フリージア〈竜馬〉の

愛蔵版〉《

フリージア愛嵐

愛蔵版・1の

フリー

...

(愛蔵版)

...

...

松木次郎

第10話

第9話

いえ、

いつもの

第8話10

第7話当日当米・

日本

業務上傷害:

第11話で

ええ

それは、

第12話前に

ミントが

第7話

君は..

あの時の...

思い出した

かしら?

叶君。

なん

だか、

拍子抜け

だな。

僕が労力を割いて

知りたがって

いた事が、

こんな

些細な事だった

なんてさ。

女性に

とっては

深刻な問題よ。

一応。

興味

ないね。

僕になんの

関係があると

いうんだ。

いちいち

他人事に干渉

しているほど

ヒマじゃないよ。

大人

なのねェ。

別にあなたが

どう思おうと

私は構わないわよ。

私も

他人の事

干渉するの

キライだしね。

あと一つ、

聞きたいん

だけどね。

何?

どうして、

僕に目を

付けたんだい?

建前以外にも

理由がありそうな

気がしたんでね。

フフ...

あなたは

ね...

似てる

のよ、

私と。

似ている?

僕が?

初めて、

叶君に

会った時、

そう

思ったの。

直感

だけどね...

いやいや

みなさんは、

つらい時...

悲しい時...

力になってくれる

人がいますか?

幸福を求め、

生きる

権利は、

人間一人一人

誰しもが

生まれながらに

持っているものです。

でも、

もし..

その権利を

誰かに奪われて

しまったら...

エーーン

その時こそ勇気を

持って私どもに

ご相談

ください。

豊かな経験を

活かした

優秀なスタッフが

あなたの力に

なれるはずです。

すべての人に

平和な社会と

豊かな暮らしを、

カツミ

敵討ち代理人

事務所からの

お願いです。

どーですか?

SAMPLE

お客さん。

このCMは、

我が広告代理店が

総力を挙げて

制作した

自信作

です。

どーと言われても

ワシはこーいうのは

よくわからんな。

なんとか

様様のCMに

似てねーか?

誰なんだよ、

あの女は。

最高

っす。

感動

したっす。

コレでいきま

しょうよ、所長。

コレしか

ないっす。

なーにが

幸福な社会と

豊かな

暮らしだ。

陳腐だ

陳腐。

誰も、

ンなもん

願ってねーよ、

アホ。

あー

そう?

こーゆーのは

女性受けが

大事だしな。

ヒグチ

どう?

いーんじゃ

ないん

ですか?

別に...

んじゃ...

まぁコレで

いくか...

ありがとう

ございます。

あれ?

そう言えば、

叶さんは?

遅刻かなぁ。

めずらしいな。

...

僕が..

寝過ごす

なんて...

あん。

あ。

何よ、ヒロシ。

まだいたの...

あん。

てっきり

もう出掛け

てんのかと。

寝過ごし

たんだ。

へ...へへ...

ヒロシに

しちゃ

めずら

しいな。

あ。

ゴ...ゴハン

食べてくの?

あ。

あ。

いいよ、

自分で

するから。

健康維持に

朝食は欠かせ

ないんだ

あん。

ぐはぁ。

あ~~

いく。

いく。

スズズ

次のニュース

です。

はっ。

ふっ。

先日の

十六か所に及んだ

燃野に関する

ニュースです。

爆撃のあった

政府ビル

前からの

中継です。

本日も朝から

犠牲者の冥福を祈り

花束を手向ける、

人々の列が

途絶える事なく

続いています。

中にはその場で

泣き崩れる

女性の姿も..

広瀬さん

聞こえて

ますか?

はい?

現場に行ってみて

どのように

感じられましたか?

そうです

ねェ。

悲しみと

怒りで言葉に

なりません

でも私達は

この試練を乗り

越えていかねば

なりません

そして

この闘いに

勝つ事こそ、

犠牲者に

対する

供養なんだと...

...

我慢できねェ。

はあいい

私も、もう

あふれる涙を

とめる事が

できません!

何、

アレ。

民兵が組織

されたんだよ。

市街戦の想定で

演習でも

するんだろ。

スゴイ!

本物の

銃だ。

ヒグチと

出掛けてから、

どうも

調子が

おかしいな。

謎がひとつ

解明されたと

いうのに...

今日は

変道から

行こう。

彼女と

会う時間が

ないな。

ただの思い

過ごしなら、

彼女と

また相談

しなくちゃ...

いいん

だけど...

おい。

ぐ。

待て!

コノヤロウ

通行料払え

コノヤロウ。

チャキ

殺すぞ

コノヤロウ

ぐ。

ニン・

あ。

あ。

ヤラ

どういう

ことなんだ。

どうやって僕に

気付かれずに

近付いたんだ。

答えろ。

ごめんなさい。

コノヤロウ

勘弁して

ください。

コノヤロウ。

.....

違う。

こいつが

気付かれずに

近付けたのは..

僕がまったく

反応できなかった

からだ。

僕の感覚が

鈍くなって

いるんだ...

やはりただの

思い過ごし

なんかじゃない。

スゴイじゃん、

ヨシ君。

これ全部

ヨシ君、

作ったの?

ずっと学校

休んでたのって

コレ作って

たんだー

いや...

なんつーか

テーマは...

好きな人に

捧げるみたいな

感じて...

.....

今、聴いて

いい?

うわっマジで!

やめてユキコ。

恥ずかしい

からっ。

なんつって。

ベキ

頼む。

ダーメ

聴いちゃう

もーん。

あっ

いいじゃん。

「ゆず」

みたい。

校舎のく裏で!!

君を待っていたラストサマー

自転車にのった

君のカケボーンすら

ふふあかよ来ないよ

次には~~

見う事しかっ

できないから~

......

ユキコ...

君の

ハートをうばいに

ゆくのさ

いっかわかり

言えるトッゲ!

トゥモロウ~

あら。

遅いじゃん。

会議

始まってるわよ、

叶君。

もう来ないんじゃ

ないかって、

心配して

たのよ。

なぜ

来ないと?

........

なんと

なくね。

でも、叶君が

遅刻だ

なんて。

めずらしい

じゃない。

何か心境の

変化でも...

あったの

かしら

......ねェ。

.....

別に。

おぅけ、

昼出勤

とは、

いい身分

じゃ

ねェかよ。

三日に一回

遅刻してるおまえが

よく言うな、

薄口よ。

え?

