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Instructions:
まぁ
darumamatsulca
松浦だるま
...それでも、
EVENINGIKC
1.
また、
...だって、
「...」...もちろんこの
......
第90話、長果て
第91話星・ひとしずく
第92話、女優
第93話はかる
第94話不在の顔
第95話、顔のない女
第96話はだしの足跡
105
第97話、てのひらに残る
第98話...の...
169
さて...
第
明日からは
いよいよゲネプロ
明後日は本番だ
秋楽、公演の最終
正直
想定以上の完成度まで
紫ゲネプロ..最終リノいーサルX楽日に
高めてくれていると
感じるが
満足することなく
まだ足りないと飢えたまま
楽日まで走り抜いて欲しい
...実は
この「星・ひとしずく」
来年
ロンドンとギリシャでの
公演が決まった
おれや
馴染みのスタッフは10年前から
海外公演の経験があるが、
今回は役者・スタッフの
半数が
初めてともに仕事をする
若手ばかりだ
五十嵐に
咲朱
それに
初めての試みとなる
照明アーティスト
安達くんとの共作...
日本の若手の力を
存分に見せつけて
来て欲しい
古参の重鎮多き
演劇界だが
だからこそ
新しい血が必要だ
まあ
おれもまだまだ
老いにあらがいたいんでね
ともに挑んでいこう
更なる
境地へ!
帰らんのか?
富士原さん...
明日にそなえて
よく休んでおいた
ほうがいいぞ
はい..
......
...やはり
似ているな
淵透世の再来〟
君はそう呼ばれて
いたっけな
いやいや
実際似てる
:恐れ多いこと
ですわ
私など足元にも
及ばないのに
他の者は
演技力や容姿を
なぞらえて
言うのだろうが
それ以外も
何故だか..
よく似ている
...どんなところがです?
危ういい?
ああ
その危うい
佇まいがさ
淵透世も君も...一見
とても強い人間に見える
自信と
それに見合った
実力を持ち
才あれど
努力家で
完全主義
周囲を理解し
支えもするが
自分では決して
弱音を吐かず
誰かを頼る
こともない
しかし
それは...
おそらく
強さでは
ない
弱さの
裏返しだ
まるで
自分の表面”のみしか
人に見せず
内面をさらすことを
何より恐れているように
見える
淵透世は
〝淵透世〟を
以前...
ともに仕事をしたとき、
あのひとに聞いたことがある
だから
君は。咲朱という人間を
得体の知れない何かが
演じているようだ
「あなたは何故
自分の内面を誰にも
見せてくれないのか」と
......
彼女は
答えず
ただ
さびしそうに
微笑むのみだった
微笑みの意味は
わからなかったが
何か彼女の内面を
垣間見たような
気がした
それから
ずっと
考えてる
あのひとは
人知れず
深刻な苦しみを
抱えていた
のではないかと
そして
君もまた
そうなのでは
ないかと
富士原さん
......
そんな心配をして
くださってたんですね
すみません
けど私は
深刻な苦しみ
なんて抱えて
いませんよ
人並みに
悩むことは
ありますけど
今とても
幸せなんです
今までで一番...
私が私らしく
生きられてると
感じる
気にかけて
くださって
ありがとう
ございます
明日は
がんばりますね
ああ
ほう
海外公演か!
そうか...
ええ
......
ついにお前は
淵透世も未踏の舞台へ
踏み出すわけだ
「星・ひとしずく」は
ただでさえ
今最も注目を
集めている舞台だ
「マクペス」のとき同様
チケットは先月
既に完売
ママクベス夫人〟の咲朱
オフィーリアの五十嵐
そして
富士原の新境地を
見るためにまた
人々が押し寄せる
お前はこのまま
国内外での評価を高め
突き進めば...
咲朱?
おい!
おい
あ...ああ
ごめんなさい
お前なあ
しっかりしろよ!
ゲネプロ
前日だってのに
.....
そんな
ぼーっとしてる
ようじゃ...
いや
すまん
よく
ここまで
がんばったな
え...?
いざなさんの死を
お前のせいなどと
言ってすまなかった
お前は
よくやってくれている
......
じゃ
自分の
ためだもの
あのひとの分まで
だとしても
だ
お前はきっと
新たな〝伝説〟になれる
海外公演を
成功させた
のち
そのために何としても
永久交換〟の方法を
見つけだそう
そして
...羽生田さん?
おれの舞台に
出てくれないか?
私たちは
そういえば、
そういえば、これから
運命のうねりの中を
そういえばそういえば、
...
そういうことで、そういえば、
そういえば、
...
そういえば、
望むものを
得るため
やみくもに進もうとしている
そういうことで、
それでも、
そして、
その果ての景色のことなど
考えずに
......
五十嵐さん
咲朱さん...
緊張してます?
しますよー
本番じゃないとは言え
私が先発ですもん
五十嵐さんなら
大丈夫ですよ!
客席で観るのが楽しみ
後発は後発で
怖いですけどね...
でもお互い
がんばり
ましょうね!
同じ役を比べて
見られますから
幾先輩
私はあなたが
苦手です
あなたといると
私の中の淵がさね〟が
疼き出す気がして
はい!
けどそれも
舞台では完全に消え去る
咲朱は咲朱
そして幾は
幾らしく
〝流れ星〟を!
ええ
私たちの思いは同じ
ただ素晴らしい
虚構を現せるため
星となって
またたく
第90話終わり
幾らしく
か...
けど
“私らしい私”って
どんな人間の
ことかしら?
私は
第91話、国
囲・ひとしず
「光はあたし」
「あたしは...光」!!
それは
古くから絵本で
語り継がれる
「とおくの恒星
地上の者ども」
「見て!あたしを」!
今ほこらしい自分を失う。
一人の女性の物語
「鏡の泉と眼を
合わせてはいけない」
「気をつけるのよ
流れ星」
「もし
合うたなら」
「たちまち
その水底に
落とされてしまう
だろう」
煌々とした光も
飛ぶ力も失って
誰にも
信じてはもらえず、
高い宙へ戻ろうと
あがくほど
その身は下方へ
流されて
自分が輝く星だった
などと
それでも
あがいて
また流され
泉から川へ
川から海へ
やがて
精根つきはてて
「もう...
つかれたわ...」
「思えばあたしは」
「美しい光
という才能に
すがって
生きてきた
のね」
「それ以外には
何も持っていなかったんだわ」
「こんな...
とても人に見せられない
恥ずかしい自分しか」
「光を失った星に
生きる価値は無い」
!!
通りかかった
大くじらの姿を見て
流れ星は思った
「彼ならば
魚やイカもろとも
あたしを呑んで」
「この身を胃で
溶かしてくれる
のではないか...」
「溶けて死ねば」
「たましい
だけでも
天に昇れる
だろうか」と
.....
しかし
まるでかつての
流れ星のように
白く尾を引く
かがやくものが
消えようと
した命を
くじらの胃から
さらって
いった
それは
あの泉で
出会った
白へびだった
「もう一度
君に会いたくて
追ってきたんだ」
「なぜ?
私は
光ることも飛ぶことや、
できないただの石ころ
なのに」
「そんなこと...」
「星だろうと
石だろうと」
「君は君じゃないか」
気付けば
眼下に
星が
またたいていた
海は広大な鏡となって
宇宙の星々を
呑み込んでいた
...
そういうことで、
そういえば、...
そういうことで、そういうことで、
...
...
海と宙とに今
何の違いが
あるのだろう
最期の
命の瀬戸際に
「この身が
どう変わろうと」
流れ星は知ったのだ
「私が私であることに
変わりは無い...!!」
ああ...
それでも、
...
羽生田
くん
どーもどーち
いやあ
すばらしかったです
先程のゲネ!
次は咲朱の
番だが...
心配?
君は
心配かね?
いいえ
とんでもない
あいつは
〝マクベス夫人〟を
演り抜いた女優ですからね
ああ...ありがとう
?
...
そうか
なあ
君は以前
言って
いたな
淵透世が
滅びた発端は
>マクベス夫人〟を
演じたことだと
......
ええ
彼女が死んでから
ずっと考えているが
何か知っ...
おれにはもっと
ちがう理由があったように
思えてならない
君は
咲朱!
あら
おそろいで
いや...
大したことは
何を話して
らしたんです?
じゃあ
がんばれよ!
...ああ
もう10分前か
席につかにゃ
なりませんね
ええ
そういえば
富士原さんと
羽生田さんて...
いつから面識が
おありなんですか?
あいつは昔
おれの下で修業してた
ことがあるのさ
ん?
なんだ
彼から聞いてないのか
元々は海道という演出家の元に
いたようだが
海道とはそりが
合わなかったらしくてね
あるとき
「彼を
演出家として
育てて欲しい」
と
〝淵透世〟から
紹介されたんだ
たか...
ーそうでし
......
なんだか
誰しも...
あなたですらも結局
過去の話をたどると
すベてがすべて
淵透世に
行き着いてしまう
この劇だって
そうですよね
「流れ星」は
〝淵透世〟なのでしょう?
あなたの大事な
すみません...
ただの勝手な憶測です
...では
流れ星〟を
精一杯
演じてみせますね
第9話終わり
...私は...
暗転の中心の奥で
いつも問う声がある
〝お前は誰か〟と
第92話
...「光はあたし」:
「あたしは光」...!!!
「見て...あたしを」
「とおくの恒星
地上の者ども」
「この命を」...!!!
母もきっと
「なのにこんな
暗い地上で」
流れ星のように光を求めた
「あたしたち星は」
「美しく光って
死ぬことがほこりよ」
「光すら失って
生きのびるなんて...
まっぴらだわ!」
そんなのは
自分じゃない
「あたしは天を
いろどる金剛石」
「光こそ
あたしの命なの」
けれど富士原さんは
母の苦しみの
だから
...「石だろうと」
輪郭しかしらない
「星だろうと」
...
...
そういえば、
...
...
...
「君は君じゃないか」
...
母に
とって
私に
とって
..
...
この物語は
......
「この姿が」..
「どう」..
「変わろう
と」...
「私が私であることに」:
...!
「変わりは」...「無い」...
......
それは
果ての無い〝絶望
台本通り
最期を希望で飾ることは
...私にはできなかった
なのに
何故:拍手が鳴り止まない
咲朱さん
.....
あれ?
マネージャーさんは?
先に..
帰りました...
.....
さっきのラストシーンについて
伺いたいんです
あの...
駅まで一緒に
帰りませんか...?
...身体は
大丈夫だったんですか?
あんな高い
ところから:
ええ
軽い打ち身と
擦り傷で
浮みました
羽生田さんにも
富士原さんにも
怒られて...
けど
あのままやるんだ
明日からも
もちろん
はしごからの飛び降りは、
禁止ですけどね
...そう言って
いただけました
〝壮絶なまでの
自己否定感〟
ゲネのあと
あなたの演技について
富士原さんがそう言ってました
それは...
あなたの中に
あるものなんですか?
......
...あります...
あなたの中には
無いんですか?
ひととき私は
自分の才能の無さに
打ちひしがれて
死んでしまいたい
とすら思いました
けどあなたには
それだけの才能が
あるじゃないですか!!
あなたの中の
絶望は...
それでも
晴れないんですか..
そうよ
絶望から
希望に向かって
だから...
私は演じ続けるの
...
それでも、そういえば、そういえば、
そっか...
絶望が
あなたの
力の根源
なんですね
苦しみながら
全身全霊で
私は幸せです
あれほどの表現を
突きつけてくれる...
そんな
すばらしい女優と
ダブルキャストで
舞台に立てるなんて
もっともつと
自分の演技を
磨いていこうと思えるから
身も心も
あなたみたいに
なれたらいいのに::
えっ
そんな...
私は
咲朱さん
みたいに
なりたいと
思ってる
のに...
ふふっ
えへへ
それから
私たちは
たくさんの
他愛も無い話をした
まるで
昔からの友人みたいに
それでね...
あら?
羽生田さん
からだわ
ちょっと
待ってて
うん
もしもし
え?
何?
よく
聞こえな...
咲朱
野菊が逃げた...!!!
...ごめんね...
かさねちゃん
第9話終わり
人の顔を奪い
成りすます
普通なら信じられないような話だわ
普通なら信じられない
ような話だわ
それでも
それ以上に符合する
答えが...。他に無かった
しかる
第93話第
あの。ジョバンニの正体は
もしかしたらと考えて
......
かさねの
住み処を見つけ
数日外から
見張りましたが、
すきが無く
ゲネプロの日を
ねらいます
本当はこんなタイミングに
したくなかったわ:
けど
日中
かさねも羽生田も
二人とも不在になる
のは
おそらく
その日だけだから
です
明るい内に
敷地内に入って
準備をし
夜
羽生田が
帰宅したら
実行します
できなかった..
今日じゃなきゃ
......
もう一人の誰かが
野菊を逃がしやすく
するため
...あなたは
屋敷は羽生田さん一人に
なるよう私を足留め
してたってわけね...
誰の指図か
知らないけど
そんな世迷い言を
信じる程の素直さは
相変わらずね
.....
幾先輩
その名前で
呼ばないで!!
...本当に
かさねちゃん
なんだね...
それがどれ程の
屈辱か
あなたには
わからない
でしょうけど...!!!
そんな風に
あなたが自分を
否定し隠して
しまっても
あなたは...
咲朱さんでも
野菊さんでも
ない
かさねちゃん
だよ...
呼ぶなと
言って
「この身が
どう変わろうと」
...
...
...とーーーっ!!
そしてそれで
...
というわけで、
「私が」
この台詞を
「私であることに」
「変わりは無い」
あなたは絶対的な
絶望をもって
体現した..
それは
あなた自身
わかっているからでは無いの?
