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Instructions:
2018年00月16日
pokistsuter.
BAMBOOCOMCC
スレットは、
へと
お風呂に入ったのは、
出
エユタカ
TAKES
田田ユタカ
97848124646で
C9979Y562E
ISBN4-8124-6467-6
雑誌57610-90
定価本体562円+税
1929年11月18日、19:999779005627
ボクの恋した愛しの「かなは
もうこの世にはいない...
ずっと昔の夏の日に
死んでしまった女の子。
田中ユタカが描く
幸福でせつない
ファンタジック・ラブラブコメディ
BAMBOOCOMICS
DOKISELECT
そういうことで、これからは、
そういえばいいんですよ。
YatakaTanake
BAMBOOCOMIC
DOKISELEOE
鬼窪浩久
鬼窪浩久
鬼窪浩久
鬼窪浩久
鬼窪浩久
それでも、
SISTER
恋するトライアングル【全3巻】鬼窪浩久
神サマのいない天国
夢みる機械人形
お手伝いしますワ〉【全2捲】
ルーキーは眠らない(全2巻)
さよなら道化者
CHHA.YA(ちはや)
初夜、ヴァージンナイトの
愛しのかな〜
何か変だ!?
WhatsTheJUSTICE!?
星祭りの夜
チューボーでOHU♡
体はってますぅ。
おいしい?ルームメート
時間外勤務お姉さん
SPORTSHUGH!
寄性獣医・鈴音・
秘書課ドロップの
ナース・パラダイス
いつもより甘い夜
ADパラダイス
このてのひら
鬼窪浩久
いつの間中ユタカ
倉上淳士
ユタカU-KU-RU-k刹奈
THE-SELI
てぃるよし
輝褌輝輝輝
春春春香春
山田こうすけ
こうのゆきよ
萩尾ノブト
九部玖凛
「生きてくれ
絶賛シ行う
デジタル
約yLovelyGhost
KAMA
YutaKaTanaka
cormasonようにより
...comle:
DOKISELECP
PRESENTEDEY
うわああぁぁぁっ、ごめんねーーーっ
WKANA
MyLovebyChost
MyLovebonKANA
おかない
「AKはSHIORO
...
カタコ
MyLonebyChost.
それでも、
PRESENTEDE
YutakaTanaKa
onsumo大吉とかな
@@NapNo&
Cossumeの春に暮らしをはじめれば
085.10年の夢と雨
明日、夕陽のかな
39時間の緑の日々
59.Webのエロエ口なふたり窓のAは潮
この夏の出来事
ちょっと星々たちの下で、
透明。あとがき
初出:TokuリJ205年2月号〜2006年4月号
掲載されている物語は1枚目は責任しはフィクションです。
実在の人物・団体・事件とは、【切関係ありません。
日載されている作品は犯罪を事件とは一般的に教助するものではありません。
まねものとはめりません。まねをしないでください。
彼女が発見
されたのは
6日目の午後
だった
そのころは
まだ残っていた
近隣の住人が
異臭に耐えかねて
通報したのだ
やがて
警察の
立ち会いのもと
大家によって
部屋のドアが
開けられた
あッ
うッ
予期していた通り
彼女の身体は
すでにかなり
腐敗していた...
彼女の自殺は
地方新聞の
隅っこの小さな
小さな記事に
なっただけ
だった...
そして
あっという間に
忘れさられた
まぎれこんだ
虫たちにも
大分食べられて
しまっていた
彼女が
生きていたことも
みんな
忘れさられた
『「大吉とかな
幽霊
ですかぁ?
.....
そう
出るんだよ!!
ホント
ですかぁ?
店長
ホント
ホント
これはマシ!!
あそこに
廃墟みたいな
人のいない
古いアパートが
あるだろ
あそこッ!!
出るんだよ!!
幽霊が!!
昔
そのアパートの
部屋で
自殺した女の
幽霊!!
これが
すごい恐ろしい
悪霊でな
全身
血まみれでな
もう
恨みと憎しみの
塊って感じの
すさまじい形相
してるんだって
だから
その部屋だけは
絶対に借り手が
居着かない
10年以上
ずーっと
ずーっと
空き家だったんだ
あ
ども
えー
2892円に
なります
その姿を見ただけで
あまりの恐怖に
気がふれた者まで
いるって話だ
で
ところが
だ!!
今日
あのアパートに
引っ越してきた
やつが
いるんだよ
あの...
ここからが
肝心なんだ
しかも
もろ
その幽霊の出る
部屋にだってよ!!
ちゃ...
タチの悪い
不動産屋かなにかに
だまされたんだろうな
きっと
うわー
かわいそー
でも
ちょっと
バカ
...
クックン
その
バカって...
ボクのこと
じゃないか
ボクの名前は
天野大吉
だがこの
ラッキーそうな
名前とは裏腹に
ボクは現在
アンラッキー
極みにいる
詳しいことは
はぶくが
〈言いたくない〉
仕事と住む所を
いっぺんに
失くしてしまったのだ
ボクは
途方にくれた
そして
ホームレスになる
直前になんとか
ありついたのが...
幽霊の出る
アパート:か...
そうか
もう
春なんだな...
しかし...
現在のオレには
まるで世界から
切り離されて
時が止まってしまった
ような...
幽霊が出るなんて
噂のたつ
そこんな場所が
お似合い?
なのかもしれないな...
しかしだ...
おかえりー
やっぱり
いた...
本当に
幽霊が出る
となると
話は別だ...
わー
ーっ♡
帰ってくれば
消えているだろうと
期待していた
おつかい
ごくろう
ありがとー
ボクは少々
疲れて変な幻を
見てしまったんだ!!
外に出て
頭を冷やせば
そんな幻
消えて...
あああ
ビール
ビール
ビール
何年
ぶり
かしら
消えてない...
きゃあ♡
いる...よな...
おぶ
おぶ、おぷ
くあ~~ッ
五臓六腑に
しみわたる〜♡
コンビニで
聞いたんだが..
おまえ
幽霊なのか...
んッ
おまえは
昔-この部屋で
死んだ女の
幽霊なのか?
うん
多分そう
浮いてやがるし...
ふむよ...
近所じゃ
ちょっとした
有名人みたい
でも噂は尾ヒレついて
ウソばっかりだから
信じないでね
悪霊なんかじゃ
ないんだから
大吉くん
だっけ
あなたが
引っ越してきて
くれてよかった
あたし
このアパートの
敷地から外へは
出られない
みたいで
困ってたの
なんてことだ:
ん~じゅるりゅる
ビールも
お酒も
買いに
いけなくって
どこの世界に
引っ越し先の
幽霊に
ビールのおつかいを
させられるやつが
いるのだ!!
マヌケすぎる!!
いや
いない!!
きっ
いないとも!!
どんなに
恋こがれた
ことか
こんなもの
いない!!
感激
く〜〜〜
泣ける味
大吉くんも
どう?
うひッ!!
あ
あ
だめなの
生きてる人は
すり抜けちゃう
みたい
彼女が
この世の者でないと
思い知らされた...
なじくずし的に
酒盛りに
なってしまった
ボクは
酒とつまみの
追加に
コンビニまで
2往復することに
なった
こっち
おいでよ
大吉くん
このアパート
おんぼろだけど
中庭の桜だけは
見事なのよ
今年も
きれいに
咲いて
くれました
フン
なけなしの
ヒトのカネで
好きに
呑みやがって...
ゴチに
なりまーす
お供えとか
してくれる人
いなかったから
ボクは少しだけ
酔ったらしかった
幽霊は
上機嫌だった
幽霊は
「かな」という
らしかった
どういう字を
書くかとか
上の名前は
なんだったとかは
おぼえていない
ということだった...
