...。。。

...

日本日

10月2011/11月1929979005405

C9979Y54OE

ISBN4-344-80015-X

雑誌「54240-16

Rama定価:本体540円十税

発行-幻冬舎コミックス

発売=~~~!!発売゠幻冬舎

8月のメット

URL

第11条件コミックス・

冬目景

高城一砂は、幼い頃に母を亡く亡くし、父の友人・江田

夫妻のもとで暮らしている。ある日、倒れた一砂は、

かつての我が家で姉・千砂と再会,吸血鬼〟のよう

に他人の血が欲しくなるる高城家の病のことを聞く。

発病し発作に苦しむ一砂に、亡き父と同じように千

砂は自らの血を与えた。父は母に似た千砂を愛し、

千砂もまた父を愛していたのだ。病のことを知る八

重樫に対して発作が起ここるという一砂に水無瀬は

一砂の特別な感情が関係しているので、はと言う。一秒と干砂は二人きりで暮ら

し始めるが、ある日、千砂は一秒にもスを。一砂を父の代わりにしようとして

いるーそう告白した千秒に一砂は側にいることを誓う。再び発作に襲われた

一砂は、千砂の首筋に噛みつき、その血によって渇きを癒す。一砂を千砂には

を与えようとするが、千秒はそれを拒必要を飲み続け、倒れてしまう。水無瀬

は高城区院に千砂を運び、千砂に想いを伝えるが、千砂は一秒のもとへ帰って

いく。一方、八重樫と再会した一砂は、八重樫に姿を見せるなと言い...。

江田大委

八重樫葉家。

(1)NTPNTS

第第

...

第35話第37話第59話第93話第40話

...

85

なに

読んでるの?

あ...千砂....

起きても

大丈夫なの?

ふーん...

平気よ...

あまり病人

扱いしないで

ちょうだい

押し入れに

父さんの荷物が

少し残ってて

その中にあった

から

古い小説の

文庫

そういえば

わたし...

父さんの事

わかってる

つもりで

いたけど

最近では

知らない事の方が

多かったかも

知れないって

思うの

父さんの

本の趣味とか

知らなかったわ

共通の何かで

理解し合おうと

する必要が

無ければ

そういうもの

だと思うよ

そうね...

変よね

ごめん

ください

すみません

呼び鈴を鳴らし

たんですけど...

返事が無くて...

あの...

どちらさま

ですか?

こちらから

声が

聞こえた

ものですから...

風見忍布と

申します

高城先生の

病院で看護婦を

していました

はい...

そのかたが

お辞めに

なった後で

入った者です

看護婦のかた

なら知って

ますけど...

もっと

年配のかた

でした

実質高城医院で

勤務していたのは

一年半くらい

でしたけど

お嬢さんと

お会いするのは

初めてですね

......?

わかり

ました...

で...

ご用件は

何でしょう?

あの...

申しにくいの

ですか...

高城先生が

自殺されたと

いうのは本当

なんでしょうか?

高城先生が

亡くなったのを

私つい最近

知ったんです

ご自宅も

無くなって

いましたし...

近所の方や

古い患者さんに

聞いてここが

わかりました

........

理由を聞いて

どうなさるん

ですか?

どうする

つもりも

ありません...

理由が

知りたい

だけなんです

先生が

亡くなったのは

私が病院を

辞めたすぐ後だと

聞きました

先生には

お世話に

なりましたから

......

.....父の

自殺の原因は

仕事の事では

ないと思います

では

なぜ......?

自分がもしかして

自殺の原因に

なるような何かを

知ってるんじゃ

ないかととても

気になるんです

その点は

ご安心

ください

わかりません...

何かとても

悩んでいたよう

ですが...

はい...

なにも...

......?

遺書などは

お書きになって

いなかったので

しょうか?

ほかにご存知の

かたなどは

いらっしゃら

ないかしら

さあ...

心当たりは

ありません

突然お邪魔

して申しわけ

ありません

でした

たとえば

親しいご友人

とか.....

......

これで

失礼させて

いただきます

あの...

最後に

お線香を

あげさせて

頂きたいのですが

父の位牌は

祖母が持って

ゆきました

お墓は

杉並の

典玄寺に

あります

......

......

ええ.....

でも...

さっきの人

本当に

知らないの?

確かに

看護婦さんは

一度

代わってるのよ

水無瀬さんにも

訊いてみたら?

いいのよ

もう来ない

でしょう

ちょっと

疲れたから

横になるわ

大丈夫?

大丈夫

しばらくしたら

また起きるわ

病院から

帰って来てから

千砂は何か

変だ

一人で電車で

帰って来たり

水無瀬さんは

当分社診には

来ないと言うし

千砂くんの

希望だ

だが...

何かあったら

連絡して

欲しい

必ず...

何が

あったん

だろう?

あの

男の子...

息子さん

だわ

あんなに

先生そっくり

な...

だけど.....

そんなこと

先生から一言も

聞いたこと

なかった

それに...

娘のもとに

位牌を

置かないのも

変だわ

あの子達も

何か隠している

感じだった

どうして?

一体何を...?

それに...

お墓が

杉並にあるって

言ってたっけ...

祖母がいるのに

何故子供達

だけてあの家に?

ない...

高城...

あの...

ちょっと伺い

たいのですが...

先年

亡くなられた

高城志砂さんの

縁の者なのですが、

高城.....?

去年ねえ...

そういう

名前のお宅は

無かったねえ...

このお寺に埋葬

されていると

聞いたのですが

墓碑が見当たらない

んです...

え...

そう...

ですか...

なんとなく

嘘かもしれない

とも思ったけど

ん.....

”しずな”?

あれかな?

名字は

高城じゃ

ないけどね

下のお名前が

ちょっと

変わってる

でしょう

同名の方

ならありまし

たよ

確か...

40代前半から

中頃くらいのお歳の

口合って

あなたの

探している

方とは違う

かもしれない

けど...

月に2、3度

母親らしき

年配の女性が

お参りに来て

ましたが最近は

見えませんね

それと.....

やはり月に

一度だけど

髪の長い

高校生くらいの

女の子が

来ますよ

あ...ありがとう

ございます

確信はありま

せんがこれも

何かの縁ですから

お花をあげさせて

頂きます

先生...

高城という姫は

奥さんの方で

そちらを名乗って

いたという事かしら

そういえば

奥さんもだいぶ前に

亡くなられたと

聞いたけどお墓は

別々なんだわ...

変よね、そんなの

夫婦なのに

何故かしら...??

もうすぐ

夏が終わる..

千砂?

ええ

もう起きて

平気なの?

そろそろ

夕飯の

支度しなきゃ

そんなの

俺がやるよ

冷蔵庫の中

インスタント食品が

けっこうあったわよ

ねえ...

え.....

いや...あれは...

なに?

昼間...

あの女の人に

言ってたこと...

一砂......

おばあさんの

こと覚えてる?

父さんの位牌とか

そういうの...

この家に無いの

俺も少し変だなと

思ってたんだ

けど...

多分:今でも

杉並に住んでると

思うけど...

父方の

おばあさんて

いうのは...

今どこに?

いや...

あんまり...

俺小さかった

し......

よくは知らないわ

横浜に移って

からは殆ど

来なかったし...

それに

わたしは

......?

あの人に

可愛がられて

なかったしね

同じ

お墓になんて

入れませんよ

高城家とは

もう無縁です

からね

あついから

気をつけて

...

ねえ

なに?

あ...やっぱ

何でもない

うん

ごめん

訊きたかったけど

なんとなく

訊けなかった

なによ

ヘンなの

父さんや母さんの

お墓の事

父さんの家族の事

......

また

あの夢

来る...

わたしには

あと

どれくらい

時間が残されて

いるのか...

うん...

うん.....

そう

だけど...

大学病院の

方はおととい

辞めた

もう看護婦は

やらないと思う

うん...

それは

帰郷ってから

考える

こっちで

やり残した

事があるの

だから

まだ

帰れない

うん.....

うん...

お母さんもね

元気で

じゃ...

先生...?

なんで

自殺なんか

したん

ですか?

閉めるって

うん.....

きみには

迷惑を

かけてしまうが

この病院を

閉めるん

ですか?

そんな...

どうして

ですか?

なんだかね...

そんな...

先生...

......

疲れたん

だよ...

何かあったん

ですか?

わたしに

できる事が

あれば仰って

ください

わたし...

ずっと

お手伝いを

していきたいと

思ってるんです

きみは

優秀な

看護婦だ

知りあいの

病院に

紹介状を

書くよ

86

先生は

きっとあの時から

死ぬ気だった

んだ...

わたしには

何も言って

くれなかった

自殺の

原因を調べて

わかったところで

聞いたところで

きっとわたしには

どうする事もでき

ない事だったん

だろう...

やはりどうにも

ならない

先生は死んで

しまったんだし

わたしは

知らなくても

いい事なんだ

ろう

>エB

夏子さん

ちょっと

出掛けて

くるよ

あ...

ええ.....

いってらっ

しゃい

きみも

休みの日くらい

出掛けた方が

いいよ

タ方まで

には戻るよ

ええ...

そうね......

...

...

...

はいだい

江田です

あの...

わたくし

以前高城医院で

看護婦を

していました風見

という者ですが、

突然お電話

さしあげて

申し訳あります

せん

...

あ...はい

確かに高城さんは

...主人の友達でし

たが...

主人は先程

出掛けてしまい

まして夕方には

戻ると思うのですが、

あの...高城先生が

お亡くなりになった

事に関して

ちょっと伺いたいの

ですが...

先生が遺した

名簿の中に江田様の

番号がありまして

古いご友人だと

聞いておりましたから

もし差し支えが

無ければご用件

お伝えいたし

ますが......?

え?

高城先生の

お嬢さんにも

お会いして

訊いたのですが

ご存知ない

ようでしたので

古いご友人の方

なら何かわかる

のでは...と

...あの.....

その事と

あなたとどういう

ご関係があるんで

しょうか?

あ:すみません

お気を悪く

なさらないで

ください

興味本意で

訊いているんじゃ

ないんです

あの...

もしご存知で

ないのでしたら

少し他のお話を

伺えないで

しょうか?

わたし先生が

亡くなる一月程

前まで

病院で働いて

いたものですから

お時間は

とらせません

あの..

ぜひ.....

......?

わかりました

私がお伺い

します

今どこから

かけて

らっしゃるの?

何にせよ

放っては

おけないわ

この人...

高城家の事を

調べてるのかしら

看護婦だったって

言ったけど...

何か不自然

だわ...

......どうも

江田の家内です

初めまして

風見と申します

志砂さんとは

主人同様友達

づきあいをさせて

いただいてました

高城医院で

一年半程勤務

しておりました

あの...では

近くの喫茶店

にでも...

あ...

いいえ...

家事の

途中なので...

どこかその

あたりの

ベンチにでも...

人気は

少ない方がいい

あの...

高城の家に

行ったと仰って

ましたけど

...そう

何か

聞き

まして?

髪の長いお嬢さんと

多分息子さんが

いらしたんですけど

お墓の場所を...

あの...

わたし息子さん

がいるなんて

訊いた事なかっ

たんですよ

わたしの

前任者の

看護婦さんも

知らないって

言うし

息子さんは

どこかに

行かれてたん

でしょうか?

あなた...

何の目的で

高城の事を

お調べになって

いるの?

その前に

あなたが何故

今頃高城さんの

死因を聞きたいのか

納得できません

あ...

す.....

すみません

わたし...

無神経

だったでしょうか

おそらく

何か事情があるんだ

と思って...

閉院も一時的なもの

かと...

だからわたし

待っているつもり

だったんです

あの...

わたし...

高城先生が

急に病院を

閉める事になって

だけど

一方的に他の病院へ

紹介状を書かれて...

何故いきなり

そういう事になった

のか何も聞かされ

なくて...

......追い

出されたと

思ったんです

だから...

わたしは先生の

言われるまま

ある大学病院に

行きました

急に

故郷に帰る

事になって...

あの...

父が倒れ

まして...

それから先生

からは何の連絡も

無かったしわたしも

しませんでした

実家は

自営業なので

多分帰ったらもう

東京へは戻れ

ないだろうと思う

んですよ

もう

忘れようと

思っていたん

ですけど...

それで......

最後に

先生にはお世話に

なったので挨拶を

しようと思いまして

連絡したら不通で

色々人に

訊いて先生が

亡くなった事を

知ったんです

それも

病院を閉めた

すぐ後に...

その時わかったん

です

どうして先生が

わたしを辞めさせ

たのか

それで

わたし...

......

考えてみれば

わたし...

