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Instructions:
...
!!
だ
え
大丈夫
予報は
また
鬼、頭を真っ赤に染めた。
JKKICOMIX
第1話
残
第2話
昼日
第3話
丁
精
第4話
よ
第5話
ご
第6話
れ
と
パパ
第7話--
R
パパ
ポ
チ
じゃ
交
え
に
点
花
電
信
持
社
た
さ
え
この
敢
い
場
な
わたし
169
こん
彼
女
...
あこの作品に
じゃ
です。実在の人物・団体・事件などには、一切関係ありません。
第1話になりましたが、
は。
は。
よっ。
あきの部屋
O#ムnts
そうなんだ。
あー助はもう
ここにはいない。
え
大学生の
無謀運転で...
あーあち、
もう涼しくなっても
いいのに。
あー!!
あー坊...
でえー。
幽霊?
信じる?
......
信じる。
だから兄ちゃん
好きだよ。
少し思い残すことが
あってね。
......
思い残す
こと?
ねえ兄ちゃん
一つ聞いても
いい。
大好きな兄ちゃんに
別れを言いたくって
さ。
あ
どうして兄ちゃんが
田島先輩の写真
持ってんの?
30秒。
3秒。
なんでおまえが田島のことを
知ってんだよ。
あたしの卓球部の
先輩じゃない。
知ってたくせに。
そっか、兄ちゃん
田島先輩が
好きなのか。
よ...よけーな
お世話だ、
ばーろい。
にへへ。
な...なんだよ。
田島先輩に
のりうつったげ
よっか。
別に記憶とかさ、
性格が変わるわけじゃ
ないんだ。
ただ兄ちゃんを
好きになるだけ。
嘘だろ、
そんなこと..
ほーんと
どう?
悪い話じゃ
ないでしょ?
ちょ...ちょっと
考えさせてくれよ。
興奮して何も
考えられない。
う...23個
しかない。
あい
かわらず...
21:22
結局、兄ちゃんには
一回も勝てず
じまいか。
もー回
やるか。
要領悪いんだよ。
ふちをおさえ
なくっちゃ。
今度
あたし黒!!
やっぱり。
......
わざと負けたら
怒るよ。
あ、
ちゃんとやる
ちゃんとやる。
はいっ
この
おまんじゅう
おいしいね
おまえの葬式
まんじゅうたよ。
うまい
わけだ。
なんの
こっちゃ。
兄ちゃんみたいに頭が
軽けりゃいいけど、
父さんと母ちゃんじゃ
ねえ...
頭が軽い?
おまえ、父さんと母さん
どうするんだよ。
うん。
心臓マヒおこしそう
だから会わない。
.....うん
そのほうがいいと
思うよ。
あー坊、
聞きたいことが
あるんだけど。
なに?
死んだら
どうなるのか?
...
兄ちゃん、あしたヒマ?
あした日曜日でしょ?
うー
うん。
いや?
うーん。
デートしよ?
あー
おまえと?
かわいい妹、生涯最後の
お願いだよ。
しゃーないなー。
やたっ!!
あした10時ね。
:::24個。
...
21:22、
ただいまー。
ああ。
母さん
帰ってきた。
兄ちゃん、
あたし行くね。
ふう。
なんであー坊は
あんなことを
言ったんだろ。
霊になって
出てくるのは
何か未練が
あるからだ。
何があー坊を
成仏させ
ないんだろう。
田島を...
寝よ。
また今日も
暑くなりそう
だなー。
母さん、今日
でかけるからね。
またみつる君の
ところ?
ちがうよ!!
あー坊は
何を...
いって
きまーす。
ま、いいや。
どうにかなるだろう。
兄ちゃん。
おーはよ。
にへへ。
兄ちゃん、
この服
憶えてる?
なんだよ。
ああ。
兄ちゃん、
アルバイトして
買って
くれたね。
別におまえに服
買ってやるために、
バイトしたんじゃ
ないよ。
BMX買って
残ったから...
それでも
いいんだ
いまさら
死んだ人間に
服買って
どうすんの。
......
また買って
やろか。
ま.....
まだまだ
にへへ
わりいね、兄ちゃん。
軽い
軽い。
この
卓球女!!
なにー!?
この運痴男!!
兄ちゃん、うまく
なったねえ。
自転車のるしか
能がないと
思ってたけど。
わー、おすなよ。
よけーなお世話だ。
6年生になるまで
補助輪つけてたくせに。
逃げるな。
いいよ、
今何時?
腹へったよ、
飯くおっか。
何?
もうこんな時間。
これじゃおやつだよ。
あ、
おれ
ドリア。
こんな
暑いのに?
クーラー
効いてるだろ。
ねえ兄ちゃん
なんで田島先輩が
いいの?
......
じゃ...
あたしも。
あ?
田島先輩、そんなに
きれいな人じゃないよ。
どっちかって
いうと...
あー坊がそんなこと
言うとは思わなかったよ。
ぺ...ぺつにきれいとか
かわいいとかだけで
好きになる訳じゃ...
そうだね。
赤くなって言うところが
兄ちゃんらしいや。
ふん。
.....そろそろ
帰ろうか。
こっち
通っていこ。
憶えてる?
この道、小学校の
通学路だよ。
なっつかしー、
全然変わってない。
そういや
そうだっけ。
ブランコ
のってく。
........
うわー
全然低いの。
ねえ、あたしがここで
いじめられてて、
兄ちゃんが助けてくれたことを
あったでしょ。
...あー
うん。
あった、
陣内だったっけ。
そーいやおまえ、
あいつにはパンツの中に
カエル入れられたことも
あったな。
その話は
やめてよー。
なんで兄ちゃんが
ここにいたの?
......
忘れた。
兄ちゃんには
感謝してるんだ。
いつも兄ちゃん
そうだったね。
で、
どうする?
田島先輩。
ふう
おまえには何か
メリットあるのか。
んーん
ないよ。
やっぱりいいよ。
そんなことまでするの
まずいと思うんだ。
第一
田島に悪い。
兄ちゃんらしい
セリフ。
そこが好き
なんだけどね。
田島先輩から兄ちゃんに
渡してって、あの日
たのまれてたんだよ。
もっと
喜べよお。
おまえ、これを
渡すために...
もし兄ちゃんが
断らなかったら、
出さないつもり
だったんだ。
最後の意地悪。
じゃあ、
のりうつるって
のは...
うーそ。
そんなこと
できるわけないよ。
安心した。兄ちゃんが
あたしの思ってた
とおりで。
兄ちゃん、
あたし
いかなくっちゃ。
もう
会えない
のか。
あ...
