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Instructions:
...
本梢爵
高合家
★この作品は、デジタル配信用に再編集を行ったものです。
Xoudalkeno.titobitの
vol.6
森本梢子
高台家の
これまでのお話と登場人物
30歳の地味めりし。趣味は妄想で
奇想天外な物語を頭の中に描き出す。
同じ会社のエリート社員・商会光正
からアプローチされ、ついに結婚!
光沢の妹弟とも親女が深い。
●こうだいきえー
食太郎さん
今日は町で
あなたの部屋水で
行われる日ですよ
恋愛さ!!
結婚式の真っ最中でも、木絵の妄想
力は相変わらすだ好調!
平野木絵は妄想が趣味の地味め
OL。そんな彼女にイケメン社員・
高台光正が積極的に近づいてくる。
実は光正は、人の心が読めるテレビ
バス能力を持っていた。光正は、
木絵の妄想と人柄に惹かれ、二人
は付き合うことに。
その後、母・由布子の反対など
もあったが、なんとか婚約しにた
どり着き、結婚は秒読みの段階へ、
光正は、テレバスを隠したまま
結婚は出来ないと、木絵に打ち明
けることに。最初は動揺する木絵
だったが、光正のこれまでの苦悩
を思い、一緒に生きていく気持ち
を新たにする。一人は無事に結婚
式を挙げ、高台家のお屋敷での新新
婚生活がはじまる。
むGむヨセほゆゆ
長男一
●みつまさ
27歳のエリートサラリーマン。名門家
系で、イギリス人の机にの血を引く。
人の心が読めるテレパス能力を持つ
茂子
●しげこ
光正の妹。大学を卒業し、
剣丞人になって2年が経つ
次男和」
●かずまさ
三兄妹弟の末っ子。就職かき
まり、イギリス留学から福田
愛猫ヨシマサ
和正がイギリスから
連れて待った我
幸しげませ...ジュニア
«茂正!!
光正たちの父。テレパス他
力は持たない。通称マサオ
祖父母
アン&茂正
●あんなしげまさ
先正たちの祖父母。三兄妹弟のテレ
バス能力はアンから受け継がれた
日和ー
ゆうこ
!!
光正たちのほ。テレパス
ま持たないかは私の勘はまるし
フィルナビルム
第36章
第37章
第387
第38章
一部一部30歳一8一部の席一番一方一
第40
...
75
第41章
97
第42章
115
第43章
135
第44章
151
最終章
167
番外編
181
こうだから
=第36章=
高台家の朝
家族みんなの
優しい言葉で
この英国風大邸宅で
暮らすことになった
...あれ?
でももしかして
少し早まった..
かもしれない
み...
光正さん?
この私が
こんな部屋で
目覚めるなんて
どーこー?
はなはだしく浮いてるのは
自分でもっよくわかる
いた...
そういえば以前
光正さんか
苦手なことと
いえば
そうなの?
意外...
僕は朝が苦手で
ダメなんだ
と言ってたことが
あったけど
ここまで
ダメ人間ぼくなるとは
思わなかった
目が覚めてから
20分間ぐらい
頭も体も完全に
動きが止まってる感じ
頭の中にいろんなものが
入りこんで来るから
きっと普通の人間より
何倍も疲れるんだろう
光正さん
早いね
コーヒー
入れようか?
うふふ...
んにゃって..
かわいい
ん
あー
んにや...
何も聞かないこの時間は
とても大切なのかも
しれない
そっとしておいて
あげることにしよう
おーっ
あいつもの
シュッとした光正さんに
なった
あれ?
今日仕事?
日曜まで
休みでしょ?
うん実は
今朝早く
部長から連絡が
あったんだ
ニューヨークで
何かトラブルが
あったみたいで
えっそうなの?
すぐ言ってくれれば
いいのに
昨夜旅行から
帰ったばかりで
疲れてるだろうし
木絵はゆっくり
休んでていいよ
えー
そんな...
いくら何でも
しょっぱなから
夫が仕事なのに
寝てるわけには
しかないよ
おはよう
ひゃー
朝から
まふしすぎる
おはよう
そうか
みんなお仕事ね
新婚なのに
帰るなり仕事なんて
断ればいいのに
まぁそうも
いかないんだよ
あの
朝ごはんは?
言ってあるから
大丈夫
カチャ
あ
ど...どうも
私がやります
とんでも
ございません
どうぞお席で
お待ち下さい
若奥様のご朝食も
すぐにご用意
いたします
...え?
わっ...
若奥様...!!
若奥様って
若奥様っていったら
裸にエプロン!!
え?
何で?
どーしてよ?
いや、いやいや
待て得て待て
おかえり
♡
光正さんも
ううん
そんなこと
木絵
今日は買い物に
行く約束だったのに
ごめん
なるべく早く
帰るよ
それにしてもこの食事
こんな贅沢なことは
ないんだろうけど
落ち着かなくて
全く味がしない...
キャ
あ片付けは
自分でやります
とんでも
ございません
私の仕事ですから
あでも
手伝うぐらい...
いいえ
この食器は
取り扱い方が
決まっておりますので
でも...なんか
できることが
あれば
木絵さん
うちで
働いてもらってる人は
みんな
あはい
プロとしての誇りを
持って
仕事をしてる人
ばかりなの
信頼して任せることが
彼らへの一番の
敬意なんです
あなたのお育ちを
考えると
すぐに慣れることは
難しいでしょうけど
高台家の嫁として
自然に振る舞えるように
なさい
あ...でも
それじゃ私は何も
やることがありません
馬鹿おっしゃい
嫁修業は
これからが本番だと
言ったでしょう
一界37章-
ワンツー
スリー
ワンツー
スリー
ワンツー
スリー
ワンツー
スリ
ワンツー
スリー
...
お帰りなさい
ませ
はい
ご朝食のあと
奥様が
な...
何やってんのアレ
今日
やることがないなら
ウォーキングの
レッスンを
やりましょう
あなたは姿勢が
よろしくないわ
あ...はい
ということに
なりまして
頭はまっすぐ
力は抜いて
背筋を伸ばす
視線は少し遠くを
見るように
ひざを伸ばして
腰から前に出す
ちがう
全然ちがうわ
こうよ
よく見なさい
わー
かっこいい...
それから
レッスンは熱を帯びて
邸内やお庭を
やたら歩き回られまして
お二人でランチを
もりもり
召し上がり
すると
ランチのあと奥様が
どうもあなたには
しなやかさや
リスム感が足りないわ
ダンスのステップを
やってみましょう
あはい
ということに
なりまして
時々は光正と
練習しなさい
光正さん
社交ダンスも
できるんですか!?
もちろん
ひととおりは
教えてあります
それからレッスンは
熱を帯びて
今に至って
おります
どしぇー
何それ...
結局
今日は二人とも
くそ暇だったんだな
お帰りなさい
ませ
失礼いたします
奥様まっかさ
松笠様が
いらっしゃいました
そうだった
着がえてくるわ
お通しして
お茶をお出しして
おいて
はい
私としたことが
すっかり忘れてたわ
木絵さんも
着がえていらっしゃい
結婚のお祝いに
いらしたのよ
あ...はい
俺は身を隠す
あのおばさん
苦手
私も
ようこそ
いらっしゃい
ました
由布子さん
この度は
光正さんのご結婚
おめでとう
ございます
あ...
そういえば
ここのお嫁さん
この娘だったわね
それが光正は
急な仕事で
出かけてますの
あら残念
それで
お嫁さんは?
あ
こんにちは
木絵です...
蒼がえても
何も変わらない:
え!?
この人?
お手伝いさんじゃ
なかったの!?
えー!!
平凡
冴えない
ダサい
地味
なんか
ダメっぽい
勝った!!
勝ち!!
勝ち!!
てゆーか
勝負になんないし
ご長男の
洋一郎さんと
先月ご結婚された
なつひさん
あどうも
ーっ
うわー
この親子
洋一郎さんは
小学中学と
光正の同級生
だったの
そっくり!!
もうそーーっくり!!
たとえばこんなの着て
ぐるぐる回られたら
お嫁さんにも
区別つかないかも
あのお嫁さん
やな感じよね
うん...
でも
木絵さんと
考えてることが
こんなに違うなんて
どっちが
舐めてんのか
といったら
わかんないよね
勝った
勝った
光正さんとは
成易古昏と思わずか
お聞きしましたけど
同じ会社でしたら
木絵さんも
優秀なのねぇ
大学はどちら?
あら...
存知あげませんわ
ごめんなさい
お義母様ったら
人が悪い...
いっ...いえ
他の人に聞いて
知ってるくせに
あ...
S短大です
ご実家は
どちらですの?
お父様は
何をなさって
らっしゃるの?
まったく
嫌味な人
それにしても
木絵さんももう少し
ハキハキ話しても
いいのに
ほーーーっほぼほほ
由布子さんには
何かとしてやられて
ばかりだけど
嫁くらべは
私の勝ちだわね
それにしてもこの女
どんくさい顔して
こんな家に
入り込むなんて
いったいどんな手を
使ったのかしら
私ちょっと
挨拶してくる
何する気?
どかんと
璇味のひとつも
言ってやる
!!
おっ
じゃ俺も
お前たちは
出なくていいから
みっちゃん!?
それじゃ
どうもお邪魔
しました
わざわざ
ありがとう
ございました
木絵さん
お送りして
木絵
あはい
ただいま
ま光正
お客様の
前ですよ
あ失礼
気が付かなくて
え~っ
ここんな感じの
帰宅なの?
み...
光正さん
うそっ!!
高台光正って
こんなに
イケメンだったの!?
結婚のお祝いに
いらして
くださったのよ
そうですか
ありがとう
ございます
見た?
みっちゃん
こえー
あの笑顔
相当
頭にきてるぞ
アレ
ちょっと待て
私っ...
早まった...
完全に早まった
洋一郎くんも
結婚おめでとう
いやー
あははは
ありがとう
おやおや
ス
見ちゃったわ...
洋一郎くんも
これから大変そうね
正直
光正の女性の好みは
未だに謎だけど
まあ...
お互い好きっていうのが
何よりかしらねぇ...
高い
第38章!!
俺はまあ、あまり
他人の気持ちに
敏感な方ではないかな
特に女ごころとなると
さっぱりわからない
浩平
うん
早かったね
思ったより
全然道
混んでなかった
じゃ
そう
見せて
新車
わっ
かわいい!!
いやー
ホントはもっと
カッコイイのにする
つもりだったけど
実際見たら
この新色のブルーが
気に入っちゃって
高台の目の色だーーって
ん?
さ
どーぞどーそ
へへ
ありがと
...ううん
そんなちょっと鈍い俺でも
近頃高台が少し
へんなのはわかる
時々
真剣な顔で何か
考え込んでるし
言いたいことがあるけど
言えなくて
悩んでる感じ
ね
何かあった?
あ...
ううん
別に
そう
うーん
これほど言いにくい
ってのは何だ?
もしかして別れ話?
まさかね...
でも
「浩平とはやっぱり
いい友達でいたい」
とかってのはあるかも
大好き
よっしゃ、違った!!
浩平
そうじゃないなら
まあいいか
高台が話してくれるまで
気にしないことにしよう
浩平...
最近私は
ひとつの考えに
囚われている
ただいま
え
テニス始めるの?
お母様が
教えてあげるって
......?
どうかな
テニスはあの人
本気で強いよ?
それに
どう考えても
指導者向きじゃないし
え
そうかな
でもボールを打つだけが
テニスじゃない
たとえば
声で圧倒するとか
ほーのバラー
ハハ
結局声でも
負けるのか
いったい何を
習うつもり?
そうだけど
やっぱりまず
ボール打たなきゃ
声出すの
大事でしょ?
ホント
明るくなったなー
みっちゃん
緩んじゃった
感じだよね
あれは
明るくなった
というか
いたの
...まあ確かに
緩んだね
だろ?
でもうらやましい...
二人を見てると
ひとつのことをずーーっと
考えてしまう
「テレパスのこと
浩平に告白しなきゃ!!」
告白することが
どんな結果を
もたらそうと
そこを乗り越えなきゃ
本当の関係は
始まらない気がする
おじいちゃんと
おばあちゃんのように
それに
みっちゃんと
木給さんのように
浩平のこと
好きになればなるほど
黙ってることは
裏切りのようで辛い
言わなきゃ!!
行って待って
早まらないで
そんなの
いよいよ結婚とかって
話になってからで
いんじゃない?
プロポーズされるか
どうかもまだ
わかんないのに
うるさい!!
バカ!!
あいつ
そういうことじゃ
ないの!!
ババ
何をあんなに
切羽詰まってるんだ
思い込みが
激しいからねー
もともと
人の心を読めることに
僕らの中で一番
罪悪感持ってるからな
それでもし拒絶されたら、
ヘコむのも一番だよね
そういうの見たくないな
そんなことになったら...
何と言ったっけ?
岸本浩平
そいつ
死ぬほど
後悔させてやろう
えっ今夜
これから発つの?
うん
一日早く行って
準備しろって
教授に今日言われて
仙台だったよね
学会
相変わらずだねー
あの教授に
時間大丈夫?
2時間以上ある
ビール飲んで
めし喰って
列車の中で寝る
わー
なんかおっさん
そういえば
新しいお姉さんとは
どんな感じ?
っひっ
...
うん
楽しいよ
すごく
お前最初から
気に入ってたもんな
木絵さん
...だっけ?
うん
うん
でも
新婚さんだからね
色々大変
そりゃ
気遣うな
結婚か
俺はまだ先のことだな
学生だし
先のこともまだ
決めてないし
でも
おかえり
あ浴衣か:
いつかは...
浴衣と
冷えたヒール
あと
なんか犬がいっぱい
浩平ったら
やっぱり
話さなきゃ
4日後
浩平が帰ったら
どうなるか
死ぬほど怖いけど
私っ話す!!
高台家の人々
第9章
明日は
4時には家に
着いてる
じゃ私
帰りに寄るね
どこかで待ち合わせて
めし喰いに行く?
浩平帰ったばかりだし
それに...
話したいこともあるから
ううん
何か買ってから
行くよ
そうか
じゃ待ってる
明日だ
明日私は
テレパスだってことを
浩平に告白する
浩平がそれを
受け入れるか
拒絶するか
泣いても笑っても
白黒はつきりする
明日
私の運命は決まる!!
いやー
やめた方がいいって
そう単純にはいかないって...
彼氏テレパスかもなんて
「ミリも疑ってないんでしょ?
確かに
もっと慎重に考えた方がいい
あせってやることじゃないよ
もう決めたんだから
くちゃぐちゃ言うのは
やめて!
おい
だめだったとしても
ちゃんと覚悟できてるし
今のままでいるのはもう一日も耐えられないの!
今のままでいるのは
もう一日も耐えられないの!
!
はー
どーしよーもないね
兄貴達のせいだよ
何言ってんだ
新しいお姉さまみたいに
能天気なアホの子
めったにいないんだから、
おやよ
な
何だろ...?
朝っぱらから
険悪な空気
兄弟げんかかな
めずらしいな
大丈夫だから
そっか
じゃあいいや
はぁ...
おかえりー
会いたかったー
ただいま
...って
なんか
遠い外国にでも
行ってたみたいだな
仙台なのに
晩ごはん
買って来たよ
おお!!
寿司とビール!!
すごい!!
それも宝寿司の
上にぎり!!
俺の一番好きなの!!
知ってる
...
なになに
何のお祝い?
なんか
怖いんだけど
話って何?
あ?
何て言ったの?
私は
テレパスなの!!
そーなの?
そーなの!!
そーなの...
何言ってんだか
つまり?
私人の心が
読めるの!
そうか
ずっと悩んでること
いよいよ話すのか
と思ったけど
やっぱやめたのか...
よっぽど言いにくいことなんだなー
だから
そうじゃなくて...
高台
実をゆーと
俺は
透視能力者だぞ
え?
ええ!?
うそ!!
うそでしょ!?
高台って
そういうの
信じる方だっけ?
超能力とか
霊とか
う...
そりゃ...まぁ
...
当り前だろ
俺は
全然無理だな
そういえば
浩平って
非科学的なことは
全く受け付けない人
だった...
まあ
いきなり言われても
誰も信じないか...
でも
もしも...
もし本当に私が
テレパスだったら
どうする?
今のまま
付き合う?
えーそんなの
絶対イヤ
絶対...
イヤなの?
てゆーか
もしそーなら
お前俺とは
付き合ってなかったと
思うよ
そんなことないよ
いやいやぃや
俺なんてだいたい
しょーもないこと
考えてるし
意外と腹黒いし
そう?
...サンキュ
そんなこと
ないって!!
絶対!!
私本当に...
あ
そういえば
中学ぐらいの時
そんな小説読んだ
テレパスの女性を
好きになった男が
いて
そいつは彼女に
心を読まれるのが
怖くて彼女の側に
行けないんだ
かといって
忘れられなくて
近付くことも
離れることも
できず
俺は多分
距離をおいて
ずーっと彼女を
追っかけてる
ああなるなー
みたいな話
ーって
なんかすごい
真剣に考え込んで
しまったじゃん
ハハハ
本当は何なの?
話して
何でもない
あ...ハハハ
ホント
もういいの
で?
本当よ
・そう
いろいろ話して
考えを当てたりして
信じさせることは
できるだろうけど
それは浩平を
ずっと苦しめ続ける
ことになるんだ
もう
言えないよ
彼の気持ちは
うれしいけど
えっ
もう知るの
うん
明日早いんだった
これじゃ
森の管理人さんと
同じ運命
まっしぐらだ!!
しまった
ビール飲んだ
いいよ
また9時前だし
電車で
駅まで送る
なんだこれ
何の白黒も
つかないどころか
この先
どうしたらいいのか
目の前、まっ暗だ!!!
茂子さん?
やっぱり
何してるの?
あれ
みっちゃんは?
仕事で
遅くなるって
もー
忙しい人だね
もう暗いし
泣いてた?
うん...
なんかまっすぐ
帰る気に
ならなくて
そうか
...
ひとりでいたいんだな
危ないよ
そっとしておいて
あげたいけど
こんな所に一人で
置いては行けないじゃ
あ...私ちょっと
その辺
散歩するね
うーん
これはやっぱり
彼と何かあったに
違いないよねー
岸本さん...だっけ
写真で見た限り
すごく優しそうで
茂子さんを
泣かせるような人には
思えないけど
でももしかしたら
二人きりになると
ちょっとキモい人になったりして
茂子
なんか
エアコンやテレビのリモゴン
ズボンにさして
独占したり
茂子!!
やたら背中かゆがったり
する人かも
背中かいて!!
もっと下!!
ちょい右!!
ぶっ
ちゃんと手を
中に入れて!!
そんな人やだよ
あ
もしかして
今...
浩平がそんなんじゃなくて
よかった
やっぱり
知ってるよね
私のことも..
私を笑わせようとした
...?
木絵さ...
お姉さん
高台家の人々
話聞いて
どうしたら
いいのか...
教えて
第40章!
確か大学3年の夏休み
一度来たことがある
友達5〜6人で
いつ見てもすごい家
高台家の人々
......
あ
いいよ
俺が出る
はい
これは
多分アイツだ
はい?
あ...
うぉおおお!!
すっごいイケメン!!
突然
すみません
僕は茂子さんの
大学の同級で
洋本といいます
ままあそうかそうだよな
あいつの兄さんか弟だ
どうぞ中へ
弟だ
あいえ
ああ
別に
用があるわけじゃ
姉はまだ
帰ってないんですが
ただいま
いらっしゃい
ひゃあああぁ!!
もう一人出たー!!
この二人のことは
高台から結婚式の写メ
見せてもらったけど
こうして実際
挟まれると
どうしていいか
わからんぞ
姉貴のお友達
今晩は
岸本といいます
そうですか
茂子はまだ?
じゃあ中で待てば
あいえ
ホントにもう
商台
一昨日帰り際
ちょっと様子がおかしかったし
昨日も今日もずっと留守電で
折り返しもないし
もしかして
具合でも悪いのかと
俺に言い出せない話って
何か深刻な病気だったらと
縁起でもないことが
ちらっと頭をよぎったら
気になって
ちょっと顔だけでも
見れたら「と思ったんだけど」
まさか
こんな状態になるとは
和正くん
どうしたの?
あ光正さん
お帰りなさい
ただいま
あ
茂子さんの
岸本です
どーも
ふっつー
どこにでもいる人だ!!
ーの人だ!!
あ茂子さん
え?
それじゃ
僕はこれで
ぷ
職場の飲み会で
今夜は遅くなるって
あっ
そーなんですか
ああの
お茶でも
いえ
とんでもないです!
う...恥ずかしい
何やってんだ、俺は
けど
まいいか
高台は元気で
飲み会だ
え
来たの?
浩平
なんか
ガキっぽいね
あの人
とても年上とは
思えなかった
うるさいっ
え?
勝手な告白して
勝手にどん詰まって
避けてたんじゃ
気の毒じゃない
?
相手は
何が何だか
わかんないでしょ
今は会うのが
辛いんだもん
...だって
これからどうしたらいいか
わからなくて
馬鹿なこと言って
後悔しそうな気がするし
泣き出しそうな気もするし、
やっぱり私には
恋愛も結婚も
無理なんじゃないか。とか
いろいろ考えて
へコんだ顔も
見せたくないし
まあ
こうなると
思ってましたけどね
うるさいってば!
電話には出ろよ
茂子
...うん
もうっホントに
サイテーだ
私..
一九五八年冬
ロンドン
初めて茂正に
テレハスのことを
告白した時
私は
人の心が読めるの!!
だからあなたの本心は
あなた自身より
わかってる!!
...ええ!?
彼の頭の中は
?」だった
あなたは私を
とってもとっとも、
好きなのよ!!
その後の
話の成り行きもあって
そのことは
茂正の頭の中から
きれいさっぱり
消えていった
彼を追いかけて
日本に行って
ブロボーズされてからも
うん
もちろん話したわ
何回も
10回ぐらいは告白した
私本当に
人の考えてることが
わかるの
テレバスなの
わかってる
それにしても
アンはどうして
こんなことを何度も
言うんだろう
あもしかすると
「あなたのことは
全部お見通しよこいう意味の
英国独特の言い回し
なのかもしれない
...!!
いや...
そんなのないし
私はね
本当に..
あのね
アン
僕は君に決して
隠し事はしない
誓うよ
茂正は
テレバスや超能力に限らず、
非科学的なことは全く、
一切受け付けない人だった
それ以上言い続けるのも
茂正を混乱させるだけ
のように思えたし
信じないのは
茂正が悪いのよ
私はちゃんと
何度も話したんだから
隠し事してるわけじゃないもん
ということで
まいっかと思って
結婚したの
うそ!!
そうだったの!?
信じられない!!
てゆーかいいの?
それでよかったの!?
いいんじゃない?
いつということは
ないのよ
それでっ
それからどうなったの?
ああ...
おじいちゃんはいつ
本当のことを
知ったの?
自然に
少しずつ
そうなのか
そうなのか
本当に
本当に
じゃあやはり
そうなんだ
自然に...って
浩平がそんな
おじいちゃんみたいに
受け入れてくれるとは
思えない
そりゃもちろん
私も努力はしたわよ
努力って
どんな?
別に
大変なことじゃ
ないけど
私には茂正の気持ちが
わかるんだから
自分も正直な気持ちを
できるだけ言葉で伝える
茂正にいつも
幸せでいてほしいから
私自身がいつも
幸せでいる
それから茂正が
他人には知られたくないような
ことを考えてる時は
そっとその場を離れて
ひとりにしてあげる
でもいつの間にか
そのことにも茂正は
気付いてた
あの男は
どうして
あんなに
卑怯なんだ!!
大丈夫だ
アン
もう
考えないよ
私たちも
そんなふうに
なれるかな
そんなの
わかんないわよ
人それぞれだから
ただ私は茂正が
本当のことを知っても
壊れないくらいの
絆を作れるようにって
どうするかは
あなたが自分で
考えていくこと
おばあちゃん
ずっと
祈っていたの
来てたの
ええ
おばあちゃん
木絵さんから
電話もらってね
茂子さんが...
そんな大事なこと
打ち明けてくれたのに...
私...何も
言えなくて...
何の役にも
立たなくて..
気付かなかった
茂子に
相談されたことは
わかってたんだけど
でも
やっぱり不安だな
その時浩平が
どんな顔をするか
どう思うか
考えると怖いよ
あでも
...
茂子
肩揉め!!
と同時に
足つぼマッサージ
せい!!
浩平が
あんな男じゃなくて
よかった
助かったー
ラッキー
あれは
木絵の
乗り越え方だ
そう
ちゃんと
役に立ってるわよね
高台家の人
第41章
ふ、そしてっと
うー
今朝は寒そー
そういえば
光正さんが初めて
食事に誘ってくれたのは
ものすごく寒い
朝だったなー
あまりの寒さに
会社休もうかー
なんて考えた日
だったなー
もしあの日
サボってたら
チャンスを逃してた
ところだった
そして...
寒いからってサボってたら
会社クビになって
マッチは
いりませんか?
マッチ
買ってください
マッチを売り歩くことに
あまりの寒さに
マッチをつけると
一本目でさっそく
おばーちゃんが
現れて
バカか
この娘は
仕事ないなら
家に帰りなさい
実家に帰ることになって
光正さんとは
二度と会えなかったかも
一方
光正さんは
マッチください
私のあと
マッチ会社に雇われた
美人のマッチ売りに一目惚れ
あるだけ全部
買いましょう
マジすか!?
今どき?
食事に誘って
付き合うことになった
またしても私は
ここでもチャンスを
逃すことに...
木絵
...
あ...うん
そのくらいにして
そろそろ行かないと
遅刻するぞ
いつもだったら
一緒に会社へ行くんだけど
光正さんは今日から
三泊の海外出張で
このあと空港へ直行する
若いたら
いまするよ
いってらっしゃい
気をつけて
あと
どこに行っても
マッチは
買わないから
結婚してからは
初めての出張だ
へー
淋しいんだー
まあ新婚さんだから
ねー
私なんて
だんながたまに
いないと
息子と二人
ビザでもとって
のびのびするけどね
...
淋しいのも
そうなんですけど
ーえ
ふっうー
ぜいたくで
いやみに聞こえると
思いますけど
実は
家が広すぎて
一人でいると
不安なんです
本気で
落ち着かないん
ですよ
あそう
私は
家中どこにいても
お父さんのくしゃみに
びっくりするような
小さな家で育ったし、
一人の時は
どこに居ればいいか
わからなくて
前のアパートから
持って来た家具が
少しあるんですけど
結局ほとんど
そこにいます
部屋に合わなくて
すみの所にまとめて
置いてて
貧乏性ってやつね
そんなに広いの?
はい...
今私たちは
西側の建物の1階に
いるんですけど
そこの2階部分は
長年使ってなくて
家具やなんかに
白い布が
掛けてあるんです
えっ...
こ...怖いんですよ
...
そりゃ
確かに怖いわ
え?
お父様とお母様
また旅行ですか?
はい
お帰りは明後日の
ご予定です
そう..
茂子さんと
和正くんは?
お二人とも
今日は遅くなる
そうです
そ...そう
なんですか
夕食は
おひとり分
ご用意すれば
よろしいですね
そんなっ...
とんでもない!!
自分でやりますから
野田さんも
ゆっくりして下さい
こんなでかいテーブルで
給仕してもらって
一人で食べるなんて
味なんかしません!!
...待てよ
野田さんって
住込みじゃないよね
確か
庭の管理してるご主人と
すぐ近くに住んでるって、
...てことは私
もしかして
この屋敷に
ひとりなの!?
ななな何!?
今の!!
!!
2階で物音がっ...
ま...まさか...
ダメダメタメ!!
考えちゃダメだよ
ぎゃあああぁあ!!
めっちゃ怖いの
出しちゃった!!
きゃう
き...来てる!!
階段を下りて来る
足音が聞こえる
ような気がする
こ...これはもう
光正さんっ
眠るところか
おフロに入るのも無理
いや
落ち着け、私
こういう時の
私の対処法は
考えないようにしようとか
考えないように
しようとか
楽しいこと考えよう
とか
思っても無理なんて
もうひとつ怖いの出して
戦わせるのがいいです
ごとり
誰や?
ここは日本じゃ
よ...よっしゃ
一匹倒した
...けど
市松が残った..
ひぁぁあああ
木絵さん
勘弁して...
茂子さん!!
怖くて
眠れないみたい
だから
それで
来てくれたの?
てゆーか
妄想が頭に
入って来て
私も眠れないし
実をゆーと
ここの2階は
私もちょっと怖い
...
でしょ?
でしょー?
.....
そ...そういえば
ホラー映画とかでは
女二人でいると
たいていどちらかが
やめてよー
カズとヨシマサも
呼ぼうか
ただいま
お留守番
ご苦労さま
みんなもう
羽たの?
おみやげあるんだけど
皆様
西棟です
昨夜も三人で
西棟に
楽しそうだね
僕らも行こう
光正さんが出張で
木絵さんが
淋しいだろうって
あらそうなの
...
TAXI
ただいま
これは
なんとも
珍しいながめだな
木絵の実家を
見てるみたいだ
Wayout-
家の人
=第42章=
......
お前たち
ここですっかり
くつろいでるな
お帰りな
さーい
みっちゃんが毎晩
遅いからじゃない
君たちは
ひまそうだね
私明日は
遅くなる
純と久しぶりに
飲みに行く約束
してるの
ふーん
だから何?
別にー
......
...
...
あのさ
その
お前はどうするんだー
いつ話すんだー
みたいな空気
やめてくれる?
言っとくけど俺は
自分がテレバスですなんて
誰にも告白する気はないから
...そう
だけど
付き合ってる人に
ずっと秘密にできるの?
別に付き合ってないし
何言ってんの!
どうして純にはっきり
言わないの?
何を迷ってるのか
わかんないよ
とにかく
俺は一生
結婚しないの
自分でも
わからないんだろ
え!?
あ
えーなに?
純先生と
何かあったのかな
まあ
他人が口出す事じゃ
ないけど
この若さで
一生結婚しないって
決めてるのは
どうしてだろ
かずましゃくん
わしらもすっかり
年をとったし
かずましゃくんの
腰もいよいよ
曲がってきたし
わしの背中も
まぁるくなったし
ーってそりゃ
猫背やがな!
かずましゃくん
わしらもすっかり
年とったし
このくり返し
いやー
さすがに
ヨシマサも
そこまで長く
生きれないでしょ
こんな感じで
のんびり
暮らしたいのかな
てゆーか
全然のんびり
してないじゃん
俺は
じーさんになっても
ふざけた服着てるし
ま
何でもいいけど
長生きしろよ
猫の寿命って
どのくらいなの?
ん
まあだいたい
15〜16歳って
とこかな
猫の対命も
伸びてるからね
うちにも
おそらく20歳以上の
子が来てるよ
おそらく?
飼い主さんの
話じゃ
20年前家に
迷い込んで来た時
すでに子猫じゃ
なかったって
よおっ
天然我々!!!?
あはあはっきゃう
ひめておまえっ!!!
へー
そりゃすごい
そーかー
思ったより
長生き
何?
ヨシマサ?
あの子は大丈夫
ものすごくいい環境に
暮らしてるから
おかわり
頼む?
明日は病院
休みでしょ?
あ...うん
........
実は..
明日の日曜日
和正くんと映画の約束してる
でも...なんだか
しーちゃんに話すの
照れ臭い
でもでも
あとで知られたら
どうして話さなかったの
ってことになるし
ふふ
私頼むね
あっ
じゃあ私も
人の考えてること
何でもわかってるような
顔する時あるよね
前から
思ってたけど
え..
そう?
しーちゃんって
さあ
そーいえば
和正くんもある
わかんないけど
こっちの考え
すべてお見通しって
顔すること
そう?
みっちゃんは?
みっちゃんも?
えー
まさかー
光正さんは
そんな顔
しないよー
ぬうう
みっちゃん...
さすがに用心深い
食えないやつめ
...
好きな人が
人の心の読める
テレパスだったら
どうする?
ねえ
ちなみに
はあ?
もしものま
だけど
付き合える?
冗談っ
そんなの
死んでもイヤ!!
し死んでも?
当然でしょー
人間いろいろ
ドロドロした悪いことも
考えるのに
じゃあ
もしもカズカ
無理無理
絶対イヤ!
一秒も一緒にいられない
でゆーか二度と会わない
心を読まれるなんて
心を読まれるなんて
考えるのも恐ろしい
しかも知り合って10年よ
高一の時からいままで
ずー
ーっと頭の中読まれてたとか
死ぬ即死ぬ
死ぬ即死ぬ
...え?
浩平君がテレパスでも
大丈夫なの?
付き合える?
嫌じゃない?
なおっ
えええ?クラス?
え...そりゃ
娘だけど
それじゃ
しーちゃんは
そうじゃないの?
もし今
そうだと言われても
...
それで
別れるかどうかは
わからない
んー...
...そうか
えー!!
有り得んー!!
しーちゃん
すごーい!!
付き合いが長いふん
真実を知った時の
ショックは大きいかも
だまされてたと
思うかもしれないし
死ぬほど
恥ずかしいだろうし
きっと
深く傷つける
どうすれば
いいんだろ
カズ...
どうするの?
雨の朝、初裂の道
雨の降る朝だけ
あの人に違える
雨雨ふれふれ、もっとふれ
絶対嫌だ
これは多分
女だらけだ
まー
そーだろーね
「インディベンデンス
ジョー
これだな
えー
それわりと
つまんないって
聞いたよ
まぁ
何でもいいんだけど
「雨のなんちゃら」は
姉貴と行けば?
そうね
んー
でも...
いやいや
最近こういうの
好きになった
みたいだよ
えそう?
しーちゃんの趣味じゃ
ないかも
ーっ
えー
ほんとに?
感動して
こっそり泣いてるの
見てしまった
あれ?
今...なんか
今の会話...
言ってないのに
返事..
しなかった?
え?
わかったよ
そんなに観たいなら
付き合うよ
雨のうんちゃら
ああ
いいのぃいの
実はこっちもちょっと
興味あったし
き...気のせいかー
そりゃ当たり前だ
え?...あ
昨日しーちゃんと
あんな話したから
一瞬恐ろしいこと
考えてしまった
和正がテレパスだったら
もうとにかく
地球の裏側まで
逃げたくなるよ
あその前に
そもそも私と
付き合ったりしないか...
てゆーか
そもそも私たちって
付き合ってるの?
そもそも私たちって付き合ってるの?
人少なっ
考えてみれば
未だに
好きだとも
付き合ってとも
言われたことないし
ただ
君が兄貴だけを
見てるから
やきもち焼いてた
みたいだ
あのひと言を
言われただけ
あの言葉もただ
兄への対抗心で
言っただけかも
しれない
10年も光正さんを
想っていたことも
こいつは知ってるし
私のことホントに
どう思ってるんだろ
和正が一番になってる
私は..
今私の中ではもう
え!?何?
ごめん
え.....
稀に見る
駄作だったね
高台家の人
一第43章=
ええ!!
シアトル!?
ってゆーと
アメリカの!?
びっくりしたのは
私だけだった
まあこの二人は
聞く前から
わかってただろうし
この二人にとっては
シアトルだったら
近くて
いいんじゃない?
そうね
地球は狭い
むこうの日系企業が
新しく建てる美術館の
設計をうちの先生が
引き受けて
俺の出した図案が
採用されることに
なったんだ
もちろん
先生が監理する
事業だけど
現場責任者として
俺がむこうへ
行くことになった
美術館って...
すごいっ
........でも
純先生のことは
どうするのかな
あ
ごごめんなさい
余計なお世話
...だよね
...まったく
......
この人は...
俺は何も言ってないのに
兄貴と姉貴が
テレパスだったら
こいつも、もちろんそうだろ
って平気で思ってるし
どうするって...
あの人とは
別に特別な関係じゃ
ないし
付き合ってるわけでも
ないんだから
え
そうなの?
...てっきり
恋人同士だと
思ってたけど
光正さんも
茂子さんも
何も言わないし
なんだか
変なふんいき
だけど?
え..
シアトル?
いつ行くの?
とりあえず
来週にも
行くけど
引っ越しは
3月かな
どれくらい?
どうかな...
多分
2年ぐらい?
そう...でも
美術館の設計
なんてすごいね
でしょー
がんばる!
こいつ全く
しつけなってないな
もちろん
ほとんど先生が
やるんだけど
え?
それだけ?
そもそも
こういう状況で
話すことか?
こいつ急に
全然歩かなく
なったぞ
犬の散歩中に
たまたま会っただけなのに。
ほかに
言うことないの?
そうか
やっぱり
和正にとって私は
前から知ってる
姉の友人...
兄にふられた
気の毒な女
まあ
付き合ってとも
好きだとも
言われてないから
せめてもう少し何か
あそうだ
むこうに
遊びに来てよ
待っててくれとか
ましてやついて来いなんて
あるわけないけど
冬はものすごく
寒いそうだから
夏がいいかな
案内するよ
あ...うん
そーだねー
姉貴とでも
どーかな...
夏は...病院も
忙しいし...
優雅に海外旅行なんて
行くひまないかも
こいつっ...
和正くんだって
忙しくて
案内する時間も
ないかもよ
ほんと
意地悪だ!!
貸して
!
まぁねー
行ってみないと
わかんないよね
こんなっ
こんな
にくったらしい
やつ...
こっちから
お断り!!
何も期待するなって
釘を刺された
気がした
こいつホント
おバカちゃん犬
だなー
サイテー!!
もう
ここでいいよ
そう?
うん
ありがとう
じゃあね
うん...
じゃあね
じゃあね
だって...
こんなサイテーな事実
まともに向き合って
言えるわけないじゃん
俺は
他人の心を読むことに
罪悪感なんか
感じたことなかった
姉貴が
彼氏に告白することに
あれほどこだわるのが
まるで理解できなかった
けど
和正が
一番になってる
もし本当のことを
告白なんかしたら
彼女はできるだけ
遠くへ逃げようと
するだろう
心を読まれるなんて
絶対死んでも
イヤだって人だ
だけど
正直少しずつ
つらくなってきた
それだけじゃない
俺がテレパスだと
告白したら
いずれ姉貴のことも
兄貴のことも
気付くだろう
彼女は10年来の
親友を失うし
10年間の片想いは
思い出すのもつらい
死にたいほど
恥ずかしい過去になる
そしてヨシマサは
主治医を失う
だから
これでいいんだ
和正:アホの子め
なまいきなことばかり
言うくせに
甘えん坊で
打たれ弱くて
一番...優しい
今
動けないの
やっぱり
ここだったか
どうぞ
入ってー
最近ここに
入り浸ってるな
でも猫って
来てくれると
うれしいもんだね
あ...
俺の顔見て
すっごい迷惑そうな
顔してる
俺がいない間
こいつのこと
よろしくね
そう?
え..
ヨシマサ?
...そうか
連れては
いけないよね
でも大丈夫かな
淋しいんじゃない?
大丈夫
こいつ意外と
薄情だから
違う違う
和正くんよ
ヨシマサと離れて
大丈夫?
そういえば
それが一番..
つらいかも
俺も
まだまだだな
一第44章一
春だというのに
高台家は氷に
閉ざされている
人には
身の丈に合った
生き方というものがある
お前が悔い改めねば
ここに春は来ない
悔い改める
って..
い...意味
わかんないスけど
馬鹿者!
まだわからぬのか!
ひぎゃあああ!!
冷たいイイ!!
なんか
寒気がする...
この家
氷に閉ざされてる
からな
しかし
氷の主みたいな人
やることは小さいね
みっちゃん
木絵さん
また熱が
上がったみたいね
んー
でも
すごいよね
高熱で
うなされながらも
アホな妄想してる
春だというのに
風邪をこじらせて
4日間
会社を休んだ
風邪で休んだあと
5日ぶりに
会社に行った日だった
そういえば
初めて光正さんに
会ったのは
あの日は確か
出社すると会社は
ドダリー卿率いる
悪の組織に占拠されていて
みんな
命からから
屋上へ
そこへ
アメリカから
帰国したばかりの
光正さんが現れて
こっちだ!!
みんなを
救い出したがっ
私は足がもつれて
間に合わなかった
声を...限りに
叫んでも...
風音にかき消されて
光正さんには...
届かない...っ
う..
...て
いろいろ
違ってるぞ
ドタリー卿も
めっきり
老いてるし
だけど
どうするかな
よろしく頼む
わかりました
ご心配いりません
熱は下がったけど
まだフラフラして
起きられないから
みっちゃん
また出張?
こんな時ぐらい
代わってもらえば
いいのに
僕もそう
思ったんだけど
私の風邪ぐらいで
そんなことしちゃダメだ
って木絵が言うから
ーとは言ったものの
体が弱ると
心まで弱っちゃう
みたいで
なんか
ろくなこと
考えない...
もし光正さんが
帰って来なかったら
どうしよう...とか
もちろん光正さんは
故意に失踪するような
人じゃないことは
わかってるんだけど
記憶喪失ということもある
それから私は
光正さんを探し歩いた
たとえ何年かかろうと
たとえこの身が
朽ち果てようと
決してあきらめない
!!
そして
8年目のある日
みっ......
光..正...さ
あんた誰?
Dadav!
来やがったな
ブリンセス
ま...まさか
あ...
お...子さん
ですか...?
おう
娘の
メリーアン
だわい
来月7歳に
なりやがる
来月7歳...?
えっ...ということは
失踪直後に
子供ができたってこと!?
俺っちの
かみさんかい?
そ.....そ
そ...その子の
ママは...どこに?
そう..
てすか...
かみさんなら
家で晩めし
作ってらあ
そんなことに
.....なって...
どうぞ
お幸せに!!
私は
名乗ることも
できなかった..
なんて
悲しい結末...
