エンタイプログラムのここでここの...インター せんこうかいじゃ潜行開始 試合...あさってだな スッキリした表情してるけど解けたのかよ デンプシー破りと海の底... ひょうじょうちょうせんしや挑戦者の表情 すごく気にかかっていろいろ想像したけど結局考えないコトにしたんだ ここまできたらマナ板の鯉ってヤツか 島袋さんはごまかし無しの力勝負でくると思う ボクにしたって前に出るしかない 試合の構図はきっと今までで一番単純なモノになると思うんだ お互い折って打って打ちまくるだけか 試合になれば謎の答えもでると思う 確かにいろいろ考えてもしゃあねえな 一番単純だけど一番苦しい試合になるはず ボク自身空回りすることなく思いきりぶつかれる相手だ そんなことより思いきりぶつかりたい 力を出しきって気持ちいい試合がしたい!! ああれ?今なんか無性に一歩らしいなって思ったぞ 最近の試合前となんか違う雰囲気というか表情というか 伊達さんや千堂と戦った時とそっくりなんだ!! ベルトを守るって重苦しさが微塵も無え まるで挑戦者そのものの表情だぜ! ごめんな岩男漁に出なきゃならんから おやじおふくろ気にせず大物を獲ってきてくれ 自分も大物を獲りに海を渡る めったにお目にかかれない大物が東京にいるんだ うん...みんなも待ってる 必ずしとめて凱旋するよ! ベルト巻いて帰ってこいよおっそ 島ぁあげて祝ってやるぞおっ これ以上ない見送りだよ 海人の歓迎は手荒いぜ覚悟しとけよ 日本王者になってこいやあっ 約束する!手ぶらじゃ島の土を踏まないっ でっかい土産を持って帰る!! おーーっこうして見ると幕之内も貫禄でてきたなあ 藤井さん計量始まりますよ 肉弾戦になるのは間違いないからな お互いどんな体作ってきたか楽しみですね どうしたあ?何盛り上がってんだよ!? ななんだあの首と腕の太さは!?胸板の厚さもハンパじゃねえ アレがフェザー級の体かよ!? 薄皮の下にみっしり筋肉が詰め込まれてるみたい... 減量したのに一回り大きく見えますね さて次は幕之内だ!凄いモノ見せてくれよ 筋肉の鎧をまとってきおったインパクトあるわい 体つきじゃヒケをとらんぞ 鍛えぬいた体をキサマも見せてやれ! 幕之内選手け計量...ぷー 驚いたのはこっちじゃ!! 一回り大きく見えますね あーーあ対戦相手に笑われちゃってるよ 貴様でてきたと思ったのに... どどーもお見苦しいモノを... 島でもそんな立派なハブは見たコトないぞ! しかも猛毒だもう少しで戦る気をそがれるトコだった キミがそのつもりならこっちも出すモノ出したんだが 出すつもりはなかったんですよ しかし明日はこっちがとる番だ! ベルトは一本!とりあえずー 思いきりぶつからせてもらいます いい表情してましたね二人共... 表情といいコメントといい 両者とも挑戦者って感じだぜ わかってるんでしょうね... この試合ーかかっているのは王座だけじゃない まさにそのためにお互い挑戦者として挑む! 後楽園ホール楽園八二ル展示会場 彼らにとって一番の名誉かもしれない ーさて計量も終わったしメシ食って体を休めよう 何食べる?腹減ってるだろ? おおう凄え野太いハブだった 明らかに一回り厚みのある筋肉をつけてきた 確かにアレは圧巻でしたが 何よりあの体つき... 体全体の力を増量したハズ 思いきりぶつかると言っていたな その言葉に偽りはねえってコトか! 強打で恐れられる幕之内一歩と真正面から殴り合う 真正面からくるための増量でしょうね ーーしかし望むところですよ その上でデンプシー・ロールごと叩き潰す そしてもう一つ!