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Instructions:
樫木祐人
ハクメイ。ミコチ...はずか人
Tiny
はははい。いやーいや...
...いいじゃいいと言ってたけど、Woodsとし
by
byTukutoKabik
10KuroKashiki
ハクメイ♀ミコチ
Tinylidlelieinthewoods
byTakutoKashiki
樫木祐人
目の
第20話水底のリズム
第21話
第2話・ネジェベッド・
第22話
第2話「ジャム・祭り」
足下の歩き方、八百屋のミキュー
静寂:喧騒
ロロ
潜水服"タンバリン
足下の歩き方、木こりの歌
足下の歩き方、野谷とジャダ
ち
.
第2回
第2話
第24話「内の湯
第25話
第25話大根とパイプ
第26話
服?珈琲
足下の歩き方、母からの手紙
...
足下の歩きガーコスタ焼きについて
足下の歩き方、劇団トンプ公演【寝そべる紫煙】・
...
夜越し。汽車_
足下の歩き方、同期の先輩
入水開始
貯水管
1番から7番
異常なし
開閉口
音ランプ
共に
異常なし
いいぞ
サイモン
沈んだ
第25話水底のリズム
○静寂と喧騒
第20話
第2話水底のリズム
○静寂と喧騒
凄い...
本当に湖の
中にいる
私が
泳げない事は
知ってるよな
ぶっつけ本番の
潜水実験だが
今の所は
順調だね
サイモンの
耐久性
柔軟性
癖や指向
ミコチ
フグの
心拍リズムは
難解だ
水質の
向き不向き
調べる事は
山とある
細かく
データを
取らないと
まぁ私の
リズム感を
持ってすれば
たとえ
水の中
だろうと...
コンジュ!!
骨の
初回起動は
とてもデリケート
なんだ
気を抜かないで
くれるかい?
......なんか
ピリピリした
子ねぇ
きっと
緊張してる
だけよ
あ
ねぇセン
む?
今日はご招待
頂き感謝
致しますわ
うん
水中散歩も
オツなもの
ですわね!
散歩じゃ
ない
研究だよ
水草地帯を
抜けるよ
リズムキープ
よろしく
よし
リズムを
少し変えて
みようか
コンジュ
このリズム
なのだが
ふむふむ
タンタン
タ
ッ
うむ
上手い
ものだ
ノッてきた!
ミコチ!
コーラス!
ちょっ
あぁあぁ
揺れっ
うっ
なんなんだ
彼女は!
コンジュ!
ストップ!
速過ぎる
わよ!
木ぃこりーの
姉さんがー♪
歌うな!
コンジュ!
ごっ
ごめん
なさい
つい
夢中に...
それ以上
ふざける気
なら
返してくれ
サイモンは
臆病なんだ
気紛れに
脅かして
ほしくない
それに手伝って
もらってて
悪いのだが
研究の邪魔は
されたくない
不愉快だ
...こめん
なさい
気を付け
ますわ
......
頼むよ
.....
えっと...
...気に入り
ませんわ
へ?
どんな
舞台も
演奏も
私に非が
あるのは
認めるけど
ああいう
言い方では
不満が募る
ばかりよ
ほら
まずは
楽員同士の
歩み寄りから!
こんなに
美しい景色
なんだから
ゆっくり
楽しむ余裕を
持って...
ひいっ
なんて
乱暴な.....
そりゃ
そうさ
下手すると
破壊され
かねない
我々の
都合なんて
考えてくれない
からね
ここは
彼らの
世界
なのだよ
まぁこちらも
魚の動きに
忠実なら
心配は
ないよ
多少の衝撃で
壊れるほど
ヤワな造りは
していないが
君があまり
調子に乗る
ようなら
言われ
なくても
分から
ないな
うむ
言い方がもう少し
柔らかいと
やりやすいの
ですけど
む
なにして
悪いね
性格だよ
私のリズムは
完璧ですわ
だいぶ
落ったが...
まだいける
か.....?
......
ずっと
あの調子
息がつまり
そうですわ
うーん
ねぇセン
ひと休みしない?
お茶と
食べ物持って
来たから
む
どうせ
水底には
流れもないし
サイモンも
少し休ませて
あげようよ
まぁ
少しだけ
なら...
里芋の
キッシュに
リンゴ
クッキーも
焼いてきたの
キッシュ!
大好物
ですわ!
センは
キッシュ
好き?
......
まぁ
新しい水筒も
調子いい
みたい
全くお茶が
漏れてない
見た所
瓶に樹皮巻き
だね
そう!
蜂蜜館の
職人製よ
ね?
物がいい
......
クッキー
うまい
あっ...
セン
コンジュは
街で歌って
生計を...
知ってる
街へ出た時に
見かけた事が
あるよ
あら
どう
だった?
見かけた
だけ
騒がしいのは
苦手でね
......
じゃあ
小難しい
バラードを
作りますわ
あなたの
ために
えっ
今度は是非
聴いていって
下さいまし
セン
ハクメイ
コンジュの
バラード
一緒に聴きに
行こうな
きっと
素敵な歌を
作ってくれる
静かで
水底
みたいな
......
力強い
うん
キッシュ
美味しかったよ
ミコチ
そろそろ
出発しよう
ご馳走様
コンジュ
リズム
守ってくれよ
分かって
ますわよ
大丈夫?
限界
動かない?
○潜水服"タンバリン
どうだセン
空気
行ってるか?
ああ
足りない
ようだったら
すぐ言えよ!
3解だ
すまないね
ハクメイ
調子が
悪いのに
手伝わせて
さて...
どうした
地上に
戻るためなら
なんでも
やるぞ!
サイモン
大丈夫
かなぁ
セン
それと
こっちも...
ふっ
う
ミコチぃ
なぁに?
こうなって
しまったのは
絶対私の
せいですわ
存分に化けて
出て頂戴...
...
どこに?
そうだわ
皆一緒に
死んじゃったら
化けて出よう
にも
ほらキッシュ
まだあるから
うう
ガラス面
骨も問題
ないようだな
......
ハクメイ
綱を引いて
くれるかい?
あいよっ
中に
入れたか?
ああ
音ランプで
排水してくれ
コンジュ
タンバリン
頼む
ふぁい
排水も
上手く
いってる
音ランプも
正常か...
どっ
どうだった
・?
セン
上で
話すよ
動かない
原因
見当が
ついたよ
あ...
やっぱり
私が調子に
乗ったのが...
いや
調子に
乗ったのは
アタシだ
すまない
単純な
話だ
恐らく
「深く
潜り過ぎた」
音ランプが
働いていても
サイモンが
怯えきって
しまった
もしかしたら
もう
機嫌を損なって
しまうと
動かなくなるんだ
帰れないかも
しれない...
