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Instructions:
ハクメイ・ミコチ
...ここで、樫木祐人の
ミコチ
...??!ittlelifein
いいじゃないですか...それで、Woodsと
...by
byTakutioKeshiki
ayTokuboXonhiki
ハクメイ:ミコチョウ
Twitterlechontewstes
byTcakutoKashiki
樫木祐人
第5話、長い一日、
次
目
足下の歩き方、その15(後)蜂蜜館賃貸借契約書・後l
...あなたがこうするんだよ。これまではなくはならないでしょう
○ジュレップ・地下通路
□陰°酒蔵
紙飛行機:煙玉_
蜂蜜館。人々
足下の歩き方、その15(前)蜂蜜館賃貸借契約書・前
第16話
第16話樹上の梯子
第17話
休み。日
第18話
第18話カヌレ。香り
足下の歩き方。その1。姉弟の才能
第19話
足下の歩き方、その16ある日の目記・
足下の歩き方、スタリー古着屋バリールナー
5
笑顔°写真_
足下の歩き方、その19
写真家ミミへのインタビュー
・乙は館内で起こるあらゆる問題を館内で解決する事
迷惑をかけないよう心掛ける事
甲、乙ともに館をどのように改造、増築しても構わない
・乙は館をどのように使用しても構わないが、出来る限り隣人に
・賃料は無料、建物にかかる一切の費用を乙が負担する事
・賃貸借の期間は無期限、乙は出て行く際に誰かに告げる事
貸主を早、借主を乙とし、お左記の通り賃貸借契約を締結する。
●コラム●「足下の歩き方」その鳴®』蜷蜜館賃貸借契約書・前
「当館の住民といえども、行政機関には逆らわぬ事
・住人間に立場の上下は無い。これは甲も含まれる
・甲、乙ともに館の発展を志し、創意工夫に努める事
に詳しい者に助言を求める事は
を設置する際には、煙突職人のシウヒコまたはその弟子か煙突
火気の使用は基本的に自由だが、新規に暖炉や電等の火気設備
次項へ続く
第三長い一日、
○蜂蜜館°人々
あ
ハクメイ
その路地には
入らない事を
お勧めするわ
美味しい
酒場は多いん
だけど
名うての
スリの縄張り
ですわよ
うへぇ
ん?
ここは
無法地帯
凄い所に
住んでるん
だな...
で
準備は
順調なの?
コンジュ
えぇ
油断は禁物
ですわ
骨組みは
ほぼ完成
ハクメイに
手伝って貰えば
すぐ終わるわ
なるほど
明後日の
開催日には
間に合いそうね
でも豪気な
話よねぇ
蜂蜜館内で
コンサート
開くなんて
ねぇ
まぁ私の歌を
すぐ近くで
聴きたいって
気持ちはよく
コンジュ!
ノブキ
どう
したの?
やられた
ちょっと目を
離した隙にっ
くそっ
古参の
奴ら....!!
これまで
何度も
邪魔され
たが...
今回は
ひどすぎる
な
もう我慢
できねぇ
なんだ
これ.....?
殴り込み
だぁ!
コンジュ
あの
おーい
おお!!
説明頼む
道々
話しますわ
ここには
色んな人が
住んでますの
館のモットーは
「なんでもあり」
来る者
拒まずって
やつですわ
その日暮らしの
芸術家から
逃げてきた
詐欺師まで
騒音と
治安の悪さが
原因で
大抵の人は
すぐ出て
行くんだけど
......
そんな中
私達のような
新参を目の敵に
しているのが
革糸竹層に
住む
古参
連中よ
あここの
煙はあまり
吸わない
ように
クセに
なるわよ
ヨオ
なんか
用かい
大将
よくも
ぬけぬけと
...!
あー
あの木っ端の
事かい?
ありゃあ
骨が
折れたぜぇ
ちゃんと
片付けて
おけよー
てめえらっ...
何遍も
忠告した
はずだぜ
勝手
すんなって
あの
ちょっと
いいか
一番
偉い奴
出して
くれ
ないか
.....ほう
新入りか?
余所者だ
悪いな
今の俺らに
カシラは
.....
居ねぇん
だよ
なら
あんたに
聞きたい
私達が
あんたらに
逆らうのも
「なんでも
あり」に
含まれるのか
ああ
当然
よし
ここは一旦
引こうか
なんでも
あり」に
例外はねぇ
は
はい...
そうか
またな
待ちな
お客人
こいつを
なんだ
呑んで
いいのか?
ちげぇよ
おう
中庭に
カシラが
眠ってる
供えて
やって
くれるか
任せろ
旋毛丸よぉ
あいつら
大人しくやめると
思うか?
いや
それは
ねぇな
あの客人
ふん縛っち
まおうか?
余所者に
手ぇ出すのは
マズいだろ
厄介そう
だぜぇ
いや
待てよ
相手
変えりゃあ
アリ
だな...
それに何の
意味も...
こいつが
享楽家
ウカイか
蜂蜜館
元主人
どんな奴
だったんだ?
名の通り
ですわ
酒造りで
財を成した
富豪で
死ぬまで
楽しく
生きる為に
美術家や
無法者達を
囲い込んだ
享楽家よ
死ぬまで
楽しく.....か
いい事
言うな
あんた
みたいね
後継者は
居なかった
のか?
居る
らしいよ
会った事も
見た事も
ないけどね
なんだ
そりゃ
入居にすら
立ち会わないん
ですよ
なんて名前
だったかなあ
うーん
そいつを
引き込めればと
思ったんだが
望み薄
だな...
とにかく!
向こうが
無法で
来るなら
迎撃してでも
作業を続行
するまで!
徹底抗戦
です
わっ
えっ
ちょっ
ギャー!!
...
コンジュ!
何!?
あれって
古参の人?
分からんが
とにかく
追うんだ!
はっ
はいっ!
待て
コラー!
私達は
土地勘が
ない
見失うぞ!!
分かった
追えー!
適当に
走り回るぞ
いたぞ!
!!!
助けてー
!!
ギャー
うるさい
...
ヒィー!
下だ
回り
込め!!
あっ
やっと
黙ったか
耳が取れるかと
思ったよ
完全に
迷ったな
このっ
建物っ...
迷路......
うーむ
みたいっ...
ゼェ
ゼェ
来た道を
戻ろうにも
それすら
分からん
もう少し
走れるか?
ミコチ
多分っ
吐くけど
走る
ハクメイさん
ミコチさん
探し
ましたよ
こっち
です
コンジュ
見つかった
の?
ミコチ
あいつ
初めて
見る顔だ
あんた
......失敬
誰だ?
