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Instructions:
第2集
五十嵐大企
五十嵐大の
2014年11月10日に1978年10918846
929979006297
ISBN4-D9-188462
>2-8
C9979.¥629E
定価:本体629円+税
雑誌「45004-62」小学館
|想いあふれる運作幻想奇讀、待望の第2集
北欧の山中に暮らす「大いなる魔女」ミラ・アリシアに、宇宙空間
での事故がもたらす運命(PETRAGENITALIXJ。
がらんどうの日常から抜け出して、南へ向かう船へと飛び乗った
女子高生・ひなたが、不思議な女性・予足と過ごした時間
「「うたねすびと」、少女が奇跡に出会うとき、瞳の奥に
「魔女」が宿る
WinCHES
第2集
クラウドアップ第2集
五十嵐大な
五十嵐大介
小学館IKKI462
わからない。
魔女2
魔女
第2集団
目次
第3抄
PETRA
GENTTALX
第4秒こんと
うたぬすびと
oo5頁
105頁
ビーチ
I97頁
星に生命が生まれ。
星が死に塵となり。
どこかで声び寄り集まって、
混じり合い
新しい星に生まれ変わり
また、
死んでいく。
その、
繰り返しの中で。
全ての物質には
生命てあった葉の記憶が
刻まれる
ベトラ・ゲニタリクス
自信TVFA
母船から
200メートル。
おめでとう。
〝ギネスブック»
よ。
そんなことはないのですが、
ちなみに、
地上300キロ。周回執道上
カッセル、
どんな気分?
月になった
気分だよ。
オレは、
この星の
虜になった
衛星だ。
ああ...
そうだな。
何だ?
いや、そうですね。
軌道上の塵か!
どうした!
...えっ、ココミを
「...
まずい!
カッセル!
母船のカゲに!
何かが
船体に
当たっている?
ヒューストンからの
通報は!
ありません!
早く!!
ベトラ・ゲニタリ
ペトラ・ゲニタリクス・
皆信IR社会・
...
クランプス!
クランプス!
先触れ
熊だ!
来たぞ!
来たぞ!
ホティ
来訪神
クランプスよ。
鈴の音で
旧年の悪を払うと
言われてる。
急ぎましょう。
雪が
ひどくなる。
ある晩。
燻しホ三夜を
迎えた
はじめての
わたしか
この家に来て
新を焚いて
の
ベッドを
空けてお
われ、
漆喰のストー
側に置いた。
仕舞い込んであった
古い一脚の椅子を
持ち出して
寒くないよう
準備なさい。
女主人も
今夜は!
わたしと一緒に
畜舎で眠ると
行きま
しょう。
次のごちそうは
どうしたの
?
さっき
ストーブの前の
椅子に、
誰か
座っているような
気がしたから
......
見えたの?
あの..
いいのよ。
あれは
わたしの
大切な人なの。
いえっあの...
そんな気が:
ごめんなさい
へんな事言って...
「燻し十二夜」
には
死者の霊が
訪れる.....
だからその日は、
彼らのために
ベッドを空けて
おくものなのよ。
あなたは
感性で
まっすぐものを
見ている。
だから今まで
まわりの人達から
蔑まれてきたのね。
ありがとう。
アリシア。
ゆがんだ目の
持ち主たち
から。
......
!
あの人に
気づいてくれて
わたしは..
今度こそ、
棄てられないで
すむかも
しれない...
死者と共に
がえやっぱり
甦るか
ありとあらゆる悪霊が
れまわる騒ぞ...
ココ
彼らから
家や家畜を守る
煙が焚かれる夜。
ブグッ
ンベェ
わたしは
多大いなる魔女の
ミラの
家族になった。
そんなことはしまえませんでしょう
10か月前
本を読んでは
いけないって
いってるでしょう!!
もう
乳しぼりの
時間よ!
アリシア!
ごめんな
さい!
はい、
おたべ。
動か
ないで。
何?
ねえ、
ミラ。
>体験と言葉は、
同じ量ずつないと、
コー
どうして
本を読んでは
いけないの?
あんたには
経験が
足りないからよ。
心のバランスが
とれないのよ。
それより
せっかくの
雪だもの
ぎゃ
ずい分
大きい。
あしあとを
読みなさい」
って。
キツネ
だ。
ハンナさん家
のほうだ。
ハンナさん!
アリシア。
ニワトリが
やられたわ。
キツネね。
うちのカールが
まんまと
やられるなんて。
クウン
ミラに
よろしくね!
あんたの
とこは?
カールは途中まで
迫って引き返したのね
ハンナさんの側に
いるのが
カールの仕事を
うちのほうには
来なかった
みたい。
追跡してみます。
ちょっと
跳ねて。
トン!
フフ。
あら、
あしあとが
乱れてきた。
この坂を
下って...
着地!
サッ。
あ!
そうか!
二匹いたんだ!
すごい!二匹が
完ぺキに
同じ歩幅で
歩いてたんだわ。
きっとカールが
一匹にケガさせたんだわ。
ここで沢におりて
水をのんで、
あれ?
一匹に
みせかけて!
めくらまし
だわ。...
追跡者を...
だまそうと
してるのね。
だとしたら
わたしなら...
自分の足跡を
踏み戻ってなるべく
遠くへ...
きえた
ビャオ!
ジャンプ!
あった!
やっぱり!
小さいほう
だんだん乱れて
ずい分
いたそう...
はっ。
ここ、
あいつだ!
まっくろだ。
大きい!
ビョウ
ビョウ
どョウ
これは..
わざと
自分を?
ふり
向かないで。
ふり向かずに。
ミラ!
右斜め後ろに
集中できる?
あ。
右斜め...?
あのコ
足...
うしろ
そうか
ケガした
仲間を
逃がすために
自分を
オトリに
してるんだ...
...行っ
ちゃった。
きっとぐるっと
大廻りして
合流する
つもりね。
ミラ!
いつのまに
あしあと
読むのは
面白いでしょう?
どう?
新しい
かんじきは。
即製だけど
わたしの使うよりは
サイズがね。
あの、
うん。
ずっと
歩きやすい。
先にスタートして
ちょうだい、
よし!
競走しましょ。
ハンデよ。
わたし少し
戻ってから...
若い林までよ。
はい!
ミラ?
...ズルイ。
え?
この林は...
アリシアに
似てるわね。
まだ
生まれた
ばかりで。
好奇心
旺盛で。
きっと
これから、
大きな
深い森に
なる...
これは
とても美しい
蛾のマユよ。
この辺りに
僅かしかいない
.....
......
こっちにも
あるよ。
あそこ
にも...
シャー
ミャリ
シャー
ミャ!!
ミチリっ
ミャ!
ミャ!!
ミャリ
......
これは
ペトラ:
ペトラ...
ペトラ...
ペトラ...
石..
あ...
止んだ。
ペトラ::
ペトラ::
ペトラ...
この林も
アリシアの事が
気に入って...
え?
あなたに
何かを
伝えたかった
ようね。
あの巨大な
発射台から
EU初の
スペース・フレーンが
打ち上げられるまで
あと
7か月と迫りました。
ハサウェイ
宇宙飛行士の話です。
宇宙へ行く
なんて言うと、
とても
遠いところへ行くと、
思われるけど
そんなことは
ないの。
わたしたちが行く
〝宇宙〟は
地上から約300キロの
周回軌道。
パリからロンドンに
行くより近いんです。
ニューヨークからボストン
トーキョーからナゴヤと
同じだってスタッフが
言ってました。
ドイツに住んでる
いとこに、
あんたの家から
ベルリンに行くのの
半分くらいよって
言ったら、
そんなに近いのって
びっくりしてたわ。
わたしは
宇宙は
身近な世界だと
みんなに知って
もらいたいんです。
......
ねえ
アリシア...
わたしの
祖父も父も
村から
山を越える道路を
つくる工事で
死んだのよ。
ひどい事故
だったわ。
今の若い人たちは
どこに行くにも
ほんの2、3時間で
着くのが
あたり前だと
思っているけれど
その上には
そうできる仕組みを
作るために関わった
多くの人生が、
ぼう大な時間が、
積み重なっているの。
それを忘れては
いけないわ。
自分の“楽〟は
必ず誰かが
肩がわりしているの、
大きな技術に
関わっている人たちが
その事を
忘れてしまうのは、
ほんとうに
恐ろしいことよ。
なんだか、
イヤな予感が
するの。
何事も
起こらなければ
よいのだけど...
地面が
冷たいわ。
ハーブ園に
霜除けが
いるわね
ミラ!
ミラ!
来て!
ナラの木の
中に
文字が...
ハンナさん家で
薪を割ってたの
そしたら、
たしかに
ふつうの
丸太だったのに。
斧を
打ち込んだら、
こんな風に
裂けて。
古代の神聖文字
オガムだわ。
なんて...
かいてあるの
?
.....
「自分自身」。
これは..
何かの兆し
なんでしょうか?
「生命」の
意味もあるわ。
神様...
この挑戦に
よって、
わたし達が
宇宙から
持ち帰る
成果が、
全ての人の
幸福につながると
信じています。
磁器を
洗うときは
流しに
タオルを
敷くのよ。
ジュイ
ジュイピュし
ここでどうしませんでこん
不思議。
ビュルピュル
ピュルビュル
ピュル
水と麦粉を混ぜて
放っておいただけ
なのに。
ふくらんで
膜ができて。
酸っぱくて
少し
のどの奥に
甘い香り。
もう少し
育てれば
パン種に使えるわ。
リピッ
:::砕かれて
一度死んだ麦が
別の形の生きものに
生まれ変わったみたい
ゴオオオォォォッ
ヒバリが。
何かがない
わたしの中を
通り抜けた
気がする..
カヌカタカタ
カヌカタカタ
鶴が
警戒してる。
アリシア。
あの山に、
あんな一直線の雲が
掛かるとすぐに、
冷たい嵐が来るわ。
菜園の
風除けと
飛ぶものは
仕舞います!
今年は
冬が
いつまでも
居座り続けて
季節が先に進むのを
んでいる
こわがってい
流れの先で
我々を飲み込むうと
しているもの...
カタナ
生殖の石」
街まで降りて、
これを郵便局で
出して来て
ちょうだい。
...
返事は?
え...
...はい。
キライだ
街は..
お願い
します。
...ああ。
......
あの?
「本物かどうか
確認をね。
ああ...
いや...
念のため
だよ。
「魔女の家」
の.....
あら
あの子
......
山に
すんでる
ここに来ると
毛穴を全部
ろうでふさいだ
みたいに...
.息苦しい...
世界が遠くなる...
あたっちゃった。
ガラス狙えって
殺さ
れる。
呪わ
れる。
ここに
来なければ
そうしたら
こんな...
わたしが..
見せなさい。
!
ん。
かすり傷
だな。
わたしは牧童の
ルドガーだ。
夏の間
山にすむ。
あんたは
ミラの所に
来た子だろう。
ミラの羊も
あずかっとるよ。
たいした
ことはない。
ああいう連中は
自分が何でできている
のか知らんのだ。
メエ。
メエ。
何で
できて
いるか?
連中は
ものをつくり出す
ことを知らん。
生活を形づくっている
ものが
どこから来ているか。
それは
我々の根っこ
だからな。
根がなかったら
自分の力で
しっかりと立っている
事はできないだろう。
それで
根のない噂にも
振り廻される。
あんたが
悪いわけじゃ
ない。
あんたが
そんな風に
考えたら
ミラはどうなるね。
あんたも
ミラも
あんな扱いを受ける
筋合いはないんだ。
あんたは
堂々と
してれば
いい。
あんたが
そうしなきゃ、
ミラは
悲しむだろう
...ううん。
ミラはきっと
怒ると思うわ。
いいかハハハ
そりゃそうだな。
あの、ミラなら。
ミラのために
わたしもちゃんと
しなくちゃ
いけない。
しっかりと根を張った
木にこそ
豊かに枝や葉が
茂るんだよ。
12月1当月
今、
見えて
きました!
EU初の
スペース・プレーン
計画は、
宇宙遊泳中の
カッセル飛行士の
事故により、
急遽
帰還を
余儀なくされ..
一部には
重体との
情報もあり...
カッセル飛行士の
安否が
気遣われます...
搬送は
医療ヘリで
行います。
わかったわ。
衝突したのは
隕石ですか?
人工衛星の破片?
頭部に埋まって
しまって
確認できないの
慎重に!
せーの!
なっ...
真空で
バイザーが割れて
こんな状態で:
生きてられる
ワケがない...
それでも
心拍も呼吸も
まだ続いてる!
とにかく
急いで!
ふむ。
素晴らしい
空ですね。
ミラ。
そうね、
ウィド神父。
「生殖の石」
について...
できるだけ
くわしく知りたいの
です。
や、
おいし
そうだ。
ミラの
トルテは
最高
です。
手紙に書いたとおり、
直接〝石〟と
対話してないからね。
よくわからない
手紙のあとに
気付いた事を
すみません、
連絡が
遅れてしまって...
大きくて
古い組織なんて
間が悪いものだ
からねエ。
言い訳に
なりますが、
手紙が
私の手元に
届いたのが
昨日なのです。
何れにせよ
早く判ったから
といって、
何ができるって訳
じゃないのよ。
それでも
手紙を
くださった。
義理があるからね。
もちろん
やらせて
いますが、
ご存じでしょう。
時間がない。
思っても
いない事を
それが
わかっていて..
言ってるでしょう。
アンタの器量なら
自分の体だけで
求める物に
切り込んで行ける
どうせ
あんたン所の
自慢の図書館に
データは揃って
いるでしょうに。
あの膨大な
言葉の罠をひも解いて、
得る物は僅かです。
全て解けて
結び目は残らない。
アンタは
余計な事に
身を晒しすぎる
のよ。
...まったく。
なんでアンタが
教会なんかに
いるのか
わからないよ。
神は...
確かに
存在するから
です。
.....
そっか。
そうだよ
ね。
悪かった
よ。
アリシアの言葉を
借りるなら、
「生殖の石」は、
死んでいるものを
別の形の生きものに
うまれ変わらせるね
力を持っている。
え.....
それは
パン種の
ことを...
アリシア。
遥か別の場所で
生まれたコトバが
あなたを通して
語られる事もある。
予兆は
常に他者によって
もたらされるとは
限らないのよ。
人間の起源を
土や石がら
つくられたとする
神話は!!
世界中にある。
「生殖の石」が
生命の種と
までは
言わないけれど
おそらく...
この星の
生命の歴史に
何度か
働きかけた事が
あるはず。
たとえば、
バージェス山で
発見された
化石群:
カンブリア・
エクスプロージョン。
「カンブリア紀の
大爆発」?
今から
5億年くらい
前に、
突然
それまでとは比べられない程
複雑で多様な
生物が
大量に発生した。
「生命大爆発」では
その生物たちは、
今の生物と比べると
全くでたらめに見える
姿をしていたの。
それらの
ほとんどは、
子孫を残せず
絶滅した......
カッセル...
術式を
始める。
生命大爆発が
なぜ起こったのだ
よし。
到達した。
進化の流れから
外れた
生物たち。
ここに
異物があります。
取り出すぞ。
一ユイ
はっ。
ゴッ
コォ
ベエ
シュリンジュリ
ゴアゴア
ココ~
どうしたの
カール。
おーい、
どうした。
バフォ
どうどう。
ぎゃあっ。
なんだ?
どう
しました。
ビチビチ
ビチビチ
ビチビチ
ビチビチピチ
今のは。
“石”が
目覚めた
ようね。
呼吸...
してるみたい
ちょっと...
大きな騒動に
なりそうね。
実は..
もうひとつ
頼みたい事が。
わかってるわよ。
お呼び出しでしょ。
あの!
ミラ...
あ...
なあに?
......
ううん。
いいの...
......
あんたは
ずるいね、
ウィド。
あんたが
直々に
足を運んで
くれたんじゃ、
わたしに
断れる
わけがない。
......
あやまらないよ。
あやまる
くらいなら
最初から
すんな」ってね。
条件がある。
アリシアも
連れてくわ。
そして
どんな状況でも
同席させる
こと。
...わかりました。
わたしは
一足先に...
さて準備よ。
留守中の動物の世話
頼まないと
まず、
ハンナと
ルドガーの所に
行って頂戴。
それに、
服は特製のを
出しましょう。
せっかくの
都会を
楽しまないとね。
野菜箱に
ワラぶとん被せて
おかないと、
暖房がなくなると
凍ってしまう。
食料はみんな
上の階に。
わたしは、
ミラに
行かないほうが
いいと
言いたかった。
とても
大切なものを
失う予感がして
こわかったから
カチャ
それの呼吸が
少しずつ深くなる
うわっ。
やっぱり、
腐ってる。
街が
丸ごと
死体になって
しまっている...
〝石〟の力で
でたらめに
生まれる生命の
ほとんどが
生き続ける機能を
持たないのよ。
死体が腐って
熱とガスを
出しているのよ。
思ったより
暖かいでしょ。
似合わない
のよねえ。
ミニスカートで
正解でしょ。
わたし、
こういうカワイイ服
作るの好きなんだ
けど、
63
アリシアが
似合って
うれしいわ。
でもミラ、
ハンナさんが
腰を冷やすのは
良くないって。
アリシア...