先生の事

殆ど知らな

かったんです

先生は

あまり私的な

事は話さない

方だったし

わたしも

とくに訊きます

せんでしたから

わたし...

このまま

故郷に帰って

しまうのは嫌

なんです

先生の事...

自分なりに

整理したいん

です

......でも

身内の方々

にとっては

蒸し返されたく

ない悲しい

出来事だったに

違いないのに...

すみません

わたし...

この人...

志砂さんを

...でも.....

本当の事は

言えない

可哀相だけど

なんとかごまかして

納得させた方が

いいわ

あなたの

お気持ちは

よくわかりました

それと...

てないと...

ちょっと

危険かも...

でも.....

ごめんなさい

私達にも

志砂さんの

自殺の原因は

わからないの

息子さんの一砂は

二月くらい前まで

うちにいたわ

ん.....

桃食べる

一砂?

うん...

どうしたの

これ?

果物屋さんの

車が近くを

通ったから

裏口から出て

買って来たの

なんかね......

久し振りに

桃が食べ

たくなったの

甘い?

子供の頃...

熱を出すと

食欲が無くなって

何も食べなかったり

すると

甘いよ

俺も

久しぶり

だな...

父さんが

桃の缶詰を

開けてくれるの

よく冷えてて

美味しかった

あ...それ

俺も経験ある

あのさ...

なんだか

おかしいわよね

どうして桃の

缶詰なのかしら...

美味しいね

もう一つ剣こうか。

......?

このまえの

こと...

訊いていいかな?

父さんの

お墓の事?

母さんの

お墓は

別の所に

在るの?

この前

話した

通りよ

...

...そうよ....

高城家は旧家

だから先祖代々の

お墓があるの

たしか...

ここから

そんなに遠く

ないと思ったわ

でも.....

よく覚えて

ない

一度しか

行ったことが

ないからだと...

思うけど...

千砂.....

お母さんが

白く小さく

なって

お墓の中に

入っていくのを

お父さんと

一緒に見た

だろう?

痛っ

だ...

大丈夫?

指を

く.....

薬箱

持ってくるよ

どう

したの?

舐めて

くれない

の?

一砂...あなた

ずっと我慢してた

でしょ

どうして?

だ.....

だって...

千砂は

心臓が...

ばかね...

まだそんな事を

言ってるの

わたしは

大丈夫よ

血が...

乾いて

しまうわ

さあ...

それに...

俺は何もして

やれないのに...

わたしが

いなくなったら

一秒は......

...千砂.....

ええ...

大丈夫...

元々多少は

抑制できる

もの...

千砂はあれ以来

発作は起き

ないの?

もう

あの薬は

飲んでないん

だろ?

言えば

きっと止め

られる

ええ.....

でも......

止めるわけには

いかない

これは

わたし一人の

闘いなの

だから

十数年前

奥さんを亡くされて

まだ幼い二人を

抱えて志砂さん

は大変だったの

あの.....

お嬢さんは

お体が悪いと

聞いていましたが

上の子は体が

弱かったし...

それで子供の

無かった私達は

一砂くんを預る

事にしたのよ

どういう

ご病気なん

でしょう?

姉の千砂ちゃんは

生まれつき心臓が

弱くて

油断できない

状態が今も

続いているの

......?

だから...

一砂は千砂ちゃんと

一緒に暮らす

事にしたのよ

......

そうですか

......?

わたしが

話せるのは

これくらいです

それで

息子さんは...

あ...

あのすみません

もうよろしい

かしら?

もう

こっ

だけ...

何故.....

先生は奥様との

結婚をご家族の方に

反対されていたん

でしょうか?

え...

この人...

そんな事まで

言い淀んじゃ

いけない

何か答え

なければ...

......も百子さんは

やはり体が

弱くて子供が

産めないと

志砂さんのご両親は

思ったんでしょう

奥様の

お墓は

どこに在る

んでしょうか?

百子さんの

お墓.....?

そう言えば

知らないわ

ごめんなさい

それはわたしも主人も

知らないわ

彼女が

亡くなって

志砂さんは

ひどく落胆

してしまって

それで......

一時誰にも

会わなくなって

しまったので

訊きそびれて

いるうちに

彼は横浜に

行ってしまったの

...そう...

ですか...

......どうも

ありがとう

ございました

突然おじゃま

しまして申し訳あり、わたしは

ありませんでした。これで...

それに

百子さんは

あの病気

だったから

わたしたちも

あまり会った

ことが無かった

あの...風見

さん.....

志砂さんは

きっと...

何かがあって

自殺したわけ

じゃなくて

疲れたんだと思うの

千砂ちゃんの

病気の事や

彼の家族の事や

いろいろな事に...

疲れたんだ...

そうかも

しれません

すみません

でした...

おお

思い出せ

ない...

わたし...

母さんのお墓の

こと覚えてないわ

わたしは本当に

行った事が

あるんだろうか?

物心ついてから

行った記憶が

無いわ

父さんは

一人で行って

いたのかしら

いいえ...

わたしたちは

母さんから

目をそむけて

いたわ...

わたしも

父さんも...

母さんの事は

あまり思い出し

たくなかった...

優しい人

だったけど思い

出せば

つらすぎる

現実と向き合わ

なければならない

から...

なんだか

腑に落ち

ない

明らかに

警戒していた

もう

やめよう

これ以上

調べようが

ないし...

あのひとも

何か隠している

ような気がする

知って

どうなる

ものでもない

あのひとの

言う通り

よそう

ただの

未練なんだ

から......

先生は本当に

疲れていた

のかもしれない

チャ!!

あ.....

高城医院の

鍵.....

そういえば

ずっと返し

そびれて

いたんだ...

閉院した

といっても

やっぱり

返さなきゃ

誰に?

あの子達に

返しても

いいんだけど...

そういえば

わたしが訪ねた時

病院の建物は

またそのまま

だった...

先生が

亡くなって

一年にも

なるのに...

中も

変わって

ない...

ここも...

あの頃のまま

だわ

でも...

変...

なんだか

人の気配が

する

まだ

使っている

ような...

やっぱり

誰かが...

どういう

こと?

よく見ると

薬品の種類が

微妙に違うわ

誰が

何の目的で?

カルテは

昔のまま

他の書類も

そのまま

だわ

英文の.....

何の書類

だろうこれ?

レポート?

違う...

手記

みたい

あ.....

このひき

出しは

確かずっと

鍵がかかって

いたはず...

これが

そんなに

重要な

ものなのかしら

きみは

誰だ?

.....わ...

わたしは

看護婦

です

何を

している?

元高城

医院の.....

看護婦?

はい...

病院の鍵を

返しに来たん

です

置いて

帰ろうと

思ってたん

ですけど...

.....あの

あなたは?

僕は

高城先生に

お世話になっていた

者だ

あの...

ここで

何をなさって

いるんですか?

時々ここを

使わせてもらって

いる

......

主に自分の

研究だが

僕も医師

なんでね

あの...

高城先生とは

かなり親し

かったんでしょうか?

......?

つかぬ事を

伺いますが...

高城先生

は.....

まあね

親しかったと

いえばそう

だが...何か?

...いえ...

......?

ああ...

鍵は僕が

もらって

おこう

なんでも

ありません

すいません

あ...

はい...

そ...それでは

わたしは

これで

失礼

します

......

じゃあ

新さんも

その女の人の

事は知ら

ないのね

うん

看護婦さんが

替わった事は

聞いた事が

あるけどね

あの人...

志砂さんを

とても信頼

してたみたい

だから

どうして自殺

なんかしたのか

理由を知りたい

気持ちも

わかるんだけど

あれで

納得して

くれたかしら...

そうだな......

でも間違った

事は言ってないし

あの時の

あいつは確かに

精神的に

まいっていたと

思う

ただ...

百子さんが

亡くなってから

あいつを支えて

きたのは千砂ちゃん

だった

それなのに

何故千砂ちゃんを

残していって

しまったのか...

僕もちょっと

納得いかない

のは...

あいつは

言ってた

〝千砂には僕が

必要なんだ

ってね...

それに

しても...

自殺なんて...

やっぱり...

治る見込みの

ない病気だもの

看病に疲れた

んじゃないかしら

......?

後に残された

千砂ちゃんの気持ちを

考えたらあいつの

性格上できない筈だよ

...そうね.....

それまでずっと

二人でやってきたのに

どうして

急に弱気に

なってしまったの

かしら.....

夏子

さん?

心配だわ

一砂が...

大丈夫だよ

一砂は

あれでしっかり

した子だ

もう少し

様子を

見よう

あの子も

まさか...

そんな事に...

千砂ちゃんも

いずれ

わかって

くれるだろう

百子さんに

......わたし

千砂ちゃんが

怖いの...

言われてる

みたいで......

“あなたには

母親の資格は

無い”って

...

ちゃんと

「HSTPIに

...

〝アメリカ北部に

住む

ある少女の

手記”

〝この少女は

幼い頃

ある病気に

かかった!

“それは

人の血が

無性に飲み

たくなるという

奇妙な病

だ!

〝わたしは時々

ひどい喉の

渇きをおぼえた

〝何を飲んでも

満たされることの

無いこの渇きは

人の血を欲して

いるのだと

ある時気づいた

その事に

気づいた

わたしは

夜も眠れ

なくなった

抑えようと

するとなお

渇きは

耐え難い

ものになっていく

そして

ごく少量の

血液をもらった

わたしは

とうとう

友人にその事を

打ちあけた

原因不明の

謎の病気

確かに

奇妙な病気

だけど

これがどうして

そんなに重要な

ものなんだろう?

高城先生は

内科で...

この病気は

分類すれば

精神医学の

分科だから

研究の

対象じゃ

ない筈

お史...!!

八重樫さん

あ.....

木ノ下くん

たまってた

課題やりに

来たんだ

夏休みも

もう終わり

だからさ

あたしも

自由研究の

調べものを

しようと思って

話したい

事あんだ

けど...

オゴるよ

何がいい?

入ってきた

ときから

手振ってたのに

気づかなかった?

ちょっとさ...

時間いい

かな?

何でも

いいよ

空!?

ずれっ

高城の

ことなんだ

けどさ...

休みに入って

からヤツに

会った?

......?

俺は

忘れたいんだ

もう姿を

見せないで

くれ

ううん.....

終業式の日

八重樫さんに

高城の書類とか

渡したじゃん

でさ

家の人何か

言ってなかった?

あいつ転校

するって

本当なのかな

あの日さ

あいつ学校

来てて

その事聞いた

んだ

え.....

へ......

変って...

何が?

引っ越すとか

言ってたけど

嘘っぽいんだ

多分...

他に理由が

あるんだと

思うんだけど

言わねーんだよ

だけどさ

なんかヘン

なんだよ

高城くんが

学校に...

オレもなんか

アタマきちゃった

からそれ以上

訊かなかったけどさ

......?

新学期が

始まったら

学校での

一砂の事たまに

聞かせてね

もう

学校には

行かない

八重樫さん

い...

家の人は...

詳しい事は

言わなかったけど...

高城くんは...

もうあの家には

居ないみたい...

え.....

なに...

どういう事?

あいつ

どこ行ったの?

よく.....

わからないけど

実のお姉さんと

暮らしている

らしいの...

な...

なんだよ

なんで言わねーん

だよあいつ

何も言わないで

どこ行ったのかも

わかんないわけ?

あいつに

姉ちゃん?

あ...

そう言えば

前にそんな

事言って

たような...

え.....じゃあ

親父さんも?

...お父さんは

去年亡くなった

らしいの...

えっ

なんだよそれ?

家の人は何で

教えてくんないん

だよ?

わからない

けど...でも....

きっと高城くんは

心配させたく

なかったんだと

思うの...

ごめんね

ネノ下くん

こんな事しか

言えなくて

ごめん...

木ノ下くん...

な...

なんで八重樫さんが

謝んの

でもさ...

やっぱ変だよ

家の人が

転校を承知してたら、

当然学校側にも

そう言うよな

一番心配してんのは

あんただろ

だけど担任は

そんな事言って

ないじゃん

だけどあいつは

転校するって

言った:退学とも...

......?

病気だって

言ってたのも

気になる

もしか...

それはあいつの

意志で家の人は

了承してないのかも

しれないよな

その事と

関係があんの

かもしれない

な...

はい

38

確かにね

そんな病気は

あるよ

だけどね

医学的な

認知はされて

いないんだよ

日本での

症例も

殆ど見られ

ないしね

殆ど...

という事は

ある事は

あるんですね

まあ......

だけど深刻

なものはまだ

聞いていない

狂犬病のような

ウイルス性の

ものじゃないから

感染は

しないし

だけど...

