[樫木祐人] ハクメイとミコチ第09巻

ハクメイミコチ

樫木祐人

いや、それは．．．わかったんだけどね

ＷｉｎｄｏｗｓＰｅ

あっ、わぁ、はい。は

ッ

Ｔｕｋｕｔｏ

Ｋａｓｈｉｋｉ

ハクメイミミコチの

Ｔｗｉｔｔｅｒｉｃｉｎｔｈｅｗｏｄｓ

ｂｙＴａｋｕｔｏＫａｓｈｉｋｉ

樫木祐人

目

次

第６３話

なので、カボチャと櫓

第６４話

第６話

第６話、鉄道と恋

第６６話

また、大陽色の蜜、

足下の歩き方、幼い詩人

足下の歩きが、鰯谷の助太刀。

家族の相乗りをドシャ降り、

足下の歩きガーカーネリアン茶

ん

１

足下の歩きが移動屋台ミズバラ

第６８話

鏡硫病床柘榴

心下の歩きが、書記・サタの日誌

今年は出会いと草刈り

「地下の歩き方、第一印象

第９話『司書の休日

第３話、休日の長屋

第７１話

第２項小さな料理人、

家族が大きな集会し

．．

足下の歩きが、共同浴場ハセ湯

☆☆☆腹病者＂ズキンガラス

足下の歩き方、チヒチ。ギとフゥフラトウ

そういえば、

．．．

足下の歩きが、大型服の展開

なので、カボチャと櫓

実が

なってたん

だよ！

なんの

話？

まぁるい

実が！

カボチャ！

裏山に段々に

なってる所が

あるだろう

沢の先の

あぁ

あの道中に

生えてる野生の

カボチャが

長いこと

通ってるけど

初めて見たよ

鬱蒼としてる

辺りのね

へー

ひとつだけ

実をつけて

たんだ！

その実に株の

栄養が全部

いったのかもな！

誰も手入れ

してない

だろうしねぇ

すぐ枯れなきゃ

いいけど．．．

うん

だから

育つまで私が

様子を見に

行こうと思う

大きくなったら

調理してくれよ

ふむ

あっでも

仕事帰りに

でもさ

野生の

カボチャかぁ

食えない

品種だったら

どうしよう

くり抜いて

中に入って

遊ぶとか？

翌日

なぁ

イワシ

水桶しばらく

借りてもいいかね

何に

使うんだ？

構わねぇよ

カボチャに！

はぁ

ふんっ

はあ

しっ

しんどいっ

ふう

足りたか？

たんと飲んで

たんと太れよー

んんっ！！

もう

ちょっと

汲んで

くるか．．．

目印でも

ないと

ハクメイは

この辺だって

言ってた

けどっ

遭難

しそう

．．．ハクメイ

何

作ってんの？

おぉ

ミコチ！

これは

櫓！

なぜ櫓を

上から水

撒いたり

育ち具合を

見たりする

これか

なるほど

上から見て

どうだった？

まだ葉っぱ

しか見えんな

そろそろ

帰ろうよ

暗く

なるよ

ん

じゃあな

達者でな

あぁ．．．

．．．．．．

愛着湧いて

きてない？

いやっ

そのうち名前

付けたりして

ハハハ

ないない

ただの

カボチャだぞ！？

かぼ助

．．．．．．何か

言った？

カボス？

名前．．．．．

かぼ助

実はずっと

考えてた

あぁ

そう

１週目

なんか元気

なかった気が

するんだよな

病気？

分からん

見た感じ

変わった所は

なかったけど

かぼ助

なんと

なく．．．

気にし過ぎ

だとは思うん

だがなぁ

ハクメイ

これ一緒に

読もう

なるほど

ん？

今日

借りてきた

本なんだけど

枝は切っても

いいんだな

藁を敷くのも

いいんだって

ふぅむ

２週目

まさか

ここで

寝泊まり

する日が

来るとは

やっとカビ

拭き取れたぞ

腹減った

もうじき

焼けるよ

なかなか乙な

ものだわ

かぼ見酒

うまい

かぼ助に

酒あげちゃ

ダメだよなぁ

ダメ

でしょ

３週目

どしゃ降り

ねぇ

お店に

泊まって

いけば？

ですねぇ

朝は小雨

だったのに

帰るの

大変よぉ

いや．．．

やっぱり

帰ります！

はい

お言葉に

甘えて．．．

ちょっと

どうか

したの？

嫌な

予感が．．．

ミコチ

石を積んで

くれ！

かぼ助

流される！

いい所に

来た！

はいはい

ハア

少し雨．．．．．

弱まってきた？

多分

こんなに

水はけの悪い場所

だったんだね．．．

これまで

実がついて

なかったのは

かぼ助に

入れ込み過ぎ

自重

なさいよ

雨でやられてたのかもな．．．

雨でやられて

たのかもな．．．

ハクメイ

はいっ

ごめん

．．．

さて

ハクメイ

言いにくい

けど

はっきり

言うよ

かぼ助

食べ頃です

うん

大きく

なったよな

かぼ助．．．

どうする？

もし

食べるなら．．．

煮つけ

天ぷら

ケーキ

プリン

餡かけに

コロッケ

なんでも

作ってあげる

けど

このまま

食べずに

土に還すのも

悪くないと

思う

ぐううぅぅぅ

やった

．．．．．．

食べよっか

すまん

かぼ助

腹が鳴って

しまった．．．

食事会を

開こうよ

食欲には

勝てないね

皆呼んで

盛大にやろう

そうだな！

かぼ助も

本望だろう！

第６３話「おわり

●ラァム●ールドッポーガードで紹介するのは、

「なぁハクメイ、切っていいんだよな？このカポチャ

「あぁ。すまんな、嫌な仕事を押し付けて．．．！」

別にいいけど、なんかやりづれえな。本当にいいのか、ミコチは

「まぁ硬ぇもんな。よし、じゃあ切るぞ」

「さようなら、かぽ助．．．」

「うん、お願い。私たちにはちょつと．．．できる気がしないから」

「ひと思いにっ．．．！頼む！」

「やりづれぇよ！」

家族の相乗りをドシャ降り、

お客さん

次の乗り場で

待ってる人が

いいよ～

相乗りお願い

してもいい？

同じ方面行き

だったらさ

どうも

あっ！？

カー

ネリ

アン？

どうした

事だこれは

カーネリアン

だとも！

あっ

まずい

ジャダじゃ

ないか！

座ってー

出発するよー

はい！

こんな所で

君に

会えるとは

降り．．．

あっ

はい．．．

しかし

奇遇だな！

久しいな！

学生の時

以来．．．

という事で

いいのか？

会えて

嬉しい！

本当にね

ええと

ほらお茶を！

どうぞ！

えっ

うん

それで

運命かもな！

ハハハバハ！

いらな

ボリっ

さあ！

ボリッ

コップはしっかり

拭ったから

安心してくれ！

どうも．．．

何これ

甘っ．．．．．！

タイムの茶に

蜂蜜やら

飴玉やら

たっぷり

溶かした

特別製だぞ！

氷かと

思ったかい！？

ふふぁふぁ

そりゃあな！

よくこれ他人に

勧めるね．．．

なんとしても

親睦を深め

たいんだ！

学生時代から

相も変わらず！

．．．．．そろそろ

マキナタに

着く頃かな

恐ろしい

まだまだだと

思うぞ！

心の友だが

面と向かって

話した事は

ジャダは

話すのは

苦手かい？

ほとんど

ないものな！

俺としては

なんでも話して

みたいのだが

その押しの

強さが

苦手

なんだよ．．．

あと

近くで

大きな声は

すまない

出さないで

ほしい

