原作武論尊

漫画原哲夫

いざ！修羅の国へ！！の巻

修羅道！忍棍妖破陣！！の巻

誇りとともに！の巻

．．

．．．

修羅

死を喰らうヤツら！！の巻

野望の仮面！の巻

闇の羅刹！の巻

修羅狩り序章の巻

地上最凶拳！の巻

白熱せる野望！の巻

．．．

．．．

フッ．．．．．．

失ってはならぬ

ものだと！？

いざ〈修羅の国へ〉《のき

金か．．

女か？

ヘッ．．．．．

理由などは

どうでもいい

だがこれだけは

覚えておくがいい

あんたが

渡る地は

地獄！！

大地は流血に染まり

そしてそこに生きる

修羅どもは強大非情！！

国

巻

む！！

こ．．．これは！！

ジャスクの

兵達！！

来．．．．．

来たな

ファルコ

へっへへへ

や．．．やはり

この地はひとりの

侵入者も許さぬ

い．．．一切の弁明の

きかぬ地獄で

あった．．．

ジャスク！！

フ．．．．．

連れ去られた

修羅の

花嫁として！！

リ．．．．．

リンは！！

なにィ！！

へへへ追うがいい

追って死ぬのだ

ファルコ！！

〈ッヒッヒヅヒッ

それがこの

ジャスクの狙い！！

ヒッピッヒッ

北斗元斗ともに

この地で果てる

のだ～～～！！

おごっ

うっ！！

くっ！

ぐあっ

！！

なんということか

このファルコに

気配を悟られる

ことなく間合に

ってくるとは．．．

このオレは元斗

皇拳のファルコ！！

ただの侵入者

とはちがう！！

奪った女は

どこにいる！？

フッ

なにい！！

無理だその程度の

腕ではこの国の修羅と

よばれる

男たちには遠いわ！！

お．．．．．

あっ！！

へっ．．．

いたのか

あんた．．．

どうも夕陽を

見ると

あいつらのことが

思い出されて

な．．．．．．

あいつら．．．？

来てくれ

あんたに

見せたいものが

ある

これは．．．

かつて

オレは百名の

兵を率いて

あの国へ攻め

いった．．．

新天地を

求めてな

だが結果は

無惨なもの

だった

なんと

オレたちは

たったひとりの

敵の前に

敗れ去った！！

百人の兵が

一瞬にして！！

すさまじい

やつだった！！

し．．．しかも

百人の部下を失い

この眼と腕と足を

もがれながらも

オレが見た光景は

さらに凄絶だった！！

な．．．なんと

そいつはまだ

１５にも満たない

ガキだったんだ！！

オレはこの時

初めて悟った

修羅の国と

いわれる意味と

その底知れぬ恐怖を！！

そ．．．そして

オレは

当時１５になる

我が子を

置きざりにして

しまった！！

子を．．．

おそらくもう

生きてはいまい

オレにはもはや

帰る地がない

あの国に行くに

行けずこうやって

海賊として百人の魂と共に

海をさまようことしかできぬ

この海が

息子との唯一の

つながりよ

ここはすでに

我が国の

領域である

無断で立ち入る

者は死ぬ！！

失せろ！！

なに者

だ！？

さもなくば

おまえが死ぬ！！

愚か者

めが！！

死ねい

ふん！！

フフフ

かかったな！！

ククク．．．？

おわっ

！！

ぶぼっ

あたあ！！

うぶ

あたたたれた

はあぁああ

あたあっ！！

ブッ！！

なかなか

丈夫だな

だが

もう耐える

必要もない

ぬき

ふぎ．．．

へっ！？

べぼわ

な

な．．．

なあなあ

あ．．．．．！！

おまえの

息子の

名は？

そのつもりで

ここまで運んだ

のだろう

万が一の期待を

こめて．．．

会ったら伝えよう

あんたのことを

へっ．．．

あ．．．あんた

まさかわしの

息子を．．．

待とう

万が一の期待を

持って．．

だが！！

あの男でも

あの国はビクとも

揺らぐまい！！

修羅道／忍福妖破陣〆の巻

