Ｔｈｅｔｐｅｃｔｅｒ．

．．．

．．．

綾辻行人

清原紘

ＡＦＴＥＲＡＯＯＮＡＣ

．．．

．．．

食事の

．．．

ご綾辻行人ここ情原の

ＣＯＮＴＥＮＴＳ

それにしても、デザインの

センター．．．！！

４コマ劇場．．．１７

もしかして、

２３．

．．．何てことだ

第三の被害

アガサは

四番目だったって

いうのか

ルルウ！

返事をしろ

ルルウ！

ルルウ！

被害者

ルルウ！！

駄目だ

鍵が掛かってる

ヴァン．．．

合鍵はないのか

そんな

ここは

ホテルじゃ

ないんだ

合鍵なんて

ないよ

ドアは

外開きだ

そう簡単には

破れない

．．．破るしか

ないな

ボウ待て

外へまわって

窓を壊した

ほうが早い

二人とも

下がってろ

誰もいない

．．．そういえば

さっきホールの

扉の紐が

ほどけていた

厨房の

地下通路への

入口は冷蔵庫で

塞いであるから．．．

誰かが外へ

出たんだな

となると

ルルウは．．．

手分けして

探そう

恐らくもう

生きちゃいない

だろうか．．．

エラリィ

足の具合は

いいのか

う．．．

走る

くらい平気さ

君は

呼ばれるまで

玄関口にいるんだ

でも．．．

ヴァン

休んで

とにかく気を真め

気を鎮めろ

ぐっ

僕は

この建物の周辺と

青屋敷跡を

調べてみる

ボウは

入江のほうを

見てきてくれ

分かった

―．．．

アガサ．．．

ルルウ．．．

・ルルウ

お前どうして

一人で外に

出たりしたんだ

ミステリ好きの

くせに臆病な

お前が

足跡？

ヴァン！

ポウ！

ルルウ．．．

殴り殺されてる

その辺に

転がってる石か

瓦礫で頭を打たれ

たんだろう

ボウ

調べて

くれないか

つらいかも

しれないが

頼む

あ．．．ああ

死斑が

出てるな

だが

指で押すと消える

消える

死後硬直が

かなり進んでる

死後五時間から

六時間といった

ところか

今は

今は昼の十一時だから

気温の関係も

あるから

はっきりとは

云えんが

殺されたのは

今朝の五時

から六時．．．

夜明け頃か

とにかく

ルルウを十角館に

運んでやろう

このままじゃ

可哀想だ

足のほうを

持ってくれるか

エラリィ

ボウ

僕も手伝うよ

何だろう

このかすがな

違和感．．

これは

あれは．．．

ずいぶん

ひどい割れ方を

してるな

これじゃあ

もう使い物に

なるまい

エラリイさん

もしも今

この島で

何か事件が

起こったら

まさに

”嵐の山荘”

ですよ

おいエラリイ

．．．ああすまない

．．．ああすまない

行こうか

ルルウ．．．

ルルウの

部屋の鍵は？

ボケットに

あったよ

とにかくベッドに寝かけて

寝かせてやろう

．．．泥だらけだな

洗面器に

水を入れて

きたよ

それと

タオルも

せめて

顔だけでも

綺麗にしてやろう

ありがとう

ヴァン

．．．張り切って

たのにな

編集長

エラリィ

次は

アガサだな

ヴァン

彼女も

はやくベッドに

運んでやろう

体調はもう

いいのかい

．．．．．．多少は

マシになったよ

エラリィは

こんなとき

だっていうのに

落ち着いてるね

そう

見えるかい

おそらく

青酸化合物による

毒殺

死後三時間

くらい．．．

死亡推定時刻は

今朝の八時頃か

ねえ

これ洗面台に

あったんだ

このボーチ

口が開いた

ままで

中身が床に

散らばってたから

拾い集めてきた

アガサの

だろう

ファンデーション

アイシャドウ

頬紅

クリーム

化粧水．．．

口紅が二本．．．

！

こいつか

あまり鼻を

近づけるなよ

危険だぞ

分かってるさ

ほらボウ

正解だな

エラリイ

たっぷり

毒が塗って

ある

唇につけたら

相当な刺激が

あっただろう

どうして

こんな

それは

分からんが

昨日の

アガサを思い

出してみろ

．．．

．．．何にせよ

この場で分かる

ことはもうないな

．．．

まさに

死化粧だな

白いドレスの

死装束

おまけに

毒殺ときてる

まるで

童話の中の

姫君じゃないか

．．．化粧のせいか

まだ生きている

みたいだ

今にも

動きだしそうな

赤い唇ー

エラリ

なるほど

時限爆弾か

．．．あとで話すよ

もう出ようか

おやすみ

白雪姫

ルルウは

こんな時に何故

一人で外へ

出たんだろうか

どこへ行こうと

していたのか

何か理由が

あるはずなんだ

何かに

気づいた？

．．．．．．一体何に？

これでもう

十角館に残ったのは

僕ら三人だけか

残るプレートは

あと三枚．．．

第五の被害者

紙ＩＩＧ軽棚

「探偵」

それで

第三の被

殺人犯罪．．．．．．か

まったく

信じられんな

オレたちの

うちの一人が

四人の仲間を殺した

犯人なんだぞ

まだそうと

決まったわけじゃ

ないと思うがね

．．．例の

外部犯説かい

可能性は

否定しないが

やはりオレは反対だ

そも

中村青司が生きて

いるなんて話．．．

あまりに

絵空事めいてる

おーいーいっ

だから

そう云っている！！

じゃあ

この中に犯人が

いるわけだ

．．．

いいだろう

もう一度

最初から検討して

みようじゃないか

この

連続殺人の

犯人

それが

誰なのかを

もう一度

最初から検討して

みようじゃないか

この

連続殺人の犯人

それが誰より

誰なのかを

第一の被害者

吸い切って

しまったか

誰かが事前に

用意して島に

持ってきた品だ

．．．まあいい

――始まりは

あのブレートだったね

大して

かさばる代物

でもないから

郷ノＧ

気づかれずに

持ち込むのは

容易だったろう

犯人は

僕ら三人の中の

誰でもありうる

フフフラフランスのアプリケーション

三日目の朝

『第一の被害者』は

オルツィ

犯人は彼女の

部屋に窓かドアから

忍び込み

の被害者

紐状の何かで

首を絞めて殺した

犯人は

レートの予告を

実行に移した

問題は犯人が

どうやってオルツィの

部屋に入ったかだ

彼女の死体を

発見したとき

ドアにも窓にも

鍵はかかって

いなかった

ところで前日

最初にプレートを

見つけたのは

オルツィだったね

彼女は相当

怯えていたようだから

両方の鍵をかけ忘れた

とは考えにくい

とすると

答えは二つに絞られる

一つは窓の

掛金だけをかけ忘れ

犯人はそこから

忍び込んだ

もう一つは

犯人が彼女を

起こしてドアの

鍵を開けさせた

窓から

忍び込んだ

のなら．．．

フレートを

取りに出たか

なぜドアの

鍵まで外して

あったのかな

ドアにプレートを

貼り付けるため

とも解釈できるね

いくら早朝で

彼女が眠って

いたとしても

窓からの侵入には

どうしても相応の

物音が伴う

そんな危険を

冒すよりも

何か口実を設けて

彼女を起こし

平和的に

招き入れて

もらうほうを

僕なら選ぶ

ポウ

でも．．．

オルツィが

深夜に男を部屋に

入れるだろうか

緊急の話だと

強く迫られたら

断れない子だよ

だけどその点に

こだわると

すれば

怪しいのは

君だね

彼女の対なじみ

なんだから

警戒されにくい

莫迦な

オレが

オルツィを

