澪梅宮ス気作一授前キャラクター原案双葉はづき、 俺の妃になってはくれまいが これから王子として王国を背負っていくものとして 数々の困難が俺を待ち受けるだろう。 お前とならどんな困難も乗り越えていける気がするんだ これから苦労をかけるかもしれない ...だけど俺が必ず守ると誓う 俺は...もうお前のいない世界なんて考えられないんだ 一緒にタスメリアの未来を築いていこう... このクライアントなんですけど 今日は金曜だしコレを乗り切れば なにおっさんくさい声出してんですか 可能なら週明けまでにまとめた資料が欲しいとのことで 家になんか食べるもんあったかな... さようなら私の体日... 申し訳ないんだけど今日中にデータだけ集めて貰ってもいい? もうこんな時間かぁ... ひんやりと冷たい感触... 申し開きがあるなら聞こう ユーリにした数々の嫌がらせについて ーこのシチュエーション: あのゲームで見たそのままの世界... これは『私の断罪の場』 「ワタシ」はこの後のアイリスの未来を知っている そしてユーリのライバルである私 この場をうまく切り抜けなければ ヒロイン「ユーリ」とエド様をはじめとした攻略対象者達 このようなか弱い女を力任せに取り押さえるのは いかがなものかと思いますが ...か弱き者の為の騎士団の長を務めるドルーナ様のご子息である貴方が 冗談も休み休み言って下さい ユーリ・ノイヤー男爵令嬢様に妹からせをしましたわ 随分あっさりと認めるんだな? 分かり切ったことの為にわざわざこのような場を設け 皆様のお時間を割いてしまったのですから 何故彼女に嫌がらせをしたんだ...! 貴方が問うのですか... 私は皆様にお会いすることはないでしょうから この場をお借りして挨拶させていただきますわ 今までありがとうございました 同じ学生としてこの学園に通ったこと 皆様に良くしていただいたこと 私は私の矜持に従って行いましたもの たとえ行き着く先がこの身の破滅であろうとも 私の何を奪うというのでしょうか ...ですが私を私たらしめるモノは私だけのもの 謝罪をするということは 私が自分で自分を踏みにじることと同義です これ以上私は貴方がたに何も奪わせません 『私』アイリスの記憶がミックスされた状態 私の名前はアイリス・ラーナーアルメリア エドワードとの婚約を破棄されたいま このタスメリア王国の中でも王家に次ぐほど血筋がいい公爵令嬢 ダリル教の修道女としての教会幽閉だ 『ワタシ』が知っている物語をなぞってきただけ... あとはお父様との交渉次第ね... ...お嬢様...っ! 何故そんなに落ち着いているのです...! 悔しくて悔しくて... 今は悲しみに浸り泣く時ではないわ ...失礼致しましたお嬢様 それまでになにか... 旦那様は夜にはお戻りになられるそうです 落ちつける飲み物をちょうだい たとえ王族の方だろうとお嬢様を裏切ったエドワード様を 決して許すことはありませんし 旦那様がなんと仰っても 私はアルメリア公爵家に仕えているのではなく お嬢様にお仕えさせていただいているのだと思っております 私はお嬢様のお味方でございます 貴方は貴方の幸せを一番に考えてちょうだい 私の我儘で貴方達をこの様な窮屈な世界に引きずり込んでしまったわ 貴方達が望むならいつでも自由になって貰って構わない むしろこれからを考えたら... ...それ以上は仰らないでください 私はあの時死ぬ筈でした 私が貴方様のお側を離れる時は それを救ってくださったのはお嬢様です 私の命が無くなる時か: お嬢様が私をいらないと判断したときです それでは死ぬまで私の側を離れられないわよ? それに勝る幸せがありましょうか ...貴方の気持ちはよく分かったわ 幸せは決して一つでは無いと思うの ...お嬢様がそう仰るのであれば 同じ思いでいるということをどうか心に留め置いてください 確かお父様は夜にならないとお戻りになられないと... お嬢様の件で早めに切り上げられたそうです お嬢様が旦那様に責められる必要は無いと思っております この館の者はお嬢様の味方です ですから堂々と旦那様にお会いなさって下さい ターニャもこちらで待っていてちょうだい :本日はお時間とらせてしまい申し訳ございません 宰相職に就いている父にも公爵である父にも 自分がそれだけの事をしでかしたと分かっているのか 迷惑をかけたとは思っておりません 私が謝罪すべきなのは父としてのお父様だと思っております 私のした事といえば彼女に対して嫌みを言うぐらいでしょうか ...何よりあちら側は それも状況証拠のみですから宰相であるお父様が出るほどの事ではないかと 公爵家を蔑ろにした上に一方的な婚約破棄をしておりますから強く出ることができないはず 学園でもだいぶ私の方に情状酌量の余地があることを印象づけましたから エドワード様がどんなに喚こうとも大方・厳重注意のみかと この問題を大きくできないでしょう 学園でのやりとりは既にこちらも聞いている それから公爵であるお父様に対しての謝罪ですが... 私とエドワード様の婚約に反対していたのでは? 私の血筋は結婚する王子によっては 王家のパワーバランスを崩しかねないからです 何せ筆頭公爵であり宰相であるお父様と 将軍家の一人娘であるお母様の血を引いているのですから 第一王子と婚姻を結ぶならまだしも 第二王子であるエドワード様とではいずれ国を二分化しかねませんもの では何故私はお前とエドワード様の婚約を許したと思う? タスメリア王国には派閥がある 正室の子である第一王子と 現在唯一の妃にして側室の子である第二王子 ゲーム内では次期王として第二王子が描かれているが 現実はそう簡単にはいかない 王が周囲の反対を押し切り彼女を正室に据えたことにより 王が周囲の反対を押し切り彼女を正室に据えたことにより 微妙なバランスの上に成り立つ貴族社会が出来上がってしまっている アイリスそれはどういう意味だ? 私が第一王子と結婚した場合には 弟であるベルンも第一王子に仕えさせて第一王子の地盤を盤石なものに 私の婚約者が第二王子であれば その場合私が第二王子の動向を見張りつつ 手綱を握ることを期待して... 前者の方が手間暇もない上非常にシンフルですから お父様としては第一王子と婚約するほうが良かったでしょうけれども とはいえ弟は完全に第二王子寄り であればお父様は私と第二王子の婚約破棄を狙っていたはず 確かに私はお前と王子の婚約破棄を願っていた アレには散々第二王子と距離を取るようにと言い含めていたのだが... 己が役目を忘れて完全に今では第二王子の取り巻きと化している アイリスはそれでいいのか? 第二王子に惚れていたではないか ...私としても早々にこうなって良かったと思っております 冷めてしまえばそれまでですわ 今回のことは対外的にはお前の失態 故にケジメはつけてもらわなければならない お前は領地に戻り謹慎だ 王都より遠く離れた地だから お前が何をしようとも私のあずかり知らぬところだがな ただそこにいるのは勿体ない お前には銀王代行の地位をやるから つつがなく頷地を治めよ やったところでどうせ領地に行かないだろう お前の言うところの病に夢中のようだからな 嫡男である弟の役目では? 王都が〝どんな状態に〟なろうとも 揺らぐことのない領にしてみせます 誕生日プレゼントのことなのですけれど.. 欲しいモノがみつかったか? 困っている人は助けよと おっしゃっていましたよね 道に倒れている女の子がいたんです 話を聞いたところ身寄りがないとのこと 私高価なプレゼントはいりません その子を置いてはいただけないでしょうか アイリスはやっぱり...? 領地に戻し領主代行を任せる事にした でもあの子には大任では...? 今回の件であの子がまっすぐ過ぎるという事が良くわかりましたから... 領主代行なんて務まるのか私には心配だわ 馬鹿正直に真っ向から嫌みを言っていたんでしょう...? 男爵令嬢をよく思わない他の貴族たちにいいように利用されて... 彼等の方が余程うまくやったな アイリスがしたと言われている事のどこまでが本当なのかあやしいものね... 今回の件で何かを学んだのだろうが あの子は随分変わっていた 第二王子との婚約について 随分と己の立ち位置を理解したようなことを言うほどに...な まだあの子は貴方の本意を言い当てられなかったのでは? それにしては貴方が未だ冷静な様子からすると あの子が第二王子との婚約を決めてからは あんなにも動向に気を配り心を砕いていらっしゃったでしょう ...中立の立場を降りてまで 娘に甘い父の一人ということだ 王座の争いの渦中に投げ込まれるのならばいっそ...と思っていたが ...あれは最早私が手を引き守るだけに収まらないだろう おはようではありません そのような格好って... 一体そのような格好で何をしていらっしゃるのですか! 動きやすい服を選んだのだけれど 私これから朝は健康のために運動をしようと思って 身体を動かさないと健康に良くないって本で読んだのよ 王都から領地まで一週間馬車の旅で身体もなまっているし これからは毎朝やるつもりだからおどろかないでちょうだいね その後朝食をいただくわ ...汗をかいたから湯浴みの支度をしてもらえる? これからの事をセバスと話し合いたいの 約束を取りつけて貰えないかしら? さすがは公爵令嬢食事も豪華... わたしもポッチャリ体型になるはずね... ...それしい中呼びつけてしまって 私めは貴方様の手となり足となる者でございます 何時でもお呼びつけくださいませ では早速...ここ三年の領地の収支報告書全てと 報告書に纏めて持ってきて下さらない? しかしそれをどうするのですか? 私は曲がりなりにもお父様から領主代行を承ったわ 現状領がどのような運営をされているのか 市政がどのような状況なのか だから私に一ヶ月くださらない? 全ての資料を読みなおかつ視察を行うに当たって それぐらいの日数が必要なので 今回は現状を把握するためにお忍びで視察をするつもり 前準備におおよそ一週間くらいお時間が必要かと 人員は私の方で確保するし 出過ぎた質問失礼しました これからも運営していくにあたって貴方の事は重用させていただくわ セバスの手を煩わせたりしないわ それからレーメを呼んできてくれない? 昔のようにしてくれていた方が私も嬉しいわ 私はエドワード様から婚約を破棄され この領地に戻ってきたの 全く見る目のない坊ちゃんだ 何故アイリス様が婚約を破棄されて しかも謹慎処分を受けなきゃならないんですかぁ でもこれは決まったこと この顔でまた皆と共に暮らせて 嬉しいというのが本音よ ...それで本題なのだけれど 私はこの領地の領主代行に任命されたの 各地を視察するつもりなんだけど 皆もついてきてくれないかしら 二人は護衛だから分かるんですけどもぉ 貴方の知識が欲しいからよ? 貴方は我が公爵家のありとあらゆる本を読み尽くしているでしょう? その中には郷土史や地理についての本もあるわよね そういった本で得た知識を私は欲しているの 実際に行ったときに予備知識があるのとないのでは大分違うから ...そういうことなら分かりましたぁ お役目頑張って果たしますねぇ 視察は二日後からを予定しているわ 各自必要なものがあったらターニャに言ってね 誰かモネダと連絡はとれない? ターニャ準備を頼むわね 確か商業ギルドで働いているのよね? 会計を行っていると言っていたような... できれば旅程の最後の方で約束を取り付けて? お嬢様と出会ってから.. ...なんにち食べてないっけー エドワード様と婚約することになったの 学園生活はいかがでした お仕事が一段落ついたらお知らせ下さい 私はお嬢様に生きる意味を与えて頂きました とびきりおいしいお茶をお淹れいたします 笑顔がとお戻りになってよかった... 今度は目に効くハーブティにでもしてみようかな... こちらであっていたかしら? ライルの背中には目があるのかしら? 訓練の賜物といったところでしょうか 目が見えない暗闇の中でも戦えるよう ましてや足音や匂いが僅かでもあれば誰かと判ります ...ごめんなさいね稽古の邪魔をしてしまって 気配を読むことができるようになりましたし ...セバスから渡された資料を見ていたのだけれども ターニャに休憩してくれとせがまれてしまって いえちょうど終わりにしようと思っていたので お嬢様はどうしてこちらに? それならと散歩も兼ねて 馬屋まで歩いていたところよ あれはもう少し西側の方ですよ 恐らく道を一つ間違えてしまったのでしょう どうりで着かないと思ったわ 久方ぶりの我が家だからかしら お嬢様がこうして庭を歩かれるのは これからどこかに行くのかしら? ...失礼いたしました 私の役目はお嬢様の護衛ですので ぜひ屋敷までの道のりをお供させていただければ そういえばライルはよくあそこで稽古をしているのかしら? まとまって空いた時間があれば 大抵あそこで訓練しています でも護衛役として皆で訓練もしているのでしょう? ライルは随分熱心なのね 何だか想像つかないわね あいつは努力しているところを見られるのを嫌いますから けれども日毎着実に強くなっている 多分ディダも同じことを言うと思うわよ 昔から貴方達何だかんだで張り合って よく勝負をしていたじゃない? 良きライバルと言うところかしら 今回の旅でも貴方達の護衛には期待しているわ お身体は大丈夫ですか? 当初は一週間と言っていたのに二日で資料を読み切ってしまうんですから... お嬢様はもう少しご自身のお身体を大事になさってください ありがとうターニャ大丈夫よ 税務事務所で働いていた そのおかげで収支報告書とか会計関係の数字を読むのは得意な方 あの膨大な資料も特に苦にもならず数字を追っていけた まさかこんなに役に立つとはね 視察の日程ですが... 今回は領の全てを見て回ることはできないから 税収が落ちている南の方と 税収が増えている東の方を重点的に回るつもり まずは領都を南下して最南端の村を目指すわ 次に港のある東の海沿いの街ね 少々長旅になると思うけれどみんなよろしくね この街は第二の王都とまで言われる程、発展しているのですから 最近できたスラムですよぅ スラム?なぜ増えたのかしら 他の領地から流れ着いた者 食うに困る身となった者 夢を見て領地に来たものの それから親やそのまた上の代から代々スラムの住人となっている者 けれども一番多いのは税を払えなかった者ですかねぇ 特に農村部の次男・三男坊なんかはここまでよく流れついているみたいですよぅ 最後に改定があったのは今から五代前の当主の時でしたね ウチの税制ってどれくらいの間改定がなかったのかしら? そんなに変わってなかったの... 今でも鮮明に覚えている あの頃とは違った方法で彼らを救い出せる あの頃の私は目に映った子どもたちを連れ出すのが精一杯だった それだけの力を手にしたのだから この領は南北に広がっていてぇ南に行けば行くほど蒸し暑くなりますからぁ この暑さでも表情ひとつ変わらないのね.. ...ターニャってば... あと少しで休憩ですのでもうしばらくご辛抱ください ディダこっちにまで飛沫を飛ばすな 変わりませんねあの二人は はいはいスミマセンでしたー ライルもディダもその格好で暑くない? なにより鍛えていますから 正式のものより軽めの鎧ですし 鍛えていても暑いもんは暑いけどなぁ 姫様が許してくれんなら お嬢様がお許しくださっても きっきと水浴びしたいぐらいだ ここは暑すぎて作物の実りが悪いんですよぅ 税の負担が重くなるのでしょう そのせいでここの税収は悪いのね お金になるものを作り出さなければいけない.. さぁまずは村長に会いましょう このような鄙びたところにお越しくださいました 突然伺ってごめんなさいね ...いえそれで... お嬢様はなぜこのような場所に...? 私は今領内の各地を視察という形で回っているのですわ だからこちらにも寄らせていただいた次第よ それにしても中枢の方がいらっしゃるなんて... 果たして何年ぶりの事でしょうか 若い男たちは出稼ぎで村の外に働きに出ているからですよ ...それで村長村に若い人... 特に男性の方がいらっしゃらなかったけれどそれは...? 学もないので大抵は国の軍に志願して入隊しています 特に次男三男はそうする者が多いですね 致し方ない事なのですが... 森の方から獣が入り込む事はあるのかしら たまにございますが... あまり大型のものは入り込まないため 村人たちでなんとかしております 国軍は治安維持という任も担っているはずだけれど!! 小さな村までは手が回らない...か いろいろ教えてくださってありがとう 今から村の中と外を見させていただきますね 村長はいつものようにしていらして.. ステップアプリケーション ここの村は足りないものが多すぎるわね それにさっきの村長の言葉 病院や学校肝心の働き手も それはこの地を長く捨て置いてしまったということ 領主としてこの地を治める我が家の落ち度に他ならない 近くの森にも果物など生っているようですが 珍しいもんがいっぱいだな... さすが南方地域領都にはない植物ばっかだ 実物を見れるなんて感激ですぅ...! あの果物はここら辺でしか採れないものなのかしら ただ売るとしても領都の方では馴染みのないものですからぁ 不人気で売れ行きは良くないみたいですよぅ 俺なんて見たことないものってだけで買っちゃいそうだけど ターニャはいっつもつれないなぁ それはですねぇカカオと言って... やることが見えてきたわ! それならいいのですが... むしろこちらがありがたいぐらいだわ わざわざお越しいただいて たくさん買わせていただいて お嬢様良かったのですかぁ...? あの実から採れる豆ですよぅ あれは南部の産物の中でも 特に不人気なんですよぅ? 私が必要なのは他でもない 潮の香りがしてきましたねぇ 領都とはまた違った賑わいですね そこつっ立ってると危ねえぞ! ターニャか誰かの傍にいてください この小物とかって異国のものよね また同じ目に遭うのはいやだしそうするわ ここ辺り一帯は交易や塩の精製で安定した収入もありますしい 人も物もたくさん集まるんですよぅ ターニャはこれなんか似合うんじゃない? そっ...そうですか? 事実は書物よりも奇なりですねぇ 今日は珍しいもん入ってるよ! よくそんなに近づけますね... み兄ちゃんにあぅおえ! そっちへ行っちゃだめだ ...ああいう所こそ視察したいと思ったのだけれども? 俺たち護衛は姫様に危機が訪れた時だけじゃねぇ 危ない目に遭わないように目を光らせるのも俺たちの役目なんだよ それからターニャもいるのよ? こういうところは表とは違う常識が成り立ってんだ そしてその常識を破る奴には容赦がない 組織立って動かれたらこの人数じゃ終わりだよ 生半可な覚悟で手を出したら 姫様じゃまだ相手にもされないだろうけどな 俺気になった店があったんだけど飯にしない? 一旦切り上げてお昼にしましょうか やっぱり事実は書物よりも奇なりでした... 体験すると新たな発見があるものですねぇ さすが港町だけあって魚介類が美味しかったわ お!姫様イケる口だね! でも意外と美味しく頂けました 本当に太陽って海に飲み込まれていくんですねぇ 赤く染まって綺麗ですぅ この港を拡張させてより交易を増やして... そしてこの港と世界中がつながるの それはとても素敵なことじゃない? そしたら俺に異国の酒も飲ませてくれよ 楽しみにしててちょうだい ...視察をして正解だったわ 今まで知らなかったこと見えていなかったもの 貴方達のすべてを私に預けて ...沢山のことを学ぶことができたもの もう一度私についてきてくれるかしら? 私の全てはとっくにお嬢様にお預けしています ついていきますよ姫様の傍は楽しそうだし お嬢様についていったらきっと楽しいでしょうからぁ こんな時間に部屋の外に出ちゃダメでしょ いくら宿の中とはいえ屋敷の中じゃないんだから 姫様はもう少し危機感を持って欲しいな なんだか眠れなくて... ずっと私の後を追っていたの? 姫様の警護が俺の番なのに 一人で歩かせた事を知られたら 俺はライルとターニャに殺されるし? 俺が来なくてもターニャは気づいてついてきただろうけど 今日皆に行くのを止められた通りがあるでしょう? ディダは随分詳しそうだったけれども... それはどうしてなのかしら 別にあなたとそういった人たちに繋がりがあるとか... そういう事を疑っている訳じゃないのよ 私が何も知らないから聞きたいというだけ 姫様が拾ってくれるまでスラムにいたでしょ あそこじゃ何があってもだーれも助けてくれない 自分の身は自分で守んなきゃならないんだよ 子どもにも容赦なんてないからわ だからそういう危険に対しては 人一倍鼻がきくようになるわけ 危険がわかればその分、自分の身を守れるでしょ? 危険だってわかっていたのにそういうのに近づいてさ 使い走りみたいな真似をしていたことがある だから姫様は詳しく知ってるように感じたんじゃない? どうしてディダはそんな真似をしたのかしら? ...とても阿呆な質問をするけれども... なんていうありきたりな話だよ 同じような境遇の奴は何人も姿を消していたよ でも気づいた時にはもう遅い 命を落とすのと同じだからさ ぬくぬくと真綿に守られ育てられてきた 何も知らない存在だと... 何も知らない存在だと... 変な質問をしてしまってごめんなさいね ...俺が姫様って呼ぶのはさ ...お嬢様に近づき過ぎです お嬢様夜も更けております いつまでも帰ってこないから来てみれば... 明日のことを考えてそろそろお眠りにならないと そうね...少し眠くなってきたわ よく眠れるようミルクを温めたものをお持ちしましょうか? 俺にもホットミルク淹れてくれたのかー あなたも飲まれますか? お嬢様を護衛するのにどうして眠気を促すものを渡すと思うんですか 沈んでいる所を表に出すなんて どうして姫様って呼ぶのか聞かれちまった ...どうせそこまで思いつめている訳ではないでしょう? 世間を知らない甘ちゃんだって揶揄してたのもあるよ まるで物語に出てくる心優しくてフワフワとした可愛らしいお姫様のようだ 言えば良いではないですか 別に他意はないのですし 「姫様大好き!」って表に出してるじゃん? 俺が「姫様」と呼ぶのなんてなんてことない理由からだけどさ 別に言っても良いんだけど ほらターニャとかさみーんな もっと他に言い方はないのですか... 姫様は結構考えていらっしゃったみたいだよ 皆姫様のことが『大好きだからこそ、さ 一人ぐらいこういう奴がいた方が良いかなって 姫様がふと自分で自分を立ち止まらせて考えさせるような奴がさ 相手を煙に巻くのもほどほどになさいな その内どれが本当の思いか分からなくなりますよ それはないから大丈夫だよ 譲れないものがあるから ...それでご用件は? まぁ久しぶりに会うというのに 流石は商業ギルドの副会計長... であれば私の状況も当然ながら知っているでしょう? ギルドの調子はどうかしら? 領地にお戻りになられたとか それにしては随分王都への通商が減ったように思いますけれども? そんなに顔に出していては直ぐ相手に懐を探られるでしょ? カマをかけただけなのよ けれどもやはり我が領からの王都への通商は減っているのね もっと大きなお金を動かしてみたくないかしら ...私を公爵家に雇って下さると? 公爵家に仕えるのではなく 公爵領に仕えて欲しいの 今後中長期で公爵領の領政は改革を進めるわ 行政と我が家を分けるのもその内の一つ ...何故それを私に? つまりはあなたにこの領の予算の管理及び運用を行って欲しいのよ 公爵家に人材がいない訳ではないでしょう より現場を知るあなただから その若さで副会計長をしているあなたなら素地は十分でしょう 何よりあなたなら信頼できる それはお金を動かすうえで何よりも勝るものじゃないかしら? 失礼ですがあなたにその任命権はあるのですか? この度領主代行の地位を承りましたから ...ありがとうございました もう少し検討するかと思っていたのだけれども 今の仕事を全て引き継ぎます 決断力も商人にとっては重要な能力ですから それでは三日後我が家で 中長期的な領地の改革...か 拾って貰った恩はあるが仕事の話は別...公私混同はしない まさか領地の現状をあそこまで把握しているとは... 今までの彼女とは違いますね ...三日後が楽しみです どちらへおきましょうか? セイは従者にして私が拾ってきた者の一人 セバスより追加の資料を預かって参りました お手すきの時にご一読いただければ幸いです 昔は少し引っ込み思案でおっちょこちょいで笑顔が可愛らしい男の子だった...が そんなに硬くならなくていいのよ ...セバスさんのように...と思ったのですが やっぱり似合っていませんか? ただ肩に力が入り過ぎているのよ そんなに気を張り詰めていると 周りで働いてる人たちにも伝わってお互いに疲れてしまうわよ セイはもう少し力を抜いたらどうかしら? ...ご助言ありがとうございます セイに持って行かせた資料の追加がございましてお持ちいたしました ...さぁプライベートまでは私もわかりがねますから プライベートの話をわざわざあなたに聞かないわよ セイは最近どうなのかしら? そんな事ないわ彼はしっかり仕事をこなしてくれている 何だか妙に張り詰めているというか... 無理をしているように感じられて ...お嬢様の思い違いではありませんよ お嬢様が領地に帰って来られる少し前からセイは変わりました いや変わろうとしているというところでしょうか それはどうしてかしら? 執事となれば他の使用人たちの管理や指示を出す事になりましょう その事が彼を気負わせているようです 執事に昇格する事が決定致しまして 従者と執事の職務には大きな違いがございます まずは自らが模範的な使用人でなければと思っているようですね 彼は私を目標にと言ってくれていますが... 今すぐ同じ事ができなくても良いのです 私ですら今の私になるには数十年という経験があってこそなのですから セイは執事としての素質はあると...セバスは思う? 必要なのは経験ね... それは今後主人となるお嬢様が判断される事 ですが素質のないものを私は昇格させません 今日は会議のためにみんな集まってくれてありがとう ここ一ヶ月領内を回りセバスから事実確認をさせてもらったけれども 海に面しているからそこそこ文易も行っている 我がアルメリア領は他の領地に比べ豊かだわ 王都より南部にある常春の我が領は農耕も盛んだし まず私の考えを述べさせてもらうわね 第二の王都と呼ばれているのもあながち間違いではないと思う この顔は熟れた果実のようだと ...富めるものに富が集中し 貧するものは這い上がれず この領では競争すら許されない 真新しい商品のない店先停滞した空気 民を富ませて経済を活性化させなければ 今の限られた市場環境では我が領も緩やかに腐り朽ちていくだろう 民が富まなければ頷か富む事はない 昔の貴方達のような境遇の子供を作らないような領にしたいのよ 大きな目標はそんなところ 今だけではなくこれから先も 我が領が発展できるようまずは民の生活の質を向上させたいの その為に幾つかの改革を推し進めようと思うわ 「銀行の設立」と「政務の集中化」 他には「税制改革」に「街道の整備」 我が公爵家と領の運営資金の財布を明確に分けること もちろん「義務教育」も盛り込みたいわね 銀行については後ほどみっちり構想について話すわね ギンコウとはなんですか? 熱中しすぎて話を端折りすぎたわ セバスとモネダに携わってもらうからそのつもりで その「銀行」もまずは領民の税に頼らないで 公爵家の家計を自立させないと実現できないけれど 領民からの税はあくまで領の運営に使うべきであり 公爵家の維持費は別のところから調達すると? 具体的にはどうするおつもりですか? それは止めておいたほうがいいかと 慣れないことをして家が傾いたという例は多くあります 話を聞く前に止めてしまうの? 儲けることができるかもしれないのに 市場という商人たちの戦場にも立ったことのない 貴族の令嬢が言う言葉だもの 差し当たってなのだけれども この商品を売りたいのよ これはカカオという実ですぅ 南部の熱帯地方で採れる実でしてぇ 地元の人はこの実の種をペースト状にして飲むそうですよぅ モネダの言葉を聞いて安心したわ やっぱり製品化はされていないのね ...聞いたことがあります でも確か苦すぎて飲めたものじゃないと... 頼まれていたものをお持ち致しました 彼女は我が家の料理人のメリダ 私が子供のころ拾ってきたうちの一人 ダイエット中の私の注文に見事に応えてくれる素晴らしい料理人た これはメリダにカカオから作ってもらった甘味よ 私はこの少し苦めの方が食べやすくて好きです 私はこの丸っこいのが好きですぅ! 前世の記憶のチョコレートより流石に品質は劣るけれど... この世界には今までなかったものだし カカオから作られているんですよね 手間暇がかかっているし砂糖も使っているから 少し高めに設定するつもり ターゲット層は貴族だから高級食材もふんだんに使って売り出すわ 元は全てカカオ豆だけれどアレンジは様々 今までにない商品...すごく魅力的です ターゲット層が明確なのもいいですね 宣伝さえうまくいけばすぐにでも軌道に乗るでしょう 貴方にはこの商品販売の販路を築き上げてもらうわ 私の手となり足となってね 僭越ですがモネダの方がよろしいかと いいえ貴方じゃないとタメなのよ ターゲット層は貴族なの... すぐに対応できるようになるはず この公爵家で私たち家族を相手にしている貴方ならば ご期待に添えるよう頑張ります カカオ豆を栽培している村との契約書を作成して この商品を軌道に乗せるところからスタートするわ それからライルとディダは 畏まりましたすぐにでも取り掛かります 村から我が家までの街道の治安維持に必要な人数を勘案してちょうだい メリダはもう少しこの試作品の数を揃えてちょうだい 後で他にも考えたレシピを渡すわ ターニャはお母様に手紙を書くからその準備を モネダはセイと一緒に商会設立の手続きを お母様ほど宣伝が上手い方はいらっしゃらないわ 頼めばお茶会に出して勝手に宣伝してくれるはず できれば商品を作る場所も確保してちょうだい 銀行の件は経営を軌道に乗せてから本腰を入れるわ 貴方なら市場の主な産物の平均的な価格を知っているわよね? では各自体事をお願いします ここ十五年のものならなんでも聞いてください 何かあったら必ず私に報告と相談を それでは今よりアズータ商会をはじめるわ! レーメが、瞳を輝かせてそれを見ていた。 「わー!初めて拝見するお料理がたくさんありますねぇ」 だって言われたから、とりあえず作ってきたよ」机の上には、料理が所狭しと並んでいる。 ターニャは、首を傾げながら言った。 ...これを食べながら、一体どのようなことを話すのでしょうか? お嬢様が、今日のためににって色々新しいレシピを教えてくださったんだよ。味見をしたけど、どれも素晴らしいと思うよ 私はお嬢様から、美味しい料理と美味しいお酒を飲みながらするもん そのテーブルには、ターニャレーメ、メリダ::アイリスの側近達が数で さて、女子会なるものを開催することをお嬢様に勧めていただいたので集まってみましたが...女子会とは、何でしょうね? ...って風当たりがキツかったけれどもちろんなこともなくなったしねえ カラカラと、メリダが笑った。 二人も、昔を懐かしむように笑っていた。 いというのがキッカケでしたぁ。 るのは、それすらもアイリスに出会うための道筋たと愛おしむことがで それでも過去を思い出すことがでできるのは...。懐かしむことができ 過去のことは、思い出したくもない...!忘れ去ってしまいたいとすら思うものだ 思えば、すごいことだよね。私たちが、過去のことを懐かしむことができるなんてメリダの言葉に、ターニャもしーメも微笑んだこの場にいる各々...本ロアイリラスの側近選は、多かれ少なかれ傷を負っている。 なるほどねぇ...!皆、それぞれキッカケはやっばりお嬢様なんだねえ」 そう思ったのがきっかけ」「へえ...私と同じですねぇ」「同じ?」ええ。お嬢様に本を読み聞かせていただいたことがあってぇ...!世界は広いのよ、本はその大きな世界と自分がを近づけてくれるものなのよって仰られて...私、もっと世界を広げたい、広げてお嬢様のお役に立ちた ...この公園家で、それまで食べたことのないものをいただいてさ。簡単にに言えば、感動しちまったのさ。自分がもこんなものを作ってみたいです。 そりゃあさ、道端でのたれ死にそうになってお嬢様に拾っていただいて 是非とも行きたいと思うけど、仕事がねえ いただいて、感想をいたたきたいと思って」うーん... :::新しい商品の試食会? 「そうさ。色々新しい料理を作ってみたからねえ是非、お嬢様に食べて いえ...私より、メリットダにお願いしましょう ...お嬢様なら、そのようなことでお怒りになりませんよ「なら...。やっぱりここは、ターニャにお願いするかい」 「ですけどぉ、やっぱり失礼に当たりますかねぇ... 「むしろ、この場にアイリス様をお呼びしたいですぅ レーメの言葉に、他二人は名衆たと言わんばかりに頷いた。 それを切るように、メリダが申し訳なさそうに発言した...とはいえ、職場の不満といってもないしねえ」 そう言ったターニャの言葉に、二人は真面目に頷いた。しばらく、無言がその場を包む。女子会の趣旨からズレちまったね」 きるからだ。「...お嬢様には感謝という言葉はは言い表すことができないほどで そしてそこには、メリダとレーメがいた。「これは... 辿り着いた先は、中庭だった。 ターニャに伝えておくよ え、え...お誘いは嬉しいけれども、私がいたら話し難いこととかないかしら?一お嬢様に聞いていただいて、困ることはありませんから」ターニャの発言に、レーメもメリットダも思いっきり頷いていた。...本当に、良いの?」はい。むしろ、お嬢様...参加していただけますかぁ?...分かったわ。私も是非、参加させてちょうだい 分かったわそして処理が終わったところで、ターニャに案内して貰って向かった。 女子会を開こうとしたんだけどね、皆でお嬢様と紀が良いで話に「そもそも、私は愛や恋というのがよく分かりませんし。...ああ、お嬢なって。でもお嬢様はお忙しいから、新商品の試食会も兼ねてしまおう一様を敬愛しておりますので、そう言った意味の愛は分かりますが、 じゃあ、この書類の処理が終わったら行くわ。どこに行けば良いかし ちなみにセバスさんとターニャにお願いいして、スケジュールは調整いただいたているよ」段取りの良さに、私は笑った。そこまでして貰ったなら、行かないとね。 近、セイと出かける回数が多いですが」 まさかのターニャからの情報提僕に、メリダ自身も驚いていた。 そうとしか、私にも言えなかった。 はあ...。それを言うなら、メリダ。貴女はどうなのですか?ここ最 実にターニャらしい回答に、全員が苦笑いを浮かべる。 けどねえ」お、大人です...メリダの話に、レーメが顔を真っ赤にさせていた レーメも興味津々な様子だ。あれは、師匠からのお酒のご相伴にあずかっただけですよ。いやあ、男と女が二人で飲むとやつぼり色恋が絡むものかと思ったんだ ええ!そうなの...!? メリダの目撃情報に、思わず私は身を乗り出してしまった。 この前仕事終わりに一人が飲むんでいるところを目撃しちまってね それから、四人で乾杯〜して女子会が始まった。 そういえば、ターニャ。そのチャラソボランな男とはどうなんだい?どう、とは...!? 思わぬ反応に、全員がレ!「メをまじまじと見た。その反応は...だ、誰かいるのかい? わ、私より...じーメ!レーメはどうなんだい?」 その証拠に、モジモジと言う彼女は可愛らしい。 こんなことに使わなくてでも良いじゃないかい!!メリダは顔を真っ赤にしながら言っていた。 必死に話をふった彼女の言葉に、レーメが反応として顔を真っ赤に染め 露呈し、ライルの言った>通り、見事に全員男性陣はそれぞれ報復を受け そして後日、ターニャによってその場、彼らが立ち聞きしていたことが 「全員、何かしらの報復を受けるだろうな」 ライルが、諦念の表情を浮かべていたことを。「いやいや、女の花園だぞ!普段どこんなことを思っているのか、気になるじゃねえか」...つまりは、男性陣もモネダ以外揃っていたということを 「一ああ、これが件の女子会ってヤツか。まさか、今日やっているとはなあけれども怒っているというよりも、恥ずかしがっているという感じかし、 ...全員が、わいわい話して疑いでいたせいで、気づかなかった 角川コミックス・エース・ 原作濡亜原温原作・冷型漫画・梅宮スキ..こん皮膚の海白へ、キャラクター原案、双葉はつき 澪梅宮ス気作一授前キャラクター原案双葉はづき、