えっ。
あんた、
いくつだと
思ってるの...
ボョボキボキ
ここの
トルテはね、
わたしのより、
ハンナさんのより
おいしいのよ。
ホント
に!
やっぱり!
開いてると
思ったのよ。
ミブ
流石ね。
ベアッ
おっと。
おまたせ
しました。
カフェ・
ミットシュラークと
〝本日のトルテ〟
でございます。
ごゆっくり...
あ
いらっしゃい。
いつも
のを。
まず
甘い物で
元気づけよ。
なにしろ
わたし達を
呼び出したのは、
ほんとう...
不愉快な連中
なんだから..
うちじゃ
あんなの
食べられない
よねェ。
トルテ
すごく
おいしかった
でしょう。
うん...
でもね
ミラ...
おっと。
おまちして
おりました...
ま、
実験した
わけじゃないから
推測だけどね。
では
これ以上の災厄を
くい止めるには
その条件とやらを
変えてやれば
いいのかね。
たとえば
一石を密封した
真空の箱に
閉じこめるとか。
酸素が
条件とは
限らないわ。
湿度とか
重力かも
しれないし、
複合的なもの。
何かの気配。
なんてのも
あるかも
しれない。
ニオイとかね。
バカバカしい
だいたいなんで
あの女が
この場にいるのだ!
その議論は
さんざんした
でしょう。
今さら...
それで、
あなたは
どうすれば
いいと?
もとの場所に
還すこと。
それが一番
確実よ。
そう。
地上300ギロの
周回軌道に
完全に
破壊してしまえば
いいんじゃないかね?
どうやって?
一石の回収に向かった
人員も車両も
戻って来ないと
いうのに。
ベッ
『ウ
ウワッ
ギャア
小石が
そんな事で
粉砕する
ものか。
核兵器でも
使えば...
砲撃する。
そもそも
爆弾が
正常に作動
するのがね?
〝石〟の力で
無力化して
しまうのでは。
とんでも
ない!
だったら!
宇宙に上げる
など!
どだい
無理では
ないか!
その方法は:
〝石〟と直接対峙すれば
わかるでしょう。
根拠は
あるのかね!
いいかげんな!
小手先の
まやかしでは
我々を煙に巻く
ことはできんぞ。
はずかしいわよ。
あのねえ。
口を慎むのは
お前のほうだ!!
自分の身を
危険に晒さない
者は
口を慎みなさい。
何様の
つもりだ!
さて..
あなた方の
立場から見れば、
わたしは
2つの世界を
つなぐ者。
言葉のある世界と
ない世界の。
あなた達の世界は
”有限”。
わたし達の世界は
〝無限〟。
あなた達の
言葉は、
ありとあらゆる
可能性を
特定の性質に
切り分けるナイフ。
自分達の
都合のいいように
世界を刻む
道具。
わたし達は
世界を
あるがままに
見る。
わたし達は
言葉を知りながら、
それを棄てることが
できる者。
魔女は
常に無限と繋がっていて、
有限のあなた達に
捉えることはできない
かつては
全ての存在が
無限であったのにね。
んど
恥知らず
いずれにせよ。
わたし達に
やらせてみるってのは
すでに
決まってるんでしょう。
だったら!
こんなの
時間のムダでしょう。
それより
ちゃんと
これまでのいきさつを
教えて頂戴
できるだけくわしく!!
そうです
時間がない。
被害の範囲は
時を経るごとに
拡大しているのです。
疲れ
ましたか。
いえ。
あの...
さっきミラは
あの人達に
話したんじゃなくて、
わたしに
伝えようと
してたみたい:
気付きましたか。
あんな悪意の中で
よくガマンしましたね。
毛穴が塞がれる
ようだったでしょうに。
あの...
ウィドさんも
ミラに何か
教わったの?
はい。
それは
そうと、
ずっと
以前に...
最も早く
発射できる
ロケットでも
準備に
1週間かかる
そうです。
それで.....
間に合うんで
しょうか?
......
わかりません。
そんなに...
さあ!
「生殖の石」に
向かうわよ!
思って
ボオ
そうね...
まちがい
ない、
感じる。
カッセル飛行士の
搬送先です。
よけいな物を
持っていくと
生物化して
襲われる可能性が
この奥に。
医療センター
と思われます。
あんた達も
ジャマよ。
移動は
してない
か。
わたし達二人で行く。
こんな
死体の海を
泳ぎきる
レースみたいなもの
かもね。
生物の進化って
いうのは、
頭がいたい...
腐敗臭のせい
じゃないわね。
〝石〟の力の密度が
あんたを
押し潰す程に
高まっているのよ。
ここで
待ってなさい。
わたし
一人でいく。
ミラ!
ミラ...
〝石〟の力が
......
!
ミラ!!
ミラ!
アリシア。
お腹に
石を......
入れたのね?
どうして!
カッセル飛行士の
体内にある間、
〝石〟の力は
働かなかったのよ。
生命の力は
生命の力で
封じることが
できたって
ことね。
だから
私の命が果てる
前に
運ばないとね、
どうして...
どうして
あんな人たちの
いうことを
きかなきゃ
いけないの!
ミラが
こんな目に
遭う必要なんて...
この災厄は
全ての人に
平等に
降りかかる。
ハンナや
ルドガーや
あんたを
選んで避けては
くれないのよ。
大切な人が
不幸になったときに
仕方ないって
割り切るような人を、
あなたは好きになれる?
でも...
なんでミラが...
どう考えたって...
アリシア。
魔女は考えないの
魔女は、
ただ知っているのよ。
自分自身の
するべきことをね、
それに
あんたの
知らない人の
中にも、
...時間が
無いわ...
すぐにでも
発射できる
ロケットがあるの。
救われるべき
人は
たくさん
いるのよ。
そこに...
連れて行って
頂戴。
確かだな。
命令コード
間違いありません。
十分に
注意して
行え。
作業開始だ。
よし
時間がないため
推進剤が
入ったままの
作業となる。
弾頭を
空にする。
人が
乗るんだ。
そうだ。
確かに
ICBMなら
常に
発射可能な
状態だ...
.....
生きて還る事を
考えなければ...
これは
ミラの
判断だ。
どうしても!
どうしても
間に合わないん
ですか!
シャトルや
スペース・プレーンは
今から準備するには、
時間が
かかりすぎる...
はがゆいが
......
他に方法が
みつけ
られない。
来たぞ!
危険
だから
近づくなって
......
!
ひどい..
魔女...
例の
魔女だってさ...
淫らな...
フン。
核弾頭のかわりに
裸の魔女を乗せた
ICBMが
発射されるとは
なにやら
滑稽ですな。
厄介者が
思いがけず
役に立ちます。
奴らは
存在自体が
冒濵だ。
それを
消さずに
おくのは、
当然だ。
こんなときの
ためなのだからな。
話は
できないの!?
これは
監視用で
音声は
通じてないんです。
ミラ!
弾頭装着
急げ!
あ、おい
危ないぞ!
あの...
これを...
......
ありがとう。
あ...
閉じられて
ミラ!
あのお店の
トルテ
おいしかったけど、
わたし、やっぱり
ミラのトルテのほうが
好きよ!
神の御加護を...
ミラを
ウソで
送るのはやめて!
やめて!
ミラの言葉は
輝いていたわ:
いちども
空を見たことがない人が
晴れた空は青い」と言ったら、
言葉は間違ってなくても
それはウソなんだわ。
あなた達の言葉は
汚れてしまって
悲しんでいます。
わたしたちは
全身で見て、
全身で聞いて、
自分の体に
相手を受け入れて
融け合うんです。
そうでないと..
穢らわしい!
全身で
ニオイを嗅ぎ、
全身で触れるんです。
子供が
なんということを
口走るのだ!
え。
子供とはいえ
魔女は
魔女なのだな。
ミラに
教えられたよ。
たくさんだ!
あの人たちこそ
穢れているんだ。
僕も
言葉〟でなく
〝行い〟を見ろと、
ミラ...
89
やっぱり...
アリシア?
なあに?
ターシャ。
さっき...
椅子の所に
人のカゲが...
そう...
みえたのね...
〝燻し十二夜〟には
死者の霊が
訪れる.....
あれは..
わたしの
大切な人たち..
アリシアは
なぜ、
“大いなる魔女”って
呼ばれるの?
。大いなる魔女はね
大きな太きな。力、や、
ずっと昔から
未来へとつながる。流れの
呼び名なの。
森”は
そこにはえている
木のことでは
なくて、
わたしは
その一部に
すぎない。
そこにある
全ての命、
光や
時間が
かたちづくる
ものでしょう。
そこにいる事に
気づいたときから、
誰だって
その森の一部に
なる。
それと同じ。
わたしは...
ただ、
気づいただけ。
あなたにも
きっと
みえるはずよ。
わたし達は
皆......
いや、そんなの
彼女たちの
眷族なのだから。
あなた自身の
からだで...
世界を
確かめて
いきなさい
これは
あなたが生まれる
ほんの少し前の
物語...
台風が来る。
わたしを
めざして
まっすぐ...
うまいっ。
おっと。
アハハ。
ひなたは?
あれ?
さあ
?
おおーーーっっ
シーヨジーヨンヨション
蒼
本番
「ヨ、
「ヨ」
...
ピッ
あれェ?
ここに
あった
封筒の束
知りません
?
ねぇユージ、
旅行
行かない?
修学旅行の
積立金。
...
どーし
たんだよ
それ。
金
ねーもん
お金。
オバーちゃんがね、
自分死んでから
遺産で
もめるのイヤ
だって。
あ
母方の
指輪とか
みんな現金にしてさ
生前分与?とかで
分けてくれたの。
ひなたから
何かしたい
なんて
めずらしいな。
そう?
なんとなく...
なんでだろ...
母方の?
ウソクセーなぁ
ま
いいけど。
で?
なんで急に
旅行なんだ?
ま、
いいけど。
...で?
どこ
行くんだ?
:そうね。
スミマセーン。
この船
どこ行くん
ですかあ?
小横ひなた
乗船者名
沈んだら...
これで
名前が
わかるんだな...
うりがはっ
ん
乗客者本人
くふりがなう
緊急連絡先
予約のない方は
二等船室に
なりますが、
よろしいですか?
ハイ。
到着時間に
ついては
台風等のコースに
ひとり
二万五百円
だった。
二等は
大部屋
男女別。
なーんか
ワクワク
するねェ。
たぶん
この腕を切っても
痛みは感じない。
テレビに映る
「腕を切っている映像」を
見るのと同じ。
猫そうに見えるって
だけのこと。
わたしは
どこか
遠くの部屋で。
わたしの毎日こいう
番組を
ながめているだけ。
見てるだけ。
キイ
わあ
海だ..
着替え...
買うの
忘れたな
...
風
つよォい。
まだ
まだよ。
外洋に出たら
船の速度が
あがるから。
もっと、
もっと
強くなる。
風、
つよくなるよ。
え。
あなた
ねむってるね。
わたしちたる
千足。
あなたは?
あ、
ひなた...です。
ひなた...
ねむってる。
そして
カラッポ。
ねおき
ですけど...
ね、
裸足になって。
こんなふうにさ。
そうじゃ
なくて...
えっ。
ね。
キモチいいよ。
さあ!
ハダシ、
ハダシ。
わあ...
つめたい..
ぬれてる...
来て。
あるいて
あるいて。
ザラザラ
してる..
痛いな
ザラザラが足に
くい込んで...
