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Instructions:
...
これまで
市川春子
AFTERNOONKC-906
あとのお
aninMamlimmの9979006.06
雑誌55730-06
SENg78.4.06-3879063
Cag79¥600E_(0)
講談社・アフタヌー
定価:本体,600円(税別)
遠い未来、僕らは「宝石」になった
粉々になっても再生する不死のかラダを持つ宝石28人と、
彼らを装飾品にしようと襲いかかる月人との果てなき戦い。
強くてもろくて美しい、
宝石たちの新感覚アクション・バトル・ファンタジ
「市川春子
装丁ノ市川春子
SFTERNOONEの
カーディ
...
宝石の国
市川春子
目次
第一話
「フォスフォフィライト
第二話「シンシャ
第三話「ダイヤモンド」
第四話「コクレア
第五話「メタモルフォス
第六話
エクストラクト
よあそひのくに
っと
そうだ
フォス!
いるんだろ!
フォス!
第一話
フォスフォフィライト
先生が
呼んでる
え
なんだろう
あっ
さあな
もしかして
戦争に
連れてって
くれるのかも
ハハッ
優秀な君も
僕の可能性には
焦るとみえる
んなわけ
あるか
可能性って
おまえまだ
仕事して
ないのか
モルガ!
コーシェ
なに
遊んでんの!
南に予兆の黒点
でたよ!
小さい
けど
小さいなら
二人で
追い払おうぜ
ええ〜本気?
先生に
報告いくぞ!
おご
るな!
平気
平気
たまには
先生に楽させて
あげなきゃ
ああみえて
歳だから
さっさと
いけよ
くそー
忙しそうに
しちゃってさ
よし
今日こそ
先生に
刺むんだ
ばっちり!
力オいい!
りりしい!
失礼
します!
ああ
岡先生
および
ですか
うむ
フォスフォフィ
ライト
おまえの
仕事が
やっと
決まったよ
いけそう
だな
うん
えっ
それじゃの
矢先の色...
霧散しない!?
丁度いい
この前捕まった
ヘリオドール
じゃない?
こんなことに
使われて...
こんなことに使われて...
一片
残らず
取り戻す
...
これまでは、
先生
そういえばさきほど
モルガとゴーシェが
予兆の黒点を見たそうですが、
小さいので二人だけ...
でっ
この国の
成り立ちは
暗記して
いるな
えっ
はい!
序文を
述べよ
ええっ
えと
えと
この星は7度
6度
あっ
6度
流星が
訪れ
6度欠けて
6個の月を産み
痩せ衰え
陸が
ひとつの
浜辺しか
なくなった
とき
すべての
生物は
海へ逃げ
貧しい浜辺には
不毛な環境に
適した生物が
現れた
月がまだ
ひとつだった頃
繁栄した生物のうち
逃げ遅れ
海に沈んだ者が
海底に棲まう
微小な生物に食われ
無機物に
生まれ変わり
長い時をかけ
規則的に配列し
結晶となり
再び
打ち
上げ
られた
浜辺に
それ
がっ
よろしい
我々
そして
私たちを
装飾品に
するため
である
月より
無数訪れる
狩人に対し
こちらは
28名
技術ある者
二人一組で
見張る者
戦う者
皆それぞれ
ひとつか
ふたつの
得意な役割を
担い補い合って
いるが
おまえに
背負わせる
ものは
難しく
考えあぐねて
いたのだ
特異な
体質に
加え
医務
服飾繊物
戦略計画
何物をも
通さない
堅牢無比な
不器用の地層
意匠工芸
では
武器製作他
いっそ
戦うとかは...
だと?
戦う
だって
それだけ
一度も
試して
ない
です
それだけは
諦め
なさい
あっ...
やべっ
先生
敬老の
敬老の
青年カ
くる!
下が
れ!
まだ
早いわ
きゃっ
わっ
しまった
その上
硬度は三半
まず誰と擦れても
壊れてしまい
さらに
月人好みの
薄荷色...
おまえは
ひときわ
脆く
その三重苦を
押して戦うなら
大軍だろうと
一撃必殺
私より
強く
ならねばな
ムーリでーす
なんかありますね
うむ
博物誌を
編んでもらう
そこで
おまえには
えー!
こぼれる!
