HTML overlay generated with mokuro version 0.2.0-beta.6
Instructions:
^o野田サ
え、
★この作品は、著者かラー原画に加え、著者の原画をもとに
集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
...
MacontTwitter
..
あはは、キロランケ...
第17話イトウの花...
第16回目...
第5話マタキの谷垣...
先輩、相手...
先生は、シンナキサラ...
ポレッシンカムイ...
第11話「大丈夫く...
...
第10話。ニシン作成
第3話「ニンン油と殺人鬼...
151.BS31は45.77.500
...
野田サトル
この時間はフィクションです。実施の人物と呼吸を新作などには、いっきい関係ありません。
不死身の杉元...
面白そうな異名だが
そいつは
白石の相棒か?
シ漁と殺火鬼
うん.....まあ
相棒というか
子分かな
ただ
腕は立つが
気難しい男でね
第39話
基本的に
囚人は信用
してない
私たちのことは
そいつに話す
必要はない
その用心棒は
うまく
利用するといい
ところで
白石と杉元は
一枚でも誰かの
刺青人皮を
持っているのか?
持ってない!
斎藤になるか
佐伯で終わるか...
白石たちに
辺見和雄の皮を
お使い
させようってか
佐伯又三郎
新撰組の副長助勤
若くして暗殺されたが
長州側のスパイで
あった誠がある
第39話一二
シ漁と殺人鬼
いつまで
乗ってりゃ
いいんだ?
フンペ(鯨)が
毒で弱るまでだ!
あと一日か二日...
運がよければ
自分で岸に
突っ込むかも
しれん
帰って
いい?
ふううう
暖かい...
命拾いをした
背中あぶり
といってな
背中を
暖めたほうが
いいんだぜ
セトル...
なんだっけ?
アシリパさん
セトゥル
セセッカ
そうですか...
濡れた服も
そこで全部
脱いじまえよ
え...?
さっきのは
まちがいなく
白石由竹さんだ
この兵隊さんは
たぶん仲間...
僕がまいてきた
エサにつられて
ここまで
入れ墨の囚人を
探しに来たに
泣いない...
ここで
服を?
肌着も
脱いじ
まえば?
あの...
なんというか
見られ
てる前で
全部脱ぐのは
恥ずかしいです
へ?
耳すかしい?
......
まずい...
かえって
怪しんだか?
毛布使う?
優しい!!
やさしいな...このひと
違うのかな?
四人を殺しに来たんじゃ
ないのかな?
でもなぜか気になる
この雰囲気...
そう...
このひとからは
僕と同じ二オイがする
人殺しのニオイだ
すんすん
このひとなら残酷に
僕が
やってきた
みたいに
僕を
殺してくれる
だろうか
弟を喰った
あのケダモノ
みたいに...
ああもう.....
いっそのこと
ここで
見せて
しまおうか!!
いやダメだ
ダメだッ!!
自分から
入れ墨を
見せるなんて...
自殺と同じ
じゃないか
僕はあくまで
必死に抗わなきゃ
いけないんだ
杉元!
私はひとりで
白石たちを
追ってみる
後は任せた!
アシリパの面倒も
頼んだぞ
弟のように
わかった!
あ...
おかげさまで
もう平気です
番屋に僕の
着替えが
あるので...
もう大丈夫
なのか?
あのひとのごと
もっと知りたい
いやいや、
ゴホゴホッ
あんたそれ
随分珍しい
入れ墨彫ってん
だべなあ
昼間っから
どうしてここに?
おら風邪が酷く
なっちまって...
はい
何でしょう?
ちょっと!
ここの番屋って
漁場で
働いてる奴しか
泊まれないのか?
宿代分だけでも
ここで
働けねえかな?
あとで親方に
頼んでみますよ
ニシン場での仕事は
分業化されていて
完全歩合制なんです
接岸された船から
ニシンを集積所へ
運ぶ「モッコ背負い」も
一往復いくらで
日当が決まります。
集積所で
さばかれたあと
こうやって
干されたものが
「身欠きニシン」です
ニシンは脂が多いから
寒風でしっかり
乾燥させる必要が
あるため
北国で加工するのが
適しているんです
これは何を
やっているんだ?
日持ちしない
ニシンを内地へ
流通させるための
保存法ですね
これは
「シメ粕胴」といって
さっきの大釜で
茹でたニシンの
油を搾り出す
機械です
残ったものが
「ニシン粕」と
いいます
「ニシン粕」は
良質な肥料に
なるんです
ニシン場の
加工品として
「身欠きニシン」
よりも
売れ筋の商品
なんですよ
搾りたての
大きな塊は
私玉といって
へえ...
大きい包丁
でしょう?
乾燥させるために
細かく粉砕する
必要があります
粕玉を切断するのに
この「玉切り包丁」を
使います
是非
おためしあれ
......です
これを
切れば
いいの?
あああ...
とっても
お似合いです
ほっ
はああッ...
...!
こんな感じか?
?
ふう...
ニシン粕は
内地で栽培される
綿花などの畑の肥料
として使われると
一気に生産は拡大し
日本の農業を
「変させたそうです
北海道のニシン漁が
日本の繊維産業を
支えているんです
こんなに獲ったら
ニシンが海から
いなくなって
しまうな...
アイヌにとっても
「神の魚」といわれた
ニシンの漁獲量は
明治末期を境に激減し
昭和三十年以降
ニシンは
北海道沿岸から
姿を消してしまう
そちらの
アイヌの
娘さんとは
どういう
ご関係で?
この子の叔父と
クジラを
獲りに来たのさ
杉元...
やっぱり
白石を追った
ほうがいい
私たちだけで
ここにいても
意味が無い
そうだな
アシリパさん
行こうか!
確かに囚人の顔が
確認できるのは
自石だけだ
あ...あの!
食事だけでも
どうですか?
命を救って
いただいたお礼に
と言っては
なんですが
親方に話したら
温かい白米を
用意して
さしあげろと...
えぇ?
まだ
行っちゃ
ヤダ...!!
白米?
当時白米は
贅沢なものだった
こちら...
身欠きニシンに
きゃべつだいこん
にんじんを
米麹で発酵させた
「ニシン漬け」
です
いただきます
やっぱり
ニシンはうまい!
程よい酸味と
麹漬けの野菜の
甘み...
白米に合うな!
こいつは
ヒンナだぜ
ヒンナ
ヒンナ
オソマ
行って来る
...ところで
旅順へ
出征なされた
んですか?
どうっ
て?
僕は事情があって
出征でき
なかったんで
興味があるんです
人は殺し
ましたか?
アシリバさん
「お手洗い」って
言いな?