それは自分のためにもぎ獲る! それは島の人達のために持って帰る 絶対手ブラじゃ帰りませんよ うわ~~っ恥ずかしかった 今までで一番恥ずかしい計量だった しかしま肝は座っとったようじゃな すぐ縮んじゃいましたけど 挑戦者としての気概が感じとれた シャレで言ってるんじゃないっ それを良しと言っとるんじゃよ キサマはすでに日本タイトルを持っておる わかっているつもりです これまでの練習もそのためのものだと受けとめていました 今回の試合にはもう一つ国内最強がかかっておる 自分の力を存分に発揮せえそして試してこい 国内最強のインファイター おーーっ並んでる並んでる 一歩もすっかり客呼べるようになったなあ 島袋の地元の応援団が見当たらねえな 地方の挑戦者は孤独だなあ ふんっ孤独くらいじゃ島袋はビクともしねえぞ 聞きましたか昨日の計量の話? あーっ先パイがフルチンになってみんながどよめいたってヤツ? アマチュアだと全裸の計量なんて珍しくないんですけどねえ お前は見たコトねえからな... せ先パイのってそんなに凄いんですか? 島袋のヤツはハブとか言って受け流したそうじゃねえか それどころか自分も出すモノ出すって言ったとか... まず男としての自信を失う 世界王者のオレですらとても出す気にはなれんぞ... あるいはそれ以上のモノを持っているコトになる! おっ新しいトランクスかい? ええ母さんと梅沢くんがまた作ってくれて 後楽園の試合も久しぶりだしね 珍しいですねいつもは試合前せわしく体を動かすのに 準備運動に使う体力すら温存しとき、たいのじゃろう つまり...それほど疲れる試合になると? 「海の底」...島袋が投げかけたあの言葉の意味 そう予想したのじゃろうな 小僧はわかっておる謎を解いておる 小僧なりの対策なのじゃよ こう静かに呼吸を整えられると 息苦しいというかこっちも緊張しますね 一息する度に拳を握り込んでいる これから起こるであろう出来事に 呼吸を整えるという表現は適切ではない 心を乱されぬよう静かに靜かに... 覚悟をキメている...!! リングに上がった時点で全開の状態にしておかないと 試合経験はあちらが上ですからね いきなり何かしかけてくるがもしれないし 千堂戦の時みたいにしょっぱなから... デンプシー・ロールの可能性もあると? この男体は小さいが、その闘志ときたら 薄皮の下の筋肉のように、はちきれんばかりだ!! デンプシー・ロールは確かに凶悪だ しかし島袋はそれに耐える日本で唯一の男 セミファイナル終わりました 頼みの必殺武器が通用しないという現象... こいつはちょっとした恐怖だぜ幕之内一歩!! お前の望んだ試合が始まるぜ 幕之内調子いいって評判だぜ しかし島袋もデンプシー破りとかさんざん言ってたぞ みんな島袋に興味津々だな オレらにしてみても本当の実力はわからねえからなあ 実物見るまでなんとも言えねえよ... さあっ青コーナーより挑戦者が入場 ベルト奪取のため沖縄からはるばるやってきた。その名は なんだあ!?見えねえよ ちっこいぞ本当にフェザー級かよ!? 前どけって見えねえんだよっ!! なんだあありゃあ!?凄え体だあっ 小せえけど肉が詰まってるよおっ ワキがしまらないくらい筋肉が盛り上がってるぞおっ 後楽園がどよめいている どうなってんだあの体はぁ!? 琉球戦士!ここに見参んーーっ!! 鎧のようなその肉体からはたしてどんなパンチが放たれるのか!? 挑戦者一点を凝視している 戦士の見つめるその先はー 来ましたあっもう一人の戦士だ! 王者!幕之内一歩の登場だあぁ!! 盛り上がってらあさすがに地元だぜ 彼は挑戦者の気持ちでリングに上がってくる! さあリング上両者が対峙する さあリング上両者が対峙する ハードパンチャー同士の一戦! ハードパンチャー同士の一戦! 