三十六

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36

原泰久

SHUEISHA

三十六

原表

★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。

ニューム

原泰久

キング

三十六

第38話「呼びかけ」

第381話一騎討ちの裏」

第85話・仲間割れー

第86話「貂の存在」

第87話交換ー

第88話「新生玉鳳隊」

第38話参伯の名!

第30話「同士討ちの過去」

第39回話「喪失」

ー四十三

ハー

_六十三

ーーニ十五

第32話「中華の注目」

ー九十九

第393話「著種三日目」

百十十

「百五十三

_百三十五

_百七十一

[百八十九

★この作品はフィクションです。

東この「山はバンジョン。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。

ああ、あああぁぁぁっそういえば、それでもそうだったんですよそれでも、これからは

前巻までのあらすじ

時は紀元前。500年の大戦争時代にある中華西方の国:秦・奴隷同然の生活を送る少年信

と漂は武功を立て、大将軍とはて世に名を馳せるべく日夜剣術の修業に励んでいた。

ある日、凛は、森の国王・嬴敗!の影武者として王宮へ召し抱えられる、しかし、王の異母弟成

蝸によるクーデターが勃発。凛は刺客の手に掛かり殺されてしまう。漂を身代わりにした震政

に憤りを感じる信だったが、漂の遺志に応えるため瀛政と行動を共にし、反乱を鎮圧する。そし

て改めて、信は大将軍へ成り上がり、扇政は中華統一を果たすとはいう仕大な夢の実現を心に

誓ったのだった。

そういうことですから、そういうことですから、そういうことですが、ここではそういうことですから、

わり、より強い軍へ、と成長する。

その後、秦軍に従事した信は趙迎撃戦、親攻駱戦などの功を認められ、正式に千人将へと昇

格する。さらに、信率いいる飛信隊は右腕であった羌痴が離脱するも、軍師となった河了貂が加

一方の高政も、森国内で相国へと登りつめた日不登に対し、昌文君を左丞相に就任させること

とに成功し、朝廷内における確かな実権を手にいれる。

そんな中、秦国に楚趙魏幕燕の諸国が合従軍を組み大侵攻を仕掛けてくる。かつてない

亡国の危機に陥った秦国だが、国王・嬴政をはじじめ飛信隊や各将達の必死の迎撃により辛うじ

て撃退に成功しこの大戦を経て、信は三千人将?へと昇格し、仇討ちを終え、た羌痴も飛信隊へと

帰還した。激動の渦中にある秦国は内政においても権力争いか再燃していた。そんな中、屯留

の反乱を鎮めるために挙兵した成績が、政敬目不算の恩が掛か1る反乱軍に捕らわれてし

まった。扇政の勅命により飛信隊も救出に向かうが、救いの手

は届かなかった...その後、英語を案の中華進出の要所、数の国境・

著雍を陥落すべく激戦を展開する勝軍にお招集された飛信隊は、

同じく援軍の玉鳳隊王賁の戦略のもとに、.魏軍と戦闘開始!

だが、魏軍には死んだはずの三人の大将軍の姿が...!?

っ...

さああ

未熟源と!!軍の問題の娘は拾った

我風明!

うぅっ

王弟吹嬲

屯留にて死去

成婚様アア

そうだな。でもね。そういうことですが、そういうことですので、そのため、これからの

栗軍五千人部隊ー飛信隊

素国の若き王。中華の統一を目指す。

嬴政ぃせい

天下の大将軍を目指す。秦軍特殊部隊・飛信

隊の隊長。

昌文君

最政に忠誠を尽く

す大臣。左丞相の

地位を持つ。

そういうことですから、そういうことですから、そういうことですが、そういうことですから、

完原

暗殺集団・蚩尤の

未裔。同胞の仇を

討ち、飛信隊に帰

還した

昌文君の副官に

して、三万の兵を

率いる将軍

河了黎

山の民で信の元

同居人。飛信隊の

軍師となる。

権力をほしいままにする

奏国の相国。嬴政の政敵。

【条国

それでも、これからのそういうことですね。そうだな。それは、これからのブログでは

素国の将軍

気付もうぶ

「翦ぉうせん

りょふい

楽華隊の隊長、豪鷲将軍の孫

であり蒙武の息子。

楽華隊

豪恬の父。

王一族の現頭首で、王絶大な武力を誇る猛将。

責の父。

勝とう

著雍戦の総大将

元は冷徹な大野盗団の大将軍王騎の元副官

首領。

桓騎かんき

そういうことでしょうか。そういうことですから、そういうことですから、それではなんでしょうか。

五千人の兵を率いる玉鳳隊

の隊長。王翦の息子。

ちもうてん

王昔ぉうほん

玉鳳隊

12.審査の戦い」

魏国

呉鳳明

魏の将軍。魏火

龍の一人・呉慶

を父に持つ

冷酷無慈悲な軍略家、

呉川町の師

れいおっ

魏国の剛将

王騎や撻と旧知の仲。

舌がいも

魏国史最強の槍使い

魏火龍

...

キングダムの

383話一度アドカマと

...フフフェス!!

どっ

なっ...

何という

巨軀...

......

きようい

脅威だ

取り囲んで

首をとれっ

この男は...

ハハ!

...フフフェック

びかけ

第383話呼

ドッ

メキ

ビシッ

信殿

さすがに

敵が多い

十分崩しましたし

一度隊形を

整えて

一息つきましょう

信殿?

......

...何だ?

!?

どうした

千人将

...ファン..

楚水の所か...

ッハア

ギア

嫌っスよ

ッハハ

この感じ

やはり戦は

良いのォ

そんなことより

早く戻らないと

呉鳳明に怒られ

ますよ

むん?

この著雍の隙のない布陣は

前線と本陣の間にある予備軍

ーつまり我々の存在が

要となって要素化

してますんで

あお前達は

将軍を守れ

一応

ハハ

勝手なことすると

プチ切れられますよ

きっと

大体ちょっと

眺めるだけって言って

出て来たのに

何で暴れてんスか

しかも

たった百騎で

ええい

うるさい

資械は時々

ワシの母親のように

うるさい

連れて来たのは全部

私の兵なんで

もう引き上げますよ

ケガさせたく

ないんで

フン

スー

飛信隊の

信に告ぐ!!

!?

うわっ

信に告ぐ

!?

信に告ぐ

信に告ぐ

信に告ぐ

我が名は

〝魏火龍〟凱盂!!

責様らが相対す車の

大将也!!

大将也!!

大将也!!

何だ?

大将也!!

大将也!!

貴様も相当な

腕前らしいが

...

大将だと!?

儂も相当な

腕前である!

な何だ

魏火龍って

そこを

踏まえて!

この凱孟と一騎討ちを

する度胸があるなら

面を見せイ!!

面を見せィ!!!

我が両の眼に

その面を見せイ!!

...

画を見せイ!!

...フフフラフラ

一騎討ち!?

面を見せィ!!

尾平さん

......?