現在を保存し
未来の不意に
備える
じみ
そう
何を
言う
重要かつ
創造的で
知的な仕事だ
でもおー
あーわかったわかんった
観察は戦闘の肝
戦いたいなら
まずその仕事で観察眼を
オレなさい
何もないくせに
先生に口答え
皮膚だけは圧倒だけど
できんの
余ってるな
おまえくらいだ
まったくだ
だが
その正直さが
必要な仕事だ
丸め
こもう
としてますね
余計な
お世話
頼むぞ
手伝おうか
おまえ前に
右足と左足逆に
つけたからいい
それはそれ
博物志は!
どうした!
おまえと
同じだな!
ねえルチハ
覚えて
たか
博物誌なんて
ぜったい
役に立たないし
めんどくさい
ヘリオ
こんなに
なっちゃった
けど
うるさいわね!
ええ
もちろんです
全部
集めれば
元に
戻るよね?
秋たちの中には私たちを
創ったとされる微小生物が
内包物として閉じ込められており、
現在は光を食べ私たちを動かして
くれています
他の生物にはない
すばらしい特性です
彼らは私たちが砕け散っても
ある程度集まりさえすれば
傷口をつなぎ生き返らせるのです
仮死に
すぎない
しかし
この性質のために
私たちは何事も
諦められない
のですけれど...
...たとえ粉になり土に紛れ
海に沈もうとも
はい
はい
よろしい
ですよ
持ち場に
戻るか
あっぶ
ねーな!
直に
触れたら
割れんのは
そっちだぞ!
三半!
聞き
慣れて
おります
七のお方
断られ
ない!
ルチルー
こいつの
心と体の硬度
入れ替えれない?
どうにかして
このしょっぱい
仕事から僕を
逃しなさいよ!
そんなにイヤ?
博物誌
つれてっ
断る
僕が先生に
チクんなかったら
二人とも
今頃月だぞ!
わかってんのか!
今の医療では
ちょっと
始まる前から
やだ!
もっと
かっこいいのが
いい!
そうかなあ
僕らを助けた
すっごい
仕事
じゃない?
僕と
替わる?
ひとのものを
とるほど
軟弱じゃない
とでも
言うと
思った
か!
甘い
わね!
甘いわね!
あ
重いよ!
うお
いい
薬だ
フォス!
閉じた
ばかり
なのに
あっ
開いてない
よかった~~
ほんとに取るとは
思わなかったよ〜
ゴメンね
おや
おい
当たれと
思ったろ
んもー
わかったよ
わりい
仕方ない
なあ
僕の味方は
おまえだけだよ
【第一話フォスフォフィライト〕おわり
第二話
シンシャ
ところで
博物誌とは
なんだろう
とか
思ってん
じゃ...
うっわ
しろっ
えっち!
えー...
モルガ
ナイ
ピンク色の
くせに
粗暴で
悪口か
なんとなく
全力で嫌がって
たんだろ
呆れるな
ちがっ
巨大
構想を
練って
るの!
博物志十牛言
とは
かっこ
高慢
で
キュー
ゴーシェ
さま!
自然のすべてを
記録して分類するもの
た
たとえば!
もう
一声!
うーん
浜辺の虫とか
植物とか
全部って
こと?
役に立つ物は
もうよく
知ってるから
って
聞いたよ
まだ
まだ!
もっと
こい!
知らない
もの?
僕ら
あんまり
詳しくないんだ
ごめんね
空ばかり
見てる
見張り組ま
から...
シンシャなら
わかるかも
シンシャって
あの
シンシャ...
訊いてみたら?
訊ける
わけ
ない
でしょ!
近寄れも
しないよ!
話した
ことも
ないよ!
でも彼
詳しいんじゃない
かなあ
がんばって
ま
大発見
しろよ
学者先生
学者
先生
よし
あー
他の意見も
柔軟に
取り入れるぞ
ないなー
シンシャかー
ないなー
シンシャに訊く
くらいなら先生に
半日説教コースだなー
かといって
ひとりじゃ
まったく
わからんしなー
でも
大発見は
したい
学者先生は
え?
新しいもの?
あ!フォスいいとこに!
おまえ!聞いたぞ
博物誌って...
今年は
麻が少ないんだから
糊や白粉の原料ならわかりますが、
誰も使ってないものですか...
夜の見回りのシンシャなら、
詳しいかもしれませんね
使ってる物しか知らないよぉ
それより見張り行く前に
この椅子直しちゃいたいから
モデルしてって!
ちょっとそっち
押さえててくんない?
最近皆の服傷むの早くてさー
強度増した新作なの!
紙ムダにするなよ!
不器用でも
使う分くらい手伝え!
ああ
ただいま
はーい
ほんとは
ルチルの方が
詳しいんじゃ
ないの?
だーかーらー
その口...
緊急オペで
閉じましょう
てかシンシャが
くまなく浜辺
歩いてんのは
知ってるけどさー
どうせ夜だろ?
見えてんの?
たしかに
忙しいから
うそついてない?
奇跡の手!
でたー!
僕ら
夜はぜんぜん
タメじゃん
光を栄養とする
私たちにとって
夜は活動か鈍り
大変危険ですが
シンシャだけは
彼から
無尽蔵に出る
銀色の事故で
夜のかすかな
光を集め
一晩中歩き
警戒ができます
でも
夜に月人が
訪れたことは
一度もありません
えっ
万に一つ
ご存知
でしょうが
じゃあ
夜の見回りなんて
しなくてよくない?
いみなくない?
削り
捨てるしか
ありません
それが
彼の仕事です
会いに
行くなら
お気をつけ
なさい
彼の事に
触れてしまうと
その部分は
光が通らなくなり
君!
僕の偉大な発見を
手伝いたまえ!
そんな
ムダな仕事
やめて!
先生のお手伝いを
ええ!?
させていただける
んですか!?
.....と
どうにか
あのシンシャを
手懐けて
部下に
する
ベニト
くん!
君
シンシャと
部屋
隣だった
そしてすばやく
博物誌の仕事を
終わらせ
かつ大発見をし
シンシャに
用事か?
たぶん
いないぜ
皆に賞賛され
きっと
戦闘センスも
すごいとなる
え?
これよ
昼
なのに?
これだわ!
昼...
っていうか
ずっと
ああ
案内した
なんなのそれ
は?
あいつ
芸泌制御
できないこと
あるだろ?
ベニトなんか
デリカシーないこと
言ったんじゃない?
僕の部下に
自分でも
嫌になったのか
しばらく
戻ってないぜ
でも
正直に言うと
言うかよ!
おまえじゃ
あるまいし!
あいつの君は
呼吸と同じだし
あいつが迷惑
かけないように
してるのも
わかってる
隣にいるだけで
落ち着かないよ
いるだけで
生まれてから
役立たずの僕の上を
いくとは
やるじゃない...
やるじゃない...!
迷惑
いみ
わかんない
期待も
心配も
されず
褒められも
しない
仕事
なんて
やめ
ちゃえば
いいんだ
あーあ
シンシャ
この岬に
いなかった
みつかん
ないなー
あとは
もー
海か
こんな
誰彼時に
出るなんて
ンシャ
と思ったら
おまえか!
三半!
くそっ
ああ
俺が
息を
するだけで
どうして
これ以上
土も草も
死んで
いくのに
汚したくない
見られたくない
こんな
恥ずかしい
戦いたくない
戦いた
ンシャ!
のに
いか
このまま
余計な
ことを
俺は
2人の中で
最低の
硬度二だ
フォス!?
おまえ
何やったん
だよ...
わたくしのことが
はい
汚れた箇所は
全て
削りました
わかりますか?
ヤブ...
おや根深いですね
ざっくり
いっちゃい
ますか
名医!
これは
もう
どうし
ようも
ないので
削るの
はじめて
何か
まだよくわかんないけど
今日のことは
忘れないよ
思い出せないことは?
のに
そうでしょう
フォス
戦いたくない
って言ってた
助けてくれた
彼は聡明ですしかしあの一帯の
大気は淀み水や草や生物は
しばらく使えません
フォス
本当はね
本当はね
非常な才気と
戦闘力を
持ちながら
何もかも
ダメに
してしまう
彼を
私たちは
持て余し
夜に
閉じ込めて
いるのです
過酷で役立つ仕事は
自分の存在に
疑問を抱かないための
よく効く麻酔です
それとも
あなたが彼の使い道を
見つけてください
ますか?
プラ見したい
のでしょう?
む......ムリに
決まってんじゃん!
先生やルチルが
考えてもそれしか
ないんでしょ..
それしか
ないの?
解決を先延ばしに
してる間に
死ぬこともできない
私たちは
代案が見つかるまで
而えるしか
ありません
ところで
シンシャは昼を
どこで過ごしてました?
んーあの
北の崖にいたら
突然でてきたよ
虚の岬は
リオドールも
連れ去られた
虚の岬
ですか...