うるせェ。

んな事より

ちょっとした

不祥事が

あってな。

なんだよ。

もうニュースで

やってる

かも知れん

もったい

ぶってん

じゃねェよ、

おやじ。

国会

やってるよ。

査問会

かな。

敵潜水艦に

やすやすと

防衛ラインを

突破され

このような被害に

及んだのは

あんたらの

危機管理の

いい加減さに

よるものでは

ないんですか

内閣総理

大臣。

まあ

いいや。

問題

起こしたのは

西山事務所の

執行人なんだよ。

ぐ。

ブヒ。

てめェ

鳥山ァ。

執行中にほかの

市民の住居への

侵入は違反だぞ。

第六十四条

八項だ。

ひィ。

待て。

ブヒ。

西山事務所の

メンツに

かけて。

おまえを

討つ。

ドサ

え。

ユ...

今こそ伝えるようなに

この気持ちをして

ユキコ

大好きだよ!

一日本人

有事において犠牲者をゼロに

する事は不可能であります。

まず、その事を国民に是非

理解していただきたい。

フザケ

るな。

総辞職だ。

総辞職!

しかしながら最小限の

犠牲に抑えるために

私は常に最大の

努力をしております。

おまえが

死ね。

ーッ

ター

ヘッハッハツ。

最っ高に

笑える!

ハーッハッハツハ。

笑ってる

場合か。

あの惨事が

最小限の

犠牲だと

言うんですか。

詭弁だ!

代理人の

執行中の殺人は

事故扱い

だからな!

ヘへへへ。

敵討ち法に

適応される心配

ねェよなー

執行人の免許は

剝奪されるかも

知んねーケドな

バハハハ。

そいつは

協会の

審議会が決める

事だよ。

まぁ不幸中の幸い

マスコミは爆撃の

ニュースで

手いっぱいだ。

が、おまえたちも

気を付ける事だ。

私生活でも

だぞ。

電車で

痴漢とか

すんなよ

どんなとこから

マスコミは

突っ込んでくるか

わがらないからな。

くそ...

今日は

不調だわ。

高い金出して

情報屋から

仕入れ

たんだから。

十二年前の

強盗放火殺人で

子供人が

ちゃんと

いい仕事

取らなきゃな。

職業は...

塗装工...?

何よこれ

ダメじゃん。

つぎつぎ。

あっコレ

いける。

大手

先田レストラン

チェーンの

オーナーの奥さんが

強姦殺人で死亡か...

年収は...

あ、初めまして

私、カツミ敵討ち執行

代理人事務所の

ヒグチと申します。

...ええ、そうです。

先田吉三さんで

いらっしゃいますね。

少しの間、お時間

よろしいでしょうか

そう

ですか。

それでは

気持ちの整理が

付きましたら

ご連絡くださいー

はいー

つぎ、

つぎ...と。

お母さんと

お父さんは

いるー?

ママ

ちこっ

だいひにん

じむしょって

ヒトからだよ

何が敵討ちだ。

遺族の気持ちも

考えないで。

やっと

忘れかけて

いた時なのに。

キ...

先月に

横田事務所と

契約しちゃったん

ですよ

つぎ...

あーそうですか、

うまく行く事を

お祈りしていますー

はい

つぎ、つぎ。

ご遺族のお気持ちを

家するとこのままでは

あまりにも無念と

思いまして..

連続保険金殺人

ですから、これは

執行を許可されると

思います。

ほかのご遺族の

方々とも連絡を

取ってみますので

.....はい...

是非とも我々に

お力添えをさせて

頂きたいと..

はい。

山田さん。

何、やって

るんですか?

会議は終わり

ましたよね。

ここのカギ

しめたいん

だけど。

いっぱい

死んだみたい

ですね...

この前の

爆撃...

夜になって

広場ではこのビルで

死亡した方々への

追悼の意を込め、

人数分三八〇本の

ろうそくに

火がともされて

います。

なんの罪も

ない人が

こんなに

殺されて...

敵勢力は

ぜったいに報いを

受けるべき

ですよねェ。

みなさんは、

つらい時

悲しい時、

力になって

くれる人が

いますか?

叶さん、まだ

見てないでしょ!

早く座って。

超いい

ですよ

コレ。

豊かな経験を

活かした優秀な

スタッフが、

あなたの力に

なれる

はずです。

フフフ...

それにしても

いいカモが

釣れたわね。

これでまた...

忙しく

なるわ。

いいか、

渡世で生き残り

たきゃな。

これは、

あれはそうだな。なんだかわからないのですからここまではあったの

いらっしゃるといいますからお客さまがあるのですが、

このキャッシングなどは、仕事内容を変えていることができないのですが、

これはもちろんなことを知っているのですが、

はははあははもしかもしれませんでしたが、

そもそもこれもあるわけではありませんが、実際の住所です。

自分よりガタイの

でかいヤツに

ケンカを売らねェっ

て事。

自分の実力じゃねェ。

自分のうしろにいる

ヤツの実力で、

勝負ってのはなー

決まるんだよ。

ネゴシエーション

第8話

アニキの話は

勉強に

なるな

それにしても

よく

降りますねェ。

まだ

ヨシエさんと

続いてん

ですか?

そうです...とかます

愛人のとこの

犬がかわいく

ってよ。

毎日、三回散歩

させねェと

怒るんだよな。

犬めあてで

女のマンション

行ってんですか?

アニキ。

女なんてのはな、広川

すぐあきるんだよ。

特にヨシエみてーな

アホ女はな。

犬は

かわいがれば

かわいがるほど

愛着がわくんだ

そんなもんす

かねー

ガキなんだよ

おまえはよ

新田、おまえも

早く女、作れ!

犬飼ってるのをな。

ひゃは。

あのー

隅川栄一さん...

ですねェ。

執行代理人?

隅川さんに対して

十五年前の保険金殺人で

殺された被害者の

ご遺族からの依頼で、

このたび私ども

カツミ事務所が

代理人を請け負う

事になりました。

その旨と執行に

あたっての詳細に

ついてのご説明に

参りました。

どうぞ、関連の

書類です。

突然で

すみません、

こんなところで。

なにぶん、

隅川さんの

居場所がなかなか

つかめなくて。

おい、姉ちゃん

はよ、水持って

こんかい。

ひ。

いつまで

待たせ

とんじゃ。

まーったく

サービス悪い

店だよなぁ

ねーちゃん。

...ヒグチです。

やれやれ

何かと思ったら

敵討ちですか。

執念ブかいねェ。

もう済んだ話じゃ

ないですかー

まぁ、敵討ち法の

おかげでムショも

早く出られたんだ

けどね。

ムショがいっぱい

なんで早く出てって

欲しい。そのために

作った法律でしょ、

しょせんは...

そーんな事

よりさぁ

お姉ちゃん。

ヒグチです。

あんた...

犬、

飼ってる?

...いえ

それが

何か?

本当に?

そうですか、

そりゃ残念。

そーいや、

二年前にも代理人

事務所の人が

来ましたよねェ。

ええ。

俺らがビルに

立てこもって

闘うって

息まいてたら、

候補からはずれ

ましたね、

ヒグチさんは。

代理人の人たち

ビビッて

取りやめになったん

ですよねェ。

だから、おまえは

ガキだってんだよ、

広川。

そうやって

もめてる間に

組長が知り合いの

代議士先生に

事務所と話つけて

もらったんだよ。

か〜〜〜

つまんねェな。

銃ゲキ戦

したかったな~~~

ご心配には

及びませんよ。

ウチは一流ですから

今まで一度も

そのようなお客様の

依頼を損ねた事は

ございません。

......

へえ...

つきましては

今日はサインで

結構ですので..

何が敵討ちだよ、

コラ!

フザけんじゃ

ないぞォオ!!

なんでだけど

...

いやいや...

うん...はあっ

広川ァ!!

う...

隅川さんに

迷惑かけん

じゃねェ。

だ、だ、大丈夫

ですか?

ヒグチさん。

部下が

とんだ

不始末を...

......

どうぞ、法的に

訴えてもらって

結構です。

できるだけの

謝罪はする覚悟で

いますから...

大丈夫...

です。

本当に大丈夫ですか?

本当に大丈夫

ですか?

震えて

ますよ。

心配なん

ですが...

大丈夫

ですよォ。

ホントに。

自分の手のうち

しゃべりまくってて

おかしかったですよ。

以前、代理人事務所に

あきらめさせた事が

あるみたいで...

妙な自信

ついちゃってる

のね、きっと。

青田さんの

とこですよ。

あそこは弱い

ですからねェ。

どこの

事務所?

うちも似た

ようなもんだろ。

何、言ってるん

ですか!

カツミ所長はパイプが

あるんでしょ、上と。

おい、ちょっと待て!

また、俺

使う気かよ。

いつも所長

言ってるじゃ

ないですか。

戦争はドンパチ

やる前が勝負

なんだって。

優秀な兵隊には

よい環境で闘って

もらわなくちゃ。

あのなぁ。特例措置は

いろいろ面倒だから

オカミもなかなか...

あ、もう家着くので、

話は明日、

事務所で...

おい、

ちょっと待...

...ちっ。

フッ

優秀な兵隊と

きたもんだ。

ただいまー

ヒャン

おなか

減った

よねェ。

ヒャン

すぐエサ

あげるから。

...いや、

...ここはさっき

興味したねんだ。

たまには

想像も...

ヤバボーミド

〈小盤〃犬〉

いる時は

ちゃんと電話に

出てね、

お願いだから。

パク

初めてですから、

ガサゴン

はじめまして

私、カツミ敵討ち代理人

事務所から参りました

ヒグチと申します。

まぁ、敵討ち法の

おかげでムショも

早く出られたんだ

けどね。

あんた...

犬、飼ってる?

か~~

つまんねェな。

銃ゲキ戦

したかったな~~

キュ

ふう。

えー、そういうのですか

お問い合わせで

お「お問い合わくから

...いえ

何が敵討ちだよ、

コラ!

ガシャン

フザけんじゃ

ないぞォオ!!

フザけんじゃないぞォオ!!

しかし、

ウス気味悪い

女だったス

ねェ。

あの目

見たかよ。

ぜんぜん

こたえて

ねーぞ。

代理人も商売なんだぜ。

面倒くさいヤツを

相手にして

られるかよ。

敵討ちっスよ。

ヨシエさん。

やだぁ

コワ~~~

危険を事前に

察知する事も

大事だぜ。

ねェ~~~

もう一杯飲んで

いくい?

栄ちゃん。

必ず

そのシグナルが

あるはず

だからな。

アニキほど

抜け目ない人なら

大丈夫っすよ。

あ。

おしっこ

もれちゃう。

オメーは

ガキか。

いざとなったら

俺、アニキと

闘いますよ。

なんだよ。

アホ女か...

命かけて

アニキ

守ります。

口だけだろ。

おう。

ごくろー

さま。

まじっす

よォ。

アソコにマイクが

あたって痛かったん

だから

でも、

隠すトコ

ほかに

ないしね。

栄ちゃんの話

どうちょうして

どーすんの?

フツーの

話だよ。

いいの、いいんの。

君にも隅川さんにも

迷惑かけない

からさ。

約束だよォ。

栄ちゃんに何か

あったら、ヨシエ

かなしい...

大丈夫だよ。

それよか、前回までに

やってもらった分も

合わせたバイト代な!

人には

言うなよ

あと

十日ぐらいの

間は、な!

うん。

言わない。

今度、これで

栄ちゃんに

マフラー買って

あげよーっと。

とりあえずよ。

また組長に

言わなきゃ。

ガヤガヤ

おい、ヨシェ

ポッキー持って

こいって言った

だろ!こりゃ

フリッツだぞ。

ピコ

以上です。

ここに記載した

資料と照らし

あわせてください。

隅川栄一に対して

特例措置を適応する

条件に

十分当てはまると

思いますが..

先にも述べた

ように彼には

執行を免れた

過去があります。

今回もまた

同じ事が

起きては

内外に示しが

つきません。

ひいては

治安国家と

しての

尊厳が...

いや、君の弁は

説得力

あるけどね。

提出された

モノの大半は

ヨタ話の延長じゃ

ないかね。

あまり特例措置の

前例がなく、

軍の徴用など

デリケートな

問題もあります。

しかし、

臆していては

何事も

前進しませんよ。

いや、臆している

とか、そーゆう

問題では...

そーゆー

問題なのでは?

な、

なん

だと!

少数とはいえ

こーゆう問題には

口うるさい団体や

政治家も

いますしねェ。

臆する気持ちも

わかるという

事ですよ。

キサマァ!

