HTML overlay generated with mokuro version 0.2.0-beta.6
Instructions:
FXCOMICS
A.RachionはinheAtpron...
JroMatsumoto
太田出版
entamailshinefone
革命家の午後
松本次郎
FXCOMICS
太田出版
CONTENTS
革命家の午後
革命家の午後2
砂漠の魔女
037079105135
竹山君の日常
雑兵敗走記
あとがき
RevolufionistiniheAfternoon
jiroMatsumoto
革命家の午後
うん
いい線いってるとは
思うんだけどなー
一応編集会議の
方にまわして
みるからさー
結果が出たら
また電話するよ
マキ君
!!?
最初から
載せる気
ねーくせに..
あぁ
それと...
一応こういうご時世
だから過激な内容は
ダメだかんね
関係
ないっスよ
どーせ
載らねーし...
2日後に行われる
軍事パレードを
控え...
各国のVIPを
乗せた専用機が続々
と突港に到着して
おります
何よコレ
私じゃなくて
エマさん宛てだ...
郵便屋
一つ部屋
間違えてるよ...
エマさーん
いないんですかー
お手紙ですよー
エマさん?
エマさんとは
付き合いが長いので
彼女の事は
よく知っている
表向きはカフェの店員
だが本当は反政府組織
のメンバーなのだ
彼女は夜になると
クローゼットに隠して
ある無線でいつも
何かを打っていたし
時には誰かを
かくまったり荷物を
何処かへ送ったりしている
彼女の話は
私の小説のネタを
ふくらませてくれる
どーすんの
コレ
貴重な
情報源だったのに
ああそれと
彼女の唯一女性らしい
習慣といえば
自殺した理由...
毎朝何処からか
野菊を摘んできては
窓辺に飾る事くらい
かもしれない
今考えれば
先週お茶した時に
彼女はかなりナーバス
になっていた気がする
アンタみたいにいい男と
一発やれば幸せな
アホ女とは違うのよ
私は理想の中に
生きてるのよ
私の人生そのものが
夢みたいなものよ
私は眠りの中や妄想
の中じゃなくても
ユニコーンやドラゴンを
見る事ができるって事
つまりね
レベルが高いのよ
わかる?売女の
アンタには到底
出来ない事なのよ
だけどね...
それが悪夢だったら
悲惨なのよ
だって
そーでしょ
目が覚める事が
ないんだから...
生きてる間中私は
悪夢の中にいなきゃ
いけないの
死ななければ
悪夢から解放され
ないのよわかる?
だから...
死ぬしかないのよ
私を
日入れしに
うふふかああ
あの時
私が気付いて
あげていれば...
午後には警察の
検証が終って
あボチボチ
バイトいかなきゃ
翌日私はお隣という
事もあってバイトも
かねて彼女の荷物や
部屋の片付けをする
事になった
死体は何処かへ
運ばれていった
彼女には身寄りが
誰も居なかった
のだ...
2日だよ
それまでに綺麗に
しとくんだよ
手ェぬいたら
金払わない
からね
うるせーなクソババァ
うるせーな
クソパパァ
地獄に
落ちろ
そーいや
手紙があったな
読んじゃって
いいかな...
何だこれ
お姉さん.弟のユーリで
そちらに上京
君お世話に
エマさんに
身内はいない
よな...
て事はこれは
組織の仲間
だな...
あれ?
16日って...
今日じゃん
ひ
こんにちはー
いますかー
弟のユーリ
でーす
エマ姉さーん
こんにちは
姉さん
久しぶり
だね
はは
えーと...
?
こいつは意外と
好みかもしれない
ああこれね
一応変装
のつもりだよ
しかし
エマさんが
こんな方だとは...
女戦士って
イメージとは随分と
違うな
いや
私はエマさん
じゃ...
あ?
今何か言った?
何でもない
何でもない
夕飯までまだ
少し時間あるけど
何か食べる?
そーだ
私は2日間だけ
エマなのだ
あーいーよ
何か疲れてるから
少し
寝る
彼女の見た夢を
少しだけ見てみる
めったに出来ない
経験だわ
今週末は
10時以降の外出は
禁止です
許可なく外出
した場合は反逆
行為とみなし
拘束します
品球で
シチューの材料が
そろわないや
私がエマさん
じゃないって
わかったら
彼に殺され
ちゃうのかな...
いやー
何もこんなゴチソウ
にしなくても
好きで作った
んだから
気にしなくて
いいって
それは言えないよ
決まりだからね
君だってそーでしょ
やはり都会は
物資にめぐまれ
てるな...
私は別に言っても
構わないけど
へぇ出身は何処?
本当の名前
は違うん
でしょ
何か問題ある
わけ?
情がわくと
作戦に支障を
きたす
それはとても
崇高な事だ
姿だよ
ーん
それに今は
個人より義を
優先しなきゃ
こいつ
エマさんと同じ
事言ってるよ
あぁダメだ
また眠気が
わるいけど
寝かせてもらうよ
眠いんだ
社会における
人間の理想な
早く
寝なくては...
あぁ
眠い...
早く...
わぁあぁ
あんたも一緒
なんだね...
ユーリ
起きてる時も
寝てる時も悪夢
なんだ
一緒?
悪夢?
私の知ってる
女革命家よ
首吊って
死んじゃった
けどさ
あんたも
時間の問題ね
いつか
身を滅ぼす
わね...
じゃあ
君はどーなんだよ
私は平気よォ
私の理想は
アンタ達みたいに
立派じゃないもの
お前は
いい男と一発
やれれば幸せな
何の話をして...
アホ女だ
夢は所詮
自分で考えた
妄想なのよ
夢に支配されて
どーすんのよ
アンタは今
何を見てんのよ
こーゆう状況の夢なら、
男はどういう選択肢を
とるワケ?
アンタも
夢精くらいは
するん
でしょォ
エマは
ウェイトレスにして
革命家
毎朝野菊を
窓辺に飾って
それをいとおしむ
でも本当は
ただの狂乱女
なのだ
う
ハカげてるよ
これが
夢だなんて
これが夢だなんて
アンタはずっと
夢を見ている
のよ
革命家は皆そーなのよ...
革命家は
皆そーなのよ..
う
それの何が
悪いんだ
人はもっと
高い理想を
持つべきだろう
それが下らないって
言ってるのよ
同じ死ぬなら
もっとマシな夢
見なさいよ
ねェ
革命なんてやめて
私と一緒に
逃げるってのは
どう?