誰かの姿で
舞台に立ち続けても
その賞賛や
拍手は
〝淵かさね〟に
向けられる事は
無いのだと
旧吹景ろ三
本当に...
変わらないわね
あなたは...
正しいことを
言ってるつもり?
そんな無神経に...
やさしさのつもりなの?
理解った気に
ならないでよ!!
そうだわ...
あなたの顔も...
裂いてあげましょうか:
多少
きずが残っても
その美しさのすべては
消えないでしょうけど
それでも少しくらいは...
私の心が
わかるかもしれないわ..
顔がきずついて
跡がのこっても
いいよ
それぐらいなら
まだ女優は続けられるもの
何も知らないから
そんなことが言えるのよ
少しでもきずがつけば
まず主演の依頼は
来なくなる
どんなに
努力しても
どんなに
磨いても
わから
ないよ...
それでも
続けていれば
舞台には
しがみついていられるはず
やれるなら
どんな役だってやる...
私は頭のてっぺんから
足のゆび先まで
だって
すっかり
〝女優〟という
生きものなんだもの
容姿ひとつで
あきらめて
しまえる
ものなの?
その程度なの!?
あなたにとっての
演劇は!!!
...あなたは違うの?
誰しもが...
あなたがそうして
正しく汚れずにいられるのだって
その美しさ故
なのだから
あなたみたいに、くもり無く
真っ直ぐ生きられるわけじゃ
ないのよ
明日の本番
私の未来を奪っておきながら、
中途半端な演技なんてしたら...
許しませんから
待って
かさねちゃん!!
それでも
あなたは...
演劇を辞めたり
しないで!
......
さようなら
先輩
......
よう...
チャッ
遅かったじゃ
ねえか
...何が
あったの?
急に停電してな
おかしいとは思ったが、
ひとまずブレーカーを
見に行こうと...
ここのブレーカーは
外付けだろう?
外に出るために玄関の
戸を開けたとき...
こういってさ!!
それきり
気を失い
目覚めたときには
あの男も野菊も
とうに消え失せ
なさけねえ
このザマだ...
お前
ぽけっとしてるようだが
状況わかってんのか!?
おれの台本も
明日の本番も
いやどんな役だって
咲朱じゃなけりゃ...
元の醜いお前に
戻ったら
何ひとつできなく
なるんだぞ!!
.....
...ひとまず
玄関までで
いい
元の
醜いお前に
戻ったら
何ひとつできなく
なるんだぞ!!
容姿ひとつで
あきらめてしまえる
ものなの?
キュッ
.....
醜くても
美しくても
満たされることが
無いなら
私は一体
第93話終わり
何に成ればいい
富士原佳雄の
今度の舞台...
観た?
初日にもう
スタンディング
オペーションだっけ
主演の
〝五十嵐幾〟が
すごいんだよ
女優として
ひと皮むけたって
感じだよな
けど確か
あの舞台って:
ダブルキャスト
だったんじゃ
ないの?
なんでも
もう一人の主演は
ゲネプロで
無茶な演技をして
身体を痛めたらしい
止むを得ず
降板だとさ
それでも、
これからは、
「この身が」
「どう変わろうと」
「変わりは...
無い...!!!」
「私が私であることに」
〝希望〟も
絶望くも
ともに内在する
最期
そんな演技を
するようになりましたね
ああ
咲朱の想いを
背に負うことで
五十嵐の
演技は
深く鈍い光を
放ち出した...
咲朱さんとは
連絡は取れたん
ですか?
いや...
いまだ
羽生田君の電話を
通じて知るのみだ
でもあのゲネのあと
そんな重いケガを
したようには
見えなかったし
きっと...すぐ
復帰できますよ
..だと良いが...
......
...似ていないか
淵透世〟が忽然と
舞台から消えたあのときと
かさねちゃん
ここでの公演は今日
無事に終わったよ...
あとは地方公演と...
3日後には海外公演の
発表もある...
...
今
どこで
どうして
いるの...?
私は信じてるよ
あなたの中の火は
そんな簡単に
消えやしない
いつまでだって
舞台で待ってる
私たちは
私たちは
あれからろくに
会話をしていない
いやー、
!!
...野菊さん
...あ...
天ヶ崎さん...?
......
......
...なんで...
なんで
来たのよ!
やっぱり
私に関わると...
あなたまで
こうして
私の運命に
巻き込んでしまう...!!!
刺したのは
羽生田さん?
はい..
死んだの?
いえ
気絶させただけです
ですから
今の内に早く...
!!
野菊さん!!
だったら
私が
今すぐ
この運命を
終わらせる
待って
下さい!
あなたを
これ以上
巻き込む前に
羽生田と
かさねの
息の根を
...ニさpィ湖盟
離して...
...あなた
だって
母親の運命に
巻き込まれてる
だけじゃないか...!!!
もうやめて
ください
あなたは別の運命を
生きるべきだ
だから
とにかく今は
逃げるんです!
早く!!
「このまま
あなたと
ここで
ただ
暮らし続ける
ことも
私の
運命かも
しれないと
何度か
思ったことは
ある
けど
そうしてる
内に
また母や
ニナのような
犠牲が
出てしまう
だから私は
どこへ
行く気です
一次
同じことを
くり返すつもり
ですか?
イてて
.....
もう
放って
おいて...
そうは
いきません
あなたが
そうやって
自分の命を
顧みない行動を
くり返す限り
行かせるわけには
いかない...!!
どんな
手荒な真似をしても
どうしたらいい
私しか
私しか
止められない
のに
私が
あの姉を...!!
殺さないと
いけないのに..
大丈夫だ
かさねは
復活できる
野菊をまた
つかまえるでも
...
他の女でもいい
「いざなさん
おれはあいつを
必ず光の下へ戻します
そして
あなたと
実現できなかった
この舞台を...
この..
ぐそっ
...どこだ.....
お前は
どこに
消えたんだ!!
かさね...!!
第9話終わり
第95話、風のない女
家族館
どうぞごゆっくり:
......
なあ
熊笹の間の
お客さん
あんたも
そう思う?
もう五日も
いらっしゃるけど...
どうも
観光って感じ
じゃねえな
...「あたしたち星は」
「美しく光って
死ぬことがほこりよ」
「なのに」
「こんな暗い地上で」
「光すら失って
生きのびるなんて」
.....
どうしたの?
ふ
あそこに
お化けみたいな
女の人がいたよ!!
お化け!?
私にはもう
ありがとう
ございました
わからなく
なってしまった
醜い私に
けど美しい姿でも
生きる価値は無い
「咲朱として稽古に出かけ
帰って部屋に一人になると
私は
毎晩
窓辺で
泣いていた
最初は
自分でも
涙の理由が
わからなかった
というより
本当は
わかっていて
気付かないふりを
していた
美しい〝咲朱〟
として生きるうち
よろこびだったはずの
日々はやがて
苦しみをともなう
ようになったのだ
咲朱が
女優として
人として
その価値を
高めてゆく
ほど
それを
遠くの誰かのこと
のように感じ
何故?
舞台に立っているのも
演じているのも
私なのに
この拍手は
そして
思ってしまった
一体
誰に向けられた
ものだろうかと
しょせん
にせもの
なのよ
あなたは
私の姿で誰かに
愛されても
賞賛されても
誰も
あなたを
見ていない!
それは
あなた自身に
向けられたものでは
ないわ
ニナ...
それなら...
私は何者?
知りも
しない!
あなたの
言う通り
だった
...あ...
あなたは
人間じゃ
ないわ..
そわゆるイニ
...
そうね...
野菊
私は
化けもの
羽生田さん
あなたの望むような
女優には
とてもなれそうにないわ
雨野さん
こんなに
愛しいのに
あなたと私は
会ったことすらない
私たちは生まれてくる
べきではなかった
...母さん...
虚構のうすい皮で
身を覆っても
真実の醜悪さは
変わらない
殺し
奪い
これ程に
欲深く
人並みの...
いや
それ以上の光を
欲してしまった..
もう
終わりに
しましょう
...
だって
...「この身が」
「どう変わろうと」:
「私が」
「私であることに」
そういえば、
...
そういえば、
...
変わりは無いのだから...!!
...
その時
それはほんの数秒...
いや、一秒にも満たなかったかもしれない
演じた記憶がまるで
幻燈のように
ああ
声は身体の奥から
とおり
手も足も
視線すら
ことばになる
役の
人生を
役者も
観客も皆が
舞台には
すべてがある
ともに感じ
生きる場所
よろこびも
くるしみも
うそも
ほんとうも
うそもほんとうも
誰も
見たことのない
夢ですらも!
私は:
その程度なの?
あなたにとっての
演劇は!!
私にとっての演劇は...!!
かさね
ちゃん
どうか
生きて
そして...
まだ生きるべき
理由が
そう言って
闇の中に
小さく灯る
田糸
分類
突如として
ネズミに
すごく
なっかれた
羽生田さん
スの男か
ネズミくら
大さわさして...
バカヤロウ!!
バカヤロウ!!
お前早く
サバイの!!
読んだこと
ないみって!!
そんに
あなたもネズミも
同じけっ歯摂じゃない
ちげーよ!!
同じげ。歯類でも
そズミとハムスターは
全然つかう
バレスター
としての自覚は
あっのね
第96話
はだしの足助
かさねが
姿を消して
から
すでに4ヵ月が
経った
...畜生!
ほうぼう
捜すのも
もう疲れたぜ...
生きてんだか
死んでんだかも
わからねぇ...
今のところ
それらしき死体が出たという
情報が無いのが救いか...
はい
やっと
出てくれたか
咲朱のことなら...
依然復帰の見通しは
立ってませんよ
しかしやはり
一度本人と
会って
話したいんだが
......
...
それは
できません
まだ身体は
よくないのか?
いえ...
今はまだ...
そっとしておいて
やりたいんです
前にも伝えた通り
舞台降板のショックから
立ち直ってないようでして
あの富士原佳雄に
わかった
これほど
気にかけて
もらえるのは
それだけの
未来が約束
された才能と
いうことだ
だと言うのに...
......
......
...ところで
羽生田くん
実は数日前に
妙な女が
現れてね
妙な女...?
ああ
稽古場から
帰宅するため
稽古場から帰宅するため
車に乗ろうと
したときだ
車に乗ろうとしたときだー
ん?
何か用かね?
このひと
昨日もここで
富士原さんのこと
見てましたよ
......
あやしいし
関わらないほうが..
...?
富士原さん
そろそろ...
先に乗って
待っていてくれ
はあ...
...何の用か
知らんが
まず名乗って
顔を見せたまえ
失礼だろう
......
できない
のか?
...
まあいい
用件だけでも
聞こう
〝淵透世〟が
す:すみません
あの.....
...教えていただき
たいんです
舞台から去った
理由について
富士原さんの...
知る限りの
ことを
...»かさね〟だ!!!
風貌から考えても
おそらくそうだろう
しかし何を考えて...
...それで
あなたは
何と?
3.淵透世が去った理由
まではおれにも
わからん...
だから
去る間際に
おれが
最後に見た姿を
伝えたよ
海道与演出の
「マクベス」最終日...
終演後の劇場の中、
出演依頼の打診を
するため
楽屋にいないと
思ったら...
片づけられた
舞台で一体何を...
探していた
透世さんの姿を
あ
うす暗い地明かりの中
?
やたらと映える白い足が
跳ねる
何の
舞だ?
床を踏み鳴らす。
動作は能のようでも
あるが...
それにしては
激しい...
...ッ神楽”?
それはあまりに神々しく
荘厳で
先ほどまでの
はだかの舞台は
人間には犯せぬ
聖地と化した
それはまるで
神のあそぶ様
おれは
見とれながらも
慄いていた
結局
話しかけることも
ままならず
その場をあとにし
見てはならないものを
見た気がして
これまで誰にも
話さずにいた
淵透世は
マクベス夫人の役に
呑まれて滅びた。
などと言うが
君や
皆は
あのいきいきとした
舞と表現力を目にしたなら、
必ず理解する
...あの時点で
彼女は女優として
死んでなど
いなかった!!
おれに
わかるのは
ただ
それだけだ
あの名乗らぬ女は
それで
ひと通り聞くと
一礼して
去っていったよ
......
あの女が何者なのか
君ならわかるかも
しれないと...
ん?
羽生田くん?
...
君だって
演出家として
死んだわけでは
ないだろうに...
一体いつまで
くすぶっている
つもりだ?
...まったく
かさねは何故か
おれの見えないところで
母親の足跡を追っている
しかしそれなら
行き着く場所は
見当がつく
だから俺も
辿ればいい
いざなの足跡を
君のお話終わっ
おれ自身もまた
始まってゆくために
まるで
このひらに
.....
今の...!!
待って!
かさねちゃ...
ふりむきさえ
しなかった...
いえ
本当に
かさねちゃんだった?
顔が見えた
わけでもない:
なのに私...
確かめたい...
「今どうしてるか
さようなら
......
幾先輩
私は..
けど連絡先はおろか
行きそうな場所も
何もわからない...
えらそうな
言葉を
投げつけて
おいて
その実
あなたのことを
何も知らない
のね...
どうしたら
いいかわからず
けど何もせずには
いられなくて
少しでも...あの子のことを
知るには
......
すみません
天ヶ崎さん
―すみません天ヶ崎さん
急に来たいなんて言い出して...
急に来たいなんて
言い出して!
いえ...
ただ
本当の
ところ
彼女をあまり
人に会わせたくは
ないのですが..
閉め切って
うす暗く
散らかった
部屋の中
見慣れた端整な
顔だちのみが
異質に
映えて
......
咲朱さん
そのもの...
顔を奪うなんて
ことが本当に...
この顔が
えっ
あ...
そんなに
不思議?
す:すみません
つい見入ってしまって...
野菊さん...