ムダ声

何っ

皆が皆

凱孟様みたいに

単純明快な

人間じゃないス

ふつう互いに

攻め込まれてもない中

一騎討ちやろーって

言われても

メチャ警戒するっス

それより大将の

所在がばれたことが

まずいス

下手したら

全軍でここに

突っ込んで来ますよ

戦争っスよ

お前達

守備隊形

あと逃げる用意

ハハ!

ん?

!!!

俺を呼んだ大馬鹿は

てめェか

来ちゃった

ニィ

道を開けろっ

静まり返ってる

本当に

一騎討ちを

やる気じゃ

...っし

だとしたら

こっちのものだ

ああ

何つっても

今の隊長は

龐媛と分けた時より

さらに強くなってる

うわっ

娘軍師

この戦もらったぞ

河了貂

どういうことだ?

魏火籠はもう

死んだという話だった

...

でももし

本物の魏火龍

凱孟だとしたら...

信長

その男は

...

ふむ

若いが

相当場数を

踏んでおるな

この凱孟を前にしても

ひるんでおらぬわ

な...何者だ

竜川の

二回りは

でけェぞ...

だが場数という

意味では儂も

負けてはおらぬ

なっ

儂は廉頗や王騎らと

一対一で互角に

渡り合った

過去を持つ男だ

何っ!!

......

嘘だよ

萄早

えっ

フッ

ほう

いや

オッサンがただ者じゃ

ねェってことは

ここに立ってるだけで

十分分かる

廉顔や王騎将軍らと

戦ったっつっても

別に驚かねェ

何を笑う?

信じぬのか?

だがそんな大物が

そっちが有利な

この戦局の中

わざわざ自分から

首を差し出してきたってのは

そのくれェ

やべェ気を

放ってやがるぜ

オッサン

廉頗らと違って

相当頭悪ィだろ

正解

荀早

ピッ

すっげェ

笑える!

...フン

だが

挑発に乗って

ノコノコやってきた

貴様も儂に

負けぬ大馬鹿だぞ

その通り

副長

副長っ

......

行ったっ!

どっちが本物の

大馬鹿かは

信っ!!

やってみりゃ

分かる!!

やんなくても

分かるよ

さっきの嘘――

凱孟様は廉頗らと

一対一は一度もやってない

でもそれは

凱孟様との一騎討ちは

>死〟を意味したからだ。

賢い廉頗らは

凱孟様との

一対一をことごとく

避けたからだ

それは

即ち

あの廉頗らさえも

ニィ

ルアァッ

へっ?

!?

キングダムの

第384話

騎討ちの

ルアアッ

!?

ガギッ

ギギギ

!?

.....

ビヒィ

グギ

ビキィ

ヌアアア

ガン

がっ

うお

ぐっ

!!

どわっ

ぐわあっ

ギアッ

ハハッ

...

隊長っ

ビヒヒ

隊長

さわぐな

大丈夫だ

隊長っ

.....チッ

......

一撃ちで分かる...

隊長

ただの力馬鹿

じゃねぇ

こいつには

骨まで響かせる

...?

そうだ

さっきのは

正に

異様な

重さ〟がある

あの時と同じ

つまり

“本物”って

ことだ

...だが

一つだけ

なぜそんな奴の名が

廉頗らみてェに

広まってねェ!?

オッサン

そんな図体で

今までどこに

隠れてやがった

分かんねェ

ことがある

ビヒィ

......

フッ

あらかた消えたと

思いきや

また新しい。虎”が

育っておる

観戦は

もうよい

貴様らも

好きに

戦り合え

面白い

ものだ

余興は

終わりだ

貴様の体を両断して

我が復帰戦に花を

そえるぞ飛信隊信

ここで勝ちを

決めてやる!!

その前にてめェのその

どでけェ首を叩き落として

ぎゅ

竜有の歩兵隊で

壁を作って

騎馬隊を

なだれ込ませて

オオ

右のあれっ

沛浪の隊!?

ああ

そうだ

沛浪隊も

戦いの場を

五十歩前へ

了解

もう乱戦になって

隊長の所へは

進めない

一度退かろう

ここは矢も

飛んでくる!

敵将の出現で

戦場の形がかき乱されて

互いの戦術が消えさった

今、素早く先手を

打てれば戦局が

大きくこちらに傾くんだ

退かる暇が

もったいない

ここでやる

でもこれも

信が負ければ

全て終わるし

兵余ってる

前へっ

逆に勝てば

敵の前線は初日で

つぶせる

頼むぞ

信......

.....

一番外側の

先現隊にも

伝令をっ

ハハ!

キングダムの

全体

混戦だったのに

天軍はもう

戦略意図のある

形を成してきてる

あれれ?

裁軍は

大きく後手に

回るぞこれは

凱孟様の

ジャマのせいで

...しかし

それにしても、厳しい手だ

速い上に

噂に聞いたように

飛信隊の軍師は

キレ者だな

あそこか?

飛信隊から見て

戦場の右端

羌瑰副長

本陣河了貂

から

伝令です

「タバタバ

千人将

伝令ス

いつまで水

飲んでんだよ

むっ

夏に回り

込めって?

ゴッキュ

ハハイ

ゴッキュ

ゴッキュ

えっ!?

何で知って...

それよりお前

隊長の一騎討ちは

どうなった!?

こっからじゃ

見えねェ

そうか...

...

しかし

全体乱戦に

なってるってことは

もう終わった

のか?

おかわり

ねェよ!

そそれは

分からん

俺も直接

見れてない

いや

キングダムの

まだ激しく

やり合ってる

やべっ...

とんだら殺られる!!

バキッ

だァっ

ギッ

くそっ

互角と

言いたいか

隊長ォ

程備様

あの相手

ああ

ただの若造

ではない...

っ...

隊長っ

いや...

ああ

消耗は

隊長の方が

凱孟様とここまで

撃ち合う男は

かつての戦場にさえ

一人も...

がァ

矛の達人という

わけではない

オオッ

むしろそれは

浅いと見る

鍛えていようが

この数年といった所だ

だがこ奴には

それを補って

余りある

ぎっと〜〜、

胆力がある!

ルアァ

フハハ

貴様は

何者か信

俺は天下のだ...

若さと裏腹に

くぐってきて

おるわ

面白い

荷早様より

急報です

大将軍

ゼェ

ぜェ

......

二つの理由で

今すぐ撤退せよ

とのことです

一つは奥の千人隊が

回り込んで背後を

取ろうとしていること

もう一つは?

ハ!

手土産ができた

からだそうです!

ほう

ニィ

第385話「仲間割れ

...

...

ドッ

スザサ

隊長の馬が

もうっ...

それだと

信っ

フン...

ビヒヒ

......

時間切れか...

うう

何て

ことだ

さ...

さらわれた

さらわれて

しまった...

誰か...

助けに...

戦場では

敵に捕らえられることは

死よりも恐ろしいこととなる

時として

著雍の

この広い戦場

ほとんどの者が

気付かぬところで

その悲劇が今

貂を襲おうとしていた

凱孟様も

離脱された

様子です

本陣合流で

大丈夫だと

思われます

ん...

...?...

高里

この娘を

頼む

!?

どうされました

荷早様

尻にくらいついてる

あの部隊を

払い落としてくる

俺は...

もう十分だ

一度退がろう

〝回り込み〟は

失敗だ

こっちも間延びして

数が少ない

それにもう

大分息が

切れてるだろ

...

副長っ

何だ

この感じ

前に

敵将でも

いる...?

えっ!?

ん...??

クク

放せっ

まっ

まずいっ!!

こ...

殺されて

なかった!?

あえて

い...

!!

生け捕りに

......

さわぐな

ボケが

てこずら

せんな

あっ...

あの旗は...っ

羌麺っ!!

...!!!..

河了貂!?

そういうことか

羌痴っ!?

はいきた

ぐわっ

ぎあっ

ああっ

くっ

ビヒィ

無理だ

とても

こんな所までは

おお?

できれば

そいつも

生け捕れ

......

バギ

羌瑰

何とかその敵の

指揮官をっ...

バカ

そんなに強く

顔に入れんな

後の楽しみが

減るだろうが

るせェぞ

小娘

指揮官...

あいつか...

馬をつぶして

袋叩きにしろ

届くか?

ハ!

オラァ

ラァ

きっ

痛えたっ!?

すまない

私ができるのは

ここまでだ

バッ

!?

!?

!?

河了貂...

キングダムの

これからはどうしたんでしょうかと思っていましたが、こんなこともありません。

あっ

大丈夫スか?

光滅さん

あの...

ケガは

大丈夫?

副長...

すまない...

すまないじゃ

ねェだろお前

ガッ

何でお前が見えてたのに

テンを救えなかったんだ

さらわれたら

どんな目にあうか

分かってんだろうが

今ごろ

あいつは...

ちょっと!

それは違いますよ

発掘副長は

本当に必死に

戦ったんスよ

でもあまりに

数が多すぎて...

あんなの

誰がいたって

無理ですよ

......

副長のせいみたいに

言わないで

下さい

その後

動けなくなるくらい

必死に河了貂を

救おうとしたんです

そいつらの言う通り

羌擁にあたるのは

おかど違いだ

結局先糖以外

だーれもテンのことに

気付けずにそれぞれ

戦ってたんだ

お前も

含めてな

うるせェ

くそっ

だから前には

出てくんなって

あれほど...

されてるのかな

拷問とか

晶!!

今から

助けに行ってくる

だって...

えっ

バカかお前

んなことが

できるんなら

とっくに行ってるに

決まってんだろ!!

羌擁さん

河了貂は恐らく

奥の予備軍本陣に

連れて行かれました

そこに行くには

まず目の前の

約一万の敵を

決破せねば

...

さすがに

隠密で行っても

無理かあります

だったら

どうすればいい

........

どうして

いいか

分かんねぇから

苛立ってん

だよ...

さ~て

...

クク

ククク

本当に女だよ

小娘だな

キングダムの

飛信隊の

女軍師

ケケケ

全然動かねェな

何だ

その格好

泣いてんじゃ

ねェのか?

オイ

顔上げてみろ

クソガキィ!

女が戦場

来てんじゃ

ねェぞ!

貂の存在

第386話

その年で

どんだけ

男好きだ

てめェ!

!!

どうせ隊の連中の

おもちゃなんだろ!!

ガン

ガン

ガン

面見せろって

言ってんだよ

ボケ!!

なァにが

女軍師だ

バカヤロォ

二年前の戦で

弟が

お前のとこに

殺された

お前が軍師って

いうんならお前に

殺されたも同然だ

なァオイ

なァオイ

さらに去年の戦でも

兄貴が飛信隊に

殺された

......

ッハハハ

聞いてんのかよ

このクソがっ

っ...

いいのが

入ったな

俺の兄貴も

お前に

殺されたぞ

俺の従兄もだ

分がってんのかって

このバカ女はっ

ドッ

キングダムの

どうして

くれんだ

てめえ

ゴッ

小っせェガキが

いてよォ

一家は監験に

迷ってんだぞああ?

ゴス

ドス

...そうか..

このクソがっ

もっと

槍持って来い

資榊ら

何をしている

っ........

さっさと

その小娘を連れて来い

石だ

石を投げろ

頭孟様が

お呼びだ

ククク

いよいよだな

小娘ぇ

凱孟様は

すんげぇそ

ギャハハ

ほら

立て

ちゃんと

生きて

戻ってこいよ?

凱孟様の次に

俺達全員が

お前の相手を

するんだからなァ

それからは

たっぷり苦しめて

殺してやる

てめェが殺した

魏人の苦しみ

全部味わわせて

殺してやる

最後はバラされて

ブタのエサになると

思っとけ

森のクソが

...

ッハハハ

飛信隊本陣

キングダムの

やっぱりイチかバチが

夜製をかけて

助けに行くか

そっそうだな

とにかく

やれることは

全部っ...

ああ

いくら軍師とは言え

河了貂一人のために

古参のお前らに

とっちゃ馴染みの

深い奴なんだろうが

バカを言え

我呂

何百何千の命を失う

賭けに出んのかよ

一、二年の付き合いの

俺らにとっちゃ

納得しづれェー

それにそもそも

女の身で戦場に

来てる時点で

こうなる覚悟は

本人にも

周りにも

あったはず

だろうが

信殿

河了貂のことも

ありますか...

我々は..

全体のことも

考えねば

楚水副長も

深手で

もはやこの戦での

戦線復帰は

難しく

その上で

軍師の河了貂を

失ってしまった

この状態で

とてもあと二日で

凱孟軍まで撃破し

呉鳳明本陣へ行けるとは

思えません

全体?

あっ...

三日で我々と玉鳳隊、録喝未軍が

同時に敵本陣に迫るというのが

この著雍攻略の唯一の策だったはず

キングダムの

我々が失敗したら

他の二軍が窮地に

陥ることになり

なっ...

作戦の...

ひいては

この地の素軍の

敗北につながって

しまいます

今のうちに大将・瞳の元へ

作戦中止を請う伝者を

送るべきかと思います!

中止...

......

俺達のせいで...

...

悔しいが

賢明な

判断かと...

信殿

......

岳雷さん

信..

ちょっと待て

......

!?

...

望みは

薄いがな

一つだけ

試す手立てがある

......

何だそうかい

羌漉

...

実は河了貂が

さらわれた時

代わりに

敵の指揮官らしき奴を

捕らえた

......?

!?

自分が救われぬと

察した河了貂が

私に叫んだんだ

“その男を

さらえ”と

!?

河了紹が!?

へ?

一体

どういう

まっ

まさかっ...

ああ

〝人質交換〟だ

フッ

微妙な顔じゃな

陵辱される覚悟と

殺される覚悟

なぜお前は

戦場にいる

できてそうで

できておらぬ

女ならば美しく着飾り

儂のような強い男に

抱かれるのが至上の

喜びのはず

ああ

お前は

飛信隊、信の

女か

...ちっ

違うっ...

フッハッハ

初めて

しゃべったのう

よし今すぐ

人質交換の

伝者を送るそっ!

オーイ

ちゃんと

考えてから

決めろよー

無策に

こっちから持ちかけりゃ

とんでもねえ条件

つきつけられるし

...

罠にはめられる

ことだって十分

考えられるぜ

何なんだよ

てめェ我呂

さっきから

そういう

危険性があるって

言ってるだけだ

別に大将が

好き嫌いで動くのを

拒否ってるわけじゃねェぜ?

鹿公様なんて

乗りだけで

動いてたからな

だからこの際

“動機の深さ”を

聞いときてェ

みんな何でか

触れねェように

してっけどよォ

河了貂って

お前の女なのか?

お前に

とって

河了貂は

どういう

存在なんだ?

そこをはっきりして

くれるとこっちも

納得がいくんだけどなァ

大将の女

助けるぞー

ってよォ

ちょ

何だこれ!

今そんな...

俺は

俺の唯一の身内の

凛が死んだその夜に

あいつと

出会った

おわぁ

最初にできた

戦友が政とテンだ

だからじけっ

それからずっと

あいつは俺の横にいた

俺の身内...

あいつはもう

たった一人の

妹みたいな

もんだ

テンのために特別

無茶やってるように

うつってるかも

しれねェが

俺は

何もせずにテンを

見殺しにするような真似は

絶対に出来ねェ

フッ...

了解だ

.....

オイ

大将

“人質交換”に

望みをつないで

みようぜ

......?

河了貂

貴様の〝欲望〟は

どこにある

欲望...!?

女だてらにこんな所にいる

貴様にはそこらの女にはない

ケタ外れの〈欲〉があるに

違いない

で?貴様は

その小さい頭一つで

万の男共を

殺すことに欲々を

おほえるのか?

型にはまらす

多欲のままに動く

姿勢は悪くないぞ

ち違う

オレは

そんなんじゃ..

だったらやはり

〝信〟じゃのォ

フッ

そうなると今度は

飛信隊一信のことが

気になってくる

年若き女を戦場にまで

引っ張り出してくる信とは

どれ程の男なのかとなァ

昼間に軽く戦り合ったが

あの若さでとてつもなく

重き一撃を放つ

信とは

何者か

...フフ

いや

貴様にとって

信とは何者か

貴様は、心の奥底で

奴に何を求めている

女軍師として命懸けで

戦場などにいる貴様の

«全欲望〟をここに

ぶちまけてみろ

その内容次第で

貴様を

殺すか返すか

決めてやる

がいもうぐん

凱孟軍

ひ、しんたい

飛信隊

第387話交換

......

な...

五千じゃねぇぞ

いっ

一万以上は

いるだろ

これ

ほ本当に

魏の奴ら

貂を返して

くれんのかよ

人質交換の件

凱孟様は了承した

昨夜の伝者の

話じゃ...

明朝両軍の中間にて行う

明朝両軍の

中間にて行う

って言ってたのに

そちらが五千なので

こちらも五千並べよう

あれどう見ても

二万近くいるだろ

やっぱり

だまされたのか

俺達...!?

奴ら

さっそく約束と

違うことをっ...

いつでも乱戦になる

準備しとけ

オオ

左右端の

動きに注意

ハノ

...

博打が

過ぎる

だまし討ちに

遭うとは

考えなかったのか

......

この形で始まれば

無防備なおたくらは

全滅だ

うるせェよ

あっ

あれっ

出て来たそっ

どっ

てっ

貂か!?

歩いてる!

本物かっ!?

ジャ

ドゴ

...

......

これより

河了貂を放す!

そっちも

荷早を

放せ!

えっ!?

簡単すぎたろ

何かぜってー

企んでるぞ

......

えっ...今っ..

放すって...

放すって言ったぞっ

......

何か

しかけが

あんのか?

おたくらが

人類交換に

出るという賭けに

勝ったってことさ

まさか

い子様だぞ

とりあえず

お前も

行け

河了貂

...

ザム

来たっ

歩いて来たっ

紹だっ

手も足も

切られてない

どーも

顔がちょっと

腫れてねェか?

...しょうがねェ

とにかく無事に

戻ってくれば

まだだっ

まだ

気を抜くなっ

サム

...フフェック

さァ言えィ

貴様の“欲望〟を

......

......

剣をよこせ

こ奴の首を

はねる

待って

......

...?

欲望とか

分からない

オレは

ただ

信の夢が

かなってほしいと

願ってる

...

だけか

...いや

それと...

オレもあいつと

一緒に幸せになりたい

チン

だったら今すぐ

飛信隊をやめて

家に帰れ

なっ...

!?

やはり

責様の欲は

女の欲よ

お前が“女”ならば

さっさと戦場から

去...

嫌だっ

好いた男と共に戦場にあって

添いとげようなどとは

ムシがよすぎる

このままいけば

お前は必ず

最悪の結末を

迎えることになるぞ

オレは戦場で

戦って

そして幸せに

なるんだ

ブッハハ

笑うなっ

それは女の身を

わきまえめ

強欲”である

悪いか

ハッハハ

――実はこっちも

荀早を取られて

離儀しておったところだ

いいだろう

河了貂

...???

信の元へ

返してやろう

大丈夫か

テン

...うん

...

ただいまです

お前が人質をとったり

とられたりするから

ややこしくなった

すみません

フッ

しかしまァ

小娘から色々

話を聞いた

なかなか面白い

相手だぞ

飛信隊

......

信...

飛鹿〟を中央に

持ってきて敵を

分断し

信と羌瑰の

左右でこれを

徹底的に叩こう

もう二日目なのに

オレのせいで

大きく出遅れた

テン

強引だけど

細かい作戦はオレが

指示するから

お前..

来たぞ

信..

迷惑かけた分

策で返すしか

ない

純対勝とう

この戦

フッ

オウよ

オレ

何もされて

ないよ

ああ...

顔見りゃ

分かる

あとな信

飛信隊と凱孟軍は

一旦、距離を離し

互いに布陣を敷き直して

二日目の戦いを再開した

そして一方飛信隊とは

呉鳳明本陣を

はさんで反対側に

なる戦場では

凱孟は本来の

後方予備軍の陣に

戻り飛信隊はまず

敵前線一万と改めて

戦うことになる

ぐっ

!?

あっ

初日で敵前線を打ち破り

その圧倒的力を示した

玉鳳隊が早くも奥の

予備軍に迫ろうとしていた

げは

紫伯様

敵五千が

栄の森を越えて

来ました

...ファッショッ

馬を引け

ここでようやく

もう一人の〝魏火龍〟が

腰を上げる

キングダムの

第388話・新生玉鳳隊

ひっ

げはっ

うぐっ

玉鳳隊爆進/

ぎあっ

第388話・新生玉鳳隊

ハァ

ビュッ

現玉鳳隊は

およそ五千人隊とは

思えぬ程の力を

持っている

ここまで隊が

成長した理由は

三つ

王賁の成長と

隊の熟練

ひィィ

そして

もう一つは

玉鳳隊右翼

千人将関常

半年前に

王翼軍から派遣されて来た

千人将関常の存在である

右翼も

戻って来ました

もう南の森の

敵を討って来たのか

はっ

速いっ

...あれでまだ

実力の全ては

明かしてないように

見える

ああ

王闘様の側近の

一人だったというのは

伊達ではない

それにしても

未だに分からぬのは

あの男の千人隊を

なぜ王殿様が玉原に

送ってきたかだ

何度聞いても

はぐらかしよる

出足でつまずいた

飛信隊に対し

玉鳳隊は

初日で敵前線を

完膚無きまでに

叩きこれを突破

まだ信頼の置けぬ

不気味な男だが

頼りになるという

点だけは

間違いない...

二日目で

敵予備軍の

第一陣をも

撃破しつつあった

魏軍本営本陣

鳳明様

......

北方より敵軍五千が

前線を突破しすでに

予備軍と交戦中です!

風明様

敵は近年よく

耳にする

玉鳳隊です

五千と思って

侮っては後々

厄介なことに

だが

焦る理由は

一つもない

玉扇の名は

聞き及んでいる

この布陣はいかなる敵が

入って来ようと予備軍の

>>連動でからめ捕れる

配置となっている

キングダムの

敵の本当の戦いは

前線を突破し中に入ってきた。

まさに今からだ

もう一人の

魏火龍

一知と武勇〟を

兼ね備えた

紫伯

しかも玉鳳が侵入した

方面の予備軍を

指揮するのは

玉鳳が中で

すりつぶされるのは

時間の問題だ

ッハハ

手応えのない

報告にあった

魏火龍という

敵も全く

出て来ませんな

油断するな

黒金

もし本当に

あの親火龍が

ここに入っていると

したら

二日目の戦い

容易くは...

急報

左方森奥から

砂塵です!

何っ

ドガラ

あれはっ...

魏軍の誇る

装甲戦車隊だ

おっ多いぞっ

戦車の

大隊だっ

来たかっ

左翼に

突撃をっ

かっ

かわせェェ

はっ

速いっ!!

ギャアッ

ハアア

ぐあっ

ぼはっ

ビヒィ

ギャボャギャギヤ

ッハハッ

死ねェっ

全軍停止!

騎馬八百

ついて来い

敵の背後に

回り込む

ハハ

残りは歩兵を中心に

守備隊形で待機

だから

騎馬隊

責様に続いて

戦車を屠るぞっ

オオ

敵中央の駅長カ

回り込んで来ます

馬鹿がっ

かかりおったわ!

ピピピ!!

!?

後ろ!?

ほっ賁様っ

置いてきた

歩兵の所に

敵の騎馬がっ!!

チッ

ぐっ...

戦車は

助攻か

!!

あ...

あれは

魏火寵旗!

ぎあっ

ぐほっ

がっ

歩兵は

どけっ

ブフッ

ぎひっ

予備の

騎馬隊がっ

!?

!?

撃たれてる

人間が気付いて

おらぬ...

錆びつくどころか

ゴッ

全盛期を

超えるのでは...

...やはり

怨念の力とは

これ程に...

やめろ!

紫伯様が...

十四年前を

思い起こすような

言葉は決して口にするな

紫伯様!

我らの背後に回り込む

敵騎馬隊があります

ほう...

敵にも鋭いのが

おるではないか

目まぐるしい

展開である

魏戦車隊の急襲で

玉鳳左翼が打撃を

受けるところを

王責率いる中央騎馬隊が

逸早く救援に向かった

それを読んでいたが如く

今度は魏火龍・紫伯の

騎馬隊が手薄になった

中央部隊へ突入

そしてその騎馬隊の

出現を確認したと同時に

何と右翼の関常時馬隊が動き

その背後をとろうとしていた

玉鳳左翼

戦車隊

玉鳳左翼を

急襲

お兄ちゃんは、

玉鳳中央

王賀駒馬は

戦車隊の後ろへ

突進

紫伯隊

玉鳳右翼

紫伯隊

玉鳳中央へ

突入

右翼関常隊

紫伯隊の

後ろへ突進

展開の早さは率いる将達の

頭の回転の早さである

そしてこの応酬には

まだ恐るべき続きがあった...

第389話

話、業値の名

玉鳳中央

王賁・関常

両騎馬隊

紫伯隊の背後を

攻撃中

後ろの敵二隊

ここを目指して

進撃して来ます

...フッ

愚か者共が

そういうことか

全騎

止まれィ

!?

...

玉鳳中央

紫伯隊と

交戦中

玉鳳左翼

競戦車隊と交際よ

交戦中

魏軍予備軍

魏軍他予備軍

玉鳳隊の退路を

断つべく移動中

包囲されつつ

あるですと!?

ああ

他所の予備軍が

集って来ているのか..

ああ

戦車の急襲から

敵騎馬の突撃

いずれも我々を

ここに足留めする

ためのもの

敵の攻撃に

躍起になって

対処した我々は

まんまと

踊らされたと

いうわけだ

敵の包囲線は

もっと奥にある

はずだったが

誤られましたな

若君

関常!

向こうが動かして

来たのでしょう

我々が

ここまで後手を

踏まされる

とは

相当やりますぞ

ここの敵将は

...

今ならまだ

包囲をかわせます

いや

このまま突撃して

敵将の首をとる

乱戦を解いて今すぐ

離脱しましょう

えっ!?

何ですと?

賁様?

今敵後方の守備を

左右に押し分けた所だ

誰行で

突入すれば

敵将まで

たどり着ける

三突きで首をとり

離脱すれば

それからでも

包囲は十分抜けられる

:無茶です

敵と深くかみ合えば

離脱は困難だ

賭けに

出すぎです

貴様と

口論している

暇はない

行くぞ

ハハ

それにそもぞもそんな

短時間で敵将を討てる

保証もない

今すぐ脱出を

父君王翦は

そんな危うい手は

打ちませぬぞ!

だから

どうした

捨て身が過ぎる

王家の頭首を

継ぐ者として

もう少し命を

大事にされよ

それに時間の猶予と

騎馬の突破力を

計っての判断だ

キングダムの

決して

捨て身など

ではない

戦に私情は

持ち込まぬ

玉鳳の力を

見くびるな

関常

右翼は...

つき合いませぬぞ

なっ

何っ!?

......

好きにしろ

よいのですか

関係様

...

行くぞ

オオ

フッ

私情は

持ち込まぬ

...か

右翼騎馬隊

全騎離脱!

残してきた

右翼歩兵も

退からせろ

ハハ

別にお守りをしろと

殿から仰せつかった

わけではない

よく

言う...

