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Instructions:
こう
嗜みs
嬢
雖
毎宮スキ
澪梅
2016年11月
キャラクター原案、双葉はつき
[山口慎治(Rdesignsiuero)」
ん
〜〜
「なんか
*
ん、
す
嬢の嗜み
原作澪亜魎梅宙ズキャッキャラクターが大葉はつき、
キャラクター原豪双葉はづき
...NTS
..
おはよう
そして、
おおおーーー
「257
[51]
「フフフ
「1017
...
...
熱い書き下ろし小説
「217
[139]
「1577
公爵令嬢の嗜み
5
laracler
Koushaku
Reiouno
Tashinani
アイリス・
ラーナ・アルメリア
アルメリア公爵家の令嬢で
領地の経営を一任される
日本の税務事務所で働いて
いた前世の記憶がある。
アイリス専属の侍女
意外と武闘派
生真面目な性格の
アイリスの護衛
いつも諷々としている
アイリスの護衛
公爵家の図書室の
司書
...
タスメリア
タスメリア王国の第二王
子。アイリスの元婚約者。
ベルン・ターシ・
アルメリア
アルメリア公爵家の
嫡男で、アイリスの弟
ルイド・
アルメリア
アイリスの父で、公園
家当主。王国の宰相
アズータ商会で働く
聡明な青年。
メルリス・レゼ・
アルメリア
アイリスの母。社交界で
絶大な影響力を持つ。
ガゼル・ダス
アンダーソン
アイリスの祖父。タスメ
リア王国の将軍
男爵家の令嬢
エドワードと結ばれ婚約
者になる
ドルッセン・
カタベリア
騎士団団長の子息。
アイーリャ・
フォン・タスメリア
タスメリア王国の皇太后
公開家のお事見習い
モネタ
商業ギルドの副会計士
ダリル教教皇の子息。
エドワードの母で、
王国の妃。
STAFF
Author
Design
梅宮スキ
Assistant_透春アヲ・須藤愛希子
山口慎治(Rdesignstudio)
王都
アルメリア家
失礼します
ミモザ様が
お見えに
なりましたが...
もう
そんな時間
こちらにミモザを
案内してくれる?
もう少しで
この手紙を
読み終えるから
.....宜しいの
ですか...?
重要な書類も
ないし大丈夫
ミモザは
友人だからね
#
王都に来て以来
ディーンから
たまに手紙が届く
王都での生活は
いかがでしょうか
土地の所有権を
明確にするための
領内の区画整理
ただ
農村部などは
難航している
ようです
お嬢様が領を離れた後、
いくつか進捗が
ありましたので
お伝えします
それと
アルメリア領民の
証となる戸籍作成が
終わりました
土地柄か...
領都は区画が
決まっているから
土地の所有者が
わかりやすいものね
売買の時は
契約書も交わす
でしょうし
また
領立学園中等部
設立の件ですが、
初等部の延長として
高度な読み書きを
教えるのではなく
職業訓練校として
開設するのは
どうでしょうか
...なるほど
そっちの方が
有用かも
でも
職人さんとかは
弟子を取って
実践の中で
学ばせてと
教育体制は
できている
しなぁ...
それと
う...
お嬢様の
ことですから
王都でも
仕事をされている
ことと思います。
無理はせず
お身体を大事に
して下さい
アルメリア領には
お嬢様の帰りを待つ
人間が沢山いる事を
お忘れなく
無事に領まで
戻るのが一番です
領を挙げて
支援しなければ
ならない職業か
お早いお戻りを
お待ちしています
ミモザ様を
お連れしました
おはよう
ミモザ
書斎での出迎えで
ごめんなさいね
お父様に許可を
貰ってから
この日を心待ちに
してたんだもの
よく似合って
いるわ
商人の
お嬢さん風に
してもらったの
そ・れ・よ・り
気にしないで
今日の私は
心が広いのよ
お忍び
だからね?
それ
乙女な顔で
読んでたけど
......?
私は恋なんか
してる
暇ないわよ
良い人からの
手紙なのかしら?
もう...
アイリス
これは単純に
領政関係の手紙
ミモザ......?
恋なんか...
なんて言わないで
学園で
エドワード様に
恋をしていた時
貴女とても
綺麗だった!
彼の事を
話すたびに
とてもキラキラ
していて
相手がいない
私にはちょっと
眩しいくらい
だったんだから
結果
酷い目にあって
しまったけどね
高揚感
嫉妬
......
行き場のない
怒り
怖い
まだ
思い出すたび
心が鉛の
様になる
貴女が忙しい
というのは
伝え聞いている
人を好きになる事は、
アイリス
けど
...だけど
あんなことが
あったからこそ
幸せになって
欲しいと願うの
初めから
拒絶をしないで
あの頃の貴女を
貴女自身が
否定しないでー
ミモザ...
ーごめんなさい
ズケズケと
勝手な事を
言ったわね
...うん
すごい!
ーお疲れでは
ないですか?
アリス様
ええ
大丈夫
...アリス?
私歩いて王都に
行くなんて
初めて
ああ偽名よ
偽名
街で私の名前を
大っぴらに
出すのもねぇ...
なるほど...
じゃあ私の名前は
ミーシャで
お願いするわ
了解
ミーシャ
それじゃあ
まずはそこね
いらっしゃいませ!
何名様ですか?
七人です
席が二つに
分かれて宜しければ
すぐにご案内
できますが...
まさか
並ぶとは
思わなかったわ
は~...
ごめんね
ミーシャ
私の名前を出したら
意味がないと思って
ではそれで
どんな接客を
しているのか
提供している物の
状態はどうか
来店している人は
どんな様子なのかー
客として
見てみないと
ま大丈夫よ
動いたら
動いた分だけ
お腹が空くから
丁度いいわよね
なら
良かった
それにしても
ここが
アズータ商会の
喫茶店かぁ...
まだ外に
行列
大繁盛
じゃない
そうねぇ
店内は二つの
スペースに
区切られていて
片方は
お持ち帰り用の
販売場所
もう片方が
喫茶店の
スペースと
なっている
うーん...
喫茶スペース
目当ての人と
持ち帰り用を買う人が
同じ列に並んで
しまっているからか
...これは店を
拡充するべき?
うう......悩む
人は増えども
減らないわね...
注文を
お願いします
それとも
二号店の出店?
それとも二号店の出店?
この喫茶店の
システムは
私は
ケーキ
セットを
こちらは
フルーツの
盛り合わせ
チョコレート
ソースがけの
セット
それと...
テーブルには
番号が書かれた
木札を置き
ウェイターが
注文を受けたら
それを紙に書き出し
厨房にオーダーを通す
それと連動した
会計用の木札を用意
注文用紙を
それぞれの
木札に挟み
会計用のカウンター
に保管
テーブルの木札は美表で色を変え全ての注文が揃ったら白色
テーブルの木札は
裏表で色を変え
全ての注文が
揃ったら白色
追加注文があったら
また元の面に戻す
「という形にした
そして最後に
それを元に
会計をする
という仕組みだ
お待たせ
しましたー!
...んー!
美味しい!
何より
だわ
ねぇアリス
そっちも
一口もらって
いい...?
もちろん
ー忙しそうだけれど
接客も提供された物も
雑になってない
皆
頑張ってくれて
いるのねー
むふーーーッ
そういえば
どうして喫茶店を
始めようと思ったの?
んー?
うちに
良い原材料が
あったから...
かしら
それでこれだけの
人気店になったって
いうのだから驚きね
私の場合
周りに恵まれて
いたからね
お菓子のレシピを
作ってくれた
メリダをはじめ
皆の力が
あったから
こそだ
ありがとう
ございました〜
じゃあ
次は美容品ね
ゆっくり
王都を見ながら
行きましょうか
王都の物価も
見ておきたいし
...
あ
あ
ねえねえ
アリス!
これ
とっても
素敵
どれ
どれ?
!
ッ..
あれは...
じょう
リ令嬢
ちょ、ちょっとした
ユーリ令嬢...?
#
どうしたの
アリス?
なんでここに!
う...
ユーリ
令嬢を見た
気がして
......
でもお付きの人が
いなかった...
ユーリ令嬢と
もう一人の...
二人だけだった...?
...見間違いじゃ
ないかしら?
今や王子の
婚約者だもの
それも
そうね......
見間違いだといい
歩いて街に
来るなんて
ないでしょうし
ただの
思い過ごしだと
アリス
次は
どこへ?
そうね...
もう少し
街をまわった後
商会へ
行きましょうか?
それならば
安心できる
着いた!
いつも
来る場所だから
なんだか
ほっとしちゃう
ご贔屓
ありがとう
ございます
王都の
アズータ商会!
どういたしまして...
あ
私今日
会員証を持って
いないけれど
大丈夫かしら
...いつもと違う
格好だし...
心配
しないで
私の会員証が
あるから
ミーシャの身元は
私が保証する
ここに
入れるのって
会員だけ
でしょう?
―さすが
会頭さん!
おかげで
つまみ
出されずに
すみそうね
アイリス様
ミモザ様
ようこそお越し
くださいました
ごきげんよう
バラット
ここは貴族の方が
連日いらっしゃる場所
ー私を見ても
驚かないのね
アイリス様
ええ
「僭越ながら
些細な事でも
大事になり得る
王都にいらっしゃる
ことは存じ上げて
おりましたから
あらそう
耳が早いこと
それじゃあ
ここでの
抜き打ち視察は
難しいわね?
そう思うと
一時も気が抜けません
そう...
それなら
ますます
中を見るのが
楽しみだわ
バラットは
すぐに戻ってきて
ちょうだい
――...
畏まりましたー
バラット
やっぱり
先にミモザを
案内してくれる?
少し話したい
ことがあるのよ
ようこそお越し
くださいました
今日は
連れもいてな
ご案内いたします
どうぞお二階へ
モンロー様
よろしく
頼むぞ
モンロー伯爵...
一緒にいた方は
ご子息ですか?
ううん
全く見覚えの
ない人
パーティでも
見かけたことが
ないと思う
商会によく
来ている
というのは
本当だったのね
でも連れと
いうからには
使用人では
ないだろうし
これと言って
特徴のない顔の
男性だったな...
ここ最近の
モンロー伯爵の
動向を調べて
もらっていい?
私の記憶に
無いだけかしら
ターニャ
アイリス様
お待たせ
致しました
それと
できれば
今一緒にいた
男性の事も
畏まりました
申し訳
ありません
このような
部屋に
アイリス様を...
いいのよ
私が勝手に
入ったのだし
...それより
バラット
先程モンロー伯爵が
いらっしゃったわよね
よく
来られるの?
はい
週に一・二度
は必ず
どういった物を
お求めに
なるのかしら
...そうですね
奥様は
美容品をお求めに
なることが多いです
モンロー伯爵は
菓子類ですね
それと最近は
オーデコロンを
支払いは
滞りなく?
チョコレートを
馬車いっぱいに
買われることも
あります
ええ
都度その場で
頂戴しております
そう...
会員制の店で
買える物は
高品質なかわりに
値段も高めの
設定にしてある
毎週、商会に来て
金払いも
良いー
ーーお茶会で
聞いた通りだわ
アイリス
様?
...
...あら
ごめんなさい
本題は別に
あるのよ
ーハラット
何か困った
ことや
改善したい
ことは
あるかしら
報告書はいつも
読ませて
もらってるけれど
顔を見て
話した方が
良いことも
あるでしょう?
「会員登録が
滞っているのは
ご存じですか?
ええ
アズータ商会の
貴族向けラインは
特別感を出すために
会員制をとっている
王都では
貴族の館を
丸々買い取り
従業員の数が
ギリギリで
これ以上は
対応できないから
と聞いているわ
お客様を
それぞれ
個室に案内し
寛ぎながら
商品を選べる
仕組みにした
従業員は
一部屋に対して
最低一人は付いて
いなければならない
従業員を
増やそうという
提案もあった
みたいだけれど?
はい
ですが...
それ故
人が足りなく
なるのは
わかるのだか!
.....何故
私が反対
しました
訓練された
従業員が
ほしいのです
ここは
貴族の方を
応対する場所
それなりの
立ち居
振る舞いが
要求されます
人数が
足りなく
通常業務も
危うい今
未経験者の
教育まで
増えると
対応しきれ
ないでしょう
人手が必要なのは
確かですが
安易に増やせないのが
現状です
―...
だから
訓練された
従業員ーーね
ーわかったわ
とは
言ったものの:
運良く
貴族の家で働いて
いたような
人材が居ても
すぐには
難しいけれど
実現できるように
努力する
他家のスパイを
雇い入れるわけには
いかない
ありがとう
ございます
経歴を
調べなくては
ならないもの
お待たせ
アイリス!
お帰り
ミモザ
新商品
すごいわね!
すぐには
雇えない
だろうなぁ
ハーフティーは
香りがいいし
酸味があって...
色も赤くて
可愛かったわ
お気に
召しました?
もちろんよー
―...
...アイリス
ミモザ...
...学園の時みたいに
一緒にはしゃげて
楽しかった
もうすぐ領に
帰っちゃうのよね...
手紙
書くわね
うん
私も
またね
アイリスー
ありがとう
ーただいま
帰りましたー
おう
おかえり
戻ったか
アイリスちゃん
お祖父様!?
突然
どうされた
んです?
は。はっは
そろそろ
帰るのだろう?
寂しいでは
ないか
いやー何日か
こちらに滞在
しようかと思ってな
それと......
今からちょっと
ディダとライルを
借りてもいいか?
......訓練でも
されるんですか?
訓練では
ないが...
私は良い
ですけれど...
いや
できれば
今日は...
ディダと
ライルは
どう?
いや
似たような
ものか?
しょーが
ねーなー...
...行ってきます
ーターニャ
今日は
お疲れ様
畏まりました
...お嬢様
早めに
切り上げて
くださいね
書類の整理を
少しだけしたら
寝るわ
一度さがって
大丈夫よ
ありがとう
.......
.....ベルン...
...様
こうして
ゆっくり話すのも
パーティ以来ね
...そろそろ
領地に戻られる
頃かと思いまして
その前にと
随分空けて
しまったから
流石にね
...最近ベルンは
どうなのかしら?
...父に付いて
随分学ばせて
貰っています
今までのんびり
させて頂いた分
取り戻さないと
一別に遊んでいた
訳ではないのだから
良いと思うけれど?
学生の時にしか
味わえない事は
沢山あるもの
同じ空間で
学んで
寮では寝食を
共にして..
卒業したら
中々できない経験よ
良いも悪いも
これからの自分の
糧にできるはず...
ベルン
顔色が...
......
......
...その大事な時間を
僕はお姉様から
奪ってしまったんですね
お姉様
僕に謝ることを
お許し下さい
......?
...何の謝罪?
お姉様を
学園から追放した
事です
.....謝らなくて
いいわ
つまり
私の失態
あれは私が
感情のままに
動いた結果
ユーリ令嬢に
嫌がらせを
したのが発端よ
―...
別に貴方だけが
悪い訳じゃないもの
お姉様は以前も
そう仰っていましたね
あの時の
僕もまた
けれど
お姉様
それは違います
ただただ
ユーリに
好かれたいとー
お姉様と
同じ様に感情で
動いていた
彼女の幸せを
守れれば
それでいいと
......?
その一心でした
今考えると
恥ずかしい
話です
僕は貴族として
公爵家の
人間として
―感情に流されて
思考を止めない
自分の行動が
与える影響を
考えていなかった
......
ベルン
大事な
ことよね
貴方の
謝罪と言う名の
決意表明は
受け取ったわ
「もうこの話は
止めにして
いいかしら
...こんな事を言って
自己満足だと
分かっています
でも
もう一つだけ
――僕は自分の事を
棚に上げて
お姉様にも
心があって
だからこそ
傷ついたうえでの
行動だったというのに
お姉様の事を
陥れました
僕は家族として
お姉様に
謝らなくては
なりません
前世の『ワタシ』と
アイリスの『私』が
せめぎ
合っている
家族である
ベルンと
婚約者で
あったはずの
エド様からの
糾弾
あの瞬間私は
全てに絶望した
今まで慕っていた
二人が
ユーリを選び
そして躊躇いもなく
大勢の前で
取り押さえられ
糾弾された事も
「私」をいとも簡単に
切り捨てたことが
ショックだった
家族にすら
切り捨て
られたのだ
冷めた目で見る
「ワタシ」と
だから『私』は
恋はしないと誓った
人に完全な信頼を
置いてはならないのだと
そんな風に『私』の
価値観を変えた彼を
それでも
和解を望む
私』とー
――謝罪は
受け入れるわ
でも今すぐ
許すとは
言えない
――ありがとう
ございます
それだけで
僕にとっては
十分です
こんな時
彼女なら
......許すと
言ってあげるの
かしらねー
それって
#
ーお祖父様
ライルとディダが
昨日から帰って
いないんですけれども
おはよう
ございます
お祖父様
おはよう
アイリス
ええ
頂きました
何かご存じ
ありません?
朝食は
すませたのか?
あー...
...すまん
少し飲ませ
過ぎたようでな
家に来たと
思ったら
連日二人を
連れ出して...
私の護衛を
使い物にならなく
しないでください
それに
お祖父様?
いくらお酒が
強いからとはいえ
飲み過ぎは身体に
よくありません
少し
控えた方が
よろしいかと!
ぬ...
...騎士団と軍部で
飲むのは楽しく
なくてなぁ...
もう...
彼奴らも
王都にいるのは
あと少しだろう?
お迎えに
あがりましたよ
ガゼルお祖父様
...だから.....
つい...
楽しくなって
飲み過ぎてしまうのも
わかりますけど..
お祖父様?
わ...
僕はいないと
伝えてくれ...
ルディ!
また店中の
お酒を飲まれたそうで
自重して下さいと
何度お伝えすれば
いいんでしょうかね?
外では
飲み過ぎないように
アイリス
貴方はこの国の
将軍なんです
飲んだ後に
襲われて
不覚を取られたら
目も当てられない
ふふっ
久しぶりね?
ルディ
ー挨拶も
そこそこに
こんなんで、ごめん
ールディウス・
ジブ・アンダーソン
お祖父様の孫であり、
私の従兄弟
私より二つ年上で
アンダーソン
侯爵家の嫡男だ
大丈夫よ
ルディ
私も
お酒を控えてって
お願いしてたところ
じゃあもっと
言ってあげてよ
僕の言うことは
聞かなくても
アイリスの言うことは
聞くんだ
ガゼルお祖父様
アンダーソン家
系
ルメリア家
ね
お祖父様
ーアンダーソン領
での仕事はどう?
まぁ...これでも
跡取りだからね
ぬぅ...
領の執務を
手伝ったり
日々勉強中
...でも今は基本
裏方仕事かな
お祖父様のように
強かったら
父上も僕も
また違った道に
行ったんだろうけど
!
どっちかと言うと
その血は
叔母様の方に
いったみたいだしね
何を言って
いるんですか
さ
帰りますよ
お祖父様
お祖父様のせいで
色々と
滞っているのです
じゃ
アイリス
大人しく
言うことを
聞いて下さい
儂は
ここに残る!
また今度
ゆっくり話そう
ールディウス様
お帰りに
なるのですね
気をつけて
お戻り下さいませ
ターニャさん
ユーリの件
色々調べてる
みたいだけど
あまり深入り
しない方がいいよ
[アイリスの
ためにも
ごめんなさい
ターニャ
まるで嵐のよう
だったわね
すごい勢いで来て
すごい勢いで
帰っていったわ
ルディと
お祖父様
帰られてしまったの
...ターニャ?
......
ーわかったわ
場所を
移しましょうか
彼女について
お伝えしたい
事があります
「なるほどね
王城に仕えていた
侍女とノイヤー男爵の
間にできた子が
ユーリ令嬢...
彼女の母親は
飛び抜けて見目が
整っている事で
有名だったそうです
母親が亡くなった後
ユーリ令嬢は
一人に...?
はい
ユーリ令嬢も
本当に可愛らしい
ものね...
程なく
親族と名のる者に
引き取られて
いったとの
ことですが...
?
歯切れが
悪いわね
はっきり
しません
でした
ノイヤー男爵が
引き取ったん
じゃないの?
...
親族と名のる男性に
引き取られたとだけ
母親が亡くなってから
学園に男爵家令嬢
として人学するまで
彼女の足取りは
全く掴めません
空白の期間...
親族に
引き取られたの
だとしたら
考えられるのは
二つ
母方の場合、
父方か
母方か
母と街で二人暮らし
...
...
...
ということは
...
実家に頼れる状態では
なかったのだろう
けれど母親が亡くなった事を知ってユーリを保護し
けれど母親が
亡くなった事を知って
ユーリを保護し
その後ノイヤー家に
ーっ..
引き取られた!
父方だった場合は
そのまま男爵家に
引き取られたはずだ
でもなんで男爵は
ユーリの存在を
学園入学まで
発表しなかった」
ノイヤー家の
子供はユーリだけだ
正式な跡継ぎとして
早々に迎え入れても
いいはずー
......?
疑問が山のように
湧いてくるわね
怪しさ満点だわ
...あとは赤の他人が
親族と偽って
引き取った
可能性かー
それにしても
ノイヤー男爵は
ユーリ令嬢が
自分の娘だって
何で判別したのかしら
母親に渡した
形見のベンダントと
母親に瓜二つの顔が
決め手だと
...そう
DNA鑑定など
科学的な証明が
できない以上
状況証拠になるのは
しかたない
ーそれと
モンロー伯爵の件でも
お伝えすることが
逆に顔を変える
手段もないから
似ているというのは
一番の証拠かも
何か
わかった?
はい
あの日モンロー伯爵と
共に来ていた男ですが、
名はディヴァン
というそうです
ディヴァン
ね.....
モンロー家に
客人として滞在中とのこと
アズータ商会にも度々
同行しているようです
目撃証言が
多々ございました
素性は
アイラー商会の
会頭
それ以上は
調べることが
できませんでした
...とだけ
申し訳
ありません
アイラー商会...
モンロー伯は
その商会と懇意にして
いるのかしらね
名前だけは
聞いたことがあるわ
確か食料を主に
取り扱う商会
だったはず
モンロー領は
穀倉地帯
アイラー商会は
食料品専門
取り引きするのは
なんらおかしい
ことではない
トン...
ただ問題は
その食料を
どうするのかだ
...ターニャ
ー畏まりました
モンロー伯の
羽振りがよくなった...
ディヴァンと
アイラー商会のことを
詳しく調べて
その事から
モンロー領は以前より
沢山の作物を商会に
納品しているはずだ
ということは
でも市井で作物が
値崩れしたという
話は聞かない
特に商会の
納品先について
市井ではない
どこかに食料が
流れているー
「失礼します
―...
帰るのか?
お父様
ええ
準備が整い次第
明日にでもと
そうか
帰る前に
ーっ
お前に忠告したい
事がある
ーエルリア妃と
マエリア伏爵家には
気をつけろ
エルリア様と
そのご実家
ですかー
?
そうだ
今回の
建国パーティで
お前の後ろ盾として
王太后がいるのを
見せただろう
国内は元より
他の国々にもだ
エルリア妃が
力をつけてきて
いるとはいえ
王太后の影響力は
国内外で
今なお大きい
宰相である私と
王太后の寵愛を
受けた母娘
でも
アルメリア家は
中立を保って
きました
アルメリア公爵家は
第二王子派にとって
脅威となり得る
攻撃する相応の
理由がありません
それに
感情的な
理由だとしても
こちらは
公爵家なのです
取り潰しなどしたら
国にどれだけ
影響がでるかー
第一王子
第二王子
どちらの
陣営にも
ついていない
そこまでして
危険を冒す
でしょうか
エルリア妃が
王の正妻ー
え?
シャリア様の殺害を
謀った
まあ
憶測だ
と言ったら考えは変わるか?
と言ったら
考えは変わるか?
物証は何も
残っていなかった
証拠がないのに
側妃の取り調べなど
行えるはずもない
ーただ...
それと
エルリア妃を
警戒する
理由はもう一つ
そんな黒い噂が
流れる方だ
用心するに
越したことは
あるまい
..そう...ですね
領主代行
商会の経営
王太后の
後ろ盾
お前の価値は
計り知れない
第一王子派は
派閥へ
引き入れたいと
思うだろう
アルメリア
公爵家と王太后
お前自身が
思った以上に
力を持って
しまったことだ
その二つを自陣営に
取り込めるのだから
派閥の力は
強大となる
......確かに攻撃を
仕掛けてくるかも
しれませんね
申し訳
ございません
考えが及ばず
私のみならず
アルメリア家も
危険な立場に
置いてしまいました
...いや...
第二王子派から
してみれば
いつ足元を
掬われるかと
気が気では
ありませんもの
お前の力を
測り損ねた
私の責任でもある
幸いまだ何も
起こっていない
気にするな
だからこそ
より一層の
注意を払え
ありがとう
ございます...
ご忠告
しかと胸に
刻みました
それと
これは餞別だ
ルーベンス家を
調べろ
ルーベンス家..?
ユーリ令嬢を
調べているの
だろう?
......
彼女の母親を
王城の侍女に
推薦したのは
ルーベンス家だ
私が公開できる
情報はここまでだ
お前なら
この情報から
国で起こっている事を
察せるだろう
それと
王城で
お前の子飼いを
ウロウロさせるな
方々に
刺激を与え
迷惑だ
申し訳
ありません
深入りするなと
いうことか!
お父様
情報ありがとう
ございました
失礼いたし
ますー
道中
気をつけて
帰れー
モンロー伯と
アイラー商会
ユーリ合嬢
エルリア妃と
マエリア家ー
「嫌な予感がする
私の知らないところで
着々と何かが
進んでいるようなー
早く領に
戻らなくては
これから8cmの
ーやっと
着いた...
ま...
#
アルメリア領!
お嬢様
お屋敷に
着くまでは
油断なさらず
バナ、
...そうね
アルメリア領への
帰路は
緊張の日々だった
朝から晩まで
馬車を走らせ
夜は町の宿屋に
お忍びで泊まる
エルリア妃の
手の者に
襲われるかも
しれないし
襲われないかも
しれない
どっち付かずの
状態というのも
神経がすり減る
ものだ
でも
そんな中
皆は何も言わず
護衛をしてくれた
お帰り
なさいませ
お嬢様
ただいま
セバス
道中のこと
聞き及んで
おります
どうぞ
ごゆるりと
お休みください
気を張って
お疲れに
なったでしょう
...その前に
皆
ええ...
ここまで
護衛をしてくれて
ありがとう
そしてー
ごめんなさい
今回私の行動で
貴方がたを危険に
さらしてしまった
これから先も
危険が伴うでしょう
...巻き込んで
しまって
申し訳なく
思っているわ
お嬢様
謝る必要は
ございません
私たちは
お嬢様の剣であり、
盾であることを
誇りに思います
今も
これからも
あの日の誓いは
変わらず
私たちの中にー
貴方達の全てを
私に預けて
勿論です
お嬢様
初めて
領地を視察した
あの時の
皆
ありがとうー
......?
...今回は
何もなかった..
でも油断は
禁物だ
公爵令嬢の地位を
追いやられる
だけではなく
命すら狙われる
可能性がある!
疑心暗鬼に
なってしまうな...
相手は
エルリア様
暴力
ま
お父様の話や
噂を信じるのであれば
手段は選ばないの
だろう
でも怖いからといって
立ち止まっては
いられないし
暗殺
知名
私を陥れるのに
どんなことを
してくるのか
逃げるなんて
性に合わない
また
明日からは
領主としての
生活
気を
引き締めて
当たら
なくては
すごい..
ええ...
書類のいね......
アイリス様の
普段の仕事量を
目の当たりに
できますね
書類は
〈民〉〈財〉・〈建〉など
それぞれの
部門ごとに
分けてあります
報告書は
こちらに
ありがとう
確認しておくわ
お願い
致します
それとメリタが
お話ししたいことが
あるそうなので
後ほど来ると思います
何か
ありましたら
お呼びください
ーやっぱり
――やっぱり領は安心する
領は安心する
ふふっ
領に戻ってきた
というだけでなんだか
業務も頑張れる
気がするな
でも書類確認が
終わるのは
いつになる
ことやら...
どうぞ
お久しぶりです
お嬢様
元気そうで
良かったわ
いえおい
礼には
及びません
ー早速で
申し訳
ないのですが
ディーン!
私が領に
いなかった間も
時折来てくれて
いたのでしょう?
ありがとう
いくつか
ご報告したい
ことがあり
参りました
ええ
何かしら
南部のカカオを
産出する村などは
商会と契約を
交わした際
土地の所有権を
整理していたのが
功を奏したようです
土地の所有権と
区画整理の件です
手紙では農村部が
難航していると
お伝えしましたが
東と南の地域は
ほぼ完了したと
報告を受けました
問題は
北部と
西部ですね
―こればかりは
近辺の住民の
話をよく
聞いていくしか
ないわね
はい
〈民〉では
その業務を
最優先に
動いています
それと
領地の教会の件も
お伝えしようかと
そう!
教会!
ーお願い
していた事は
どこまで
進んだかしら?
...すみません...
急に笑顔に
なられたものですから
コホン
教会があった土地を
更地にし終え
建築作業に入っています
並行して
子供達が生活する
院の建造にも
着手し始めました
今までよりも
大きな教会なので
職人も
作りがいがあると
仕事に力を
入れています
そう
遠くないうちに
完成するでしょう
そう...
でも
でき上がるのが
楽しみだわ
みんなの
喜ぶ顔が
見られるもの」
以前ミナさんと
子供たちが暮らす
教会を襲ったのは
人身売買に
手を染めている
組織でー
改めて教会の
土地所有者を
確認した所
シスターじき後教会は
その地の管理を
放棄したらしい
そこは
『誰のモノでも
ない土地―――だった
建物も老朽化が進んでいたしそれならばと
建物も老朽化が
進んでいたし
それならばと
新たに大きな教会を
造ることにしたのだ
ミナさん達には
一時的に別の場所へ
移住してもらい
でき上がり次第
戻ってもらう
手筈になっている
それと
区画整理も目処が
ついてきたので
ありがとう
わかったわ
今後も今の
方針を継続して
いきましょう
どうぞ
失礼するよ
領都での
住民票の作成にも
着手しています
おや...?
良くない
タイミング
だったかな
メリダ
ごめんなさい
メリダ
少し
待っていて
くれる?
関係各所に
指示と根回しを
しておきますね
ええ
よろしくね
ディーン
いえ
お伝えすることも
終わったので
私はそろそろ
失礼致します
それより
久しぶり
メリダ
喫茶部門
忙しいん
でしょう?
各店舗を
飛び回ってるって
聞いたわよ
...何だか
悪かったね
大丈夫よ
現場を
任せっきりで
ごめんなさいね
はははっ
忙しいったって
お嬢様ほどじゃ
ないさ
新しいレシピを
開発する
暇もあるしね!
寒天のデザート!
完成したのね
そうね
まだ
試作段階
だけどね
今食べて
みるかい?
折角だから
いただこう
かしら
「久しぶりの
王都は
どうだった?
んー...
これといって
特に
ミモザ
カチャ
もう少し色んな
感情が込み上げて
くるかと思って
いたのだけどね
彼らに
会った時は
嬉しくて
懐かしかった
それに家族!
でも
『王都』という
場所には
未練は無かった
みたい
「私」にとって
王都は自分らしく
いられる場所
ではなかった
公爵令嬢
という肩書き
ユーリたち
との軋轢
そんなもん
カわえ...
そんなものよ
王都での思い出は
息苦しいだけだ
私にとって
ここが故郷で
貴女達という
大切な家族もいる
それで
いいの
そりゃあ
光栄の極みだね
ごちそうさま
いくつか提案
してもいい?
もちろん
まず
寒天の味は
問題なしね
美味しかったわ
今回は
果物を中に
入れて作って
もらったけれど
ミルクを
入れたり
逆に何も入れず
固めて蜂蜜を
かけたりしても
いいかもしれない
あとは...
盛り付けかしら?
寒天を
賽の目状に
してみたり
ガラスの器に
盛り付けても
雰囲気が変わる
わよね
ーチョコレート
みたいに
流行ると思う?
アルメリア領は
あったかい
からね
なるほどね!
工夫しがいがある
食材で
腕がなるねぇ
よろしくね
さっぱりした
デザートも
喜ばれると思うよ
それじゃ
ちょっと改良して
また持って来るよ
喫茶ラインで新しく
出そうとしている
寒天のデザート
アルメリア領の
貿易を活性化
させたことで
絹然り
きっかけは
隣国から
入ってきた
寒天だ
今まで領に
なかった物が
次々と入ってくる
ようになった
寒天も然り
頷では見ない
珍しい物が
入って
来たときは
デザートの次は
新しい飲みものか:
以前
気分転換に
庭を散歩した
ときに
私のところに
持って来て
貰えるよう
セイに
頼んである
うーん...
タンポポに
似た花を
見つけたから
根っこを炒って
タンポポ
コーヒー..
かな
新しいメニュー
開発は順調:と
税収も
上々ね
貿易が活発化
したことで
商会の収益も
上昇
高等部で開発し
改良された
農作物などの
販売益も良い
後は地方部の
上下水道か..
銀行や農業など気にいろいろな雇用が生まれたことで
銀行や農業など
領にいろいろな
雇用が生まれた
ことで
個人の収入も
上がって
きている
排泄物などに
汚染された水で
生活していると
病気の蔓延が
心配だ
どうぞ
何かあった?
急で
申し訳ないのですが
至急対応して頂きたい
書類がありまして
ーすみません
よろしいですか
見せて
...こんなもの
かしらね
こんな時間まで
いたの?
ありがとう
ございます
それより
ディーン..
お嬢様だけには
言われたく
ないですね
私は期間を
限定して雇用して
いただいてる
身ですから...
......
次に
来るまでね
次に来るまでに
できる仕事は
最大限していこうと:
...ディーン
貴方は実家の
手伝いもあるし
こちらとの
仕事の両立は
大変でしょう
本当に...
無理しなくて
いいのよ
...無礼は承知で
:無理はして
いませんよ
キィ..
お嬢様
少し休憩を
しませんか
私も休憩を
しますから
9end
#40
どうでしたか
王都は
...ここだけの話
早く領に
戻りたくて
仕方なかったわ
皆が憧れる
王都や舞踏会も
一皮剥けば
狐と狸の
化かし合いだ
気疲れの方が
大きかった
気がする
弟とも少し話すことが
できたし
そうですか
でも久しぶりに
家族や友達と
会えたのは
嬉しかったかしら
ディーンには
兄弟はいるの?
......?
......あと
妹がいます
下が
いるのね
私と同じ
......?
.......なぜ
そのような
ことを?
喧嘩とかは
する?
あ...
ごめんなさい
変なことを
聞いてしまって
その...
私が領主代行として
領に戻る前
弟と仲違いを
してしまってね
今回
会った時に
謝罪をして
くれたの
でも...
私
薄情な姉なの
かしらって
年長者として
失格なの
かしらってー
私は素直に
許すことが
できなかったのよ
だから
弟妹を持つ
ディーンの意見も
聞いてみたいと
思ったの
......
そうよね
...難しい
質問ですね
ごめんなさ..
私も仲が良いとは
言えませんから
妹とは
それなりに
仲が良いのですが
弟とは..
.....そう...
もちろん
妹がいるおかげで
家族のありがたさは
理解しています
ただ弟は
最早家族という
認識では
ないですね
別の家に
生まれていたらと
思うほどです
同じ血が
流れていることが
こんなに疎ましく
感じられるとは
思ってもみなかった。
ディーン...
諦めて
いますから
弟と私
お互いにそう思って
いるのだから
歩み寄る事は
ないでしょうね
ーですから
弟君に対して
きちんと向き合おうと
しているお嬢様は
薄情ではありませんよ
・あ
ありがとう
そう言って貰えて
少し吹っ切れた
気がするわ
私は年長者
なのだから...って
先入観があってね
もう少し
自分の気持ちを
尊重しても
いいのかもしれないわね
私の行動は
間違って
いるんじゃ
ないか...って
不安だったの
肌寒くなって
きましたね
そろそろ
戻りましょうか
ぎゃ...
......
ディーン
雇用契約を
解消しましょうか
.....なぜ...
領に戻ってから
考えていたのよ
ディーンは
ここで
働くよりも
他のところで
契約を結んだ方が
破格の報酬を
得ることが
できると思う...って
それだけの力を
貴方は持っているわ
私からスカウト
した手前
こんな事を言って
申し訳ない
のだけれど
ここでは
領官と同等の
報酬しか
渡せないし...
もちろん
次の職場が
決まるまで
待つつもりよ
お嬢様がそこまで
私を買って
くださっているとは
知りませんでした
お嬢様は
私がいると
ご迷惑ですか?
......
:私の右腕として
領政の取りまとめを
してくれて
本当に感謝しているわ
でも...
詳しくは
言えない
けれど
貴方をここに
留めておいたら
だから...
私と近しい所にいるディーンだからこそ
私と近しい所にいる
ディーンだからこそ
私のせいで
危険に巻き込んで
しまうかもしれない
心外ですね
領政の11端を
担っているからこそ
エルリア様に狙われる
可能性がある。
そう言われて
私が承諾すると...?
本当に..
無理しなくて
いいのよ
私にまで害が
及ぶと言うのなら
お嬢様の身は
もっと危険に
晒されて
いるのでしょう?
あの時仰って
いた理由は
それですか
一人で逃げるほど
薄情ではありません
ディーン
貴方本気で
言っているの?
もちろん
本気ですよ?
命の危険が
あるのよ!
でなければ
こんなことは
言いません
ここで働くのは
楽しいんです
それに...
え...?
でもだからこそ
大きな達成感は
なかなか
得られなかった
自分で言うのも
何ですが...
私はこれまで
何でもそつなく
こなしてきた
つもりです
それが
ここで働き始めて
初めて面白いと
感じました
困難にぶつかって
それを乗り越える!
そんな感覚を得たのは
初めてだったんです
私では思い
つかないような
斬新な考えを
されるお嬢様
次は何を
しようか
優秀な
使用人達
改革を
推し進め
活気づく領
次は何が
出てくるのか
そんな事を
考えながら
仕事をすると
いうのは
久しぶりでした
ここにいると
新しい刺激が
貰えてわくわく
するんです
......でも
ーーだから
私はここに
残ります
お嬢様が私を
信頼しきれないのは
無理もない
ことです
幼い頃から
一緒にいる
部下とは
過ごしてきた
時間も
密度も遠く
及びませんから
ディダやライル...
彼らと同列に
扱えとは言いません
ただ時間が
かかってもいい
私もその輪へ
入れてください
以前お嬢様は
私をスカウトする時に
仰いましたね
私のものに
ならない?
ーと
私はもう
とっくに
貴女のものだ
覚えて
おいて下さい
今はまだ
私も
貴女の手となり
足となる事を
心から望んで
いるんですよ
わずかな時しか
側にいることは
叶いませんが...
これが私の
答えです
それでは
仕事に戻ります
言われる立場になると
こそばゆいものね...
それは、
メ
そうね
溜まっていた
仕事も
ようやく終わりが
見えてきましたね
これでやっと
やりたかった事に
手をつけられるわ
それは
いいですけど
...ターニャさんが
怖いですから
わかってる
また仕事を
詰め過ぎて
倒れないで
くださいね?
「あの夜から1週間
ディーンは驚くほど
いつも通りだ
...気恥ずかしくて
会うのを構えていた
自分が馬鹿みたい
だわ
?
どうしました?
あっ
ううん
普段どおりに
普段どおりに...
なにも
レーメ
いるー?
はい
はいー
あれぇ?
お嬢様に
ターニヤさん
ちょっと
調べ物があってね
司書のレーメに
訊けばわかる
かと思って
こちらに
いらっしゃるなんて
久しぶりですねぇ?
なにか
ありましたがぁ?
ルーベンス家に
ついての文献って
どの辺りに
あるかしら?
ルーベンス家を
調べろ
調べたら
何が出てくるのか:
怖さ半分
興味半分って所ねー
なるほどー
ルーベンス
公爵家ですかぁ:
珍しい名前を
訊きますねぇ
帰り際
えーと
それなら
ここら辺の
書物が一番
詳しくてぇ...
王都からの
お父様が
餞別にくれた
言葉
!
レーメ
今
ルーベンス公爵家
って言った?
公爵家!
どうしてビンと
こなかったのかしら
同じ
公爵家なのに
んー...
え!?
お嬢様の世代で
知らないのは
無理もないかも
しれませんー
何代か前の
王弟が興した家で
領地も持って
いないので
ルーベンス家は
何十年も
表立っては
いませんからぁ
ええ
言いました
けどぉ...
王都に館を
構えているだけの
はずですよー
レーメは何で
ルーベンス家を
知ったの?
本で
読みましたぁ
30年前に起きた
トワイル戦役停戦時の
要のひとつですからぁ
要?
はいー
当時の文献に
よく出てきて
いたんですよぉ
タスメリア王国と
トワイル国との
停戦の証として
トワイル国から
お姫様がお興入れ
してきたんですぅ
そのお興入れ
した先が
ルーベンス家
ですねぇ
...そう
でもなんで
ルーベンス家
だったのかしら
真入れは友好の
証でしょう
王家で受け入れても
良さそうなものだけど
当時タスメリアを
治めていたのは女王様
だったため婚姻は
結べなくてぇ...
お姫様を
王家に迎え入れるのは
難しかったんですよぉ
女王の子である
王子もいた
んですが
年齢が合わなかったため候補から外されたんですぅ
年齢が
合わなかったため
候補から
外されたんですぅ
あとは
周りの意見も
あったようですねぇ
王家や王家に近い
家に迎え入れるのは
嫌だーーーと
王位継承権が
ややこしく
なりますからぁ
そこで白羽の矢が
立てられたのが
ルーベンス家
という訳ですぅ
トワイル国の血が
入った王位継承者を
出したくないって訳ね
それに加えて
戦争が完全に
終わったわけでは
ないですから
万が一を
恐れたのでは
ないかとぉ...
そうですねぇ
お姫様を通して
トワイル国へ
情報が筒抜けになる
可能性もあるしね
主だった貴族が
亡くならない限り
王位が回って
くることがなく
王弟が
創設しているので
王家の血がしっかりと
流れている...か
確かに
タスメリア王国の
事情に合った
お誹え向きの家ねー
ねぇレーメ
今もルーベンス家
ってあるの?
あると
思いますよぉ
あるのね...
それが
記憶になくて...
社交界などで
ルーベンスの
名を聞いたことは?
以前は学生の
身分だったし
頻繁にパーティに
出ていた訳では
ないから
噂も聞かないし
腫れ物に触る
感じなのかしら
...
トワイル国の
血が流れている
ルーベンス公爵家
気になりますね
...そうね
なんだか
悪い方にばかり
考えてしまう。
ユーリの母親は
ルーベンス家に身元を
保証され_王城へ
侍女として入った
それならその娘の
ユーリはー
―?
最悪の展開を考えるのであれば
最悪の展開を
考えるのであれば、
もしそれが
当たって
いたとして
ユーリの母は
トワイル国の
関係者かもしれない
ユーリ...
どういう形かは
分からないけれど、トワイル国と
繋がっている可能性はある。
お嬢様!?
顔色が悪い
ですよぉ?
......
ほ..
ターニャ
以前頼んだ
ユーリ令嬢の調査は
中止して
......はい
モンロー伯爵周辺の
調査は引き続きお願い
それから
主だった貴族の家の
動向を調べてくれる?
含めて
ーお父様も
畏まりました
調査に
かかった費用は
申請してちょうだい
恐れ入ります
早速
手の者を
動かします
――青服は
タダでは
ないものね
それでは私自身
今から少々
出て参りますので
ええ
よろしく
私も午後は
別の用事を
済ませるわ
あまり
深入りを
するな
お父様に言われた
通りかもしれないな...
ユーリの母親は
トワイル国と
繋がっている
可能性があり
無意識で
利用されて
いる...?
それとも
脅されて?
娘のユーリも
影響を受けている
かもしれなくて!
娘のユーリも影響を受けているかもしれなくてー
でもユーリが
間者なら
それらしく
言動を考えそうな
ものだけれど..
トワイル国が
絡んでいるのなら
国家間の問題だ
両国の化かし合いに
たかが領主代行である
私が立ち入る隙は
ないだろう
さわらぬ神に
たたりなしね
今はまず
自分の
足元を固めて
いかないとー
つーか
この三人って
珍しい
組み合わせだな
ターニャには
別の事をお願いして
いるからね
お嬢様
街へ出るのは
私は反対です
関所など領内の警備を
強化しているとはいえ
何があっても
おかしくないのですよ
ええ
ライル
それは
重々
わかってるわ
だから
とびきり
腕が立つ
護衛を三人
揃えたのよ
それにこの件は
長期化するものよ
解決するのを
待っていたら
いつまで経っても
外へ出られないじゃない
次はいつ
暇ができるか
わからないし
仕事が一段落
したから
ディーンも一日、
実家に戻る
みたいだしね
...まぁディーンも
師匠の弟子
みたいなもんだしな
かしかし
警備隊の奴ら
よりはましか
そう言って頂けて
光栄です
分かってもらえて
良かったわ
護衛のためじゃなきゃ
気まずい思いをしてまで
ディーンを
連れて行かないってね
それじゃあ
行きましょうか
ちなみに
どこへ行く
予定なのですか?
まずは領の
学園へ行って
ルカ学園長に相談
その後は
ラフィエル司祭の
教会へ行って...
最後に院で
ミナさんたちに
会ってお終いね
それはまた...
よくばりっ
つーか...
ディダ!
あーったく!
二言目には
ディダ
ディダって
昔からのそれ
ほんとどーにか
なんねーの
お前の
口の悪さが
治れば
どうにか
なるかもな
ライルさんは
いつも品行方正
すばらしいことでー
...相変わらず
ですね
.......
そーいやぁ
今回は〈財〉じゃなくて
警備詰所の奴らに
聞いたから
味は間違いないはず...
それなら
信憑性
あるわ
〈財〉の領官に
聞いたんですか?
領内の新しい店が
美味しいって評判で
今度
どーです?
彼らは仕事の鬼で
味なんてこの次
財〉推薦の店は
控えめに言って
微妙だったからね...
それは
ダメですよ
食事なんて
栄養源としか
思ってませんから
化す環境を
作ったのは
私なので
仕事の鬼と
ちょっと
責任を
感じる...
なるほど
中等部の
設立ですか
ええ
専門知識の
前段階である
基礎的な知識を学ぶ
場があればと
思ったものですから
アイリス様には
いつも感心
させられますなぁ
現在
アルメリア領では
読み書きと計算を
専門に教える
初等部と
ただ高等部の生徒は
既に市井で
仕事に携わっている
方が多いでしょう
研究を主とした
高等部があります
そうなると
どうしても
専門的で高度な
教育に
偏ってしまう
ですから
中等部を設立
しようと
それなら高等部の
教育課程も
変更されるのが
いいでしょうな
初等部に通う
子供達にも
新たな道が
拓けるでしょうし
今の高等部は
専門的とはいえ
その分野の学問が
全て混在した
授業体系になっています
例えば
医療科を細分化
するのであれば
医術科
高等部
薬学科
高等部は
医術科と
薬学科
なるほど...
学ぶ量が膨大になって
どの知識も広く浅く...
といった問題が
出てきている
基礎は
中等部で学ばせ
中等部基礎で
中等部基礎科
医療科
などに分けるのが
いいかもしれません
そうですね
それで
いきましょう
「それにしても
後の世代に
貴女のような方がいて
嬉しく思います
...そして尊敬も
アイリス様は
教育に関して
並々ならぬ情熱を
注いでおられますな
...そんな
...私は皆に
『力』を持って
欲しいだけなのです
「知識は力です。
知識を持つことで
選択肢の幅は広がり
自らの力で生きて
いくことができる
仕事や
生活の中でも
良き判断をする事が
できるー
私はそう
思っています
教会にわざわざ
行くなんて
珍しいですね
......私が
お祈りに行っちゃ
おかしいかしら?
そう?
国教だし
蔑ろにするわけにも
いかないじゃない
いえ...
お嬢様なら
神様に祈る前に
自分でなんとか
されそうだなと
確かに...
ダリル教
すべての
命を生みし
母なる女神リルを
祀る宗教
老若男女
貴賎問わず
タスメリア王国の
民全てが信仰し
生から死まで
かつては
民救済の役割を
担ってきた教会ー
人々の生活に
深く根付いている
でも今は!
ラフィエル司祭は
いらっしゃるかしら?
......
失礼ですが
司祭に
なんの御用
でしょうか
え...と
ラフィエル
司祭!
いえ...
近くまで来たので
お祈りにと
そう
でしたか
アリスさん!
私も外から
戻ってきた
所だったので..
こちらに来るなんて
どうされました?
すれ違いに
ならなくて良かった
どうぞ
お座り下さい
...失礼致します
ありがとう
ノーリュ
そんなに警戒
しなくても
大丈夫ですよ
私の知人ですから
......?
...司祭
この方は...
そうですか...
あの
何かあった
んですか?
いえ...
最近ラフィエル様に
取り次いで欲しいという
女性が多いんです
減多なことを
言わないで下さい
中には直情的な
行動をされる方も
いますから
ファ...
ノーリュ!
...失礼致しました
...お恥ずかしい所を
お見せして...
それにアリスさんは
教会に寄付をして
下さってるんですから
失礼のないように!
...
ええノーリュは
私がこの教会に
来る前から
一緒ですから
随分慕われて
いるのですね
身の回りの仕事を
取り仕切ってくれて
助かっています
挨拶が
遅れました
...あの
そちらは以前
街でお会いしたー
司祭は今日も
街へ往診へ...?
ええ
アリス様と
同じ職場で
働いている
ディーンと
申します
わかっております
...今の聖職者に
しては珍しい
有り様でしょう?
――以前の教会は
民たちの守り手
だったんですけどね
いつからか
変わってしまった
......
国教と
定められてからは
今のダリル数は
高に目がくらみ
自らを守るだけの
哀れな貴族もどきです
タスメリア王国から
金銭的な援助が
出るように
なりました
しかしほとんどの
教会はそのお金を
自らの生活同士に
使い始めた
挙句
寄付金にも
手をつける始末
脳敗は
止まりませんよ
...いいのですか
そのような話を
私たちに聞かせて
事実ですから
私は以前王都の
ダリル教中枢に
いたのです
内部の事情は
嫌になる程
知っています
......!
そんな方が何故
アルメリアに...
ー故郷に
帰ってきた
だけの話です
ー私の家は
貧しい暮らしで
教会は正に
救いだった
食事を貰い
病にかかれば
治療をしてもらい
勉学も
教えて頂いた
自分もシスターのように
なりたいと思うのに
時間はかかりませんでした
シスターは
正義の味方ですね!
そんな私にシスターは
司祭を養成する
学園を勧めて下さった
その後順調に進み
本部へ配属されたのは
いいのですが...
人々を
助けるでもなく
ノーリュ
私はここを出ます
.....!
利権争い
派閥
必死になって
自分の立ち位置を
守るだけの自分ー
...それならば
私もお連れ下さい
私利私欲に
塗れた
生活ーー
まるで貴族の
ようだった
憧れは粉々に砕かれ
逃げるようにこの教会へ
来たのです
今はやりたい事も
やれていますし
ようやく楽に息が
吸えるように
なった気がします
そうでしたか...
あの...
以前アリスさんは
お家が商家だと
仰っていましたよね
アルメリア家の
ご令嬢に
お会いした事は
ありますか?
...
そうですよね;
突然すみません
もし懇意にされて
いるのであれば
お会いしたいな...と
いえ...私は一度も...
なんて
図々しいですね
失礼ですが
なぜお会いに
なりたいと?
......?
お礼?
ええ...
お世話になった
シスターが
亡くなったこと
教会が売りに
出されていたこと...
お礼を
言いたかったんです
移転を
進めてる
教会のことか:
同じ領内にいて
ご存じなかった
のですか?
最近になって
知りました
...ええ
教会存続のため
ご令嬢が
動いてくださったと
聞いています
シスターの志を
継いでくださった
お礼を...と
...知らなかった
というより
知ろうとしなかった
が正しいでしょうか
―教会に助けられていた頃
ミナという女の子がいて
学園に行った後も
教会の近況を
書いた手紙を
くれていたんです
ラフィエルさん
学園へ行かれるんですか!
素敵な
司祭様になって
またこの教会に
来てくださいね
ーミナさんだ...!
――でも...
本部に身を
置くようになり
私応援
してますから!
なぜ...
後ろめたかった
んでしょうね
段々と
封を開かなく
なりました
くだらない
争いに身を落とし
思い描いていた理想と
かけ離れていく日々ー
失意の
生活の中で
希望に満ちた頃を
思い出させる
ミナの手紙は辛かった
それに今更「行った所で
何もしなかった私を
ミナはどう思うでしょうか
......
私には会う資格など
ありません
――でも今は
もっと早くに読んで
いればと後悔しています
...これは
私の意見ですが
是非教会へ
行ってみては
いかがでしょうか
え
ー私にはミナさんの
気持ちはわかりません
ですが
目を逸らして
開いた距離の分だけ
相手の心は
わからなくなる..
―そうは
思いませんか
...
これでは
どちらが司祭か
わかりませんね
そんな大層な事は
申し上げておりません
それに公爵令嬢も
時折視察に行っている
そうですからー
運が良ければ
会えるかも
しれませんよ
...そうですね
今度
勇気を出して
訪れてみますー
ラフィエル司祭と
ミナさん
アリカ
再会できてると
いいけど...
お嬢様!
ははっ...はぁっ
...っダリル教より
お嬢様へ...
破門宣告が
ございました...!
ーなんですって!
きゃぁーーーっ!!
を出た。
セイの朝は、早い。
日の出と共に起床し、身支度を整える
これの一日
書き下ろし小説
後ろ姿が目に入る。
恐らく、訓練に向かったのだろう。
物音を耳にして視線を反対側に向ければ、ディダが部屋から出
たところだった。
扉を閉めて視線を行き先に向けると、遠く廊下の先にライルの
セバスに憧れを抱く彼は、自身の身支度に余念はない。
文度を終えると最後に鏡で最終確認をし、そしてそれから部屋
澪亜
はよ、セイ
わない
確率で使用人仲間に遭遇する
むしろ目中こそ個々で忙しく駆けけ回っているため、意外と怒り合う
殆どの使用人がセイ同様朝早くから活動しているため、かなりの
そして男性と違う階には、女性の使用人たちも住んでいる。
に住んでいる
勿論先ほど姿を目にしたライルやディダ、それからセイ自身も
「おはようございます。ディダさん」
殆どの使用人は、アルメリア公爵家邸内にある使用人居住区域
別れ道で、ディダはそう言いつつポンとセイの肩を叩く。
ええ。今日も頑張りましょう
廊下を歩きつつ、セイは問いかけた。
今日も朝から訓練ですか?精が出ますね」
眠そうに欠伸を噛み締めながら、ディダも挨拶を返す
それと見比べているのは、過去からの売上の推移表だ。
売上の内訳について何か変わったことはないか、または売上の増
ぶつくさ言いつつ、早足で階段を降りて行った。
相変わらず張り合っているんだなあ...そんなことを頭の片隅
で思いつつ、先ほどまでとより少し足早に歩く。
そして執務室に到着すると、早速書類仕事を始めた
その書類は、各店舗からあがってくる売上報告書だ
セイが再び廊下をそのまま真っ「直ぐ進むべく足を進めたのに対
し、デダは右手側の階段を降りていた。
「あ、そうだ。.....ライル見たか?」
途中、ディダが離れたセイに声をかけるべく先ほどよりも少し頑
を大きくして問いかける。
ええ、階段降りて行きましたよ。
うわっ...今日も負けたね。またアイツに良い場所取られている
んだろーな」
「あー、まあな。...お前も仕事だろ?お互い頑張ろうな
た。
けれどもここ最近は、机に向かっていることが多い。
と言うのも、アイリスより推し進めるよう指示があった一職場環境
午後の彼の予定は、日によって異なる。
アルメリア公爵家敷地内にある方スータ商会の新商品開発室に
行くこともあれば、実際に各店舗に視察に行くこともあった。
ましていた
セイはそこで昼食を軽く済ませ執務に戻ると、再び机に向かう
当然ではなくって?』と常々言ってほ環境の整備を推し進めている。
えがあってこそ、皆が居心地良く感じるために環境を整えることは
アイリスも例に漏れずで、「私はが職務を遂行できるのは、皆の支
歴代アルメリア公爵家当主は、自身に任える使用人を殊更に重
アルメリア公爵家には、使用人用にしては立派な休憩室がある。
売上の他にも在庫管理や各店舗からの報告等々日によって確認
する書類は異なるが、大体書類の確認で午前が終わる。
キリの良いところで席を立つと、使用人の休憩室に向かった。
目に通した内容を、アイリスに報告白すべく簡潔にまとめた表に書き
き込みつつ呟いた。
減について何か変なところはない。か等々...自分の目で確認し、そ
して気になることがあれば各店舗にそのまま問い合わせる。
「今回は、特に無し.....と」
た。
課題である。
の整備』の対応に追われていたからだ。
「失礼、セイ」
そう言いつつ現れたのは、ターニャだ。
お珍しいね。君がここ来るなんて」
「お嬢様のスケジュールについて、ね。今からなら少しお時間取れるよ
うだけど、どうする?
勿論伺わせていただく」
アイリスの予定はビッシリと埋まっていいて、それこそ分刻みのスケ
方針を出しているため、基本的にこ何かあれば早馬を積極的に利用
していることか。
『一瞬で遠くの人に、手紙や言葉を伝達できる手段が早く確立され
すると良いのだけどねえー...そ、んなことを度々アイリスが言っていた。
など思いつつ書類に目を通していると、扉からノック音が聴こえてきた。
唯一の救いは、アイリスが情報の伝達には金に糸目はつけないとの
増えてきた今、共通のルールを策定することは必要なことだ。
特に報告体制については、店舗網が他領にまで及ぶため喫緊の
つしか店がなかった頃は彼が直投資理できていたが...!店舗が
雇用契約の見直しを含む有給や休職の規定、設備の拡充、それ
から報告体制の構築
なるほど...
要ね」
それから、伝達予段については?」
「そちらの資料にある案二で行こうかと
売上報告については、セイに月末にご報告。それから在庫については
「はい、ほぼ完了しております。後は確認いただくだけの状況です」
そう。各店舗の店長にも理解を得られるように説明と研修が必要
まり次第各従業員と再度層用契約を結び直す必要があるわね
その契約書の準備は?」
ように制定しようかと
に申請し認められた場合...か。その止むを得ない状況というの
はどう言ったものなのかの基準設定が必要ね。それから、それが固
有給は、人年十日。それから、休職は止むを得ない状況の場合、
はい。まず、有給制度と休職制度については今お渡しした資料の
お疲れ様、セイ。早速だけど、現状を報告してくれる?」
お嬢様、失礼致します
ジュールだ
一承知したわ。なら、行きましょう
セイは書類を持つと、ターニャと共にアイリスの執務室に向かう。
勿論元々彼が彼女に報告をする時間は確保しているが、それだ
けでは全然足りない。
「お嬢様、そろそろ...
よろしくお願い致します。
確認してもう一度私の方でも確認してみるわ
執務室から出ると、再び自身の執務室に向かった
そして、手元控え用の資料に手を加えると更なる検討のために
再び各データや資料を見比べる。
キリの良いところで、控えていたターニャがアイリスに声をかける。
それでは、お嬢様。私はこちらで失礼致します」
ええ。ありがとう、セイ」
セイ。...この資料、分かり易いわ。ありがとう、後でこの資料を
一各管理部を設立する費用は、これね、人件費、場所代...場所の
候補地はここね」
ペラペラとアイリスが資料をめくりながら、呟く。
各地域に管理部を設置し在庫を元的に管理させ足りない店舗に
供給する...確かに、供給は急を要するケースもあるようだから
その方が効率的ね...:在庫は何が売れているか売れでいないのか
を把握する重要なデータよ。それを把握するための方針も考える
必要があるわね、管理部からは各店舗からの申請を取りまとめる
ついでにそのデータを蓄積、そして自次で売上報告書と同じくころ
ちに報告してもらうようにした方が良いわね」
「仰る通りですね」
感じながら彼は部屋に戻ってきた。
長したい
明日も、頑張ろう」
そんなことを思いつつ呟いた言葉に、今、慶気合が入ったことを
彼女こそ、休息を取ってほしい......取れるように、早く自分が成
に休息を取れと言う割にアイリス自身がそうしないことが聞かぬ
そう苦笑しつつ、部屋に戻る。
きっと今頃自分が提出した資料を読んでいるのだろう...周り
の灯りもチラホラも作えている
ふと自室に戻る前に身体を動かしがてら屋敷内を歩き回ってい
たらアイリスの部屋の灯りが未ただ消えていないことに気がついた。
...〈全く〉《、彼の方は:::」
人の共有事項がないか確認をしに行った。
それらが全て終わった頃には、すっかり空が暗く窓から見える街
日が沈んでいた
今日はこの辺りにしておくか
セイは立ち上がると、そのまま執務室を後にする。
その後使用人控え室で食事を取ると、セ次へ目の部告と使用
身体を伸ばすと、ボキリと可愛らしい骨の軋む音が聞こえた。
そうこうしているうちに時間はあっという間に過ぎ、いつの間にか
領地経営中のお嬢様に迫る、第二王子派の魔の手!
王位継承問題で揺れる王都。
例え、行ってみたと思うメイリスにも検討されていただきました。
さらにかつての恋敵ユーリ令嬢の一本当の姿」が徐々に明らかに!?
原作
澪
編梅宮スキ
亜
キャラクター原発、双葉はつき
醤梅宮スキ
それでもいいものではなくなっていたのですが、
原作漫画
キャラクター原索
KADOKAWA
公爵令嬢の嗜み
また、
次の日、
Kodokava(onilsA
〝梅宮スキ
それは、それでも
キャラクター原案双葉はづき
澪亜
漫画梅、宮スキ
...
角川コミックス・エース
こうしゃくれいじょう
公爵令嬢の嗜みG
原作
澪亜
漫画梅宮スキ
キャラクター原案双葉はづき
2018年11月2日発行
ver.003
CReia.HadukiFutaba2018
©Sukillmemina2018
本電子書籍は下記にもとづいて制作しました
角川コミックス・エース『公爵令嬢の嗜み9』
2018年11月2日初版発行
発行者・青柳昌行・アール・
発行株式会社KADOKAWA
わttps//www.kadokawaco.jp/
編集企画「コミック&キャラクター局
ヤングエース編集部
**内容によっては、お答えできない場合があります。
...☆サポートは日本国内のみとさせていただきます。
**_apanesetextronly
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装幀・デザイン口慎治(Rdesighttudo)
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また、ご覧になるリーディシグシステムにより、表示の差がが認められることがあります。
この物語はフィクショシであり、実在の人物・団体とは関係がございません。
初出『ヤングエースUP』2018年4月13日〜10月19日配信分
...
BOOK☆WALKER
こう
嗜みs
嬢
雖
毎宮スキ
澪梅
2016年11月
キャラクター原案、双葉はつき