すみませんね
きたない所で
いえ...
...
さっきは
ごめんなさい
野菜さん
私
五十嵐幾と
いいます
ええ...
知ってるわ
咲朱と同じ役を
ダブルキャストで演じる
はずが..
あなたは
あの女が
消えたことで
え...?
注目と賞賛を
一身に浴びる
ことになった
女優でしょう
おおかた
そうなることを
予見して
天ヶ崎さんに協力
したんじゃないの?
それ以外に
協力する理由なんて
考えられないもの
ち...違うわ!
五十嵐さんはただ
あなたを助けようと...
助けて
なんて
頼んで
ない!!
あの...私は...
...もしかして
あなたは
私と天ヶ崎さんに
感謝でもされたくて
ここへ来たの?
何故か...
否定できなかった
「自分のしたことは正しい」
と思い込むために
野菊さん!
あなたは..
そんなつもり
無いはずなのに
私が望んでも
いないことで
善いことを
した、だなんて
思わないで
何もわからない
他人のくせに...!!
そんな
無神経に...
理解った
気に
ならない
でよ!!
わ...私は
かさねちゃんの
ために...!!
かさねの
ため...?
そうよ...
だって誰かが
止めなきゃ...
言葉が
うわすべりする
自分が
正しいかどうか
わからない...
あの子...
自分で自分を
否定したまま
大人になって..
でも
放っておけ
ないのよ!
大事な...
友人だもの..
“友人”?
こういっ
ふふふみ...
わり...
あの女も
良い“友”を
持ったものね!
友人である
あなたの加担で
女優としての
〝咲朱〟が死に至った
のだから!!
それが
できると
思い込めるのは
あの女の
すべての〝罪〟を
知らないからよ
あなたが友として
もし本当に
かさねを正しい道に導こうと
しているのだとしたら、
罪...
あなたや丹沢ニナの顔を
理不尽に奪っていたこと
でしょう?
それだけじゃないわ
あなたは
丹沢ニナの末路に
ついては聞いて
いないはずよ
末路.....?
ええ
丹沢ニナは...
それは
一人の女優が
生きながら
この世と接するすべを失い
それを利用
され続けた末に
救いとして
死を求める...
劇でも及ばない程の
悲劇だったー
...指が...
すこし
ふるえて...
動かなく
なった
そして
それきり...
そんな...
嘘よ..
かさねちゃんがまさか
そこまで......
そう思い
たくとも
すべて
あの女が
元凶よ...!!!
それがあなたの
知らない
友人の正体
ニナが死を願うまで
追いつめられたのも
.....
止めるには...
私が殺すしかないわ!!
その死を...私が
幇助せぎるを得なかったのも
野菊さん...
まだ
そんなことを
考えて...
私の手は...
あなたのことすら
傷つけて...
とっくに血で
よごれてるもの!!!
もう私には
他の生きかたなんて
許されないのよ...
なんて
哀しく
重い十字架を
背に負って
あなたたちは
今日は
もう...
お帰り
下さい
すみませんが...
...私は
何も知らず
何もわかって
いなかった...
かさねちゃんも:
野菊さんも...
......
けど
.....
第97話終わり
第98話・肩ごしの景色
今頃もう
かさねは次の標的を
見つけているかもしれない
~~~・~~っ!!
天ヶ崎さんも
五十嵐幾も
人生を奪われ
自分を奪われるということの
おそろしさも
哀しさも...
皆:わかってないのよ
.....
あの...
五十嵐さんが...
こ...
こんにちは
......?
何故天ヶ崎さんは
私の外出を許した
のかしら
あ...うん
ごめん...
ちょっと
おどかし
ちゃった..
言う通りに
しないと
「女性を監禁してる」
と警察に伝えるって
人を
脅して
まで...
私を
どこへ
連れ出す
つもり?
あなたに
見せたい場所が
あるの
...ここはね
私と
かさねちゃんが
通っていた
高校なの
なつかしいなあ
あの頃と
何も変わって
ない..
......
どうしたの?
......学校”って
こういう所
なのね...
え?
そ
それで
う...うん
さも
あたり前の
ように
ここで私に
何を見せたいって言うの?
自分の。恵まれた。
昔を語るのね...
私の昔も知らないで
ここは?
体育館よ
何をする
ところ?
た...体育の授業とか
運動系の部活で使う
ところだよ!
音が
反響する
舞台も
ある...
私もかさねちゃんも
ここで劇の稽古を
していたんだ!
劇場に
似てるわね
そう...そうなの!
あの子は
照明係で
出演する
ことは
なかった
けど...
ある時
ここで
一人残って
こっそり
台詞を読んでいる
ところを見たの
あの人
が...