そうそう
すごい
タイミングで
最も危険な
場所です
あそこに
ずっといるとは
考えられ
ませんか...
うーん
わからん
懲りて
ないのか
仕事!
仕方
ない
だろ!
そっちこそなんでまたここにいんだよ!
そっちこそ
なんでまた
ヘリオも
ここに
いんだよ!
攫われた危険な場所
なんだろ!
そうだ
俺は
ここで
攫われるのを
待っている
月でなら
俺に価値を
付けてくれる
かもしれない
ずっと
待って
いるが
こない
だが昨日
おまえが
現れた途端
ああだ
おまえは
いいな
敵にすら
愛されて
南の浜で
2種
双の浜で3種
間の原で1種
大発見かどうかしらんが
今朝ルチルカ
治療に来た
俺への用は
これで済んだろ
白の丘で1種
名前もない役に立たない
植物をみたことがある
もう邪魔
するなよ
手伝って
ほしいんだ
よ
よし
じゃあ
断る
僕が
夜の
見回りより
ずっと楽しくて
君にしか
できない仕事を
必ず
見つけて
みせるから!
月に
行くなんて
言うなよ!
なあ!
おい...
あれま
シンシャの一件で
怖くなったか?
おまえ
らしくもない
白どころか
なくなってるぞ
大丈夫?
あー
ちがうちかう
もはや
あんな
小さな紙に
僕の考えは
収まらぬわ
なんだよ...どんなだよ..
しいとか
君しかできないとか
ああ
変わって
ねーな
ばーか
ばーか
でも絶対
あいつが
いなく
なるのは
やだ
騒がしくて
寝てられん...
と思ったら
忘れていったのか
どこまで能天気なんだ
知るか
汚い字
図もひどいな
内容は
夜から
出たい
無理だ
信じて
ない
くそっ
こんなもの
〔第二話シンシャJ.おわり
第三話
ダイヤモンド
くらげの
観察か?
博物誌
がんばってるな
なんてなー!
みりゃわかんだろ
途方に暮れてんだよ!!
なっ
ばかっ
危ない!
アイデア
待ってます
なんのだ
水に映る
僕も
かわいい
と思って
それは
言えない
やべー
なんも思い
つかねーよ!
ジュード議長
さんよー!
それじゃ
わからんだろ
おかしくなりそう
ああ〜も〜考えすぎで
こんなことなら
見つけてみせるとか
言わなきゃよかった
...ファッシュ
先日の件ですが
どうにか
白紙に戻して
頂けません
でしょうか
だから
それじゃ
あーもー
これ以上
考えたら嫌いに
なっちゃうよー
発見への
道は
先生
継続だ
少し本堂にいる
何か
あったら
すぐ
知らせるように
はい!
くれぐれも
無茶は
しない
ように
へへー
先生
昼寝っすか?
瞑想と
言い方さい
よいな
ーい
さ
仕事に
戻れ
うー
ああようするに
アイデアが
でなくて
唸ってる
のだな
うーん...
最近なにか
きっ
ルチル...!?
なんの
つもりだ...?
百年に一度の
朝性再調査を行っています
硬さを示す硬度は触れればわかりますが
割れにくさを示す靭性は
結晶構造や雰囲など要素が複雑で
慎重に体系化しておりまして
断りくらい入れろ!
ご協力を
衝撃テスト
です
ふーん
ジュードには
高基準値として
やはり一級ですね
けらわよ
ああ失礼
X鉱物が特定のう
やはり一級ですね
さすが堅牢のジュード!
音が違う!
ヤブ医者め...
あなたは
けっこうです
だんとつ
最下位なので
なんなんだ...
くそっ
ああそうだ思い出した
アイデア
といえば
最近
ダイヤモンドが
新しい戦い方を
していたァ
よく
あんなこと
思いつくものだ
おお!
叩けば
出てくる
もんだな!
それで
思い出した
わけではない!
やっぱ
そこそこの
ジュードより
ダイヤだよね!
訊く相手間違えてたサンキュー!
訊く相手
間違えてた
サンキュー!
言っておくが
私は壊れにくるでは
2番目だぞ!
でもやっぱ
耐久性より
攻撃力高い方が
かっこいいしさ!
とに
かく!
ダイヤ組は
昼の見回り中だ
邪魔するなよ
きゃっ
あーん
なによお
フォスぅ
フォス?
何のアイデア?