かなは
この部屋で
死んだの?
自殺って
聞いたけど
なんで
そんなこと
したんだ...?
うん...
.....
なんでだろ?
それが
おぼえてないの
思い出せない...
たしか
夏の日の
夕方だった
「夜に死ぬのは
いやだって
思ったの」
それだけは
いやだって
だから
まだ日が
なくなる前にね
ふいに
強烈にね...
ひと突き?
自分で
包丁で
胸を...
それが
キラキラ
キラキラって
なって...
ううん
何度も
最後に
目の前に
血がプシューって
その時
この窓から
信じられないくらい
大きな夕陽が
ドカー
入ってきて
ーッと
......
きれいだった...
それにしても
荷物もなんにも
ないのね
たのんだ
運送屋が
インチキ
だったみたいなんだ
それは
ご愁傷
さま
スカンビンだ...
それが
あたしが
おぼえている
最後の風景
...
夜ってさ...
うん...
こんなに
深いもん
だったんだなあ:
電気も
TVもないと
耐えられないくらい
深いものだったんだ
なあ.....
.....
水の底に
沈んでいるみたいな
気分だ...
白状するけど
ボク...
ホントは
今夜あたり
気分次第じゃ...
...かなと同じこと
するつもり
だったのかもしれないんだ...
だー
あ
生きてなさい
苦しくても
悲しくても
急に
ハハハ
うわー
説得力ねー
幽霊が
言うんだから
間違いないんじゃない
勝手に
死んだりしちゃ
だー
経験者の
意見は
素直に
聞くべし
メ
わかった?
ハハハ
笑えた
!
お前には
言われたく
ないよ
ありがと
うん...
今晩一晩は
生きていられ
そうだ
よろしい
かな
死ぬ時って
痛かった?
うん
痛かった...
でも
傷あととかって
ないんだね...
え...?
触れてる
うそ...
彼女の
乳房が
手の中で
んわり
揺れた
トクン...と
鼓動を打ったのを
たしかに感じた
えっと...
......
コラ
エッチぃ
ノーブラ?
幽霊が
すごく
あったかく
笑った
ボクは
なぜか
泣きそうに
なってしまった
その夜
ボクは
もう死んでしまった
女の子に
恋をした.....
ね...
大丈夫
かな...??
昔から
幽霊と
Hしちゃうと
大変なことに
なるって
きまってるじゃない
とり殺されるとか
生命を
吸い取られちゃう
とかって
大吉くん
怖くないの?
かまわないさ...
この部屋に
かなが
いてくれなかったら
今夜
ボクが幽霊に
なっていたかも
しれない:
今夜一晩分の
生命なら
取っても
いいよ
うれし♡
は...
う...
は..
あ...
は...
時々
すり抜け
そうになる
かなの身体:
かまわずに
ファ内側から
もんだ...
かな...
手応えと
ぬくもりが...
ん...
あ...
どんどん
んッ...
しっかりしてる
男の人の手のひらって...
大っきくて...
あったかくて...
知らなかった
......
こんなことなら
身体のあるうちに
誰かといっぱい
愛し合えば
よかった...
誰かを
好きになりた
かった
かな...
自分の生命より
大切だって
愛したかった
しまった
なあ...
くやしい
なあ...
かなが
泣いた...
あッ...
かなの身体は
夏のにおいが
満ちていた
入る時
彼女はすごく
痛がった
あッ!!
痛くて...
苦しくて...
あったかくて...
かな...
は...
重い..
うれしい...
は...
そうか
思い出した!!
生きているって
こういう感じ
だったんだなあ
夜はすっかり
洗い流されて
しまっていた...
日射しと
表通りの
自動車の音で
目を覚ました
生きたまま
珍しくもない
当たり前の
まぶしい朝を
迎えた...
かな...
消えて...
しまったのかな...
ボクは
祈るような
想いで
毛布の
ふくらみを
めくった
朝の光の中で
幽霊が
寝ていた
かな...
かなは
はずかしそうに
まぶしそうに
おはよ♡
LIFE1/END
目を開けた。
ねばねばの
自らの血の海に
ひざをついて
人生の終りに
彼女が見たのは
とてつもなく
大きな
まぶしい
輝く夕陽だった
部屋中が
世界中が
黄金色に
燃え上が
った
ああ...
とっても
きれいだったと
彼女は
ずっと言ってた
かなは
きれいなものを見て
死んだんだ
LFE2
春に暮らしをはじめれば
近所のコンビニの
カード式の公衆電話の前で
3日間ねばりにねばって
ついにボクは
インチキ運送屋から
自分の荷物を取り戻す
ことに成功した
〈お金の方はダメだった〉
だけど再会した
ボクの持ち物だちは
どこかで雨ざらしに
されていたらしく
どれもこれも
ドロドロに
汚れてしまっていた
故郷の洋書屋で
小遣いをはたいて
買ったメビウスが
無惨なことに
なっていた
他にも
衣類·食器類
ビデオテープなど
再起不能のもの多数
正直凹んだ
かなりの
精神的ダメージ
くっ
くそーっ
重い
......
結局一取り戻した
荷物の50パーセントは
捨てるしかなかった
ブルブル
おっとっと
みしいっ...
いけるかな...
ッ...!!
いけるワケ
ないじゃん!!
くっ
少し前にボクは
仕事と住む場所を
一度に失った
せっ...
不意に出現した
人生のエアポケットに
スッポリと入り込んでしまった
ような感覚だった...
ともかくボクは
時の流れから
切り離されたような
誰も住まない廃墟同然の
この古いアパートにご
暮らすことになったのだ
大吉くーん
おそー
幽霊の女の子と
一緒に...
ーッ
もー
ゴミ捨てに
行ったっきり
戻ってこない
何してたの?
彼女の名前は
ひらがなで
「かな」という
腕のりっ
あ...
うん...
待ってたのに
昔この部屋で
夕陽の中
死んでしまった女の子だ
さ
早く早く
あ
そんな
引っぱらないで
さ
さ
とろけるような
春のころに
ちょ...
あうッ
ボクと
彼女は
暮らしはじめた
あああ
TV
TV
TVっ♡
何年ぶり
かしらー
TVが
観れるー
壊れてなきゃ
いいんだけど...
えーと
これが
アンテナで...
ドラマー
ニュースー
CM
ワイドショー
野球ー
アニメー
歌番組ー
映画ー
Musicalvelcomesweet
ああ
何もかも
みな懐かしい
はっほっぽっ
あ
ダメだ
残念
やっぱり
壊れちゃった
かなあ
かん!!
スンともいわない
元気だせよ
直して
直して
がんばれば
直せるかも
しれないから
今すぐ
直して
待って
待って
おっよさっ
だめだよ
もう今日中に
この部屋
住めるように片づけ
ちゃうんだから
TVは
後で!!
後で
きっと?
うん
さあ
忙しいんだから
後でね
まずは
大掃除だ
管理人さん
いなかったから
勝手に拝借
してきちゃった
それ絶対
外用のホウキ
じゃない
かまわない
さ!!
あたし
高いところ
担当するねー
おお
便利!!
むッ!!
むッ!!
大吉くーんッ
この汚れ
内側だから
ふいて
こっちの
は?
サギハ
これ?
きゃっ
あ
外側だね
2階の窓を
外から..
何年も使われてなかった
部屋が
すがすがしく
生き返った
ところで
カーテンの色について
意見が分かれた
かなは緑がいいと言い
ボクは青を主張した
さて
家具の配置
まあ大したものは
ないのだか
あ
大吉くん
後への課題
よっ
そのカベの前は
空けといて
ほしい
それ
あたしの
安らぎのカベ
だから
安らぎのカベ?
つまりね...
あッ
まぁ
かな...?
「顔のようなもの」が
浮かびあがった!!
ね
そういうわけ
あたしは
このアパートの敷地から
外へは出られないから
退屈な時は
こうしてカベの中に
入って
とっても
落ちつくのよ
ここ
うん...
何日も何週間も
場合によっては
何ヶ月も
じー
ーっと
していたの
...そうなんだ
......
それはもう
いろいろよ
そういう時って
どんなこと
考えてるの?
カベの中で
森羅万象
ありとあらゆることに
たっぷりと
考えをめぐらしたものよ
宇宙のはじまり方から
細菌の気持ちまで
そうしていると
いつの間にか
夢を見ているみたいな
感じになって
自分があるんだか
ないんだか
わからなくなって
自分が空気の中に
溶けて混じって
拡がっていくみたいな
いい気分になって...
あれ?
これって「成仏」って
思うんだけど...
気がつくと
やっぱり
あたしは
相変わらず
カベのシミで...
しょうがないから
カベから出て
でも
やっぱり誰も
いなくって...
アパートの中
動ける範囲いっぱい
行けるとこまで
あっちこっち
巡ってみるんだけど...
何も変わらなくって:
で
またカベの中へって
くり返し...
......
幽霊なのも
大変だったん
だね
大変
だったのよ
昼食をすますと
ボクは
役所などに各種の
手続きをしに出かけ
そのついでに
ディスカウントストアで
。
なべやポット
最低限の食器類
問題のカーテン
さらには
かんたんな寝具まで
買い込んで戻った
〈よく全部をかついで
帰ってこれだものだ
午後は
バタバタと
あっという間に
過ぎていき...
夕焼けが見えはじめて
気がついた
あ!!
しまった!!
何?
肝心なものを
忘れていた
この部屋には
まだ電灯がなかった
やば...
買うの忘れてた
ここに来て以来、
電灯もTVもなしで
あかりは安物の
懐中電灯だけの
夜をすごしていた
月と
街あかりの
間接照明
だけの夜
ひとっ走り行って
買ってくるよ
案外
気に入ってた
けど
今日からは
電灯のあかりの
ある
生活をはじめよう
これで;
よし
と
さあ!!
そうか!!
あれ?
つかないね
ごめん
わからない
この部屋
電気が
来てないんだ!!
かな
アパートの
配電盤って
どこにある?
手分けして
探そう
うん
うわー
どんどん
日が暮れて
いく
まいったな
まっ暗に
なってきたぞ
配電盤って
コレじゃない
見える?
アパートの中で
遭難
してしまい
そうだ
んッ!!
大吉くー
ッ!!
それだ!!
...
なんとか..
うん
やっぱり
こっちの部屋には
電気来てない
大吉くん
待って
本当に
大丈夫?
幾械が苦手
よーし
コイツを...
心配ないよ!!
ボクを
信じて!!
うん...
わかった
いくぞ...
ヤマト
発進!!
!!
あッ
ッ!!
うわー
やったあー
ッ!!
カーテン越しの
緑の光が
宵闇にこうこうと
輝いていた!
打ったー
ホー
ランー
い
ム
ッ!!
今シーズン第1号
となる
特大アーチが
飛び出しましたー
あ
壊れてたんじゃ
なかったんだ
TV-
5万人の
大歓声が
春の夜空に
響きわたりま
ますー
ーッ!!
今年は
ややってくれそうです!!
うわー
すごー
い
まるで
魔法みたい
この部屋って
こんなに
明るかったんだ
せー
バンザー
バンザー
!!
文明開1と
この日
ついに...
バンザー
イッ!!
ボクたちの部屋に
あかりが灯った
全米が
震撼!!
大ヒット
上映中!!
その夜の
ボクたちのHは
つけっぱなしの深夜TVの
そばでだった
ん...
んふ...
中古車
高価買い取り!!
いますぐ!!
お.....
上になるの
いいいね
好き?
うん♡
おいしい
おいしい
ああ
おいしい
ん..
ん...
番組は
香港のチープな
コメディ映画が
はじまった
ん...
ジャン
ジャーーン!!
プッ
ボクのが
入ったまま
かなは
けらけら笑った
かかかハハハ
ぷるぷるした
すごく変な感触が
くすぐったくて
ぶるぶるしたすごく変な感触がくすぐったくて
ボクも笑った
ボクとかなの
暮らしが
はじまった...
それでね
窓のあかりが
ついたり
消えたり
してたんだってさ
例のアパートの
幽霊部屋だよ
霊が
やってるんだよ!!
おそろしー
ッ!!
この街にも
少しづつ慣れて
行こう...
銭湯からの帰り道
空はオレンジ色の
春の黄昏
コンビニで
ふたり分のビールと
彼女の好物の
トリの唐あげを
お土産に買って
ボクは部屋へと
帰る
窓辺で
かなが笑って
手をふ
おかえりー
絶頂をむかえて
果てる時
かなは
とても不思議な
とても不思議な
生まれたての
何かの生き物の
ような声を
あげる
ボクは秘かに
その声を...
かなの産声
と呼んでいた
彼女の身体が
まだ世界から
失われて
いなかったころ...
誰かこの声を
聞きとどけて
くれた者は
いたのだろうか...
ユロエロなふたり
LIFE8-1
外は満開
かな?
あれ?
かな
どこ?
どうしたん
だろ?
かなー
も
うッ!!
!!
大吉くん
ばぁー
ーっ♡
かな
そんなとこに
いたんだ
エクトフラ
また
なに
してんの?
ふぅふっふっ
ん...
大吉くー
ん
ッ
いくよー
ボクとかなは
まだまだ
一緒に暮らすことの味を
おぼえたてなので...
ぶわわ
なのでついつい
スキあらば状態
なのだ...
んー
ー
おおお
飽きる
ことなく
日に何回も
何回も
くぢゅくちゅ
キスしては...
ん...
そう。
あっという間に
Hになだれごむ
くちゅ
(というより
Hのあい間に
普段の生活をしている
んふふふぶふ♡
お
脱ーーがしッ♡
かなは本当に
うれしそうに
ボクの服を脱がすね
大吉くんのォ...
うんッ♡
乳首ッ
乳首ッ
乳首ッ
乳首ッ♡
あうッ
あう
あう
ボクだって
かなを脱がす
んふふふぶふ
うわー
大吉くんこそ
脱がすの
うれしそー!!
うん♡
ねえ
ねえ
かな...
やー
舌なめすりー
なに?
ひッ!!
きれいだ
かなの裸
すごく
もう
ッ!!
!!
照れるー
きれいだ!!
日常的に
好きな女の子の裸に
きれいだと
言えることは
きゃは
こんなに
ハッピ!
おっぱい
実は
けっこう大きいよね
すごい
うん
触り心地いい
でっかい
パン生地みたいな
手触り
そそう...
むふう
乳房はふにゅぷにゅ
乳首はぱんぱんに
なって、
ねえ...
ん...
やがて
かなは目を
つぶって
黙ってしまう
むっ
ひどく真面目くさった
なにかむずかしいことを
考えているような
表情になる
ん.....
こーゆー時って
いつも
どんなこと
想ってんの?
くりー♡
くりー♡
んふ...
カチン
コチンに
なるから...
なんだよ
それ
だあってぇ
う...
そうして
かなは
仔犬みたいな声を
出しはじめた
ん...
おチンチンって
いうのかな...
ん...
全身
なめー
ん...
溶けちゃいそ...
いま
溶けちゃ
だめ!!
かな...
え?
たとえ
よ...
今日は
ぺろぺろ
もっと
いくよ
あ...!!
待って!!
待って!!
待って!!
え?
ダメ?
あう
だって
だって
大吉くんの顔が
そんなところに
くるんだもん...