挨拶が
まだ
でしたな
蜂蜜館
2代目主人
館守ヒガキと
申します
おふたりに
内々で
お願い致したい
事があります
ジュレップ:地下通路
「いつもの」を
3つ
お願いします
かしこまり
ました
あんたが
本当に
館守なら
ここなら
邪魔は
入りません
お掛け
下さい
こんな所で
のんびりしてて
いいのか?
耳が
痛いですが
まずは
1杯
呑んで
頂けますか
復刻版
「蜂蜜館
ジュレップ」
亡き友ウカイの
愛した酒です
ミントと蜜液
あとウィスキーと
水か何か
3杯とも
混ぜ物は
なかった
ふむ
まず水と
ナッツか何か
貰えるか?
はい
ウカイは
いい加減な男
だったので
正確なレシピは
残っていません
試行錯誤の末
復刻したの
ですが
お気に召すか
どうか.....
コクン
なんだ
これ...
めちゃくちゃ
美味いじゃ
ないか!
これでもまだ
不完全
なのですよ
ウカイの
ジュレップは
そう
まさに
魔法でした
住人同士の
衝突は
過去幾度も
起こりましたが
そのたびに
ウカイは
この酒を以て
仲裁してきました
たちどころに
喧嘩を収める
で
私達に
頼みたい事
って?
魔法の酒
だったの
ですよ
......何が
足りない
のか
ミコチさん
貴女の料理の
腕は聞き及んで
おります
もう私には
分からないの
です
住人の暴走も
私の不徳の
致すところ
「蜂蜜館
ジュレップ」の
完成に
厚顔を
承知の上で
お頼みします
手を貸して
下さい
.....時間の
無駄だったな
行こう
ミコチ
コンジュを
捜さないと
ごちそうさん
ハクメイは
コンジュを
追いかけて
ちょっ......
本気か
ミコチ!?
お受け
しましょう
ええ
魔法の酒
なんて
作れるわけ...
ちょっと
待てって!
無理
だろうね
でも
興味はあるわ
この騒ぎを
収めるほどの物が
作れるのなら
ついでに
材料調達も
お願いね
是非に
魔法使いじゃないし
...
感謝
します
我々は
これより
ウカイの
隠し貯蔵庫に
向かいます
地下通路は
足元が悪く
危険なので
入口は
全て封鎖して
あります
どうか
ご内密に
ひとつだけ
約束して
ほしい
蜂蜜館
主人として
......約束
します
客人を
守ってくれ
おーい
ハクメイ
さん!
コンジュは!?
あちこち
捜し回って
いるのですが
まだ...
ミコチさん
は?
あー...
バテちゃって
な
じき
追いつくと
思う
あれで
言い出したら
聞かないから
な.....
まぁ封鎖
されてるし
大丈夫か
そうです
か.....
革糸竹層を
見張ってた
間者からだ
間者!?
なんだ
それ?
ん?
ネズミ
です!
「古参に
動きあり」
「数人が
鐘楼へ
入った後」
「下層へと
移動している
模様」
どういう
事?
金層に
何か用が
......?
な
なあ
金層って
どこだ?
蜂蜜館の
一番下の
層です
あっ
ハクメイ
さん!?
どうしたん
ですか!?
なんでも
ないっ!!
くっそ
こっちだ
お
いたいた
お疲れ
さん
こっち
無事さらって
これたみたい
だね
無事じゃ
ねえよ...
奴らなかなか
しつこいぜ
地下までは
追って
こねえさ
しかし
なんなんだ?
ここ
酒蔵か
なんかだな
隠して
やがったんだ
ウカイ
らしいぜ
さァ
歌姫さん
新参の
ガキどもが
観念して
降参する
までな
悪いがここで
大人しくしてて
くれよ
そういや
旋毛丸よぉ
ん
あいつ
ここの事
知ってんじゃ
ねえのか?
ヒガキ
知ってても
奴は
何もしねえさ
□陰°酒蔵
良かった
まだ
読めそう
ですね
はあ
ウカイはよく
ここに篭って
カクテル作りを
していました
すごい所
ですね...
この項を
見てください
この情報と
記憶を元に
再現したのが
ジュレップ
完成時の
レシピです
今の
蜂蜜館ジュレップ
です
ミントは
充実した
幼少期を送った
物のみを
2分の1枚...
一糸繰車で目を回した
蜂の蜜液を
小さじ2杯用い...!!
何ですか?
これ
ふざけた男
だったんですよ
ウカイは
一応分量は
書いてある
のね
ん?
さっき飲んだのは
この本の通りに
作ったものですか?
いいえ
えぇと
蜜液が
小さじ2杯で
書いてある通りに
作ると明らかに
甘過ぎるので
そういう
事ね...
ミコチ!
蜜の量を
半分にして
います
ふむ
ハクメイ!?
どうしたの?
よかった
...?
間に
合ったな
ヒガキ
早くここを
離れろ!
もしか
して...
ああ
あと
スマン
多分
新参も
来る
分かり
ました
古参が
地下に居る
退路を
確認しますので
おふたりは
隠れていて下さい
おう
古参には
お会いしたん
ですよね
ふふ...
そう
でしょう
ああ
ここ
蜂蜜館は
食えない奴
ばかりだな
そういう
所です
ヒガキ
...
どうした
ツムジ
旋毛丸か
早く
姫さん連れて
上に行かねえと
さっき確かに
新参の奴らが
下りて来んの
見えたんだよ
......折角だから
酒の2・3本
貰っとこうかと
思ってな
先に行ってて
くれよ
すぐに
追いつく
......随分
久しぶりじゃ
ねえか
ヒガキ
こんな所で
何やってん
だよ
なあ
おい
ついになんと
お天道さんからも
逃げ出したか?
ここは懐かしい
匂いがする...
気に入ら
ねぇな
ウカイに
縋っても
お前はウカイにゃ
なれんぜ
おい
言い返せよ
ヒガキ
.....
なるほど
余所者と
手ェ組んだって
わけかい
そうかい
面白ェじゃ
ねえか
ヒガキよォ
あそこだ!
!
ようやく
見つけたぞ
トカゲ
野郎!!
あん?
おっ
おい待て
落ち着け!
コンジュは
どこだ!?
痛ぇじゃ
ねえか!
コンジュを
出せ!!
うるせぇ
今
取り込み中
だ!
しらばっ
くれる気か!
んだと!!
もうここには
居ねえよ!
なら
連れて行け!
!
ミコチ!
ちっ
旋毛丸
...
...
