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Instructions:
宗
12
......
darumamatgute
松浦だるま
pypNlNGKC
......
松浦だるま
......そういえば
...
第100話北棚のうえで
それでも、
むなにに頭っ
第101話さんしめす指
第102話、血の結局、
あーいまは、吐きかえぬ後
第101話、雨に進まるの
第1055回、最後
2013年11月15日
いい
第100話、前出来
姉さんで話、一見えないもの
I67
久しぶり
だな
第99話でも
むな風に頭
やる気の
ほどを
聞こうかね
何故
答えない?
...お前は
母親の過去を
探り
その終着地として
辿り着いたのだろう
この“朱磐”に
こいつ...
...
...思ったより
元気そうね
けがは治ったの?
そりゃあ
これだけ経てば
ある程度はな
まるで
火が消えたよう
じゃないか...?
4ヵ月も
おれから姿を
くらましたのは
何故だ?
あなたに
頼らず
一人で母について
調べたかったのよ
一人で
ね...
しかし
朱磐は
案内役がいなけりゃ
何も無い
たださびれた荒れ野にしか
見えんだろうよ
そうね...
あなたの
目を通してしか
当時のこの場所を
知ることは
できないのね
そういう
ことだ
さあ
順に
話して
やろうか
野っ原の奥:
山かげの
黒い森が
見えるな
かつて
あの中に
「槻」という家の
屋敷があった
そこで
いざなさんは
生まれたんだ
生まれ落ちてすぐ
醜い容姿ゆえ
死を望まれた
前にも言った
この村の時代錯誤な
因習のためだ
それを
“平坂千草”という
助産婦が助け
密かに育てられるが
年頃になっても
山奥の小屋に
隠れて暮らし
およそ
人間らしい
生活とは
言えなかった
生きることを
否定されながら
生きているという
事実と
抗いようもない
おのれの醜さとを
突きつけられながら
少女は熟々と
身の内に
憎しみをたぎらせ
切っ先を研いでゆく
おれが
この村に
来て
来て初めて会ったときも
ときも
あの
ひとは
この世のすべてを
憎み拒み呪う
そんな眼差しを
闇から向けていた
あなたは
この村の
生まれでは
ないの?
...おれは
血筋はここだがね
”朱砂野”という
家の主が
犯した女から
生まれたのさ
11のとき
この村に
連れて来られ
母は消えた
まあ
そんなことは
どうでもいい
ここは村の中心である
古めかしい社殿も
大鳥居も
。朱磐神社の跡地だ
燃え落ちて
跡形もないがな
さっきも鳥居を
見たけど...
あれも神社なの?
いや
さっきの鳥居は...
ここから見るとわかるが
山のふもとに
あるだろう
白永山
というんだ
禁足の聖地でな
いざなさんはあの山に
隠れ住んでいた
そして
そこで
見つけた
わけだ
自らの運命を
塗り変えた
魔性の”朱”
くちづけで
人の顔を奪う
〝日紅〟という
鉱物顔料を
.....
日紅”と
いうのね...
この口紅は
ああ
山頂の池に隠されて
いたと言ってたな...
あのひとは
その
在り処を
どうやって
母は..
神楽だ
神楽?伝統芸能の?
そうだ
この地の〝伝説〟を
つたえる神楽の中に
伝説”と
いうのは
日紅につながるヒントが
織り込まれていたんだ
この地に災いを
もたらしたみにくい鬼女が
うつくしい巫女によって
滅ぼされるというものだ
その中で
鬼女は朱い粉を
唇に塗り
巫女に
くちづけて
...
魂を奪おうと
する描写が
ある
そして
神楽の最後は
いざなさんの
出生を呪う因習...
〝丙午生まれの
みにくい女児は殺さねば
その伝承を唱えて
しめくくる
こんなものが脈々と
受け継がれてきたわけだ
鬼女の魂をもって
災いをもたらす〟
醜い女が
鬼女の魂を
もって災いを
起こす...
つまり
母は
ご伝説の語る伝承を
現実にしてみせた:?
その通り
巫女役の
美少女を殺し
顔を奪った
鬼女は
ここに建っていた
神楽殿の上で
はじめての
舞台を踏んだ
んだ
今でも
在り在りと思い出せる
みそかの宵闇を照らす
黄金の光ーーその中で
醜さゆえ殺された鬼女は
誰より美しい女神へと
生まれ変わった
そして
すべてを洗う
炎を放って
呪い続けたこの地を
亡ぼしたのだ
女神は自らをかつて
殺した者どもを殺し
あれ以上に
うつくしい最色を
見たことが無い
あとにも
先にも
おれは...
