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Instructions:
野田サトル
★この作品は著者がラー原画に加え、著者の原画をもとに
美英社でデジタル彩色を行った特別編集版です
野田サドル
TEN
第188話大温原...
第100話「カムイノミ
第10話「支道動物記...
第10話「眠り...
第00話「夏の虫...
第06話「弾より速く・
第10話第198話あんこう鍋...
第10話、相変強なこ疑のお銀...
第10話第14話・交術の猛毒大先間・11年道具地に巨大統
北海道大地には大蛇は存在した!...
...
第10話、興奮が関しられる...
「3.55.17.19.0
はぁ...
野田サトル
この作品はフィクションです。実在の人物・目的体・事件などには、いっさい関係ありません。
第101話「鯉
鯉登少尉叱られる
!?
アシリパさん
起きてくれッ
追っ手か!?
何か
揺らされ
てるッ
そして
あッ
ブホッ
死骸の臭いで
集まってきた
熊の嗅覚は
警察犬の数倍と
いわれている
尾形静かにッ
白石が
持って
行かれる!!
おぎゃあ
ブオオッ
なぜか
ひるんだッ
ゆっくり
立ち去るぞ
慌てるな...!
ええ?
なんで
こんなに
ヒグマが?
ノゴマ
アイヌは大雪山を
カムイミンタラと
呼んでいる
「ヒグマが
たくさん
いるところ」と
いう意味だ
コマクサ
ホンハウルッフンウ
エゾツガザクラ
アサヒヒョウモン
エゾイソツツジ
チングルマ
エゾハハコヨモギ
ウラシマツツジ
シカの肉は
残念だけど
諦めよう..
シライシ
エゾイワツメクサ
さすがに追っ手も
あの天候では
進めなかったか
このまま
諦めて帰るとは
思えないけどな
追っ手は
俺達が網走方面へ
下山すると
読んでるはずだ
旭川O
大雪品系
意表をついて
ここは十勝方面へ
下山して追っ手を
撒くついでに...
釧路へ寄るのは
どうだろうか
小樽
網走ッ釧路
どうして
釧路へ?
綱走から
脱獄した
他の因人の
情報がある!!
詐欺師の
鈴川聖弘から
釧路にいたという
囚人の話を聞いた
エゾナキウサギ
何やって
んの?
変な鳴き声の
エルム
【ネズミ】が
いたから
山杖を削って
罠を作った
ロシアの
少数民族がリスを
獲る時に使う
「ブラーシカ」
という罠だ
本当は
石じゃなくて
丸太を使う
あ!
エサの
お米を食べようと
ここに触れると
組んだ木が外れて
石が落ちてくる
似たような罠で
アメリカ先住民族の
パイユート
デッドフォール
トラップがある
エルム
(ネズミ)が
獲れた
下山したら
森に入って
丸焼きにして
食べよう
ネズミ煎餅かよ
この珍獣は
ウサギ目ナキウサキ科で
北海道の中央部の
山岳地帯にしかおらず
エゾナキウサギを
示すアイヌ語を
アシリパは知らない
鹿肉が
食べた
かったぜ
あっちの罠も
獲れたッ
ヒグマめ
圧殺式の罠は
熊も獲ることが
可能である
杉元勢がもっ
刺青の暗号
土方勢が持つ
刺青の暗号
写し
茨戸
贋物?
そして小樽の
鶴見中尉勢は...
はあ~...
鶴見中尉殿に
叱られる
白石由竹を
逃したと聞いて
さぞかし
お怒りだった
だろう?
どんな
様子だった?
月島軍曹お...
要むかの
鶴見中尉殿は
私の事を
何か言って
いなかったか?
あー...
言わなくて
いいッ
わかってる
月島ぁ!!
きっと私は...
納走にでも
行かされて
大童四郎助の
監視でも
やらされるのだッ
鯉登少尉殿
お気を確かに
ホラホラ
頼まれていた
写真を持って
きましたよ
「ハハッ
おお~ッ
良い良いッ
良いではないか!!
月島あぁ!
鶴見中尉殿の
お顔に傷が無いから
奉天会戦の
前くらいか?
はあ...
私は月島軍曹が
羨ましい
あとほんの少し
早く生まれて
いれば...
私も
お供することが
出来たのに
土官学校を
卒業したばかりの
新任少尉は
経験豊富な叩き上げの
先仕事費から補佐を受け
上級指揮官へと進む
いいぞお~
ぴったりだ!!
月島ッ
米をつぶして
桐を
作ってくれ
嫌です
来てたのか
鯉登少尉
キエエェエエ
エエッ!〈猿叫〉
鶴見中尉殿!!
落ち着け!
早口の薩摩弁だと
まったく
聞き取れんぞ
深呼吸しろ
ふー
我々は
月島ッ
分からんッ!!
白石に逃げられは
しましたが
入れ墨は写して
おきましたと言え
白石の
入れ墨は
写して
あるそうです
白石という男に
利用価値があると
判断したから
殺すなと命じたのだ
えっへ!
どうして
私にだけ
早口の
薩摩弁に
なるのだ
鯉登少尉
それを
みすみす
敵の手に
渡すとは
失望したぞ
鯉登少尉
はッ
ほお.....
似合ってる
じゃないか
網走監獄の
典獄に化けていた
囚人の皮だな?
たしかにこれは
思わぬ
収穫だったな
この刺青人皮は
詐欺師の
鈴川聖弘とみて
いいだろう
情報を
総合するに
ただ...
よくやったぞ
鯉登少尉
「せん」が
甘いな
そういう
ところだぞ!
鯉登少尉
刺青人皮は
他の刺青を持つ
囚人を
引き寄せると
いうことだな
のっぺらぼうは囚人に小樽へ行けと指示している
のっぺらぼうは
四人に小樽へ行けと
指示している
罠をはれば
脱獄囚かかる
可能性は
まだあるはずだ
鶴見勢が持つ
刺青の暗号
津山
タ張
贋物x5
鯉登少尉
お前は旭川での
任務を外れろ
小樽で私の
囚人狩りに
参加するのだ
精進いたし
ますと
言ってます
面倒くさい
第102話
終と
稲妻強盗と怖の大御
蝮のお銀
フチの様子を
聞くために
夕張を出るとき
小樽へ電報を
送っておいた
この郵便局留めで
返事が
届いているはずだ
誰から?
アシリバの
叔父だ
あの人は昔
和人と仕事
していたから
少し
読み書きが
できる
なんて
書いてある?
「フチ
ライクル
シュク
ツクル」
「ライクル
シュク」って
何だ?