殺した？

冗談

じゃないぞ

まあ待てよボウ

今のが唯一の

答えじゃない．．

可能性は

いくらでもある

じゃあ

切り取られた

手首の件は

どうなんだ

ただ

ううボウが最もいい

それらしいという

だけの話だ

何だってオレが

彼女の手を

切り落として

持ち去らなきゃ

ならん

犯人が去年の

青屋敷の事件を

意識していることは

確かなんだろうけど

何のために

そんな。見立て”を

行ったのかに

ついては

正直なところ

僕には

分からない

みんなは

どう思う？

僕らを

撮乱する

ためとか？

相応の必然性が

あったはずだって

わけか

そのためだけに

あんな真似を

するとは

考えられんな

大きな物音を

立てずに手首を

切り落とすのは

かなりの音労

だったはずだ

これは

ちょっと措いて

おくとして．．

次に進もうか

次は

第二の被害者

カー殺しについて

僕らの中で

少なくとも

ヴァンには

カーのコーヒーに毒を入れる機会が

入れる機会が

なかった．．．

けれども

この事件に

ついてもやはり

唯一これだという

結論は割り出せない

あらかじめ

毒を塗っておく

方法であれば

誰にでもチャンスは

あった

アガサが

殺されて

しまった今．．．

毒の投入が

手品の早業によって

あの場で行われた

のだとすれば

しかしこれは

他のカップと

識別できる目印が

なければ通用しない

遺憾ながら

犯人は僕という

話になる

しかし

前もってオレが

遅溶性の

カプセルに

毒を入れて

あまり頭のいい

やり方とは

云えないがね

カーに与えて

おいたのかも

しれないーーか

もし何も口にしていたから

していない時に

毒が効きはじめて

みろ

医者の卵である

ポウが一番に

疑われてしまう

他の方法も

可能性としては

存在する

あの時カーは

持病の発作を

起こしたわけだ

よほどオレを

疑っているらしいが

その説はあまりに

非現実的だな

カーには

持病があって

ポウの実家の

病院に通っていた

と仮定しよう

単に可能性を

あげつらってる

だけさ

その介抱をする

ふりをして

毒を飲ませた．．．

今のを

否定するなら

僕の早業説も

否定してもらい

たいね

話にならん

口で云うほど

易しくはないよ

それよりも

やはりカップに毒を

塗っておくほうが

はるかに容易だし

安全でもある

．．．だが

実際問題として

あのカップに

目印はなかった

そう

だから

どうしても

引っかかるんだな

傷はなかった

欠けても

いなかった

本当にいい

あのカップには

目印がなかったん

だろうか

他と同じ

十角形の

いや

待てよ

ボウ

ボウ

もしかすると．．．

もしかすると．．．

あの時の

カーのカップは

確かあのまま

取ってあったな

ああ厨房の

カウンターの隅に

二人とも

来てくれ

やっぱり

そうか．．．

あの時

気づかなかった

のが不思議な

くらいだ

何が

どうだって？

オレには

他と同じに

見えるが．．．

見えてないのさ

十角形の建物に

十角形のホール

十角形の天窓

十角形のテーブル

十角形の灰皿

この建物に

ちりばめられた

十角形という

意匠全体が

十角形のカップ

大きな

ミスディレクションに

なっていたわけさ

このカップには

やはり目印が

あったんだよ

明らかに

他のカップとは

異なる点がね

ああ．．．っ

これは

このカップは

十角形じゃない．．．

十一個一角がある

十一角形なんだ

振り出しに

戻る．．．だね

なんで

一個だけ

あんなカップが

あったのかな

中村青司の

悪戯だろう

十角形づくしの

建物の中に

一つだけ

ナー角形を．．．

なかなか

心憎い趣向じゃないか

じゃないか

カップに目印が

あった以上

ここにいる全員に

犯行は可能だった

次に犯人は全員が

寝静まるのを待って

カーの部屋に

忍び込み

死体の

手を切り取り

浴室に放り

込んでおいた

もし自分に

毒入りコーヒーが

まわってきても

黙って口を

つけなければ

いいだけだ

次はアガサ．．．

いやルルウが

先か

みんなが神経過敏に

なりはじめた状況で

相当な危険を冒した

ことになる

やはり何か強い

目的意識があったと

考えられる

わけだが．．．

どうも謎だな

これは

いいや

ヴァン

その前に僕．．．

エラリイの

殺害未遂がある

昨日の

地下室の事件さ

カーが倒れる直前

僕は青屋敷の

地下室のことを

口に出した

それを聞いた

犯人があの罠を

仕掛けておいたと

考えられる

被害者として

僕自身を消去

したいところ

だけれども

キロキチキル

そうだな

あれが狂言じゃ

なかったという

保証はない

軽い負傷でも

あったしね

――で

次は今朝の

ルルウ殺しだ

野外の．．

あんな場所で

しかも撲殺

手首の

。見立て。も

今回は施されて

いない

何やら

異質な

感じがする

確かにな

それは

それはそうなんだが．．．

．．．だがオレたち

三人が犯人で

ありうることに

変わりはなかろう

ルルウの犬兄．．．

殺害状況に

関する検討は

後回しにしよう

もう少し

考えてみたい

最後に

アガサの事件

毒薬が

彼女の口紅に

仕込まれていた

わけだが

あの口紅は常に

彼女の部屋

あのポーチの中に

あったはず

問題は

いつどうやって

毒が塗られたか

昨日以降

アガサはとても

神経質になって

いたから

犯人が部屋に

忍び込む隙なんか

まったくなかった

はずだ

アガサが

今朝倒れたの

なら

毒が仕込まれたのは

昨日の午後から

夜にかけてだろう

．．．アガサの

今日の口紅

昨日までと

違う色だった

何？

した

昨日も一昨８日

もっとくすんだ

ピンク色だったよ

そう云えば

ボーチの中に

口紅は二本あって

片方はピンク

だったね

気づかな

かったかい？

ローズ

ピンクって

いうのかな

つまり

赤の一本にだけ

もっと前から

毒が塗ってあった

ことになる

一日目か

二日目か．．．

まだ警戒されて

いない頃に犯人は

部屋に忍び込んで

毒を仕込んでおいた

ところが

彼女は今朝に

なるまでそっちを

使わなかった

時限爆弾．．．か

どうしよう

って云うんだ

こいつもまた

三人平等に

チャンスが

あったわけだ

カー

この三人の中に

犯人がいると前提

したからには

これ以上

うやむやに

しておくわけにも

いかないだろう

多数決でも

とるかい？

動機だ

そんなもの

あるはずが．．．

その点を

まだ話して

いなかったろう

．．．．．．と

お前にも

動機はある

たとえば

ヴァン

お前は確か

中学の頃、強盗に

両親を殺されたん

だったな

だからお前にとって

人殺しをネタにして

喜んでるオレたち

みたいな学生は

妹も一緒にだったか

許せない

存在なんじゃ

ないのか

それにお前は

会の中でも

オレたちとは

常に一定の距離を

置いてる感じがある

そんな．．．．．

もしそうなら

わざわざ推理小説の

研究会になんか

入ったりはしないよ

あれは

もう昔のことだ

それにね

ミステリファンが

人殺しを礼賛してる

なんて思ってない

だからこうして

こんなところまで

一緒に来てるんじゃ

ないか

例会にあまり

顔を出せないのは

パイトがある

からで．．．

僕が伯父さんの

援助で何とか大学に

通えていることを

知ってるだろう

人殺しなんて

莫迦な真似は

絶対にしないよ

それなら

ボウ

きみにも

動機はある

何だと？

．．．どうだかな

何だってオレが

仲間を四人も

殺さなければ

ならん

四人じゃなく

三人ならどうだい？

幼なじみである

オルツィを殺した

犯人への復讐＿＿さ

最初の

オルツィ殺しと

カー以降の殺人は

別の事件だとしたら？

な．．．

カー以降の

殺人には充分すぎる

動機があるだろう

じゃあオルツィを

殺した犯人は

誰なんだ！？

真迦げた話さ

そんな

真迦けた話が

あるか！！

僕らの動機を

探り合うって

いうのはつまり

そういうことさ

―お前だ

エラリィ

．．．フン

動機で云えば

一番怪しいのは．．．

ふぅん

それは

ぜひとも聞きたい

聞きたいね

中村千織の件が

世間にバレると

困るからだろう

．．．．．．確かに

彼女は僕が

殺したような

ものかもな

．．．エラリィ

それって

雨か．．．

どうした

ちょっと

待ってくれ

あの時感じた

かすかな

違和感

おいエラリイ！？

つか

あれは．．．

足跡だ！！

急げ！

足跡が

消えてしまう

！

ここだ

エラリィ

足跡っていったい

なるほど

そういう

ことだった

のか．．．

エラリィ

少し待ってくれ

僕らの運命が

かかってる

二人とも来てくれ

二人とも来てくれ

重要なこと

なんだ

さっき

現場で撮った

何枚かの写真

これを元に

図を描くと

こうなる

みんな写真を見て

間違いがないか

確認してくれ

これが

建物の跡ー

瓦礫の山だね

屋敷跡

そしてここが

崖から岩場に

降りる階段

右下が十角館のある方向

右下が十角顔のある方向

で

ルルウは前庭の

この辺りに

倒れていた

さあ

この足跡を

見てくれ

同じ入口から

ルルウの死体へ

向かう足跡と

