「ステッチファイースのかんぜん 幕之内がガンくれてったぜ 試合は始まったばかりです果たして巻き返しはあるのか!? その背中をじっと見つめる挑戦者 そんな礼儀知らずブッ飛ばしちゃってくれえっ ちっカッコつけやがって 言っとくけど見とれんじゃねーぞ 無事に終わってください このまま終わる相手じゃねえよな ヤツのカウンターは要注意じゃ いいか!?反則打は火に油を注ぐようなもんだ 会場も敵に回しちまった今後一切やるんじゃねえぞ 互角のラウンドも相手に点数がいっちまうよ 今日の幕之内はすこぶる調子がいい 辛抱できるかどうかが鍵になる 辛抱して辛抱えてチャンスを待て!! いくらでもくれてやるよ 観衆もおとなしくさせてやる 一変して紳士的な態度! なんだよ...さっきの反則反省したのか 幕之内の強さにビビッたんじゃねえの? わあーーっやっぱりウソだ もう許せねえやっちまってくれーーっ 味が熟成されるってもんだ 小者っぽい真似重ねやがって 怒らせたってなんの得もねえだろうが! 千堂!沢村が強いのはなんとなくわかるが 本当にお前が言うほどのものなのかよ? 何かしたたかなこと考えとるはずや 沢村はこんなもんやないんや ケタ違いに強くなっとるのか... パワフルな連打で押し込む 挑戦者またしてもローブを背負うか!? ボクシングの試合っていうのはずっと練習したことを 練習して練習もて得た自信と実力を お互いぶつけ合う場じゃないんですか!? 比べ合う場だと思ってたのに 反則まがいのことばかりするんだ!! 渾身のボディブロー!! 挑戦者の体が「く」の字に折れる! といった...痛えや.. 見たかあっ王者を怒らせたらこんなもんよ グローブの中に石でも握り込んでんじゃねえか? ”もの凄いタイミング打ってくる あのカウンターヒヤッとするぜ もっと大雑把な・ボクサーっかと...思ってたんだがな 目の前でこんなに速く動くのかよ ミング今のタイ危なかった おっかねえなおいーーっ 幕之内いっ間違ってもらうなよ リズムは覚えたつもりだったん かなわねえと見て相打ち狙いだぜ 両者クリーンヒット!! 沢村が後方にはじかれる 相打ちではやはり馬力に勝る王者が有利! 今のタイミングで相打ちになるのかよ さらにスピードアップしやがった! スイングスピード読めた こちらのテンポもあげて 踏み込みのスピードもあがるのがあっ!? カウンター成立せず!! ちょうせんしや不敵な挑戦者 怒りの王者の前にこのまま屈することになるのか!? 何事もなかった様にスクッと立ち上がったあっ ヒザが笑ってんじゃねーか すまして立ってんじゃねえよ 続行不能だレフェリー止めてやれえっ あんなのまともにもらったら誰でも倒れるぜ ファイティングポーズをとって! 大振りせず小さく細かく!! しとめきれるか王者!?逃げきれるか挑戦者!? 精神力で体を支えとっても 幕之内のパンチはドスーンと芯に残るパンチや 当然のように王者が出る 経験上すぐには回復せえへん この先もらったら耐えられねえな 挑戦者完全ガード態勢! ダウンとって気負って大振りになると思ったら あんなに丁寧に攻められちゃ反撃のスキがねえ なんて生真面目な野郎だ 挑戦者の体がリングを泳ぐ 先輩を怒らせたらこんなもんさ! 温厚な人かと思っていたんだが、 今後からかうのはやめよう... 左でロープまで後ずさり しとめるのは時間の問題だ 今まで知らなかつたけど 人に殴られるとこうなるのかよ 連打でロープに張りつけにしろ あーーっとクリンチだよ 振りほどけ!苦し紛れじゃ そのまま倒れ込んだあっ やはり挑戦者立っていられないのか!? ままた足をかけて... 自分ばかり殴って... 挑戦者なかなか立ち上がらない 足が言うことをきかない模様 時間稼ぎだよミエミエじゃんかね レフェリー!早く立たせろ ななんだ?なんで再開しないんだよ レフェリーが青コーナーに指示! どうやらテーピングがはがれているようです そそれは自分ではがしたんだ それも時間稼ぎじゃねえか かまわねえからやらせろよしとめるチャンスなんだよおっ どこに目ェつけてんだレフェリー 作業はもう終わってるぞ なりふりかまわないのか...!? これ以上はひき延ばせねえよ早く行けってば 時間稼ぎもいい加減にしろおっ なりふりかまわないのか!? カッカしないで相手をよく見るんだ 沢村さんは本当に回復したのが!? この空白の時間が試合の流れにどう影響するのか!? 