、我々はこの辺で.. 旦那様は寝室に入られて朝まで起こすなと... 奥様も先程治療を終えられてお休みになられました.. ねぇ!このタバコの吸い殻誰の? 小五郎おじさんのと違うみたいだけど... その銘柄...弦三朗大叔父様のタバコじゃない? そういえば、帰られて一度ここへ立ち寄られてから別館に行ったとおっしゃっていましたので多分その時に... ...だとすると... ちょ、ちょっとコナン君!? こいつは事故じゃねぇ... コラ、何やってんだ!? しかもオレの推理が正しければ... 次に狙われるのは... この火事が放火だっていうのか!? うん!火事の原因は寝タバコで、火元はこの灰皿の周りだったよね? ホラ見てよ!この部屋で焼け死んだ弦三朗さんが吸ってたタバコ.. 別に水びたしになってるだけで... じゃあ弦三朗さんが本館で吸ってたこのタバコと比べてみて! ん~?銘柄も一緒だし、特に変わった所は... 本館で吸ってた方にはフィルターを噛んだ助かついてるよ... おじさんもそうだけど、タバコをくわえたまま喋ったり仕事したりする人って、フィルターを噛むクセがあるじゃない!きっと弦三朗さんもそうだったんじゃない? でもこの火事場の灰皿のタバコには噛んだ跡がないよね? なるほど...火事の原因を寝タバコにみせかけるために弦三朗さんが仮眠をとっていたこの部屋に誰かが侵入し、タバコを数本吸って、その吸い殻を灰皿に入れた後で放火したんだろうって言いてぇんだな? だがなーこの部屋の扉の鍵がかかっていたからオレ達はぶち破って中に入ったんだぞ? もしこれが放火なら、犯人はどーやって鍵をかけて出て行ったんだよ? あ、いや、それはまだ... 内側からしか鏡かかからないみたいだしよ... そのトリックも何か思いついちゃったんでしょ? フン!やっぱガキだな...本館の吸い殻だってその時たまたま噛んだがもしれねーだろ? それに、弦三朗さんは部屋をいじられるのがイヤで、散らかったままだったんだぞ?だったらこの部屋に本人が吸った噛んだタハコか一本も見当たらない方がおかしいだろーが!! おかしくはございません... 弦三朗様は部屋を空けられる時ゴミだけはちゃんとお出しになっていましたから...フィルターを噛まれていたかは気づきませんでしたけど... 何ですの?急に部屋を飛び出されたから、お嬢様達が心配しておられますよ? いやね、このガキが... でもさーゴミを出したんならやっぱり変だよ!寝る前に何本もタバコを吸うなんて... バーカ!寝る前に一服もう一服と吸っちまう事はよくあるんだよ!きっと最後の一本を吸ってる最中に睡魔に襲われてだな... いいの?このまま事故にしちゃって... これってもしかすると... 連続殺人かもしれないよ... またこのボウズ、いい加減な事を... ウーム...その人達が亡くなった日と亡くなる原因となった日が全てこの家の主、設楽調一朗さんの誕生日となると... ボウズの言う通り何があるのかも... か、彼女は今どこに!? 蓮希さんなんじゃ... こ、この時間なら、お嬢様は多分お風呂に... 大変だ!!一人になるとヤバイぞ!! そういえば、父の弾二朗からアルファベット順になってるなあ.. でもそれ偶然だと思いますよ!推理小説じゃあるまいし... と、ところで蓮希さん、お風呂は? え?止めにしましたけど...弦三朗大叔父様が亡くなられたのにのんびり湯につかるのはどうかと思って... そ、そりゃー残念... じゃあ、僕が弾くとしますか... しかし困りましたわ...今夜のレクイエム... 代々この設楽家では、親族が亡くなると一族の誰かがレクイエムを演奏する事になっているんです... 去年までは弦三朗様がされてましたし...旦那様も奥様もあの御様子ではとても演奏は... あなた方もどうです?羽賀響輔の生演奏なんて減多に聴けませんよ... あ、ですが...楽器はほとんど別館に置いてあったので火事で燃えてしまって... 残っているのは奥様の部屋のピアノと保管室にしまってあるあの... おいおい、ストラディバリウスは勘弁してくれ!手が震えるよ... じゃあ私のハイオリンを... いや...僕の車に積んである愛用のバイオリンを取って来るから、蓮希ちゃんの部屋で待っててくれ またあの銘器を奏でて忌まわしい事故を起こしたくはないし...あれを勝手に持ち出したら絢音伯母さんが困るだろうしね... 奥様はストラディバリウスに息子の降人様を重ねておられるのです... 亡くなる直前に降人様が旦那様の前で演奏されたあの銘器に: ですからあの日以来...午前零時の鐘と共に... そ、その事、旦那様は知ってるんっスか? ええっ?夜な夜なストラディバリウスを持ち出してなでまわしてる? 保管室はおじい様とおばあ様の部屋の間にあって、中でつながっていますから... きっとおばあ様には相当印象深く心に残ってたんだと思います... 降人お父様がストラディバリウスを奏でた...最後のあの姿が... では御拝聴願いましょうか? ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作.. ええ...響輔叔父様のバイオリンの腕は、ドイツの音楽大学を主席で卒業したぐらいだから... ねえ、どうして響輔さん窓開けたの? 鎮魂歌の時は、いつもそうしてるの...おじい様やおばあ様にも聴こえるように..この真上がおばあ様の寝室だから... そのおばあさんの部屋保管室を挟んでおじいさんの部屋につながってるんなら、自由に行き来できるの? 内側から鍵をかけたら保管室からは入れないわ...廊下からは執事の津田さんが持ってるマスターキーで入れるけど... 夫婦なのに寝るトコ別々なんだね... ヘビースモーカーだったおじい様の煙草の煙をおばあ様が嫌がってね...肺ガンになるまで止めなかったから... じゃあさー、もしもおじいさんが亡くなったらあの高いバイオリン誰がもらうの? 弦三朗大叔父様のはずだったけど、おばあ様がもらうんじゃない?おじい様は自分の棺桶の中に入れてくれっておっしゃってたけど... 本当は、響輔叔父様のような天才音楽家の手に渡って欲しいんだけどね... もォ!静かにして聴いてよコナン君... どーせまた、連続殺人だと思ってんだろ?たとえそうだとしても、年に一人だから次は一年後...今から騒いでんじゃねぇよ! いや...年前や一年前と違って、今回は誕生会が始まる前に人が死んだ... 何かに急き立てられて、起きたような... これで終わりじゃないような...イヤな予感が... え?何だ?今の音... は、早くなったし救急車を!! くそっなん何てこった!! じゃあ、アルファベットの順番に続いてたのは偶然だっていうのかよ!? おばあさんの部屋のマスターキー貸してくれない? み、右手の奥ですが... 保管室の鍵は内側からかかってる...完全な密室だ... そして開けっ放しの窓のそばにイス... ベッドの上に空のケース... じゃあこいつはやっぱり 二年前と一年前の事故の調査を依頼されてこの家にやって来たら別館が火事になり... その数時間後、今度は本館三階から飛び降り自殺... 