危ないでしょ?
存在が
まぶしい
アイデアが
でなくて苦しくて
砕けそうなのです
どうか
示唆を
お与え
ください
とにかく
それは
アイデアの出し方
こえない
出せや
あらまあ
むすかしい
いつもやらないことをしてみると
いつもやらない
ことをしてみると、
いいんじゃない?
いいんじゃない?
変わりたい
常々
とは
思っております
すっごく変わって
みるのはどう?
うん
あ...
でも
何年
そうそう
ブラブラ
無理だから
したと
お手軽な方法
思って
訊いてん
んだよー
じゃんかよー
何年ブラブラしたと思ってんだよー
硬度十は
やっぱなー
上から
上から
だわー
ね
もう全然
話になんない
ダメだ
この神様は
おねがい♡
ありがと
ところで
ダメなの
ごめんね
ほら今もフォスを
怒らせちゃったし
タメな所
たくさんあるの
許して
仕方ねえ
今回だけ
だぞ
ボルツ
見なかった?
あそういや
ひとり珍しいじゃん
どっか
いっちゃったの?
ふふ
まーた
そんなこと言って
甘やかして!
同じダイヤ属で
んなわけあるかい!
まったく勝手な
やつだな!
僕カオルツに
ついていけない
だけよ
僕が言って
やろうか?
ガツンと
そうねえ
それは
やりすぎ
では
えっ
なにして
す
すっげー!
さっすが
ダイヤモンド!
はね返すなんて!
ううん
まだよ
それでも、
いや、あれが...
や、やっぱ、あんっ、
あと
ちょっと
ダイヤ...?
なに
音
うん
大丈夫よ
何も心配
いつもの
やり方が
壊れてるだけ
いらないわ
逃げて!
ボルツ!
いつも
すごい
でしょ?
最近ますます
強くて
僕なんか
こうなの
戦わせて
もらえ
ないの
僕らダイヤモンド属は
最も硬い硬度十
でも
タフさを示す
靱性は二級
硬くても衝撃で
割れやすい方向が
あるから脆いの
でも
ポルツは特別
単一結晶の僕とは違って
ボルツは微細な結晶が
集合した多結晶体
弱点の角度に衝撃がきても
身体全体に影響が及ばないから
靱性もただ一人の特級
最も
硬くて堅い
最高の性質よ
変わりたいのは僕
あんな風に
なりたいの
ボルツ
みたいに!?
やたやた!
いくら強くても
あんなおっかないの...!
優しいダイヤの方
力いいよ!
でもね
強くなければ
ダイヤモンド
ではない
だから
ボルツだけが
本物の
ダイヤモンドよ
そう
だから
でも
たまに
たまに
ほんの
一瞬
ボルツさえ
いなければ
なんてね
えっ...
思っちゃうの
とても
愛してるのに
ダメね
いても
なんで...
フォスにも
わかるの?
やっ
いなくても
苦しい...
じゃあ
この気持ちに
名前を
つけて
え?
名前がわかれば少し安心でしょ?
名前が
わかれば
だって
少し安心
博物誌は
でしょ?
あらゆるものを
だって博物誌はあらゆるものを
分類する
って...
だ
だめっ
あっ...
ごめんねフォス
危ない目に
ごめんね
フォス
通わせて...
さっきの音...
うまくいくと
思ったんだけど
おまえ
は!
どっかいったと思ったら
またあの
妙な戦い方
おまえには
試してたのか...!
負担が大きい
無理な芸当だと
言ったはずだ!
何を
考えている!
だって
ボルツに
いつも
守られてる
だけなんて
やっぱり
変だよ
僕だって
何の
ダイヤモンド
役にも
なのに
立って
ないなら
いても
いなくても
同じでしょ...?
くだらん
ことを
ボルツ
きさま!
ダイヤいじめてんじゃないよ
あ!
ガツーン
あのね
たまたまフォスとここで会って
相談に乗ってたの!
なんのかは言えないけど
いいアイデアの出し方が
わからなくて
困ってるんだって...
ボルツなら
うそっ
助けてあげられる?
ああ
気まぐれで
一度くらい
助けても
きりかない
悩みごと
粉にしてやる
あっ
えっ
無視した...
クズも
ダイヤに
いるのに...
なにかしら
...?
後光にしては
大きいわ
でも学校の
真上だものね
きっと
もう先生カ
見つけて..
あっ
先生
昼寝中...
それは
あれ
え!
なに!
まずい...!
いや、そんなことなんですか
それでも
〔第三話ダイヤモンド〕おわり
第四話
コクー
やれやれ
フォスには
困ったもんだ
先生から授かった
画板すらもう持って
いなかった
先生を
起こす
のは
あの..
せんせい
せんせい
思わずダイヤのことを
言ってしまったが
また余計なことを
してないだろうか
せめて先生がお休みの間は
大人しくしてくれるとね
ああ...ユークレース
おまえだから言うが
ままあ
そう心配しないで
月人と
戦うより
大変だ
いくらフォスでも
そう毎日毎日
ジュード!
ユーク!
ヒ!
いつの間に!
でも
ああ
ポルツが
きたのか
ジュード!
ならもう
やることはないな
フォス
すまない...
また
おまえかー
僕の
せいでは!
ななな
なに
ごめん!
でも
下がってろ
僕にも
できること
が.....
うん
わかってる
邪魔するなと
言ったろ!
それで?
ダイヤに訊いたのか?
博物誌は
進んでるのか?
あの二人は
ややこしい
んだ
学者さん!
いいところに
なにかな
これ
調べて
くださいな
あっ
僕忙しいん
だった
月人が霧散しても
残ったってことは
きっと月の物じゃ
ないのよ!
大発見かもよ!
終わったら
教えてね
よーし
その
可能性
ユークに
あげちゃう
そんなぁ
畏れ多い
レースに
あげ
ちゃう
私には
重荷
ですぅ
いいか地道に
真面目にやるんだぞ
ほんと!
えっ
そんなことしてるヒマ
ないんだって!
まじで言ってんの?
僕には
可及的速やかな
問題が
!25
熱い
動けない
そぉ
折れ
違う
融け
融けてる
ジュード!
ジュード!
足が
足が
誰か
助けて
あっ!
僕が
呼んでる
んだ
おいクズ!
どこにいる!
返事くらい
しろ!
ボルツが
ばかな
融けた
こんなの
はじめて
ぼくらって
熱か?
酸か?
僕らを融かして
月へ持ち帰る
新兵器か
よりによって
捕まったのが
あの
ひよわバカ
とは...
融けても
元に戻ることが
できるのかしら...?
おいクズ!
中はどうなってる!
幸運を待つだけなら
そのまま
消える方が
幸せだ
だめ
ぼくが
ないと
シンシャ
まあ
たすけて
ずっと
あのま
ちっ
まったく
あそこ!
反応なしか
手間の
かかる
ボルツ!
ほら!
フォスが
何か
見つけたん
じゃない?
[第四話コクレア〕おわり
第五話
メタモルフォス
フォス!?
そこにいるの?
下がってろ!
でも
なに!?
なんだ
あっけない
しょせん
ナメクジの
類か
余裕があれば
すぐわかった
ものを......!
あのハカか
真っ先に
捕まったせいで
ムダに
消耗した!
ででも
フォスのおかげで
急所がわかったわ
誰が
ほめるか!
潮水で
縮むとは
ちょっと
ほめて
あげてね...
戻ったら
粉にしてやる
ジュード!
ユークレース!
クズのクス
さっさと
回収するぞ!
いたか?
いや...
だめ
中は
空っぽ...
中は空っぽ...
いた?
一片も
ない
そんな...
どこまで
手間のかかる
やつだ
だめだ
めっ
窓を叩ける
くらいなら
ある程度の姿で
残ってるはずだが
もうそいつの中に
いるわけもないしね...
うん...
フォス
どこ
いっちゃった
んだろ...
...フォス...
...
フォス?
急患!
イ!
さっき誰か
はしゃいで池に
落ちたでしょ?
どうせフォス
でしょうけど
ルチルなら
なんとかしてくれるわ
さすが
ダイヤモンド属
冗談も
尖ってますね
ほんとよ!
もう大丈夫よ
フォス!
しっかり!
月人が落とした
だがこれしか
巨大カタッムリに残ってないのだ
フォスが
殻は
確かに吸われた
空だった
カラだけに?
あなたの冗談は
心底つまらな
状況説明!
とりあえず
バラし
ますか
確かに
ぶよぶよで
心もとないですが...
まあこれが
フォスなら
なんとかなる
でしょ
動物ってバラバラにしたら
戻らないでしょ?
まって!
でも
あとルチルが
尋常じゃなく怖いわ
動物は砕けると腐るからな...
環境適応のために代替わりし
古い物からなくなるように
できていると先生が仰っていた
下等なやつらだ
そんなものに
成り下がったのか
不便
ねえ
どうしよう
先生がお目覚めになる前に
なんとかしたいとこですね
ともかく
月に
連れ去られて
ないならいい
僕らの仕事は
ここまでだ
ダイヤ
腕を治したら
戻れ
あ...
フォスに
気を調べろと
言った私達にも
責任がある
だが
解決策がない
以上いったん
医者に
預けよう
そうだ
はい
フォスが落として
書類に隠れてたの
せめて
ダイヤの腕だけはと
おもったのかも
あ...
もしかしたら
キュ
大丈夫よ
僕が絶対に
戻してあげる
からね
あと...ね
こんな姿になったのは
もしかして
僕がすっごく変わって
みるのはどう?
なんてアドバイスしたのも
ちょっと関係あったり...
する...のかしら?
こくり...
とにかく
みんなに
訊いてみましょう
あーん
やっぱり
そうよね
まじ?
まじなの
よろ
まこのままで
いんじゃね?
まあ
ダイヤが
冗談
言わない
か...
きもいけど
大人しいし
きもいけど
迷惑かけねーだろ
きもいけど
でもやっぱり
戻して
あげなきゃ
そう
落ち込まないで
フォスは
元気じゃない
えー!
そっかあ...
フォスなんにも
できなく
なっちゃったね...
元に戻す方法かあ...
そんなことってあるの!?
うん...
元々
何もして
なかったぞ
おー!フォス!
思い切ったなー!
やるう
存在感
としては
大して
変わらない気も
しますか...
って
いうか
むしろ
これなら
月人にさらわれ
ないんじゃない?
うん
僕も今
それ
思った
あ
前よりいいかんじ♡
フォス
人望ないの
ねえ...
ふたんから
みんなと
仲良くして
ないと
ねえ
ねえ
いざというとき
助けて
もらえないよ?
だめよ!
草なんか食べちゃ
野蛮よ!
中が汚れちゃう!
きいてる?
フォス?
あ!
ぜんぶ
よけいな
ことかしら
そのくらいまったく
変わってしまえば
誰にどう見られてたり
気にしないで
誰と比べたりもせず
嫉妬したり見栄をはったり
しなくて済むのかしら
幸せ?
でも
まだ
いかないで
もうすこし
訊いて回りましょう
きっと
フォスのこと
必要としてるひと
いると思うの
〔第五話メタモルフォス〕おわり
ああ...
第六話
エクストラクト
仕事...
何周
見回りを
しても
夜につきじん
月人は
来ない
俺が
必要とされる
ことなど
ないのに
なんで
あんなやつに
話したんだろう
何も
起こる
わけない
期待なんて
ん...
...ダイヤモンド
あら?
シンシャ?
なぜ
いる!
あっ
眩しいんだ
おまえは〜
ごめんなさい
あなたの
仕事
邪魔する
つもりは...
まぎら
わしい!
暗くて
寝ちゃったんだわ...
さっさと
戻れ!
うん
あっ
フォスがいない!
フォス!
フォス!
どこ
いった
の!
あれ?
どうしよう困ったわ:
いやだ!
断る
あーん
先読み
しちゃいや
僕とは
同じ年生まれの
よしみでしょ!
一緒に捜して!
あいつには
二度と係わり
たくない!
フォス!
いた〜
よかった〜も〜だめよ〜
こっちこつち
自分で動いてちょうだい
自分で動いて
ちょうだい
ほらシンシャよ
俺は行くからな
わかる?
それがね
フォスなの
フォスフォフィ
ライト
おまえの
ペットか?
全部趣味
悪いな
あの戦闘狂
といい
ダイヤ属は
何考えてる
のか
わからん
この前
あなたが
助けた
あの子よ
説明を...
訊きたくない...
つまり
月人の
連れてきた
巨大
カタツムリに
食われて
あいつは
これに
なったと
うん
ほんとに...
そんなことが
あると思うか?
えっ
......食われる前
カタツムリの殻を
傷つけなかったか?
月人が乱暴に落としたし
ボルツが踏んづけて
穴が開いたりした
けど.....?
運がなかったな
なんとなく
訊いただけだ
ちょっと
じゃ
俺は戻す方法を
しってる!
勝手にきめるな!
でしょ!
何も
言ってない!
みんなフォスは
このままで
いいって言うの
シンシャも
そうなの?
いや
いっそ
あんなやつ
いない方がいい
わずらわしい
めんどくさい
気まぐれで
稚拙な思いつき
しか持ってない
愚鈍で
何もできないくせに
騒々しく
まとわりつき
こちらの
迷惑も構わず
自分の思いを
押し付けてくる
大嫌い
...シンシン
フォスに
告白でも
されたの?
なんで
そうなる!
おまえの
そういう
恋愛偏重主義
昔から
大嫌いなんだ!
好きなの?
趣味
見しそれえ
おまえ
もか!
大体
おまえ
何者だ!
だって
そういう風に
しか聞こえない
んだもの
あとあなた
ここ百年で
一番喋ったわよ
え?
こいつは
ただの謎の
カタツムリだ
殻持ちの
類は
石を食べ
見ろ
あんなうるさくて
気の利かない
間抜け
ずっと黙って
いればいい
殻を
修復したり
強化する習性
がある
この辺りの殻持ちは
浜辺の白い砂を
食べるから白い
空ばかり見てる
おまえは知らんだろうが
崖にいるものは崖の赤だ
水の底で
永遠に殻の傷を
塞いで
薄荷色の
模様でいれば
いい
フォスが
殻の一部に
なってるって
ことよね!?
それって
あの子の色の所を
集めれば...!
そうよ
僕たちは
不死身
なんだから!
ほら〜!
やっぱり
知ってるん
じゃない!
あんなやつ!
やめろ!
助けても
意味なかった!
何度甦っても
無能で
役立たずの
期待はずれだ!
ただ
もう少し
待ってやってもいい
うそつきと
いうのだけは
どこに行ってた!
こんな遅くまで
わかった
の!
戻せそうなの!
は?
お
おい!
みんなを
集めなきゃ
みんな
手伝って!
夜だが根性だせ!
せーの!
うわー
べっとり
っっとりがっちりだ
こりゃ
かかるぞ
灯り
もっと
色の
違う所は
これで
全部
あっ
きさまが
おやめなさい!
治したばかり!
今よ!
さん
はい!
ごめんなさい
フォスより
賢い!
フォスより
かわいい!
そうだね
元気だな
うるせー!
そんなんで
済ませられるか!
くそっ
おまえ
なんか〜
先生に
やつざかれて
しまえ〜
あ?
いいわけ
ないでしょ!
だからって
目の前のもの
食べていいってこと
ないだろ!
だめー
そんなの
言い訳に
なりませんー
うれしくない!
だから
フォス
誰と話してるの?
え?
〔第六話エクストラクト〕おわり
どんっ
...
くだらん
あーっ
のーっ
ボルツか...
オルツか...
だがしかし
ねぼけている
百年に一度の好機
やるなら今しか
また
勝っちゃった
クッ...
チームふとまゆ
め.....
完勝ー
ふん
計算が得意な
ユーク書記がいるのはずるい!
メンバー
チェンジを
まする!
そうだ
そうだ!
タメタメ!
もっと
運がなさそうな
やつにしろ!
そうだ
そうだ!
消灯過ぎるぞ!
まあまあ
フォス
おそいねえ
これは
勝てる
これは
勝てる
なんだおまえら
分かんやー
きたっ
イエローか?
ネブちーか?
さすが
こっちも
助っ人を
呼ぼう
おし
起きてて
使えそうなやつ
みつくろってくるわ
なんせ
終わったら
寝なさい
はーい
「宝石の国」第1巻は『アフタヌーン「12年12月号から
・13年5月号に掲載された作品を収録しました。
編集部では、この作品に対する皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
また、「アフタヌーンKC」にまとめてほしい作品がありましたら、編集部までお知らせください。
〈あて先〉
〒12-801東京都文京区音羽2ー12-21講談社
アフタヌーン編集部「アフタヌーンKCJ係
なお、お送りいただいたお手紙おハガキは、ご記入いただいた個人情報を含めて
著者にお渡しすることがありますので、あらかじめご了解のうえ、お送りください。
★この作品はフィクションです。実在の人物、国体名等とは関係ありません。
アフタヌーンKC-90G
宝石の国1
2013年7月3日-第1開発行〈定価はカバーに表示してあります〉
!!
...
発行者
発行所
ヒロ様別所
本文製版所
製本所
...
市川春子
こうしていました。teblikamazil.
清水保雅
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【日目N976-446-387906: