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・十七
そういう
YdC
DIGITAL
YOUNGJUMPCOMCS
●李救、咸陽へ
SHUEISHA
●李牧、成陽へ
★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。
そして、
やっと
この
キングダム
第7
第78
そして、今日は、それまで大切になるのですが、そのためそれはそれです。お前はありません。お客様はコールく問題はあるから
ーー
お祝宴
第171話「三百将
第15話「李牧、感陽へ」
ち
ニーチ
...交渉
百三十五
四十五
六十三
八十二
九十九
百十七
百七十一
第73
第8
お五年
百五十三
百八十九
第12話出し抜く
第133話「第三勢力」
第181話「大后
★この作品はフィクションです。変わる「エーロル」が
実在の人物・団体・事件などには、いっきい関係ありません。
こんにちはちょっとしたはいはい。いや、
昌文君、しょうぶんくん
扇政に忠誠を尽くす
大臣。かつては武官。
壁
千人将。昌文君の
副官でもある。
登場人物紹介
!!
ひょう
信の親友。扇政の影武
者となり、命を落とす。
ファンディングファイルスタッフ
嬴政)えいせい
素国の若き王。王宮の実権を取り戻し
中華の統一を目指す。
翔さん
羌廆と共に〝飛信隊
の副将を務める。
河野君静かりようてん
山の民で信のテロは
人。軍師を目指す。
蒙殺「もうき
尭顔)きょうかい
信の戦友。伝説の贈
殺集団「蚩尤」の末裔。
昌平君しょうへいくん
呂不草の「四柱」の一
素軍、しんぐん
しん
戦災孤児から武功を重ねて出世中
〝飛信隊〟を率いて、敵将・馮忌の
首をとる。「天下の大将軍」を目指す。
昌平君の弟子の見習
い軍師
蒙武
豪武人もうが
呂不章の「四柱心の一人で軍事
を司る猛将。超国団体軍の
将を任される
人の天才軍師。
呂不韋
日不章10:00い
事を権力を欲しいままにする森国の丞相。
趙軍「ちょうぐん」
龐煖
龐煖)ほうけん
王騎と因縁があり、趙国が誇る三大天総士城を落として
のー人。趙国軍の総大将を務める武人。
李牧
りぼく
鷹坂と並び、地図が寄る三大天の一表団との戦で優れた彼を思いに運営
無線と並び、細胞が飾る二大天の一人。素直との戦で、優れた味を用いた軍略家。
困南簡南甯南南商商開南南南爾禰廟廓閘閘廓爾閘爾陳
王騎
王騎・おうき
「怪鳥」の異名を持ちつ六大将軍の一人。
趙国討伐戦の総大将を務め命を落とす。
おうき
前巻までのあらすじ
時は紀元前。500年の大戦争時代にある中華西方の国・秦。奴隷同然の生活を送る少
年・信と漂は、武功で名を上げるべく日夜剣術の修業に励んでいた。
ある日、国王・病政に瓜二つの容姿を見込まれた漂は、影武者として王宮へ召し抱えら
れる...だが、王の異母弟によるクー一デターが勃発し、刺客の手にご掛かった漂は仕官からわ
ずか一月で命を落としてしまう。
漂を身代わりにした癲政に憤りを感じる信だ。ったが、漂の遺志に応えるため嬴政と行動
を共にし、反乱を鎮圧する。その後、隣国魏との戦いに初めて従軍した信は、獅子奮迅の
活躍で秦軍の勝利に大しいに貢献。その功を認められ、一気に百将へと大抜擢される。
訪れた束の間の平穏...しかしある夜、扇政を狙う刺客集団が王宮内に侵入。信達は辛
くも刺客を退けるが、ことの黒幕が丞相・呂不葦だと判明し愕然とする。呂氏の力を知った
信は更なる進化を目指し、名将・王騎将軍の課した特訓に身を投じる。
はいはい。いや、ピーターは、
その頃、領土拡大のため小国韓に侵攻していた秦は、隙をつかれ、隣国「趙に攻め込ま
れてしまう。危機に陥った素国は、王騎を総大将とする軍を興し、信も自らの部隊・飛信隊
を率いて参戦。戦況は素国優位で進んだが、趙軍総大将職場の夜襲で形勢は一変。圧倒
間違いないと思えば、これからのお客さんにはここではあなたのお客さんはこれまでになりますが、
的な龐煖の武の前に「信と羌痴は敗れ、飛
信隊はあわや全滅といいう状態になる。
しかしその後、素国総大将・王騎が現れ、
敵を一蹴。さらに王駒は最前線に飛び出し、
ついに両軍総大将が対峙することに...。
白熱の一騎打ちをくわ広げる王騎と龐煖。ところが、
そこで趙軍三大天・李牧からの急襲もうけた王騎は、
一瞬の隙を突かれ、廳援から致命傷を受けてしまう。
残った力を振り絞り、なんとか死地を脱した王騎と
信たち。しかし、王騎の傷は深く最後に信に声をかけ、
この世を去った...。
言葉と共に王騎の武器を受けけ取った信。六大将軍の
重みを知り、天下の大将軍に口向けて更に歩を進めること
とを誓ったー
1周開南南間南南南岡南南町南開南開岡開岡南南原
第174話二
お三百将
六大将軍
王騎の死は
キングダム
素国内に大きな
影を落とした
国民を襲ったのは
悲しみ、よりも
恐れ〟の方が大きい
そして素人の恐れた通り
隣接する趙魏韓楚が
少しずつであるが
匡境を侵し始めた
かつての絶対的な
軍の象徴であった
王騎の死は
秦の武威失墜を
思わせたからだ
そうしてこの時
秦の人間全員が
気付いた
今こそ
奮い立たねば
ならぬことを
始皇四年
王騎の死から
一年の月日が
流れていた
前線各地では
相変わらず
激しい戦いが
続いている
そして中でも
一際躍動する
場所があった
殺せェ
秦のクソ共を
殺せェ
ファアア
ギャア
グククク
勝ったな
隊長!
左から新手がっ
ぬっ!?
あっ
あっ
あれはっ...
っ...
飛信隊
です!!
ぎゃあァ
ドス
什長崇原
什長松左
ドス
竹長竜川
ぎあっ
什長尾平
副長売の
むっ
ぶはっ
あぐっ
あっ
くおおお
ドス
いぐっ
ベア
くっ
あ
クソ
ガキがァ
ルアアアッ
はごォォ
フー
飛信隊
三百将信
勝ち開だァ
...
オオオォォォ
なに一人で
たそがれてんだよ
戦はうちらの
活躍で
大勝利に
終わったんだぞ
小っせェ戦
ばっかだ
け長満浪
ザコ部隊を
いくつ倒したって
.....
......
意味は
ねェ
......???..
......
やれやれ♡
意味がない
ことはない
戦の勝ちに
直結する働きを
したのだ
...戦場ってな
名のある大物と
そうそう出くわす
もんじゃねェ
気持ちはわかるが
焦るな
あんなに大きな戦も
そうしょっちゅう
起こるもんでも
ねェからな
...ファン...
十分実績を
初んでいる
李牧
...
コラ
ゴン
何すんだ
てめェ松左
今は隊を太らせて
力を蓄える時期って
ことだろ?
お前が神妙な
顔してても
でけェ戦は起こる
わけじゃねェんだよ
お前は少し
肩の力を
抜いてだなー
ちゃんと今を
皆と楽しめ
...それじゃあああまあそうだよね
......?
それも隊を
強くするための
秘訣だ
へっ...
それも
そうだな
オウ
をー
隊長来たー
わひー
信
お前にたけ
秘密を教えてやる
誰にも言うなよ
東美ちゃんは
見かけによらず
胸がでかいんだぞ
分かったか?
ギャハハハ
オオウ
オオウ
バカだー
この出っ歯
マジでバカだー
ヤハハハ
........
尾平さん
もうやめてよ
オイラ同郷として
恥ずかしいよ
るせェ昂
本当に東美
ちゃんはなァ
キングダムの
ガシッ
お前も
ここにいろよ
馴染みにくいんなら
俺がいっしょに
いてやっからよ
........
いや...
私は
いいから
わっ
わっ
...!?
私は..
......?
?
.....
おしっこに
行きたかった
だけなのに...
何だよ
な...何でも
?
ハーイ
じゃあ昔の信の
はずかしい話
しまーす
?
尾平人?
オーいいぞ
いいぞー
飛信隊は
昨年の趙戦の功績により
三百人に増強され、
特殊部隊のままに
どの軍にも直属せず、
援軍扱いで戦場を
かけ回っていた
行くぞォ
あの趙戦を経験した
飛信隊にとっては
手強いと感じる
ほどの敵はなく
勝ちを積み重ねた
オオオ
連戦連勝の彼らは
味方から頼りとされる
場面も増え
また、敵もその存在を
警戒するように
なっていた
つまり
飛信隊と信の名は
前線にて確実に
響き始めたのである
大変だァ
んっ
どうした
慶昂
慌てて
敵か?