無自党

だった

気を

つけよう

うん．．．

お客さーん

雨来そう

だから

幌下ろしても

いいかな？

はっ

ああ

．．．

こういう

仕組みか

ちょっと

ドキドキ

するなっ

なかなかの

圧迫感

何かしらの

病気じゃ

ないかしら

お客さん

予想以上だわ

これ

予想以上だわこれ

おおっ

いいから

中入って！

亀さんは

平気？

でも車は

動かせないや

しばらくは

足止めたね

あいつは水

大丈夫だよ

えっ

．．．．．この辺りに

建物は？

ないよー

最悪ここに

泊まりかも！

それは

なんとも

ならないね．．．

山ん中

だもん

なん

ちゃって！

んんっ

まあ

通り雨だと

思うけど！

．．．ああ

まずまず

ひどく降って

きやがった

あー

嫌だな

．．．．．こんな所で

むざむざと

何？

人里離れた山奥で

雨を凌ぐ小屋を

見つけられたのは

手にかかってなと

やるものか！

彼

役者なの

確かに

幸運だった

暗闇の中で

目を操らす

しかし

ここには

男はただ

ひたすらに

灯かりが

ない

雨音の中で

耳をすます

一瞬の弛緩も

許されない

怯えていた

最悪だ

足止めだ

もう何日

追われている？

一度だけ

奴の姿を見た

事がある

恐ろしいっ

奴はつかず

離れず

僕を見張って

いるんだ．．．

紫色の月を

背負っていた

遠目には生き物か

どうかすら

分からなかったが

ニタニタと

薄ら笑う口元が

忘れられない

きっと今も

口の端を

歪めたまま

全てを揃えて

僕に突きつける

ガヤッ

その機を

窺っているんだ！

ヒイツ！

．．．．．．物音

奴めとうとう

隠れる気も

ないらしい

僕も腹を

括るんだ．．．

男は我に

返った

男は扉の

前に立ち

よしっ

一歩

また一歩

ゆっくりと

鍵を

開ける．．．

雨

．．．．．．

やんだ

ようだな

おしまい？

へっ？

劇場で

演ってるから

そんなぁ．．．

ああ！

続きは

そちらでな！

悪いがまた

降り出さんうちに

頼むよ

．．．ちょっと

いじわる

なんじゃない？

ん

実は

セリフを

忘れたんだ

む？

フブキ

いやな

ふん

仕方ない

だろう

そうなの？

ええ．．．．．

俺の役では

ないのだから

俺は彼の

息子役だ

地味で

静かな人物

だから

ジャダも

楽しめるかと

思ってな

．．．．．

どうだった？

まあ悪く

なかったよ

なるほど

ああいう役も

いけるだろうか！？

結構、迫力

あった

いけるか！

嬉しいな！

ちなみに

息子のほうなら

今演れるが

どうする！？

うるさいぞ！

着いたよー

お客さーん

劇場に

観に行くよ．．．

口惜しいな

明日の稽古が

なければ食事に

誘うのだが

ギ＂

これあげる

はいはーい

そしたら

私は断るよ

お茶と

お芝居の

お礼

飴と

なんだい？

うちの

ポイントカード

溜まったら

飴あげる

ふむ

今度、髪を

切りにおいでよ

派手に

頼むさ！

ふむ？

少し地味に

したげるから

必ず行く

からな！

次こそ親睦を

深めてみせる

酒とか持って

行くぞ！

８６４話「おわり

●コラム●「足下の歩」き方、カーネリアン茶

カーネリアン特製の、喉に良い「かもしれない」お茶。友人の薬

と一緒に長時間煮出したもの。

剤師が喉に良いと言った物を片端から鍋に放り込み、茶やハーブ

に比べれば、幾分マシである。

香りは複雑怪奇で甘苦く、決しもて美味とは言えない。が、風邪気気

味の時に作られる「カーネリアン甘酒」や「カーネリアン青汁」

毎朝自作して、お気に入りの金属製水筒に入れて持ち歩いている。

本人も不味いと思いつつ、我慢して飲んでいる。

恋愛の

話が

なさ過ぎだとは

思いませんか！？

私含めて

まぁなぁ

第６５話

どこかに

転がってませんか

甘酸っぱい話は

したいっ

聞きたいっ

カノカンからの

帰りに少し話した

車掌さんたち

あのふたりって

いい雰囲気じゃ

なかった？

あー

そういえば

あるじゃあ

ないですか！

みーちゃんと

先輩か

詳しく

詳しく！

先輩

どうか

しました？

あいや

なんでも

ないよ

第６話、鉄道と恋恋

みーちゃん

さぁ

明日一日私に

くれない？

いいっスよ

荷物運びか

なんかスか？

で．．．．．！？

デートしよ

デート

へへへ冗談

あれ

見に行こうよ

街にさ

廃車両を再利用した

集会所ができる

ってやつ

あぁ！

明日

でしたっけ

自分も気に

なってたっス！

ぜひ！

鉄道車両が悪いの

場になるなんて

素敵な事っス！

じゃあ朝イチ

大階段前集合ね

仕事気分に

なっちゃう

かもねー

まぁ

私は

デートの

つもりで

行くけどね．．．

うぅ．．．

早起きねぇ

あの子たち．．．

さすがに

初っぱなから

朝食買って

きたっス

タコスとお粥と

揚げパン

顔見知りに

会うのは

避けたい．．．

えっ

先輩の好みが

分からな

かったんで

おあっ

りがとう

余っても自分

全部いけるんで！

お好きなの

あります？

何その

取り合わせ

自分の好物を

手当たり次第

買ったんス

揚げパンが

好きっス

出だしは

ともかく

これはこれで

なんとはなしに

いやぁ

うまかった

っス！

あの車両に

乗れるかと思うと

気が逸ってしまって

デートっぽい

のでは？

ほら揚げパン

半分食べて

えっ

早っ

うっす！

お恥ずか

しいっス

この辺り

だよね

一番乗り

しよう

あんた達

そのはず

っスけど

今日は列車

来ないよ

車輪が溝に

ハマったとかで

延期になったって

ごめんね

みーちゃん

ざっ

まさか

残念

スね．．．．．．

こんな．．．

謝らないで

下さい

仕方ないっスよ

でもねぇ

本当に．．．

休みに

連れ出し

といて．．．

あ

じゃあ

先輩！

自分の買い物に

付き合って

くれませんか？

ノートを

切らして

しまいまして

いえ

架空の路線図や

運行表を作ったり、

いいけど

ノートって

業務日誌の？

ああ

趣味用っス

よっしゃ！

理想の列車を

描いたり．．．

いい文具店

知ってるから

長く使えるの

買おうよ

私も昔

やったなぁ

先輩が最高に

洒落たのを

選んであげる！

そうスね

品揃え

すごいっスね

でしょ

おお

表紙が

蝋引き紙だ

布製や

木製のも

あるよ

あぁいいね

うわ

他にも

．．．

前の鉄道会社に

いた頃

渋い

このノート

懐かしい

お気に入り

だったんスか

いやぁ

どんな

スか？

．．．．．．

いらないけど

ちょっと

欲しい．．

私こればっか

使ってたんだ

安くて頑丈だけが

取り柄だから

自分

それに

するっス！

そんで先輩も

久しぶりに

