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Instructions:
...
...
無機質であたたかい
古くて新しい。
旅が始まる
近未来でスチー「ムパンクな」
ありゃ
アンジュ
からっぽだ
まだ
寝てる...
アンジュ
君が夜明けを
教えてくれる
だから
...
は朝を知る
電
原作
印里無崎«島
作画
ィ森
アンジュ
朝ごはん
調達に行こうよー
お目覚めですか?
お姫様
毎朝
強制スリープ解除
するのは
やめてくれないか
エリオ
えー
感謝してほしいな
ぼくが
体内で電気を作れる
体質でなければ
アンジュは永遠に
眠り姫だよ
しかし
前々から
言おうと
思っていたが
それは
助かっているよ
なんで?
あの充電方式は
どうにかならないが
君は
知らないかも
しれないが
あれは
人間世界では
愛し合う者同士が行う
最上級の挨拶行動だ
そのくらい
知ってるよー
だから
してるの
アンジュだって
ぼくのこと
好きでしょ?
別に...
もう10年も
一緒に
暮らしてるのに!?
アンジュ
血も涙もない!!
君を見つけた時に
戦争が終わって
しまったので
処分しそびれた
だけだ
その通りだ
しかし
そうか
いつの間にか
私よりも
背が高くなったな。
育ち盛り
だもん
あれから
10年か
初めて
会った時は
生ゴミの袋の
ようだったのに
言い方
ボス...
お腹すいた?
ちょっと
待ってて
ほら
どうして最近
全然食べないの?
食べないと
元気にならないよ
昔は
釣ったそばから
掠め取ってたくせに
その猫は
もう内臓が
機能していない
おそらく
ガンだ
痛みと飢えに
苦しみながら
まもなく死ぬだろう
助ける方法は
ないの?
今すぐ死なせて
やればいい
「痛みや苦しみから」
という意味ならば
そんな!
ある
君は
知らない
だろうが
君の発する電気を
使えば一瞬だ
人間世界には
それを人道的とする
価値観がある
出来ないよ
なぜだ
いつも釣った魚に
しているじゃないか
そんなこと
アンジュは
ちょっとだけ
電圧を上げればいい
意地悪だ
ボス
苦しそうだったね
最後...
やっぱり
そうしていたら
ううん
ぼくがこの手で
死なせてやれば
よかったのかな
後悔しなかったか?
多分してたと
思う
人間というのは
本当に
非合理的だな
アンジュには
わかんないよ!!
はっ
ごめん
なぜ謝る
君の発言は
間違っていない
そんなの
私はAIによって
戦争のために造られた
ソルディロイドだ
人間の感情を
理解するようには
出来ていない
そんなの
ぼくだって
わかんないよ
自分以外の
人間なんて
知らないもの
エリオ
旅に
出ないか?
でも
旅?
灯台の半径500mより
外に出ちゃダメって
アンジュいつも...
より長期の生存を
目的とするなら
陸の孤島のような
この地に留まるのが
合理的だ
だが時に
私は
人類の敵だし
君は
実験体として
囚われていた身
だからな
あえて
非合理的な選択を
するのも人間だ
君はやはり
その目で
人間の世界を
見るべきだろう
私が伝えられる
知識には
限界がある
君が
こんな風に
泣いている時
どうしたらいいか
わからないんだ
もちろん
君の身の安全は
私が守る
君は
私にとっても
重要な...
フワ...
いいよ
アンジュと
一緒なら
どう?
どう?
だって
女の二人旅に見えたら、
なめられそうじゃん
見た目が
子供の二人旅では
あまり変わりないと
思うが?
よく
似合っているが
なぜ男の
恰好なのだ?
アンジュこそ
いつになく
おしゃれしてる!
行くぞ
旅装束に
なりそうなのが
これしかなかった
だけだ
その前に
ん...っ
相変わらず
唐突だな
まあ旅先で急に
もよおされるより
いいか
言い方
定期的に
放電しないと
暴発しちゃうから
え...
ここを登れば
人間の街が見える
あと一息だ
一息って
レベルじゃ
ないよー
ここ
登るの...?
どうでもいいものを
たくさん持ってくる
からだ
荷物を捨てれば
なんとか
なるだろう
私には
血も涙もないからな
イギ
アンジュ
冷たいー
もしかして
根に持ってる!?
しっかり
つかまっていろ
アンジュ
だーい好き
アンジュも
ぼくのこと
ほんとは
大好きなんだよね
はーい
別に...
充電器を
置いては行けない
見えてきたぞ
だから
言い方
あれが
人間の街...?
人類とAIの
戦争が
始まったのは
100年前
集合知ATメティス」は
ネットワークを介して
自己増殖を繰り返し
人類のインフラや
生産設備を
次々乗っ取っていった
メティスは
世界のどこかに
一つでも残っていれば
無限に増殖を始める
止める方法は
ただひとつ
ネットワークと
それを支える
電力の供給を
完全に断つことだった
つまり人類は
勝利と引き換えに
電気を
放棄したんだ
類の鼓動が鳴り
入きりの世界に、
アンジュ
設別名ANJ32768
敗残の戦闘アンドロイド
エリオ
体内で電気を
作ることができる
特異体質の少女
第2話
本気と関車の街
と電気
いつも通りの街の音み。
京作島崎無印作画黒イ森
気人。
人間の街を探索しよう♪
はじめまして!
エリオって
いいます
エリオです
よろしく!
すごーい
まずは宿だな
君は全人類に
自己紹介する気か?
人がいっぱいだね
アンジュ!
それから
日給の出る
仕事を探そう
ねえねえ
あそこから街が
よく見えそうだよ
行ってみよ
寄り道をしていたら
日が暮れるぞ
ちょっとだけ
ちょっとだけ
ん?
どうやって
上に行くんだろ
うわっ
楽しかったあ
うわわわね
随分
大げさな機械だね
見ろ
現在の人間の街だ
動力は
蒸気機関
照明は
ガス燈
機械は過剰なまでに
歯車がむき出した
AIとの戦争が
人間の精神に残した
傷跡は大きい
仕組みの見えない
機械は忌み嫌われ
電気は敵を動かす
邪悪なエネルギーとして
恐れられるようになった
故に人間は
我々ソルディロイドを
「電気人形」と呼ぶ
気にしすぎだよー
体内で電気を作り出す
君の特異体質も
恐怖と憎悪の
対象でしかない
アンジュもぼくも
普通の旅人にしか
見えないって
天使様...
ねえねえ
天使様が
いるよー
あれまあ
ほんとうだ
どういうこと?
こりゃあ
ありがてえな
知るか
とにかく
目立つのは
避けたい
行くぞ
あ
まってよ
天使様ー
どうした
ウィル
兄ちゃん
あのね
あー
びっくりしたー
ま
アンジュが
天使なのは
その通りだけどね
なんで
自慢げなんだ
ぼくだって
最初見た時
天使って思ったもの
名前だって
アンジュだし
君はどうも
勘違いをしている
それは
私の型番ANJを
君が勝手に
もじったんだろう
私は戦争のために
造られた兵器
ソルディロイド
AIメティスが復活し
戦争が再開されれば
一番近くにいる
人間
つまり君を
真っ先に殺す
人間から見れば
むしろ悪魔だ
天使...?
アンジュ
そっくりだ
偶然だろう
我々の素体は
人間のジェネリックな
造形を元に作られる
なんで...?
均整の取れた
無個性な容姿だ
守護天使の像だよ
かつてこの街が
戦火に包まれた時
空から現れて
街を守ってくれたという
昔話があってな
旅の人かい?
うん
メヌエット::!?
わわっ
重くないか?
少なくとも
私の連れよりは
軽い
送ってもらって
すまんな
大丈夫だ
気にする
必要はない
本当に
よく似ている
だからそれは
偶然だ
私に原因が
あるのだろう?
私の容姿は
どこかしら
誰かに似ている
メヌエットって
呼んでたよね
誰なの?
ああ...
以前
近所に住んでいた
女の子だ
いや...
容姿だけでは
なく...
具体的には
何年前ぐらいだ?