どうでした?
そりゃ
戦争だからな
何人殺したか
おぼえてますか?
顔だって
忘れてねえよ
僕と
同じだ
顔が見えるほど
近くで
殺した奴はね..
忘れられ
ないのは
罪悪感なので
しょうか?
せめて忘れないで
いてやるのが
俺の償いさ
俺には俺の
殺さなきゃ
いけない
道理があった
必要ならば
鬼になる覚悟だ
そのかわり...
ああ.....
この人に
殺されたい
よしこの人を殺そう
だって僕が求めていたのが
この人ならば
俺がくたばる時は
安らかに死なせて
貰おうなんて
つもりは毛頭ない
僕なんかに
殺されたり
しないはずだ
ニシン御殿
第40話「二
ちょっと待ってるんだろう
う
...
...
...
おいおい
だめだろうな
...
これは..
何だ?
あ...
しまった
便所には...
どうした?
杉元!
どこ
いった?
囚人がこの
ニシン場にいるかも
しれないぞ!
見せたい
ものって
なんだ?
え?
ああ...
こちらです
こっちは「粕叩き」
これは
「こまざらい」
どれが
僕の頭を
カチ割るのに
お気に入り
ですか?
それともやっぱり
この玉切り包丁?
クワの
邪魔の入らない
ところに連れ出さ
ないとな
どれも
ニシン粕を
砕いて広げ
乾燥させる
道具です
いや...だからさ
俺らはもう行くよ
ニシン漬け
ご馳走様
?
第七師団
......
見つかると
まずいんですか?
俺を探してるわけじゃ
無いと思うが...
見つかるとタダじゃすまされねえ
あそこに
匿って
貰いましょう
杉元!?
僕のまいた
エサに
第七節団まで
親方が住む豪邸で
隠れるところが
いっぱいあります
明治末期
「シン場の漁獲高は
春のたった三か月間で
現在の価格にして
20億円以上ともいわれる
親方は最高の贅を尽くせる
大金持ちという意味で、
「鰊大尽」と呼ばれた
いや...
...
お上手ですな
鶴見さん!
この家には
弾ける人間が
おらん!
その洋琴も喜ぶ
私の家も多少
裕福だった時期が
ありましてね
世の習い
豊漁刻漁
栄枯盛衰は
自然を相手にする
商売は
不安定でしょう
事実...
東北からニシンは
年々と
不漁が続いている
俺はニシンの
ことしか知らん
モッコ背負いから
ここまで
成り上がった
こんな暮らしに
未練は無い
ニシン漁が滅びれば
俺もこの御殿と一緒に
朽ち果てるまでさ
女房と娘に
せがまれて
あぶく銭で建てた
成金趣味の
ニシン御殿だ
ニシンの心は
我々には読めないが
人の心は操れる
戦争なんて意図的に
起こすことが出来る
ものなんですよ
武器は
好きだ
ぜひ我々の
兵器工場建設に
投資してください
見てくれ
軍から横流し
してもらった
マキシム機関銃だ
ほお
いいですな
勝手に裏から
入っていいのか?
ふたりきりになれる場所へ...
あ!
上へ行き
ましょう
!?
緊急避難です
おい
今の軍帽...
やばい
ここにも
来てたか...
不死身の
杉元じゃ
ないか?
あらまあ
可愛らしい
お客さん
え?なに?
「お便所を
借りたい」
ですって?
んんッ
へんんッ
誰か
探してるの?
!?
ここで
オソマして
いいのか?
便器まで有田焼という
贅の尽くしようであった
親方の
お客様ですね?
ここに
いらしたのですか
探しましたよぉ
いますぐ
お茶を
お出ししますので、
どうぞそちらで
おくつろぎ
くださいませ
どけ
杉元?
違いますよ
いま降りて
いったのは
杉元だな?
彼はここで
長く働いてる
漁師で...
!?
あ...
きれい
撃たれた
のか!?
善良な
一般人を
撃つなんて...
どうした!!
いやあ
いいもの見れた
怖かった
奇遇だな
不死身の杉元
鶴見中尉::
泥棒カモメが
御殿まで入って
来たか
試し撃ちに
ちょうどいいわ
アシリバは
矢尻くぼみ(毒窩)に
つけられた毒を
削り取った
うおお
おおお
やめろ
殺すな
弟の「死に抗う姿」に
魅せられて
同じものを
何度も見たくて
何人も殺してきました
ロウソクの炎は
燃え尽きる寸前に
強く揺らいで
煌めくのです
杉元さんの
煌めきを見ていると
弟を思い出します
俺は不死身だッ
僕は
弟のように
なりたかった
フンペが岸まで
運んでくれた...
運が良かったな
白石!
そーね
白石だ!
クジラが
打ち上がった
んだ
あの舟で
逃げよう!
がんばれッ
白石!
第七師団が来るぞ
舟に乗れッ
杉元
ウシローッ
そいつが
辺見和雄
だぞッ!!
全力で抗った末に
絶望の泥の中で
え?
弟みたいに
殺されたい
?
杉元さん...
全力で
抗いますので
どうか僕を
煌めかせて
ください
「お客さん
「不死身の杉元」
さっきそう
呼ばれてましたね
分かる気が
します
戦場にはたくさんの
命の煌めきが
あったのでしょうね
あなたも輝いて
死にたいからこそ
戦うんだ
僕もあなたのように
なりたいです
僕も
見たかったな
だから殺してください
全力で
抗います
急げ
杉元ッ
第七師団が
追って
きてるぞ
なんて無い
俺は死ぬつもり
絶対に
まだ死ねない
それですよ!!
その思いが強いほど
強く激しく
煌めくんです!!
...わかった
それじゃあ
とことん一緒に
煌めこうか
ああ.....
なんて素敵なひと
はあんッ
くうあああッ
!?
詰まった!
ふぬうああ
あぁああっ
あおおおぉお
はぁあああッ
入ってくるウッ
......杉元さん
僕のこと
生きてて良かった
忘れないでいて
くれますか?
引っ剥がした
お前の入れ墨を
広げるたびに
思い出すよ
......
なんだ
こりゃ!!
レプン
カムイだ!!
ッ!?
えー
アシリパさん
白石
舟に乗れ
入れ墨がシャチに
喰われちまう
辺見和雄を
取り返すぞッ
「沖にいる神」が
人を襲うなんて
本当はクジラを
追ってこの時期
集まって来る
どうやって!?
私たちはシャチに
追われて浜に打ち上がった
「寄りクシラ」も食べる
だからシャチは
山のような肉を
届けてくれる神として
「獲物を浜に上げる神」
「それ(クジラ)をいじめる神」
とも呼んでいる
シャチが
辺見を
ブン投げてる
なに
やってる
んだ?