多羅

妖破陣

ごぼっ

リンという女が

渡ったはずだ

どこにいる

聞いたところで

どうにもなるまい

おまえも

じきに死ぬ！！！

フフ

きさまも

あの男と同じ

運命をたどるのだ

む！！

ファルコ

！！

ケ．．．

ケンシロウ．．．

お．．．

おまえ．．．

ふ．．．不覚で

あった！！

ファルコ！！

こ．．．この国は

オレの想像を

はるかに越えて

強大．．．．．

こ．．．この

ファルコの

力をもってしても

通用しなかった

ゴフッ！！

ファルコ！！

こ．．．．．

これは

おれの拳の

跡．．．．．

おまえは

この体のまま

海を渡ったのか

！？

むっ！！

ああ．．．

それが

わが使命．．．

戦わねばならぬ

敵がいる

救わねばならぬ

人間がいる．．．

ならば

この肉体は動かずとも

魂は這ってでも

前へ進む

ケンシロウ．．．

オレもまた拳士．．．

そして元斗皇拳の

伝承者よ！！

ケ．．．

ケンシロウ

すまぬ．．．

リ．．．リンを

助けることが

できなかった

ゆ．．．

許してくれ

ファ．．．

ファルコ！！

おまえという

男は！！！

き．．．きさまが

ファルコを！！

そうだ！！

？

あ．．．あの男だ

オレの部下百人の

命を奪いオレの

片腕片足を

奪ったのは！！！

ま．．．まちがい

ねえ！！

やつは生きて

やがった

ならば見よ！

わが死の

舞いを！！

きさまも

死に急ぐか！！

くらえ！！

忍棍妖破陣〃

ほあっ

あたあ

ほっ

ケンシロウ！！

気をつけろ

その男は

二本の棍を

己の手足の

ように使う！！

この国の

拳法の源流は

深い！！

この国では

元斗皇拳など

知らぬ！

通じぬ！！

ましてや

片足で伝承できる

拳法など笑止！！

むむっ．．．

おれと戦って

いなければたとえ

片足といえどおまえ

など、ファルコの

敵ではない！！

来るがいい

その意味を

教えてやろう！！

フッ！！

面白い

見せて

もらおうか！！

ほあっ！！

む！！

う！！

うわ！！

男の誇りを

汚す者には

死こそふさわ

しい！！

ぬううう

たぎる！！

久しぶりに

修羅の血が

たぎるわ！！

きさまの

名は！？

フ．．．．．

オレに

名などまだ

許されて

おらぬ！！

オレは

ただの修羅の

ひとり！！

だが

きさまは

知らぬ！

そのひとりの

修羅すら

数百の屍を築き

ようやく修羅と

呼ばれることを

．．．．．．

千手魔破にて

地獄へ落ちよ！！

はいっ！！

さ．．．

消えた！？

終わりだ

！！

！？

む！！

フ．．．．．．

愚か者が

う！！

ぬ！？

フ．．．甘いな

ケンシロウ

とやら

なぜ

わざとはずした

このオレを倒す

チャンスは

そのファルコとの戦いで

疲れを残す今しか

なかったものを！！

そのファルコも

戦いの最中

足が折れねば

このオレに

傷のひとつは

つけたであろう

腕ではあった

がな．．．

だが修羅の国では

死はすなわち

敗北！

戦いに一切の

情はかけぬ！

修羅の道とは手段を

選ばずただ勝ち

生き残ることのみ

やはりな

ん！！

なにィ！！

そうでなければ

きさまは

ファルコには

勝てぬ！！

ほ〜〜

面白い

ことを

ぬかす！！

はっ！！

ファルコ！！

む！？

きさま！！

再びそく

義足をつけ

このオレと

戦う気か

おまえ！！

くく．．．

ケンよ！

北斗神拳には

一瞬の生を

よびさます

刹活孔が

あると聞く

ファ．．．

ファルコ

おまえ

まさか！！

このままでも

オレはじきに

死ぬ！！

死すならば

誇りとともに！！

生は一瞬

その後は死しか

残らぬぞ！！