私が保身で

判断してると

思っとるのか。

法務官殿~~~

お電話です~~~

あとにしろ!

あとに!

あとにしろと

言ってるのが、

聞こえん

のか?

これは

先生ー

どー

どー

ーそ

ーも。

はい

はいー

いま、

ちょうど

はい。

そのように

善処

いたします。

ケ。

はい

また、

散歩?

ヨッシーは

三回ちゃんとしないと

怒るからな。

ねェ〜〜ん

早くしなよォ。

すぐ戻って

きてよォ。

私、ガマン

できないよ。

ホレ

いくぞ。

もう

マフラー

買って

あげないん

だから。

はっ

はっ

あれ?

広川と新田が

いねェ...

車おいて、どこ

行きやがったん

だよ、まったく...

しょーがねェな、

あいつら。

ボディー

ガードに

なんねェじゃ

ねェかよ。

ばふ

ばふ

わかったよ、

いま、クサリ

はずして

やるから..

あとで棒も

放ってやる

からな。

あんまり

遠くへ

行くなよ。

うひょ

うひょひょ

吉井組長に

電話しとく

か...

大丈夫とは思うが、

代議士先生に

ちゃんと話して

くれたか...

確認しとか

ねーとな。

フルルルハル

がチャ

はい、

もしもーし。

...隅川?

ブルルルハルル

もし

もし?

隅川

返事しろ!

動くなよ。

確実に

死ぬぞ。

ど...どこの

組のもんだよ。

わが国最強の

暴力団だよ。

ミサイルだって

持ってん

だからな。

軍隊...?

なんで...

てめえは

自分より

ガタイの

でかいヤツに、

ケンカ売った

って事だよ。

それは、これからの

今日はアルビオリの

隅川に

対して...

特例措置が適応

されたそうだな、

吉井。

...

はい。

先生のほうから

連絡が

ありまして...

不意打ちです。

おまえ...

少し考えが

甘かったな。

先方の事務所は

優秀だよ、吉井。

向こうは軍隊が

ついとるんだ。

したばたしたって

始まらんぞ、

吉井。

事務所に

押しかけるとかな...

幼稚な事

考えちゃいかんよ。

警察が喜んで

おまえの家に

上がり込むだけ

だからな、吉井。

これは面子の

問題だ、吉井...

隅川のタマなんぞに

ワシは興味ないんでね。

このおじゃま

プヨプヨが...

ウチの組が笑いモンに

されるのだけが、

我慢ならんのだ、

わかるか?吉井。

はいー

申し訳

ありません。

オバQみたいな

ヤツは強いな、

しかし...

...

まだまだ

序の口

ですわよ。

なっちまった

もんは

しょうがねェ。

あとは隅川が

殺されんように

するだけだ

吉井。

...と

申しますと...

アホ、

警護人を

つけるんだよ、

吉井。

しかし、

すでにその

手続き期限は

過ぎてます。

隅川は舎弟の

広川と新田を

警護人に指名

してしまって

いるんです...

その点は

お任せください。

すでに変更の

ための手続き

準備ができて

おります。

そいつは

うちの

弁護士だよ。

その調子ですわ、

会長。

組の傘下にある

警護人事務所から

一人選んどいたよ。

たった

一人?

しょーがなかろう。

彼は一人でないと

仕事、受けんと

言うからな。

心配すんな。

腕はたしか

だからよ、

吉井。

さっきからな...

おまえのうしろに

立ってるぞ..

吉井...

は?

...うそォ。

まいったわね...

隅川は警護人を

一人つけたわ。

パサ

敵さんの情報網も

あなどれないわね。

特例措置の認可に

多少時間がかかってる

スキに手続きされたのよ。

どーせ、また

ウチが買収して

追い払うんでしょ、

いつもみたいに...

うそ...

ヒグチさんよォ。

ヒグチさんよォ。

その警護人

どこの誰よ。

その警護人どこの誰よ。

買収はきかないわ。

隅川の組と同じ

傘下にある事務所

だからね

月山事務所の

立花星一よ。

この業界

じゃ、

〝幽霊〟と

言われてる

男よ。

.....?

ゆーれい

あいつは、

人間じゃ

ねェんだよ。

勝てる相手じゃ

ねえんだよ。

命がいくつ

あっても

足りやしねェぜ。

俺は

このヤマ

降りるからな。

ご、こ、こっちは

叶さんだって

いるし...

今日は

休みだけ

ど、彼。

大丈夫っす

よォ。

そうか、

その手が

あったな。

いい

アイデアだぜ。

幽霊なら

叶の野郎...

殺せるかも

しれねェ。

第9話

おおおっ!!!

18時3分、世の日宅

また、

幻聴だ。

この電話の

音は幻聴なんだ

その証拠に

誰も出ないじゃ

ないか。

ケイコは、

どこへ

行ったんだ?

君は誰だ。

こんな朝から

一体なんの用が

あるって

言うんだ。

何をしてるの?

叶君。今日は

執行日なのよ。

急いで事務所に

来て!今日は

遅刻するワケには

いかないのよ。

君は...

誰なんだ。

言ってるの?

フザけないで!

名前を

言うんだ。

君には

名前があるのか?

...ねぇ

よく聞いて。

今あなたの話に

付き合ってる

ヒマはないのよ。

それに、そこにいても

探してる答えは

見つからないわ。

あなたと私は

似てる人間かも

しれないケド、

あなたほど

ヒマじゃないのよ。

わかるわよねェ。

時間が

ないわ。

早く来て。

そうだよね

忘れてた

......

真相の

追究には

危険が

伴うんだよ。

ああ。

仕事に

行かなきゃ...

わかってるよ。

同時刻。某駅前

今日は夜

会えないのね、

一郎。

いつも悪いなぁ。

送ってくれて、

花ちゃん。

メールしても

大丈夫?

ああ...うん

たぶん。

いーのい!の

どーせ出勤の

ついでだし...

仕事が早く

終わればね。

週末はちゃんと

空けといてね。

パパに一郎、紹介

する日だからね。

う...

さんちょー

するな...

国民の

皆様、

おはよー

ございます。

こちらは統一アジア

反クライスト

戦線推進会です。

こそ団結の時!

銃後の皆様の

戦意高揚キャンペーンと

銘打って

遊説に参りました。

今日は

後援会員で

あらせ

られます...

