presentcdby

Kousuke

Satake

佐竹幸曲

3田

林鬼

佐竹幸興

どうだ

「上じゃあ

そう見ない

光景だろう

各階層には

独自の世界が

広がっている

「上」との行き来の

手段はエレベーター

のみ

第二お

第29話「地下4階

定員が8人程度じゃ

侵略もままならない

故に他階層の干渉

異文化の流入は

必要最低限

だから

〝階層世界〟の

文明はほぼ

ありのままの姿だ

他の階層には

上も下も分からない

ようなとんでもない

世界があったり

するが

「上でいうと

大体100から200年程

前の時代に近い

この

オルエンシア・

セットは我々の

世界に似ている

違いが

あるとすれば

この世界には

魔術が存在しない

魔術の素となる

魔力をもった物や人が

存在しないからだ

とはいえ全く

ない訳ではない

だから

魔術師である

事がバレると

何かと面倒だ

棺桶なんて

持ち歩くのは

術師か変人

うまく

隠したいね

「上」からの輸入で

魔道具などが

一部では存在してる

しかし

かなり

高価

―...

それだけ

じゃねぇだろ

違いが

あんのは

...またか

じきに止む

だろうな

「作法」を

守っていない..

ギド

傘を

日が出ている間は

必ず傘を

素肌を出す事は

極力避けろ

作法

生態と

言ってもいい

理由は

...答えに

なってねぇ

お前は

女性だから

そんな事は

ない

この長閑な

公園で突っ立って

何をしてるかを

尋ねてくれ

待ってんだろ

お前の疑問には

何だって答える

まず教団の

連中と合流だ

っつってた

だろが

確かにその

一環だが

待ち合わせて

いる訳じゃ

ない

合流する為の

一苦労だ

あ?

そもそも

「いつ」「どこで」

会うかを決めて

いない

気まぐれだし

組む事に

乗り気じゃない

ともかく彼等に

見つけてもらう為に

目立たなければ

周りを見てみろ

何か気づく

事は?

もしかしたら

現れない場合も

あるかも

......

見てる

どいつもオレ達を

注視してやがるが

盗み見だ

大っぴらに見る

のを避けてる

ああ

そうだ

では理由は?

何故目立つ?

ギド

お前が興味のある

事にしか興味がない

のは知っているし

つまり

「目立っている」

知るか

彼らに興味が

ないのも分かるが

よく見てみろ

もう一つ気づく

点があるはず

...色

そう

黒衣だ

一部黒を

身につける事は

あっても

全身をそれで

包んでいるのは

我々だけ

賢明な市民は

決してこんな繋いは

しない

暗黙の了解さ

全てを把握して

いる訳じゃない

だが恐れている

この色は

ヒトではない者達に

愛された色だから

.....

〝吸血鬼〟か

その通り

我々は今

〝吸血鬼〟なんだ

吸血鬼〟は

日の光を嫌う

特に女性は男より

皮膚が弱いから

お前には傘を

だから目一杯

厚着をする

目立つのが

目的なら

吸血鬼〟でなく

てもいいだろが

俺は帽子で

十分だ

あちらさんの

要望でね

キャッ...

日が落ちて

きたな

...結局...

何の成果も

なかったって?

まぁ地道に

いけばいいさ

時間が豊富に

ある訳ではないが

この世界では

彼らの力は

何としても

借りたいんだ

何だぁ!?

馬車か!

狭い路地を

走っていたし

接触事故の

可能性も...

ぶつけて

きてやがるぞ

襲われてるね

明確に...!

......

クソッタレ

何者だ!?

これ、コレッショップの

酔えや

しない...!

...

!!

ほう..

なるほど

これは

上質だ

やはり

酒じゃあ

酔えない

・っ

貴様...!

離せ

......

...何て

真似を...

触んな

そんな格好を

させはしたが...

〝吸血鬼〟では

ないはずだろう...!

言った

はずだ

じゃじゃ馬

なんだ

その通り

自業自得

ですよ

そんな出会い方

をすれば

牙を剥くに

決まってます

甘く見た

お前が悪い

...?

あなたの希望で

したいように

させたんです

貸し一つ

ですね

...!

ダンウォード

...フン...

異常な

再生力だろ?

さて

もう察しは

ついてると思うが

紹介しよう

ギド

この二人が

協力者

それと

ダンウォード

術師

オスカー

見ての通り

〝吸血鬼〟だ

はじめまして

ギド

そして

ごめんなさい

手荒な真似

をしました

ダンウォードは

どうしても

この路地で

馬車を

止めたかった

みたいです

とはいえ

やりようは

他にいくらでも..

そう思い

ます...

それに

どうせ

荒事に

なる

手っ取り

早かった

備えに

なったろう

.....!!

第4階層の流行には疎くてね

第4階層の

流行には

疎くてね

人の後を

尾けるのが

流行りなのか?

この街の連中は

「作法」にうるさい

その「作法」から

逸脱した「吸血事件」が

頻発している

それをするのは

往々にして

都会の「作法」を

知らぬ

無教養な

田舎者だ

そこへ来て

目立ちに

目立った

見知らぬ

吸血鬼〟が

俺達な訳だ

疑われている

狙い通りの

展開か?

さぁ

どうだかな

それよりも

話の通じる

相手じゃあない

〝吸血鬼〟との

対峙

教えた通りに

動いてみろ

それにも

また

「作法」がある

すでに見た

ハズだ

我ら吸血鬼〟は

まともな手段では

殺せやしない

聞けば戦いには

かなり精通している

そうだな

不死だと

思え

ならば

分かるハズ

互いに不死

まず第一に

狙うのはどこだ?

第50話「地下4勝一発三幕」

!!

!!

ミン...

「言い忘れて

いたが吸血鬼は

常人では追えぬ

速さで動く

よく反応

したものだ

そして

理解したな

致命傷の

無い相手だ

そういうことで、

...

そういうことですから、それではないかもしれません。

そういえば、

そういえば、

そういうことで、そういうことで、

そういうことで、そういえば、

そういうことで、

そういうことで、そういうことで、

...そういえば...

...そういうことで、

そういえば、

そういうことで、そういうことで、

それでも、そういうことで、

そういうことで、

狙う価値のある

部位は限られる

今の様に

顔面を潰せば

しばらく動きを

止めるが

「目」「首」「四肢」の

切断

そこまでの

労力は要らん

死がない以上

目指すのは

身動きを封じての

制圧のみ

それにより

生まれた隙に

拘束する

それが

〝吸血鬼〟同士の

戦闘

その為の

一手の奪い合い

その

お作法だ

!!

ごめんなさい

不可視の結界

です

...

チッ...

僕らはあなた達の

動きについていけないので

張っておきました

...!!

魔術師...!!

あらかじめ

言っておくが

我々の

援護は期待

しないでくれ

今回は長期の

滞在になるかも

しれない

魔力は

温存して

おきたい

唯一出来る事が

あるとすれば

動きの鈍った

者を縛り上げて

いくくらいだ

まぁお作法と

やらに則って

必要最低限

だね

二人は好きに

暴れてくれ

......

チャールズ!!

こいつらを

仕留めろ!!

ギドが

力負け

したか...!

囲まれた

ぞギド!

...!!

馬鹿な

真似をしたな

離せっ!!

それは

脅しか?

力尽くで

どうにかしてみろ

その力が

ないならば

それはただの

懇願だ

........

この兵隊共は

ほぼ女だが

あのどデカイの

だけは男だ

男の力は

女とは別格

お前では

相手にならん

これからは

私に任せておけ

...意外だね

紳士的だ

......

彼女の肉体は

魔女のもの

なのですよね

だったら

気にかけて

当然です

先程彼女の

血を見て興奮した

者を見ましたが?

...ああ

魔女の血は

吸血鬼〟にとっては

最上級の

ごちそうですから

ダンウォードにとって

他人の評価は

血と

利用価値の

有無

ただそれ

だけです

その意味では

ギドは今

その両方を

持っています

守るに価する

でしょうね

似た者

同士か..

欲望に

忠実...

...

...

...

...

...っ

...確かに

女性しか

いないな

力を持つ男を

頂点に女が群れを作る

「上」の世界では

ライオンの群れに近い

...貴様ら

...一体何者だ

整った身なりに

所作はまるで

貴族のそれだ

だからこそ

分からん...!

この街でこんな

真似をすれば

どんな目に遭うか

理解できん

ハズがない...!

フハハハッ...

ああ理解して

いるとも

承知の上だ!

全てを理解した上で

私は帰ってきた...!

だが一つ

思い違いを

している

私はただ

謂れのない罪から

我が身をかばったに

過ぎない

お前達の追う

無作法な田舎猿!なら

すでに

馬車に

積んでいる

そういうことで、

そういうことで、

そういうことで、そういえば、

そういえば、...

そういえば、

そういうことで、そういうことで、

そういえば、

そういえば、

......

...

そういえば、

そういえば、...

そういえば、

そういうことで、そういうことで、

そういえば、

そういうことで、

そういうことで、

手土産だ

お前達の主...

いいや

!!

おい

「王」に会わせろ

勝手に話進め

てんじゃねぇぞ

黙っていろ

この世界で

お前達は無力

私の言う通りに

していればいい

安心して

ください

魔女の手がかり

を探すならば

僕達の目的と

向かうべき方向は

きっと同じです

〝吸血鬼〟の

「女王」

彼女を

探します

...

魔法

...

...

Windowshandでは、

魔王

あああ

...

道中

ずいぶん人の往来が

疎らになったね

第32話「地下4階一発四幕

夜は〝吸血鬼〟の

時間ですからね

気位の高い吸血鬼〟が

「貧困層に手をつけるのは

恐れず出歩く

のは貧困の者達一稀ですから

ぐらいです

ーーぐっ...

うぅ...

あっ...

ハァッ...

...ハァッ...

解いたのか

問題ない

〝血の隷属〟だ

上位の吸血鬼〟の血を

体内に混ぜ込まれると

力の優劣に本能が

抗えず服従を強い

られるのだ

なるほど

便利だ

手駒を得て

それから

次は?

先を急ぐ

準備に

時間を要する

からな

準備?

目的地は

決まった

しかしその場に

出向くには

装いが

ふさわしくない

まずは

ドレスアップだ

...

...

それでも、

それでも、

そういうことで、

...

...

...

...

...

...

.....

...

...

ずいぶんな

人数だ

人間...

当然

"吸血鬼〟ですよ

この街の

〝吸血鬼〟は多くが

貴族として人間達に

紛れています

ではないん

だろうね

そして彼らは

大きな群れを

成しています

『血族

〝吸血鬼〟達の

最大勢力の一つです。

今宵は『血族』の

催しに参加...

というよりも

潜り込むので

目立たないよう

注意を

そういえば、

...

...ん〜...

独特だね

仮面舞踏会と

いう訳でも

なさそうだ

何が始まる

んだい?

マスク

ですか?

そういえば、

これは?

彼女達は

デビュタントです

本来は初めて社交界へ

デビューする女性達を

指しますが

『血族』式は

少し違います

吸血鬼は格別な血を

見つけると契りを交わし

独占したがります

なるほど

つまりこれは

己の所有物を

見せつけ

知らしめる場が

そういう事です

人間ながら

吸血鬼から特別な

寵愛を受けた存在

そそる血を持つ

人間を見ると

本能がザワつく

貴族にとっては

血に飢え興奮している

姿など

こうしてマスクで

隠す程には見られたく

ないものです

ダンウォード曰く

「奴らが必死に着飾り

覆い隠すサカリのついた

醜い獣」

「そいつを

自分の連れた

女を使って

引き摺り出してやる

「それを楽しむ

ものだ」...って

事だそうです

下卑た

娯楽だなぁ...

人間を吸血鬼〟達の

世界に招き入れる

それを王」に認めて

もらう為の儀式でも

あります

あくまで

一面です

.....!

「王」...!

という事は

やはりあそこには

一吸血鬼〟の「王」が?

「ま」...というより

ええ

確か

「女王だったか...

アシャフ

果たして魔女の手掛かりとなりえるか

なりえるか

ダンウォードから

何の説明も受けて

いませんか?

...いいや

尋ねたが

答えなかった

だったら

すみません

アシャフ

機嫌を損ねると

面倒な男だから

それっきりだ

.....

ダンウォードに

代わって

先に謝罪を

...

...

わかった

...

そういえば、そういえば、

...

そういえば、

そういえば、

そういえば...

そういうことで、

そういうことで、

そういうことで、

...

...

...

この女を

もらっていくぞ

触んじゃねぇ!

...もらって

いくって?

どういう

意味だ?

そのままの

意味だ

私の女にする

ずいぶん

気に入ったようだ

ああ気に入った

気が強いだけじゃあ

ないかも十分

だがやはり

何よりも血だ

お前も悪くない

がなアシャフ

男の血は

趣味じゃあ

ない

こちらも

願い下げだ

僕は?

お前のモノなぞ

反吐が出る

そそる

ひどい

なー

「とにかくだ

お前達の

追う〝魔女〟が

かもしれ

ない...だ

あまりに

か細い糸だろう

この階層に

何かしらの

手掛かりを

残した..

手間を掛け

させるな

黙って

この私に従え

それが

最善

〝魔女〟の匂いの

するモノは

私の追う

「女王」をおいて

他にはない

...

それではないでしょうがないのですが、このようになってしまった。そういうことですが、それではないのでしょうか。

そういうことで、

そういうことで、

そういえば、

これは

必要

不必要にはね

それでも、そういえば、

......

そういえば、

そういうことで、

そういえば、

目立つなって

話じゃなかったかな

...

...見ろ...

あの女..

その上...

白だ...

...ククク...

どいつも

お前を狙って

いるぞ

...

...

...何故

衣装が白に?

他は皆黒だ

ギドもそう

だった

何故わざわざ

着替えを?

真ぎ物だ

.....!

久々に

見る

黒は自らの

所有物

クレンセン

伯爵

白の衣は

「王」への貢ぎ物です。

「我が月

「我が月」..

敬称か?

ええ

それも

自分にとって

最上の者に

対しての

例の違反者を

捕らえたそう

だな

彼らが

協力を

では彼女の

飼い主とみて

いいのかな

違反者には

手を焼いていた

ご助力に

感謝を

皆こんなマスクを

つけていては

仮装のようなものだ

男装に興じる

淑女も珍しくは

ないが

今夜はかりは

実に惜しい

ドレスに身を

包む姿はさぞ

可憐であった

事でしょう

.....!

......

それよりも

先程の話:

貢ぎ物だって?

ああ...

「王」へのお近づきにと

稀に献上する者が

いますがしかし

王が手をつける

事もまた稀です

ただ

彼女ならば

どうでしょう

あれ程の

上物を差し

出すとは...

一体

何者なのでしょうか

柊を付ける

ならば

まず間違い

なく最上級

誰もが手放す事を

ためらう

なればこそ

「我らが王」

陛下に

いいのか?

...!!

こいつが...

殊勝なことだ

これほど

忠義の固い者の

名をまだ

聞いていない

名乗らないか

待て

言っただろう

...!!?

『女王』だ

『王』じゃあない

あ!?

こいつは

違う

!!

そういえば、

...?

...貴様..

面を

上げろ

仮面を

取れ!

...

...!!

『王』のお望みと

あらば

貴様...

やはり...

ダンウォード

ダンウォード..

...奴だ!

蘇ったか...!!

ダンウォード・L・

コルヴェクト!

...目立ち

たがり

...いいや!

失ったの

だったな

今はただの

ダンウォード・

コルヴェクトか!

ついハハハ

「『王』の名は

ああそうだ

私は失った

だが取り戻す

その為に

帰ってきた!

お前達

『血族』の宿敵

である

あの女...

私から

王座を奪った

あの女...!

〝夜の女王〟

あの女を

殺しに来た

...

魔法

...

...

Windowshandでは、

魔王

あああ

...

「王」は二人いる

人の世に溶け込み

吸血鬼最大の

数を有する群れ

『血族』を

束ねる「玉」

そして最も

目に嫌われ

『夜族

夜の魔力に

愛された

一族の群れ

「かつての

「夜の土」

あの女に

。L〟の名を

奪われた男に

今更何が

できる...!

コルヴェ

何をしに

這い出て

きた!

未だ自らに

力があると

思っているのか

話「地下4階

かつては

憎んだ敵

だった

醜く

足掻くな

だがもはや

無価値だ!

今の貴様には

何の価値もない

陽に焼いてやる

価値すら

ありはしない!

貴様の

帰る座など

どこにも

ないぞ...!

...ダンウォード...!

亡霊が蘇ったか!

潜り込むのに

手引きした者がいるな

それに

仲間も

いるようだ

.....

何故

感づいた?

ドレスだ

私の趣味

じゃない

仰る通り

誰かの手が

付いたな

あなたはもう

「我が月」ではない

ダンウォード

無価値とは

お前達にとっては

蛆が湧いた骸の

ようなもの

ならば黙って

打ち捨てろ!

ただの一瞥も

する事なくだ!

口では何を

吐こうとも

クク...

曝けて

いるぞ

虚勢の面皮の下で

口端が歪んでいる

怒りや憎しみに

よってだろう

私はお前達を

辱め汚し

貶めた

それら

恥辱により

今以てお前達の

臓腑は灼け

恥を雪ぎ恨みを晴らす

その一念に駆られ

千々に乱れているはずだ

いいとも

構わん

恥を重ねる事を

恐れるならば

黙して語るな

ちょうど二王の

御前だ

力でねじふせ

己の正当性を

示してみるがいい

身じろぎせず

目を伏せ

生きながらに

死んでいろ

ほう

これは大物が

掛かった

何が

してぇんだ

テメェ

健在か

ドーラー・ウー

血族

最高の闘士

「決闘」だ

王の前で

野蛮な真似は

できん

私を叩きのめし

たいのなら

格式のある

「決闘」しかない

「女王」を前に

背後を刺されては

面倒だ

正式な「決闘」にて

最高の闘士を降せば

私を認めざるを得ない

陛下

この男との「決闘」を

お許しください

許さん

「決闘」とは

名誉を賭けるもの

この男の名誉など

誰も認めはしない

ダンウォード

『夜の女王』への

復讐の為

我らに何を

期待しているのか

知らんが

貴様の望む物は

何一つ

手に入らん

交渉の余地

などない

貴様が大人しく

牢に繋がれたなら

そこで初めて

聞く耳を持ってやろう

これほどの

衆目の前で

「王」が

『夜族』に

折れる事は

ありえない

「王」の名誉に

懸けて

ダンウォードの

言葉の何一つ

是とする訳には

いかない

交渉がしたければ

「王」の言う通り

まずは大人しく

捕らえられる

のが最善だが...

それは

無理です

ああ

無理だね

では何がある!?

無策で飛び込む

男ではない

プライドの塊である

ダンウォードがたとえ

フリでも誰かに降る

なんてありえない

王もそれを

警戒している

そうか

ダンウォードめ

その為の

ギドか...!

はやるな

土産がある

何も手ぶらで

やって来た

訳ではない

一つは

近頃お前達の

足元を汚して

回っていた野良犬

そして忘れたか?

この女をくれてやる

と言ったハズだ

なるほど

だが足りん

それらでは

貴様の罪を

流すに値しない

残念だ

ならば献上は

取り止め

この魔女の血は

再び私の手に戻った

.....

どいつも

鈍りきっているのか!?

何だと...!?

二度言わせるな

まぬけめ

この女は

〝魔女〟だ

贅を貪り

肥え太ったその目で

よく見てみろ!

〝吸血鬼〟ならば

分かるだろう!?

この世で最も

甘美なるもの

紛うことなき

〝魔女〟の血だ

惜しくなったか!?

.....

ならば勝ち取れ

ジワ!

こちらは〝魔女〟を

賭けてくれる!

..

.....!!

驚いた

まさか

“魔女”とは

そんな代物を

差し出されては

それを

否とするのは

あまりに

名折れ...!

さあ

「決闘」だ

小癪な男め...

誰も納得

しないだろう

この「決闘」

受ける他ない

貴様が

勝てば

何を望む

......

ダンウォード

情報だ

「橋」の居処を

教えろ

いいだろう

抜け

ダンウォード

不要である物を

何故抜く?

無謀だ

「王」の強さは

常に誰よりも

上質で新鮮な血を

飲み続けていれば

こそ

今の奴に

かつての威を

誇れるだけの

力などない

どこまでも

傲慢な...

うぬ...

自惚れが過ぎて

忘れたか

100余年の

月日を経てなお

私の五体に

声に

臭いに

お前達の

肉が

震えている

その所以を

忘れたか

......

さぁこれで

まだこれ程の

力が...

全て

私のモノだ

.....

致し方なく

認めるしか

ない...か

...

...

...

結局あいつの

思い通りだな

すみません

アシャフ

あなたの

ハートナーを

勝手に賭けに

使ってしまって

振り回されるの

には慣れてる

しかし

...

ギドと

ダンウォード

ギドに比べ

似てると

言ったが

我の通し方が

決定的に違う

これではいつか

身を滅ぼすぞ

目的を成す

為には少々

ブライドが

勝ち過ぎる

それでも、

だから

滅んだんですよ

...

.....!

あら

来てくださった

のですね

その

身体は?

うん

多分ね

自分で死んで

しまった子の

身体

新しいお身体を

見繕いましょう

まさかその為だけに

おいでになった訳では

ないのでしょう?

タイミングが

良くてね

適性も

あったんだけど

そろそろ

限界

うん

お願い

もうすぐね

ここに

ある子達が

やって来るんだ

あたしを

追いかけて

やって来る

追いつかれると

困るから

止めて欲しいんだ

お願いできる?

殺してしまっても

構わないのなら

...

魔法

...

...

特別読み切り

第0話

魔女と気まぐれ

くそっ...

何て事だ.....

一刻も早く

都に報せ

なければ...

奴等が...

魔軍〟が

迫っている!!

「どきまぐれ

...

「コレはかつて

私が出会った

はあ〜あ...

退屈って...

健康にすら

よくないわ

奇妙な女

もはや退屈で

人は死ねるね

健康不良で

そして

......ふん?

ーそれに

まつわる

何度も言うが都へしっかり話回して

行きたいなら

正規の門を

くぐれ!

貴様ら

一般民は決して

通さん!

とんでもない

体験に

ついての話だ

それが出来りゃ

世話ねえんだよ!!

一人で砦が

守れんのか

テメエは!!

!!

うおっ!!

ぎゃあぁあぁ!!!

ぶっ!!

ど...

どけ...!!

.....!!!

連れて

帰れ

全員

そして二度と

現れるな

何人連れだとうが

次は命はないぞ

?"

...っ

誰だ!

何だか

楽しそうだから

見てたらさ

倒れたから

連れて来たの

だけど

逆にキミは

誰?

は?

.....

ココって何?

何する所?

どうやら

世話になった

ようだから

教えてやるが...

ココは

ルドブセス領の〈関門〉だ

都へ通じる

だが

正規の関所

ではなく

早馬専用の

連絡路への門だ

正規のルートと違い

こちらの方が都に近く

それでいて一見

守りも手薄

だから世間に

顔向けが出来ん

連中が

後をたたない

そんな輩達に

門をくぐらせ

ないのか

名前は?

何?

だから決して

楽しそうな事を

する所ではない

〝門番〟である

私の役目だ

まだ聞いて

ないよ

名はなんて

いうの?

何故そんな

事まで教え

ねばならん!

もういい

だろう!

どうやら

関所破りでは

ない様だが

信用は

出来ん

見ていたいわ

嫌っ!

なんだかもう少し

面白そう様子を

だから

泊めて

ふざけるな!!

部外者を...

礼は言うが

早くここから

去れ

それも女を

泊められる

ものか!!

!?

お腹

空いてない??

そもそ......

んあ!?

何だって!?

テーブル

借りるね

会話を

しろ貴様!!

!!

な...何だぁ!!?

何をした!?

どこから

出した!?

何って

手品

いや嘘つけ!!

本で読んだ

事あるぞ!!

まじゅっ...

魔術だろ!!

暖かくしたり

涼しくしたり

濡れた髪を

乾かしたり

服のしわ

浮かせるとか

ちょっとした

石コロなんかを

のばしたり

落とすとか

手品!!

手品だよ

手品手品

もしくは

まぐれ

何だ

まぐれって!!

手品だと

言うなら

他に何か

出来るんだ

肌の保湿とか

身体の疲れを

部屋を

え〜大した事

出来ないよ別に

4、空を飛ん

キレイに癒すとか〜

したり

照らしたり

とか

暗がりを

だりとか〜

熱い食べ物

冷ましたり

何でもいいでしょ

そんな事より

冷めちゃうよ?

召し上がれ

......

魔術だろ!!

...いやっ...

なんかきわ

どい....!!

...ぬっ...!!

うまぁあぁあ

あぁあぁん

コ......コレは...

こんな旨い料理が

この世に存在したのか!?

くすくす

これで...

手品だと

いうのか...!?

気に入って

くれた?

......

カインテルだ

聞いたろう?

私の名だ

え?

直に日が

落ちる

料理の礼に

一晩だけ

泊めてやる

だが夜が

明け次第

出て行くんだ

いいな?

さぁ夜が明けた!!

出て行け!!

......

おはよ

お腹

空いたでしょ?

召し上がれ

...おのれ...

いいか!?

食い終わったら

とっとと......

―!

??

バカか!!

たった一人の

守衛だと!?

ぎゃあ!!

ゼェ...

........ゼェ..

さぁ.....

とここは...神聖な

男の職場...だ

ぜェ...

大丈夫?

はい水

やっちまえ!!

ちがうだろ!!

早く出てけと

言ってるんだ!!

住みつく気か

貴様!!

うん!

ゼエ......

出ていくんだ...

ゼエ......

.....

ああ

すまん

ぷはあ...

うんじゃ

ない!!

とんでもない

女だった...

やる事は

全てが破天荒

花咲かすな

とぐろを

巻くな!

台風とも

雲ともつかぬ

その女に私の

平穏はもろくも

くずれさった

何だこの

アタマは!!

薪は

真っこつだ!

みじん切りに

するな!!

私がどう

いきり立とうと

何だ

この花は!!

家具を

いじるな!!

似合ってるよ

のらりくらりと

煙に巻き

その度

くすくすと

笑う...

こうして

女が一人

しれっと

住みついた

のだった

ハアッ...

ハアッ...

もうすぐだ...

連絡路を

通れば...

都まですぐ...

急がねば...

〝魔軍〟が

来る!!

「幼少の頃...

「その命、生涯をかけ役目を全うすべし

武術のみを仕込まれ

学もなく此処へ連れてこられた

与えられたのは代々

王国より仰せつかりし

由緒ある職務

以来

ずっと比処で

役目を

こなしている

それ以外は

決して通さん

破られた

通すべきは

事はただの

伝達者のみ

一度もない

ふ〜ん...

強いのは

分かる

けどさ

よくやって

これたね

そんな

虚弱で

ハハ...

まあそれが

欠点だな

隠しては

いるが

昔からこう

なのだ

だが私の

剣力を

認められ

たった

一人の任に

ついている

「これは

使命なのだ

うへえ~~

退屈すぎるよ

そんな

人生

他にも楽しい

事はいっぱい

あるんだよ!?

そんなんで

いいの?

役目が

何よりも

重要なのだ

生まれて

このかた

それしか

知らん

大げさだよ

外の世界に

出ないでここで

一生を終える

つもり?

知らない

だけじゃない

...

知った所で

どうも出来ん

そう

誘惑して

くれるな

・第一

お前は

私の様を

見て

面白いと

言ったでは

ないか

なので

まことに

不本意ながら

彼女に見張り

を頼んだ

すまん

翌々日

私は高熱を

出して倒れた

......

いい

よ~~~

急報〜!!

急報〜!!

だが

この判断

が......

.....!

都へ急報である!!

即刻

開門されたし!!

後に

あの様な事態を

引き起こすとは

高熱で

もうろうとした

私には想像も

つかなかった

.......

パタン...

何か

あったか?

......

いいえ

なにも

そうか

あたしがキミに

キョーミもったのは

こんな退屈な所で

退屈そうな顔してる

この生活もそろそろかな...

キミが奇妙で

面白かったから

あたしは

退屈な人生は

まっぴら

理解できない

もの

だから...

惹かれた

のかな

ああ

......?

どんな

理由だ

ソレは

どう?

大分

良くなった?

寝込んでる間に

また一段と

生い茂っている...

おかげ様でな

ずいぶん

世話になった

そっか

でもそれももう終わり

ここの生活にも飽きちゃった

サイソエ砦

南門永久門番官

...!?

カインデル・ビション!!

任務放棄・国家反逆の

罪により連行する!!!

な...

なんだ!?

ま.....

〝魔軍〟だ...

来やがった!!

一年前

突如として出現した

正体不明の魔族の軍勢

兵数以上の

化物じみた

圧倒的侵略力で

いくつかの

小国はすでに

潰されている!!

その魔軍〟と

相対するのは

都の兵力

2万...!!

そして直近の

城よりの援軍

5千!

たった

これだけの兵で

どうしろと言うのだ!?

足りる

ものか!!

この

とんでもなく

絶望的な

状況を生み

出したのは

他でも

ない...

貴様等

だ...!!

......

??

よせ......

責任の

所在など

!!

こんな時に

どうしようと

いうんだ

いや必要な

事だ.....!!

各城より

更なる援軍が

到着するまで

早くて

二日...!!

早馬が連絡路を

通っていたならば

十分に稼げた日数だ!!

!!

この女だ...

この女に

道を阻まれ、遠回りを

たんだ!!

こ、その所為で

するハメに...!!

......

えっ...!?

.....アレ?

ダメだったの?

ェへ

くそ..

ああ...

馬がおびえ

てる.....

いや...

馬だけじゃ

ない...か

神よ

......?

駄目だ...

もう...駄目だ...

一体何者

なんだ.....

なんと

禍々しい

絶望が、

やってくるぞ!!

もう終わりだ!!

この国は死ぬ!!

...そうか...

私が...

すまない

寝込んで

る間に...

大変な事に

巻き込んで

しまった

この怒り

無念の矛先は

どこだ...!!?

......?

怒るものが

怒んないの?

私の身を

案じての事

なのだろう?

全ては

私の弱さが

招いた事

それに

お前の

おかげで..

たった

数日だが

外の世界...

お前の言う

楽しい事とやらを

知る事が出来た

一人で満足して惜しむらくは

悪いが...

思い残す事は

無いと

思える程だ

何一つ...

お前への恩を

返せて

いない...

何を喋って

喋っている!!

砦に連れ込んだ

情婦なんぞに

うつつを抜かし

己の職務を

失念した

愚か者が!!

貴様等を

始末した所で

どうにもならんが

収まりが

つかん!!!

処刑だ!!

モチロン

簡単には

殺すな!!

なぶり尽く

して殺せ!!!

うるさいな〜

な...

!!!

キミって

アレだね

ちょっと

黙っててよ

縄...な...

お人好し!

捕らえよ!!

!!

要はアレ

でしょ...?

貴様...

まさか..

むぐぅ~!!

む...むぐ..!!

つまり

"あたしが

バカ!縄をといた

なら逃げろ!!

お前に

何が出来る!!

手品

なんだろ!?

片付ければ

いいんでしょ?

あの人達

え!!?

料理出したり...

空飛んだり...

ちょっとした

石コロを

浮かせたり!

その程度で一体...

あれ?

言わなかった?

「ちょっとした

石コロを

浮かせたり」

あと

「落としたり」

って

石コロ落とせば

何とか

なるでしょ?

ゴKエぷ

あのくらい

なら

......

...は!?

ふゃふざーん

あははっはっ

あっ

RTMI

...

ちゃんと...

...あ.....

...ま.....

〝魔女〟...!!

魔女”だ!!

と...とら...

揃らえよ

誰か!!

む...

無理でしょ!!

......!

ハハッ...

プッ...

どこが...

ちょっとした

石コロだ

「騙したな

魔女”め...!!

私がそう言うと

え〜?

騙してないよ

石コロ

でしょ?

ほらみろ

この

くらい

くすくすと笑うのだ。

〝魔女"はまた

そう言って

...

魔法

...

...

Windowshandでは、

魔王

あああ

...

お願いします!

わふ、『死のその先』

どうか

私のお父さんを

蘇らせてください!

何故ここへ?

あなたなら

どんな蘇生も

してくれるって

たとえ

非合法でも

わざわざここを

探し当てなくても

資格を持った

術師はいくらでも

いるでしょ

腕は

さておきね

父は生前

死後の蘇生を

拒否する為の

書面にサインを

していて...

...なのに

蘇生を?

愛して

いないの?

愛しているから

生き返って

欲しいんです!

当然でしょう!?

父は死にたく

ないと...!

死ぬのが怖いと

嘆いていました!!

だから

死屍人として

蘇りたいというのは

別の話

本人が

望まないなら

たとえ肉親でも

彼をこの世に

喚び戻す権利は

ないよ

だったら

いつか自分の

手で

よかった

のか?

学ぶつもり

なら

しっかり止めて

やらなくて

嫌でも

知るよ

望まぬ蘇生が

何をもたらす

のか

ファノーラ・

クリストフル

助けが

欲しい

娘を殺した

術師は...

娘だった

術師が

死んだ...

どうすれば

いい...!

!体...

どうすれば..

死者の蘇生には代償がある

このまま朽ち果てて

二度目の死

『虚無』へ堕ちるか

この炎によって

魂自体を消し去るか

それを背負う

覚悟もないままに

蘇生を受けた

“死威人”は

選んで

後に補師を殺害する

ケースが多く

主人を失い

その肉体が腐り落ちるまで

さまよい歩く

野良〟と

呼ぶ

...

魔法

...

...

〜〜

2020年11月発売・

さぁ

搾りたてだ

見えるは、

相見

「橋」。

一通称「木

因縁深き『血族』と

『夜族』を繋ぐ存在

遠慮なく

やってくれ

趣味の悪い男だ

そちらこそ

相も変わらず

ダンウォードと共に

訪れた「橋」山の棲家で

礼がなって

いないなぁ

第〇巻

との交渉が

幕を開ける...

単行本

魔女と野獣も

☆この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは、

一切関係ありません。

☆取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。

魔女と野獣(6)

発行者

発行所

2020年3月1日発行(0)

佐竹幸典

森田浩章

©佐竹幸典ノ講

講談社-2020

株式会社・講談社

〒112-8001

東京都文京区音羽2:22: