まゆ、まとうはらゆりこ もーお母さん!勝手にやらないでよ だって洋子なかなかやらないじゃないの 楽しみはとっておきたいの はじめましてこんにちは私は... 私ねずっとずーっとあなたに会いたかったの その日はじめて会ったその子は お弁当の卵焼きが好きで そして茹ですぎたブロッコリーが大嫌い ずっと髪の毛の長さを気にしていて うん...な、みんなに 帰る途中にあるケーキ屋さんの旬のタルトをいつも予想してる ふと笑うとすごく可愛い 自分で言ってて泣きたくなるぐらいならそんなこと言わなきゃいいのに だけどあなたは繭に籠って それをすべて隠してうつむいているから ずっと触れてあなたの形をなぞっているから 私ではあなたの心には触れられないから 今日の放課後僕が君のこと呼び出したんだ 敬語いいって言ったじゃん 横澤さんと話したくて声をかけたんだよ あなたの心に触れられる人なんだね 少し長く夢を見すぎたみたい... 声が届かないほど遠い少女の夢を ほしみや星宮女学園高等部には古い伝統がある。卒業を前 生のために自らの手で制服をつくる。 制服の息づかいを感じるほどと、伝統に憧れて入学し 楽に出来ない気持ちをさえに託したが...。 華が王子様の役割に息苦しさを感じていたことを から眩い髪の毛が舞い散った。 「闇の君」と噂され、寮の自室に籠り続けている星 線は誰よりも美しい髪を持つ学園長の孫娘である 知る日の記事取りについてしまった後に、途半ばら 今日もなんとか切り抜けた というか横澤さんもひどいよなぁ せっかくバラ園から連れ出してあげたんだから起こしてくれてもいいのにさ 昨日は結構楽しかったしまぁいいか 私にとっては大きな問題なの なにこれ...プレゼントにしては渋すぎない...?? 僕のこと待ってくれるのは嬉しいけどさ そこで待ってるのつらくない? 一度受け取ったら責任は持つことにしている 待ってなんかない... 私は...それが捨てられないか見届けるためにいるだけだし... 今ちゃんと受け取ったよ なにか伝えたくてここで待っているんじゃないの? ありがとうございました.. 昨日寝たままだったから... でもなんで梅昆布茶... そのまま私帰っちゃったし.. 甘いものをよく断ってたから嫌いなのかなって 甘いものをよく断ってたから嫌いなのかなって... 私佐伯さんのことなにも知らないし.. お礼が言いたかっただけだから 嫌いだったらおばあちゃんかおじいちゃんにでもあげてよ あともうこんな待ち伏せみたいなこともしないし関わらないから安心して 僕の好きなものは甘いもの あと柴犬が好きだな家で飼ってるんだ 特に好きなのはチョコ系のお菓子 あまり受け取らないのはいろいろと面倒だから本当は食べたいよ 苦手なものはあまりないけれど強いて言うならミニキャベツとかが苦手かな 僕も一緒だよ横澤さんのことなにも知らない 僕も教えて欲しいな横澤さんのこと 私も去年の入学式の後とてもドキドキしたわ お姉様の一番美しい時間を私たちは独占できるのだもの 妹はお姉様ひとりにつきふたりよ お姉様によって違いますけれど妹のやることは主にお姉様の髪のお手入れあと身の回りのお世話かしら 妹はお姉様からの指名制ですけれどどの先輩の妹になっても大丈夫よ 去年は薔薇園でしたしピクニックはどうかしらサンドウィッチもつくって 次のお茶会も星宮さんは出られないのかしらね どうしましょう席は減らせませんし... また佐伯さんはどうかしら最近声をかければ出てくれますし もうお姉様決まったの? それも一番人気の九条先輩 お姉様がお風呂から上がられましたよ どうやったらそんなすぐに指名されるの? そんなにかしこまらなくてもいいのよ すごく美しくて私なんかが触るのがもったいなくて... 宮田さんの髪に触れてもいいかしら? あの私まだお風呂に入っていなくて汚... 宮田さんの髪にはあの赤い瓶のオイルが.. 嫌な気分になってしまったかしら? ここで一緒に過ごしましょう いろいろ教えてあげるわ 改めて私の妹になってくださるかしら? この美しさに間違いはないのだから 絢音の髪はすごく美しいわ 星宮で番美しかった私以上に いえとてもいい式でした お母様が言っていた通りね 私九条絢音と申しますわ とても美しいからてっきり星宮さんかと... 星宮さんどうされたのかしら ごめんなさいそういえばお伝え忘れていましたわ 貴方のための席だってあるのに 星宮さんは一度ご実家に帰ってから来ると言っていました すべて私の落ち度ですわ 星宮さんを叱らないでくださいますか? ええもちろん叱ったりなんてしないわ 九条さんもご自分を責めないで... 先輩がたが優しくて私嬉しいです 私もぜひお願いしたいわ ねえ九条さん私の妹にならない? 美しさは私だけのものだった。 九条さんよほら女優のお子さんが生まれた後芸能界を辞められたけど お母様譲りの本当に美しい子ね お嬢さんも星宮に入るのね ほら入学したら仲良くしていただくのよ ほらお母さんの言った通りでしょう? それではここで星宮女学園の卒業生で ご紹介にあずかりました九条沙耶と申します 元女優でもあらせられる九条沙耶さんにご挨拶をいただきます この度私の娘の紅音も星宮女学園の門をくぐることとなりました 私の制服を娘に贈ることができないのは大変残念ですが、 この学園が紡いできた糸が娘の代まで途切れることなく受け継がれることを大変誇らしく思います。 私たちが守り続けたこの伝統が決して間違いではなかったということに他ならないからです 私たちはこの美しい楽園を... やはり九条さん四ツ谷さんの妹になられてしまいましたね 学年の一番同士お似合いということですよ けれど九条さん私はいつでも待っておりますわ 一度決めたものは卒業まで通すそれがここでの絶対の掟 あの絵画にもあるでしょう 神々の楽園の運命を紡ぐ三姉妹 彼女たちは世界樹の下で 千切れてしまわないように神々の楽園の行く末を紡いでいた けれどある日神のわがままで小さな綻びが生まれた その小さな綻びは...やがて大きく広がっていった 大地を潤していた泉は涸れ 青々と生い茂っていた世界樹はかつての輝きを失った いつしか運命を巻きつけていたやわらかな世界樹は岩に変わり 糸を潤す水は土埃に変わった 糸を弛ませてはいけない 糸は決して千切らせてはいけないわ 未来を司る妹が唇を震わせた 楽園が終わってしまいますわ ここのテーブルに座っても? ええすぐに用意させるわ お待ちしておりましたわ 心配しなくても素敵なお姉様に巡り会えたもの 今日星宮さんが寮にいらしたことは 言わないでおきましょう.. そこからあれが見える? そこにいるのは過去を司る長女のウルズ現在を司る次女のヴェルザンディ ひとり欠けているでしょう 描かれていないのは未来を司る三女のスクルドよ スクルドは楽園の終焉を予言した そして彼女は死と滅びをもたらした だからその絵は未来を排除したのよ けれど...私最近不安なのよ悪い予感がなんとなくするの 歳を取ったせいかしらね... 永遠にこの美しい学園が終わらないように: 毎年一番美しい寮組の卒業生の髪で紡いだ糸よ お母様から聞いたことがありますわ 私の髪の毛も紡がれているのよ 九条さんのお母様もここにおられるのね この糸は最初に紡がれた日から一度も途切れたことがないの だからこの先を辿れば必ず九条さんのお母様に繋がっているわ いえそれだけじゃないの はじまりの女たち。にも... そうこれは学園の... だから決して千切らせるわけにはいかない 来てくれないんじゃないかとドキドキしたわ 今日ここにふたりを呼んだのは 私が卒業するまでにどちらがふさわしいのか見極めたいと思うの いずれふたりのどちらかがこの糸を継ぐ者になるからよ 従うのは私の感情ではないわ それは*楽園を千切らせないために必要なこと 最高の状態で引き継いでいくこと 私が従うのはここの意志 九条さんどうかされた? あまりに美しくて見惚れていました そうならいいんだけれど 私星宮さんがいいと思いますわ 私個人を侮辱するならすればいいわ そんなに私を侮辱したいの? けどここを冒涜するのは許せない この学園が永遠に続くためにと未来を... 未来を司るスクルドが楽園の終焉を予言した そんなのただの噂にしか過ぎない 未来を描かなかったのは本当にこの学園を終わらせないため? 貴方はどう考えいるのか この学園で一番美しくて どんな身勝手な振る舞いをしても 未来を約束されている貴方には ここに間違いなんてないわ... ここが壊れてしまうぐらいなら ねぇ制服が息する音聞いたことある? 風でスカートがひらめいた時 冬休みが明けるとすぐに制服づくりがはじまります この制服のために我が校へ入学した子も多いのではないでしょうか 横澤さんそれじゃあ制服をよろしくお願いしますね ねえまだ決まっていないんでしょう? ここの地下にあるでしょう 選ばれた者は学園の永遠になるの 本当にそんなことあるのかしら どちらにするのか決め切れないまま先輩が卒業してしまったらしいのよ なにをお話ししているのかしら? みなさんただいま帰りました 私の妹宮田さんに言づけをお願いできるかしら 帰ってきてすぐで申し訳ないのだけれど お姉様申し訳ありません 今日は委員会の集まりがあったのでしょう? けれど汗をかくほど急いではいけないわ ハンカチは洗ってお返ししますね 人の制服の気持ちなんてわかんないよ 少し嫌そうな顔をしたと思ったらさ そこには君にしか見えない世界があって そんな君がすごく羨ましいんだ そこには星宮さんがいるんだ 王子様なんてやめちゃえ 外のほうが息がしやすいわ あら被服棟に私より美しいものでもあった? あんな憂いをおびた顔見たことがなくて 確かに通学組の中では群を抜いて美しいかたよね もちろんお姉様が一番美しいです 先生お時間いいですか? 例の件についてお伺いしたくて こちらでもあなたか星宮さんがまだ決められていないの... でも冬休みに入る前には決めるから待っててくださる? 本当は決まり切ったことなのだけれど はいお待ちしておりますわ 私があの子をどんなに排除しようと 私のひと時の楽園をつくったとしても 私お姉様の妹に選ばれた時 本当に嬉しかったんですの 学園に選ばれるのはあの子なのだから 僕のところに落ちてきて そうしたらもう離さない 君のために完璧な王子様になったんだ 地を這うぐらいはできるから 星宮先輩の窓から... なにが起こったのか私... そろそろ帰ってもいいですか? うんそうだね帰れそうだったら帰って というか横澤さんは大丈夫なの? あれはびっくりするけど 星宮さんってことには驚かなかった そろそろ乗り換えだから いつだって傷つくのは... 深入りしないほうが絶対いいって 食べに行こうって言ったじゃん どっちも最寄り駅だってネットにも書いてあったから 洋子の乗り換えの駅のほうが近かったんじゃない? 道によってはさっき降りた駅のほうが近いし そんなに一緒に食べたかった? 私がしたキスよりも!! 心動かされることなの...? なにか..悩んでることがあったら... なんでも相談のるから.. 全然自分らしくないってことぐらい嫌なほど知ってるよ... それよりもそろそろ帰ろうか ほら耳まで冷たい... 嫌なほど優しい触れかたで... あの日ハンガチを受け取ったのは 自分を変えたかったから あの日あなたの肌に触れたのは あなたが私と似ていると思ったから あの日唇にキスをしたのは あなたを知りたかったから 制服の上からじゃなにもわからないの どれだけ手をのばしても 眩くも危うい、続びには エンターブレインカスタマーサポート 本作品の全部または、一部を無断で複製、転載、配信、送信すること、あるいはウェブサイトヘの転載等を禁止します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行うことも禁止します。本作品購入時にご承諾いただいた規約により、有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することはできません。本作品を示すサムネイルなどのイメージ画像は、再ダウンロード時に予告なく変更される場合があります。本作品の内容は、底本発行時の取材け・執筆内容にもとづきます。また、ご覧になるリーディングシステムにより、表示の差が認められることがあります。