★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。 ★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などににはいっさい関係ありません。 凛は武功で名を上げ、太将軍として世に名を馳せるべく日夜剣術の修業に励んでいた。 ある日、凛は、国王堀政の影武者として王宮へ召し抱えられることとになる。しかし、異母弟・成績によるクーデターが勃発、凛は刺客の手に強かり殺されてしまう、漂老身代わりにした扇政に そういうことで、これからもうちょっとしてそういうことですが、これからもうちょっとして 憤りを感じる信だったが、漂の遺志に応えるた・め嬴政と行動を共にし、成績の反乱を鎮圧する。改めて、信は大将軍へこの成り上がり、最政は中華統一「という夢を追うことを心に誓ったのだった。 その後、素軍に従事した信は、隣国・魏との戦。いや、趙軍迎撃戦などで功を認められ、さらに ...やはり。始めるしかないか... 一方、秦の魏攻略により生まれた新たな情勢に対し、ついに超の李牧が動き出す!! そろそろあの方に目を覚ま頂きましょう 今の飛信隊は本当に強いぞ 今回は、実家ネーレッドメールではそういうことですが、これからのそういうことでしょうか。 前可了貂_かりようでは 山の民で信の元同居人。飛信隊の軍師となる 天下の大将軍を目指す。秦軍特殊部隊・飛言隊の隊長。 暗殺集団・蚩尤の末裔。同胞の仇を追う。為、現在は飛信隊を一時離脱 素国の若き王。中華の統一を目指す。 嬴政に忠誠を尽くす大・楽軍千人将。昌文君の副臣。かつては武官。 そうだな。でも、これからは、これまでのそういうことですが、そういうことです。 信の親友。嬴政の影武者となり、命を落とす。 趙国討伐戦で命を落とす。信に矛を託す。 千人将として、玉鳳隊を率いる王翦の息子。 素国を代表する老将軍。 豪驚の副将。元は冷徹蒙驚の副将。王一族の素国を代表する老将軍。 蒙恬ぉってん千人将として、楽華隊を率いる豪驚将軍の孫。 そういうことでしょうか。そういうことですから、そういうことになっても、 絶大な武力を誇素国が誇る天才法の番人。・の異・外交を受け持ち 絶入なより人と誇る国がる猛将。豪恬の軍師。い父 権力をほしいいままにする奏国の丞相。高政の政策 嬴政の実母。後宮の頂点に立つ そういうことですが、そうだな。それは、そうだな。それは、そうだな。そういう ...三大天の一人。武の道を極める求道者。 三大天の一人。趙の幸相を務める。 暴の化身。という噂の意味がようやく分かりました ...しかし人の域を超えてもなお迷いに捕われることがあるのですね 李牧様の側近慶舎と申します 季牧様からのご伝言です その御様子ではすでに察しておられるようですが 大木斬れども未だ〝王騎の幻影〟を斬れぬのであれば 答えは必ず戦場にあるーと ほっ龐煖が総大将で出て来ただと!? ああ間違いない馬陽の時と同じで大将が朧媛実際後ろで軍を動かすのは李牧だ 兵は十万以上蒸に向かって出陣した! 案が魏・山陽を攻めたように 趙も同盟が活きてるうちに背後の仇敵を討っておくつもりだろう そうか...元々、李牧は素趙同盟は燕との戦いに集中するためとか言ってたな... おいテン燕って一体どんな国なんだ? なぜそんな小国が存在していたかは不明だけど... 秦とは真逆の東端に位置しただでさえ距離がある上に 少し前の時代まで中華への出口部分に中山という山間民族の小国があり情報がそこで遮断されていたらしい さらに燕は背にある北と東の騎馬民族と深く交流があり結託しているという不気味な噂もある この数十年燕と秦が戦った記録はなく どういう武将がいるのかもよく分かってないけど その中で一人だけ中華全土に名を知らしめてる大将軍が燕にはいる およそ四十年前斉によって表が滅亡寸前まで追いつめられた時今は亡きあの軍神楽鞍と二人で逆に斉を滅亡寸前まで押し返したという 救国の英雄劇辛大将軍だ おおさいたく蔡沢老師か こんな所で何をしておられる ひき殺されるぞワッハッハ ヒョッヒョ案に戻るところじゃったがお主が出たと聞いてな 若造二人などと思っておると痛い目を見るぞィ 李牧...王騎を討った男を侮るわけがなかろう 東と西で刃を交じえることはなかったが 同時代を暴れ回った者として六将の力は深く知る 龐煖という男には...慣れておるわ 俺の生まれた趙・馬陽の付近には “求道者”とかいう輩の潜み住む山々が連なっていた そしてたまに村に降りてきて悪さをするのよ 「我武神などとほざいてな 若き頃そういう馬鹿を何人か斬った覚えがあるわイ そのせいか奴ら途中からぱったり村に現れぬようになってなァ 燕の大翼劇平には余計な忠告じゃったか 燕より金をつむなら素に移ってやってもいいぞとな ヒョーッヒョッやっぱりお主は金か 『先従隗始』〝先ず隗より始めよ〟という格言が残っている かつて壊滅状態に陥った燕国の王・昭王は国の復興のために優れた人材を募りたいと郭隗という臣に相談した すると郭隗はこう答えた そうすれば私よりも才覚のある人材が必ず他国より集まってまいります それではまず、この郭隗を厚遇することから始めて下さい はたして燕昭王はこの郭隗に破格の対応を示すと他国より続々と賢士が集まってきた それを代表するのがあの軍神楽毅と 現燕第一の大将軍劇辛である つまり劇辛は金目当てで祖国、趙から燕に移って将軍となったのである ―そう言うな立身出世を求めて国を変えるのは戦国の世の常じゃ 金目当てに動くのも何も変わりゃせぬわィワシも元々蒸人じゃし ...しかし当時の燕王は賢士の厚遇のために私財を失うほどだったとか ヒョッヒョあの楽毅と劇辛じゃぞ安い買い物じゃて ...劇辛とはそれほどに? 素人はあまり知らぬが奴も化け物の一人よ... 何せあ奴がそのまま趙にいればあの廉頗の時代の三大天の一席をつかんでいたと言われておるからのォ な...なんだあの軍は... 劇辛が山間民族と手を結んでいるという話は本当だったのか 気をつけねば奴らは独特の... これは単なる序章にすぎません 圧倒的力の差を示して勝ってみせます 燕軍・趙軍共に十万を超える大戦は 開戦してわずか半日でその戦局が佳境に向かおうとしていた 燕里様燕比様敵の伏兵に遇い討ち死に 敵の左翼に討って出た黄騎隊はどうした そっそれが途中で敵を見失ったと 何っ!?燕里様がっ!? くそっ一体どうなっておるのだ こちらが討って出れば空振りするか伏兵に会うばかりだ ええい正面からぶつかれば負けはせぬのに これは想像していたより二回りほど強いぞ ここまで俺のくり出した手伝全でを 王騎が討たれたのも納得がゆく 敵本陣を狙って出た『毒猫』はどうなっておる すでに放たれていたのか... 『毒猫』は敵本陣に何度か迫ってはいるようですが、その都度霞のように逃げられているとのことです。 どっ毒猫の追跡をかわせる本陣など存在するのか!? いかに李牧がキレ者であっても この儂に勝てる道理はない 儂と奴とでは持ってる経験の幅が違いすぎる 儂には六十年に及ぶ戦歴と 何よりあの『軍神楽数』の戦役の知が集積されておるからのォ 戦国中期ー東中華の大将軍といえば万民が声をそろえて「楽毅」と言った 亡国寸前までいった燕を復興させ_大国斉への逆襲を果たしたその戦いぶりは後世の偉人諸葛孔明,高祖劉邦をして軍神こいわしめた 西に白起ら『素六将』中央に廉頗ら「超三大天」という強大な武力があったにも拘わらず、中華のバランスが保たれたのは東にこの楽毅がいたからに他ならない そしてこの楽毅と共に東で暴れ回ったのが劇辛である 「隗より始めよ」で集まった楽毅と劇辛だが二人の年齢は二回り以上も離れていた 血気盛んな若き将軍・劇辛は燕に来た時から目の前に立ちはだかるこの大きな壁を超えてやろうと目論んでいた ではどうやって超える... 劇辛は楽毅の戦場を可能な限り追って行き その全ての記録をとった 楽毅の戦を盗もうとしたのである また劇辛将軍がのぞきに来ておるぞ 自分の背に本陣が隠れていることも知らずに ーいや劇平は本陣に気付いておるよ なりふり構わぬ野心家というのも 無論他人の戦を見ただけで盗むというのは容易なことではない 知識は得られてもそれを実際に戦場で行動に移すというのはまた別の話である しかし劇辛はそれをやってのけた 劇平には栄毅の戦を実践できる才能があったのだ 故に劇辛の戦は楽毅のそれによく似ている 楽毅には劣勢を利用・反転する戦術がある 劣勢の時こそ敵の姿を知る好機ととらえよ 策士であれはあるほど戦局を操る 故に今の結果を逆に追っていけば そしてこちらから見て右側の戦場が特に敵の動きの精度が高いのも一つ気になる ここまでの局地戦ー全てが奴に見透かされたように展開している そう俺の手が...見透かされたように。 