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Instructions:
あ、...
そういえば、俺のことを
ありがとうございます。冬日、景。
...
ISBN4-7962-9750-2
...¥514
雑誌53761-52
定価:「本体514円」が
schola:
・000冬日景を
3
...
高城一砂は、幼い頃に母を亡くし、父の友人・江
田夫妻のもとで暮らしている。ある日、八重樫の
絵のモデルをしている時はに、真っ赤な絵の具を見
て倒れた一砂は、かつその我が家に向かう。そこ
で幼い頃に別れた姉・千砂と再会した一砂は、高
城家の〝病〟のことを聞く。発病するとまるで〝吸
血鬼〟のように他人の血が欲しくて堪らなくなる
というのだ。再び倒れた一砂は身体の変化を干砂
に告げる。発作に苦しみながらも、水無瀬が処方した薬を飲もうとしない
砂に、千砂は自らの血を与える。父。もまた、千砂に血を与えていたという。
父は母に似ている千砂を愛し、千砂もまた女を愛していた。父の自殺により
残された千砂は次に似た一砂を必要としているのだ...。学校で先作に襲われ
れた一秒は、八重樫に高城の〈病〉そう言いた。千秒の下を訪れた一体に、千
砂は一緒に暮らさないかと提案する。一体の一病〟のことを知った人重機は、
詳しく知りたいと一体に伝えたが、その時、再び、砂は先作に襲われる...。
八重樫、英霊を
Scholarsc
羊のうち
巻
80第
CONTENTS
第策第第第条
第2016年第165条第177話第100話第2103第23話
第18話第4話第5括第17話第19話第70話第20話
第
"23s''7'lorlallsilig
2015711
★本作品はフィクションで東在の人口はそれ無理です。
I8
話
コントロール...
〝血〟のイメージを
何か別のものに
置き換える
なんて...
どうやるんだ...?
だめだ...
う
ムリだよ
そんなの...
高城くん.....
高城くんの
その病気......
この病気は......
高城家だけの
奇病なんだ
...???
......?
世間に知られちゃ
いけない...
厄介な
心の病
なんだよ
現代の医学
でも治せ
ないの?
隔離されて
何年も治療
すれば...いつか
治るかもしれない
けどな...
......?
この前と
同じ事...繰り返す
だけだから...
どうして
だろう
だから...
もう...
俺に近づか
ないでくれ
今度こそ.....
あんたに危害を
加えるかもしれない...
八重樫が側に
いるといつも
発作が起きる
いつか見た
夢のせいか...?
...それだけ
じゃない...
何か...もっと
別の...
立って
平気なの?
得体の
知れない
黒い感情
地面に
うずくまって
たら不自然
だろ...
行って
くれよ...
あんたが
いると
ダメなんだ
こうなったら
どうしようも
ない...
もう少し人目の
つかない所へ...
何くよ...
高城くん
血が...
要るん
でしょ?
やめろ...
八重樫......
どうして?
こうすれば
高城くんの
側に居て
いいんでしょ
高城くん
言ったじゃない
あたしだけは
傷つけたく
ないって...
美術室で
言ったじゃない
その言葉...
信じたから
だから...
だめだよ
俺.....
俺は
ひっそり消え
たかったんだ
他人を
傷つける
前に...
そうだよ...
俺はウソでも
何でもついて
イヤな奴に
なって
嫌われれば...
あんたを傷つけ
なくて済むし
あんたに
そんな事したら
おしまいだよ...
あんたに
嫌われ
たかった
俺も...
諦めが
ついた...
高城くん
ごめん...
あたし高城くん
苦しめてる......
あたしね......
でも...
でもね...
おとなしく
帰るわけには
いかないの...
ずっと
わかんな
かったの...
毎日学校で
高城くんと
会って...
話して...
だけど...
高城くん
どんどん遠くに
行っちゃって...
それでいいと
思ってたの
それで
わかったの
だから
いいの...
......?
八重樫.....
だから...
飲んで
高城
くん!
高城くん
どうし
ました?
大丈夫なの
その子?
あ...
あの...
だ...
大丈夫
です...
ちょっと
貧血で.....
顔がまっ青よ
黙もあるし
救急車
呼んだ方が
いいわ
電話して
くるから
あまり
動かしちゃ
だめよ
あ...
あの...
病院に
行ったら
高城くんの
病気が
わかってしまう
かもしれない
どうしよう...
あ...
高城くんは!?
心配ありま
せんよ
軽い日射病の
ようなもので
しょう
彼のご両親
には.....?
あ.....
...
そうです
か.....
あ...
さっき
電話して...
じきに来ると
思います...
...あなた.....
もうお引き取りに
なって
構いませんよ
あの!?
あ...
なにか?
明日には
退院できる
でしょう
彼は今
眠ってますが
心配なら
様子を
見てから
お帰りなさい
病室は
3階です
......?
高城一秒
個室...
高城くんの
病気の事は
わからなかった
のかな...
眠ってる
だけだよ
心配ない
一砂......
同じ学校の
八重樫と
いいます
あなたが
知らせて
くれたん
ですね
あ.....
いつかの
は...
はい...
大変だった
でしょう
ごめんなさいね
最近食欲が
無かったり
顔色が悪かったり
したけど
いえ...
そんな...
でもまさか
日射病で
倒れるなんて
あの...
一砂は学校でも
度々
こういう事は
あったのかしら?
このこは
大事なこと
あまり言って
くれないから...
あ...いえ....
ご両親は
知らない
のかな.....?
......そんな
こと...ない
です...
そういえば...
前に高城くんが
言ってた...
本当の両親じゃ
ないって......
病気の事
隠してるの
かもしれない
この人達
本当に知ら
ないみたい...
俺は
ひっそり
消えた
かったんだ
あの...後は
私達がいるから
大丈夫よあなたは
もう暗いから
どうも
有り難うね
あ...はい...
あたしは...
何も言わない
方がいい...
あ...
ごめんな
さい...
すごい...
きれいな
ひと.....
あなた
は......?
高城.....
千砂です
......?
千砂って......
あの千砂ちゃん?
はい...
幽霊では
ありません
...ど.....
どうして
ここに?
......?
......ここに
通院して
るんです...
......という
事は
いつ...!?
東京へ?
あの時は
電話で
失礼しました
父の葬儀の後
すぐに...
葬儀は
ほんの身内
だけでとの
父の遺言でした
もので...
......?
気になさら
ないで
おばさま
........
一秒はもう
なにも力も
知っています
数ヵ月前に
あたしたち
もう会って
いるんです
し......
失礼します
あ...
あの人が...
高城くんが
いつか言ってた
お姉さん?
あの人は
高城くんの
病気を
知っている
あの人も
高城家の
人間だと
したら...
それじゃ...
あの人も
高城くんと
同じ...??
数ヵ月前.....
一砂がたずねて
来たんです
その時
父親の事や
高城家の事
知りたげだったので
教えました
......?
......初めは
戸惑っていま
したが...
やがて納得
してくれました
それから
度々一砂は
家へ来るように
なったんです
...そう...
...だったの.....
それは...父さんの
...高城の意志でも
あったんだろうが?
...いいえ...
父は最期まで
一砂に何も
知らせず普通に
暮らして欲しいと
願っていました
でも...
一砂は...
......何もかも
解った上で
私達は...
ある事を
話し合い
ました
昔の家を...
私の事を...
憶えていました
え.....?
私達.....
あの家で
一緒に
暮らしたい
んです...
あの家は...
父がずっと
維持して
きました
ですから
私もあの家を
手離すつもりは
ありません
今は...
あの家に
私独りで
住んでいるん
です
独りで.....
......
姉弟が一緒に
暮らすのは...
自然な事だと
思うんです...
ええ.....
...だ...
だけど
あなたは...
そのこと
でしたら
ご心配なく
私の発作は
薬で抑えられて
いますから...
発作を一時的に
止めるだけで...
特効薬
ではないん
ですけど...
とりあえず
実生活に
支障は
ありません
......?
まさか...
まさか...
一砂も...
...
それは
ありません...
......?
一砂は...
私の体を
気遣ってくれて
いるんです...
高城のあれは
男にはでにくい
と......おばさまも
ご存知でしょう?
父の知り合いの方が
時々様子を
見に来ては
くれるんですが...
私も姉弟は
一緒に
暮らした方が
いいと思うよ
しかし子供達
だけでは
こちらも心配だ
新さん
いろいろな面で
援助をさせて
もらうよ
それに
ついてですが
ご厚意は
有り難いの
ですが
甘える
これ以上
わけには
いきません
父が亡くなった
以上一砂の
保護者は
私ですし...
あ...
あなたは
まだ子供
なのよ
生活能力
くらいは
あります
幸い父の遺産が
多少ありますし
ご迷惑は
おかけ
しません
そんな...
迷惑とか
そういう事
言ってるんじゃ
......?
とにかく...
もう
私達の事は
放っておいて
欲しいんです
それは
本当に...
はい
面会時間が
過ぎていますから
お早めにお帰り
ください
一砂も同じ
考えなの?
私はもう
少し...
水無瀬先生に
了承を得て
いますから
おばさま
お仕事が
おありでしょう?
私が家に
連れて帰り
ます
学校も休みで
授業は
ありませんし
じゃ...
明日また
来るわ
そ.....
そう.....
それじゃ...
とりあえず
お願いする
わ...
千砂
千砂
目が
覚めたの?
ずっと
起きてた
じゃ......
聞いてた
のね.....
明日から
あなたは
家の人間よ
........
おばさん達
あれで納得
したかな...
...
後悔してる?
できなくても
せざるを得ないと
思うわ
あなたからも
あの人達に
うまく
話さないとね
いや...
だって...
仕方ない
じゃん
千砂が言った
イメージを別の物に
置き換えるって
のも...
やっぱり
俺には無理
だった...
自分の気持ちを
コントロール
するのって
俺苦手なんだ
基本的に
前しか
見えてない
単純人間
だからさ
...
あなたも
父さんと同じ
自分に嘘が
つけない人間
なのよ...
......?
さっきの...
え.....?
......
ああ...
女の子
誰?
同じ部活の
コなんだ
帰りに会って
ちょっと
話してた
......?
そう.....
一砂......
これからは
二人で
生きて
いくのよ
あなたが
傷付けたく
なかった人達...
これからは
守ってきた
生活.....
みんな
忘れるのよ
あたしが
いるわ...
あたしが
あなたを......