ぬれても
すべりにくいんだ...
そうか、
風が...
足にあたる
キモチ
いい...
そうでしょ?
ほら!
あなたの足が
目覚めました。
あ...
ひなた、
体じゅう
どこもかしこも。
ねむってる。
ドアも窓も
閉めきったままで、
なんにも
入って来ない。
ひなたは
きっと...
めざめるために。
たびにでた。
そうでしょ?
だから
カラッポ。
......
すごい!
風に向かって
息できない!
毛穴汚れも
吹き飛ばされてく
カンジ!
すごく
キレイに
なりそう!
アハハ。
ひなた
キレイだよ。
だから
風が
あなたを
抱きに来た。
風はとっても
イヤラシイ
でしょう?
ホントだ。
体中
さわられてる。
風の
見えない手に...
つよく
なでまわされている
こんなふうに
自分の体を
感じたのって
はじめて!
わたしの体が
ここにあるって
わかる!
全身の皮フが
風をハネ返して
るの!
わたしは
ここにいるって
感じられるよ
キレイ..
ふあぁ.....
...潮くさい。
この船なんも
ないのなー。
二日も
乗るなら、
本でも持って
来りゃよかった。
ひなた
何か
ないか?
ないとは
思うけど。
だったら
きかないで
よォ。
中
入ってるわ。
お前も
紫外線
気ィつけろよ。
オレ
肌弱いし
さ。
うん。
今の..
彼?
あ。
親せき...
昔近所に
すんでて...
...ユージ
で?
好き
なんだ?
わかんない...
わかんない...
...けど
うでを
切ったらさ。
熱かった。
って、
誰か言ってたよ。
ッーっ
流れた
自分の血が
ふーん。
...わたしの
いう事
わかってくれるの、
ユージ
だけなんだ。
フフ...
ひなた
カワイイなあ。
......
そんなこと
ない。
ひなたはね
自分で
思ってるより
ずっとみんなに
愛されてるよ。
ひなたは
それに
気づかない程に
守られてるの!
え。
わたしには
わかる。
わたしには
みえるのよ。
え?
うらやましい...
...ううん...
...ひなた...
ねえ!
〝ひなた〟って
いい名前だなあ。
たくさんの人に
呼ばれる
祝福された
名前よ
......
そう?
わたしが
子供
産んだら、
ヤッタア
ありがとう。
名前
もらっていい?
うん
いいけど
うれしい!
...ねェ。
ん?
千足さんは
どこに行くの?
ああ。
特別な場所。
わたしの
うまれた家。
ひなたは?
どこ行くか
決めてるの?
ううん
特には..
だったら!
わたしの
おススメの島が
あるんだ。
何度か
船
乗り継がなきゃ
だけど...
この本に
のってるかな...
あった!
この島!
興味
あったら
行ってみて。
小っちゃい島:
その島も
特別な場所。
島は、
うたを
うたっている。
そして。
わたしが
もう一度
生まれた島。
...もういちど?
うたって?
来て!
海の全ての水。
その重さ。
感じて
みて。
巨大な
水のうねりの
エネルギー。
海全体が
軋めく
圧力。
その
脈動。
リズム。
わたしの全身が
感じてる。
ふるえ
ない?
体の
奥が!
全身をすましたとき、
目や腕や内臓全部
「想い」や「心」がうけとめるの。
耳をすませば
鼓膜が
音の振動を
受けとめるように、
世界のうたう
一うた」を
ひなたの
全部が
目覚めれば
ひなたの
全部が、
「うた」を
感じるよ。
ひなたは
まだ
まどろみの中...
でも
島に
行けば。
もう目ェ
よ
ホントよ。
わたしも
そうだった。
島のうたが
最初だった。
島は聖地なの。
こっそり
遊びに行った。
きっと
準備は
できてたんだと
思う。
あのとき
わたしは
変わりたいと
願ってたし、
心が
飢えて、
がらんどう
だった。
体に、
うたが
満ちた。
あのとき
島のうたと、
わたしの
心のふるえの波長が、
世界が
違って
みえたの。
リ重なったの。
やっぱり..
聖地だから
かなあ。
そう!
他所でなら
何ぬすもうと
勝手だけどさ。
島は聖地だから、
島のものは何ひとつ。
石ころひとつ
草いっぽんも
持ち出しては
いけないの。
もし行くなら
それだけは守って。
絶対よ!約束!!
そう
そう。
その本
誰かの
勝手に持って
きちゃったの!
ロビーに
返しといて!
約束を
破ったら。
これから受け取る
はずの祝福も全部
うた...
か...
キンコンカン
コン
とりあげられちゃう
のよ。
只今より
夕食分の食券を
販売致します。
何に
する?
食費
くらい
出すよ?
食事希望の方は
ロビーカウンターまで
お越しください。
いいの。
自分だけで使うと
なんか悪い気が...
なんだ
それ?
ねェ。
ねェッてば
ナニ?
いつも
聴いてるね。
うた
好き?
フツーだろ。
他にすること
ないし。
...お前って
聴かないな。
え?
うん。
うたとかさ、
まとわりつく
感じで
気になるんだよ。
音で
耳がふさがれてる
気がする。
朝テレビとかで
たまたま
聴いたうた、
一日じゅう
口ずさんじゃったり。
そういうのうっとおしい。
そういうの
うっとおしい。
......
ひなたさ。
逆に
音に敏感すぎるん
じゃないか?
潔癖というか。
きっとピッタリくる
うたがあれば
のめり込むかもな。
あのさ、
「リズム」ってのは
もともと
古代ギリシャの
言葉でさ、
世界を構成する
アトムっていう物質の
動きを、
アトムは
世界の元だから、
説明する
言葉なんだ。
世界の全ては
アトムからできてて、
だから何にでも
リズムがある。
人間にも
犬にも。
桜とか、
ニンジン...
砂、水に空気。
たぶん
プラスチックに
だって、
うん。
それぞれ
固有の
リズムがある。
川原でさ、
石を拾う。
写真とか絵なのに、
「うた」っぽい感じが
する事、あるだろ?
無意識のうちに
リズムを感じてるの
かもしれない。
なぜ、たくさんの
石の中から
そのひとつを選んだ
のか?
母親と子供
双子どうし、
どうしても
ほしくなった
椅子...
風景に
感動したり
誰かを好きに
なることも、
互いのリズムが
響き合ってるのがお
しれない。
...それぞれのリズムが
響き合うことで
世界が
形づくられているの
なら.....
オレたち
から見れば
世界は、
うたの
ようかも
しれない...
なんでも
知ってて
なんでもできて、
ずっと.....
遠くに感じて
たんだ。
ユージは
すごいよね
だけど...
こうやって
手をのばせば、
わたしと
全然
ちがう。
触れるんだね。
でも
やっぱり
みんな
スゴイ!
自分だけ
何もわからない
バカに
思えちゃう。
他のヤツとは
違う
お前だから、
みんな
お互い
そう思ってる。
今のわたしで
いいかな。
そのお前と
響き合う
ヤツだっている。
...
いいよ。
...そう思う?
思うよ。
コンバンワー。
千足。
よろしく。
ユージ..
...です。
月が!
ばあちゃんがね
...死んだの
たった一人の
味方だった。
ばあちゃん
いつも言ってた。
「死んだら
人の世のしがらみ
脱いで」
「元の魂だけに
なる。
そしたら、
月にも
歩いて行ける」
「月から
千足に
手を振るよー」
って。
でもさ、
あんまり
遠くて
見えないね。
......
...むかし
わたしが
生まれた家で、
ことし
ばあちゃんが
死んだ。
同じ
場所で...
また、
新しく。
赤ちゃんが
生まれるの。
来年の
はじめにね
おなかの
赤ちゃんね
え?
赤ちゃん。
父親が
いないんだ。
さっき
あなたの
いってたこと、
......
え。
あたってる。
うたのこと
話してたでしょ。
あたしに
いわせりゃ、
世界は
うたで
できている
世界は
うたから
うまれたのよ。
キモチ
イイ!
夢を見た
千足さんが
うたっていて、
でも
何も
きこえなくて
わたしは
それでも
あんまり美しくて
泣いていた。
そんな夢。
千足さん、
どこ行ったん
だろ。
もう
行っちゃったの
かなあ...
ユージも...
どこ行ったん
だろ。
でも
連絡先
教えるって
いってたし
.......
......
いいなぁ
海...
なんか
すごい
満足。
でも
着替えは
買わなきゃ。
別に
見たいトコも
ないし、
このまま...
また
船に乗って
戻ろうかな。
ずっと...
海だけ
みてられる。
ユージにも
新しい服
買ってやろ。
だけど
そのまま..
ユージも
千足さんも、
ビビーッ
あぶない
ぞォ。
なんで...
その島は。
無人島で。
定期船も
寄らない。
でも、
大潮の
千潮のとき...
向かいの島から
歩いて
渡ることが...
できる。
濡れるけどね
.....
あれだ。
「泳がずに
島に着ける
はずよ」
...か。
......聖地
朝時表し
「最大千潮の
1時間前に
歩き出せば
どうして。
ここからは
あなたがいいのですが、
...
ふふっふふふいふーパーパンパッパン!?
ちゅるんよ
?Gの?
ふあああ
このクンと
22の
おまえな
千足さんの
いいなりに
してるんだろ。
わたし。
...
もし
着く前に...
潮が満ち
きたら
ハアッ
ハアッ
ハアッ
...フフ。
足のつけねが
痛い.....
こんなに...
体使ったの、
ひさしぶり
だ...
...すごい。
こんな、
ほんとに...
歩いて
海を渡れた...
あ
光が...
マラソンの
ランナーはね、
自分の体と
対話しながら
走るんだ。
筋肉の
収縮と弛緩の摩擦
呼吸の温度
風の湿度。
全てのハーモニーが
美しく響き合うように。
うたうように
走る。
ふみしめる
大地の密度。
水泳の
選手も
みんな、
世界のうたを
感じてるのよ。
畑で
美しい野菜を
つくる人も。
世界に、
自分も
うたの一部に
なれるように...
溶け込めるように。
ひなたは
わかってる。
わたしが
スイッチを
押したから、
きっと
目覚めた
はず。
あの子のことは
心配しないで:
わたしのうたを
だから
もう、
ききなさい。
...雨?
そして...
境界が
はじけて、
世界が
わたしの中に
流れ込んで
くる.....
...それとも
わたしが
世界に
溶け出したのかも
しれない。
わたしは
大声で..
うたっていた
雨に溶けて
わたしは、
うたに
なっていたのかも
しれない。
透明になった
みたい。
世界に、
しっくりと
なじんでいる。
体の中に溜まっていた
不純物が
ろ過されたような。
わたしは
生まれ変わった
のかもしれない。
コンゴンコン
...
キチチチキ
いい!!
...カガカ
カイヤ
わたしが
この島と
同じ成分だけで
できてるから
こんなにも
わたしが
祝福されるのは、
ユージ...
ユージの..
言ったとおり
だ。
もう...
帰らなくちゃ。
食べる物
もう
ないし、
だけど...
...
こわい。
島を
離れたら、
わたしは
きっとまた
濁っていく。
うたは
うたえないわ。
憎んで
恐れて
疑って、
イヤな
わたしに
戻っていく。
うたが
なかったら、
わたしは
そのまま
濁って滑って、
わたし
ひとりじゃ
光を通さない
へドロみたくなって
きっと...
あの
うたさえ
あれば。
きっときつと
ちゃんと
やれるのに。
あ...
その中では
確かに、
これが
あれば、
うたのカケラが
囁いていた。
わたしを
透明に
してくれる。
もう...
大丈夫。
わたしは
何度でも
うまれ変わる。
そのとき
だれかが
ひなたの名前を
呼んでくれた
約束に
気づいたのに。
「!!!?からは
は、本
「イコロひとつ
持ち出しては
いけない」
そのとき
友達は
他のことに
夢中だった。
父親も、
母親も、
センセーの
さいふに大金が。
まじ?
ユージは
別の事を考えていた。
ひなたのことは
忘れていた。
千足は
ゼッタイ守って
っていったのに...
...あの子の祝福は
名前とともに
とりあげられる。
約束を破った
あの子の名前を
もう、誰も
呼ぶことはない。
ハーモニーは崩れた。
21日9時
30km/h998hPa
30km/h998hFa30
東圧速北気風...
東圧速北気風...
...日に発生した
台風12号は、
勢力を保ったまま、
まっすぐに
進んでおり、
1日3時
まもなく
上陸する
見込みです。
最大瞬間風速は
30メートルに
達しています。
危険ですから
外出は
くれぐれも..
台風は
うた
だよね。
巨大な。
うたが
体に共振する
から、
みんな
台風が近づくと
ドキドキする。
南の風
島の雨を
運ぶ
巨大な
エネルギ!
これを
とり戻しに
来たんでしょう。
この街に
きたら、
うたが
きこえなくなって
しまった。
こんなの
本当の
わたしじゃない。
なーんにも
ない。
わたしを
追ってきて
くれたのね。
わたしを追ってきてくれたのね。
約束を
破った
わたしに...
ふさわしい
罰を
与えに。
わたしを
殺しに。
そしてわたしの魂を、
島に還して。
...こうして。
「その子は
未来の祝福と共に
名前を
ぬすまれました
「だから
その名前を
受け継ぐ子供は
二人分の祝福を
もともと
自らの分と
名前の前の
持ち主の分をね、
「抱いて
生まれることが
できる」
なんて幸福なこと
でしょう!
「そして
この物語りの
教訓」
「一・むやみに
約束をしないこと」
「一・約束したら
必ず守ること」
「一、自分にとって、
大切な場所は
自分だけで発見することに
誰かのいいなりに
なってると
気づいたら
立ち止まってみることね。
わたしが
しむけたわけじゃ
ないのよ。
これは
その子が
選んだこと。
わたしはただ:
あなたが
誰よりも
幸福になることを...
願っただけ...
名前は?
なんて?
あらー
かわいいねー。
ひなた。
いい名前
でしょう?
うちのネコ
みなかった?
1週間も
帰ってこないの。
ピシャーマ!
ピシャーマ!
お前の猫かは
知らないが
3日程前
ネコが川を
流されてくのを見た。
ピシャーマ!
ピシャーマ!
3日も前?
そんなら
今頃は、
島の裏のビーチに
流れ着いている頃
さ。
死体になって。
もう、
カニに食われて
骨だけさ。
ピシャーマ!
島の
反対側にある
ビーチには。
潮の流れに乗って
あらゆるものが
流れ着く。
何に流されたもの
風に飛ばされた
島の外からも
あっまっで!!
波に打ち上げ
アハァハアハ
抜け道の神様
ビーチの神様
おじゃまします!!
ピシャーマ!
バササカ
ピシャーマ。
ピシャーマ。
ピシャーマ
キラ雨だ。
もっと
なでてあげれば
よかった..
いっしょに
寝てあげれば
よかった...
もっと
遊んでやれば
よかった..
ピシャーマ:
あんなに
わたしを呼んでいた、
放たらかして、
遊びに行かなければ
よかった...
ごめん。
ピシャーマ...
c???
あの!
あの!
ピシャーマを
探してるの!
ここに
来てるんじゃ
ないかって!
ピシャーマは
猫の名前なの。
「マヘ娘さん〉?
マヤー?
ううん!
ちがうの。
ヤマヤー山猫じゃなくて、
ピシャーマは
ヒンギマヤー逃げ猫)なの。
三毛なの。
ううん!
家に
居れば...
戻る
だろう。
ゴクッ
......
ヒシャーっ
夕方
帰って来た。
なぜだか
本当に、
そうだという
気がした。
167979:
ピシャーマ:
よかった...
オバア!
今日さ、
あそこに行ったよ。
ねえ!
あのビーチ、
なんて名前
なのかな。
ほら!
流されたものが、
みんな
さいごに
流れつく。
流され?
さいごに...?
んー?
ああ...
ああ!
それはねー...
後生(あの世)って、
いうんだよ。
ジジッ
第2集
@paisukelgarashi205
女...
魔女
2015年3月1日、初頭第一期発行・保険開催と
まぁ五十嵐大介
発行者、笹原博
発行所
〒101:8001東京都千代田区一ツ橋二の三の一
【編集03-32230-5】46販売03.52813556
振替00180-1-200
そして、
株式会社小学館
印刷所、共同印刷株式会社・Printedin_apan.
連載担当:安易由紀
単行本編集:安境由紀
初出・PETRAGENTALX:月刊「KKI2004年6〜8月号
うたぬすびと:月刊「KK」2005年1月号
ビーチ:描き下ろし
ださい。送料小社負担にてお取り替えいたします。制作局(TEL.0120.336-082)
○造本には十分注意しておりますが、落丁.乱丁(本のべーシの抜け落ちや順序の間違い
の場合はお取り替えいたします。瑚入された鷹店名を明記して「制作局」あてにお送りく
単行本編集責任:平井まみ
単行本デザイン:山本厚洋
○本棚の一部あるいは全部を無断で複製・転職・上演・放送等をすることは、法律で認め
られた場合を除き、著作者およ25出版者の権利の侵害となります。あらかじめ小社あて
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ISBN4-O9-188462-8