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原作武論尊漫画原哲夫
原侑武論尊漫画原哲夫
、
446686
魔王への犠牲!!の巻
鬼神となりて!の巻
拳に曇り許さず!の巻
栄光ある敗者!の巻
肉体を越える魂!の巻
心を血に染めて!の巻
あえて愛を絶つ!の巻
宿命の岐路の巻
闘気を撃つ!の巻
は~~~
ラオウ.....
魔王への
フッ
フハハハ
運は
我にあり~!!
ーっ!!
やはり天はこのラオウを
望んでいる
のだー
いけ..にえ
の巻
フハハハ
はいや~!!
ユ...
ユリア様
~~っ!!
くく...
はー
はあ
ケンシロウ様
っ!!
リハク様!
ケンシロウ様!!
はー
リハク様
ーっ!!
はっ
ケ...
ケンシロウ様
そ..
その眼は!?
おお!!
早くあ
手当てを
してやれ!!
は..
はい!!
す...すまぬ
ケンシロウ様
...
...
あなたの力を
読めなかった
ばかりに
余計な
ことを...
海のリハク
一生の不覚!!
いいんだ
ラオウを
追う!!
なっ
しかし
あなたは
眼.....
眼が...!!
ケンシロウ様
どこへ!!
大丈夫だ!!
かつて眼は
見えずとも戦い
続けた男がいた
その男も
オレの中に
生きている
シ...
シュウ様
か...!!
今のラオウは
手負いの
獅子!!
今倒さねば
触れるものすべてを
打ち砕く荒れ狂う
暴凶星となろう!!
あたあ!!
うう...
はあ~
...
はー
お目覚め
ですか...
は
こ...この
ラオウが
覇者奉王が
夢にまて
怯えると
いうのか!!
相当の戦い
だったのでしょう
ここへ着くなり
倒れるように
おやすみに
これは
うぬが?
いいえそしま
それは
ここに
おられます
ユリア様が
イヒヒ
なにィ!!
まだ戦おうと
いうのですか
......
もう勝負は
ついたはず
なにィ!!
ユ...ユリア
うぬは
このラオウに
情を!!
ケへへ
拳王様
チャンスじゃ
ないですか
このウサも
あやかりたい
もんですな
うぬら下衆には
わからぬ!!
はっはっあ
もぽえ~!!
わ...
わたしが
なにか
悪いこと
でも...
ぺいっ!!
心魅かれた
女の情は
男にとって
最大の屈辱!!
このラオウ
もはや
拳王の名は
いらぬ!!
魔王となりて
ケンシロウを
血の海に砕き
沈めてやるわ!!
なにィ!?
ユ...ユリア様
が!!
は...はい
ラオウに奪われ
なおかつ
ケンシロウ様は
眼を......
そ...
そんな
なにとぞ
フドウ様の
助けを!!
お...
おねがいで
ございます!!
う...うむ...
し...しかし
おれには
子供たちが
い...いや
どうなされた
さっ
急ぎましょう
父さん!
ん!?
戦って...
フドウの
父さん!!
ぼくたちなら
大丈夫!!
そうだよ
父さんの息子
だよ!!
行ってあげて
戦ってあげて
はいどうし
父さん!!
お...おまえ
たち...
ほら早く
う...
うむ...
よ...よくし!!
あ!!
なに
あれ!?
ああ!!
フドウ...うぬが
動かずとも
こちらから出向いて
やるわ!!
この肉体より
恐怖をぬぐいさり
魔王となるには
うぬの拳と命が
必要だ!!
な...なぜ
ユリア様を
奪った
ラオウが
ここに!?
万人にしたわれる
善のフドウ
だが今のおれに
必要なのは
うぬの中に
流れる鬼の血!!
うぬがいかに
善人の皮を
かぶろうと
その体には
鬼の血が流れて
おるおれには
その血が必要だ
え!?
なにゆえ
鬼の血を望む
ケンシロウとの
対決を前に
恐怖したか!!