人の血が欲しく

なるなんて...

ちょっと危険じゃ

ないですか?

まぁそれは

そうだが

吸血鬼じゃ

ないんだから

病気という

よりは習慣

なんじゃない

かな...

僕は

詳しくは

知らないが...

血に飢えて

人を襲うなんて

事はしないさ

あくまで

嗜好する程度の

ものだろう

なんていうか...

麻薬に近い

感覚だと

思うんだけどね

ほら生き血を

薬がわりに

飲んだりする

だろうあれと

同じで何となく

効いている気が

するとか

その事と

きみの仕事に

何か関係が?

精神的に

満たされた

気分になる人も

いるかも

しれないしね

....あ

いいえ

べつに

個人的な

興味です

それに...

わたしもう

看護婦は

やめようと

思うんです

実家に

帰るもので

.....そうか

うちに居た頃とは

見違えるようだが

はい

先生には

お世話になり

ました、ここでは

わたし...

失敗ばかりして

いましたけど...

高城くんの所で

いい勉強を

させてもらったんじゃ

ないのかね?

結局

これといった

情報は

無しか...

それどころか

ますますわから

なくなった...

何故先生は

そんな病気に

興味を持った

のだろう.....

しかも

隠すように

書類を

しまって...

人に知られ

たくなかったの

かしら...

どうして?

身内の

誰かが

その病気

だったら...

もしかして

あの娘さん

が.....

ても......

千砂ちゃんは

生まれつき心臓が

弱くて...

確かに

あの人は

そう言って

いた...

だけど...

身内では

ないのだから

知らないって

いう可能性も

ある

あの病気は

身体には

影響が

無いようだけど...

あの子は

いかにも病人と

いう感じだった

病気として

認知されて

いないんだよ

確かに...!!

あの手記では

血が欲しく

なることによる

身体的な障害は

書かれていなかったし

精神的なものにしても

重い症状という程

ではなかった

“友人は

剃刀で

指を傷つけ〟

〝わたしは

友人から

少量の血液を

もらった!!

〝スブーンに

乗せて

飲ませて

くれた”

傷.....

お早う

久しぶりー

聞いてよ

休み中さあ...

おまえ

焼けてん

なあ

あー

みんな元気

そうで何よりだ

えーまず

今日のHRは

だなー...

休みでボケた頭を

切り換えて明日から

勉学に励むよーに

そしたら

おばさんが

出て

ゆうべさ

俺あいつん家

電話かけたん

だよ

八重樫さんが

言った通り

あいつ家に居ない

みたいでさ

だけど始業式には

行くと思うって

言ってたんだよ

だけど

あいつ

来てねー

じゃん

だいたい

“思う”って

何よ

保護者でしょ

そんくらい

わかんない

わけ

おはさんは

前にたかしろ

高城くんと

うまく連絡が

とれないって

言ってた

何か

事情が

あるの

かも...

事情って

何よ

学校に

来られない

ような事情って

ヤバいんじゃ

ないの

......?

はい...

こう無断

欠席が多いと

こちらとしても

ですね.....

はい...

ええ

そうです

すみません...

今日はてっきり

登校してる

ものだと...

今は一砂くんとは

離れて暮らし

ているそうですが

どんな様子

なんですかね

彼は.....

はい...

はい...

その.....

登校拒否

とか.....

いいえ

一砂は学校に

不満を持っている

わけではないと

思います

ただ:一緒に

暮らしている

姉の体が心配

なんだと思うんです

確か休みに

入る少し前に

一砂くん

入院しました

よね...

え.....?

そ...

そうだったん

ですか...

そんな......

わたしは

行ってるものと

ばかり...

あの時はすぐに

退院したようですが、

それから学校に

来てないんですよ

彼は目頃から

真面目な

生徒でしたし

ご家庭の

方にも事情が

お在りでしょうし...

まぁ...休み前

でしたから

あまり立ち入った

事はお訊き

しなかったんですが...

とにかくですね...

このまま欠席が

長びくようだと

進級に響き

ますし場合に

よっては進学にも...

そのへんの

事を踏まえて

本人とお話して

みてください

先生

あいつ

なんで学校

来ないのか

先生知らない

かと思って

...ああ.....

なんだ

木ノ下?

高城の事

なんですけど

今...彼の家に

電話をかけた

ところなんだが...

お前も何も

聞いてないのか...

あいつ転校する

とか言ってました

けど

本当のとこ

どうなんです

か?

親御さんも

本人とあまり

話してない

様なんだな...

転校?

いや...

そんな話は

聞いてない

本人がそう

言ったのか?

なんつーか...

ほらあそこ

ちょっと複雑

だからあまり

訊けなくてさ...

高校ってのはさ

義務教育じゃ

ないからね...

教師が

家庭の事情に

介入するのは

どうかとも

思うしな...

まあ...

単位の事も

あるから

いずれ

親御さんか

本人と直接

話さなきゃ

いかんだろう

がな

結局

高城本人が

出てこなきゃ

なんもわかんねー

じゃん

どーなって

んだ?

......

ぜってー

おかしいって

あいつ自身

何か学校に

来られない様な

事情があって

それでそれは

家族も知ら

ないっての

何よそれ?

......?

どうなってん

のよ

あいつん家は

本人もだけど

なんでよ...

オレらどうする

事もできない

わけ?

ホントに

病気なのかな

でも家族が

知らないって

ヘンだよな...

...うん...

オレ.....

なんかヤな

予感がする

イラつく

...

周囲の人が

怪しみはじめた

いつまでも

ごまかしては

いられないよ...

あいつ...

終業式の日

オレに何が言いた

がったのかも...

もっと

ちゃんと

聞いてやれば

よかった...

一砂

手紙が

来てるわよ

手紙.....?

誰から?

また

江田の

おばさま

何?

......?

何でも

ない

何でもない

事無い

でしょ

......

学校の事...

担任から電話が

あったって...

新学期が

始まってる

ものね...

どうするの?

どうするって...

行かないよ

勿論

でも...

おばさま

心配してる

学校やめる

とか言ったら

やっぱり反対

するだろうな...

どう言ったら

納得してくれる

のかな...

どう言っても

納得はして

くれないと

思うわ

このままだと

またおばさま

訪ねて来る

わね

......?

おばさん達には

迷惑かけたく

ないな...

ねえ

一砂......

学校...

行ってみたら?

え?

前にも

話したから

あなたの決意は

わかってるけど...

あなたこの

1ヵ月大きな

発作は起こして

ないわ

もしかしたら

体が慣れて

きたのかも

しれない...

現に...

小さな発作は

ある程度抑え

られるように

なったでしょ?

あなたは

ちょっと異例

だから

他にも何か

あるかもしれ

ないけど

う...

うん.....

自信は無いけど

わたしも小学校に

上がる頃には

だいぶ慣れていたわ

だけど

成長するにつれ

発作の度合いも

大きくなって

頻度も高く

なっていったの...

でも.....

あなたは

わたしとは

違うみたい

希望を持って

いいかもしれない

......

教科書とかは

持って来てあるの?

おばさまには

わたしから連絡

してもいいけど...

......

なに?

だけど...

千砂は...

学校の事は

もういいん

だってば

おばさんには

俺から言って

何とか解って

もらうよ

......?

なに

取ってきた

の?

朝顔の

種よ

蒔いたら

また来年も

咲くかしら

咲くよ

きっと...

まあ

はい

お忙しいところ

申し訳ありま

せん

どなた?

私区役所の

福祉調整課の

者ですが

お隣の高城さんの

事について

お伺いしても

よろしいですか?

お隣との

ご近所

づきあいは

ありますか?

たまに

見かけるくらい

ですよ

声も聞こえないし...

高校生くらいの

子がいますよ

お隣は

どのくらい前に

越されて来たん

でしょうか?

いいえ...

全然

家は

うちが建つ

ずいぶん前から

あるみたい

だけど...

高城さん家は

昔はこの辺の

地主だった

そうなんですよ

なんか

ずいぶん長いこと

空き家になって

ましたけど...

去年また

帰ってこられた

みたいで......

今はもうすっかり

土地は手放して

しまったみたい

ですけどねえ...

昔は

若いご夫婦と

お子さんが

一人か二人

いらしたみたい

ですけど

今は

お子さん達

だけみたいよ

ご両親は

どうしたの

かしら...

そうねえ

奥様は一度

お見かけした

事があったけど

とてもきれいな

方よ

いいえ

でも...

ご近所の噂だと

お体が弱い

ようで

滅多に

外出はされ

なかったわね

あの...

お隣が

何か?

地域住民の

生活状況の把握も

私達の仕事ですから

ご協力

有り難う

ございました

高城家が

そんな旧家

だったなんて...

百子さんは

体が弱くて...

あの家が本家

なのかしら

やはり

奥さんは

体の弱い人

だった...

でも奥さんは

亡くなってるわ

あの病気は

死に至るものじゃ

ないし...

もしかして

奥さんも

あの病気......?

ても......

お隣の人は

奥さんが亡くなった

事を知らなかったわ

今はもう

すっかり

土地は手放して...

旧家の娘なら

お葬式には人が

大勢来る筈

あそこが本家なら

なおさら...

という事は

衰退していった

ということ?

何故?

......

カタ

母さんの夢を

見た後は

必ず発作が

起きる

母さんは優しい

人だった

母さんの夢は

何故か

怖い夢ばかり

だけど...

度重なる発作に

母さんの精神は

耐えられなかった

わたしも

いつか

母さんのように

なってしまう

かもしれない

いっそ...

母さんのように

なってしまった

方が楽かも

しれない

そんな恐怖が

あんな夢を

見させるの

かしら...

それより先に

この体の方が

もちそうにないわ

なに?

千砂......

どうしたの

なんでって...

学校に行くのよ

着替えなさい

え...

学校.....?

なんで

制服なんか...

昨日

話したでしょ

じゃ玄関で

待ってるから

どうして?

え...ちょっと

だって千砂

千砂

なに?

家に戻ろう

千砂無理

してるからさ

何言ってるの

そんなこと

ないわよ

最近水無瀬さんは

来ないけど

ちゃんと薬をもらいに

行ってるのは

知ってるし

千砂は言わ

ないけど体調が

よくないのは

わかってるんだ

俺が

一人だと学校

行きづらいと

思ってるん

だろ?

わたしが

行きたいのよ

......?

わたしだって

行きたくなくて

学校を休んでた

んじゃないわ...

行っても友達が

いるわけでも

ないし、退屈な

だけなんだけど...

......?

うん.....

辛くなったら

すぐ早退する

から.....

一秒もそうして

どういう

ことよ?

...??

なんであんな

嘘ついたんだよ?

説明してよ

...

......?

なんか

実の姉ちゃんと

暮らしてる

そうだけど

別に隠す

事じゃねぇ

じゃん

断片的には聞いて

るんだよ

担任とか八重樫さん

とかからさ

ほかに

何かあんの?

人に言え

ないような

事.....

やっぱ話したく

ないわけか...

じゃいいよもう

......?

オレには関係ない

事だろうし

話したところで何も

できないかもしれない

......?

話してオレに

何かできそうな

事なら...

おまえは嘘なんか

つかなかったろうし...

それは八重樫さんに

対してもそうだろ?

おまえ自身の中で

処理するつもり

ならもう訊か

ねぇよ...

なんか...

おまえも

辛そうだし...

木ノ下...

あ?

な...なん

だよ...

古い海外小説

だけどさ...

"ジキル博士と

ハイド氏〟っての

知ってるか?

...まあ.....

小学ん時読んだよ...

あれだろ確か

ある博士が薬で

二重人格になって...

みたいな話だろ?

もし...

自分が

ある日

そうなったら

どうする?

え.....

なにそれ

どういう

事?

つまり...

言えば

巻き込む

事になる

自分が無意識に

誰かに危害を加えるかも

しれない人間になったら

どうする?.....って事

わたしには

無意味で

無駄な時間と

場所.....

いつもと

変わらない

退屈な授業

決められた

事だけをやって

流れていく時間

だけど.....

きっとわたしは

ここが

気に入ってる

昔は...

学校が嫌い

だった

自分が他の子達と

違うという事を

思い知らされる

から

だけど今は...

高城さん

え.....?

あ...

立てる?

どうしたの?

もう授業終わったよ

教室帰ろ

大丈夫よ

あ...

たっ

高城さん

だ.....

大丈夫よ

ちょっと

目眩がしただけ

だめだって

休んだ方が

いいよ

大丈夫じゃ

ないよ

保健室行こう

よくある事よ

放っておいて

どうしたの?

なんか気分

悪いみたいなんです

保健室に

連れて行き

ますから

だから俺は

自分を隔離する

必要があったんだ

これも

嘘だと思うなら

思っていいよ

こんな話

きっと誰も

真面目に

とりあってくれない

だろうし

そ.....

その話

他に誰か

知ってんのか?

おじさん達は

病気の事は知ってる

だけど俺が発病

した事は知らない

だから

家を出たんだ

おじさん達には

迷惑はかけられ

ないし...

...そうか.....

だから電話した時

おはさんははっきり

しない言い方だったん

だな...

ごめんね

木ノ下くん

もしかして

八重樫さんも

発作を見られた

だから仕方なく

話した

あと...

八重樫が側に

いると発作が起こる

...何故だかよく

わからないけど...

危険だから

近づかないように

言った

...そんな

だって...

...?

仕方ないよ...

傷つけるより

マシだ

そうやって

一つ一つ...

切り捨てていこう

と思った

だから

おまえに

あんな嘘も

言った

その俺が

なんでここに

いるのか

自分でも

不思議なんだ

俺は他の

高城の人間とは

発病のしかたが

違うから

もしかしたら

このまま落ち着く

かもしれないっていう

希望的観測もあって

何もかも

諦めようと

思った

発病した当初は

頻繁に起こってた

発作がここ一ヵ月

落ち着いていて...

学校に行って

みたらと千砂に

すすめられた...

それじゃ...

まだ油断は

できないけど...

様子を見よう

と思ってる...

こら

おまえら

何やってんだ

とっくに

授業は

始まってる

だろうが

体の方は

大丈夫なのか?

うん.....

最近やっと

食欲が出て

きた...

できるだけ

学校出てこいよ

もし発作が

起こっても

俺がフォロー

してやるよ

......

言えば

巻き込む

事になる

ごめん

木ノ下...

何が?

ありがとう

通りましろ

それじゃ

ちょっとお願いね

職員室に居るから

誰か来たら呼びに

来てちょうだい

はい

わたしなら

大丈夫よ

立ちくらみしたのは

日向にいたせい

なんだし...

適当に

休んだら

教室に戻るわ

そう?

じゃ...ちょっと

となりで着替えて

くるから

なんかあったら

呼んでね

だめだな...

こんな事くらいで

やっぱり

無理なのかな...

一砂どうしてる

かしら

ちゃんと授業

受けてるのかな

半ば強引に

学校に行かせた

けど...これで

良かったのかしら...

徐々に元の環境に

慣れさせた方が

いい

わたしが

いなくなっても

大丈夫なように...

もしかしたら

このまま治るって

いう可能性だって

あるかもしれないし

気分どぉ?

もう

着替え

たの?

あたし運動部

だから着替えるの

早いの

さっきより

だいぶ

顔色がいい

みたい

気分はもう

悪くないわ

ちょっとだるい

だけ

ありがとう

佐崎さん

ううん.....

もうちょっと

居させて

今戻っても

嫌いな物理

だからさ...

そんなこと

ないけど...

わたしはもう

大丈夫だから

戻ってもいいわよ

迷惑

かな?

空気

入れ替え

るね

ねえ...

保健室の

においってさあ

どこも

変わらない

よね

あたし

小学生の時は

保健室の常連

だったんだ

あなたが?

今はもう治ったけど

昔は喘息でさ

学校も休んで

ばっかだったの

中学になる

まではね

運動部に

入ったのも

その反動かも

あたし学校

好きだったから

休みたくなかった

んだ.....

友達とかに

気をつかわれる

のもヤでさ

けっこう無理して

平気なカオしてた

それじゃ

あたし教室

戻るね

佐崎さん......

少し眠った方が

いいと思うよ

そうね......

じゃ...

お休み

え?

......う

授業

終わったら...

迎えに来て

くれる?

うん

一砂もう

出ないと

うん...

え...い...

いいのに弁当

なんて

はい

お弁当

あら...わたし

一人の時も

お弁当作って

たのよ

大変じゃん

学食で

済ますよ

父さんがいた

頃からずっと

だからもう

習慣になってる

のよ

俺たちの

学校生活は

思ったより

順調に

始まった

例の発作も

しばらく落ち

着いているし

だけど

相変わらず

体の方は

良くないみたいで

時々辛そうに

しているけど

水無瀬さんは

学校に行くことを

反対しなかった

千砂も

以前より

明るくなった

感じた

もう一度と

戻れないと

思っていた場所

今まで通りの

学校生活...

だけど

......

薬!

なあ.....

おまえ

このまえ

言ってたよな

うん.....

このまま

“落ち着くかも

しれない”って

そうかも

しれないけど

最初の頃より

良くなってきた

のは事実なんだろ?

でも

あくまで

希望的観測だよ

今なら

わかんない

じゃん

本当に...その

発作が起こる

のか.....

そもそも

何で八重樫さん

だけなの?

最初の発作は

美術室だった

八重樫の腕に

ついてた赤い

絵の具が血みたいに

見えて...

そのせいかも

しれない

血のイメージが

植えつけられたって

ことなのかな...

...

そうかも

しれない...

そうか

あたしは

待ってるしか

ないから...

でも...それじゃ

いつまでたっても

平行線じゃん

まさか

本当に

切り捨てる

気じゃない

だろ?

......?

今は症状が

安定してても

彼女だけは

傷つけたく

ないと強く

思った

何よりも大切

だと思った

八重樫に特別な

感情がある限り

発作の危険

から免れない

彼女を目の当たりに

したらどうなるか

わからない

危険性か

ある限り

彼女と接触は

できないよ

その一方で

千砂の血を

求める自分が

いる

もはや千砂を

姉以上に感じて

いる俺は...

もうすこし

様子を見た方が

いいか.....

......?

自信が無い...

俺にはもう

資格が無い

なんで

何も言わ

ないの?

変だよ

高城くん来てるの

わかってても会いに

行かないし

ずっと待って

たんでしょ

......

もしかして

休み中に何か

あったの?

もう

いいの...

なんか

思いちがい

してたみたい...

高城くん

べつに

あたしの事なんか

好きじゃなかった

みたい...

そ......

そんな

ことないよ

高城くんが

そう言ったの?

でも...

あたしも

よくわからな

かったから...

好きとか

そういうの..

あたしには

何もできない

なんで急に

そんな事言う

のよ?

彼があたしを

避ける限り

あたしから近づく

事はできない

変だよ

へ...変じゃないよ

ずっと考えてたの

休みの間.....

俺に打ち明けて

くれたから

できる限り力に

なってやろうと思う

あたし自身

そう思い

込んでただけ

なのかも...

......?

だから...

もう高城くんとの

事は心配

しないで...

葉.....

もしかして

あんた知って

るの?

え?

ちょっと

最近噂に

なってんの

高城くんが

髪の長いきれいな

女の子とつきあって

るって...

同じ中学の

田中くんも

言ってたけど

他にも何人か

二人でいるとこ

見たって人が

いて...

そのことと

関係あるん

でしょ?

一砂を癒せ

るのは

そうか.....

エミちゃんは

知らないんだ

エミちゃん

その人は...

私だけよ

もう

一砂には

会わないで

忘れて

欲しい

どうしたの

葉?

急に

黙って

葉?

幼い頃に

別れた

姉と弟...

姉弟と

いっても...

気持ちの

上では殆ど

他人

チャ

髙城家戸籍調査報t

戸籍及び住民票全部事項の演説

家は江戸時代越後のお緒にを飲めたい

でもお問題を戻し、第一次大戦後の

いつかの思い出したんようです。7代この記念が

安定権にその忍というさは、

安全的も神が七様

水槽の世話を

......?

受付番号40%

高城家

働戸籍及び住民票

そんな家はない時代が建築の

だが本当には納入する素敵な姿勢し、ほーか

確認したたトインです。ファイルは

ほとんにいたこの女兵隊にその女といった

...そんな事実に早起、安心者も情から

え...では、ことで、記載が市の世話を

なっていた

矢沢家に

ねえその

お弁当自分で

作ってるん

でしょ?

すごーい

上手だねー

あたしなんか

料理したこと

無いのに

そんな.....

あたしだって

たいしたものは

作れないのよ

だってこれ

だし巻き卵って

ゆーヤツでしょ

ムズかしいんだよ

きれいに焼くの

よかったら

どうぞ

おいしそうに

できてるもん

マミったら

いつのまに

高城さんと

仲良くなったの

かな?

ほんとに?

母作も

じゃあ

こっちのタコさん

ウインナーと

トレードしよう

あの人

笑うんだね

それで

どうしたの?

でさー

うちの兄キが

さ...

彼女はよく

自分の事を

しゃべるけど

わたしには

認かない

クスクス

それが

わたしには

楽だった

こんなふうに

とりとめのない

会話を友達と

するのは久しぶりだ

ずっと忘れて

いたけど

こういうのも

悪くない

卵焼き

もらいっ

うめっ

あってめ

最後に

とっといた

好物をっ

9月だって

のにまだ陽射し

強いな

そう

だな

でも...ここ数日

何か久し振りに

太陽見た気が

してるよ

そうか......

まぁ

そんときは

そんとき

このまま

何も無ければ

いいんだけどな

暗くなってても

しょうがねえ

じゃん

そうだな...

最初の頃と

違って軽い

ものなら

ある程度

抑制できる

ようになった

けど

髪の長いコと

つきあって

るんだって

思い過ごし

かも知れない

ても......

あの時...

なんだか

高城くんが

違って見えた

わたしを

遠ざける

理由が

彼の中で

違ったものに

なったとしたら

わたしはもう

待ち続ける

ことすら

できない

水無瀬さん

......

少し痩せた

かい?

久し振り

とにかく

入って

病院で

何度か顔を

合わせてる

のに

一砂はまだ

帰ってないのね

学校は

どうだい?

普通に

やってるわ

まだ仕事が

残ってるんでね

ここまでで

いいよ

え?

どうも

この家の事を

調べている

人間がいるらしい

今日は

話があって

来たんだ

......

もしかして

知ってるの

かい?

風見さん

という方

かしら?

2週間程前に

ここへ来たの

父さんの病院の

看護婦だったと

言っていたわ

用件は?

きのう仕事で

ある大学病院に

行ったんだ

父さんの

自殺の原因を

知りたがっていたわ

わからないと

言ったら

素直に帰った

けど...

彼女が?

そこには

高城先生と

僕の共通の

知り合いの医者が

いてね

一週間程前

彼女が

訪ねて来た

と言うんだ

おそらく

高城医院で

何か見つけ

たんだろう

それで?

あそこには

先生が集めた

資料がある

からね

多分悪い人では

ないだろうが

わからないな...

先生の自殺も

あの病に起因

していることだし...

もし...

病気の事を

知ったらどうする

かしら?

僕はその人が

どういう人なのかは

よく知らないが

先生を信頼して

いて仕事もよく

やっていたようだ

ねえ.....

水無瀬さん...

話は変わるけど...

...いや

聞いた事が

無いな...

どうしたん

だい急に?

母さんの

お墓って

どこにあるか

知ってる?

最近よく

母さんの夢を

見るの...

わたし...

母さんの事で

どうしても

思い出せない

部分があるの...

このまえから

気になってて...

夢もそのせい

かもしれないけど...

怖いの...

なんだか

すごく...怖い

その夢には

いやな続きが

ありそうで

羊のうたい...

〈初出〉

[月刊コミックバーガ一〕1966年1月号より掲載

バーズコミックス

中1月24日第100万年1月31日第5期発行

202003年春と冬日人石川元株式

羊のうたの

このうためのことは...!!!それを見せないのか

1万職温株式会社「安全会社・安全コミックス...

株式会社「各人冬合コミックス・〒51000円」東京都谷区駅ヶ谷駅-6-006(11)12011/31/11月1日(日(火)「陽梨

〒151005-東京都渋谷区千駅電話-036年1月6日(水曜集)発売元

発売元

株式会社幻冬舎

〒2016501東京都渋谷区千郎の谷区であり、家庭に住んでいるのは

「1002」ネットで、電話(25(341)6222(営業)

振替6012018-767643

印刷・製本所

大日本印刷株式会社

@TouneKei.CENTCDSHA.COMCS202

ISBN4.34-80015XC9979-Prinedin.dpan:

検印廃止

万一、落丁乱丁のある場合は送料当社負担でお取替致します。幻冬舎宛にお送り下さい。本書の一部あるいは

全部を無断で複写複製することは、法律で認められた場合を除き、著作権の侵害となります。

定価はカバーに表示してあります。

幻冬舎コミックスホームページhttp//www.comitsharamisnは、

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本作品はフィクションです。実在の人物体・事件などこは関係ありません。

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