みどりちゃん猫っ毛だもんね そう!ぺったんこ!なやみー コンビニも遠いもんねえ 高校生の時のこと思い出すの あの宿カップラーメンしかなくってびっくりしちゃったぁ ゲストハウスってそういうもんなんだろうね ただまきちゃんがいるだけで へえー知らなかったぁ『丁直、とろー。 うちの庭にあるんだよね これもう咲くんじゃないかな うんもうしつこくってさぁ この夢がずっとさめなきゃいいのに 居場所だけでも言っといたら? どこにいるの?それだけでもいい返事くださいそれだけでも返事ください ほんとは帰んなきゃいけないって この辺ってなんか有名なものあふたぁ? 隣の駅まで歩いてみない? ...くだもの...とか...? 疲れたら引き返したらいいじゃん? じゃあロビーで水飲んで待ってるね ここに来てからのまきちゃんは いっつも少し困ったような顔してる あたしはあったでもなんで わっかるよお腹出てんじゃん まー見るからにちょー訳ありっぽいし うちに迷惑かかんない? いちお言っとくけどさぁ 日にちも決めないで泊まるって なんかあった時責任とれないんだけど みどりちゃーんおまたせ どしたの?なんかあった? まきちゃんも一緒に布団入ろ 学校さぼってこんなことばっかしてたよね ふたりでこーやって高校席の時さ布団かぶってナイショ話とかしたよねえ そー!ほらあの現国のあいつの あいつの授業つまんなくって逃げてばっかだった ねーっしかもすんごい字が汚くってぇ 逃げても逃げても不安じゃなかったあの頃さ 私はみどりちゃんがいれば えーっそれはあたしもだって〜! 明日の散歩楽しみだねえ あたし今三つ編みがきれいにできないとか 授業がつまらなかったとか そういうことだけ話したいの ...ていうか思ったより散歩できなかったねえ 早く帰ってあったまろ〜 みどりちゃん大丈夫?私のマッラー使う? どうして夢からさめなくっちゃいけないんだろ ごめんっスマホコンビニに忘れてきちゃったみたい ちょちょぢょちょっと待ってよ! あんたの人生だし口出すのも悪かったなぁって なんかあっても責任とらないけど ちょっとだけ話してかない? どら焼き安かったからいっぱい買っちゃって やなことぜーんぶ忘れちゃう さいっこうにいい旅行ですよ〜 え?なに?あたし変なこと言った? なーんかあんたたち見てたら なつかしくなっちゃったよ あたしもよく仕事さぼって好きな人と旅行行ったんだよねえ 好きな人といるとぜんぶどうでもよくなるじゃん 恋人できるたびに仕事さぼったり遅刻したりすっから んまー気づいたらこんな歳で しかもみーんなだめ男だったから結局恋人もぜんぶ消えちゃったよ まともな仕事つけなくなってさぁ なぁんでいいことだけじゃないんですかねえ〜 ずっと夢見ていたいのに ただいまくらい言いなって えっあんた算数百点!? なんか提出するやつぅ? 空ピンクにぬったら先生に変ってゆわれたし ピンクいいじゃぁーん!めっちゃかぁいいじゃーん! さらに―――かおう天っす!! 画びよう届かないだけど 三つ編みほどいちゃったんだ あれっみどりちゃんここにいたの!? 部屋で待ってたらいいのに 次はさこども連れてきなよ あんがと!お気をつけてー! このまま歩いてったらちょうど来るっぽい うん!絶対また来ます! 帰る前に咲いて良かったねえ まきちゃんと一緒に生きてくっ! ほんとにほんとに大丈夫? 私も一緒に行っても.. 自分のことは自分でやるって どんだけ捜したと思ってんの? あの時みどりちゃんはまっすぐ前を見てた 朝の光のせいだけじゃない 自分のことは自分でやるって なんにも怖くないって強い目 小豆島でさちょっとはゆっくりできた? そういや道明さん困ってたよ あとでちゃんと連絡しときなよ みどりちゃん急に休み延ばすなんて言うからさ まきちゃんさんもすみません みどりちゃんの目は暗く沈んでいる みどりちゃんっっとに我儘ばっかで 連れまわしちゃったみたいで みどりちゃん帰ったら風呂入れようぜ 自分の立場わかってる? 知ってンだよ浮気してることくらい いつまでも遊んでんなって話なんだよ 水に流してやってんの気付いてない? ねえまじでいい加減にしてよ 母親になんでしょ?自覚持てって何回も言ってんじゃん なんでこんなことも分かんないかなー ちょっとびっくりしちゃったの 好きじゃない人の言葉になんて ちっとも傷付いたりしないのね たずね君のこと好きじゃないの ふたりでうまく生活できてたし おれ子どもできたのだって嬉しいよ こんなんでも家庭を築けるんだって そういうのできないって思ってたし みどりちゃんの笑った顔とか もうたずね君とじゃ笑えないの 電車に乗って少し経ってから 私はなんだか心臓を殴られたみたいにドキドキしていた ちゃんと好きだったのにな みどりちゃんは少し怒ったような顔をしていたけれど 私の家に着くまで手も繋がなかったし、なにも喋らなかった きっと私も同じような顔をしていたのだと思う とため息のような声で、言った まだ心臓ドキドキしてる なーんか今は明るい気分じゃないんだよねえ 気分落ち着かせたいよねえ なんとなく触りたくなっちゃって そんな優しいこうふんじゃあなくって... まきちゃんのぜんぶに触りたいの ちょっこのタイミングで下の名前でよぶー? 自分のからだじゃないみたいで でもよくわかんないけど心がざわざわするの 家族じゃない人に裸見られるの みどりちゃんには言えないんだけどさ くっついちゃうくらいギュって目をつぶってた まぶたの裏に白とかみず色とか蛍光ピンクがパチパチ光って消えて なんにも怖くなくなって ...まぁだ寝てんの? 「ステップアプリケーションプログラフィッショップ みどりちゃん仕事じゃないの? ふつうどこ行くもんなんだろ いつだって私はやりたいことも行きたいとこもなく 流れに身をまかせて生きてきた はいあたしずーっと遠くに でたーっみどりちゃんのテキトリ孫をテキトリ発言、 そのへんの川に流れてる 誰かが捨てたお菓子の袋みたいなもの たまーに流されないぞって確固たる意志を持った 大きな岩を見送ったりして 人様の妻を奪ったってわけ? いや奪たわけいや... 奪ったとかそういうのじゃあないんですっ あたしがまきちゃんと一緒にいるって そう決めただけなんです みどりちゃんの気持ちはわかったから 私はももに聞いてるんだけど? 何言ってるのかちっとも聞こえないったら どうせまたなんにも考えないで流されてるだけでしょう 私立の高校だって大学院だって どうしても行きたくって選んだんじゃないんでしょう? 妊娠だってしてるんだよ? ももになんかに任せらんないよう それで幸せにしたいだなんて 夢みたいなこと言わないでよう 悪いことにはなんないから旦那ンとこ戻りなって っていうかお母さん関係ないじゃん!! みどりちゃんってこのみどりちゃん!? 今話し合ってんのっ自分の部屋に... うんっ...今かえった お母さんこれすごくね!? お姉ちゃんとデキてたのぉ!? あんなに虚無のかたまりだったお姉ちゃんが こんなちゃんと意志持ってんの初めてじゃない!? 流されてばっかだった私が 唯一必死になってつかんだのって 許してとか言いたいわけじゃなくってさ みとりちゃんの手だけだ やべーあたし彼氏にもそんなこと言われたことなーいっ! じゃあみんな週末あけといて おめでたい日なんだから やーっとももが親のすねかじり卒業してくれる まさかあんなとこお母さんに あったぁい麦茶がドーン よっしじゃあまきちゃん行こう んあーっ見られるなんて今になっては迷かしくなっできた! どうしたんですか大西さんっ! あーっ大河原さんおっかれでまー、 ごめんねお店あけちゃっ ごめんねお店あけちゃって 今日までお休みって聞いてたんですけど まきちゃんこっちこっち ぜんぶヴィンテージのウエディングドレスなんだけど うらやましーなんて思いながら包んでたけど とうとうこの時が来たんだねえ やっぱこういうのって惹かれて仕入れちゃうんだよねえ やーんまきちゃんかわいー! いやいや冗談きついって てか今日私スニーカーなんだけどっ ベールより帽子がいいかなぁ このまま写真撮りに行っちゃおっか えっちょっはりきりすぎじゃない!? どうしたの?