ヒグマの
リコシノッ
投げ上げ
と同じような
ものかも
シャチが捕まえた
アザラシなどを
投げ飛ばしたり
尾びれて
はね飛ばしたりする
謎の行動は
子供に狩りを教える説や
獲物の抵抗を完全に
無くさせるなどという
説もある
!?
第七師団だ!
アイヌの舟を
奪って
追ってきたッ
何のつもりに
しても
シャチがすぐ
喰わねえってん
なら...
このスキに
取り戻すしか
ねえ
うそ.....
なにこれ...
想像を超えてる
こんな死に方...
最高だッ!!
ちくしょう
このクソ冷たい
海に
飛び込むのかッ
オイ
止まるなよ
俺の心臓ッ
アシリパさん
見ないでッ!!
ボゴゴッポゴゴゴ
ボゴボゴゴツ
俺は不死身の杉元だッ
ぶはっ
来るぞ杉元ッ
早く舟に
上がれ!!
引っ張られるぞっ
つかまれっ!!
このまま
第七師団を
まいてやろうッ
止まれ
あの速さでは
追いつけん
あるいは
殺し合って
底に沈んで来た
シャチの屍骸を喰う...
杉元のやつ...
アイヌとも
つるんでいたか
ニシンに群がる
クジラたち
ではその頂点の
シャチを
喰らいたければ...
そのクジラを
待ち構え
まんまとありつく
シャチたち
シャチになって
戦うか?
気色の悪い
生き物になるか
こっそり
尾行たおかげで
いいものが見れた
愉快な仲間たちが
おるじゃないか
白石
「不死身の杉元」か
おまえの
煌めき...
忘れないぜ
忘れないぜ
第42話レプンカムイ
この白く
染まった海水...
全部ニシンの
精子だぜ
精子?
ニシンのメスが
海草とかに卵を
産み付けて
オスが精子を
かけるんだ
いいものが
流れてきたぞ
高級食材が
昆布に
ニシンの卵が
びっしりついてる
精子?
子持ち昆布だ
腹減ったな~
子持ち昆布
このまま
食えるよな?
保存のために
塩漬け
されたもんじゃ
ないから
いけるよな?
アシリパちゃん
食べてみる?
いらない
白米
食べたし
ええ?
なんだよそれ
ずるいぞ!!
袖についてる
乾いたオコメ
食べるか?
......
ここまで
逃げたら
もう充分だろ?
シャチの
ヒモ切って
帰ろうぜ
なあ杉元
こいつが一番
おっかねえ
舟が来る
ほかのコタンの
人たちが
私たちを
見つけたんだ
たくさん舟が
来たから
驚いて浜に
打ち上がった
あの人たち
俺らの舟を
引っ張ってんのが
シャチと知って
驚いてたぜ
アイヌはシャチを
進んで獲りに
行くことはない
私みたいに
山で暮らすアイヌが
ヒグマをキムンカムイ
〈山の神〉と呼ぶのと
同じように
海の近くで
暮らすアイヌは
シャチを
レプンカムイ〈海の神〉
と呼んで
クジラの肉を
届けてくれる
重要な神様と
考えてる
じゃあシャチを
食べることも
しないのか
無駄な殺生を...
死んで浜に
打ちあがった
レプンカムイは
食べる
シャチって
美味いのか?
なんだ...
やっぱ
食べるのかい
シャチだって
クジラの
仲間だろ?
クジラは美味いぜ
近畿地方の
ハリハリ鍋とか
でも俺が食った
クジラの肉って
フシロデモノ」
って言って
皮下脂肪なんだよな
赤身の肉は
日持ちしないから
流通しないんだよ
赤身が食える
いい機会だぜ!
鍋にするのか?
わたしたちも
クジラやシャチは
煮込んで食べる
うーん
また鍋か...
アイヌの
基本は
汁物だからな
そうだ!
せっかくこんなに
脂身が手に
入ったんだから
揚げ物に
しよう!
シャチの脂肪を刻み
鍋で煎って油を出す
近くの漁村で
肉と交換に
語味料を
調達してきたぞ
シャチの肉は
臭みが不安だから
酒と醤油で
下味をつけておこう
竜田揚げ?
下味と衣をつけて
油で揚げたのが
「竜田揚げ」だよ
竜田揚げか
「ヤライタンキ」
樹皮で作ったお椀
片栗粉をまぶす
明治時代
北海道では
ジャガイモの栽培が盛んで
片栗粉の原料は
この時期
ユリ科のカタクリから
ジャガイモに切り替わった
油へ投入
鯱の竜田揚げだ
こんなもん
誰も
食べたこと
ないだろうな
いただきます
は...はふ
はふはふ...
はッはッ
...はちいッッ
...はちッッ
うんうん
いけるそこれ!
下味が
うまくいったな!
それに動物の油で
揚げたから
外がパリパリだ
アシリバちゃん食べないの?
このシャチは
人を殺した
悪い神だから
食べられない
アシリパさん
......
辺見利雄に致命傷を
負わせたのは俺だ...
俺が殺したんだ
だから
そのシャチは
そうだな
別にこのシャチは
辺見を食べた
わけじゃ無いしなッ
人を食ったウェンカムイを
食べるなっていうのは
単純に気持ち悪い
からかもな
そもそも
人を殺して食べた
ヒグマを
ウェンカムイと呼んで
必ず討ち取り
こらしめるのは
人の弱さを知って
人肉の味をおぼえた
危険なヒグマを
野放しにしないため
だったりするんだ
きっと
ヒンナ
ヒンナ
だからヒグマ以外は
ウェンカムイとは
言わないんだ多分
竜田揚げ食べたいからって
アイヌの教えを都合よく
解釈するんじゃないよ!
さっき拾った
子持ち昆布も
揚げちまうか!!
子持ち昆布の
串揚げだ
うまそうじゃ
ねえか白石ィ
...はちッッ
...はちいッッ
はふはふ
不死身のくせに
猫否かよ
ダセえなッ!!
外はサクサク
中はブチブチ
自然な強味で
メッチャ美味いぜ
白石ィ~~
はあ~
シャチも
ヒンナ
でした
あとで
シャチの背筋を
もらっておこう
アシリパちゃん
頼もしいネ
この弓の弦は
クジラの背筋で
出来ている
背筋って
美味いの?
背筋を乾かして叩き
細く裂いて作った弦は
湿気や乾燥で伸びたり、
縮んだりしない
レプンカムイのなら
もっと強い弓に
なるはずだ
イテテテ
どこから
飛んでくると
いうのだ!?
人生なにが
起きるか
わかりませんな
是非
我々に
投資を
その前に家の
建て直しだ!
死人が出ては
女房も娘も
気味悪がって
住めないだろッ
この壷が飛んで
きたんですよ
私が見てたので
間違いありません
小口でも
構いません
鶴見中尉殿
尾形百之助上等兵が
病院から消えました
それと
もうひとり
二階堂浩平
一等卒の
姿が数日前から
見えません
シタッ(白樺の樹皮)は
焚き付けになるから
町へたくさん
持って行けば
売れるんだ
谷垣ニシパ(だんな)
足は
大丈夫か?
無駄飯ばかり
食ってられん
おばあちゃん
ただいま
どうした?
オソマ
杉元たちが
帰ってきたか
シンナ
キサラ
バアチャン
かなり
硬いねえ
アー
谷垣源次郎一等卒...
ピヤフの時に
Facebの
春呼ぶ
北の大地の新セオリー♥
「テのポイント
アウターと手袋に
カモシカ・ファーを合わせて
かわいめゴージャス
モテル、谷垣漠次郎さん、秋田出さんがお茶をお
ロサドル
オスメ!
阿仁、タギメコ
大きめラン
んーい
村の人間から
この家に
怪我をした兵士が
いると聞いて
待っていたが...
谷垣.....
おまえだったのか
山で
アマッポ...
仕掛け弓に
かかり
毒で動けなく
なっているのを
アイヌの方々に
助けられました
歩けるまで
回復したのに
どうして
観見中尉のところへ
戻らない?
杖をついて
歩いたのは
今日が初めてです
「今日が
初めて」ね...
しばらく残って
世話になった恩を
返すつもりでした
アー
野間も
岡田も
逃中は誰も
戻ってこない
お前と行動していた
玉井伍長は今も
行方が分からん
玉井伍長
たちが...?
不審な猟師たちを
追跡していて
自分だけ
はぐれました
動けなかったのなら
人を使って現状を
知らせることも
出来たろ
...
あ...あ、あっあ.あ.
意識を取り戻したのも
「今日」か?
シンナキサラ!!!
シンナキサラ!!
あ~~~忙しいッ
シンナキサラ!!!
オソマ...
おばあちゃんを
自分のチセに
連れて行け
玉井伍長から
何か聞いて
いるだろう?
!?
...なんのことか
分からないが
そのひとから
離れろ
一階笠
乱暴するなら
ただじゃおかない
お前が玉井伍長たちを
殺したな?
...ありえません!!
この誤解は
非常に
まずいぞ...
谷垣...
いま...
自分の銃を
見たのか?
銃に飛びついても
これがなくては
使えんぞ
尾形上等兵殿
どうか
このひとたち
だけは...
冗談だ
玉井伍長に関しては
カマをかけてみた
お前は嘘が
苦手なようだな
谷垣
しばらくここで
恩を返したいなら
好きにしろ
見なかった
ことに
してやる
行くぞ
二階堂
ああそうだ
ところで...
不死身の
杉元を見たか?
奴はアイヌの子供と
つるんで刺青人皮を
持っている
俺が出会った
場所から
一番近い村が
ここだ
いいえ
そうか
ここにはもう
いられない...
おばあちゃん
俺.....
もう
行かなくては
世話になった
恩を返したかった
んだが...
エイペルスイ?
〈おなか突いたの?
オソマ!
おばあちゃんに
伝えてくれッ
今すぐ
出ていかなきゃ
ならなく
なったって!
オソマ
頼むッ
おばあちゃんッ!!!
エホッパルウェ?
〈出ていくのかい?
シンナ
キサラ!!
伏せていろ
オソマッ
絶対に動くな
今の音...
かなりの距離から
撃ってる
俺の銃のボルト...
持って行ったのは
こういうわけか...
外れたようです
手っ取り早く
あの場で
殺してしまえば
よかったのでは?
あの場でやれば
目撃者も
殺さなければ
ならん
バアチャン子の
俺に
そんなことを
させるな
谷垣は
真面目な男だ
乗って来ないと
鶴見中尉を出し抜こう
などという話には
玉井伍長には
釘を刺したのに
玉井伍長たちは
谷垣の説得に失敗し
返り討ちにあったと
考えるのが自然だろう
鶴見中尉より先に
私たちに居場所を
知られないよう
人を使わず
完全に回復するまで
アイヌの村に潜伏し
鶴見中尉に
直接会って
我々の謀反を
伝えるつもり
だったに違いない
おばあちゃん
いいからッ
伏せてくれ
戦うしかない!!
...
だが
あの射撃の達人と
銃無しで
どうするか.....!?
あなたはそういうことですが、そういうことです。
そういうことですか
そういうことですか
それではないでしょうか。でも
辺見和雄と出会った
ニシン場から
数十キロ離れた
別の番屋
寝床に
ありつけて
運が良かったな
コンツの
海岸で
野宿なんて
凍死するだろ
酒も手に入ったし
極楽だぜ
あんたら
ヤン衆に
みえないねえ
旅行かい?
ええ
まあ...
あなたも?
めんこい
子じゃなあ~
ワシの孫と歳も
同じくらいじゃ
だっこして
構わんかのう?
眠いと
機嫌悪いですよ
約麗な瞳の色だ
よく見ると
背のなかに
緑が散っておる...
ロシア人の血が
混ざっておるのかな
ピッ!!
どうした?
え?
いやっ
このジジイ・
なんの
つもりだ!?
同じ目をした
知り合いがいる
第44話
狙撃
この子の
名前は?
アシリパ
......和名は?
和名?
戸籍上の
名前が
あるはずだ
さあ...
聞いた事も
無いなあ
そうか
今にも血が
吹き出しそうな
生々しい顔の傷
ウメド?
「梅戸」も
似たような傷が
あった
だがその内に秘めた
凶暴さは...
あんたの
友達かい?
梅戸勝之進
新撰組隊士
いわゆる
天満屋事件」の際
斎藤一の最大の窮地を
身を挺して救った功労者で
そのとき顔面に
大きな傷を負う
鍬次郎かな
......