完全に回復したとは思えない 行くべきか!?様子を見るべきか!? 長びくと何があるかわからない これほどしたたかな相手はおらん!考える暇を与えるな 王者がマットを蹴った! このチャンスを生かすんだ! 今のうちに決定的なダメージをくれてやれ!! 低い体勢から挑戦者に襲いかかるうっ ーっいけーきのうち幕之内ぃっ 早えとこぶっとばしてくれえっ 簡単に終わっていたハズだ オレが考えていた通りの選手なら しかしオレとの試合までに大幅強くなっていやが その幅を埋めるだめに多大なダメージもらっちまった だいっき...大嫌いなんだよ 離れた場所ではノーガード状態だった挑戦者が一転 左手を前に突き出したスタイル!! 王者の脳に警戒警報が鳴ったのか!?足が止まった 後楽園の空気が張りつめる! ハッタリだよかまわずこいっちまえ ハッタリだよかまわずいっちまえ チャンスなんだ(**行くべきなんだ そんなインチキ野郎にたいしたことなんてできねえよ 危険を察知する能力が高いな 強敵ばかりと対戦してきたことで空気を読む力が発達してるようだ 試合ではほとんど見せたことはない これが沢村の本来の構え! 相手を強いと認めた時に見せる本当の姿だ!! 本気にならんと幕之内に勝てんと実感したんやろ タテ揺れのリズム... チャンス潰す気かよ!? ワンチャンスをモノにすることに定評のある王者 どうする?どうやって入る!? 来ないならこのままたっぷり休ませてもらうぜ 突き出したあの左手が邪魔なんじゃ インファイターの小僧には相手の懐がさぞかし遠く見えることじゃろう 衍こう行こうというボクの気と一緒に上下する タイミングを合わされている気がする! このままじゃラチがあかない とにかく前に出るんだ! 打つ体勢に入ってる!! アゴまで拳を戻さないんだ 突き出したそこから左をー ーっあー王者が弾き飛んだあっ かろうじてガードをしたがそれにしても危険な左ぃっ 目の覚めるような挑戦者の左いっ 強張る王者の表情が物語る危険な一発! 左なのか!?これが... 小さくて硬い尖ったモノを投げつけられたようだ うわあっ鼻血吹き出してるよ 手首と肩のひねりで打ち出す左ー ねじり込みの作用があるから力は一点に集約され貫通性が高い! そんなに威力あるのかあっ!? 中南米系の選手が使うスクリューブローに似ているが... オレは見たまま名付けたよ 先程のダウンのダメージ回復前に畳みかけたい王者!! はたしてこの左をかいくぐれるのか!? しかし一発の左が緊張感を高める 銃口をつきつけられているみたいだ 引き金に指がかかっているのがわかる あれほどの左をもっていたのか 踏み出せますかね一歩くんは? 強いパンチなら幾度となくもらったことがある あの弾丸が飛んでくる! 小僧の経験ならある程度の破壊力なんぞにビビらん ワシの選手はそれくらいじゃへコまんわ!! あーーっと再びマットを蹴った! 王者正面突破を敢行!! 引き金を引くなら引けばいい 急所にもらわなければ動ける! もらいながらでも喉元につめ寄らなきゃ!! タテ揺れのリズムを刻む挑戦者 どのみち懐に入らなきゃ ボクは勝負にならないんだ!! 被弾しながらも突き進む! 強引に不利なリーチ差を埋めにいくうっ 距離をなくせば左なんぞ怖くないわ!! ける!ダメージはまだ残ってるハズだ 腹を集中的に叩くんだ!! 王者もぐり込めない!雨あられと降り注ぐ左をょけるよける!! よけきれないっ中央へ押し戻されてしまったあっ しかも全て急所を狙って打ち込んでくる あの銃には何発弾が込められているんだ!? あの強打を連射できるのか 加えて極めて高い正確性 これでやみくもに飛び込めなくなった 体に多くを作って全身のひねりで打ち出すため連打はできない それをヒジの角度を固定し、肩を内側に回す作業だけで可能にしてやがる 手首と肩が強えからやれる芸当だ 元々人の話を聞くヤツやない 教わるなんぞ大嫌いな人間や 教えてできることじゃねえぞ ジャブのクセにダウンとれるぜ 尋常じゃねえほど熱くなっていやがったからな 今日の一歩はがむしゃらに勝ちに行くぜ 打ち筋は違うがオレの左をかいくぐって飛び込んできた男だ モタついてんじゃねえよ幕之内!! 