兄ちゃんと田島先輩が
結婚して、最初に
生まれるのは
女の子なんだ。
......
名前は
あきこだ。
ありがとう
兄ちゃん
ちょっと
こまっしゃくれて
る。
1.
だ
残暑
第2話三丁目交差点電信柱の上の彼女
僕はどうやら
死んだらしい。
この交差点で
交通事故にあって。
...
生前の乏しい知識で言えば
これが地縛霊ってやつが、
お昼間...
今回しば!!
あの娘は
どうしただろう。
記憶は一度
そこでとぎれ
気づいた時は
またここに
いたって
わけだ。
愛川新町店
支持所の
技刀
立考えてみりゃ、
あの
タイミングで
助けに飛び込んでも
間に合うわきや
ないよな
もしかして
一生(?)
このまま
なのかな
死んじゃってから
言っても
始まらないか
誰かここで
死んでくれるまで
成仏できないの
かな。
後悔は、
先に立たない。
インキな
役にな
4時15分
4時15分
八百屋
さんの
軽トラが
仕入れに
出る。
4時50分
新聞配達の
兄ちゃんが
走っていく。
5時00分
太った
三毛ネコが
通ってゆく。
こいつのコース
みたいだ。
6時30分
ジョギング
おじさん
6時50分
犬を連れた
女の子。
おしっこさせる
場所も同じ。
7時10分
パン屋
さんが
店を開ける。
和洋菓子用
...
7時50分
真っ黒い
スポーツカーが
タイヤを鳴らして
曲がっていく。
8時00分
精肉店の
おじさんが
歩道の掃除を
始める。
8時10分
8時10分
キレーな
ねーちゃんが
自転車で
かっとんで
いく。
4日も
この交差点に
いると、
ここに集う人たちの
時間がわかるように
なってしまった。
うーん、
たいくつだなー。
せめて、ここから
動ければいいのに。
お
登校時間か
なりの文子高の子たちだ
どーしたのー
あばちゃんめまん...
メンチカッち校下さい
こんにちは。
今日もまた
一日終わっ
ちゃうなー
そんなとこで
何してるん
ですかー?
もしかして
僕が見える?
ん?
え?
地縛霊ー!?
少しもおかしいと
思わなかったのかなー。
ほら。
あー今
変なところも
さわったー!!
だ...だから
さわれないん
だってばさ。
なんか
あ!!
おもしろい?
今もしかして
体すりぬけ
てた!?
すごい
すごい。
あたしも
あたしも。
あ、
ママに
おこられちゃう
そろそろ
帰らなきゃ。
それじゃ
帰りまーす。
あ、
まだ名前
聞いてません
でしたよね。
僕は、
乾秀人。
キミは?
あ!!
幸田純子。
変な子
だった
なあ。
あたし
言ってません
でした?
幸田純子
......か。
誰かいた
ような
気がした。
おはよ
ございまーす。
どこむかって
あいさつ
してんの。
内緒。
どーせあんまり
御飯食べて
ないでしょ。
何?
お弁当。
そうだけど、
でも...
みんな
となっと
...でも
あっ
朝、早起きして
作ったんですよー。
僕
食べられ
ないよ。
あ。
ごめん
なさい
いいよ
いいよ。
気持ち
だけで。
幽霊に弁当
食わそーなんて
考えるかなー
フツー。
なんか乾さんって
死んじゃったワリには
深刻じゃない
ですよね。
そーいう
こと
言う?
まあ、さ
今さら悩んでも
仕方ないし。
あ......あ
ごめんなさい。
あの時
女の子
助けるために
飛び出したのは
正しかったと
思ってるし。
かっこいー
でもちょっと
幽霊になったのは
予想外だなー。
うーん
あの子はどう
なったん
だろう。
あの子は
とりあえず
助かったのか。
何か心残りか
ある?
なんだったか
一人は
重体って
聞いたけど...
重体...
こ:今度は
何?
ヒマだろうと
思って本
持ってきたん
ですけど。
なぜ世界現象だから
あなたがこんな
あ。
気に入り
ません?
これ。
ページ
めくれないん
だけどさ。
ご...
そこまで
頭下げ
ごめん
なさーい!!
仕方が
ないよ。
別に馴染むから、
今だって
立ってるような
位置にいるだけだし。
...
幽霊の知り合いって
初めてなんで
うまく出来なくて
ごめんなさい。
そりゃ
そうだろう
けどもさ。
あのさ、
たのみが
あるんだけど。
僕の家の、
様子
見てきて
欲しい。
ここだ。
はい。
まっ前に本当
あ...
あの...
どう
だった?
うあああ。
え?
あ?
ちょ...
やぁやあ
ふーん
パンパット
そこの
路地へ...
追いかえ
された?
どうして?
なんだか宗教の勧誘と
間違われたみたいで...
へ?
あ...あの
あたし、今
三丁目の交差点で
お宅の息子さんに
たのまれて来たん
ですけど......
......!?
いいよ
いいよ。
あ...あたし
何もちゃんと
出来なくて..
何も出来なくてごめんなさい
と言って
彼女は帰っていった。
乾さんはそんなに強いのに、
あたしは...
でも
違うよ
それは
何もして
あけられないのは
僕のほうだ。
君の肩を抱いて
なぐさめてあげる
ことも出来ない。
僕は、
後悔しはじめて
いる。
彼女に会う度に
その想いは
つのっていくだろう。
彼女には
会わないほうが
いいのかも
しれない。
雨......か
嫌だなぁ。
もしこのまま
死んじゃったら
乾さんとこ
いけるかな。
雨!!
まだ
登校時間には
早いよな
!!
僕のために
傘を持って
きたのか?
どうしたん
だろう。
乾さーん。
乾さん!!
あ...
出ていって
どうすると
いうんだ?
これ以上
苦しくなる
だけじゃないか...
車がくるよ
乾さん、
じゃない...?
いじょうぶ
沖
なぜ
僕が
ここに
いたのか
わかった。
や
これは、
瓶有病院
どいて
くれ!!
う...
乾さん
...
ケ.....
ケガは?
大丈夫。
乾さんが
助けて
くれたから。
そうだ。
さっきから
変だと
思わない?
僕の未練は
あの娘を
助けられなかった
ことだったんだ。
あ。
頭の包帯
どーしたん
ですか!?
今
車にぶつ
かって?
あ!!
どーして
さわれるのー!?
僕は10日間
意識不明だった
らしい。
その間
僕の意識は
あの交差点を
さまよっていたんだ。
きっと彼女の
代わりに
あたしが
助けてもらえ
たんですね。
あ...
じゃあね...
何?
どーしたん
ですか?
そうか...
あの時
傘持って
きてくれた
の。
あ!!
純子を救い
僕の意識を
戻してくれたのは
ん?
必要
なかったって
気づいてた?
彼女たったのか。
7時40分
真っ黒い
スポーツカーが
ゆっくりと
交差点を
曲がっていく。
8時00分
精肉店の
おじさんが
歩道の掃除を
始める。
8時10分
キレーな
ねーちゃんが
自転車で
かっとんで
いく。
そして、
8時15分
彼女と僕が
三丁目交差点
電信柱の下で
待ち
合わせる。
丁目交差点電信柱の上の彼女/
第3話華精荘に花を持って
高校を卒業し
浪人生活を始めたころ、
小学6年の時の
クラス会の案内が届いた。
へーえ。
久野先生も
来るのか。
高田科子。
じゃあ、
あいつも
来るのかなぁ。
その夜
だった。
女の子。
え?
誰だろ。
あ
はい。
恭二くん?
あたし
憶えてる?
科子。
し.....
しなちゃん?
わあ
よかった。
憶えてて
くれたんだぁ。
高田科子から
電話がかかってきた。
久しぶり
だよね。
だって恭二くん
引っ越してから
連絡くれないんだ
もん。
ご...
ごめん。
おいよいいよ。
頭下げてる恭二くん
見えたから。
え?
うん。
きたよ。
恭二くん
行く?
その
つもり。
え?
ねー
クラス会の
案内きたー?
あ、じゃあさ
集合場所
変更になったから、
あ
そうなの?
うん。
今、電話で
申し送り。
でね、
あ
わかった。
約束
憶えてる?
今でも、あの約束
守ってくれるかなぁ。
約束?
あ
忘れてる
あ。
憶えてる
憶えてる。
思い出した。
小学6年まで
僕は
市内の古い公団住宅に
住んでいた。
そして、そこに
高田科子も
いたのだ
彼女はなぜか
僕に好意を寄せていて、
恋人気取りだった。
その約束は
僕の引っ越し前日に
された。
大人に
なったら
いっしょに、
大人になったらいっしょに、
華精荘
行こ。
あんなところ
行って
どうすんの。
ん。
お...
大人って
いつくらい
?
本当の
恋人に
なれるんだよ。
初めての
キスだった。
うーん
高校卒業したら、
その
くらい。
い...
いいよ。
約束だよ。
ね。
もう一回
しよ。
2度目の
キスだった。
クラス会
楽しみにしてるね。
それじゃ。
あえ
ちょっと。
い
え?
華精荘というのは
公団住宅のそばにある、
ラブホテルの
ことだ。
マジ?
今から思えば
高田科子は
ませた子たった
彼女の家の隣に
雪乃さんという
20歳ぐらいの女の人がいた。
僕たちはこの人を
姉のように慕っていた。
綺麗で
優しい
憧れの人。
憧れの人。
そして、
僕の
初恋の人
ねー
あたし
雪乃さんの恋人
見ちゃった
キスしてたんだよ。
いいねーいいなー。
どうも
高田科子がませているのは
雪乃さんの影響らしい。
事件が起きた。
ねー
雪乃さん
今、
華精荘に
行ったー。
あー?
えっちー
おまえ
そんなことばっかり
やってるなよな。
スパイ。
ほっとけよ。
行って
何すんの?
ガキ。
でも
雪乃さんが
華精荘から
戻ってくることは
なかった
手首を切っていた。
見つかった時
すでに
相手の男は
いなかった。
あとで聞いた話では
妻子持ちの男だと
いうことだった。
それからだった
高田科子が
僕と特に親しく
なったのは。
考えてみりゃ
クラス会の日と
別のほうが
いんじゃ
ないの?
お客様が
おかけになった
電話番号は
現在使われて
おりません。
あ
てっさん?
おう
おひさ。
あのさー
高田の電話番号
わかる?
わからない?
でも高田
クラス会
来るんだろ。
え?
あいつ今
東京なの?
じゃあ、あのさ
集合場所
変更って...
「何それ」
が、返事だった。
高田科子は
クラス会不参加の
返信を出していた。
集合場所の変更は
もちろん嘘だった。
高田科子は
僕を
からかったんだろうか。
よー
久しぶり
クラス会当日が
やってきた。
6年前の
懐かしく
そして
どことなく
違和感の漂う
友人たち
あー
恭二くんー。
なつかしー。
変わって
ないねー。
じゃ
移動する
ぞー。
ついて
来いよー。
か......
変わったねー
山口さん。
そーねッ
そりゃそうか
6年分の変化が
積み重なって
いるんだから。
高田科子は
どうなった
だろう。
それじゃー
6年2組に
乾杯ー
!!
久野先生
ご到着ー
!!
先生
かけつけ3杯
!?
若村さん
高田、今
どうしてるか
知ってる?
科子?
恭二くん
そーいや
科子と仲
よかったよね。
高田科子は
来ないか
そりゃ
昔の話。
知ら
ない?
ちょっとは
知ってるけど。
なんか
大変らしいよ。
勘当状態
みたいだし。
勘当?
うん。
東京で、
男と同棲
してるから。
べ.....
別に。
ん?
ショック?
なんか
細かいことに
うるさい人
みたいで、
お金の
やりくりとか
苦労してる
みたい。
ちょっと
悪い。
オレ、先
抜ける。
お金のやりくり?
僕は
高田科子が語った
集合場所へ
向かった。
そうか
高田科子には
「別の日」は
存在しないのかも
しれない。
そして、
高田科子がいた。
久しぶり、
恭二くん。
待たせて
ごめん。
久しぶりに見る
高田科子は
僕の記憶のそれより
ずっと綺麗になっていた。
それじゃ
行こうか。
華精荘は
6年前と変わらない姿で
そこにあった。
305号室
お願いします。
305
ねえ
恭二くん。
知ってる?
この部屋。
雪乃さんが
亡くなった部屋
なんだよ。
本当は
あの時すぐに
来たかったん
だけど、
入れてくれ
なかったん
だよね。
そうか。
そういうことか。
恭二くんと
ここに来られて
よかった。
相手の人
どんな?
聞いたんだ。
妻子持ちの
おじさん。
ははは。
へへへ。
科ちゃんは
大丈夫?
頼りに
なる
優しい人、
ねえ、
だよ。
どう
する?