......
・っ
あー
限界!!
セン!
歌っていい!?
えぇ!?
はい?
うむ
さっき途中で
止められた
「木こりの歌」
こんな時こそ
パーッと明るい
歌ですわよ!
いいでしょ!!
ミコチ
コーラス!
ッ
タンタン
はいはい
木ぃー♪
タン
今
動いたぞ
もしかして
サイモンは
騒がしい
ほうが
好きなのか?
木ぃーこりーの
姉さんがー♪
次
少し速く
石より
硬いぞぉ♪
驚いたぁー
あっ
さり
とっ
切られて
カンカン
コォン!
なる
かいっ
ねぇ
セン
む?
指示を
出すより
ものっ
ふむ
先に歌って
くれない?
歌詞を
知らないから
ラララになるよ
じゃあ皆で
ラララね
ハクメイ
喉の
調子が
どうした
の?
ハクメイ
はね
ハクメイ
歌だけ
はね...
一緒に歌って
くれないかい?
ひとりでも
多いほうが
いいのだよ
地上に
帰るためだ!
笑う
なよ.....
ラッ
ラララー
ラァ
ララ
ラァー
ララ
ラッ!!
ラララ
ラララ
ラララ
ラ
ラ
う
ラ
ラ
ラアァ
アアア
ラッ
なかなか汚れ
落ちないねぇ
粘土層
だったからな
ん
なんか
聞こえねぇか?
ラ
ラ
ラ
ラッ
おっ
重っ
........
知った顔が
喰われて
やがる
それでもありませんからこんなことだけど、
...
ラララー
ラン♪
今の
「木こりの歌」
だよね
いい
アレンジ
だな
ありが
とう
でもなんで
ラララ
なんだ?
誰でも歌える
ようにですわ
今日はこれで
おしまい
えー
皆さま
いい夜を!
もう1曲
もう1曲!
やっぱり
もう1曲
だけ
しー
お付き合い
頂ける
かしら?
?
静かな曲
ですのよ
初演奏
だから
間違ったら
ごめんなさい
聴いて下さい
水底のリズム」
第20話「おわり
●コラムの展下の歩き方、木ごりの歌
歌われている。
ユエン出身の吟遊詩人や芸人によりって歌い継がれるうちに歌詞
が発生したが、細部は歌い手によって異なる。「若い木こりの女
性と、樹齢を重ね意思を持ったアカガシとの軽妙な掛け合い」と
いう内容が最も「般的であるが、アカガシの木が若い地主の男性
に変更された歌詞も存在している。その場合は曲調が大きく変わ
り、スローテンポで暗い情愛をと孤独が歌われる事が多い。
者同士による声の掛け合いから生まれたもので、歌詞はなかった
とされる。曲調は非常に軽快で明るく、現在でも労働者に好まれ
「不こり欲」は、コン地域にお風呂場である。花粉
あああ、ネジとベッド
オハヨー
ビヨウシー
う
重いよ
イエノ
バショ
カエタノ?
起きたら
変わっちゃって
たんだよ
今私
動けないんだ
フーン
ジャーネ
うん
いやいや
待ってー
チョウチョー
助けてー
なんだ
誰か
いんのか?
雛鳥じゃ
ないようだな
助けを呼んで
もらわないと
あれっ?
イタチさん
助けを呼んで
くれませんか
俺が助けて
やるよ
おっ
チョウチョじゃ
なくてイタチ
助かりました
イワシさん
お礼に無料で
モヒカンにして
あげるよ
店は当分
無理じゃ
ねえか?
そうなん
だよねー
いや
そりゃ別に
いいんだか......
どうして
転がっちゃったん
だろう
なんで今まで
転がら
なかったんだ
そのネジで
留まってたんだ
卵側が
割れた
みたいだぞ
昨日風
強かった
もんねぇ
でけぇ
ネジだな
ああ
どうしよう
直し終わるまで
寝る場所すら
ないよー
足が
寒いよー
...
簡単にで
いいなら
俺が直して
やろうか?
えっ
なんて
親切な...
親切屋さん
?
底が割れてん
だからネジは
無理だな
大工だ
となると...
この辺りに
根元で枝分かれ
してる木って
あるか?
あぁ
それなら
あれは
どうかな
私の
昼寝場所です
うん
太さも
手頃だな
切らねぇよ
ちょいと
間借りする
だけだ
ふーん?
次は木材
切っちゃう
の?
うってつけの
ものがあるね
これこれ
何かバラして
いいものあるか
木箱と.....
ベッド?
いいのか?
いいよー
物置きに
なってるし
雨で
溺れかけてから
使ってないんだ
お前俺のダチに
少し似てるよ
顔が?
いや顔は
似てねえ
そうか...
よし
こんな
モンだろ
前より
いいよ!?
ベッドも
大丈夫そう
だな
上に葉が
あるから
溺れる心配は
ないだろ
本当に大工
だったん
だね!
...この卵と
ネジはね
そりゃ
よかった
マキナタでの
初めての買い物
まぁな
マキナタの
行商人から
買った物なんだ
初めての
私の店
すぐ壊れると
思ってたけど
まだまだ
住めそうだね
それは
勿論だよ
ありがとう
イワシさん
おう
直して
よかった
のか...?
本当に
お代はいいの?
いらねえよ
あっじゃあ
あのネジ
あげるよ
俺は親切
なんだ
なんかいい物
らしいよ
いいのか?
いいよ
いいよ
あと
モヒカン
やったげる
いや
遠慮しとく
間違いない
トウル大橋に
使われていた
ネジだな
トウル大橋?
知らんのか
不勉強な
奴め
歴史的な
品だ
大切に
しろ
ところで
なんだその頭
すっ
昔ウロウガ谷に
かかってた
大っきい橋だよ
すんません
別に構わん
はあ...
そうすか
.....?
洗って元に
戻してきます
かっこいい
じゃねえか
第21話「おわり
●コラム●「足下の歩」き方、鰯谷とジャダ
「やったことねえなぁ...
「了解了解、ついでにおひげの手入れもしようか。ちょっと荒れ
てるよ」
「だから剃らねぇって。固めるだけでいいぜ
「じゃあ試しに剃ってみようか」
「いや、俺は剃ってないほうがいいと思うけどな」
「ホントは剃ったほうが格好いいんだけど、イワシさんはねぇ、
どこまで剃っていいのか分かんないし」
「思ってたのと違うな、油で固めてんのか?横剃らねえんだな」
「ほらほら、この髪型。モヒカン格好いいでしょ」
第2話
ああぁ、ジャムと祭り、
屋台
完成ね
よし
屋台
完成ね
思ったより
早く済み
ましたね
ふたりが
手伝ってくれて
助かったわあ
ミコチの
新作精油に
ケイトのカヌレも
置いて
スズミさん
ちょっと
いいですか?