今使うとまた

違う取り柄に

気づくかもっスよ！

えっ

そうだなー

同じの

買いましょうよ

じゃあ

これ．．．

ここですよ

ここ！

ラブレターに

うってつけの便箋を

置いてるんですって！

そうするかぁ

惚れ薬でも

塗ってあるのか？

お揃いに

なるし

へえ

かわいいん

ですよ！

．．．多分

いいのが

買えたっス

ありがとう

ございます！

私も久しぶりに

何か書こうかな

えへへ

昔書いた

ノートって

残ってるんスか？

こちらこそ

見たいっス！

宿直の暇潰しに

いいんだよね

えぇ．．．．．

自分

先輩の話

部屋のどこかに

あるはずだけど

別に何も

面白くないと

思うよ？

そう

そんな事

ないスよ

もっと

聞きたい

っスから

なの

っスか？

前にいたのは

マガイ鉄道

でしたよね！

エビ型機関車の

独特な排気管に

ついてとか

あぁ

．．．．．．立ち話も

なんだし

喫茶店でも

入ろうか

はい！

ああちょうど

あそこに

代表が

技術屋あがりで

開発室に籠もり

きりって噂や

ここ

うん

またにわかに

デートらしく

なってきた

羽球ふたつ

ださい

いらっしゃい

どうぞ

さて

じゃあ

どうも

話の

続きを

．．．．．．

．．．珈琲

美味しい

ね．．．．．

．．．．．．飲んだら

出ようか

喋り辛い．．．

はい

うす．．．．．

あっ．．．

あっ！

車掌さん

たち！

覚えてます？

私たちの事

もちろん！

カノカンの時

以来っスね

今朝ちょうど

ふたりの事

話してたんだよ

お久しぶり

です！

みーちゃんと

先輩か

あのふたり

いい感じじゃ

なかった？

あ．．

久しぶりー

えっと．．．

へえ

奇遇っスね

恋愛の話

どこかに

転がってませんか

甘酸っぱい話は

私前のお店に

忘れ物しちゃった

みたい！

取りに

戻らないとっ

せっかくの

再会なのに

ごめんなさい！

いや

そんな

落としたんじゃ

ないといいけど

．．．

一緒に探しま

しょうか？

滅相もない

もう

行きますから！

それと

この先の公園

のんびりできて

おススメ

ですんで！

ぜひ行って

みて下さい！

じゃあ

また．．．

どうも

あの子

ひとりで

来てるん

スかね

先輩

ちょっと

親御さんは

見あたら

ないね

ん？

おーい

キミー

あんな小さい

子が．．．．．？

こんにちは

友達と

待ち合わせ

っスか？

友達は先に

帰っちゃった

一緒に列車

見に行って

列車、来ない

かったから

あ

その本

ううん．．．

列車が好き

なんだね

だから

お母さん迎え

来るまで

ひとりで

待つの

なるほど

それに乗って

働いてるっス！

きゃーっきっと、

いまった

これ運転

した事ある？

お姉ちゃんたち

車掌さん

なんだよ

運転は

ないねー

しゃちょう

さん？

本当！？

この機関車は

坂道に

強いんスよ！

強いの！？

じゃあ

こっちは．．．

いやー

子供の好奇心は

底なしだね

喋り疲れた．．．

将来

有望っス！

いつか

お友達と

一緒に

後輩として

入ってくる

かもよ

あぁ！

最高じゃ

ないスか

みーちゃんの

鉄道愛も

底なしだわ

鉄道に乗りに

来てくれると

嬉しいっス

同志の子の

質問には全て答えて

あげたいんス

同志って

それは

もう！

自分は

四六時中

それは

鉄道が

．．．．．．

鉄道の事を

考えてる

っスから

え

ううん

好きっスけど

好きだから

だよね

なぜ

．．．

それが好き

なのかとか

違うの？

そういう

本当の所．．．

よく考えたら

違うかもっス

いつかちょっと

嫌いになったりも

するのかなとか

自分の事

なんスけど

そういう

自分の中の事を

もっと知りたい

なるほど

よく分かる

そうスか？

うん

そういう

一日だった

からね

って感じ

っスかね

じゃあ

そろそろ

先輩の

昔話をは

またに

しよっか

冷えて

きたし

そうスね！

はい

名残惜しい

っスけど

思ったけど

今日は一日

付き合ってくれて

ありがとね

みーちゃん

こちらこそ！

楽しかったっス

うん

集会所できたら

また行こうよ

まぁ

上々

一歩前進

でしょ

あの

先輩

ん？

また一緒に

出かけませんか？

鉄道と

関係

なくても

んぉ？

．．．それは

つまり

あ．．．．．

デート

だね

へへへ

いやっ！

そう

っスね

そう．．

甘くて酸っぱい！

これですよ！

ウオォォ．．．

まだいたら

皆で食事でもと

思ったけど

もちろん

いいっスよ

そっとして

おくべきね

付き合って

なかったのか

あのふたり．．．

●コラム●「足下の歩き方」移動屋台ミズバラ

たんで、以来ずっと、いや、たまに不真面目に屋台やってます」

のだそう

「ふたりとも根が不真面目な。んだけど、あの時初めて本気になれ

にふたりだけでクレープ屋台を出店した経験か今に繋がっている

同経営者のバラコウさんとは、調理学校の元同級生同士。学園祭

器用にクレープを焼くのは調理と接客担当のミズヒキさんだ。共

俺は目つきが悪いけど、接客が好きなきなんだよね」そう話しながら

「相棒は多分まだ寝てるよ。今日も家でメニュー開発と書類整理

レープとスパイスの効いた創作シュース。

上げる「ミズバラ」である。」大気メニューは様々な味付けの豆ク

この屋台広場で一番朝早い時間から開店しているのが、今回取り

〜マキナタ北地区情報誌より一部抜粋〜

おい

起きろ

第６６話

どぉわっ

ユナカぁ．．．．．

起きやがれ

ミキ

でも

今日は別

家が燃えても

起こさないって

約束だろ！

あっ

あぁ

そうだな

そろそろ店の

ザワークラウト

運び出さねぇと

つうか去年も

全く同じ件

やっただろうが

そっか

うっかり

してたぜー．．．

今日か！

寝んな

輦大陽色蜜

おっ

ノプキ

決まってんなぁ

さすが

衣装持ち！

いや結構大変

だったんだぜ

黒はあんまり

持ってなくてさ

ふたりのそれは

ケーブだよな

用意してた

のか？

いいだろ

できたて？

できたて

だよー！

ほら

あそこ

生姜ボひとつ

はい

シャツ一丁

上がり！

その生地だと

特別料金に

なります

仕様お任せ

承知しました

お次の方ーっ

安くてなんか

上から着るやつ

羽織りで

いいですね！

ササナミ

綿麻の

無地！

へいっ

７番仕様書の

裁断お願い！

このまま

仮縫いします

７番っすね

刺されても

できるだけ

耐えて下さい

おぉ．．．

ミコチさん

サテンがもう

ないです

ん！

ふんぐっ

頭巾黒いのに

したんだー

そこ

だけ？

«黒服の

元々黒服の

奴は楽でいいな

．．．．．．

あの姉ちゃん

仕事早ぇわ

フへへ

