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YOUNGJUMPCOMCS

●陥落の危機

28:

原泰久

SHUEISHA

2006年

●陥落の危機

原泰

★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。

KINO

原素ク

キングダム

ニナへ

第35話「新たな姿」

第36話第二軍動くー

第27話戦象の意味ー

第38話、窮地の大抜擢ー

第39話「新たな攻略手」

第30話略落の危機

第301話敵の海原

第30話「戻らぬ覚悟ー

第38話「武将の矜持」

第301話、信の閃き!

三十五

第30話「王義の動き」

百十七

十九

四十六十七十十

[百三十五

ナニ六十一七十九

[百五十三

百七十一

ー百八十九

★この作品はフィクションです。

実在の人物・団体・事件などには、いっきい関係ありません。

そういうことでは、そういうことですが、そういうわけではそういうことですから、

・前巻までのあらすじ

時は紀元前。500年の大戦争時に代にある中華西方の国家。奴隷同然の生活を送る少年信

と漂は武功で名を上げ、大将軍としして世に名を馳せるべく日夜剣術の修業に励んでいた。

そんなある日、漂は、国王・嬴政の影武者として王宮へ召し抱えられる。しかし、異母弟・成蠣

によるクーデターが勃発。漂は刺客の手に掛かり殺されてしまう。漂を身代わりにした嬴政に

憤りを感じる信だったが、漂の遺志に応えるため嬴政と行動を共にし、反乱を鎮圧する。そし

て改めて、信は大将軍へ、成り上がり、嬴政は中華統一を果たすという夢を実現することを心に

誓ったのだった。

その後、素軍に従事した信は趙迎撃戦、魏攻略戦などの功を認められ、正式に千人将へと

昇格する。さらに、信率いいる飛信隊は右腕であった羌痴が離脱するも軍師河了貂が加わり、よ

り強い軍へと成長する。一方の高政は、素国内で相国へと登りつめた呂不富に対抗し、昌文君

を左丞相に就任させることとに成功。朝廷内における確かな実権を手にいれる。

そんな中、秦国に楚趙魏韓燕が合従軍を組み大侵攻、かつてない大戦が始まる...決戦

初日、楚軍と激突した蒙武;騰連合軍の騰は楚軍第一将軍・臨武君の首級を挙げ、熊公軍に配

属された飛信隊は因縁の超車と死闘を繰り広げ、長平の生き残りである将軍・万極を討ち取り

そういうことですから、これからのそういうことですが、これからのそういうことですから、これからの

十五日目

である

るという大戦果を挙げた!しかし、二日目以降、素軍は、楚

軍の戦の天才"蜘燐の遅滞策の前に十日間の消耗戦を余

儀なくされ、函谷関の豪将張唐も韓軍総大将"成恢から謎

の毒兵器による攻撃を受ける。

そして運命の十五日目。満を持して合従軍による全軍全

力の総攻撃が開始される。正面では秦軍主力の豪武がつ

いに発軍と激突し、函谷関では元野盗頭"桓騎が魏軍゙韓

軍を迎撃、そして王騎の砦には燕軍が押し寄せる!素軍の

一番長い日がとうとう始まった...!

出撃!

全軍

出撃!

函谷関を落とす

作戦ですよ

素軍千人部隊|飛信隊隊

そういうわけではそうだね。それは、それでも、これは

嬴政

回回回、素軍ーしんぐん!そういうことですから、それはそういうことですから、そういうことですから、

河了貂かようで。

山の民で信の元

同居人。飛信隊の

軍師となる。

天下の大将軍を目指す。黍軍特殊部隊・飛

信隊の隊長。千人将として熊公軍に配属さ

れる

羌癪まょうか

暗殺集団・蚩尤の

未裔。同胞の仇を

追う為、現在は飛

信隊を一時離脱

素国の若き王。中華の統一を目指す。

王賁ぉぅほん

玉鳳隊を率いる

二千将として、豪

武・勝の連合軍に

配属される。王鞍

の息子。

玉鳳隊

蒙恬もうてん

楽華隊を率いる

千人将として、豪

武・謄の連合軍に

配属される。豪武

の息子

そういうわけですね。そうだったんだよ。そういうことではそういうことですね。

がくかたい

楽華隊

それではなんですが、

廉公ひょうこう

豪驚もごう

王翦ぉぅせん

う、化物と評される強さを

と、誇る。燕軍を迎え撃つ

恒時から

素軍の将軍

...本能で戦う武将。四万

その兵を率いいて趙軍と相

対する。

王騎ぉっと

委国六大将軍の一人

趙国討伐戦で命を落と

す。信に矛を託す

素国を代表する老将軍

張店・桓騎と共に函谷

関を守る

豪武...

を...勝との>連合軍で楚軍と

戦う。

なんか大将軍・王騎の副官。絶大な武力を誇る猛将

精鋭揃しの元王騎軍を

率いる

勝とっ

元は冷徹な大野盗団の

首領。西谷関に配置さ

れる。

張唐ちょうどう

それはそうだったのですが、そういうことですから、

奏国が誇る豪将。函谷

関で魏軍・韓軍と対峙

する。

東軍

成恢せいかい

韓軍の総大将を務め

る。毒兵器部隊を率

い函谷関を猛攻

呉鳳明ごはうが

魏軍

競軍の総大将を務め

る。知呼答にご喜んだ将軍

李牧ㇼほく

譜の宰相を務める。合従軍を興

した張本人。

越軍

合従軍ーかっしょうん!

燕軍

オルド

燕軍の総大将を務め

る。王類と対戦する

蝸燐かん

汗明かんめい

ジ千明月かんめい

超大国・池の宰相を務め、第一発、の巨人。楚軍、楚軍第二軍の浮。じゃぁ...

る。合従軍の総大将。の総大将を務める。戦の天才と呼ばれる。

そういえば、そうですね。そんなことにしては、それはそうだった。そういうわけでは

春申君じゃんくん

楚軍

うん...

突撃開始

左からだ

いっ

行くぞォ

オオオ

第255話新たな姿。

まっ・まさか

私の所から

始まるとはっ..

オオ

しっ、しかも

だった三千で...

六万の汗明軍に

突撃をっ...

落ちつけっ

隊長の私が

落ちつかねばっ...

どっどう戦う!?

何も聞いて

いないぞっ...

「まっまずは

スハー

スハー

どう突入するかだ

敵の動きを冷静に

矢が来たっ!

然力

そして前列は

槍の構え

つまり敵はと

足を止めた

迎撃!

壁様

後ろへっ

がっ

ぐああ

うオオオ

ぐはっ

ならばこちらは

力の限り突進

あるのみ!!

騎兵の

士気は高い

ひるむなァ

オオ

歩兵は!?

この速さに

ついて来れ...

すぐ後ろに

来ている!!

さっきの将軍の

檄で歩兵の士気も

最高潮のままだ!

必要ない

来るぞォ

オオオ

小細工は

必要ないッ

ウオオ

せやァ

ここは腕力で

押し切る!!

オオオ

殺せェ

ぐはァ

ぶァア

ぐは

ぬん

かっ

ぶばっ

ぶァい

ギッ

矛の切れ

'良し

奴が

隊長だァ

殺せェェ

だがこれは

習得して日の浅い

予術の力だけではない

そうむ』最高に良いの

ギア

兵達同様に

私自身も

蒙武の檄に

乗せられているのだ!

フアア

乗せられたまま

暴れてやるぞ!

皆の者

続けェェ

汗明本陣

単純な突撃に

苦戦しおって

うばっ

オオオ

いや

敵がよく

戦っているよ

何を遊んどるのかの

右軍は

蒙武の檄の

勢いのままに

戦うだけで十分

しばらく奴らは

手がつけられぬ

だろう

たかが三千で

何とする?

しかも

あんな

端で

かんめり

第一項目の

汗明軍

仁凹

軍師

たしかに

意図をくみ取り

かねる

子明軍`星師兼将裏

別陸言で

とかく

猪突猛進と伝わる

あの豪武がくり出したと

なるとなおさらに

この兵力差

何か工夫を

せねばと

考えたのなら

不器用は

不器用に

戦うのが一番強い

この場合は蒙武自ら

先陣を切る

全軍突撃だ

それは

大きな

誤りだ

出来もせぬ奇策に

走ってはもはや

蒙武ではない

そこすら見失う

愚か者であったか

わざわざ楚軍に

ぶつけてきた将軍とは

いかなる者かと

楽しみにしておったが

あの様子では

期待にそえませんなァ

汗明様

ゲキはよかったが

フッ

フッ

フッ

...

...

......

...

たっ隊長

まだですかっ

...

左軍だけ

奮戦してるっ

俺達も早くっ

隊長ォ

まっ

まだだっ

まだ将軍の命令は

かかっておらぬ

東武田

汗明軍

なぜ動かんのだ

蒙武...

これでは

あの左軍は何の

意味も持たぬぞ

あの男。変わったと

聞いていたが

バカに拍車が

かかったか?

高まった士気のままに

戦うのではないのか

...

録嗚末

何をやってんの

父上..

え...?

...