お疲れ様
どう?
設営は
今年の
屋台祭は
稼ぐわよ!
いやあ
屋台は
完成したん
ですが...
不参加?
カラシヤさん
残念ね...
いい場所が
取れたのに
なにぶん急な
話で見つから
なくて...
料理長が熱で
寝込んでしまって
せめて誰かに
使ってほしいん
ですけど
誰か
いません
かね?
ミコチ
おお!
そちらの
方が!!
んっ?
いやっ
1店舗
1屋台って
決まりじゃ...
祭は明日
なんですよ!?
問題ない
じゃない
個人で出れば
いいのよ
ウチと違う
商品で
屋台は
カラシヤさんのが
あるし
それは...
確かに
まあ
ミコチは
売り物なら
あなたの作った
保存食が
あるでしょ?
せっかくなら
何か新しい物を
出したい!
それは
大変よぉ
お客さんも
凄い数
来るし.....
ああ!
分かって
ます!
と思った
わけだ
......
今回はお断り
させて...
なんで
やれば
いいじゃ
ないか
無茶
言わないで
死んじゃう
わよ
砂糖も家に
ある分じゃ
足りないし
直火を使うから
炭選びも...
木苺の仕入れに
大きな鍋の
用意でしょ
もうメニューも
考えたの?
鍋と鉄板ね
釜がないから
無発酵バンで
そのための鉄板と
他に何か
いる物は?
えっ
木ベラと
ケイトに持って
行かせるわ
ラム酒も
了解!
じゃあ
メニューは
ジャムと
パンの
セット
ちょっと
シンプル過ぎ
ないか?
でも侮る
なかれ
で
いくんだな
という
わけで
まずは
仕入れ!
赤色の強い
木苺を
探さないと
まぁね
なるべく
安くな
出来立ての
威力を見せて
あけるわ
ないよ
木苺?
なんで!?
今年は
不作でね
なんて店?
教えて!
蜂蜜館の
ミキって八百屋
鼻の利く業者に
買い占められ
ちまったよ
あぁ
あの人
か......
あっ
ああ
相当ふっかけて
くると思うぞ
確かに
ふっかけられ
そうだ
ハクメイ
他の買い物
頼むわ
私が行った
ほうがよく
ないか?
連中との
交渉なら
いや
体力的に
考えて
買い物は
あんたに
任せたいのよ
いざとなれば
酒と料理で
「うん」と
言わせるわ
おぉ.....
あぁ
なるほど
祭だろ?
頼もしい
じゃあ
行ってくる!
気を
付けてなー
大変だね
いやあ
大変さ
なんて
感じる暇
ないって
だめだ
なんで
その額じゃ
安いからだよ!
お前は
加減を知れ
いつも
余るじゃ
ねえか
数日後には
これが宝の山に
なんだぞ!
だからって
仕入れ
過ぎよ!
うるせぇ
キウイに
タケノコ
あっちは
ユリネ
玉ねぎに
青エンドウに
桶柑も
余らせてる
木苺にしたって
日持ちする
物じゃなし
値上がり
したとして
このままじゃ
いつか
潰れるわよ
交渉は
やめた
売り切る
手立ては
考えてるの?
あ?
ぐぅ
提案
私は普段
保存食を作って
卸してるの
なんだよ
契約しない?
出る量の
把握も
得意だし
契約?
ここにある
野菜なら全部
加工できるわ
こうやって
余らせる
事もない
こちとら
生モノ
扱ってんだ
その通り
青果の
買い付け
仕入れの
人脈
嗅覚
とやかく
言われる
筋合いは...
知り得る
限りの情報は
提供するから
賛成ー
どれを取っても
あなたのほうが
上だわ
ちっ
材料になる
青果を私に
卸してくれない?
.....
うるせえ
って!
この前の
キノコの
オイル煮
旨かった
もんなぁ
こいつらは
食われて
なんぼだ
よろしく
頼む
旨いモン
作ってくれよ
やった!
こちら
こそ!
じゃあ
木苺と
あのバジルも
頂戴!
絶対
余るよ
本当
だろうな
......?
よっ
こっちが
小麦粉で
...
おーい
ハクメイー
よし
全部
揃ってるな
おっ
ただいま!
おかえり
こりゃまた
予想以上の
成果だな
使い切る
わよー
アシタ
食べニイク
マケテネ
うん
ありがとう!
しかしよく
説得できたな
って
大丈夫か
でも...
どんな
風に...
ちょっと
疲れた...
よかった
ふむ
よっし
始め
ますか
美味しいわよ
この木苺
私は材料を
確認するわ
かなり
ぶ厚いな
おう
鍋の厚みは
どんな感じ?
了解
木苺
入れちゃって
燃料は
多めに...
ふあぁあ
......
ん?
なん
だって?
砂糖が
4袋と.....
足りる
かなあ
大丈夫
出来立ては
甘さを感じ
にくいし
ひと工夫
考えてあるから
甘くなり過ぎ
ないか?
木苺の間に
砂糖を入れて
いってね
あいよっ
小振りの物は
そのまま
大きいのは
割り入れてね
これ
レモン汁も
加えていって
了解
全体をよく
馴染ませたら
そういや
値札とかも
作らないとなぁ
水分が
出てくるわ
ああ
そっか
釣り銭も
用意しないと
そのまま少し
置いておいて
パンの準備
しましょ
おう
粉に塩と
オリーブ油を
入れて
水を
足しながら
捏ねてね
なあ
工夫って
なんだ?
粉よ
2種類の粉を
合わせたの
予算ギリギリ
だったけどね
苦みが強くて
芳醇な粉が
3分の1
残りは
甘みが強い
ふくよかな粉
これが素朴
ながらも
塩の利いた
クリームや
パテ
ふふふ
複雑で
深い風味を
出すの
ああ
ジャムも
なんか
するのか
野菜スープ
なんかと一緒に
食べると絶品よ
でも今回は
ジャムなん
だろ?
ふあぁ
よし
ハクメイ
小鍋と包丁
取ってきて
味見か!
いい色に
なったな
仕上げに
ラム酒を少し
加えて...
でしょ
ここで
登場
バジル!
バジル?
バジルの
葉を
ジャムに
入れる!
軽く火を
通して完成
パンの試作
出来てる?
細かく
刻んで
ほう
出来てる!
バジルもっと
入れよう!