幕之内先パイの体も相当ビルドアップされてるのに ああやって向かい合うと普通の人に見えちゃいますね しかたねえ島袋の体が凄すぎる こうして見るとけっこう身長差あるな 一歩は自分より背の低い相手は初めてだったな 幕之内ーーっ相手は小せえぞビビんなよおっ 上から潰せばワケねえよ 客席から見れば二人の身長差は歴然 小僧の方が大きく見えるじゃろうが こうしてリング上にいると... 恐ろしいまでの威圧感よ 大きくて重い塊が... 青コーナーにあるようじゃ! ちょっとやそっと打ち込んだところで揺れ動きそうにない 小僧があれほど覚悟をキメ込むワケじゃ... 最強の挑戦者を迎えての一戦! チャンピオンカーニバルの火ぶたが今! 切って落とされましたあっ 王者がいつものピーカブーで低く身構える! しかし!あ〜〜〜っしかし!! その経験が今吹き飛ばされたぜ 同じようにガードを固めた構えの挑戦者 しかしその姿勢は王者のそれよりもさらに... 相手の懐に潜り込んで戦う ボクにはそれしかできない...だけどー だけどあんなスキ間にどうやって潜り込めばいい!? ガードを固めてる身構える両者! しかし挑戦者は地上すれすれの低さだ!! いささか戸惑いの色を見せる王者 一歩が見上げられてるなんざなんとも違和感のある構図だぜ いきなり未体験ゾーン突入か どうやって懐に潜り込めばいいんだ!? 大体潜り込むスキ間なんて全く... 初めての経験じゃからな 懸命に頭を回し自分の経験から該当する記録を検索しても まずは様子を見るコトじゃ いつもはボクが相手を見上げてた でもこれは全く逆の状況だ 考え方も逆にして... ボクがやられて嫌なコト... 初めに何かしかけてくると思ったが 重圧の塊が近づいてくる!! 意外なほど静かな立ち上がり そして徐々に二人の間隔が狭まってくる 手を伸ばせば届く距離になったいや! 今回一歩の方がリーチが長い 本来の重圧じゃないハズ! 先に射程距離にとらえる! 近寄れば寄るほど重圧を感じる もう一つ踏み込めばこちらの距離だ 手を出してこないならこちらから行く! 島袋さんの距離になったらもっとー オープニングヒットは王者の左ジャブ!! 下に向けて突き刺したあっ ボクがやられて嫌だったコト 石を投げつけられた様な衝撃だ! 左で突き離されて自分の距離に入れない これが一番リズムを狂わされた 速い!!そして重い!ジャブではなくストレートの威力 左一本で挑戦者を射程外へ退けたあっ うおーいいぞうち幕之内 ...島袋はまだ一発も打っていないじゃんか 凄え左だがそれくらいじゃ 幕之内の左なんて久しぶりに見るぞお スピードあるよ幕之内! 手ェ出させない内に終わらせちゃえ 挑戦者まだ一発も手を出せない! もっと左を出して後退させるんだ! ああーーっと王者のリーチがわずかに長い これだけ当たれば後退する! 一気にロープまでつめるんだ!! 打たれながら前に出てきたのかー!? しかし振り抜いた右腕が交差する!! 交差した腕で...一瞬王者の体が浮いたあ~~っ なに〜〜っ見たかよ今の!? 全く同時のパンチだった なのに一歩の体が... 驚いたぞ国内のフェザー級で破壊力は... アレを顔面にもらってたら... 王者の左に沸き返っていた会場が静まり返る! どうだい後楽園の皆さんよ!? 挑戦者のパンチはまだ一発も当たっていません しかし重苦しい空気が流れる 緊張感が張りつめる!! 慣れないアウトボクシングなんてやめなよ 同じインファイター同士ー 同じ土俵で勝負しようじゃないか! インファイター同士... 