ありがと、。400円が

...

冬日景

「...はい!!!あれは、ア847.89782159

92979年9月79日第329回79

c9979¥520E

IsBN4-7897-8215-8

雑誌54220-5

定価:本体520円十税

ソニー・マガジンズ

Boo!

ソニーマガジンス

それは

冬目景

高城一体は、幼い頃に母を亡くし、父の友人には

田夫妻のもとで暮らしている。ある日、八重樫の

絵のモデルをしている時に倒れた一秒は、かつて

の我が家へ向かう。そこで姉・千砂と再会した一

砂は、高城家の〝病〟のことを聞く。発病すると

まるで〝吸血鬼〟のように他人の血が欲しくて堪

ちなくなるというのだ。再び倒れた一砂は身体の

変化を千砂に告げる。発作に苦しむ一材に、千砂

は自らの血を与える。女も子砂に出る方、えていたという。父は母に似た千砂

を愛し、千砂もまた女を愛じていた。父の自殺により残された千砂は父に似て

だ一体を必要としているのだ。。。このことを知った八重様の前で倒れた。

砂は水無瀬のいる病院に運ばれた。八重楼に対して発作が起こるという一秒

に水無瀬は、一砂の抱く特別な感情が関係するのかも知れないと言う。一秒

と千砂は二人きりで暮らし始めた。父の身代わりにしようとしているのは復

誉なのかと問う一秒に、千砂は、側にいて欲しいだけと涙を流した...。

江田大変

CONTENIS

第2話

第2話

第2話第3話第24話第5舌

第25話

第26話

第2話

ここまでも、

★本作品はフィクションで、実在の人物・団体等とは無関係です。

はい

もう

食べないの?

ええ.....

もう十分

ごちそう

さま...

今日は顔色が

あまり良くないよ

具合が

悪いんじゃ

ないか?

そう?

そんなこと

無いのよ...

一砂

おかわりは?

あ...

うん...

やっぱり

意外だな

え?

この前

正直言って

驚いたんだ

千砂が家事が

できるってのがさ

千砂って

そういう

イメージじゃ

なかったから

何言ってんの

父子家庭

だったのよ

家事くらい

できるように

なるわ

そうだけど

なんか

手伝おう

か?

一砂.....

座ってて

いいのよ

でも...

俺にできる事

あったらやりたいん

だよ

じゃ

ないと...

一秒......

そんなに気がね

しなくていいのよ

ここは

あなたの家

なんだから

けっこう

父さんの本が

残ってるな...

学各諭

臨床生化学

医学書

ばかり...

俺の本も

だいぶ置いて

きたしな.....

持って来た

のは教科書

くらい...

教科書か...

なんで

持って来た

んだろう...

置いて来たら

おばさん達が

変に思うだろう

けど...でも....

まだ

未練が

あるのかな...

......?

そう

かもな.....

もうすぐ

夏休みに

入るよな.....

みんな

今頃何して

んだろう...

忘れ

なきゃ...

新学期に

なったら

退学届を

出そう...

無断で休んで

今頃は担任から

連絡が来てる

かな.....

今は...

考えるの

よそう

一人で

考え込む

のは危険だ

それから...

写真?

これ...

左のは千砂

だけど

この右のは

もしかして

水無瀬さん?

目の儀が

まだ無いな...

千砂は七〜八歳

くらいかな...

ずいぶん

古くからの

知り合い

なんだな......

こんばんは

あ...

水無瀬さん

一砂くん

いらっしゃい..

検診に来たん

だが...千砂くん

は?

多分部屋に

居ると思い

ますけど...

その後

調子は

どうだい?

おかげさまで...

体の方は

何とも...

ここでの

生活は

慣れた?

まだ昨日の

今日ですから

でも大丈夫です

千秒......

水無瀬さん

だよ

.....あれ

千砂?

寝てたの?

ええ..

ちょっと気分が

悪くて...

もう平気

やだちょっと

頭痛がした

だけなのよ

本当に

もう平気よ

それじゃ......

今からでも

病院に

水無瀬さん

いつもの検診

でしょ

どうぞ入って

さっき...

頭痛がしたって

言ってたけど

そんな事は

よくあるの

かい?

...たまに....

この前病院で

検査をしただろう

血液検査で

ちょっと気になる

数字か出てね...

でも...

きっと暑さの

せいよ

夏は苦手だわ

それと...

あれの結果が

出てね...

血圧も高く

なってるし...

今日は違う

薬を出しとくよ

例の薬

だけど...

しばらく

飲まずには

いられない

だろうか?

今回の検査の

結果を見て

少し不安に

なった

少し様子を

見たいんだ

でも私...

あれが

ないと...

......?

わかってる...

そもそも君の

心臓は丈夫じゃ

ないし

全く飲まないって

いうのは無理かも

しれないが

できるだけ

回数を減らして

みてくれないか

......?

わかったわ...

僕も長期に渡って

使用した臨床例を

持たないものでね

心配なんだ...

お茶持って

きました

麦茶ですけど

よかったら...

ありがとう

気を遣わなくて

いいよ

水無瀬さん

千砂具合

どうです?

ああ...

そうだね......

診たとこ

心配ないと

思うよ

今日は朝から

顔色が良くない

みたいなんで...

「死くんは

もう学校

休みなの

かい?

都立は

どこも同じじゃ

ないかしら?

うん.....

私は明日

終業式なの

多分...

私.....

出席日数の事で

担任に呼ばれてるから

行かなきゃならないの

行かない...

一砂は...

どうするの?

午前中だけ

だから行っても

平気だと

思うけど...

.....ってゆうか

もう学校

行かないつもり

だから...

......?

僕は...

君だって

本当は

学校

行きたいだろ?

多少無理

してでも

行った方が

いいと思うよ

家に籠もって

ばかりじゃ

良くないと

思うんだ

何ていうか...

外に出る訓練

みたいなものを

した方がいいと

思う

いつ発作が起きるか

わからないという

事を念頭に入れて

生活する習慣を

つけるんだ

...それは.....

前にもやって

みましたけど..

そうすれば

ある程度感情を

コントロールする事が

できるようになるん

じゃないかな

俺には

無理です...

そうかな

生活環境が

変わって何か

変わるかも

しれないよ

何にせよ

家の中で

塞ぎこむより

いいと思う

けどね

俺は...

もう気持ちの

上で学校とは

訣別しました

......?

水無瀬さんの

言う事は

わかりますが

行くつもりは

ありません

そうか...

そこまで言う

なら何も

言うまい

だけど

何かあったら

僕も相談に

乗るし協力するよ

すみません

水無瀬さん

君が

恩にきる

ことはないよ

さて...

何て

お礼を

言っていい

か.....

そろそろ

おいとま

するよ

すみません

またよろしく

お願いします

ああ...

君も大事

にな...

何かあったら

この番号に

かけてくれ

じゃ...

これからも

ちょくちょ~

様子を見に

来るよ

一砂

まだ寝ない

なら

お茶でも

飲まない?

話したい事も

あるし...

今日近くの店で

水羊羹

買ってきたの

甘いものは

嫌い?

ううん

起きて

平気なの?

ねえ

水無瀬さんて

どこの人?

平気よ

少しなら...

出身は

横浜よ

今は都内に

住んでるけど

どうして?

いや...さっき

父さんの部屋で

見つけた古い

写真に水無瀬さんが

写ってたから

どれくらい

前から知りあい

なのかな

と思ってさ

...そうね

彼が小学生の時に

肺炎をこじらせて

命が危なかったのを

父さんが助けたのが

始まりよ

あと家が近所

だったから

よく遊びに来て

いたわ...

水無瀬さんは

早くに父親を

亡くしていたせいか

父さんによく

なついていたみたい

だったし

私もよく

勉強をみて

もらったし

ちょっと

兄妹みたいな

ものかも

しれないわね

ふーん...

それは

そうと...

さっきの話

だけど...

父さんも息子の

ように可愛がって

いたわ

私も水無瀬

さんの言う通り

だと思うの

普通の人

みたいにとは

いかなくても

外に出る

努力はした方が

いいわ...

私は...

どんなに気持ちが

落ち込んでいても

習慣的に

やる事があると

何だかほっと

するわ

水無瀬さんの

言うように

環境が変わって

何か変わるかも

しれないじゃない

学校は退屈

だし友達も

つくらなかった

けど

あの空間は

好きだわ...

普通の人達と

同じようにしてる

だけで気が

紛れるのよ...

それは

わかるよ...

自分をゴマ化

せるっていうか...

居心地の良い

所だよ...

だけど自信が

無いんだ...

自分の感情に

責任が持てない

なんて嫌なんだ

病気だからって

いう自己弁護も

したくない

そんな奴は

人前に出る

きじゃない

んだ

私達は人間らしい

生活がしたいと

願うのも許され

ないの?

千砂は

そんなに普通の

人と変わらない

じゃないか

それが

薬のおかげ

であってもさ

俺はあそこに

いるべきじゃない

いいんだもう

未練なんか

無いし

......?

おまえはまだまあ、

ただただ、

メニュアラーまあまりますか

フランスファイルのアンタさんは、

ここまで

...

今日毎日

...

はいたかしろ

高城です

あ...

水無瀬

だけど

夜分に

すまない

さっき言い

忘れてたが

来週の検査

だけど

来週は出張で

いないんだ

だから金曜に

でも来院して

くれないか

わかった

わ.....

一秒くんも

同行してくれ

この前みたいな

事はもう

無いと思うが

念の為診て

おこう

...ファン...?

どうした?

水無瀬さん...

さっき一砂と

学校の事で

話したんだけど...

一砂は

この前どうして

倒れたの

かしら...

なんだか極度に

畏縮してるって

いうか...他にも

行きたくないわけが

ある気がして...

あれは極度の

緊張による

ものだったが

何故そんなに

緊張した

のかわから

ない

あの時

救急車で一砂くんに

付き添って来た

女の子が一人

いたけど

病室で

会ったわ

おそらく

発作が起こって

感情を極限まで

抑えたんだと

思うが

彼女と

何か関係が

あるのかも

しれないな...

......彼女の

事かどうかは

わからないが

一砂くんが

言っていた

どうして?

ある特定の人に

対して必ず

発作が起こって

しまうとね...

さあ.....

どうして

かな...

はっきりした

事はわから

ないが...

彼女を傷つける

夢を見たせい

じゃないかと

本人は言って

たけどね...

何にせよ

そういう人物

とはできるだけ

会わない方が

いいとしか言え

なかったけど

彼女の事

だったら学校に

行きたくない

理由になるんじゃ

ないかな...

......?

とにかく

来週までに

一度来てくれ

......?

明日は早いん

だろもう寝た

方がいい

じゃ...

行って

くるわ

なるべく早く

帰ってくる

から

大丈夫だよ

子供じゃないん

だから

ちゃんと

留守番

してるよ

......

もしでかけるの

なら鍵は

ポストの中に

入れてって

ちょうだい

......

でかけ

ないよ

......

じゃ...

家に籠もって

ばかりじゃ

良くないと

思うんだ

環境が

変わって何か

変わるかも

しれないわ...

ねえ

夏休み

どこ行く?

うーん

どこにも

行かない

学校に

来て絵

描いてるよ

美術部の

人達って

そうなの?

そんなコト

ないよ

上級生は

美術予備校の

夏期講習とか

行く人は行くし

一年は私だけだから

高一の夏休み

だよ

じゃ...

じゃあ

プール行こう

大きいとこ

そんな

マイナーな事

してないで

どっか遊び

行こうよ

あ...でも

あたしウォーター

スライダーとか

だめだけど...

あたしが

悪かった

ウォーター

スライダー

どころか

あんたロクに

泳げもしない

じゃん

ごめんね

エミちゃん

いいよ

ムリしなく

ても

そんな気分

じゃないん

だよね?

せっかく

元気づけて

くれてるのに

高城くん

今日も来て

ないの?

うん...

さっき体育館で

探したけど

いなかったみたいだし

彼の病気って

なんなんだ

ろう?

う...

うん.....

たいした事

なければ

いいけど...

思いきって

彼の家に

行ってみたら?

うん

あれこれ

心配してても

始まらないよ

理由は

わかってる

わかってるから

誰にも言え

ない

高城くんは

今どうしている

のか知りたい

けど

会いに行っても

多分彼は

会ってくれない

だろう

高城くんが

退院した後、

何度か電話を

かけようと思った

けど

ヤエガシ

さん

邪険にされる

のが怖くて

できなかった

ネノ下くん

あのさ.....

今日これから

用事ある?

さっき担任に

頼まれたんだけど

さあ.....

え...無いよ....

どうして?

俺より

多分ヤエガシ

さんの方がいい

と思って...

高城の

成績表とか

その他の連絡

事項の書類

届けて

やって

くんないかな

高城の

家は知ってる

よね?

反対方向

かもしれない

けど...

......?

どうしよう...

でも...

会ってくれなく

てもいい

行っても

高城くんは

あたしに会って

くれないかも...

こうしてただ

待っているだけ

なのは辛い...

今どうして

いるのか

知りたい...

俺に近づか

ないでくれ

でも

あたしには

どうする事も

てきないんだ...

......?

あ...

でも...

持ってって

あげなよ

いいロ実

じゃない

だめ

かな?

ねえ

あなた高城くんの

友達なら

彼が何の

病気か

知らないの?

それが...

俺もわかん

ないんだ

家の人に

訊いても

あまりはっきり

言わないし

担任も

何もきかされ

てないみたい

だし

だけどまだ

休んで一週間

くらいだろ

単位が危ない

わけじゃないし

明日から休み

だし

あまり

つっ込んだ事

訊けないみたい

でさ

ていうと?

さあ...

もしかして

病気じゃない

のかもしれない

しさ.....

わかんないケド

家庭の事情

とかさ...

あ...

そういえば

高城くん家って...

だから

ちょっと様子

見てきて

欲しいんだ

行った方が

いいよ

......?

うん.....

じゃ...

たのんだから

あいつに会ったら

連絡しろって

言っといて

高城!

木ノ下...

なんだよ

オマエ今頃

あ...

ちょっと

体壊して...

どうしたん

だよこの

一週間

なん.....

病気っての

本当だったんだ

あっ

そーだ今

担任から預かった

オマエの書類

八重樫サンに

渡して来た

トコなんだ

......?

まだそのへんに

いるかも

ちょっと呼んで...

いいんだ

木ノ下!

なんで?

会いたく

ねえの?

高城.....

......?

どうしたん

だよ?

オマエ

何かヘン

だよ

わかって

ると思う

けど...

2学期からは

もう少し頑張って

出て来ないと

ねえ...

このままだと

進級にひびくぞ

君の場合

成績は問題

無いから

先生

お話中すいま

せんが文化祭での

うちのクラスの企画

原案書持って

きました

はい...

各教科の

先生方と

よく相談

してだね...

ん?

ああ...

先生...

高城さんは

転入して来た

ばかりなんです

から.....

そういう事は

担任である

先生が助言

してあげる

べきだと思い

ますけど

生意気

ゆーんじゃない

ああ

わかったよ

僕からも

先生方によく

頼んでおく

から

高城さん

夏休みは

どうしてるの

高城さんて

一人暮らし

なんでしょう

大変じゃ

ない?

べつに...

何もして

ないわ...

大変じゃ

ないわ

結構

気楽よ

休んだ時の

ノート私ので

よかったら

コピーする

から

ありが

とう...

あそ.....

そう

なんだ...

遠慮

なく言って

わぁ......

高城さんが

笑ったのって

初めて見る

力も......

私だって笑う事

くらいあるわ

あまり

好きじゃ

ないけど...

どうして?

みんなに

自慢

しちゃお

どうして

高城さんは

人と話さない

の?

どうして

も.....

ヘンな

人.....

みんな

高城さんに

興味が

あるのに...

...ファンディ!!

話をしても

しょうがない

からよ

そ.....

そう...

だって

私.....

友達なんて

いらない

もの...

あ...

私生徒会室に

用があるから

じゃあね

また休み

明けに...

友達になれば

隠しておけない

家の事

身体の事

絶対

どこかで壁を

つくらなければ

ならない

最後は

みんな悲し

そうな顔を

して去っていく

あんな

顔を見る

のはもう嫌

屈託の無い

眼差しは

苦手...

私も普通の

身体に生まれて

たら

あんなふうに

なれたんだろう

か.....

ここなら

人来ねえと

思うけど...

......?

職員室には

行った?

いや...

なんか

痩せたな...

......?

今も気分

悪いの?

い...

いや...

体壊したって...

何の病気

なん?

なんで身内の人

はっきり言わない

んだ?何か

事情があんの?

木ノ下...

俺.....

退学する

から.....

え...なに....

な.....

なんで

何が

あったん

だよ

......

休み明け

たら...

退学って...

オマエ...

イキナリ

そんな...

まだ

担任には

言ってない

けど...

やっぱ

病気のせい

なのか?

い...?

いや...

違うよ

じゃあ

なんでよ

おじさん達と

何かあったの?

え......?

おまえなんか

マズイ事

したの?

ち...

違うよ

じゃあ

なんなん

だよ

おじさん達

とは何も

ない

そんな

やつれるくらい

ヤバイ状態

なのか?

木ノ下.....

俺.....

......?

高城.....

何隠してんだよ

俺でよかったら

相談に乗るから

言ってよ

俺さ...

誰にも

言わない

からさ

話したい

これまでの

こいつなら

きっと

わかって

くれる

全て

吐き出したい

話してくれよ

高城...

この頃の

おまえ何だか

妙によそよそ

しくて

俺も気に

なってたんだ

一人で悩んで

るんだったら

冷てーじゃん

俺にできる

事あったら

何でも

言ってよ

不安で

押しつぶされ

そうだ

こうすれば

高城くんの側に居て

いいんでしょ?

あなたたちの

力になり

たいのよ

高城?

言えない

言ってどう

するんだ

わかってくれたと

しても

どうにも

ならないんだ

言えばただ

苦しめる事に

なるだけ

じゃないか

同情されれば

気持ちが

楽になるとても

思ってるのか?

どうし

たんだよ

少しでも

救われた

気分になる

のか?

いや...

実は

俺...

え.....

なんだ

そうなん

なんだよ

シリアスな

カオしてっから

何事かと

思ったじゃん

で.....

どこ行くの?

引っ越すん

じゃ退学じゃ

なくて転校

だろーよ

あ...

えと...

よ.....

横浜...

えっ

えっ

ふーん.....

俺の従兄弟が

横浜なんだ

横浜の

どこらへん?

えと.....

なんで?

休み明けに

引っ越すなら

すぐじゃん

高城

あ...ま...

まだよく知ら

ないんだ...

おまえの

嘘はすぐ

バレる

態度に

出る

からな

引っ越す

なんてウソ

だろ

俺には

本当の事

言えないのか?

わかった...

じゃ

もう訊かねー

けど

おまえが

退学しよーが

何しよーが

勝手だけど

その事じゃ

八重樫サン

知ってんの?

知らないよな

おまえ

彼女に何も

言ってないだろ

彼女おまえが

休んでる間毎日

うちのクラス

のぞきに来てた

んだぞ

さっき

廊下で会った

ときも心配そうに

してたぞ

........

よけーな

お世話かも

しんねーケド彼女の事だけは

......

キチンとして

行けよ

何だか

知んねーケド

それ以上体

壊さないよう

ご自愛

ください

友達も

同じだ

打ち明ければ

巻き込む事に

なる

これで

良かったんだ

誰の助けも

求めちゃ

いけない

一人ずつ

いなくなる

ほんとに

ついて

いかなくて

いいの?

うん.....

大丈夫

うん...

じゃあね

高城くんに

よろしく

だって届ける

だけだもん

うん

この時間じゃ

家族の人まだ

仕事かも

高城くん一人

だったら

どうしよう

あたしに

会ってくれる

かな...

ても...

書類届けに

来たんだから

あら...

あなたは

確か...

こ...

こんにちは

あの...

高城くんが

休んでる間の

書類と成績表

届けに来たん

ですけど...

あ...

一砂...今日

学校行って

ないのね......

ごめんなさい

さい...

一砂は

いないの

え?

ごめんなさい

せっかく

来てくれた

のに...

あの...

あ...いいえ

そうじゃないん

だけど...

やっぱり

まだ客体が

良くないん

でしょうか?

もしかして...

また入院

したとか...

なんて

言うか...

......?

ちょっと

事情が

あって...ここには

しばらく

帰って来ない

のよ...

あ...

あの...

高城くんは

病欠だって

聞きました...

あなた確か

八重樫さんて

いったわね

いえ

何も...

聞いてま

せん

一砂は

あなたに何か

話したの

かしら?

あ...あの.....

高城くんは

今どこに...??

うちの家庭事情

あなたは知って

ると思うけど

一砂は...

本当のお姉さんと

一緒に暮らす

事にしたのよ

あの人......?

あの人も

同じ病気の

筈じゃ.....

あ...あの.....

高城くんの

お姉さんは...

病気だと

聞きまし

たが...

ち...

ちょっと玄関の

中に入って

くれない?

せっかく

だから

お茶でも...

あの...

さっきの話

だけど...

い...いえ

ここで結構

です

一砂は病気の

事何て

言ってたのかしら

い...いえ...

私は詳しい事は

何も...

ただ病気だ

とだけ...

動揺してる...

お姉さんは

やっぱりあの

病気で

この人は

それを

知ってる

そう...

一砂の

お姉さんは

体の弱い子

なの

だから唯一の

肉親である

一砂が側に

ついててあげる

事になったの

私達も姉弟は

一緒に暮らした

方がいいと思って...

この人達は

まだ高城くんの

病気に気付いて

ないみたい...

あの...

それじゃこれ

そちらに持って

いきますので

え.....

あ...

えと...

住所を教えて

いただけない

でしょうか?

そ......

それが...

ごめんなさい

......?

知らない

のよ...

あ...

あの...昔の

家とは変わって

しまって...

その.....

一秒とうまく

連絡がとれて

ないの...

その書類は

私が預かって

一砂と連絡が

とれたら

渡しておくわ

警戒して

いる

...はい

ここまでか...

お姉さんの

病気の事が

私にわかってしまう

のを恐れている

んだ.....

わざわざ

ありがとう

高城くんは

私を遠ざけようと

とする

一砂からも

お礼を言う

ように伝えて

おくわ

よろしく..

そ.....

それじゃ

失礼

します

あ...

八重樫

さん.....

は.....

はい...!?

あの...

新学期が

始まったら

し...進路の事も

あるし

きっとあのこ

何も言ってくれ

ないと思うから...

学校での

一砂の事たまに

聞かせてくれない

かしら...

はい...

それじゃ

新学期...

きっと

高城くんは

学校に来ない...

もう

学校にも

行かない

ひっそり

消えた

かったんだ

高城くんは

おばさん達に

迷惑がかから

ないように

家を出たん

だ...

同じ病の

お姉さんと

暮らして

それで

どうする

の?

わたし...

私には

どうする

事もでき

ない

もう高城くんに

会えないのかも

しれない

待ってたって

どうにも

ならない

そんなの

ヤダ...

あ.....

あなたは...

一砂の姉よ

病院で

会ったでしょ

あ.....いい

です

涙ふい

たら

あなたも

この道が

通学路

なの?

大丈夫

ですから

あ...

いえ...

今日は...

!!

訊きたい

高城くんの

事.....

......

でも......

何て言ったら

いいんだろう

私が病気の

事を知って

いると

わかったら

この人は

どうする

だろう...

...あなた....

え...と

名前は?

あ...

八重樫

ですけど

...八重樫さん

え...

一砂の事で

ちょっと

訊きたいん

だけど

ちょっと時間

いいかしら?

は.....

はい...

この前...

一砂が倒れた時

あなたが

一緒だった

のよね?

あの時...

一砂は

どうして倒れた

のかしら?

え...

もしかして

あなたが

原因なの?

あの日

一砂が倒れたのは

あなたが

原因なの?

.....

わ...

わかりま

せん...

あ...

あの時の

高城くんは

とても苦し

そうで......

高城くんは

放っておいて

欲しいと言った

んですけど...

見かねて

救急車を

呼んだんです

わ...私

どうしていいか

わからなくて...

そう...

あの...

その後

高城くんは

大丈夫なんで

しょうか?

大事を

とって

休んでるわ

終業式には

間にあわな

かったけど...

一応元気よ

心配してくれて

有り難う

あ...

あの...

高城くんに...

新学期

学校で待って

ますと

伝えてください

今日.....

高城くんの

家に行ったん

です

学校の

連絡事項の

書類を届けに...

で.....

家の方に

今はお姉さんと

住んでいると

聞いたので...

ずっと...

待って

ますから...

八重樫さん

あなた...

もしかして

知ってるの?

一秒の

病気を.....

やっぱり...

は...

はい...

知ってる

のね......

でっ...

でもわたし...

ぜったい人に

言ってません

本当です

私達の病気は

高城家の血筋に

よるものなの

私達の母親も

同じ病だった

信用

するわ

一砂は物心ついた

頃に江田夫妻に

預けられた

おかげで

一砂には

本当の両親や

私の記憶が

殆ど無かった

みたい

一砂には高城の

奇病が出なかった

と思ったからよ

最近まで

高城の奇病の

事も知らな

かった

そのまま一生

何も知らずに

いて欲しい...

だけど

一砂は発病

してしまった

両親も

江田夫妻も

そう思っていた

高城の奇病が

一砂の古い記憶を

呼び起こしたのか

ある日一砂が

昔の家を

訪ねて来たわ

そこで

私達は再会

した

私は一砂に

高城の奇病の事

両親の事

全部聞かせて

あげたわ

だけど

最初は信用

しなかった

当たり前

よね

現代の医学でも

治せない

高城家の

奇病.....

他人の血が

欲しくなる

なんて

まったく

ふざけてる

わよね

まるで

吸血鬼みたい

じゃない

...とにかく...

私達みたいな

人間の存在が

知れたら

世間は危険視

するでしょう

だから

あなたには

このまま黙って

いて欲しいの

は...はい

もちろん

それと...

一砂には

会わないで

欲しいの

さっきも

言った通り

私達は危険な

人間なのよ

わ...

わたし

怖くありま

せん

近づかない

方がいいわ

一砂は

あなたを

恐れて

いるわ

一砂はいつ

自分が他人を

傷つけてしまうか

不安なの

自分に

怯えている

のよ

一砂を

追いつめ

ないで

一砂の病状は

一般生活に

適応できる

状態じゃない

生きて

いたかったら

だから

環境を変える

必要があったのよ

解るでしょ

誰かを

傷つけたら

自らを

隔離する

しかない

私達は

終わり

なのよ

...

ひっそり

消えた

かったんだ

......み..

未来は

あるんです

か?

自らを

隔離して

一般社会から

遠のいて...

その果て

には...

ただ

私達には

進む道が

限られている

事は確かよ

何があるか

なんてわから

ないわ...

その先には

断崖しか

無いかも

しれない

私達の両親は

因果だけ残して

死んでしまった

同じ道は

進みたく

ないの

高城のこの

忌まわしい血筋は

私達で終わりに

したいのよ

そういう

意味では

未来は

無いわね

......?

そ...

それでも

私...

高城くんの

力になりたい

んです

あなたに

何ができる

の?

一砂を

癒せるのは

同じ苦しみを

持った私だけよ

そして

あの子を護れる

のも...ね.....

来るな

八重樫!

あんただけは

傷つけたく

ないんだ

俺は自分が

怖くて

しょうがない

来るな!

もう俺に

近づかないでくれ

寄るな!

一砂は

あの娘を

遠ざける

事で護った

んだ.....

屈託の無い

無防備な

眼差し

どうして

あんなふうに

他人を

信じて

しまってる

んだろう

子供の頃から

他人と違うという

ことを常に意識

していた私は

必要以上に

他人と接触

することが

てきなかった

ずっと...

待ってます

高城くんの

力になりたいん

です

所詮は

棲む世界の

違う人間か...

おかえり

ただいま...

第25話

...

25

25

...

あの夢を

見たのは

久し振りだ

俺の...

一番最初の

千砂の記憶

どうしたの

ぼんやり

して

あ...

いや何でも

ないよ

...ファン...

なんだか今日は

顔色がよくない

みたいだな...

そんな事

ないわよ

今朝.....

夢を

見たわ

そのせい

かしら...

え?

ううん

何でも

ないわ

......?

......?

なんか...

不思議よね

あたし達が

この家に住ん

でた頃は...

姉弟の実感

なんて何も

無かったのに

俺は

今でも

無いよ

......

そうね......

母さんの事

覚えてる?

...

ねえ...

一秒.....

あまり

覚えて

ないな...

どうして?

最近

鏡を見てると

自分が

母さんに似てきたな

とつくづく

思うの

最近ね...

母親似

なのは

知ってた

けど

母さんの

夢をよく

見るの...

私もはっきりとは

覚えてない筈

なんだけど

この縁側に

座って外を

眺めているの

...

俺も時々

同じ夢を

見るよ

母さんの夢なんて

何年も見なかった

のに...

変ね.....

そろそろ

夕飯の支度

するわね

さてと...

大丈夫?

あ...いや

顔色悪い

からさ...

......

平気よ

やっぱり

何だか

だるい...

熱が

あるみたい

暑さのせい?

それにしても

いつもは

こんなじゃない

血液検査で

気になる数字が

出てね

確かに...?

...え...

あ...

気分が悪い

なら部屋で

休みなよ

以前より

体力が

落ちている

気がする

洗い物なら

俺がするよ

......?妙..

あ...平気よ

気に

しないで

千砂

あ...

じゃあ...

あ.....

水無瀬さん

には言わない

でね

先に休ませて

もらうわ...

あの人、過度に

心配するから

この薬の

せい?

できるだけ

回数を減らして

みてくれないか

たとえ

そうだと

しても

この薬が

無いと私は...

俺には

本当の事

言えないのか?

よけーな

お世話かも

しんねーケド

彼女の事だけは

キチンとして

行けよ

高城くん...

どうしてる?

う.....

ん.....

う.....

......?

くっ...

千砂?

ん...

お父さん

きみは

人形に

すぎなかった

千秒...

お前は

俺が護る

すまない

何としても

嘘つき

千砂...

桜の樹の

下にはね...

だから

咲くのよ...

あんなに

きれいな花が

ああっ

千砂!?

開けるよ

うっ

くっ

当日

千砂!

む...

胸が...

苦し...

どうした

千砂!?

水無瀬さんを

呼んでくる

ま.....

まって...

れ.....

例の...

発作じゃ...

ない...の....

しばらく...

すれば...

良くなる

から...

だ.....

だけど...

大丈夫...

時々...

こうなるの...

無理する

なよ

ここ数日

ずっと気分

悪そうだった

じゃないか

どうして

俺に何も

言ってくれない

んだよ?

わたしは...

あなたを

守る立場

だからよ...

そんなの

関係ないよ

守って

もらおう

なんて思って

ない

一緒に暮らす

決心をしたの

だって...

俺そんなふうに

思ってないよ

二人きりの

姉弟なんだから

支えあって

生きていかなきゃ

ならないと

思ったからだ

そうだろ

......

一砂...

お願い...

生きる為の

手段でも

いいから...

わたしを

必要として

ずっと

わたしの

傍に居て...

もう

わたしを...

独りに

しないで...

おとうさーん...

千砂.....

もう少し

眠った方が

いい...

そうね...

体もだいぶ

楽になったし

横になるわ

一砂......

眠るまでで

いいから

手を握っていて

くれる?

一砂......

あなたに

言わなきゃ

いけない事が

あったわ...

終業式の日ね

黙ってて

ごめんなさい

川原で

八重樫さんて

女の子に

会ったわ

彼女.....

あなたに

会いたがって

いた

でもここの

場所は教え

なかった

一つは

高城の秘密を

守る為に

もう一つは...

怖かったの...

よくわから

ない...でも

......

あのこに

会いたい?

なんだか...

とても

怖かったの...

......?

もう寝た

方がいいよ...

会えば

必ず発作を

起こして

しまう

公園で

倒れたのも

あのこが原因

なんでしょ?

だから

傷つけてまで

遠ざけた

それでも

あのこは

あなたに

会いたがって

いた

だけど

感動的よね

あのこは

高城の秘密を

知ってたわ

無防備で

おめでたい

子だわ

いい話だわ

もういい

離して

くれ

離さ

ないわ

ばかみたい

あなたを

この血で

待っても...

わたしは...

心まで

縛る事は

できない...

父さんと

同じ事を

しょうと

している

そんな事

わかってるのよ...

最後まで

わたしを

見なかった

父さんの代わりに

父さんは

わたしの...

身も心も

支配して

いた...

死んだ

今でも

あなたを

縛ろうと

しているのよ

父さんを

憎む事で

気持ちを

ごまかそうとも

したわ

そうよ...

わたしは

あなたに

父さんを重ねて

いる

父さんの

身代わりに

しようとしている

だけど

あなたに会って

また気持ちが

引き戻されて

しまった

あなたを

救いたい

なんて詭弁だわ

結局

わたしは

父さんに似てる

あなたの側に

居たいだけ

なのよ

そうよ...

本当は

認めたく

ないわ

こんな

感情...

母さんの

身代わりでも

いいから...

人形でも

いい

ただ.....

父さんに

側に居て

欲しかったの

俺が...

ずっと

側に居るよ

水が溢れる

ように

全てを

吐き出した

千砂は

いつもより

ひとまわり

小さく見えた

少し...

痩せた

みたいだね

食べてる

ちゃんと

の?

あまり

食欲は無い

けど...

この季節は

いつも

そうだし...

大丈夫...

心配しないで

...水無瀬さんに

言われて

抱えるようには

してるわ

どうしても

抑えられない

時があるのよ...

例の薬

は.....?

でも...

でも?

以前は

ある程度

コントロール

できたのに

それは...

きみの父さんが

いたからだよ

血を与えて

くれる人間が

いるっていう

安心感が

あるから精神の

バランスが

とり易かったん

だと思う...

今の一砂くんが

まさにそれ

だろう

最近彼は

発作を起こし

たかい?

いいえ...

日常生活

では全く..

.....そうか

それじゃ......

明日にでも

病院の方に

来てくれないか

もう一度

検査したい

んだ

問題は

キミの方と

いうわけだな

わかったわ

水無瀬

さん

一砂くん...

あの...

ちょっと時間

もらえませんか?

......?

どうした?

千砂の

事なんです

けど...

すまない

まだ勤務

時間内なんだ

夜8時頃で

良ければ

僕も訊きたいと

思っていたんだ

どこかこの近くで

話そう

人気はあまり

無い方がいいだろう

から

この先の

公園なんか

どうかな...

はい...

いいです

それじゃ...

一秒.....

ちょっと話が

あるの

入ってもいい?

うん...

...ファン..

これ...

......?

今朝

江田のおばさま

から届いたわ

学校関係の

書類だった

本当はね

......?

......?

大丈夫だよ

オレなら...

それ.....

あなたに渡そうか

どうか迷ったの

だけど...

もう

気持ちの

整理はついてる

つもりだし

........

大丈夫...

もう

俺は大丈夫

なんだ

いつまでも

理不尽な

境遇を

嘆いていても

しょうがないだろ

この先

どうなるか

わからないけど

とりあえず

生きる

理由を

見つけた

俺は...

千砂を...

護る

実際

護られてるのは

俺の方かも

しれない

俺は...

父さんのように

逃げたりしない

俺が...

千砂に何をして

やれるのか

わからない

でも...

ありが

とう...

水無瀬さん

やあ

早速だが

話を聞こう

はい...

千砂の

事なんです

けど...

......

わかり

ますか?

ああ...

最近発作

以外で

倒れたとか?

僕も今日

それを訊こうと

思ってたんだ

......?

...で

ゆうべ...

遅くに...

千砂くんの

客態が悪く

なったのはいつ

だい?

胸が苦しいと...

時々こうなる

と言っていました

水無瀬さんに

連絡しようと

言ったら

心配する

からと

止められ

ました...

......?

千砂くんの

例の発作の方は

どうなんだい?

僕は...

千砂の発作は

見た事が

無いんです

多分...

水無瀬さんに

もらってる薬を

飲んでいるから

だと思います

きみもわかっていると

思うが

あれは街の薬局で

買えるものじゃ

ない

僕も.....

勧められ

ましたけど...

あれは

体質によっては

効果を成さないんだ

病院でも

なかなか

処方しない

薬なんだ

強い鎮静作用を

持つ成分の合剤で

一度に大量を飲むと

命を落とす

最近では

もっと安全な成分の

ものと替わられ

つつある

向精神薬だ

はっきり言って

体の弱い

千砂くんには

荷が重い薬だ

このまま

常用していれば

近頃の千砂くんの

不調もおそらく

あの薬が原因だ

いずれ

彼女の心臓は

耐えられなく

なるだろう

......?

そんな...

ああ...

本当

ですか?

それを最初から

わかってて

何故処方したん

ですか?

最初から

はっきりと

わかって

いたわけじゃない

それは僕も

懸念して

いた事だった

だが

あの薬を処方

する事を強く

願ったのは

千砂くんだった

確かに...

父親が亡くなり

千砂くんの発作を

抑える人間が

いなくなった...

選択の余地は

無かったのかも

しれない

彼女は人前で発作が

起きるのを極度に

恐れていたからね

千砂は...

彼女らしい選択だよ

僕は彼女をよく知って

いるから何も

言えなかった

そうだな...

子供の頃から

ああいう性格

だったんですか?

あまり

変わって

ないよ...

その頃から

感情を

あまり表に

出さず

妙に冷めたところ

のある大人びた

子供だった

彼女は早くから

自分の運命を

受け入れていた

この世で信じられる

ものは父親だけ

だったんだ...

彼女の湯き”は

彼女が求める人間に

しか癒せない

彼女が

父親を求める

限り誰の血も

受けつけない

だが...

あの薬が

使えなくなると

彼女が普通に

生活するには

あの薬は必要

だったんだ

だ...

だけど自覚症状が

出たとなっては

使用をやめさせる

べきです

発作を抑える

術がないんだ

わかっている...

彼女には忠告

してある

........

千砂の...

父親に対する

異常なまでの

執着は...

やはり...

千砂くんは

まさにそれ

だった

愛憎...

というのが

あるだろう?

自分の向こうに

死んだ妻の面影を

見てる父を憎み

年々

母親に似てくる

自分も呪っていた

.....あの

父娘の間には

誰も入り込めな

かった

誰も

ね...

千砂は...

今まで

苦しくても

我慢してたのかも

しれないんですね

他人の血もだめ

薬もだめなんて

すまない...

千砂は

どうすれば

いいんですか?

僕がもっと

注意して

いれば...

できるだけ

薬を控えて

本当に...

安静に

しているように

としか今は

言えない...

他の人間では

だめなん

でしょうか?

というと?

君が

そうだと

言うのかい?

つまり...

父親以外に...

千砂の求める

人間が現れ

れば...

......

だけど...

千砂が

僕を父親と

重ねているのは

事実です

わかり

ません...

だから...

同じ事さ

父親ときみを

同一視していると

いうことは

結局父親を

求めていると

いうことだ

きみが父親と

同じ事を

したところで

多分.....

千砂くんの中で

ギャップが

大きくなるばかり

だと思う...

それに...

きみは千秒くんに

守られている立場

じゃないか

い...

今はそう

ですけど...

近頃は

発作も起き

ないし...

そんな事は

何百何千回と

考えた

きみには

無理だ

できる

ものなら

千砂くんの心を

父親からひき

離すのは

並大抵の事じゃ

ない

僕は

十数年

あの父娘を

見てきた

僕がとうに

そうしているさ

千砂くんに

何かあったら

夜中でも

連絡してくれ

水無瀬さんは...

一砂

どこ行って

たの?

そう.....

べ...べつに

ちょっと散歩してた

だけだよ...

外の空気

吸いたくなってさ...

お風呂

沸いてるけど

どうする?

千砂を

護りたい...

だけど

俺じゃだめ

なのか...

...ファッショ

一砂?

そう...

じゃあ...

私先に休むわ

うん.....

おやすみ

あ...うん

今日は

いいや

おやすみ

なさい

水無瀬さんも

同じ事を

考えていた

千砂くんの心を

父親からひき離すのは

並大抵の事じゃない

前に千砂が

水無瀬さんとは

兄妹みたいなもの

だって言ってたな...

僕は十数年

あの父娘を

見てきた

実の弟の俺より

肉親に

近いんだろうな

俺は...

千砂には

姉という実感は

無い

離れて育った

せいだろう...

だけど...

千砂を護りたい

と思うこの

気持ちは...

身内という

気もしない

あの時

それまでぼやけて

いた千砂の本心を

見たからか?

頼りなく

細い肩に

触ったから

だろうか?

愛憎

というのが

あるだろう

父さんは

わたしの

身も心も

支配していた

俺は身代わり

俺の存在は

父親の存在が

千砂を追いつめて

いた

本当に

千砂を癒して

いるんだろうか

千砂は...

俺を身代わりに

する事で

その苦しみを

ごまかしているん

じゃないだろうか

一砂

どうしたの?

......?

千砂こそ

休んだんじゃ

なかったの?

今夜は

月が明るい

わね

なんだか

眠れないから

涼もうと思って...

うん

なに?

いや...

なんでも...

一砂?

ァ..

発作なのね

んっ...

なんだ...

いつもと違う

意識が...

意識がどこかに

飛びそうだ

一砂......

いつもと

違う

落ちついて

今血を

あげるわ...

落ちついて

バーズコミックス

発行人●吾郷輝樹

流行間●株式会社ソニーマガンンズ・東京都千代田区五番町612

基本的には、海蔵エネラルクリエイティブ

印刷甯●大日本印刷株式会社

発行い●1999年12月17日、初版第1刷発行

Mrro各目景のmaching

2001年7月11日、20第7制発行

〒102l8679

LLO3I3フライーSSI

Printetionen

乱丁・落丁本は、お取り替えいいたします。定価はカバーお表示しています。無価格取を探す

ISBN4-7897_8215-8

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