ベストと

スカーフ

上がったよ

よく見ろ

持ってって

あげて！

ネクタイ

似合うぜ

コモク

朝から

ぶっ通し

ですけど

ミコチさん

大丈夫ですか？

竹層の茶屋で

待ってるはず

はい！

了解です！

相方も

今ごろ

まだまだ

いけますよ！

頑張って

るんで！

だからっ．．．

なんですぐ

固定する！？

５度目

だぞ！

やっぱ

ステージは

間に合わないん

じゃねえの

釘打ちは

後だって！

諦めも

肝心だぜー

木箱とか

でさぁ

んなっ

あぁ

ごめん

お前ら

なぁ

つい．．．

そもそも

お前らが昔

邪魔しなけりゃ

参った．．．

そしてそうおっすッと

っ！？マック

まぁ

あなた

たち！

おっ

そりゃ言わない

約束だろ？

指揮をとるのは

苦手だ．．．

シュンカ

今日一日

くらいは

仲良く

しなさい！

すんま

せん．．．

分かってる

よぉ

すまん

ちょっと

ジャレてる

だけだっつの

ほらあんたらも

手を動かす！

いえ

トウゲツ手先

器用なんだから

私も最高の

ジュレップ

作るんで

へいへい

仕方ねぇな

助かった

慣れっこ

なんで

ハクメイさんも

頑張って

下さいね！

おう

うーん．．．

どれ買や

いいんだ？

さっぱり

分かんね

抹香だろ

抹香

抹香．．．．．．

抹香だけで

いくつあんだよ

古参の

おふたり

見て下さい

これ！

面白い香りが

しますよ

あー

それで

いいんじゃ

ねぇか

だな

俺外で煙草

喫ってるわ

蜂蜜の

お香ですって！

あいよ

んあ

いいん

ですか！？

花班か

随分

多いなおい

重い

線香じゃ

分が悪い

蜂蜜館の

行事だぜ

派手に

やらねぇと

わあ！

そりゃ

そうだ

花火屋

寄ってくぞ

確かに

煙は出ます

けどもね

あんまり

音が大きいのは

ダメですよ

コンジュ歌うん

ですから

あいつなら

大丈夫じゃね？

ポロン

あんた少しは

片付けなさいよ！

ごめん．．．．．

私も

手伝い．．．

いいから

あっ

黒！

これ

で

ギリギリまで

練習してて

ドレス

ょっ

ポロン

おい

今隠した酒瓶を

元に戻すんだ

サボってないで

絵を探せ！

旋毛丸！

必ずこの部屋に

あるはずなんだ

盗みに

入ってるんじゃ

ないんだぞ

そもそも本当に

あんのかよ

どうせ

見つかんねぇって

ああ

今年こそ

見つけるぞ

そう言って

毎年捜してる

じゃねぇか

肖像画

なんてよ

間違いなく

描かせたと

言っていた

あの

バカの面を

ふん

．．．．．

なぁヒガキ

もしかして

この絵．．．

む？

これだ

これ

だよなぁ

あの

野郎．．．

これのどこが

肖像画だと

いうのだ！

没記念会も

もう１３回目だぞ

とっとと

皆の前に

引っ張り出して

やろうぜ

ウカイらしい

けどな

ずっと隠れて

やがったと思うと

腹立ってくるな

広場の

準備も

大体できてる

みてぇだし

なんか

燃えてんな

きたきた

館守！

花火かアレ

生きてても

死んでても

人騒がせな

奴だ

まったくな

始めようぜー

今日は

偉大なる

館の主

戯けた

享楽家

我らが友

これウカイの

肖像画な

え？

どこが？

せいぜい

騒いで

あいつを

悔しがらせて

やろう！

ウカイの

死んだ日だ

オォッ！

ツバキ

お前、詩作が

得意だったな

ひとつ即興で

詠んでくれんが

無茶振りも

いいとこだな

あぁ！？

もう

やってるぜ

ったく

酒樽の蓋は

初めから

なかった

昏い液面に

自ずと飛び込む

ヨモギの新芽

ひとつ余った

カフスボタン

傷ものの

月長石

裂けた

卵に

蓑虫

それに続く

王冠

トリカブト

隙間を

埋めるように

流し込まれた

酒樽の蓋は

なんでも

浸かる

太陽色の蜜

初めから

なかったのだ

この酒

もはや

飲めたもの

ではなく

．．．

あまりの

不味さに

はにかむ男

男は今日も

生きて

今日も死んだ

．．．そんで

えー

そんな

感じで

．．．．もう

いいか

はちみつか

蜂蜜館に

乾杯！

カンパイ！

ハクメイ

お疲れ

おお

ミコチ

お疲れ

はいこれ

ああ

美味しい

？

６６話おわり

●コラムの足下の歩き方、幼い時人

「『堅物の記憶』もだな。ヒガキが覚えてりゃ問題なしだ」

くなっても僕は知らないよ」

「『堅物の小言』って書き足しとこうよ、ウカイ」

「．．．レンピが詩的になるのは結構だけど、あとでわけ分からな

「そりゃあいい！！面白い！ッパキは詩人だなー」

「数種類の花の蜂蜜．．．『目を回した蜂の蜜』だね」

送ったミント『とかにしようよ』

「おお、なるほど確かにな。じゃあこれは？」

「ただ『形のいいミント』じゃつまんない。『充実した幼少期を

おぉい

ミコチぃ

仕事

手伝うって

第６７話

簡単な事なら

できるからさ

というか私

もう治ったかも

瓶の煮沸とか

皿洗いとか．．．

随分楽に

なってきたよ

うん！

やっぱり私も

仕事に

行こうかな！

道具出して

くれないか

なあ

ミコチ？

ヤサ．．．

第５話病床と柘榴

いいから

寝てなさい

そうそう

今日の仕事は

重要なんだよ

イワシさんに

休むって

伝えたでしょ

土を運んだり

運ばなかったり

全然熱

下がってない

だから

めったに風邪

ひかないのに

う～～

水替える

からね

一遍ひくと

厄介この上

ないんだから

大人しく

してなさいよ

何をして

いるのかな？

汗を

かくから

縛ろうか

布団ごと

着替えを

近くに

並べている

．．．．．．お茶

いれる

冷たいの？

温かいの？

ごめん

なさい．．．

冷たいの

甘くて

美味しい

蜂蜜

カモミール

．．．．．．別に

何も

私は

元気だし

あ

他に欲しい

ものはある？

甘納豆

はいはい

もらったのが

まだあったと

思う

いや

大人しく

しとけよっ

食べたい

甘納豆？

２階の棚

そうだっけ？

へい

はっ

のれ．．．

おい

言い分は？

甘納豆〈全部

食べた事

思い出して

買いに．．．

ごめん

なさい

うね

ほどいて

．．．ハクメイ

今のあんたより

私のほうがあんたの事

分かるから

病人は

病人らしく

してるのが

任せてとにかく

休みなさい

仕事みたいな

もんよ

知らん

拗ねないの

よしできた

風邪薬

笑えるくらい

苦いからね

さあ

お飲みなさい

ほどいて

くれよ．．．

顔色良く

なってきたね

具合は

どう？

退屈で

死にそう

ま

手作業なら

いいかな

包装手伝って

くれる？

布団かぶった

ままでね

？

任せろ！

へいへい

すまん

うっかり

寝てた

いいから

もうしばらく

寝てろって

私のせいで

キャラバンが

せめて

手伝いを．．．

もう２日も

足止めを

食ってる

気に

すんなって

でも

寝てなきゃ

ダメよ

ハクメイ

緑尾老．．．

病人だからって

置いてったり

しないからよぉ

なあボス

思って

具合は

どうなの？

そんな

事はっ

ないけど

もうちと

大人しく

．．．．．．

なかなか

良くならんね

寝入ってて

くれりゃあ

いいんだか

ハクメイ

病人にしか

できない事も

あるのよ？

不安になるのは

仕方がないけど

周りの音を

よく聴いて

逆の立場に

なった時

へ？

今日は私も

付き合って

あげる

気配をよく

感じておく事

きっと役に

立つから

ボスはただの

昼寝じゃん

あっ

ずりぃ

ふふふ

お

飲み物

．．．．．．

起きた

いる？

あんたが

寝てる間に

行商人から

どっちが

いい？

腹へった

甘納豆と

柘榴を買ったん

だけど

柘榴が

いいです

グコッ

ベーッ

ドボン

カチャルちゃ

そのまま？

絞る？

そのまま

いい夢でも

見た？

食欲は

戻ったみたいね

なんか

落ち着いた

みたいだから

うん

まぁそのまま

大人しく

んん？

朝まで

寝てなさい

へぇい

音を

聴いて

なかなか

集中力が

いるな

．．．．．

なるほど

気配を

感じる．．．

横になった

まま．．．．．．

じっと

して．．．

いや

ああ！

そういう

事か．．．．．

ん

どうした？

昔の事を

思い出して

いたんだが

あれは私を

寝かしつけるために

言ったんだな．．．

？

第６７話おわり

●コラム●「足下の歩き方」書記・サタの日誌

７月２日「晴れ

現在地．．セキピカ南南西の湖

目標、セキビカ岳の突破・３番テントの補修・長銃の点検

成果：３〜６番テントの補修・全装備の点検

自家消費

所感．．．

その他、行商の狸から濁り酒＞樽を購入・交易品の甘納豆を

緑尾老が風邪をひいたため移動を断念。緑尾老は体調を崩す

と途端に弱気になるので、総員で看病にあたった。

と手際よく立ち働いていた。

先日まで臥せっていたハクメイは完治したようで、キビキビ

１０３

ほんとぉい

美味しい

ですよね

ここの

パン！

だからいつも

つい買い過ぎ

ちゃって．．．．．．

第６８話

分かる

私もひとり暮らし

始めた頃には

しょっちゅう．．．

そっか

特に

パンはねぇ

そろそろ

聞かせて

下さいよ

ミコチさんも

元々ひとり暮らし

してたんですよね

いいけど

この家の

玄関が

うん

昔話！

たいして

面白い話は

ないよ？

骨になる

前の話．．．

数年前

はあ．．．

草刈り

念願の

ひとり暮らし

静かな

自宅

やんないと

なぁ．．．．．．

持て余す！

気の向くまま

使える時間

友達．．．

買いたいだけ

買ったパン

寂しい！

仕事

探さないと．．．

家族の出会いを草刈り、

泥棒？

むぐっ

ここは

町の南東？

蜂蜜．．．．．

屋敷？

いや北西

そうか

すまない

ボーッと

してて

私の家

トン．．

飯食って

ないから

間違え

ました

パン！

お邪魔

しました

いえ．．．

食べま

せんか

よかったら

お水

どうぞ

．．．．．．お口に

合います？

．．．．．

んぁ

どうも

あっ

うん

名前

私

ミコチって

いいます

ハクメイ

さんは

マキナタに

引っ越して

きたの？

違うよ

私は

ハクメイ

旅してて

へぇ．．．

蜂蜜屋敷

ってとこに

住むの？

数日前に

辿り着いた

まだ

分からない

そうなん

だ．．．

安いらしいから

見には行く

私っ

私は引っ越して

きたばかりなの

この町の事

まだよく

知らないんだ

．．．．．どうして

マキナタに？

えっと

旅人の国って

響きに憧れて！

自由な

感じがね！

実際に

住んでみて

えっ

まだよく

分からない．．．

．．．．．お茶

入れようか！

どうだい？

そうかい

薪を取って

くるね

お構い

なく

全く

話が

まさかこれ

ひとり暮らしの

弊害？

もう！？

でもあの人

ずっと怖い

目をしてるし

はずま

ない！

すごい疲れてる

みたいだし

泊まって

いけばって

地元の友達に

あんな感じの子

いなかったし

それで

あわよくは

ワケありっぽい

から．．．

言って

みようかな

草刈りを

手伝ってもらおう

もう

ちょっと

話した

かったなあ

おわっ

寝ちゃった

朝っ

お

はっ

．．．．．．

いないか

今日は

布団

干して

窓拭いて

どうしよう

かな．．．

．．．．．．町は

面倒だな

草刈りも．．．

ん

ジャガ谷の

店でお菓子を

買おう

町にも

行って．．．

雑草が．．．

あれ？

あぁ

おはよう

昨日は

悪かったな

今草刈りが

済んだところだ

じゃあ

一宿一飯の

礼になるかな

さよなら

ありがとう

ミコチ

待って

ハクメイ

ごはん

食べよう！

．．．．．．

今度は私が

作る！

料理には

ちょっと自信

あるよ！

んん？

急ぐ

からね！

ほら中入って

手洗って！

お

おお

川魚は

平気？

香草と

にんにくは？

うん

じゃあ舗と

ディルの葉と．．．

パンはまだ

残ってたっけ

ある．．．

食器

足りるかなー

．．．．．

うん？

なんで

メシを？

ひとり分の

料理を

作るのには

ありがたい

けど．．．．．

なんでって

もう

飽きちゃった

から！

それに

ハクメイに

温かいもの

食べさせて

あげたいの

変な奴

だなぁ

普通の事

でしょ

多分

いただき

ます．．．．．

召し上がれ

うまい！

ねっ！

なんだこれ

とんでもなく

うまいぞ．．．

ミコチって

料理人

だったのか？

子供の頃から

料理は好き

だったけどね

いや

無職

ほぇー

どことなく

ケイ地方っぽい

味付けたな

おっ

さすが

旅人！

ハクメイは？

私は

ケイ生まれよ

私はムカク

出身だよ

また随分

遠くから．．．

旅の話

聞かせて！

おお

食後に

いくらでも

おかわり

ある？

急にずうずう

図々しい！

しかし

こりゃあ

あれは生姜の

砂糖漬けかね

草刈りじゃ

釣り合わんな

よしじゃあ

食後の一杯は

任せてくれ

気にしないで

いいって

ちょっと

使っても

いいかい

うん？

いいよ

酒はいける

クチかい？

いける

いける！

できたぞー

うわぁこれ

美味しい！

だろう

生姜レモネードの

安白ワイン割り！

大人の味

ですね！

この割り合いは

ハクメイにしか

作れないのよねえ

久々に

飲めるわ

あぁ

懐かしい！

今ちょうど

昔の話を

してたんですよ

おお

いつ頃の

話だ？

８６８話「おわ

●コラム●、足下の歩き方、第一印象

よく分からなくて．．．うん、私もちょっと怖かったな」

「「えっ」」」

入って来たんだもん」

「ハクメイさんは？」

奴そうだなとは思ったけど、ずっとと作り笑いしてて何考えてるか

「あー、どうだったかな。あの時のミコチ．．．なんとなく、いい

「それはまあ怖かったよ！！ボロボロで無表情な子が、急に家に

「お互いの第一印象ってどんな感じだったんですか？」

１２５

この９冊

ええ

貸し出し

お願いします

ですから

出かけたり

しないのか

古書店に

寄りますよ

あぁ！

奥のそれも

キアン

きみさ

今日休み

だよな？

家で本を

読みます

では

業務・頑張って

下さいね

うん

良い

休日を．．．．．

第四話司書の休日

いえさ

いや、痛みあうな教団

まあ、好きや

んん．．．．．

詩集は

どの辺りに

ありますか？

図書館とは

また違った

匂い．．．

たまには

尋ねる側も

いいなぁ

左奥から

ふたつめの棚

あぅ．．．

『マダムリンカ

愛の詩

恐らく随筆の

棚にあると

思いますよ

詩集って

ここだよね．．．

はいどうぞ

なんで

ないの．．．．．？

ありがとう

ございます

今日の

私は

オワーッ

司書さん！？

司書さんって

どこでも司書さん

なんですね！

あっ

そんな事

ありませんよ

．．．．．どうして

棚の整理を？

ただの

本好きです

つい．．．

『ナカレ詩集

「旧版」．．．．．

まさかこんな

宝物が眠って

いたとは．．．

早く

帰らねば

どうも

もう

やってます？

日替わり惣菜と

いつものを

持ち帰りで．．．

あと焼酎

黒糖の

ちょっと上等な

お酒と食事を

調達して．．．！！

お昼にしては

賑やかですね

やぁ

キアンさん

やってるよ

歌姫さんが

来ててね

ワイヤッ

おや？

あの方は

やっぱり中で

食べてく？

いえ

水を差したく

ありませんので

歌の教本を

探していた．．．

ふん？

あー

．．．．．．って

ちょっと

止まれっ

司書じゃ

ねぇか

近寄ると

危ねぇぞ

壁が崩れ

てんだよ

もしかして

お前ん家

対面の？

寝ぼけた

アナグマが

転んじゃってねー

鳶樺荘？

そうです．．．．．

悪いけど

ここら一帯

立入禁止だよ

雨降ったら

ヤバいから

しかしちと

かかりそうだ

あ、お前行くアテ

はい

あるか？

まぁ

一応．．．

．．．．．これ

良かったら

皆さんで

食べて下さい

えっ

ありがとう

大急ぎで

直すからな

トボ；

それは

災難

だね．．．

私はただ

本の中に

潜りたいだけ

なんです．．．

ほら

せっかくだ

上階の

窓のとこ

変わった

来館者だな

座りなよ

そんな

恐れ多い！

珍しく

一等いい席が

空いてる

今の君は

一利用者だろ

良い

読書を

何

言ってるの

司書からの

オススメを

信用したまえ

そういえば、そうですね。それでもいいんじゃないですよね

はは

えよ！？

ごめんなさい

つい夢中に

もうこんな

時間．．．

いいよ

ハクメイさん

鰯谷さん！？

おう

ん．．．．．

閉館時間

過ぎてますよ

それより

お客が来てる

しかしすげぇ

没頭してたな

工事

終わったぜ

メシ

ありがとな

メシありがとな

お互い様

じゃねぇか

いえ

三度

声かけたん

だぞ

すみません

皆

喜んでた

お口に

合いましたか？

それが俺ら

食いっぱぐれ

ちまったんだ

これから

呑みに行く

．．あっ

じゃあ

私にご馳走

させてくれま

せんか？

そうでし

たか

気ぃ遣うこたぁ

ねえよ

顔に書いて

あるぞ

？

まだまだ

読み足りない

って

お待たせ

してしまい

ましたし．．．

それは

確かに

．．．はい

もう２冊

借りたいん

ですけど

ダメ

きみ上限

いっぱいだよ

第６９話「おわり

第７０話

．．．．．．

うるせぇ

なんだあ

朝っぱら

から．．．

それは、休日の長屋

．．．何

してんすか

大家さん

何って

アンタいつも

放ったらかしで

すんません

手伝います

あらひらしだに

鰯谷さん

おはよう

ございます

枝を落として

るんですよ

柔らかい

うちにね

ギチギチ．．．

こういうのは

こまめにね

へい

あれ

アンタ

どうりで

ボサボサ！

お日様

遮っちゃい

ますから

へいっ

うす

もしかして

寝起き？

そうス

けど

ここはいいから顔

洗ってきなさいな

．．．．．．

もう終わり

ましたよ

滑車が

トン

やっと顔が

洗えるぜ．．．

これだから

ボロ長屋はっ

．．．．．．

よし

すみませんね

ボロで

冗談スよ

直してくれて

ありがと

ほらこれ

朝ごはん

残り物で

悪いんだけど

片付けて

ちょうだいな

こりゃ

どうも

助かり

ます

うまそうだ

茶ぁ

沸かすか

鰯谷さーん

おっ

なんスか

食い始めた所

なんスけど

あらそう

ごめん

なさいね

じゃあ

食べ終わるまで

表で待ってますよ

お鍋、返して

もらえません？

落ち着いて

食いてぇ．．．

ごちそう

さんでした

うまかった

っス

これから

お仕事？

じゃあさ

はい

お粗末様

今日は

休みっス

あの

曲がり角の

石垣

雨で

崩れちゃった

みたいでね

直しちゃ

もらえま

せんかね

休みって

言ってんじゃ

ねぇスか

お礼に私の煙草

あげますよ！

危ない

でしょ

まぁ

やりますけど

さくらんぼ味

あんまり

おいしくない

いやぁ

上手い

もんだ

さすが

棟梁さん！

よし

お疲れ様

棟梁じゃ

ねぇですよ

一丁上がり

はい

火をどうぞ

嫌いじゃ

ねぇ

ども

どう？

けど

くどいスね

アンタ

ちょっと

臭いますよ

あー

まだ

お風呂屋は

やってないし

．．．よし

昨日仕事

上がってすぐ

寝ちまって．．．

この長屋

風呂が

あったんスか！？

お風呂

焚いたげ

ましょうか

えっ！？

実はあるん

ですよぉ

湯加減

いかが？

鰯谷さん

上は涼しくて

下は

熱いっス！

でしょうね！

頃合いを見て

ひっくり返れば

いいんじゃない？

まぁ

そこそこ

気持ちいい

ですよ

そんな器用な

死に方したく

ねえっス

善哉善哉

なんでこれ皆

普段使わねぇ

んスか？

それに

わざわざ

こんな

小さいお風呂に

浸からなくても

面倒だから

でしょうよ

ねぇ

うーん

近くに

お風呂屋が

ありますから

この長屋は

あっつい

ボロいから

いいんスよ

おー．．．．．

クラクラ

する

そりゃ

そうでしょう

今日はやたら

絡みますね

アンタ

休みはいつも

ひとりだから

あんなに

焚いたんだから

いただき

ます

心配してるん

ですよ

あと私が

暇なんです

相手しな

さいな

へいへい

やっぱ

この煙草

いまいち

スね

あなたも

お茶どうぞ

こりゃ

どうも

ハクメイ！？

何してんだ

お前．．．

日向ぼっこ

気持ち良さそう

だったから

お前も今日

休みだろ？

随分早起き

じゃねぇか

なんだ

鰯谷さん

いい人

いるんじゃ

ないの！

違う違う

昨日変な時間に

寝ちゃってさぁ

第７０話「おわり

●コラム●「足下の歩」き方、共同浴場ハゼ湯

マキナタ南東、鰯谷の住お長屋から最寄りの風呂屋

川沿いに建つこの浴場、造りは「質素だが風通しがよく、木漏れ日

も差して爽やかーーと地元住民から晶屓にされている。

呼ばれるようになったという

現在は白色にごり湯の掛け流しだが、かつては底に湯泥が溜まる

ほどの泥浴場だったため、その千潟のような見た目からハゼ湯と

顔谷も気に入っており、現場の入り時間が遅めの際は朝風呂を浴

ぴに行く事もしばしばだとか、

１５１

第７１話

やあ

お前は

フゥフラトウ

ですね

チヒチギ

先輩

これから

仕事ですか

ええ

浮かない

顔ですね

そう

でしょうか

．．．．．実は

今回が

キオウまで．．．

日を跨ぐ

ほどの

だから

ちょっと

初めて

なんですよ

長距離の

仕事って

フゥフラトウ

不安

ですね

お前たち

つがいにとって

きっといい

経験に

なりますよ

気を付けて

行ってらっしゃい

はい

第７１話

臆病者・ズキンガラス・

降ってきたぞ

ハキッ

予報大ハズレ

外

だね

下には

何も

バキンベキ

あの．．．

上です

この木

だよね

すみません

これ

すぐ降り．．．

降りたいん

ですが．．．．．．

落下傘

引っかかっ

ちゃって．．．

手を貸して

もらえます

か．．．．．？

大変

風邪とか

色々．．．

大変！

何

してるんだ

偶然か？

説明は後でも

いいですか？

怪我は

ないか

ええ

大丈夫

です

どうして

あんな

彼は

ガオリ

相棒です

よく見りゃ

その恰好

騎鳥便の！

落っこち

ちゃったの？

えぇと

はい

突然の雨に

焦って

フゥフラトウと

いいます

まあ．．．．．

姿勢を崩して

しまいまして

もろとも落ちる

くらいなら

飛び降りた

のか！？

そういうもん

なのか．．．．．．？

お騒がせ

しました

じゃあ私たち

行きますんで！

もう？

少し休んで

いけば？

これでも

一応

プロ

ですから

ガア

ガアァ

ギゥッ

グア

ガァー

グェググ

ギ．．．．．．

ガッ

アァ？

ガァッ

．．．．．．

ガッ．．．

グあの．．．

すみません

はいっ！？

グゥアゥ

もし

ご迷惑で

なければ．．．

そりゃあ

構わんが

ひと晩泊めて

もらえませんが

相棒が「そう

しなよ」って？

ええ

「乗せたく

ない」

だそうです

今日は

もう．．．．．

じゃあ

まぁ中に

入りましょう

色々お話

聞かせて！

お世話に

なります

あっ

待って！

あんまり

近づいちゃ

だめです！

ガオリ

ガアッ

おお

ごめん

なさい

また

あとで．．．

グワウゥ

名前

フゥフラトウ

っていったか

どういう

意味なんだ？

相棒が

鳥語で名付けて

くれるんでしょ

えっと

よく言えば

「慎重」

はい

．．．．．結構

辛辣なんだな

お詳しいん

ですね

ガオリは

正直ですから

有り体に

言えば

「臆病者」ですね

えへへ

まぁ．．．

寝ちゃったか

ミコチ

ミコチは鳥が

好きなんだよ

すごい質問星

でした

フゥフラトウ

本当に床で

大丈夫か？

はい

しかし

聞けば

聞くほど

喋るだけ

喋って．．．

鳥と話が

できるってのは

憧れる

もちろんです

単に話せる

だけですよ

言葉は

通じますけど

やっぱり

羨ましいな

それは私らも

そうだろう

はい

ただ．．．．．

空の理で

生きてる彼らとは

感情の根っこが

違うから

心の中は

分かりません

おっかな

びっくりですよ

私臆病

なので

．．．．．．でも

「乗せたく

ない」って

言われたのは

羽頭失格

ですね

私も

ハクメイさん

みたいに

初めて

でした

勇敢

だったら．．．．．

．．．．．．

．．．．．．すみません

つい愚痴を

もう

寝ますね

うん

おやすみ

おはよう

髪すごいね

キュッ

朝ごはん

もうじき

できるから

あれ

おはよう

ございます

梯子の

片付けに

出たっきり

戻って

ない？

恐縮です．．．．．．

ハクメイ

さんは．．．．．？

ガァアッ

今のって

はい．．．

！

ガオリの

怒鳴り声です！

ガオリッ．．．

お前っ．．．

ハクメイさんを

放せ！

待て

みっ

あの

見損なった！

フゥフラトウ

それでも

誇り高い

カラス属の．．．

いや

あれは

携帯食料も

あるのに

いくら

お腹が空いた

からって．．．

ガオリは

助けてくれた

だけだ！

滑って

落ちそうに

なった私を！

落ち

着け！！

フゥフラトウ

はい．．．

そのよう

ですね．．．

多少一臆病な

ほうがさ

羽頭向き

だと思うよ

私みたいなの

よりずっと

でも相棒を

怖がる事ぁ

ないだろ！

怖く見せちゃう

もんなんだぞ！

どうどう

落ち着いて

ハクメイ

そっか

怖がられると

なあ．．．．．

私は君を

．．．．．．

ガオリ．．．

ごめん

怖がって

いたのか

あっ

ガ

グゥウ

ガオリッ

．．．

荒いよ

ガオリ！

ガガア

グァ

ゴルル．．．．．

ミコチさん

登ってきて

胸カゴの中

入れますか！？

グアッ

大丈夫

絶対落とし

ませんから

ひいぃぃ．．．

ガァガ

グワゥ

ガ

じっとしてて

下さいね！

グゥア

グァッ

またねー

仲良く

やれよー

似た者

同士だな

あれは

フゥフラトウ

お前は

そうね

思っていたほど

慎重でも

臆病でも

ないな

そう？

「７１話おわり

●コラム●「足下の歩き方」チヒチギとフゥフラトウ

「そうですか？ふむ？」人違いでしょうか」

「いえ、おふたりとも女性だったと思いますけど．．．

「はい。でも、赤髪の方は男ではなかったですか？」

「えぇっ、すごい偶然ですね！」

すが」

「マキナタのハクメイさんとミコチさんですね」

「そうです、そんな名前でした。仕事を受けた事があるんです俺

と思います」

「良い事です。ところで報告書にあった、親切な女性ふたり組で

「はい．．．でもチヒチギ先輩の言ってた通り、いい経験になった

だけじゃなく、緊急用の風受け服も解いたとか」

「報告書を読みましたよ。災難でしたね、フゥフラトウ。落下傘

第２話小さな料理人

ミコチ

さーん

針生姜

いけそう？

もう

ちょっと

です！

じゃあ

ドサ

私いんげん

やっとくね

ハクヨさん