明日出勤でしょ 外ノ池さんには連絡したの? うんごめんねお邪魔してます ...ううんもういいの 今度ゆっくり説明するね で?なに?その人に乗り換えたの? そういうわけじゃ... 外ノ池さん簡単に捨てて つらーいって言ってれば誰かしらそばにいてくれるでしょ なんの苦労もしないで誰でもいいから他人に頼ってれば生きていけるんだもん 最初っから外ノ池さんと付き合わないでよ あたしもこんな風に怖かったし 誰でもいいわけじゃないの その時そばにいてくれたのが じゃあ今日までよろしくね カメラマンさんでかしてみよーっ ふたりともほんとにありがとう 当日なんて見つかるかなぁ... お花買ってきてもらっていいですかね? もしかして大西さんにお祝いの花ですか? ウインドウに飾ってる花ちょっとしおれてるじゃん? ちょっと奮発して豪華なやつにしてもらおっかな お互い見つめ合う感じで! よかったねえカメラマンさん見つかって ねーっほんとラッキーだったぁ いいの?結婚式しなくって うんこれで十分夢叶った 外でドレス着てみたかったし じゃあそろそろ時間なので撤収しましょっか こんなに綺麗なんだもの ちょみどりちゃん何言ってんのさ なにかの撮影じゃないの? ねえっ笑われてるよーっ 世界中の人におめでとうって言われたいくらい幸せなの このまままた逃げちゃう? いいねえっ!どこまで? そうだな...そういうことですか あーっ!あたしの真似したーっ ほんとだよーっみんなに迷惑かかっちゃう まきちゃんもノリノリだったくせにぃ ちょっと遠くまで走りすぎちゃったかなぁ ほらっ暗くなってきちゃったじゃんっ ちょっと弱音はいてもいーい? ちょっと怖くって逃げたくなっちゃたの でもドレス着て外出たら気付いたの 魔法が解けちゃうんだもん ずっとお嫁さんがゴールだと思ってた 明日もあるんだなぁって 明日が来て明後日が来て 私もっすーんごくこわいっ あたしのお腹が膨らんで まだまだお母さんになる準備できてないし みどりちゃんがいないのが だからみどりちゃんがいれば ちょっとはこわくないっ 明日も一緒にいてくれる? 魔法が解けたみどりちゃんは 卒業式のあの日と変わらず、 みどりちゃんが隣にいる 明日はどんな日になるかなぁ? 不機嫌そうに伏せられた目は びっくりするくらいみどりちゃんに似ている 空港に着くなりそう言った とりあえず、親に連絡? むしろ私が東京に連れて帰る? なんていろいろ頭をぐるぐるしとったけど こんなこと言っちゃったんは今年の夏が猛暑だったけん チケットとって空港まで迎えにきてくれたのに 私すんごい嬉しかったんだよう とりあえず今日はもう遅いけんうち泊まって こっち来たいって紺ちゃんから連絡来た時 明日船乗って小豆島行こ 実家が小豆島なんでしたっけ? なんで家出てきちゃったん? もう一緒に住みたくないの ももちゃんいっつも忙しくって家にいないのにさ たまに帰ってきたら勉強してる? こないだ帰るのちょっと遅くなって怒られたから 言い返したらもっと怒っちゃって 家に入れてくれなくてさ みどりちゃんがこっそり家に 紺ちゃんのこと心配しとんよ じゃあもう帰んなくていいやって それきり紺ちゃんは黙ってしまって しまったなぁと私は思う ほんとのお母さんじゃないくせに うっかりまきちゃんの気持ちになっとったけん だってそんなん遠い昔のことやけんさ なんかおっしゃれ... ごめんねえちょっと狭いんやけど えっこれは散らかっとるって言うんよ あーっ水しかないっごめん買ってくる あっいいです水筒あるから ひゃーしっかりしとるなー 今日は紺ちゃん来るけん半休とったんやけど ちょっとやり残しちゃって あこないだの手紙に入ってた写真 すっごいきれいだった! あれ見てここに来たいなあって思ったの フォトスタジオのまだまだ見習いなんやけど ...んでも写真好きでねずっと 自分のこと自信もって言えるの 後ろの席の子に言われたんだ 本当のお父さんすんごい優しくって このリュックお父さんに買ってもらって 多分ふくざつな事情があるんだよね みんなのお父さんの話とかどう入っていったらいいか分かんないし みんなからはみ出さないように必死になっちゃって なんで他の子じゃなくて私なんだろって ますます家がやになっちゃって はみ出したくないよねえ 分かる分かるその気持ち こころはすごくトゲトゲで 誰も私のことなんて分からんっておもっとる いろんな言葉が浮かぶけれど 私はなんにも言えなくなってしまう 分かったふりをされるんが一番傷つくのだ というか私もっ一番最初に紺ちゃんから連絡来た時に相談するべきでしたーっ 今日の朝だって変なとこなかったのになぁ ほんっっとうにごめんねえ 明日そっちまで迎えにいくね せっかくなんで一緒に観光しちゃいます 家出なんてびっくりしちゃった こないだまきちゃんと大げんかしてさ 言葉ははっきりしてるんだけどあんまり行動力ないと思ってたからさぁ いろいろあるんじゃないですかねえ 小毬ちゃんなんか聞いてる? あの子はあたしじゃないから考えても分かんないよねえ なんかみどりちゃん変わりましたね 最初に会ったときなんか いーっつもちょっと泣きそうな顔しとって お母さんになれるかなーって不安がっとったのに わーっ明日がきちゃうーって しょっちゅう私にライン送ってきとったじゃないですかー えー?そんなに不安がってた!? あははそれめっちゃ幸せっすね まあ今はまきちゃんのが不安がってるかなー ほんとの親じゃないから また変な怒り方しちゃったーって こないだもへコんでてさあ ほんとはもっと仲良くしたいんだけど つい小言がでちゃうんだって 素直になればいーのにねえ 本音を言うんはものすごくものすーごく大きな一歩なんや それがすごく難しいことはようく分かっとる おっ落ちない?ぜったい?海に! だーもうっ落ちるわけないやんっ こんなにぜんぶ海なの初めて うそー船乗るん初めてなん? これから私の実家行こっ あー車で山の方行くんもええなぁ ももちゃんからだでんわ それ着信音なんやなんや... 絶対すんごい心配しとるよっ どうせまた怒られるだけだもん ...ほんとのお母さんじゃないのにさ あーっなんかすごい遠くまできたーって感じ ここは学路の街といいまーす! 紺ちゃんに怒られそうやけど こんなに海が近いの初めて もうつかれちゃったので... うん電車から見えたりはするんだけど 渡そうと思っとったんがあるんや ももちゃんとみどりちゃん!? 紺ちゃんが産まれる前やけん 手なんか繋いじゃってさぁ ここで紺ちゃんとおんなじもの見て あーっやだーっどうしたん? 友達からはみ出すのいやで 変って言われても変じゃないって言えない自分が ももちゃんじゃあなくって ももちゃんにひどいこと言っちゃった という紺ちゃんの後ろ姿は あのころのふたりとおんなじようにキラキラしとって 私はあのころとおんなじように無意識にシャッターを切ってしまった 連載権を手に入れるチャンス...!!!隊合同教会については、講談社オトナ女性漫画大賞 最終選考に残った作品は、す 二ノ宮丸丁先生ぐれはにて「ヒルあのふの宝石車を車取り 当編集者がつき、今後の活動をサポートします。