これは
夢じゃなくて
現実なんだ
そーうまくいきっこないさ...
そーうまく
いきっこ
ないさ...
もう...
僕は明日の
軍事パレードで
政府の要人を殺す
その話は
よしてくれよ..
暗殺が成功しても
しなくても僕は
射殺されるんだろう
でも確かに最後に
君と出会えた事は
夢の様に感じる
だから今日は
このまま
もう少し君と
こうして
いたいんだ
ガチン
それ本物?
え?
見た事
ないの?
そんな事より
パレード始まっ
ちゃうよ
あ...
あぁそーだな
気をつけてね
うん
行ってくるよ...
ねェ
待ってるから
嫌になったら
戻ってきて
いいんだからね
そしたら
また一発やろうよ
とはさすがに
言えない..
俺は腐っても
一応革命家なんでね...
君の事は
忘れないよ
ユーリ...
こらー
お...
大家さん
片付けの期限は
今日の昼だよ
12時を
1秒でも
過ぎたら
金は払わ
ないからね
まだ何も
やってないじゃ
ないか
そうだった
そうだった
すっかり
忘れてた
すっかり忘れてた
目が覚めると
急に体が重く
なった
寝覚めが悪いのは
私の悪いクセだと
つくづく思う
マー
おらおら
昼までに片付けたぞ
ババアー
金よこせー
昼間行われた
軍事バレードの最中に
モーケテマンネンバーグ
将軍が狙撃され車傷を
負いました
犯人は未だ逃走中
軍は市を封鎖し
捜索にあたって
います
は
ちくしょう
失敗だ...
何て事だ...
何て事だ...
この町から
逃げられない:
このまま
死ぬなんて
嫌だ
は
やはり
俺は!
君と生きたいんだ
エマー
何だこれは...
エマは
何処へ行ったんだ
エマ...
アンタ
何やってんだい
.....
エマは...
何処なんだよ
今朝まで
エマはこの部屋に
いたのに...
アンタ大家なら
わかるだろ
エマだよ
はぁ?
何言ってんだい
アンタ
酒でも飲んで
んのかい?
エマなら
昨日の朝
自殺したよ
とっとと出てかないと
警察呼ぶよ
酔っ払いめ
昨日の朝?
俺は
エマの亡霊
を見たのか...
悪夢だ
これは現実じゃ
ないんだ
僕は
目覚める事のない
悪夢を見つづけて
いたんだ
ははは
君の言った
通りだよエマ...
ははは君の言った通りだよエマ...
俺も
君の側へ
行くからなー
うるさいな
集中出来ない
だろうか
はい?
あー
編集長...
え?
マジですか?
本当に
掲載してくれるの?
すごい!
ついにやったわ
夢じゃないよね
夢じゃ...
...夢
おい
どーかしたのか?
マキ君
もしもーし...
悪夢はいつも私のうしろで渦をまいている
ただ私は振り向かないだけだ
革命家の午後2
は
は
は
父さんは爆弾を
抱えて戦車に
突撃した
父さんは死んだけど
勲章を
もらった
戦後残された
僕達家族は
政府から優遇され
党員になる事が
出来た
う
チ
チ
かーさん
どーして
起こしてくれ
なかったんだい
よりによって
今日は集団行動会
の日じゃないか
僕は班長
なんだから
遅れる訳には
いかないんだ
何を言ってる
んだいセルゲイ
ネコの目覚まし
時計をちゃんと
かけなかった
のかい
母さんが時計
持ってっちゃった
んじゃないの?
机の上には
なかったよ
え?
チ
うわっ何だコイツ
人の家のトイレで
何やってんだ
お前
そろーり
とっとと出ろ
僕がウンコ
もらしちゃうだろ
あー
お母さん
お気になさらずに
ちょっと
かーさん
トイレに変な人
がいるよ
早く出てけよ
お前に食わす
食い物なんか
ないよ
朝食も頂いて
いーですか
行軍
開始
へった
2
2
朝っぱらから
ハリキってんじゃ
ねーよデブが
党員優遇で
言い汁すってやがる
からデフなんだよ
そーいやまた
配給減るん
だってな...
今日も一日
労働に
勤しみ
ましょう
諜報部から
新しいテープが
届いてるよ
これも
分析判定
しといてよ
時にセルゲイ
同志
例の話
思案してくれ
たかい?
え?
え?
何?
今度の定期
レクリエーション会
さ
経理の女子達も
参加して
スケートやるのさ
オーリャって
かわいい子がいてさ
皆狙ってんだよね
オーリャってかわいい子がいてさ皆狙ってんだよね
僕はスケート
苦手だから...
そろそろ
業務開始時間
だから出てって
もらえるかな
け
誘われるだけ
ありがたいと思えよ
メガネデフが
いてくれるだけで
いいんだ
頭数はしいだけ
だからさー
へへ
ちょっと
何処行くのよ
またお酒を
飲んだのね...
うるせー
金を出せ
おぎゃあああ
あなた...
やめて
ガチャ
パリー
今日はママに
プレゼントが
あるんだ
まあ
何かしら
ホホホ
カ
ねェ私の
クツ下が
ないのよォ
目を
つぶって...
ははは
さあ皆で
手をつないで
あれ?
あのメガネの人も
参加者じゃないの?
押さないでよ
いぢわるー
.....
何で
来ちゃったんだ
僕は
いやん
見ろ
あの醜悪な
有様を...
あーいーの
いーのあいつは
放っといて
党の青年部とは
いえ所詮は
サカリのついた
猿と一緒だな...
...帰ろ
ねェ
ねェ...
どーして
帰るのよ..
えーと...
オーリャよ
あなたは?
セルゲイ
セルゲイ
分析官を
やってるんだが
せっかくの
レクリエーション会
なのに
一緒に
滑りましょうよ
え!?
な...
な
なな
あなたって
とても上手に
滑るのね...
はぁ...
それ程でも
くそ何で
オーリャと二人で
滑ってんだ
あのデブ
デブフェチ
だったのか..
今度は
競争ね
手加減
しないわよ
ちょっと...
ま
行くわよ
セルゲイ
イタズラに
しては
ヒドいわ...
一体誰がこんな
事をしたのかしら
せっかく楽しく
滑ってたのに
卑怯者の
仕業だわ..
仕方ないさ
こそくな連中は
何処にでもいる
この厳格な
体制下ですら
不因分子は
存在するからね
僕や君の様な
真面目な党員ばかり
じゃないんだ
より良い
社会を築く為に
我々はもっと
努力するべきだ
ねェ
私達また
会えるかしら
デブが
居ない
これは
天変地異が
起きるぞ
デブの身に
何があったんだ
ウソ!?
どーでもいいよ..
帰って寝るわ
俺も..
うわあああぁ
くそっ
どーして見た
事もない
オーリャの裸を
思い出せるんだ
おかげで一度も欠席
した事のない
集団行動会を
休んで
しまったじゃ
ないか
異常なんだ
僕は異常
なんだ...
セルゲイや...
夕食たべないの
かい?
放っといて
くれ
うるさいぞ
誰かしら
寝込んでるって
のにバンバン
叩くなよ
誰?
すいませんねェ
少しお話聞かせて
下さい
いーよ母さん
僕が出るから
ととと
特高が...
何用で
ははは
用件は署の方で
説明しますよ
この女
知ってるな
こいつは
う...うちで
クソしてた女
じゃないか
君の隣りの部屋に
先月まで住んでた
女だ
え?
隣?
何だ君
知らなかったのか
この女が
どーかしたのか?
こいつは連続
爆弾テロの
え
容疑者だ
容疑者だ
それよりも
な...
これは
女の部屋に
あった時計の
一部だが...
この時計の部品が
爆弾に使用
されたんだ
君が女に
この時計を提供
したんじゃないのか
この時計は君が
子供の頃お父さんに
買ってもらった
形見だろう
毎朝この時計を
目覚ましに
使っているな...
君が最近夢見が
悪いのは何か
後ろめたい事が
あるからじゃないのか?
母親の失態に
ひどく怒るのは
ストレスがたまって
いるからか?
チ
チ
チ
チ
あ...
思い出した
チ
まったく
君の母上から
電話があった時は
驚いたよ
でも捜査員も
一応納得の上の
釈放だから
そーですかね
あなたの口添えが
なきゃ今頃不当な
拷問で自白させられ
てたかもしれないな...
どっちにしろ
気の緩みが不因分子
共のつけいる隙間
を作るのだ
良かった
じゃないか
セルゲイ
君も気を
つけたまえ
青年部でも
風紀の乱れが
目に余る
君は決して
なびいてはいかん
君の父上は
立派な方
だったぞ
父上の武勲に
泥を塗る真似
だけはしては
いかんぞ
わかって
ますよ...
ちょっと
セルゲイ
何処だ
何処に
あるんだ
あなた一体
何をしている
の
セルゲイ
くそ
何で特高は
時計が父さんの
形見だって
知ってるんだ
何で僕が
夢見の悪い事を
知ってるんだ
盗聴する
なんて
許さないぞ
うう
もうやめて
おくれ
セルゲイ...
どーして配達券が
あるのにミルクを
もらえないんだい
ないものは
ないんだよ
このあくでなし...
早く
しろよ
ごめんなさい..
私...
そんなつもり
では...
そうよね
二人きりで会う
なんて誤解
されるわ
健全とは
言えないのね
ああ...青年部の
人間として
恥ずかしいわ...
どーか私の事
浅ましい女だと
思わないで下さい
私は..
気にする事は
ないさ
僕も何も
考えずに君の
誘いを受けて
しまったからね
他人に誤解され
なきゃそれで
いいんだ
君と僕は志しを
共にする異性関係を
超越する同志
なんだからね
...
そうね
今度の
レクリエーション会で
なら...またあなたに
会えるのね...
もちろんだとも..
これ
セルゲイさんに
取っといたんですよ
今時こんな
立派なニシン
なんて入手
出来ませんよ
へへへ
今後とも
よしなに
ああ...
局長に
伝えておくよ
親父ー
いつまで休憩
してんだ
早くしろ
うるせーと
もう何も
売らんぞ
パン一個で
何時間待たせる
気だ
ちくしょう
裏口から
どーぞ
さむいよ
ママ~
ん
じゃーな
て
て
てろりすと
め
見つけた
ぞォ
下手に女と
接触したら
また
怪しまれて
しまうじゃないか...
それに女を
捕らえるのは
僕の仕事じゃない
そうだ
何もかもあの女が
現れた日から
おかしくなったんだ
盗聴や尾行
されてる事が
問題じゃないんだ
あの
テロリストの女が
問題なのか...
う
チ
僕の目常を
狂わせたのは
チ
...オーリャ
やはり
君なのか...
オーリャと
スケートをする
夢を見た
だけど僕は
氷の上に立つ事
すら出来ない
うむ...
...
オーリャは
振り返って
笑っている様に
見えた
彼女の手に
触れると...
何の温かみも
感じなくて..
ただ
不快なだけ
だったんだ...
目が
覚めてからも
気分は優れ
なかったが
不思議と
オーリャへの未練が
溺れていくのを
感じた
夢精したのは
何年振り
だろうか...
行軍
開始!
もっと
手をあげろ
相変わらず
はりきってんな...
クソデブ...
クソデブ...
リズムに
合わせるんだ
相次ぐ爆弾テロに
対抗し
検挙者数の
ノルマは
今月は
取り締まり強化
月間とします
2倍って...
無茶言うぜ
そんなに
捕まえられる訳
ねーだろ
業務開始
時刻です
通常の2倍
とします
君達もう
業務時間は
始まっているぞ
いつまでそこで
油を売ってるんだ
へへへ
厳しいね
行こうぜ
同志
そうだ
そうだ
セルゲイ君
次回の
レクリエーション会
だけど...
君も出席
するだろ?
オーリャも来るって
言ってたぜ
...ああ
その事なら
悪いけど
ああいうのは苦手だから
ああいうのは
苦手だから
今度からは出席しないよ...
今度からは
出席しないよ..
何だあいつ...
ホモなんじゃ
ないか
もう二度と
誘わねェよ
見ろよ
ローリングストーンズ
のレコードだぜ
なかなか手に入らないんだ
なかなか手に
入らないんだ
ひょー
かっちょえー
廃的音
ははは
くそ.....
もっと検挙者リスト
を作らなきゃ2倍
なんて無理だ...
ねェあなた
今晩くらい一緒に
寝ましょうよ...
何でも
ありだな...
アローシャ
って?
あの人絶対
死んでるよ
ひなみ
見てごらん
この子の
名前なの
僕は君を
幸せにするために
バカヤロウ
おととい
来やがれ
かわいい
小鳥さんだよ
この世に
生まれてきたんだ
君の父上は
立派な方
だったぞ...