相変わらずの死神ぶりだな毛利名探偵... たまたま偶然思いもよらない不慮の事故が重なっただけですよ目暮警部殿! それに、行く先々で事件に巻き込まれるのは切っても切れない探偵の性ってヤツで... だったら家でじっとしといて欲しいんだがね... それで?飛び降りたこの老婦人は? この家の主人設楽調一朗氏の妻の絢音さんです... その時、君はどこで何を? その寝室の丁度真下にある絢音さんの孫の蓮希さんの部屋で鎮魂曲を聴いていました... 飛び降りた場所は、本館の裏になる三階のあの窓が開いてる絢音さんの寝室だそうです... ええ、火事で亡くなった弦三朗さんを弔うために...響輔さんが演奏した曲を... ちなみに、調一朗さんは三人兄弟の長男で、弦三朗さんは三男...次男の弾二朗さんの息子が、今言った響輔さんです... ああ、彼女はこの家の執事の.. んで?絢音さんが自殺した動機はわかっているのかね名探偵? あ、いやそれはまだ... 恐らくバイオリンだと思います! とにかく、絢音奥様の部屋へ... これはストラディバリウス!? まさかまた強盗が入って争ったはずみに... でもおばーさんが飛び降りた後、執事さんやコナン君とここへ来たけど、入り口の鍵はかかってたよ... あの保管室の鍵も内側からかかってて、開いてたのは窓だけだったし.. 争った様子も見当たらんし... 窓の外を登り降りした痕跡も見当たりませんね... 知らないんっスか!?数億円する伝説の銘器なんっスよォォ!! しかも絢音さんはこれを一年前に亡くなった息子降人さんの分身のように思っていた...毎晩保管室から出して眺める程に...それを壊されたんなら飛び降りたくもなるって... し、しかし...楽器が壊されたぐらいで... 壊されたんじゃなく、壊したんだと思うよ... あのおばーさんが自分でね... どうしてそう思うんだい? ホラ、そのハイオリンが落ちてたそばのテーブルに傷がついているでしょ? きっとこれ、あのおばーさんがそのバイオリンを投げてぶつけた跡なんじゃない? 息子のように思ってたこの銘器を壊すわけねぇだろーが!! ファーカ!!価値を知らねぇ警部殿じゃあるまいし... うん!ボクもそう思うよ... だってホラバイオリンの中に貼られたラベルに描いてあるマーク... これが本物だったならね... あん?何でお前がんな事知ってんだ? あ、だから前に新一兄ちゃんに聞いたんだ... あの探偵ボウズにィ!? そういえば新一...バイオリンに異常に詳しかったわね...ホームズが弾いてるから... ストラディバリウスのレプリカは有名で、 もう随分前から大量に作られ続けているから...色んなヤツがあるんでね... ホラ、ラベルの下の方にメイド・イン・ジャーマニーって書いてある: 多分そのレプリカを作った職人が、洒落で本物に似せたマークに自分のイニシャルを入れたんだ... さっき言った醤輔さんですよ... ああ...鎮魂曲を演奏したっていう... そういえばそれを下の部屋で聴いていたのは? 私と蘭とこのボウズに... そしてその演奏中に響輔さんが背にしていた窓に何かが通り過ぎて... それを確認するために窓から下をのぞいたら、箱音さんが転落死していたんです... でもどうしておばあ様が... せっかく響輔叔父様が助けてくださったのに...どうして自殺なんか... あ、はい...火事の時逃げ遅れたおばあさんを響輔さんとコナン君が... じゃあ、中身はやっぱり... しかしわからんな...何でレプリカを壊したりしたんだ? まさか本物だと思っていたのに、今になってレプリカだと気づいて.. それはございません!旦那様のバイオリンは鑑定を依頼してお墨付きを頂いておりますので... でもケースは本物ですわね... ちょ、調一朗おじい様!? ベッドのカーテンの裏に隠れておったわ: 絢音め...ぞんざいに扱いおって... 確かにアントニオ・ストラディバリのラベルだ... なんなら弾いてみます?僕なら弾けばわかると思うけど.. それなら辻褄が合いますね! だとすると何なんでしょうか?この壊されたレプリカ... もしかしてみんなを驚かせようとこっそりもう一台ストラディパリウスを買ったのに、レプリカだとわかって頭に来たとか? この部屋に入った時、ベッドも調べたけど何もなかったよ!! きっと誰かが、一度レプリカとすり替えたストラディバリウスをこっそり戻しに来たんだよ!! ボクが入った後でこの部屋に来た誰かが... 何かのもしてき目的で... ホー...ならばこれについておる指紋を調べたら戻しに来た犯人がわかるかもしれんのォ... 僕のもベッタリついてるな... 昨日の昼間、調一朗伯父さんの誕生会の演奏に備えてこの部屋でストラディバリウスの調律をしたから... ああ...保管室の隣だし、丁度ピアノもあってやりやすいんでね... それが済んだから、誕生会で演奏する予定だった蓮希ちゃんをここへ呼んで渡したんだったよな? あ、はいだから私の指紋もついています!調律された音が聴きたくてここで少しの間弾きましたから: 一人でした...響輔叔父様はすぐに出て行かれましたし、おばあ様は調律の邪魔になるからといって庭に出ていらっしゃったので... その後来られた毛利さんにそのストラディバリウスをお見せしてたら別館が火事になって... そして机に出しっ放しになっていたストラディハリウスを私が保管室に... なるほど、つまり... スリ替えるチャンスはあったわけですな... しかし警部殿...この際誰がスリ替えたなんてどーでもいいでしょ? 本物はちゃんと返って来たんだし...このボウズがよく探しもしないでいい加減な事を言ってるだけかもしれませんしね... でもこの事件何かおかしいよ!! どこがおかしいんだよ!?入り口の扉にも保管室の扉にも鍵がかかっていたんだぞ? おまけに窓のそばにイスまで置いてある! こりゃどー見ても自殺だよ!! そらみろ!!連続殺人なんかじゃねぇんだよ!! 奥様が持っておられた鍵以外は、私が預かっているマスターキーだけで... 警部:この部屋の鍵は飛び降りた遺体のガウンのボケットから発見済みです! となると、完全な密室になるな... つまり、何の脈絡もなかったって事だ!! 旦那様がおっしゃっていました... 君が我が一族の者なら丁度ぐるりと一周するのにと... とにかく!もう少し調べますので各自、自分の部屋で待機していてください! 念のために捜査員と一緒に... 窓枠から被害者の足の指紋が出ました! 片足の指紋しかないので、かなり思い切りよく窓から飛び出たようですね... ウーム...落ちる前にためらった跡はないか... 警部殿~~...こりゃー自殺ですって! なんたって密室だったんですから.. そういえば弦二朗さんが焼死した部屋も密室だった... 内側からかかっていたから扉をブチ破って入ったんだ...扉のロックもかかっているのを後で確認した.. どうしても密室がひっかかって... そしてこの部屋も密室... 何かあるはずだ...密室にいた人間を窓から落とす方法が...何か... 透明な四角いものが.. 何だ?セロハンテープか? ホラ!左の窓ガラスの上の方に何かついてるじゃない!! 死体の周りに変な物が落ちてなかったかって? 