フドウよ
鬼神となって
我と戦え!!
さもなくば
子供はすべて
殺す!!
うわあ!!
よかろう
あわわ...
ついて来い
ラオウ!!
フフ
かつて
このラオウが
唯一
その存在に
恐怖した男よ
フフフ...
戻るのだー
あの時の野獣の
おのれ
フドウめ!!
どうした
かかってこい
!!
いや!!
けえ!!
はっ
はっ!!
どうした
おれを
倒すのでは
なかった
のか!?
あ~~!!
は!!
ぐじ!!
はわわ..
うわあっ
~~~!!
ま...
まいり
ました!!
カスどもめが
はなから敵では
ないわ~!!
おお!!
な...
なんという
ことを!
ゲファ
フドウとか
もうしたな
おぬし
ものの命を
なんと心得る?
命...
考えたことなど
ないわ!!
母も知らぬ!
父も知らぬ!
ゆえに命も
知らぬ!!
リュウケン
約束どおり
金と食料を
もらっていくぞ!!
......
なんだあ~
きさま...!
フン
フハハハバ!!
ラオウよ
動けぬか...
あの時の
あの眼は
まさに鬼神の服
動けなかった
このラオウが...
フ...
鬼には勝てぬか
恐怖はスキを生み
身を滅ぼす
ケンシロウに抱い
恐怖をぬぐいまるに
おまえの鬼の気を
みこむ以外
あのころは!!
倒しない
喰らい飲む
悪鬼の生活だった
だが
あの時!!
ぶがあ!!
ギャッ
ひい!!
フドウだ
止めろ~!!
ここかー
!!
ん!?
なんだ
小娘!!
は!!
は!!
ユリア様!!
ユリア様!!
いけませぬ
お戻りください
その男は
悪鬼のフドウ!!
刃向かっては
いけませぬ!!
ほう
このおれが
怖くないのか!!
う~~~ら
どきな!!
お〜〜〜
どけ~!!
なにを
隠してっ
おる!?
命を捨ててまで
なにを守ろうと
いうのだ!!
あうっ
な!?
あっつ...
い...
犬!?
あ!!
う...
産まれた!!
こ...このカキが
命がけで
守ったものは
...これ...
な...なぜ
え
お
あっ
ね...
生きてる
でしょう
ふう~
暖かいでしょうこれが
これが
命よ!!
あなたも
わたしも
こうやって
生まれて
きたの..
鬼が
負けおった
おれはそれまで
命などは
ウジ虫のことく
湧きでるものと
思っていた
しかしおれは
その小犬の
あまりの
か弱さに
ただ
たじろいた
そしてまだ
幼かった
ユリアに
知るはずもない
母を見た!!
その日より
ほどなくおれは
武具を封印し
南斗慈母星に
仕える五車星の男として
「生きることを誓った!!
だが
今その封印を
解く時がきた!!
お許し
くだされ
ユリア様!!
...
このフドウ
汚れなき命の
ために鬼神となって
戦おう!
フッ...
恐怖など
飲みこんで
くれよう
きさまの血と
ともに!!
こ曇り許さず!
拳に曇
...
は
はー
はあ
あ...
あれが
フドウの
父さん
か!!
と
闘気
が.....
闘気は
甦った!!
だがうぬの
鬼の拳が
錆びついていては
どうにもならぬ
はいやあ!!
ギャ
ああ~
うい
リンバット
子供たちに
このフドウの姿
見せるでない
あ...は
はい!!
ぬん
もが
くう
ぷぴい~
ぼぱあ!!
フハハハ!!
その心その拳
ともに鬼神に
戻ったか!!
やはり
この肉体から恐怖を
拭い去るにはうぬ
しかおらぬわ!!
よいか~~~
このラオウの体
一歩でも
ここより退いたら
容赦はいらぬ!!
この背に向かい
全矢射ち放てい!!
はっ!!
ははっ
ひけ~い
もし退くようなら
このラオウの死!!
弟に勝てねーただの愚兄!!!
ぐあ~
ひい~~~!
うぎゃあ
ラオウは
どこだ!?
わ
た...だれか
てめえなんかに
あが!!
ぷぷ...
へっへへ
なめんなよ
そうか..
おれは
口がかてえんだ
あがひ
へべべ
もう一回
まわるか
いっ...
いわせて
いただき
ます!
け...拳王様は
こ...この居城を
捨て
フドウの
村へ!!
なにィ!!
フドウ!!
ぐふ~
ぬう~
ぐふ~
ぬう~
フフフ...
お父さあん
フ...
フドウさん
フドウ
おれの血を
すする気で
こい!!
さもなくば
きさまに勝ち目は
ないぞ!!
おのれ~!!
どうりゃあ!!
おおあ
ふう
ふー
感じぬ
恐怖など
微塵も
感じぬ!!
この拳王
かつての
ラオウとは違う
やはり
ケンシロウに
感じた恐怖な
おれの気の迷
すきなかった
と...
父さん
うう
フドウの
父さん
もはや
おまえに
用はない
ガキどもと
ともに死に
果てるがよい!!
どうかな
きさまがおれの中に
鬼を見るのは
これからだ!!
フドウよ
ぬあああ!
~!!
りやっ!!
ん!
父さー
これが鬼の拳か
やはり情は
拳を曇らす
のみか!!
む!!
な...
なんと
拳が
ぬけぬ!!
ああ!!
ぬうあ
この
☆しき
眼光こそ
おれが恐怖を
感じたもの!!
うお〜〜!!
ああ
今こそ、ささまの
血とともに
恐怖を飲みこんで
くれるわ
っ
ありゃ!
栄光ある敗者
おれは
拳王軍団の
ジャドウ!
ケンシロウ
おまえの首
もらいうける
ほあっ
ぬあっ
はかばが
フドウ..
ぬ
フフ...
やすやすと
秘孔は突か
せぬぞ!!
ラオウきさまは。
ここで死に
果てるのだ!!
ぬああ!!
ぐぐは!!
憎しみでも
ない
怒りでも
ない!
この眼気を
生むものは
なんだ!!
うお~!!
うがはっ
ぬうう!
おりゃあ!!
は~~
か~~~
は~~~
父さん!
お...おまえ
たち...み...
見ていた
のか!!
なぜ!?
ぼくたちは
父さんの子だ
怖くなんか
ないよ
父さんと一緒なら
はっ
......
お...
おまえたち
ぬうああ!!
あ!!
その心がおれに
最後の力を
与えて
くれよう!!
おお~!!
むう
!!
うおお!!
ぬあっ!!
うああ!!
とどめだ
フドウ!!
ぐはあ!!
はあっ
この線も
無用だった
おれに後退は
ありえないのだ
はっ!?
終わった..
フドウ
うぬの血がおれから
恐怖を洗い流したわ
な!?
なにが
これほど!?
きさまの肉体は
すでに死んで
いるはず
きさまには
わかるまい
たとえ
この体が
肉片いや
血の一滴に
なろうと
戦い続ける
であろう
愚かな男よ
よかろう!
みごと
このおれを
ここより
退かせて
弓を射らせて
みせよ!!
やはりなにも
わかって
おらぬ!!
なにィ
見るがいい
む!?
この歩を
進ませるのは
この子供たちの
心......
おまえに
見えるか!
この哀しき瞳に
宿る力が!!!
カ...
哀しさ...
な!?
こ...
この眼は!!
ケ...
ケンシ
ロウ!!
死ねラオウ!!
ぬああっ
...
ああっ
な...
なんと!!
まさか!?
こ...この
拳王が
退いていた!!
2年月
える魂!
肉体を越える
の巻
!?
父さん!!
矢を
新しい矢を
!!
かまえくい!!
こ...
このおれが
退くとは...
きさまは
オレの拳に
ケンシロウの
姿を見た!
その肉体に
再び恐怖が
甦ったのだ
ラオウ
恐怖に硬直した
その肉体は
退かねば砕け
散っていた
勝ったのは
おれと
ケンシロウだ!!
はっ
フ...
フドウさん
こ...ここで
おれが
倒れても
その体に
恐怖が刻まれて
いるかぎりもはや
二度とケンシロウには
勝てぬ
ラ...ラオウ
か...哀しみを
知らぬ男に
勝利は
ないのだ!!
父さん!!
お.....
おまえたち
父さんは
勝ったのだ
み...みんな
強くなったな
う...
うん!!
と...
父さあん!!
け...ほんお
拳王様~!!
い...一体
どうなされたの
ですか!!
まるで
デクの棒の
ように!!
我われが
射らねば今ごろ
拳王様は...
きさまら
なぜ
この拳王を
射なかった!!
はひ
うぬ~~!!
どこまでも
下衆なやつらよ!!
しっ...
しかか...
かし
あの時
フドウを
射ねば...
敗れて
命を拾おうとは
思わぬわ!!
と.....
父さん...
うう...
フ.....
父さんが
がんばれたのは
おまえたちの
力だ.....
これからは
みんなで
力を合わせて
生きて
いくのだ
はっ!!
いいな
う...うん
ケ:ケン!!
フドウ...
ケ...ケンシロウさん
うむ
か...勝ったんだよ
父さんは
勝ったんだよ
あのラオウに!!
......
そうか...
ケ.......
ケンシロウさん
こ...
これからは
その手で
この子供たちを
そして
この時代を
抱き包んで
くだされ
そ...それが
山のフドウの...
ほ...本望.....
父さあぁん~~~!!
行こう
最後の勝負
だ!!
なぜ
ラオウは
部下の
あなたたちを
われらの思慮の
たりなさが
拳王様の怒りに
ふれました
ああのお方の
頭にあるのは
もはや天の
覇者への野望では
ありません!!
ただ.....
ただ
ケンシロウとの
勝負のみ!!!
!?
ケンとの
哀しみを
知る人間こそ
強者
哀しみを
知らぬ人間に
勝利はない
.....哀しみ....
燃えさかる
ほのお
炎もこの完璧なる
肉体を焼くことは
できぬ!!わが肉体は
無類無敵!!
されど哀しみは
この肉体を
凌駕すると
いうのか!!
を思う
ドウの心
心を血に染めてくのも
ユリアを思う
クンシロウの
おれを恐怖
させたもの
それは
愛か!!
心を血に染めて!!のぎ
ならば
ケンシロウに
勝つ道はひとつ!!
五車の星を
失った天も
哀しんでいる
ユリアよ!
ラオウ!
このラオウ
いまだ
愛を知らぬ
ゆえに
哀しみが見えぬ
愛とは...
哀しみとは
知るすべは
ひとつ!!
ユリア!
おまえの
命をくれい!!
フェ~~
やっと止み
やがった!
む!?
ケ...ケン
あれは!!
こ...黒王!!
ケ...ケン
これは!?
...
ラオウが
呼んでいる!
リンバット...
う...
うん!
おまえたちが
この最後の
戦いを
見届けるのだ!!
!!
北斗練気闘座...
やはり
ここを...
ケンシロウ!!
うぬの骨と
北斗二千年の歴史を
葬るにここよりほかに
場所はない!!
ラオウおまえが
天を握ることはない
野望とともに
この地に
眠るがいい!!
もう天など
どうでも
よい!
いや
おれが望んだ
天とはきさま
だったのかも
知れぬ!!
ケンが...
そうか!!
ラオウがめざして
いたのはこの世で
最強の男で
あること
北斗を超え
最強である
ことこそ
ラオウの天
だったんだ
ケンシロウよ
最強の北斗を
屠る者の名は
ラオウ!
このラオウより
真の強者の
歴史は始まるのだ!!!
ケンシロウ
塵と砕けよ!!
うっ
うお~!!
ぐはっ
北斗究極奥義
無想転生の
前には死あるのみ
とどめだ!!
あたあ!!
ああ!!
ぬ!!
ラ...
ラオウ...
きさま
無想転生を!!
フ~
このおれも
この心を血に染めて
哀しみを背負う
ことができたわ!!
なに!?
ユ...
ユリア!!
あえて愛を断つ人
ユ...
ユリアさん
その眼で
たしかめて
みるがいい!
ラオウ
きさま
ユリアを!!
あえて愛を眺つんのも
ユリア...
......
生まれて
初めて
女を手に
かけたわ...
だが!!
ユリアの命が
このおれに
無想転生を
吹きこんでくれた
わたしの
命を!!
そうだおれは
いまだ愛という
ものを知らぬ
おまえを
失って初めて
知ることができる
カもしれぬ
......
今のおれには
ケンシロウしか
見えぬ
この世に
ケンシロウしか
見えぬのだ!!!
ラオウ
ユリア
恨んでもかまわぬ
ぬ!!
い...
いけませぬ
拳王様!!
そ.....
その方だけは
手にかけては!!
な...
なにとぞ
正気に
わ...わたくしどもは
どうなっても
かまいませぬ
その方の命だけは
だがきけぬ!!
狂者といわれても
がまわぬおれには
ユリアの命が
必要なのだ!!!
うぬらも
ユリアの
慈母の宿星に
打たれたか
!!
は!?
ああ
拳王様...
この傷が
気になってはケンと
十分に戦うことが
できないでしょう
ぬ!?
峻烈な男たちの
戦いのために
わたしが
してあげられるのは
心置きなく
送りだすことだけ
わたしに
見つめられて
いては突きにくい
でしょう
わたしも
天に
帰りましょう
む!?
な!!
こ...この
おれが!!
涙!!
は!!
トキ
見ているが
いい
必ずユリアを
このラオウの
ものにして
みせる!
ユリアもまた
おれの野望の
ひとつ!!
.......
それは
野望ではない
なにィ!!
愛だ!
ラオウ
あ...愛..
こ...れが!!
今はわかるまい
だがいずれ、それは
涙となって、その心を
つき動かすてあろう
あ...安ゆえに
おれはユリアを
追い続けて
いたのか...
だが!!
ハァ
ユリアと
ケンシロウ
ふたつを望む
ことはてきぬ!!
このラオウの
生き方はひとつ!!
許せ
ユリア!!
わが内に哀しみとなって生きよ!!
おお...
拳王様...
このラオウにも
まだ涙が
残っておったわ
今...
すべてが
終わる!!
長かった..
バチバイ
宿命の岐路の巻
リ...リハク様
拳王の部下達が
武器を
......?
愛する者を
涙してまで
その手に
かけた..
ラオウ...
それを見て
みな戦いの
無惨さを知った
のだ...そして
愛の強さを!
うむ...
宿命の岐路の巻
そして
彼らは
その無惨な
戦いより
内親の愛を
選んだ
われら
五車の星
最後まで
ユリア様を
守ることは
できなかった
永遠に...
だが
ユリア様は
永遠に
彼らの心の中に
生きるであろう
やっ
ユリアさん
フ...
おまえは、また
高法の修業はおろか
道場へもはいることを
許されていなかった...
思えばここが
おれとおまえが
初めて
ユリアと会った
場所でもあった
ぐ
く...
どうした
打ってこい
ケンシロウ
いやーっ
この子が
南斗の..
南斗六星の
将となられる
お方...
はい...
されど
不運にも
このユリアは
母の胎内に
いっさいの
言葉...感情を...
置きわすれて
しもうた...
美しい
ゆえに...
不憫な...
北斗と南斗は
表裏一対
陰と陽ー
その宿命を
信じるならばここへ
お連れすればユリア様に
なんらかの変化があろうと...
それでこうして
ここに...