同じ土俵で勝負しようじゃないか!! い今幕之内の体浮いたよな? まともに入ってたらどうなってたんだ!? これしきで驚きなさんな まだまだ威嚇の段階だよ 島袋のヤツ接近戦を誘っておるわ 小僧とて接近戦のスペシャリストじゃ 望むところと言いたいところじゃが... あの破壊力を見せつけられて 左だけじゃとてもごまかしきれない いつかああ打ち合うコトになる 一発で意識が飛ぶかもしれない! 何発まで耐えられる!? 行くか行くまいか...ですね 考えてるヒマなんかねえよ 自分がそうやってきただろうが! 一直線に挑戦者が飛び込む! 超低空のウィービング!筋肉の塊が懐に飛び込んでくる!! 左のタイミングをもう読まれてる やっぱりごまかしきれない! 突進を止めたいがため誰もが左を伸ばす。 島袋はこの展開に慣れているんじゃ 消極策じゃつかまるぞ! コーナーに詰まった!? 重圧に押されていつの間にか後退していた!! 逃げたその先は袋小路だ! 付け焼き刃のアウトボクシングなんてキミに似合わないぜ まだ島袋さんの距離じゃない コーナーを背負って応戦! 挑戦者低い!左が空を切る 王者十八番の肝臓ブロー 突然の右いっもの凄い空振り!! くくそおっくそまっ下からくるからどうしても体が起こされる これ以上中に入れちゃダメだ!! 確実に倒れるぞ~~~っ 細かいパンチをつなぐ! 挑戦者さらに低い位置! 腕を折りたたんだこの体勢は ガゼルパンチだあ~~っ 頑強な十字ブロックを粉砕ーーっ!! 両腕がもがれたかと思った ガゼルパンチを持っていたなんて 考えてみりゃ島袋に全く似合いのパンチじゃわい 驚いてるヒマはないぞ小僧! ガゼルパンチをきっかけに挑戦者が一気にまくしたてる 王者防戦一方!コーナーにはりつけ状態!! ガードしてる腕が... 全部のパンチが下からくる 打ち返してこないのか!? どんどん上に持ってかれる コーナーから脱出してくれえっ こんなにやりにくいとは思わなかった!! ならばサンドバッグになってもらうだけだ! 左を突いてもお構いなく入ってくる 下から下がら突き上げられると本当にやりづれえんだよ オレ達がスパーで一歩にいつもやられてるコトだ 中途半端な距離にいると ででも先バイはやられたコトがない... どうする?どうする!? このまま守っててもジリ貧だ 逆に島袋はこういう闘いに慣れている ガゼルパンチで飛び込んでくる! 島袋にも未体験を味わわせりゃあいい 気持ちいい試合するってキメてたじゃないか! 挑戦者のつもりでリングに上がったんじゃないか! してきたじゃないか!! 「っあー王者体ごとくっついた! 超接近戦を挑む構えだ〜〜っ!! 手はからめないっクリンチじゃない! パワーファイターを真っ向から押し返そうとする選手は少ない 島袋とてその距離は慣れていまい これで条件は五分と五分! それでこそ海人だよ!! 接近戦のスペシャリスト同士が火花を散らす!! 両者共に得意の土俵に踏み込んだ 打ち合いを制するのは果たしてー 得意の超接近戦へ突入か~~っ!? 押してもビクとも動かないっ 岩に首を押し当ててるみたいだ! 海人同士の意地の張り合い バトルきよ距離ゼ口の戦闘 この勝負がしたかったんだよ!! 首相撲のまま膠着状態になった。 近づきすぎて両者共に手が出ない み見る方もカ入りますね か体の力は島袋さんの方が上だ 密着しすぎてパンチが出ねえんだ 押し負けて隙間作っちまったら このままじゃいつか押し負ける ここで!この体勢で打ち合うんだ!! まだ打てる距離じゃねえ うわーーっ超至近距離で火の出るような打ち合いだ! 