い...いや
違う
燕と趙の間で
でっかい戦が
あったらしいんだ
燕と...
.....
......
趙が...
...!!
!!
へへっ
察しの
通りだ
燕を攻めた
趙の大将は
あの李牧だ!
李牧が燕の
武遂と方城って
二つの巨城を
落としたらしい
燕の武遂と
方城といえば
不落の城じゃぞィ
一方的な展開で
燕軍は手も足も
出なかったらしい
...
...
ああ
やっぱ
出てきやがったな
んだから
そうリキむなって
松左
燕つったら
素とは真逆の
東の果てだろ
燕を攻めたってことは
趙の目は東に
向いたってこった
つーことはしばらく
俺らが趙とやりあう
ことはねェ
出くわすことのねェ
相手のことばっか
考えてっとザコに
足をすくわれっぞ
それも
そうだな
ああ
松左什長の
言う通りだ
...
しかし
その頃咸陽では
たっ大変だっ
大変だ
蒙毅
どうしました
江亜殿
河了貂
大変だ
趙のっ...
趙の宰相が
!?
秦に来朝するぞ
趙の宰相が!?
自ら来朝って...
一体何で...
理由は分からぬ
しかし間違いない
らしい
王宮は蜂の巣を
つついたような
大騒ぎだ
...???
資素でいう表相。国の第一執政者。
昨年の侵攻が
ありながら一体
どういうつもり
でしょうか
しっしかし
驚くのは
これだけでは
ないぞ
よいか
落ちついて
聞けよ蒙毅
これから来朝する
趙の今の
宰相はっ...
宰相はっ...
河了貂
?
あの李牧だ!!
第175話
・李牧、成陽へ
遅ェぞ
伝者の
オッサン
さっ先に
行けっ
二人の名は
関を通れるように
なっている
...
あの李牧が
成陽に現れる
だと!?
一体何が
起こってんだ!?
咸陽
っっ全く
何ということを
しでかしおったのだ
あの男は
周りに話すどころか
大王様の許可も
得ずに...
こんな暴挙
許されぬぞ
李牧は
軍を率いたまま
申土を越えた
模様です
申土を!!
少し
落ちつけ
昌文君
今はあの男が何を
考えているのかが
重要だ
くそっ
ヒョッヒョツヒョ
久しぶりに
戻ってみれば
何も考えて
おらんわ
こんなものは
......
また大層な
騒ぎを起こされ
ましたなァ
少々度を越えた
悪ふざけですぞ
丞相
ヒョッヒョ
昨年の仇敵・李牧の
来秦という異常事態を
引き起こしたのは
実は他ならぬ呂不韋
であった
趙の臣で趙王の寵愛を
受ける春平君という
美青年があった
春平君は文字通り
王に寵愛されていた
春平君
こちらへ
呂不韋は秦丞相の前は
韓・趙で商いをしていた
......
商人時代・呂不韋は
その春平君に金の工面を
したことがあり
顔なじみだった
何を思ったのか
品不章は突然、春平君に
書簡を送った
二人の力で素趙の国交を
少しずつ回復させようと
いつものだった
春平君は
王に喜ばれると思い
同意し呼ばれるままに
素にひっそりと
やって来た
久しいな
呂不奉
再会できて
うれしいぞ
しかし呂不韋は
その場で春平君を
拉致
そして何と
春平君を返して
欲しくば、宰相自ら
迎えに来させろと
脅迫したのである
李牧を
呼べィ
うじょうお
趙王悼襄王
バッ
バカな
行っては
なりません
李牧様が
素へなど
殺されるに
決まっている
何を考えて
おられるのだ
我らが王は
春平君の如き
小者のために
李牧様を
しばしお待ちを
李牧様
今大臣の方々が
王を説得して
います
説得しても
無駄だ
ああなっては
我らが王は他の
意見を聞き入れぬ
秦は痛い所を
ついてきましたな
さすがに呂氏は
趙王の性格を
よく知っています
......
行くのですか
公孫龍
将軍
命がけですぞ
断ったら
反逆罪で打ち首と
言われました
へへ
行かぬのも
命がけです
それに...
これは成陽と
日本章という人間を
この目で見る
いい機会です
!
!!
...
武霊王もかつて
命がけで成陽に
乗り込みました
!!
武霊王もかつて
昭王と感陽を
見たいがために
自ら使者にまぎれて
昭王に謁見したという
武勇伝が史実として
残っている
......
......
しかも
今回はわざわざ
向こうが強引に
場を作ってくれた
行かないわけには
いきません
私も軍を率いて
お供しましょう
それは
心強い
咸陽
学校はすでに
感陽に入ったぞ
軍は南門に
駐屯している
.....
ええィ
とうの丞相は
どこに行かれたのだ
それも丞相の
指図か
丞相はこの事態を
どう収拾される
つもりなのか!?
......
宜しいのですか?
皆騒いで
おりますか
王騎を討った
李牧という男
どんな人物だと
思う?
李斯よ
先の戦での
耳を疑う程の
情報操作術
これまでの策士の
枠をつき抜けた
危険人物かと
はっは
キングダムの
そういうことを
言っているのでは
ない
...儂は
韓の陽輩に生まれ
一介の商人から
始まりここまで
登って来た
品を定める目は
確かだ...
さてさて
李牧はどんな
男かのォ
いつもの
王宮の感じじゃ
ねェ
急げ
こっちだ!
やっぱみんな
バタついて
やがる
......?
こ...
こいつは..
たしか..
遠路
ご苦労であった
飛信隊の
信...
呂氏四柱の一人
昌平君!!
前線での活躍は
耳にしているぞ
......?
こ...こら
頭を下げんか
......
お前が俺を
呼んだのか?
三人で話す
お前は下がれ
バカか貴様は
この方は軍の
総司令様だぞ
いてっ
言葉を慎め
信
ハ...
ハハ!
私は今
呂氏四柱ではなく
総司令として
話している
......?
じゃあ丞相が
李牧を
呼んだのか
でも何で
李牧はこんな
誘いに応じたんだ
ちょっと待て...
のこのこ
案に来たら
それこそ命が...
......
!?
丞相は李牧を
殺すつもりなのか!?
丞相の
本意は
私にも
分からぬ
何っ
だが準備は
しておけとの
ことだ
準備!?
二人には
会見の間の衛兵に
まぎれ込んでもらう
そして私の
合図があった
時ー
李牧を
斬るのだ
断る
そんな卑怯で
クソみてェなマネ
誰がするか
そんなんで奴を
殺しちまったら
王騎将軍に合わせる
顔がねェだろうが
......?
だがお前が
斬らずとも
他が斬るぞ
!?
家武!!
あっ
朧といえちゃんもう
軍長達!!
朱凶も
いるぞ
お前を呼んだのは
王騎より矛を
受け取ったという
お前への
せめてもの
私の温情だ
...
信
なぜか分からぬが
丞相は会見に
趙の一行の帯剣を
許した
何ィ!?
子供じみた
感情は
捨て去れ
こうなっては
もはやこれは
奇妙な形では
あるが
戦だ
...はいはい。
趙国宰相
李牧です
素国丞相
呂不葦である
第176話・提案
あれが昨年
王騎を計った
男――
思ったより
若いな
李牧!!
しかし
...
三大天の大将軍と
いうからもっと
いかつい男かと
想像していたが...
少々
肩すかし
だな...
ヒョッヒョ
しかし武人共の反応は
文官の儂らとは
ちと違うようじゃぞィ
?
......?
......?
キングダムの
こいつの気配...
こ...
こいつが李牧!?
見た目とは真逆で
ものすげェ武の匂いに
覆われてやがる
ーーこれで軍略家ってんなら
どんだけ化物だよ...
どういうことだ
李牧っつったら
王騎将軍を策で
負かした軍師側の
人間じゃねえのか
...間違いねェ
こいつは武人として
とんでもねェ数の
戦場をくぐり抜けてきた
人間だ
やはり机上の策士では
なかったか
奴の策には
現場の経験の
要付けがある
だから王騎を
討てたのた
ヒョッピョッヒョ
傷らには分からんが
何やら李牧に
たしろいでおるよう
じゃのォ
......
ヒュッヒュ
しかし
趙側は趙側で
丞相の大きさに
圧倒されておる
ようじゃぞィ
...
はぁぁっ!!!
...
...
...いやはや
しかし
少々強引な手を
使ってしまったが..
ついに
会えましたな
李牧宰相
お目にかかれて
うれしく
思います
呂不韋
丞相
ふっ
!?
ははは
!?
ふははは、は
!?
な...
何だ二人して
これからここが
血の海になるかも
しれねェってのに
特に呂不韋...
周りにいつでも
斬れる準備をしておけ
なんて言っておき
ながら...
はっは
しかし本当によく
来られたな
宰相
邯鄲は今
どんな様子ですか?
優がいたころより
栄えておりましょうな
そうですね
私もずっと辺境に
いましたので変化までは
分かりませんが...
きっと
そうなのだと
思いますよ
邯鄲は懐かしい
成陽も都ですが
邯鄲とは華やかさが
違う
あれは正に中華の
都といったところだ
趙を離れられて
たしか十数年
わずか十年余りで
大国・素の丞相
なのですから
恐ろしい才覚です
趙を第二の母国と
しながらも敵国・素の
丞相となり
滅相もない
自らの出世を求めて
仕える国を
変えてゆくのは
戦国の世の常識
逆に趙から傑人が
出たと皆喜んで
おりますよ
あまつさえ
さらに元故郷の趙と
戦っているのだから
趙の人間はさぞかし
儂を軽蔑して
おろうのう
...何だこの
下らねェ会話は
ほっはっは
それはうれしい
CondeOfinute
小岩白小麻さい
――して李牧殿は
宰相になられて
まだ一年ほどであろうが
感想はいかがかな?
昨年の戦の功績で
国民の人気は
大変なものと伺っているが
正直申しまして
息苦しいの
一言ですね
私は本来は
人の上に立つような
人間では
ありませんので
国家だの民だの
任されるのは
大変な頭で
雅な街並にも
慣れませんし
できれば
辺境の地に
戻りー
そこで仲間と共に
土地を守り
家族を作って
羊でも飼って
ゆっくり年をとっていく
―そんな平穏な生活を
送りたいものですね
はっは
ご冗談を
国の英雄となった
貴殿がそんな
しょほくれた夢を
お持ちなど...
あの王騎を
嵌め殺した男は
もっと大きな人間だと
思っておったが
逆ですよ
小さい男だから
勝てたのです
小心者たから
あれこれと小賢しい
策を必死に練る
卑怯でも何でもいい
こちらが
傷つかぬためなら
手段を選ばぬ
宰相となってからは
あなたのような
豪胆な人間だったらと
羨ましくも思いますが...
まァそしたら私は
王騎将軍を討つほどの
策士になっていないと
いうわけです
つははは
なるほど
策の緻密さこそ
私の気の小ささの
現れです
李牧殿は
小心者か
わははは
ふははは
そうか
はは...
ではそろそろ
本題に入ろうか
やはり李牧殿には
ここで死んでもらう
なっ
何ィ!?
ただの策士なら
殺すに足らんと
思っておったが
もちろん貴殿は
そうではない
それは人の大きさを
表すものではない
欲の塊のような儂には
ふつうそういう人間は
ちっぽけに見えるのだが
なぜか貴殿はむしろ
恐ろしく強大に映る
貴殿が自分で
小心者というのは
がまわぬか
強欲でないのは
確かだろう
だからここで
殺す
......?
だが貴殿に限って
これが不測の事態と
いうことはなかろう
さァ天才李牧は
どうやってこの死態を
切り抜けるつもりかのォ
もちろん無策に
ここへとびこんでくるほど
度胸はありません
!?
我々が無事に帰れるよう
私は手土産を
持参しました
手土産!?
趙申
あれを
ハ...
ハハッ
地図!?
地図が...
手土産!?
コラコラ
そんなわけ
なかろうが
バカ者
ヒョッヒョ
しかし地図を
持ち出すとは
あの者何か
大きなものを
持って来よったぞ
......?
面白そうだ
だが
この手土産は当然
そなたの首より
重いものでなくては
意味がないぞ
ええ
もちろん
公孫籠将軍
これは一体...
何か聞いて
おりますか?
いや...
...???クラクラウドウォロッキ!!
では恐れながら
私はこれより
素国の軍略家と
なって話をさせて
頂きます
!?
素国の
軍略家!?
...
はっは何おう
では
まずは今の
中華の状況から
語っていきましょう
ご存じの通り、いま中華は
七つの王国俗に言う
戦国七雄の時代ですが
しかし、今に七雄と言っても
その国力はそれぞれ差があります
斉
魏
昭王の時代に二気に
勢力拡大を果たした「茶」と、
領土が実に中華の半分近くにそして最も頷上が小さく
及ふ超大国「楚」
この二か国を〝上〟とすれば
「起」「森」「斉」「燕」は〝中〟
軍も弱い「韓」が
〝下〟と言えるでしょう
―とここで
国が大中小と
分かれているなら
乱世の決着はすぐにも
つきそうに思えますが
もちろん
そうは
いきません
なぜなら隣国一国を
全力で攻める時
別の隣国から侵攻を
受けてしまうのです
この七か国は
何とも絶妙な均衡を保ち
実に二百年近くこのままで
争いを続けています
しかし我ら秦が
本気で中華制覇を
目指すのなら
無理をしてでも一ヶ国ずつ
潰していかねばならない
ならばまず最初に
目につくのが
“下”に格付けされる
弱小国「韓」です
我
草
この韓は頭き存在ながら
実は案にとっては重要な
国となっている
なぜならこの韓の位置が
家が中華に討って出る
道を塞いでいるからです
案は何としても
この韓を潰さねば
夢は実現しない
...
この弱小国・韓」は
絶対に亡びないのです
しかし
ここで大きな
問題が
発生する
何ィ!?
!?
なぜなら素が韓を
落とそうとする時
超と魏が大軍を興して
韓に援軍を送るからです
秦の侵攻を止める
韓は親と趙にとっては
大切な盾なのです
ですからまず秦が
攻めこむのは韓ではなく
鬼
「魏」です
韓が抜かれては
案の刃が二国の
このど元に迫りますからね
超と魏は絶対にそれを
阻止しに出る
魏!?
魏が韓を助ける力が
無くなるまで
徹底的にこれを
叩くのです
そうすればあとは
韓を助けるのは
趙のみ
しかし
この時
趙が韓を
助けぬことを
李牧宰相は
約束します
!?
...
ただしこれには
ある条件があります
...ここからは
私は趙の宰相
李牧に戻ります
我が麗しき
趙国を見れば
因縁の深い二国
秦と燕に見事に
はさまれています
これには国力を
左右に分けざるをえす
趙にとっては最大の
難題となっています
よって我らはこれから
燕だけに集中して
戦いたいと思いますので
!!
ちょ
その間素は絶対に
我らに手を出さぬ
ことを約束して
頂きたい
?
ちょっと
待て...
それは...
それはつまり
ええ
秦趙の間で
同盟を結ぶと
いうことです
お洗
第177話
ど...
同盟!?
趙で
秦と
同盟だと!?
ふざけるなァ!!
何で俺達が
貴様らなどと
盟を結ばねば
ならんのだ
録嗚未
...
この下衆が!!
王騎のリエか
側近か
茶番はもう
十分だ
この録鳴末が一人で
こ奴ら全員の首を
たたき落としてみせる
さっさと
号令を
下されよ
丞相
!!
場をわきまえぬか
下郎が
これは茶番では
ないぞ
そなた達の
気持ちは十分
分かるが
今この場は
武人の出る幕
ではない
ふぅむ..
しかしこれは
驚いた
まさか趙国側から
同盟を持ちかけて
こられるとは..
ギリ
...
決して悪い話
ではない
財政の面からも
超への対応が軽減できれば
莫大な余財が生まれる
感情的なものを
除外して考えるなら
...元々ここで季牧を
殺しては、薬は六国の信を
失い孤立するという
不利益の方が大きい
学牧の言った通り
今妻が攻めるべきは
韓と親ーー
趙との同盟がなれば
力をそちらへ注ぐことが
できる
それをせず
ここで趙と同盟を
組むことは
大きな得はあっても
損はない
ヒョッヒョ
まぁ一つあるとすれば
これまで僕が築いた
燕との国交をまた
一からやり直さねば
ならんことくらいじゃ
しかし
それにしても
やはりこの若者
ただのキレ者では
ない..
小麦
よもや長半の恨みを持つ
超側から同盟をもちかけて
くるとは驚いた
断る
!?
!?
......
!?
こ...
断った!?
キングダムの
同盟を持って来た
李牧殿はさすがとしか
言いようがない
今この時期に
超と盟を結ぶことは
国に大きな利益を生む
これを持って来た
李牧という人間
やはり間違いなく
そなたは趙国の
唯一無二の宝だ
ほんのわずかだが
そなたの首の方が
値が張ると僕は見た
しかし
その李牧殿の首と
今回の同盟の話の
値踏みをしてみた
ところー
だが本当に
ごくわすかだ
それ故に...
交渉の余地は
ある
!?
交渉!?
ふーむ
そーじゃ
のォー
ん
むー
ふむふむ
では
李牧殿
城でも一つ
おまけして
くれぬか
!?
!?
!?
しっ
城!?
「と申されますと、
城を一つただで
明け渡せと...
そうじゃのォ
昔高いでよく足を
運んだ地で
気に入った場所が
あったのォ
おー
たしか
"韓皋〟
だったかな?
韓皋!!
韓星とは...
趙南西部の韓幕の
ことか昌文君?
......?
ああ
間違いない
近年国境の変化から
軍事的重要性が急浮上した
韓暴:幸牧は宰相に就任して
すぐにこの韓皋に目をつけ
一帯防衛の強化に
着手した
そしてその中心に
稀に見る巨大な城の
建造に入り完成間近と
報告が入っている
仮に我らがその城を
取ろうとするなら
どれほどの兵の命を金と
時間を必要とすることが...
それではあるかどうか
その韓皋城を
ただでよこせなど
まともな発想では
ないぞ
呂不韋は...
ヒョッヒヨッヒョ
葵沢様?
さすが丞相
ふっかけ
おるわィ
本心では素趙同盟だけで
今度の騒動の落とし所
としては十分
そこから先は
もう少し搾り取れぬ
ものがという!!
丞相の商人気質に
よるふっかけ!
しかしふつかけ方が
半端ではないわ。あの男
さてさて
今度は
うって変わって
李牧の番じゃ
果たしてあの丞相から
このふっかけを値切ることが
できるかのォ
城一つなど
いかに学相といえど
私の一存では決められ
ません
一度国に戻り
王の裁司を
頂かねば
否
何しろこちらには
そなたに命をかけさせて
まで取り戻したい
春平君がいるのだからな
では韓幕以外の
城で検討を
そなたが渡すと言えば
趙王は必ずそれを許す
その城は未だ
建設中の上に
案にとって魏との
国境も近く使い勝手は
決してよくありません
それでもよいが
韓皋城の価値を
考えれば
屯安なら
城十個は必要
じゃぞ
それよりやや北部の
屯安あたりの城では
いかかかと
十個!?
言っておくが
李牧殿
儂はこれまで商談で
一度口にした値からは
ビター文まけたことが
ない男だぞ
はっは
もうよい
商談...
化かしあいは
ここまでじゃ
韓景城を明け渡して
素趙同盟をなすか
ものは卓上に
出そろった
この場で李牧殿と
そのお仲間全員を
処刑するか
もはやあるのは
単純な二択
二つに一つだ
さァ李牧宰相
返答いかに
わざあることのあるのは
ooogle
残念ながら
......!
値切れる気が
全くしません
韓星を
お渡し
します
よし
秦趙同盟
成立じゃ
...
...
...
わめきちらさ
なくていいのか?
......?
わめくうつっても、
話してることが
でかすぎる...
呂不韋の言った通り
これは武人の出る幕
じゃねェ...
......
第178話・祝宴
本殿の会合が終わり
場所は副殿へと
移った
武器はここで
全て預かります
......
な...
何だこりゃ...
そこでは
秦趙同盟を祝して
きらびやかな宴が
催されることになった
すっげエエ
エエエ!!
第178話「祝宴
早く入れ
ぐあっ
ん?
何だ
この空気
...
会場は
こんなに
華やかなのに
当の本人達の
空気は
ビリついてやがる
.....まァ
そりゃそうか...
同盟したからって、
急に仲良く
なんて
できっかよな
...
...つか
それにしても
席が空いてねェよ
クソ!出遅れたっ
グルルル
オ!!
空いてた
やったぜ!!!
しかもあの席だけ
料理特盛りだ!!
ん?
む?
!
あ!?
よっしゃ
ここもらいー
っと
はっはっ
そこはまずいと
思いますよ
?
丞相殿の席
だからね
今外してますけど
...
なっ...
ドグン
李牧!!
しまった
剣は入り口で...
いや違う!!
オイ
剣が
あったところで
ここで李牧は...
何の
マネだ
お前
両国は同盟を
結んだの
だろうが!
王騎将軍を
やりやがった男が
目の前に居る!!
あのバカ
.....
るせェな
分かってる!
分かってるけど
そんな目で
李牧様を見るなと
言っているのだガキ
ドらん!!
こんな袋に
何の意味がある
同盟などどうせ
一、二年で破られる
代物だろうが!
!?
つき合って
られぬわ
俺達は帰るぞ
また
あいつか
いい加減にせぬか
貴様らは
我々とて我慢して
おるのだ
しかし盟を結ばば
仇敵だろうと目をつぶって
酒を酌み交わすのが
常識であろうが
!?
どりゃあ
ぐわあ
...
コ...コラ
貴様...
儂を誰だと...
これだから
武官は
ガキだの
馬鹿だのと
笑われるのだ
.....
く...
王騎の側近共め
うわっ
ちょっと...
我々文官の
苦労も知らずに
好き勝手やりおって
今度は
何じゃ
!?
な何のおつもりか
蒙武殿!?
側近の者までっ
酒が尽きた
ビキ
帰るぞ
ハハ!
っ...
なるほど
はっは
すごいですね
あれが
蒙武ですか
ちゃんと
飲んだ
そういう
問題では
しかしこの同盟
全く喜ばれて
いませんね
やっぱり
...当然
でしょうな
信!!
2006年
$S^4!
うっ
しん...
く...
もう少し何が
こいつと...
ん?
ひょっとして
飛信隊の
信ですか?
!?
え?
なっ
何!?
......?
え!?
?
なっ...
何で俺のこと
知ってんだよ
......
......
知らないはず
ないでしょう
趙将・馮忌を討った
特殊部隊と
その隊長の名を...
あ...
そうですか
...君が
あの信...
あいつが
魏加殿を?
本当に子供
だったとは...
...
...!?
...なるほど
だったら先程の
目つきの悪さは
理解できます
!?
どっどういう
意味だ!?
......
私を死ぬほど
殺したいという
ことですよ
王騎将軍の
仇ですからね
課報員から聞いています
キングダムの
君が王騎将軍から
最期の矛を
受け取ったと
残念でしたね
今回
私がここで
死ぬことが
なくて
......?
なめてんじゃ
ねえよ
李牧
お前が死ななくて
残念なんて
これっぽっちも
思ってねえよ
王騎将軍を倒した
お前の死に場所が
こんなしょうもねェ所の
はずがねェ
...
.....
矛だけじゃ
ねェぞ
工騎将軍から俺は
他にもでっけェもんを
いっぱいもらったんだ
俺はでかく
なるぞ
今はまだ三百将で
隊も三百人だが
こっからどんどん
俺は上に上がるし
隊もでかくなる
俺と隊の名を
天下に轟かすんだ
だからいいか
李牧
この顔と
この言葉を
しっかり頭に
たたきこんどけ
お前をぶっ倒すのは
この飛信隊の信だってな。
ってお前
同盟の宴で
何言ってんだ!!
いいでしょう
私は物覚えが
いい方です
しかし私を倒すのは
至難の業ですよ
あなたの
顔と言葉
二度と忘れません
心配すんな
こっちは最初から
そのつもりだ!!
それこそ王騎将軍を
超える男にならねば
無理です!
?
第179話「5年
......?
失礼致しました
宰相殿
ぐおおお
......
全くお前と
いう奴は...
いっ
だだだ
はなせ
オッサン
どうかされ
ましたかな?
あの子供が
何か無礼を?
そしても、これまで
...いえ
無礼を働いたのは
私の方です
あまりに
純粋な若者
だったので
まんまときれいに
やり返されました
つい大人気なく
からかって
しまったのですが
第179話「五年
ああ...
宴はぎこちないながらも
それなりの盛り上がりを見せて
終盤人質の春平君の話になった
春平君を連れて帰らねば
ならぬ趙側に対し
泄鈞という呂不韋の配下が
「では韓暴城をもらい受けるまで
別の人質を」と発言
よって平都侯という
趙国財界の大物が
身代わりに人質に
なることになった
よかろう
平都侯
かくして今回の
一連の騒動はー
フッ
一滴の血も
流すことなく
決着したのである
よ!
カイネ
おー
河了貂か!
アハハ
こんな所で
会うなんてね
無事に帰れるん
だってね
よかった
相変わらず
甘ちゃんだな
私は敵だって
言ってんのに
敵でも
一緒に飯食って
寝泊まりした
奴には死んで
ほしくねーの!
それに
同盟結んだんだろ
もう敵じゃないじゃん
どうせー、二年の
間だけだろ
まっその一、二年が
大きいって李牧様は
言ってたけどな
あっそ
...
...それより
お前そろそろ
やばくないか?
大分かわいく
なってきてるぞ
戦国の世の
同盟なんて
その程度だ
何やってんだ
お前ら
!?
えっ
うそっ
そんな奴と
しゃべるな貂
早く
こっち来い
信!?
何でここに!?
と羌痍!?
ん?河了貂
ひょっとしてあいつが
前に言ってた
お前の同居人か?
え?
あ...そう
あら?何で
知ってんの
何をコチャゴチャ
言ってんだお前ら
信
あーあの
男女とか
言ってた奴が
道理で
なるほど
お前が信か
李牧様の件といい
聞いてた通り
バカ丸出したな
ンだと
てめェ
この人がオレが
捕虜になった時
助けてくれた
カイネだよ
ぬ!?
......
オイ
...
いいから貂
早くこっち来い
時間がねェんだ
何?時間が
ないって?
まったくも
な何だよ
ゴメン
カイネ
もう行くわ
へ?
元気でね
いいから
とっとと来いって
言ってんだよ!!
その時はまた
敵だと
思うけどな
オウ
...
私は
外そうか?
何かカイネとは
また会いそうな
気がする
......
そうだな
そうして
くれるか
あら?
羌穂は?
いいんだよ
早く来い
...
こっちだ
急げ
わっ
?
.....
ちょちょっと
どこまで行くんだよ
少し休けい...
もう
着いた!
えっ!?
きゃ
貂
ワハハハ
何かウケるだろ
元祖三人組!
政
会合じゃ一言も
しゃべってねェし
変にも姿
見せなかった
はっきり言って
お前の存在感
全く無かったぞ
ところでお前
日不韋との権力争い
状況悪化してんじゃ
ねェか?
相当奴らに
押さえつけ
られてんじゃ
ねェのか?
えっ
そうなの?
......
そう見えたのなら
成功だ
!?
あれは
あえて愚者を
演じた
?
俺がこの先
実権を手にした時
強敵となるのが
正にあの李牧だ
だから今回は
ひたすら存在を消し
俺の内面を
悟られぬようにした
まァ古来より
賢者がよくやる
手法だがな
あ自分で
言った
ハッ映画
特に昔から難題の
治水工において
昌文君が成功している
それに状況は
著戦している方た
オッサンが?
昌文君と肆氏の
勢力は着実に
成長してきている
呂不韋に
よごれ役を押しつけられた
形だったが大臣として
工人の鄭国を支え
ひょっとすると多大な
功をあげるやも知れぬ
へー
でもやっぱり
呂氏陣営は
強大だよ
ごめん政
オレ今昌平君の
軍師学校に
入ってるんだ
昌平君が政の
敵側だって
知っててオレ...
キングダムの
......
趙戦でお前が
捕虜になったため
そのことは聞いていた
お前が学校に
入った経緯もな
......?
......!?..
何も気にする
ことはないだろ
貂
俺は成蠕の反乱で
共に死線を超えた絆は
そう容易く切れは
しないと思っている
ありがとう
政
へへっ
ふーん
何だかんだで
お前の戦いも
ちゃんと進んで
るんだな
進んではいるが
もちろん楽観できる
状況ではない
貂が向こうで
感じているように
奴らの力も
増大している
俺に残された猶予は
五年しかない
!?
五年!?
五年って...
一体どう
いう...
五年たてば
俺は二十二に
なる
あっ
まさか
政っ
ああ
キングダムの
秦王は二十二歳のとき
彼の地雍城にて
加冠の儀を行い
晴れて国内外に
素国君主として
認知される
加冠の儀だ
貴方君...元服、成人として認められる
そうなれば
今は沈黙している国土...
呂氏派の中からさえ
こちらに流れて来る者が
出てくるだろう
葬儀は代々の奉王の宗衛(そうぴょう)があるかつての玉都。
家力冠は通常二十歳だが素では変礼。
だから目不韋は
必ずそれまでに
こちらを潰しに来る
俺はそれをはね返し
五年後に奴から
実権を奪い取る
でも政
五年ってけっこう
あっという間だよ
学校にいる事毅って
男が言ってたんだ
政陣営が目陣営に
対抗できるまで成長
するには十年でも
足りないだろうって...
......!?
いや五年で
十分だ
信!?
これは遊びじゃねェんだ
十年待ってくれって言って
相手が待つかよ
向こうが五年で
決めに来るっつーなら
そこが勝負だ
でも
現実的に..
うるせェ
やれるかどうか
じゃねェ!
やるんだよ!!
なァ政
そういう
ことだ!
では信
お前の方は
どうだ?
五年で将軍に
なれるか?
!?
五年で~~
将軍に!!
なれれば五年後
俺の最初の号令で、
出陣する将軍は
お前だ信
第180話前戦戦
秦趙同盟より
一か月ー
隊長が戻った飛信隊は
前にも増して
猛威をふるっていた
うおおっ
出たぞ
飛信隊だァ
レオオ・
とっ
止めろォ
ギャアア
ドス
松左!!
?
ぬおっ
!!
お前らか
最近この辺で
図に乗ってるという
百姓部隊とは
でっ...
でかい
竜川より
でかいぞ
隊長前に出ろ
三個錘の剛炭様が
頭ぶっ飛ばしてくれる
ん?
ぬっ
てめェなんかに
カまってるヒマは
ねェ
こっちには
五年しかねェんだ
知らねェし
ぐうぅ
退けっ
退けェェ
くそっ
フフッ
勝利した隊長の
顔ではないな
信
ドカラ
あっ
壁!?
前線で飛信隊が
これほど有名とは
しかし
驚いたぞ信
でもこんなの
全然大したこと
ない...
...
聞けばすぐに
ここだと分かった
小さい前線
だからな
ちょっとしたことで
名は広まるんだ
フッ
...思った通り
相当焦ってる
みたいだな
やはりわざわざ
会いに来た
甲斐があった
!?
そう言えば
何でこんな所に
壁が
“亜水城”に使いに
行く途中だ
え?
これから亜水の
魔公将軍に会いに行く
待機じゃァァァ
鹿公将軍って
あの蛇甘平原のっ...
でも何で
壁が原公将軍に
会いに...?
......
信
早くも秦趙同盟の
もたらす効果が
表に現れようと
している
!?
魏の攻略戦だ
趣への警戒が無用になったため
本格的に軍力を魏へ集中できる
ようになった
この度、魏の山陽に進撃し
周囲一帯にひしめく二十の城
一気に奪い取る。大戦略分が
感陽で打ち上げられたのだ
その大戦の総大将の
候補として蒙齋将軍と
鹿公将軍が拳がっており、
これから将軍に意見を
聞きに行くところだ
...
このことはまだ
極秘事項だが
あえてお前に
伝えに来たのだ。信
!?
大きく上の地位に
かけ上がるには
こういう大戦で大功を
あげるのが一番だが
そのためには
あらかじめ軍の中で
重要な所に配置
されておく必要がある
戦場の端の
後方支援などに
回されたら武功など
あげられぬだろ?
だから今は
くさっている
場合ではない
魏攻略戦が
始まるまで
おそらく一年と
ない
それまでに
小さな武功でも
確実に積み重ねて
少しでもいい配置で
本戦に臨むんだ!!
魏攻略戦は
有力筋にはすでに
漏れている
今言ったことを
実践するために
野望ある者達が
この前線に集まって
来ているという噂もある
えっ
...
そんな奴らに
負けるかよ
頑張れよ
信
...
へへっ
わざわざ伝えに
来てくれて
ありがとな
本当
頼りになるよ
壁のあんちゃん
ん?
礼はいい
お前は目の離せない
弟のようなものだ
そして
数日後ー
信達のいる前線で
珍しく大きな戦が
起こっていた
前線を押し返すべく
魏軍が周囲より集結し
一万を超える大軍と
化したのである
これに対し素軍は
北と南で部隊を
集結
この地帯では
初めての中規模の
戦となったのである
おお
これを逃す
手はねェな
大将
俺達は今回も
独立遊軍だ
この北軍と南軍で
魏軍をはさみ討つ
作戦を立てた
合戦中
自由に動けるが
他の助けは
あてにできない
ああ
好機を見極めて
俺達の力だけで
大将を討つ
羌廆
秦北軍の主攻の力では
敵本陣の手前で
膠着するだろう
敵将を狙うなら
主攻の後ろについて
本陣の背に回り込み
突入する
もちろん
本陣の守備を
突き破るのは
容易では
ないがな
渕さんみん
魯延じィは?
奏北軍主攻
異論なし
本陣
同じく
秦北軍主攻前線
押せェ
押し込めェ
だ駄目です
敵本陣まで
届きません
逆にこちらの兵が
削られ出しました
このままではっ...
ぐううっ
あの部隊は
何だ!?
むっ!?
ぬっ!?
!?
防陣をかわして
敵本陣の背に
回り込むそ!!
あっ
あれはっ
オラァ
飛信隊だ!!
ぎゃああ
一気に突破
するぞ!!
絶対
敵将をとる!!
オオォ
なっ
何だ
こいつら
っっ
強いっ
何をしている
抜かせるなっ
うがっ
ぎあっ
ここを抜かれては
もう本陣は丸裸...
行けっ
行けェっ!!
!?
!!!
隊長に遅れを
とるなァ!!
オオ
んっ
へ?
あっ
っしゃああ
抜けたァ
うォオ
敵将をとれェ!!
!?
なつ...!?
本陣が..
ぜっ
全員
討たれてる
本陣が..
壊滅してる!?
!?
!!
なっ何だ
これはっ
何だ!?
!?
オ
誰かいる!!
ほう
驚いたな
!?
我々の他にも
本陣を狙う者が
いたとは
しかし残念だが
一足遅かったな
秦南軍特殊三百人隊
三百将王貴
ギリ
第181話・蟻
俺らより先に
敵将を討ち取った
だと...!?
何者だ
あの男は!?
き...
騎馬隊...か
そこの歩兵共!!
どこの所属の
部隊か!?
うっ
...
.....
わっ我々は
奏北軍所属
特殊三百人隊
「飛信隊」!!
そちらは
いずこのっ...
何っ!?
飛信隊?
飛信隊
だと?
そちらは
いずこのっ
........
どうした
そっちも
名乗りやがれ
我々は「玉鳳隊」
秦南軍所属の
特殊三百人隊だ
そうか...
諸君らが
あの飛信隊...
.....
.....
...
特殊三百人隊!?
...ファン...?
おっ
俺達と同じ
プッ
わっはははほは
はあっはほはは
なっ
あっははは、は
...
ふはははっは
フフ
すまない
非礼を許せ
なっ
何笑ってやがんだ
てめぇら!!
しかし
これには
理由がある
最近やたらと
耳にする
飛信隊ー
同じ
特殊三百人隊として
正直その存在を
警戒していたのだが
まさか噂通りに
農民歩兵の集まりとは
思ってもみなかった
皆目を疑うほど
驚いた次第だ
許せ
ワッハハハ
農民歩兵で
悪ィのかよ
結局同じ
三百人隊だろうが
あ!?
笑うな
我々玉鳳隊は
貴士族の中でも
幼少期より
軍事教育を施された
英才集団だ
農民の子が
クワを持つより早く
我々は剣を持ち
個人・集団戦術を
ただきこまれている
同じなわけが
ないであろうが
馬鹿者
一方諸君は
本職を農工とする
戦の素人
たまたま武功を
たて続けに挙げて
喜んでいるのは分かるが
我々と同列と思われては
不愉快だ
......?
そもそも一般歩兵の
君達が特殊部隊を
やっていること自体
大きな勘違いー
戦場において君達の
正しい存在価値は
〝蟻〟であることだぞ
蟻!?
君達一般歩兵は
私情をはさむことなく
上の命令を忠実に
実践する働き蟻
これに徹することが
君達の最も重要な
貴務だ
もちろん君達を
軽んじている
わけではない
十万を超える
大軍を作る時
八割は君達
一般歩兵だ
軍の基礎力は
君達であり
その存在無しに
戦はできない
独立遊軍など
高度なことは
我らに任せて
君達は本来の持ち場で
力を尽くせ
分をわきまえぬ
夢を見ると
不幸になるぞ
まァどこのバカが
たきつけたかは
予想がつくがな
ただし
蟻は蟻
!?
賁様
そろそろ参りましょう
敵将の首を掲げて
戦を終わらせねば
ああ
待ちやがれ!!
うるせェ
しっ信殿冷静に
相手はおそらく
貴士族の名家の...
何なんだよさっきから
黙って聞いてりゃ
てめェは
貴族か士族か知んねェが
戦が始まりゃそんなもん
関係ねェんだ!バカが
馬鹿はどっちだ
蟻の話が理解
できておらんでは
ないか
俺達はこの手で
てめェらみてェに偉ぶった
奴らをぶっ倒して来たぜ
?
番陽副長
ハノ
な...何だ
一騎来るぞ
全員
気をつけェ!!
!!
あっ...
チッ
フン
ヤロオ
やめとけ
ワッハハハか
そういうことだ
少しは理解
できたか!?
アッハハハか
?
あっ
ガマンの限界だ
オッサン今すぐ
馬から下りて
ワビ入れろ
さもなきゃ力ずくで
ひきずり下ろす
...??
ほう
チッ
その玩具の
剣でか?
ぬっ!?
!?
!!
ガッ
てめっ
しっ
......?
ついでに
苦言を君本人にも
言っておきたい
何でも君は下僕の出で
しかも将軍になるとか
嘯いているとか
言っておくが今
貴士族から俺のような
多くの若き将が
台頭してきている
いずれも才能も
家柄も申し分ない
それら全員が
将軍の座を狙った
競争がすでに
始まっているのだが
路傍の雑草の如き君が
そこに入り込む金地など
微塵もないぞ
君はよくて
千人将止まりだ
ルアアアッ
何っ!?
しっ
いや
逆突きだ
信殿っ
信っ!!!
貴様
“龍指”を...
...ファン...
力の差を
正直ずっと
目障りだった
高校...
こういう輩には
きっちり示しておく
必要がある
身分の差を
飛信隊隊長
覚えておけ
我が名は
王黄
王賁...
!?
...王...
...王?
ああ、お前の大好きな
あの王騎の一族
分家の王騎と違い
王一族の総本家を
継ぐ王賁だ!
我らはしばらく
この前線に留まる
この先武功は
あげられぬと
覚悟しておけ
何が蟻だ
あのクソガキ
はァ!!
ピカッ
うわっ
田永さんっ
第188話、出し抜く
チキショオが
...
クソォ
俺達反論する
どころか
あのじじィの一声で
気をつけなんて...
まいった
なァ
久々に
思い知らされ
ちまった
俺達百姓と
奴ら貴士族との差
越えられねェ
でっけェ壁が
あったってことをな
...
.....
あーあ
でも
かっこよかったなー
王賁隊って
今何つった
昂てめェ
わっ
ごっごめん
なさい
お前は
この空気が
読めないのか
やめとけよ
尾平
あ
別にいいじゃねェか
正直に思ってること
言って
たしかに奴らの
姿はキラキラして
かっこよかったぜ
うん
なァ昂?
あいつらみてェに
なりてェか?
でっけェ
武功をあげまくりゃ
なれるぞ
お前も
士族に!
オ...オイラが
へ?
士族に...!?
へへっ
松左!
今さら壁なんて
下らねェこと
言ってんなよ
そんなの単なる
言い訳だろ
言い訳?
ああ
とどのつまり
俺達は奴らに
気圧されて
下向いちまっただけだ
!!
いきなり一発ガツンと
やられて戦意喪失
しちまったんだよ
......
........
冗談じゃ
ねェぞ
...
王騎将軍の血縁だか
何だか知らねェが
このまま黙って
られっかよ
今度はこっちの
番だ!
やられた分
きっちりやり返すぞ
てめェら!!
!!
ォオオオ
ォオオオ
ででも味方同士で
戦っちゃ罪に...
バカ
奴らより先に
手柄をあげるって
意味だ
しかしどうやって
あげるかだ
全員騎馬の
あいつらを
出し抜くには
何か考えが必要だぞ
それを今から
考えるんだよ!
賁様
聞かれましたか?
先日出会った
飛信隊
何でもあの夜から
行方が分からなくなり
北軍が探し回っている
とか
我らに手柄を取られた上に
力の差を見せつけられて
よっぽどこたえたの
でしょう
今ごろ田舎に戻って
田畑を耕しているのでは
ありませんか?
ワッハハハか
フン
フゥウ
ガギギ
ガッガッ
ガッガッ
グルル
グルル
フッ
フッ
いでェっ
フーッ
!?
あのバカ
ガッ
?
?
失せろ
犬公オオ
いってェ
バカ犬が
だまれお互い
尾平..
来るぞ...
一つだけ
作戦があるぞィ
どうやって
王賁隊を
出し抜くか
!?
儂らにしかできぬ
苛酷な作戦
じゃがな
什長?
...
.....
...そうか..
!!
よし
行ったぞ
う
うまく
いった...
オエッ
オエェ...
昂
大丈夫か!?
魏軍は再び
同じ戦線上に
集結し
布陣しつつある
この辺りは霧が深い上に
連戦の屍が放置された
ままじゃ
僕らは数を百人にしばり
この霧と屍にまぎれながら、
刃を交えることなく、
敵本陣まで忍びよる
行くぞィ
こっちじゃ
みんな
離れんなよ
ただし
また来たぞ
隠れろ!
腐乱した屍に
まぎれるのは
敵と一戦交えるより
苦しいものと
覚悟しておけィ
うげェ
この辺のは
古くてやべェぞ
なっ何だ
この臭いは
うげオォ
ゲホォ
どうした昴
大丈夫か!?
顔色が
まっ青だぞ
だ..
大丈夫...
し...士族に
なるためだ!
オイラ
士族になって
昴...
オイラを
女手一つで育てて
くれた母ちゃんを
幸せにするんだ!
...
へへっ
どうだ王真
来たぞ
お前ら玉鳳隊に
ここまでやる根性
あるか?
!?
.....
まずい
ん?
どうした?
霧が晴れて
きよった
...
あの辺が
動いたように
見えた
オイ!
ハッ
!!
!!
ドス
ドス
ドス
...
くっそが
マジかよ
ドス
ス
ドス
ど
どうする
やるか!?
い...いや
このまま
やりすこせ
ここで
見つかっては
全て水の泡
この屍の数なら
そうそうは...
ーっ!!
昂がー
あっ
えっ!!
......?
にっ
逃げろ
昂ォォ
じゃ
どうだ!?
いえ
特に何も
気のせいか
......
行くぞ
ハハッ
来るぞォ
ここで
食い止めろォ
あっあれは
この前のっ...
玉鳳隊か!!
とっ
止めろォ
ぬははは
今度も軽かった
ですな貢様
まだだ
敵将をとるまで
気を緩めるな
ぐわあっ
本陣が
とられるぞォ
しかし後はもう
本陣:・
ん?
力カカカ
一足遅かったな
!!
馬にも乗ってんのに
蟻の俺らに先越される
なんて
軍事の英才教育も
たかが知れてんなァ
王賁お坊ちゃん
わかわわ
第183話
第三勢力
ああっ
風甘様ァ
まただっ
また王賁の
玉鳳隊が
敵将をとったぞ
今度は
飛信隊だっ
あの部隊
また奇策を用いて
してやりおったぞ
王鳳が完膚無きまでに
敵を討てば
次は飛信隊が
泥臭く手柄を
あげる
すごいっ
すごいぞ
この二つの
三百人隊はっ
まるで競って
いるかのように
互いに武功を
あげまくっている
しかしやはり
玉戯隊だ
あの完全武装の
騎馬隊はそこらの
千人隊より強力だぞ
いや飛信隊だって
負けていない
あ双らはあ奴らで...
......
ここはまた
随分と盛り上がって
いるみたいだな
飛信隊という新参と
あの王鳳が功を争って
いるようです
あの王真が
手を焼いているとは
面白い
どうでしょう
我ら「楽華隊」も
この地に参戦すると
いうのは
蒙恬様
やだよ
こんな狭いとこで
あいつらと
せりあうの
オレ王賀苦手
えっ
秦軍特殊三百人隊楽華隊
三百将蒙恬
......
フハハハ
その通りです
何も戦場はここだけ
ではない
さすがです
我々は蒙恬様に
ふさわしいもっと
大きな戦場を
探しましょう
って言うか
この三百人隊が
やる気を無くさせ
るんですけど
えっ
俺ってこの前の
韓戦の功で
千人将に昇格した
はずなんだけど...
...
ぐぬ...
たしかに...
......
しかし。白老”様が
あと一年は三百将で
経験をつめと...
白老様の
命令に逆らう
わけには...
じィ様は身内に
異常に厳しいよな
はーかわいそうな
俺
......
行こっか
ハ!
さらに南下した所に
大きな前線がある
らしいのでそこへ!!
六大将軍王騎が死して
一年と半年
...いや
その前に
どこか華やかな
街に行く
買い物へ
えっ
玉鳳隊王賁(齢十八〉
飛信隊《信〈齢十七〉
"白老〟蒙竃の孫にして
蒙武の長男である
楽華隊・裏恬(齢十八〉
案の次代の大将軍を目指す
若者達は今、着実に芽を出し、
さらなる成長をとげるべく
躍動していた
うわああ
飛信隊だァ
止めろォォ
一方、そのころ
咸陽では...
ぐわあぁ
ご主人様
こちらです
異様な気配を漂わせる
者達が、肆氏の屋敷を
訪問していた
な...
なぜ
そなたらが
ここに...
呂氏の食客は
ついに千人に達したと
報告があります
食邑の規模も
十万戸を越えたと
いう
もはや一臣の
度合いをこえている
呂氏陣営が
こちらをつぶすというのは
何も武力で皆殺しにする
というものではない
一方的な
勢力図をつくり
こちらを細らせ
やはり先の
奏趙同盟が
また大きく奴の
人気を上げている
最後に残った数人の
近侍を抹殺して
大王を無力化すると
いうものだ
黄色...治めている鍼地
まだまだ呂氏は
でかくなるぞ
そして我々がやることも
正にそれだ
結局は今の勢力図を
こちら色に塗り変えて
いくしかない
そんなことは
分かっておるわ
それだけでは
不十分だ
中立の連中を
引き込むには何か
戦略が必要だ
だから殿と
肆氏はがんばって
治水工と...
......
どうした肆氏
なぜ押し黙って
いる
今日の集会を
呼びかけたのは
お前のはずだが
......?
では
恐れながら
申し上げます
笠海殿の申した通り
勢力図を塗りかえるー
これが全てです
それは百も承知だが
端氏の残念をあらかた
こちらに加えた今
他に一気に勢力を
逆転させるほどの
勢力はこの咸陽には
いないであろうが
...いや
存在する
そのために最も
手っとり早いのは
大勢力を味方に
つけることです
!?
えっ!?
ここにいる人間でさえ
気付いていない者と...
知っていても
あえて口に出さない
者もいるが
この成陽には
自民派・大王派とは別の
第三勢力がたしかに
存在している
あの呂不韋でさえ
手を出しあぐねている
強大な勢力が
!?
呂不草が手を
出しあぐねる...
第三勢力!?
...
やめよ
肆氏
大王様の
御前であるぞ
それに
あそこは我々とて
立ち入ることは
できない所だ
たしかに
その通りだが
向こうから
接触してきたと
したらどうだ?
?
!?
?......
どういうことだ
肆氏
...
実は昨日
私の下に
彼の城より使者が
現れたのです
肆氏よ
そなたに
この書簡を
王印!
!?
おっ
王印!?
何をバカなっ...
有り得ぬわっ
先の王弟成蠕反乱の時
大王は感陽を脱出される際
王璽をある場所に隠され
当時王弟派だった俺は
ついにそれを発見できな
かった
それは今言っている
勢力の中に
隠されたからだ
一体
どういう...
肆氏!?
......?
複製を作られたと
いうことか
なっ
ぽっ冒遺だ!!
玉壁の複製など
国家反対罪...
万死に植する
悪行です!!
さっきから一体
何なのですか
その
第三勢力とは
そんなものが
この感陽にいるなど
聞いたことがありません
いや...壁
お前はその勢力を
知っている
ただその存在の異質さに
我らの権力争いに
関わる勢力だと気付いて
いないだけだ
えっ!?
そこは
咸陽にありながら
いかなる要人も
足を踏み入れることすら
許されぬ
閉ざされた城
低頭ー
コッ
コッ
コッ
コッ
コッ
コッ
後宮
コッ
絶対頭上げちゃ
ダメだよ
向ちゃん
わっ
分かってるよォ
陽ちゃん
コッ
十人を超える宮女ど
無数の宦官から成る城!
宮女達のほとんどが国内外の
「名家の出でありその後ろには
有力者達の姿がある!
それらを束ねたならば
女の城でありながら
絶大な力を擁する後宮
そしてその城の主は
現秦国太后様
後宮に仕える去勢された。
つまり第三勢力とは
大王様の
お母上の勢力だ
第三勢力が
太后様の後宮勢力!!
...?
...
.....
しっしかし
だとしたら
話は早いでは
ありませんか
第184話「太后
こちらがお頼みさえすれば
大王のお母上である
太后様は必ずお味方に...
そう簡単に
いくのなら始めから
そうしておる
!?
壁
そう単純では
ないのだ
......
俺と母上の
間柄は...
第18回最終
オイ
ハ
フッ
バチン
皆の者
苦しゅうない
面を上げよ
青〈政の母
秦
...
...
宮女達は
恐る恐る顔を上げ
そして
息をのむ
そこにはかつて
傾国の美女とうたわれた太后の
未だ衰えることのない
美貌があった
太后は年をとらぬ。
そういう噂が立つほどに
その姿は若々しく
あのままこうして
これ
ブニ
その上に宮女達では
持ち合わせぬ独特の
妖しい艶を纏っている
ブチ
太后から放たれる
強烈な大人の女の
色香は
男根を失った
宦官達が
性欲を覚える
ほどである
ゴク
........
大王様の
お母様
本当にお美しい
お方だ...
これだけの美女集団の
宮女達の中に入っても、
格別に一番お美しい
でも...
何だろう
...
大変失礼
だけど...
いつ拝見しても
なぜか太后様からは
人の温かさみたいな
ものが感じられない...
だから
宮女全員が...
あんなにお美しい
太后様を心底
恐れている
太后勢力を政に
近づけぬためだ
...これまで
我々が後宮勢力を
取り込もうと
動かなかったのは...
夏の末春商の妲己周の変奴
三人とも
太后ではなく
王妃ではあったが
この三人が朝廷に
悪影響を与えたことで
三王朝とも減んだと
いわれている
他にも例をあげれば
キリはない
政の素人である女人が
朝廷にからむと
凶事が起こる
おまけに後宮は
醜悪な奸佞〝宦官〟共の
巣窟でもある
太后様を抱き込めば
必然と奴らもついて来る
特別な治外法権で守られた
後宜勢力に一度政の力を
与えると制御は難しい
だからあの目不章でさえ
これまであそこには
手を伸ばさなかったのだ
太后様もこれまでは
政治には無関心で
大王様と呂氏派の争いにも
沈黙されていた!
だがこれを
送ってきたということは
何がしかの態度の
現れかと推察される
中には
何が...
封を解いてみよ
肆氏
......
...ハ!!
パキ
こ...
これは
肆氏...
太后様は
何と...!?
白紙だ!
何も
書かれていない
何ィ!?
こ...
これは一体
......
丞相様
ん?
ちょっと奇妙な
報告が入りました
何かな?
昨日肆氏の下に
後宮の使者が
訪れたと
真か?
ハ!
...ファックス?
...
やっかいな所が
動き出したのォ
詳しく調べよ
ハ!
双方の監視を
強めるのを
忘れるな
ハハ!
後宮か
ど...どういう
意味だ一体...
...ファン...!
ただの悪ふざけ
ともとれるし
大王派と呂氏派の
どちらにつくか
決めかねている
ともとれる
!!
大王様...
私も昌文君と
同じ意見です
今のところ
中立という
意味ではないで
しょうか
......
あの人の胸の内は
我々では早々には
推しはかれぬ...
俺もその白紙は
中立の意味かと
思うが...
全く別の意味が
あるようにも
感じる..
だがこの書簡で今
重きを置くべきは...
”印”だ
わざわざ
王印の複製を押して
送ってきたところの
意区は分かりやすい
この悪事は当然
放ってはおけぬし
それを承知で向こうは
送りつけた
つまり朝廷は
後宮勢力に
目を向けよと
いう意味だ
大王様
ご存じと思いますが
太后様の下後宮を仕切る
三侍女の後ろには
氾家
介家
了家という
三大宮家
古きより後宮の
権を支える
実力者がいます
我らとはまた
系統の異なる
力を持つ彼らですが
もし味方につけるなら、
呂氏派との勢力図は
五分に近づけます
しかし
逆に
彼らが呂民につくような
ことがあればもはや
我々に抗う手は皆無と
なりましょう
どの道いずれ
避けては通れぬ
後宮勢力
この機に腹をすえて
彼らを取り込みに
かかるべきかと...
儂は反対だ!!
!?
殿!?
殿!?
大王様の御前で
口にするのは
心苦しいですが
無礼を承知で
言わせて
もらいます
太后様は
猛毒です
たしかに
三大宮家の力は絶大ですが、
彼らこそ、現在太后様の
手足となる毒牙
単純な足し算では
勢力は大きく増大
するかもしれませんが
果たして彼らと組んで
一丸となって呂氏と戦う
勢力になれるのかは
疑問です
むしろそれよりも
彼らがよからぬ謀り事を
我らにもちかけてくることの
方が恐ろしい
そうしたら我らは
呂民との対決ところでは
なくなります
ではどうするというのだ
このまま無視して
呂氏派に流れたら
一大事ぞ
...
何も無視するとは
言っていない
腰は軽々しく後営と
手を組むのは危険と
言っておられるのだ
だがこの書簡が
来た以上
我らは何らかの...
翌日ー
おお
肆氏か
昌文君
早いな
!?
実は今朝方
大王が...
何ィ大王様が
後宮に!?
た...大后様に直接
お会いに行かれ
たのか...
殿...
.....
...殿
一つだけ
お教えを
お前にすら相談
せずに動かれるとは
意外だった
いや...
これはもはや
大王様と太后機
お二人の問題だ
あのお二人の
間には一体
何が?
そもそもなぜ
母上である太后様は
大王様をお助けに
なられぬのですか!?
......!?
あのお二方の間には
趙・邯鄲での
人質時代の思い出
しかない
つまり
闇〟しかないのだ
「ム●(完)
キングダム
「んっだあのん。えー、悩みってん」じゃないが、何かはわかりませんが、
「そう言うん」と言っても、いいのだと思いますが、それはそれがそれではありません。それじゃあ、そのほうがいいんですけど、そんなことですからですね。これからこれはないいい。
彼女はいる気分かった。そうだけど、思っちゃい、ありがとうございますし、それは、お客様におくとはありました。
悪くない...ありがとうございまして、そんない怖さは、聞くとしてみるし...」とここで気持ちは。
おいお兄ちゃんとじゃないしーーということで、気付けました。でも、
キングの人はおかげ様でリクをし、
作者あとがさ
こんにちは、原です。
この度は第11回ご購読・本当に
ありがとうございます!!
2016年になりました。以外だー!!
元旦早く何も言われていたので、先生早々に何もなく、家族ですけど、
九里中くん買い物た行きまして、とな、なんでしょうか。のんびがリ・ウeウロしていると、
買い物だってもいないので、古い師さんのカンパンがそういったのですが「正月特価2千円ラグ用」と
ありがとうございます。長時間だけだけど、それ以外見えましょうかよ。私のお父さんがお願いしますようにしておいて、ありますが、
二人とのなこと。占いは生年月日だけのもので、マイナミュカローに【今朝かよかったのたー】
あ、俺大は、悩みないのじゃ
日ごろの頭の中はなんとキングなので
い、ばいいっぱいですが、それは
いっぱいはちょっと違うので、
ーところで
うちの隊の
什長達で
一番強いのって
誰かな?
あ、実家を許せるのだって彼が、
空気清浄機までましたー
あしまい
ガー第一回飛信隊カ比べ大会-
おまけマンガ
そしたらまず最初に、
「何たついて聞きたいですか?お化出みほど
前線の野営にて
一回戦第一試合
沛浪対田永
あ?
あーそれは
興味深いな
じゃあ武器で戦ったら
ケガしちゃうから
とりあえずカ比べとか
してもらったらどうかな?
お?
てめェ頭突き!
してんじゃ
ねェよ
ゴッ
「というわけで
仕長達による
カ比べ大会が
行われた
オォ
クジでいまめの
ゴッコッ
てめェだろォが
この若白髪
始めッ!
ぶっ殺すぞ
このシジィ!!
ってみろや
口だけヤロオ
ああ!?
没収試合
勝者無し
わーケンカだー
「人を止めろー
第二試合
崇原対田有
相手が悪かったな
単純なカ比べじゃ
お前に勝ち目は
ないぜ
カ比べなどに興味はない
手元に狂いが生じる故
辞退する
もちろん剣ならやるがな
オラァ
ゴラァ
第三試合
澤圭対中鉄
タクイけ毛ちゃいんぱらって
お手柔らかに
お願いします
フッ
試合放棄
勝者田有
第四試合
尾平対去亥
逃げんなら
今のうちだぜ
チリチリ出っ歯
これは
生まれつきの
アザだー!!
てめー
勝者中鉄
ぐわー
るせェ
お前は顔洗ってから
出直してこい
何かでっけェ葉っぱ
ついてんぞ
入っちは足平が強たい
勝者
去亥
第五試合
松左対石
だるいから
いーや
第六試合
竜有対...
フッ
やっと見せ場が
やってきたぜ
これまでイマイチ
キャラが立ってねェって
言われてる俺だが
勝者石
今回から
この竜有様の伝説が
始まるんだ!!
第六試合
竜有対竜川
実は腕力だけは
異常なほどに強エ!!
未だカ比べ負けなしの
この俺様が軽々と優勝して
くあああ
負けてたまるかァ
かかって来い
ブタァァアア
こうして一回戦へ
勝ち進んだ五人の
猛者が出そろった
う
ドゴ!
ギャマァ
うっ
スーーそーだ
勝者
竜川
ふふふ
田近大杉
松原
原素久
田辺大杉石井
なんか鮫島
金上
カバーデザイン
岩崎修(POOKET
YJC
DIGITAL
5月15日(金)URGJUNHKYOHKS
!?巻
キングダム
原泰久
©原泰久2010.20
初版発行
デジタル版発行-2012年
2010年
発行所・集英社
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