でも
きっと
すごく
気持ちいいよ
それに
ボクは
かなの身体に
くまなく
キスしたいよ
大丈夫だよ
ここも
ぺろぺろ
させて
近すぎる
......
かな...
いいよ...
ありがとう
ん...
かなの
両足の間に
顔をうずめて
気持ちを
こめて...
キスして
いっぱいに
なめた
はじめて口にした
かなの性器は
すっぱくて
ひじょびしょで
やわらかくて
とても熱かった!!
かなの鼓動が
大きく聞こえてきた...
......
それは
ボクの鼓動と
混ざりあって...
あ...
部屋じゅうに
響きわたった
大吉くん...
ま
気持ち
いい...
溶けちゃった...
かな......
あ
ああ....!!
かなをいっぱいに
拡げて
そのまん中に
もぐり込む
小さく
折りたたんで
ん...
ん...
ん〜ッ
ん.....
一緒に
一緒に
ゆれて
ゆさぶる
は・
かなの腰
どんどん
動くように
なってきたね
上手でしょー
ふたり
ぴったり
合ってるね!!
はッ
はッ
ふううう
おあ
かなの産声
はッ!!
はッ!!
あああ...
あうッ...
うッ!!
おあぁ
ぁぁああッ
は...
は.....
は...
は...
は.....
は...
はぁ...
ふうう...
交わった後の
かなの笑顔
ボクの胸は
ふくらみ
はじけ
大吉くん...
はり裂ける
かな
連続
いこうか
え?
うわまた
カチン
コチンだぁ♡
かなが死んだ真夏
したたるような
緑の葉をッ
しげらせていた
アパートの中庭の
古い桜の木は
いま
何度目かの
満開の花ざかりを
迎えた
すごー
昔の詩人が
遊びぢゃない
暇つぶしぢゃないと
唄った日々...
ボクたちふたりは
今きっと
そんな日々...
はじまったばかりの
ボクとかなの恋
ちょっと
大変なことを
今さらながら
ボクは
思い出した
それはそうと...
あわてて
鏡をのぞき込んだ
ボクはそこに
よく見て!!
...お前らはお
これからいただいた
うわああぁ
古今東西
幽霊とどっぷり
交わった者の末路は
きまっている...
つまり...
エァェェェ
別人のように
やつれ果てた
自分の姿を見た...
やりすぎッ!!
しかられた...
人生最後の日の
夜明けごろ
彼女が見た夢
わりとよく見るタイプの夢だった
空を飛ぶ夢だった
そんなことを考えていただきたんだけど、それではないのですからね。
とても気持ちがよかったすべるように飛んでどんどん高く登っていった
でも
「あれ?」
不思議になりだした
いつもの飛ぶ夢なら
この辺でそろそろ
ドスン!と落下して
目が覚める
はずなのに...
その日の夢は
どこまでも飛び続けられるのだった。
どんどんごんとん高く高く...
そのスピードもとめどなく加速していく...
流れ星のような猛スピードで
空を昇っていった...
そして
青く涼しい明け方に
この部屋で
かなは目を覚ました
彼女の最後の一日は
こうして
始まったのだった
夢と雨
LIFE4.
目を
閉じててね
こっち
見ちゃだめよ
ただ今かな
口でするのに
初挑戦中!
あのさ...
なんか
ボクの方
すごい
恥ずかしいん
だけど...
こういうのは
やっぱり
勢いとか流れ
じゃないと...
う...うん...
おまん!!
往生際悪い
......ん...
あ...
ちょっと
固くなってる
あたしまで
恥ずかしくて
たまらなく
なっちゃう
じゃない
へえー
おもしろ...
むろう
うひィっぽままぅぅ
どうしたの?
かかなの
鼻息が
先っぽに
ぶわってきて...
わッ!!
むっく〜
......?
まじめに
じっとしてます
...まじめ...
最初に
ちゅっちゅう
ちゅっ...
それから
ちょん...
ちょこん...
だんだん
ぺろっペろっ
つついて......
ひと呼吸おいて
意を決したように...
すっかり
完全に大きくなった
ボクのを......
そのとたんに
かなの口中に
じゅわっと
だ液があふれ
かえった
ん.....
かなが
少しずつ
あぅ...
あ...
ん...
ん..
...大...吉..~..
夢中になってきた...
ん.....
は...
ん.....
夢中のかな
すごい
かわいいー
あ...
うわー
すご...
ん..
ッ!!
あ...
かわいいー
ッ!!
ふぅっっ
ちょ...
かな...
だ.....
たんま...
たん...
うう...
!?
あはっ
きゃーっ
...ごめん.....
......
じゃ...
ぺろっ
大吉くん...
......かな...
この
うぶふふふ
大吉くんの
イキ顔
ばーっちり
見ちゃった
う
愛いヤツ♡
愛いヤツ♡
うぼぼの!?
あ...
ボクの恋人は
幽霊で...:
ん...
あッ
あッ
あンッ♡
ホントはもう
この世には
いなくて...
もー
大吉くん
エロすぎぃ
よぁ...
はぁ...
それでも
ボクは
かなぁ♡
毎日
どんどん
かなを
好きになって
いく.....
や
あ
きゃん!!
や
あ
あ♡
あぁあ
恋をしたての
ボクたちは
ますます。
エロエロで...
あ...
ああッ!!
は...
あ...
ん
んッ!!
どんどん
エロエロで...
あ...
んんんッ!!
いっぱい
エロエロで...
いっぱい
しあわせだ
かな...
大吉くん...
雨だね
知らなかったな
雨降りって
きれいだったんだ
雨だね...
気持ち
いいー
ーッ
春の雨
だね...
雨って
やさしい音...
空から地面全部を
包み込んでくれてる
みたい...
ボクとかなは
雨をいつまでも
聴いていた
桜の花
散っちゃうね...
夢を見た...:
ふと
夜中に
目を覚ました
かなが
ふわふわ
浮かびながら
眠っていた
す...
す~~
変な寝方...
なんとなく
感心して
見ていると..
あッ
あッ...
ああッ!!
かなッ!!
かなッ!!
待って!!
行かないで!!
ああッ!!
待って!!
あッ!!
かな!!
かなぁッ!!
かなの死体は
すでに運び出された後、
らしかった...
かなの死の
夏の部屋に
いた...
だけど
どうしようもない
臭いが
部屋中に
しみついていた...
かなは
どこにもいない:
かなは
もう
どこにもいない...
例のかなの
安らぎの壁にも
かなの横顔に似た
シミなど
まったくない...
くん!!
大吉くん!!
大吉くん!!
あ...
かな...
かな...
どうしたの?
かなの乳房に
耳をすました
たしかに
血の通う音が
していた
......!
大丈夫
こわい夢を
見ただけ...
もう
大丈夫...
ボクとかなは
本来なら
絶対に出会うことは
ない...
とりかえしの
つかないことは
もう起こって
しまった
後なんだ...
だけど
どんな奇跡
なのかは
わからないけど
ボクたちは
時間を飛び越えて
うたしかに
一緒にいる
一緒にいて...
恋をして...
ボクは
かなを
抱きしめている...
ね.....
こわい夢なんて
見てないで
このまま
朝まで
Hしちゃお♡
大吉くん
エロエロって
いいよね♡
うん!!
ん?
ボクたちは
すっかり
ハマって
しまって
いる
む~~
ところで
それはそうと...
やっぱり
しかられた
だから
ヤリすぎ
じゃってば!!
そんよ!!
自慢でも
したいのか!?
しあわせ
だのう!!
しあわせ
だのう!!
「E4/END
LIFE5
夕陽のかな
かなの感触:
とろりと
やわらかく...
びっくり
するほど
すべすべで...
ふんわりと
重たくて...
ん...
ん...
少し塩の味が
するみたいだ..
は...
かなは幽霊
すでにこの世のものでは
ないというけれど...
ボクはかなの
乳房の
ぬくもりが
ふ...
とても
かわいらしくて
たまらない
いっぱい
...
!!!
大吉くん...
しかし、
入ってきて
かな...
あ...
かなとボクは
はッ
はッ
確かに共にいて
はッ
あ...
あッ
恋をしている
...
昇天した...♡
え!!
ボクとかなの
暮らすアパートは
けっこう大きな建物なのに
表通りからは
ほとんど見えない
建てられた当時は
高台のモダンな
アパートだったの
『だろうが
現在は4
すっかり生いしげった
周囲の木々に
埋もれて、まるで
ジャングルの秘密の遺跡の
ような有様だ
おまけに
外壁をおおった
ツタ草がちょうど
カモフラージュの
ようになって
ますます
目立たなくしている
毎日
にぎやかな表通りを
行き交う人々は
ほんのすぐ傍らに
この古びたアパートが、
ひっそりと建っているごとを、
きっと
気づいてさえ
いない...
住人も
ボクの部屋の他は
全て空室で
ほぼ
無人
このアパートには
往時を偲ばせる
やけに立派な門がある
ふよよ...
おにぎり
ツナ&シャケ&塩コブ)
唐あげにチョコと
アイス...
それから
缶ビールを
6本でいいね?
メモ
持った?
うん
CMしてた
新商品の
ヤツね!!
OK!!
かなは
この門のところまでしか
来ることができない
よろしくね
あああっ!!
うむ
近ぐのコンビニに
買い出しに行くのは
ボクの役目だ
あそうだ
「ヤングマルマル」の
新刊どうする?
このアパートの
敷地から外へは
出ることが
できないらしいのだ
読みたい!!
それも
おねがい
立ち読みが!
できないのが難だ...
いってらっしゃーい
いってきます!!
この街での暮らしにも
だいぶ慣れてきた...。
店長!!
店長!!
いいじゃない
お客様も
いないし...
店長ってば
お店で
心霊写真集なんて
見ないでください!!
あ
いらっしゃい
ませ
コンビニの店長に
すっかり顔を
おぼえられてしまった
いえ...
別に...
なかなか
快適ですよ...
ヒゲの店長(稲川吾郎氏)は
大のオカルド好き
ボクが幽霊アパート
住人と知って
ねえ!!
出ましたか?
まだ出ませんが?
呪われませんか?
憑かれませんが?
店長...
興味津々の
様子
すみません
困った店長で...
もういつも
あたしに
恐い話ばっかり
するんだから
おっかしいなぁ
オレのにらんだところ
あのアパートは
絶対本物の
心霊スボットの
はずなんだけどなあ
だけど
あんな淋しいところに
ひとりで住んでて
平気なんですか?
こうして
あ
いや...
なに
彼女?
ええ
まあ...
ねえ
ひょっとして
その彼女って
眉間に
シワよせて
ひとりじゃ
ないし...
へえ
でも
一緒のところ
お見かけ
しませんね
すき間から
こっち見てたり
しない?
い...
いえ...
よっほっ
たったい
まぁ♡
おっかえりいッ♡
天気もいいし
今日は
上で飲もうか?
よっ
わがアパードの屋上は
開けるのに
コツの要る扉を
開けると
打ち捨てられ
すっかり野生化した
屋上菜園が
広がっている
ボクたちだけの
ピクニック・コース
なんだ夢...
今日は
あっちの方で
飲もうか
う
ん
不死身の花園と、
勝手に呼んでいる
ムグムグ
フハ!
ねえ...
夏だねぇ...
かすみ草...?
これ
どうしたの?
いや.....
あたしに?
ホラ...かなは
服とか自分で
買いに出られ
ないじゃない..
英語?
だから...
だけど
すごく
かわいらしいのね
...買って
きたんだけど
かなに...
ううん
あの...
ダメかな...
すごく
うれしい
かすみ草の
ワンピース
えっと...
かなが
欲しそうに
してたから
?
だって
この前
ここのページ
大吉くん
こういうのが
好きなの?
ん...
...
見てたから...
ずいぶん
熱心に
あははは
?
あたしが
見てたの
多分こっち
メルヘンドの
なんですか
え..
あ...
くくく
でも
うれしい♡
大吉くん
ありがとう
そうなの...
かな...
さっそく
着てみるね
ちょっと
むこう
向いててね
ごめん...
大吉くん...
うん
着れない...
服は
だめみたい...
変だよね
ビール
飲んだり
唐あげ
食べたりは
できるのにね:
残念...
残念...
かなは
幽霊
ボクの恋人は
この世のものでは
ない
ねえ
...かな...
ん..
あ...
いや...
もし..
......かな
いきたくなったら
言ってね...
ん.....
え...
もし...かなが
「成仏」...
したくなったら..
あるいは
「成仏」できそうに
なったら...
力ああ
や...
そうじゃ
なくて...
その前に
ひと言
言ってからに
してほしいんだ...
いきなり
消えてしまうってのは
ナシにしてほしい:
うん...
あたしは
いきなり
消えたりしない...
......?
たのむよ...
かなの唇は
約束する...
大丈夫...♡
「成仏」なんて
やり方も
わからないし
たしかに
ん...
ちっとも
ピンと
こないもん!!
だから
どうか
消えたり
しないで...
あったかくて...
ん.....
ケンカの原因なんて
何だったか
わすれた
かなー
ヘンを曲げた
かなは
カベの中に入ったきり
出てこなくなって
しまった
ん?
いい加減
出てこいよー
何だ
コレ
......
怒ってる
......
かなー
むう...
...だめか...
よく
冷えてるよ
出てきて
飲もうよ
だがちょっと
眼をはなしたスキに!!
ああッ
いつの間に!!
よーし
そっちが
その気なら
カキ
カキ
ラクガキ
してやった
わはは
くやしいか!!
だからこそ
まいったか!!
何とか
言ってみろ
翌朝
眼が覚めたら
復讐されていた
おおッ
全身に1匹の手型ガンド
ひいぃいいッ
今日も一日
姿を現さなかった
な......
意外と
しつこい性格
なのかな...
......
え.....
あれ..
え...
なんだろ...
......
本当に
ただの
カベのシミ
みたい...
かな...
あッ!!
ああッ!!
かな.....
いなく
なってる!!
買い物から
戻ったら
そこにあったのは
シミの多い
ただの古びた
カベだった.....
.....かな...
大吉くーんッ!!
!!
かな!?
どこ!?
消えて
しまった..
かな!!
かなッ!!
ッ!!
かなー
どお?
あたし
着れたよ
大吉くんが
くれた
夏の服
あたし
着れたの
...かな
.....うん
似合うよ...
似合うじゃないか!!
うふふふ
でも...
どうして
急に
着られるように
なったの?
わからない...
あたしにも
なぜだか
わからない...
けど...
おうッ
わからない
けど
うれしー
ッ!!
ボクたちの頭上に
真っ赤な
真っ赤な
空が広がっていた
かなが
静かに言った...
ねえ
大吉くん...
これから
長い真っ暗な
夜が来るんだなって...
夕陽って...
生きている時
あたしきっと
夕陽って
好きじゃなかった...
とても
悲しくて
好きじゃなかった..
ああ
かなが
自らの生命を
絶ったのは
夏の夕方
だった...
だけど
今は違うの
今は
また明日って
思えるの!!
たしかに
胸がキュンと
するけど...
だけど...
好きな人が
いるの
だから
また明日
ボクたちは
手をつないだ
夕陽に照らされた
夏服のかなは
金色に
輝いていた
そして
ボクとかなは
真っ赤な空に
星がまたたき始めるのを
ゆっくりと
待った。
LIFE5/END
LiFE6.
緑の
日々
くぅ〜〜っ〜〜ッ
あっちい〜〜
季節が変わっても
あいかわらず
ボクには
おカネも仕事もない
夏が来た
多分生まれて
はじめてじゃないかって
いうくらい
なにもない
お!!
ん!!
大吉くー
かなー
おっかえり
ほよよよ
ジーッ
夏だねェ〜〜
ただいま〜〜
ふぅ
部屋には
クーラーなど
もちろん無いけど
かなのおかげで
しごく快適だ
すずしい
冷蔵庫もない
外はどんなに
酷暑でも
たいへん...
だけど
大丈夫...
ビール
ビール
かなの胸で
冷やすのだ。
だっ
うん
くーる
ーる
早く冷えるヤツ
やって
くるっと
ウラワザ
缶をはさんだまま
ぐるくると回してやると
ものの数十秒で
飲みごろになるのだ
燗は人肌というけど
ビールはかな肌が
最高!!
冷たすぎず
かと言って
ぬるくはない
絶妙の冷え加減
き
きゃ...
うめー
かなは生前の自分のことを
ほとんど憶えていない
だから
いつどうして死んだのかも知らないし
自分の名前も「かな」という
昔でしか憶えていない
そういえば
何か憶えている
ギャグってある?
ギャグ?
うん
......?
...かな?
スキがあったら
......
かかって
こんかいッ!!
ひッ!!
メガネ
メガネ
ひいッ!!
......
ちゃんと
ひとの迷惑
かえりみず
やって来ました
電線軍団!!
けっこう
お笑い好きの
人生だったようだ
今日の
スイカの種
屋上にまいて
みようか?
うん!!
いいね!!
芽が出ると
いいね!!
なに?
ねえ...かな...
あのさ...
かなは
生きていた時
自分が誰だったか
知りたい?
どこで
生まれて
どんなふうに
生きて...
名前は
なんだったのが?
何歳だったのか?
やりたいことは
何だったのか?
会いたい人は
いなかったのか?
とか:そういうの...
小さいころは
どんなので?
お父さんやお母さんは
どうしているのか?
思い出したい?
やっぱり
知りたいって
思う?
ん...
かなは
少し考えた
...
...わからない....
すごーく
知りたいような
気もするけど..
でも...
「もういいや」って...
「もういいや」って
気持ちもする...
そう...
本当はもう
ボクは
駅向こうの
市営図書館に
何度も通って
いた...
カン
カン
カン
カン
幽霊のかなは
間違いなくこの世の
いつかどこかで
生きていたんだ
カン
何か記録くらい
残っているはずだ...
生きていたん
だから...
アパートの住所から
たどっていった
地名も行政区分けも
当時とは変わってしまっていたので
苦労した...
ようやく
本当に小さな
新聞記事
たったひとつ
その日に何か
ほんの少しでも
大きな出来事が
起こっていれば
載ることは
なかったろう
4行半の
小さな記事
死亡してい...発見
白殺とみて......
......身元は不明
...
もちろん
続報などなく
翌日以降も
世界は彼女なしで
忙しく続いていた
それだけ...
彼女は誰で
どんなふうに
生きて
なぜ死んだか
誰も知らない...
何なんだよ!!
ボクの好きな
女の子が
死んだんだぞ!!
ったく...
さあ...
勇気を出すんだ
吾郎...!!
!!
私は
稲川吾郎39妻子なし
職業、コンビニ店長バイト
ドキ
生きがいは、
オカルトの探求!!
さあ...
いくぞ...
大丈夫..
大丈夫...
そう
私の愛は
じゃあ!?
科学では解きあかせない
不思議や怪異に
捧げられている
それは届かぬ恋にも似た
熱し想い...
あのお客さんは
全然平気で
暮らしてるじゃないか!!
いざ
心霊スポットへ
幽霊アパートへ
あこがれの待つ
場所へ!!
なる?
しゃぁあ
あああ
ああッ!!
あれ?
店長
スゲーよ...
あんた
スゲーよ
こんばんは
オカルドは大好きだ
でも私の根性は
限りなくベタレなのだ...
はっ
お客さん...
!???
ニャ
?
ニャ?
あ!!
おかえりー
天気予報によると
長くて暑い夏になりそう
だということだった...
ツタ草や雑草たちは
すっかり調子づいて
思うさまの勢いでご
ぷー
パートを
緑であふれかえらせた
久しぶりに
お!!
思い出した
ことがある
あはッ!!
子供のころは
夏って
特別なくらい
楽しいものだった
抱きしめるとき
かなの幽霊は
ぬくもりをおびる
かすかだけど
たしかに
熱を発する...
大吉くーん
高い方が
よく見えるよ
始まってる
上がってる
上がってる
種をまいたスイカの
いくつかが芽を出した
屋上で
お!
だいぶ
遠いわ
ボクたちは
今年初めての
花火を見物する
うん
トーナ
しーいっ
生のような花火って
やつね.....
ーまやー
たー
うん
我々の生のような
かなは花火をまねして
生のように
夜空に舞ってみせた
かー
LIFE6/END
-ッ
「なや」
この夏の出来事
LIFE7
まぶし
PC
ゴミの日に
バスタブを
ひろってきた
アパートの中庭にて
行水
ふひー
気持ちいいー
いいなー
夏の空って
青いねー
けど
外でまっ裸って
やっぱり
マズくないかな
お
このまま
エロラブ♡
しよう
気に
しない
大吉くん...
大吉くんと
会ってから
あたし.....
お日さまや
風が
どんどん
好きになっていくみたい...
ああ...
世界って
きれい...
えぶしッ!!
ずひ...
やっぱり
風邪
なんじゃない?
裸で
はしゃぎすぎたのが
たたったんだよ
ん..
えぶしッ!!
買ってきたから
とりあえず
薬飲んでみるかい?
うん
飲む...
ビールはだめ
薬は
水かさ湯で!!
ちぇっ
コクコク
このコク
酸は~~
あ...
あと
ビタミンCと
しょうが湯
なんだか
熱も
でてきた
みたいだね
む〜〜
む~~
でも
風邪っぴきの
幽霊なんて
前代未聞だね
おかしく
なーい
かな...
ちっちゃく
なった...?
ちまっ...
大吉くん...
大丈夫
ちょっと休めば
風邪ぐらい
すぐによくなるって
うん...
今日は
壁の中で
ゆっくり眠った
方がいいね
何か用があったら
遠慮なく
ボクを起こしたら
いいからね
うん
そうする
おやすみ
かな...
ん.....
熱は
ひいているね
だいぶ
良くなった
みたいだね
復活!!
復活!!
薬がちゃんと
効いたみたい!!
でも
まだ今日一日は
壁の中で
おとなしく
寝てること
なおりかけが
一番大事
なんだから
今日も
暑くなりそう...
了解ー
ああ
あたしも
外に出て
みたいなぁ...
大吉くんと
お出かけ
してみたい...
一緒に
海にいけたり
したらいいのに...
やっぱり
この門から外へは
出られそうにない?
うん
ひとりで
お留守番の時に
何度も試したん
だけど...
この辺がな...
無理に
出ようとすると
そう
痛ッ!!
かなッ!!
大丈夫?
この有様
ここから先は
まるで世界が
続いていないような
感じなの...
じゃ
行ってくるよ
うん!!
バニラ100%の
ヤツお願いね!!
......
あ
いけない
遅れちゃう
よ!!
今日のお土産
何がいい?
アイス?
いってらっしゃい
うん
この日の朝
このようにして
このネットし、ボクはかなのアパートを出た。
今日のバイトは
民家の解体現場での
ゴミひろい
炎天の下
誰かの生活の痕跡を
黙々と
葬っていく仕事...
にーちゃん
ほこりあんまり
吸い込まねえように
気ィつけろよ!!
はー
現場に着いてから
そのことに
気がついた...
気がついてからは...
落ちつかなくて...
こわいような...
心がザワザワと
し続けて...
どうしよう:
図書館で調べて知った
あの場所が
ここのすぐ近くにある
え?
にーちゃん
一緒に帰らねえのか?
はい
ためらった末に
ボクは
そこへ向かった...
その墓は
一般の墓たちから離れた
木陰の中に
ひっそりと建っていた
......
違いますよ
ここじゃ
ないですよ
.....ここか?
わ!!
どなたの
お墓をお探しかは
知りませんが
ここじゃ
ありません
ここは
違いますよ
あ
あなたは...?
だって
これはね
引き取り手の
見つからなかった
「行旅死亡人」の
わたしは
役所の福祉課の者
です
墓ですからね
この墓をお参りするのは
わたししかいない
はずです
ああ
「行旅死亡人」ってのは
身元の判らない
遺体で発見された人の
ことです
つまりこれ
平たく言えば
無縁仏です
病気災害
事件事故
行きだおれに
自殺...
......
ここで
間違いじゃ
ないです
図書館で見た記事が
かなのことなら
ほう
多くの人々に混じって
この大きな墓の下に...
かなの骨が
葬られている
ことになる
事情
お聞き
しましょうか?
それとも
聞かない方が
いいですか?
......
こっちも今は
就業時間外だ
えっと...
ま.....
聞きますまい
あの...
ボクも
掃除
手伝っても
いいですか?
...
どうぞ.....
手おけと
用具を
借りてきます
それから
たっぷり一時間
かけて
役所の男とボクは
大きな墓を
掃除した
その間
男はひと言も、
口をきがながった!!
周囲を掃き
うずたかく
積み上げられた墓石を
ボクたちは黙々と
ひとつひとづ
清めていった...
男の右腕は
何か
障害があって
自由に
動かせない
ようだった..
だけど彼は
左腕一本で
非常に器用に
テキパキと
仕事を進めて
いった...
夕陽はまだ暑く
ボクも
男も
汗びっしょりに
なった
カナ
カナ
あ!?
線香が焚かれたあと
男が不意に言った
人の生きてることなんて
ホントは簡単に
消えてなくなって
しまうものなんですよ
名前も
思い出も
悲しみさえも
残りはしません
この墓の下の人たちも
われわれも
みんな同じです
誰だって同じです
消えてしまうん
ですよ
生き死になんて
その程度のもの
なんですよ...
まあ
ですけど...
そういう現実に
屈服しちゃうのって
いやじゃないですか...
卑怯じゃないですか...
だから
わたし..
だから...
役所の男は
長い間、身動きもせず
ただじっと祈っていた...
名前のない
巨大な墓は
夕陽をあびて
血のように紅く染まった...
壁の中で
夢を見てた...
夢の中で
わたしは夜の海の波打ち際で
目を覚ました......
波が打ち寄せる度に
わたしの身体は
塩からい暖かい海水に
揺られる...
揺られながら
海の中から
空を見上げる!
空は底なしの
深い穴のように
ポッカリと暗かった...
星が見えたら
いいのに...
と
思った...
早く
帰ろう...
早く...
ポ...
雨か...
早く
かなの顔が
見たい....!!
カーッ
ん?
え.....
あ...
サ...
LIFE7/END
LIFE8
ああ...
何度目かの気絶から
目覚めてみても...
やっぱり
雨だった...
まだ...
生きてる...
今は
朝か...?
昼か...?
それとも
夕方なのか...?
.....そうだ
かなに
アイスおみやげに
買って帰るって
言ってたんだよな...
なんだかもう
大昔のこと
みたいだ...
バイド帰りの山道で
後ろから来た..
トラックの泥はねを
よけようとして...
おっとっと!!
と...
あ...
あ...
わ...
て...
うわー
どろどろ...
ッ!!
最悪...
わッ!!
てて...
まったく
なんて...
ええ!
それは
山の斜面と
その下に建っていた廃屋との
間にできた変なすき間
だった...
うう...
ますます
最悪...
ちっきしょ〜〜っ
まさかここまで
深刻な危機
だったとは
すぐには
信じられなかったと
あれっ
やべッ!!
もちろん
出られない!!
確かに
最悪だったけど
まさか..
あッ!!
あれ!?
うわッ!!
うわああッ!!
助けてー
ッ!!
そしてこれが
ボクに許された唯一の
眺めになった...
動かすことが
できるのは
指先がほんの少しだけ
上の道を自動車が
通るのが時々聞こえた。
そのたびに
声の限りに助けを
求めたけど...
...誰も気づいては
くれなかったようだ...
やがて
大きな声が
出せなくなった...
★土砂と廃屋の壁に
ぴったりと挟まれて
宙づりになっていた...
足の下には
底の知れない闇が
どこまでも広がっている
ようだった...
しかも...
ボクの身体は
やっぱり
ほんの
コンマ何ミリかずつ
ジリジリと
沈み続けているの
だった...
ああ...
身体と両腕脚と
時間の感覚が
ボクから失われていった...
ああ
あ...
ああ...
あああ...
ああ...
あ...
やだな...
...これって
「いやな死に方」
ランキングの
かなり上位に入る
死に方だろうなぁ
ああ.....
せめて
きれいな青空が
見えたらいいのに:
大吉くん...
大吉くん
はわわ~
かな!!
かな!!
かな!!
大吉くん
かな!!
夢じゃない?
かなぁ!!
かな〜〜ッ!!
うん!!
幻じゃない?
うん!!
迎えに
きたよ♡
来てくれたんだね!!
うんうん!!
にこ..
お
「お迎え」の
〜〜ッ?
失敬な
カベの中で
夢を見てた
あたしが自分で
死んだ日の夢...
だけど途中で
いきなりガーンと
誰かに叩き起こされた
気がした...
すぐにわかった
大吉くんが
ピンチだって
あだけど
かなはあのアパートの
敷地から外へは
出られなかったんじゃ...
ん
少しばかり
苦戦したけどね
やれば
できちゃうものね
かなの身体は
あちこち
こげたように
黒く煤けて
しまっていた
愛の奇跡を
起こしてやったわ!!
ずいぶん
無茶を
してくれたんだね...
だけど
...無念!!
どうして!?
どうして!?
大吉くんの身体に
全然触れない!!
この!!
この!!
いつも
あたりまえに
触れてたのに!!
エッチ
してたのに!!
どうして!!
あッ
大吉くん!!
落ちる!!
かな...!!
顔ッ!!
落ちる!!
あぶぶッ!!
のけて!!
のけて...!!
大吉くん...
う...
顔の骨の中を
かなの指がすり抜ける
冷たさを感じた!!
ごめん.....
わたしが
生きている人間だったら
助けてあげられるのに
顔の土さえ
のけてあげられない
目の前で
大吉くんが
つらいのに
何もできない...
生きてさえいれば
この手をつかむことが
できるのに!!
ごめんね...
あたし
取り返しのつかない
ことしちゃったね...
きっと
許されないことで:
間違ったことで..
いけなかったことで...
ごめんね
死んでて..
かなの泣き声は
ボクを落ちつかせて
くれた
そんなこと
謝ること
ないよ
ボクだって今
かなの涙を
ぬぐってあげられ
ないもの
おあいこだよ...
大吉くん
かなの落とした
涙の粒が
いくつも
ボクの顔を
すり抜けていった
くすぐったい...