ボケてんのかな
このジイさん
じゃあ
失礼するよ
大石鍬次郎
アシリバ
ちゃん
元気でな
近藤勇士方歳三の
信任厚い隊士
俗に「人斬り鍬次郎」などと
呼ばれる暗殺者で
出世のためなら
なんでもする
残酷な男だともいわれた
複製を作れ
まずまで
変なジイさん
だったな
この三十年式歩兵銃
ロシア兵の
小銃より弾が小さく
2:3発当てても
死なんので
不殺銃などと
いわれたが
射程距離と命中率に
おいては
こちらが上だった
優秀な銃だが
並みの兵士では
百メートル先となると
相手に致命傷を
与えるのは難しい
でも俺は
三百メートル以内なら
確実に相手の
頭を撃ち抜ける
遠距離狙撃の
戦術的効果は
アメリカ独立戦争で
すでに注目されていたと
いつも上官に
言っていたのだがね
俺と相性が
合うというわけだ
第七師団は堡塁から
マキシム機関銃を
撃ってくるロシア兵に
手こずった
俺のような
精密射撃を得意とする
部隊を作っておけば
あんなに死なずに
済んだはずだ
今となっては
どうでもいいが
二階堂
しっかり
監視しておけ
あの家は
出入り口が一箇所
窓が三箇所
向かって一番
右の窓に
動きが...
谷垣は
そのどれかから
逃走するかも
しれん
現代の「狙撃手」は
「観測手」と2人1組での
行動が基本となっている
「狙撃手」が撃つことのみに
専念できるよう
周囲の状況把握や
警備の役割を担う
「観測手」が認知されるのは
この時代より
もっと後であった
カギ爪の
ようなものが
出てきました
窓を
ふさいでます
ポイス
【小さいなべ】
だろうな
ハイカンヌス
中型なべ、
カパチㇼアプ
〈鷲鉤〉
奴らの話しぶりから
考えるに
俺を殺したい理由は
あれしかない
鶴見中尉の大きな
理想について行く
つもりは無い
という者がいる
あれは
尾形上等兵の
ことだったのか
まさか
玉井伍長も
もはやからは
第七師団でもなければ
何者でもない
しょせん第七師団は
日本各地から
寄せ集まった
移民の集団だ
戦争で結束は
強まったものの
根っこは
もろいのかもしれん
証見中尉を
裏切るつもり
だったとは...
鶴見中尉を
裏切るつもりの
人間がいる
ということですか?
誰ですか?
もしそうなったら
お前はどっちにつく?
俺の敵だ
このまま夜を待って
闇にまぎれて逃げる
つもりかも
しれませんよ
それならそれで
家に近づいて
潜むまでだ
そろそろ
移動しよう
反射するから
双眼鏡は隠せ
今度は
身を隠して
別の角度に...
待って
ください
双眼鏡で
こちらを見てます
今度は一番左の窓...
わずかに動きが
当たりましたが...
悲鳴も無いですね
双眼鏡の
動きが
うそ臭い
真ん中の窓
囲炉裏の燃えさしを
ゴザで包んだ物の
ようですね
窓から何か
捨ててます
煙幕を作って
飛び出す気です!!
......?
先手を
とられた
煙幕も我々を
この場に
釘付けにする
罠だ
この隙に我々の
完全な死角から
逃げる準備を
している
怪我をした足で
正面から
逃げるとは思えん
アー?
必ず戻って
直すから
おばあちゃん
カベ壊して
ごめん
カムイウタラ
タニガキニシパ
エフンキネ
ワウンコレヤン
〈神様...
谷垣ニシパを
お守りください、
谷垣ニㇱパ
リュウが
安心するから
寝るとこに
隠しとけって
アシリバが...
まさか
それは...
二瓶鉄造の
単発銃.....!!
やられたな
だが
手負いでは
遠くまで
逃げられん
谷垣狩りだぜ
30年式実包は
細くて
二瓶の村田銃に
装填できない
弾は最後に
装填されたままの
一発のみ
この勝負...
最初の一発で決められ
なかったことを
後悔させてやる
...
6.5mm
6.5mm三坪式小鉱実包
11mm
IIM-村田銃実を
形状以外の大きな違いは
村田銃は黒色火薬を使い
三十年式銃は無煙火薬
であるということ
三十年式実包に
使用されていいる無煙火薬は
従来の黒色火薬より威力が大きく
身程距離も長くなる
村田銃実句に無煙火薬を詰めて撃てば
圧力が高すぎて銃が故障するかあるいは
それでもでも高いそういえば、...ておらっ
空気抵抗により命中率が悪くなる
どんな獲物も
痕跡を残さずに
逃げる方法など無い
猟に冬が
適している
理由は
マタギの谷垣
「草や木の葉が
少なくて
見通しがいい」のと
第45話
「雪の上の
足跡が目立つ」
ということ
まだ雪の残る
春の山は
追っ手に有利だ
だから
カモシカや
ツキノワグマは
賢いので
足跡のつきにくい
笹数や沢...
倒木の上を
選んで逃げる
行っては戻りを
繰り返し
足跡をたくさんつけて
逃げた方向を
分からなくする
笹薮から出た
足跡を
見つけました
ほんとに
手負いか?
あの野郎...
手負いだが
奴はマタギだ
山で
どう逃げられると
追っ手が困るか
知り尽くしてる
この銃は
見られていない
はずだ
狙撃されることは無いと
高をくくっているだろう
待ち伏せして
仕留めるべきか
先に尾形上等兵を
倒せば
二階堂は
退くだろうか
いや
二階堂も
そこまで
ヤワじゃない
一発だけで
同時にふたりは
仕留められない
逃げ続けて
吸板を待つ
汚した毛布を
かぶる
人間の頭と
肩にかけての
シルエットは
遠くからでも
目立つ
ただこの足で
どこまで
距離を保てるか
ヒグマの
足跡だ
クマの親子は
子供の足跡を
消すために
子供に親の
足跡の上を
歩かせる
猟師でも
よく見ないと
だまされる
クマの知恵だ
この足跡を
踏んで行こう
完全に
見失いました
日が暮れ
ますよ
どのみち俺たちは
もう鶴見中尉の
元へは戻れない
谷垣が残りの造反者を
中尉に報告しようが
もう俺の
知ったことでは
ないですよ
見捨てるのか
もう俺は
金塊なんて
どうだって
いいです
一分一秒でも
早く杉元佐一を
ぶっ殺したい
足跡の
持ち主が
埋めたのか
がめつい奴だ
食えるようになるまで
毎日この鹿を
巡回してる
足跡の雪の
融け具合からみて
朝方来て
いるようだ
谷垣は念入りに
ヒグマの足跡を
消した
クマは穴籠りから出ると
ワキシドウなどを食べて
肛門に詰まった固い
「止め糞」を出す
肛門の栓が
抜けるまで
獲物は食えない
火を起こして
いいですか?
焚き火なんて
居場所を
知らせるような
ものだ
闇にまぎれて
襲われるぞ
上等ですよ
うんざりだ
クソ寒い北海道も
店田兵も何もかも...
故郷の...
静岡に帰りたい
探す手間が
省ける
翌朝
他の猟師では?
谷垣が焚き火なんて
しないでしょ
焚き火の
ケムリだ
身を隠して
近づくぞ
行って
調べて来い
谷垣の足跡
であれば
合図しろ
エサですか
俺は
双眼鏡を
よこせ
隠れて援護する
せいぜい
100メートルだ
誰が近づいても
外さん
足跡は
ひとり分
間違いなく
谷垣だ
マジかよ....あの野郎
ここでのん気に鹿を
食ってやがったのか?
うーむ...
奴に限って
焚き火は
ありえん
絶対に罠だ
いったい何を
企んでいる?
白い息が
発見されないように
雪を口に入れる
ふううう
あったけえ~
腹減ったな
俺も
食っちまうか
そういや谷垣は
この鹿をどうやって
仕留めたんだ?
どこにいる
尾形上等兵
ヒグマ
だと!?
来たッ
うおぉおおお
ブオネオオ
オネオオッ
ヒグマは崖から落ちても
怪我をしない
猫のような身体能力と
大きな肉球で
足音をまったく立てずに
移動してくる
ブオオッ
どうした
尾形上等兵ッ
二階堂を
助けないのか
これが谷垣の
狙いだった
のか?
だとしたら
いまは俺の位置を
探っているはずだ
家では「チカッ」と光る
発砲炎で見つかる
緊っては
まずい予感がする
早く撃て
クソ尾形ぁぁ
早く撃てッ
おがたああ
あぁあああ
ギャーッ
さあ
俺はここだぜ
谷垣!!
銃無しで
どう戦う?
石でも投げるか?
勃起!!
フンペリムセ
【クジラの踊り】
浜に打ち上がった
寄りクジラで飢餓を
救われたことに
感謝を表した踊り
カラスがクジラを
見つけて鳴いている
振り付け
...
第46話
動くな谷垣
!?
その声は..
三島か
なぜお前が
ここに?
尾形上等兵も
二階堂も
ずっと尾行されて
いたのだ
常に居場所は
鶴見中尉に
報告されている
尾形上等兵は
造反組を
あぶりだすために
尾形上等兵が
玉井伍長たちと
接触するまで
俺は傍観する
つもりだったが
谷垣が
倒して
しまった
俺は...
わかっている
お前は
裏切らなかった
だから狙われた
鶴見中尉によって
泳がされていた
戻ろう
お前が直接
鶴見中尉に話せ
昨日谷垣が
アイヌの村に
戻る前...
尾行のひとりが
報告へ行った
中尉たちは
近くまで
来ているはずだ
三島...
どうした谷垣
...
かはあ~~~
クソッ
仕留め損なって
いたか...
三島が油断して
出てこなかったら
俺が
やられていた...
三島かな?
尾行には
気をつけて
いたのに...
鶴見中尉が
追ってくる前に
谷垣を殺して
おかなくては
奴の頭は撃つな
早いな
勘が
良すぎる
一目置かれる
どころか...
上官から
危険視されて
いただけのことはある
三島です
やはり
さっきの銃声は
追跡に気づかれた
三島と尾形が交戦
したものだった
ようですわ
二階堂は
生きてる
ようです
よ〜しよ~し
頭をぶち抜いて
よし
進めッ!!
尾形はあえて殺さず
重傷を負わせた
死人は放って
おくしかないか
重傷者の発生は
追跡の勢いを止め
痛みによるうめき声は
隊の士気を削ぐ
死人は放っておくしかないが重傷者の発生は近跡の勢いを止め痛みによるうめき声は隣の土気を開く
尾形が戦場で
学んだことであった
北へ逃げたぞ
追え!!
こうなっては
もはや...
尾形上等兵も
二階堂も
俺を追う理由は
なくなった
片耳だと
どうも
釣り合いが
悪い
美男子の
条件は
左右対称だと
いわれておる
新撰組なら
お前は
逃亡の時点で
切腹だ
第七師団は
間を取って
月
アイヌの
刑罰には
耳と鼻を
削ぎ落として
追放というのが
あるらしい
......
耳と気を
聞いた後に
切態だな
造反者は
他に誰がいる
エゾモモンガ
名前を言え
二階堂
この鼻は
やはり裏切り者の
鼻だったか
どうりで
気に食わない
形だと思った
貴様の顔で
福笑いを
やって
やろうか
どうぞみんなと
楽しんで
くださいよ
鐵見中尉殿
杉元を
殺させてやる
そこにいる
小宮です
ちょっと待って
デタラメだッ
どおりで
その鼻...
また会おうぜ
鶴見中尉殿
杉元佐一...
俺達が現状
持っている
入れ墨は
何人分だっけ?
酒で人生狂った
オッサン
第七師団に
頭を撃ち抜かれた
オッサン
トウの花
ニシン場にいた
連続殺人鬼の
オッサン
第47話
そして
脱獄しては捕まる
ドジなオッサン
最後の狼を
追っていた
猟師のオッサン
杉元さん...
俺は脱獄王だッ
鶴見中尉が
持ってるのは
白石が見た一枚
だけなのかな?
さあ
どうかな
土方歳三か...
どんな男
なんだろう
こないだ目の前に
いたんだけど..
土方が囚人を
集めて
仲間にしている
かもしれない
んだよな?
土方を見つけ
られたら一気に
入れ墨が集まる
可能性が高いな
とても70を
超えてるとは
思えねえ
若々しさが
あったな
人魚の肉でも
食ったんじゃ
ないかって
囚人たちから
言われていた
にんぎょ?
上半身が人間で
下半身が魚の
ハケモノさ
人魚の肉を
食べると
永遠の命と
若さが手に入ると
いわれているんだ
八百比丘尼
っていう伝説があってな
人魚の肉を食べた娘が
不老不死になるのだが...
永く生きると
愛する者の最後を
見送るばかり
娘は何百年も生き
尼となって
最後には世を儚み
岩窟に消えた
死すべき時に
死ねない
つらさか...
見ろ杉元
木の皮を
剥ぎに行くことを
私達は
「アッケッ」という
これが
オヒョウの木だ
コタンに帰るついでに
皮を剥いで帰ろう
今の季節は
木の根元の雪が解け始め
地中の水を
吸い上げていて
樹皮が剥がしやすく
なっている
この時期を過ぎて
雪がなくなると
樹皮は幹に
くっついてしまって
剥がしづらい
剥がして
どうするんだ?
焚き付けに
使うのか?
おいおい杉元~
ほんとにお前は
何も知らない男だな
私の着物は
オヒョウの樹皮を
編んだものだ
紐や袋も
同じ樹皮で
出来ている
木というのは
山に座っている
カムイであって
樹皮を剥ぐのは
大切な衣服をいただく
ということ
だから
捧げ物が必要だ
普通は煙草などを
捧げるけど
誰も持ってないから
白石!
飴ちゃんを出せ
根本から梢まで
一気に剥がす
ことができる
くーん
こいじゃ
くいっくりっ
樹皮は全部剥ぐと
死んでしまうので
南側の樹皮が厚い
「せなか」の方を
いただく
北側の
樹皮が薄い
「おなか」は
残しておく
カムイコンシテークアファカンカ
今年様の着物をいただきますよ。
ホラ
ふたりとも
見てないで
手伝え
剥がした樹皮の
一部で帯を締め
着物が風で
脱げない
ようにする
優しい心遣いだね
硬い外皮は
取り除き
内皮を温泉や
水たまりに
つけておく
それを丹念に
編むと
アットゥㇱという
反物ができる
その反物で
仕立てた着物が
アットゥシアミブだ
アットゥシアミブは
水に強く
通気性に優れ
とても丈夫な着物なんだ
薄い繊維の層が
重なっている状態
だったものが
一枚一枚
剥がれていく
さらに細く裂いて
よりをかけて
糸を作る
「カタク」(糸玉)
「アットゥシ
カラペ」
(厚司織り機;
アー?
オヒョウの皮を
剥ぐだけでも
重労働だな
ねえ見て杉元
福寿草の花が
咲いてるヨ?
よし!もう十分だ
これでだいたい
一人分の着物になる
ヤダ
かわいい
春が来たんだな
チライ・アパッポ
私達は
「イトウの花」と
呼んでいる
イトウって
淡水魚の?
イトウは
春になると
現れる
イトウも結構
うまいらしいな
マグロに
似てるって
話を聞いたぜ
この花が咲くのは
イドウが川を
上にてくる
合図なんだ
何とか
とれないかな?
カジカを獲った罠の
ラウォマㇷでも
イトウは獲れるぞ
作るか?
でもどんなに大きな
ラウォマァでも...
イワン・オンネチェブ・
カムイは、捕まえられ
ないんだろうなあ
あな恐ろしや...
なんだい?
それは
イトウは
大きくなると
7尺(約2メートル)を
超えるものもいる
何でも食べる悪念で
川に落ちた子供を
飲み込んだ話もある
むかじ猟師の
追っていたヒグマが
然別湖を泳いで逃げた
然別湖を
泳いで逃げた
巨大なイトウがいて
その口から
ヒグマの前足が
のぞいていた
そのイトウの
大きさたるや
25間【約4メートル】は
あったという
しばらくすると
ヒグマが水面から
消えたので
見に行くと
イワン・
オンネチエン・カムイは
イトウのまだ
!?
誰かいるぞ
あの男が獲ってるのが
イトウじゃないか?
交渉して一匹
分けてもらおうぜ
あっ
キロランケニㇱパ!!!
アシリパか?
アシリパさんの
村のひと?
いや
違う村の
ひとだけど
じゃあ話が
早いな
なあアンタ
そのイトウ
一匹分けてくれよ!
あの人は
父の昔の
友人だ
飴と交換で
どうだい?
こっちに来て
自分で獲ったらいい
タモ網を
貸してやるぞ
「テシ」
杭を立て
ヤナギの枝を
あんたもの
テシで
せき止められた魚を
網ですくい取れば
いいわけだ
面倒だな
がんばれよ
何やってんだ
このバカは
すぐに火を
起こそう
ここすげえ
深い!!
助けて
冷たい!!
こっちに
掴まれ
役立たず
イワン
オンネチェプ
カムイだッ!!
自石が
食われた~~~ッ
シライシィ!!
白石ぃぃ...
シライシは
どうなった?
人魚だ
喫煙具
「タンバクオプ」(煙草入れ:
「ニキセリ」「木のきせる」
煙草入れの箱は頑丈で
喧嘩では武器にもなった
きせる差し
第48話/キロラング
大きな皮が
とれるぞ
これ一匹で
服が一着作れる
え?
魚の皮で
服を作るの?
チェッウル(魚皮衣)
イトウの他にも
サケやマスの皮でも
作られるが
魚の皮で作った服は
雨や風も通さない
一着の服に少なくとも
50匹以上の皮が必要だ。
他にも松脂のかわりに
イトウの皮を
煮込んで作った
ニカワで矢尻に
毒を固定すると
毒が傷のまわりに
集まりやすくなる
靴や
小刀の鞘にも
魚の皮を使う
いろんな利用法が
あるんだねえ
イトウの皮は
でもな杉元
実はイトウは
皮が美味いんだ
皮を残して
色んな物に
利用するか
それとも
食べちゃうか...
うーん...
ほんとに
悩むところだなあ
食べちゃえばぁ〜〜っ!
アイヌの男性は
初対面の挨拶を
するときには
必ず煙草を
喫煙し合う
皮をつけたまま
焼けば
肉の旨味を
逃さない
塩焼きが
簡単だし
おすすめだ
鮭は
大きければ
大きいほど
美味い
イトウは
鮭の仲間だから
このイトウの主も
美味いはずだ
まずは
刺し身だな
いただきまぁす
うんうん
たしかに
脂が多くて
「川のトロ」だ
ヒンナ
シャチの時に
使った醤油が
余ってるだろ
鮭より
臭みが少なくて
上品な味だね
でっけー
切り身だな
豪快な
塩焼きだぜ
食べてみようぜ
あむぁむあむ
めちゃくちゃ
分厚い皮だけど
焼くと
柔らかくなるな
香ばしくて
とってもヒンナ
幻の巨大魚
ヒンナだぜ
はふはぷはふ
あむあむ
目玉は
茹でダコの味がして
美味いぞ
みんな魚が獲れたら
一番にホジくって
しゃぶる
しゃぶって
いいぞ
杉元
子供のおやつとして
奪い合うくらい
大人気なんだ
おっきい
杉元...
...なぜそれを?
不死身の核元か?
俺は
第七師団だ
......?
待てスキモト
杉元ッ!
鶴見中尉の手下か?
鶴見中尉?
俺がいた小隊の
中尉は別の人間だ
それに俺は除隊して
村で生活しているから
誰とも関わりはない
たしかに
鶴見中尉の手下は
100名ほどと言っていた
第七師団といっても
鶴見中尉の隊とは
BBらんが
師団の編成
日露戦争時
中隊(大尉)
小隊(中尉)
小隊(中尉)
小隊(中尉)
小隊(中尉)
100名弱の小隊を
率いるのが中尉
小隊が4個で
中隊となり
中隊長は大尉
聯隊(中佐)
大隊ひを
中隊(大尉)
中隊(大尉)
中時(大尉)
大隊(少佐
大隊(少佐
中隊が3個で大隊
日露戦争時
大隊が3個で職隊
第七師団には
4個の歩兵職隊があり
そのほか騎兵聯隊や
砲兵聯隊など
約二万人の兵で
編成された
名前と顔の傷で
ピンときた...