小五郎のおじさんがどうしても聞いて来てくれって! そういや落ちてたな... これはバイオリンのフリッジ... いや無理だ...そんなんじゃ人を窓から落とす事なんて... ストラディパリウスにもレプリカにもあったって事は... もう一つあったんだ、バイオリンが... もしかしたらそれを使って.. あ、それともう一つ...箸の先のような物が転がってたよ.. オーケストラの指揮者の人が使う指揮棒だよ! この部屋で焼け死んだ弦三朗さんは指揮者だったから、絶対どこかにタクトケースがあるはずなんだ! ああ...焼け焦げた何かのケースならみつけたよ...棒が二本入るような... 残るはもう一つの密室... 何も入ってなかったんだね? あれを使えば絢音さんの殺害が可能になる... そういう事だったのか... でもわからねェ...犯人の考えが... 何であの人あんなにこだわってんだ?結果は同じなのに: そういえば昔、母さんが... だって気持ち悪いじゃない? 『ぴょっクローロックスのその想曲 この部屋の出入り口は二つ!その入り口の扉にも保管室の扉にも鍵がかかっていたんスよ? そんな密室にいた絢音さんがイスを踏み台にして窓ワクに足をかけ、飛び降りたとなりゃもう自殺としか... あの部屋も鍵がかかっていて密室でしたし...消防士さんだって、出火の原因は寝タバコだろうと言ってましたしね; とにかく今夜はもう引き上げた方が... ホラ、いつもお父さんアクビした時みたいな変な顔した後で、眠ったように推理ショー始めてたから... そうそうついでに奇妙な声をあげとるよ... 「ほひっ」じゃなかったですか? いえ...この前は「へにょ」だったような... そうそうその顔!その声! 今日はまた随分と偉そーなポーズだな... 当然でしょう..警部殿が頭をひねってもわからなかった謎が解けたんですから.. 二年前からこの館で起きている.. 連続殺人の真相がね... だがお前、さっきまで自殺だと... じゃあ、そろえる物を... ホー、ほんにん犯人がわかったねぇ... ーって事は、これはやっぱり連続殺人かい? じゃあ、弦三朗大叔父様も絢音おばあ様も: そして恐らく二年前階段を踏み外して亡くなった詠美さんと一年前にベランダから転落死した降人さんも含めてね... しかし、なぜその謎解きにこのストラディバリウスか必要なのじゃ? 多分わかったのでございましょう.. それをレプリカとすり替えわざわざここへ戻しに来た犯人も... いや...推理ショーの前に私が皆さんに一曲お聴かせしようと思っただけですよ... 謎解きの前奏曲を景気づけにね... ちょ、ちょっとお父さん!? そう..蓮希さん、あなたの前で弾いたように... あ、いえ...お止めになった方が.. 当たり前じゃ!!ワシのストラディバリウスを何だと思っておるんじゃ!? 素人が扱って傷でもついたらどうなさるおつもりで!? では腕前を拝聴しましょうか? まあ、ここはあの人の言う通りにしてみようじゃないですか... 何か考えがあるのかもしれないし... それとも渡したくない理由でもあるんですか調一朗伯父さん? やはりあなただったんですね、響輔さん... バイオリンをすり替えたのは... おいおい..僕はあんたが弾きたいっていうから... 確か...そのバイオリンの受け渡しはこうでしたな? まずこの部屋で響輔さんが調律し、蓮希さんに手渡し、彼女がそれを私に見せている時に別館が火事になり... 机の上に出しっ放しになっていたのを執事の津曲さんが保管室にしまった... もしもすり替えたのが津田さんや、保管室に出入り出来た調一朗さんだったなら蓮希さんの前で私がそれを弾いた後になり、弾いたのは本物で、私の指紋が出ればすり替えたのは二人のどちらかという事になる... もしそうなら是が非でも私に触らせるはずですよ...いつ指紋がついたかをごまかすために... 響輔さんや蓮希さんがすり替えた場合も同じく私に触って欲しいはず: その本物から私の指紋が出なければ、私が弾く前にすでにレプリカにすり替わっていた事になり、疑われてしまいますからね... だが、蓮希さんは私が触るのを拒み、あなたは勧めた... あなたがこの連続殺人の犯人だという証拠なんですよ!! お、叔父様がそんな... で、でも調律する前にもうレプリカだったという事も... それはありません...響輔さん程の耳があるなら、弾けばそれが本物かどうかわかるはずですから... しかし何でそれで彼が連続殺人犯なんだね?絢音さんの部屋は密室だったし... それに、かじ火事になった弦三朗さんの部屋にも鍵がかかっていたんだろ? おいボウズ!アレを見せろ! 弦三朗さんの部屋の扉の枠側についてた受け金具! 上の方の穴だけ歪んでるでしょ? ロックさせた扉をブチ破った時に外れたんなら、上も下も歪んでるはずだと思わない? それを見つけた時消防士さんが言ってたよ!あの扉から出てるボルトは上がノブで下がロック...扉を開く方向からすると、扉をブチ破った時に鍵はかかってなかったんじゃないかってね!! でも後で行った時には鍵はロックされてたけど... かけたんだよ響輔さんか... 鍵がかかっているフリをして扉をブチ破り、 だが、バイオリンをすり替えた事とどういう関係が... でも確か彼はその時この下の部屋でバイオリンの演奏を... それが罠だったんです...絢音さんを窓に注目させるためのね... 焼死した弦三朗さんにオレ達が目を奪われてるスキにな!! それを使ったのはこの部屋から絢音さんを飛び降りさせた時... 想像してみてください!!亡くなった息子の様に毎晩眺めていたストラディバリウスがそしてレプリカにすり替えられ美しい音色に怒りのあまり壊してつられて窓をしまった絢音さんの振り返り...気持ちを... これが目に入った時の... 絢音さんの感情をね!! ま、まさかそれが本物のストラディバリウスだと思って... ああ...響輔さんが鎮魂曲を弾いてたあのバイオリンがストラディバリウスだったとしたら、なおさらそう思っただろうな... そして彼女はイスを踏み台にして窓枠の上の方にある鍵を外し、窓を開け、そのバイオリンを取ろうとして誤って... しかし、そう簡単に落ちるか? それはこれから実践してもらいましょうか... あ、高木刑事だラッキー! おじさんがトリックを説明してたら、窓の外枠にストラディパリウスがひっかかっちゃって.. 背の高い高木刑事なら取れるよね? そりゃー開ければ取れると思うけど.. な、何かあるんじゃないでしょうね? あ、いや、くれぐれも慎重に頼むよ...数億円するそうだから... でも落としても僕のせいじゃないですからね... バイオリンが勝手に... なるほど...両側の窓枠の上の方に外から棒を取り付け、棒が交差する部分に糸でおとりのハイオリンを吊し、 窓を開ければ開けるほど遠くへ行く仕掛けを使ったというわけか... でも、あんなふうにひっかかったら... これは調理場から持って来た菜箸で作ったとりあえずの仕掛け... 