タレントにして

議員としても

ご活躍中のウッシー

小山さんにお越し

頂いております。

なんだか

物騒ねェ。

物騒ねェ。

こっちは

仕事

なんだよ。

どーぞ。

困っちゃっ

たな

モー

あ、もー

行かなきゃ

ヤベェ。

うん、

気を付けてね。

まじ

すげー

戦争は体力です。

モーレツに体力です。

皆様、牛乳飲みましょう。

私も毎日、

乳飲んでます。

つっても

うちのカミさんの

乳ですが..

カラさんが

元アイドルだか

らって目授すんじゃ

かェ

笑えねー

し..

あっ、

一郎

お弁当。

いけね。

ダメじゃん、

せっかく作って

あげたのに...

急いで~

あ。

...なんか

やな感じ

だな...

わはははほほんとは。

分高速12号線、

Andolight

すがすがしい

天気だな、

おまえたち。

人殺しするにゃ

もってこいの日だぞ。

すがすがしい

って

曇ってますよ。

てめェ

細かい事

言ってると、

フッ殺すぞ。

ガハハハ...

今日は八百長

じゃねー

本番の

殺し合いだ。

あとで後悔しねーように

今のうちに先輩の俺様に

なんでも聞いとけよー

なんでまた

何からこんなに

ハイテンション

なんだ...この人。

叶さん、殺すとか

言ってみたり...

どーかしてるよ...

ぐわははは

はははほは。

絶対

ヤバい...

もう少し

静かにして

くれませんか?

溝口センパイ。

あ?

何か

言ったか?

さっきから

電話の音が

鳴りやまないんだ。

みんなは

よく平気で

いられるな...

で...

電話って...

どこかに受話器が

あるはずだ。

そいつを

探さないと..

この電話は

切れないんだ。

わかるだろう。

わかんねーよ。

先日、都内で

敵討ち執行に

巻き込まれ死亡した

小田ユキコさんは...

クラスでも美人で

明るく人気者でした。

事件当日、彼女は

学校からの下校中...

安心しろよ

叶。

すぐに

鳴りやむさ。

コメンテーターの

方々にご意見を...

俺が保証

してやるよ。

幽霊に殺される

トコを見届けて

やるぜ。

なんとゆーか、

となりの女の子は

目線入ってても

明らかにブスですね。

そーゆー

コメント

じゃなくて...

テメエは今日の

仕事で死ぬんだよ。

「以上の規定を

満たしている事から

ここに特例措置を乙に

対し適応する事を

認めます。

法務局局長・新山一。

という事

ですので、

あしからず。

何かご質問は?

そ...そんな事

急に言われ

ても...

だいたい

ココ

ドコなんだよ。

特例措置法では

こちらの場所を言う

義務はありません。

でも、心配

いりませんよ。

基本的には一般の

敵討ち法と一緒ですから。

以前、喫茶店で

お話した通りです、

隅川さん。

それでは、

みなさんと協力して

頑張ってください。

では、

そろそろ時間

ですので..

ちょ、ちょっと、

ちょっと

待ったー

みなさんって

なんだよ。

お、お、俺も

入ってんの

かよ。

もちろん

ですよ。

だって、

対象者の

警護欄に

ちゃんと

署名して

ありますから。

いや...それは

兄貴が

勝手に...

おいコラ

おまえら...

...いや

ぼ、ぼ、僕も

勝手に書かれたん

だよォ。

みっともない

マネするな!

弁護士

さん...

おやっさんが

手ェ打って

くれたよ。

安心しろ。

ちゃんと

プロの警護人が

来てくれる。

腕は一流だ。

マジで?

んじゃ、

俺たちは

関係ないんで?

いや...

警護人は一人だ。

だから、おまえたちの

どっちかは隅川君に

協力するんだ。

え。

抜けるヤツは

ここに改めて

署名を...

どわあ。

離せコラ!

俺がサインを。

ハハハ、

見ろ!

コイツら

いでででてでて

アニキ、

これだけは

ゆずれねっス。

よんで

必死こいて

やがるぜ。

署名したぞ、

どーだ。

どう?

まぁ

いいで

しょう。

あ。

お...俺

おふくろが

病気でして...

俺に何か

あると...

その...

うう~~

うー

まぁ...

こんな

モンだろ。

何...

まだ死ぬと決まった

ワケじゃねェ。

まだ終わってねェ。

一段落した

ようですので、

私どもはこれで...

のちほど、

そちらの

警護人が...

ちょっと待ってよ、

姉ちゃん。

ヒグチ

です。

なぁ、

この前の事は

謝るよォ。

だから...

この前?

なんの事

ですか?

え?だから、

アンタに暴力

ふるったから

アンタ怒ってん

でしょォ!

頼むよォ!

あぁ。

もしかして

あの事..

いえいえ

こちらこそ

すみません。

何かきっと

気に障る事

言ったんだと

思います

いや...

そーじゃなくて

だ...だからー

私が至らない

ばっかりに

申し訳ありません。

どーぞ、お顔を

あげてください。

いえいえ

そちらこそ

お顔を...

このたびは本当に

ご迷惑をおかけ

しまして。どーか

平に平にお許しを..

すげー

田舎。

いつまで

やってんだ

おまえたち...

AM11時34分同村のはずれ

ここの住民は皆、

執行中は一時的に

立ち退くって

本当ですか?

過疎の村だ。

大した人数

じゃない。

それに村の

連中は

喜んでるぜ。

場所を提供すれば

国から村おこしの

復興援助金が

優先してもらえる

からな。

女子高生を

射ち殺した件も

あってな、特例措置を

一般の敵討ちに応用

するって話も出てんだ。

それでは

住民の皆様、

それぞれの

ご家族が

全員いるか

ご確認

ください。

忘れ物は

ございま

せんかー

ズズ...

特例措置中は

村への

立ち入りは

できませんよォ。

大がかり

だなぁ。

本当に

軍隊まで

狩り

出してる。

あの~

はい。

もしかして

敵討ち代理人の

方ですかー?

え...

はあ。

へえー

あなたが...

こんな村にいると

敵討ちなんて

見れませんから..

どんなイカツイ方

だろうと思ってたら、

随分と好青年

ですね~

いや、そんな

僕はフツーの

人間ですよォ。

あそこにいる

二人なんか

凄味ありますよ。

へえー

叶...