風呂、
使えないし。
でも、
あはは。
私、本当に
恭二くんのこと
好きだったよ。
私、本当に恭二くんのこと好きだったよ。
でも、あの頃
恭二くん
子供だった
もんねぇ。
ねえ、
キス
しよ。
そして
高田科子は
帰っていった。
今日中に
戻らなくちゃ
いけないから。
キスは、
それが
僕の知っていた
高田科子とは
違うことを
教えてくれた。
ここで
また一人
女の子が
亡くなった
その花束は、まるで
高田科子のために
使えられているように
思えた。
華精荘に花を持ってノ完
第4話よごれ、たきれいな
沢渡タ子は
みんなの
憧れだった。
沢渡の家は大きく
車庫には車が4台
とまっていて、
そして
壁は高かった。
沢渡は
いつも小綺麗な
格好をしていた。
オレなんかには
わかるハズもないが、
きっと、かなり
高いものなんだろう。
端整な顔だち。
もう
立ってる姿からして
違う。
まさに
眉目秀麗
八面玲瓏。
沢渡00点。
次は高田
33点。
沢渡は
勉強もできた。
というか
学校一た
ウワサじゃ
中学の問題も
できるんだとか。
私
こっち
やるから。
そして
誰からも好かれる
裏表のない性格
つまりは
何から何まで
完璧。
とても
同じ人間とは
思えない
生まれの
貴賤とは
こういうこと?
どうしてこんなのが
うちの学校に
来てるのか。
だから
みんなに嫌われていた。
沢渡の親父が
経営の失敗から
負債を抱え、
自殺した時
大丈夫だった?
沢渡さん
これから
大変だね。
何か
手伝えること
あったら
言ってね。
沢渡に
同情してるやつは
誰もいなかった。
沢渡の
位置づけが
決まった。
みんな
毎日の無意味な怒りを
沢渡で埋め合わせた。
となりのクラスの
女のセンコーなんて
笑って見ている
だけだった。
それでも
沢渡の泣いたところを
見なかった。
それがよけいに
オレたちの
カンにさわった。
沢渡の変化は
しゃべらなくなったこと
笑わなくなったこと、
そして
もうひとつ、
沢渡のくせに
ハンカチなんて
使ってんじゃ
ねー
おら
こっちだよ。
着ているものに
清潔さが
感じられなく
なったこと。
てめ
パンツ
汚ねー
あー
沢渡
けっちまった。
ヨージ
てめ
近よるな
オレに。
沢渡ん家。
もう
ここにゃ
いねーよな。
そーいや
今どこ
住んでんだ。
沢渡のパンツ
どんな
だったんだ?
ヨージのやろう見やせっ
先輩も
できねーのかよ。
何
ドキドキ
してんだ
オレぁ。
隆!!帰ったら
ちゃんと挨拶
しなさい。
おまえ
いじめてんじゃ
ないだろうな。
そんな
かっこわりーこと
できるかよ。
親父が
社長じゃなくて
よかったよ。
まさか
そんな子供じゃ
ねー
オレだって
大変なんだぞ。
なんだ?
沢渡さんとこの
ことか?
世の中には
上なら上の
あるんだ
下なら下の
大変さが
おまえだって
そのうち..
これだから
親父は
嫌いだ。
隆
また服
汚して。
何
これ。
まーまー
子供なんだから。
子供じゃ
ねーって。
お父さんも
ワイシャツに
ソースとはすの
やめてください。
よー
母さん
洗濯うまい
からなー。
クリーニング屋
より
きれいなんじゃ
ないか?
さー
シミヌキ
シミヌキ。
「シングルード」
最初から
汚れてないほうが
いいんです。
母親は
これといった取り柄もない
つまらない女だったが、
妙に洗濯だけはうまかった。
沢渡のも
うちで洗って
やりゃいーじゃん。
って
できるわけ
ねーだろ、
このボケッ。
このボケッ。
く...なんと
大丈夫かな
沢渡に
かつての神々しさは
なくなっていたか。
沢渡10点
次の高田
75点。
なんだ
この結果は。
なんだこの結果は。
でも、それは
外見だけのことで
少なくとも
勉強に関しては
相変わらずだった。
おまえら
バカのまま
大人になるな。
オレの老後を
ちゃんと支えろ。
沢渡がテストで
100点以外をとるのを
見たことがなかった。
オレたちは
いろいろな
いじめを考えたが、
何をされても
沢渡は
感情を表に
出さなかった。
いじめの方法を
沢渡に考えさせりゃ
もう少しマシなのが
できるんだろうけど、
何
やってんだ?
オレたちの頭じゃ
そんな
大したことは
できなかった。
そんな沢渡に
あきてきていたのは
本当だった。
いやいやーいい
そんな頃だった。
親父が会社を
クビになった。
言ったろ。
下だって
大変なんだ。
親父に言わせりゃ
10人に1人がクビになった
大粛正だそうだが、
てやんで
バーロい
よーするに
10人中10番目なわけで
いかにも
オレの親父らしい。
こんなこと
誰にも言えねー。
が、
ウチの親父
会社、クビに
されちゃって
よー
え
マジ?
仁義を通して
幼稚園からの
無二の親友
ヨージにだけは
しゃべった。
大変
だな
誰にも
言うんじゃ
ねーぞ。
保母の下着を盗んで
近所のオヤジに
売ったりした仲だ。
裏切られた。
バーカ。
てめ
沢渡と
なめあってろ。
ショックだった。
あとから考えてみりゃ
あたりまえの
なんてことのない話だが、
この時の
オレには
でかかった。
オレは
うまく立ち回って
いたわけでも
なんでもなかった。
この日から
オレが標的に
なった。
隆!!あんた
最近、何?
どうして
こんなに服
汚れるの!?
なんでもねーよ。
なんでも
ねーよ。
洗濯
好きだろ。
でも
ここのところ
ちょっと。
あんたも
来年は中学なんだから
少しは大人に
なりなさいよ。
使う?
沢渡は
相変わらず
無表情だった。
こともなけに
言った。
い...?
使えるわけが
ない。
いらね
て...
でも、
沢渡のほうが
上手だった。
あ
あのよ
その、
佐田の
オヤジんとこで
何してたんだ?
古紙回収の?
謝るチャンスだ。
ああ。
本
とっておいて
もらってた。
本?
あー
だって
勉強なんてよ
もう
やらなくても
いいんだろ。
うん。
参考書とか
問題集の。
やめちゃや
いーのに。
え?
私、自分で
してるんだよ
昔から。
やらされてると
思ってた?