「音無き暗殺軍と呼ばれる「高猫」が本陣を大丈夫とらえられずにいるが 見つけられないのではない姿を見ていてとらえられぬのだ 「毒猫」が本陣をとらえきれぬのはそこに実体がないからだあれは少数で本陣を装っている偽物 では本陣はどこにいる!? 奴は思ったより近くにいる 俺の手が見透かされている... 見透かしているのではない俺を見ているのだ なぜ趙軍の動きは左右で偏りがあるのか それはお前が右にいるからだ 右の山間に本物の李牧の本陣がある 劇辛本陣から見て右方の山中 燕軍の本陣部隊がこちらに向かって来ます この戦い始めから違和感はあった 俺と同じような目線から燕軍の動きをつぶさにとらえ対処した 敵の精度が右に帰ったのは単に命令を発する李牧に近かったからだ 俺の手の読まれ方と毒猫の空振り 恐ろしい男よ奴は最初からこの戦場を真横から描いていたのだ チッこちらが奇襲に出る前に 敵は香山の所までっ... 李牧ら趙北部の騎馬の脚は中華でも随一の速さを誇るが 劇辛本隊の足は速いですよ 格子の陣で返り討ちにする 劇辛の騎馬の速さは超えた 劇辛本隊の主力を担う『毒大』は最速の騎馬民族といわれたあの。犬戎〟の一族で構成されていたからである 隊大我...かつて最王朝を誠にさせた山民族 『毒犬』と『毒猫』こそが東中華を恐怖させた劇辛軍の誇る必殺の鉞である とは言ってもお前らにこの男の相手は無理か だが儂の強さも理屈ではない こいつらの強さは理屈ではないからなあ *大将軍のまとい持つ力〟はさらに理屈ではない! ああ!?何を急に縮こまっておるか ば:馬鹿な...止まった状態で::片腕で..こんなか... こ...こいつは違う!! こ..こいつは違う!! 俺が知ってる武神とはこいつは違う!! こんな下らぬ戦のために俺を呼んだのではあるまいな ですが来たる本番のために今回はどうしても外せない布石でした 貴様らのやっていることに興味はない 俺は本物の戦に飢えているだけだ この年は中央(秦魏山陽戦)と東〈趙燕戦〉で戦が起こった争乱の年となった 翌年に中華全土を巻き込む恐るべき大戦がひかえていることはこの時誰も気付いていない 燕将劇辛は魔媛に殺された しかしちょっと決着が早くないか!? 超軍の被害はことさら小さかったそうだ くっ劇辛って蒸国第一の将軍じゃなかったのか!? 一日だ一日で戦が終わった 対岸の楚軍に変わりはないか ...???...?? 飛信隊と対岸にある楚軍陣地 さすがにやるなァ李牧って男は 素趙同盟をうち出した本人として一応もとは取ったというわけだ しかし同盟の恩恵が厚かったのは結局案だったな 山陽を手に入れたのは何より大きい その後の東郡”ってのは余計だったけどな おかげで俺達は威嚇のためにわざわざこんな所まで送り込まれた 威嚇じゃなくていっそのこと山陽ぷん取って来いって言ってくれりゃいいのに バカ山陽がどんだけでかいと思ってんだ あれを取るとなると万単位の軍になるぞ ここでにらみ合ってる相手さんもバカにはならんぞ 廉頗四天王輪虎を討った千人将がいる朝にいた妹だいつつも バカ戦うなって命令だろ 引退したような奴らを討っていい気になるなっつーの 十日もにらみ合ってるだけじゃ威嚇になんねーだろ 飛信隊の下まで行って矢を射ち込んでくる あんなだからあいつ千人将より上に上がれないんだよ ハッハまーあれはあれで奴のいい所だ 無駄を嫌う我らの宰相がわざわざ俺達をここに送ったのには理由がある 近いうちに素軍と戦うってことね コラァー下りて来い飛信隊 楚軍・千人将はくれい自麗 あれれー!?ここまでコケにされて出て来ないとなると タマがついてねェなこりゃ タマ無しタマ無し女の子 くそっあのガキ調子に乗りやがって ちょっと小便行ってくら あんな分かりやすい挑発に乗る方が愚かです 河了貂が言ってました何でも本当の指示で そこまでバカじゃねェか 俺の一撃を止めやがったしかも後ろ向きで っこのバカが何一人で落っこちてきてんだ ってことはこの落下バカが だったらどうしたてめェが呼んだんだろうが こいつまじかよすんげェバカ やっぱり戦いになってるじゃないかよ 退却の鐘も鳴らし続けろ でも失敗したら翼を止めなかったあんたの責任だぞ こいつ見た目より相当力ありやがる コンコロコーストローン んなことなら愛刀持ってくりゃよかった くっこうなったら仕方ない 全員下へ行って隊長を助けろ ったく何やってんだ信の奴 あれほど出て行くなって釘をさしたのに 項翼退却の鐘がずっと鳴ってる でも深追いはしちゃダメだぞ 挑発しといて逃げんのかよ!