僕が
15歳の頃だから
かれこれ
70年ほどになるか
「以前」って
レベルじゃ
なかった
ありがとう
助かった
入りなさい
お茶でも
淹れよう
大丈夫?
早く
修理した方が
いいよ
「修理」か
面白いことを
言う子だ
え?
だって
修理しなきゃ
元通りに
歩けないでしょ?
修理で元通りに
出来たら
苦労はないよ
エリオ
君は知らないかも
知れないが
人間は
歳を取る
「定年齢を超えると
身体機能は徐々に
低下してゆき
それぐらい
知ってるよ!
修理できない箇所も
増えてくる
生き物は
皆同じだ
それぐらい
知ってるよ
わあ
大きな家だね
他に誰か
住んでるの?
今は
僕一人だ
しかし
腰がこれでは
家のことも
ままならん
しばらく使用人を
雇うしかなさそうだな
使用人...
だったら
僕たちを
雇いません?
住み込みにして
くれたら
給料は安くて
いいから
な...?
エリオ
何を言って...
仕事を探すって
言ってたでしょ
宿付きなら
一石二鳥じゃない?
なるほど
いや...
申し出は
ありがたいが
君たちのような
子どもを
雇うわけには...
君にしては
合理的な発想だ
私は
こう見えて
大人だ
連れの無能は
カバーできる
アンジュ
だ〜いすき
私は事実しか
言っていないが...?
君は:
なんかちょっと
ひどいこと言われた
気もするけど許す!
いや
君たちの素性を
詮索するつもりは
ないが
それでは
頼むとしようか
え?
女の子...?
男女なら
別室の方が
いいか?
ふー
極楽極楽
もうずっと
ここに住みたい
でもさ
これで宿と仕事
両方ゲットしたし
アンジュの料理も
久々に食べられたし
幸せー
寝床を
占拠するな
エリオ
なかなかの
名案だったでしょ?
なに?
ちょっと
ここに座れ
君はどうも
人間に対する
警戒心に欠けている
まあ今回は
弱体化した老人だから
問題はないが
なんだ
ありがと
アンジュ
君を守る苦労も
考えてほしい
ぼくのこと
いつも
大切にしてくれて
当然だろう
君は私の
充電器だ
そっか
そうだよね
充電完了
充電されたのは
私だぞ
満足満足
なぜ君が
満足する
だってアンジュ
これって
最上級の
愛情表現だって
言ってたじゃない
愛を感じる
でしょ?
それは
人間の話だ
どうかしたか?
エリオ
ぼくは
そっか
歳を
取るんだよね
今までは
自分が
大きくなるのが
嬉しかった
アンジュにどんどん
近づけると
思っていたから
でも
この先は
アンジュから
どんどん
離れていくんだ
物理的に
離れるわけでは
ないだろう
だよね!
それは
ずっと
一緒にいて
くれるよね?
僕が歳を取って
電気を出せなく
なったとしても
その時
考える
リオとアンジュ。それだけで良い
アンジュ
血も涙もない
誰かで科
。近未来スチ・
ゆめての街で
景布島崎無印〟作門黒イ森
第
ストラウスさーん
キッチンの掃除
終わったよー
あと
何やったらいい?
休んでてって
言われてもなー
仕事がないと
暇だ
今の所は
ないな
とりあえず
休んでてくれ
庭で薪割りしてる
アンジュ冷やかしに
行こうかな...
邪魔だ
近寄ると
首が飛ぶぞ
...やめとこ
あれっ
こんなところにも
部屋がある
そうだ
この部屋の
掃除を...
これって:・
実物は
初めて見た
ピアノ?
だいぶ
古そう
写真立て...?
え...?
何を
やっているんだ?
あ...あのっ
掃除しようと
思って...
この部屋は
掃除しなくていい
ただの
ガラクタ置き場だ。
それより買い出しを
頼めるか?
う...うん
へえ
ストラウス先生の
とこで
働いてるのかい
知ってるの?
街のもんなら
みんな知ってるよ
とっても偉い
学者さんだからね
ぼく
この街には
来たばかり
なんだけど
ああ
そうなんだ
ずいぶん
賑わってるね
星祭が
近いせいだよ
ほしまつり...?
街中を
星のオーナメントで
いっぱいにするのさ
天使様がね
それを目印に
天国にいる
大切な人を
里帰りさせて
くれるって
言われてるんだ
へえ...?
よくわからないけど
なんだか楽しそう
まあ
光りもしない星が
目印になるのかは
わからんけどね
光るよ!
天使様!
お祭りの日にね
あの時の...
へえ
どうやって?
天使様が
ぴかーって
光るの
兄ちゃんが
でんきでね...
ウィル!
余計なことを
しゃべるんじゃない
行くぞ
はあーい
無愛想な
お兄ちゃんだけど
悪く思わないで
やっとくれ
本当は
優しい子なんだ
去年事故で
両親を亡くしてね
工場に住み込みで
働いて
弟を育ててるんだよ
電気:って
言ってたよね
よお
なにか用か?
ごあいさつじゃ
ねえか
大事な
取引先に
向かってよ
お前さんの作る
「あれ」が
大好評でな
もっと
調達して来いって
ボスがうるさくてよ
それに残りは
交換のはずだろ?
そっちがものを
出すまでは
こっちも出さない
そんなすぐには
用意できない!
おっと
そんな口
利いていいのか?
兄ちゃん!!
ウィル!!
やめろ!
弟は
関係ないだろ
兄ちゃん
助けて!!!
うひ!?
兄ちゃん!!
ここ
なんだ
てめえは
事情は
知らないけど
あーん?
ぼくは
弱い者いじめ
するやつが
大嫌いだ
関係ねえやつは
すっこんでな
てめ..
3日だ
そいつは
てめえが
決めることじゃ:
そのくらい
待てるだろ
み...3日だぞ
いいな
帰るぞ
ウィル
あ...あの
「弱いものいじめ」
なんてされてない
俺は弱くない
兄ちゃん!
かっこ悪いよ
それが
助けてくれた人に
対する態度?
ありがとう
大した
もてなしは
できないが
うちで
お茶でも
飲んでいって
くれ
面白いとこに
住んでるね
オーナーの厚意で
工場の一部を
間借りしてる
居心地は
あまり良くなくて
悪いが
秘密基地みたいで
面白いよ
エリオ...だっけ
ぼく
女の子だけど
まあ男同士だし
気楽にしててくれ
え...?
悪い
エリオって名前だし
てっきり男かと...
いいの
いいの
なめられないよう
わざと男っぽい
格好してるんだ
それより
ウィル
うん
さっき
天使様が
ぴかぴか光るって
言ってたよね
兄ちゃんがね
お星さま作るの
ウィル
あんまり人に
しゃべるんじゃ
ない
電気のことは
なんで?
大人にばれると
面倒なんだよ
電気...?
まあ
いいか
エリオには
特別に
教えてやる
誰にも言うなよ
うんうん!
「電気」っていうのは、
昔の人類が使ってた
魔法の力のことだ。
熱にもなるし
光にもなる
音声や映像を
一瞬で遠くまで
示はしたり
半永久的に
保存したりも
できるんだぜ
音声や
映像...
だけど戦争の時
敵を動かしてたって
理由で
そういえば
アンジュが
たまに見せて
くれたっけ
だから
さっきみたいな
電気だったら...
悪魔のエネルギーとして
法律で禁止されて
しまったんだ
アウトローの
商人から
手に入れるしかない
体内で電気を作り出す
君の特異体質は
恐怖と憎悪の
対象でしかない
電気だったら...?
あ...
えーと
電気だったら
天使を
光らせ
られるの?
これさ
へええ
電気を光に変える
オーナメントだ
工場の廃材から
俺が作ったんだ
すごいでしょ
これを目印にして
パパとママが
帰って来るんだよ
パパとママ...?
え!?
死んだ人に
会えるの!?
会えるわけじゃ
ねえよ
俺たちは
元気でやってるから
両親の分まで
しっかり
生きるからって
それを
伝えたいだけだ
でも
向こうはきっと
見てるって
信じてるから
両親の
分まで...?
すごい!
素敵な
考え方だね!
そんな考え方
初めて聞いた!
と...とにかく
あの電気商人は
こいつと引き換えに
急いで大量に
作らなきゃ
いけないんだ
そ...
そうか?
「電気の箱」を
くれることになってるから
そっか
忙しくなるね
ぼくも
買い出しの
途中だから
もう行くよ
お...おう
こヤ
それじゃ
またね
死んだ人の分まで
生きる...か
命は
その人だけのものだし、
死んだら
消えてなくなる
アンジュだったら
きっと
そう言うだろうけど
命は
繋がっていく
それが人間の
考え方なんだ
ミスター
ストラウス
......
ちょっと
いいか?
新割りだが
そこにあった分は
やっておいた
こりゃあ
こりゃあ
足りるだろうが?
僕が死ぬまでに
使いきれるかな
近々
死ぬ予定でも
あるのか?
本当によく
似ている
斬新な質問だな
アンジュと
言ったかい?
ああ
君も
電気人形なのか?
知られてはいけな
鈍く輝く天使の証。私と君を分かる
素朴で煌びやか。近未来スチームパング冒険譚!
リオと電
オと電気人
星を待つ夜
第4話第
原作島崎無印作画「黒イ森
気人形
その通り
私は電気人形だ
ストラウス大佐
僕のことを
知っていたのか
ジョン・ストラウス
軍人でありながら
AIロボット工学の
博士号を持ち
それは
光栄だな
僕の命令により
歯獲した電気人形が
自爆して
大惨事となり
我々AIを
最もよく知る敵として
第一級の殺害対象に
なっていた
早々に退役して
命拾いしたよ
その責任を取って
僕は軍を退いたんだ
私は兵器だ
僕を
殺すかい?
だが
今のボスは
あなただ
あなたの
命令であれば
殺すが?
そうか
命令がなければ
殺害はしない
ただいまー
ほら
見て見て
それも
悪くないな
いっぱい
おまけして
もらっちゃった!
二人とも
どうかした?
なんでもないよ
ごくろうさま
君も
ストラウス
きんっ
電気人形なのか?
ねえ
ストラウスさん
メヌエットって
どんな子だったの?
なぜ
そんなことを聞く
だってアンジュに
似てたんでしょ
すごい美少女
だったんだよね
こう見えて
私は
そうだな
君よりは
ずっと大人だ
美しい子
だった
それでそれだ?
歌声が綺麗で
春の小鳥の
さえずりのような
雪解けの川の
せせらぎのような
とても澄んだ
声で歌うんだ
どうしたエリオ
顔が血流過多で
歪んでいるぞ
言い方
それで
今は?
引っ越し
ちゃったの?
死んだよ
写真?
うん
すごく古い感じの
多分若い頃の
ストラウスさんと
アンジュにそっくりな
女の子が仲良さそうに
写ってて
たぶんその子が
メヌエットだよね
もしかして
恋人同士だったのかな
ちらっと
見ただけだった
けど
それはない
なぜなら
メヌエットは...
いや
えー
なんでなんて
とにかく
ありえない
ことなんだ
人出が多いな
今夜は
星祭だよ
いいのぃいの
天使をお迎えするために、
街を星のオーナメントで
飾り付けるんだって
天使は空想上の
存在だぞ
人間ってのは
そういうのを
楽しむものなの
ずいぶん人間に
詳しくなった
ものだな
まあねー
エリオ!
やっぱり
エリオだ
ウィル
ひさしぶり
元気だった?
この
子供は..
天使様!
違う
やっぱり
来てくれたんだね
違う
兄ちゃーん
天使様が
来てくれたよー
このガキは
人の言うことを
聞かない
アレク
久しぶり
まあまあ
どうかした?
いや
そういう格好も
するんだな
かわいいでしょ
雇い主の
ストラウスさんが
新調してくれた
仕事着だよ
あ...
ああ
君たちは
なぜその像を
讃えるんだ?
なぜ...って...
天使!?
だから
そう言ってる
でしょ
だから
違うと
言っている
天使など
現実には
存在しない
なんで
存在しないものを
讃えることに
意味があるのか?
天使様が
そんなこと
言うの?
わかった
おまえ
ニセ天使だな
.....
天使様が
ひかひかきれいに
光ったら
生命活動を
停止した人間は
ただの有機物だ
誤った情報を
信じるべきじゃない
死んだパパとママが
帰ってくる
目印になるんだよ
ま...またね
アレク
あんた
人の心は
ないのかよ
だまれ
エリオ...?
アンジュのこと
何も
知らないくせに..
行こ!
エリオ
今の君の行動は
意味不明だ
彼は何も
間違っていない
私に
人間の心はない
だいたい
君だっていつも
似たようなこと...
ぼくはいいけど
他人はだめなの!
だってぼくは
アンジュのこと
大好きだから!
全く論理的でないし
充電は足りているが?
なにか
あったのか?
街の子供と
つまらない
言い合いをして
すねているだけだ
今夜は街で
祭りがある
二人で
遊びに行ってきては
どうだ?
いいの?
たまには
息抜きも
必要だろう
ピっーン
そうだ
ストラウスさんも
行こうよ
メヌエット
帰って来るかも...
え...
いや僕は...
ぼくが
車椅子
押してくから
放って
おいてくれ
す...すまない
人混みが
苦手なんだ
僕のことは
気にせず
行っておいで
僕に
うん...
そんな資格が
あるものが
天使像
光ってないね
気になるのか?
べっ
べつに...
エリオ!
ウィル
助けて!
兄ちゃんが;
約束が違うぞ
そんなガラクタ
掴ませやがって
ガラクタとは
ひでえなあ
正真正銘
「電気の箱」だぜ
ま
電気は
入ってねえけどな
...
電気を作るには
すげえ金が
かかるんだよ
お前みたいな
クソガキに
くれてやるわけ
ねえだろ
兄ちゃん!
じゃあな
まいどありー
これが
「電気の箱」?
エリオ...
あ...
ああ...
ずっしりと
重いね
鉛で出来て
いるからな
でも劣化してて
使い物にならない
まんまと
騙されたって
わけだ
なんとかなる?
恐らく
サルフェーション
現象だ
お前ら
何を言って...
高周波パルス電流を
しばらく流せば
改善する可能性がある
ちょっとだけ
見て見ぬ振りしてて
エリオ...?
お前
一体...
本当に
使えるのか?
これ
わかったよ
騙されついでだ
まあまあ
騙されたと
思って
やった!
やったやつた
成功だよ
アレク!
お...おう
おい
あれはなんだ!!
まさか
電気じゃ...
そうだ
そうだ
まあまあ
固いこと
いいなさんな
せっかくの
祭りじゃないか
アレク
きれいなんだから
いいじゃないの
さっきは
ごめんね
いや
俺こそ...
◎君にも届いているだろうか...
淋しくて愛おしい。近未来スチー
ームパンク冒険譚!
戦乱の片隅
優しい調
が響く
作画黒
カオどゴハハハ
邪魔をした
だろうか
う...ううん
全然大丈夫
音楽というものが
珍しくてな
へ...へえ
あ...あのっ
邪魔でなければ
続けてくれ
全然
いいんだけど
その...
よかったら
中で
聴いて
いかない?
ずっと
同じ曲だな
実は..
これしか
弾けなくて
なんという
曲だ?
メヌエット
ト短調
きれいな声だね
僕は
好きだよ
そうか?
ジェネリックな
音声だが
好き...?
「好き」とは
なんだ?
「評価」と
どう違う?
「評価」は
対象に向ける
ものだけど
心というのは
胸部に存在する
ものなのか?
なかなか
哲学的な
問いだね
「好き」は
自分の心に
向けるもの...かな?
うーん...
ただいま
ストラウスさん
寝ちゃったのかな
ストラウス氏の
寝室ではない方から
妙だ
そこは
ピアノの部屋だよ
微弱な
生体反応を
感じる
ストラウスさん!!
心音が弱い
とりあえず
そっと
ベッドに運ぼう
そうだ
お医者さんを
呼びに行くよ
ま...ちなさい
その必要は
ない
もう
だいぶ前から
心臓にガタが
きていてね
医者はとっくに
匙を投げてる
キッチン
カウンターの上の
薬を持ってきて
くれるかい?
う...うん
私はピアノの部屋を
片付けてこよう
...すまない
ありがとう
少し
楽になったよ
これが
壊れた
写真立ての中に
あった
メヌエットが
残していった
ものだ
この非接触型
メモリーカードは
我々
ソルディロイドが
機密情報の受け渡しに
使用するものだ
ミスター
ストラウス
メヌエットは
AI側のスパイだ
あなたの父は
当時陸軍中将で
首都防衛線の
総指揮をしていた
...知っているよ
あなたは
最も近づきやすい
人物だったはずだ
なぜだ!?
メヌエット
逃げたほうが
いい...って
どういうこと?
数分後
長距離曲射砲の
配備場所への
ドローン爆撃が始まる
街は火の海に
なるだろう
君は
僕を
騙したんだな
街の人たちに
知らせなきゃ!
メヌエット...
なぜ...?
その後僕は
気を失ったらしい
気がついたら
側にそれが
落ちていた
街の被害は
ひどいものだった
大勢の住民が
死んだ
建物の半分は
焼失し
そして
街の中央で
僕が見たのは
!
天使...?
天使様が
空から現れて
見たって人が
あとを
絶たなくてね
敵を次々と
やっつけて
くれたんだって
それから数年で
街は復興し
街が完全に
焼け野原にならずに
すんだのは
守護天使様の
おかげだって
もっぱらの噂さ
戦争の犠牲者を
追悼するために
星祭という行事が
行われるように
なった
僕は
誰にも真相を
言えないまま
大人になり
かつての人類が生み出し
やがて敵対するようになった
ロストテクノロジー
軍の研究所で
AIの研究に従事する
ようになった
敵について知ることは
重要な任務だった
それは僕なりの
贖罪なのだと
自分に言い聞かせ
研究に
没頭していった
でも
僕の心の中に
ずっと
あったのは
メヌエットのこと
だけだった
彼女のことを
...もっと
知りたかった
彼女に...
また会いたかった
彼女の歌を
聴きたかった...
アンジュ
そのカードに
なにか
残ってないかな
なにか」というのは?
無駄だ
彼はもう
意識が混濁している
なんでもいいよ
メヌエットの
ことなら
ストラウスさんに
教えてあげようよ
そもそも
死にゆくものに
伝える情報に
なんの意味がある
意味なんか
ないかもだけど
そうしたいんだ
ボスが
助からないって
わかった時は
残された
僅かな時間を
死を待つことにしか
使えなかったけど
今は目の前の
ひとしずくの命を
それは
この先
命をつないでいく
ぼくらにとっても
宝物みたいに
輝かせたい
理解し難い
だが
とても大事な
ことだと思うから
いやいっしょー
はいはい、いいんじゃないでしょうか
それが人間か
んーぁ...ーーーはいいじゃないから、
メヌエット
ああ
やっぱり
そこにいたのか
君の声は
きれいだね
あの
メモリーカードには
機密情報など
入っていなかった
ストラウス氏と
過ごした思い出の
断片だけが
彼女は
何を思って
無数に
記録されていたよ
そんなことを
したのだろうが
答えは
アンジュの中で
もう出ていると
思うな
エリオ
アレク
ウィル
うん
元気でね
やっぱり
街を出るのか?
住むところも
もうないしね
あ...あのさ
よかったら
いい
一緒に
暮らさないか?
でも
ありがとね
アレクんち
狭いし
どんまい
にーちゃん
エリオ
君はもう少し
人間について
知る必要が
あると思う
わかってるよ
そのために
旅を続けるんでしょ
アンジュと
一緒なら
どこだって...
って
ちょっと
待ってよー
次の街までは
だいぶある
アンジュったら
素直じゃ
ないんだからー
でも
そこも好き♡
野宿したくなければ
さっさと出発するぞ
君の「好き」は
理解不能だ
大切なものを集めながら、歩んでいこう。
2人でこれからも。
暗闇で呟い。近未来・スチームパンク冒険題!
君だけが
私を導ける星
...
まぁ
質作島崎無印
ここでは、気が入り、
第6話第
おーなーか
すーいーた~
もうすぐ街だ
我慢しろ
エリオ
そうだな
徒歩で
2時間というところが
もうすぐって
どのくらい?
おい
もう
歩けない~
勝手に
横たわっている
私は先に行く
おんぶ〜
あれー
いいのかなー?
発電能力を持つ
ボクが一緒に
いなかったら
アンジュ
充電切れで
動けなく
なっちゃうよー
ヤめてやめてゃめて、
よく喋る
充電器だ
このままじゃ
クビになっちまう
頭に
血が上るく
弱ったなあ
アンジュ
アンジュ
ちょっと
おろして
拒否する
どうせまた
非合理的なことに
関わろうと
しているだろう
おじさーん
大丈夫?
どうしたの?
トラックの
エンジンが
いきなり
止まっちまってな
いや
君がどうした?
今日中に街まで
荷物を届けなきゃ
いけないってのに...
俺は
機械に
てんで弱くてよ
街まで...?
ねえねえ
それ
直せたら
街まで
乗せてって
くれる?
「合理的」でしょ?
アンジュ
誰が
直すんだ?
へ?
ボクに
直せると
思う?
圧力計の一つが
故障している
安全装置を
リセットすれば
とりあえず街までは
走れるだろう
へえ
それを検知して
安全装置が
作動したようだ
いやー
助かったよ
人類が使用する
機械についての
情報は一通り
保持している
嬢ちゃん
ずいぶん機械に
詳しいんだな
はは
ところで
ダニー
まるで自分が
人間じゃない
みたいな言い方だ
これさ
こんなにたくさん
なんの荷物を
運んでるの?
なにそれ?
プラスチックと
言って
ゴミ?
前世紀の
人類が残した
ゴミだよ
そんなの集めて
どうするの?
蒸気機関用の
固形燃料に
加工するんだ
石炭や石油が
希少な現在では
宝の山さ
そうなんだあ
すごいね
これ
全部工場なの?
周辺の街の
蒸気機関は
ほとんど
この街の工場で
作られた
固形燃料で
動いてるんだ
戦後は
何もない
焼け野原だったが、
ああ
へえ
この工場のお陰で
この街もずいぶん
豊かになったよ
ありがとね
ダニー
おう
これから
どうするんだ?
気をつけて行けよ。
宿か
この辺は
工場労働者の
常宿ぐらいしか
ねえぞ
よかったら
うちに来ねぇか
日が暮れる前に
宿を探す
二人くらい
なんとかなるぜ
いいの?
よくない
エリオ
君は人間を
簡単に
信用しすぎる
だってダニー
いい人だよ
君は知らないかも
しれないが
人間世界には
善人面をした
悪人が
大勢いる
夕飯ぐらい
いいだろ?
いや...
とりあえず
善人面って
言ってくれて
うれしいぜ
妻のマリーが作る
シェファーズパイは
絶品なんだ
うん!
つう、
いらっしゃーい
お客さんなんて
久しぶりで
うれしいわ
ダニー
パイを
オーブンから
運んでくれる?
おう
まあ
二人で旅を
しているの?
ご両親は
心配でしょうね
ううん
あ...
ごめんなさい!
私ったら
無神経なことを
ボクたち
親はいないから
え...
戦争で
親を亡くした子供は
いっぱいいる
あれから
まだ10年しか
経っていないんだ
俺たちのベイビーが
生まれてくる世界では
そんな悲劇は
二度と起こしちゃ
いけない
本当ね
エリオ!
アンジュ!
何も
心配いらないわ
この街にいる間は
うちに
泊まっていってね
あの..
でも...
私が
そうしたいの!
お願い!
親が
いないのって
物心ついた時には
アンジュと
灯台小屋で
暮らしてたし
そんなに悲しい
ことかなあ
ボクには
よくわからないや
そういえば
星が見えないね
恐らく
工場の排煙の
せいだろう
あの灯台からは
よく見えたのに
そっか
残念
あ...
星...
帰りたく
なったか?
...じゃない
虫...?
わわっ
ねえねえ
見に行ってみようよ
よく見たら
いっぱい光ってる!
わあ
アンジュ
見て見て
電気虫が
なついた!
それは
蛍という
昆虫だ
電気ではなく
ルシフェリンという
発光物質と
ルシフェラーゼという
酵素が化学反応して...
...いや
君が正しい
この昆虫から
微弱な電気を
感じる
蛍とは
似て非なる
未知の生物だ
なにかの変異が
人為的に
作り出されたか:
アンジュ〜
しっしっ
その昆虫は
電気を主食としている
ようだな
懐いてるわけじゃ
なかったのかあ
ボクは
食べ物じゃ
ないよっ
所構わず
電気を
漏らすからだ
言い方!
今日はいろいろあって
放電する暇が
なかったんだよー
好きなだけ
吸わせてやれ
私は
部屋に戻っている
待って
アンジュ
帰りたいなんて
思わないよ
アンジュも
そう?
?
アンジュの
いるところが
ボクの家だもん
ボクがいるところが
家?
そんなわけが
ないだろう
そういうと
思った!
なぜ
嬉しそうなんだ?
●星は必要ない。
君が照らしてくれるな
任意は
覆い隠す
原作島崎無印作画黒イ森
恐ろしくて安らぐ
近未来スチームパンク冒険H
同乗整備士?
あのトラックは
トラブルが多くて
なあ
前の整備士が
辞めたばかりで
困っていたんだ
次の整備士が
見つかるまでで
いい
もちろん
正規の給料は
払う
私は
構わないが
エリオにも
何か仕事を
与えてほしい
これは
暇にさせておくと
ろくでもないことに
首を突っ込む
無能ゆえ
無給でかまわない
だったら後で
買い物の荷物持ちを
お願いしようかしら
相変わらず
ひどいなあ
一人だとそろそろ
きつくなって
きたのよね
うん!
マリーがね
任せて!
「アンジュって
エリオの親みたいね」
だって
なんだそれは
いっつも
ボクのこと
気にかけてて
それは君が
なにかと
世話を焼いて
ばっかりだから
一人では
なにも出来ない
不完全な人間だからだ
でもさ
ボクをここまで
育ててくれたん
だから
確かに
親みたいな
ものかもね
「セントポーリアシティ」
この地の
もともとの名称だ
100年前までは
この国の経済と政治と
文化の中心地であり、
高層ビルが
立ち並び
だから
戦争が始まった時
私のメモリーには
その時の記録映像が
残されている
数千万人の
人間が居住する
大都市だった
真っ先に
ターゲットとなった
AIメティスによって
共有された記憶だ
反物質爆弾により
建物も人間も
一瞬で消し飛んだ
彼らは
戦争で
親を亡くした子が
大勢いると
言っていただろう
だから
エリオ
殺したのは
我々だ
私に
人間のような
愛着を持つのは
やめろ
なんで?
ボクがアンジュを
好きかどうかは
ボクが決めることだよ
なんで
そんなこと
言うの?
君はまだ
自分の判断に
責任が持てるほど
成熟してはいない
それだけのことだ
アンジュ
そろそろ
出発の時間だが
いいか?
今行く
充電
しなきゃ
助かる
アンジュの
バカ
助かるわ
エリオ
おやすい
御用だよ
エリオ
ちょっと
元気ない?
えっ
そ:そんなこと
ないって
その中に
ベイビーが
入ってるんだよね
なんか
不思議
いつ頃
生まれるの?
あと一〜二か月
くらいかな
つ:突き出た!
ふふ
エリオに
ご挨拶
してるのかも
あ...また
元気でしょ
ほんとー?
危ない!
大丈夫?
ありがとう
大丈夫よ
あ
下がよく
見えなくて...
買い物!
ちょっと
待ってて
拾ってくるから
気をつけてね
そっちは...
あっ
こらあ
待てー
かえ
せっ
え...
うわわわね
エリオ!
大丈夫ー?
うーん...
待ってて!
今行く!
ん...
大丈夫?
うん...
ここは...
もう
帰りましょ
昔の
施設跡のようね
ソーセージは
猫ちゃんに
あげるわ
ひゃっ
いけない!
工事が
始まっちゃった
工事?
ここって
工場の拡張
予定地なのよ
止めてー
人がいるよー!
うわっ
どうしよう
出口が...
穴が
できてる!
さっきの衝撃で
崩れたんだ
マリー
こっち
なんとか
通れそうだよ
暗くて
よく見えないわね
あっちの方
ちょっとだけ
明るいよ
ここは...
聞いたことが
あるわ
100年以上前
この街の地下には
鉄道が通ってたって
どうしよう...
こんな時に
アンジュがいて
くれたら..
君はまだ
自分の判断に
責任が持てるほど
成熟してはいない
......?
鉄道ってことは
ずっと行けば
出口があるはず
だよね
行ってみようよ
マリー
確率的に
え...ええ
なるべく
帰路を急いでくれ
ダニー
次回更新日は
2月17日(金)です。
おう...?
そろそろエリオが
トラブルに
首を突っ込むことが
予測される
なんだいそりゃ
●親の心子知らず。子の心親知らず、
第8話第
原作
なかなか
見つからないね
出口
駅っぽいのはあっても
出口はみんな
埋まっちゃってるし
地上は戦争の時
焼け野原に
なっちゃったからね
ねえ
エリオ
ちょっと
休んでいい?
大丈夫
そりゃ
疲れるよね
あ...うん
大丈夫?
ふふ
ちょっと
疲れただけだから
お腹にもう一人
運んでるんだもん
ベイビーも
ちょっと
元気ない?
いいのよ
ほら
ベイビーも
そう言ってる
ごめんね
ボクが
こんなとこに
入り込まなければ
エリオは
私を助けて
くれたんだもの
ほんとー?
ねえ
マリー
ベイビーが
生まれてきたら
最初にどんな言葉を
かけたい?
そうねえ
ようこそ
我が家へ
これから
よろしくね
「初めまして」っていうのも
変よね
家族みんなで
いろんなことを
しょうね
生まれてきて
くれて
ありがとう
元気に
育ってくれれば
他に何もいらない
大人になって
家を出ても
一緒に
美味しいものを
いっぱい食べようね
うっ
年に一度は
帰ってきてね
気が早い
気が早い
ベイビーは
いいなあ
自分が
生まれてくることを
心から望んで
生きているだけで
祝福してくれる人が
最初からいるんだもん
そっか
親がいるって
そういうこと
なんだね
マリー
マリー...
どうしたの!?
マリー!!
う...
生まれる
かも
誰か
助けを...
う...うん
誰か!
聞こえてたら
助けて!
ベイビーが
生まれるんだよ
誰か!
お願いだよ
助けて
このままじゃ
マリーが
ベイビーが
アンジュ
何があった
捜したぞ
痛みで気を
失っている
目を覚ますのを
待つ必要が
あるな
なんとかなる?
人間の医療に関する
データは一通り
インプットされている
できることは
しよう
でも
よくボクの場所が
わかったね
落とし物だ
工事現場に
ちょっとした穴を
開けてきた
ダニーも
救助隊を連れて
程なく来るだろう
そ..そうなんだ
エリオ
参考までに
聞きたい
なになに?
君はどちらを
選ぶ?
もし
マリーとベイビー
どちらかしか
助けられないとしたら、
な...なに
言ってるの?
両方助けるに
決まってるでしょ?
胎児の心拍が
低下している
帝王切開に移行すべき
ケースだが
加えてマリーが
この状態では
自然分娩は
困難だ
麻酔も
医療設備もない
この状況では
おそらく母体が
もたない
よ...よく
わかんないよ
つまり
死にかけた胎児を
無理やり押し出すか
母親を殺して
生きた胎児を
取り出すか
その二択だ
わかんないよ
わかんないよ
両方
助けてよ!
ベイビー...を
ベイビーを
絶対に助けて
了解した
アンジュ!
お願い
君は
あちらで
目を塞いでいろ
私は
人間を殺すことに
慣れているが
君はそうでは
ないだろう
そんな...
そんなの...
完了したら
教える
遺言があれば
記録しておく
ダニーと
生まれ来る
この子に
ずっと
了解した
愛していると
だめだよ!
そんなの!
マリーが
死んじゃったら
この子は
だ..
自分で伝えなきゃ
だめだ!
お母さんを知らずに
育つんだよ
それは
とても
悲しいことだよ
一つだけ
だが
それは
母子とも助かる
方法がある
君の能力に
依存する
失敗すれば
赤ん坊は死ぬ
その責任を
負う覚悟が
君にはあるか?
やるよ
了解した
予定変更だ
マリー
絶対に死なせない
自然分娩に
移行する
「我々」が必ず
母子ともに
生存させる
信じて
頑張ってほしい
あはは...あげっ!!
ランシッ
胎児の頭頂部を
視認
マリー
頑張って!
よし
出たぞ
受け取れ
エリオ
え...
うん!
動いてないよ..
ベイビーの胸と
背中に手を当てて
恐らく
心室細動による
心停止状態だ
私が伝える要領で
電気ショックを
与えろ
それで心臓の動きを
リセットする
うん
引き続き
胸骨圧迫と
人工呼吸を行う
...動かないよ
もう一度だ
まだ..
もう一度
エリオ
もう...
もう一度!
絶対に
あきらめないよ
マリーが
君に
伝えたい事が
あるんだ
ダニーが
みんなが
ボクが
君に
会いたいんだ
君を
待ってるんだ
シミッミング
マリー!
ベイビーだよ!
ほら
伝えなきゃ
ああ...
かわいい
かわいい
もーっかわいいかわらいいわわいわねいい
マリー!
アンジュ
血まみれだ
君もだぞ
皮肉なものだ
人間を殺すために
造られた私が
人間を生み出す
手助けをするとは
アンジュが
人殺しのために
造られたなんて
ボクには思えないよ
ボクの命だって
助けてくれたじゃない
そこでここ!!
そこでこんな
いい...こういい
え
なに?
もしかして
愛してる的な?
ただの
充電だが?
でもでもっ
チューでなくても
よくない?
チュー
したくなったの?
よく喋る
充電器だ
ねえ
アンジュったら
今朝の発言を
訂正する
君は私の
想定よりも
え?
なんかすっごく
褒められた気分
若干成長していた
ようだ
いつもが
ひどすぎるから
回更新は3月
私は常に
事実しか
述べていない
●成長しているのは
ボクだけじやないよ
廣作島崎無印《画黒イ
スーパーと
世界に
だ
と探そう」
2人っ!!Cerx
おー
かわいいなあ
よく見ろよ
キュートな目元が
俺そっくりだろ?
ダニーに
似ねえで
よがったよかった
まだ目
開いてねえだろが
そうなのよ
ベイビーの名前
まだ
決まってないの?
なかなかいいのが
思いつかなくて
なあ
「エリオ」は?
まぁボクも
女だけどね
じゃあ
「アンジュ」
この子は
女の子だぞ
うー
ーん
あ...
すまん
天使みたいに
可愛いでしょ?
悪かねえんだが
もっとこう
この街の復興を
象徴するような
希望に
満ち溢れた名前に
したいんだよなあ
そういえば
アンジュの姿が
見えないけど
工場主の
スミスさんが
ぜひ会いたいって
ことで
屋敷に
招かれてる
どうして
アンジュが
呼ばれたのかな
ああ
さあな
とにかく
あの人が誰かを
招くなんて
珍しいことだよ
ようこそ
いらっしゃいました
アンジュさん
どうぞ
ご遠慮なく
工場主としての
ささやかな
お礼です
なぜ礼を?
とんでもない
現場に穴を開けたことで
苦情を言われるかと
思っていたが
私の工場の工事現場で
被害者を出さずに
すんだのは
あなたのおかげですから
それにしても
現場を塞いでいた
瓦礫を素手で
破壊するなんて
すごい力
ですね
人間業とは
思えない
どうです?
私のところで
セキュリティ
オフィサーとして
働いてくれませんか?
給料は
トラックの整備士の
10倍は出しましょう。
工場の警備員か?
その額で
10人雇う方が
効率的かと
思うが
実は
最近ちょっと
不穏な動きが
ありましてね
私の
身辺警護を
お願いしたいのです
装飾物で
隠してはいるが
私に照準を
合わせた
無数の機銃
それに
この屋敷の照明
食事に招いた
相手に対して
ずいぶん物々しいな
あ...いや
その
ガス灯では
ないようだが
お察しの通り
電気です
私の屋敷...
いや
.....
私の工場も
すべて電気で
稼働しています。
もちろん
市民はそのことは
知りませんがね
電気は
世界的に使用を
禁止されて
いるのではないのか?
電気を放棄する
国際条約が
締結された翌日
我が国が
何を始めたか
ご存じですか?
いかに
他国にばれないよう
電気を利用するかという
研究が始まったんです
私はもともと
もちろん他国も
多かれ少なかれ
同じことを
してるはずです
そういった
研究所の
研究員でしてね
ゆくゆくは
電気を復活させ
人類が
かつての文明レベルを
取り戻せるように
すること
それが
私の使命と
考えています
この街も
電気の力を
借りなければ
ここまで
目覚ましい復興を
とげることは
なかったでしょう
強大な力は
賢い者が
賢く使い
民衆は何も知らないまま
その恩恵に治すれば
よいのです
ひとつ
質問がある
肝心の電気は
どこから
調達しているんだ?
奇遇ですね
私も
同じ疑問を
抱いています。
アンジュ...いえ
ソルディロイド
Type-ANJ
「電気人形」が
どうして
動いているんです?
知っていたのか
なぜ
恐れない
ひと目で
わかりましたよ
あなた達は皆
同じ少女の素体から
造られていますからね
私は人類の
敵だぞ
人間に混じって
生活している時点で
危険はないと
判断しました
なにより
あなたのような
希少なリソースを
活用しないのは
もったいない
私は
実利主義者なんです。
あなたに対する
興味は尽きませんが、
まずはご質問に
お答えしましょう
どうぞ
こちらへ
それはおいおいと
いうことで
あなたたちは
政府に
騙されている!
電気を使うだけで
戦争が起こるなんて
ありえない
十分注意して使えば
電気はとても安全で
便利なエネルギーなのだ。
電気を私達
市民の手に!
電気があれば
私たちはずっと
豊かな暮らしが
出来るのよ
ねえ
そこのお嬢さん
話を聞いていかない?
完全にCTROTTや
FORUS
確かに用途を
限定すれば
電気は有用だ
そ...そう
その通り...
AIメティスを
生命体に例えれば
電気が血液で
ネットワークが神経
どちらかだけでは
活動できない
だが
全人類が
電気を使い始めたら、
世界中に眠る
分散ネットワークの
何処かが復活する
メティスの
自己修復機能は
強力だ
一つでも復活したら、
猛スピードで
インフラの再構築を
始めるだろう
そうなれば
人類は再び
危機に陥る
ことになる
な...なにを
バカなことを...
そんなこと
起こるはずがない!!
あんたら
いい加減にしろよ
子供に変な思想を
押し付けるな!
そうだろうだ。
この街を見ろ
俺たちは
電気なんか
なくたって
十分豊かに
暮らしてる
大丈夫かい
お嬢ちゃん
あれは
革命主義派の
政治活動家だ
相手にしちゃ
だめだよ
私は
思想や政治でなく
事実についての
話をしているのだが:
え?
なんだい?
もしこの街の
工場が電...
民衆は
何も知らないまま!!
...いや
その恩恵に
浴すれば
良いのです
工場がなかったら
困るのだろうな
戦後この辺は
なんにもない
焼け野原
だったんだ
あたりまえだろ?
工場が出来て
仕事が生まれ
人が集まってきた
あたしらが
暮らしていけるのは
みんな
工場のおかげさ
アンジュ!
おかえり
どうだった?
わーい!
いい匂い~
ああ
マリーの
救出の件で
礼を言われたよ
それは
わからない
豪華な食事が出たので、
お土産にもらってきた
美味しかった?
人間の食事など
マイクロバイオマス
ユニットの燃料でしかない
そうか
工場主さんの
ところに
行くのか
今の10倍の給与を
提示された
明日の朝
ここを出る
でも
ダニーに
これだけお世話に
なったのに
なんかちょっと
ひどくない?
いいんだ
エリオ
スミスさんは
この街の復興の
大恩人だからな
工場主さんに直接
雇われるなんて
名誉なことよ
でも...
もちろんエリオは
ずっとうちにいて
いいんだぜ
...ねえ
アンジュ
明日から
スミスさんの
ところに
行くなら
充電は
どうするの?
それは
大丈夫だ
え
なんで?
電気虫...?
イプシロン・ビートル
この街の地下には
小規模な発電設備が
無数に残っていて
未だに稼働している
それがこれらの
大量発生を
可能にした
微弱な電気を
食料として
繁殖する生物だ
イプシロン・ビートルは
摂取した電気を
巣に持ち帰り
溜め込む習性があって
その巣はいわば
巨大な蓄電池だ
この街の
それぞれの
工場の地下室には
イプシロン・ビートルの
巨大な巣箱が
造られている
へえ...
すごいね
だから
君は必要ない
もう休もう
明日は早い
......
エリオ...
そんなに
くっつかなくても
ベッドに余裕はあるぞ
いいの
マリー
工場主の
スミスさんが
マリー
大変だ
殺された!
工場の動力源を
何者かに
持ち去られたらしい
ちょっと行って
確かめてくる
やっぱり噂は
本当だったんじゃ
ないか?
まさか
国家保安局が...?
駄目だ
どの工場も
完全に停止してる
大変なことに
なっちゃったね
この街は
もう
おしまいだ
ちょーちょっ
...
ダニー...
家を建てて
ベイビーも生まれて
これからだって時に
おい
さっさと荷物を
まとめろ
街を出て
次の仕事を
探さなくては
運命ってやつは
どうしてこう
意地悪なんだ
今こそ
電気です!
電気が
すべてを
解決する!
未払いの給料はどうなるんだ!?
未払いの給料は
どうなるんだ!?
工場から
持ち出すぞ
使えそうな機械を
エリオ
今日中に
街を出るぞ
生産済みの...。
燃料を確保しろ!
え
なんで?
恐らく
イプシロン・ビートルは
国家機密だ
工場主は
それを盗み出して
事業に利用していた
先日
招かれた時
たった今
小耳に挟んだんだが
彼は私が
電気人形である
ことに
気づいていて
その秘密を
守る代わりに
彼の警護をするよう
言ってきたんだ
彼は国家保安局によって
粛清された
私やエリオの存在を
知られた可能性もある
ここに留まれば
ダニーたちにも
危険が及ぶかも
知れない
ダニー
マリー
いろいろ
ありがとう
ベイビー
まだ目を
開かないの?
おう
気をつけて行けよ。
...この子が
最初に見るのが
そうなのよ
もうそろそろだと
思うんだけどね
こんな街の姿に
なっちまうとはな...
街から出る人で
いっぱいだね
目立たず
行動できるのは
好都合だ
ジュッ
俺たち
これから
どうなっちまうんだ
ダニー!
ベイビーが
目を開けたわ
なにっ
おお
本当だ
おいおい
どこ見てんだ
パパだぞー
見えるかー?
空なんて
見上げても
煙しか...
星が...
こんなに
工場が止まって
煙が晴れたんだ
ねえ
この子の名前
「輝く星」って
いうのはどうかしら
ああ
いいな!
エリオ
君は知らないかも
知れないが
人間は諦めることが
苦手な生き物だ
住人が
希望を捨てない
限り
ダニーたち
大丈夫かなあ
街は何度でも
生まれ変わるさ
何度でも
何度でも
どうした?
エリオ
アンジュ...?
あれ...?
なんかアンジュが
別の人に
見えた気がして
疲れて
いるのだろう
もう
休んだ方がいい
次の旅は5月5日金)に再開&
単行本1巻も5月に発売予定!!
うん...
●同じ星空をずっと2/
見られたらいいな
天使と出会うま
熱的。近未来ス
...
けどます
してたメーバ
地獄でもなか
は天国で
ぼくの
最初の記憶は
機械だらけの
薄暗い部屋で
沢山のコードに
繋がれていたこと
ある日
部屋の外が急に
騒がしくなって
すぐに
静かになった
絵本で見たままの
天使は
自分のことを
兵器だと言った
う...嘘じゃねえ
積み荷は本当に
あれで全部だ
それはお前らを
始末した後で
ゆっくり改めさせて
もらうさ
やめろ!
よ...
弱い者いじめは
やめろ
死にたく
なきゃ
失せな
アンジュ!
な...
死にたくなければ
我々に
銃口を向けるな
そんなやつら
やっつけちゃえ
いいのか?
ふざけやがって
君の嫌いな
「弱い者いじめ」に
なるが
?
いでででて
まだやるなら
もう片方も外す
片腕の関節を
外した
ひっ
すごい血が
出てる
しっかりして!!
早く
直さなきゃ
たの...む
この人
どこかで?
そうだ
あ...!
車のシート下の
ブツを
星祭りの街で
アレクに
絡んでた...
タークタウンの
ドナルドさんに...
生命活動を停止した
恐らく
違法物品の
運び屋だ
対立する
ギャングに
殺されたのだろう
これ以上面倒に
巻き込まれる前に
立ち去ろう
え?
悪党の頼みなど
聞いても
でも
なにか
届けてほしいって
ろくなことに
ならないぞ
そんなの
わかんないでしょ!
最後の願いだもん
聞いて
あげなくちゃ
最後の
願い...か
あんな場末の
歓楽街
タークタウン?
やめとけ
やめとけ
君らみたいな
子供の行く
場所じゃないよ
戦後ずっと
ドナルドとアランって
ギャングの両ボスが
いがみ合っててな
治安も最悪なんだ
どうする
エリオ
行くよ
今さら
放り出すわけには
いかないもん
そうか
殺されないよう
気をつけてくれ
殺されたら
本当なら
あと何十年も
生きられた命が
死ぬんだよね
当然だ
あんなにあっさり
なくなるもの
なんだね
人が
殺されるのは
厭か?
そりゃ
そうだよ
いつも言っている
ことだが
私は
殺害のために
造られた兵器だ
君の目の前で
人間を殺すかも
しれない
それでも一緒に
旅を続けるのが?
アンジュは
殺さないよ
なんだか
好きに
したらいい
そう思えるんだ
君の旅だ
「ぼくたち」の
旅だよ
PARADISE
子供がこんなとこ
ウロウロしてちゃ
いけねえなあ
今までの街とは
随分雰囲気が
違うね
よお
嬢ちゃんたち
俺たちが
安全なとこまで
連れてってやるよ
ドナルドという
男に用がある
どうすれば
会える?
ちょっと
こっちへ来い!
アンジュ!
その名前を
大声で
言うんじゃない
この辺は
アランのシマだ
ドナルドさんは
俺たちのボスだが、
何の用だ
運び屋らしき男に
これを届けるよう
頼まれた
道で
襲われてたんだ
ヴィッケたちの
ことか?
そういや
そろそろ帰って
来てもいい頃だ
そうか
ヴィッケとガズーロは
死んだのか
馬鹿な奴らだ
そ:そんな言い方
ないんじゃない?
仲間でしょ?
いいか坊主
世の中ってのはな
馬鹿から
死んでくのよ
長生きしてえなら
ちったあ利口に
なった方がいいぜ
要件は以上だ
帰らせてもらう
......
嬢ちゃん
ちっこいが
子供じゃねえな
しかも
なかなかの...
不要だ
失礼する
ちょ...
ちょっと待てよ
仕事を探してるなら
世話してやっても
いいぜ
ちょうど
ぴったりの仕事が
あるんだ
待ちな
こいつは
電球と言ってな
電気を通すと
ピカーっと光る
オーナメントだ
あ...
好事家に
そりゃあ高値で
売れるんだが
お前らが
これの取引を
持ちかけてきたって
言って
まあ
当分牢屋から
出られねえ
だろうな
実は
違法なブツでな
警察に
引き渡したら
どうなるかな?
そんな
ぼくたちは
ただ届けに
来ただけだよ
ごめん...
アンジュ
やっぱり
ろくなことに
ならなかった
君と行動を
共にしていれば
問題ない
まあ
俺も鬼じゃねえ
この程度の
トラブルは
想定内だ
言うことを
聞くなら
見逃して
やらなくも..
んぐ?
い...
いつの間に...
このまま指に
力を入れれば
一瞬で死ねるが、
私も鬼じゃない
選択肢をやろう
今すぐ
我々を
解放するか
てめえ
ドナルドさんに
何を...
地獄で本物の
鬼に会うかだ
こんの
クソガキ...
ま...待て!
俺が悪かった
降参だ
てめえ
素人じゃねえな
ひょっとして...
軍隊経験者か!
見た目に
騙される
とこだったが
元軍人の
俺の目は
ごまかせねえ
ますます
欲しくなったぜ
頼む!
助けてくれ!
お袋の店が
...え?
ピンチなんだ
いらっしゃいませ
おっ
新しい子が
入ったのか
ヴィズ・ダイナーへ
ようこそ
なんで
こんなことに...
私が聞きたい
201にも想定外ー
次回更新は5月19日です!
スース...コミックス第1巻も同日発売に
舜
OPEN
お客は
一人よりこ
原作島崎無印一作画
思えば
いやー
ほんとに助かるよ
店員が次々
やめちまって
人手不足
だったんだ
よろしく
頼むよ
アンジュ
エリオ
1日前
俺のお袋が
三番街で
ダイナーを
やってるんだが
アランっていう
クソ野郎が
一帯を買い占めて
巨大なカジノを
造ろうとしててよ
だが俺たちが
直接出張ったら
全面戦争に
なっちまう
立ち退きに応じねえ
お袋の店にずっと
嫌がらせを続けてんだ
そうなったら
店を続けるどころの
騒ぎじゃねえ
奴ら
それを見越した上で
じわじわ嫌がらせを
続けてやがるんだ
もちろん
礼はする
それで私に
給仕兼
用心棒をしろと
迷惑客を
追い出してくれる
だけでいい
衣食住も
保証する
私は断るつもり
だったのだが
注文
おねがーい
だってなんか
放っておけなくて
へえ
あなたが新しく
入った子?
可愛いわねえ
天使みたい
ねえ
こんな店やめて
うちで働かない?
こらっ
うちの店員に
ちょっかい
出すんじゃないよ
この迷惑客を
つまみ出せば
いいのか?
えっ
あ...
いやいや
その子らは
いいんだよ
やだもう
冗談だってばー
面白い子ねー
ちっと騒々しいが
気のいい連中だよ
よ...陽気な
人たちだね
こんな場末で
働いてる
連中には
うちみたいに安く
食べられる店が
必要なのさ
まだこの店
潰れて
なかったのか
よおババア
相変わらず
薄汚え店だなあ
さっさと
取り壊したほうが
いいんじゃねえか?
あいつら...
その話は何度も
断ったはずだよ
さっさと
帰んな
水!
おいおい
けが人には
もうちょっと
優しくして
もらいてえな
ご注文は?
て...てめえ
なんで
こんなとこに...
こないだは
よくも...
ご注文は?
きょ...今日のところは
見逃してやる
また来るぜ
あいつらのこと
知ってるのかい?
あ...うん
アンジュが
あいつらの腕を?
そりゃ
痛快だね
軍隊出身とは
聞いてたけど
頼もしい限りだ
あいつらが
アランって奴の
手下なの?
そうさ
アランが
ああいうチンピラを
大勢この街に連れて
来やがったんだ
まさに
疫病神だよ
ドナルドさんが
いなかったら
もっとやりたい放題
されてただろうな
街を守るためには
金がいるんだろ?
ブツは
命に替えても
届けるぜ
あんたにゃ
返しきれねえ
恩があるんだ
本当に
命に替える奴が
あるか
入れ
馬鹿野郎どもが
私達を
呼んでいると
聞いたのだが
おう
待ってたぜ
受け取りな
え
お前らが
持ってきた電球が
高値で売れたんでな
すごいお金!
ダイナーでの働きも
加味して
色つけといたぜ
ボーナスだ
あれ
ぼくの
友達が
作ったんだ
あ?
工場で働きながら
弟と二人で
暮らしてて
でも
仕事の合間に
こつこつ作った
ものなんだ
あんたの手下に
だまし取られた
そうか
だが
あれは表じゃ
売れねえ代物だ
そいつあ
気の毒だったな
売れなきゃ
ゴミにしか
ならねえ
俺たちだって
リスクを負って
商売してるんだぜ
だがまあ
そ...それは
そうかもだけど...
次は
そこそこの値段で
買い取ってやるよ
恩人の
ダチとあっちゃ
買い叩くわけには
いかねえからな
恩人...?
エリオ...って
言ったか
まだ礼を言って
なかったな
俺の子分の
最後の願いを
聞いてくれて
ありがとよ
どうする?
エリオ
当分余裕を持って
旅を続けられるだけの
資金は手に入った
え?
街を出る選択も
あると思うが、
最初はちょっと
怖かったけど
慣れたら
みんな結構
いい人たちだし
そっか...
考えてなかった
考えてなかった
もう少し
ここにいるのも
いいかなって
アンジュは
どうしたい?
君の
したいように
すればいい
君の旅だ
ア...
アンジュはさ
ぼくのこと...
アンジュ!
アンジュ!
ちょっと
こっち来て
やっぱり
似合うと
思ってたのよ
素材がいいと
映えるわねー
...なんの
つもりだ
アンジュ
そんなにきれい
なんだもの
きちんと
メイクしたげる
おしゃれしなくちゃ
もったいないわよ
こっちに
いらっしゃい
待て
私は...
いいから
いいから
!!
とにかく
不要だ
私は今
エリオと...
エリオ...?
ごめんなさい
アンジュ
私達
アランに逆らったら
この街で
生きていけないの
アンジュ?
アンジュ?
どこ行くの?
特大の電気虫を
入手した
君は
もう
君は必要ない
君の旅を
続けるといい
待ってよ
アンジュ
アンジュ!
ここは...
着替えを
お持ちしました
アラン様が
お待ちです
失礼します
シャワーを浴びたら
これに
お着替えください
アランは
俺の幼なじみだ
昔から
悪ガキだった
俺と違って
同じ時期に
軍に入隊したが
正義感が強く
頭もいい
優秀なやつでな
奴が配属されたのは
エリートばかりが
集められた
特殊部隊だった
15年経って
戦争は終わったが、
この街に戻ってきた
奴はまるで別人に
なっていた
よそものの
愚連隊を
引き連れてきて
この街を勝手に
造り変えて
いきやがったんだ
もともと
のどかな田舎町
だったのが
すっかり場末の
歓楽街と
化しちまった
俺も
大概悪いことは
してきたが
すべては
この街を
守るためだ
昔話を
聞きに来たのではない
私が知りたいのは
エリオの所在と
誘拐の目的だ
ああ
恐らく...
ドナルドさん!
ダイナーの方に
脅迫状が
届いてました
やっぱりか
土地の放棄を
要求して
来やがった
恐らく
街外れにある
アランの屋敷
だろうが
でかすぎて
捜し出すのは
一苦労だろう
エリオがどこに
囚われているか
見当はつくか?
しかも
警護しているのは
軍隊上がりの
プロばかりだ
もともとは
終戦間際に出来た
軍の施設だった
ところだ
なるほど
下っ端の
チンピラとは
わけが違う
どうするんですが
あのダイナーは
お袋がずっと
守り続けて
来たもんだ
手放すわけには
いかねえ
だが
恩人を見捨てたと
あっちゃ
ドナルドの名がすたる
兵隊を集めろ
は...
はいっ
必要ない
全面戦争覚悟で
突っ込むぞ
それは
非合理的な
判断だ
アラン様
お連れしました
ごくろう
フリーゼ
手荒な扱いをして
すまなかった
今
お茶を用意させる
うちは
粗暴な奴らが
多くてね
そうだ
お腹も空いている
だろう
はじめまして
エリオ
俺が
アランだ
次回更新は
●君を誘拐し、土地を奪おうと
している悪者だ。