スキなんだ?
オレは
間違えた。
やっぱり
そう思うんだ。
沢渡は
表情を変えずに
そう言った。
なんだ?
あ、
わりい、
血い
ついちまった。
でも、
いいよ。
気に
しなくたって。
洗って
返すから。
あ、
いいから
気に
しなくて
いいから。
沢渡の表情が
動いた。
いや、
でもよ
わりーし。
じゃ。
あ。
どうしたんだ?
ハンカチには
別の血がついていた。
洗っと
いて。
それ
それは
結構な量だった。
これ
女の子の?
あんた何やったの?
あんた
何やったの?
次の日
沢渡の姿は
学校になかった。
母親、そして
幼稚園に通っていた
妹とともに
失踪したという。
オレは
謝ることが
できなかった。
昨日の
ハンカチは!?
洗濯しか取り柄のない女の
仕事ぶりは
さすがの一言だった。
仕事が
見つからなくても
親父は呑気だ。
別に守るものが
ねーからな。
何
言ってるんですか!!
あたしと隆が
いるでしょうに。
ま、
立場のある上の人間は
それに負けないように
がんばらなくちゃ
いかんからな。
そこそこが
気楽だな。
だから
沢渡は勉強が
できなくちゃ
いけなかったのか。
でも、
あの時の
沢渡は...
ハンカチの血の跡は
それがどこにあったのか
まったく
わからなくなっていた。
顔を赤くしていた
沢渡のことさえも
忘れさせそうだった。
でも
沢渡はいる
どこかで
がんばっている。
よごれたきれいなノ
第5話「A」という
あ~~
重て~~
だり~~
ちくしょー。
次は..
長谷川さんの
ところか。
あの人
苦手なんだ
よな〜〜〜
なんだ
30分以上
あるじゃ
ねーか
はー
飛びこみ営業
なんて
やってられねー
よな。
バカバカ
しー
それでいいでしたが、
AR50か。
必死に
バイトして
買ったなー。
あの頃は、
あー。
やなこと
思い出し
ちゃったなぁ。
バイトも
嫌じゃ
なかったっけ。
ラクたん、
今日も
コレ?
ケロンパ号。
ケロンパじゃ
ねー。
変な
緑色じゃ
ねーか
わかんねー
かなー
あのヨサ。
かっこいい
緑色だよ。
わかん
ねー。
ほっぺた、
メットのアト
ついてんぞ。
あのメット、
小さいんだよなー
もらいもんだから。
それ
また
燃やすの?
バレん
なよー。
買や
いいのに。
そんなねーて、
そんな金
ねーて、
ガソリンと
オイルで
もう
バイト代...
秋野さん!!
足
はえー。
楽田くん。
そんなに慌てて
何?
用事?
あ...
ピアノの
レッスン
そりゃ
丁度
いいわ。
それ
オレが捨ててきて
やるよ。
あ...
でも
楽田くん...
当番じゃ
ないでしょ...
いーから
いーから
秋野さんだって
当番じゃないしょ。
うん
じゃ、オレ
やっとくから。
帰って
いいよ。
そろそろ
かな?
おー
カーボン
取れてる~
秋野さん
何
してんの!?
帰らなくて
いいの!?
あ...
ありがとう。
あ...
でも...
なんか
悪くて...
はあ?
じゃあ
また明日。
さようなら。
お...
おう。
それ
言うため?
ヘンなヤツ。
悪いこと
しちゃった
かな。
秋野さん
場所
どこ!?
オートバイ?
楽田くんの?
そこなら
バイクで
行ったほうが
全然早いよ。
ちょっと
待ってて。
送るよ。
カーボン
除去するために
マフラーの芯
燃やしてた
なんて、
秋野さんには
言えないなー。
そっ
そうでしょ。
わかる?
さすが
秋野さん。
きれいな
色...
アマガエル
みたい..
これは
ライムグリーンつって
カワサキの
戦闘色なの。
アマガエルの
色って
かわいいよね。
オレの
かっこいい
ARの
イメージか!
でも、
かわいいよ。
よし
フケ
バッチリ。
これ
使って。
あーと、
少し
クサい、
かも。
ちがう
ちがう。
どう?
苦しく
ない?
両側のヒモ
ひっぱって
ひろげて...
こ...
こう?
大丈夫。
くさくない。
大丈夫!?
足
気をつけて。
うん。
速いね。
そーでしょ
そーでしょ。
カワサキ
最後の
フルスケール50
だからね。
すごーい。
カワサキって
何?
もう
すぐだよ。
あて~
秋野さん、
大丈夫!?
ヒザ...
あ...
うん。
ノーヘルで、
2人乗り:
と。
それで
そのひき逃げした
車の特徴とか
憶えてるかな。
ナンバーとか。
白い車で..
ナンバーは
ちょっと...
...96。
え。
2096
すごい
秋野さん。
よく
見てたね。
ヘンなヤツ
だなあ。
ごめん。
間に合わなく
なっちゃった。
あ...
うん。
ヒザ
痛くない?
ほかは
平気?
あ...
ヒザ?
ちょっと、
痛い...
ごめん。
ヘンなヤツ
だったなぁ。
あのあと
大変だったん
だよなー。
秋野の...おやじに怒られて、
秋野の...
おやじに
怒られて、
免許も
停学
くらって、
学校に
預けさせ
られたし、
そうか。
あの頃から、
トラウマに
なってんなー。
ARも
売っちまったな。
大学入試の前日
素っ裸で
オナニーして
風邪ひいて、
でもそれが決まってく
たったよな
一浪したことも、
アレに
比べりゃな。
白いヒザ、
キレイに
治ったかなー。
秋野さん
か。
どうしてる
かな。
だったら
...
ARの
持ち主か
女の子?
って、
秋野さん。
ら...
楽田くん?
AR?
あ...
なんだか、
あ...なんだか
楽田くんの後ろに
乗せてもらった時
楽田くんの後ろに乗せてもらった時、
あの時
目覚めちゃったの
かな。
高校出て
すぐ
免許取って、
ウチ出るって
ゴネて。
お父さんには
猛反対された
けど、
やべっ
こんな時間。
ごめん
秋野さん、
せっかく
だけど
お客さんのところ
行かなきゃ...
送るよ...
送るよ。
この歳で
原チャで
2ケツ?
楽田くんて
そんなこと言う
人だったんだ。
ちょっと
がっかり。
あ...
ねえ。
コケて
みようか。
って、
オレ
営業中
でー
服
破れたら
あはは
それも
いいか?
はぁ!?