前かがみの状態から何度も両者の頭がはね上がるーっ!! す凄えっあんな近い距離で強打を連打してるよ パンチをためるコトも振りきるコトもできない距離なのに... どうしてあんな強そうなパンチ打てるんだ!? さすが接近戦のスペシャリスト同士だ~~~っ 体重移動と腰の回転で力を拳に伝えてるんだ あいつらは拳ほどの隙間さえあれば強打を打てるんだ!! 超至近距離でも力と速度を生かせる練習をやってきた しかし驚くべきは島袋よ くそったれさすが王者だ 今までの相手と連打の回転が違う あの距離では幾分破壊力は殺される それでも小僧よりパンチが重い! スピードでも上をいかれるぜ 王者の炸裂弾のような連打! 少しでも退いたらこの強打をフルスウィングされる 手を休めたら連打に飲み込まれる レフェリーが身を挺して両者の間に割って入る き気楽に言わないでくれ 毎回あの中に飛び込まなきゃならんのか? あの打ち合いは一体いつまで続くんだ!? あの打ち合いに飛び込むなんて勇気あるぜ さすがにスピードあるぜ なあにだが力じゃこっちが上だ ねじ伏せちまえいいな! しかしょていどぉ予定通り打ち合いに応じてくれた 今までの相手よりやはり一枚も二枚も上だ 打ち合いの決断はよかった次も行け 押し負けるなよ島袋を後退させるんじゃ 意地の張り合いが続くと覚悟せえっ 体中がきしむミスブローでも骨に残る 弱気になるな!たちどころにやられるぞ!! 弱気になっちゃダメだ! 今までの対戦相手とパンチの質が違う こういう試合は気持ちで負けちゃダメなんだ! 両者勢いよくコーナーから飛び出した! リング中央またもや首相撲! 窮屈な距離から腕を折り畳んだままー まるで火花が見えるような打ち合いーーっ 行けーーっ幕之内いっ。 どっちが打ち勝つんだこりゃあ!? 凄えな島袋って対等に渡り合ってるよ 幕之内のこういう姿見慣れてるけど... まだまだ休む気配すらない! わずかな隙をついて王者が手数で圧倒! 重い塊を叩いてるみたいだ! 構うもんか!打ち続けろ 打ち続ければ必ず下がる!! 会長!島袋の口から出血が... つ強えっ接近戦で島袋が圧倒されてる 戦闘能力は幕之内が一枚上か! だがな島袋には幕之内の持っていないモノがある 予定通りだよ幕之内くん! キミはすでに「海の中」に足を踏み入れている!! 攻めきれるか王者ーーっ!? 手応えあるのがいくつか当たっているのに なんて頑丈な人なんだ! 一体何発打ってんだ!? ああの連打は見た目は派手で客ウケいいけど ボクシング経験者が感心するのはむしろ... なんだそりゃわがんねーよ あれだけの猛攻にさらされて リング中央からほとんど動いてねえ タフネスさに加え... 根性も鍛えあげられてらあ 沈黙を破って挑戦者のアッパー 王者の連打を寸断~~っ この至近弾をよけるのか!? 大きいのを打とうとすると反撃される 小さく速い連打で抑え込むんだ! レフェリーが割って入った ななんだ今の表情は...? 睨みつけられたんじゃない あの表情の意味は... 口の中だからなかなか止まらねえけど 覗きこむように観察してた こちらの思惑通りに事が進行してるワケたな 滝のような汗を流している 彼はすでに海の中に両足を踏み入れた そしてもう後戻りはできない 頭の先までどっぷりとはまるコトになる くれぐれも大振りはするなそこを狙われる あくまで小さく細かくーいいな!? 島袋の重圧を克服するには連打で圧倒するしかないんじゃ 根負けするな弱気になるな リング中央お互い譲らない 休む間もなく打ち続ける両者! 白熱の展開に歓声も途切れない!! 手数ではやや王者が上か!? しかしその連打を寸断する凄まじい一撃! 