ライクルシユクは
死装束です
死期が近づくのを
意識した
アイヌの老人は
家族に隠れて
自分の死装束を
用意するのです
私は占いで
出たことを
伝えたまで
です
どうして
あんなことを
言ったんだ...ッ
アシリパさんの
まわりに裏切者が
います
...
フチ
死んで
欲しくない
フチは
オレにも
ごはん食わせて
くれた
アイヌは
自分が死ぬ時
残された者に
「送る」儀式を
されないと
死後の世界へ
行けないのです
だから
自分の子じゃ
なくても
必死で育てます
「アイヌは
子供が
だいじ」だって
子供いないと
あっちの世界に
行けないから
和人が貧しさから
アイヌの村へ
子供を捨てに
行くほどですから
チカパシ
心配するな...!
必ず無事に
アシリパを
連れて帰って
フチを
元気にさせる
俺もフチに
食べさせて
もらった
俺もフチの
子供だ!
いやいや...
谷垣ニシパは
ヒモだよ~
ヒモですね
十数年前
お嬢さん
どうかされ
ましたか?
随分と具合が
悪そうですが
誰か
呼びましょうか?
持病の癖が...
しばらく休めば
楽になります
ここで休めば
体が
冷えるでしょう
ひょっとして
この川を
渡るおつもり
でしたか?
はい...
向こう岸の
病院へ
背負って
いこう
私も旅の途中で
ちょうど
渡るところだ
.....でも
いいから
いいから
ありがとう
ございます
ありがとう
ございます
頸動脈を切れば
返り血で汚れる
長い子校通し」を
首の後ろから
頭蓋骨の大後頭孔へ
刺し入れると...
心臓を刺すのは
腕力が必要だ
素早く
脳みそを
掻き回す
これで大の男でも
抵抗する間もなく
「人形」になった
あとはそのまま
死体を川に流す
それが女の
手口だった
「蝮のお銀」
明治期の北海道に実在し
明治期の
北海道に
実在し
何人もの旅人を
殺害してきた
以悪な女賊である
同じ時代
ひとりの男が
北海道の荒野を
駆けていた
明治21年に
強盗の罪で無期従刑
樺戸集治監に収監
二人一組で
連鎖されていた
囚人を
列車に轢かせて
鎖を切ると...
明治28年
外役中に逃走
そのまま
一日に二百キロ近く
走り続け
逃げ切ったといわれる
草駄天であった
いつも裸足で
足の裏は
象の皮膚のように
分厚くなっており
稲妻強盗こと
坂本慶一郎である
稲妻のごとく敏速に
強盗殺人を犯しては
西へ東へ神出鬼没
この男も
明治期に実在した
凶悪犯であった
凶悪だからこそ
惹かれ合った
この日から
ふたりの
悪事の共稼ぎが
始まった
きゃああ
銀行強盗だ
あっちへ
逃げたぞ
あの「ボニーとクライド」
よりも何十年も前に...
北海道で実際に
この凶悪な夫婦が
暴れまわっていた
記録が残っている
慶さんッ
一人組の男女
稲森
妻強盗と蝮の
夫婦は銀行や郵便局を
襲うことにより
反権力の象徴とされた
志って走って
走り続けよう
誰かが俺達の
息の根を
止めるまで
この見事な刺青が
彼女の異名の
由来であった
凶悪な夫婦生活は
10年以上続いたが
空白の月日がある
稲妻強盗は捕まり
監獄へ収監されて
いたのだ...
寂しかったわ
慶さん...
網走では
少しでも
私のこと
考えた?
毎日キン
お銀を
想ってたさ
第103話
あんこう鍋
ピッ!!
獲れた!!
そのネズミ
下山するにつれて
だんだん獲れなく
なってきたな
高いところにしか
いない変なネズミ
なのかもしれない
山の上には
いっぱい
いたのに
ナキウサギは高温に弱く
標高1500メートルから
1900メートルの
涼しく乾燥した
ガレ場に特に多く生息する
毛を焼いて
取り除く
また
ネズミかぁ
我慢しろよ
銃声が追っ手に
聴こえちまうかも
しれないから
鹿や鳥がいても
撃たない方がいい
あとで
「くくり罠」を
見回ってこよう
木ねずみが
獲れてるかも
ねずみ
ばっかり~ッ
少ないけど
尾形も食べろ
......?
尾形ぁ
「ヒンナ」は?
尾形は
いつになったら
ヒンナ
できるのかな?
ほっときなよ
好きな
食べものなら
ヒンナ
出来るか?
尾形の好物は
なんだ?
小樽
旭川で飛行船に
乗っていたのは
間違いなく
尾形百之助
だったんだな?
はい
「はい」
「尾形の父である
元第七師団長
花沢幸次郎中将の
自刃に泥を塗る
行為であります」と
「私の父ですら
花沢中将の自刃を
第七師団の
責任とした『中央』へ
強い不信を持って
いるのに」
「尾形は一体
どういう
つもりなのか」と
「中央」という表現は
日本政府
陸軍省海軍省
これらの総称である
花沢中将と
鯉登少尉の父君は
同じ薩摩の生まれで
ご親友同士であった
そうだな
鯉登の父親は海軍少将であり
鯉登の父親は
海軍少将であり
花沢中将の自刃は
二〇三高地の
甚大な被害を
中央がすべて
花沢中将に
なすりつけたのが
原因だ..
父君は
お元気か?
大湊要港部
司令官であった
青森に設置されている
尾形百之助も当然
父君の名誉と
第七師団のために
戦ってくれると私は
信じていたのだが...
当時:
父上は近衛歩兵
第1職隊長
陸軍中佐
近衛は天皇に
直結する
軍ですからね...
近衛は天皇に直結する軍ですからね...
世間体を考えれば
浅草の芸者と
その子供は
疎ましく
感じたでしょう
本妻との間に
男児が
生まれると
父上は
母のもとに
ぱったり
来なくなったと
祖母から
聞きました
祖母は母と
まだ赤ん坊の俺を
茨城の実家に
連れ戻した
そうです
母はよく
あんこう鍋を
作って
くれました
西のふぐに
東のあんこう」
ってね
あんこうは
安く手に
入りました
地元の
庶民的な
鍋です
俺も好きで
食べてました
でもね...
それが毎日
なんですよ
あんこうが
とれる
冬の時期はね
母は毎日
母は毎日
父上が
美味しいと
言って
くれたから
頭が
おかしく
なってたんです
また食べに
来てくれると
信じて
あんこう鍋を
作ろうと
するんです
俺は祖父の
古い銃を
持ち出して
畑へ行って
鳥を撃った
鶏肉があれば
あんこう鍋を
母は作らないと
思って...