王賁騎馬隊

敵将紫伯めがけて

突進

途中の敵に

かまうな

とにかく

前へ進めェ

ドッ

ハア

ぎゃ

思った通り

中は進む

このまま

一気にっ...

資様

一つだけ

気になることが

何だ

この先に

本当に裁火龍の

将がいるとしたら

あの旗には

紫の文字が

だとしたら

その将は

とっくに死んだと

噂のあの...

...ああ

分かっている

槍を極めんと

する者で

魏の紫伯»の名を

知らぬ者はない

い本物っ...!!

〝龍指〟!!

相手も

龍指を

龍巣!!!

......?

第390

の過去

ガッ

ガッ

ガッ

な...何と

またおまえ

若君一人だけ

生き残って

おる...

紫伯様...

チッ

...

まァいい

それはそれで

金を稼ぐ

しぶとい

ガキめ

詠にまた兵をやって

もっと過酷な前線に

送り込め

えっ

紫伯様

それと

何度も言うが

あ奴を

若君などと

呼ぶな

齢十五にして

討った敵の数は

五百を超える

まだ世が気付かぬ

天才がここにあった

血のつながらぬ

ただの連れ子だ

ギャー

そしてさらに

彼の槍は

度重なる死地にて徹底的に

鍛え上げられ続けた

ォォオオオ

けは

ばはあっ

故に

その槍は

必然的に

〝極み〟へと

......?

ギャッ

賁様ァっ

魏軍本営本陣

なっ...

し...

紫伯様が...

十四年前の

魏火龍同士討ちを

引き起こした張本人ですと!?

...

本当ですか

先生?

ハッハ

どういう

意味だ

ああ

正確には

争いの

原因は

紫伯の妹「事認」にある

フッ

!?

...

妹君?

紫伯は変わった男だ

普通大将軍にまで

登りつめる男は

大層な野心や欲望を

抱えているものだが

紫伯にはそれがない

キングダムの

大将軍となり

七番目の「火龍」の

名を手にした時も

紫伯の表情は

全く動かなかった

紫伯はずっと

色無き世界に

住んでいる

無味無臭の

灰色の世界

その中で

妹紫季歌

だけが

唯一の心の

拠り所だった

...

そんな紫季歌を

火龍太呂慈が

斬殺した

え?

えっ!?

えっ!?

当然紫伯は

怒り狂い

槍を手にした

ちょっ...

お待...どうしてっ

察した太呂慈は

火龍晶仙と馬統を

味方につけ

私と凱孟が

紫伯について

争いとなった

それで太呂慈側の

お三方が

紫伯側のお三方に

討たれたと

......

!!

それで...

厳密には

違う

火龍

太呂慈

晶仙

馬統

紫伯が一人で

この三将を

討ったのだ

なっ...

ダメだ

後ろに回り込め

ごはあっ

間合いの外から

槍を投っ...

ギャア

ぐっ

ダメです

責様はもう

脱出を

これ以上長引いては

後ろの包囲を

抜けられませぬ

う討ち取るどころか、

屈強な玉鳳の隊員がぶん

触れることさえできずに

はじけ飛んでゆく..

くそっ

くそっ

何という

ことだ

こ...

これが

魏火龍七師

紫伯の槍

オオ

玉鳳の

中核を担う

中央部隊が

全滅する

こ...

このままでは...

まずい

死ね

老いほれ

早く

離脱し

後ろの包囲を

抜けねば

ぐあァ

隊形を崩すな

玄兄ィ

ギャア

死ねェェ

むおっ

ほ賁様っ

全兵離脱!

全速力で接方へ走り、

包囲を駆け抜けろ!

ハ!

ハハ!

番陽実際の

退却の指揮を

取れ

ハハァ!

張迅・張告

左右に開いて

道をあけろ

む!?

賁様は

何をっ...

...

ただで俺達を

逃がす相手ではない

俺が〝殿〟を

務める

なっ...

なりませぬ

責様が殿など

しかも

そんなお体で

共に

退却を

えっ!?

明日のため

でもある

明日討ち取るために

奴の槍をもう少し

見ておく必要があるのだ

命懸けだがな

さァ行け

......

賁様っ

フッ

ちょっと

お待ちを...

玉鼓退却だっ

そもそも

どうして..

柴伯様の妹は太呂慈様に

殺されたのですか?

......

〝紫伯〟の名も

〝火龍〟の名も

どうでもいい

お前と添いとげる

ためならば、全てを

捨てて構わぬ

俺は

お前がいれば

それでいい

お兄様...

第391話、喪失

...

じ...

実の兄妹で

結ばれていたと...

だったら

面白いのだがな

フッ

そんなに大した

話ではない

一代前の”紫伯”は

ごく普通の男で

位と財にものを言わせて

多くの女を囲っていた

現〝紫伯〟こと紫詠は

その中の一人の女の

連れ子に過ぎなかった

そして紫季歌も

同様に別の女の

〝連れ子〟であった

共に流行病で母を亡くした

二人はその存在が疎まれ

詠は早く死ね」と言わん

ばかりに激戦地へ送られ続け

季歌は屋敷で

いじめに耐える

日々だったそうだ

目際り

なんだよっ

だがとっき

年月が

流れ

キャハハ

ドッ

子が生まれなかった前紫伯の

後を結局、詠が継ぎ

さらに奴は魏火龍に名を

連ねる大将軍となった

季歌もまた

王都大梁に名を響かす

美女へと成長した

ゼホッ

ゼホォ

結婚じゃとォ!?

兄妹て何を

ほざくか

貴様らが

コソコンと

やっておったことは

とうに知っておったが

結婚など

許すものか

...しかし

私と季歌は

ただの嫌がらせた

二人についてはすでに

周知であり文句が

出るはずはなかった

赤の他人の詠が

全てを持っていくことが

元紫伯は我慢

できなかったのだ

汚らわしい

ゼフォ

ゼフォ

ヒュー

紫詠も紫詠で

短絡的

かなわぬなら

火龍すらも

捨てる覚悟だった

ククク

全く理解に

苦しむわ

だまれ

許さぬと

言ったら...

許さぬっ

ゼホォ

ヒュー

おのれっ

おのれぇっ

.....

......?

だがそれほどに

二人の結びつきは

強かった

...

心配するな

次の遠征から

戻った時ー

お前を俺の妻にする

お兄様...

必ずだ

...

無事に

帰ってきて

下さいね

お兄様

ああ

ーしかし

その遠征先に

紫伯様

大梁の

お店敷から

急かっ

屋敷から?

きっ...

........

季歌様のご婚礼の儀が

大梁にて執り行われた

そうです!!

!?

!?

相手は?

.....

火龍太呂慈様です

ブッハハハ

ざまァ見ろ

さまァ見ろ

ゼホッ

ゼホォ

よりによって

あの太呂慈

紫太様

太呂慈は

〝妻殺し〟で有名な

男だった

噂が

独り歩き

しておる

ただ不貞を働き

妻とは呼べぬ女を

十人ほど斬った

だけだ

儂は妻を

一人も殺して

おらぬ

いや

二十か...