速かろうが強がろうか左一本で幕之内を抑えきれるワケがねえんだよ 挑戦者の高速ジャブ「弾丸」が行く手を阻む 遠のいていくチャンスにあせりを隠せない王者 あの強い左を連射できるなんて あの強い左を連射できるなんて よけきれるものじゃないいつか急所にらってしまう いきなり王者が飛び込んだ またしても真っ向勝負だ 食いしばった歯の音が聞こえてきそうな表情! 何発もらおうと構わないという覚悟の表情!! うわあーっとここでゴング! レフェリーが体当たりで王者を止めるうっ の負けないぞ!絶対に沢村さんには 試合にだって途中の打ち合いにだって絶対退くもんか!! ずいぶんとまあ怒っているようだ カウンターパンチャーとしての資質は間違いなくオレ以上だ やられるかもしれないな... 幕之内がやられるかもやて? きっと見せてくれますよ 沢村も幕之内の研究は怠っていなかった お前以上の資質か... そこまでのモノを感じるのか? ところが実際手を合わせてみると相手の力量が自分の想定を上回る場合 カウンター使いにとってこれ以上の大事はない リズムとタイミングの修正を試合中に行うのは至難の技だからだ 本来ここで一か八かで打つという決断をする 決断は最も重要なモノの一つだ それがなければカウンターは打てない しかし一か八かは危険が高い 勝つも負けるも確率は五分ー それでも諸刃の剣と割り切って打ってきたんだがな ダウンは大した事件じゃない 相打ちを重ねながらタイミングを体に叩いた刻む作業の過程の出来事にすぎない オレにとってカウンター使いにとって... 勝利をたぐりよせる“冷静”さを持っている 何を見せるっていうんや? あの左は要注意じゃ体をゆすって的を絞らせるな! 会場の声援にもえ熱が入る その声に応えるように王者が前に出る!! あくまで潔く真っ向勝負の王者 しかし行く手を阻むのはまたしても 王者どうしても中に入れない接近戦に持ち込めない ボクの手の届かない場所で、戦わされてる この距離じゃぞいつまでたってもジリ貧だ... 突き出した左が邪魔で懐がもの凄く遠く見える どうする!?どうやってあの中へ入る!? 苦労してんな一歩... アイツの踏み込みをもってしても入れねえのか? こっちがイライラするぜ 躊躇すんなよ行けーーっ幕之内! 早く中へ飛び込めってんだキサマにはそれしかねえだろうが! ビビるなパワーはお前が上だ 打ち合えば負けっこねえよ ガンガン打ち合いに巻き込め〜〜〜っ ボクの距離にしなきゃダメだ 王者が再度アタック――!! さらに前かがみ!急所をすっぽり隠して突進!! 盾を掲げて弾丸を弾き返す! 強引なアタックだーっ!! 逆に手は出してこないというコトだ さらに回転を上げたあっ 連射砲が王者を押し戻すうっ 踏みとどまったあっ!! まだボクの間合いじゃない それだよ強引に打ってけ それしかねえんだからよ 幕之内が強引に入ってくるのは?百も承知だ 数々の反則も幕之内のリズムを単語にするためのモノかもしれない カッカきたところへ弾丸の驚異を植えつける 何をする?何を用意する!? 中へ入らなければという意識が単調なリズムを増幅する これ以上ないおいしいリズムを作りあげる! 伏線にうぐ伏線このシナリオは 頭からつま先まで電気が走ったかと錯覚するだろう 稲妻のようなスピードと衝撃! 稲妻のようなスピードと衝撃が 血しぶきと共にマウスピースが宙を舞った み右だ!右のカウンターだ! 速すぎて打ち終わりしか確認できなかった ななんだ!?なんで目の前に地面があるんだ!? わあ~~っと踏みとどまった 王者ダウンを拒否~~っ そのまま再びアタック! 痛打をものともしない王者の気迫!! 足が足がもつれた!やはり効いている 挑戦者の前で失速〜〜っ それほど速くてキレる右じゃった パンチをもらったことに今頃気づきおった ダメージも相当のハズ! 狙い定めた左が炸裂~~っ!! ーっあーまとめてもらった 完全に距離を支配された クリンチするか思いきり離れるかとにかく危険を回避しねえと どんな時も打ち返そうとするんや それがヤツの長所なんやが... 王者の顔が右に左に弾かれるうっ みるみるうちに顔面が腫れていく~~っ ただのサンドバッグだぜ うわあっと打ち返していく あくまで前に出る王者! 