うりゃあ
むっ
ラオウ
うぬは
ケンシロウに
拳法を...!
なぜ
禁を破った
才なき者は
いずれ拳を奪われ
ここより、追放
されましょう
ならば
今のうちに
引導を渡した方が
こやつのため
ケンシロウに
才はありませぬ
ぬっ
その子は
......?
む...
......
......?
どうした
ユリア!
!!
も...戻った
ユリアに
感情か...!
北斗の宿命を
持つ男
ラオウ
ケンシロウ
だが...と
北斗ふたりに
南半ひとり...
いつの日か
天を二分して
ラオウが誘い
ケンシロウが
心をあけ放ったわ
あの日から
戦いは
始まって
いたのだ
ケンシロウ
こい!!
ほあ!!
名もいらぬ
光もいらぬ
このラオウが
望むものは
拳の勝利!!
どおあっ
ぬお
ぐあ
うわあっ
ごふっ
うがぁは...
ぬう~~ふ
ふ...
ふはは...
ぬぐあ...
心地よき痛みと
いうべきか...
我らはこの日を
待ち続けていた
のだからな...
互いに究極奥義
無想転生を身に
まとった今...
奥義は武器に
ならぬ
いわば無!
ゼロに戻ったのだ
ならば
この戦いは
赤子の戦いと同然!!
いくぞっ
ケンシロウ
ぬうぅ
はっ!!
むぶぉ...
おあたぁ
ぶありゃ
ぐ...
ふははは..
しかしきさまに
拳を教えた身
このラオウに
一日の長があるわ
ケンシロウ!
観気を撃つ!のき
フ...
神に感謝せねば
なるまい..
わが前に
これだけの男を
送り出してくれた
ことを!!
は...
ま...まるで
無防備に
打ちあって
いる
へ...変だ
ラオウにも
ケンにも憎しみ
が見えない
う...ううん
それより
ふたりとも
透き
とおって...
ああ!!
み...見える
小さい時の
ふたりが!!
このままでは
ふたりとも
死んで
しまうわ
ケン
はっ!?
ぬ!?
......
ぬう!!
うぬは
わが闘気を!?
ケンは
ラオウを見ず
闘気だけを
見ている...
これは...
はっ
でもケン
どうやって
ラオウと戦うんだ
お互いに
拳の見切りを
身につけた同士
ラオウを見ては
勝負はつかぬ
ならばその
闘気を誘い
それを間合いとし
その乱れに無想の
一撃を放つのみ!!
え!?
ぬく...
は!!
もはや次の
一撃がわれらの
最後の別れと
なるだろう
おれもトキも
同じく目指した
あの偉大なる
長兄ラオウ!
この心にいまだ
消えずに
この心に焼き
ついている!!
見ろ
ラオウの闘気が
逃げている!!
闘気の乱れは
スキとなる!闘気の
一瞬の乱れも許さぬ
ケンの無想の拳に
もはやラオウは
なすすべもないんだ!!
ユ...ユリアさん
見て!
ケ...ケンが
ユリアさんの心と
一緒に
戦っている
もうすぐ
くるわ...
長かった
ふたりの戦いが
終わる時が...
そして
あのふたりの魂に
安らぎが訪れる
時が!!
よかろう
ならば砕いて
みせよう
この拳に
わが生涯の
すべてをこめて!!
うけてみよ
わが全霊の
拳を!!
ラオウの
闘気が
消えた!!
ぬうおお
~~~っ!!
天に滅せい
ケンシロウ!!
おあ!!はは!!
や...
やった!!
う...
ぬあ..
ぐはっ
ば...ばかな
お...おれの
このラオウの
全霊の拳が...
おまえの心はひとり
だがおれの中には
長兄ラオウへの想い
ユリアへの想いが
生きている
天地を砕く剛拳も
この一握りの心を
砕くことは
できぬ!!
電子書籍版
原作:武論尊
漫画:原哲夫
◎武論尊・原哲夫/NSP1983
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