★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。 九十七_有ニ十三百四十_百六十二 ★この作品はフイクションです。実在の人物・団体事件などにはいっきい、関係ありません。 ★この時間はククションです。実行の人数個体制作とされているのではないのですが、 上古より幾千幾万の時空が流れ «止古:神と人間の世界が分離していない大昔。伝説時代。 人間の欲望は解放されていた 五百年の大戦争時代、じゅんじゅう「春秋戦国時代」(ある ま今回は山カンが当たっただけだけどな ほらしっかり歩けよ急がないとまたどやされるぞ!! 山カンでも何でも負けは負けだっ どっちが作ったのだ!? やっぱり信か!お前という奴はいっもいつもっ... 本当にダメな奴だな信はァ 信は素国一の役立たずだ わっにらんだっお父!信がおいらをにらんだよっ!! 何にらんでんだよ信お前っ!! 文句あるのか!?なあっ!? 誰のおかげで服を着て飯が食えてワラの上で寝られると思っているんだ!?ああ!? 戦争孤児のお前らは奴隷になるのが普通なんだぞっ 恩を忘れてるんじゃないか!?あ!? 誰がここまででかくしてやった!? しっかり働いて恩を返さぬか!! 何が養ってやってるだ偉そうに!! 納屋の中からでもお前の声は外まで喜くんだ 扱いは奴隷と変わんねェくせして!! かまうもんか!!もう限界だ!! あいつらみんなぶんなぐってこんな家出て行ってやる!! 二人だけで食っていけるほど俺達には生活力がない飢え死にするだけだ じゃあ盗賊にでもなるさ! この家を真っ先に狙ってやる! そんなもんになるために今まで鍛えて来たんじゃないだろうが お前な...少しは手伝ってくれよ... わっ分かってるよ!冗談だろっ!くそ!もう寝るぞ漂! まだ使いから帰ってないよ あの二人外に出るといつも遅いな 何見てんだよオッサンあ? よく見ろあの出で立ちにあの馬車 がなり位の高い土族に違いない ケンカしていた割には仲がいいな ケンカじゃねェよ仕合いだ!オッサンのせいで負けちまったじゃねェか! ...っガキ共優をからかうかっ!! あんな激しい打合いを... 本当に...千を超えて続けてきたと.. まるで正気の沙汰じゃない 生まれの良さそうなあなたには理解できないでしょうが... 二人とも戦争で親兄弟を亡くした当然親から残された財などなく... あるとすればこの頑丈な体だけ 剣さえ振れる体があれば俺も信も十分なのです!! 戦いで全てを奪われた分俺達も戦いで奪い取る!! 俺達は早いうちに戦に出て武功をあげる! これまで二人で鍛えてきた武で大功をあげる!! 名家の美しい女を妻にし多くの子を持ちそれ以上に多くの召使いをかかえる!! 俺達を下僕扱いするクリー裏の元を出て自分の家を建てる!!大きな庭を高い白壁が開い立派な門が構える豪井な屋敷た!! 二人の名は中華全土に響きわたる!! 俺達は天下最強の大将軍になるのだ わが秦の暗雲を切りさく出会いになるやもしれぬ あっ戻りました戻りましたっ こんなのいいからささ中に入って入って あら!?昨日のおっさんだ お前は外で仕事してろ! 漂よこのお方は"昌文君"とおっしゃって 素国内において有力な貴人であり王宮に侍る大臣のお一人であられる 漢今日よりそなたはこのお方にお身請けされるのだ!! 明日よりお前は王宮で働くのだ! あ...あのよく意味が分からないのですか... 王宮内のことはここでは話せぬが召使いのようなものではない 仕官っ私が仕草できるのですかっ!?? 任を授けて重要な職についてもらう だったら信もいっしょにっ... 信は私と同等の力があります 否!!儂が連れて行くのは一人!! 早くお引き受けせぬか! 凛のやつなんですぐに引き受けなかったんだろう 田舎村の下僕がいきなり王宮で仕官なんて夢でもありえない話だ まさかこいつ俺を気遣って断るつもりじゃ... 何がどうなってんのかさっぱり分かんねーけど... 俺は自分の力で一歩一歩踏み上がっていくためにこれまで鍛えてきた... こんな裏道使うためにお前と切磋琢磨してきたわけじゃない... しばらく続きができないかもな ...そうだなそうしよう 凛が都へ行って一月かー バカにしやがってほらいつものくれよ! 赤ちゃんザルが子ザルになったって感じた... ワハハハ怒るなよほめてんだ 駄賃だその辺でヤギの乳でも飲め だから王宮が大変なんだって うそじゃねェ!俺は旅商人だ先日も王都の奥まで行って来たんだぞ よく聞け今我が素は本当に大変なことになっているのだ 田舎者のお前らは知らぬかもしれぬが 我等が大王様は執政できるほとのお年ではなく今、お国の全実権は昌丞相様が「握っておられる」 しかし王宮の中にはそれを楽しとせぬ大臣も多く王弟、成婚様をたてて、王権を奪い取ろうとこれまで密かに勢力を拡大していたのだ 王弟が玉座を奪うというのか!? ああ醜い玉座を奪っても成鱗様も若く王弟派の誰かが執政をとる 結局、王弟派は自分が次の権力者になりたいだけだ 王室の内紛はまずいぞ国力を著しく低下させる上に 六国に知られればここぞとばかりに攻められるぞ 呂丞相様も内紛にならぬよう尽力されていたらしいがー 何とかおさまってくれればよいが... ついに事が起きたようだ! 先日の夜王宮に火が上がったらしい 昨夜には裏間から死体の山が運び出されるのを見た者がいるどれも矢傷と刃傷で血だるまだったそうだ 勝算ありと踏んだ王弟派がついに行動を起こしたんだ きっと今ごろ王宮内は血の海だ 王弟派は恐ろしいぞ多数の刺客集団を子飼いにしているからな ...先日こいつの兄弟ともいえる者が王宮に仕官したんだ... 昌文君とかいうオッサンた 昌文君とは大王の側近中の側!近!王弟派に最初に狙われるのが昌文君一党だ!!! 残念だがガキお前の兄弟はもうこの世にはいねェだろうよ いただだだこのガキをどけてくれえっ しばしの別れってやっさ!とっとと追いついて来いよ! 分かってら!!すぐに追い抜いてやるぜ!! 目を開けろっ目を開けるんだっ!! なっ何事だ信!盗人か!? ひっ!何じゃこの血はっ 医者はもう...いいい 王弟の反乱に巻き込まれたんだな 王宮のことがお前の耳にまで入っていたとは... 王弟の勢力は...王都を転覆させるほど大きく強く... 里典その時は見知らぬ人間が勝手に納屋で死んだということに... よかった..だったら話が早い.. 血をたどって間もなくここへ来るだろう どうか亡骸はされるがままに... 一人も生かしちゃ帰さねェ!!! その威勢が聞けてうれしいよ信...フフッ だけどお前に頼みたいことがある ここれをお前に渡しに来たんだ なっ何っ!?一体どういうことだ!? ここより西にある黒卑村という村の地図だ 今すぐそこへ行ってくれ... いいな信!!託したぞ!! 死ぬんじゃねェよ凛... 二人で天下の大将軍になるっつったじゃねェかよ!!! お前が羽ばたけば俺もそこにいる 俺を天下に連れて行ってくれ 皆殺しだっ!!よくも湯を ただじゃ殺さねェぞ!!湊の敵っ八つ裂きにっ一人残らずっうげっ 涙の死を無駄にするな!! う...オイラ信のこと嫌いだったけど凛のことは大好きだったんだ だっだからオイラも澤の仇を討ってやりたい 何が起こっているのかオイラには分からないけど 凛をこんな目に合わせた奴を斬り刻んでやりたい! 湊の死を無駄にしないために! 信はここに行かなきゃいけないんだ!! きっと信はここに... これをお前に渡しに来たんだ 今すぐそこへ行ってくれ... 川に沿って下れば黒卑村に着くお前の足なら二刻(四時間)だろう 地図は川の合流地を指しているようだ 黒卑村とは物盗りや人殺しか全土から流れて来る無法者達の村 普通の人間が行けば、まず生きて帰れぬと言われる恐ろしい場所だとてもお前一人でお行ける所ではないと それよりお前何なのだこれは 王都にいるはずの涙がなぜここで死んでいる!? なぜ、黒卑村の地図をお前に渡したっ!? 王弟の反乱とは一体何のことだ!? 何が起こっていようが...そこがチンピラ共の巣窟だろうが関係ねェ こっちが聞きてェよ!! だから行くだけだ!!! こんな時間にこんな所に来るたア 腰のは木剣だが背の剣はかなりよさげだネェ お前にしちゃ上出来だ貂 ククク今ごろ気付いても遅いっつの だが抵抗すりゃあ死体で川泳ぎだ ひょっとしてもうここは黒卑村か? 大人しく背の剣渡しゃあ五体満足で人売商に売っ払ってやる ク...クソガキが!!! 村の連中を呼び集めひぇあいひゅを狙わひぇろ!! あのクひょガひ絶対に生ひゃひて帰ひゅんひゃねェ!! 追っ手が来ると言っていたから: 触らない方がいいのだろうが... このままではあまりに不憫... 貴様らこいつと話したか? えっいっいえっ...物音がしたので出て来たらっ...もう死んでました いっいや儂らは本当に何もっ お前らチンビラの剣とは違うんだ 今日から一緒に住む信だお前と同じ孤児だ またあんな使えない子供を引き取ったのかい!! 仕方ないじゃろ!これも里典の役目なんだ! お前達よく拾われたーなんて思ってるかもしれないけど甘いぜ 結局俺も信も里典の家の下僕だ奴隷と大差ない そして下僕は大人になっても下校ー どっかの下僕の女と結婚してその子供もやっぱり下僕になる 一度おちるとずっとそうなんだ 抜け出すには剣しかない! 楽は中華の中でも最も恩功制度の強い国だ 戦で武功をあげれば母位を授かり下僕から脱せる 剣しかないんだよ信... 蒙驀将軍がまた一つ幕の城を獲ったそうだ!! これで四つ目だな!すげェ! 俺達もいずれ将軍になるぞ! はあ?何寝呆けてんだ!んなもんなれるわけねェだろ! 勝ち続け武功をあげ続ければ昇格しきって自然と将軍だ!! 黄金の甲冑をまとって中華をかけ巡り、天下の大将軍となる!! そして歴史に名を残すのか!? 今は下僕の身の二人の名を将来歴史に刻むんだ ククク一体どんだけ勝ち続ければいいんだよ凛 造作ないさ俺達は無敵だ ただのほったて小屋だぞ 俺はお前の敵討ちもせずに 理由も分からず、せっせとこんな所まで来ちまったぞ お前なんで死んじまったんだよ なんで俺をここに導いた 一体何があるって言うんだ!?? 全くなんてガキだチクショウ!! オウオウてめェ何しれっと... ちょちょっと待てよあの姿... 全身赤黒で覆ったあの格好は...こっとこここ殺し屋のっっ お前は何なんだ!なんで凛と同じ顔をしている!! こっこれは一体何なんだっ!! 説明する暇は無さそうだ なんで俺の名をっ... この俺が致命傷を与えながらも逃がしたのは奴が初めてだ! まっそのしぶとさがあだとなって俺はここまでたどり着いたのだがな しかしあれが替え玉だったとはな!!あれほど瓜二つの人間がいるとは驚きだ! しかもなかなか凄いガキだったぜ だんだん分かってきたぞ.. 王に似ていた凛は最初から替え玉にするために土営に連れて行かれたんだ そして王に間違われて殺された!! お前は弟の反乱を知っていたな!!だから湊を身代わりにしてこんなところに逃げ隠れていた!! クククなんだ小僧は王の配下ではないのか 凛が襲われると知っていながら身代わりにしたんだ!!! 王を殺すなら譲ってやるぞ首は俺が頂くかな 漂を殺したお前の腹ワタ引きずり出してやる!! この小僧もまた尋常にあらず! 力、速さ、技――どれも湊とかいう替え玉とほぼ同じ しかし伸びしろはこいつの方がはるかに広く深い!! それに今ので完全に気が切れた!! よく考えれば俺がかなう相手じゃない 凛の無念を晴らすことだけを考えろ お前が漂の名を口にすんじゃねェ!! 凛はこれからだったのに 下らねェ兄弟ゲンカに巻き込みやがって 俺たち底辺の人間には誰が王かなんて興味ないんだよ!! それなのによくも凛を... ちきしょう...あいつは...これから武功をあげて...でっかい屋敷を建てて...うまいもんを腹一杯食ってすげェ美女を妻にして...うぐ.. ...くそっ...死んじまったじゃねェか 生き返らないんだぞ!!! さらに速く!重くなった!! お前はさっき二人は互角と申したぞ 二人で仕合いをすると全くの耳角です 私が勝てない猛者がいたとしても信はその猛者に勝てます お前との対戦は手を抜いているということか? いえ信はいつも真剣ですただどういうわけか私とは互角なのです フッ面倒くさそうな奴だな こっここここの俺がつつつ さききき斬られてる!? 大王様もしも私が倒れた時は信におつかまり下さい まっ待てっ!!待ってくれっ!! 俺が死んだら子らが孤児になるっ 家族がっ四人の子がいるっ 子供らのためにどうか命だけはあ ありがとうございますっ もしそうなら俺もだまってやられるわけにはいかない 俺を守るために死んでいった人間が少ながらずいるからな 今しばらくお待ちをっ"朱凶"が追っております故、すぐにも首級を持ち帰るはずです ”はず”とは何だ”はず”とは まぁまぁ落ち着き下さい王弟様 蝎氏ー何か手をうってあるのであろうな しかし。朱凶〟以上の刺客がいるなど聞いておりませぬぞ 我には〝長平〟を地獄と化したあの配下達がおる こいつは襲われると知っていながら漂を身代わりにした こいつが殺したも同然だ だけど源が最後に俺に託したのはこいつのことだ くそ!俺はどうすればいい!! 地面が揺れたような... 何騒いでんだよこんな夜更けに げえっけえいつの間にっ 何なんだよこれはっ!! 蜜も無しに兵が動くとは軍系統は全て弟側に染まったな 淡量:土命の印この印無しに兵を興こし動かすことは、法で堅く禁じられている この戦い反乱を察知しながら鎮める力が俺になかった時点で勝負はついていたか... それじゃもう一暴れするか!! 当たり前だ!!こんな所で死ねるか!! 斜面をかけ上がる力は残ってねェから川沿いを斬り抜ける 軍の包囲を突破できるわけが しっかりついて来いよ!! お前を殺すかどうかはこの包囲を突破してからゆっくり決めてやる だから俺からはぐれるんじゃねェぞ! 抜け道を知っているついて来い この包囲を脱する抜け道があるのか? ここはお尋ね者達の村だぞ地の下は抜け道だらけで迷子になるほどだ 待てノこいつは信用できない! こいつのせいで俺は村の運中に囲まれたっ あんたらの話をこっそり聞いてた まずこいつからたたっ斬ってやる 悪くないそっちの方が信用できる こんな顔も名も分かんねェ得体の知れない奴のどこが信用できるんだよ! どうする?もう時間がないぞ 真っ暗だけど壁づたいに歩いて いてっ...おいガキ火はまだか おいお前ケガしてんのか? おいガキお前家族とかいいのか?上で殺されてるぞ 奴ら村中皆殺しにする気だ ところでさ信も王族が何かなのか? だよなどう見てもド平民だもんなかなり気合いの入った じゃ何で王様相手にタメロなんだ?態度も悪いし おっお前だってそうじゃねェか!! その人はオレの王様じゃないから オレは素人じゃないはるか西の山民族だ なぜか知らないけど一族が山を追放になって黒卑村に流れ着いたらしい...もう皆死んじまったけどね 山民族!へー初めて見た だから変なカッコしてんだ 今お前ちょっとオレを下に見たな山民族なめんなよ一発殴らせろ オ?チビなんだ?やんのか? こいつのせいで凛は死んだんだそ しゃんと歩きやがれバカァ 上の奴らをまいてジャマがなくなった後で、こいつとの決着つけてやる ところで何で王様こんな所で兵に追われてんの? 弟が反乱おこしたのさ醜い兄弟だぜ! だってさ反乱あるの知ってたから替え玉用意して黒卑村に隠れてたんだろ でもさ知ってたんなら未然にたたきつぶしゃいーでしょ なんでそんなに逃げ腰満点なのさあんた! 話したくないってことスかネ 反乱を未然に防けなかったのは 俺の祖父”孝文王”は在位わずか三日で世を去った 次王についた父〝荘襄王〟も三年で死んだ 十三歳という若さで王位についた 当然、子供に執政ができるはずもなく俺はただ玉座に在る飾りとなった 朝廷はもはや私利私欲に燃える大臣達の権勢争いの場でしかない 中でも大権を握ったのは商人から成り上がった右丞相$呂氏 呂氏は俺の庇護者となり、さらにその勢を強めた ☆丞相最高官位。幸相。素では左右置かれていた。 この両者を軸に朝廷は真っ二つに割れ日夜血で血を洗う抗争が続いていた 大臣ってなバカヤローばっかだ... 大臣同士の争いにどうして王のお前が巻き込まれたんだ ひそかに玉座を狙っていた弟の成婚が三番手勢力の端氏とつながったからだ 王弟がここに?何かの間違いてあろう いえそれが間違いなくご本人で... はてこんな夜更けに呂氏の犬っ子が優に何の用か 成婚様が我が屋敷へお出て下さいますとは何とも恐悦! 今部屋を用意致しましたので中でごゆるりと 腹黒き永相と話すには調度良い暗き月が出てある 和子のおふざけに付き合うほど丞相は暇ではありませぬぞ 誰がそのような恐ろしい事を!根も葉もない噂でございます 我が父は本来本王になれるお人ではなかった 聞くところによると端末相は陰で我ら王族を「国民の犬」となじっているそうだな 呂氏の犬かフフフ無理もない だがそこへ大岡人だったあの呂氏が現れ英大な賄賂で無理矢理父を王位に就かせた 何をおっしゃいます王位は金で買うものてはありませぬ “荘裏王”の即位はその徳のなせたところでございます 呂氏の金で父が玉座を得たのは王宮中の周知 呂氏はその功で丞相となった 父が王位についた流れて兄・蘇政は今王位にあり、俺も王弟として好き放題 全て品氏のおかげだ!!俺も兄もとても頭があがらぬ フフフ大した男ではないか品氏は たかだか一介の商人から一気に本相まて成り上がったのだ この男も工人の家の出た貧しく口減らしに親に捨てられたが剣と筆の才覚があり この成陽で俺に侍へるまでのし上がった 今では屋敷を持ち自分を捨てた親に仕送りするほどだ 呂氏までとはいかぬが厳辺からはい上がった者だ その男は紛れもなく泥臭い工人の身であり 呂丞相は汚らわしい商人の出た いい位に立ち高貴な衣服で身を包もうと中身は変えられん そして我が異母兄弟の兄瀛政―― 公主を母に持つ俺と違い あいつの母は舞妓だというではないか! そういう人間に王宮をうろつかれると吐き気すらおばえる ましてや玉座に在るなどっ 今朝、日比はその一党を率いて魏遠征に発った 常首の留守中にそなたに音を狩られるのはたまらんとさ氏派のほとんどが遠征について行きおった 脱護者である品氏不在の中兄王を護るは昌文君の私兵のみ たとえ"お飾り"でも王に弓引いては我が一族は国賊っ... 王宮内のことを誰が知る昌文君一党を皆殺しにして反乱の主犯に仕立て上げればよい 国賊と言うなら王を守る責務を売ってきなかった呂氏こそ国賊! そして正義は我ら!謀反人昌文君を討ち取る蝎氏 新王となり朝妊を練血なる王族で清めなおすこの俺!! たしかに王を討つのは手易い...しかし大軍を驚いている品氏が黙っていますまい 染するな国内にはその倍以上の兵力はある 玉座と玉城さえ奪えばどうにでもなる ...!!???...?? 成功した暁には私は... この国を一人占めすればよい でも王弟派だらけになった王宮からよく一人で王様逃げれたね 今は文官だが若い頃は戦陣で矛をふるった英傑だ 一臣――あの虎狼の巣である王宮にあって俺に忠を厚くする男がいる 昌文君!凛を連れてったオッサンガ! 昌文君は自らの私兵では端氏の反乱を鎮められないと算段し脱出計画を練った 脱出時バラバラになった場合の合流地がいくつかつくられた しかしその帰り路で俺と瓜二つの少年と出会ってしまった 凛の出現で黒卑村は脱出時の緊急合流地ではなく、凛と入れ替わった俺の隠れ家となった 脱出劇に自信があった昌文君にしてみれば 黒卑村も凛という影もすべて“万が一〟のためだった しかしその〝万が一〟のおかげで俺はまだ生きている 万が一の...ためだと? ふざけんじゃねぇ!!! お前ら漂の命を何だと思ってやがる!! それ以上やったらっ... 王様死んじゃうよっ!! 利用できるものはだましてでも利用するさ下賊のガキならなおさらた それもかなり分が悪いな! 凛はそのことを十分理解っていた 王弟勢力には気付かれぬように脱出の手立ては万全を期している 反乱の刃が王の身に届くということは絶対にない! 念には念を入れておきたいというわけだ 自信はあっても絶対の確信がないから影を必要としている 大王様が...しゃべった! 凛とか言ったなよく聞け この計画に安全の保証というものはない もしかしたら敵の刃はお前に届くやも知れぬ その時お前は俺と間違われて殺される ...??しゃべってもよろしいのてしょうか? あの...昌文君... 田舎村の下僕が一日にして王宮に仕えるなどよほど大変なことが待っていると覚悟して参りましたが、 まさかこれほどの大任をお受けできるとは夢にも思いませんでした!! 漂!ではそなたっ... 死ぬかもしれないのだぞ 史に名を残すモトウト子星天下の大将軍 身の程をわきまえぬ大望があります もとより全てを懸ける覚悟です 死をも厭わぬ覚悟で引き受けたんだ 深は危険を承知で引き受けた お前ら下層民が普通に生活していても縦対に手に入らない 大きなものを手に入れるためにな!! 待ちなよまだ信がっ... 信―どう凛の弔いはその涙で最後にしておけ これから先はお前の路だ お前は今二つの岐路にある 里に帰って下僕を続けるか 薄弱の王を援け共に凶刃の野を行くか お前らのバカげた夢にどちらが近いかは オレ最初に金目当てだって言ったよな!? 金がないってどういうことだよん じゃあなんで金持ってねェって言わなかったんだよ!! 心配するな王宮に帰ったら大金を用意しておく 折を見て取りに来るといい 一体いつ帰れるんだよ!? 一週間後か一か月後か一年後か はっきりとは分からんか あああのおまあまあなたが ひどい...ひどすぎる 一か月だって待てるもんか... あんたの騒動に巻き込まれて黒卑村は全滅だ クズばっかだったけど奴らがいたから食っていけてたんだ これから一人でどうやって食ってけって言うんだよ!! 王宮に帰るっつってもどうやって帰るんだよ こっちはお前と俺の二人だけだ おっおい信お前まさかこの王様にっ... 凛のことを忘れるわけじゃない 俺と凛の路〟のためにお前を利用するだけだ 王であるお前にひざまずくわけでもない ふっ今さら謙られても気持ち悪い それに俺もお前を臣なんて思いはしない 誰を避けるためのただの剣だ んでどうやって王宮に帰んのさ!? 昌文君と合流するしかない この森の先に最後の合流地がある 抜け穴は中で予想以上に枝別れし複雑です 現在の中国政をカビヘトブムあ 南越から連れて来たムタを呼べ 逃げてるのはガキ三人だべ ムダの吹矢は簡団だべ泉が一共でおっ死ぬべ きっとすぐに追いつくべ この艶で小首三つ獲ってくるだ じっとしてろ大きな傷口だけしばっといてやる お前よく見たら傷だらけだな 傷口から小鬼(バイ菌)が入ったら腕が腐れ落ちるぞっ るせェ!俺にかまうなっ だいたいお前なんでまだついて来てんだよ 手ぶらで離れるかっつの 合流所なら少しは金品を蓄えてあるかも知れんだろ 大丈夫かお前?何か凄く顔色悪いぞ うるせェお前の相手すんのが疲れんだよ おっしゃこっから山民族の脚力見せてやるっ 一晩のうちに友を失い敵を討ち休まずここまで来たのだ おそらく心身疲労の限界に達したのだろう しばらくこいつ休ませないと 昌文君とその私軍だけが頼りなんだよねっ でもそいつら黒卑村に現れなかったじゃん もう死んでんじゃないの? そうじゃないことを祈るしかない 大王の死体が無いとはどういうことだっ!!? そっそれが兵の行動に行き過ぎあって死体がバラバラで確認に時間がかかっております そ...それと村の地下に抜け穴があったとのこと加えて今、全力で おのれ昌文君め!チョロチョ口と何か動いておるとは知っていたがここまで準備していたとは 下級大臣と思って甘く見ておったわ こんなことなら早くに買収しておくべきだった じゃが仮に大王がその抜け穴から逃がれていたとしてももはや奴はどうしようもないわ!!! 今回の騒動は城外へはもれておらぬ王都離れた田舎村で王と騒いでも誰も信じぬわ!! 問題は昌文君だ!!奴はあなどれん!! 王に加えて昌文君の行方も探せ!! 王と昌文君を合流させては絶対にならん!! いち早く昌文君を探して首を獲って来い!! その必要はありませんよォ !!この大事に今までどこに... どこってー外で遊んでたんだよォ 安心していいよォたぁっぷり苦しめて殺してあげたからァ うまくいったようですね昌文君 だがまだ油断は禁物です漂大王... どこへ行くのォ昌文君ㇱ? 宴は城で始まったばかりでしょォォ? 黒卑村より報告が入りました やはり王は存命でー軍の包囲を脱して姿をくらましたとのこと 一番の問題の昌文君はもうおらぬ 昌文君めあの夜我らの包囲をまんまとすり抜け城外にまで出よった しかも奉戴していた王も“影”という手のこみよう 昌文君のせいで今度の変事失敗に終わるところであった してその昌文君を一体誰が? 元々戦地で名を馳せた武人 もっと警戒しておくべきでした "秦の怪鳥"が我らに加勢を? 王騎め最初から我らがしくじると踏んで城外で網を張っていたそうだ これまで王宮の権勢争いに全く興味を示さなかったお方がなぜ急に? 奴は昌文君の領地を得ることを条件に参戦してきおった 昌文君の領地を...? 一部の領土であの男を味方にできるのなら、安いものだ 将軍は得体の知れぬお人です あまり信用しすぎると大ケガいたしますぞ 他人のことより自分の首を心配した方がよいのではないか? 鼻の利く刺客に追わせております ご安心を追っているのはムタです "朱凶"が返り討ちにあったと聞いたぞ 追われる側としては最悪じゃな 千様におんぶされるド平民がどこにいるバカ! お前が気を失ってから王様が背負ってここまで走ったんだぞ!!一昼夜ずっとだ! さっき座ったばっかじゃん 別におんぶしてくれと頼んじゃないが 俺の背で道だけ教えろあっという間に目的地に連れて行ってやる! 男がそんな無様な真似できるか ンだチビ笑うんじゃねェ おいあとどれくらいあるんだ? はっはっねー政合流地ってどんなとこ? こんな山ん中に避暑地なんてつくったのかよ べっ別に疲れたとか...そんなんじゃねェけどよ いい加減まだつかないのかよ もう少しとか言わなかったか ひょっとして道に迷ったんじゃねェか? よく考えたら王宮育ちの人間がっ 何の目印もなしにこんな山の中を迷わず行けるわけがねェ こいつ無視してやがるぜっ くそっ何なんだよあいつはっ この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。 本作品の内容あるいいはデータを、全部・一部にかかわらず無断で複製、改竄、公衆送信(インタ一ネット上への掲載を含むすることは、法律で禁じない...られています。また、個人的な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなどの著作権保護技術を解除して行うことはできません。