この海を

渡る時

より

死はすでに

覚悟の上

承知！！

待つ死より

あえて誇り

高き死を

選ぶか！！

ファルコ！！

うけん

さすが元斗皇拳

伝承者！！

おまえの魂

しかと

受けとった！！

ぐはっ！

ぬぬ！？

すまぬ

ケンシロウ

来い！

修羅よ！！

フ．．．おまえたち

の行動は

不可解だか

なかなか

面白い

ことをする

いいだろう

冥土のみやげに

オレの秘法拳を

見せてやろう

は～～～

凡羅破魅陀

亜仏弟斗羅

す～～！！

修羅忍道

破魔砂蜘蛛！！

ふは～～

次にオレの

姿を見た瞬間

きさまは死ぬ！！！

はっ！！

ぬ！！

消えた

．．．．．！！

ファルコ

は〜〜〜

うむ．．．

たとえどこへ

隠れようと

わが間合いに

入らねば

倒せぬが理！！

元斗皇拳

滅凍黄凄陣！！

ふん！！

砂地を凍結

させやつの

動きを

見切るか

そこだっ！！

ぬうん！！

出てこい

砂蜘蛛！

出てこねば

このまま

焼け死ぬぞ！！

うぎゃー！！

こっ．．．

こしゃくな

まねを！！

毒蜘蛛手刃

滅把妖牙！！

ぬおお！！

元斗猛天掌！！

ぬく！！

死ねえ

どあ～！！

う！

うげ！！

おのれ！！

む！！

はぐ．．．

か．．．

体が．．．！！

うっ！！

ああっ

ああ！！

ケ：ケンシロウ

見届けよ

これがオレの

最後の

元斗皇拳秘奥義

黄光刹斬！！

はっ！！

ひは！！

ぬああ

～～～！

お．．．

おのれ～！！

たしかに

見届けた

ファルコ！！

い．．．行け！！！

地獄へ行くが

い！！

これより先に

進めばオレより

はるかに強い

名を許された

修羅たちが

待っていよう！！

おぼあ！！

ケンシロウ

どうやら最期の

時が来たようだ

できれば

皆が住む国が

望める所へ．．．

死を喰らうヤツら〈の槌

．．．

わかった．．

死を喰らうヤツら》

この夕陽が

沈むころ

元斗皇拳は

オレとともに

潰える

．．．．．．

無念だ

フッ．．．

目が

かすむ．．

美しい

夕陽だ．．．

む！？

．．．

こ．．．これは

元斗の伝書鳩！！

ス！

ミ．．．ミュウが

オレの子を！！

！！

．．．．．．？

ケ．．．ケン

ミュウの．．．

ミュウの体の中に

オレの子が！！

これで

元斗皇拳は

滅びぬ！おまえの

子がきっと立派な

伝承者となろう

ああ．．．

こ．．．これを

鳩の筒に

．．．．．．

た．．．．．

頼んだぞ！

わが魂を

ミュウの下へ

ファルコ！！

フ．．．ファルコさん！！

はー

はー

はっ！！

だ．．．ごし

だれか

来る！！

出て

もらおうか

さあこれで

顔をふいて

髪もとかすが

いい！！

ここは！？

修羅の門！！

修羅を

めざす者たちの

血の臭いが

しみついている

じゃろ．．．

さあ．．．

見るがいい

あれを！！

うっ！！

は

という

あの戦いの勝者に

おまえが

与えられる！！

おまえは

そのエサだ！！

やつは今までに

１２２戦しそのうち

１０５人は二分以内に

倒した！！！

そしてやつは１５戦し

そのすべてを三分以内に

倒している！！

いずれも

名を許されて

恥じぬ修羅よ！！

郡将様！！連れて

まいりました！

さー

あのお方の所へ

はあっ！！

むっ

ぐはっ

は！！

あ！！

は！？

き．．．．．

傷がない

．．．！

フ．．．心配はいらぬ

わたしは傷を

つけずに

内臓をぬきとる

こともできる

おまえの血をいれた

この聖杯の聖酒を

勝者は飲む！！

その時

おまえは勝者に

与えられ

その子を産むのだ！！

ぐふ！！

くく．．．

おまえはただ

１５５人の男を

倒しただけ