その光景を
おれは
もう一度
この目で
見たいんだ
その光景の再現??
ああ
もしかして
あなたの上演したい
舞台というのは...
そして
“淵透世〟の出演が
決まっていたにもかかわらず
あのひとが舞台から去り、
命も失い
果たせずにいた悲願だ
だから
再び口紅を
使い:お前に
主演をつとめて
欲しい
それが
おれの願いで
あり
私は:母ではない
血が...
彼女の想いを才を
芸を私の身に伝えた
お前が
照明の下に
戻ることが...
いざなさんの
願いでもある
はずだ
あなたの舞台に
出るわ
...
けど
...そうか!
火は
そうか...よし
そうと決まれば
どんなに困難だろうと
消えてなど
いなかった
しかし
そのときのかさねは
どことなく
朱磐から姿を消す直前の
あなたに似ている気がした
また
美しい”顔”を...!
第99話終わり
この地を亡ぼした女の娘が
この地を亡ぼせしめた
伝説を再び舞う。
朱璃村
供養を
それが
あなたのやりたい
ことなのね
ああ
そしてその
朱磐神楽”は
どうやら
>永久交換〟の方法の
ヒントにもなってくれそうだ
ちょっと
心あたりが
あってな
ある...
学者の残した
資料が
手に入りそう
なんだ
朱磐の
伝承を研究してた
人間でね
...
それよりも
まず顔”が
無ければ
話にならないわ
そりゃあ
そうだが...
まぁ
やはり野菊の顔で
咲朱として復帰するのが
一番手っ取り早いだろうな
何より。咲朱〟には
築きあげた
名声がある
新たに標的を探す
手間も無く
降板さわぎで
ケチがついたけれどね
何
お前なら
取り返せる
さ
富士原も
まだ気にかけてる
ようだしな
...野菊は
捜せそうなの?
それだな...
何せ
戸籍も
何も持たない
女だ
しかし
おれを刺した男が
匿ってる可能性は
高いだろう
野菊の客を
一人一人地道に
探ってみている
そう...
今までにも
こいつが
意気消沈
する様は
見てきたが
今回は...
何か様子が
ちがう
この
雰囲気は
まるで
近くに宿を
とってるの
羽生田さん
ここでいいわ
いや...
待て
泊まらずに
このまま
乗っていけ
夜通し走れば
向こうには着く
いえ
荷物も
置いて
きてるし
じゃあね
おれの前から
消えるな...!!
...あ...
い...
待ってて
やるから
いや
一度消えた奴を
信用できるかよ!
...
荷物をとってきて
また乗るんだ!
.....
ちゃんと
帰ってきた
でしょう?
...五十嵐機に
連れられて
かきねの通った
学校を見てきたの
学校ね...
くだらないですよ
あんな所
何か得たものでも
ありましたか
...いいえ
けど
行くべき道を...
考えることはできた
私はここを出て
五十は幾と一緒に
かさねを捜すわ
五十嵐さんは
きっと
あなたの
望みの
さまたげに
なりますよ
ええ
かさねを
殺させまいとする
でしょうね...
わかってる
思い通りに行くか
わからないことも
再び監禁されて
利用される危険が
あることも
それでも...!
...
協力なら
ぼくが...
あなたは..
別に
五十嵐さん
じゃなくとも
いい加減
わかって!!!
これ以上私に関わると
今に羽生田に
かぎつけられて
命さえ危ういわ...!!
私は
それだけが
怖いの...
何よりも
あなたに
危害が及ぶ
ことが...
だって
私
私は..
私にとって...
あなたは......!!
そうやって
自らの
運命と決着を
つけようとする
限り...
あなたは
自分の身に
ふりかかる
悲劇を
まぬがれない
気がして
ここに引き留める
ことが
あなたの命を守ると
ぼくは
思っていました
けどそれは
単に
悲劇を
先のばしにする
だけの
ぼくのわがまま
なんでしょうね
...まるで
嵐ですよ
一人去って
行くなんて
こうまで
人の心を
かき乱した末
それでも...
もし無事なら
戻ってきて下さい
ここで待って
ますから
関東はもう
雪が降ったのね
ああ...
何日か前にな
あ!
富士原だ
ん?
はい
は!?
いや...
だから
今朝
助手から
連絡があって
だな
おれの留守中
事務所に咲朱が現れたらしい
仕掛けてきたわね
第100話終わり
おれの留守中
...そそれで
事務所に咲朱が現れたらしい
«咲朱〟はどんな様子
でしたか?
この日は......
対応した
若杉君が言うには...
咲朱さん...?
どどうしたんです?
富士原さんは今「留守で...
.....
目は虚ろで
会話にすら
ならなかった
そうだ...
知り...。
ただ
星詠む俊〟
“本当の姿ではじめて
会った場所、
私は
そこにいる
何かの
台詞めいたことを
言って
若杉君がおれに
連絡しようと離れた
すさに消えたそうだ
羽生田くん
...
>咲朱の挙動も言動も
明らかに普通じゃないぞ
君はちゃんと把握してるのか?
居場所はつかめてるのか!?
ええ
大丈夫です
確かに今朝
一人で出かけた
ようですが
今は自宅で
安静にさせています。
それに
今は...
そんな状態ですが
彼女は必ず舞台に
復帰します
咲朱は
滅びない
それだけは
信じていて下さい
...ええ
では
また
失礼
します
.....
こちらが
野菊の顔を
欲していると
見越して
わざわざ姿を
現してまで
私をおびき出そう
というのね
ああ
あまりに
あからさまな罠だ
今度こそあいつは
お前を殺そうと
するだろう
次会えば
しかし...
本当の姿ではじめて
会った場所。とは...
海よ
野菊と私が
素顔で初めて
対面したのは
録倉の海辺...
つまり
「夜の海で待つ」と
いうことだわ
...
星詠む夜。にか...
成る程ねえ
野菊の顔”は
必要だけど..
今回の誘いには
乗らないほうが
いいわね
仮住まいとして
部屋を借りてある
そこでお前は
待ってろ
おれは
様子を見てくる
おそらく
おれを刺した男も
そこに居るだろう
その正体だけでも
おがんでやらんとな
ガチッ
ヒル...
...「ケンタウルス」
「ヘラクレス座」
「アルクトゥルス」
「カシオペア座」:
よくこっちだと
わかったわね
ええ
。星詠む夜。なんて
やけに詩的な言い回し
あなたらしくないもの
なのにわざわざ
そう言ったのは
野菊の口を借りた
別の人間の言葉だからよ
幾ル輩
そうでしょう
......
体育館は
幾先輩と私が
初めて会い
久しぶりだね...
かさねちゃん
そして
ジョバンニの役を通して
"星を詠んだ〟場所
そんな思い出や
あなたが
野菊の脱出に
手を貸したことを
私は知ってても
羽生田さんは知らない
つまり
正直
あなたが
ここに来て
くれるか
どうかは
賭けだった...
私だけにこの場所と
伝わるように言葉を選んだのね
それなのに
まさかこうして
一人で
馬鹿みたいに
のこのこやってくる
なんてね
野菊
私を殺す
つもりなら
少し待って
あなたに大事な
話があるの
...?
なぜか
そのとき
これまでのかさねとは
何かがちがうような
気がした
羽生田さんがいないのは
私にとっても都合が良いわ
あのひとにはまだ
話せない...
あのね
野菊
信じてもらえるか
わからないけど...
よう
羽生田さん...!?
仲間はずれとは
つれねぇな
何せ
ひさしぶりの
邂逅だ
どうした?
続きを
話してて
かまわないぞ
高校の先輩に
腹ちがいの妹
とのな
ど...
どうして
ここに...
言ったろ
「一度消えた奴を
信用できるか」と
再会してからのお前は
どうも腹の底の読めない
ところがある
それに加え
・咲朱の伝言の示す場所を
多海、と結論づける言葉が
やや強引に聞こえてな
海に向かったふりをして
見張っていたら
案の定だ
おれを
出し抜こうと
しやがったな
一体お前は
何を考えて
いるんだ?
すべて
嘘だったのか!?
朱磐で見せた
舞台への意思は...
嘘じゃ
ないわ!!!
私はあなたの
舞台に出る...
野菊の顔でね
けど...
それで...
最後にする
口紅を使うのも...
舞台に立つのも...
な..
なんだと...?
...だから
野菊:お願い
もう一度だけ
〝咲朱〟を舞台に
立たせて...!
い...
一度だけなんて
信じられるはず
ないでしょう...!?
そう言って
きっとまた
私を監禁する
かも...
これなら..
信じてもらえる?
交換の主導権を...
あなたにゆずるわ
第101話終わり
な...
第102話
皿の結晶
何やってんだ
お前は!?
トッ...
......
おい
それをよこし..
近付か
ないで!!
口紅が大事なら
じっとしてなさい!!
もし近付けば
この口紅は...
口紅に
何かすれば...
お前こそ
無事で済むと
思うなよ
あの天ヶ崎くとかいう
高校教師ともどもな
高校
教師...?
あいつの
協力者だよ
あ...
あなたは
それを
つきとめて
いながら
私に隠して
たのね...!!
今のお前にゃ
すべての手札は
明かせねえだろ!!
それに
お前だって
おれを
救いたんだ
おあいこ
だろうよ
野菊さん!
お...落ちついて...
...あ..
天ヶ崎さんは
関係ない!!
あのひとは...
ほう
てっきり
ただ都合の良い客なのかと
思っていたが...
そうか
ありゃお前の
本気の情夫か?
おかしな
趣味して
やがる
野菊さん...
少しでも..
変な真似をすれば
口紅は砕く!!
天ヶ崎さんにも
手出しはさせないわ
たとえ
私の命に代えても...
絶対に!!
その憎しみだけで
ここまで生きてきた野菊を
脅しで抑えつけるのは
もう不可能よ
羽生田さん
...わかるでしょう
野菊
口紅をわたすと
いうことは
私の生命を
わたすのと同義よ
次の舞台の
幕がおりるまで
辛抱してくれれば
私はあなたの手で
どうなっても
かまわない
たとえこの身を
焼かれようと
切りきざまれ
ようと...
...
あの男にも
何もさせないと
あなたは
誓えるのね...?
その間
天ヶ崎さんに
何もしないと
もち
ろんよ
ええ
もし
少しでも
何かあれば
私を殺し
口紅を処分
なさい
.....
話は
ついたわ
これでも
あなたの
望みは
叶えられる
でしょう?
服曲師品8三:
野菊さんは今...
私のところにいるから
か:かさねちゃん
もし用事があれば
私に連絡して
ありがとう
わかったわ
だ...大丈夫!?
大丈夫じゃ...
ないわよ..
天ヶ崎さんのことを
知られていた...
それに
かさねのあの
落ちつきよう...
不気味だわ
きっと腹の底に
まだ何かあるのよ!
あの女の執念が
あそこまで変わるなんて
ありえない!!
でなきゃ
ふざけるなよ
おれにはもう:
お前が何を考えてるのかが
わからん!
...
...なんで
んぁっ...
...
口紅も命も
引き渡すなどと...
いざなさんの
遺志を何だと
思ってるんだ!!
〝照明の下へ
何度も
言ってきただろう
おれは
託されたんだ!
導けと...!!
お前を...
あなたは
自分や母の
意思ばかりで
私の意思は
考えてもくれないのね
自分の足で
帰れ
口紅も
持たない
ただ醜いだけの
女のツラなど
見たくもない
じゃあな
こうして
またどん底から
歯車は回り出す
それは
昇るように
或いは
落ちるように
ひとつの
終着地へと向かって
第10話終わり
まず
どうやって仕事終わり
かさねちゃんだけを
呼び出そうかな〜
えふみ
却下。
遠ざかる圏体
第103話
畜生...
もし少しでも
何かあれば
かさねめ..
とても正気とは思えない
一体何を考えて...
私を殺し
口紅を
処分なさい
何故そうも簡単に
手放せる?
あれは...
あの口紅は...
奈落の底から
いざなさんの思い
そのものだろうが...!!!
白い照明の下へ
導いて...
...娘を
かさねが
残って...
いざなが消える
のか...?
そんなの...
割に合わねえ
だろうよ!
この世に
あなたに代わるものなど
在り得ない...!
子供を残したって!?
口紅があったって...
だとしても
それがあなたの
望みならば
おれにできる
唯一のことならば
実現して
みせる
こいつを
あなたに代わる
女優として
...
このとき..
母と何か言葉を
交わしたの
それが...
思い出せない
すごく
大事なことを
言われたはず
なのに...
...まさか
あいつ...
何か..
思い出したか?
そしてその
内容が
今のあいつの
おかしな行動に関係あると、
したら?
...あーあ
カッとなってつい
はたいちまったのは
不味かったな...
まあ
ほとぼりが
冷めた頃に
探るとしようか
口紅を
手放してから
1週間が経つ
...
つい二日前には
羽生田さんから
きまりの悪そうな電話を
受けていた
すまんな
この間はおれも
ちょっと感情的に
なりすぎた
まだ
完成稿とは
言えないが...
ひとまず
次の舞台の
台本を送る
気持ちだけ
でも
備えておいて
くれ
どんな状況下に
あっても
台本をひらくときは決まって
胸が高鳴る
言葉が
思いが
役の心が
からっぽの私の中へ
注がれるから
.....
...??
今までに無いことが
私の中で起きていた
...台本自体は素晴らしかった。
あの男がこんな世界を描けるのかと
驚きさえする
なのに...:どうして
なのに...
母への思いが込められた物語に
自らの血がさわぐのも感じる
この...
母亡き今
私にしかできない
主演
それを演じる
〝咲朱〟のイメージが
がきね〟の身体から遠くはなれて
思えば
「星・ひとしずく」のとき
すでに
この裂け目は
生じていたのだ
結局最後の台詞まで全て
こののどがどう発し
どう演じるか
想像できなかった
この夜を......いや
私は咲朱〟を
演じてゆくことなどできるのだろうか
はい
!
あ...やっぱり
かさねちゃんね?
違うの...
野菊さんなら
今いるわよ
え?
野菊じゃ
なくて...
先輩に話が
あるの...
第10話終わり
...かさねちゃん
...
...
..?
あの..
話って?
私について
どこまで聞いて
ますか...?
...野菊からは
...えっとね
くそ...!!そう...
どうしたんだろう
かさねちゃん...
それ...ちょっと...?
この間会ったときとは
何か違う
それよりも
何だか...
口紅を渡してしまったから?
いや
大体わかりました
...すみません
それだけなのに
わざわざ呼び出して
じゃあこれで..
悠nんご
話したいことって
本当にそれだけ?
た
また何か
抱え込んでるんじゃないの?
昔みたいに!
...
台詞が...
身体に
入ってこない
んです
こういう
とき
同じ女優のあなたなら
どうするだろうと...
いえ
同じじゃあ
ないわね..
何でも
ありません
放して下さい
先輩!
はじめての
ことなの?
台詞が..
役が自分の中に
入ってこないのは
そっか...
やっぱり
すごいな...
あなたは
そんなこと
私は
しょっちゅう
あったよ
こんな風に
言うと
また気にさわる
かもしれないけど
私は
それだけの才能を
もつあなたが
うらやましい
本当...
.....
美しい者の高みから
そういうことを
言われると
何もわからない
くせに...!
気にもさわるわ
...うん
そうだね
わからないよ
私はあなたじゃ
ないから
だから
あなたにだって
わからないでしょう
同じ女優としての
私の劣等感は
その
果ての
沈黙の中
で
何故か
理解できず
理解
できず
はじき
合い
私たちは
ようやく真に
言葉を交わし合えた
気がした
......
先輩
もう一度
私と同じ舞台に
出てくれませんか
あなたと
理解り合えずとも
寄り添うことに意味はあるのがもしれない、
それで問題が解決する
わけでは無いけれど
どうか
私の最期の舞台を...
同じ演劇にすむ
同じ女優として
...そうか
咲朱の復帰舞台を
君自身の演出で...
劇場は
おさえたのか?
ええ
それはもちろん.
ただ
“人がどうも...
おれのつてだと
この世界を離れちまった
奴も多くてですね
ご助力...
願えません
か
...何笑ってんすか
いや...君もようやく
本業に戻ってくれると
思うと愉快でね
役者でも
スタッフでも紹介
してやる
同類の
よしみでな
?
師弟ではなく?
ああ
同じ透世”を
見てきた演出家
としてだ
成る程
あのひとの
真の涙も
笑顔も知ってる
演出家は
おれだけだ
おれだけだ
同じに
すんじゃねえよ
第10話終わり
まず
まず
第105話
舞台が終わるまで
こっちは約束を守るわ
だから
あなたも
自分で言った
ことは絶対に
守りなさいよ
...ええ
もちろんよ
...
野菊さん
幾...
かさねちゃん...