でもいくら
鳥を撃っても
あんこう鍋を
作り続けるんです
だから俺は
祖父母が
留守の時
殺飼剤を
あんこう鍋に
入れて母に
食べさせた
「少しでも母に
対する愛情が
残っていれば
父上は葬式に
来てくれるだろう」
「母は最後に
愛した人に
会えるだろう」と
でも
あなたは
来なかった
自分たちを
捨てた
恨みとでも
言うつもりじゃ
あるまいな?
資様も頭の
おかしくなった
母親が哀れで
疎ましかった
のだろう?
子供は
親を
選べません
仮にあなたに
愛情があれば
母を見捨てる
ことはなかったと
思います
私と同じ
じゃっ
何かが
欠けた人間に
育つの
ですかね?
愛という言葉は
神と同じくらい
存在があやふやな
ものですが
愛情のない親が
交わって
出来る子供は
どんなに
ご立派な地位の
父親でも
父上と
本妻との間に
生まれた
息子さん...
花沢勇作少尉が
高潔な人物
だったことも
証明している
気がします
入隊して
初めて
会いましたが
面を
くらい
ましたよ
「規律が
ゆるみますから」と
何度注意しても
部下の俺を...
「ひとりっ子育ちで
ずっと兄弟が
欲しかった」と
俺に
まとわり
付くのです
「兄様」と
呼ぶのです
あの屈託のない
笑顔.....
「ああ
これが両親から
祝福されて生まれた
子供なのだ......と
心底
納得しました
ところで
花沢勇作少尉が
二〇三高地で
どうやって
亡くなったか?
父上は本当のことを
ご存じ無いはずだ
少尉殿に対する
妬みからじゃ
ありません
父上を
苦しませたい..
というのとも
ちょっと違う
ただひとつ
確かめて
みたかった
俺が後頭部を
撃ち抜きました
勇作さんの
戦死を
聞いたとき...
...
父上は俺を
想ったのか...
無視し続けた
妾の息子が
急に愛おしく
なったのでは
ないかと...
祝福された道が
俺にもあったのか:
貴様の
言うとおり
何かが
欠けた人間...
出来損ないの
倅じゃ
呪われろ
中央は第七師団に
自刃の責任を
かぶせるだろう
我々にとって
厳しい時になるが
耐え忍ぶのだ
外敵を作った
第七師団は
より結束が
強くなる
第七師団は
唯ひとり残された
花沢中将の
ご令息を
担ぎ上げる
よくやったぞ
尾形百之助
よくやった
失った軍神を
貴様の中に
見るはずだ
「たらし」めが...
鯉登少尉
ちょっと
こっちに来なさい
ほら見てみろ
この新聞の
記...
近い近い!
網走の脱獄犯
刺青の24人の
ひとり...
ちょっと
近すぎるぞ
鯉登
稲妻強盗と蝮
稲妻強盗が
動き出した
!
刺青人皮を
エサにすれば
罠にかかるかも
しれませんね
「私の刺青人皮を
使ってください」と
本物をエサにして
万がいち
奪われてしまったら
どうするんだ!?
ふー
そういう
ところだぞ
鯉登少尉!!
そこは当然
江渡貝くぅんの
贋物を使うに
決まっているだろ
ハッハッ
コラッなんで
畳をばりばり
するんだ鯉登
鶴見中尉殿と
同じ量の上で
申し訳ないッ
さええ
えええッ〈穢叫〉
畳を掘って
頭を下げたいッ
ばりばり
やめなさい
お茶を
ぶっかけろ
月島
小樽...
お金持ちが
たくさんいそうね
お銀......
お前をこの街の
誰よりも
金持ちに
させてやる
第104話
第104話
...
...
恐怖のお
...
ホントなのに
私は
そういえば...
これは、
一瞬俺は、
杉元佐-
小樽
土方歳三の
隠れ家
なあ...亀蔵
東松屋商店って
知ってるか?
花園地区にある
あのデカい
油問屋?
ああ
それが?
負けが込んだ客が
あるものを
出して
きたんだとさ
じゃあ
あそこが賭場に
なってんのも
知ってるな?
噂を聞いた
んだよ
「欲しい」って
野郎が現れたら
高値で
売るもよし
ご自分で
他の人墨を
お集めになって
宝探しを
するでもよし
借金のカタに
刺青人皮を
置いてった
そうだ
どっかで
聞いた
ような話だな
行くか?
夏太郎
留守番なんぞ
大でもできるぜ
俺らだけで
手柄を上げて
ヒジカタさんに
認められねえと...
夜になったら
決行だ
寝静まったら
忍び込もう
そっちの
可愛子ちゃん
見覚えあるね
うッ...
またっけな
蝮のお銀...!!
前に
ヤッたつけ?
ヤッてねえよ
俺の女房と
ヤッたのか?
なんで
ヤラねえんだ
こんな
いい女と!!
思い出した!
あんた茨戸にいた
チンピラだね
日泥一家の
用心棒だ
ああそうさ
まさに死闘
だったぜ
馬吉は
俺たちで
ぶっ殺して
やったんだ
な?カメソウ
亀蔵
なんか抗争で
あそこの賭場を
仕切ってた連中は
皆殺しになったって
聞いたよ
あ?ああ!
そうだったな
ふ~ん
見かけによらず
結構やる
みたいだね
いや...
賭場荒らしだろ
おおかた
夜に戻ってきて
襲う相談でも
してたな?
油屋を見てた
みたいだけど
ここの用心棒に
なったのかい?
え?
一緒にやる?
たまには
何人かで
やるのも
良いでしょ?
お銀がそれで
幸せなら
かまわないぜ
賭場荒らしの
話ですよね?
痛あッ!!
どうした
シライシ
オソマを
しようとして
肛門に小枝でも
刺さったのか?
転んで
ヘビに頭
吹まれた
へど!?
ぎい~ッ
野糞してて
金玉を笹で
切ったんじゃ
ないか?
蝮じゃねえか!!
毒あるぞソレ
その戦は
死んでるのか?
死んでるのかッ?
石で
ぶっ叩いて
やったわ
咬まれたとこ
すげえ痛く
なってきた
毒で
死ぬかも
アシリパちゃん
吸い出してくれ!!
いろいろと
気持ち悪いから
嫌だ!!
蝮の毒では
めったに
死なないから
我慢しろ
マムシ咬傷の
死亡率は01%前後
ちなみに同じ
クサリヘビ科の
ガラガラヘビでは
マムシの95倍強い
責性を持つ種がいる
お前らで
いいから
吸い出して
くれよぉ!!
......
日が落ちて
暗くなる前に
薬になる草を
探してくる
毒を
チュッチュと!!