不死身の杉元
こんなところで
戦争の英雄に
出会うとはな
英雄なもんか
あむ
あむ
う~ん...
俺は
死に損なった
だけだ
アシリパは
どうして
この男たちと
一緒にいるんだ?
相棒だ
そしてこっちの
シライシは
役立たずだ
そうか...
アシリハが
そう言うなら
信用できるん
だろう
今よりもっと
小さい頃から
恐ろしく
賢い子供だった
からな
最後に会ったのは
...
お前の父親の
葬式か...
戦争から
戻っていたなら
会いに来てくれれば
良かったのに
行ったけど
お前はいつも
村にいないと
聞いたぞ
だから
俺はここで
待っていた
アシリパに
伝えることが
あるのだ
年老いた
和人が
俺の村に来た
その老人は
ある女性を
探していると
言っていた
......!!
「小蝶辺明日子」
どうして
その名前を...
私の和名だ...!!
アシリパさんの
和名...?
この子の和名は?
網走監獄で
起きたこと...
俺はすでに
知っていた
のっぺらぼうは
自分の外の仲間に
囚人が接触できる
ヒントを
与えていた
その名前を
知っているのは
死んだ母と
父だけなのに
「小樽にいる
小蝶辺明日子」
のっぺらぼうは
アシリパに
金塊を託そうと
していたのだ
のっぺらぼうは
アシリパの
父親だ
房四弐第
アチャ(お父さん)
が.....
アイヌを殺して
金塊を奪うなんて
そんなの嘘だ
何でアンタは
アシリパさんの
和名を知っている
俺はアシリパの
父と一緒に
日本へ来た
金塊を奪ったあとの
逃走経路から
推理するに...
のっぺらぼうは
小樽から国外へ
金塊を持ちだそうと
していた
のっぺらぼうは
日本のアイスじゃない
金塊が見つかれば
のっぺらぼうが
死刑になって
アシリパさんは
父親の仇がとれると
おもっていたが
見つかってしまえば
アシリパさんの
父親が死刑になると
いうことなのか
関係ねえよ
俺達がほかより先に
見つけてしまえば
いいことだろ?
どかっと
いっぺんに
換金しない限り
ばれねえって
信じない
自分の目で
確かめるまでは
網走は
地の果てだぜ
でも本当に
のっぺらぼうが
アシリパさんの
父親なら
面会なんて
出来ない
私はのっぺらぼうに
会いに行く
どうやって
本人に
そうんだ?
囚人を
見つけなくたって
直接本人から
金塊のありかを
聞ける
厳重な
監獄だぞ...
忍びこむのは
不可能だ
脱獄王
ゴールデンカムイヌ(完)
【アイヌ語監修】
中川裕
[取材協力]
北海道アイヌ協会
博物館網走監禄
小樽市総合博物館
北原次郎太モコットゥナㇱ
後藤一信
【写真提供】
門間敬行
松田高範
【アイヌ文化関係参考文版】
「アイヌ語絵入り辞典J知里高央一横山孝雄
「アイヌの民具」喧野茂
「萱野茂のアイヌ語辞典j堂野£埈
「アイヌの民具実澗図集l武議野美術大学生活文化研究会
「アイヌ式エコロジ」一生活・治療エカシに学ぶ、白熱の知恵」さとうち藍
「アイヌ神語集!知里幸恵
「アイヌ民族の軌跡:混日勉強
「先生民アイヌ民族(別冊太陽)ムック
「シラオイコタン本下清議遺作写真集」
「アイヌの衣服文化」アイヌ民族博物館
「アイヌの四季計良智子鍛治明香
「アイス植物法」福岡イト子。佐藤太子
「アイヌの民俗」早川昇
「クスクップオルシベ」砂沢クラ
「聞き書アイヌの食事]裁中美枝藤村久郡村木美幸類井朝子古原験弘
「ニューエクスプレスアイヌ語J中川裕
「アイヌ語千歳方言辞典]中リH給
「カムイユカラでアイヌ語を学ぶり中川裕、中本ムツ子
「語り合うことばの力カムイたちと生きる世界19月経
「コタン生物記(1)樹木雑草篇]更科源臓_更科光
「コタン生物記の野郎・海賊魚族篇J更科源藏_更科光
「コタン生物記(3)野鳥・水鳥昆虫篇J更科源藏_更科光
「サルウンクル物語JHL上男治
「エカシとフチを訪ねてJIL上男治
「アイヌ民族誌」アイヌ文化保存対策協議会
・イヌ衣服調査報告書()アイヌ女性が伝承する衣文化日比海道文化財保護協会
「アイヌの衣装!岡村吉石衛門
「アイヌの文様!!四辻一助編写真水谷積男
おまけ
これは
「和くだき」
という道具です
鉄製の歯を回転させて
ニシン粕を粉砕します
是非おためしあれ
...です
これ回せば
いいの?
こんな
感じ?
もっと
ゆっくりです!!
この
くらい?
じわじわ
とッ!!
あああ~ッ
あはんッほんッ
ふう...
スゴイ
お次はこちら...
二人用の
玉切り包丁です
二人の息の合った
動きが必要です
杉元さん
是非おためしあれ
.....です
いいですか?
杉元さん
せえので
いきます
からね?
いいですか?
いいですか?
せえので
一気に切るの?
なんで?
ゆっくりです!!
じわじわと!!!
あはああッ
はあんッ
切れちゃった!!
切れちゃったねえ!?
切れちゃったねえ!?
え?
切れちゃ
ダメだった?
ストライルドークス
担師集・
一郎ハ甲
overdeslgnt
hokoshisuendgo
YJC
DIGITAL
5月16日は、2018年6月20日までに
5巻
デジタルカラー版
ゴールデンカムイ
野田サトル
◎野田サトル2015.2021
初版発行
「みんなデジタル版発行-202」年
2015年
発行所・集英社・
スーパー...ベース・http://www.stuesshara.co.
この作品は、著者カラー原画にカラ、ギャカーの原画をもとに
集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
本作品の内容あるいはデータを、全部・普段にかかわらず
無断で複製、改竄、公衆送信(インターネット上への掲載
を含む)することは、法律で禁じられています。また、個人
筋肉な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなど
の著作権保護技術を解除して行うことはできません。