楚人ってのは口先だけか!? こっちはそういう命令なんだよふっ殺すぞてめェ つかそっちも同じじゃねェのかよ あいつまだ追って来ますよ 楚の矢はひょれェなオイ うるせェバカにすんな麗の矢だったらお前なんかっ 俺の矢を止めた...? 今奴を殺したら残りの飛信隊千人と闘う羽目になる 何で俺だと分かってて今戦らねえ!? 楚の〝雷轟〟千人将項翼だ んでこいつは最年少中華十弓の千人将白麗 オイその言い方はやめろ それと今は戦らないんじゃなくて戦れないんだよ本当の命令でな ...そっちもそうだって聞いてたけどなァ そういやテンが何か言ってたような... 見ての通り君と我々は同世代だし 案にも我々のような若武者の千人将がいたことをうれしく思う 他にもちらほら名前を聞く ったくなにを余裕かましてやがんだお前らは 言っとくが秦の若武者千人将達はマジで化け物ぞろいだからな てめェら如きは眼中にねェんだよこのボケ野郎共 じゃあ..またなひしんたい飛信隊信 次はぶっ殺すかんなサー 奴らとはまだ本格的な戦いは出来ないんだよ ここで戦火が起これば前線一帯に飛び火してしまう そしたらいよいよ楽は楚と本腰を入れた戦をしなくちゃいけなくなる 楚は超大国だ国土は楚一国で六国を足し合わせたほど広大な国だ 一国で六国と...!?そんなにっ... 正直軍力の規模はどれほどのものなのか想像もできない位だ 何でとっとと攻め入って来ねェんだよ それは広大さが逆に“枷”にもなっているからだ 楚は横に広いせいで秦・韓魏・趙・斉と実に五か国と広く国境をなしている 故に他国への侵攻に慎重にならざるをえないんだ 攻めに出れば他の国に攻めこまれるから とは言ってもいざ始まれば一国を叩き潰す力は常に備えているという話だ 楚軍もさっき言った通り軽率に戦争は起こさないようにしているんだ だけどいつまでたってもそれじゃ楚とは戦えねェじゃねェかよ だからどの国もいきなり楚とまともに戦うことは避けているんだよ 素軍の本営は着々と楚との大戦の設計図も描いて戦略を練っている 山陽の東郡宣言もそれが進んできている証だ 思ったより早く奴らと戦り合ってしまったな 莫邪刀を持った翼の相手じゃないでしょうけどね 強いに決まってるでしょーが ここ咸陽では異変が起きていた 高離家・臨家共に旦不韋陣営へひるがえりました 魚伯氏も中立の立場から丞相側へなびきました 太后との淫行の噂で傾いた日不草陣営であったが、どういうわけかここにきて急激な巻き返しが始まったのである なぜ急に皆が敵陣に.. 有力な協力者達が次々と離れて行っていた 日不韋陣営に目立った動きなどなかったはずだが 一体何が起こっているのだ 政陣営がこの事態の全容を全く把握できなかったのには理由がある 男子禁制の後宮に嫁声という謎の男が出現している しかし閉ざされた城後宮からそのことが外へ漏れ出ることはなかった 李斯様これは一体... 何と千録様も我が陣営にっ 裏で後宮勢力が動いているだと!? すっ全ては丞相様の思惑通りなのです じ順をおって話しますと 丞相様は私に女を悦ばすことに長けた男はおらぬかと尋ねられました それで私は嫁苺という男を紹介したのです。 その男は男根に車輪を遠して回すというほど強靭な...その...まあ.. そうして丞相様は爆毒の髭と眉をそり宦官ということでその男を後宮に送りこんだのです 勿論大后様の快楽のお相手をするためです 丞相様は執拗に...求めてくる太后様に嫌気がさしておいででした 無論ご陣営の弱体化のことも苦慮してのことです そこで何とか太后様を遠ざけることができないかと下された苦肉の策が爆毒です 結果は丞相様の思惑通り!!大后様は完全に煙草の体に狂われました お味方として残った三大宮家が力を発揮して今の陣営攻勢劇へとつながった次第です いやはやしかし三代宮家の力とは恐るべき... 丞相様は晴れて太后様より解放された上に 問題は後宮に寝声という男を送り込んでしまっている事実だ 後宮の禁とは決して軽いものではない 太后との不義があったということではないか... もし明るみに出れば丞相は身を滅ぼす。ことも考えられる このことを他に何人が知っている 丞相の命よりこの件に関わった人間は全て私が暗殺させました 今秘密を知るのは私と李斯様の二人だけです 丞相様が李斯様にだけお伝えしろと その夜、呂不韋陣営の臣の一人が屋敷で暗殺されたが咸陽では大した話題にあがらなかったー 太后はよほどあの男が気に入ったようだな 礼とばかりに三大宮家が勝手に我らの陣営を太らせてくれよるわ しかしやはり後宮の力を取り込んだのは諸刃の剣であったと思われますが 何じゃあ?黙っていたことを怒っておるのか? そんな稚拙な話ではありません これは身から出た錆でもあったからのォ 儂なりに多忙を極めるそちらに気を遣ったつもりだった ここからたまったうっぷん晴らさせてもらうぞ 呂不韋は丞相の席をさらに越え〝相国〟という位についた 相国とは最高位の席であり、これを越えるのはもはや国王だけである 通常この相国とは空席であったが呂不韋は一派の力をふるい自らその席に座ったのである これより永相と呼んではならんぞォ この暴挙を政達は止めることができなかった 呼ばば即刻打ち首じゃワツハッハッ!! せっかくここまできておいて 後宮勢力の力でもはや我々には抗えぬほど呂氏陣営の力は... く...こうなってはまたイチからやり直すしか.. ここで喰らいついて行かねば我々の勝機はまた先延ばしになる 我々にはもはや手立てが... ここは何が何でも奴らの勢力に追随せねばならん ...思ったより遅かったではないか ...しかしずっと送り続けた俺の申し出を無視し続け よくもこんな徽臭い城に三年も閉じ込めてくれたなァ その代わりにこの城に幽閉されている成矯一派全員を自由にしろ それが以前から成嬌が俺に持ちかけてきていた話だ 一派全員を解放するなどっ... 俺はお前を許す気など毛頭ない だがそんなことを言ってられぬ程事態は深刻で急を要する 呂不韋の猛威に喰らいついて行く機は今しかない 俺にお前の力を貸せ成嬌 貴様は黙って俺達を解放すればいい イチイチ頼むな「初めからこれはお互いに感情を抜きにした大人の取り引きだ。 いきなり約束を反故になどはせぬわ安心しろ それ以上に庶民の分際で権力の座にあるあの男の方がさらに我慢ならぬ 俺は純血ではない身でありながら玉座につく嬴政がへドが出るほど許せぬが 王族として王国の秩序を正すのは義務だ あのタヌキを叩き落とすぞ 烈氏・剛氏を始め多数! 大王陣営に寝返りました! はっ背景には大王陣営が王弟成蟻一派と結託したという情報があります。 公族の遠縁にあたる解一族もついに腰を上げてくれるそうだ 弟君一派がここまで力を持っていたとは 鳥固氏・式氏もこちらについたぞ 持っているに決まっている!! あの夜、成婚様と共に解放されたのは 全員が王族・公族の類だ あれは一人一人が闇の人脈の根を持つ超有力者集団なのだから クハハハ早くも勢力図は五分近くまで盛り返したぞ こんなことならもっと早く俺達を解放しとくんだったな バカを言えお前達が未だ力を秘めているのは分かっていた だから固くあの城に封印していたのだ ...しかし陣営が力を増したのはありがたいが、別の見方をすれば成蟻が力をつけたともとれる やはり口約束だけで奴らを解き放ったのは危険だったのではありませんか、大王様... 俺の要求は五分の戦力ではなく呂陣営を上回ることだ 真意の見えぬ連中でも問題ない とにかく十日間より多くこちらの味方につかせるんだ ...???どういうことだ 路場氏死去の後、左表相の席は空いたまま。 呂不韋が相国に上がったことで今丞相の席が二つ空いた いいやしかしそこにはすでに四柱の昌平君と李斯が座ることに.. 正式に決まるのは十日後だ 呂不草が自ら相国となった暴率を逆手にとり 俺達もこの機に〝権力〟を取りに行く お前が俺を援けるために文官へと転じてくれたことが今こそ大きな意味を持つ その場限りでも陣営をさらに太らせよ ...まァ古い大筋の王族を当たれば可能だろうかな しかしこの貸しは高くつくぞ 俺の貸しの方がはるかに大きい 昌平君を右丞相に任命する 昌文君を左丞相に任命するものとする こらえよ李斯お前の時代は必ず来る 昌文君が丞相席についたという事実は、権力争いの観点からして非常に大きい 有力者の取り込み合戦による勢力拡大は朝廷内に〝発言権〟を生んでゆくわけだが ...???~~~.. 丞相という最高峰の官位は、たとえ上に相国がいようとも間違いなく大なり小なり決定権〟を有する ほっはっはやりましたな大王 政陣営は今朝廷内における確かな〝実権〟を手に入れたのである しかしかつての敵と手を組んでは そこで死んだ犠牲者達は浮かばれぬでしょうなァ 道が途中で潰える方が浮かばれぬ こちらは後宮へという毒を飲み そちらは“弟君”という毒を飲んだ どちらの毒が強かったという所ですかな? さてさて勝負の別れ目は 俺とお前のどっちが強いかだ でかくなってきおったな... なっ何でお前がここで寝てんだよ しっしかもしかも... 大体その年でそんなに酒飲むな テンお前も飲めよ!飲めよーコノヤロ! おはよーさんです貂軍師 早いもので飛信隊に来ておよそ三か月 何だかんだでオレはうまくなじめた あおはよーございます貂さん オレは女だけど誰も変なちょっかい出してこないのは 信の身内だからってことらしい オーんだてめェ朝っぱらから るせーお前は小便もっと向こうでやれっつってんだよ 信に似て皆口が悪くてかさつだ この中にいるのはオレは心地がいい っし今日も気合い入れていくぞっ ってどうせ楚とにらみ合いだろ ゴラ河了貂いつまで俺達ぁここで油売ればいいんだ! 伝者だー本当から指令が来たぞー 暗黙の予解か。この地でのにらみ合いは終わり両軍ほぼ同時にそれぞれの持ち場へと戻って行った 飛信隊は本営からの指令を受け東の先端の城東金を目指した この辺りはもう地図には載っていない 素軍にとっては末開の地なんだよ それだけオレ達は東への侵攻の最前線にいるってこと ここ一帯は魏・趙・韓・楚の国境が入り組んでてどこが出て来てもおかしくない くそっ俺らが外側の時にっ... お前がはしっこがいいっつったんだろ中はムサ苦しいって いきなり側面からワーなんて ちょっと待って尾平さん また俺らのやったことのねェ国だな... ...徐って分かるかテン ...な何を言ってんだ? この中華は元々百以上に分かれてて五百年かけて今の七大国に淘汰された でも実は七国に吸収されずに山地の中でか細く残っている小国達が存在してるっていうのは、聞いたことがある ...じゃあこの近くに待って国があるってことか? どんどん殺されて... いっいいのかよこんな勝手にっ だがこれが信殿のいい所でもある せめて子供だけでもって まだ戦ってる!中の砦が生きてるんだ!! ぜってェ母ちゃん助けてやる 応確認しとくが韓とは戦っても問題ねェよなテン 素軍が現れましたっ!! さっさと開けろそこが最後だ だっダメだもうもたないぞ 徐の誇りを最後に見せる 韓人の手にかかって滅ぶよりそちらの方がましじゃ まっまずは子供らを... ...クラクラスのファッションセット!! 河了貂歩兵達が着いたぞ 大丈夫か!?敵の数が詳しく分かってないのに 主力のほとんどを城の中へっ 向こうもこちらの数なんて分かっちゃいない それにあの城の小ささから韓軍は五千以下だ そのまま全隊突撃させろっ 敵も虚を衝かれて混乱している 立て直す間も与えず一気に叩きつぶすんだ!! 調子に来るなよ山猿共がァ あいつが大将かっ... 輪虎戦以来騎馬の戦いが格段に巧くなった!! ...でもこんな大国の国境が入りくんでる場所でよく今まで無事で... この小さい城一つだけで国なのか? 徐が生きのびてこれたのには理由があります 徐は魏・趙・楚三国から庇護を受けているのです そそれってどういう.. この戦乱の世では他国の動静を知ることが何よりも重要であり その情報をもし安全に手に入れる場所があるならばそこは大変、重宝されるのです 情報の流し”をこの国は生業に? この地は険しい山地と樹海に囲われ発見されにくいという特色があります 徐の存在は実は三国でも要人達しか知らず ちなみに徐のような存在は他にもあると聞いています これも弱者なりの戦国を生きる術ですから それらの諜報員達が秘密裏に交流しかけひきを行う場としてここは存在し続けているのです 確かに戦争では情報が何より大事だ 素もちゃんとこういう情報採取の場を持っているのか...? もし持ってないとしたら桑は情報戦では... ーじゃあさっきの韓軍は何だったんだ 三国が混乱するよう情報操作しろと言ってきたのです 我々はあくまで中立の立場故無論断ったのですが... その結果が今の状況というわけです これを持って行って下され 目指されている東金城までの道も記させました 国を救って頂いてこんなお礼しかできないことをお許し下され しかし此度のご恩は我々徐人決して忘れませぬいつの日か必ず... 別に礼なんて期待してなかったし それに地図はありがてェよ 俺ら持ってなかったから 二国に助けを頼みます故...恐らく大丈夫でしょう 今の時代情報は本当に大切ですから ...へへっ情報が徐国の武器〟ってか オレ達がいなくなって大丈夫?また韓が... いろんな戦い方があるんだな ガマンしろ栄誉のキズだ オマエの頑張りが国を救ったんだからよ! ぜったいお兄ちゃんのこと忘れないから すさまじく精巧な地図だこれ どうやら徐に行かず進んでたら魏と趙の駐屯軍に出くわしていたみたいだ 結果的に東金へは早く着くと やっぱり人助けはしとくべきだなァ 長老はこの道に敵はいないって言ってたのに ...いやさすがにムリだ 奥の森にもいるかも知れない 旗を下ろしてるからどこの国が分からないな ...しかし変だな徐の長老はこの道は三国でも幸相の類しか知らないほどの秘密の道だって言ってたのに あのじじィだましやがったのか つか何であんな所であいつら止まってんだ? おほでけぇ馬車が出てきやがった いかにも大将の車って感じたな あの車にも旗がついてねェ まァ姿見せたところで... なっ何だって李牧がこんな所にいるんだよ さっさあこんな国境付近で体何を... えっ李牧って趙の宰相の? 何か怪しいからその目で確かめるそうだ 素趙同盟があるとは言え見つかればどうなるか分からぬ 飛信隊は突撃準備をしておけとのことだ くそっ軍に見つかんねェように迂回した分時間食っちまった でももうこの辺のはずだ テンお前はやっぱりここで待ってろ かすかに人の気配がする ...いやこりゃけっこういるぞ 羌瑰に隠密のコツを聞いといたのが役に立つせ なっ何でお前がここにいるっ すみません顔見知りです 全くあなたという人は... 向こうの兵もいたのか... こんな所でコソコソと...また何か悪巧みか?李牧 さっきのヤロォは何者だ!? あなたには関係ありませんよ とりあえず有事にはならずに済んだようですな ーしてわざわざこんな密談を設けてきた李牧は何と? 想像していたよりも恐ろしい男だぞ 護衛とかいなくなっちまったぞ 本来斬るべき相手の私を前にしても 素趙同盟があるせいで、あなたは私に手出しができない しかし同盟とは実は相手に手を出させないことが目的ではありません 重要なのは同盟の先に何を得るか だったら同盟で得をしたのは俺らだったな 案は山陽っつーでっけー軍事拠点を手に入れたが 趙は燕との戦いで大した土地は取ってねェ 戦いで得るものが土地だけと思っている内はあなたは私に一生勝てなどしませんよ やっぱり何か企んでやがるのかお前っ ...さっきの奴は誰だ 何でわざわざこんな所で会ってた そう聞かれて素直に教えるわけないですよねェ ーでも...知りたいですか? 一騎討ちでもやってみますか あなたが勝ったら、私の悪巧みを教えてあげてもいいですよ 本当に軍師になったんだな しかもあのツリ目の隊の ねェこんな所に何で趙宰相の李牧がいるの? そんなこと言えるワケないだろバカ 李牧様達こっちに行ったって聞いたのに 戦るからにはマジで相手をぶっ殺すつもりでいくぞ 李牧...お前が何でこんなふざけたマネしかけてくんのか知らねェが 私の悪巧みそのものをつぶすことができますよ ...ジャマが入ったぞ しっ信が吹き飛ばされた!? 軍師の李牧に何でっ... 李牧様がただの軍師と思ってるのは、お前らの勝手な認識だ 何だあの腕の筋肉... あの多くの古傷は... 威陽の王宮で初めてお前を見た時そんな気がした ぜってェこいつは場数を踏んだ武将の類だってな ただ策だけのヒョロイ男があの王騎将軍を討てるわけもねェしなァ 知略と武勇を兼ね備えた化け物だ ...ひょっとしてそれを知るために一騎討ちにのったと? こんな所でお前を殺せるか お前は俺が正面から越えなきゃなんねェ壁だからな あなたも成長しているのですね あの輪虎を討ったというのも伊達ではなさそうです 信達解放されるみたいだぞ 趙宰相が自らこんな所で密会してたってことは相手もどこかの宰相って考えるのがふつうだ そして案にとって最悪なのはそれが楚〟の宰相で 密会内容が“楚趙同盟〟に関するものだった場合だ 最悪を想定するのは軍師として正しいですよ河了貂 さすが飛信隊の頭脳を担うだけはあります 信にも言いましたが、重要なのは同盟自体ではなくその目的と、結果、です なっ一体どういうっ... 私が今この場で与えられる警告は 戦歴を重ねてきているあなた達でも実際のところーー 戦争の本当の恐ろしさは分かっていないということです なめやがって面白ェじゃねェか お前が秦にどんな策をしかけてこようが 俺らは正面からぶっ飛ばしてやっからな!! 居場所がなくなったらいつでも私を頼って来い ...楚趙同盟などと... 聞くだけでゾッとしますね 利害の入り組む同盟がそう簡単に成立するとは考えにくいが... しかし念のため本営に連絡を もし楚趙同盟があるとしたら案も何か大胆な手をうたなくちゃならない 例えば魏と手を組むとか 今日の李牧は何か変だった 私を殺せば悪巧みもろともつぶせますよ 李牧はもっととんでもねェことをやろうとしてる気がする 超・学校学相が到着されましたァ ...???!?...?? 秦・東の前線基地東金城 こっちから趙は見えないぞ うっせーな分かってるよ 趙にも楚にも変わった動きはないな お前が李牧の密会を目撃したと言ってからもうすぐ一か月 だからこの一月裁軍と戦いながらも楚・趙の軍の動きも探ってんだろ 俺らが気づかねェ所で何か企んでやがんだよ絶対 俺は最近妙に静かな裁軍の方が気になるけどね ところで蒙恬さっきからそれは何だ? これをお前と飲もうと思って 殺伐とした前線でもお祝いごとにはあやからないとね 王賁が“二千将”に昇格したんだと ほっ本当かそれはア!? つーか何でそれを俺が祝わなくちゃなんねーんだよ 違う違う本当のお祝いはこっちが本命 何でも成陽で...おめでたなんだってさ 中華に不穏な空気が漂っている中 国内の権勢争いにも揺れているこの咸陽において、 まといつく闇をふり払うような温かい〝慶事〟が起きた 向が政の子を身籠ったのである ひどいよ向ちゃんそんなことぜんぜんっ... 一体いつの間にっいつからそんなっ... そんな...いつからってい一回だけだよ... こ...この前の伽で... ほっ本当によかった... ふえーん陽ちゃんありがとー おめでとうございます大王様!! 実はこの後もう一人の宮女が先に懐妊していたことが発覚するのだが、 向にはそれはどうでもよかった 政の子を腹に宿したことが向はただただうれしかったのである 政に子供ができたァ!? ああ信じられねェだろ? つかあのヤロォあんなスカした顔してちゃんとやるこたやってたんだって話じゃねェか こっちゃ毎日生きるか死ぬかの戦争やってんのによォ 政にとっては子作りは重大な仕事なんだから そんな仕事があるかーくそー いやまーそれはいいだろ 家族が増えるみたいで何かすっげェうれしいや... 別にお前の家族が増えるんじゃねェだろ そりゃそうなんだけどさー まァ何となく分かるけどな 意外と相手はあの人だったりして 後宮にゃ二千から美女がいんだろ あそう言えばオレ達って一人だけ宮女知ってるよね あーーー政が羌痍らに襲われた時にいた 東の山中に敵軍が出たそうだ 誠に負けじと俺らもいっちょハデにやるぞォ 敵軍じゃなくて素軍だったァ!? ざけんな何でそんなバカな間違いが起きんだよ この辺の友軍とは違う軍で... 軍長らも東金に配属に? 我々はそれは超・楚・魏一帯を探っていたのだ 殿は素軍本営とは別の独自の情報網を持っておられた そしてそれはそのまま騰様が引き継いでいる 趙を中心に何か不穏な動きがあるのは察知してはいるが 探りを入れてもどうもはっきりせぬ 小僧貴様が李牧と遭遇した事も知っている 臆様は王騎を失った馬場以上の嵐が起きようとしていると、言っている 馬陽以上の嵐...!? 南虎塁延々と連なる防衛壁素が楚との国境に築いた これは正に素の楚軍に対する〝恐怖〟の現れである しかしこう構えられると楚軍も安易に手を出すわけにはいかない 越えれば即大戦となる南虎室に楚軍は絶対に近づかないのである その安全神話は突然叩き壊された! 窓が攻めて来たぞォォ!! この年の大戦は素国奥深くで行われるのである あって敵陽の部分があったって ボーさん「えっあのねかくはいいちかっちゃん ●写真撮って「誰かそ?」 ●「官女友さん「全く祝呼に 入ってませんででくれ!! 色気のいいの字もなんだ向けちゃんがいけることにはな!!向ちゃんがいご懐任!!千里は ねーねー向ちゃんところでさー 『陽ちゃん向ちやんーアダルト編〜 ふっちゃけあれってどうだった???? 勝手な妄想をする陽であった んスタッフ第原松原”か鈴木〈衆田近原加藤木箱石泰ク金上大佑 この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。 本作品の内容あるいいはデータを、全部・一部にかかわらず無断で複製、改竄、公衆送信(インターネット上への掲載無用で複数、以上、公衆送信を含む)することは、法律で禁じない日々はします。フターネット上への掲載られています。また、個人的な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなどの著作権保護技術を解除して行うこととはできません。