めったに
死なねえ
ってよ
まれに死んだのが
全員頭を咬まれた
奴だったら
どうすんだよ!!
網走監獄を
知り尽くしていて
潜入できるのは
俺だけだぞ
歯茎とかに
毒が入ったら...
俺が死んだら
困るだろッ
嫌だから
だからホラッ
尾形ちゃん
吸ってくれよ
私たちが
「ノヤ」と呼んでる
ヨモギと
ショウブを
とってきた
これらを
火にくべて煙を
当ててやると
ヘビに咬まれた
傷が良くなる
もぐさの
お灸みたいな
もんか
苦しいッ
頭は無理でしょ
コレ
家の屋根に
ヘビが入って
隠れたときは
フチがヨモギで
燻して追い出して
くれたものだ
フチ
元気にしてる
かな?
杉元!さっきの
マムシの頭に
ヨモギの茎を
刺してくれたか?
悪さをしたマムシは
ああすれば
生き返らないと
フチが話してくれた
ヨモギは様々な
おはらいの場面で
使う魔除けの草
なんだ
私たちがヨモギを
「霊力のあるノヤ」
「神のノヤ」と呼んで
病魔を追い払う
浄めの草と
してきたのは
それだけ
効果が
あったからだ
それだけ効果があったからだ
ああ
やっといたよ
あれどういう
意味があるの?
あとはこうして
ヨモギの煮汁を
湿布しておけば
必ず良くなる
でも...
ほんと?
よかった...
シライシは
助かっちゃ
いないん
だろうなぁ
吹み付いたのが
ただの
マムシじゃなく
「サッソモアイェッ」
だったら...
おそろしい
なんだい?
それは
日高に住む
猟師の兄弟が
ある夏に
狩りへ行ったら
何とも言えない
強烈な悪臭がして
兄は全身が
腫れ上がって
動けなくなった
これは
サクソモアイェブ
二夏に言われぬもの」という
大蛇のしわざで
胴体は
俵のように太く
その姿を見たものは
悪臭で髪が抜け落ち
全身が腫れ上がる
という
そんな馬鹿な
どんだけ
臭いんだよ
「夏に言われぬもの」
とは
夏にその名を言うと、
出てきてしまうから
恐ろしくて口に
することが出来ない
という意味だ
同じように
夏になると絶対に
ムックリを
鳴らさない
ムックリは
ヘビが集まると
フチが言ってた
だから
アイヌ語の一蛇」を
指す言葉を
私は絶対言わない
夜に口笛を
吹くと
へビが来る
みたいな話だね
ぴー
わぁああ!!
やめろッ
アシリパ
ちゃんでも
ここまで苦手な
生き物が
いたとはなぁ
ぴっぴっ♪
ぴー
やめろッ
やめろッ
いつも
やめろッ
ぴぴぴっ♪
大丈夫だよ
迷信だから
夜に口笛を吹くとね
景気が良いと思われて
泥棒が寄ってくるから
やめなさいって話だよ
あれ!?
さっきまで
座ってた
倒木が...
杉元おまえ
その顔
どうした?
お前もどこか
ヘビに
吹まれた?
え?いや?
ぎゃー
サクソモアイェブだ
アイヌの伝承に限らず、
黒光りした
巨大な蛇の目撃談は
北海道全域に
昭和中頃まで存在する
今日は少し
暑かったな
こっちの夏は
短けえよ
盆を過ぎれば
すぐ寒くなる
ぴーぴぴ♪
アマニュウだ
しかし本当に
あんな大蛇が
存在したとはな..
樺太では
この草を
蛇が嫌うと
言われてるので
帯や襟に挟んだり
手にこすり
つけたりする
第105話「夏
この土地で
毒のあるヘビは
マムシだけだから
マムシの主かも
しれないな
アオダイショウは
良い守り神だけど
マムシは嫌われてる
ウエペケレ(民話)では
マムシは盗賊が
死んだ魂の
成れの果てと
いわれている
第105話、夏の虫
蛇は元々
天上に住んでいて
出悪な性質だった
海へ飛び込んで
逃げよう
仮に死んでも
一緒だ
やがて地上が造られ
火の神
アベフチカムイが
天上から下りる時
蛇は一緒に
降りたくて感願した
俺たちの血が
海で
ぐちゃくちゃに
混ざり合って
新しい命になる
私たちに
そっくりな?
素敵ね...
逢ってみたい
火の神は自分と
一緒に行けば
焼け畑れて
しまうからと
断ったが蛇は
聞かなかった
「どんなに
苦しくても
死んでもいいから
連れて行って
ください」
雷の神様
カンナカムイは
蛇の神様でもあり
同一視されている
なんて
命知らずな...
この高さを
飛びやがった
飛び降りた速力が
あまりに速く
地上に
大きな穴が空き
蛇はそこに
住むようになった
蛇は稲妻に乗って
地上へ飛び降りた
その穴は地獄まで
続いており
蛇が人間に姿を
見せるときは
何か危害を
加える時なので
注意しなければ
ならない
嵐のごとく
奪い取ったら
稲妻のごとく
ずらかる
相手が面食らって
頭の中が
白いうちに
え?もう今
やんのか?
寝込みを
襲うんじゃ
なくて?
仕事を
済ますのが
強盗の鉄則だ
ちょっとでも
抵抗する奴は
容赦すんな
ああ?
賭場荒らしは
来てる客ごと
襲うもんだろ
寝込みなんて
つまんないよ
やるなら
派手に
行かないと
やっぱり
お銀はオレの
女房だ
屋さん...
ああ...
.....
聞こえるか?
ああ
やってるなぁ
どこかで
はああッ
見張りが
来るッ
こんな時に
おっ始めたぞ
はあッ
声が
でかいッ
あああッ
うるせえから
他所でやれよ~
やっちまえ
お銀...!!
うお...
それは、
はい
こいつら
頭が
ぶっ飛んでる
こんなのと
組めるかよ
これっぽっちも
信用してねえさ
だが土方蔵二さんの
情報が正しいなら
お銀の旦那
稲妻強盗」
坂本慶一郎は
網走監獄
24人の脱獄国の
ひどりだ...!!
油間屋の刺青八皮と
稲妻の入れ墨...
どっちも
手に入れてやるッ
何だ
テメエらぁ!!
ボケッと
すんなッ
カネ集めろ
...
お前が
店主だね?
奥へ行きな
なんで?
暴れると
脊髄に
刺さるよ
お前ら...
稲妻強盗と
蝮のお銀だな?
あああッ
やめろぉ
銀行を襲う
救賊じゃ
ねえのかよ
ここはケチな
賭場だぞ!?