この距離で
当たるかな...
頭に当たったらタバコをやるぜ!!
頭に当たったら
タバコをやるぜ
ハハハ
あちゃー
肝心の時計
忘れてるわ
店行くの
面倒だし...
隣の部屋の
メガネデンのとこから
盗んでくるかな...
お前は
卑怯者だ
お前は
誰も幸福に
しない
最低の人間だ
いいのよ
それでも
私は
愛して
いるんだから...
...さむ
砂漠の魔女
血痕はこの先の
沙漢につづいて
ますよ
シェリフ
追わない
んで?
知ってるか?
この沙汰には
魔女が住んでる
ってな
ここが不毛な大地なのはな...
ここが不毛な大地
なのはな...
魔女の呪いが
かかっているからだ
魔女の呪いがかかっているからだ
奴のキズは
深い...
どーせ助かりっこ
ないさ
み...
みず..
はっ
は
不思議だ...
血が止まった
傷口さえ
消えちまったぜ
やっぱり
アイツが沙漠の
魔女か...
へへへシェリプも
ここまでは追って
来なかったな
小便にも
不思議な力が
あるんだな
撃たれた俺が
助かるとは
思ってなかったん
だろう
こんなおっかない
場所に
長居は無用だ
俺はメキシコへ
逃げるんだからな
あんなくだらない男を
殺したばっかりに
何としても
生きて逃げ延びて
やる...
シェリフに
捕まったら
アイーダに会えなく
なっちまうからな
こんな目に
会うなんてな
は
は
見ろ
もう沙漠の
出口だ
もう沙漠の出口だ
は
!
ひ
ばぶぅう
ひィイィ
駄目だ
アイーダ...
砂漠を出ると
魔女の効力が
無くなっちまうんだ...
どーすりゃいい?
俺はこの砂漠から
出た途端
死んじまう
俺はこの不毛の
地と共に呪いを
かけられちまったんだ
話はそれだけでは
済まなかった
小便の効力は半日もすれば
消えてしまうのだ
つまり日に何度も魔女の
小便を飲まなくてはならない
さもなくば
たちまち傷口が開き
男は死んでしまうだろう
アイータ
信じられるかい?
奴は地中に居る
虫をほじくり
出して
そいつを
つぶして
食うんだ
しかも
美味そうに食う
ここには
皮膚病の痩せた
野犬と地虫以外何も
ないから
他に方法が
ないのだが...
ええ
おェ
人間の
食い物じゃねェ...
極めて
体調は悪いが...
死ぬ事は
なさそうだ
笑い転げてる
だけだ
アイツは狂人だ
アイツは
狂人だ
意味なんて
無いんだ..
そろそろ
小便する頃だ
愛さってて
魔女はいつも
ああして踊って
一般的に
昨年...お兄様っ
実験だけで、
野犬共に先
越されてたまるか
最低だ...
こんな生活...
マトモな
人間がする営み
じゃねェ
そして男はある夜
とても恐ろしい
光景を見た
一説ではケモノと
交わる事で魔女は
魔力を得ると言われている
狂人め...
う...
おお
一月に一度
この砂漠を
行商する
農民が通る
来た
彼らは魔女を
見ても
関わろうと
せず黙って
通り過ぎるだけだ
俺の様に
呪われる事を
恐れながらも
魔女が関わら
なければ害のない
事を知っているの
だろうか...
俺の姿を見つけると
憐れみからか
食い物や酒を
置いていって
くれるのだ
有り難ェ
ベーコンもある
これが人間の食事
だ
ぷはーっ
ひどい風だ...
あと何日続くんだ
この嵐は...
あの親切な
農民は次はいつ
来てくれるんだ
もう何日も
魔女の糞尿しか
口にしていないぞ
俺が何を
したっていうんだ
...
何で生きてる
んだ俺は
俺はいつまでこんな
生活をすれば
いいんだ
そーだ
生きてればいつか
アイーダに会えるかも
知れないんだ...
嬉しい
そんな風に
思ってくれるなんて
私も
あなたに
会いたい
あなただけしか
見えないのよ
もしかしたら
アイーダに
会えないのは...
魔女の仕業なんじゃ
ないのか
そして
男はついに
行動に
出たのだ...
この頃
男は既に狂気に取りつかれる
様になっていた
初めから
お前が呪いを
かけていたん
だな
俺は知ってるん
だからな
お前がアイーダを
このロケットの中に
閉じ込めたんだろう
早く
呪いを解くんだ
アイーダに
会わせろ
アイーダさえ
居れば...
俺は生きて
行けるんだ
あんた
しっかり
してよ
何で...
何でこんな事...
俺の事しか
見えないと
言っただろう
あんた...
あんた...
どうか
してるわ..
あんたは...
タダの客でしょ
何カン違いしてるのよ
...?
何故他の男と
いるんだ
アイーダ
あ...
あんたは
狂ってるのよ
へへへ...
へへ...
そーだったよな...
狂ってるのは
お前じゃなくて
俺なんだよ
だから
アイーダを
殺したんだ
だけど...
死んだなんて
認めたく
なかったんだよ
許してくれ...
俺の生きる
希望なんだ
だから...
アイーダは...
アイーダ...
何故
謝るの?
私はあなたの
全てを愛していると、
いうのに
アイーダ...
こうしてこの晩男は
魔女と交わり
新しい呪いをかけられたのだ
この砂漠に迷い込んだ
人間の多くがそうであった様に
彼もまた魔女の呪縛から
逃れる事は出来なかったのだ
それで?
話は
それだけだ
その後男が
どーなったか
誰も知らないとさ...
本当の話かしら?だって...
本当の話
かしら?
だって...
魔女を見た人っていないんでしょ
魔女を見た人
っていないんで
しょ
そーいや昔な
この沙漢に住みついた
狂人がいて
行商に行くついでに
食い物を分けてやってた
人がいたんだが...
もしかしたら
そういう話に
魔女伝説がくっついて
こんな
物語が出来たの
かも知れねーな...
ふーん
ねェ
あの野犬...
とても
淋しそうな顔を
しているわ...
おわり
竹山君の日常
竹山君は杉並区の
マンションに住む
ごく普通の青年です。
将来の為コツコツ
貯金もしています。
でも
吸血鬼です
くそー
もう起きなくちゃ
竹山君は吸血鬼
なので当然朝が
苦手です
朝食は健康の為
必ず納豆を食べます。
バンダが案外笹以外
の物も食べる様に
吸血鬼も血液以外から
でも栄養を取る事が
出来るのです
まずは今朝入った
ニュースから
お伝えします
昨晩から行方不明
だった女子高校生が
今朝自宅近くの川べり
で遺体で発見され
ました
遺体は全身が
千からぴており大量の
血液を抜かれている
状態でした
シャコシャゴシャっ
警察では
吸血鬼による犯行の
可能性も視野に入れ
捜査を継続する
予定です
今日は井上
さんの奥さんか
あの人色目
使うからやだなー
あの人色目使うからやだなー
純血の吸血鬼でない
竹山君は薬を投与
すれば日中でも外出が
可能です
しかし
長時間の外出及び
強い光を浴びると
体調を崩す事が
あります
オッス
竹山君-
彼のマンションの
隣りに住む吉田さん
は気さくな人柄です
が
仕事?
頑張ってるねー
声がでかくて
面白くもない長話
をするのが好きな
オジさんなので
はいっ
気をつけてな
あ
どー
インチキ宗教の
教祖でツボとか
売ったりしています
何かあったら
いつでも言いなさい
竹山君は吉田さんを
あまり好きでは
ありません
て子まま
お付き合い女は何人間のますしています
が合のすきり
で子まま美しの...みたい女すてが合のましすき聞いてくけんで会って
て会い
るしおか
れ探は
コンコピター様からいわ
事務局じゃ
ツセーシが届いてます
じす
お
ピタッ
ピメ♥ュのラジらチ
ジュビター様のメッセージは
ダッ
DXをチェッ
ジュビター
さんか...
どうも
お早う
ございます
ロシュピター
他はじめまして。
..
がが会
興味にしもお日でとすごいとす士なにまは呆たりえ出うあがが会う
うか?
(
大谷辺りだと近いの
で嬉しいテス
興持にし
味間およ!!
吸血療法士の
竹山ですー
あら...
竹山さん
エライじゃない
いつも
時間通りね
いえいえー
ヘンですねェ
三回目なのに
ではもう一度
吸血してみましょう
また肩のコリが
取れないのよねェ...
吸血療法
一九四八年オカルト研究家で
医学博士でもあったウィリアム郷に
よって考案された療法
少量の吸血は人体に害を及ぼさず、
むしろ血液循環を促し
内臓器官を活性化させる事を
発見し、これを応用した治療法
である。
現在では、国家資格を得た
吸血鬼だけがこの治療を行える様
世界基準で定められている。
肩つり・内臓疾患・美容等に
効果がある
はい
じゃあリラックス
してー
いきます
よー
あん♡
この人いつも
こわばってて
やりづらいんだよな...
あ...
あ
いいくらい?
いかがですか
奥さんご加減は
さっきより
楽になりましたか?
もっと...
もっとよ
はい?
4ヶ月30日から
もっとよ
私の血をもっと
チゥチゥ吸ってよ
チゥチゥ~~~
やや止めて
下さい
奥さん
これ以上
吸血したら
効果がなくなり
ますから...
人によっては軽い
吸血でも強力な
性的快感を得る事が
あるのです
因みにこの一年で
彼が客に襲われる
のは五回目に
なります
土曜日...
しかし今日も
日差しが強いな...
体持つかな...
やっぱり
夕方からのデート
にすれば良かった
オマケに
昨日の今日だし
何か気分がすぐれ
ないな...
イケメンの竹山君に
いまだ彼女が居ないの
には理由があります。
言い寄ってくる
女の子がことごとく
彼の好みとは程遠い
からです
タッキー君
お待たせ
あ
初めまして
ジュピターです
一目で竹山君が
嫌なオーラを彼女
から感じ取ったのは
言うまでもありません
あ:僕の本名は
竹山健治です
よろしく
冥王星では
ユナイトス三世と
呼ばれているの
光の角度に気を付けてね
つまり
「吸血鬼」という
キーワードが特定の
タイプの女性ばかりを
集める原因なのでした
竹山君は
泣ける恋愛映画が
大好きです
特にヒロインが
不治の病だと
ストライクソーンです。
うう...
あのー
ジュピターさん
映画面白く
なかったかな
受信してた
から平気
それより買い物
付き合ってよ
お気に入りの店があるの
え?
受信してたの?
きっと
タッキーも気に入る
と思うんだー
私いつも
ここで本を買うの
同じゃこりゃ
これなんか
オススメよ
アナタの為にある様
な本よ
竹山君は
またたく間に
ホラ
どしたの?
受信中?
気分が悪く
なってしまいました
3番線に
新宿行きの列車
が参りまーす
白線の内側まで
下がって
お待ち下さい〜
ごめん
ジュピターさん
やっぱり僕
君とは合わない
みたいです
何故?
吸血鬼のアナタ
なら
私を分かって
くれると思った
のに
違うんだ...
僕は吸血鬼だけど
君が思う様な
タイプじゃないんだ
言ってる意味が
受信出来ないわ
僕は普通の
彼女が欲しいんだ
君みたいな...
その...
想像力豊かで
個性的な女性でなくて
.....つまり...
僕は血を
チゥチゥ吸う
以外は
普通の
お兄ちゃん
なんだよ
そう...
分かったわ
フツーの
私も気が
利かなくて
ゴメンなさい
え?
そんなに
思い詰めないで
アナタは悪くないわ
電車が
来たからもう
行くわ
また
どこかで会えると
いいわね
さようなら
...???
切ない笑顔を
見た竹山君は
ちょっと可愛そうな
事をしたかもと
思ったりしたの
でした
!
てやパウった!!
うたてまーま!!
とっんねねといきの
かか別新しらもいな思いがありますが、
あ...ことをお楽が前とあなたがありますので、
がか死死いた乱天だよ
はもちおるな素殺が
えてつい
ここで
これから
着信拒否を
するまでの三日間
毎日ちょっと人には
見せられない様な
彼女の血だらけの部位の
写メが送り付けられ
続けたのです
「件メッセージヲ
オアズカリシテ
イマス
ねえお願い
血ィ吸ってよォ
あんたと出来てるって
ダンナにいいつけて
やるからねー
くく?
あたしのダンナ
ヤクザちゃん
だから~~~
ひと吸いだけで
いいのよォォオォ
チウチウ
吸ってる...
もう限界だな...
この仕事辞めようっと
今月に入って
三件目の吸血殺人
です
警察では
同一犯の犯行と
いう見方を強めています。
吸血鬼による快楽
殺人とみていいのでは
ないでしょうか
くそ
テレビ消したい
のにリモコンが
ない...
ああ...
体がだるい
熱があるんだ...
世の大半の吸血鬼の
方々は法を守って
生きています
日光に当たりすぎ
たかも...
無益な差別意識を
生まなければ良いの
ですが
何
笑ってんだ
コイツ...
少なくとも警察は
その緑を疑ってますね
吸血機法士以外の
吸血鬼の方々は吸歯を
抜歯してますから
犯行を行えません
よって犯行特定は
さほど難しくない
のではないでしょうか
いらっしゃい
ませー
悪いけど
ウチは吸血鬼は
雇わない事に
したんだ
他
あたってよ...
竹山君は実直な性格
なのでパカ正直に吸血鬼
ですと展歴書に記入
してしまうのでした
ああ...
なんつーか
お兄ちゃん
血吸うんでしょ
雇わないよー
雇わないよー
アホかお前
炎天下で
吸血鬼が土方
してたら
ギャグじゃん
今のご時世
吸血鬼はねー
いくら夜に強くても?
先生ー
ベタできました
俺だってドラキュラ
こえーーもん
ダメじゃあああっ
仕方が無い
貯金を
食い潰して
粘るしかない
があー
俺様は恐ろしい
吸血鬼だぞ
人間共を
皆殺しにして
くれるわ
くそ
一人で
やってても
つまんねーよ
ねェーーマジ
恐いよねェ
夜は
だって
ここら辺
近くじゃん
十字架は
効かない
らしいよー
本当だよ
死んだフリしても
クマに効果ないのと
一緒だって...
ニンニクでも
タメだって
最近は..
あっ切らないでよ
一人じゃ恐いから
さー
もーすぐ
着くから
切らないでって...
ザッ
誰かぁあぁぁ
はは
こりゃいいや...
意外と
スカッとするな
おいコラ
お前
何やってんだ
ちょっと
こっち来い
よーし
もう一回やるぞ
竹山君は子供の頃
から悪さをすると
すぐ見つかるタイプ
でした
この後竹山君は
時期が時期だけに
本書に連れて行かれ
事件と無関係である
事が証明されるまで
2日間留置所に
拘留されてしまいました
その間刑事さんに
タップリ絞られ
たった一人の軽率な
行動がいかに吸血鬼
同胞に多大な迷惑を
かけるかを何度も言い
聞かされました
酔った上での
行為とはいえ
竹山君はすっかり
へコんでしまいました
釈放にあたり
身寄りのいない
竹山君は仕方なく
声がでかくて面白く
もない長話をする
あまり好きではない
吉田さんに
身元引請人に
なってもらいました
竹坊
竹坊
一体
どないしたんや
びっくり
したで...
大して親しくもないのに
竹坊とか呼ぶあたりも
吉田さんの好きになれない
所です
でも吉田さんは
世話好きなので
ホンマお世話に
なりました
でもこの子は
本当はええ子
ですねえ
こういう時は
イヤな顔もせず、
何でも引受けて
くれるのです
どや...
腹減ったやろ
ワシおごったる
から一杯やってくか
結局この日は一日中
吉田さんのどーでも
いい話に付き合わされ
る羽目になりましたが、
昔の洗濯機は
2層式やったん
やで!
そのどーでもいい話に
なぜか涙が止まらない
のでした
翌日の昼過ぎ
自宅で竹山君は意識を
取り戻しました
そして部屋の中で
見慣れない物を
発見したのです
どうもコツコツ
貯めた貯金を
投げうって
吉田さんから買えるだけ
つぼを買ったらしいの
です
全く
覚えてないなー
いいか
まあ..
警察本部の
ある武蔵野署前
から中継です
納豆ダイエット大人気
連続吸血殺人犯逮捕
米国核攻撃開始
ツチノコ?!新潟で発見!!
よがりご連絡
今朝は都内で発生
した連続吸血殺人で
ついに容疑者逮捕の
ニュースからです
用意
容疑者は
吸血鬼の男20才です。
武蔵野市吉祥寺のマンションで
先月まで吸血療法所をして
いました
...近いな
竹山君は
これからも
真面目に
生きていく
つもりです
雑兵敗走記
は
は
は
太助
どごさ
行った
くたばれ
この
このやろ
太助!
何してらっきゃ
逃げるべ
るせェ!
首取って
手柄たてねば
うちの大将は
とっくに
逃げだべ
そっただ首
どごさ持ってぐ
え...うそ...
仁吉と権三は
どやした?
知らん多分
くたばったよ
とにかく逃げるべ
北の川を渡るべ..
おぎゃああぁ
おっとォおお
橋が...
あらへんぞ
ひィい
お助けェ
豊臣方は
皆殺しだ
一兵も逃すな
ぎゃあ
おっ母ぁあ
ぐわぁ
へへ...
川を渡っちまえば
こっちのもんだ
敵方も
すぐには
来れめェ
太閣様に加担した
ウチの領主は
切腹もんだべ
首三つも
取ったってのによ
与兵
オラさに
言われてもなァ
手柄あげて
手土産持って
くって
かかあと
約束したっけ
手プラじゃ
帰れねェ
約束してた
褒美とか年貢の
減税はどーなるん
だべか
帰れるか
どーかも
怪しいな...
へへ
見ろ
娘っ子は
みィんな
つっ込まれで
らじゃ
こりゃ
野盗の
仕業だべ...
与兵
何するっきゃ
着替えるじゃ
鎧じゃ
目立つべな
くそうボロ服しか
残ってねー
!
ーん
えー
ーと
えー
おっ父ぉ〜〜おっ母ぁ〜〜
何だ?
娘っ子が
いだぞ
...ふーん
?
んだ
アレ売れば
ちょっとは
金になるべ
え
そっただ事
してるヒマ
ねェべ
追っ手が
来るべな
言ったべ
手プラで帰ぇれる
が
かかあが
腹すかして
待ってら
おーい
そごのめらし
こっちゃ来ー
太助!
やめろ...
お前大坂商人の
娘か?
隠れでらったのが?
肌も白くて
こりゃいい値が
つぐべ
へへへ
おっ父うとおっ母あは
死んだが?
んん?
何か金目の
モン持って
ねェが?