どこがよ!!
正直
あんなんなっちゃった
兄貴を
つれて帰られても
ピミョーじゃん
でも最近
こんなのばっかり
妄想してるね
体調悪いからだろ
なんか卑屈だ
あら
木絵さんまだ
具合よくないの?
うん
風邪は治ったみたいだけど
食欲が全然なくて
食べ物見ると
吐き気するんだって
そう..
......?
それって
もしかすると
高台
=最終章=
やっぱり
そうだったのね
それじゃ
おめでただったの?
予定は
12月だってよ
マジですか?
マジでした
おなかに来る風邪
かと思っていたのは
つわりだった
おめでとう!!
初孫か
僕もいよいよじっじだな
お...おばあちゃん...
グランマでいこうかしら
和おじさん
茂子おばちゃーん!!
そしてなんと
この人が
お母さんになるのだ
生命よ!!
今を生きる私
過去から未来へと
脈々と引き継がれる
命よ!!
おお地球よ!!
おお地球よ!!
空よ海よ大地よ
山よ川よ風林火山よ
家正海は大地よ山よ川は風林太山よ命を育む大いな名自然よ!!
命を育む
大いなる自然よ!!
今っ私は
新しい命を育まんと
うわっ
うぜ~~~
なんか...
壮大なことに
なってるね...
具合はどう?
あ...うん
大丈夫
もうすっかり元気よ
そうか
よかった
明日は6時頃に
帰るよ
うん
やっぱり
顔を見て
言いたい
まだ
話さなかった
きっと光正さんは
小躍りして喜んで
くれると思うから
光正さんが小躍り...
お前さん
おきえ!!
てかした!!
てかしたぞ
おきえ!!
ややこが
できたってーのは
本当かい!?
まそんな
お前さん
てーじにな
体でーしに
するんだぜ
そしてやおら
小躍りを始める
わっそい
なんでい
亭主にばかり
小躍り
させやがってよ
ーと
えー
かっこ...いいような
悪いような
おっと
おめーは
やめとさな
体でーしにな
見たいような
見たくないような...
じゃいやいや
見たいでしょー!!
そして光正さんが
帰って来た
に...妊娠?
えっ
そーなの!?
ホントに?
あうん
子供...
そう...
え?
何?
光正さん
困った...ような
顔してる...
どうして!?
あいや
もちろん
すごく嬉しいよ
いきなりで..
ちょっと驚いて
ぼーっとしてしまった
そう...
だけど...
想像してたのと
わっそい
いや...
全然違う
えーと
わ...わっそい
珍しいもの
見た..
うん
一瞬だったけど
ごめん
一瞬
考えてしまった
僕たちが持つ
この力は多分
おばあさんから
受け継いだものだから
遺伝的なものだと
思われる
だから...
もし子供が
そうだったら
どうしよう...て
みっちゃんの感じる
喜びと不安は
私たちにはわかる
特に子供の頃は
人ごみ
学校
人と話すこと
好意を持つこと
すごく
怖かったから
私もやっぱり
自分に子供ができたら
テレパスじゃないように
願うな
んー
まーね
そうか...
光正さんは
いろんな思いを
してきたから
とっても心配なんだな
でもね
何もわからない私は
気楽なこと考える
光正さん
おばあさん
茂子さん和正くん
素敵な柔敵な
テレパスを
いっぱい知ってるから
子供がテレパスなのも
素敵かもって
思っちゃうのよねー
木絵
そうだ...
ひとつだけ確かなことは
こんなお母さんがいれば
必ず笑顔になれる
《おわり》
The.
BatCrincess
そうもり頼〜
話の
番外編
木絵
これ
読んでいい?
え?
これだよ
何のこと?
「こうもり姫」
大天使オーキュには
7人の美しい娘がいました。
長すの
コーテリア
次女の
シルビ
して
末っ子の
フリンシア
ところわ
だから...!!
五女のヒーリア
六女のモーリア
です。
一番心の美しい
プリンシアの羽根は
まっ黒な
こうもりの羽根なの
でした。
6人のお姉さん達に
こうもり姫といじめられる
ブリンシアは
誰もいない場所の
雲の切れ間から
地上のシャルロ王子を
こっそり見ている時だけが
幸せな時間でした
ところがある日
魔王の呪いで
シャルロ王子は
死んでしまいました
ブリンシアは
王子のなきがらを
天国へ運びました
全員
ひと目で王子を
好きになりました
シャルロ王子を見た
6人のお姉さん達は
そこで7人は
王子を
生き返らせて
くれるように
魔王に
頼みました。
では
取引をしよう
生き返った王子は
7人の中から一人を
花嫁に選ぶであろう
選ばれなかった6人は
泡ぶくとなって
消えるであろう
選ばれた者は
王子の花嫁になるが
羽根と永遠の命を失うてあろう
7人の姫は
同時に
答えました
それでも
かまいません!
だけど
心の中は
同じではありません
お姉さん達は
6人とも
「王子は自分を
選ぶだろう」
と思っていました
ブリンシアは
自分は絶対選ばれない
と思っていました
そうして
生き返った王子は
迷うことなく
プリンシアを花嫁に
選びました
呪いの解けた王子には
美しい心が
見えたのでした
見えたのでした!!
...
ここの絵
すごく苦心した
あとが...
6人のお姉さんは
あゆブクと消え
利根をなくした
フリンシアは
シャルロ主子と結婚して
死んだ。お姉さんたちの分まで
強く生きていこうと
思いました。
ひゃあ
これ
捨ててなかったんだ
恥ずかしい
とてもよく
できてるよ
子供が考えた
とは思えない
これでどうして
お姉さん達が6人とも
死んだのかわかって
すっきりした
ずっと
気になってたんだ
しかし
お姉さん...
6人いなくても
いいんじゃないかなー
とは思う
《おわり》
ConerTuluscation/基本料子
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高台家の人々
6巻
森本梢子
『森本精子2017.20!7
発行所・集英社
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初版発行
デジタル版発行2017年
2017年
この作品は、デジタ心配信用に再編集を行ったものです。
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無断で複製、改食、公衆送信(インタ一ネット上への掲載
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