何が欲しいか
分かってんだろ?
これの
ことか?
持ってけ泥棒
あったよ
慶さん
隠し引き出し
やっぱ
テメエらも
刺青人皮が
あるのを
知ってたな
他にも
持ってるのか?
飛んで
火にいる
夏の虫
ミーっ。
入って
第七師団...!!
建物は
包囲した
...
なんか
様子が
おかしいぞ
...
ヤバそうだね
死にたくなきゃ
手を貸しな
可愛子ちゃん
ひとつ稲妻に
質問がある
ここへ
来るまでに
他所で
刺青人皮は
手に入れたか?
...
何処かに
隠されていると
厄介だ...
なぜなら
貴様ら夫婦は
このあと
蜂の巣になる
稲妻は残念だが
皮を剥がせて
もらう...
もし
刺青人皮を
隠し持って
いるなら
女房だけは
殺さないで
やってもいい
あんた
お銀が
どんな女か
知らねえのさ
生かしておいて
ただで済む
女じゃねえ
え?
ちょっと
やめろッ
撃て!!
ごあっ
...
2017年10月
そっちの
階段だッ
ごぼーッ
ごぼーッ
気をつけろ
散弾銃を
持ってる
鯉登少尉
先走るなッ
む!?
奴ら
食用の油を
階段に
まいてるぞ
滑るッ
急げッ
どんどん
流しなッ
キこえええぇッッ〈猿叫〉
月島あッ
第106話、弾より速く
稲妻は
素早いぞ
この油問屋は
建て増しで
階段が多い
内部は
入り組んでるから
気をつけろ
いいです
きえええぇええっ
どけどけぇ
オレが
仕留めるぜ!!
よし行け
二階堂ッ
こっちだ!
みんな続け!!
わあああぁ!!!
これでは
らちが明かん
お銀ッ
慶さん!
亀蔵は!?
死んだ
えッ?
窓に近づくな
包囲されている
煙の臭いが
する
うおッ
表の空き地から
雑草を
刈ってこい!!
ヨモギが
たくさん
生えてる
マムシ共を
燻り出して
やれッ
二階堂ッ
下りてこい
撤退だ!!
お銀も射殺
しますか?
あの夫婦がここへ
来るまでに
刺青人皮を
見つけているのか
どうか.....
そこが
問題だな
稲妻たちは
流れ者だ
どこか
慣れない場所に
隠すとは
思えない
泥棒が
他人を信用して
預けるとも
考えにくい
大切なものは
肌身離さず
持っているはずだ
それなら
お銀が
背負っていた
荷物が
怪しいです
正面から
飛び出して
一緒に
蜂の巣になるか
それって
すごく
素敵ね
ヤケになるのは
早いぜ!!
見ろよこれ
配膳用の
昇降機って
やつだ
前に
ニシン御殿でも
見たことある
たぷんここから
一階の台所まで
下りられる
はずだ
お銀.....
奴らの出した
この煙に
紛れて
逃げてやる...
慶さん...
あんたと違って
慶さんは
身体もチンポも
デカイんだよ!!
こんな狭いの
慶さんは
引っかかる
だろーか!
オレが
囮になって
引き付ける
小樽運河で
落ち合おう
あたしの
いないとこで
死んじゃやーよ?
オレは
稲妻だぜ
奴らの弾より
速く走って
みせるさ
いや充分だ
追う準備を
しておけ
この煙に紛れて
逃げようと
飛び出してくる
鶴見中尉殿
燻り出すには
煙が少し
弱いかと...
稲妻強盗だッ
当たら
ねえッ
弾切れた
!!
うわッ
むんッ
二階堂お
撃てッ
仕込み銃
だと?
稲妻だッ
待て
鯉登少尉
ひとりで
行くなッ
そっちへ
逃げたぞ
逃走用の
馬が
あるから!
小樽運河って
とこに
案内しなッ!!
亀蔵~...
稲妻は
どっちへ
逃げた!?
メソメソ
してんじゃ
ないよ
殺すよ!?
分からん!!
鯉登少尉が
追ってる
お銀だ!!
撃て撃てッ
わ~
オレをここまで
本気で
走らせた奴は
初めてだぜ
たいした
猟犬だ!!
また会おうな
軍人さん!!!
この機関銃の
弾より速く
逃げてみろ
稲妻!!
!?
鯉登少尉の
銃声が
音の道標に
なった...
よく走って
食らいついたな
いいぞぉ鯉登
第107話・眠り
...
小樽運河に
ついたぞッ
稲妻は
どこだ?
どこか
撃たれたのか?
どうした
お銀!!
いいから行って
いたぞ
お銀ッ
あそこに
稲妻が...
慶さん!!!
お銀...
・
くうッ
お銀までッ
いま行ったら
お前も
殺されるぞ!!
幸せなまま
終わりに
したいの
ふう...
いっぱい
出た...
マムシ...
愛してるぜ
お銀......
愛してるわ
慶さん...
私は貴様ら
夫婦の死神だ
稲妻
安心しろ..
お銀も
一緒に地獄に
落としてやる
!?
テメエが
地獄を
案内しなッ!!
稲妻が
言ったとおり
おおおッ
首だけに
なってまで...
タダでは
死なん女だ
まさに
マムシ!!
美しい死に様を
見せてもらったぞ
稲妻強盗と
蝮のお銀
鯉登少尉!
お銀の
荷物を
調べろ
本物の
刺青人皮を
持っている
かも
しれない
おぎゃーッ
おぎゃーッ
子供は親を
選べない
あの夫婦は
凶悪だったが...
愛があった
生粋の凶悪な
殺人者でしょう
おむっ
出来た!
あんな親が
育てた子供は
どんな人間に
なるのか...
興味が有る
ところだったな
あれぇ?
時代に合えば
英雄になって
いたかも
知れんぞ
今ですら
我々の手には
負えない
どこか
信頼のできる
人間に
託さないと
ホンルルルツ
イテキチシノ
モコロもコロ
「泣かずに
ねんねしな
出典◎「アイヌ民族誌,第一=法規(町久保寺逸彦(RV
エモコロヤクネ
エコロミチカ
エコロハポカ
ねんねしたなら
お父ちゃんも
お母ちゃんも」
ネプキヤクネ
ソモイベルスイ
エキナンコンナ
「働けるだろうから
ひもじい思いは
しないよ
ニㇱパエネクニ
カムイエヌカラ
キクスネナ
「主派な人になれるように
神さま見ていて
下さろう」
そこは、モコロ
イテキチシノ
キコロモコロ
ねんねん
泣かずに
ねんねしな
幸せなまま
終わりに
したいの..
お銀...これ
稲妻強盗の
刺青人皮は
第七師団に
獲られたが
油問屋に
あったやつは
手に入った
土方歳三さんに
渡さないと...
!?
オオウバユリ
杉元
ちょっとこれ
見てみろ
なになに~っ
今度は
なんのウンコ
見つけたの~?
このエゾシカ...
ヒグマに
やられた
のか?
ヒグマの
傷じゃない
人の足跡が
ある
メッタ刺しに
殺して
そのまんまに
したんだ...
第108話大湿原
ラワンブキ
ピンネラウ
「若いオス鹿」だ
死んで
何時間か
たってる
猟師かな?
猟師なら獲物の
毛皮を
ズタズタにして
夏なのに
肉の処理もせず
何時間も離れない
アシリパさん
この肉
どうする?
白石たちに
持って帰る?
いや...なんか
嫌な感じがする
お祈り
だけして
立ち去ろう
あっちの湿地に
仕掛けた罠を
見てこよう
水辺の鳥が
掛かってる
かも
これは「カシンダ」
という
水鳥用の罠だ
太い部分は
ぷどう蔓で
出来てる
ヒモを
木に結んで
罠を水面に浮かべ
輪の中に餌を
沈める
餌を食べようと
水辺の鳥が
輪の中に首を
いれると...
くくり長か
紋まる
なるほど
ぷどう蔓は
「浮き」の役割か
罠を見て
回るぞ
杉元
はい
アシリパさん
獲れてるよッ
アシリパさん!!
丹頂鶴が罠に
かかってる
サロルンカムイ
(湿原にいる神)
かぁ...
せっかく
獲ったんだし
白石たちも
お腹空かしてる
だろうから...
スゲー
タンチョウヅル
獲れた
でかいッ
タンチョウヅルより
マナヅルのほうが
美味しいんだよな
ええ?
おなか
すいたね
......
あ!!
良かった
帰ってきた
鶴って
江戸時代は
関東の方にも
飛んできて
たらしいな
将軍様も
こうやって
鶴の汁を
食べてたって..
だいぶ減った
みたいで
もう関東じゃ
見たことないぜ
グモグ
う~ん...
泥臭いような
ムッとする
変な匂い
だろ?
なんで
丹頂鶴なんか
獲ったんだ!
普段は獲らないけど
杉元が
「北海道の珍味を
食べ尽したいんだ」と
いつも
言ってたから...
言って
ねえだろ
俺は
そんな目的で
北海道を
旅してるんじゃ
ないんだよ!
......
戦争で死んだ
親友の嫁さんを
アメリカに
連れてって
杉元は...
どうして
金塊が
欲しいんだ?
まだ言って
なかったっけ
目の治療を
受けさせて
やりたいんだ
「惚れた
女のため
ってのは
その未亡人の
ことか?
え?
そうなの?
フン
......
トリ
フン
チカプ
アシリパさん
どうしたの?
鶴の舞
釧路に
伝わる
踊り
この踊りで
着物の裾を
バサバサさせるのは
「ホバラダ」といって
鶴はヒグマと
とても仲が悪くて
羽をバサバサして
喧嘩するから
ふ...
ヒグマにあったら
ホパラタすると
逃げていくと
言われてる
へえ...
どうして
急に踊ったの?
別に...
鶴食べたから
こっちに
誰か来るぞ
ほら見て
インカラマッ
やっぱり
アシリパだッ
ですね
チロンヌプ
狐)と...
チカパシだ
なんで
こんな
ところに!?
知ってる子?
遠くから
アシリパが
踊ってるの
みえた
やっっと
見つけた!!
谷垣ニシパと
小樽から
探しにきた!!!
谷垣?
私を探して
いたのか?
......
でも...
谷垣ニㇱパが
大変なことに!!!
谷垣に一体
なにが?
谷垣ニㇱパは
私たちを
巻き込みたく
なくて
はぐれました
谷垣ニシパは
昨日から
追われてます
誰に
追われ
てる?
このあたりで
最近
家畜や野生の鹿を
斬殺して粗末に扱う
人間がいるらしく
「カムイを稼す
人間がいる」と...
怒った
地元のアイヌは
谷垣ニシパが
犯人だと誤解して
殺気立ってます
ハンケノ
アンシリ
ネナ!!
近くにいるぞ
...そう!!
アシリパさん
さっきの
オス鹿...
エゾシロチョウの
集団吸水...
夏の
釧路の湿原も
綺麗だ
日本では
このあたりにしか
生息しない
キタサンショウウオ
黄金のキノコ...
タモギタケだ
夏に音えが赤くなる
アカエリカイツブリ
混地に薬を作る
夏鳥の
コヨシキリ
混地の花である
クシロハナシノブと
クロユリ
おやおやぉや...
二股の袋角からみて
若いオスですね
夏もの
白い斑点が
ワタスゲの
白い穂と
混じり合って
なんと幻想的な
世界は...
こんなにも
美しい
すべてが
愛おしい...!!
私はッ!!
なんてことをッ!!!
汚らわしいッ!!
こんなことッ
あっては
いけないッ!!
アシリパさん
俺たちで
真犯人を
とっ捕まえて
阿仁マタギを
助けに行こう
そいつ...
詐欺師の
鈴川聖弘が
言ってた
四人かも
第109話・大
カムイノミ
四日前の
ことです
私たちは
地元のアイヌの
男たちと
出会いました
その村田銃...
どうして
それを?
10年以上前:
一緒に狩った
ヒグマを
二瓶鉄造の
ものではないか?
腕が良すぎて
ヒグマが
この土地から
いなくなるかと
思った程だ
その銃床の
小さな
七本の傷...
一瓶は...
山で死んだ
二瓶鉄造の銃に
刻まれて
いたものだ
この村田銃は
俺が引き取った
あの出来事が
その後
まさかあんな
事態になるとは...
ハンッ!!
占い師の
クセにぇ?
ふう...
キャッ
なんて
汚らわしいッ
こんな木は
存在しては
いけないッ
切り倒して
燃やさなくては
ニㇱパ〈旦那〉
何してる?
ウヒッ
ナタでその木を
切り倒すのは
大変だと思うが?
あ...いや
違うのです
これは..
クマゲラが
餌をとった
穴を見て
いたんですね
すっごいキレイな
椅円形の穴です
すっごい..
硬い木に
よくこんな穴が
掘れるな~と
思って
私も
真似したん
ですね
チッタチカフ...
「舟掘る鳥」
だよね?
そう!
よく知ってるね
この稽円形の穴は
「舟堀型」と
いうんだ
君たち
アイヌは
これを真似して
丸木舟を
作ったというね
くわしいな
ニㇱパ生き物
好きなの?
うん...
灯きで好きで
たまらないんだ!!
男は
姉畑支遁と
名のりました
学者で
北海道の動植物を
調査していると...
ほらほら
チカバシくん
このイタドリの
葉を見てごらん
なあに?
コテング
コウモリが
お休み中だよ
チカバシがとても
なついたので
私たちも油断しました
その日は
姉畑支遁と
一緒に野宿を
したのですが
翌朝..
男と共に
谷垣ニㇱパの
銃と弾薬が
消えていました
おそらく
その銃が
新たな犠牲に
使われて...
囚人に
学者が
いるってのは
聞いたことが
ある
鈴川聖弘から
聞いた情報と
一致するぜ
銃から
離れるなと
あれほど...
あちこちで
家畜を殺して回って
牧場主に見つかって
大怪我させて
捕まったとか
そいつが
入れ墨脱獄囚
24人のひとりだ
とにかく犯人は
二瓶の銃を
持っている
手分けして
探そう
さっきの
鹿の死骸が
一番新しい
犯人の跡だ
行くぞ
杉元!
ロロワエカシ
ウサラワフチ
父の鈴神よ
火の塩神よ
タバンピンネラウ
ランケカムイ
オンネ
(この若さ雄虎が
地上に下した
神のもとに
アラクワンノ
オシピクニ
〈まっすぐに
帰れるよう
タバンタンパク
トゥラノカネ
このタバコを
捧げて
クノミタパンナ
〈お祈りいたします〉
カムイノミ...
神様へお祈り
してる
私たちが住む
西の方は
鹿をカムイ扱い
しないけど
東はあんまり
獲れなかったから
昔から鹿を
大切に送る儀式も
する
人間も含め
全ての者は
カムイと呼ぶことが
できる
しかしいつも
カムイと呼ぶ者は
限られている
例えば刃物は
手では切れない物を
綺麗に切ったり
してくれるから
カムイが宿ってる
木も
山に座ってる
カムイ
火は
私たちの生活に
欠かせない
でも決して
人間よりも
ものすごく
偉い存在では
なくて
人間ができない事
役立つものや
災厄を
もたらすものなどが
カムイと呼ばれる
天候や
狡病などは
人間のちからが
及ばないから
カムイだ
私たちと
対等と
考えてる
狩猟というのは
人間が獲るんじゃ
なくて
カムイの方から
弓矢に当たりに
来ると
考えられてきた
人間に招待されて
肉や毛皮を与える
かわりに
カムイは
人間しか作れない
酒や煙草や
イナウ(木弊)が
欲しい
私たちはカムイを
丁重に送りかえし
人間の世界は
いいところだと
他のカムイにも
伝えて貰わなきゃ
ならない
ひどい扱いをすれば
そのカムイは下りて
来なくなる
その弓...
遊びで
持ってるものじゃ
なさそうだな
いまどき
そんなもので
狩りを
してるのか?
銃は
私の身体では
まだ重すぎる
銃は便利だが
急所を
外せば獲物を
苦しませる
私の毒矢なら
急所じゃなくても
すぐ死ぬ
犯人を
追ってるのは
あんたの
仲間か?
アイヌの毒矢は
北海道北部
天塩町にて
昭和7年まで
密かに熊狩りで
使用されていた
記録がある
変わった
子供だ
もう
捕まえたか?
わからない...
でも時間の
問題だろう
我々は
犯人を
知っている
その男が
鹿を惨殺するのを
見たのか?
二日前
俺は銃声の
した方へ
ひとりで
向かった
四日前に
会った男だ
メスの鹿が
死んでいた
目が覚めてから
メス鹿を
よく調べると
この若い
オス鹿同様...
稼されていた
谷垣は
そんなことを
する男じゃない
知り合い
か?
どうしてだ?
杉元......
どうして
こんなことを?
人間が鹿と
ウコチャヌプコロ
しても
子供なんか
出来ないのに..
ましてや
オスの鹿と
ウコチャヌプコロ
する意味がわからない
オスはメスとしか
ウコチャヌㇷコロ
しないはずなのに
オスと
ウコチャヌプコロ
するなんて
どうしてだ?
杉元.....
ウコチャヌプコロ...
トゥアネネ
キラ!!
(そっちへ
逃げた
トゥアネネ
キラ!!
(そっちへ
逃げた
!!
エウレンテケ
リッナブニ!
(両手を
上げろ
クアッナ!
撃つぞッ〕
!!
うおッ
俺は
やってない
濡れ衣だッ
エライケアン!
〈殺して
やる
久しぶりだな
谷垣一等卒
無理やり
ウコチャヌッコロして
カムイを稼すやつは
絶対許せない
必ず私たちで
捕まえてやる!!
ウコチャ
ヌプコロ...
第110話、支通動物記
はッ
おとなしく
しなさいッ
大丈夫ッ
大丈夫だからッ
大好きだからッ
ぐうッ
待ってーッ
やっぱり
あの銃を
使うべき?
ううん...
手負いにするのは
気が進まない
また逃げられた
本当に仲良く
なれたときの
快感には
代えがたいもの
キタキツネ
イトウ
うおおお
ニワトリ
待ってーッ
頑張れ
姉畑支遁
尾形上等兵!!
オマエ
仲間か?
谷垣
きさまは
小樽に
いたはずだ
何をしに
ここへ来た?
鶴見中尉の
命令で
尾形ちゃん
どこ行った?
俺を
追って
きたのか?
だれ?
俺はとっくに
下りた!
軍にも
あんたにも
関わる気はない
世話になった
婆ちゃんの許に
孫娘を無事帰す
それが俺の
「役目」だ
頼めよ
「助けてください
尾形上寺兵殿」と
銃を
捨てろッ
あんたの
助ける方法
なんて...
あんたは
この人たちを
皆殺しにする
選択しか
取らないだろう
手を出すな!!
ははッ
遠慮するなって
ちゃんと話せば
分かってくれる
テッポオスラ!
銃を捨てろッ
皆殺し?
俺に
銃を向けるな
殺すぞ?
テッポアマ
ヤン
銃を下げろ
コタンオレネ
チトゥラワ
パイェアシ
〈村へ連れて行く〉
エカシ...
キラウシ
ニㇱパ!
犯人が捕まった
殺しては
ダメだ
でも逃がせば
同じことを
繰り返す
家畜を
殺されれば
俺達が飢える
和人なんだ
から警察に
連れて行けッ
警察に
連れていっても
たいした罪に
ならないッ
家畜の次は
俺達の女房や
子供たちかも
知れんぞ
ソンノ
ソン!
そうだ
そうだ!
ネノアンキ
ロク!
そう
しよう!
俺達のやり方で
こいつを裁くッ
鼻と耳と
足の腱を
切るッ
アイヌの刑罰に
死罪はなく
最も重いものに
足の腿を切って
不具にして
追放するものが
ある
待ってくれ
俺の話を
聞いてくれ
ちょっと待った
オマエも
この男の
仲間か?
どけッ!!
まあまあ
落ち着きなって
杉元ッ
アシリパさん...
俺は大丈夫だから
...
...
犯人の名前は
姉畑支遁
上半身に
入れ墨がある男だ
この
谷垣源次郎は
寝てる間に
犯人に村田銃を
奪われた
ドジマタキた!!
...うーふッ
俺達が必ず
姉姉文遊を
覆ってくる
くしゅんッ
三日やる
三日以内に
真犯人とやらを
ここへ連れてこい
それまで
その男は
預かる
村の者達には
その男への
刑罰を待たせる
「ヘペレセッ」
子熊のおり
姉畑支遁と
出会った夜に
奴が話してた
ことがある
秋田でマタギを
されていたん
ですね~~?
獲物は
カモシカとか?
カモシカは
実は鹿じゃなく
牛の仲間だ
そうですねぇ?
俺達は
アオシシと
呼んでた
たしかに
アオシシのほうが
エゾシカより
獣臭が少なくて
食べやすい
シカを
調査で探すなら
この時期は
山を下りて
湿地や草原の方へ
来ているものが
多いはずだ
アオシシ...
味わって
みたいです
ただ...
熊もいるので
気をつけた
ほうがいい
やっぱり
ヒグマもそこに
たくさん来るの
ですね?
ヒグマも
調査するのか?
ずごくすごく
興味あります
それやばい
やばいッ!!
あのちから強く
美しい
生き物のことを
もっとよく
知りタイ...
ヒグマに
恋しちゃったら...
入れ墨ごと
喰われちまう
だろうがッ!!
姉畑支遁が
ヒグマと
出会う前に...!!
ウコチャヌプコロ
しようとする前に
捕まえないと!!
わかりま
ゴールデンカムイOG完
クション!!
【アイヌ語監修】
...スッ!!!?!!お
【町区村協力】
北海道アイヌ協会
1999年11月9日(土)土曜日)
小樹市総合博物館
早稲田大学舎市八一記念博物館
北京大阪大モコットゥナン
後藤一信
北海道大学術物園・博物館・
国立玉族学博物館
平泉町立二風谷アイヌ文化博物館
アイヌ民族博物館
月形榊テキ博物館
鋼路市立博物館
久井賞世
徳田龍弘
照小滋晴
【写真提供】
中国政府が教育・教田高範、石川駅三
【アイヌ文化団係参考文献】
「アイヌ語絵入り辞典月里落央横山多銀
「アイヌの民史」は野茂
「苦野茂のアイヌ語辞典」苦男ら埈
「アイヌの民史実調因集」武誠野美術大学-生活文化研究会
「アイス式エコロジー化法あぁぁぁっ、んんっ、はっはっ、お姉さんに今は、「自分の理由」さとうち誰
「アイヌ神源集」知里客盟
「アイヌ民族のゥ続比券◯決川植清
「先生民アイス以族(初期大岡)レムック
「シラオイコタン木下清雄遺作写真集」
「アイヌの衣服文化」アイヌ玉炭神朝節
「アイヌの四季日中史型子・銀治明石
「アイヌ相物は」福岡イト子佐藤村子
「アイスの民俗」「HAX
「クスクップオルシベ「酸氷クラ
「聞き書アイヌの食事」操作美枝藤村久利村木美幸細井明子古原線弘
「ニューエクスプレスアイヌ語!中川裕
「アイヌ語千歳万言辞典J中川希
「カムイユカってアイス語を学ぶ旦田裕・中本ムツ子
「語り合うことばのりカムイたちと生きる世界19月経
「コタン生物記(1)樹木雑琮篇J史科誠臓更科光
「コタン生物品(29時間)海賊魚族富J史科誠講_更科光
「コタン生物品(3)」は、水鳥,琵虫篇]更秤源味_更科光
「アイス民語集」更科議議
「歴史と民俗・アイス」更科講義・
「サルウンクル物語」川上男治
「エカンとフチを訪ねて」HLD治
「アイヌ民族は」アイヌ文化異存対策協議会
「アイス衣服調査報告書()」アイヌ女性が低いでする衣文化]北海道文化財保護協会
「アイヌの状態1984年5月19日
「アイスの文様」四江-明細写真水谷積男
「アイヌ史交料集」吉田厳
「アイヌの普通」久保寺池彦
「アイヌ民族誌」(訳)久保片道彦第一法規
ストライバークス
担当編集・
大熊ハ甲
2016年12月19日午前後...お食いや
GOLDENKAMUYSPEOIALEXHIBITION
札幌会場I20234.28E〜5.21日...!!丸井今井札幌本店にて開催:
画館会場2023.7.22日〜9.10日...・丸井今井西館店にて開催と
https://goldenkeamuy-ex.com
〈注意事項〉《本展の展示には、アーツ・お茶屋に相する情報がここではまれていないストーリーも含まれますので、両手がご要望による場合がありました。あらかじめご了承のうえご来場ください。仮想新聞報させて頂きますので、
このアニメ化されていないストップ情報は予告なく変更になる場合があり、もちろんそうので、ありがとうございます。本当に関する最新情報注意事項をお来場ください。サイトにて必ずご確認のうえご案を
約2020年2月時点の情報です。
YJC
DIGITAL
5月16日は、WindowsHordPrics
デジタルカラー版
ゴールデンカムイ
11巻
野田サトル
◎野田サトル2017.2022
初版発行
1.2.8.デジタル版発行-2022年
2017年
発行所・集英社
>>1017.11月10日2/18(日)//wwwitsharoo!!
この作品は、著者カラー原画に加え、著者の原画をもとに
集英社でデジタル彩色を行った特別編集版です。
本作品の内容あるいはデータを、全部・普段にかかわらず
無断で複製、改竄、公衆送信(インターネット上への掲載
を含むすることは、法律で禁じられていいます。また、個人
的な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなど
の著作権保護技術を解除して行うこととはできません。
FXTRA.PAGES
背表紙・カバー折り返し
救表記はコミックス発売当時のものになります。
アットから〈制度式〉
FXTRAGANGK-
コンニングシスコスコミュニス、
ゴールデンカムイル
野田サトル
本体・表紙
家表記はコミッククス発売当時のものになります
BXTRALPA6KS
...
本体・裏表紙
家表記はコミッククス発売当時のものになります