見ろ
この娘っ子が
持ってらのは
おもちゃの笛
だけだべ...
かえして!
コレ
ウチのやで!!
おっ父に
もらったんや
お守りなんや
から
あげる
わけには
いかんのや
あーいらねー
そっただオモチャ
銭になら
ねーし
だいたい
どこがお守り
なんだが
どやして
そっただモンで
身守るって
いうんだが...
お姉ちゃん
お酒もってき
てんか~~
へェ~~~
ただいま~~
腹へった
お〜〜い与兵
商人と
話つけてき
たぞ~~
正午になったら
娘っ子見に
くるって...
え~~
まだ待つ
のが
手みやげなんか
いいから早く
帰りてェよ...
何言って
らっきゃ!!
おメェはそういう
小心者だから
嫁が来ねー
んだ
うっせぇ
関係ねェ
ウチ
どないなるん?
何処つれてくつもり
なん?
そりゃー
おめー...
キナ村って
どごだ!
あ?
キナ村?
オラの故郷
だ!
ええどご
だからよ
ど田舎だども
春にゃ村中の
梅が咲いて
そら綺麗で
夏祭りにゃ
でっけー丸太かついで
神社まで
行くんだ
人買いや盗人も
いねーしよ
へへへ
ケ
のんびり畑ば
耕してあとは
寝てるだけだ
ホンマに?
そんな村が
あるん?
ウチ行って
いいん?
ふ〜〜〜
ぬぐいなー
!!!
オラ茶でも
飲んでくすけ...
ちょっと娘っ子さ
もちょっとこっち
寄ってけろ
後から
すぐに行く
すけよ~~~
やべェ...残党狩り
だ
おいありゃあ
隣村の重吉
だ
茶~~~
ああ...
そういや隣村は
敵方についてた
な
お
ひらめい
た...
今度は
何だ...
昨年の夏祭りの晩
によー
重吉に逃走の
手助けしてもらうぞ
奴なら検問所とかの
位置もわがんべな?
助けて
くれっかなー
助けてくれっかなー
ガキの頃はよく
遊んだけどもー
ガキの頃はよく遊んだけどもー
ひゃっほう
皆でもって
あいつフクロ叩きに
したすけー
馬鹿それは奴が
オラの妹のホタルに
夜這いかけ
やがったからだべ
しっ
重吉が
悪いんだべ
!!
へへへ
気にすんな
こんな御時世
だすけ
よくある
話だべ
んだがー?
んだがー?
気にして
ねがべが?
おー
重吉
!
久しぶりだ
なー
元気
だったがー
...与兵に
太助...
お前達
生きでらが...
お茶まで
馳走に
なってよ
いや...
茶くらい安い
もんだ...
そーいや
ホタルの奴も
お前に会いたがっ
てらった
何かワリー
なー
はははっは
ホ...
ホタルちゃん
が!?
調子いいな
やっぱり
持つべき者は
友達だ
ホタルも今度で
十六だすけ...
そろそろ嫁がせても
ええかと思って
らったんだ
...
ホタルちゃん...
オラすぐ帰る
すけな...
ピキッ
そんなわけでな
重吉
オラ達が
村に帰れるよう
手助けでもらい
てんだが
ホタルの兄貴
の頼み事
なんで?
それとも
ホタルと一緒に
なりたく
ねーが?
ん?
だからよ...
皆で村に
帰って
オメと
ホタルの事を
祝って
やろって
言ってんだ
.....
う
与兵:・
しゅっぱ〜〜っ
オラ
キビキビ
歩け!!
あれー?
やめろって
何でウチまで
捕まるん?
キナ村行か
へんの?
知らねー
オラさ聞か
ねーでけろ
コラ手前重吉!
友達売りやがって
ゆるさねーぞ
またフクロに
してやるー
うがー
!!!
黙って
歩けって
言ってるべ
わがん
ねーのが!!
ほんげェ
重吉!
ホタルは絶対
やらねー
からな!
何言ってる
ホタルとオラは
相思相愛なのに
邪魔してるのは
オメーだべ!
それは
言えてらな...
な...
それにな
夏祭の時の
キズがまだ
痛むんだじゃ
オメーさえ
いなくなれば
問題なくなるって
もんだべな
違うが?
重吉気持ちは
わかるどもこっただ
やり方でオメー本当に
いんだが?
へへへ気にすんな
こんな御時世だすけ
よくある
話だべな
はよー
行かんか
残党共!!
本隊はこれより
再度巡回を
行う
残りは捕虜の
見張りを
怠らぬ様に!
...
行って
らっさくい
留守番は
五人か...
何とかならねー
かな
適当な欄だが
素手じゃどうしよう
もねーべ
オラ達このまんまじゃ
殺されるか売られるが、
してしまうな
オラがいなく
なっちまったら
おっ母が一人に
なってしまうだ
戦なんかに
出なきゃよがった
べな...
おい与兵
この娘っこ..
おめえの
連れだが?
...いや
違うけど
へへへ惚れてる
女が目の前で
犯されるのは...
やーな
気分だべな
.....いや
だから
たまたま
一緒にいた
だけの娘で..
なんだね、
暴れんな
こさ来!!
ちなみにが
この女!
よぐ
見でろよ
二人共
いや
見るけどもー
見え
ねえ
本当に違うん
だけどな..
わあああ
ああ!!
あちーな
くっそう
見張りが邪魔で
見えねー
...
あ?
しかし
よく考えてみりゃ
ひでェ話だ
はじめからオメが
素直に重吉とホタルを
認めてやってりゃ...
あの娘は
何も悪り事して
ねーべ
重吉はきっと
オラ達を助けて
くれてただ
しょーがねェべ
戦だからよ~~~
おっ見えた
それ言っちゃうと
簡単だべ
しかしよ...
重吉も
オラ達をここで
助けてくれてりゃ...
こんな争いは
起きなかったんじゃ
ねえへかな
オラは二人の
ためにオメを
説得してやってた
オラこの笛やった
あの娘っ子の
親の気持ちが
わがるなあ
これじゃ確かに
身は守れねー
けども...
皆がよ
ちょっとずつ寛容に
なってりゃ...
きっと伝えたかったん
だべ
そういう気持ちを
よ..
んな綺麗事で
今の世の中やっていける
程甘くねェべよ
まぁなぁ?
.....けっ
バカバカしい
カチ
!
あ?
確かに...