しかし

オレは男を選び

闘ってきた！！

しかも二分以内に

倒さなかった

男たちは倒す

価値もないと

見切ったゆえ！！

フ．．．．．

このオレの

負けだ！！

と．．．．．

とどめを刺せ！

そしてわが血を

おまえの中に！！

二分だ

！！

げふっ

愛羅承魂！！

この男の血は

わが血の中に！

そしてこの男の血と傷で

オレはさらに

強くなろう！！

この国の

男たちは

違う！！

この国では

死は消滅ではな

強者の血の一部と

なって甦えること！！

郡将様

１

聖酒を！！

く！

ぬ！こ．．．

これは！！

下級の修羅が

ひとり

胸に七つの傷を

持つ男によって

倒された

その侵入者を

見事倒して

みせい！

さすれば望みを

かなえよう！！

ケ．．．ケンが

ここへ！！

造作も

ないこと！！

前回

野望の

野鳥

はあ！！

は～！！

うわわ！！

じょっ冗談

じゃねえ！

こんなバケモノと

戦えるか！！

なぜ

逃げる！！

う

びっ！！

恥を

知れい！！

だから

うぬらは

その仮面を

取れぬのだ！！

きさまが

胸に七つの

傷ある男か．．．

少しは拳法の

心得があるよう

だな！！

きさまの

流派は？

北斗神拳！！！

フッ．．．

知らぬな

そのような下等な

流儀！！

スキャ！

二分だ！！

オレは今まで

常に敵を

二分以内に倒して

きた！！

この砂が

尽きる時

きさまの命も

尽きる！！

おれが戦う

相手は

どっちだ？

なに！？

フッ

たわごとを．．．

このオレの他に

だれかいる！！

そうか

おれは

そっちのボロを

まとった男かと

思ったのでな

な．．．

なにィ！！

憤詛！！

うけてみよく！！

誘闘赤円舞！！

ぬあ！！

おあたあ

～～っ！！

む！！

フハハ！！

きさまは

すでに

わが術中に

はまった！！

！！

この毒牙を

ふくんだマントを

突いてしまっ

てはな！！フフフ

おまえの

目には無数の

マントが

見えるはず！

フフ

時の砂は

もうすぐ

尽きる！！

死ぬがよい

ふっ！！

ほおああ

はっ！！

あたたたれ！！

ぶっぷっ

砂は

尽きた！！

たたたっ！！

ぶっ

でべ

べぼっ

はぶっ

ぶへべ

は．．．ばかな

おげっ！

きっ．．．

きさまの

名は．．

Ｎａｔｒ

．．．

ケンシロウ

信じられん．．．

こ．．．これほどの突きを

オレが打ち込まれ

ようとは．．．

ハキシ！

とぼあ

．．．．．．

北斗神拳．．．

けん

そうか．．．

あんたも

北斗一派の拳を

使うのか．．

一派！？

北斗に派はない

北斗を冠した

拳は北斗神拳

のみ！！

フッヒヒ

い～～やオレは

知っている！

この国には

その源流となる

北斗の名を冠した

拳法があることを

！？

その使い手を

きさまは

知っているのが

ひとりだけ

いる！

へっへへへ

すごいしゅらい

修羅がな

しかし

あんたはなぜ

この国へ来た

知らんな

ヒヒヒ．．．

リンという

女を探して

いる

知らぬか！？

おおい

聞いたかあ

砂時計のアルフが

倒されたそうだ！！

はっ！！

食事だ

おまえは

北斗神拳を

知っているか．．

はっ！？

やはりな

すると

おまえの

名はリン！！

ま．．．

まさか

あなたは

ケンシロウを

フフフ．．．

オレは愚者の

仮面をかぶり

この日が来るのを

待ちつづけて

いた！！

しかも

おまえの

ような

切り札をあわせ

持つ好機をな

！！

あなたは

この国の人では

ないですね．．．

この国の人には

匂いがありま

せん．．．

でもあなたには

人の匂いがある

でも．．．なぜここに

フ．．．

フフ

そのとおり

オレはこの国の

人間ではない！！

は！！

ああ

ああ．．．

やつは強い！！

これから多くの修羅を

倒すだろう

そしてやつの出現で

この国は大きくゆれる！！

だがやつは

血を巻く

赤き

ハリケーン！！

いつか

修羅どもとともに

消え去るのみ！！

そ．．．その

後は．．

もうひとつの

北斗が

輝く！！

僕の

闇の羅剣

さっ

来な！！

ど．．．．．

どこへ？

フフ．．．．．

いいから

だまって

ついてきな

袍！！

頗

吾曹！！

爬！！

散！！

吾曹

いない！！

女が消えた！！

なあにい！！

ひとりのボロが

修羅に与える

女を連れ

去ったと？

はっ！！

フ．．．

近頃は

わけのわからぬ

輩が多いな

修羅を

ひとり

送れ！！

ははっ

一体なにを

する気

なのです

フフフ

まあ

見てなって

そろ

そろ

来る頃だ

そうら

おいで

なすった

きさまは

ボロの分際で

なにをしておる！！

その女は

修羅の子を

産むべき女だぞ！！

見逃せだと！！

きさまはよく自分の

立場をわかって

おらぬようだな

今この場でひねり

殺してくれる！！

へ．．．．．へえ

ほんの出来心

どうかこのまま

お見逃しを

え～～～

つかぬことを

伺いますがあなた様

おひとりで来られた

わけですか？

ふん！！

あたりまえた

きさまごとき

オレひとりで

あまりあるわ！！

あたりには

だれも

いませんな？

おらん！！

だったら

帰んな！！

おまえじゃ

役不足だ！！

なんだそのロの

きき方は～～！！

許さ～～ん！！

なっ

帰れって

いってん

だよ

むっ！？

きさまらは

戦いに負けて

死にきれなかった

男達！！

両足の腱を切られ

ボロとなった者が

なぜ飛べる！！

オレはまだ

だれにも負けた

ことが

ないんでな

な．．．．．

なんだと！！

うっ！！

ぬくっ

くそっ

は．．．

ああ．．．

だからおめえじゃ

役不足だって

いったんだよ！！

おのれ

なにを

いうか！！

ふん！！

ぐあっ

はっ

あがっ

！！

ほ．．．！！ほくと

北斗！？

北斗琉拳

喝把玩！！

ほ．．．

北斗琉拳！？

琉とは輝く玉ノすなわち

北斗琉拳とはあらゆる

拳法のなかで唯一輝く拳

最強無比の拳法

なのだ！！

おおげ～！！

べやっ！！

さっ

行こう！！

！！

しまった

まだほかにも

いたようだな

北斗琉拳！！

修羅を一瞬に

して倒すとは

恐るべき拳よ

しかし

その拳

いつどこで

鍛練した

この国に住む

人間ならば

このオレの耳にも

入っているはず

天空に

北斗七星

輝く時．．．

なにい！！

羅刹と

よばれる男は

きさまで

あったか！！

フ．．．

そうだ！！

されば

修羅を喰う

獣と恐れ

られ

行方不明と

される

村の長達

村を与えられた

修羅どもを

この世から消した

のはこのオレだ！！

ザッ

どうした

？

み．．．三日前に

羅刹が現れて

この地を

治める

修羅様を！！

そ．．．それ以来

足も動かずに

口もきけずまるで

石のように！！

そ．．．そして天空に

北斗七星輝く時

死ぬといい残して！！

羅刹！？

おあか！！

げがげが！！

こ．．

これは

北斗神拳

奥義幻闘壊！！

しかしこの拳は

なにかがちがう！！

よくぞ今まで

その正体を

隠し通した

な．．．．．

しかしなぜ

正体をさらす

ような危険を

おかしてまで

このようなことを

この女が

ほしくなった

のでな

フ：この国では

強ければよい

罪は問わぬ

よかろう

その女は

おまえにやろう

しかも北斗琉拳を

使うと聞けば

この地をおさめる

郡将として

おまえにも名を

許さねばなるまい

なんなりと

名のるかいい

フン

オレの名は

はじめから

決まっている

なんだ！？

シャチだ！！

鯱か．．．

いい名だ

それと

もうひとつ望む

ものがある

ほう欲が深いな

いってみろ！！

オレの正体を

見たきさまの

首だ！！

．．．羅利

鬼を喰らう魔物が．．．

修羅狩り序章／ｃ

いったい

何を狙って

修羅を

喰らう．．．

オレの首！？

フフフ

フハハハ！！

この郡将

この君将カイゼルの首を取るというのか！！

いうのか！！

修羅狩

修羅狩り月

ははは

面白いオレは

そういう男は

嫌いではない！

だが

うぬにその

拳力が

あるかな

この郡将

カイゼルに

一対一で戦う

資格がな！！

殺！斬！！

フ．．．．．．

さがっていろ

まあ

準備運動

ぐらいには

なろう

このふたり

今までと

レベルがちがうぞ

見事このふたりを

倒してみよ！！

対極につき

ふたりは同時にでる！！

やつらの個個の拳の疾

て間合いは決まる！！

こっちか！！

ほう．．．

あのふたりを

同時に倒すことは

不可能と見て

間合の

一瞬の差を

見切り一方の敵に

背をさらすとは！！

あ！！

あが

ああか．．．

う！？

ぐ．．．

はああ！！

うくく．．．

修羅の

うしろに道は

ない！！

は！！

はわ！！

愚か者め

が！！

あわああ！！

か！？

か！！

ははしゅ

はしゅしゅ

はしゅ～！！

肋骨か

このオレは

血一滴流さずに

一瞬にして敵の

内腑をひき

ちぎることが

できる！！

ふえ〜っ！！

そうだ！

味わって

みるか

わが拳＿孟古流

妖禽掌！！

喰いつくして

やるわ！！

きさまの

存在ごとな！！

その意気や

よし！！

久しぶりに

わが体が喜びに

ふるえるわ！！

はあああ

ひとつだけ正直に

答えい！！

なぜその女を

奪う！！その女は

与えるといって

おるのだぞ！！

オレの狙いは

この女を追って

来る男！！

なにい！！

女の．．．

たかが女のために

この修羅の国に

追って来る男が

いるというのか？

この国の

人間には

判るまい！！

男は

男はおのれのためにのみ生きず！！

生きず！！

はっ

はっ

はあっ

あっ！！

ぐくっ

なぜ

修練場を

逃げ出した

この国の

男ならば

１２歳になると同時に

修羅をめざさねば

ならぬ！！

クッ！！

いやだ！！もう

あそこには

戻らない！！

ほう

臆したか

ちがう！！

理由のない戦いは

したくないんだ

オレの最初の

相手は

親友だ！！

親友をどうして

倒せる！！

マオレは憎しみの

ない戦いは

できない！！

邪宗の家に

生まれたガキの

ようたな

修羅の道を

拒むものあれば

その一族すべて

この世から消さねば

ならん

な．．．．．．

ならばオレは

あんたたちを

倒すそれなら

戦える！！

フッ．．．

まだ

這いもできぬ

赤子に何が

できる！！

いやー

こんな夜は

やつが出るというぜ

早く片づけ

ちまおうぜ！！

ああ！！

はぐっ

このような者は

ひとりでも育っては

ならぬ！育てば

この国の災いとなろう

しかし、

いやな夜だぜ

やけにあの星が

ギラつきやがる！

ぬん

はっ

なに！！

確かに今

恐るべき

殺気が！！

ま．．．

まさか

やつが！？

うむ

オレも

感じた！！

はっ！！

も．．．もしや

きさまが

あの羅刹

か！！

．．．まあ

おまえたちが

死ぬことに

かわりはない

ぬぬ

きさまの首を

とってくれるわ

あたあ

ほぉあ！！

ぐは！！

うお

！！

こ．．．

これは！！

ほ．．．北斗．．．

あ．．．あなたも

北斗琉拳を！！

北斗琉拳．．．

おまえは

北斗という拳を

使う男を知って

いるのか？

シャチ！！

名前は

シャチ！！

ンャチ！！

ボクの姉が

愛した人だ！！！

さいきょうけん

地上最凶拳！

章：／の巻

この国の男達の

目的はひとつ

それは

戦いに勝つこと

地上をうめつくす

修羅たちは

互いに命を

喰らいあう

どれだけ人を

殺せるか

どれだけ

自分が強いのか

だけど

何かがちがう

何かを

忘れてる

それは

何なのか

思い出せ

なかった

でも

姉は

知っている

ここです

狐虎！！

あそこにいるのが

わたしの姉です！！

ここは姉が

開いている私塾

です

修羅の修練場へ

連れて行かれる

前の子供たちの

ために

愛！？

愛ってなんですか

ぼくははじめて

聞いた

もしお友だちや

好きな人が死んだら

哀しいでしょ

うん

その心は

だれが教えた

ものでもないわ

生まれた時から

だれもが知っている

決して消すことは

できない心

たとえどんなに

人殺しや

裏切りが

あっても

人が最後に

安らげる場所

それが愛なのよ

ん

ふー

ぼくも

ここで教わり

ました

そして今は

姉のいうことが

真実であることを

確信しています

しかし

哀しいことじゃ

この国でいくら

愛を叫んでも

だれにも聞こえ

ない！

いやむしろ

愛を叫び

となえる者は

殺される

ここに

シャチは

いたのか？

ええ！！

だが今の

シャチは

昔ここにいた

シャチじゃない！！

北斗琉拳という

拳法があの男を

狂わせたの

です！！

虎背熊牙盗

修羅として

千八百勝！

このカイゼルの拳

きさまには

見切れまい！！

フ．．．．．

たしかに

郡将だけの

ことはある

ようだな

わが北斗琉拳も

ちょうどサコの

修羅は喰らいあきて

いたわ！！

ふん．．．ならば

その北斗琉拳

見せてもら

おうか！！

やつの

手の動き

これさえ

封じれば

っ

は．．．速いな！

な！！

フッ

どうした

はあ

ならば

足か！！

ふ！！

うくく

手の次は足か甘い

読みよ！きさまの拳

ごとき見切る

までもない！！

このカイゼル様と

戦うには百年

早かったな！！

姉さー

この人が聞きたい

ことがあると．．．

シャチという男

シャチ！？

その男が向かう

地に心当りが

あるなら教えてほしい

もし

あの男を殺すことが

できるのなら

教えてあげま

しょう

ね．．．

姉さん！！

それは．．．？

北斗琉拳は

とてつもない

拳法．．．あれこそ

まさに地上最凶拳！！！

もしかしたら

この国を奪いとるほどの

しかしそうなったら

今以上の悲劇が！！

さあどこを

抜きとってほしい

心の臓か

肺腑か．．．

背骨か！！

そこだ！！

今だ！！

な．．

なにィ！！

ぐああ！！

ああ！！

へへへ．．．

フフ．．．

肋骨一本で

腕一本か．．．

ぬぐぐ！！

き．．．きさま

わざと死角をつくり

そこへ誘いこみ

肋骨を犠牲にして

この腕をとったか！！

そうだ！

それがどういう

ことかわかるか

きさまの動きは

すでに見切ったと

いうことだ！！

スー．．．

逃げるな！！

ああっ！！

いいか！

二度はいわぬ！！

今度逃げようと

したらオレは

女でも殺す！！

そ．．．そんな

この人に

シャチを殺せだ

なんて

愛を説く者が

なぜその男の

死を願う？

人ならば

愛を説きま

しょう

しかし

あの男の前では

悪魔でさえ

童子！！

ま．．．待って

姉さん！！

！！

ど．．．どう

して

姉さんは

ぼくに

ほほえんでは

くれないの

あなたは

シャチのように

なりたいといって

あえて

修羅に連れ去ら

れることをえらんだ

のでしょう！！

い．．．いや

ちがうしゅう

修羅の目を恐れて

不安の中に

生きるのが

いやだったんだ！！

は．．．はじめて

姉さんのいっていた

ことが

わかったんだ！！

だ．．

だけど

友達を

殺せといわれた

時．．．

お帰り

タオ！！

姉さん！！

タオ．．．

かつてシャチを

愛した

わたしたち

だけは決して

同じ過ちを犯しては

ならないのよ．．．

レイア様

～！

シ．．．シャチが

姿を現し

ました！！

え！？

リ．．．リンという

他国の女をさらい

今郡将と戦いを！！

リンを！！

おれは

その女を追って

この国へ来た！！！

知っているの

ですか！？

北斗を冠する拳

やはりこのおれを

引き寄せたか！！

肋骨一本

奪うために腕一本

高い代償だったな

カイゼル！！

ひとつ！！

まさに

鬼を喰らう

羅刹よのう！！

だが

きさまごとき

片腕一本で

充分！！

このカイセルが

なぜ郡将という

称号を与えられて

おるかきさまに

思い知らせてやる！！

きさまの拳は

見切っている

北斗琉拳ぞんぶんに

味わうがいい！！

それは

こちらとて

同じこと

よ！！

いくぞ！！

左拳！！

なに！？

右脚

八就！！

う！！

ぬく！！

ハッ！！

フン！！

ぐ！！

フ．．．

ムダだ！！

きさまは

攻撃に転ずる

時すべてに

クセがある

オレは

そのクセをすべて

見切っているのだ！！

わが実戦の拳の

前ではにわか

仕込みの拳など

通用せぬ！！

フ．．．さすがに

千八百勝の

修羅よ！！！

くらえ～

孟古妖禽掌

伐陀羅！！

でやっ

はっ！！

かかった

！！

うっ

ゲェ！！

はあっ

ぐはあ．．．

ぬうああ

破摩独指！！

ぶうっ

がか～！！

フ．．．こん

殺しても

おらぬのに

勝利を確信したが

おまえの油断よ！！

油断すれば

不意の攻めに

無防備な受けの

構えに転じ

スキをつくる！！

ましてや

致命的な

古傷を攻め

られればな

オレが

なにゆえボロと

なっておまえの

そばにいたか

わかるか！！

な．．．なぜ

そのこと

を！！

その弱点を

読むためよ！！

おのれの甘さは

あの世で

悔いろ！！

今一度

気をこの指に

込めればきさまは

終わりだ！！

ぬうう！

噴破！！

ぐはあ！！

フ．．．みごとだ

だ．．．だが

この郡将

カイゼルを倒して

何を狙う！！

修羅を

喰らいつくして

神にでも

なろうというのが！？

それ以上！！

神こそわが

しもべよ！！

フ．．．

バカな

このオレを

倒したぐらいで

何をほざく！！

知らぬわけでは

あるまい

この国に三人の闘神と

あがめられる羅将が

いることを！！

そ．．．それに

この胸の古傷を

あたえたのは

羅将のひとり

ハン！！

オレはこの傷を

うける時やつの

拳すら見ることが

できなかった

お：おまえごときに

倒せはせぬ！

だからこそ

この女を

奪った！！

ケンシロウという

男を捨て駒として

その羅将どもに

ぶつけるために！！

羅将ハン！？

羅将ハン．．．

ハイ．．．

もしシャチが

あなたを誘うために

女性を奪ったのなら、

きっと羅将ハンの

もとへ！！

オー！

どうした？

このオレに

スキあらば

いつノドを

掻き切っても

よいのだぞ

サ．．

ーっ

ーっ

はーはー

ハ．．．ハン様

あなたはそうやって

なん人の修羅を

殺してきたのですか！？

百人から先は

おぼえて

いない！！

電子書籍版

原作：武論尊

漫画：原哲夫

◎武論尊・原哲夫／ＮＳＰ１９８３

版権許諾証ＧＰ－２１２