そうね
ケイトさん
鍋は隣に
お願いします
はい
種火もう
入れるかー?
うん
値段は
決めてるん
ですか?
パン込みで
300円
器持参で
ジャムのみ
ひと捧い200円ですね
焚きつけ
ちゃって
宣伝は昨晩
ハクメイが
張り紙とビラを
ここまでの
道中で呼び込みも
してきました
生地伸ばし
始めるなー
あ
釣り銭は?
あっちの
麻袋よ
おふたりとも
徹夜なのに
疲れてる!
とりあえず
30枚程よろしく
眠い!
ドインドンッ
お疲れじゃ
ないんですか?
じゃあ僕
姉さんの所に
行きますね
ああ
はい
ありがとう
ございました!
さあ
ですよね
売るわよ!
開会の
太鼓ね
おうっ
お待たせ
しました
ありがとう
ございましたー
.....
今売れたので
何個目だっけ
ジャムのみが
1個
なんか...
人
来ないね...
宣伝
足りなかった
かな...
セットは
4個目だな
なんだ
ミマリと
シナトか
どもっス
すみませーん
なんだとは
なんだ
随分のんびり
してるじゃ
ねぇか
呑戸屋も
屋台を?
はい
毎年出して
るんスよ
おふたりは
初めてっスよね
何
売るんだ?
まあね
じゃあ
それ
ふたつ
作ってくれ
はい
もう
出来てる
わよ
ほぉ
ジャムと
パンのセット
こりゃ売り切れ
必至っスよ
わっ
美味しい!
くーだ
さーい
なー
あはは
おっ
また
ガラの悪い
知り合いが
あんたら
炉端焼きの
こんな所にいて
大丈夫かよ
人数分
私達もう
戻るっスね
呑戸屋っス
太鼓は最後の
演目に入ったぜ
もう手が空く
時間はないと
思うっスけど...
うえっ
もうそんな
時間っスか
おう
手が空いたら
覗きに行くよ
せいぜい
頑張んな
うん
お前ら
この祭に
客としても
来た事ねぇのか?
正真正銘
初参加よ
案外人
少ないんだな
へっ
ドンドン
今は殆どの奴が
太鼓を見に
行ってるが
"
それも
終わる頃だ
一気に
来るぞ
客が来るのは
これからだぜ
ドドイ、
いまつり
屋台祭が
始まるぜ
ひとつ頂戴
大きいの
ないの?
ジャムのみ
3つで
10個!
こっち
ふたつ!
ハクメイ
会計任せた
こっち
ひとつ!
ふたつ
下さい
やぁやぁ
おふたりさん
冷やかしに
来たよぉ
はい
3つお待たせ
900円ねー
ねえ
まだー?
手伝って!
パン追い
つかない!?
否戸屋から
鉄板借りて
来れる?
行って
来る!
はい4つ
お待たせ
あちちっ
旨いね
これ
2個
ですね
ありがとう
ございましたー
小麦粉余って
ないっスか?
ある!
好きなだけ
持ってけ!
ウッス!
ジャム追加分
上がったよ!
大丈夫
かい?
え
ラム酒
あっ
取って!
水飲んで
ゼー
少々お待ち
下さい
ハー
お次の方
ご注文は?
はぁ...
なんとか
終わったな
.....
ギリギリ
足りたわね
ジャム...
あー
マスターに
お金渡すの
忘れてた
次はもう少し
多くても
いいかもなぁ
次会う時
持って行こう
えーと
確か
この辺に
?
あった
ラム酒
ほい
乾杯
乾杯
そういえば
は
蜂蜜館の
八百屋さんと
契約したのよ
ちょうど2杯分
ってとこか
おお
そりゃ
心強いな
材料の
卸し
でも台所
なんとか
しないとねぇ
大鍋使える
ようにしたいわ
だなあ
今度図案
書いてみるよ
...ハクメイ
疲れた....?
よく
わからん.....
でも...
眠い...
第22話「おわり
●コラム●「足下の歩」き方、八百屋のミキ
皆、こんな風の夏葉から外は暑し寒いで食べながら
する情熱は確かなようなので、経営方針の抜本的改革が望まれる。
こんど売れ残っているのが現状である。
の品揃えも豊富である。
といった理由により、ごく一部の飲食店に卸されるもの以外ほと
しかしそれら商品は、宣伝の少なさ・悪立地・強気な価格設定
蜂蜜館内に店を構える「ミキ八百屋」。店主のミキは優れた買
い付け能力の持ち主であり、扱っている商品の味と鮮度は常に高
い水準を保っている。旬のものは勿論の事、希少価値の高い青果
第2話
一服の珈琲
第23話
珈琲豆を
砕くのって
大変そうだな
砕いてある物は
仕入れないの?
ウチは自家焙煎
自家割りが
モットーなんでね
そういえば
マスター
自分でやったほうが
旨いのさあ
豆変えた?
そのうち木から
育て出しそうね
う
変えてない
けど...
なんか違う?
うん
美味しい
けど
ミルが
違うのさ
そういや
ハクメイ
ん
そうだよ
これ
いつも
使ってるのが
壊れちまってねぇ
あんた修理屋
だったっけか
ふむ
ハンドル
いいよ
やってみよう
直せない
かい?
異常
箇所は
急に
回らなく
なってねぇ
助かるよぉ
このミル
大切な物
なの?
んー
んー
私の飲む分と
あんたらふたりの
飲む分くらいに
しか使わないん
だけどねぇ
?
古くて
ガタが
きてんのか
そうだね
挽いた粒が
揃わなくてね
なに
はたまた
先代のクセが
ついてるのか
とてもじゃ
ないが客には
出せないよ
いつも
ご馳走様
です
うむ
私達は
客扱いじゃ
ないの?
酒代以外に
金払った覚え
あるかい?
でもまぁ
先代は
こいつで
旨い珈琲を
淹れてたん
だよねぇ
ふむ
多分一度
バラすし
元に戻らんかも
しれんが
あー
構わん
構わん
いいか?
それじゃあ
景気づけに
一番いい豆
挽いてやろう
かねぇ
おお!
見たところ
普通のミルだな
異常箇所は
ハンドル...
確かに
ビクとも
しない
目詰まりじゃ
ないの?
ハンドル
とりあえず
掃除して
みるか
ネジ回し
貸して
まず頭を
外して
つまみ
固定ピン
調節
つまみ
ワッシャー
あいよ
本体を外して
心棒も抜いて
粉受けに
上下歯も
洗浄だな
よし
分解完了
思ったより
綺麗だねぇ
そうだな
歯も
立ってる
触ってて
痛いくらいだ
ねぇ
先代の
珈琲って
どんな味
だったの?
ん
そりゃあ
旨かったよぉ
優しい味
でね
でも本人は
少しも優しく
なくってねぇ
淹れ方
ロースト
何ひとつ教えちゃ
くれなかったよ
じゃあ
マスターの
珈琲は独学
なんだ
まぁね
自分のミルも
買って
色々試して
きたけど
ははは
先代の味にゃ
遠く及ば
ないねぇ
マスターのも
美味しいよ
そりゃ
どうも
傷んでる
部品は
なさそうだな
組み直して
みるか
これで回ら
なかったら
厄介だぞ
単純な造りの
物だからな
そうなの
かい?
目に見えない
部分の異常
って事になる
心棒や
上下歯の歪みか
あるいは
それ以外か
それ以外?
たまに
あるんだ
どこも悪く
ないのに
単に壊れた
ってのとは
違うのかい?
違うねぇ
そういうのは
直せない事が
多い
突然
死んだみたいに
動かなくなる
道具ってのが
悔しいけど
諦めて
酒呑んで
寝るに限るよ
ふはは
そっか
じゃあぬる燗でも
つけようかねぇ
いいブリが
入ってるよ
催促した
みたいで
悪いなぁ
......あとは
頭のネジを
締めて...
いっちょ
上がり
回らん
っと
っと
不思議
だなぁ
だけど.....
となると
心臓部か...
削ったり
してみようか?
いやぁ
そこまで
しなくて
いいよ
ミコチ
看板
下ろして来て
くれるかい
今日は
もう遅いし
どうも
ありがとう
了解
助かるわ
おう
泊まって
いきな
......
ぬる燗代は
もらうよ
コトッ
マスター
マスター
なんだぁ
こんな時間に
......
カタン
凄いぞ
静かに
こっち来て
何が...
んん
付喪神
だよ
愛され続けた
古道具が
間近で
その瞬間を
見たのは
突然なるもの
だとは
聞いてたけど
初めてだ
ねえ
私にも
そのミル
使わせてよ
だめだよ
これは私の
言う事しか
聞かないんだ
お前は
お前で
いい物を
抹すんだね
それでも
私は
そのミルを
使って
みたかったんだ
...お疲れ様
ふん
なるほど
動かない
わけだ
あいつは
自分で休むって
決めたんだねぇ
母さんが私に
店を譲った時と
そっくりだよ
まったく
これからも働く
こっちの身にも
なってほしいねぇ
...ふわぁ
ねえ
マスター
珈琲
淹れてよ
そうだな
眠気も
覚めちまった
しなぁ
あぁ
旨いねぇ
第23話「おわり
●コラム●「足下の歩き方、母からの手紙
元気にやっているかい。私は死ぬほど元気です。今は北へ北へ
と向かってるよ。昨日発った町なんて雪しかなかった。
しかし豆屋も大したもので、こんな寒い所でも旨い珈琲は飲め
たよ。喫茶店のマスターに仕入先を聞いたら、アラビよりも遥か
南の島からわざわざ騎鳥便で運んできているそうだ。酸味と香り
の強い豆だけど、素晴らしく丸い仕上がりでね。どこの豆かは教え
えてあげないよ。少し入れておくから自分で探しな。
私はこれから大陸の北端まで行って、そこで最初に見つけた船
に乗ってみるよ。次は暖かい所に着くといいな。珈琲があればど
こでもいいんだけど。
店のほうは、まあ適当に頑張んな。できれば潰さないようにね、
母より
竹の湯
第24話
うーん
どうにも
肩こりが
取れん
温泉でも
行きたいな
そうねえ
でも遠いの
よねえ...
最近忙しかった
からねえ
近っ!
キオウか
北マキナタ
辺りの...
温泉
温泉
まさか
近くに
出来たって
何が?
なんだと!?
コヌタ山から
引いてきた
らしいわよ
どんな温泉
なんだ?
えーと
かけ流しの
岩風呂はぬるりと
した泉質で
そういや
長い間
工事してたな
コヌタ焼きの
猪口で冷酒を
楽しみつつ
景色の良い
樹上湯も併設
この温泉
泊まれるんだ!
いいな
...
今すぐ
行こう
ミコチ!
ほろ酔いで部屋に
戻れば蓼鮎と
うるかが...
それは
いいな!
待って
着替え
用意する!
誠に申し訳
ございません
ただ今
猫の団体様の
抜け毛で
排水口が
詰まって
しまいまして
全面
清掃中
ですか
お食事と
ご宿泊だけ
なら.....
いえ
まぁ
.....泣き
そうだ
新しい
宿だしな
出直します
こういう事も
あるわよね
...うん
どうしよっか
これから...
......
この竹林
樹上湯から
眺めると綺麗
なんだろうなあ
収まりが
つかない
よな...
家の周りに
竹植える?
......
本当にね
くうっ
作るか
何を?
えっ
作れるの?
分からん
作った事
ないし
露天風呂!
岩風呂なら
作れそうじゃ
ない?
岩はなあ
基礎と目地で
数日かかる
からなあ
じゃあ
木?
ひのき?
桶作りは
難しいぞ
かといって
くり抜くのも...
ケイトの鍋
また借りる
とか...
うーん
それは...
どうだろう
何か
いい素材は
竹だな!
竹筒風呂
ってやつね
ああ!
いや
あれは相当
大きい竹を
使うからな
半分に割って
風呂にしよう
素麺
みたいね
でも竹を
切り倒すのって
大変じゃない?
丸1本と
なるとな
根元だけなら
何とかなるさ
その辺で鋸を
借りてこよう
お
やっぱり
あった
切り残し
なんでこんなに
半端な高さで
残ってるの?
こういう
大きい竹を
切る時は
だから
下のほうが
残るんだ
なるほど
ねえ
さあ
切ろうか
背の高い業者に
頼むだろ
この高さは
副長くらい
だな
入浴前の
運動ね
はじめに
鉈で斜めに
切り込みを
入れて
次に鋸を水平に
入れる
この大きさなら
どこから切っても
大丈夫だろう
ん
ふんふん
育った竹の
片側ばかりを
切っていると
抉るように
切り進んでく
それが
もの凄い
勢いでな
大ケガじゃ
すまないん
だよ
どういう事?
竹自身の
重さで割けて
跳ね上がるんだ
これは
本当に大丈夫
なのよね?
よし
もう
いけるかな
ミコチ
ちょっと
離れて
ハクメイ?
ふん
まだ倒れ
ないか
ミコチ
力を
合わせるぞ
よしっ
倒れたな
え
私も
跳ぶの?
あいたた...
どうやって
持って帰るの?
転がして!
これ
割るん
だよね
まず墨壺で
線を書くんだ
ああ
くさびで
割るよ
始点に
ピンを
刺して
糸を墨に
押しつけながら
終点に
向かって
延ばして
いってな
真ん中辺りを
引っ張って
はじいてくれ
あとは
割るだけだ
ミコチは
料理のほう
よろしく
こう?
こうやって
線を引く
気持ちいい
わねこれ...
了解
う~~
温泉に
行く前より
肩こっちゃっ
たんじゃない?
お酒は
何にする?
吟醸か
純米か...
ははは
全くだ
蔵囲い
あったよな
あれ開けよう
ミコチー
やっとこ
持って来て
くれー
何に
使うの?
ん
湯を
沸かすん
だよ
小さい
竹筒を
沈めて
焼いた石を
入れる
鍋みたいね
あー
いい感じ!
この温度なら
もう入れるな
おぉー
そういえば
目隠しは?
あっ
忘れてた!
........
気持ち
いい...
出来る
もんだな
露天風呂
なー..
お疲れ様
まあ一献
肴は
なんだ?
イカの塩辛の
炙り
このままここで
寝てしまい
たいな
蔵囲いの
味に合わせて
少しこってり目に
してるよ
あと茎ワカメと
オクラの胡麻和え
いいねぇ
交代で
石を足さ
なきゃねえ
......?
......
やっぱり
あの温泉
今度予約して
行こうな!
うん
岩風呂の
作り方
盗んでよ
第24話「おわり
●コラム●・足下の歩き方・コヌタ焼きについて
西マキナタ周辺の慈錫で焼かれる陶器。アラビ航路の開拓後、
大量輸入された磁器に押され全てこの窓場が廃棄となっていたが、
近年他業種からの支援・参入があり、また、秘蔵されていた陶法
書の開示により復興を遂げた。
ある。
コヌタ周辺で採れる粗目の陶土を用いた内厚の陶器に、茶褐色
の鉄袖を浸し掛けした無骨で実用的な器は「黒コスタ」と呼ばれて
いるが、復興後は鉄釉の上からさらに富白油を流し掛けしたもの
が作られるようになった。青みを帯びた器が多く、こちらは「青
コヌタ」と呼ばれる。コスタの湯で用いられているのも、これで
現在でも黒コスタを焼く緊元は一カ所しかなく、新品を手に入れ
れる事は非常に難しい。マキナタ外で流通しているコヌタ焼きは
基本的に青コヌタのみである。
第2話
第二十大根とパイプ
配送
通りまーす
ん
大根丸1本
かあ.....
おでん祭りでも
するのかな
どこに
届けるん
だろ.....
豪気だな
受け取りの
サインを
それでも
多過ぎ
でしょ
う?
チ
あー
はいはい
っと
いくら
だっけ?
はい
ちょうどね
2千と
5百ですね
どうもー
確かに
アッ...
アユネ!?
誰だ?
あら
お帰りー
ミコチ
はあっ
なんっ
アンタが
ハクメイ
ちゃん?
ちゃん!?
そう
だけど
いつも妹が
お世話になって
おります
なんで!?
ミコチの姉の
アユネです
似て
ないなあ
......何しに
来たの?
上がって
いい?
足が疲れ
ちゃった
そーお?
ねえ
あの
大根は...
アンタに
会いに
街で売ってた
から
手土産
.....い
けど
あ
そう.....
ああ
いい家
じゃない
フォークロア的
っつーの?
なんだ
それ
どうよ
マキナタは
いい所
だよ
はい珈琲
そっちは
どう?
ちょっと物価が
高いけど...
柄にもない事
言って...
ありがと
そう?
変わり
ないよ
アンタが
いなくて少し
寂しいけどね
アンタが出て
行ってから
......
そう
なの?
やけに昔の事を
思い出すように
なった
ごめんね
ハクメイちゃん
つまんない話
聞かせちゃって
ん
いや
気を遣って
くれてるなら
悪いけど
アユネ
演技
だよな?
鋭いね
もう
バレるとは
いいお姉さん
っぽくしてみたん
だけど
私が懐古に
浸るわけ
ないでしょうが
うん
どう
だった?
あぁ...
私に会いに
来たってのは
嘘だよ
ごめんね
ハクメイちゃん
ベッドふたつ
しかないけど
だよね
だよね
晩ご飯は
風呂吹き
大根ね
大好き
だからも
びっくり
した?
アンタどこで
寝んの?
初対面で
びっくりと
言われても
下段で
寝るけど?
好き勝手
喋らないで!
で
なんの用?
今ちょっと
スランプでさ
来る前に
連絡して
気分転換
急に私が
押しかける
くらい
どうって事
ないでしょ
私はもう
子供じゃ
ないんだよ
やだ
面倒臭い
いつまでも
ワガママに
風呂吹き用の
調味料も
買ったんだー
迷惑
......
仕事があるし
予定だって...
お届け物
でーす
おっ
土産土産
帰れ!
......
えっ
と
面白い
姉ちゃん
だな
......アユネの
仕事は
仕事以外は何もしない
仕事以外は
何もしない
いいわよ
気を遣わ
ないで
破れた
掃除炊事
洗濯どころか
金銭管理も
何で私の部屋
勝手に片づけ
てんの?
おめーが
片づけない
面白か
ないわよ
今度は何
劇作家
なんだけど
亀の甲羅の
純銀製
私の料理の
技術と
自立心は
アユネって
どんな劇を
作るんだ?
そのクセ
態度ばかり
大きくて...
その頃
培われた
ものよ
面白い
のか?
.....
面白いわよ
凄く.....
だからこそ
腹が立つ!
ミコチー
見て見てー
ほれ醤油
うん
どうすんの
こんな量!
そうか.....
醤油だけで
作れと?
大根だって
丸1本も
いらないから
でも丸で
売ってたし
切り分けて
もらえは
いいでしょ!!
日持ちも
しないのに
まあまあ
切り干しにでも
すりゃ少しは
もつだろ
ハクメイちゃん
いい事言うなー
......手伝わ
せるからね
アユネ
客使い
荒いね
それの
皮剥きを
お願い
任せ
たまえよ
...ここから
皮を剥くん
だよね?
剥いたよ
皮剥きは
もういいや
切り干しの
細切りやって
あーこれ
すっごい
面倒臭いわ
合点承知
黙って
やれ
.....
適当
過ぎ
細切りも
できないか
こっちに
持って来て
あとは私が
やるわ
成功率3割
ってとこかな
やった!
よろしく!
相変わらず
器用だこと
服もまだ
作ってんの?
ふーん
たまにね
.....
えっ
それは...
洋裁のバイトも
やってみたし
構わない
けど...
いつか
劇の衣装を
発注しようかな
へいへーい
ハクメイ
ちゃーん
別に
何か面白い話
聞かせてよ
面白い
話なあ
うーん
旅の頃の
話か...
この辺だと
夕焼けトンビを
見た話とか
カフゥが
夕焼けトンビ
だったのよ
は?
夕焼けの
赤を吸うんだ
あの伝説の
赤い鳥?
あの子
白かった
じゃない
朝日を
浴びると
白に戻る
ん?
......
デタラメじゃ
ないぞ
実際に
ハクメイ
もう
話しかけても
無駄よ
何ですか?
「願いを
叶える鳥」
へ?
「昨日の茜を
吸い」
「白日で
羽を洗う」
ああなると
次の反応は
「お腹空いた」
までお預けよ
厄介な
姉ちゃん
だな...
切り干しは
任せた
夕食の支度
するわ
おお.....
うん
私はこれを
食べるために
ここに来たのよ
うん
あれ嘘
今のも
嘘だけど
そんなの
スランプは?
可愛い妹に
会いに
嘘
つれないなあ
本当は
なんなんだ
昔は素直で
甘えん坊
だったのに
ハクメイちゃん
昔のミコチの
話をして
あげようか
決まってる
でしょう
やめろ
んなっ
「お姉ちゃん
私もお話
書いてみたの」
やめろ
「お姉ちゃんも
出てくるのよ」
やめて
「背中に
翼の生えた
人がね」...
ここからが
面白いのに
いい加減に
しろ...
やめてって
言ってる
でしょ
そうやって
ハルカも苛め
てるの?
まさか
おふたりさん
可愛い弟を
苛めるわけ
ないでしょう
本当にアンタ
何も変わって
ないのね
お互い様
箸の持ち方
すら直って
ないし!
器用でしょ
豆腐も
掴めるよ
熱いうちに
食う事が
えっ
風呂吹き大根に
対する最低限の
礼儀だぞ
冷める前に
食う!
はいっ
......父さん
みたいな子
だね
黙って
食え
ミコチ
おかわり
はいはい
あ
私も
ハクメイちゃん
長風呂だね
のぼせてるん
じゃない?
気を遣って
くれてんの
ウイスキーで
よかったよね
分かってる
ねぇ
本当になんで
来たの?
うん
んー?
全部
言ったよ
嘘でしょ
全部
本当
スランプ
だったし
風呂吹きも
食べた
かったし
......本当
本当
だってば
しばらく顔
見てないなー
って思ったら
寂しく
なっちゃって
私に会いに
って
いうのは?
嘘ね
......
アユネ
寂しいとか
そういうの
ないでしょ
ひとりで
書き物しながら
悩んでても
ふう
やっぱり
全然辛そうじゃ
なかったよ
そう
見えるよね
何それ
なん
だろうね
......辛いなら
やめてもいいと
思うけど
そんな顔
しないでよ
心配に
なる
うん
ごめん
それにしても
ハクメイちゃん
ってさあ...
うん
よくアンタと
ずっと一緒で
平気よね
やっぱ
あれ?
ん?
う
なんだと
胃袋掴む
ってやつ?
料理教わって
帰ろうかな
......否定は
できない
半年くらい
かかりそう
なんだけど
ま
よっしゃ
帰る
そういう
わけにも
いかないって事で
ハクメイ
ちゃーん
出て来て
いいよー
おー?
泣いて止める
ならもう少し
いてもいいよ
はっ!?
今!?
来るのも
帰るのも
急ねぇ
断る
なんだよー
......
冷たい妹
だな
そんじゃ
またね
ミコチ
お姉ちゃん
うん
劇作家
やめるの!?
お?
そう
くるかー
結婚する
のか!
だってさっき
そんな話...
で
どうしよ
私はどっちでも
いいんだが
そ
劇団員
とね
ミコチ
.....
や...
やめちゃ
だめ
うん
じゃあ
やめない
絶対だよ!
おめでとう
ありがとう
ミコチ
そういや相手の
名前とか
アユネ
待てー
アユネー!
元気でね
式の話とか
聞いてないな
肝心な
所をー!!
走って逃げて
ないか?
まあ
手紙かなんか
来るだろう
呑むなら
付き合うぞ?
全く
もう...
ん
んー
いい
おう
おやすみ
ひとりで
否む
分かった
おやすみ
第25話「おわり
●コラム●・足下の歩き方・劇団トンプ公演[寝そべる紫煙
だけを持って、彼は険しい山に分け入ります...。
れます。
願いを叶える鳥・火風の目撃談。
鈍った体に鞭を打ち、琥珀色に染まったパイプと一日分のペン
彼は目的も手段も失っていました。
昼夜も曖昧になってきた頃、宿の主人から興味深い話を聞かさ
過去に描き上げた絵に向かって、絵の具の付いていない筆を走
らせる日々。
いこの街は決して居心地の良い場所ではありませんでした。
れる街。
放浪画家のアオバネが、-この地に長期で宿をとります。
スランプによる精神疲労と持病に喘ぐ彼にとって、働き者の多
マキナタ。遺跡群と雄大な山々に囲まれた、穏やかな時間が流れ
劇団トンブ公演【寝そべる発煙
三月二日〜丁六日ノハオ大樹演装愛
作・演出・アユネ
第26話
はい珈琲
もうすぐ
だったよね?
ああ
おう
ありがとう
久しぶり
だなあ
4時発車
だからな
汽車
多数の夜越しの汽車
あー珈琲
旨い
寒いから
余計にねえ
ゴホンッ
東マキナタ発
カノカン行きー
既に切符を
お持ちの方は
カノカン行き
これより
ご乗車頂けます!
早く行ったら
いい席
座れるかな?
乗り込みの際に
ご提示を...
この券
指定席よ
日の出頃には
カノカン湖に
着くといいなあ
当然だ
カノカン湖は
よく釣れる
らしいぞー
本当にこんな
早く行く必要
あるの?
切符は
お持ちですか?
おお
釣りは朝に
限る!
あと夜汽車に
乗ってみたい
ほい
ふたり分な
そろそろ
乗ろっか
それは
まあ.....
分かる
イの
2と3の席ね
荷物
上がる?
サは向こうの
車両だって
もう
出るって
ん
おかーさん
お茶
ちょーだい
イの
2と
ここだな
......?
3...
あら
席分かれ
ちゃったの?
みーちゃーん
イの1って
空いてるー?
えぇーっと
今日は出て
ないっスね
1と2に
座っちゃって
いいよ
車掌さん
いいん
ですか!
イの1
っスか?
あい了解ー
切符
替えとくから
縞屋ね
助かるよ
その切符は
どこで?
縞屋って
券売店で...
覚えとくわ
おぉ.....
よかったね
カノカン行き
カノカン行き
怒られん
のかなあ
縞屋...
発車
致します
動き
出した
ああ
とりあえず
朝ごはん買いに
行こうか
まっ暗で
よく分からん
けどな
っとと
大丈夫ー?
何にする?
ハクメイ
だな
これから
そぼろ弁か
むー...
いなり弁
か......
私は
きゅうりサンドと
スープかな
えー
きゅうりサンドは
だめなの?
弁当に
しないのか
だって折角の
汽車だぞ?
お嬢さんら
決まらんのなら
先いいかね?
あ
どうぞ
どうぞ
ビールと
揚げ山芋
いなり弁と
きゅうりサンドと
スープと
揚げ山芋
あいよっ
いっこ
交換しよ
おー
何か
見えた?
ん
ああ
ちょっとだけ
川が見えた
これ今
どの辺かなあ
さぁー
んっ
窓開けて
みるか
そうだね
固いな...
ふんっ
気持ち
いいな
うん
でもどの辺かは
分からないね
今はメイサシ
辺りですよ
あっ
どうも
みーちゃん
あと1時間程で
カザシ停車場に
停まります
なるほど
昔のダイヤだと
ヤカツ鉱山を経由
してたんですが
利用者が
減ってしまい
まして
へえ.....
でも今は
ヒコト地方を
走るので景色は
いいっスよ
帰りは是非
ハクフツ号で
あ
路線図お見せ
しましょうか!?
...っと
お食事中
でしたね
長々と失礼
致しました!
......凄いな
みーちゃん
タタ
いえ
うん...
タタイ
おはよう
もう店
やってんだね
勿論
何か買う?
はははっ
じゃあ
生姜天と......
球茶を
瓶でふたつ
旅先って
やけに腹が
減るんだよ
まだ
食うか
.....
はい
お待ちー
この球茶って
なんなの?
水出し茶
だよ
球状の瓶に
水と生の茶葉を
入れて
中身だけでも
安く売ってるん
だけどな
カザシの
名物でな
折角
だから
飲む時まで
密閉しとくんだ
でしょ
帰ったら別の
葉っぱ入れて
使ってみよう
うわ生姜天
熱っ!
ありがと
茶飲め
茶
綺麗な
色だね
生の葉
だからかな
空が白んで
きたね
そろそろ
出発だな
他の屋台も
開き始めた
布の屋台が
あるよ!
おお
帰りに
寄ろう
うん...
あ
でも布が
売ってる.....!
汽車
出るって
間もなく
トンネルに
入ります
まっ暗に
なっちゃった
ねぇ
窓を
お閉め
下さい!
ランプ
点けるよー
前を失礼
つまらん
なあ
お?
いっちょ
上がり
お茶か
珈琲は?
あ
珈琲で
私も
珈琲あんまり
美味しくないね
んん
ミコチ
私ちょっと
手洗いに...
っと...
珈琲ひとつ
おかわり
あいよっ
......
変な夢
見た...
ハクメイが
本読んでた...
あ
トンネル
抜けたんだ
ん
おはよう
ミコチ
!
もうじき
着くぞ
雨?
急に
降り始め
ちゃったなあ
窓開けて
いいかな
うーん
そっか...
冷たっ
おお
荷物しまうよ
わ
わ
汽車の中
なら
雨も
いいもんだね
釣りが
できないのは
残念だけど...
うん?
だな
あっ
釣りは
するぞ?
間もなく終点
カノカンです
こういう天気は
よく釣れるんだ
合羽も
あるし
そう...
雨の中で......
何が釣れるか
楽しみだな!
もうちょっと
汽車に乗って
いたいなあ...
第26話「おわり
●コラム●「足下の歩き方、同期の先輩
「そうッス!」
「そうッスか」
「鉄道に関しては先輩ッス!」
「ここじゃ同期なんだから先輩はやめてって」
くッス」
「それは有難いッス、先輩「勉強になるッス!」
「そっか...じゃあ一緒に行こう。前いた鉄道会社の話、聞かせ
てあげる」
「すみません、休みは、カノカンの先のアオバラ鉄道に乗りに行
「そっか、まじめでよろしくい。じゃあ今度の休みは?
「すみません、今日は家で、現行をイヤに対する私感をまとめた
いッス」
「みーちゃん、仕事終わったら呑みに行こうよ
●あとがき●
ハクメイとミコチ
番外編
「引っ越しの巻」
cardboakdoxtrap
カシキです
最近引っ越し
ました
以前住んでいた
部屋は2DK
男友達と二人で
ルームシェア
仕事場
一時期男四人
だった事も
ありました
ニイサン
俺もうアカン
引っ越そう
ここ狭い
もう6年も
住んでる
のに...
ぅナピゥ・
この部屋は
オススメです
初期費用は
物凄く高い
ですけど...
俺はここに
決めちゃって
ええと思う
何か気になる
事でもあったかい
うーん...
.....
スピーカーの
置き場かな...
あの間取りじゃ
どうにも...
あ!
うん!
新しいの
買おう!
ここに
します
引っ越し決行
レンタルした
軽バンで12往復
フチュー街道は
混むなあ...
業者の方が
安く済んだな...
だな...
晴れて仕事場が
広くなりました
荷解きはまだ
できてません
おっす
来たぞ
ウエノさん
見て見て
広くて
快適!
知ってるよ
引っ越しも
手伝ったから
でも快適だから
仕事がはかとる
って事ぁないね
せやろうね
「HPAK、YOU
そのため、男性の人間でも
電子版・ビームコミックス
ハクメイとミコチ4巻
著者ノ樫木祐人
2016年1月15日電子版ver.10発行
発行人,青柳昌行
発行・株式会社K-ADOKAWA
〒102.8177東京都千代田区富士見2-13:
電話、C570400J555(ナビダイヤル
http://www.kadokawacojp/
協力・エンターブレイン事業局
編集ハルタ編集部
装丁内田圭祐(8823DESIGI
cTakuto.Kashiti2016
本電子書籍はビームコミックス『ハクメイとミコチ4巻」
(2016年1月27日発行初刷)を元にして制作しております。
*本作品の全部または一部を無断で複製、転職、配信、送信したり、ウェブページ上に転載することを禁
未での問題に向くよう、一部デザイン等を変更ししております。あらかじめご了承ください。
正します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行うことも禁止します。購入時にご承諾いただ
いた規約により、有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することはできません。本作品は電子端