じゃなくて咲朱さんが
戻ってきたね
ええ...
けど
何か...
やっぱり様子が
おかしいわ
“咲朱〟の顔で
あんな表情をしたことは
今まで無かった...
...
...
久しぶりだな
咲朱
何
ちょっとした
儀式みたいな
ものさ
稽古でもないのに
何故この顔で劇場まで
来る必要があるの?
しばらく
現実に帰っていた
お前を
再び〝虚構〟へと
招き入れるためのな
さて
よく舞台に
戻ってきてくれた
...
そんな風に
言われる
すじ合いは
ないわ
別にあなたの
ためじゃないもの
ただ
ダダロ弁当
なんです
その台本の
ためでは..
あるかもしれない
朱磐の伝説を
元にした舞台と
聞いてはいたけど
...
実際
読んでみると
“美しい巫女”と
。醜い鬼女の生きた昔から
対をなして
もつれ合う
。いざな«と。透世紀
かさね〟と〝野菊〟
その運命の
らせんが
そのまま台本に
描かれていた
いざなを
はじめから
見てきた
あなたにしか
書けない物語
だわ..
だからこそ...
正直怖い
けど
どうしても
>この舞台に出たい。
と思えた
あなたやいざなの
人生の集大成のようなこの作品を
今の私に演じてゆけるのか
読んでいて
血がさわいだの
...
...いざなさんも
同じことを
言ってくれたんだ
まだ荒けずりの
「暁の姫」の原稿をあのひとに
読んでもらったときのことだ
どういう
つもりだ?
この物語...
まるで神楽の...
とにかく
読むだけ読んでみて下さい!!
...
とは
言ったものの
沈黙の中
おれは後悔
しはじめていた
忌むべき
過去を
思いおこさせる
舞台など
このひとが
許すはず
無いと
しかし
...!?
...あ...あの
すみません!!
封じるべき...
忘れるべきことを
台本なんかに...
何故だろう
あの土地も
伝説も
それどころか
育ての親の
ことですら
忘れたいと
思ってきた
はずなのに...
私は
この舞台に
出たいよ...新互
...!
...
...これは
私が舞うべき
物語だ
あのひとがおれの舞台に
出たいと言ってくれたんだ...
結局
実現はしなかったがな...
それも微笑んで
しかし
あのひとは
才能を受け継いだ
お前をこの世に
のこしてくれた
お前なら
ただの伝説を
何より本物として
おれや観客の
眼前にあらわして
くれるだろう
すべてを
呑み込み
生まれ変わる
美しい女の
姿で
!!
...
...ひとつ
お願いがあるの
この舞台の
主演は二人
必要だわ
美しい巫女と
醜い鬼女
それは遠くて近い
表裏の存在
覗いほうの
役は
その
美しいほうが
私なら
“五十嵐幾
に
富士原佳雄も
認める演技力を
持ち
五十嵐...?
なおかつ
醜女の苦しみを理解ろうと
挑んでくれる女優は
彼女をおいて
他にないわ
...いいだろう
口紅について知る
人間を
目の届くところに
置けるのは好都合だし、
何より...
面白そうだ
...さて
咲朱のおかげで
ようやく
始められるな...
「暁の姫」を...!
豪開けをのぞむ演出家と
その終わりの
果てで...
こたえよう
幕引きをのぞむ女優
あなたの
最期の
ことばに
第10話終わり
まず
お願いが
あるんだ...
全五
あ...おめに!?
あぁ...頼む
私の娘に
あっまさんしてやってくれないから!?
おうまさんしじゃなく
じゃなくてわずみみさんじゃーん
透せさん...
おれはまだ
こいつの
柔りものして
ますよ...
第106話演出家
「吾が
名は
暁”」
「吾が
名は
"宵”」
「宵よ」
「宵よ」
「おろかなり」
「吾が光をば
なぞ否ぶ」
「暁よ」
「暁よ」
うらめしや」...
...
「吾がくるしみぞ
知るもなし!!
二人とも...
まだ役が
つかめないのか!?
冒頭で何度
つまづいてんだ!
なめてんのか!!
この舞台は
好調なすべり出し
とは言えなかった
五十嵐!
はい!
この役を
引き受けてくれた
ことは光栄に思う
何せお前は
「星ひとしずく」の
海外公演を成功させ
今や最も注目される
実力派女優の一人だからな
しかしだ
今のような
演技では...
>みにくい鬼女の
おそろしさに
遠く及ばん!
もっと役を
掘り下げろ!!
演出家
羽生田欽互
はい..
鬼女。宵〟役を
私にという提案を
この人が飲んだのは
おそらく
口紅について知る
私を監視する
ねらいもあるの
だろう
そして
咲朱!
...お前
らしくないぞ
一音目が小さい上に
動きのタイミングも
遅れたな
なあ
お前は
何のために
舞台に戻っ...
いや
何のために
生きてる?
お前の
存在する価値
とは何だ?
そんな
こと...
言わなくても
わかっ...
そうだ
お前の価値は...
ひとつは。美しさ。
そして類い稀な。才能〉!!
その二つを発揮できないなら、
役は任せられんぞ
咲朱さん...
いや
かさねちゃんは
何故
自分の最後の
出演作に
こんなひとの
舞台を選んだ
のだろう
はーーっ
?
先のシーンを
進めてて
ください
ちょっと頭を
冷やしてきます
どこへ
行く気だ?
五十嵐さん
楽屋です
そんな不憫そうな目で
私を見ないで!
それに...
共演をお願いした立場で
言うのも何ですけど...
あなたの
演技だって
人のことを
気にしてる場合じゃ
ないでしょう
......
やっと
みつけた...
さっきも
言ったけど
楽屋って言ってたのに
居ないんだもの
人より自分の
心配をしろと
ええ
みくびらないで
自分のために
来たのよ
明日一日
かさねちゃんの顔を
貸して欲しいの
......
...ようやく
走り出したってのに
いまだ夜明けの色
射さずーという感じか
五十嵐は
まだいい
醜女の怨念
という
経験の無い感情を
つかむのは
むずかしかろうが
もがいても
無様でも
咲朱との美しさの
対比に貢献してくれれば
問題は
咲朱か...
朱磐で再会してから
こっち
かさね自身の様子が
おかしいのはわかっていたが
やはり演技にも
影響を及ぼしてるようだ。
時折
咲朱の顔なのに
かさねに見えることがある
役どころか
『咲朱にすら成りきれて
いないということだ
“最後の舞台”とか
意気込んで
おきながら..
いや
そもそも
醜さ〟のため
あれだけの辛酸を
なめ
虚構のみに
生きる場所を
見出した女に
「交換・も演劇も手放す」と
まで言わしめた理由は
何だ?
遅い
お帰りね
ほう...
これは
これは
この夜中に
たった一人で
何の用だ?
今
口紅は持って
いない
それに
...念のため
言っておくけど
私をつかまえよう
なんて思わないことね
私が朝までに
戻らなければ
口紅を砕いて捨てろと
ことづけてある
そんなら
こちらは
お前に
これっぽっちも
用は無いな
何故
現れた?
確かめたいの
かさねが
何を考えて
いるのか
何か...
企んでいる気がして
どうやら
おれもお前も
今は同じことを
考えているらしいな
...
第10話終わり
第107話見えないもの
幾先輩
大丈夫ですか?
何からそんなに
逃げて来たんです?
随分早かったですけど
視線...
あなたの顔で
街中を
歩きはじめて
すぐには
何も気にならなかった
けど
?
ねえ今
こっち見たよね?
こわーい
何あれ!?
何あれ!?
おい
あんま
見んなよ
えーなんで?
関わん
なって!
.....
あらゆる
人の視線...
しかも
それだけ
じゃない
のね
だんだん
私
自分の全身が
おかしくないか
気になりだした
顔だけじゃなく
髪型:しぐさ
姿勢..
本来の自分の身体までも
自分のすべてが
揺らいだの
何ひとつ自信が
持てなくなって
...役づくりの
糧になれたなら
光栄です
もういいわ
だからもう
何も言わないで!!
自分がどんな
姿をしているか
返しますね
...
.....
先に
行きます
今ならわかるかも
しれませんが
美しいひとの
となりを歩くのは
余計みじめな思いを
するので
ちがうわ...
かさねちゃん
何も見えて
いないのよ
私も
あなたも
どうぞ
〝咲朱〟さん
:冗談でも
その名前で呼ばれたくは
ないわね
今日のところは
笑顔で愛想よくしてりゃ
大丈夫だよ
行方不明の女や
存在しないはずの女を
連れているよりは自然だ
いくら咲朱みたいな格好を
したって
私は演じられないわよ
それよりも
ここでかさねの企みの
何がわかると言うの?
それを答える前に
まず互いの認識をつめようか
お前は
かさねが
何を企んで
ると思う?
〝永久交換〟よ
だよな
おれも
憶測?
何故あなたがそれを
把握していないの?
なんとか
見つけ出したものの
あいつは。永久交換の方法を
すでに知ったと考えている
お前が逃げてから
かさねは一度
失踪しててね
それからあいつの
腹の内がどうも読めない
...失踪中に
。方法を見つけだした
可能性があるってことね
たぶんな
...
野菊が
。方法〟を知ることに
なれば厄介ではあるが
見えんところで
こそこそ
探られるよりゃ
動きを把握できた
ほうが幾分マシだ
それなら
尚のこと
>可能性〟でなく
あの女がみすみす
口紅を手放すなんて
おかしいもの!
あんな...
。事実を確かめないと
ニナの生きる道を
奪ってさえ
舞台に
立ち続けた
化けものが...
ただ
それだけが
あの子の顔じゃないって
知って
ほしかったの
知ってほしかったの
...?
とにかく
あいつの考えを
知りたければ
過去
目的は違えど
おれもお前も
永久交換の方法をつきとめる
必要がある
おそらくその方法に
辿り着いた男が一人いる
男...?
そこでだ
その人に
会いに来たの?
いや
男はもう長いこと
行方不明でな
しかし
男の残した
資料がここに
あるはず
なんだ
...
着いたぞ
ここだ
ねえ
その人は
一体
どうして
〝口紅〟のことを
知ったの?
ここにいた
考古学者で
コンフッ
男は
古代の朱顔料に
ついて研究する内
〝口紅〟に
辿り着いたんだ
名を
海道屈くという
...”海道”?
やあ来たね
どうぞ
君が羽生田君か
葦原教授
この度はご退官
おめでとうございます
ありがとう
すまないね
この通り片づけで
足の踏み場も無いんだが、
いえいえ
あったあっだ
これだ
研究室を去るために
整頓してたら
ようやく
出てきてね
持ち出しはできんが
その分ゆっくりと
見ていくといい
君から
何年も前に
問い合わせの
あった
海道くんの
研究論文だ
ありがとう
ございます..
...
海道君か...
ねえ
海道って...
あとで説明してやる
黙ってろ
彼が消えて...
もう何年になるかな
おだやかな
しかし研究にかけては
熱く一途な男だった...
.くそっ
あの。朱についての
記述は確かに
あるが...
朱磐に来る前の
考察文ばかり
か...
こんなもの
何の役にも
立ちゃしない!!
古代学館科学
よ前料奈
...この字...
...
確かお父様の部屋で
見つけた
この...
それは...
凪さんの
手帳......?
何故
お前が...
累C終わり
今日まで大戦中東京
本当は東京
眠くなって
きた...
だから
言ったのよ
夜越しは
無茶だって
『リキャードミゼト』
シェイクスピア作
しりとり
つきあえ
は!?
おい
む朝ちに何描いてんだろうという気分になっています。
しりとりの
!!
っ!!
おーいいね
「イワーノフ」
ハチェーホフ作
「ふ」...
「ふ」...
は
チェー
ホフト
劇作学
か
フェニキアの
女たちとし
ギリシャー悲劇
うんうんっ
また
「ふ」!?
か
ふとん
眠くなる単語で
あきらめてんじゃ
ねえよ!!
2巻もあよみ
いただき、
ありがとう
ございました
2015年12月17日土
するぞく
...はい、お兄ちゃんなんだよ
茨木崎さ...私をサトコ野良しごと方川岳樹一根本すぎる
それ何も私やサイトの美味しさと笑い出すよう様子様に悩んだな...
・担当M
・小林郵品
小説「誘いざない」も
よろしくです
また、巻にておるいしましょう!!
Presentedp...
By
2018年10月20日金、Mindordでの
おいお母さんもイベントのDANSHA
美白目の
家この物語はフイクションです。実在の人物・団体・出来事などとは
切関係ありません
次収録されていいる表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し
コミックス発売当時のまま掲載しています。
累(12)
2017年10月1日発行(01)
著
松浦だるま
cDarumaMatsuura201
行き方
森田浩賀
だ
...
株式会社「講談社
〒112-8001
東京都文京区音羽2-2.2