犯行で使った二本の棒が該三朗さんの部屋に入って火をつけた時にくすねた弦三朗さんの指揮棒なら... よくしなるからバイオリンが先にいけば重みで勝手に落ちるよ... そしてバイオリンに付けた別の糸の先を下の部屋の窓枠に結わえておき、落ちた絢音さんを見下ろす我々の横で自分の体でそれを隠し...遺体を確認しに我々が部屋を空けた際にバイオリンを回収したんだ... じゃあ指揮棒はいつ回収を? それもその時...セロハンテープでとり付けてあっただけですから、両方の指揮棒に糸を付けておけば下から引っ張れば簡単に回収できますよ: 絢音さんが落ちる前に聞こえた妙な音は多分、そのバイオリンが落ちて壁に当たった音... その証拠に絢音さんの道体のそばに落ちていました.. 壁にぶつかり弦が切れて外れたバイオリンのブリッジとどこかにぶつけて折れてしまった指揮棒の先が一緒にね... この仕掛けをしたのはストラディバリウスを響輔さんが調律するためにこの部屋に入った時... 本物とレプリカをすり替えたのもこの時でしょう.. 回収した指揮棒やバイオリンなら、多分下の部屋のどこかに隠してあるはずですよ... あの時、泣き崩れる蓮希さんがそばにいたのに指紋を消したり、どこかに隠しに行ったとはとても思えませんから... う、うそ!そんなのデタラメよ!!ん響輔叔父様が殺人犯だなんて考えられないわ!! だって叔父様は火事で逃げ遅れた絢音おばあ様を助けたじゃない!! え?どうして指を空けて弾くかって? 隣り合った音を同時に鳴らすと... それは音楽家のあなたも知っている音階の決まり事... 隣り合った音が同時に奏でるとても耳障りな嫌な音... きさま人の命を何だと... その言葉:調一朗伯父さんにも言ってくれよ.. 詠美叔母さんにその事を確かめたら血の気の引いた顔で話してくれたよ... すっかり忘れてたよ...二年前のジイさんの誕生会の日に調律を頼まれてストラディバリウスに触れるまではね... これは小さい頃、父が僕に贈ってくれたバイオリンだってね... その音色に聴き惚れ。返すのが惜しくなったジイさんがレプリカとすり替えて父に渡したがすぐにバレて口論になり、父が階段を踏み外し重傷を負った事...そしてジイさんは救急車も呼ばずにその誕生会に集まった連中にこう言ったそうだ... 弦三朗!ワシらを縛ってお前ら夫婦は帰れ!! 強盗に襲われた事にするんだ!! お前らこの銘器を弾きたくないのか!? ワシの物となればいつでも弾かせてやるぞ!!! ああ...その話の最中に父の様に階段を踏み外し、転落死した詠美叔母さんの死体を見ながら思ったさ...これは神の啓示だと... 小五郎おじさんに言われて、ボクが消防士さんに頼んだんだ!響輔さんが自殺するかもしれないからってね! 響輔さんがこの部屋にストラディバリウスを戻しに来たから、次は蓮希さんじゃないとわかったんだ... あの時、絢音さんがレプリカを壊してラベルが表に出なければすり替わったまま誰も気づかずにいた可能性が高い... それをわざわざ戻しに来たのは... 父を殺された自分と、同じ境遇にさせてしまった人に...その伝説の銘器を引き継ぐであろうその人に遺したかったからですよ... 自分の父が遺した贈り物を... ボクが携帯電話の音の事を聞いた時「僕の事かい?」って言ったよね? ボウズ...お前も耳がいいんだな... ねえ、シラソラで始まる曲って何か知らない? じゃああの音はシラソラで合ってるんだ! なんかそんな感じがする曲かも... それだったら多分... もしかしたら哀しいような懐かしいような... かーらあすーーわなぜ鳴くのー!? 何じゃ?音楽の先生に宿題でも出されたか? 昔学校の帰り道でよく歌ったわい: やっと思い出したんだよ... あの時、ボスにメールを打つベルモットの顔がどこか淋しそうな懐かしいような感じがしたのは..表情じゃなく、メールアドレスのプッシュ音のせいだったってな!! じゃ、じゃあまさか... ハハ...そんなワケなかろう!何で童謡をメールアドレスに... 奴らが音で覚えていたとしたら、どうだ? そうすれば携帯のメモリーにメールアドレスを入れずに済むし、 万が一、携帯を落としたり奪われたりした場合も、ボスのメールアドレスは外部に流出しないだろ? 有名な曲の方が覚えやすいしな... 恐らくこれがあの黒ずくめの奴らのボスのメールアドレスだよ!! «実際には、メールアドレスに♯は使えませんが、・青山郡島イタヌラ的なのために、あえてこうしました。 お、おい、まさか...そこにメールを出したんじゃないじゃろうな!? まあ、メールを出すのは高木刑事に事情を話して、このアドレスを使ってる人物を割り出した後で... その人物を突き止めようとした時点で彼らの手によって... そして彼らの矛先は、そのメールアドレスを提供した工藤君に向くでしょうね.. じゃが、高木刑事だけじゃなく、警察にこの事をちゃんと話して、それ相応の体制で臨めば... 無理よ...あの事件の直後ならまだしも... ただの誘拐事件として片付けられた今となっては、お人好しの高木刑事以外、そんな話信じる方がどうかしてるわ... そう...警察を動かすには、あの時点でもうそのメールアドレスがわかってなきゃいけなかったのよ.. ただでさえ信じ難い人物が浮かび上がって来るかもしれないんだから... お前まさか知ってたんじゃねぇだろーな!? しかし勿体ないのォ...せっかくボスのメールアドレスがわかったかもしれんのに、手が出せんとは... まぁ、さっさとあきらめて忘れるのね... そのメールアドレスは、 決して開けてはならない... パンドラの箱なんだから... もしかしてパンダさんが中に入ってるの? 何だよ?パンダの箱って... 神様が全ての悪と災いを箱に詰めてパンドラという女の人に、絶対に開けるなと言って渡したっていうギリシャ神話ですよ! でもよー開けるなって言われると開けたくなるよな? そう...パンドラも言いつけに背いて箱を開けてしまい...悪と災いが地上に降り注いでしまったってわけ... そのパンダの箱がどうかしたの? 箱なら薪拾ってる時に変な石の箱みつけたよな? はい...二か所に丸い穴が空いてる古ぼけた箱のような石で... 穴から中をのぞくと、文字がびっしり刻まれていました... 仁王の石がどうしかこうとか書いてありましたけど...難しい漢字が多くて... その石の箱を見つけた所に案内してくれねーか? こ、こりゃまたひどい屋敷じゃのォ... 使われなくなってから何年もたってるって感じね... で?その箱のような石はどこに? 家のそばにある沼ん中をのぞいてたらよ... この石の箱が水ん中に沈んでて、中に鯉が入ってたんだよ! その鯉を捕まえようとして石ごと引き上げたら、刻まれた字に気づいたんです! 鯉には逃げられちまったけどな.. コレって石灯籠じゃないのか? ホレ、日本庭園でよく見る、石でできた外灯じゃよ... これは真ん中のロウソクを立てる火袋という部分じゃろう! 確かにそう言われればそう見えますけど...もしそうなら、笠や土台の部分もどこかに落ちているはずですが... しかも、ーっやこっじゃないみてーだぜ? 多分、この家の庭先にあった石灯籠をまとめて沼に沈めたんだ... 灯籠なんて最初からなかったと思わせるために... せっかく見つけたこの暗号を自分以外の誰かに解読されて、 お宝を横取りされねえためにな... 仁王の姉は日輪と及ぶの間長老あまた集へる基だしき股賂の地...其処に仁王の名はなり... 仁王の念怒畏怖せざる者よ拳に溢るる其の石を手中に収め万立よりの理を識得すべし... 三水吉右衛門って確か幕末の... ああ...佐幕派の浪人達に資金援助をしていた絡繰人形師だ! 吉右衛門の作り出す絡繰人形は、まるで生きているようだと大名や商人に気に入られ、一代で財を成した... 人呼んでカラクリ吉右衛門... じゃあ、その人が作った仁王の人形がこの家のどこかに隠してあるんでしょうか? お宝は「仁王の石」の方だよ! ただの石っころじゃねーのカ? 仁王っていうのは金剛力士の事で、そいつの石なら金剛石...金剛石を英語でいうと... 宝石の王様、ダイヤモンドになる!! ダイヤが日本に伝わったのが大体幕末の頃だから... 時期的にも合ってるわね... 灯籠にはまだ苔が生えてないから、沈めてからさほど時間は経ってないだろーし... じゃあ灯籠を沈めて暗号を隠そうとした誰かは、まだこの近くに.. 灯籠を沈めたのは暗号を隠すためだけじゃない.. 殺人を隠すためでもあったみたいだぜ? なのにまだ腐敗ガスが体内に溜まっていないって事は... やっぱり殺されてから、まだそんなに時間は経ってねぇみたいだな... 首に残った索条物の跡からすると... 絞殺された後、沼に沈められ浮かんで来ないように上に灯籠を積み上げられたってところか... さぁな...お宝がらみだという事は確かたろうぜ... おっと、運転免許証だ... ま、まさかタイヤカ!? 炎って刻んであるな.. まさかそれが仁王の石か? でもダイヤじゃないですよ? コレ!人が亡くなっておるのに宝の話ばかりするでない! とにかく博士は車に戻って警察に連絡してくれ! ここじゃつながらねーから... あ、ああ...わかった!! お宝探さねぇのかよ!? バーロ!この人を殺した犯人がまだこの近くにいる力もしれないんだぞ!? んじゃ、陽も暮れて来たし... オレ達はテントの所まで戻るぞ! 暗号解読しましょうよ!! それに、この人だって名前がわかっただけで何者かまだわかってねーんだぞ!! トレジャーハンターみたいね... 彼の手帳は日本各地に散らばった財宝の資料や地図で埋め尽くされてるわ... この三水吉右衛門の宝の探索経過も詳しく書き込んであるわよ... なかなか使える相棒と組めたし...これならあのキザなコソドロを出し抜ける.. 何度も煮え湯を飲まされたあの手品師を... まてよ...確か灯籠に刻まれていた文字に... 拳に溢るる其の石を... でもコナン君がいないと暗号が.. イグニッションキーは、もう回されたみたいだから... 「ダイヤモンドカットタイヤモンド」の始まりなのかしら? 硬いダイヤを削るにはダイヤを使わなきゃいけないでしょ? だから智者同士強者同士の冷静で凄まじい戦いの事をそう言うのよ!! でも一体誰と誰が戦いを...? バーロ...オレもアイツもダイヤモンドなんて大層なものじゃねーよ... アイツは真実をベールで覆い隠して面白がってるただの泥棒で... オレはそのベールを剥ぎ取りたくてうずうずしている... 誰なんだよその泥棒って...? もしかして、沼の中に沈められていたこのおじさんの仲間ですか? ビッグジュエルっていうでっけー宝石ばかりを狙う... 怪盗キッドという名のキザな悪党だよ... そいつの名前なら知ってるぞ!! 神出鬼没で大胆不敵な怪盗紳士!! 博士に聞いてるわよ.. あなた達二人の戦いふり... 結構やられ気味だそうじゃない? 別にやられちゃいねーよ...お宝は毎回盗られてないんだからよ... ねぇ、キッドここに来てるの? かもしれねぇって話だよ...このおっさんの手帳に書いてあっただろ?「これならあのキザなコソドロを出し抜ける」って、そのコソドロっていうのが多分キッドの事だよ... じゃあもしかしてこの人を殺したのは... さあな...奴は殺しはしねぇって噂だけど... まぁ、雨も降って来たし... 雨宿りがてらあの屋敷に入ってみるとするか... 博士が警察をここに呼んで来るまでの間だけだからな! ホントにこの中にお宝があんのか? この辺のどこかに隠してあるのは確かだよ... いざ入るとなるとかなり不気味な屋敷ですね... 屋敷の壁と地面との境目に真新しい濡れた土の跡がついてるな... しかも屋敷全体に... そういえば、灯籠の中に刻まれていた文字ってどういう意味ですか? 仁王がどうたらこうたらって... 難しくてよくわかんなかったけど... 「仁王の時は日輪と咫尺の間長老あまた集へる甚だしき殿賑の地其処に仁王の石は在り... 仁王の念怒、異怖せざる者よ拳に溢るる其の石を手中に収め万古よりの理を識得すべし三水吉右衛門」... 要約すると、仁王が寝ている場所は太陽に一番近くて、老人達が集まるすごく賑やかな所... そこに仁王の石...つまりダイヤモンドが隠してあるって事さ! 気になるのはその後の言葉よね... 仁王の怒りを恐れぬ者よ...拳から溢れるような大きなその石を手に入れて昔からの謂われを悟りなさい... ああ:それと、さっきの死体がズボンのスソに隠していた... この「炎」と刻まれた石で出来た勾玉... これがその暗号とどういう関係があるのか、まださっぱりわからねぇ... お、おい、けんた元太! あの死体が持っていた手帳には他に何か書いてないのか? 書いてあるようだけど..ぐっしょり濡れているから、乾くまで待たないと破れて読めなくなりそうよ... そんなの待ってられっかよ! ダイヤモンドは太陽に一番近い所にあんだろ? だったらダイヤモンドは家の一番てっぺんに隠してあるに決まってんじゃねーか! お前らも吉右衛門の宝探しか? 気をつけな!この階段はトラップだ! 上に登りたきゃもっと奥に行かねぇと... 絡繰吉右衛門はかなりのひねくれ者だ... 目に見えた物を鵜呑みにして動くと痛い目に遭うぜ? それよりお前ら、妙な石を見つけなかったか? 見つけてないよ!何も... んじゃ、見つけたら教えてくれよな... どうしてウソをつくんですか? 元太君を助けてくれたいい人なのに... いい人とは限らないわよ..仲よくなって石の勾玉を奪い取る気かもしれないし.. ああ...あいつがキッドなら尚更そうするだろーせ...さっきの男を殺した犯人だとしてもな... でもまあ今は屋敷の仕掛けに詳しそうなあいつのそばにいた方がよさそうだな...警察が来るまで逃がさねぇためにも... ま、まだ先なんですか?その古ぼけた屋敷っていうのは... どっちじゃったかのォ... 家の中に川が流れているなんて高級料亭みたいですね... さっきの沼とつながっているのかしら... 見ろよ、橋まであるぞ! 今度は引っ掛からねーぞ! いや...そう見えて実は... まるでエレベーターですね! コナン君!早く乗らないと! つまり上に行こうとすると下に... 下に行こうとすると上に行く仕掛けになっているんですね! タネかわかれば簡単だな! バカね...そんなに簡単なら...探すのに苦労しないわよ.. 