左で距離を支配し飛び込むタイミングに合わせて右を打ち込む 直進的な選手を殺すには最良の策の一つだ 幕之内の突進は並じゃないわかっていても実践するのは至難 食えるかと思ったんだが 国内にこれほどレベルの高いカウンター使いがいたとはな... もっと柔らかくしなきゃな 完全にタイミングをモノにされとる ーっあーカウンター一閃! 王者の体を閃光が貫く~~~っ!! 体を預けてダウンを拒否する王者 しかしこのダメージは深刻だ 王者を助けるゴングが鳴る おいしそうに見えねえよ もっともうと柔らかくしなきゃな だ大丈夫ですまだまだ... あの右のカウンターは要注意だと 意識はあるのに体が動がなくなる 脳と神経を切り離すパンチだ!! 左をかいくぐって喉元に辿り着いたとしても 反則を重ねてきたかと思えば今度は理詰めのボクシングだ! そうっくそうっそうっ!! どうすればいいんだ!?どうすれば!? 拳は熱く!頭は冷ややか!!基本じゃ あの右をもらうのはなぜか? 反則されてカッカきたところへ速い左の連打 中に入りたいキサマは当然焦る 焦りが強引さを呼びいらん大振りを生む そその大振りにカウンターを合わされてるのか! 見たところあの「弾丸」とかいう左が沢村の命綱じゃ 距離とタイミングをええ具合に計っとるわ 逆に言えば左をはずすことによってヤツは距離感を失う。 まずはあの左をよけることに集中しろ!! ガードを固めて体を振って... ここから仕切り直しじゃ気合いを入れ直せっ 幕之内が効いてるように見えても連打する必要はない そこからの粘りが凄いんだ みんないけると思っていくとやられてるからな 時間かけてゆっくり痛めつけろ 幕之内に勝つにはそれが得策だよ ゆっくりゆつくり時間かけて... 柔らかくなったところを またしても尾張の竜が雷を降らすのか!? それとも王者が主導権を奪い返すのか!? ガッチリとガードを固めたピーカブースタイルから激しく体を揺する ここで王者が本来の姿になった 一方上段から見下ろす挑戦者! 後楽園を緊張感が支配する!! 一歩くんから力みが消えた 単調な攻撃はカウンターパン大好物じゃ さすがに会長は選手の操縦がうまい その上で持っている攻撃法を総動員して攻めたてろ! 左をはずし、距離を測らせないのが絶対条件 先刻のカウンターのダメージはないのか? 隠しているのか回復しているのか!? しかしそこに降りかかる すげえっあんな至近距離でよけまくってる よけながら前に出てるよ 体の振りで、的を散らしてる まだまだ全然いけるじゃんか 幕之内の体の振りはやっかいなんや アレがでるとなかなか捕まえきれへんで 弾幕をかいくぐって...徐々に迫る この回復力の速さも幕之内一歩の強さの一つか! うわーっともらいながら中へ入っていく。 逃れようなんて思ってねえんだ よけきれなきゃガードで弾く! よけきれなきゃガードで弾く! ピーカブーはそのためか!! 王者攻撃パターンを変えた! 王者攻撃パターンを変えた! 挑戦者の顔面スレスレを大砲が通過〜〜っ!! 挑戦者の顔面スレスレを大砲が通過〜〜っ!! しかし体が立ったそこへ まるで水を得た魚のような王者の接近戦!! あーーっとカウンターだ ここでパンチを合わせたあっ 打ち様距離をとる挑戦者! その行方を睨みつける王者!! 限界ギリギリの集中力を発揮する両者 瞬たりとも目が離せない試合になってきましたあっ リング中央自分の距離を奪るべく両者が身構える 一方頭のくっつく距離で戦いたい王者!!長い間合いは"挑戦者! 体を振って弾幕の中に身を投じる王者! 明らかに弾丸の速度に慣れてきているうっ よおっしゃっいけいけえ 距離さえ潰しちゃえば恐かねえよ 踏み込みがまた一つ速くなってやがる 左か右か!?上か下か!? さっきのパターンだと腹から顔面だ そのパンチに合わせる! 左のダブルを肘で寸断! 挑戦者の集中力も凄いっ 体が「く」の字~~~っ 肝臓打ちが突き刺さったあっ 豪腕が下から唸りをあげる 「く」の字の体を起こしてよける かろうじてブロック!しかし動きが止まった この距離でとにかく色んな ブロックを貫通するこの破壊力!! いいぞ小僧上下左右に振りまくれ それをやればカウンターなんぞそうそうもらうモノじゃない ーっあーここでカウンター 顔面にくるバンチだけはマークしていた 間髪入れずに追いかける王者! 左右の体の振りがさらに激しくなった 近づかせると本当にやっかいだぜ こっちに来んなそこにいろ! 沢村さんの左の速度が鈍くなったのか!? ボクが慣れてきたのか!? 拳銃の弾ではもはや王者を止められないのか!? 上半身は振り子のように左右へ! そして下半身は常に前へ! よっじゃよっしゃがぜんペースは幕之内だ いけいけっ追いつめろお 幕之内の腹打ちあれだけもらっとるからな 沢村のスピードもさすがに落ちとるわ 要所要所のカウンターはたいしたもんだが 宮田よ参考になったか? 幕之内の意識を刈りとるほどではない お前の言う通り沢村は実に巧妙なインファイター殺しを実行して見せた 島袋戦を経て幕之内は名実共に国内一のインファイターに成長した 教科書通りのインファイター殺しじゃ今の幕之内は止まらないぜ! インファイター殺しじゃない またしても追いつめたあっ この距離を嫌がる挑戦者の左ー しかし突き離せない振り子の動きをとらえきれない ロープづたいに逃げる挑戦者 体を振りながら追う王者! 沢村あっビビったかコラあっ 逃げんじゃねえよ打ち合えーっ 追いかけっこじゃねえんだよおっ 振り子の反動を利用したフック! 強打がさらに威力を増す!! バカみてえな破壊力だぜ.. まともにもらったら首から上が無くなっちまうよ ここは一気に行くんだ! 幕之内が国内一のインファイターなら 沢村も間違いなく国内一のカウンターパンチャーですよ 教科書通りに試合をおし進めるとは せやかて幕之内を調子づかせたら手がつけられへんで 見ろや!どないしてアレを止めろいうんや!? 挑戦者ロープにはりつけ状態! 左右から反動をつけた連打ーーっ 沢村の野郎あのガードのむこうで... いただきっスよ鷹村さん! どんな表情してやがる!? 腹ペコを我慢すればするほど 美味くなるからなあら!! 見てみい振り子の速度がどんどん速くなるわ ガードをこじ開けられるのも時間の問題やで どんなにアップテンポになろうと 振り子の運動ってのは単純な繰り返しにすぎねえぞ! さすがにあの力と速度は持て余す しかし幕之内はなまじ体力があるからそれをずっと繰り返してくれる ーっ行けーっ幕之内ぃっ 学習能力の高いボクサーには 慣れちまえばおいしいカウンターの材料にしか見えねえ ...そして幕之内殺しとは あの振り子の動きの延長上にある! しかしよけざまこの動き! デンプシー・ロールが出たあっ!! とっさにガードを固める挑戦者 しかしデンプシーは始まっているうっ 王者がはね返ってくる! この強打に耐えられるか~~~っ!? これを待っていたんだよ!! カカウンターだあ〜〜〜っ 口からマウスピースと鮮血が吹き出す 同時にリングをさまようように崩れ落ちる王者~~っ 掴みかけた勝利をデンプシー・ロールで確実なモノにしようとした矢先の出来事 見守る後楽園の空気も固まる! あーーっとロープを掴んだ。 王者ダウンを拒否~~っ しかしかえ振り返ったこの表情! 前を向く王者の眼に光が無い!力が無い!! それもそのはず必殺のデンプシーズロールが破られたのは 多大な代償を払った島袋に対し 完全なるデンプシー破りを敢行ー 今ゆっくりと挑戦者が近づいてくる 瀕死の王者迎え撃つことができるのか!? あっとこれはどうした!? 余裕か!?それとも警戒しているのか!? しとめにいかないっ王者のダメージをじっと見ているうっ 手足が震えているしかし意識はある ナメられてんぞお反撃しろおっ 逆転劇を繰り返してきた一歩に期待する気持ちもわかるが デンプシー・ロールは正に必殺の技! それが己の身にまんま振りかかってきたのじゃ 今立っていることがすでに奇跡!! 王者の拳は生きているのか〜〜っ!? スローモーションのような右いっ 今挑戦者が手を出していれば終わっていたという一幕! 王者危うくゴングに救われました~~っ!! 沢村!コーナーに戻るんだ 離れて自分のコーナーへ!! 両者が各コーナーに分かれた デンプシー・ロールを完全に破られた王者! 体の力が何ですか、大人なっていた は歯をたてると抵抗なく噛みきれそうな 柔らかくなっていた... 煮て喰おうか焼いて喰おうか ☆この物語はフイクションです。実在の人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。 淡収録されていいる表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮しコミックス発売当時のまま掲載しています。 森川ジョージ...◎森川ジョージ