そんなに甘くは
ねーだな
へへへ
一回りしたな
ええ
塩梅だ
おーい
見張り交代
するべー
隊長戻る前に
おめも早よ...
逃げ...
重吉ィイ
ひ
太助...
逃がすな
与兵
早く行け!
仲間呼びに
行くぞ!
重吉ィ~
...よお
どごさ
行くだー
重吉ー
話したい
だげだすけ...
殺さねって
言ってべな
殺さねから
こっちゃ
来いー
なして
逃げるっきゃー
は
は
どぃつもこいつも
人は信用しねえから
話がややっこしく
なる
オラの言う事
分かるが?
重吉
ひ..
...うぅ
オラ..
もうオラ
こんな世の中
嫌だぁぁー
村に
帰りてぇよ
オォオ
変美も
手柄も
いらねえ
何もいらねえ
オラホタルと...
ホタルと一緒になりてエ
だけだ...
後は何も
いらねエよォ~~
もうえぇ...
戦は終わりに
するべよ
太助はオラが
よう言って
聞かせるからよォ
うう~~
オメはホタルと
一緒になれば
いいべ
今までの事はお互い
全部水に流して
三人一緒に村さ
帰るべ
そしたら
ホタルとオメの
事も祝ってやれる
べよ
だから
もう泣くな
...
与兵...
調子
いい事
言って
んじゃ
ねえぞ
太助〜〜っ
何する
〜〜〜
!
太助...
しっかりしろ...
やっぱ...
オメエの
言う通りだ
与兵...
皆が
ちょっとずつ
寛容なら
こっただ事には
ならんかったかも
しれん...
特にオメが
寛容ならのう
へへへ
オラは
こういう
性分だべな
オメエみてエには
なれねエ
オラはもう
クタバるべ...
これから生きてく
オメエやかかあや
ホタルの事
考えようや
後ろ見ろ与兵
あの娘っ子
ついて来てら
行くとこ
ねエべな
だからよ...
オメが
嫁にしてやれ
え
それが
あの娘っ子には
一番いいべ
あの娘っ子の
お陰で逃げられ
たんだすけ
そん位してやれや
んだども...
もしハラんでたら
そのガキはオラの
かかぁにくれてけろ
...オメのとこの
嫁は石女
だったのう
んだ...
だからかかあも
喜ぶべよ
オメエの言う
寛容ってのは
こーゆう
事だべな
...
よぐ
分がんね
...もう
降ろせ
与兵..
オラ担いで
山ば登れねぇべ
重吉殺っちまった
のはやっぱり
マズがった
そこんとこが
どーしても
取り返し
つかねェ...
だすけ
村に帰ったら
ホタルに言っといて
けねべが
タ
もしわげねぇ
ってな...
あとがき
AReendionはinheAternon.
ハハン・ジャパン...jiro.Matsumoro
革命家の午後
白画像みたいな感じして描きました。
表紙イラスト
革命家って今時もうはやりませんが、べってる女の子はかわいいです。「な
なんか言葉の響きが素敵ですよね。えとかなんとかニャー」とか言って
本当はもう2本くらい常命家シリー・ますよね。本作はそういうのを意識
ズをやりたかったし、ネタもある程、そして描きました。また、ストーリー
度できてたんですが、べ、ージ数が都「よりも城」面構成、映像の編集による
合つかず描けませんでした。。機会がお遊びに重点をおいてみました。描
僕は漫画家であってイラストレータ
ーではありませんから、別段イラス
トにあまり揃りをもっていません。
ですので、その時々の気分で絵柄や
手法を変えて楽しく描く事をモット
ーにしております。今回のは、よく
駅なんかにはってある「なんたら美...旧ソビエトみたいなどっかの国のお話
術学院」のボスターの生徒が描いた
「僕はロシア映画が好きです。タルコ
フスキーをはじめ、あちらの映画は
眠くて死にそうになるんですが、観
たあとなぜか残るあの余韻がたまら
ないのです。ついでにロシア語じゃ
革命家の午後2
あれば世にだしたいです。それにし
ても最後のコマにでてくる意味不明
のボエムはセンスゼロですね。文章
この才能がない事を改めて認識させら
れました。
竹山君の日常
旅命家シリーズのネームがどうして
砂漠の魔女
いてて楽しい作品でしたね。
雑兵敗走記
合戦絵巻や屏風絵をみるのが大好きで、
僕もこういう合戦図を描くぞといき
こんで取り組んだ作品。冒頭の見開
きが描きたくて描いたようなもんです。
実際描いてみると難しくて、満足に
描けませんでした。単行本収録の際、
彼女でなんか描けないかしらと現在
思案中です。
この漫画の世界観はとても気に入っ
てますが、もうちょっと長い話にし
てもよかったかもしれません。ロケ、
ットのエピソードも伏線になってまって程度の内容でした。むしろ劇中に「なにかしら間違ってると思います。
せんし、追手の保安官の側の話も面、登場するジュピターが気に入ってます。また主人公達の方言も適当だったの
白そうですから、もったいない気が
します。じっは描いてる当時から、
そんな事はわかっていたんですが、
長編描く気力がなかったので、無理
矢理まとめてしまったのです。反省
しております。とっっても疲れてたん
です。
も旨くまとまらず、差し迫った締め、に描き直す予定が時間なくてそのまま
切りに恐怖しつつ気分転換に徹夜明ゃんま収録するはめになっちゃってと
けの早朝近所を散歩してたらふと思いっても残念です。自分で描いてみると
いついた話です。思いついた時は面わかるのですが、合戦図は本当によ
白そうだと思って、連載にも使える〈計算されて描かれているのですよ。
のではと盛り上がったのですが、い、僕は足下にも及びませんです。史実
ぎコンテにおこしてみると「ふ〜ん」
セオソ!!
ましたから、随分ましになってると
思います。青森の人ありがとう!
戦国ものはいずれ連載という形でま
た出来ればよいなと思っております。
こつこつ資料集めて今のうちに準備
しておきます。
収録の為に青森の人に監修して頂き
ですが、この部分については今回の
もろくすっぽ調べませんでしたから
初出
「マンガ・エロティクス・エフ
2005年vol36
「マンガ・エロティクス・エフ
2006年vol42
革命家の午後
革命家の午後2
む
妙漠の魔女
竹山君の日常
雑兵敗走記
「マンガ・エロテイクス・エ・
2006年vol39
「マンガ・エロティクス・エフ
2007年vol44
週刊ビッグコミックスビリッツ
2005年31号