幽霊に

ついては

話したな。

今回の

敵だよ。

おまえに

うってつけの

相手だよ。

おまえ...

死ぬかも

知れねェな。

キキ...

その幽霊に

会った事は

あるんですか?

アホ。

会った事あったら

俺はもう

生きちゃいねェよ。

なんでも敵に

姿が見えねェ

そうだ。

おまえと

同じような

人間かも

知れねェな。

見えない訳じゃ

ないよ。

感じないだけだ。

人は皆

物を即物的にだけ

見てるんじゃ

ないからね。

その物か

発してる

信号を

見るんだ。

それが危険なのか?

安全なのか?

お寺感を抱くモノか?

恐れるモノか?

彼は意識を

変えることで

相手のセンサーを

くるわせるんだよ。

.....だから

何が言いたいん

だよ。

今なら彼を

殺せ

ますよ。

あ?

意図して

今、幽霊は姿を

見せていますよ。

きっと僕たちの

度量を測って

るんだ。

......

どこだ?

すぐ

後ろ

ですよ。

......!

な...

ダメだ。

こちらに

気付いた。

すぐに消えて

しまう。

ちっ。

山田のヤツ、

誰と

話してんだよ。

ゆう...

おお。

れい。

おい。

何を

している。

「PANAの

きゃあぁ。

かもしかも

ジャキ

ガチャ

え?

聞こえん

のか?

キサマ

何してる、

銃をおろせ。

執行前に

殺すと

殺人罪ですよ。

...

...な

なんす

あれ...

じーさんが

消えた。

銃の携帯

許可証を

見せろ。

へへ...へ、

気にすんな。

あんたが...

警護人?

執行まで

時間が

ないんでね。

早速、

段取りを

決めようかな。

ちょっと

待ってよ。

警護人って...

こんな小柄な

じーさん

一人かよ...

申し訳

ありません

ねェ。

年とると

なにぶん、

つるむのが

イヤになってね。

笑えねェ、

全然笑え

ねェ!

なんだよ、

おまえ。

フザけんなよ。

執行に際して

余計な威圧感は

邪魔なんでね。

アンタたちヤクザの

世界ほど、ハッタリは

通用しませんよ。

まぁ、今日の

アンタらは

ハッタリもない

ただの子犬に

見えますがね。

な...

なんだと

テメエ。

上等だ。

コノヤロウ。

テメエから

ブッ殺して

やる。

お...おい

広川...

お...

出やがれ!

この

この。

どーだ

この野郎。

一人で

何やってんだよ...

催眠術か...?

放っとけよ...

それよりアンタ

銃はもう支給

されてるよな。

よいしょ

っと。

あ...ああ。

使い方は

わかってる

よ。

そいつはありがたい

暴発でもされちゃ

かなわんからな。

ううああ

今回の相手は

手強いんでね。

万全を期したい。

勝てるの

かよ。

おっと

あぶ

さあな。

しかし、特に

注意しなきゃ

ならんのは一人だけだ。

そいつを

殺せば勝てる。

ヤツはこっちの

シグナルに的確に

反応してたよ。

あんなヤツは

初めてだ。

あんた...

随分、

不安そうだな...

まぁ、そりゃ

そうだろう。

アンタはマトモな

人間だからな。

おまえたちは

ほかの連中と歩幅を

揃えるための、

くだらん概念に

とらわれてるからな。

ヤツはその隙に

入り込んで

おまえを支配するんだ。

こいつは

ちょっとした

トリックでね。

たわいもないことさ。

だが、概念に、

とらわれてる限り、

絶対見破れねェ。

だから、

今からは

俺の観念に従え。

ヤツから逃れるには

それしか

方法がねェ。

...ひ..

俺の言う事が

すべてだ。

俺の考えが

絶対なんだ。

何も見るな。

何も考えるな。

わかるな、

わかってん

だろうな。

どーか

したか?

あ...いや。

あんたに...

任せるよ。

.ウユ

そいつが、

賢明だな。

対象者は

まだ

動かねェな。

今日は

ハードな

仕事になるぜ。

どっちみち

時間だ...

テメエら、腹

くくっとけよ。

執行開始

PM12時00分

第10話

仕事の

兄貴...

俺の事

キライに

なったっすか?

あ?

チキ

急だったんで、

混乱したっす。

だから、

あんな...

でも、もう

大丈夫っす...

俺、

兄貴のために

がんばるっす。

男、みせますよ...

ジャクン

すまんな。

こんな事に

巻きこんじまって。

大人になって

泣いたのは二回

だけですから..

『火垂るの墓』

観た時と今日の

二回だけですよ、

本当に...

...兄貴。

俺、泣いたのは

久しぶりっすから、

本当に...

こんな田舎でも

近頃は水洗に

なってんだなぁ。

ああ...

わかってる。

気にすんなよ。

さて...

そろそろ行くか、

フフフ...

今から

ここを出て、

裏山に入るぞ。

ついてこいよ。

裏山?

ゴソ

ここじゃ、

身動き取れねェ。

俺は、外のほうが

性に合ってんだよ。

おい、ジイさん。

銃は持ってか

ねーのかよ。

俺は

硝煙の臭いが

キライでね。

それに銃は

自分の居所を

教えちまう

からな。

おいおい、

素手で闘う

つもりかよ。

素手じゃ

ねェよ。

こいつを

使うんだよ。

おい。

おまえは

ここに

いるんだ。

あ?

執行人が

来たら、闘え。

俺たちが

山にこもる

時間を稼ぐんだ。

行くぞ。

対象者...

二手にわかれ

ましたよ。

見りゃわかるよ。

いちいち言うな。

こっちは...

う...

動かないんで?

黙ってろ。

幽霊は山に

こもる気だな...

どうする?

中と幽霊を二人だけで

対峙させるのが

ベストなんだが...

しかし万が一

中が死に損なった場合、

俺がトドメを刺さなきゃ

ならん可能性もある。

それにはまず

山田が邪魔だ。

あー

見失う

こいつを

離さねェと

面倒だな。

よし...

山田、おまえは

もう一人前だ。

はい?

おまえは

単独行動にて

家の前にいる

広川を処分

して来い。

教える事は

何もない。

え?

え?

え?

俺と叶は

幽霊と対象者を

追う。

ちょっちょ、

ちょっと

待って

くださいよ。

溝口

センパイ。

僕には

無理っス

よー

行くぞ、叶。

それにこの場合、

広川は放置して

対象者処分を

優先すべきですよ。

執行人規定にも

〝迅速にして

必要最小限の

殺傷行為をもって...!