うわっ
ヒガキ
覚えて
おけ
俺達は
好きにやらせて
もらうぜ!
これまでも
これからもだ!
ウカイは
もう
トカゲ野郎
逃げたぞ
居ねぇん
だからな!
いいから
早く火を
消すんだ
その酒
使え!
大丈夫か?
ミコチ
うん
それより
正しい
レシピ
本当
ですか?
この本
分量はこれで
正しいんだと
思うんです
分かりそう
ですよ
違うのは
材料
今使っている
蜜液より
甘くなくて
そう言えば
おそらく
蜜液です
ウカイが作る
ジュレップは
でも蜂蜜の
味の何か
甘みの中に
少し苦みが
ありました
ヒガキ
心当たりは
ないか?
ウィスキーと
親和性が
高いはずです
確か
ウカイは
蜂蜜酒を
所蔵していた
と.....
あっ
間違いなく
それですよ!
どこに
ある?
恐らく
ウカイの
部屋に
ですが...
ウカイの
部屋は古参の
向かった先
革層の
外れです
よし
任せろ!
気を
つけてよ?
あの
話が
見えないん
だけど...
コンジュは?
地上の皆と
合流して
もちろん
助けに行くぞ
おーっ!!
革層に
殴り込みだ!
草
これ
具は何ですの
?
おい
刻み大葉と
酒ヱ屋の
麦味噌
@紙飛行機:煙玉
新参の連中
やけに
大人しいな
諦めたの
かねぇ
腰抜け
なのさ
蜂蜜館の
住人とはいえ
しょせん
1年2年の
ひよっ子だ
ははは
違いねぇ
なっ
なに!?
や
!
こりゃ
...
キノコか!?
キノコが!?
あ
ガキどもめ
攻め込んで
きやがった!!
どうだ?
第1陣突破
しました
ひとりか
伝声管を
使うようです!
こちら
2番廊下!
見張り隊は
著しく混乱!
「新参数人に
突破された」
だそうだ
盗聴班も
上手くやった
ようですね
八百屋方面に
向かってる
応戦準備!
泡食ってる
みたいだな
なんとしても
通すな!!
新参者
とはいえ
やるときや
一気に
やりますよ
正面突破は
予想外だったん
でしょう
ふむ
我々とて
無法地帯の
住人
さて
さて
「油断は禁物
ですわ」
ってやつだな
折角だ
もっと
吃驚して
貰おうじゃ
ないか
準備
出来てるぜ
釣り手を
握ってりゃ
勝手に加速
すっから
あんたが直接
突っ込むのが
一番面白いん
だがな
まあ
いいや
途中で手
離すんじゃ
ねえぞ
じゃ頼む
俺は裏方が
好きなの
あいよ
よい
空の旅を
第2陣
おう
突入!
!
古参に足止め
されてるな
ふた手に
加勢が
必要か
了解
ふはっ
そんなと
本当に
なんでも
ありだな
くそっ
古参め
食い物を
粗末に
しやがって
奴らを
近づけるな
これじゃ
進めねぇ
悪くなりそうな
モン全部
投げちまえ!
チクショー
仕入れ金
結構かかったん
だぞ
次からは
腐らねぇモン
仕入れんだな
あっ
それは
薔発して
買った
とげとげした
果物!
待て!
そいつ
だけは!!
あん!?
なんだ?
狙撃だ!
煙玉を
撃って
やがる
とにかく
適当に
投げろ!
とげとげ
は.....
...
......あれは
しかし
これじゃ
レイシか?
コンジュが
居るかどうか
分からんな
気を
付けろ
突っ込んで
来るぞ!
えぇい
何か
分からんが
投げるぜ!
待っ...
おい
冗談だろっ
ノブキ!
おう
みんな
無事だな?
行くぞっ!
チッ
後退だ
物見小屋
まで
退けぇ!
行くよ
はいはい
限界
だな...
知られざる
蜂蜜館探訪
って感じ
ですわ
そりゃ
どうも...
あっちは
大丈夫
そうだな
今のうちに
ウカイの
部屋を
探さないと
えーと
頂上部分の
木窓と
革層3番
橙色の
三角屋根
......
ん?
ん?
外階段に
高所の玄関扉が
特徴.....
......
うーん
ここから
探すのか
...?
ない
ない
ない
な
そんな所にゃ
ないぜ
探しモンは
こいつだろ
...おう
ケッ
少しは
ビビりやがれ
ってんだ
助かるよ
旋毛丸
ヒガキの
野郎はこれを
使って
ウカイの
ジュレップを
作る気
なんだろ?
魔法の酒
なんだってな
あ?
なんだ
そりゃ
大して
旨い酒でも
なかったがね
じゃあ
遠慮なく
貰ってくな
おう
あ
ハクメイ
さん
何か作りま
しょうか
後で
頼むよ
しかし
蜂蜜館は
本当に
なんでも
ありだな
走ると危ない
ですよー
『月明かり:追憶
もう何時間
経ったかね
さすがに
新参どもも
追っては
これんだろ
2時間...
いやもっとか
階段は
塞いだ
吊り橋も
落とした
物見小屋は
陸の孤島だ
ざまあ
見やがれ
......
ところで
お腹
空いたん
ですけど
ここに
食べ物は?
何も持って
来てない
ハハハかハ
おい
みんな!
見ろっ
ちっ...
新参の
奴らが......
ちく
しょう!!
旨そうな
モン
食って
やがる!!
ミコチさん
おかわり
ちょうだい
はいはい
材料は山ほど
あるから
これ大きさ
揃えなくて
いいんですか
適当で
いいですよ
適当で
弱火で
温めた
オリーブ油に
どんどん
食べて
下さいね
にんにくと
唐辛子と
キノコを
入れて
火が通った
端から
皿に
取って
塩を
効かせた
ミントソースを
ひと匙添えて
完成
簡単
でしょ
「キノコの
オイル煮」
魚介類を
入れても
美味しいけど
旨味の強い
キノコで
良かったわ
しかし
これは...
酒が
ねぇのは
拷問だぜ
まあ
気持ちは
分かりますが
もう少しだけ
我慢して
下さい
大丈夫か
ヒガキ
先導は
任せろ
はいっ
上手いモン
だな
当然
この
移動方法は
元々
古参が
作ったもの
私は
最古参
ですから
そりゃ
そうだ
なあ
ヒガキよ
また仕人は
俺達ふたり
だけだけど
これから
どんどん
増えるぜ
いつか俺が
死んだら
この館
お前に
任せるよ
ヒガキ
お前は
どんな所に
したい?
僕は...