死体から

入口へ戻っていく

のとが入り乱れて

三筋ずつ

まず屋敷跡への

入口から崖の階段へ

向かっている一筋

そして

階段からルルウの

倒れていた地点に

向けて二筋

最後に死体から

まっすぐ階段へ

向かう一筋：

あのとき僕は

屋敷跡へ出て

すぐにルルウの

死体を発見した

ほどなく君たち

二人もやって来て

死体のそばまで

駆けつけた

その後は

死体を持ち上げ

三人で来たときと

同じ経路で十角館へ

戻った

従って当然

入り乱れて往復

しているこの三組は

僕ら三人の足跡だ

これは

検討の対象から

外せるとして

おかしいとは

思わないかい

おかしい？

この足跡がか

ルルウを

発見した僕たち

三人の足跡を

消してみよう

入口から階段へ

向かった足跡は

ルルウのものと考えて

間違いない

残りの二筋

階段と死体を

往復する一組が

犯人の足跡だという

話になるけれども

階段から

死体まで続く

足跡の片方も

当然ルルウのものだ

犯人は、

どこから来て

どこへ

戻っていったのか

．．．

．．．！！

そうだ

階段．．．

ところが

その階段の下には

海しかないんだな

あの下の

岩場の両側は

切り立った断崖だ

海からこの島へ

上陸するには

この岩場の階段か

入江の桟橋の石段か

どちらかを

利用するしかない

じゃあ犯人は

この岩場まで

どのようにして来て

どこへ行ったのか

入江のほうへ

行くには絶壁を

迂回するしかない

犯人は海を

泳がなきゃ

ならないわけだ

水深は

かなりあるし

この季節の水温は

何度あると思う？

つまり

問題は．．．

犯人は何故

そんな行動を

取ったのか

だね

犯人が今この

十角館にいる

僕たちの三人の

うちの一人

だったら

わざわざ

岩場に降りて

海の中を通るとかして

戻ってくる必要は

なかったわけだ

地上を

歩いて戻って

くればいい

足跡の大きさや形は

地面を踏みにじる

ようにして歩けば

いくらでも誤魔化せた

つまり何らかの理由があっ

理由があって

鑑識の専門家が

いるわけじゃ

ないんだしな

海のほうへ

戻っていかざるを

えなかったと

考えられるが

そのとおり

答えは明白だ

つまり犯人は

海から来て海へ

戻っていった

犯人は

外部の者である

と

考えるのがこの場合

最も論理的だろう

第三者が

外からやって来る

ことはいくらでも

可能なんだ

．．．！？？

船を使ったと

考えれば

いいんだからね

それならば

海を泳いだなんて

いう無理な解釈の

必要もない

船・

確かに．．．？？

外部犯か

――というところで

食事休憩にしよう

いったん

じゃないか

．．．こんな

ときに食事

休憩だって？

足跡の件からは

そう考えるのが

妥当かもしれん

もう三時だ

僕らは朝から何も

食べてないんだぜ

．．．

わかったよ

．．．なら僕は

コーヒーを

淹れてくる

ヴァン

ウッン僕の分も頼むよ

．．．．．．三人分だね

．．．．．．そうか

もう尽きたんだった．．．

だったな

レので

よければ吸うか

ん．．．そうだね

ありがたく

いただくよ

紙巻を吸うのは

久しぶり．．．だな

加熱式は

どうも好きに

なれなくてな

僕も一本

いいかいボウ

さて

医学部で

ょうび

煙草好きは

オレくらいだが

かまわんよ

お前が人前で

吸うのは珍しいな

こんな状況

だからね．．．

ありがとう

さっきの問題の

決着をつけて

おこうか

．．．エラリィ

お前の説が

正しいとしてだ

あのプレートは

どう説明する？

「犯人」が七人の

中にいるのだと

信じ込ませる

効果がある

それだけ

外部に対して

無防備になるって

ことだ

次に

心理的圧迫

だろうね

犯人の最終目的は

七人の皆殺しにある

そう考えていいだろう

最後に残った

何人かが互いを疑って

殺し合いでも

してくれれば

楽に死体を稼げる

かもしれない

殺し合いでもしてくれれば楽に死体を稼げるかもしれない

：ひどい話だ

もう一つ

疑問がある

犯人としては

あくまでも内部の

人間の犯行だと

思わせたかったはずだ

．．．犯人は

ルルウを殺したあと

何故海のほうへ

戻った？

残しておく

足跡を余分に

できたはずだが

くらいの工作は

そして

そのまま帰って

いったと？

足跡が

残っている

ことに気づかな

かったんじゃ？

「第三の被害者」の

ブレートは

いつ貼り付けたんだ

それは．．．

そいつは

ルルウ殺しの状況を

考え合わせてみると

説明がつく

恐らくルルウは

あの岩場で

見てしまったんだ

察して逃げ出した

島から離れ

ようとしている