不貞の定義は

それそれが

ここから少しずつ

覚えてゆけはよい

それでは早速貴様に

確かめておくことがある

兄紫伯との

ことだ

よい

火籠の仲間に

免じてこれまでの

ことは許す

故にこれからの

ことを誓え

身も心も

一点の隙間なく

永劫にこの太宮慈だけを

愛し続けると誓うのだ。

...

ククク

つくづく融通の利かぬ

兄妹よ

私が愛するのは

これまでも

これからも

できません

紫詠ただ一人です。

......

......

そこから奴が

どれ程

怒り狂ったかは

想像に

易かろう

紫太様

ヒィィ

火龍三人を殺した

その槍もすさまじ

かったが

それでも

奴の心の空洞は

未だに

埋まっておらぬ

奴には紫季歌が

全てだった

もはや

あいつは

キングダムの

心持たぬ

冷徹な大槍だ

賁様っ

ギッ

バギッ

ぐっ

賁様ァァ

いっ

いや...

資様は...

ギリギリのところで

何とかかわして

おられる

キングダムの

しのげても

反撃に回れぬ

深速さ〟と〝重さ〟の

どちらも俺の

上を行く...

...だが何より...

奴の動きが感覚的に

読みづらい

何かが今までの

敵と違う

くっ

ユラ...

この

連和感は...

......

この男は...っ

っ.....

!?

黄様ァア

玉鳳中央本隊

退却中

......?

やはり

間に合わなかった!

包囲がほぼ

完成している

一点突破

行くぞォ

固まれっ

くそっ

このまま力業で

抜いたとしても...

恐らく

半数は失う

来るぞォ

構えろ

オォオオオ

ん!?

ん?

オラァ

えっ!?

!!

ぐわっ!?

うっ

後ろから

敵がっ!?

退路確保を続けるより

一度作らせて

裏から崩す方が

楽なんでね

ウラァ

かっ...

関常!!

やっ

やった

あっ

あれは

先に逃げた

右翼のっ...

キングダムの

第392話出番のな

ルアァ

ギャ

ごあっ

ぽはアッ

オエエ

尾平さん

...

ん?

よし

うおおお

奴ら退却してくぞ

っしゃああ

うおおお

いや

暗くなったから

退がっただけだろ

「書雍の戦い」二日目終了

少しは

取り戻したか...

初日でつまずいた飛信隊は

貂が戻った二日目

敵前線を破り何とか

遅れを取り戻した

こっちも少し退がって

夜営の準備を

急いで

死傷者の数を

正確に集計して

ハッ

一方玉鳳隊は

二日目、紫伯軍に

敗れる形となった

賁様ァァ

賁様っ

...

録嗚未

〝殿〟を務めた王貫は

何とか関常隊に

救われたが

紫伯の槍によって

重傷を負った

三つ目の“主攻

録嗚末軍はさらに

出足が悪く、敵前線を

越えていなかった

ーーがしかしこれは

憲庫軍に攻め込まれている

職軍の脇を守るためとも

思われる

さすがですね

呉鳳明...

趙国・対魏国境

便城

......

録嗚未軍

夜営地

えーっぐし

ドゴラ

大将が本当から

抜け出してんじゃねぇよ

......?

すす

ドゴラ

なぜ動かぬ

バカを言え

誰がお前の

心配をする

明日昼きっちり

敵本当に

攻め入ってやる

...俺の前に

魏火龍は

いないからな

私の心配を

しているのなら

無用だぞ

ただ日にちごとにチマチマ

計算を立てて戦うことは

性に合わん

俺の軍は走り出せば

目的地まで止まる

ことはない

チッ

一軍で入って行っても

袋叩きにあうな

...ガキ共は

苦戦してんのか

大いに

バカ共が

やっぱり

この戦はお前の戦いに

するべきだったんじゃ

ないのか?

お前が思っている以上に

この著雍の戦いは

中華の注目を...

いや

お前が思っている

以上だ録嗚未

あの合従軍戦を

武将という面から

総括すると

あれはまだ世が知らぬ

傑物が二人いることを

中華が認識した戦い

だったと言える

楚の媚燐と

魏の呉鳳明だ

その呉鳳明と

この私が対決する

ことになったこの戦は

中華全土の傑物達が

注目するところと

なっている

果たして

どちらが上なのか

とな

だから

あんなガキの策に

乗らねぇで

まだ力を見せきってねえ

案の傑物膳の戦に

すべきだったんじゃ

ねぇのかって言ってんだ

っコココ

おだまりなさい

録嗚末

このおバカは

殿は本気で

今の秦王と中華を

獲りに行くおつもりで

あった

茶化すなってめえ

だが今の素軍に

それにとりかかれる

才覚ある武将が

何人いる

......

まさか

あいつらを

ここで..

私は

この著雍は

呉鳳明と私の

対決の場とは

見ていない

私は

これから秀軍の武威の一角を

担うべき若きず能速が

磔物呉賦明に挑み

その力と名を中華に

響かせる戦いだととらえている

そうさせたくなる程

今回の王賁の策は

鋭いものだ

不思議と

才能が結果する

時代がある

かつての

六将しかり

......

バカな

そこまでかよ

あいつらが

!!

確信はない

だから

示してみよと

言っているのだ

まずは

この戦で!

...

昨夜は

悪かったな

お前に

当たっちまって

......

...

私だって

何でもできる

わけじゃない

...んなこた

分かってる...

ただあん時は...

ただあん時は...

オオイ

羌痴

もし象姉が

同じように敵に

捕まったら

きっとお前以上に

私は取り乱してると

思う

冗談だ

面目ねぇ

許さん

オイ

冗談だ

明日だな

三日目!

明日は

凱孟軍本隊と

激突だ

ざけんな

やるんだよ

また

怒った

ああ

正直

向こうは無傷の

予備軍一万から二万

厳しいな

一方こっちは

死者・離脱者を除くと

ボロボロの兵が

四千とちょっと

怒って

ねえしょう

だからテンは

よほど深く策に

はめこまないと

勝ち目はない

今陣を離れて

どっかへ走ってんだろ

王責という男は

身を切る傾向が

あるな

!?

今回の作戦は

確かに唯一のもの

と思うが

それにしても

全軍にあまりに

無理を強いている

んなことは

ねェ

急ぎすぎた

勝機があるなら

飛び込むべきだ

のらりくらり

やったところで

犠牲は出んだろが

......

そんなんじゃねえ

今回はっ...

正直今回は

すげぇ...

珍しく

かばうな

あいつはムカつく

クソバカヤロォだが

この著雍の大戦が

あいつの立てた

作戦で動いて

いるんだからな

俺は

見てみてぇ

あの函谷関を

落としかけたっつー

裁軍第一将・呉鳳明に

王賁の策が

通じるのかどうか...

......?

いや

秦の若手の力が

呉鳳明を討ち取るところを

中華に見せつけてやりてぇ

見込みは

よくて

十に一つだぞ

十分だ!

ひょっとしたら

この戦が

第一歩くなのかもな

第一歩?

ああ

天下の大将軍への

〝本格的〟な第一歩

私の第一歩...

......!!

フッ

ああ...

そうかもな...

俺のだ

キングダムの

第393話

警雍三F

バサ

...

お身体の

方は

問題ない

関常を呼べ

今日の

作戦を

伝える

ハ!

半日で...

呉鳳明まで

行くぞ

ハ!

ちょ

っと待てよ

そんな作戦じゃ

こいつが

たまったもんじゃ

ねェぞ

下手すりゃ...

これしか

ねェんだろ?

この戦いは

順序立てて

敵を討っていく

戦いじゃない

昼までに

呉鳳明本陣まで

行かないといけない

だったらこれで行く

解散

これが唯一にして

最上の策だ

オイ

フッ

こんな夜明け前

から腹へったぜ

何かねーか

テン

こんなに早く

終わると

思ってなかったから

ここにいる分の

朝食は一応

準備してるよ

食う奴ー

大盛り

私も

持盛りで

...

マジか

日が昇り

かけて

きてんな

カカカ

さすが

岳雷

...

夜には

祝勝の酒だぞ

お前ら

...

キングダムの

ゴォー

ンゴォー

...

ベキベキ

ベキベキ

さて

『著雍』

]秦°騰軍;対「魏・呉鳳明軍」

三日目

開戦

咸陽

ええィ

此度の戦は

どうなっておるのだ

“著雍〟の重大さが

ちゃんと

分かっておるのか

謎は

王騎残党軍め

いつも中央を

ないがしろにしおって

販況の詳細が

ほとんど入って来ぬぞ

殿

...

黙って...

〝各所苦戦»の

一報しか届けぬとは一体

何事だ大将の職は

怠慢で

ある!

待てと

いうことだろう

......

信...

飛信隊信だ

討ち取れっ

ぐぎゃあっ

右が動くのは

もう少し全体が

落ちついてからだ

羌!

お前何で

ここに

それまでお前の

周囲を流して

援護してやる

お前が凱孟と

戦り合う前に

へばらないようにな

けっ

いるか

んなもん

ぐはっ

信じ

お前もな

死ぬなよ

へっ

......

萄早様

凱孟様がまだかと

苛立っておいでですが

荷早様

凱...

まだだ

ぬぬ

裁軍め

揺らぐ場所が

ほとんどないぞ

.....

これが

即去軍本軍が

思った通り

相当やる

ハハ

凱孟軍の軍師・荀早

あの人質交換の時

オレと千金抱き合わせでも

交換すると、凱孟は言ってた

キングダムの

それほど凱孟軍には

必要不可欠な

軍師であると

初めの布陣も

隙がなかったし

これは

オレと荀早の

戦いでもある

もう十分だ

流れを起こす

戦いの進め方も

軽くもなく

重くもない

羌擁・

岳雷・我呂に

合図を!

ただじっく

こちらの挙動を

うかがっている..

始めるぞ!

戦力が

右に動いた

来るか..

隊長・信とは別の

もう二人の

危険人物

つまり

正面は

信のみ

俺を捕らえた

女副長も

右翼に入った...

左に

厚みを作れ

火龍旗と共に

凱孟様を

お呼びして

その位置を

敵に知らせろ

そして前を

騎馬精鋭部隊で固めて

誘い込まれてくる隊長信らの

首をとれ!

!なぬっ

荀早め

この儂を

エサにする気か

ぐあ

ぐはあ

ぬオっ

渕副長っ

しっ信殿

敵の騎馬が

異常にっ...

くおお

伍じゃダメだ

什で戦えっ

ああ

やっぱり

すんなり

戦らしちゃ

くれねェらしい

ひィ

......

凱孟-

行くぞォ

オオ

さっさと来い

飛信隊〈信

キングダムの〈完〉

これまでは

こんにちは、原です。

この度は、才能をご確認真んありがとうございます!!

今日に福岡に引越し、借りられなかったらで、引き払い、これでお問い越しだった早京の行事後22月にかかったときは、

中身に外部はバイエント、ようやく引き抜い、これで見せるので、俺からはないんだったんだろう。不倫用引越しかし、完了しました。こんなことも相手の人間は

おそらく引きかし、水で痛みが最後に、3万円近の歴大のサンツを出てあては、マーションの管理人さんが、これですが、ということで、約500円から内容で、お値段のと思って人が日頃で天気に合っております。

最後に3万円近くの歴大にサーバを出て来てくるか、マジションの管理人という事は本当にかく間違って、女性のとはかなか自信を実に全て扱いしてみる

またまえしいくつかったんだが、という事件も、本当に言われておけば、おれなんだったことで、ありがとうございますので、そのままじゃん。

キッチン

お仕事場は31世に少し広くなりました。

おし

マイテスク

コピーす夢(ついた)

○現在の仕事場

エース校原が

座ってただけ

マイテスク

9年内おぜぼれちゃ

井萩のマンション

しまれまして

実際にソフンデルで

東京在宅スタッフヒヤリヒリし

松原先生となり

現在ヤンジャンにて

「リクドゥ」連載や!!

そ司平気一香麦

孝康恵晴茅

本山近村山田上坂和毛

哲朗5達」昊頌原涼子

間哲面首石尾山と

関箱梶北

金上大橋

スタッフ

編集

作原委久

いよォォし

今日は

俺が晩飯

ふるまってやる、なには

おまけマンガ

『天下の大料理人』

んよォォし

できたぞー

オイ

せっかく

作ったのに

えっ

うのも

ねーとた

長として

えっ

えっ

はい

うまい!!

え!?

なななね

何で!?

どうしたんだ

お前っ舌でも

うったのか!?

ゲハハハ

それが

この辺には

あの伝説の

食材が

いるんだよ

ででで

どうだ?

オヤバッ

ギャハハハ

伝説の

食材!?

!?

おっおっ!

!?

これだ

...おおおーー

なっ...なな...

何だその

怪物はー

えっ

知らねーの

ギュポーだよ

これが

うめーんだっ

へ!?

わー

ぶっ

ギャー

ギュポーか

珍しいな

☆ムカシギュボー

オウ

知ってんの!?

そうなの?

へー

ワハハハ

かハハハ

でもそれ

うまいけど

毒あるから

ふつうの奴は

食ったらダメだぞ

象姉が

言ってた

はう

しまい

カバーデザイン

岩崎修(POCKET

YuC

DIGITAL

SHEESAはYOUNGJANATACS

キングダム

36巻

原泰久

©原泰久2014.20!5

初版発行

デジタル版発行-2015年

2014年

発行所・集英社

http://www.shuesshacco.

この作品は、デジタル配信用に再編集を行うったものです

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を含むすることは、法律で禁じられていいます。また、個人

的な使用を目的とする複製であっても、コピーガードなど

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