子連れのトレジャーハンターさん? このガキ共は連れじゃねぇよ.. それにガキ相手に刃物はどうかと思うせ? よく見てみなさいよナイフの先... そんな毒蜘蛛を放してるなんて吉右衛門って人、ひねくれ者の上に相当意地悪だったようね... ねぇ...もしかしてあのお姉さんがキッド? キッドって男じゃねえのか? 女性にも変装すると聞きましたけど... そうそう、気をつけなよボウヤ達...まだその蜘蛛その辺にいるから... 一番てっぺんに着いたみてーだぞ!! じゃあ屋根の上にダイヤモンドが!! えーっと、登るトコ登るトコ... 妙だな、と太い柱が見当たらねぇ... ん?あそこは下の階まで柱があった位置:・ まてよ...あの太い柱が空洞だったとしたら.. 言ってただろ?上に登ろうとすると下に落ちるって.. おーい大丈夫かー?今、ロープ降ろしてやるから: お、おい、ここガイコツだらけだぞ!!! なんとか降りられましたけど、最下層に来てしまったようですね... てっぺんに行きたかったのに... 格好からするとトレジャーハンターだな... 屋根の上なら調べたけど何もなかったわよ? こんなおじいさんまで... ジジィじゃのォて... あら、おばーさんもライバル? あんたもトレジャーハンターなんだろ? レジャーなんぞに来ておらんわ.. あの吉右衛門さんのなァ... ワシは基参りしたかっただけじゃ... 壊ひしが我に神経を徐へよ 迷ひし者我に神器を供へよ... 迷ひし者我に神器を休へよ これって暗号なんじゃないの? 送ひし着我に神器を我へよ おやそうかい?ワシはてっきり吉右衛門さんの墓じゃと... でも、どういう意味なんでしょうか? 何かお供え物をしろって事かなあ...? けどよー食い物や花なんか持ってねえぞ! そーいえば、沼に沈められてたあの男が隠し持ってたのは.. 石で出来た勾玉だったな... さっきボク達に聞いてたよね?妙な石を見つけなかったかって... だったらおじさんも持ってるんじゃないの?妙な石を... 実はボク達もさっき見つけたんだよ...石で作られた神器の一つをね... ちょ、ちょっとコナン君!? それは内緒だって言ってたじゃんかよ!! な、何て書いてあったんだ!? お前らが見つけた石にも何か文字が入っていたんだろ!? やっぱりおじさんも見つけたんだね! あら...この状況で情報の独り占めはあまり頭のいい考え方とは思わないけど? そうそう...仲間外れにされたくなければさっさと見せて御覧よ.. わかったよ...俺が見つけたのは... この石で出来た鏡だよ! 書いてある文字は永遠の「永」ですね... じゃあ、やっぱり太陽に関係があるんじゃねーのか?ずーっと燃えてんだからよ! フーン...じゃあ君達が見つけた勾玉には「炎」とでも書いてあったのかしら? しかしわからねぇな...「永」と「炎」の意味が... 大正解だよお姉さん... もしかしたら逆ひし者我に地墓石のどこかにその石をはめ込む所があって、何かの仕掛けで仁王の石・ダイヤモンドが出て来るんじゃないでしょうか? だってホラ、沼に沈んだ灯籠の中に刻まれた文字にあったでしょ?ダイヤがあるのは老人達が集まる賑やかな場所だって! 仁王の猫は日輪と及ぶの間長老あまた集へる基だしき般職の地基処に仁王の石は在り... 仁王の恋怒長怖せざる者よ本に送るる其の石を手中に収め万古よりの理を裁得すべし三水吉右衛門... じゃあおばーさんもあの灯籠を見たんだね? ああ...沼には沈んでなかったがのォ... とにかく、宝石はここにはなさそうね... やっぱりもう一つの神器を見つけねぇと謎は解けそうにないか... 三種の神器といってね、見つかったのが鏡と勾玉ならどこかにもう一つあるはずよ... 鏡は八咫の鏡、勾玉は八尺瓊の曲玉、そして残る一つはその昔野に火を放たれ、窮地に追い込まれた日本武尊を、草をなぎ払って救いその名が付いたという神剣... ああ、その名前なら知ってます!! よくゲームに出て来るスゲー刀だろ? その剣に刻まれた文字を見れば何かわかるかもしれないわね... フン...宝探しより先にこの地下牢のような部屋から抜け出る方法を考えた方がよいんじゃないのかのォ? あら...ここからの脱出方法ならその人が知ってるはずよ.. 一回ここへ来て基石の文字を読まなきゃ、そんな石の鏡を大事に隠し持ってるわけないものね; けど、でけぇ家だなぁ... 地下が異様に広いんですよ... あれ?床が濡れてるよ? 何だ?このズレたような跡: そういえば、ちょっと前に一度地震があったな... それで屋敷がズレて、地下水があふれ出たのね.. え?地震なんてありましたか? こりゃあ吉右衛門さんの言う通り、仁王様が怒っておるのやもしれんのォ... 宝探しなんぞ止めにして早く帰れとなァ... ねぇ...沼に沈められてた男が持っていた手帳... 乾いて読めるようになったけど..どうやらあの男、組んでた相棒に殺されたみたいよ.. 殺される...見つけたこの石を隠さなきゃ奴に殺される...相棒を殺して宝を独り占めにするっていうあの毒鼠に... その後は破られてて読めないわね... 殺される見れたこのあとなぜに殺されてる大阪府を殺して、ああ!!学生的作成になっておまえた それにしても読みにくい字ですね... ええ...鉛筆で書かれていて、薄くなったり汚れたりしているから... すげぇー!滝がいっぱいだぞ!! 湯気でこの出口を隠すためにな... それにしても赤い温泉ね...鉄分が多く含まれているのかしら? コレ、小僧!そっちは出口じゃないぞ!! お前らも聞いた事があるはずたせ?天照大神の弟、素戔鳴尊が奇稲田姫を助けるために、ある魔物に酒を飲ませて退治した話: その魔物の尻尾から出て来たのが、後に草薙の剣と呼ばれる天の叢雲の剣だよ! そ...その魔物ってもしかして昔話に出て来る... ああ...その目は鬼灯のように赤く腹は血で爛れ、身は一つだが八つの頭と八つの尾を持つ伝説の大蛇... そっくりじゃねぇか... なるほど?滝が大蛇の首でその支流が尻尾ってわけね... じゃあ、この支流のどれかに剣が... ああ...伝説だと、剣が出て来たのは真ん中の尻尾...だからこの四本目か五本目の支流の先に草箱の剣はあるはずさ! まさか湯の中を潜って行く気か? よせよせ何もありゃせんよ!それにこの先が谷底じゃったらどうする気じゃ!? でもよーここまで来たらこの先見てみてぇよな... なんかせり上がって来たよ! な、流れが止まって... 穴がとお通れるように! おー行ってみよーぜ!! やっぱりおばーさんもお宝目当てだったのね... でも厄介な仕掛けね...あの剣に近づこうとして床に重さが加わると、四方から刃が襲って来る... 取らせない気なんでしょうか? いや...ただの意地悪な仕掛けじゃないよ.. 刃が四方から来て... ちゃんと四方に収まるって事は... 微妙にタイミングをズラしてぶつからないようになっているって事... この刃を利用してあの剣の元へ... こんな取っ手が付いてるって事は... 向こうに着きやがった! 剣には何て書いてあるの!? 何の事だかさっぱりですね... さすが吉右衛門さんじゃ! 