いやまさか

がっ

どりゃア

ぬぎっ

このォ

壁様っ

大丈夫だ

そっそれにしても

変ではありませんか?

一向に後続か

来ないっ...

いくら何でも

我々だけでは

やれることに

限度があるぞ

ギアア

オラァ

ぐはァ

まっまさか

将軍は我々で

様子見をはかった

だけでは...

......

ぐっ...

豪武は誰よりも

勝ちにこだわる

男だ

俺は

信じるぞ

自軍の将を

信じれんで

どうする

我らの

将を

壁様...

目障りだ

右に五千を送り

入って来た敵を

皆殺しにしろ

ああっ

見ろっ

左軍の方に

向かって砂煙がっ...

ああっ

左軍が

...

敵は左に

援軍を送ったと

思われます

「オオオォ

まっまだ

動かんのか

このままじゃ

最初の左軍は

犬死にだぞ

まずいな

まさか本当に

ただの思いつき...

......

オオオ

よし

左から順次

突撃だ!!

っ...

お任せ

あれェェ!!

突撃

だァ!!

オオオォ

ウオオ

動いたっ

動いたぞっ

やっと来おったか

......

オオオ

ん?

むむ?ちょっと待て

何だこの突撃の

形状は

...これはっ...

斜陣がけ

だ!!

斜陣がけ”!?

間違いない

斜陣がけ...

しっしかし

あれはたしか

一際高度な...

...

ああ、しかもこの規模の

戦いで斜陣がけなんて

一級の戦術家からでも

出てこないぞ

正気か

あの男

...

......?

この楚軍に

...

戦術勝負に

出るつもりか?

第296話が第二車動く

ウラァっ

死ねェア

ぐぼっ

ぎあっ

ぶっ

くあァ

「斜陣がけ」を受けると

横陣の中に斜めに

力が伝播してゆく

斜陣

キングダムの

人を斜めに三歩動かせ

次の者が二歩動き

二人同時に次に当たれば

四歩動かす

横陣

うおっ

何だ

その動きが波のように

伝わってゆき陣には

小さな乱れが生じる

だがたとえ小さくとも

陣の乱れは

兵の集中力の乱れ

はっ

そこへ正面から

敵が突撃してくる

しかもこれまた

斜めの形で

次の波を作る

様陣内に伝わる波を

途絶えさせず

順次突撃してゆけば

「斜陣がけ」は

大きな成果を生む

ぐわあ

ウラァ

ぐはあっ

ぶっ

ーとたしか

理屈はこんなんだけど

実際は机上の空論と

言われてきた

波を伝え続けるなんて

できっこないってね

しっしかし

ここから見たところ

家武様の純粋は

大いに成功している

ように見えますが...

...し

失礼ですが

本当にあれは

藪武様ですか?

ハハじィ

本当に失礼

ーーしかし

確かに驚きだ

ス...スミスセ・

本来策を謀ることを

嫌っていた父が

突然戦術に走ったかと

思えば

出てきたものは

いきなり高等戦術

陣営に真新しい

軍師が入ったという

様子もないのに...

王騎の死後

変わったとは弟から

聞いていたが

将軍右端の

来輝様が

出ます!

これは

いくら何でも

変わりすぎだよ

頼んだぞ

お任せ

あれ!!

行くぞォ

オオ

ビキィ

我々が大軍であることが

裏目に出たな

ビキィ

汗明本陣

左様

[貿満]

この平地に収まりきらず

少々密な横陣に

なっておった

故に斜陣の波が

伝わり易かったと

もしそれを

見越しての

この攻撃だとしたら

ごうましよ

剛摩諸

なめてかかると

火傷をするぞ

汗明様

左に予備軍を

五千お送り下さい

あれが練り込まれた斜陣なら、

最後に来る軍が最も強く

横陣の端を粉砕して

裏を狙います

貴様ら敵の策に

少々浮かれすぎだ

!?

多少面喰らったが

要は蒙武軍が半数の二万を

江明軍六万にぶつけてきた

だけのこと

事は単純也

主攻が端にあるという

奇策ならば

貝満の進言通り

五千の増援で終わりだ

おっしゃる

通りです!

後はまんまと懐に

飛び込んできた敵を

踏み潰すのみ

獣と化せ

汗明の兵達よ

汗明の

兵達よ

乱戦は

貴様らの

望む所だ

楚人の恐ろしさを

叩き込んで

やれィ

......

昼までに

家武の半身を

食らい尽くして

やるがいい

ウォオオオ

賁様

ドドオオォォ

隣の戦場

汗明の機で

楚軍にも火がっ...

ああ

ーーだか

仕掛けたのは

蒙武だ

この展開を

望んでな

とにかく

入りからこれでは

隣はすきまじい量の

血が流れるぞ

望んで...

......

......

父上...

フン

男くっせ

あーくっせ

蝸燐様ァ

おっせェん

だよ

あれの準備が

整いましたァ

うはァ

バミュウ

ぽはァ

しかし

さっさと

始めろ

ぶほォ

ようやく第二軍の

戦いが始まります

なァ

うはァ

戦ってのは始め方が

大事なんだよ

はうっ

私の場合は

ひとそえの

〝かわいらしさ〟だ

そこでその将が

何を大切に

しているかが

分かる

“華やかさ«と。恐怖»

そして

えええぞ

将軍

娘樹軍が

動いて来ました

録鳴末と千央を

前へ出せ

戦車隊か...

...む...

戦車隊!

戦車隊だァ

......?

蝸竣軍の

第一陣は

戦車か?

妙だ...

砂煙の量と

戦車の数が

合っていない..

ニヒィ

始めろォ!!!

あああ

来たっ

行くぞォ

オオオ

何だあの

砂煙の量は...

真横にそれた!?

!?

将軍

すごい砂煙がっ

何だ!?

...

煙起こし!!

煙幕か...!!

馬脚を

ゆるめろ

しかし

何のために...

ん?

演出だよ

何だ!?

ワッ!!

...?

ん!?

ビッ

なっ!?

バオッ

何だ

こいつはァ!?

ビヒィ

なっ何だあの

化物はつ!?

.....

ビヒィ

たしか

あれは南方の...

戦象さん

だよ

目がかわいい

がっ

第237話・戦象の意味

ひっ

ひっ

ゴリュ

うあ

ヒィ

おっ

ドッ

第27話・戦象の意味

ドゥ

なっ刃がっ...

が!?

固いっ

...

ダメだ馬が

前に行かぬ

くそォっ

何なんだ

あの化物はァ

ろっ...

録嗚未様...

あの獣

槍が通らぬ

のか!?

そうですか?それですよ

......?

...

...なっ

...そ

楚には

あのような

獣がいるの

ですか...

楚ではなく

もっと南方の

生き物だ

たしか

象という

全身が甲冑の如き

ぶ厚い皮で覆われ

刀剣では致命傷に

届かぬ

気性も荒く戦用に

人を襲うよう

訓練された象だ

...

一度退げるか

援軍を送るか

どちらか必要では

録嗚未軍・千央軍

共に混乱して

おります

......いや

どちらも

必要ない

獣ごときに

遅れをとる

二人ではない

ひるむなァ

敵は

ただバカでかい

だけだ

馬の関には

ついて来れぬ

騎兵百

奴らの後ろに回り

背を討て

弓兵を固めろ

一斉射撃だ

ハハッ

ぐっ軍長っ

何だっ

そっ

側面をついてくる

敵がいます

何ィ!?

バオオッ

とっ

止めろォ

獣が隊としての

動きを!?

右からもだ

こいつらには

指揮系統が

あるのか!?

ん!?

りるさん...

こっちから

ひッぱぅへぇ

マッチン

あいつが将か

貸せっ

騎兵十

眉を持って

俺に続けっ

ハハッ

バイ

ごはっ

ネッグブ

えっ!?

ごじゃ

...

見えたぞ

奴が親玉だ

狙いは

あの男一人だ

一発で

仕留めるぞ

オオオ

ごめんなさい

!?

しまった

こんな

初歩的な

仕掛けにっ

録嗚未様ァァっ!!

はいはいっすごい

あっ

全弓兵

一斉掃射だ

獣など

どうでもよい

上の敵兵を

一人残らず

始末しろ

オオ

干央

やっか。

ブブー

...

退いた...

退いたぞ...

うオオ

あの化物達を

退却させたぞォ

オオオ

録嗚未;干央

両軍共に敵を退却

させた模様です

いいぞォ

よォし!楚軍は

派手な手が

裏目に出たな!

破った分、我らの

士気が高まった

いや

今のは軽すぎる

...

戦は

人を魅了して、

なんほだろ?

そういう意味では

戦象さん達は

いい仕事をした

その大きさ

もの珍しさに

敵ははしゃぎに

はしゃいだからな

だが

戦場でそれは

とても恐ろしい

ことだ

何か...変だ

へ?

敵影...?

...そんな所に

敵がいたか...?

なぜなら

おっかない奴はど

あんな所に

敵が...?

いやさっきまで

あれは居なかったぞ

んっ

一緒にはしゃいどいて

気付かれないうちに

首に手を回す

えあっ

何だ

あの軍

いたか?