犯人と船を

足跡には

気づいていたが

ルルウの上げた悲鳴で

人が駆けつけるのを

恐れ

それに気づいた

犯人があとを

追いかけてロット

口を封じた

そして誰も起きて

こないと見ると

十角館に忍び込んで

プレートを貼った

ボートを出して

入江へまわり

様子を窺った

足跡問題は

もう諦めて馬鹿

島を離れた

犯人が島から

離れようと

していた

明け方には

恐らくまだ

昨夜の雨がやんで

いなかった

だから屋敷跡の

入口と階段を

往復する犯人の足跡は

残らなかった

船の準備を

しているときに

雨は上がり

そこへ

ルルウがやって

来たわけだ

なると

犯人は昨夜も

ずっとこの島に

いたわけか

毎晩来て

いたんだと

思う

夜になると

島へ来て僕らを

監視していたのさ

その間船は

入江か岩場に

付けっぱなしに

してあったと？

ゴムボート

小さな

ゴムボートなら

簡単にたためるよ

おもりをつけて

水の中に沈めて

おいてもいい

そんなもので

本土と行き来が

できるのか

本土である

必要はないのさ

近くに絶好の

隠れ場所が

あるだろう

．．．そうか

猫島か

じゃあ

エラリィ

犯人はあそこに

キャンプを張って

いるんだと思う

手漕ぎのゴッ

ゴムボート

でもあれば

充分だよ

猫島に潜む

その真犯人と

いうのはいったい

誰なんだ

ああそうだ

まさかまた

中村青司だとでも

云うつもりか

中村青司さ

．．．青司が

生きているという

可能性は百歩譲って

認めるとしよう

だがオレたちを

皆殺しにする

どんな動機が

あるって云うんだ

動機はある

あるんだよ

僕も昨夜

自分の部屋に

戻ってからやっと

気づいたんだが

中村千織だよ

昨年

僕らと一緒に

海難事故に遭い

僕らが死なせて

しまった後輩

中村青司には

僕らを殺すだけの

動機がある

中村

しかし

そんなまさか

その

まさかさ

中村青司．．．

中村千織．．．

ああ．．．

僕には

そうとしか

思えない

中村千織は

中村青司の娘

だったと

半年前

この島で起こった

事件の犯人は

中村青司だった

そうして娘を殺した

僕らに対する復讐を．．．

青司は

行方不明になった

庭師かあるいは

他の誰かか．．．

とにかく

自分と体格や年齢

血液型の一致する

男を探してきて

自分の

身代わりに焼死させ

生き残ったんだ

ガッ

ボウ？

ポウ！！

すみません

島田さん

３月２５日

日曜日（五日日）本土

僕は別に

かまわないよ

こんなところ

まで付き合わせ

ちゃって．．．

それにしても

意外だったよ

江南くんは

彼女と親しい

間柄ではなかったと

話していたから

．．．紅次郎さんから

あの話を聞いて

思ったんですよ

まさか．．．

中村千織の

墓参りに行こう

だなんて

私彼女のこと

何も知らなかったん

だなって

実は一度

彼女が他の

ミス研メンバーと

私ってけっこう

人見知りな

ところがあるって

いうか．．．

あの子とは

まともに会話もして

ないんですよね

．．．けど今回の

怪文書の謎を

追いかけていく

うちに

私の家に

遊びに来た

ことがあったん

ですよ

あでも

麻雀は

楽しかったな

麻雀．．．？

紅次郎さんから

あんな話を

聞いちゃったし．．．

中村千織は

本当はどんな子

だったんだろう

．．．って思って

．．．今さら

遅いんです

ですけどね

いや、それぞれ

分江学ヱ陛

この花．．．

まだわりと

新しいってことは

最近誰かが来たのかな

？

封は

されてない

！

なんだろう

これ．．．

手紙？

今朝の雨でだいぶ

濡れちゃってる

けど．．．

島田さんこの手紙．．．

角島に行ってる

ミス研会員の

オルツィ

大野由美

大野由美が

中村千織とその親族に

宛てた手紙です

この手紙の

彼女と．．．

多分．．．

中村千織

さんとは？

はぁん

ちょ．．．っ

一番仲が

良かったん

じゃないかな

こんな場所に

置かれた手紙．．

いかにも意味深

じゃないか

島田さん

勝手に読んじゃう

のはさすがに．．

それはそう

かもしれない

ですけど

何か重要な

ことが書かれている

かもしれない

じゃあ読むよ

―千織へ

そしてこれを

読まれるかも

しれない千織の

ご家族の皆様へ

私にはどうしても

伝えないと

いけないことか

あります

あの日

私たちミス研の

メンバーか．．．

私が千織に

してしまった

ことを．．．

謝りたいのです

みんな無事か！？

数難信号で

すぐに助けが

来るはずだ

オルツィ！！

オルツィ

どこだ

んん．．．

オルツィはここだ

手を貸してくれ

そこで

溺れていた

新しく

着せたんこ

だが．．．

着ていた

救命胴衣が

駄目になっていた

みたいで

．．．！？

．．．救命胴衣は

人数分しか

なかったはずだ

その

救命胴衣は

誰の．．

私たちは

無事救助され

千織だけが

翌日道体で

発見された

私が生きて

いられるのは

千歳の救命胴衣の

おかげなのです

ご遠族が知れば

かえって

悲しませることに

なるだろうと

このことは

みんなと相談して

伝えないでおこうと

決めました

ですが

形見分けして

いただいた

彼女の指輪を

見るたび

ーー真実を

隠していることに

耐えられなく

なりました

この告白が

正しいことか

わかりません

やっ！！

本当に

ごめんなさい

私たちは許されない

ことをしました

明日から千歳の

故郷である角島へ

行ってきます

もし許されるなら

後日みんなで謝罪に

伺いたいと思います

千織の死の真相？

わかった

分かっ

だからみんな

あの事故の後

急によそよそしく

なって．．．

なるほど

「カルネアデスの板」

だね

つまり自分の命が

脅かされる状況では

これは正当な行為：

この場合

彼女が中村千織の

救命胴衣を奪った罪を

問うことはできない

緊急避難って

やつになる

はずだからね

．．．分かっては

いるんです

江南くん？

どうしようも

なかったって

悪くないん

誰も

だって．．．

でも．．．

あいつら

全員許せない

こんなの

納得いかない

ですよ

だって

これじゃあ

中村千織が

あんまりにも．．．

中村千織は

救命胴衣を奪われて

死んでしまった．．

そして彼らは

それを隠した

けれど

その罪悪感から

この手紙を残し

彼女は

追悼のため島へ

行ったーーか

．．．彼らが島から

帰ってきたら

叱ってやればいいさ

私同学を結婚

友だちなんだ

なんだろう

――さぁもう行こう

――かわもう行こう

風邪を

引いてしまう

．．．．．．事故？

島田さん？

ああ

雨が強く

なってきたね

早く車に戻ろう

あとで

車の中で話すよ

気づいたことが

あってね

．．．．．．ボウ

『第五の被害者』か．．．

くそっ

また時限爆弾か

中村青司が

ボウの煙草の

ストックの中に

毒入りのを

一本混ぜて

おいたんだ

．．．中村青司が？

部屋に忍び込んで

注射器でも使って

注入したんだろう

―――．．．

ああ

僕らも

危なかったのか

．．．考えてみればねヴァン

そもそも青司は

この十角館の

主だったんだ

島の地理や

建物の構造を

熟知してる

うえに

十中八九

彼はここの全室の

合鍵を持って

いるんだと思う

合鍵？

マスターキー

かもしれない

彼は誰の

部屋にでも

自由に出入り

できたわけだ

青屋敷に火を放ち

姿をくらました際に

持ち出したのさ

第二の被害者

オルツィを

殺すのも

簡単だった

アガサのコエや

口紅や

彼は僕らの

死角を縫って

ボウの煙草に

毒を仕込むのも

然りだ

影のように

この建物の中を

動きまわっていた

僕らは

十角館という

罠に飛び込んだ

哀れな獲物だった

ってことさ

この十角館も

彼自身が

設計したもの

なんだろう

文字通り

彼の造った

！！

待てよひょっとすると．．．

待てよひょっとすると．．．

カーの毒殺に

使われた

例のカップ．．．

あのカップに

ついて君が

云っただろう

どうして、

こんなものが．．．

一個だけある

のかってね

あの

十一角形の？

だが

よく考えて

みてくれ

あのとき僕はいた！！

青司の悪戯

だろうと答えた

心憎い趣向

だと．．．

十角形だらけの

建物の中に

一つだけ置かれた

十一角形だ

この建物には

中央のホールを

除けば十個の同じ

部屋がある

厨房

玄関ホー

七つの客室ー

どこかに

十一番目の部屋が

隠されているのだと

すればー

．．．

トイレ浴室洗面所を

一室と考えて

この十室以外に

もう一室．．．

隠し部屋の

中から

常に僕たちの

様子を探ること

ができたと？

地下？

厨房の地下には

青屋敷に続く

隠し通路しか

なかったじゃないか

そうだ

建物の構造から

考えて恐らく

地下だろうね

部屋なんて

どこにも．．

だから僕が

思うに

あの十一角形の

カップこそが、、

その部屋の扉を

開く鍵なんだ

覚えている

かい？

地下への

階段を降りた

通路の壁．．．

十角形の

装飾がいくつか

あっただろう

やはり

そうか

ここだヴァン

数えてみてくれ

！

本当だ

ここだけ

十一角形だ

ヴァンカップを貸してく

貸してくれ

あ．．．ああ

．．．ぴったりだ

まわしてみる

．．まさか本当に

こんな隠し部屋が

あったなんて

．．．天井から

．．．天井から光が少し漏れている

この部屋は

位置的にホールの

真下だな

つまり僕らの

話すことは全部

筒抜けだった

ってわけか

僕らの様子に

聞き耳を立てて

いたに違いないね

．．．じゃあやっぱり青司はこ

青司はここに

潜んで？

エラリイ？

．．．！！

あれを見ろ

奥にドアが

ある

どこへ続いて

いるんだろう

けど

もし待ち伏せ

されていたら

大丈夫さ

まだ夕方だ

行こうヴァン

何だ

これは．．．

青司は

来ちゃいない

だろう

ひどい

臭いだな

フフフラフラステム

エラリィ

この悪臭は．．．

ああ

．．．腐敗臭だ

何だ？

！？

あそこに

何か．．．

！？

ひ．．．．．．

死体！？

．．．．．．恐らく

行方不明と

されていた庭師の

吉川だろう

やはり半年前に

青司に殺されて

いたんだ

ここに

逃げ込んで

力尽きたか．．．

あるいは

青司が彼を

ここに連れ込んで

殺したのかも

しれない

なるほど

ことは．．．

という

やはり．．．

．．．．．．進もう

この通路が

どこに出るのか

調べておく

必要がある

エラリイ？

あ．．．っエラリィ

あ．．．っエラリィ

．．．

ＤＬ－ＲａｙＮｏｒ

待ってくれ

エラリィ

ＤＬ－Ｒａｒｗｉｓ

ああ

ｐｉ－Ｒａｖｉｌｅｔ

愚かなー

３月２６日月曜日（六日目）本土

んん

もし！

え？

．．．

ああ．．．

守須か

いいよ。僕から

こんな朝から

電話なんて

ごめん

もう一度．．．

角島

十角館炎上．．．

合宿に行った

ミス研メンバーは

全員、死亡。

ＤＬ－ＲａｖｙＮｅｔ

「ＷｉｎｄｏｗｓｅｒｄｅｏｎＨｏｕｔｅｒ．

．．．

ずっというのはおまえも気がついていると思っていますのであれば、

そして、それはそうですが、これは何も知れているのですから、

十角館の殺人

ＤＬ，ＲａｗＡｒｅｔ

ＤＬ－ＲａｗＮａｔ

十角館の

お兄ちゃんお兄

僕を離婚

毎日

暑いですねぇ

８月のセレナーデ

まあ

夏だからな

ヴァンは

表紙に

入らんのか？

僕一人で

いいじゃないか

こんな日でも

エラリイさんは

長袖なんですね

アイツが

服を脱いだところ

見たことないよな

．．．だそうです

もしかして．．．

イカついタトゥーを

隠すため．．．とか？

マジかよ

「危険なやつ」

だったのか！？

肌が弱いから

日焼けしたく

ないんだよ

やめろ！

熱湯をかける

のはやめろ！！

やっぱり

夏と云えば

海ですね！

海に来た。

ルルウ

そういえば色一重．．．

他に誰が

来てるんです？

水着回と、．えば．．．

たしか

オルツィも来る

とか云ってたな

バリバリ

脱いでる！！

あっエラリイさん

日焼け止め造っこっ

塗ったから

真っ白な肌が

眩しいですね！

オルツィが

あれ？

カー先輩は？

先に着替えてた

のに

ルルウ

ん？何だ

お前らも

来てたのか

あまり

羽目を外し

過ぎるなよ

何してんだ

早く泳ぐぞ！

カー先輩！！

なんか．．．

いつも通り

でしたね

いや待て

そこじゃない

他に来てる

人はいないん

ですか？

．．．．．．

確か

ドイルも来る

とか云ってたな

中村紅次郎

ドイルがー

スクれですけど．．．何か？

淡砂の城

．．．紅さん

！

あ

ちょっとそこ

踏まないでよ！！

平和だなあ

もう諦めて

帰ろう

十角前の殺人４コマ朝場あわり

まだだ．．．

あと一投だけ．．．！

«小』

彼女は奴らに

殺されたのだ

解けただろうか？

あなたは、どこまで

謎を解く手がかりは

すべて示された。

最終

５

ということは、島田さんが疑って

いるのは、もしかして．．．

江南のもとに「全員死この一報が入り

「本土の人間は「島」へ向かう。

すべてがあのは

警察に

ちょっとコネが

あるって、

いつか云った

だろう

ＤＬ－Ｒａｖｉｌｅｔ

十角館の殺人（４）

２０２１年１０月１日発行（０）

綾辻行人凄固幼

きゃあ

絵！

綾辻行清原紘

．．．．．．。＠ＹｕｋｉｏＡｙａｔｓｕ：

発行者

森田浩章

発行所

株式会社講談社Ｉノｅｅｃ？

テ１１２－８００１

東京都文京区音羽２１２：

ｋＯＤＡＮＳＨＡ

家この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは

・切関係ありません。

米収録されていいる内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し

コミックス発売当時のまま掲載しています。