手を止めればたちまち連打に飲み込まれる ギリギリの緊張感が後楽園を包む お互いリング中央から全く退かねえよ 同じじゃねえよさっきより激しく打ち合ってるよ 超接近戦で一切クリンチは無し!! 国内最強のインファイターの座をかけ拳を交換する両者! 意地の張り合いはまだまだ続く! 根競べの様相が益々濃くなる 均衡を破るのは果たしてどちらの拳なのか!? ーっあーチャンピォ王者のアッパー!! 挑戦者の顔が真上にはね上がったあっ!! ガクッときたぞガクッと~~~っ 意を決して王者が前に出る! 勝負をかけた連打ーーっ さあ後退してしまうのか!? この連打に飲み込まれてしまうのが!? 押せえ一歩!もう一息だ なんのために辛抱してきたんだ 歯ぁ喰いしばって手数出せっ 姿勢が低い上にブロックが固い! 打ち込む隙間が無いクリーンヒットがとれないっ 打ち込む隙間が無いクリーンヒットがとれないっ これが人間の拳か!?肩や腕の骨が砕けそうだ! このままじゃ手数が無駄になる 苦しんでいるのを彼に悟られるな!! どこかにあるハズなんだ うわ~~っ大きく左を振ったところに 挑戦者の右がジャストミートォっ バカな!なぜ大振りした!? 小さくまとめりゃ退がったものを あーーっとフラフラと中央を離れた なんと後退したのは王者だ~~っ!! いー歩くんのい顔色が... なんと後退したのは王者だ! 力無くリング中央から離れたーーっ 急に先輩の体から力が感じられなくなった 凄い一発カウンターでもらっちゃったから... チアノーゼがでとる顔色が紫になっとる ひどい酸欠状態じゃ!! こういう展開になると読んではいた そのために体力作りに重点を置いて練習してきたんじゃ 不慣れな接近戦の押し合い 全てが予想を上回りあっという間に小僧の体力を奪っていきおった 本来好機にも満たない小さな隙間を見つけて 嬉しそうに大振りしてくれた 攻撃力では後れをとったかもしれん 疲れが焦りを呼びはんだん判断を誤らせたのだ ここからが島袋の本領発揮よ! しかしそれを上回る武器がある!! 同じペースで打ち合って呼吸一つ乱さない 打たれても即座に立て直す屈強な足腰 即ち耐久力!それこそが島袋の絶対的な武器だ!! ロープ手前で体勢を立て直す王者 ここで迎え撃つのか!?再び前進して打ち合うのか!? ききいたあ頭の芯がガンガンする 回復が遅い体力が極端に落ちてるんだ 一気にまくしたててくるかと思ったら なんで島袋さんは来ないんだ!? の覗いているまた観察された! まだ弱りきってないな? まだ浮き上がろうとしている 頭の先まで海に浸かっているが... もがいてももがいても浮き上がれない ダメージは抜けているのか!? 王者、迎え撃てるか!? 表情の意味は「確認」だ! ボクの呼吸の乱れや... 弱り具合いを確認してたんだ!! ボクが弱ったのを確認して出てきた くそっ足が重い前に出ない どうする?どうする!? 意識を刈り取りに頭を狙ってくるハズだ! ロープに押し込んでボディへ連打だーーっ!! 頭じゃない!腹を狙っていたのかー!! たまらず王者の表情が苦悶に歪む これはきいている〜〜〜っ まだ...弱らすつもりだ! 横っ飛びにロープ際から脱出ーーっ しかし足取りが重い動きが鈍い! 反撃の一打が打て...る 追いかけながらボディの連打だ! ーっうわーきついよそれ勘弁してくれ 見てるこっちが窒息しそうだ もう少しでゴング鳴るぞ~~~っ 何もかも吐き出しそうだ 手が重くてもうあげていられない チャ王者の手が下がってきた!頭部のガードはガラ空きに近い しかし!しかしそれでもなおー レフェリーが引き剥がす様に挑戦者を離す 変わり果てた王者の無残な姿! 引き剥がされたそこからは... 虚ろな表情でロープに寄りかかり動かないいや動けないのか!? 幕之内!コーナーへ戻れるか!? なんとか自力でコーナーへ戻る王者! この姿に観衆が言葉を失う この姿に観衆が言葉を失う 後楽園に暗雲が立ち込めてきました!! 呼吸する暇も与えられなかった 見た目にも体が重そうだ オーバーペースで打ち合いをして疲れたところをボディ攻撃! いくら体力に自信のある一歩でも さすがに体の自由は奪われる 先輩の体力は底無しに近いですよ そんな人と初めから体力勝負するつもりだったんですか!? 素潜りで世界記録に迫るだけあるぜ まんまと海の底まで連れていきやがったのさ! 心肺機能に絶対の自信があってこそ実行できる作戦だ けど一歩はその他にも恐怖を感じたハズだ ...島袋は漁師だったよな? 今までの相手なら弱った所を一気に倒しにきた まず間違いなく頭を狙ってトドメを刺しにくる 千堂やヴォルグに代表される肉食動物がほとんどだった だが島袋は違う本能じゃ動かねえ 弱らせて弱らせて確実にしとめる 来てくれましたよ海の底に... もっと早く到達できると思ってたけどさすがに粘られた危険な場面もあった しかしもう浮き上がるコトはできない 二度と彼は水面に顔を出すコトはない 大丈夫かい一歩くん!? 小僧もこの事態を予測していた 海の底の答えを見つけておった 酸欠状態は真田戦で経験しとる体力回復の方法を学んでいたのだ これは小僧の選手経験の濃密さを物語る深呼吸じゃ!! 破ると言われて怖くて打てなかった でも全部出さなきゃ勝てる相手じゃない 打つんだ!そのための力をためるんだ! デンプシー・ロールを打つ力を!! 残り少ない体力をかき集めておる 覚悟がひしひしと伝わってくるわい しんかい深海の無限軌道むげんきどう 相手の力量と自分のダメージを察して 「賭け」に出ることを選択したのだ! 得意の接近戦で劣勢を強いられはしたが 最終兵器を出しておらんという事実が小僧を支えておる 敵はそれを討ち破ると公言してはばからん男じゃ 幕之内はすでに海の底にいる この試合はもうお前のものだ しかし挑戦者一気にいきません 悠然とそして徐々に距離をつめていく! なんだよ一気に勝負かけてくるかと思ったのに ラッキーなもんか嫌~な感じだぜ じっくり観察して情報収集してますね 幕之内にしてみればラッキーだぜ ごつい見かけからは想像しにくいが島袋はインテリボクサーの真田に近いタイプだ 勝負にくる時は獲物を漁れると確信してからだ 水圧で体の自由がきかない暗い海の底にいる感覚だろうに キミにはまだ何らかの光が見えているというのか!? 深海まで引きずり込むのみ!! ーっあー挑戦者ここで出た! 低い姿勢!さながら潜水艦のように王者の懐へ潜っていくうっ!! 振り払う左もおかまいなし! 王者の胸に額を押し当てそしてー 執拗なボディ攻撃に王者の顔が歪むうっ ーっうわー逃げろ幕之内 手の届かない所まで離れろーーっ いやくっつけクリンチでしのげ~~~っ 手を伸ばして挑戦者を遠ざける 苦悶の表情だこの地獄から脱出できるか!? うわーっと王者打ち返した 信じられない体勢からの王者の反撃! なんて体勢から打ってくるんだ!? 下半身の強さのみじゃない平衡感覚が常人の比ではないんだ!! 揺れる船の上で培ったものに間違いない! 挑戦者の勢いも止まらない まさに海人の証明だ!! 王者得意のウィービング! うわーーっまだいけんじゃねえか 力を振り絞る王者に会場から大声援が降り注ぐ まっくのうちまっくのうち まっくのうちまっくのうち 声援にのって王者のウィービングが冴える! まっくのうちまっくのうち 挑戦者の空振りが目立ってきました! まっくのうちまっくのうち まっくのうちまっくのうち 観衆の声に惑わされるな形勢は何も変わっちゃいない 接近戦にゃ変わりねえが頭をくっつけるほどじゃねえ 微妙に距離を外してるんだ! あせらずしとめろ島袋! 的をズラしてるワケじゃねえ 島袋のパンチが当たらなくなった しかも激しいウィービングで 的をどんどんスラして... よけるために距離を外してるワケでもねえ 攻撃するための距離を作っているんだ! よく見てみろウィービングからローリングだ あの動きの軌道は... 頭をくっつけあってちゃ動きが限定されていた でもこの距離なら打てる! 彼のダメージは深刻なハズだ 一発入ればこの動きも止まるハズ! 体を振ってその反動で返ってくる! デンプシー・ロール!! ついに最終兵器が飛び出したあっ 挑戦者必死のブロック! ブロックが徐々に壊されていく~~~っ デンプシー・ロールの前に急所がさらけ出されたあ!! キミが見ていた光はコレか! 海の底に光など差さない 最終兵器で賭けにでるコトが一条の光か!! うわ〜〜っ相打ちぃ〜〜〜っ 挑戦者デンプシー・ロールにひるまず打って出たあ!! 大型車の正面衝突のような炸裂音が会場に鳴り響いた! デンプシー・ロールを続ける! 爆裂音と共に両者の顔から鮮血が飛び散る あ~~っ王者動きを止めない 信じられんこれがデンプシー破りじゃと!? ただの相打ちじゃない! 世にも恐ろしい相打ちじゃ!! 王者デンプシー・ロールをやめない 信じるこの武器で勝負をかける 反動をつけて打つデンプシー・ロールに拳を打ち込めば 理論上倍返しのカウンターとなる しかしあまりにも危険が高い! 実行するのは不可能に近いと思っておった 恐怖心を克服する精神力!デンプシー・ロールに耐え得る肉体! とんでもないコトをやってのけおった!! 相打ちの連続で両者の足が揺れる 気絶してもおかしくないほどの強打の交換!! しかしなおデンプシー・ロールを続ける! ボクの...デンプシー・ロールが... これが破られたらボクは デンプシー・ロールはまだ破られていない これが破られたら... それでも打ちにいく王者! 破られたらボクにはもう出すモノがないんだ! 自ら考案して作り込んだ技だ すがりつく気持ちもわかるが デンプシーに最後まで賭けるんだ!! デンプシー・ロールはまだ... デンプシー・ロールはすでに... もはやそれはただのフックじゃ 天を仰いで王者後退~~~っ ロープに腕をからめてダウンを拒否 王者の最後の意地の現れか!? しかし衝撃の事実!驚愕の現実!! 無敵と思われた最終兵器を真正面から粉砕!! なんという勇敢さ!まさしく琉球戦士!! 凄え男だお前は沖縄の誇りだ 聞こえるか!?お前の勇敢さを讃える声が!! やった...やったぞ! デンプシー・ロールを破ったんだ!! ベルトの他にもう一つ欲しかった物! 幕之内一歩と打ち合ってこそ手に入る物 日本一勇敢な男の称号だ!! 海人としてこれほど誇りに思う物は他にない! 相打ちを重ねた挑戦者にも色濃いダメージが見える しかしここはこれ以上ないチャンス!!ゆっくりと勝負をキメに歩み寄る!! デンプシー・ロールが破られた... 一筋の光明も断ち切った! 瀕死の王者の前で仁王立ちの挑戦者 リング上の画像だけ静止したような光景 優位のはずの鳥葉この星空。優位のはずの、島袋にも異変が... 無酸素バト制するのは!? もまた自らの肉体に酸素負債という大きな代償を払っていた。そしていよいよ決着の時!! 淡収録されていいる表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮しコミックス発売当時のまま掲載しています。