できました！

お疲れ様

誰か煮魚

持ってってー

へーい

手ぇ空いてる

奴は食える時

食っとけー

煮魚

だって

酒屋の養生

済みました

そこ締め

ゆるいぞー！

旨い

腹減った！

もうじき

塗装屋が着く

シガオは

案内を

ここ一旦

固定すんぞ

材木は

どこに？

マルウリは

北通りの杭打ち

オオカは

イワシに手を

貸してくれ

あいよ

奥の角に

頼むよ

今日は一段と

慌ただしい

わねぇ

急ぎの上に

余所の人も

来てるし

そうっ

ですねっ

ハクヨさん

米がもう

ないっす！

あらー

寝かしてる

生地

味噌汁に

放り込もうか

この辺

ですか？

了解です

うん

そのまま

動かないでね

よし

おしまいっ

炒め物に

戻りましょ

あっ

はいっ

ザクザク．．．

相変わらず

途轍もない

早さ．．．

うーん

塩もうつか

ひと掴み

うん

はいこれ

持ってってー

味見の回数

少ないですよね

はぁい

うふふ

勘頼りで

恥ずかしいわ

勘なもんが

失敗しても

皆許して

くれるんだもの

スパッ

参考にならない

でしょう

いえ．．．

体で覚えてる

って感じだな

切り方

時間と

分量の正確さ

場慣れ

してて

冷静に全体を

見渡してる

だから

失敗しようが

ないんだ．．．．．

ハクヨさーん

これなんか

辛いすね！

えっ？

さて次は

そこの

ニンジン

基礎が

できてるから

ミコチさんに

任せていい？

私何

入れたんだろう

もちろん！

どうしよう

かな

きんびらに

します！

ふんあっ！

うっ

これ

硬ったっ

ランテツ君

ちょっと

お願い！

はい？

こんな感じで

大丈夫ですか？

はい

この大きさなら

扱えます！

すみません

忙しい時に．．．

ミコチさん

大鍋そろそろ

いけそうよ

今味見を．．．．．．

こちらも

もうすぐ！

う

？

すみません

どうか

した？

塩加減を

とちりました

どれどれ

なるほど

大丈夫

これなら

大鍋のほうを

？

味噌汁じゃ

なくて

おすましにして

合わせれば

いけますね

でしょ！

仕上げ

ちゃうね

食事がまだの

人たちに声を

かけてきて！

はいっ

お疲れ様

一旦休憩！

次の食材が

届いたら夕食の

仕込みね！

はい．．．

申し訳

ないです

足引っ張って

ます．．．．．

ありがとう

ございます

どうにも

焦っちゃって

そんな事

ないよ！

うーん

じゃあ

ミコチさん

早さなら

私に任せて！

いえ

そういう

わけには

もっと

ゆっくり

やりましょ

さっき言った

でしょう？

失敗しても

皆許して

くれるって

本当は

美味しい物を

食べたいに

決まってるよね

お仕事にも

張りが出るし

でもその事が

分からなく

なるくらい

今日は

慌ただしい

でしょ

鉄火場で

舌の鈍らない

料理人がいる

．．．．．．

なるほど

それはとても

ありがたい事よ

ハクヨさん

会長さん

みたいですね

あらうれ

嬉しい！

ねえさーん

食材の

追加だよー

カテン

ちゃん

ただいま

俺もう

腹ペコ

おかえりー

昼メシ

どこ？

昼メシ

もしかして

カテンちゃん

まだご飯

食べて

ないよ？

もうしばらく

待ってくれる？

あっ

えっ

えっ．．．．．

外の焼き場の

側に埋まってる

葉っぱの包みを！

副長さん

食べ物

あります！

本当！？

取ってくる

これだよね

はい

おお！

朝来た時に

埋めといたん

ですよ

蒸し里芋！

いただきま

まだです

急いでみそ

味噌ダレ

作りますから

もう俺

我慢が

ハクヨさん

柚子あり

ましたよね？

カテンちゃん

がんはれー

我慢よー

絶対

美味しい

ですから！

よし

今刻んでる

ところ

こんな

もんかな

せいっ

もう

いい？

はっ

どうぞ！

うまいね

これは！

とても

うまい！

でしょう！

全部いっちゃって

下さい

助かるよ

物足りない

でしょうけど．．．

また

別の日に

できるだけ夕食も

急ぐからね

そうだ

ミコチさん

皆食べるの

好きだからさ

料理お願い

できないかな

図体でかい仲間で

会合やるんだけど

ミコチさんの

料理を

でっ

か

んっ

んがえとき

ます．．．

食べさせて

あげたい

なあって

うん

第７２話「おわり

第四十大さな集会

ナッツたっぷりの

リンゴバイと

魚のコンフィに

チリビーンズ

あれ？

ライ麦パンは？

トマトと

貝のスープ

フリットの

盛り合わせと

皆そろそろ

座りましょ

ラザニア

取り分けるから

パンはこっち

適当に積んどくよ

お前なんでもう

呑んでんのよ

つい．．．

始めようぜ

乾杯？

いただきます？

「いただきます」

でしょう

いただいて

ます！

いただいて

ます！

今日の料理は

ミコチの

総指揮よ！

ありがとう

ございあふっ

どうも

あの．．．

私達本当に

ここにいても

いいんですか？

俺とハクメイも

手伝ったよー

ナライと姉さんも

来た事あるしね

見ての通り

月に一度

もちろん

そうそう

情報交換したり

ただ喋ったり

なるほど

大きい者同士で

集まって管を

巻くだけの会よ

暮らしてると

なにかと不便も

あるからね

不便

ですか

ほら

マキナタは

小さい人らが

拓いた町だから

造りが

細かいでしょ

道の選び方

とかでも気を

使うんだよ

色々とねぇ

古い舗装路は

避けたりね

あと繁華街は

怖い！

うんうん

割れんだよな

石畳って

踏んじゃ

いけないモン

だらけだよ

町歩きには

コツがあるんだよ

凧丸くん

カテン

さん

とにかく

「摺り足」

緊急

土台とか柱とか

よく見たら

分かるから

せっかくだし

頑丈な場所

書き出そうか

そして

「踏んでも

平気な建物」の

見極めだね

踏み家

地図だ

分かんない

ですよ

公会堂．．．：

共有して

いいのかなぁ

燃料倉庫．．．：．

カナギ

爺さん家に

学生寮

でも

やっぱさ

こういう

建物のない所は

落ち着くよな

川を上流へ

遡ってみたり

私しょっちゅう

山にこもってるー

野営地探しは

もうクセだね

木の上

渡り歩いたり

分かる

北の山って

どうなんだ？

岩崩れが

怖いんだけど

オススメ

できないよ

眺めは最高

なんだけどね

ハクメイが

あっちに行って

しまった

西の丘とか

町が見渡せて

気持ちいいよ

俺らはちょっと

背伸びすりゃ

見えるけどな

ははは

私は

インドア派よ

私も家が

好きー

スズミさん

休みの日って

何してるの？

あと読書が

多いかしらね

ゴロゴロ

してる！

小さい

本を？

服も前よりは

選べるように

なったよね

大きい本