竜の炎に焼かれるが如く永遠に悩み苦しめという事じゃろう! コナン君、こっちに戻って来れるー? ホレ...宝探しは止めにして帰ろうぞ! 逃ひし者我に神器を供へよ... 宝なんぞ最初からなかったのやもしれんしのォ... 何だよ...さっきは目の色変えてたくせによ... ホ、ホントコナン君!! 尻尾巻いて帰ろうっていう!! ホントに帰っちまうのかよ? せっかく謎めいた三種の神器を見つけたのに... ああ...その神器に刻まれた「炎」「永」「竜」の意味も... 灯籠の中に書かれていた太陽に一番近くて老人達が集まる賑やかな場所っていうのも、さっぱりわからねぇからな... ダイヤモンドあきらめちゃうの? じゃあ私はこの辺で.. 俺ももう少しこの屋敷の中を調べてみるか.. 後は大した仕掛けはねぇから、そのガキ連中を出口まで頼んだぜ? フン...勝手にせい: もう外は真っ暗ですね! 博士、まだ来てねえみてーだな? やっと出られた〜〜... ホントは博士がお巡りさん連れてここに来る事になってたんだけど... ならばこの婆がおらんでも山は降りられそうじゃのォ... 仁王様に祟られとォなかったら... 道草なんぞ食わずに早く帰るんじゃぞ! もしかしたら殺人犯かもしれないんですよ? とにかく...邪魔な人達はいなくなったんだから、そろそろ案内してくれない? 解けたんだね、あの暗号!! 地下にあった墓石に書いてあったよな?「迷ひし者、我に神器を供へよ」って... この「我に」っていうのは、三水吉右衛門の三水つまり三水に神器の文字をくっつけろって意味だったんだ... 見つかった三種の神器の文字は「炎」と「永」と『竜」: それにきれい三水を添えると... 炎はおかしい淡路島の「淡」になります! 永はいえい水泳の「泳」!! ん~~~?淡路島の滝で泳げって事か? バーロ!墓石の文字の頭に迷いし者ってあっただろ?これは灯籠の暗号が解けなかった者に対するヒントだったんだよ! 灯籠の文字は太陽に一番近くて老人達が集まる賑やかな場所... これをさっきの三文字を踏まえて考えると、太陽に一番近いのは大陽系第一惑星の水星で、老人達はヒゲのある鯉...賑やかな場所は、水音が絶えない場所って事になる... つまり、淡水で鯉がたくさん泳いでいる滝のそばに... 仁王の石、タイヤモンドは隠されてるってわけさ!! すっごーいコナン君!! じゃあ地下の滝の所じゃねーか? あの八岐の大蛇に似せた滝ですね! 残念ね...あれは温泉水、淡水じゃないわ... もしかして、家の中にあった川じゃない? そういや、鯉がいっぱい泳いでたな! でも滝なんてありませんでしたよ? ホラ、耳を澄ましてみな... オレ達を宝の在処に導く... そうか!最初に見た沼にあったんですね! だからコナン君帰ろって言って外に出たんだね! 沼にしずに沈められてた死体...なくなっているわよ... ああ...オレ達が屋敷に入った後で犯人がまた隠したんだ...犯行をごまかすために... 何か暗くてよー...潜んねーとわからねーぜ... せっかく別の出口から出て先回りしたんだけど... 滝の裏を見てご覧なさい... どうやら先を越されたみたいよ... な、何かカードがナイフで止めてあります... に、仁王の石は頂いた... 仁王の石は頂いた怪盗キッド じゃじゃないじゃ... さすが天下の大泥棒じゃ!! 浮世をまやかすあの怪盗に盗られたのなら... 絡繰吉右衛門さんも本望じゃろうて... あのハアさん帰ってなかったのかよ... ここにいてももう何もなさそうだしな... 泥に隠れていましたけど... 沼の底に確かに光る石が!!! 仁王の怒りを恐れぬ者よ... 拳から溢れるような大きなその石を手に入れて昔からの謂われを悟れ... おっと、動かないでよ! まさか泥で隠されていたとはねぇ... 危なく見逃す所だったよ... そのカードにつられてよく探さなかったから... これから宝石を手にして沼から出て来るあの男と一緒に、仲良く水浴びさせてあげようじゃないの: フン...やっと尻尾を出しやがったな... はあ?私がキッド?バカね私は: 組んだ相棒を殺して宝を独り占めにするトレジャーハンター毒鼠... あれが剣じゃなく勾玉だって... あんた言ってたよな?あの男が石の鏡を見せた時に..「じゃあ君達が見つけた勾玉には炎とでも書いてあったのかしら?」って... あの時オレは、見つけたのは石の神器としか言ってなかったのに何でわかったんだ? それがわかったのは、あんたが沼に沈めた男の手帳を破り取ったからだよ... 勾玉の中に“炎”と書かれたあの図面をな!! あら...どうしてわかったの?勾玉の図面が書いてあったなんて... あの手帳、鉛筆で書かれていたから裏写りしてうっすらと残っていたんだよ.. おおお時からこのおおにいちゃん...お前も母にちょっとも へェ〰少しは賢いようだけど迂瀾よボウヤ... 自ら進んで銃口に近づくなんて... ああ...こうしないと.. ビックリだぜ...あの姉ちゃんがキッドだったとはよ... ハッハッ!!!ハッハ!!! 仁王の石は頂戴したぜ!! は、早く宝石を元の場所に戻せ!! 谷底に流されちまうぞ!! あのダイヤがこの大仕掛けのスイッチになっていたんですね... だから一回盗ろうとして止めたんだよな、バアさん... つまり宝石を盗らせる気は最初からなかったってわけか... タイヤモンドはかつてその何物も寄せ付けない硬さから「アダマス」、つまり「征服されざる物」って呼ばれてたんだ...その謂われを悟れって事は、絶対に盗らせねぇって事:まあ幕府崩壊時に倒幕派に財産を没収されるのを嫌がった佐幕派の吉右衛門の考えそうな事さ... 少しせり上がった屋敷の壁スレて水が噴き出た地下道...カードの文句とは裏腹に盗られていない宝石...そして「取ってはならん」のあの一言を聞けばピンと来るさ... 一度取ろうとして仕掛けに気づき、例の「古来よりの理を識得すべし」の意味がわかって慌てて戻し、 そして二度と誰も触れないようにメッセージを残したのはバアさんで... イコール怪盗キッドだって事はな! まあ盗らなかったのは、目当ての宝石じゃなかったってのもあるけどな... だから宝探しは止めて帰ろうって言っていたんですね!! でもよーオレを突き飛ばして剣を取ろうとしてたじゃんがよ! あれは元太を助けるためだよ... 先に入ってあの仕掛けに気づかせなきゃ、オメー今頃八つ裂きにされてあの世だぜ? まぁ今回は仲間を助けてもらったお礼に見逃してやるけどよ.. じゃあ歩美達が変な仕掛けに引っ掛からないように地下で待ってたんだね! そのキザなモノクルを剣ぎ取って、素顔を見る前にな... あらあら随分ハートフルな泥棒さんね... お褒めにあずかり光栄ですよお嬢さん? 何が入ってるかわからねーから、パンドラは箱を開けたんだ... いつか必ずお前を徹底的に調べ上げ、正体を白目の下に晒してやっからそう思え... 開ける前から中身がわかってる宝箱なんて... 開ける前に中身を知るのが... それより、これからどーすんだ? 宝石は戻したから水はひいてるようだが... 助けを待つしかないようですね... やっぱやべーよな... 出かけるから早く着替えてって言ったでしょ? ホーラ!携帯なんかいじってないで... 寝部屋に着替えを用意してあるから... ま、焦るな焦るな... その内機会は来るさ... 奴らのボスに接触するチャンスは: あ、そうだ!出かける前に新一にメール打っとこ... 留守にしてる間にアイツひょっこり帰って来るかもしれないし... 「今日はお父さんの仕事の依頼人の所に行く予定... ...なので連絡は携帯に...難事件だったらその時は助言ヨロシクね」っと... コナン君さっきまで携帯いじってたから、このメールに気づかないわけないし... ま、まさかわたしのメール?そんなわけないよねえ...?ちゃんと新一のメールアドレスに送ったもの... でも...偶然にしては... メールの着信音がしてたから、誰からかなーっと思って... き、きっと博士からだよ! 探偵バッジの修理頼んでたから... あ、やっぱり博士からだー! 毎回毎回依頼人の家について来やがって... でもその人、「家族連れでどうぞ」って言ったんでしょ? それにまたおじさんの役に立つ事を思いついちゃうかもしれないよ? どこかの名探偵さんバリの名推理をね... あの慌てぶり...間違いないわ! さっきのメールはわたしからのメールね! 新一がその内容をコナン君に電話で伝えきせていたんだわ!! どこかの誰かに私のメールを見られないように.. 電話番号だって、忙しくて出られないからなんてごまかしてたけど、やっぱりコナン君には教えてたのね! コナン君が新一と絶えず連絡を取り合っていたなら..コナン君の名推理もたまにわたしの妙な事を知ってるのも全て頷ける! ーっ対に絶許さないから!!! 携帯電話を探して欲しいんですか? はい..できれば今日中に... でなければ多分私はもう... ここにはいられなくなりますので.. 今晩、不倫相手からメールが届く!? 「シー」はアンタだよ.. そのメールが、嫉妬深い主人や厳格な義父様やおしゃべりな主人の弟さん達に見られでもしたら... じゃあ相手のその男に連絡して、メールを止めてもらえば... それが...相手の奥さんに浮気がバレないように、電話はいつも向こうからの一方通行で電話番号も非通知ですし、週末になると必ずメールを送ってくるくせに、私が送ったメールはうろくに見もしない人なので... 随分勝手な男ですなぁ... でもいるよ!そういう自己チューな人... それで?いつどこでなくしたのかわかりますか? なくしたと気づいたのはおとといの夜...どこでなくしたかは覚えてませんが...この家の中の誰かが持っているのは確かです...? ...と、いいますと? なくしてすぐにその携帯に電話をかけたら、十数回のコールの後、誰かが無言で出てすぐに切れたんですが...その時、電話の向こうで聞こえたんです.. あの下手な尺八の音が... た、確かに下手だ... 義父様は自分の部屋でしか尺八を吹かないので、携帯は絶対にこの家の中にあると思うんですが...その後、何度かけても無言で切られてしまって... だったら、持ってるかどうか聞いてみればいいんじゃないですか?家の中の人全員に... 離婚となれば慰謝料をいくら取られるか... もちろん聞いてみたけど、誰も知らないっていうのよ!! きっと私がボロを出すのを待ってるんだわ!私の事が嫌いで、この家から追い出す気なのよ!! じゃあ電話会社に連絡して、電話を止めてもらうしかなさそうですな... 電話を止めたって、メモリーに入ってる彼からのメールは消せませんよ! 一応見られないようにロックしてありますけど、止めたりなんかしたらますます怪しまれて、ロックを解除されてしまうかも... これから家の中を一緒に回りますから、あなたの携帯で私の携帯にかけて、音で見つけて欲しいんです!まだ電源は切られていないようですから.. でもそれぐらい自分でやれば... もう一台の携帯を買えるのならとっくにそうしてますよ!! か、買えないんですか? 家の財布は主人が握っていますので、そんな事をしたら主人に何て言われるか?こんな理由で友人に携帯電話を貸してくれなんて言えませんし... 探偵が家の中をうろついてたら、余計怪しまれると思いますよ... いえ、今日は探偵ではなく、私の友人になってもらいます.. しかしねぇ奥さん... ホー!伴子さんの中学時代の... 毛利...いや森五郎といいまして.. も、森君はもうすぐ家を建てられるそうで、義父様が設計したこの家をぜひ参考にしたいと... 存分に見ていってくだされ! なるほど..だから家族連れで来て欲しかったってわけね... では、ワシのしきはち尺八を一曲御披露しょう! コール音はどんなヤツですか? 変わった音なので聞けばすぐにわかりますけど、もしかしたらマナーモードになっているかも... いやあ、この年になると厠が近くて困るわい! ま、まさか義父様が... 違うと思います...電話の相手、すぐに取って切ったみたいですから... しかし、そんなに厳しそうな人には見えなかったがな... ああ見えて怖いんですよ.. 元はといえば義父様が... 他を探してみましょう.. ひょっとして元カレとか? ああ、今はまだ無名だけど... へー...小説を書かれているんですね... 秋には嫌でも耳にするかもしれないよ!この狩谷滋英の名前をね! 狩谷滋英って、純愛小説の!? 秋にドラマ化されるって噂、本当だったんですね!! でも意外!もっと年輩の方かと... おい蘭...コールコール... ドラマ化ですか...いいですなー おっと編集からだ... しかし、さっきといい今といい... そ、そうそう、偶然ってよくあるんだよね!! あら...減多にないから偶然っていうんじゃないの? 違うみたいまたすぐに切れたから... ホー御主人はイラストレーターですか... でも、いらっしゃらないみたいですね... ホラ、偶然なんてそうは続かないでしょ? しかしこの絵どこかで... あーそうか!ちょっと前に流行った狩谷嗣貴だ! ホウ...私の絵を知っているのか? え?あんたが狩谷嗣貴?もっと若い人かと... フン、たと例えるのなら若い奴の絵はメールで、私のは手紙だ...色の重さが違うよ... 放っておけ...どーせ出版社だ: 雑誌の表紙イラストの催促に来ただけだから... お客さんを出迎えに行ったんじゃないの? ところであんたらは誰なんだ? あれ?お客さん来てないの?家政婦さん... しかし困ったなぁ... え、ええ、開けたら誰もいなくて... もう探す所がないよ.. こういう事ってよくあるの? 奥さんは子供のイタズラだって言ってたけど.. 携帯電話は見つかりましたから... では、お引き取りを...依頼料は指定の口座に振り込んでおきますから... くたらねー事件だったぜ... あ、ボク今日、博士ん家に泊まっていい? あん?また博士とゲームでもする気か? 人をだまして、陰で笑っているなんてホントくだらないわ! 今日はわたし、コナン君といっぱいお話したいもの: じゃ、じゃあ、ちょっと寄るだけ..探偵バッジを修理してもらってたから... おお!どうしたんじゃこんな時間に... どーやら蘭の奴がオレの... 警察では殺人事件として... 車で書籍制作会社株式会社社昭和ブライト