その涙の粒が
身体の中をすり抜けて
いくのを感じた
ボクを清めて
くれたようだった...
それにさ...
取り返しのつかない
間違いがなかったら
ボクたちは
出会っていなかったよ...
かな.....
ボクの好きな
かな...
......
もう
大丈夫だ...
来てくれて
ありがとう...
そばに
いてくれて
ありがとう..
あ...
雨.....
あがったんだ..
ねえ
かな...
こっちに来て:
一緒に
見ようよ...
ホラ...
星だよ...
いいな...
すべてが
冷たくなって
消えていく
みたいだ...
わるくない...
これだったら
夜に死ぬのも
かな...!!
まだだめ....!!
あなたの生命の時間は
まだ終わりじゃない...!!
あたしが
そんなこと
させないの..!!
かな...
いつもの火の玉じゃない
あつい炎...
かな!!
何してるんだ!?
かな!!何してるんだ!?
生命は
ちゃんと
使わないとね...
変だぞ!!
たったひとつの大事な
生命は
誰かのために
使いたい
あたし
生きてるときに
ちゃんとできなかったから...
使いたい
愛する人のために
今度は
がんばる...
ユーレイの
女の子の
半端なやつ
だけど...
はじめて
好きになった人に
......
大吉くん...
あなたに
あげるね
...かなッ!!
かなッ!!
かな
やめ...!!
かなッ!!
かなあぁ!!
再び闇がきた...
今度はもう
星の光も
雨のなぐさめも
ボクには届かない...
まっ暗な闇の中で
ボクは
生きつづけた...
冷たくて
苦しくて
痛かったけど
生きつづけた...
かなが残していった
生命の火を
じっとにぎりしめて
ボクは生きつづけたんだ...
急いで
生きてる!!
生きてる!!
体温5.5で!!
血圧
上が98下が50!!
生きてる!!
聞こえますかぁ!!
自分の名前が
言えますか!!
青い
夏の空だった..
助かったん
ですよォッ!!
まぶしい...!!
こうして
ボクの人生の時間は
また続くことになった...
ジーーッ
ホラ
この記事!!
ホラ
ホラ
見て!!
見て!!
見て!!
オカルトフ
生き埋めに
なっていた場所に
でっかい火の玉がでて
それで
発見されたんだって
ね、ね、
書いて
あるぞしょ
やっぱ
あのお客さん
ただ者じゃ
ないよね
きっとすごい
臨死体験とか
したんだろうな
聞きたいー
ー
ハイ
ビール...
「激辛からあげ」
......?
それから...
スゲーよ...
店長
失礼ですよ
早くに
退院できて
よかったですね
ハイ
おかげさまで
じゃ
あんた
スゲーよ
お客さん
店長
仕事して
世はすべて
こともなし...
暑...!
あいかわらず
ボクは
廃屋のようなアパートに
住んでいる...
そして
ボクの恋人の
ユーレイの女の子が
どうなったかというと:
ギャ
ただいま
おかえりー
もちろん
いまも元気だ
暮らしている。
いっしょに
FE8/END
MyLovelyChost
KANA
思い出してみれば、別の作品ですが「大吉」という名前の
主人公も考えていたこともありました。
廃工場に住んでいる、殺されてしまった男の子の幽霊でした。
これもまた描きあげられることはありませんでした。
トを何冊も描きましたがもノになりませんでした。
机の前で唸り続け、道を歩きながら考え、スケッチやノー
アパートの小さな部屋に幽霊の女の子と暮らすお話
ヒロインの名前も「香奈」でした。
夜の窓辺の幽霊
彼女が最期に見た大きな強烈な夕陽
中庭の大きな桜の木。
二人の頭上の降るような星々。
等も現在のものと共通していました。
本当に何度も描こうとしつこくトライしたのですが、どう
しても上手くいきませんでした。
この作品の起源は実はかなり古く、僕がまだマンガ家とし
てのキャリアをスタートさせる前になります。
それまで大丈夫ですよね★★☆☆★☆★★★%
単行本としては長編2作目になります。
一初夜2」で一緒に仕事した「ドキッ!」誌の加藤主「氏と再
び組んでの作品です。
この本を手に取っていただいてありがとうございます。
「愛しのかな」1巻です。
・あとがき・
それはまだ大丈夫かな。そんな女を食べる女だな
そちゃあなたがお友人さん★★☆☆☆★☆★★★
ですが、映画なんかの宣伝風に言えば一構想10数年」と
いうことも言えるわけで、考えてようによっては、最長の準備
期間を経た作品てもあります
「愛しのかな」はほとんど準備期間がなく開始されました。
そろそろ年末の頃だったと憶えています。
描くことが決まって、打ち合うわせ、原稿製作まで本当にあ
っという間でした。
僕は描きだすまでにかなり長い時間がかかる方だと思って
いましたが「愛しのかな」は異例といって言い位の進行速度
で第1話製作に突入しました。
今、考えると何度も描こうとして描けなかった頃の一かな」
のイメージは多分、まだまだ底の浅いものだったのだと思い
ます。
何より僕自身の、人生や、生活していくことや、自分や他
人の生命についての考えが作品を描くのに不十分なものだっ
たと思います。
僕の人生も20歳代からもう間もなく40歳を迎える年齢
になっていました。
自分の人生も、他人の人先生も後戻りなし一回きりの有限の
時間であることが、リアルに感じしられる年になっていました。
それから10年以上経ちました。
職業作家としての経験値を得て、物描きとしての腕っ節も
以前よりは強くなりました。
僕自身の物事に対する考え方もいろいろ変化しました。
今は原稿は完全にデータでのやり取りになりました。
紙原稿を袋に詰めて編集部に送っていたころとは隔世の感
があります。
ほとんどリアルタイムです。
修羅場入稿の時期などは、-こちらが完成原稿アータを出来
たべージごとにアップロードするそばから、加藤さんが編集
部でダウンロードして入稿作業をしていきます。
それまでダメエネル食べそれが言えますかねええ
愛情を持って格闘していきたいと思います。
それにしてもきっと、僕は「かな」に縁があったのだと思う
います。
今、この作品を描いていて感じるのは、昔を振り返ってと
いうのでなく、「今度は闘える」といった感覚です。
それが大丈夫かだからねそれならかみちゃちゃん。
恨みの混ざった血なまぐさい肉棒な影に支配されていたが、
なや大吉はニコニコした笑顔をすることが出来るようになっ
ていました。
観念的で感傷的だった作品世界にエッチと笑いが生まれて
生き生きとした生活が息づき始めました。
蘇って来たかなと大吉は手触りこのある、よりタフな人物に
育っていました。
それゆえを大きさせるえ★☆☆☆★☆★★★☆
かなも大吉も、僕の中では消滅はしていなかったのだと思う
います。
また、次の本でお会いしましょう。
どうぞ、お元気で。
かなと大吉の暮らしはまだ続きます。
この作品を少しでも気に入っていただければ、
とてもうれしいです。
それはそれであるかなぁ★☆☆☆★☆★★★☆
うな感覚を味わいました。
田中ユタカ
2006年7月2日
msanmamaryidakaTanda
毎回、始発の新幹線便に乗せるために、夜明けの駅に封筒
を抱えてふらふらになりながら駆け込んだのも今は昔
世の中、変わっていくものですね
遠く離れているのに、まるで机を並べて仕事をしているよ
AMBOOCOMI
......
「愛しのかな」」
2006年8月27日初版発行(検印廃止)
著者
発行人
発行所
田中ユタカ
YuakaTanake2006
〒102.0072東京都千代田区飯田橋27:3
牧村康正
株式会社竹書房
電話・Googleforeは、「ひょっと2016年12月15日(土)
O3:3264-1576(代表)
振替100170---2-179210
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