ヒガキ
見えたぞ
物見小屋だ
しかし
腹減った
なあ
さっさと
終わらせて
酒場で一杯
やりたいわ
あの
結局あなた達
古参の目的は
いや別に
楽しそう
だよね
コンサート
お聞き
したいの
ですけど
コンサートの
中止なん
ですの?
え
じゃあ
なんで
だって
俺らの事
無視するから
邪魔した
ほうが
面白そうだしね
なあ
なんて
勝手な...
ガキども
意外と
やるよな
そう
そう
あとあの
余所者の
ネェちゃんな
ここまで
面白くなるたぁ
思わなかった
がね
あいつなら
きっとこの
馬鹿騒ぎに
蜂蜜館は
こうでないと
どこぞの
堅物すら
巻き込むぜ
なっ
なんだ!?
あっ...
ハクメイ!
外に
何か...
あい
たた...
おお
元気そう
だな
コンジュ
あなた程
じゃないわ
もう
ひとり
居るな
吊り橋を
落とし
おって
後で
直せよ
貴様ら
館守
ヒガキ
全く
無茶
しやがる
ジジイが
こんな
夜中に
ふん
で?
なあ
ヒガキ
ああ
お天道さんは
苦手でね
飲んで
みてくれ
できたの
かよ
違え
これは
ウカイの酒
じゃねぇ
こんなに
旨くなかった!
お客人が
作り直して
くれたのさ
レシピ通りの
酒も作ったが
やっと
思い出したよ
あれは
不味かった
アルコール
臭くてなあ
ミントも
入れ過ぎだ
そもそも
蜂蜜酒が
不味いんだ
あれは
あ
あのぅ
下に
あるぞ
皆で
飲みましょ
いい加減私に
歌わせて頂戴
俺らの
分は...
新参どもぉ
降参だあ!
俺らの
負けだー!!
ステージは
直す!
歌姫も
返すから!
だから
残しておいて
くれえぇ!
さあっ
もう1曲
いきます
わよ!
おー!!
ステージ
作る必要
あるのかね
さあね
そういや
ヒガキは?
あれ?
さっきまで
居たけど...
全く
そんな事は
ねぇよ
ウカイを
知らん連中も
増えた
まあそれで
いいのかも
しれねぇな
蜂蜜館は
昔から何も
変わらないな
私達が
覚えていれば
充分さ
なんだよ
もう「僕」は
やめたのかい
おーい
おふたりさん
.....
ハクメイさん
ミコチさん
この度は
色々ご迷惑を
おかけして...
あー
いいから
いいから
それより
古いレシピの
ジュレップ
ちょっと
飲ませて
くれよ
私そっちは
味見して
ないんだよ
構わねえ
けどよ
本当に
旨かねェぜ
どう?
うーん
な
俺が
死んだら
この館
お前に
任せるよ
ヒガキ
僕は
継ぐ気
なんてないし
お前は
どんな所に
したい?
なんでも
いいよ
「なんでも
あり」か
ふむ
うわっ
それ
いいな
これ不味いよ
ウカイ
第15話「おわり
●コラム●「足下の歩き方」そのL°後〉蜷蜜館賃貸借契約書・後
前項より続く
・甲、乙ともに前項の内容を守る必要はない
なんでもありの蜂蜜館へようこそ
初代館王「ウカイ」
二代目館主、ヒガキ
第16回樹上の梯子
ミコチ
見ろ!
また得体の
知れない
扉が!
またぁ?
足場も
狭いし
たまに家の
上から
なんで
ウチの上に
こんなに
扉や梯子が
あるのよ...
表札
かかってる
物音が
してたけど
家の修理の
時に作ったん
だろう
センめ
黙ってたな
なんとしても
全貌を把握
するわよ
我が家が
謎だらけ
なんて
ごめんだわ
ごめん
下さい
はい...!?
こんにちは
あんたここに
住んでるのか?
ここは
私達の
えっあの
はい...
ごめんなさい
何かマズかった
ですか!?
わ私
上京してきた
ばかりで
町の
決まりとか
分から
なくって...
...
足りない物
とかあったら
言ってね
私達下に
住んでるから
あっ
えとっ
そのぉ
うっ
その...
はっ
はい!
なんか
可愛い奴
だったな
ありゃ?
そうね......
梯子
切れてる
あっ
ちょっ
ほら
ミコチ
無理!
うーん
仕方ない
ちゃんと
受け止める
から
はぁ.....
喉渇いた
梯子接ぐ物
探してくる
ちょっと
待ってろよ
ジュース
いかがで
やんすか
あ
うん...
メーフル味
100円で
やんす
おいくら
ですか?
あなたは?
へェ
......ごめん
なさい
今手持ちが
ないわ
じゃあ
今日の所は
サービスしとき
やすよ!
あっしこの木で
ジュース屋を
営んでる者で
やんす
なんだ
親切な
モモンガが
ね.....
ジュース
飲む?
おお
自分で
下りられた
のか?
ひと休みするか
なんか
地元を
思い出すわ
えぇ
ええ
枝と枝の間を
抜ける風
こんな感じ
だったのか?
緑の反射
狭い足場
もっと騒がし
かったけど
いつの間にか
増えている
住人たち
まあ
あ
あっちに
扉が
3つも
賑やかなのも
嫌いじゃない
けどね
......
賑やか
だな?
お
また
梯子
前言撤回
しようかな
って
やっと天辺に
着いたのね
早く
行きましょ
あそこで終わり
じゃないか?
え!?
完全に目的
変わってるな
大丈夫
かー?
尻
押そうか?
もう
ちょっと
やめっ
ふぅ
もう着く
からっ
ふぅ
おぉ
着いたー!!
風が気持ち
いいなあ
あれ?
何か
あるわよ
酒?
グラスに
コルク抜き
まで...
「改築御祝」
「センより」
だって
...
呑む?
なぜ
ここに
そうだな
私はさ
ミコチの所に
急に転がり
込んだだろ?
ところで
そうね
それって
「いつの間にか
増えている住人」
ってやつじゃ
ないのか?
あー
まぁねぇ
第16話「おわり
●コラム●「足下の歩き方」その100ある日の日記
でもあのふたり、どういう関係なんだろう。
こっちでもやっていけそう。
時々山での生活が懐かしくなる事もあるけど、
ハクメイさんは気さくで、時々一緒にお茶を飲んだり
お菓子を食べたりしてる。
親切だし、面白い人達だ。私もあんな風になりたい、
とても嬉しい。
ミコチさんはしっかりしてて、安いお店や
ひとり暮らしのコツを教えてくれる。
私の部屋の下に人が住んでるなんて最初は驚いたけど
マキナタに引っ越してきで三ヵ月、友達もできたし
環境にも慣れてきた。
八月十八日、晴れ
今日は休みの日、
それではないのですが、これまではそれはそうですね。それではないか
おーい
ハクメイ
そっちは
どうだ?