テメエの

ウンチク

なんぞ、

聞きたくねーんだよ。

聞きたく

ねーんだよ。

いいか

よく聞け、山田。

世の中には

絶対的な

正解を、不正解も

存在しねェんだ。

あるのは

限りなく正解に

近いか、

不正解に

近いかだけだ。

絶対じゃ

ねェんだよ。

世界はな、

おまえの

思惑だけで...

動いてんじゃ

ねーんだぜ。

だ...

だから、

なんなんですかー

いみわかんねー

行くぞ、

叶。

どうした

..いや。

フフ、幽霊は、

なんで山に入ったか、

わかるか?

地図を

見てみろ。

この山のすぐ先は

軍に封鎖されてる。

それにトロい対象者を

連れて俺たちから

逃げる事なんて

無理だからな。

要はフクロのネズミ

って事だ。

そこで、作戦

だがな...

つまり、ヤツは

逃げるフリをして

俺たちを誘ってるんだ。

追っ手のつもりで

正面から行きゃ、

ヤツのエジキに

なるぜ。

俺は

迂回して

反対から行く。

同士討ちには、

挟みうちだ。

気をつけねェ

とな。

ハクシュ...

くそ...

さびィ。

なんか、人が来る

気配がねェな...

でも、三人

まとめて来るかも

知れねーんだよな。

ピストル

一丁じゃ、

足りねェな...

へへ。

『狼たちの挽歌』

!!

ガバメントの

ほうが軽いな...

ジジイの野郎

自分だけいい銃

持ちやがって..

待てよ...

ここにいると

ねらい撃ち

されねェかな。

道の途中で

待ち伏せした

ほうがいいな...

くそ...

やって

やる。

...静かだな、

人がいないと。

こんな時でも

一人ぼっちだと、

心細い

もんだな。

あぁ、

何やってんだよ。

言ってる場合か。

早く処分しに

行かなきゃ。

でも、足が

これ以上

進まないん

だよー

...足音...

静かだとよく

響くな...

カレーーン

いや待て。

なんで足音が

するんだ?

人はいないはずだ。

まだ、住民が

残ってるんだ。

まったく軍隊は

ちゃんと住民を...

んなワケ

ねーだろ。

人なんか

いるワケが...

広川だ。

広川だ。

とにかく

銃を構え...

いや、でも、

もしかしたら..

あ。

広川...

あ?

広川...

どっちだ。

よけた。

すげェ

よけたぞ。

当たったか?

弾を...

うわぁあぁあああ。

待て、

コラァ!

。死死

地地地域の

2017年9月

叶の野郎、本当に

一人で行き

やがったぜ。

まんまと罠に

引っかかり

やがって。

はっ。

は。

あとは

高みの見物と

いくか...

安心しろよ、

叶。

万が一の時は、

俺がおまえの

電話の音を

とめてやるからな。

おかしいな...

気配を感じない。

電話の音が

邪魔なんだ。

それにしても

静かすぎるな...

誰もいない

のか..

なぜか、ここは

知っている

気がするな。

霧...

この霧は

なんだ?

それでは

これからゲリラ戦の

訓練に入ります

所持品は

これから支給する

スプーンだけです。

そうだ。

キャンプに

行った時の

場所に

似てるんだ。

この霧も

記憶か?

視覚と記憶の

区別がつかない。

一体、何をしようと

しているんだっけ。

この悪魔め。

違う...

そうだ、

敵討ちなんだよ。

誰のため

に...?

出ておゆき!!

君の

名前は...

おい。

こっち

だよ。

な.....

業務上傷害

第11話ヨー

第11話

業務上傷害

ほう。

やるじゃ

ないか。

ヒグチ。

なぜ、

ここに...

...ああ。

君か...

ちょっと

混乱しててね。

ヒグチと

間違えて

しまったよ。

ヒグチって?

私に名前は

ないって

言ったじゃない。

随分

調子、悪いのね。

いつもの

あなたらしくないわ。

あなたと

同種の人間だから、

当然よね。

電話の音が邪魔して

敵の姿が見えないんだ。

オマケに幻聴が

あなたの感覚を

鈍くしてる。

あの走人は

手強いわ。

でも、これって

出来過ぎだと

思わない?

アナタを窮地に

追い込むための

要素が多すぎる。

わからないの?

これは

仕組まれた

罠よ。

あのヒグチって

女が

仕組んだのよ。

ヒグチが

元凶

なのよ。

ひ。

くそ。

当たん

ねェよ。

ひ。

おっとっとつ。

ひィイイ。

ち...

くしょォ。

ダメだ。

手が震えて

当たらない。

どうなってん

だよ。

出血もひどい。

動脈を

やられてたら

ヤバい。

頭がもうろうと

してるのは

出血が原因

なのかな...

これじゃ

動き回るのは

不利だ。

有利なのは

広川の残弾が

あと一発って

ことぐらいか:

あそこに

立てこもる

しかない

走って

いける

だろうか。

あ。

は。

待て

コラァ。

は。

は。

は。

ブッ殺して

やる。

調子こいて撃て!

広川、

無駄弾使え!

この距離なら

シロウトのおまえには

当てられないんだ。

おりゃあ。

げっ。

あと

一発...

近い:

死ねや。

あれ。

た...

弾切れですよ...

死にたく

なければ、

降伏して

ください...

こっちには

銃が

あるんですよ。

ム...ムダな

殺し合いは

やめにしませんか?

極道が

降伏なんか

するか。

銃なら

もう一丁

あるんだからな。

花ちゃん...

どうりで

火薬のニオイが

する訳だ。

銃だけ置いて

弾を持って

きちまった。

あのガキの

影響が

でているのか?

俺が

こんな

ミスを...

俺の縄張りに

なぜ同種の

人間がいるんだ。

あいつが

こんなとこに

いる事自体が、

すでに俺の日常を

狂わせているんだ。

弾が...

わりィ。

やっぱ、

降参するわ。

ふざけんなよ...

え?

何か言っ...

ヒグチは意図的に

アナタに干渉して

いるのよ。

アナタが不安なのは

彼女のせいで感傷的に

なっているからよ。

感情は他人の

感覚と共鳴して、

神経を

鈍らせるわ。

でも、よく

考えてみたら

今がチャンスかも

しれないわ。

だって、そうでしょ。

あの男に対応する事で

本来のあなたを

取り戻せるかも

しれないじゃない。

あの男も

ヒグチの

罠かも

しれない。

彼は僕に

とどめを

刺すための

刺客って訳さ。

す...すぐに、

楽にしてやる

から...

それなら余計

好都合だわ。

どっちみち

避けられないなら、

彼を倒すしか

ないじゃない。

これでヒグチとの

関係を逆転

してやるのよ。

ひィイィイイィィ

僕たちを

闘鶏みたいに

檻に閉じこめて

争わしているんだ。

爆破されたビルを

見た時と

同じような目で

彼女は傍観するん

だろうか...

お母ちゃあああ。

今、必要なのは

理性と観念だけだ。

余計な事を

考えるな。

感情は

邪魔なだけだ。

どう?

少しは

冷静に

なれたかしら。

...ああ。

前に君に

話した事が

あったけど...

憶えてるかな?

自分の能力に

目覚めた

時の事。

あれ...

思い出したよ。

...おかしい...

ヤツの

気配が

消えちまった。

ちょうど

こんな森の中

だったんだ。

第12話

一緒に来た連中は

どうした?

なんでこんな

スプーンを

持ってるんだ。

いつから

ここにいるんだ。

思い出せ

ないな。

わがっている事は

その場所がやたらと

息苦しくて不快だと

いう事だけだ。

第12話

山の中での

かくれんぼが

戦争の訓練なんて、

オマケに

僕がそこに

いる間...

信じられる

かい?

誰も来な

かったんだ。

でも、僕はその場所が

不快だったから

移動する事に

したんだ

間違いねェ...

血の匂い。

硝煙の匂い。

ヤツはすぐ

側にいる...

スイッチが

切り替わったように

姿が消えた。

一体

どうなって

るんだ。

かんべき

完璧な擬態...

焦るなよ。

まだ完全に

捕捉した

訳じゃない。

それは

あのガキも

同じか..

どうする?

その場所が

どうしてあれ程

不快だったのか?

歩きながら

ずっと

考えてたんだ。

人だ...

そこには人が

いなかったからだ。

僕はね...

人に紛れていなければ

何も出来やしないんだ。

群れからはぐれた

シマウマは

さぞかし心細い

たろう...

だから、本能的に

人のいる場所を

探していたんだ。

同じ理由さ。

戦場は居心地がいいんだ。

誰も僕に気付かないし、

構う事もない。

職場という特異な環境が

人をそうさせる。

僕の存在が消えて

なくなると、

充足感だけが

僕を満たし始める。

あの感覚こそが、

絶対の平安だ。

自由でいられる

証しだ。

あれを維持するため

操似的にでも、

同じ環境を作り出し、

常に神経を研ぎ澄まさ

なければならない。

あの感覚...

日常では

戦場と違って

工夫がいる。

他人の目に

とまる事のない、

平穏な日々を

演じる事だ。

デコイ。

僕は

ごくありふれた

若者だから...

ちゃんと

恋人だって

いるんだ。

え?いいの?

会ったばかり

なのに...

私、泊まる

トコなくて、

困ってたんだ。

就職活動も

うまくいってる。

敵討ち法が

二年前に

施行されたのは、

知ってるな。

これが

仕事の

道具だ。

まだ、

保たれた

ままだ。

僕の感覚は、

危ねェな。

あのまま

突っ込んで

たら...

俺は

やられて

たぜ。

俺がここにいるのは

他の同種の人間と

接触する事が

ない場所だと

確信しているからだ。

同種がテリトリーを

共有すれば、お互いが

天敵になる事ぐらい

おまえも知ってるはずだ。

なのに、なぜ

おまえはここに

いるんだ。

不確定要素が

多すぎる。

今、お互いの

力は五分だ。

こいつの場合、

また変わる

恐れがある。

殺るなら、

やはり、

今しかねェ。

俺の勝ちだよ。

!!!

......

あれは...

チャ

あんた

実際は

思ったより、

小柄なんだな。

ヤッ

何をモタモタ

してたんですか?

今のタイミングなら、

僕が

やられてた

はずだ。

わ...

わからねェな。

おまえの感覚には

ムラがある。

あれだけ完全に

擬態できるのにだ。

ヒグチと

いう女が、

ヒグチ?

僕に干渉して

いるせいで

感覚が狂うん

ですよ。

女?

そんなバカな

話があるか!

おまえに干渉できる

人間がいる訳が:

.....

なるほど...

あの女か..

はほはは...

その女が、

俺の神経を

狂わせたんだ。

予想だにしなかった

事だ。

は、

はは、

おまえのほかに

もう一人、

俺のテリトリーに

入ってやがったんだよ。

信じられる

か?

このままでは

おまえも俺と同じ

末路を辿るぞ。

わかっているのか?

気付かぬうちに

理性が崩壊し、

ケモノみたいに

泣きわめいて

苦しむんだ。

俺を見るんだ。

磨き上げてきた

すべての感覚が

音を立てて

砕けてゆく姿だ。

躊躇する

時間はないぞ。

その女は...

悪いけど、

仕事がまだ

残ってるんだ。

弾切れか...

日没までに

対象者を処理

しないと。

夜になると

面倒だからね。

ギャァ

ギャフ

まだ

生きてるぞ、

こいつ。

そのまま

埋めちまえ。

くそ、

何してる。

貸せよ。

死..

わぁ。

こんな時に

居眠りかよ。

嫌な夢

見たぜ...

ジジイのヤツ、遅いな。

一人で行っちまい

やがって..

まさか、

殺られたんじゃ

ねェよな...

クソ。

なんでこんな

事になっち

まったんだ。

あの女が危機の

シグナル

だったんだ...

今さら、

気付いても

遅い...

こんな所で

死んでたまるかよ。

絶対に

死なねェぞ。

ジジイ?

ジジイ

返事を...

だ..

誰だ?

おまえ...

......

...う...

ぅわぁあああ。

うわぁああ。

弾を

使い

切ったか...

叶を

殺るのは

今だ。

それに幽霊を

相手に無傷の

はずがねェ。

やはり、

俺が殺るしか

ねェんだ。

不安定ながら天賦の才を持つ甲の

迷走はさらに激しく12(2)まだ桜:

...

最強の警護-

入〝幽霊〟を倒した叶。

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