嘘
だよ。
昔からずっと
思ってたけど
秋野さんて、
何!?
美人!?
ヘンなヤツ。
第6話「パパの歌
作詞、糸井重里
作曲_忌野清志郎
唄あ、忌野清志郎
座
この歌
好きだよねー。
おう。
RCサクセション
の、
『雨上がりの夜空に』
『雨上がりの
夜空に』
まあ、
らしい
よね。
オレのことを
唄った歌、
だぜ。
みんな
同じこと
言ってるん
だろうなー。
最近さー、
ははん。
どうしてだか
よく、
お父さんのこと
思い出して。
松葉
そういう
シュミ?
バカ?
じゃあ
なんだ?
最初にそれを
思いついて
さらにそれで
終わる
あんたって...
じゃあ..
死んだ?
あー
うぜー
そうも
言って
らんねーか。
わけないでしょ。
これから
会うんでしょ。
そー
そー
あー
アレだ。
ナーバス
つーやつ。
初めての
子供で。
それならさ
思い出すのは
お母さん
でしょ。
そういう
もん?
でしょ。
ふーん。
だって
本当
印象
ないから、
お父さんの
いや、ここで
こら、
拾い
なさい。
あ、
やべ。
会社人間て
ヤツ?
24時間
戦う
サラリーマンて。
そんな
かっこいい
もんじゃないと
思うけど。
普通
だったよ。
朝ご飯も
いっしょだし。
夜は
いない時も
あったけど、
休みの日は
遊びに
連れていって
もらったりも
したし。
あ
子供の
頃はね。
その頃
からかな
中学の
頃からは
いっしょに
いなくなったか。
印象
薄いのよね
いたんだか
いなかったんだが。
パパは
悲しーな
おまえは
大丈夫
だよなー
前見て
前。
あんたは
駄目すぎて
相手にして
もらえない
かもよ。
オレんちは
自営だったからよー、
うざくて
いつも
コロすことばっか
考えてたぜ。
あはは、
あんたの
お父さん
豪快だもん
ね。
今でも
負けてる
よね。
シュミ、
居間の
掃除。
うるせー。
...
おまえのオヤジ
話づらいんだよなー。
切り込み方が
わかんね
つーか。
シュミ
なんだっけ?
おまえの
オヤジ
変わってん
よなー
タバコ
吸わないし、
ギャンブル
やんないし
酒は
...
飲んで
たっけ?
あー
つきあい
くらいじゃない?
あんたの
お父さんとは
まったく
違うよね。
飲む打つ買う
ってやつ?
家では
飲まなかったけど。
"うつ〟って
なんだっけ?
クスリ?
買うは
わかんないけど。
違う
違う。
この前
さー
お母さんに
電話で、
隆、
ん?
お父さんて、
お父さんに
似てるって
言われて
お義父さん!?
オレが?
それで
気になってるの
かなー
え?
似てる?
どこが?
うろたえ
てるね。
ぜーんぜん。
煙草は
すぱすぱ
喫うし、
飲みに行けば
帰ってこないし、
パチンコは
当たり前
結婚して
からは
競馬?
貯金
いっぱい
たまったよね
JRAに。
そのうち
引き出して
やんから。
ギュー
つけつ
やんなくて
いいです。
趣味の
車には
...???...
お金
かけるしね。
あの
...
でも、
あー
何?
ん、
やっぱり
心配だなー。
何?
半年も
放っておくの。
浮気ー?
それは
心配して
ないけど。
まあ
そん時は
隆のお父さんに
言いつけ
ちゃうから。
ああ
それは
ヤベー
心配して
ないの?
して
ほしいの?
おめ
ぼく
生活
荒れそうで
心配なのよ。
5か月だろ。
たいしたこと
ねって。
体調に
よっては
延びる
かもよ。
死んだり
しないよ
な~~~
わけ
ないでしょ!!
昔は
亡くなる女の人
結構
いたらしいけど。
大丈夫
大丈夫。
そこの
助産院の
高田さんて
あたし
取りあげて
くれた人
だし。
えー
じゃあ
すげー
ババァじゃん。
!
そういう
言い方
しないの。
そこの病院
どうやって
行くんだ?
お義父さん
車
持ってたっけ。
車なんて
ないよ。
免許は
持ってるはずだけど
運転してるの
見たことないな
そんなに遠くないから
運動がてら歩いてもいいじゃ
タクシーも
呼べるし。
頼まなくても
お母さん
ついてきて
くれるだろうし。
オレも
里帰り出産
しようかな
意味
わからんわ。
なんだか
スゲー話。
子供かー
オレが
パパか。
似合わない
よねー
ウソ。
オレ
だってさ、
いろいろ
考えてん
だぜ。
最近は
おまえの
そばじゃ
喫わないように
してるし。
知ってるよ。
気が
ついてるよ。
無理無理。
これで
一人暮らしになったら
さみしくて増えるよ
本数。
ちょうど
いいから
禁煙でも
すっかー
あ
おまえ
よー
ひとの
一大決心を。
それと
よー
車
売っちまおう
かな、
とかさ。
また急に
どうしたの?
嘘
でしょ。
子供
金かかり
そうだしさー
オレの稼ぎは
少ねーし。
なんかそれって
頭くるなー
あたしのやりくりが
下手だって
言われてるようで。
あー
レギュラー30。
ちげーよ。
オレの話
聞けよ。
金が
ないのは
ホント
だろー
いつも
電話で
お義母さんに
グチってんじゃん。
そりゃ
そうだけど。
本当に
いいの?
大事に
してるのに
金かかる
しな
隆
無理だって。
おまえ
オレの決心を
ムリムリって
よー
だってさー。
オレが
こうやって
いろいろ考えて
3465円に
なりまーす。
その気持ちは
さ、
うれしい
けどさ。
うちの
お父さん
みたいには、
なってほしく
ないわけ。
ならねー
だろ。
なれねー
か?
そうだろう
けど。
そんな
心配。
道
憶えてる?
おー
大丈夫。
どっち
だっけ。
左。
を。
まあ
好きなほうで
いいよ。
道!?
車。
ただいまー。
おとーさん!
松葉と隆くん
来たよ
疲れた
でしょう
隆くん。
や、
大丈夫っスよ。
運転は好き...
なな...
何?
どーしたの?
うおー
お父さんが
買ったのよ。
お父さん!?
やあ。
お父さん
運転
できるの!?
できるさ。
おまえを
助産院に
連れてったり
産気づいたり
した時に
便利だろ。
これで!?