コン
守って
あげるわ
そろそろ
送っていこう
僕も
帰るところだ
あ...
......?
目が
覚めたか...
明日の朝には
退院できるよ
ありがとう
ございました
運ばれたのが
この病院で
良かった...
むくん...
君の身体自体は
健康だよ
だから他の
病院で診たと
しても
おそらく
病気の事は
わからなかった
だろう
尤も...
君が傷害事件
などを起こして
特殊な
精神検査を
受ければ話は
別だがね
話は千砂くんから
おおかた
聞いている
だろうが
今は君の
精神力に期待
するしか
なさそうだ
辛いだろうが
君自身の為だ
何かあったら
相談にのるよ
......?
それじゃ
はい...
下の駐車場で
待ってるよ
ええ
......
千砂.....
水無瀬さんは
赤の他人の
俺達に
父さんが
昔命を助けた
からよ
ふうん...
何故あんな
親身になって
くれるんだ?
......?
あの目の
傷も?
そうよ
薬が効かない
となると
厄介だな
彼の理性が
どこまで
もつか...
ええ...
だから...
あたしたち
一緒に暮らす
ことにしたの
え.....?
水無瀬さんが
前に言ってた
通り...
あたしは
父さんと同じ
事をしようと
してるのかも
しれない
第
話
送ってくれて
ありがと
また...
明日一砂を
迎えに病院に
行くわ
......
ああ...
......?
よかったら
上がって
お茶でも
飲んでかない?
どうして
......?
何も
言わないの?
それに...
確かに一砂くんの
今の状況では
そうせざるを
得ないだろう
もう決めて
しまった事なら
僕が何を
言っても無駄
だろう?
いつかそう
なるだろうと
思ってたよ
だから...
僕は何も
言えない
ただ...
君が一砂くんに
父親を重ねて
いる事は
知っている
あの事を
また繰り返す
つもりなら
僕は黙っている
わけにはいかない
......?
一砂にとって
あたしは
ただの姉よ
冷たい物でも
持ってくるわ
それ以外の
何ものでも
ないわ...
君が...
どうしようと
かまわない...
僕には止める
権利も資格も
無い
だけど...
君を
守れるのは
僕しかいない
これだけは
判っていて
欲しい
だからといって
君に何かを
欲求したりは
しない
君が...一砂くんに
とって必要な
存在でありたい
ように
ただ...
判っていて
欲しいそれ
だけだ
僕も君に
とって
そうでありたい
ありがとう...
水無瀬さん...
ゴメン...
今日はこれで
帰るよ
ごめんな
さい...
送らなくて
いいよ...
それじゃ
明日病院で......
一砂を助け
たい...
それは真実...
父の身代わり
だとしても
あのこには
関係の無い事よ
この感情は
あたしの胸の中に
だけしまって
おけばいい
あの頃から
解ってた
異常な事
だと解ってる
異帯な家庭
奇形な感情...
千砂を?
はい...
僕の大学の
付属病院に
精神科の権威が
いるんです
だから...千砂ちゃんを
しばらく預からせて
もらって......
その先生に一度診て
もらったら...と
思うんです
僕も来年は
卒業で
しばらくは
付属病院で
やっていくことに
なりそうですし
いい機会
だと思うん
です...
だが...
思いとどまった
臨床例のない
ものは実験の材料に
されるからだ
......
君の気持ちは
有難いが
今までにも
知り合いのその道の
権威といわれる
医者に診てもらおうと
思った事はある
わかるだ
ろう?
......
わかりました
では...
千砂ちゃん
だけ預から
せてください
...
何故だね?
彼女は...
ここに居ては
いけないと
思うからです
何故そう
思う?
先生自身が
よくご存知
でしょう?
それは...
僕は...
近いうちに
必ず
千砂ちゃんを
ここから連れ
出します
...
あ...
水無瀬さん
......
来てたの
どうしたの?
THEANATATE
......
ごめん...
二人で
話したかった
から.....
...
父さんと
何かあった
の......?
いや...
千砂ちゃん...
きみは...
東京の
あの家に
帰りたく
ないか?
.....?
無理よ...
何故
そんな事
訊くの?
だから...
君一人で
帰るんだ
だって...
父さんが帰り
たがらない
もの...
え?
...
どういう
事?
ー......
父親から
逃げるんだ
僕が来年
大学を卒業し
君も中学を
卒業して
から...
今すぐにとは
言わない
君一人くらい
僕がなんとか
する
高校は
都立を受験
するんだ
...
君は...東京の
あの家に帰って
ここでの
生活はみんな
忘れるんだ
水無瀬さん
あなたの...
あたしにも
言いたい
事は...
だんだん
解ってきた
の...
はじめは
何とも思って
なかった
だいたい
解るわ
だから...
だから
君はここに
居ちゃ
いけない
僕が...
東京に
連れて帰る
だめよ
赤の他人の
あなたが...
そこまでする
理由は無いわ...
僕がそう
したいからじゃ...
理由にならないか
できる事
なら......
できる事
なら
今すぐ君を
連れて行き
たい
だけど
今は...
僕は
あまりに
無力だ...
......?
だめよ...
あたしは
父さんから
離れられ
ない...
だって...
あたしの病気
は...
僕がいつか
治してやる
いつか必ず...
だから...
父親の
代わりに
僕の血を
君にやる
話
第
ん.....
目が
覚めた
?
ゆうべは
よく
眠れた?
あ...
はい...
あの...
今日退院
できるん
ですよね?
お早う
ございます
お早う
そうよ
よかった
わね
気分は
どうだい?
しばらくしたら
千砂くんが
迎えに来る
だろう
はい...
だいぶいい
です...
はい...
いろいろと
有難うござい
ました
あ...それと
さっき下に
昨日君に付き
添ってた女の子が
来てたが
まだ面会時間じゃ
ないと聞くと
後でまた来ると
言ってたよう
だったよ
八重樫が...
......?
あ...
あの...
・ちょっと
水無瀬さん...
訊きたいん
ですけど...
......?
できれば
会いたくない
んです...
判った...
...
なんだい?
あの...
発作が起きる
原因っていうか...
きっかけ
なんですけど..
大体...
自分でもどういう
時に起きるか
判るんです...でも
ある特定の
人に対して
どうしても
判らない事が
あって...
発作が
起こって
しまうん
です...
...
というと?
ただ...普通に
話をしている
だけなのに...
その人
だけは.....
血のイメージと
結びついて
しまうっていうか
俺は...
絶対に傷付け
たくないと思って
いる人なのに
........
心当たりは
無いのかい?
夢を見ま
した...
その人に血を
イメージするような
事件とか...
その人の
首に噛みつく
夢です...
そのせいも
あるかもしれ
ませんが......
うまく
言えないん
ですけど...
なんだかそれ
だけじゃないような
もっと別のところから
やって来るような...
......僕は
心理学の方面には
あまり明るく
ないんでね...
それほど
専門的な
事は言え
ないが...
その人を
傷付ける夢を
見たという事は
きっと君が
その事をひどく
恐れているって
いう事だろう
夢の中の
君はその時
どうしていた?
......怯えて
いました
.....これはある
有名な心理学者の
見たか......
夢の本質は
願望充足に
あって
不安夢や恐怖夢も
その背後には潜在的な
願望がある筈だ...
とね
そんな
それは
あり得ません
だって...
その説では
夢の中での
罪悪感は
意識の側からの
抑圧で歪曲された
産物である...
その人に対して
普段君が何を
思っているか
考えてごらん
と.....
言っている
が.....
特別な感情を
持っている
なら
例えば...
その人が女性で
恋愛感情を
持っているなら...
これもある
心理学者の
説だが
「恋愛感情と
破壊衝動は
並存している」
というのが
ある
これは主に
男性が多かれ
少なかれ持っている
もので
本能に根ざした
支配欲求みたいな
ものであると
考えられている
これらを鵜呑みに
する事はないが
僕にはこれくらいしか
言えない
何にせよ...
もうその人とは
会わない方が
いいだろうね...
それじゃ......
もうすぐ千砂くんが
来るだろう
適当に身支度
しているといい
破壊衝動.....
もう
会わない方が
いいだろうね
高城の血が
俺の潜在意識を
呼び起こすのか?
それとも逆か?
わかってる
はい
高城さんは
先程退院
しました
え...
そ......
そうなん
ですか...
高城くん...
家へ帰ったのかな...
みんな忘れるのよ
傷付けたく
なかった人達
守ってきた生活
みんな.....
俺が八重樫に
特別な感情が
ある限り
きっと
発作は
起こり続ける
トンカチで
指打ったの
高城くん今
ヒマ?
これ張るの
ちょっと手伝って
くれない?
どしたの
八重樫さん?
ねえ
八重樫さん
どこ受けんの?
東高
ふーん
アタマ
いいんだ
えーそんな
コトないじゃん
高城くんなんか
楽勝じゃない?
そうかな?
そうだよ
忘れるのよ
......?
気分はどう?
大丈夫.....
とりあえず
着替えを
持ってきたわ
汗かいてる
でしょ
筆笥の中から
父さんのを適当に
持ってきたけど...
父さんの...
じゃ...
あたしは
水無瀬さんに
挨拶して
くるから
多分
着れると
思うの
...ファックス
ぴったり
じゃない
それ
え.....
あ...うん.....
とっておいて
良かった...
捨てちゃおう
かとも思って
いたんだけど
着替えて
くるわ
楽にしてて
あ...
うん...
荷物を
取りに行か
なきゃね...
荷物......
どれくらい
あるの?
机とか本棚
なんかは置いて
きてもかまわ
ないし
必要なもの
だけだったら
かばんーコで
事足りると
思う
あたしも一緒に
行くわ
いいよ...
そうね......
俺一人で
大丈夫
だから...
あたしは
行かない方が
いいわね...
早い方が
いいから...
あなたの
部屋ね...
父さんが
使っていた書斎で
いいかしら?
机も本棚も
揃ってるし...
明日にでも
行ってくるよ...
いいよ
べつに...
一応
掃除は
したんだけど
......?
お父さん
お母さんが
いないの
お父さん
......砂?
あ...
なに?
え...
この中の
布団とかも
使っていいの?
当たり前じゃない
あなたの部屋
なんだから
適当に
寛いで
いて
夕飯の支度
するわ...
大した物は
作れないけど
千砂!
大丈夫?
休んだ方が
いいよ...
きっと歩きすぎ
たんだ
平気よ...
いつもの
事だわ...
水無瀬さんに
連絡した方が
いいのかな?
しばらく横に
なっていれば
治るわ
悪いけど夕飯は
冷蔵庫の中から
適当にみつくろって
済ませてちょうだい
いいのよ
一人で
大丈夫?
平気よ
第
.....本当に
本当に
これで良かった
のかな?
何が?
一緒に暮らすって
ことがさ...
世間から
逸脱してゆく
事が?
......何が
不安なの?
何故?
自らを
この家に隔離
する事が?
あなたも
それを
望んだ筈よ
それは...
そうだけど...
怖いのね...
あなた...
怖いよ...
頭では
解っている
つもり
だけど
俺達どうなる
んだろうって...
先の事
考えると
やっぱり
怖いよ...
考えたって
しょうがない
じゃない
私達.....
もう
どうにも
ならないのよ
あなた...
本当は
私が怖いん
じゃない?
私ね.....
実の姉弟
といっても一緒に
暮らしたのは
物心もつかない
子供の頃の
たった三年間
いきなり姉だと言って
現れた女に自分の
運命が握られて
いるんですものね...
人を
殺した事が
あるのよ...
私の事...
得体が
知れないって
思ってるでしょ?
...
...
...
仕方ないじゃ
ない...
私達は...
何を怯えて
いるの?
あたたかい
他人の血が...
人の血無し
では生きて
ゆけないのよ...
あなただって
同じ事した
じゃない
...砂
一砂
ん.....
一砂
すごい
汗.....
あ...
怖い夢でも
見たの?
俺じゃない...
こんな...
夢...
こんな
夢を見る
のは...
うなされて
たけど...
ナイフで...
千砂を
刺していた...
高城の血が
そうさせるんだ...
......?
千砂......?
わたしが
怖い?
そんな夢を
見るのは
高城の血のせい
ばかりじゃない
私は...
父さんを
刺したわ
わたしが
怖いからよ
夢の中で
何度も
父さんを
来したわ
怖かったわ...
わたし...
一度だけ父さんに
首を絞められた
事があるの...
それでも
父さんの事は
好きだった
自分でも
よくわからな
がったけど
最近何となく
わかってきたの
でも父さんを
殺す夢を
見るの
人を殺させる
のは憎しみじゃ
なくて恐怖なん
じゃないかって...
そう......
怖いから
殺すのよ...
千砂は...
怖くない
よ.....
千砂......
再会した日に
言ってた
なのに...
なんで
一緒に暮らそうって
言ったり...
俺に優しくして
くれるのかなって...
でも.....
正直少し
困惑して
る......
いくら実の弟でも
子供の頃
別れたきりで何の
愛情も無いって...
そりゃ...
俺がこんな
だからってのも
あるだろう
けど...
...ファン...
でも...
そうね......
いくら
血縁関係者
でも
他の人なら
きっと
見捨てたわ
そうよ.....
人が苦しんで
いるのを黙って
見ていられない
ような
私は自暴自棄に
なっていたし
その人がいくら
苦しんでいようが
その人のせいで世間に
高城の奇病が知られようが
がまわないと思ったわ
俺を助ける
気になったのは
わたしは
そんな
優しい人間
じゃない...
やっぱり
父さんに
似てるから?
そうかも
しれない...
結局
見捨てられ
なかった...
はじめは
あなたを見るのが
辛かった
でも...
......?
きっと...
どこか気持ちが
まだ固まった
ままなのよ...
情けないわ
明日は
家に荷物を
取りに行くん
でしょ
もう
寝ましょ
起こすのは
八時くらいで
いいかしら?
千砂
さっきの話...
本当なの?
その...父さん
に...
本当よ
私を殺して
自分も死ぬつもり
だったのかも...
本気で
殺そうと
思っていたのか
わからない
後にも
先にもそれ
回きり...
父さんが
自殺したのは
そのすぐ
後だったわ
......?
過ぎた
事よ...
おやすみ
なさい
あの時......
あの腕にもう
少し力が加え
られていたら...
それでも
きっと
わたしは
抵抗しな
かっただろう
今は...
そうは
思わない...
父さんが
わたしの死を
望むのなら
従うしかない
と思っていた...
憎しみだけ
では人は
殺せない
母さんの
身代わりにも
なりきれない
重荷でしか
ないわたしを
怖いから
殺すのよ...
父さんは
心の奥底では
憎んでいると
思った
父さんはきっと
わたしが
怖かったんだ...
重荷だと感じて
いた事も事実
だろうけど
それ以上に...
何故?
父さんは
わたしを愛して
いた...
父さんの
自殺の本当の
理由は...?
あの時
殺して
欲しかった...
なのに...わたしから
逃げるように
自殺した
置き去りに
された
わたしは
素直に死ぬ事も
てきない
話
18
第
お早う
これ...?
和食.....
嫌いじゃ
ないわよね?
......?
千砂が
作ったの?
なにが?
そうよ
あり合わせ
だけど
すごいな...
朝から
こんなちゃんと
したもん
食えるのが
さ...
うちは...父さんが
和食党だから
朝はお味噌汁が
ないとダメだったの
うちはおばさんが
働いてるから
朝はいつも
トーストなんだ
食っていい?
いい
わよ
うん...
行くよ
今日...
行くんでしょ?
おじさん達は
七時半頃
出勤するから
今頃は
多分誰も
いないよ
......?
挨拶は
した方がいいと
思うわ
......後で
手紙を書くよ
......?
会えば
つらくなる
から...
行って
くる
行って
らっしゃい
なに...?
また
眩暈が...
発作...!?
今朝薬を
飲んだばかり
なのに...
違う...
大丈夫...
おさまる
わ...
発作でも
いつもの貧血
でもない...
この感じ...
ゆうべのも
そう...
なんだか
立っているのも
つらい...
こんなのって
めずらしいわ
暑さのせいで
疲れてるのかも
しれない
夏はいつも
体が本当じゃ
ないし...
501
ジエは
おかえい
一秒
一砂
......
おばさん...
立ってないで
こっち来て
座りなさい
......?
あ!!
なぁに...
その顔は......
......
わざわざ
そういう
時間を選んで
来なくてもいい
でしょう
普段なら
この時間は
誰もいないわ
もしか
して...
こっちからは
連絡のとりようが
ないし
あなたが連絡
してくれるの
待ってたのよ
今日あたり
あなたが帰って
来るんじゃないか
と思ってね...
病院で
だいたいの事情は
聞いたけど
これからの事を
話さなきゃ
いけないし
こんな時間に
やってきて
...ごめん.....
まさか黙って
行っちゃう気
だったんじゃ
ないでしょうね
私達はあなたが
これから高城の家で
暮らす事
別に反対してる
わけじゃないのよ
あのね.....
一砂
実の姉弟は
一緒に暮らすのが
私達もいいと思うわ
でもね...
千砂ちゃんが
帰って来た事
どうして
黙っていたの?
あなたは
いつもそう...
......
大事な事は
何も私達に
話してくれない
のよ
そんなに...
私達が
信用できない
のかしら?
......?
おばさん達
だって...
おばさん達
だって黙ってた
じゃないか
父さんが
死んだ事...
高城の奇病の
事...全部.....
あ.....
それは...
.....ごめん
いいんだ
わかってるよ
忘れて
欲しかったの..
その方が
俺の為だと
思ったんだよね
このまま
忘れていって
欲しい...と
だから...あなたに
養子の話を
したの...
最初は...
時期を見て
話そうと
思ってたの
だけど...
父親の事や
姉の事を
何も訊かない
あなたを
見てたら
ねえ...
一砂......
「もう
私達の事は
かまわないで
ください」って...
言ったけど...
千砂ちゃんが
病院で言った事
嘘よね
そんな事......
ないわよね?
本当だよ...
俺達二人で
話し合ったんだ
これからは...
二人で生きて
いこうって
だから今日は
荷物を取りに
来たんだ
おばさん達への
挨拶は手紙を
書こうと
思ってた...
ちょっ...
一砂......
待って
本気で
言ってるの?
......
あなたは
気にしすぎ
てるのよ
病院で...
千砂ちゃんの
体のことも
聞いたわ...
その事で
私達が
態度を変える
とでも
思うの?
......
思わないよ
......
じゃあ
やっぱり
気がねして
るのね
そうでしょ?
千砂ちゃんの
体のことを考えて
一緒に住む決心を
したのは
わかるわ
だからって
私達の援助を
断る事は
ないと思うの
私達はちっとも
迷惑だなんて
思ってないし
あなた達の
力になりたいのよ
荷物は服と
本とその他の
細かい物だけ
持っていくよ
一砂
残ってる本は
捨てても
いいから...
おじさんに
長い間コンポ
借りてごめんて
言っといて
どうして?
何故そんなに
頑なの?
そんなに
私達が信用
できないの?
他に何か
理由が
あるの?
それとも...
一秒!
ごめん...
おばさん...
おばさん達には
本当に感謝
してるよ
でも...
おばさん達の
せいじゃない
んだ
でも
他人なんだ
これ以上...
おばさん達の
世話になるのは...
違うと思う
んだ.....
遠慮とか...
そういうんじゃ
なくて...
それは...
ここへ来た
時から感じて
いた事なんだ
後ろめたい
んだ.....
おばさん達が
やさしければ
やさしい程...
話したい事も
うまく話せ
ない...
もう
そういうのに
疲れたんだ
自分は。いい子”
でいなくちゃって
思って...
もう
行くよ...
......?
待って...
もう...
帰って来ない
つもりなの?
ま...
うん.....
本当に
二人だけで
生きていけると
思うの?
病気の千砂
ちゃんを抱えて
あなたに何が
できるの?
......?
先の事なんて
わからない...
不安じゃない
と言ったら
嘘になるよ...
それが
高城の家に
生まれついた人間の
運命だから...
これは...
俺達姉弟が
背負うべき
問題なんだ
だけど...
俺には高城の
血が流れている
それは変えよう
もない事実
なんだ...
だから...
二人で暮らす
やっていけるかどうかは
わからない...けど
どうなろうと仕方ないと
思ってるよ...
......?
......?
何故そんな
諦めたような事
言うの?
周りの人達は
おばさん
母さんの事
知ってるよね
母さんに
何かできた?
精神的に
衰弱してゆく
母さんを
父さんも
どうする事も
できなかった
諦めてる
わけじゃない
別に楽観的に
考えてるわけでも
絶望的になってる
わけでもないよ
ただ.....
覚悟して
るんだ...
あなたか
さっき部屋で
言った事...
だから...
放っておいて
欲しいんだ
一秒......
あれは...
本心なの?
違うわよ
ね.....
あなた...
何か隠して
るんじゃない?
何を隠し
てるの
一砂?
第
話
何を隠して
るの?
私達には
言えない
事なのね
あなた何か
ごまかそうと
してる
あなたは
子供の頃から
嘘をつくと
人の顔を
見なくなるのよ
だからあんな事
言ったん
でしょ
あなた
さっきから
そうだった
答えて
何を聞いても
おどろかないわ
一砂!
一秒!
何も隠して
ないよ
本当だよ
嘘!
嘘
じゃない
プレッシャー
なんだよ
それが
俺にだって
反抗したい時
ぐらいあったさ
さっき言った事は
みんな本心だよ
おばさんは俺を
買い被りすぎ
てるんだ
だけど
そういう感情を
いつも
押し殺して
きたんだ
おばさん達
は.....
いつも俺に
何かを期待
している
みたいだった
俺は...
おばさん達に
気に入られたくて
心にも無い事を
言う術を子供の
頃から覚えた
おばさん達
だってそうだ
お互いに気を
遣いあって
俺たちまるで
家族ごっこを
してる
みたいだった
さよなら
ごめんなさい
ごめんねさい
半分嘘で
半分本当です
誕生日
プレゼント?
でもそれは
僕おじさん達が
選んでくれるなら
なんでもいいよ
おじさん
僕都立を
受験するよ
一生言うつもりなんか無かった
いいんだ
家からも近いし
友達も行くし
一砂?
おかえり
どうしたの
一砂?
千砂......
俺...もう
ヤだよ...
こんな思い
してまで
生きていたく
ない...
......?
誰か居た
のね...
おばさんの
あんな悲しそうな顔
千砂は
みんな忘れろって
言ったけど
大切な人達を
傷つけて
切り捨ててまで
今まで見たこと
なかった
俺達に生きる
意味なんか
あるのかよ?
そうだろ
生きていて
何になるんだよ
俺達に
あるのは
どうせロクな
未来じゃない
のに
治らないのは
わかってるのに
どうして
千砂は生きて
いたいん
だよ
どうし...
...
!
うっ...
一砂
しっかり...
とにかく...
上がって
え?
...いんだ...
放って...
放って...
おいて...
いいんだ
もう...
な...
何を
言うの.....
待ってて
ほんとに
一秒......
もう.....
いいんだ...
このまま...
放って
おいたら...
死ねるんだろ
その前に
精神がどうか
なってしまうわ
いいよ...
それでも...
もう...
イヤ
なんだ
千砂にこんな...
事させるのも...
こんなふうに
しか...
生きられない
自分も...
一秒......
...一砂.....
私には...
あなたが
必要なのよ
同じような事
以前にも
言った事があった
けど...
やっぱり
納得・千砂は
できないどうして
そんなに
生きる事に
固執する
んだ?
教えて
くれよ...
本当の
理由を
夏子さん
あ...
おかえり
なさい...
今日
どうしたんだ
明かりもつけ
ないで?
あ......すぐ
支度する
から
ああ
いいんだ
夕飯なら
済ませて
きた
一砂が
来たのか?
......?
何か話した
のか?
したことは
したけど...
あ...お茶
いれるわね
え..
ええ.....
結局...
出て行った
って...
あのこ...
出て行って
しまったわ
病院で
千砂ちゃんが
言った通り...
私達の
援助はいらない
んだって......
それを
承知した
のかい?
するわけ
ないでしょ
......だめよね
やっぱり...
所詮は他人
なんだわ
もちろん
止めたわよ
......
そういう
事よ
一砂は
何て言った
んだ?
私達うまく
いってると思ってた
本当の親子に
なれると思ってた...
だけどだめ
だったのよ...
年月の重さ
なんて血の
重さにくらべ
たら...
今日ね...
はじめて
あのこを
たたいたの
そう......
はじめて
だったのよ
だって今まで
そんな必要
無かったから
でもね
ついカッと
なってあのこを
たたいたけど
そのすぐあとに
何だかとても
いけない事を
したような
気がした
自信が無い
のよ.....
本当の
親子なら
そんな事
あるかしら?
泣いたり
怒ったりの
気持ちの
ぶつかり合いって
無かったじゃない
あのこを
十数年育てて
きたけど
年月を重ねたけど
私達には
そういう感情の
歴史が無かった
んだって......
それに
気づいたのよ...
しばらく
様子を
見よう
まだ遅くは
ないかもしれない
じゃないか
でも...
遅かったのね...
そうかしら...
でも...
私...自信が
楽しオ...
千砂ちゃん
百子さん
そっくりに
なった
わね.....
ああ...
そうだね......
自信が無いって
いうのは
そういう事よ...
やっぱり...
本当の母親の
面影には...
勝てない気が
するの...
一砂は父親似
だから...
なんか不思議ね
あの家に
志砂さんと
百子さんが
帰ってきた
みたい
20
話
第
本当の
理由を
教えて
くれよ
離して......
あ...
理由は...
確かに...
死ぬのは安易だし
悔しい気も
するよ
父さんと
同じ事をするのは
嫌なのよ
この前言った
通りよ...
他に無いわ
本当よ...
だけど、それだけの
理由で生き続けて
なんかいられない筈
だ
父さんに
死なれた時は
どうしていいか
わからず
私も死のうと
したわ...
だけど...
水無瀬さんに
止められて
気持ちが
落ちついてきて
判ったの...
父さんは
あたしを捨てた
んだって...
だから...
後を追って
死んでなんか
やらないの
くだらない
人生だと
わかっていても
生きて
生きて
それが.....
復讐よ...
父さんなんか
居なくても
あたしは大丈夫だと
思いたいのよ
......?
解った
よ.....
千砂は
生きること
よりも...
父さんに
こだわって
るんだ...
...
あなたには
解らないわ
解らないよ
......
そんなに
父さんが
憎いの...??
そんなに憎い筈の
父さんに似ている
俺を......
何故救けようと
するんだ?
復讐したい程
殺したい程
憎くて恐ろしいなら
面影を見るのも
嫌な筈だ
俺を父さんの
身代わりにしよう
としている
だけど千砂は
父さんに似ている
俺の側に居よう
とする
何故だ?
父さんに似ている
俺を苦しめる
事も
父さんへの
復讐になる
のか?
ちがうわ
あなたを
苦しめる
つもりなんか
無かった...
あなたを
救けたかった...
本当よ
でも...
結果的に
あなたを
苦しめて
いたのね...
ごめん
なさい...
そうよ私...
あなたを身代わりに
してるわ......
でもそれは
復讐の為じゃ
ない...
ただ...父さんに
似ているあなたの
側に居たかったの
滑稽だわ
私.....
いくら
求めても
結局手に
入らなかった
から憎いのよ
私は母さんの
身代わり...
最初から
解ってたのよ
!...
......
......?
一砂......
私はもう..
何も言わない...
だから...
あなたの好きな
ようにすると
いいわ...
待ってて
これ...
何だか
わかる?
薬?
そう...
でもただの
楽じゃない
一錠で何の苦痛も
なく確実に
死ねる劇薬よ
これを
あなたに
あげるわ
......?
どうしたの
これ...?
父さんの
書斎で
見つけたの
父さんは...
その薬で
自殺したんだって
残りはみんな
水無瀬さんが
持っていって
しまったんだ
けど
一錠だけ
机の奥で
見つけたの
水無瀬さんが
言ってた...
......べつに
今飲むことは
ないのよ...
そんなつもりで
渡したんじゃ
ない...
そうよ...
あなたが
本当に死にたいと
思った時、飲めば
いいわ
お守りみたいに
持ってると
いいわ...
いつでも死ねる
と思えば
少しは気がラクに
なる筈よ
苦しそうね
それ.....
今ここで
飲んでも
いいのよ
......?
冗談よ
あなたに
死なれたら
あたしは
どうしたら
いいのか
わからないわ
それから
でも遅く
ないでしょ
あなたは今
気持ちが
高ぶっているのよ
とにかく
冷静に
なって...
私の血を
飲むのは
イヤ?
そういうわけ
じゃないよ...
だけど...
私のこと...
それなら...
少しでも
好きなら飲んで
そんなに
父さんが
憎いの?
いくら求めても
届かなかった
もの...
そこにあるようで
いて無かった
もの...
肩.....
割と
厚いのね
そ...
そう?
......
うん...
大丈夫?
あ...
いや...
なに?
ごめん
いつも
そうやって
謝るのね
どうして
なの?
なんか...
自己嫌悪に
なるってゆーか...
......?
私は
その逆...
なんだか...
満たされたような
気分になるわ
疲れたんじゃ
ない少し
休む?
お布団
敷くけど...!
うん.....
少し休み
たい...
なんだか
ひどく疲れ
た...
何もかも
忘れて
眠りたい
気分だ
......?
お守り...
か
父さんも
そうしてた
のかな...
父さんの
自殺の
理由...
千砂は
色々言うけど
なんだか
核心が
つかめない
結局は
よくわから
ないな...
どうして
千砂は
あの時
泣いたん
だろう
千砂の手は
どうしていつも
冷たいんだろう
一緒に暮らして
いればわかるのかな
あのつかみどころの
ない千砂っていう
人間の全体像が...
SchaharSCISI
第
手のうた
な、なぁそう言っちゃうのは
允行人●松岡博治
花行所●株式会社スコラーメントが港区南市山2517ホージオリビルをお
2014年4月1海蔵Fあ2人クリエイテラブ
11月14日印刷株式会社、大日木田創株式交社
製木閒●株式会社光洋製本所
売行目●平成10年12月10日、第一刷発行
「いや、そうだ
話03134781717
定価はカバー(
に表示してあります。落丁本乱丁本日は「世界作業理部にお送りください。送
Prontedin.jAPAN
ISBN4-79629750-2
資組にてお取り替えいたします。
誌上通販のお知ら、せっ、わたくまたは恥きをしてます。
「限定カラー
描き下ろし
と同じ絵柄の将製テレカをフレゼ
ント。12月10日よりFAX・郵送
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のお問い合わせは受け付けません。
また、販売方法は通販のみです。
予価2万円(消費税・送料は別)。
申込多数の場合は先着順の販売と
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独特な作風で大人気の冬目景先生
の「辛のうた」描き下ろし限定リ
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クバーズを開いた大きさ)で、
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株スコラ・コミックバー一ズ編集部「リトグラブI係まで」