つまりは

華やかな最初の

演目が風に

消えた時ー

ほぼ詰みの

布陣が姿を

現すってわけさ

何ィ...

なっ...

こ...これは

!!

そ...

そんな...

ああ

.....

チッ

では先程の

巨大な獣の

部隊は...

ただの...

目くらましだ!

さァてこっちは

どこからでも

攻め放題と

気をつけろよォ?

案将勝

ニィ

各方面の敵の

数と兵種を

報告させよ

ハハ

ここから畳み込まれる中で

一つでも対処を誤れば、

お前ら昼のお日様は

拝めないぜェ?

......

第298話地の大抜種

...!???!?...??

......

ぐっ

突撃だァ

柔将膝を

討てェ

オオオ

来たっ!

左前方より

敵軍来ます

錘形にて

およそ

三千から四千

将軍

バチ

第238話第地の大抜擢

行くぞォ

オオオ

降国軍

騰は敵の斜めの攻撃に

向かって布陣を作った

陸国を中央軍として

両翼を置き

本陣をつり鐘状に囲い

中に予備隊を隠した

ちょ...

すでに包囲されつつある

戦況の中、各方位に

意識が配られた

固い守備の陣形である

......

しかしこの軍配備には

一つだけ

大きく欠落するものが

あった

ちょっとお待ち下さい

膳様...

今いる軍全てで

その布陣を作っては...

先に出た録嗚末・千央軍を

救いに行く軍が

ありません

両軍共、敵の包囲を

受けています

至急応援に行かねば

みすみす見殺しにっ...

...ファックス?

しょ...

将軍..

援軍は送らぬ

この劣勢配置の中、

もはや

全ては救えぬ

今は二軍を

見殺しにしてでも

本陣の崩壊を防ぐ刻だ。

敵軍前に援軍を

送る気配はありません

...

初動としては

悪くないんじゃねェの?

キングダムの

へー

二軍を

見捨てたか

秦将騰

んじゃまー

そこは遠慮なく

ぐっしゃりと...

握り潰させて

もらうとして

ぐっ

前方の敵軍へ

包囲攻撃

始めろォ

ハハッ

さーて

本番は

これから

すー

四方八方からの

絶え間ない私の攻めに

どこまで

耐えられるかなァ?

うはァ

はね返せ

我ら中央軍が

力を示すぞォ

隆国軍

誓戦中

敵の第一波を

受け止めています

他の布陣も

整いましたァ

隆国

オオオォ

よォし

敵の包囲も

せばまって来てる

ドン

そろそろ

来るぞっ

右翼を

もっと広げろォ

まだ弱い

...

左翼右翼

両軍の指揮権を

入れ替えるぞ

はっ!?

!?

両軍の

指揮権を...

いっ今から

ですか!?

替える!?

一体誰に...!?

左軍五千の将に

玉鳳隊王賁を

右軍五千の将に

楽華隊豪恬を

任命する

なっ...

......

何ですとォ!?

......

承った!

敵が動き出し

ました

右翼に突っ込んで

来ます

左翼も

です

だっ大丈夫

ですか!?

あの二人でっ...

オオオ

いっいや二隊の

実績は知っていますが

しかしっ...

この場を任すには

若すぎたの

では!?

年は関係ない

右翼、家恬車

中央

左翼王賁軍

オオ

押し戻せェ

横陣を崩すなァ

うろたえるなァ

まだ大した

数ではないぞォ

騎馬隊の準備

整いました

陸仙

大抜擢ですが

この状況...

少々軽く引き受け

すぎましたか

いや

そんな

ことはない

客観的に見て今

この戦況下で戦えるのは

騰軍内では

俺と王賁くらいだ

じィ

悪いがここは

任せた

危うくなったら

すぐに旗で

知らせろ

はっ

ハハ!

......

このじィ

命にかえて

この陣を死守

いたしまする

無茶は

よせよ

俺の子を

抱くまでは

死ねないんだろ

作戦通りだ

ここを守る

歩兵が

主力だが

命運を握るのは

我ら騎馬隊であること

忘れるな

ォオオオ

行くぞォ

オオオ

...!!

蒙恬様...

大きくなられ

ましたなァ

どうか

天よ

しかし

あなたは

もっと...

もっと大きくなると

お方

あのお方を

お守り下され...

しくじるなよ

陸仙

オオ

なっ

騎馬隊が

出て来たぞ

三隊...

四隊だっ

こっちを

狙うのか!?

右翼から

騎馬隊が

出撃したっ

なっ!?討って

出たのか!?

左翼も

騎馬が

出ましたっ

んっ

絶対に足を

止めるな

止まればすぐに

敵の刃に捕えられる

なっ何っ!?

陣の外は

敵包囲の中だ

続けエ

したがって

敵と正面から

ぶつかることは

絶対に避ける

なっ何!?

騎馬隊が攻撃を

しかけるのは...

!?

歩兵の陣を攻めている

敵の背中だ

へ!?

ぎあ

うがぁっ

!?

ぷほォっ

ごはっ

ぐがァっ

なっ!?

右翼騎馬隊

攻め入る敵の

背後に突入

しました

あっ!

こっちもだ

左翼の騎馬隊も

敵の背後に

突撃したっ!!

げふっ

よし十分だ

離脱するぞ

オオ!!

黒金

入りすぎだ

ハハッ

ハッ

背を討たれただけで

敵の士気は大いに

低下する

五太刀も浴びせれば

十分だ

出るぞ

...ファックス?

右翼騎馬隊

敵の背後から

離れます

蒙恬様

あそこに

安全地帯が

...

オオ

蒙恬様はいつも

三・四手先まで

考えながら

走っておられる

こっちもだ...

クッもっと

やれただろ

騎馬が動き続けれるよう

敵の配置を全て頭に

入れながら移動する

ダメだ

あっちは二度目の

突撃の後

行き場を失う

ブハハ

甘いぞう?

高目

えっ

...

そして

味方が劣勢にある場所の

敵の背を再び討つ

ぐは

!!てっ

敵がひるんだぞ

!?

あの

騎馬隊の

おかげた

うお

ウオオ

今だ

押し返せェ

ぐぎああ

ヌオオオ

ぐは

助かった!

敵はこちらに

息をつかせぬように

各所を矢継ぎ早に

攻め続けて崩壊

させる気だ

だが騎馬が

動き続け

背を討つ援護を

止めなければ

歩兵は

思をつける

行ける

よし

よし

オオ

大分

押し戻したぞ

ギャア

呼吸じ続けさえすれば

この陣はそう簡単には

崩れない!!

離脱するぞ

オオ

また

離れた

こっちもだ

えっ!?

ハハ黒金のヤツ

物足りぬと

ぼやいております

騎馬隊こそが

この戦いの

生命線だ!

どどういうことだ

両翼の騎馬隊...

同じ

動きを...

バカを言え

これは

長期戦になる

一騎の損失も

軽く考えるな

二人が話し合う

授会など

無かったのに?

臆本陣が驚く通り

蒙恬と王賁は

左右の戦場で

鏡合わせのように

同じ戦い方をしていた

無論一人は

しめし合わせた

わけではない

そして奇しくも

重なり合った

この戦術はここで

大きな成果を生む

行くぞォ

蒙恬

王賁

両翼における

この若き二将の出現で

蝸燐と騰の戦場は

思わぬ接戦へと

流れ込んでゆくのである

私が抜擢

しました

コココヨ

...

第299話

話「新たな攻略手

函谷関

キングダムの

隊長

敵弓隊の数が

さらに増加をっ

昨日までの

比ではない

がっ

ギャ

隊に甚大な

被害がっ

あわてるな

ギャ

兵の補充は

いくらでもいる

敵の梯子も

変わらず

半分までだ

ごはっ

ぶお

ふあ

うっ射ち返せェ

問題ない

弓で函谷関は

落とせはせぬ!!

ん?

きょっ...

巨大な弩がっ...!?

この前の

韓軍のものの

倍はあるぞっ

......

数もすごい

張唐軍

桓騎軍の前にも

同じものが

床弩車隊:::

床弩とは

大型化した響を

台車に固定して

矢を放つ投擲兵器

である

キングダムの

「墨子」によれば、

春秋時代に開発

されたとあるが

制作は困難で

実戦に登場した記述は

ほとんどない

そしてこの時代のものは

およそ2メートルの

矢(ほぼ槍)を撃つと

される床弩だが

目の前に現れたものは

実に4メートルにも及ぶ

矢が装填されていた

つくづく魏軍は

規格外のものを

出して来よる:

......

射程に

入ったぞ

全隊停止だァ

敵の弓から

床弩を

守れ

発射準備

だァ

まずい

射たれるぞっ

やっ槍の

大きさだぞ

あんなもの

この盾じゃ

防げんっ

ハッタリだ

矢を大きくした

ところで大差はない

頭を下げておれば

問題ないぞ

いや、何かある!

鳳明様

......

隊長

お頭っ...

まァ見てろ

始めろ

射てェ

ってェ

オオ

バギャ

バギャ

バギャ

来っ

ひイっ

どわっ

ひっ

ぶあっ

ひィ

ビリ

ビリ

ビリ

ぐっ

うおっ

......?

...

見ろっ

.....

.....

...ん?

被害か...

ない..

すすげェ

威力だ

だが外せば

意味がねェ

周りもどこも

やられていない

奴ら外し

やがったんだ

っしゃあ

うおっ!!

刺さってる

ワハハ

ん?

しかし

さっきの

最初はっ...

槍が壁に

突き刺さってるぞ

何ィ!?

槍に網が...?

......

!!

よォし

登れェェ

網を渡して

登り口を

増やせ

オオオ

行けェ

なっ

緊急事態

敵が皆につながれた

網を登って来ています

キングダムの

......?

なっ何っ!?

まずい

射ち落とせっ

石だっ

石を持ってっ

のっ...

がはっ

援護だ

前面に

集中

顔を出す

敵を皆殺しに

しろ

第二射

装填

急げェ

オォ

あの巨大さは

この函谷関に

ギッ

キギギギ

杭を打ち込むため:

何という男じゃ、魏将!呉鳳明

オギコにもっ

オギコにも

何が起きてるのか

見せてっ

ドン

わァ~~

ドン

石を落として

突き刺さってる

槍を外せっ

油まいて

焼き払うのは!?

威陽から補充

きてたろ

頭っ

危ないって!

ダメだ

あれは対

井関車用だ

それより

あの琴の化物を

火矢で

千人将とてどう

第二射が来るぞっ

くそっ

また敵の登り口が

増えっぞ

お頭

やばくねェスか

あのでけェの

次々射たれちゃ

そこら中から

登ってきやすぜ

しっかり

二回も横かけられてん

じゃんかよ

ククなアにが

「函谷関は一度も」

だよ

ククク

笑ってる

場合じゃ

お頭...

巨大井関車に

巨大床弩

おまえに造れるか

李牧

......?

両方無理

ですね

フッ

色んな天才が

いるものだな

天下には

楚に連れて

帰るか

ご冗談を

ーしかし

今回の橋は同時に

三軍全ての所に

かかろうとしています

そして

あの床弩の耐久力にも

よりますがもしさらに

何度も射てるとしたら、

延々と橋は増え続ける

守る側にとっては

最悪の攻め方です

これが決戦のために

とっておいた鳳明の

必殺の手でしょう

ゴゴコ

フッ

あれも同時に

使うか

鳳明の奴...

勝負に出たな

ドン

鳳明様井蘭車来ました

来ました

どこへ

向かわせますか!?

道を

開けろォ

ドン

オオ

ドン

ドミ

進めっ

......

キングダムの

決まっている

だろうが

ぐあっ

ウオオ

上がら

せるなァ

くそっ

上手く

当たんねェ

死角で見えん

むっ...

でっけェ石

もってこい

あの槍

ビクとも

しねェぞ

敵の矢の雨が

ひでェ

こっちも

射ち返せよ

ギャア

...

なっ何だ

中央の軍っ

もう登られた

のか!?

早くも

張唐軍の持ち場が...

来たぞ

弓兵

下がれ

早すぎ

だろう!!

早いに

決まっている

韓軍総大将

成恢

指揮の中心部が

倒れれば

その軍は弱い

俺の調合した

「轟丹丸」は

八日程で

血を吹かせて

人を殺す

そして今日がその八日目」

張唐の本宮に死の帷が

下りる頃だ

つ...??

ゴホォッ

張唐様ァ

飛里様

死亡です

なっ

くそっ...

これで五人もの

参謀がっ...

貴様らも

離れよ

これは伝染る

やも知れぬ

将軍

将軍そのお体では

指揮は無理です

参謀達も失い

実質本当は

崩壊しています

二射目で

さらに敵がァ

おのれ韓軍め

あれは今日のために

喰らわされた

毒であったか

今の

この戦況...

左の蒙驚将軍に

援けを願うべきでは

ないでしょうか

将軍

将軍

ならん

白老の前も

敵兵が登って

来ている

負担は

かけられぬ

ゴボッ

右の桓騎将軍に

要請を

しっしかし..

......

では

やめろ

ゴホ

あんな男を...

八日前

頼るな

この国をしょって立つ

武将になる覚悟が

桓騎...

野盗_桓騎

貴様に国を守る

覚悟はあるか?

貴様にあるかと

聞いている

...

...フッ

あるわけねェだろうが

そんなもん

ボケてんのか

てめェは

ずっと言おうと

思ってたが

うぜェよ

お前ら

そんなに

有り難がるものかよ

国家なんて一枚皮をはぎゃ

ごく一部の人間が

好き放題やってるだけの

クソ溜めだろうが

何ィ!?

国家存亡が

どうたらと

騒ぎまくり

やがって

国を守る

覚悟だと?

クク、笑わせる。

秦が滅びようが

どうしようが

俺の知ったこっちゃ

ねェんだよ

......

援けなど

必要ない

ニィ

むっ無理です

将軍

張唐様っ

!!

儂が陣頭指揮を

とって対処する

ゴホッ

井関車だっ

魏の巨大井闘車が

来るぞォ

なっ

くそォ

我々の

所にっ

お頭ァ

マジで

やべェスよ

中央軍

......?

クク

..

第300話「血落の危機

...

...

......

案が滅びようが

どうしようが

俺の知ったこっちゃ

ねェんだよ

では貴様はなぜ

ここにいる

......

...そうだな

一言で

言やァ...

戦が抜群に

強ェからだろ

桓騎...

武将だ何だと...

僕そうにしてる...

バカ共の何倍もなァ

野盗上がりの

貴様如きが...武将”を

馬鹿にするでないわ

将と呼ばれる者達が

どのような道を通って

そこに立っていると思う

貴様のように

フラついた男など

一人もおらぬわ

...

どのような覚悟で

そこに立っていると

思う

こ立派ご立派

それで戦が弱ェつったら、

もはや悲劇だな、ククク

資様っ

待てっ

...フッ

オイ張唐

愚問だ

じゃあお前には素のために

全てを投げ出す覚悟ってのが

あるのか?

よォし

じゃあお前の所が

窮地に陥った時は

この俺に全力で土下座しろ

地に頭叩きつけて

「お願いします」って

言やァ助けてやる

何だと

貴様っ

ギャハハハ

じゃァな

ーーたが

実際そうなるぞ

白老でもねェ

クク

安いもん

だろ

へマして毒喰らった

お前でもねェ

...?

函谷関を守りきれるか

どうかはこの俺の才覚に

かかっているからな..

キングダムの

...

ん撫できてへ!!

井関車が

来るぞォー!!!

早く油をっ...

オオ

ぐっダメだ

前に出ないと

投げられない

殺せェっ

おっ

押し戻せェっ

よォし

あっ

くっくそっ

まっ

まずいっ

!!

ウオオオ

いっいかん

また敵が

増えたァ

ぐああ

ギャア

行けっ

オオオ

真下に

来てるぞォ

落とせェ

行けェェっ

よォし井蘭も

かかったぞ

俺らも

行くぞ

ドッ

がはっ

ニィ

バッ

そらア

!?

!?

うおっ!?

ガッ

!?

ぐいっ

ぐあっ

ひィっ

ひっ

!?

登って来たぞ

何やってんだ

ヒイ

落ちるぅ

綱だ

綱を切れっ

オラっ

だっ駄目です

井関車と

床弩の網で

そこら中から

敵がっ...

いでェっ

うおっ

よォし

行けェ

下の予備軍は

何をしている

行けェ

死傷した兵が多く

入れ替えが

困難にっ...

やはり今から

蒙鷲軍に

援軍を求め

ましょう

コフっ

むっ無理だ

蒙旅軍も

かなりの数登られて

戦っている

援軍どころ

ではない

ええィ

上が混乱しすぎ

なのだ

......?

うっ

右の桓騎軍の

所も同様だっ

なっ何ィ

まずい

まずいぞ..

いっ今敵を止めねば

本当に手の施しようが

なくなるぞっ...

真ん中の

堰が切れようと

している

そっ

そしたら

もう...

ゴホ

張唐様

切れれば

一気に裁軍は

あの場を取るぞ

一つ取れば

両側の陣も

落ちます

つまり

函谷関の

陥落です

おっ押し返せっ

押せェっ

いかんっ

いかんぞっ

ギャッ

押し戻さねば

敵は増える

一方だぞっ

えっ

援軍は

来ないのかっ

行けェっ

知るかよ

クソッ

制圧しろォ

オオオ

バハハ

行けェっ

殺せェェつ

ん?

なっ...

騎馬だ...

ギャアッ

ぶはァ

騎馬隊

だとォ!?

きっ騎馬がっ!!

何で

こんな所にっ...!?

がはァッ

あっ

ああっ

桓騎将軍!

ククク

桓騎...

やっぱり

こうなったなァ

張唐?

なぜ来た

誰も貴様の

援けなど

頼んでおらぬぞ

じゃれんな

オッサン

何っ

あのでけェ弩の出現で

潮目が完全に向こうに

行っちまっただろうが

クッ

今は

それ所じゃ

ねェ

笑えねェ流れだ

のまれたくなけりゃ

こっちも今すぐ

でけェ手が必要だ

ん?

......

でかい手

だと...?

......?

ああっ!

桓騎軍の持ち場が

大きく敵に

侵攻されてます!

しゃーねーわなー

腕っぷしの強ェ奴らばっか

こっちに連れて来た

からよォ

えっ...

桓騎

貴様...

バァカ

勘違いすんなよ

オッサン

いいもんが

お前の前に着いたから

来ただけだ

オーオーナー

井闢車k:!?

俺はただ

オオ

お頭が戻るまで

持ちこたえるぞォ

うゴォォ

ギャア

身を切って

エサを差し出すから

ギャアいいだァァ

殺せエ

いたァァ

でけェ魚が

釣れんだろうが

豚兄弟

始めてっ

啄兄弟っス

ウーーっス

むん

バシャ

バシャ

火矢だっ

ビュ

ピョン

なっ何をやってる

井岡車を

外しておるぞっ

後ろが

燃えてる

だけだっ

うわっ

ヒっ

煙玉を投げこめっ

火だァ

どん

いっ

!?

煙!?

けっ...

煙っ!?

上へ行こうとしていた

井関車の中の

兵達は

煙だァ

!?

突如

充満した煙で

一気にパニック

となった

逃げろォ

外へ出ろォ

......?

急げェ

押すな

まっ

また火が

つけられたぞっ

ゴホッ

ぐはっ

ゴホッ

ひっヒィィ

!?

それは

もちろん初日に

一号車が兵ごと

焼かれた惨像が

あったからである

うした

退避

いでっ

退避だァ

中の兵達は我先に

下へかけ降り

全員が井蘭車の外へ出た

退避イ

ヒィッ

!?

何だ!?

また火を

つけられたぞっ

!?

何だ!?

いや

そんなはずはない

木には十分水を

すわせていた

......?

どういうことだ!?

何で出て来たっ

火だっまた

火をつけられた

つけられてない

燃えたのは

後ろの地面だ

なっ

何っ!?

桓騎軍が地上に

降り立ったのである

そして井関車の下で

混乱する魏兵達は

でも中は

煙だらけ

だぞ

バカな

火はついて

ないんだ

早く登れ

...

ん...?

...へ?

そこで

驚くべきものを

目にした

え!?

え!?

え!?

敵?

さァて

始めるか

......

なっ何!?

下へ降りる

だと!?

ああ

第311話敵の海原

お頭ァ

板並び

ましたぜ

ギャハハ

出てる出てろ

井岡車の中は

すでに空っぽ

ですぜ

馬ひけェ

...正気か

貴様ら...

さっさと

落ちろ

ギャア

ついて来てェなら

着替えて来いよ

張唐

っくぞォ

...

下は魏・韓合わせて

十五万の兵だぞ

お前らが

降りて行った所で

ドガ

え!?

て..

身一つで敵の海に

飛び込む様な物だぞ

敵...!?

この海原

第301話、敵の

キングダムの

...

正解

フッ

!!

ぎゃばっ

ふっ...

普通に

始めたっ!?

いや...

旗を奪え

後は相手に

するな

行くぞォ

オオ

とっ突撃をっ...

万の軍勢に

これだけでっ

...ファックス

ギャ

ん?

ハハ!

儂らも

行くぞっ

張唐様っ

張唐のオッサン

ちゃんと魏の甲冑に

着替えて

ついて来ますぜ

フハハ

まァあいつらの

甲冑は秦兵

丸出しだかんな

クク

ギャア

ぐはっ

いよォし

ゴチャついた所は

抜けたっ

楽勝

ガハハ

喜ぶな

煙玉のあぶり出しで

井関車の足元は

混乱していた

本番は

ここからだ

ぶはっ

すっすげェ

ここにっ

入るんスか

かっ

桓騎隊っ...

ハハッ

心配すんな

雷士

......

...ファン...

全部上手くいく

すすごい

人がいっぱい

盾を構えろ

案の矢で

あの世行きなんて

最高にダセェぞ

聞いて

ない

オオ

ところでこの時

桓騎隊が地表に

降り立ったことを

魏・韓の本陣は

気付いていなかった

煙幕で見えづらく

したことと桓騎達が

疾風の如くその場を

離れたためだ

ーそして

それ所では

なかった

見えなかった

両本陣からは

井関車が火計を受けて

混乱しているようにしか

殺せェ

我々の兵も

壁を登りました

オオ

オオ

将も戦場も

今まさに決戦の場と

なりつつある函谷関の上に

意識が集中していたのだ。だが、

うオオ

射てェ

がっ

登れっ

上を

援護しろォ

ギア

押せェ

射てェ

射てっ

バシュ

射ちまくれ

それを読んで

桓騎は

...

つ...!!

行けェ

行けェ

この敵の大海原を

堂々と渡って

行ったのである

ぬあっ

くあっ

ギャア

ハッ

射てェ

ゼハァ

ゼハァ

ぐあ

オオ

行けっ

行けェ

ってェ

うっ

ひっ

矢が尽きた

補給急げ

負傷兵はどんどん

入れかえろ

射てェ

さぼんな

弓兵共

しっかり狙ェ!!

ギャハハ

ちょ...

張唐様

これはっ...

ワッハハハ

......

桓騎

何という

男だ...

敵軍に紛れ込む

ということは

珍しいことではない

...

時には

小隊ごと入る場合もが

ある

そして無論それは

敵が大軍である程に

混乱状態である程に

成功しやすい

全て

理にかなっている!!

だが

今この時

この魏・韓連合軍十五万を

相手に自ら決行するのか

この〝度胸〟と〝戦術眼

尋常ではない

こんな戦い方をする

男は初めて見た

休むなァ

射てェ

オオ

桓騎の才は

ひょっとしたら

六将にひけをとらぬかも

しれぬ

馬鹿な

秦のクソ共を

根絶やしにしろォ

ギャハハ

こんなふざけた男が

本当に六将級の力を

秘めると言うのか...!?

お頭ァ

この先から

韓軍の場所に

入りやすぜェ

次は韓の旗ァ

ぶん取りやすかァ

バカか

こんな所で

騒動起こすか

問題ない

魏の床弩車が

韓の持ち場にまで

入って来ている

魏兵が入り込んでも

違和感はない

えっでも

これ魏の旗

ですぜ

...それに

これ見りゃ

分かるだろ

韓軍も目ェ血走らせて

必死だ

射ち

まくれェっ

それが

素の旗だとしても

素通りできるぜ

ククク

ギシシ

...にゃるほど

じゃあこのまま

つっ走りやすか

上を

授護だァ

...

...

こ...この方角は

......?

......

まさか桓騎の

狙いは...

ゴホ

...うむ

待て桓騎

降りて行って

何をする

何が狙いだ

でけェ手っ

つったら

決まってん

だろうがよ

.....フッ

トン

大将首か

......?

初めは裁将を

狙うのかと

思ったが

そうでは

なかった

ピヒィ

ゴフッ

桓騎の

狙いは

!!

......??..

韓軍総大将

成恢の首だ!

韓弓大隊三万の中では

豆つぶでしかない

弓大隊(三万)

桓騎隊は

敵の大軍勢の中に

完全に潜り込んだ

函谷関

桓騎隊

本陣

隊は素の矢の雨の中

まんまと成恢本陣と

直角のところまで足を

進めたのである

八十人程度の

恒騎隊は

韓本陣

成恢と呉鳳明

二人の用心深さの差が

出た程度である

そして

韓・成恢の本陣は

魏・呉鳳明の本陣より

大きく前に出ていた

油断という程のものでもない

普通に考えてこの状況で敵が

来ることは有り得ないからだ。

魏本陣

しかし桓騎は

函谷関の上から

その差をはっきりと

見てとっていた

曲がった!

このまま本陣へ

行くのかっ

だが韓本陣に

近づく程に

函谷関の矢から

離れる

そのうち

怪しまれるやも

しれぬ

いや

この弓大隊までは

抜けるであろう

じゃが

そこから先が

問題だ

それ程、奴らの意識は

今崩壊しつつある

函谷関の上に集中している

でっでは

!?

どこまで潜り込んで、

行こうと最終的には

武力勝負の場となる

本陣突入に

この八十騎では苦しい...

五百:...いや

最低でも四百は...

ん!?

張唐様

あれは!?

!?

別働隊

桓騎め

目立たぬように

隊を分けて...

ああ

張唐様

あれもだ、あそこにも

全部でここを

合わせてお隊だ

ブッ

これで四百かっ...

あっちにも

こっ...

ニィ

函谷関

桓騎軍の持ち場

退がんな

てめェら

第302話「戻らぬ覚悟

お頭が戻るまで

持ちこたえるぞっ

止めろ

オオ

オオ

ギャ

ん?

うっ

......ここからの

ぐっ...

チャブン

ぐはっ

げあ

かはっ

ピッ

がっ...

......

どっ

毒矢だァっ

ヒイィ

うわあ

ギャアア

黒弓隊も

上に達した

模様です

よォし

黒弓が登れば

もはや時間の問題

であろう

いいぞ

魏の床弩の力を

借りたとは言え

函谷関を我らの手で

落とせばこの上ない

快挙だ

軍力が劣るなどと

言われてる我らが

他軍の鼻を

あかすぞ

魏兵がっ

オオ

......

突入...

......?

急報っ

!?

急報

ーっ!!

魏の小隊が

こっちへ突入

して来ます

何か魏将からの

連絡か!?

わっ分かりません

様子がおかしいので

典隊が制止しようとしたら、

戦いとなり

突破されたと

はア!?ちょっと待て

魏兵と韓兵が

戦ったのか!?

それよりも

いっいや

詳しい事は後でっ

その魏兵の

部隊はもう

すぐそこまで

来ているのです

なっ何をして

おるのかっ

ドドトド

!?

第312話、戻らぬ覚悟

なっ

何ィ!?

桓騎隊(兵四百)

.....

桓騎

ここからは

合戦だ

隊を三つに分け

左右両翼を

展開しろ

...

中央は儂が率いてやる

貴様は左か右に入れ

死人みてェなツラの

お前に中央が

務まるのかよ

昭王時代からの戦歴を刻む

張唐兵は元野盗などより

百倍強いわァ!!!

ゴホ

ゴアア

なめるな

ガキが...

止めっ

ギャア

ぐはァ

...

ギャハハ

んだァ

あいつらァ

ちったァ

やるじゃねェか

どああ

いだい

なっ何なのだ

一体っ

...

とっ

とにかく

止めろォ

何者であろうと

この本陣に刃を

向ける者は敵だ

ドドオン

ギャア

成恢様

容赦なく

ハハァ

各隊

入って来た敵を

討てェ

前に出てる

予備軍も

呼び戻せっ

皆殺しにしろ

..

韓本陣

〈兵二千さらに機

急げ

敵は第二壁も

抜けてきているぞ

函谷関

蒙驚の持ち場

ギャア

オオ

なっ何っ!?

桓騎と張唐殿が

討って出たじゃとっ!?

どんどん

寝れェ

行けェ

そんなっ...

おっ

押し戻せ

殺せェ

ぐオオ

この場だけでも

手一杯だと

いうのにっ...

...ひいては

蒙驚将軍には

中央の望楼まで移動し

全体の指揮を

お願いしたいと...

本当に

あの張唐殿が

そう申されたのか...?

なっ...

はいっ...

間違いなく

大変

申し訳ないとも

おっしゃられて

いました

戻らぬ覚悟と

いうのか張唐...

行けェ

殺せエ

行けェ

ぐわぁ

しかし桓騎はともかく

貴殿まで

なぜそんなことを..

あの張唐殿が

無茶を承知で

そんな頼みを

毒...?

...

いかん

金隊のところにも

敵の投点が

できつつあります

張唐本陣が数日前に

毒を喰らったという

報告があったが...

もしや

ゴホ

...先が無いのか!?

ええィ

あの床辮を

何とかせねば

そこら中から

死に場所を

戦場に求めたと

いうのか張唐殿

よし

儂は中央へ移って

全体の指摘を

とるぞ

もっ

豪飛様っ

ギギッ

ばりゃあ

おっ

ギャア

げあァ

ぶらァ

っあ

まっマジかよ

何なんだよ

あのじじィ

周りの

連中もだ

はごォ

さァ

こっこんなに

強かったのか

張唐軍の奴らはっ...

だっだけど

やっぱり張唐だっ

あのオッサン

韓の毒にやられて

一人じゃ立てねェ程のは

だったんじゃねェのかよ!!

ガリャア

しょ正気ですか

張唐様

たかだか

三四十騎で

下へ行くなどっ

こっここはっ

ここはどうなるのです

張唐様がいなくなったら

この戦況はっ...

張唐達が下に

降りる前

......

ここにいた所で

どの道、儂はもう

長くない

ち...

張唐様...

将軍

その様な...

ここは...函谷関は

白老殿に指揮を頼んだ

あとは貴様らでも

十分戦える

古くから何度も

苦境を乗り越えて

来たであろうが

その力は

十分にある

...そうですか?

張唐様

張居様...

しかし奴は

彼の目の前で

この大海原に

討って出おった

下衆だが...

...フッ

桓騎が来るまでは

ここで逝くことに

なると思っておったが

......?

勇敢な

男だ

ここまで

共に戦って

来たことを

誇りに思うぞ!!

張唐様ァ

貴様らには悪いが

死に場所は自分で

決めさせてもらう

最後の身勝手だ

許せ

ばりァア

ギャア

ぐがァ

とっ

止めろォ

よォっしゃ

ここも

抜けるぞ

ヒォー

うケケ

つか韓兵

弱くねェか!?

こっちが

強すぎん

のか?

当然だ

韓兵と素兵では

戦の重ね方が

全く違う

なめるな

本陣だー

敵本陣は

すぐそこだぞ!!

よォし

もう八合目

までは来たぞ

向こうの

対処も遅い

このまま

突っ込むぞォ

オシャー

張暦様

いよいよ

本陣が

ギャハハ

そーかい

怒んなよ

......

ブオっ

張唐様ーっ

ガクン

ん!?

張唐様

ぐわぁっ

がっ

韓の

騎馬隊がっ

かは

ギャア

ぐおっ

な...

こいつら

さっきまでの

奴らとは...

何者か知らぬが

調子に乗るなよ

愚か者どもが

本陣守りの

精鋭部隊がっ

韓軍本陣守備長

奈棍

ひるむな

突破しろォっ

オオ

ごふ

...

まだだ...

この体よ...

まだだ...!

ムン

ゼェ

ゼエ

ゼェ

ゼエ

痛みなど

どうでもいい

この腕に

力を...

矛をふるう両腕に力を:

ゴボォ

張唐様ァっ

くそっ

もっ

もう少しで

ハァ

こんな...

こんな

くそォォ...

ぬん

潰しましたっ

さすが

奈棍だ!

ワハハ

あァっ

せっ成恢様

左右より

展開した敵が

後ろに回り込んで

来ますっ!!

!?

なっ

何ィっ!?

ここで成恢は

いち早く

自らの隊を

逆へ動かした

張唐隊

今しがた潰した隊は

おとりで裏に回った

両翼二隊が主攻であると

見破ったからだ

敵の策に付き合わず

奈棍の精鋭部隊へ

身を寄せた方が

リスクが小さいとした

成板の目は鋭い

しかしそんな成板の

読みにも唯一つだけ

落ち度があった

それは

ギャア

本陣の旗だ

本陣がこっちに

動いて来たのか...

!?

ぐわっ

潰したと思っていた

張唐隊が息を吹き返した。

ことである

ばりゃあ

なっ

何ィ!!

ウオオ

あれが韓将成仮だア

討てェっ

第303話・武将のお持ち

取り囲め

絶対に

逃がすなァ

成恢様

後ろへっ

返り討ち

だァ

敵は

大した数ではない

ひるむなァ

殺せエ

ブハハ

ついに

ここまで

来たぜ

オオ

ゴホッ

張唐様っ

張唐!?

!?

張唐とは

素将の!?

成恢様ァ

後ろに回った

敵も迫って

来ています

.....

ええィ

まだわずかに

守備がおる

それよりも

ここだ

殺せェっ

......

回り

込めェっ

行けェっ

第303話、武将のお客様

......

死ねェっ

ギャアッ

ハッ

ハッ

......!?

殺れっ

大将首だァ

オオ

んっ

んっ

左に突破口を

作れ

大隊の

中に行けば

こっちのものだ

齢十五にして

初陣を飾った

そこから五十年

矛と共に泥と血にまみれて

戦場を渡り歩いて来た

今では素軍でも

最長の戦歴を持つ

老将の一人だ

キングダムの

あとはどう儂なりの

花道を飾るかだ

我ながら

悪くない

道のりであった

秦将張唐

死っ...

ゴス

別にそれが

戦場で死ぬのなら

それでも構わぬ

だが

毒は

...ない

素将を討てェ

こんなもの

武将の死に方では

ないわァ

うオオ死ね

張唐ォ

毒は...

なかろうか

おがっ

何をさらしてくれとんじゃ

このゲス共がァ

かっ

ガギッ

張唐様に続けェ

うオオオ

ぬっ

くっ来るぞォォ

ゴッ

ぐっ

ドッ

むぐっ

あがっ

うぐおっ

うっ

ぐあああ

ギャアア

チャブン

......

下らぬ

毒は人を殺す

効率化を求めた

歴とした〝武器〟だ

老いぼれの下らぬ

武将論でそこを

歪めるでないわ

ぐっ

張唐様っ

成恢様左へ

急ぎましょう

後ろからも敵が

分かっている

...

よォし

大隊の方へ

隊を進めるぞォ

オオ

くっくそォ

行かせるな

落ち着いたら

後で解体して

みるか...

フハハ

お前らは

ここで死ね

なっ...

...しかしあの男

よく轟月の毒を

回らせて生きて

いたものだな...

せっ

ん?

成恢様ァっ

なっ...

ガッ

ばっ

馬鹿な

くおっ

やはり分かって

おらんな

成恢

成恢さっ

いや

分かるはずが

ない

ちょ...

張唐様

なぜ毒矢で

死なぬ

責様のように

己で戦うこともなく

姑息な毒と

戯れてきた男には

くっ

人の力がっ

いっ

いけェ

張唐っ

武将の力が

分かるものか

張唐様ァ

この

たわけがっ

ひっ

大将が

背を見せて

逃げるなァ!!

ウオオ

討ち取った

韓軍総大将成恢を〟

張唐様が

討ち取ったぞォォ

ウオオ

せっ

成恢様...

総大将成版、死亡

っしゃー

大将首だァ

おのれェ

かん

張唐様

お見事です

バカな

ぐわァ

あっ

まだ死ぬなよ

オッサン

約束の土下座が

残ってんだろうが

クク

くオオ

殺せェ

桓騎か

オイッ

スー

―と

...

言いてェ所だが

のんびりしてる

ヒマはねェ

待て

成恢様の仇だァ

行くぞてめェら

撤収だ

貴様は

まだ...儂の

問いにちゃんと

答えておらぬ

あ?

なぜ素将として...

戦って...いるのかだ

殺せェ

ちょっ...

何やってんスか

お頭怠いで

てめェは状況

分かってねェの

かよ

答えぬなら

儂が言って

やろう..

くオオ

お頭ァ

貴様は戦が

楽しい

のだ

己の力で戦に勝つ

快感にはまっておる

腹立たしいが

才能も

...ある

...そして

それは...

名武将の持つ

気質そのものだ

土下座など

せぬが...

儂と約束

せィ

素国一の武将となれ

桓騎

秦を...

頼むぞ

寝言は死んで

言えよ

ジジイ

フッ

......

お頭

剛情な

奴め...

あっ

ちっ

張唐様ァァ

調子の狂う

じじィだったぜ

全く

チッ

張唐様ァァ

うわああ

ガッ

せっ

成恢様ァァ

本陣の異変に

韓軍全体が

気付き始めたころ

第304話唇の閃き

桓騎達はすでに

そこを脱し

行きと同じ要領で

敵の海の中を

疾走していた

なっなぜ

このような

お姿にィィ

なっ何だ

貴様ら

くォォ

敵はっ...

敵はどこへ

行ったァ

バギ

あっ

そのせいで

呉鳳明は

韓本陣急襲に

気付くのが

遅れた

それとは別に下に降りた

桓騎兵の隊は

できる限り床弩車を

破壊して回っていた

修理だ

修理

ギャハハ

俺達ァ

韓兵だぞー

また床類が!?

一体何が

起こって

おるのだ

ん?

だが

成板の首の

代償もやはり

あった

くっ...

ついに三階建ての

望楼に火の手が

上がったのである

函谷関向かって左の

桓騎軍の持ち場は

大いに侵攻され

いいぞ

押し込めェ

死ねェ

どんどん

行けー

っしゃー

燃えろ

燃えろォ

声の閃き

第304話

よォし

裏を取れっ

内側から

門を開ける

ぞォ

右の階段が敵に

使われています

まっまずいぞ

下の予備軍を

右に集めよ

ハハァ

射ちまくれっ

一人も生かして

下に降ろすなァ

オオ

......?

持つか...

合従軍本陣

何ィ

韓将成恢が

討たれただとォ!?

......

討たれた!?

一体何が

あったのだ

ハッ...

そそれが

情報が錯綜して

おりまして..

魏兵に

討たれたとも

...

案将張唐と

桓騎に討たれた

...とも...

張唐と...

桓騎.....

李牧

......?

誤報でなければ

桓騎の奇策

でしょう

合従軍

五大将の一人までも

討ったというのか...!?

とにかく情報を

精査せねば

桓騎は山陽の戦いで

白亀西を奇襲して

これを討っています

元野盗とかいう

男が...

ーしかし

函谷関も今正に

死地に陥ろうとしています

成恢討ち死にが

事実だとしても

向こうの窮地は

変わりません

黒公軍対趙軍の戦場

飛信隊°李白軍と激戦中

るアアッ

うぎャア

ゼハッ

オラッ

ゼハァ

ゼハッ

ゼハッ

うォげェェ

尾平っ

く息がっ

ぐっ

ぐぞォっ

ハッ

ハッ

続かねェ

オエエ

くっくそっ

ゼハッ

もう少しだと

思ってたのに

なかなか本陣に

届かねェ

奴ら間に

どんどん兵を

入れ込んでるんだ

くそっ

もう一度

全員で

突撃をっ

待てしん

信殿

飛信隊信

中陣まで

退却しろー

ここは我ら界隊が

引き継いでやる

歩兵の体力が

もう限界だ

何っ!?

一息つかねば

皆倒れる

まだ戦えるっ

すっこんでろ

俺達は将軍直下の

独立部隊だ

くっ

ひゃ

てめェなんかの

指図は受けねェ

じゃから

その将軍からの

命令じゃ

クソガキッ

ゴン

いでェっ

投稿者数が

お兄ちゃんは

んっ

んっ

んっ

んっ

んっ

んぐっ

んぐっ

んぐっ

んっ

ゴッグ

ゴッグ

ゴッグ

ゴッギュ

ゴッギュ

ゴッギュ

っ......

うめェっ

コックゴック

コックう

水うめェっ

フハァー

はー助かった

ここ?

ぶはー

生き返ったー

しっしかしよく

こんな中間地点に

休める陣を作って

くれたぜ

ああ

よーし

行くぞ

キャ

大丈夫か

オオ

テンか

オレの戦術が

甘かった

さすが。守備〟の李白だ

馬陽で豪武が

苦戦させられた

だけはある

娘軍師

今から少し

隊内の配置を

変えるけど

いいか?

戦術とかじゃ

ねェんだ

力の

そらし方が

うまいんだ

まァ

これでも

飲んで少し

落ち着け

いや

そういうんじゃ

ねェんだテン

ゴク

ゴク

ん?

いやだから

それが戦術

だって

奴らはいい所で

力を抜くっつーか

本気でぶつかりに

来ねェんだ

ああ

ぷえェっ

何だ

これっ

ぁっっ

もちろん

酒じゃア

ひょ

原公将軍

すげェ

返り血

そこを抜かすと

味方を多く

殺すぞ愚か者

戦況を見る

ということは自軍の

余力を見ることも

含む

水じゃア

......

それで

うわっ

どんどん

図々しく

なるのォ童ァ

この人に

言われたく

ねェよ

全体の戦況は...

ブハハ

いや...

数は減らせど

戦況は大して

動いてはおらぬ

慶舎

儂が三千を率いて

慶舎をおびき出そうと

敵の中隊をいくつか叩き

一万ほど葬ったが

それでも全く姿を

現わさぬ

いっー万

どうやら奴は

儂が李白か公孫龍の軍に

突入するのだけを

待っておるようじゃ

初日のはめ方も

凄かった

多分今度も

相当強力な

罠がある

間違い

なかろうのォ

さてそこで

どうやって

慶舎をおびき

出すかじゃ

...

閃いた

まず鷹公将軍に

李白軍に

突っ込んでってもらう

李白軍

そこへ現れた慶舎を

横から飛信隊が討つ!!

ひしんたい

飛信隊

文勢じゃ

原公

お...

――って

将軍を

エサにするなよ

バカか

お前

討たれでもしたら

終わり

なんだぞ

包囲される

廉公

なめてんのか

クソガキが

それで

いこう

えー

コクンゴクン

どんな

作戦だ

このガキ

じゃが

バハハ

それくらいせぬと

奴は出て来ぬわ

そんな感じの

作戦でいこうと

貴様らを呼んだのじゃ

慶舎は鋭い

儂をおとりにしても...

不意打ちとまでは

いかぬぞ童信

奴の本陣が

見えるくらいまで

行けりゃ十分だ

ニィ

そっから絶対

討ちとってやる

物見の報告で

かっ函谷関に

火が上がっている

とのことです

急報っ

かっ函谷関に

火がっ!?

急報ー

なっ...

そんなっ

どこも盛り上がって

来たようじゃのォ

負けてはおれぬ

出陣の準備じゃア

...

...

オッ...

オオ!!

咸陽

キングダムの

函谷関に

火の手が上がった

じゃとォ

ハ!

.....

......

...

それは

確認されて

おりません

確かか?

...だが

陥落を知らせる

狼煙は?

確かです

火が上がったと

いうことは

時間の問題と

いうことか?

函谷関は

そう簡単に

落ちはせぬ

殿

丞相

火が起こったことから

壁の上まで敵が来たのは

事実だろうが

本当の陥落は

下の正門を開けられた

時だ

大軍を通過させる

正門は此度の

作戦により内側から

岩でふさがれている

故に

敵は長壁を越えて

裏からそれを開けねば

ならぬ

それをさせまいと

下に予備軍が

控えている

今はそこが

降りて来る敵と

戦っているだろう

函谷関の上を

一度に大軍が

越えてくることは

有り得ぬ故

下の予備軍で

十分対処は

出来るはず

だが

その対処が破られる

戦況が一つだけ

ある

射てェ

来たぞォ

重歩兵を

ふつけろォ

それが

左右どちらかの

戦場から山々を越えて

そこに敵が来た場合だ

他の戦場は

どうなってる

ハ...

函谷関より見て右

蒙武・騰連合軍対

楚軍の戦場は

一進一退の攻防が

続いているとの

ことです

さらにその右

鹿公軍と越軍の

戦場も同じく

寡兵ながら鷹公軍

奮戦にて戦局は

動いておりません

よォし

両戦場とも

苦戦必至と

されていたがよく

持ちこたえておる

では最後は

左の戦傷

王翦軍と

燕軍の戦局は

どうか!?

...

なっ何じゃ

いえその

我々も伝者達と

何度も確認をとって

おるのですがどうも

戦況を見失ったと

...それが

見失った!?

まさか危ういのか!?

どういう

ことだ

...お...

王翦軍の姿

そのものが消えてしまったと

申しておるのです...

なっ

何じゃとォ!?

......!?

かっ

函谷関に

火がついたァ!?

しっ

声大きいよ

向ちゃん

第315話・玉藻の動き

分から

ない

...それって

函谷関が...

陥落したってこと?

伝書には

陥落とまでは

なかったけど

でも

いよいよ

危うくなってきたのは

間違いないよ

ど...

どうしよう

陽ちゃん

大王様からは

まだ何も?

うん...?

...

一応

うん

さすがに

もしもの刻は

大王様が何か

してくれるような

気も...

...荷物の

準備はした?

恐らくね

...

だけどこういう時は

最悪の場合も

考えて備えて

おかないと

でも...

最悪の?

もし

本当に

一番ひどい目に遭わされるのは

ひょっとしたら大王様の御子を

身籠っている向ちゃんかも

しれないの

後宮にまで

敵がなだれ込んで

来るような事が

あったら

私と...

怖い..

あっ

向ちゃん

この子..

やっぱり

怖い...

大王様...

後は

しっかりして

男達の勝利を

祈るだけだよ

もうこうなったら

これも。戦国の女の常・

として腹をくくる

しかないよ

私達は

出来る限りの

備えをしておいて

天よ

どうか秦軍に

勝利を...

なァにィ

王製軍が持ち場から

消えたじゃとォ!?

つ...?

.....

な..

逃げたとかでは

.......

...

そんな

よもや

あるまいなァ

なくはない

とっ殿

!?

丞相

王翦...

危険思想?

あの王騎の一族の宗家にして

才能は同世代の王騎と等しいとも

噂されていた

王韜には

愛国心も

忠誠心もない

しかし危険思想から

昭王に光を当てられ

なかった男...

奴本人が王になりたい

願望があるからと

言われておる

なぜなら

なっ

何じゃとォ

...!?

たわけ者共が

この...

......?

何故...

そのような男を

要所の将にして

しまったのだ

クハハ

王翦ンン

まさか

逃げ出す

とはなァ!

フッハハハ

王製軍が消えた理由は

二刻前にさかのぼる

進めェ

行けェ

ギャア

行けェ

かけ上がれェ

報告

カウト族が

右の砦の一つに

侵入しました

サカラハが

正面苦戦

エイジ族が

動き出した

報告!

バコ族

全滅

メサ族が

千人くれと

言ってきたぞ

おおお

オルド様ァァ

面白い!

シトミツ族か

左の砦を

とったぞ

ーで

どうだ

ユキイ?

強いか王穀は

強いネ

山の使い方が

平地の人間とは

思えないぞ

フフッそうか

我らが“主攻”の

様子はどうか?

あのセキ族が

目の前で壊滅

したヨ

して

ニイ

北の第二砦が

授軍を求めてます

三千を

走らせェ

西と南の

第一も

深く侵攻を

ここは静かな

ものだが

三千ずつ

送り出せ

他はどこも

激しそうだな

ああ...

砦守備でこんな

苦戦は初めて...

ハハ

ん?

敵し...

バシュ

バシュ

なァっ!?

オルドの主攻隊が襲ったのは

王製事が各号へ予備軍を

補充させている軍の中心

言わば〝心臓部〟であった

絶望で守られている

はすであった急所を

不意に失いさすがに

王製軍も大いに揺らいだ

中央砦を

失っただとォ!?

ばっ馬鹿な

あそこを失っては

全ての砦が分断

孤立するぞ

そこからの王翦は

即決であった

王聖様

新しく中継陣の

設置が急務

かと

...

そして

いや

退くぞ

ハッハ

逃げる時は

徹底して

逃げるのだな

オルド

報告!

やはり全て

もぬけの

カラです

おお

オタジ

ーーして

王製軍の行方は?

ウム

これ程の砦を

全て手放す

とは

北西..

王殿軍

...李牧より

聞いていた通りの

男だったようだなァ

王韜は

尾を見失いかける程

早い逃げ足で

奴らは必死に

北西へと走って

おル

奴め本当に

この戦争を

放り投げる

気のようだ

李牧は

どのように?

特に耳に入れておく

必要もない情報ですが、

ナハハ

王翦は

〝勝てぬ戦はしない»

という性分だと

いうことです

ムリもない

ならば始めからあの男は

この大戦に向かぬ武将

だったということでは

ないか

将軍

後ろの燕兵が

少々遅れて

おります

構わぬ

この険路

平地の兵には

少々きつかろう

ッッッ

己の速さで

ついて来いと伝えろ

俺は主力の

こ奴らと

先に行く

ハハ!

もはや我らを

阻む敵はない

足踏みなど

無用だ

ボブラッ

そしてこの峠を

越えれば

いったんひらけ

その奥には

函谷関の裏へと誘う

大断崖の橋が在る

おお

お見事

さすがは

平地の人で

ありながら

これほど

山読みを外さぬ

人間を見たことがない

北の五十の山岳族の

〝王〟となられたお方だ

ニィ

フフ

俺は

血は平地でも

生まれと育ちは

山岳地だからな

山間で戦い続ける

軍略家は眼前の

山を見てその奥に広がる

山々の地形を読み取る

という

オルド本人の

〝山読み〟の力は

突出していた

無論オルドの脇を

固める山岳族達も

それができるが

だから王聖軍の心臓部を

見破りピンポイントで

叩くことが出来たのである

そしてそのオルドの目が

今捕えているのは

函谷関の裏への

ルートを塞いでいる

巨大な断崖であった

あの断崖を登れば

あとは尾根を伝い

函谷関の裏へと

雪崩れ込める

そして!

ニィ

我らに

越えられぬ

壁はない!

行けェい

同胞達よォ!!

っ...

オオォ

もらったな

この大戦

この

愚か者が

キングダムの〈完〉

俺は狼牙

(本当は労我)

『狼牙がゆく』

地元の練村じゃ

有名な荒くれ者

〝ブチ切れ狼牙〟

戦場でもちったァ

名が知れてる男だ

おまけマンガ

とにかく腕っぷしと

根性はハンバねェ

どんな大男が相手でも

ナメたヤロォはぶち殺す

そんな俺が

飛信隊って隊に

配属になった

ちったァ

やるらしく

名前は聞いた

ことがある

くくく

〝プチ切れ狼牙〟様

としちゃァ

退屈せずに

すむかもなァって

感じだぜ

こういう男の世界じゃ

最初が肝心だ

新参だろうと

なめさせねェ

ドン

あ?

最初に目についた

奴をふちのめして

俺の恐ろしさを

隊にたたきこむ

ゴラァ

来たぜ

......

□作「原泰久

田布百将

ちょっと

いいスか

あ?

おっと危ねェ

いきなり

百将を

ぶっとばしちまう

所だったぜ

平歩兵として

それはさすがに

まずいぜ

だがあいつが

平のヤロォだったら

ここで

死んでたかも

しんねェなァ

ククク

...

□スタッフ【松原利光】田近康平関哲朗・箱石達

□へルブー加藤大賞『編集』金上大佑

ボゴ

背は意外と

あゴメン

チッ

弱そうな

ガキかよ

だが関係ねェ

最初の奴を

ふちのめす

ゴラァ

あぁぁぁ

作者あとかき

オオォ

とっ

コウの奴

羌痍に

教えてもらった

関節技

極めてんなー

れブチ切れ狼牙

あいた

たた

ワハハハ!!

っっく

で誰

こいつ?

こんにちは、原です。

オ28巻ご唯読真にありがとうございます!!

うっと不思議なお話と。

...

静かに手の中に

ったのです!

同種と思われるトンボが飛んできて

手を出すと、今の平にヒヨったそぅです!

お互いこんちことは初めてだったので

不思議なだなーと思ってたら、実はすっうと

父の一周足にあたるころでした。

「えだったのか」っなんて言っています。ご

あ、あと、カラー複製原画が発売されるそうです〜

「週刊ヤングジャンプ」H24年2月2018年6月、25号18号まで

好評掲載されたものを収録しました。

カバーデザイン

岩崎修(POOKET

YJC

DIGITAL

5月15日(月)日(日)にJUNETONS

・28巻

キングダム

原泰久

©原泰久2012.20!3

初版発行

デジタル版発行-2013年

2012年

発行所・集英社

http://wwwstilessharco.co:

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