隆くんの
車
見たらな
若い頃の血が
たぎってな。
若い頃?
UuleoroR_#R
あの頃は
本当
お金なくて、
おまえが
生まれるってんで
売っちまって。
まあ
必要もなかったしな
ずっと...
あ。
松葉の
アマツバルって...
何
何?
マスタング
マッハーの...
の名前
その通り。
松葉は
この車の中で
授かったしな。
娘の前で
そゆこと
言わないで。
これと
大丈
いて
新幹線
どうだった?
おー
快適快適。
ビール
飲めるし。
車
売っちゃって
さみしく
ない?
別に
なんてこた
ねーよ。
なんだよ。
子供が
生まれたら
禁煙するぜ。
はいはい
はい。
お父さん
みたいなのも、
悪くない
かな。
隆くん
遠いところ
疲れたろう。
車で
送っていくよ。
お義父さん?
んんっ
お、
この歌。
忌野清志郎の、
『バパの歌』
だよ。
私のことを
唄った歌
さ。
さ。
パの歌ノ
第7話ポーチの場所、
だからさー
ありゃ
タイガー
スープレックスで、
ドラゴンじゃねーの。
ウデがこーなってただろ。
こー。
よく
わかんねー
あとで
やってやるよ。
やだよ。
こないだの
バックドロップ
だってさー。
わりぃ
わりい。
今度はマットの
上でやるからよー。
ほらほら
車道に
出ないで!!
危ない
でしょ!!
高橋くん
笑ってないで、
ちゃんと
小さい子たち
見てて!!
青汁って
どうしていつも
あー
通学路の途中、
学校のすぐ手前に
大きな犬がいた。
いつも
歩道で寝ている
犬だった。
おとなしいと
言われていたが、
向こう
渡るよー
でもやっぱり
子供にとって
犬は怖い。
だから
オレたちは犬をよけて
登校していた。
おはよーう。
おはよー
ございまーす!!
先生!!
あの犬、
なんとかして
くれよー。
ジャマ
なんだよー。
うーん
高橋
ジャマなものは
ジャマか?
何
言ってん
だよ。
たりめー
じゃねー。
おっくん
メンコ
とってきてー。
もう
とられたの?
オレたちのたまり場は
小学校近くの
駄菓子屋だった。
学校が終わると
直行。
そこは
おじいさんが
一人で
やっていたが、
天気のいい日は
外でぼーっと
ひなたぼっこを
しているだけ。
下校中の寄り道は
禁止だけど、そんなの
知ったこっちゃない。
当然それじゃ
店番には
ならない
だから
自己申告で
払う決まりに
なっていた。
ずっと昔から
みんな
そうしてきた
らしい。
フツー
ごまかすやつも
いそうな
もんだけど、
なぜか
そんな話は
聞かな
かった。
おかげで
暗算は
得意に
なった。
あっ
やべっ
青汁!!
カバン
かくせ
カバン!!
あんたたち
寄り道
だめでしょ!?
だいたい
方向
ちがうじゃない!!
何
言ってんだよ。
帰ったよ!!
いちいち
うるせー
ブース。
先生に
言いつけて
やるから。
ふん。
おまえら
うまく
ランドセル
隠すか
一回
帰るか
しろよ。
圭くん。
ウチ帰ると
うるせーんだ
もん。
圭くんは
いいよなー。
家が
駄菓子屋で
さー
圭くん。
おじいさんの孫で
中3。
それは
ちがうだろー。
家は
ここじゃないし、
圭くんは
学校が終わると
ここへやってきて
夜まですごしている。
オレたちの
相手をしたり
勉強したり。
きっと
おじいさんのことが
好きなんだと思う。
主くんは今年
高校受験
なんかけっこー頭がいいらしい。
なんかけっこー
頭がいいらしい。
たしかに
そんなカンジがする。
たしかにそんなカンジがする。
店のセルフサービスは
毛くんが始めたのかも
しれない。
先生!!
あの犬
なんとかして
ください!!
おー
あの犬
ジャマ
なんだよ
なー
あー
東門の
なー。
保護者会でも
問題にした
らしいんだけど。
このように
犬が歩道を
ふさいで
いるので、
子供たちは
まわり道を
余儀なくされるうえ
2回も横断歩道を
渡る危険を
でも
飼い主が
少し
変わった人
らしくて
それに
横断歩道で
危機管理の
勉強もできる。
子供がたくさん
歩けるのなら
いいことじゃないか。
そんな
へりくっ
飼い主が言う
ことじゃない
じゃない
ですか!?
フザケンな!!
何言ってるか
さっぱり
わかんねー!!
保護者会の人も
そんなので
納得するわけ
ないだろ。
もちろん俺だって
迷惑
かけてるなと
思ってるよ。
でも
俺じゃなくて、
この犬が
選んでるん
だから、
仕方がない
だろ?
犬を
しつけるのが
飼い主の
責任
でしょ!?
そーだ
そーだ!!
お母さん方も
がんばった
らしいんだけど
なあ。
老犬なんで
もう
好きに、
させて
やってよ。
そいつの
言うことも
もっともだ。
と、
思いそうに
なった。
じゃあ
学級会の
議題をー
男子が帰りに
駄菓子屋に
寄り道して
いることに
ついては
どうでしょう。
ばかやろー
青汁
だまってろ
よ。
発言のある人は
手をあげて
してください。
そんなの
ギダイに
することも
ないでーす。
寄り道
しなきゃ
いいんだ
もんねー。
手ー
あげろよー
青汁ー。
どうして
寄り道が
いけないのか、
どうして
寄り道を
したくなるのか
先生
どうし
よう?
いいんじゃ
ないか?
みんなで
考えるのも、
結局、
きまりは正しくて
こまるのは、
青島の勢いは
すごかったが、
絵のきまいが...はずっと
家に帰るまでが愛犬
きまりをやぶることで
結論は
出なかった。
そんなことに負ける
オレたちなわけもなく、
と、いうか誰も
青島の言っていることを
理解できず、
その日の帰りも当然
駄菓子屋直行、
おじいさん
こんちわー
おいっ、
おっくん
ヤバい!!
こんにちは
おじいさん。
となり、
座っても
いいですか?
高橋
奥田―
隠れてないで
こっちこい。
これで
アイスでも
持ってこい。
先生
寄り道
ダメじゃん。
そー
そー。
おまえら
なー。
俺の寄り道は
年季が
入ってるんだよ。
こんなところ
青汁に
見つかったら、
先生
クビだよ。
クビ。
ははは。
俺は、
寄り道も
曲がり道も
悪くないと
思ってるからな。
先生、
それ
さっき
言ってくれ
よー
そりゃ
駄目だよ。
これは
俺の意見
なんだから。
へっ。
オレの人生
寄り道曲がり道
だらけ、
だった
わなぁ。
くだらねえ
戦争にも行った。
工場に勤めてみりゃ
経営者が
夜逃げした。
仲間の仕事
手伝ったり。
店も
何回か
やったなあ。
他人の借金の
カタに
もってかれたりなぁ。
おじいさんが
ちゃんとしゃべるの
初めて聞いた
気がする
くだらねえ
戦争にも
行った。
おじいさん
それ
言いました。
でも
そうして、
ここに
たどりついた。
だから
ここに
いられるん
だってなぁ。
まあ、
もう
いつまでやれっか
わかんねーけど
なあ。
何言ってるん
ですか、
おじいさん
やってないじゃ
ないですか。
ほっはっは
座ってるだけかぁ。
じゃあ当分
大丈夫そう
だなぁ。
仕入れも
問屋さん
まがせでしょ?
そうですよ。
そう
だよ。
きくん
俺が
ここの跡
継ぐからさ。
じゃあ
当分、
大丈夫そう
だなあ。
先生も
ヨメもらっても
こんなジジィの
ところへ、
よく来て
くれるしなぁ。
ヨメはまだ
ですけど。
よく
来るの!?
俺の寄り道は
年季が入ってるって
言っただろ?
そこのザルの
セルフサービス
始めたの、
俺ら
だからな。
圭のことだって
幼稚園くらいの
ころから
知ってるし。
今でも
こうして帰りに
ここで
勉強
見てもらったり
ね、
してるん
だよ。
おまえらの
寄り道なんか
全部
知ってるさ。
なんだぁ、
なんか
ムカつく。
大人は
寄り道しても
いいからな。
きたねー。
俺は
これからも
来るよ。
オレらは?
そんなの
教師の
口からは
言えない
だろ?
じゃあ
当分、
大丈夫そう
だなぁ。
先生も
ヨメもらっても、
よく来て
くれるしなぁ。
おじいさん
わざと
やってません?
ははは
一週間後
おじいさんは
亡くなった。
最近どうしたの
あんた。
帰ってくるの
早いわねー。
でも
楽園の悲劇は
門を閉ざすだけじゃ
終わらなかった。
圭くん
アレ
どういうこと
だよ!?
親父が決めたんだ。
マンション建てるって。
一階は
コンビニだって。
ばかぁ!!
アトつぐって
言ったじゃ
ないか!!
駄菓子屋の解体が
始まったのは
おじいさんが亡くなって
一週間もたたない間。
30年の小さな楽園は
3日で姿を消した。
お母さんから
聞いた話では
圭くんのお父さんは、
おじいさんが
駄菓子屋を続けていることに
ずっと反対していたらしい。
その土地を
有効に使うんだと。
だから
圭くんは
お父さんのことを
嫌っていた。
それで
おじいさんのところで
時間を過ごして
したんだ
あんた
通学路の
あの犬
死んだんだって。
よかった
わねー。
手くんは
家出をした。
ほらほら
また車道
出てる!!
高橋くん
変なカオ
してないで、
ちゃんと
小さな子
見てて!!
高橋くん
何
勝手なこと
してるの!?
こっちの道
通りなさい
よ!!
圭くんは
3日たって
連れ戻された。
先生とおっくんとオレは
今でも
横断歩道を渡っている。
あの場所は
もうない
ポチの場所ノ完
初一出『残暑』..少年サンデー1987年28号(小学館・デビュー作品)
「三丁目交差点電信柱の上の彼女」...少年チャンピオン1994年37-38合併号(秋田書店)
「華琳君に花を持って」・アフタヌーン増刊2000年No.4「講談社」
「よごわたきれいな」・アフタヌーン2002年11月号「講談社」
「A.とR」...ヤングマガジンCT増刊2002年10月(講談社)
「パパの歌」...ヤングマガジン2013年29号(講談社)
「ポチの場所」..月刊「IKI」2004年8月号(小学館)
鬼頭莫宏短編集「残暑」
著者鬼頭莫宏
2004年8月1日初版第1刷発行(検印廃止)
2006年11月5日
印刷所、共同印刷株式会社Prinnedn.hpan.
第3刷発行
【編集(15,32315】6販売03-5281-3556
発行者一笹原博
発行所・株式会社小学館・〒101-8001東京都千代田区ーツ橋二の三の
いい
SparailThands、ShicendonHod.Kinshrollinamanonの
ISBN4-09-188501-2
単行本編集責任:平井まみ単行本編集:勝見正克単行本デザイン:Conthal67.木村豊、枡田裕起
○選本には十分注意しておりますが、落丁品丁(本のページの抜け落ちや順序の間違いの場合はお取り替えいたします。購入された
書店名を明記して「前作同」あてにお送りください。送料が出来なかったわけでもお返りしたのでお取り替えいたします。都作局(TEL-0121-586-082)
○本書の一部あるいは全部を無断で複製転載上演放送等をすることは、法律で認められた場合を除き、著作者および出版者の
権利の侵害となります。あらかじめ小社あて許諾をお求めください。
国[日本複写権センタ一委託出版物・本書の一部または全部を無断で複写(コピー>することは、著作権法上での例外を除き禁じら
これでいます。親子を希望される場合は日本被写権センター(THIII)S3年目「2032」にご連絡ください。
鬼、頭の真っ白だ。
残ってきて、鬼の頭を真っ赤になって
小学館小KKBO1
ISBN4-09-188501-2
C9979Y562E
定価・「本体50円+税
小学館
雑誌45905-01/
鬼頭莫宏の軌跡がここにある!
平「華精荘に花を
1994年「三丁目交差点電信柱の上の彼女
ナンバーファイブ]第11
ドロ〕第1〜4集
ジア]第1〜4集
松本次郎
鬼頭莫宏短編集【残暑〕全f
[ワイルドマウンテン]第4集
[本秀康名作劇場]全1巻
「ナツノクモ]第1集
[RiDEBAGK]第1集
[period]第1:
【平凡ポンチ】第1集
[魔女]第1集
[のらみみ]第1集
[バン★テラ]第1集
【セクシーポイスアンドロンポートセントロボ】
[G戦場ヘヴンズドア]全3巻
...3巻日本橋ヨヲコ
「安住の地」全2巻
[ハロハラ]全1巻
[漫画セクハラ専門学校]:
〜aido〜]全1巻...
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