補強した所は
問題ないな
3番風車の
目地材が少し
傷んできてるわ
ほい
濡れ手拭い
暖かいうちに
直しときたいな
よし
じゃあ
上がりだな
まぁ今日の
点検は終いだ
お疲れさん
イワシ
呑みに
行こう!
あ?
いいよ
俺は
帰って
寝る
いつも
そう言って
えー
付き合って
くれない
よなあ
ん
仕事後に
呑んだところで
じゃあ
休みの日
は.....
疲れですぐ
寝ちまうよ
早くしねぇと
ハス出るぞ
お
ミコチ
あら
ハクメイ
親方さん
久しぶり
だな
買い出し
帰りか?
ええ
喫茶店の
新規開拓
ついでに
ミコチ
明日一日
街で遊ぼう
イワシと
一緒に
ん!?
いいわね
どこ
行こうか
親方さん
何か
食べたい物は
ある?
じゃあ
お昼は
あの店で...
いや
俺は...
特に
ねぇけど...
明日は
よろしく
どこか
行きたい
所が?
さすが
ミコチ
?
昼前に
大階段で
集合な
話が
早い
お
来た来た
悪い
寝てた
昼飯奢りで
手を打とう
何
食うんだ?
お前の遅刻で
奢ってもらった
覚えはねぇぞ
冗談だ
芥子公園側の
トーニ地方料理
芥子公園...
トーニ地方...
腹減ったし
早く行こう
引きこもり
だな
聞いた事
ねぇな
なあ
イワシ
ん?
買い物は
いつもどこで
してるんだ?
家の前の
商店だな
親方さん
服とかは?
あったぞ
服は1着
持ってるから
買わねぇ
ここだ
今度
服のサイズ
測らせてね
お
おう
珍しいな
席が広くて
助かるぜ
ビール
3つと
.....
でかい客が
多い
店長も
オコジョ
らしいぞ
公園なんて
あったか?
あぁ
ここよ
ここ
「ここ」
って
どこだ?
地名だけ
なのよ
あん?
20年前
にな
ほんとに街に
出ないのねぇ
ピクルス
取り壊しち
まったのが
うーむ
イワシ
えーと
酒と
食いモン
激辛
チリポテト
他に何か
頼むか?
お待たせ
致しました
よし
じゃあ...
イワシの
街デビューに
乾杯!
風車点検
完了にもな
ッツ
ハァ!
あ旨いな
これ
変な味
だな
何かハーブ
入ってるね
このビール
なんだ
言うほど辛く
ないじゃ...
ビール
追加
はい
普段
食わねぇ物
ばっかりだ
喜ぶのは
まだ早いぞ
どれも
旨い
今日はイワシが
「行かなさそうな所
巡り」だからな
初耳だぞ
これは
あぁ
ブリートに
入れても
旨いぞ
こうか?
マスタードの
ビクルスか?
ふむ
これ買って
帰っかな
口に
合って
良かった
そうだ
ハクメイ
なんだよ
こんな所でも
仕事の話が?
ん...
つい
でだ
砂の
割合をな.....
風車の目地材
替えねぇか?
ふーい
食った
食った
お昼には
ちょっと
多かったわね
しかし
この辺りは
えぇ
雨が降ると
服が売れて
潤うから
2階から
水撒きゃ
いいんじゃ
ねぇか?
ちょっと
覗いてみる
?
やたら
服屋が
あんだな
ここは
古着屋かな
「雨乞い通り」って
呼ばれてるわ
頭いいな
イワシ
えい
らっしゃい
ヴィンテージに
大っきい服
ブランドも
渋いとこ
押さえてんよ
はぁ
「エイジー
ヤーン」
「スケル
ツァーレ」
「ルーナ
ペスカド」
偽物も
あるけど
これは
〝寡作の針姫〟
りひめ
なっ
「ナイト
スネイル」作の
カフタン!
あーとうとう
分かる子が
来ちまったか
俺は「ナイト
スネイル」の
ファンでよ
正真正銘
本物よ
彼女の服の
在庫数なら
ウチが一番さ
高いけど
ハクメイ
一式
揃えるわよ!
蝸牛印の
入った服を
探して!
了解
...
お兄さん
お兄さん
ん?
お兄さんに
ぜひ買って
ほしい服が
あんたけど
単刀直入
だな
はー...
思わぬ
収穫だわ
おおっ
似合う
お疲れ
さん
違和感
それも一ナイト
スネイル」わ
どっちだ
高いけど
物はいいわよ
あの
やっぱり
俺は...
いや
いや
まるで体に
吸い付いた
ようだぜ
それに
気に
入ったろ?
ハクメイ
ミコチ
値切るぞ!
えっ!?
5万!
5万で
どうだ
服がアンタを
選んだのさ
ダメだよ
それほぼ
半額じゃん!
...
おうっ
まとめて
2割引きで
どう!?
スカーフ
おまけ
してくれ
仕事着に
それ以上
出せるか!
親方さん
仕事着は私が
作るから
それだけ
は.....
仕事着に
すんのか!?
あ
あぁ
ちくしょー
アイツ
商売上手
だな
いい
買い物
したわー
しっかし
仕事着も今度
作るわね
ん
こういう服は
言れねぇな
大丈夫
んん
お
よく似合ってる
わよ
亀タクが
空いてるぞ
いい物
見つけた
お客さん
どちらまで?
マツムシ噴水
まで
......やけに
見られるな
街中運行は
稀なんだよ
あ
歩行者
過ぎるまで
停まりますね
...
歩いたほうが
早.....
禁句だ
コーヒー
美味しいよ!
!?
小走り農場の
エスプレッソ
いかが?
100円だよ!
路上
販売か
砂糖入り
3つくれ
毎度!
こいつも
初めてだぜ
小せぇ
む
甘苦い
飲み方が
違うわ
これは
まず
ほどよく
冷まして
ひと息に
飲む!
なるほど
スッキリ
する
仕事の
合間に
いいかもな
だろ
お客さん
着きましたよ
あれか
マツムシ
噴水
結構有名な
観光スポット
なのよ
おう
ありがとう
ありゃ何
やってんだ?
せーの
触角に
当たれば
奥の触角は
ほとんど無傷
なんだな
コイン投げ
ね
当て辛いん
だよ
私奥のに
当てた人
見た事
ありますよ
商売運が
上がると
言われてるわ
手前より
細く作られてる
らしくてな
凄かったん
ですよー
大工の棟梁
らしいん
ですけど
角度や距離を
2時間も測って
どうする
一発だ
引けなく
なったぞ
イワシ
あー
しょうが
ねぇなぁ
よしっ
なあ
なんべん
投げても
いいんだよな
フンッ
オススメって
どれですか?
親方さん
ハクメイ
うん
俺はいい
俺はいい
あー
惜しいな
黒糖が人気
ですねー
ドーナツ
食べる?
食う
当たる
かしら
どう
だろな
当たるまで
やるんじゃ
ないか
全財産
投げちゃい
そうね
ハクメイ
小銭
貸してくれ
あいよ
さて
そろそろ
親方さんの
好きそうな
お店
家庭料理の
ビストロ
......狭いな
夕食の店
決めよっか
そうね...
ここは
パンケーキが
有名ね
探して
みない?
俺の?
フルーツ
カクテルも
イチ押しよ
蕎麦の老舗
「香り梅」
フカヅノ地方の
味つけだって
別に俺に
合わせなくて
いいぜ?
晩メシに
甘い物は
ノー
のんびり
探しましょ
店探しは
街歩きの
醍醐味よ
ああ
ふむ...
定休って
あぁ!
バール
カミトーリね
無国籍な
創作料理を
出す店よ
蓮根を使った
料理がどれも
秀逸で...
でもちょっと
狭いかも
あ
あぁ
それじゃ...
イワシ
レンガの
目地材
見てた
だけだろ
スマン
謝る事は
ないさ
私達の負け
みたいだな
ミコチ
......
仕方ない
わね
ハクメイ
おでんダネ
揚げたてだぜ
コロッケも
熱々だよ
甘味噌の
貝汁と
ニラ佃煮ね
うん
あと
蔵囲い1本
ちょうだい
両方
買った!
まだ
あんのか
おう
持ってて
くれ
どこで
食うんだ?
内緒だ
あのチョコ屋も
旨いぞ
何っ
買うぞ
ハクメイ
毎度
どうも
なんだよ
ここで
食うのか?
さぁ
イワシ
休みの日に
仕事の話も
全く
ひと晩中
付き合うぞ
また
一興だろ?
仕方
ねぇなぁ
でな!
そいつ
間違えて塩
入れたんだぜ
モルタル
に!
そりゃ
しょっぱい
わけだ!
しかし俺は
思ったね
こういう奴が
技術を発展
させるって!
あー
おぉよく
言った!
空が回って
見える
お酒足りる
かしら...
私達も
塩入れるか!?
イワシ
もっと
独創的な物
入れようぜ!
おーい
ハクメイ
上がって
いいぞー
お疲れー
おう
この橋も
目地材
替えっかな
そう言やよ
ハクメイ
今日
来る途中で
旨そうな
呑み屋
見つけたぜ
この後
行かねぇか
ん?
奢りか?
お前今日も
遅刻したよな
第17話「おわり
●コラム●足下の歩き方その『古着屋[リ・ルナ]
探し出すまで、今日も店内の話し声は絶えない。
客自身の知らない一面を引き出しし、かつ自然に着こなせる服を
古着屋激戦区の雨乞い通りで異彩を放っているのが「リールナ」。
表にはマキナタ・ヴィンテージを中心としたクラシカルな服が並んで
ぴ、一歩奥へ進めば気鋭のデザイナーが手掛けた最新アイテムか
らノンプランドの一点ものまで顔を出す。それでも野暮ったさは
なく、どこか統一感のあるセレクトは元服飾デザイナーの店長、
トレモによるもの。寡作の針姫こと「ナイトスネイル」の作品に
惚れ込み、彼女の作った服を取りり扱う為に店を開いたという。
今回はカヌレ。香り、
うちの
店で
カヌレを
売りたいのよ
いいですね
カヌレ
でしょ
形がいいし
日持ちも
するし
ああ
大丈夫
仕事帰りの
お客様にうけると
思うのよね
あと私が
大好き
でも私
作った事
ないですよ
ご覧の
有り様で...
品の目星は
もうついてるわ
お遣い
行って
まいります
森の奥で
美味しいカヌレを
作ってる子がいてね
頷してもらえる
ように口説きに
行きたいのだけど
随分奥まで
来たわね
そうだな
なんで
アナグマさんは
こんな所に住んでる
菓子職人を
知ってるんだ?
さあ...
店長は
鼻が効く
からねえ
っと
ここじゃ
ないか
敏腕経営者
ってやつよ
ふむ
ケイトさんの
家
うぅ
ちょっと
緊張する
わね...
カヌレ?
ええ
作ってますが
知人に
聞きまして
はあ
とりあえず
どうぞ中へ
なぜ
それを?
紳士っぽいな
そうね
お菓子作りは
子供の頃からの
趣味なんです
誰かに食べて
もらうのは
久し振りですよ
オレ
シグレ
ヨロシク
おお
ヤケタゼ
焼き立てを
お持ち
しますね
ほろ苦い
焼き皮にも
花蜜の香り
もの凄く
美味しい!
実は
今日は
ケイトさんに
お願いしたい
事があって
伺ったんです
閉じ込められた
洋酒の香りが
後を追って...
このカヌレ
うちの店で
取り扱わせて
もらえませんか
お店で?
ありがとう
ございます
いやー
嬉しいですね
なんてお店
ですか?
えっと
ですね
夢品商店
という
店で...
イヤです
へ?
喜ばしい
お申し出
ですが
スズミって?
店長の
名前
スズミが一枚
噛んでいるのなら
話は別です
スズミの店に
並ぶなんて
想像するだに
恐ろしい!
ク
ケイト
さん...!?
はっ
すみません
つい
いえ
スズミさんと
仲悪いのか?
いえ
ただ
出来る事なら
そういう
訳では
僕はスズミとは
関わり合いたく
ないんですよ
分かりました
急なお願い
でしたし...
しかし
すみません
せっかく
お越し頂いたの
ですし...
カヌレ作り
見ていき
ませんか?
えっ
えっ
あっ
是非!
必要
でしたら
そちらで作った
物ならば
売って下さっても
構いませんし
いいん
ですか!?
スズミには
内緒ですよ
レシピも
差し上げ
ますよ
はいっ
約束
します!
本当に
内緒ですよ
はっ
はいっ
では表の
窯に行きま
しょうか
まずは型と
蜜蝋を
熱します
ふむふむ
蜜蝋が
溶けたら
取り出します
割とすぐ
ですよ
実はこの
蜜蝋が
普通の
蜜蝋は
うちのカヌレの
肝でしてね
ああ
蜂の巣の
巣の部分を
精製して
作りますが
僕は固める前に
数種類の花粉と蜜を
混ぜてるんです
それで焼き皮が
香るんですね
いつもシグレが
手伝ってくれて
いるんですよ
イラネェ
イエナンザ
トカシ
チマエ!
ソレモ
モトモト
オレンチ
どうも
さて
そろそろ
溶けた
でしょう
型いっぱいに
蜜蝋を入れて
すぐまた
出して下さい
なるほど
蝋の膜を
作るんだ
では生地に
いきましょうか
はい
カヌレうまいよな
ミツノホウが
『ウメェヨ
牛乳に
バニラを
入れて
香り出しに
少し
温めます
馴染むまで
寝かせたほうが
いいんですが
今日は
このまま
進めますね
粉類と
砂糖を
振るって
そこに溶いた
卵と蜂蜜
先ほどの牛乳を
少しずつ
入れながら
これで大体
完成ですね
焦がしバターと
自家製ラム酒を
加えて
混ぜ合わせます
時間
かかるん
ですねえ
泡立てないよう
かき混ぜて...
網で混して
ひと晩
寝かせます
待つのが
苦手だと
厳しいですよ
私は
得意な
ほうです
店長にも
よく待たされ
ますし
ですよね!
ですよね!
僕も何度
待たされた
事か!
えっと
次の行程
お願いします
はいっ
っ
サクサク
行きましょう
サクサク
焼きに
入ります
生地は
今朝焼いた分の
残りを使いますね
生地をゆっくり
均一になるよう
混ぜてから
冷めた型に
入れて
いきます
型の8分目
くらいまでに
して下さい
膨らみの分
ですね
後は
まず上火で
焼き皮を作り
溢れた上面は
焦げ過ぎるので
切って下さいね
え
窯に入れる
だけです
作り手の
特権ですよ
その後
下火で全体を
焼きます
切れ端は
焼き時間は
1時間ほどです
ちょっと
勿体ない...
結構長いん
ですね
できた?
まだ
お茶でも
入れましょう
ひとつお聞き
したいん
ですか...
なんですか?
今日はなぜ
スズミでなく
おふたりが?
あ
えーと...
店長は今
書類の壁の
中でして
左右に
溜め込み癖は
相変わらず
なんですね
古い知り合い
なんだな
ははは
なるほど
あれは
昔っから
ですよ
ええまあ
どうです
最近スズミは
無茶な仕事を
振ってきたり
してませんか?
凄くよくして
頂いてます
そんな
滅相もない
......多少は
落ち着いたん
ですかね
そうですか
どういう
関係なんだ
ろうな
むう
もの凄く
気になるけど
聞き辛い...
さて
ちょっと
焼け具合を
見ましょうか
あっ
はいっ
よし
焼きが
足りない時は
完成
ですね
型に入れて
もう少し
焼いて下さい
どうです
作れそう
ですか?
うーん
あの...
ケイトさん
はい?
やっぱり
ケイトさんの
手で作った
カヌレを
夢品商店に
卸しては頂け
ませんか?
...先ほども
言いましたが
スズミと
関わるのは...
いや
私が作っても
絶対バレます
この香りは
しかし
うっ
おじゃま
する
わよー!
いやー
ス
スズミ
.....
姉さん
やっと壁を
粉砕したわ!
おひさ
姉弟
だったん
ですか
そうよぉ
言わな
かったっけ?
はい
この子昔から
お菓子作りが
上手でね
姉としても
鼻が高くて
うちの弟は
天才なんです
やめてよ
姉さん
ご近所中に
自慢して
回ったものよ
カヌレは
得意中の
得意だったの
それで
か.....
やーん
やっぱり
美味しい
わあ
卸値いくらに
する?
僕じゃ
なくて
ミコチ
さんが.....
?
姉さん!
ミコチさんと
作るよ
姉ちゃんに
弱いんだなあ
みたい
ね.....
ちゃんと
ゴハン
食べてる?
あらそう
よろしくね!
新商品
売れ行き
好調みたい
ですね
シグレカヌレ
そりゃあ
もう!
ナンカ
オレ
でもやっぱり
ケイトカヌレの
ほうがよくない?
ユウメイ
シグレ
カヌレで
いいと
思います
うん
ごめんね
第18話「おわり
おいしいおかしは
いかがですかー
●コラム●「足下の歩き方」その135姉弟の才能
「久しぶり、ケイトちゃん」
「お元気そうで何よりです、オトセおばさん」
「まだお菓子作ってたんだ、おばちゃん嬉しいわぁ
「ええ。これでなんとか食べていけてます」
今日はスズミちゃんは一緒じゃないの?小さい頃はよくふた
りでお菓子持って遊びに来てくれたわよねぇ。お姉ちゃんが褒め
ると、ケイトちゃん恥ずかしそうにギュッと目を細めるのが可愛く
かったのよー」
「あ、姉とは離れて春らしているので......
第9話笑顔の写真、
うー
冷たいなあ
明日
着る服
どうしよう...
あのー
良かったら
中へどうぞ
あ
軒下
だったんだ
これは
どうも
ミミは
旅のカメラマン
なのか
久しぶりに
見たよ
カメラ
私の故郷の
特産品なんだ
水に弱いから
助かったよ
ほら
マキナタでは
良い写真
撮れた?
バッチリ
見る?
何枚か
現像したのが
あるよ
あっ
ハクヨさん
写ってる
こっちは
センだ
あれ?
カメラ目線の
写真が
ないのね
隠し撮り
か?
キャンプしたり
働いたり
しながら
私がそこに
馴染むまで
何日も待つんだ
本人の了解は
得てるよ!
被写体が
カメラを意識
しなくなった時
なるほど
面白い
分かる!?
嬉しい
なー
自然な写真が
撮れるんだよ
本当はここで
もう少し撮りた
かったんだけど
釣り
みたいだ
私の使ってる
写真乾板が
売ってなくてね
残りあと
1枚だけ
星見カエルの
予報だと
雨は明日の
朝まで
続くって
......
まあ今日は
ウチに泊まって
いってよ
早く次の街に
行きたいん
だけど...
そんな
悪いよ
宿代は
旅の話で
いいぞ
でも.....
いい食材が
入ったから
ごちそうするわ
あ
じゃあさ
私達を
撮ってくれよ
自然に
してる
からさ
それは
カメラを
意識しない
のって
結構
難しいよ?
構わない
けど...
大丈夫
大丈夫
...
じゃあ
有り難く
お言葉に
甘えさせて
もらうね
ミコチのそれは
何をしてるの?
梅漬けを
刻んでる所
おう
魚と一緒に
炊こうと
思って
なるほど
......
目線
どうも
あっ
いえいえ
意外と
難しいもの
ねえ
そうだ
タモロコ
皮面を
炙ってから
炙ってあるから
具みがなくてね
でしょ
赤味噌なら
生のまま...
これ
撮らない?
合わせ味噌に
漬けて
あるのよ
あの...
料理写真は
専門外なんだ
そうなの?
いい
漬かり具合
なんだけどなあ
なあミコチ
研いでほしい
包丁とか
ないか?
ある
いっぱい
ある
そんなにっ
.....
任せろ
私の仕事は
修理屋でな
大工組合の
手伝いや
料亭の
研ぎ師なんかも
やってるんだ
へえ
自然体だ
カメラを
向けられても
あれ凄い
不自然よ
いつもはもっと
気楽な感じよ
あとその服
どこから
引っ張り
出したの
眉ひとつ
動かさない
ばらす
なよー
へっ?
ごちそう
さま!
いやー
お腹いっぱい
ミミの
口に合って
良かったわ
久しぶりに
美味しい物
食べたよ
道中で色々
食べてきたん
でしょ
何がいい
美味しかった?
アラビの
桜飯とか
そうだなー
ヤシロの
豆料理も
美味しかったよ
ヤシロも
行ったのか?
面白い所
だよな
そうだね
でもスリに
あと尾けられ
ちゃってさ
キャラバンの
人に助けて
もらったよ
緑尾老の
写真は
ないか?
緑尾老?
狼の
隊長だ
昔世話に
なってな
キャラバン!?
ああ
撮ったかも
確か...
これかな
隊長さん
おお!
緑尾老だ!
優しい
婆ちゃん
なんだよ
恐そう
だけど
そう
なんだ
あ小骨の
マスター
変わって
ないなあ
呑戸屋だ!
シナトは
写真でも
目つき悪い
なあ
昼は
相変わらず
暇そうねえ
暇だからって
桜飯を作って
くれたんだよ
こっちは
ジャガ谷ね
ん
夜は繁盛
してるんだけど
ねえ...
あっ配送の
ウズイさんが
写ってる
この辺の写真は
随分古いな
あぁ
地元の
写真
懐かしい
な...
こういう写真
見てると
子供の頃に
撮った
ものだよ
たまにね
...?
誰かに
似てる
でも
たまに
.....
帰りたく
なったり
しないのか?
ハクメイ
そうでも
ない...
ベッドに
運ぶの
手伝って
あいよ
ごめん
お世話に
なったのに
すっかり
寝ちゃって
気に
しないで
面白い写真
沢山見せて
もらったしな
こっちに
来る事が
あったら
寄ってくれよ
うん
ありがとう
新聞屋です
あ
そうだ
集金に
来ました
おはよう
ございます
新聞屋さん
私達3人の
写真撮って
くれないか
えっ
えっ
いい
ですよ
ハクメイ
私こういう
写真は...
自然じゃ
ないか?
いや
それは...
じゃあ1枚
失敗って事で
あっ
ほら
カメラ
見て
撮ります
よー
今日も
いい写真が
撮れた
ミミさーん
現像
できたよー
どっすか?
うん
バッチリ
焼き増しも
お願いして
いいかな
初めての
私も写った
写真
人に送らなきゃ
いけないんだ
笑っちゃって
まあ...
第19話「おわり
バッグアップデザイスター
●コラムの足下の歩き方、その!?写真家ミミへのインタビュー
「...私の写真は、平たく言えは記録なんですよ。残したい瞬間
を見付けて、カメラを構えて撮るのが写真。私の場合は既にそこ
にカメラがあって、なんとなくシヤッターを切るんです。勿論適
当に撮ってたら何も写りませんから、真剣ではあるんですけど
現像して驚くんですよ。あ、-この時私ここに居たなあって当たり
前の事に。私や写ってる人達の、空間の記録なんです」
「一枚だけミミさんが写っていますね。
「あはは、それは失敗です」
〜コテン地方情報誌「ビロウ」より一部抜粋〜
●あとがき●
ハクメイとミコチ
番外編
「打ち合わせの巻」
カシキです
今回は
打ち合わせの
話です
深夜二時
ファミレス
なんか
浮かびました?
うーん...
担当
モリオカさん
ここさえ
浮かべばあとは
楽なんだけど
ねー...
超低燃費
小食タフ魔神〈女性
あ、そういや
なになに
なんか
浮かんだ!?
よくよく考えたら
俺って人間やなくて
ポニーなんじゃ
ないかと思うんすよね
違うよ
人間だよ
前フィンランド行った時
いっぱい売ってたよー
ポニーのグッズ
いいなー
海外は
そういや海外で
思い出したん
すけど
うん
成田の国際線
乗り場で
スゲー格好良い
女性見たんすよ
へー
どんな?
イシャツデームに
財布だけ抱えて
手続きしてました
その人見て
ジャダさんが
浮かんだんすよ
おーそれは
格好良いね
悪々とした
感じが...
って何
描いてん
すか
え
オレの
スケブに
そうなん
ですか?
ジャダ
さん
いやー
素晴らしい!
最近「いやー」に
含まれる物が
分かるように
なってきたよ...
なんか
浮かびました?
THANKYOU
FOR、READING.
THANKYOUFOR、READING
いやー...
本物
電子版「どームコミックス
ハクメイとミコチ3巻
著者ノ樫木祐人
2015年1月5日電子版ver.1.0発行
発行人・青柳昌行
発行・株式会社KADOKATA
〒1028177東京都千代田区富士見2-183
電話10570400555(ナビダイヤル)
http://www.kackokkawacco.
企画・制作・エンターブレイン
第二条第一内田圭祐「8823DESKEV」
cTakuto.Kashiki2015
本電子書籍はビームコミックス『ハクメイとミコチ3巻』
(2015年1月27日発行・初期)を元にして制作しております。
初出・「第15話〜第19話」ハルタブ2014MARCHPvobince12〜ハルター2014DBCENE
IBERvolume20、
「足下の歩き方、その15〜その19」描き下ろし。
*本作品の全部または一部を無断で複製、転職、配信、送信したり、ウェブページ上に転載することを禁
正します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行うことも禁止します。購入時にご承諾いただ
いた規約により、有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することはできません。本作品は電子端
未での問題に向くよう、一部デザイン等を変更ししております。あらかじめご了承ください。
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これでWALKER