素顔で
台詞を?
うん...
だから
よっぽど
見られたく
なかったんだと
思う
逃げ出し
ちゃって...
ふふ...
必死に
引き止めたん
だっけ...
つかまえなきゃ!!
って咄嗟に
思ったのよね
そう思うくらい
上手かったん
だもの!
すごい
逸材を見つけた
と思ったわ
それに
声だっていいのよ...
あの子
.....
...それが?
あれだけの
才能を
誰にも見せる
ことなく
あの子はいつも
一人ぼっちだった
クラスでも
部活でも
仲間はずれ
にされて
何も
できずに
いじめ
られて
ただ
目立たない
ように
縮こまって
耐えていた
抑圧も
孤独も
その程度なら
生ぬるいわ!!
私は..
私は今まで...!!
・っ
...違うわ
...さっきから
何なのよ...
かわいそう
だから許して
あげてとでも
言うつもり?
ね
そうじゃないの...
もう一ヵ所だけ
つきあってちょうだい
仲良くなってから
この道を二人で一緒に
帰るようになったの
“仲良く〟ね...
かさねは
あなたの顔目当てに
近づいただけよ
ほんの
短い間のこと
だったけど
けど
...そうかも
しれないね
目的が何で
あっても
私の目には..
なんてことのない
ふつうの子に見えたよ
ただおとなしくて
さっき
何読んでたの?
あ...
「三人姉妹」です...
チェーホフ?
演劇の好きな
哀しいけど...
最後の姉妹の台詞
好きだなあ
少し希望が
見えて
私も..
...「またわたしたちの
生活をはじめるのだわ」
「生きて
行かなければ...」って
あんなふうに見せてくれた
表情のすべてが
演技だったとは思えないんだ
もしかしたら
あなたの前でも
あの子は
そんな表情を
見せていたかも
しれないよ
何故か
そう
言われて
海の匂り
とともに
記憶が
よぎる
まだ互いが
互いの真実を
知らず
それなのに
友として
ひかれ合ったーーあのときの
あのひとの
表情は...
......
私の話は
ここまで
...この間は
あなたが
教えてくれたでしょう
私の知らなかった
かさねちゃん...
女優として
在り続けるために
人を死に至らしめた...
あの子の罪について
それはもちろん
許されることじゃ
ないけど
ただ
それだけが
あの子の顔じゃないって
知ってほしかったの:
.....
私の知らない
かさねのどんな
面を知ろうと
私の意思は
変わらないわ...
...わかってる
でも
あなたが話を
聞いてくれてよかったよ
ありがとう
.....
...それでね
お願いが
あるの
二人で協力して
かさねちゃんを
投さない?
協力...?
うん
互いに目的は違うけど
あの子を捜しているという
点では同じでしょう。
そうだけど..
それにね
私...
かさねちゃんだけ
じゃなくて
あなたのことも
もっと知りたいんだと
思う
.....
......
よう
随分
落ちついた
様子だが
おれがこうして
待ちぶせていることは
想定通りってか?
...まあいい
久しぶり
だな
やる気のほどを
聞こうかね
累d終わり
家にかさねー帰り巻も出来ないよな
お前はお読みただき、
わかっこさいます!!
こんにち
は!!
実写映画化
とのこと!!
そして
仕器をかって落ちこう...
本当かな
本当にいいの
かな
うれしくて
夢みたいで
ちょっと怖い
くらいです
土器のはそう君
Pecial
続報は
ツイッター
などで追って
もちすると
思います
そして
本編も76歳
より最終ギに
突っしました
とは言え
ここからまた長そうなので
まだしばらくお付き合いいただけ
ましたら幸いです。
茂木将禿松本サトコ若川岳樹
1000年の1917年に小学校に行われておきましたっていませんでしょうかってるんだよ...今なんだけど..
★小説のデザイン会議はとてもらっていますので
といってきたお会いいたしおましょう!
そんではまた―
それではまた12巻でお会いしたし
担当N元担当1
&
表紙し手伝ってくれた
同居人
一妖怪だ...
幺泉を
終演が
なのぶ影を迫求め着いた宿校演が
「まる
地。
Prescnted
BV...
Daruma,Matsuria
そして、これからで女性の日本NSHA
わ...っ、あ...あ・あああ~~~あんなんじゃないですか!?
いや...そんなこと言えばいいんだけどね
...
それはそうだけど...わたしがありませんが、
...
☆収録されている表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、
コミックス発売当時のまま掲載しています。
累(11)
著
...
発行者発行所
2017年6月1日発行(C)
松浦だるま
©LarumaMatssuua207で
森田浩章株式会社
株式会社_講談社
〒112-8001
東京都文京区音羽2122: